説明

治療的処置中に睡眠の質を維持し監視する方法および装置

本発明は、覚醒の開始を検出するために、生理学的信号および自発性呼吸事象を監視し、解釈する。覚醒の開始が判断されると、本発明は、覚醒を回避するか、または、最小にするために、治療デバイスの動作に必要な調整を判断する。一実施形態において、本発明は、患者の生理学的パラメータを検出する1つまたは複数のセンサ(10)と、センサ(10)から受け取る生理学的変数に基づいて、覚醒の開始を監視し、判断するコントローラ(12)と、コントローラによって制御される治療的処置デバイスと、を含む。センサは、覚醒の開始または睡眠傷害の開始を判断するために、本発明によって使用される生理学的パラメータを監視することができる1つまたは複数のデバイスの組合せであることができる。センサは、1つのユニットに一体にされることができるか、または、他と独立に動作してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
包括的に、本発明は、治療的処置の分野に関する。より具体的には、本発明は、患者の睡眠に悪い影響を与えずに、治療的処置を送出する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
患者に行われる多くの治療的処置は、患者が、寝ているか、または、寝つこうとしている間に行われる。これらの処置は、意図する結果を達成する場合があるが、これらの処置を受けている間、患者が得る睡眠の質に強く影響を与えることも多い。これらの処置は、患者の正常な睡眠の進行を妨げることが多く、一時的な覚醒を引き起こす。これらの覚醒は、患者を目覚めさせることにはならないが、覚醒によって、より深い睡眠段階すなわち質の高い睡眠状態から患者が引き戻されることが多い。患者は、比較的長い期間にわたって、これらのより深い睡眠段階に再び入らないことが多い。
【0003】
場合によっては、治療的処置は、多数回の覚醒を引き起こす場合がある。これは、患者の睡眠を断片化させ、患者が深い睡眠段階に達することを妨げる。調査が示したところによれば、断片化された睡眠によって、日中の過度の眠気が生ずる。次に、これは、多くの偶発症候(すなわち、患者の、全般的な傾眠感、認知性能の低下、および/または、日中の眠気)に対する直接の一因である。
【0004】
睡眠断片化を引き起こす治療的処置の一例は、睡眠障害の処置にある。連続陽性空気圧(CPAP、Continuous Positive Air Pressure)処置は、睡眠時無呼吸、低呼吸、および、いびきなどの多くの睡眠障害についての主要な療法である。CPAP処置は、患者の気道が自ら虚脱することを回避するために、睡眠中に患者の気道内に一定陽性空気圧気道流を送出することからなる。自動タイトレーションPAP(APAP、Auto−titration PAP)機器と呼ばれることが多い、最新のCPAP機器は、患者の呼吸パターンに対応するために、送出される空気の圧力を自動的に調整する。APAP機器によって引き起こされる患者の気道内に圧力の急速な変化。現行の、最新のAPAP機器の別の欠点は、APAP機器が、フォールスポジティブ(誤って検出され、伴って処置制御が変化するにもかかわらず、UARおよび/または自然な不整呼吸事象は、先取りされない、すなわち、発生しない時など)か、フォールスネガティブ(本当の上気道抵抗(UAR、upper airway resistance)および/または関連事象は、先取りされ、すなわち、実際に発生するが、検出されないか、または、処置制御の変化によって対応されない時など)のいずれかになりやすいことである。これは、一部には、APAP機器が吸気波形を正しく解釈することにこれらの機器が頼っていること、および、APAP機器が底流にある波形を解釈することに関連する不正確さのためである。これは、現行の最新のガス送出(または、ペースメーカデバイスなどの他の処置制御)デバイスが、浅い呼吸、UAR、覚醒を、適当なアルゴリズムで検出することができず、それらの確率、または、開始可能性を先取りする、すなわち、予測するのに十分にデバイスの計算による検出を適応させることができないこと、または、伴う睡眠断片化または睡眠の質の低下による可能性もある。
【0005】
吸気波形は、常に上気道抵抗に伴うわけではないが、上気道抵抗に伴う理由で、周期的に変動する。UAR関連事象を検出する主要な、すなわち、唯一の手段として吸気波形を使用することは、何の測度も記録されない時に、治療的な自動タイトレーションの測度が記録される可能性がある。これは、吸気波形解析技法が、基本となる時間経過計算方法を使用しないところでは特に明らかである。時間経過計算方法とは、以前呼吸シーケンス(以前の処置セッションから事前に格納されるか、または、現在のセッションから格納される呼吸データ)または現在の呼吸を比較し、覚醒または睡眠断片化の開始の推定された測度として、変動または変化を比較することを言う。極端に速いか、または、極端に鈍い圧力変化は、自動CPAP機器が、正常な非UAR事象を補正しようと試みる、または、微妙な浅い呼吸、低呼吸またはUARの存在をそれぞれ検出することができない時に起こることが多い。睡眠断片化の主要な原因は、現行のAPAP機器によって生じる患者の気道における急速な圧力変化であると信じられている。
【0006】
上記に加えて、調査が同様に示唆したところによれば、一部のAPAP機器は、浅い呼吸、中程度の低呼吸、またはUAR事象の開始または発生を正確に検出する能力が制限される。この制限は、波形を解釈する時の機器の制約による可能性もある。こうした中程度の低呼吸事象を誤診することによって、UARの増加を生じ、UARの増加は、次に、覚醒およびその後の睡眠断片化を生ずる。
【0007】
現行の最新の治療デバイスは、治療中に、覚醒を最適な状態で最小にするようになっていない。それぞれの患者の覚醒閾値は、変動するパラメータによって影響を受けるが、現行の最新のデバイスは、多数のこれらの変動するパラメータに対応するように、処置レベルを適応させることができる適応的制御アルゴリズムを有していない。これらの変動するパラメータは、(限定はしないが)睡眠不足または睡眠傾向などの睡眠履歴、生理学的要素、(限定はしないが)ストレスまたは不安を含む心理学的要素、温度、騒音、照明、振動を含む環境的要素、年齢の変化による覚醒に対する変動する閾値、薬剤およびアルコールの覚醒閾値に対する影響およびその他などの要素を含む。
【0008】
したがって、寝ているか、または、寝つこうとしている患者に処置を行う、現行の治療的方法の固有の欠点に鑑みて、患者の覚醒を監視し、覚醒を最小にするように治療的処置を適応させる装置および方法に対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の概要)
説明のみを目的として、本発明は、主に、患者へのガスの送出を制御する情況で述べられる。本発明が、他の治療的処置と一緒の使用に容易に適応可能であることは、当業者は容易に理解することができる。前記治療的処置は、換気サポートまたは支援デバイス、酸素治療デバイス、または、ペースメーカデバイスを含むことができる。したがって、本発明は、ガス送出の制御に限定されないことが意図される。
【0010】
本発明は、覚醒の開始を予測する種々の生理学的指標に対して治療デバイスを敏感にし、患者の治療的処置を変更する適応的アルゴリズムを使用することによって、治療的処置を受ける患者の睡眠の質を維持することが可能である。本発明の治療制御アルゴリズムは、a)経験的臨床データ、b)個々の患者が収集したデータ、または、代替(研究室)の収集されたデータ(睡眠研究室または他の代替のサイト内での診断的調査からの)、あるいは、c)リアルタイムで監視され、解析されたデータの任意の組合せに基づいて、リアルタイム動作中に適応する能力を有する。
【0011】
一実施形態において、本発明は、経験的臨床データを適用して、標準閾値構成を確立する能力を有し、標準閾値構成は、次に、現在の患者の状況が与えられると、治療デバイスの応答および性能を判断する。ガス送出デバイスの場合、圧力変化レート、絶対圧力変化量、最小送出圧力値、および最大送出圧力値などのパラメータを使用することができる。処置の完全性を維持しながら覚醒を最小にするために、レートおよび絶対圧力変化は、(単に例として)患者の現在の睡眠状態または患者の相対血圧を含む種々の患者の状態あるいは不整脈検出に応じて調整される。本発明は、覚醒の開始を予測するか、または、発生を検出するように設計された一定の基準データのセットに依存するように構成されることができる。
【0012】
一実施形態において、本発明は、任意の以前の患者データが有る状態か、または、ない状態で動作することが可能である。被検者が以前のデータまたは閾値示度を有していない場合、本発明は、標準化された経験的データ閾値設定によって動作を始めることができるであろう。デバイスが圧力変化を生成する間、または、呼吸の乱れが存在するか、または、呼吸の乱れの開始が予測される時はいつでも、本発明は、呼吸の乱れおよび覚醒の乱れを最小にするように制御特性を適応させることができる。制御特性とは、微妙な低呼吸、浅い呼吸、またはUARを検出するためのデバイス感度に加えて、被検者に送出されるレートおよび絶対圧力変化のことを言う。呼吸の乱れ、覚醒、または上気道抵抗は、気流形状モニタ、または、監視される生理学的なチャネルのより広範囲の組合せによって検出されることができる。最も簡単な構成では、本発明は、(呼吸マスク回路から導出される)気流信号の形状特性により、覚醒の可能性または上気道の流れの制限を記録し、指示することになる。この波形特性の検出は、シーケンス(1つ以上)の呼吸波形の形状の変化を検出し、次に、これらの変化を、低呼吸、浅い呼吸、またはUARの開始の可能性または実際の発生と関連付けることによって達成することができるであろう。
【0013】
一実施形態において、本発明は、上気道抵抗(UAR)の発生または起こり得る開始または、UARの変動、呼吸事象関連覚醒(RERA、respiratory event related arousal)または処置事象関連覚醒(TERA、treatment event related arousal)を指示することができると思われる気流形状の変動を検出するアルゴリズムを含む。これらの気流形状の変動(およびその他)は、CPAP、酸素濃縮、換気または他のガス送出または換気サポートを受ける患者の呼吸マスク内で検出されることができる。気流形状変動を検出する能力によって、本発明が、ニューラルネットワークなどの解析技法、または、自己学習およびアルゴリズム適応技法を採用することが可能な他の方法を採用することが可能になる。
【0014】
一実施形態において、自己学習および適応技法は、RERAおよびTERAの検出に特に適用可能である。RERAおよびTERAは、皮質または皮質下の活動を監視することによって、または、こうしたRERAの生成に伴う気流波の形状を検出することによって検出されることができる。別法として、気流および形状のみの解析方法を採用することができる。
【0015】
一実施形態において、本発明は、いくつか例を挙げると、パルス遷移時間(PTT、pulse transit time)パルス動脈トノメトリ(PAT、pulse arterial tonometry)、プレチスモグラフ波振幅、脳波図(EEG、electroencephalogram)、筋電図(EMG、electro−myogram)、および眼球電位図(EOG、electro−oculogram)などの、生理学的パラメータを使用して、患者のUAR、RERA、およびTERAを検出するようになっている。
【0016】
これらの技法を利用して、ガス送出圧力デバイス(酸素濃縮器、換気装置、VPAP、CPAP、APAPなど)は、UAR、RERA、およびTERA事象、または、こうした事象の開始を予測し、こうした事象を回避するように、処置を調整することができる。
【0017】
一実施形態において、覚醒を検出し、監視するプロセスは、睡眠呼吸障害と睡眠断片化の両方を減らすか、または、なくすように適応することができる自動化ガス送出処置アルゴリズムと同時にか、または、事実上リアルタイムで起こることができるであろう。本発明は、ガス送出デバイスの圧力調整が、難し過ぎてRERAおよびTERAの助長につながる時を認識するか、または、(広範囲な形状解析、および、おそらく患者固有の較正なしでは)あまり明白でない、すなわち、より微妙なSBD(UAR、低呼吸事象、および浅い呼吸など)を補償するのを失敗することを回避することができる。
【0018】
保護されることを求められる主題を容易にし、理解するために、添付図面で、主題の実施形態が示される。図面を点検することによって、以下の説明に関連して考えると、保護されることを求められる主題、その構成および動作、ならびに、その利点の多くは、容易に理解され、認識されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
A.全体的な概要
本発明は、治療的処置を受ける患者の睡眠の質を維持する装置および方法である。本発明は、覚醒の開始を検出するために、生理学的信号および自発性呼吸事象を監視し、解釈する。覚醒の開始が判断されると、本発明は、覚醒を回避するか、または、覚醒を最小にするのに、治療デバイスの動作に必要とされる調整を判断する。
【0020】
図1に示すように、一実施形態において、本発明は、患者の生理学的パラメータを検出する1つまたは複数のセンサ10と、覚醒を監視し、センサから受け取った生理学的変数に基づいて覚醒を判断するコントローラ12と、コントローラ12によって制御されるガス送出装置14と、を含む。センサ10は、本発明によって使用される生理学的パラメータを監視して、覚醒の開始または睡眠障害の開始を判断することができる1つまたは複数のデバイスの組合せであることができる。センサは、1つのユニットに一体化されることができるか、または、他と独立に動作してもよい。
【0021】
一実施形態において、本発明は、いくつか例を挙げると、パルス遷移時間(PTT)パルス動脈トノメトリ(PAT)、プレチスモグラフ波振幅、脳波図(EEG)、筋電図(EMG)、および眼球電位図(EOG)などの、生理学的パラメータを使用して、覚醒を判断するようになっている。
【0022】
一実施形態において、本発明は、気流の形状および音のシーケンスを監視し、解析し、計算するようにもなっている。患者の、呼吸波形プロファイル、あるいは、波形プロファイルまたは音のシーケンスは、特定の覚醒事象または睡眠呼吸障害に関係付けられる種々のテンプレートと照合される。
【0023】
一実施形態において、SBD、UAR、浅い呼吸の存在、または、それらの開始を解析し、計算することができる。
一実施形態において、本発明は、センサから複数の入力を受け取り、入力を複数のテーブルに挙げられる値と照合する。テーブルは、種々の呼吸波形プロファイルおよび生理学的パラメータまたは波形および生理学的データのシーケンスを識別し、この情報を特定の覚醒事象または睡眠呼吸障害と照合する。さらに、テーブルに格納された値に対して多数の係数および式を適用して、患者固有である変動に対応することができる。
【0024】
一実施形態において、本発明は、3つの異なるモードで動作する能力を有する。1つのモードは、デフォルトモードであり、経験的なデータが、最適な治療制御を計算するのに使用される閾値および基準データを確立する。本発明はまた、較正モードを含み、較正モードでは、本発明は、患者の許容度を求めるために、種々の設定に対する患者の反応を試験する。本発明はまた、適応モードを含み、適応モードでは、本発明は、最適な治療制御を利用して、覚醒事象またはSBDを最小にするか、または、なくす。
【0025】
(B.システム構成)
一実施形態において、本発明は、3つの主要な構成要素、すなわち、生理学的パラメータを監視するセンサと、治療的処置を施行する治療デバイスと、治療的処置の送出を制御するコントローラと、を含む。本発明は、説明のみのために、3つの主要な構成要素を有するものとして説明される。本発明の3つの主要な構成要素が1つまたは複数のデバイスに容易に一体化することができることを、当業者は、容易に理解することができる。
【0026】
一実施形態において、本発明は、複数のセンサを含み、その一部を使用して、上気道抵抗および気流が検出され、一部は、覚醒を判断するのに使用される生理学的パラメータを検出する。センサは、当技術分野で知られる任意の装置である可能性があり、覚醒を判断するのに使用される生理学的パラメータを検出し、測定し、または、計算することが可能である。センサは、単一の一体化機器または複数の独立した機器からなる可能性がある。センサは、知られている任意の方法でコントローラとつながる。
【0027】
一実施形態において、患者の気流および気道圧を検出するために、圧力変換器および呼吸気流計が、空気管または患者マスクと協働して、または、一体で使用される。生理学的パラメータを検出するために、本発明は、限定はしないが、EEG、EOG、EMG、ECG、パルスオキシメトリ、血圧、二酸化炭素監視、患者の位置を監視するベッド変換器、ビデオ処理システムおよび呼吸および呼吸音用のマイクロフォンなどのセンサを使用する。
【0028】
好ましくは、センサは、単一の患者マスクにすべて組み込まれる。適したマスクは、その全体が参照により組み込まれる、「Bio−mask with Integral Sensors」という名称の国際公開WO01/43804に開示される。マスクは、EMG、EEG、EOG、ECG、表面血圧、温度、パルスオキシメトリ、患者の音、およびマスク内のガス圧を検出することが可能なセンサを一体化されている。マスクは、酸素、CO、一酸化窒素、および他のガス、または、上述したガスの任意の組合せの濃度をリアルタイムで監視する、側部流または全面流のガスサンプリング能力を含むことができる。さらに、マスクは、患者へのガス送出用導管の役を果たす。
【0029】
一実施形態において、マットレスデバイスが、覚醒を検出するのに使用される。現在、上記機能を果たすことができる、2つの市販のマットレスが存在する。一方は、静電荷に敏感なベッド(SCSB、Static Charge−sensitive Bed)として知られ、他方は、フッ化ピリビニリデン(PVDF圧電プラスチック)ベッドである。
【0030】
一実施形態において、覚醒を監視するのに目の活動が、使用される。赤外ビデオ監視システムを、センサとして使用して、瞼の位置によって目の活動が判断される。ビデオ監視からの画像信号が、グラフィック処理プログラムによって処理されて、目の状態(status)が判断される。
【0031】
一実施形態において、本発明は、独特の複数標準無線インターフェースシステムを利用する。典型的には、制御データから生理学的無線信号を分離するのに、2つの個別の無線帯域が使用される。さらに、データへの許可されていないアクセスを回避するために、一体化した暗号化およびセキュリティが使用される。
【0032】
典型的な実施形態の例は、2.4GHzISMが、コントローラにインターフェースする無線ベースのセンサのインターフェースに適用される。ユーザのデータ閲覧および報告などの、患者の治療に影響を与えない、重要でないデータは、W−LANおよびブルートゥース(商標)無線デバイスを使用して、インターフェースされる。既存の無線システムを使用して動作させるところでは、複数の無線標準が、特に考慮すべき問題である。本発明のさらなる能力は、同じ無線帯域システムからの干渉を検出し、重要な信号およびその他の監視を、別の帯域へ切り換えるか、または、システム解析を無線信号なしの適応に変更することである。本発明は、ある範囲の無線電極デバイスと共に使用されて、追加の生理学的信号への容易な拡張およびアクセスを可能にする。
【0033】
一実施形態において、センサは、信号をコントローラに送信しながら、1〜2日の間、電池駆動される。無線監視能力によって、本発明は、被検者の睡眠中に、RERA、TERA、およびSBD関連(睡眠呼吸障害、sleep breathing disorder)信号を監視することが可能になる。さらに、被検者の睡眠中に、これらの電極を監視することができることは、(被検者のマスクから通常導出される、呼吸の気流、圧力、および音信号に加えて)多少増加した情報を与え、SPAPシステムが、閉塞性睡眠時無呼吸−低呼吸(OSAH、obstructive sleep apnea−hypopnea)およびUARを最小にしながら、RERAまたはTERAを最小にするための、最適な治療圧またはガス送出制御を提供することができるようにさせるであろう。
【0034】
ルーチンのCPAPまたは強化された(例えば、付加的な無線信号が適用された)CPAP動作中の、睡眠効率のこの比較は、患者にとっての睡眠効率オプションの点で、健康管理従事者および患者に価値のある情報を提供することができる。同様な方法で、患者は、治療呼吸マスクまたは他の部品である患者治療器または衣服に取り付けられることができる無線位置センサを利用するように選択してもよい。
【0035】
前記無線電極は、この無線技術が、患者の家庭または臨床環境などで、故障がなく、比較的容易に使用されることを可能にするいくつかの重要な機能を含む。本発明の電極を、使い捨て電極外装容器を取り除くと電池が作動するように包装することができる。この自動無線電極作動機能は、特に保管中に、電池寿命を自動的に維持することを可能にする。使い捨て電極包装の日付け表示による使用によって、電極品質および電池寿命が、確実に適当な期間内で使用され、ユーザを電池の経年劣化および電極の劣化から保護する。本発明の無線インターフェース式電極は、電極取り付けを簡単にするための自己ゲル化特性を備えることができる。使い捨て自己粘着性(または、再使用可能)電極システムを、患者が簡単な視覚ガイドを使用することによって取り付けることができる。
【0036】
センサは、生理学的データをコントローラ(処置制御に必要とされる前処理を組み込む)に入力し、コントローラは、データを受け取り、覚醒または覚醒の開始を判断する。一実施形態において、コントローラは、センサからのアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ処理回路を含む。アナログ処理回路は、前置増幅し、増幅し、調節し、フィルタリングする、知られている構成を利用して、アナログセンサ信号が、デジタル信号に変換されることが可能になる。場合によっては、センサは、デジタル信号を直接入力してもよい。
【0037】
一実施形態において、コントローラはまた、デジタル信号を受け取り、患者の状態、および、ガス送出デバイスまたは他の治療デバイスのための適切な設定を判断するプロセッサを含む。プロセッサは、データベースに格納された複数のテーブルを使用する。テーブルは、センサからの入力された信号を覚醒に関連付ける複数のエントリを含む。典型的には、多数の異なる生理学的パラメータが同時に入力され、パラメータはすべて、覚醒を判断する時に分解される。プロセッサは、それぞれのパラメータについて重み付けシステムを使用することができ、適切なアクションが、導出された指数値によって判断される。別の実施形態において、プロセッサは、一連の生理学的な値を一緒にリンクし、それをテーブルと比較し、テーブルは、リンクされた値のセットを覚醒と関連付ける。
【0038】
一実施形態において、本発明は、
睡眠断片化、無呼吸−低呼吸指数(AHI、apnea−hypopnea index)、RERA、睡眠アーキテクチャ、皮質覚醒、皮質下覚醒、PTT値、PAT値、HRV値、中枢性睡眠時無呼吸(CSA、central sleep apnea)発生、無呼吸発生、混合無呼吸発生、低呼吸発生、EEG棘波発生、EEG紡錘波発生、EEG複合波発生(出現)、EEG発作発生、バイコヒーレンスまたはバイスペクトル指数値、聴覚誘発電位指数、患者姿勢最適圧力値、患者睡眠傾向、患者睡眠状態
などの生理学的パラメータについての正常または許容可能な限界を含む、格納されたプロファイルを保持するテーブルを含むメモリデバイスを含む。
【0039】
コントローラは、治療デバイスとつながって、患者の処置レベルを制御する。コントローラは、患者の生理学的状況に対応するテーブルエントリ内で見出される処置レベルを使用することによって、適切な命令セットを判断する。プロセッサは、次に、命令セットをガス送出装置に伝達し、ガス送出装置は、命令セットを実行する。
【0040】
B.覚醒監視
図2に示すように、本発明は、種々の生理学的入力を使用して、患者の覚醒を判断し、こうした覚醒を最小にするように患者への空気の送出を調整する。睡眠状態が複雑で、かつ、変動し、診断することができる睡眠障害が広範囲であるため、覚醒を判断するために、多くの異なる生理学的パラメータが監視され、解析される場合がある。
【0041】
覚醒の最小化は、少なくとも1つの生理学的パラメータまたは信号を監視しながら、治療的処置を自動的に調整する能力を含み、監視される生理学的パラメータ(複数可)、信号(複数可)、または測度は、(限定はしないが)
血圧、患者の動き、患者の振動、患者の震え、患者の揺れ、パルスオキシメトリ、パルス波、EEG、EOG、EMG、患者の位置、患者の運動、呼吸音、気流信号、呼吸作用信号(複数可)、咽頭圧力信号、吐き出されたPCO信号、横隔膜EMG、経胸郭インピーダンス、電位図(ECG、electrocardiogram)、反射オキシメトリ、パルスオキシメトリ、酸素飽和度、鼻圧、気流圧、呼吸マスク気流、呼吸マスク圧、呼吸マスク音、呼吸音、呼吸圧、呼吸誘導プレチスモグラフィ、プレチスモグラフィ波、食道圧、鼻管センサ信号、鼻および口管センサ信号、口管センサ信号、熱電対センサ信号、サーミスタセンサ信号、PVD温度センサ信号、PVD音および振動センサ信号、PVD呼吸または気流信号、ニューモタック較正流れ、または睡眠ポリグラフ(PSG、polysomnograph)監視センサ電極または信号の他のルーチンまたは研究応用
を含むことができる。
【0042】
一実施形態において、覚醒は、EEGを使用して監視される。典型的には、前脳は、皮質覚醒を判断するために監視され、脳幹は、皮質下覚醒を測定するために監視される。覚醒の発生は、より高周波のEEG信号またはより低い背景周波数からアルファまたはシータ活動へのシフト、場合によっては、骨格筋の音の一時的な増加が特徴である。標準的なEEG電極配置およびプロトコルを使用して、覚醒が測定されてもよい。
【0043】
一実施形態において、本発明は、周期的脚運動(PLM、periodic leg movement)関連覚醒と呼吸関連覚醒とを区別する能力を含む。PLM覚醒と呼吸事象に伴う覚醒とを区別することは、特に、最適処置制御が、PLM関連覚醒に応答するのではなく、呼吸事象関連覚醒に応答する必要があるところでは、重要である可能性がある。
【0044】
本発明は、血圧変動から推測される皮質下覚醒を皮質覚醒(EEG)と比較することによって、PLMおよび/またはPLM覚醒を検出し、区別する。皮質覚醒を使用して、睡眠断片化および神経関連覚醒と、睡眠断片化と神経関連覚醒の両方およびPLM関連覚醒を一般に含む皮質下覚醒とを区別する。
【0045】
一実施形態において、覚醒の発生は、パルス遷移時間(PTT)を使用して判断される。調査が示したところによれば、無呼吸、低呼吸、または上気道抵抗などの睡眠障害は、付随する覚醒をもたらし、この覚醒は、心拍数の変化、一時的な交換神経活動のバースト、および血圧の急上昇を伴う。閉塞性睡眠時無呼吸は、閉塞性作用およびカーディオバリストグラム効果を伴う胸郭内圧力の明らかで、測定可能な増加と関連付けられることができる。カーディオバリストグラム効果は、肺が心臓に圧力を加える時に作成される。これは、心臓を圧縮し、心臓によって圧送される血液容積を減らす。これらの心臓血管の変化は、一時的であるが、患者の基線PTT値のかなりのディップによって認識可能である。
【0046】
PTTは、パルス波が、2つの動脈サイト間を移動するのにかかる時間である。血圧は、動脈の圧力波が移動する速度に正比例する。血圧の上昇は、速いパルス波、したがって、短いPTTに関連する。逆に、血圧の低下によって、パルス波が遅くなり、PTTが増加する。
【0047】
一実施形態において、PTTは、上述した生体マスク上に位置するセンサを使用して得られる。センサは、マスクから入力を受け取り、プレチスモグラフィ波形を生成する。第2センサは、マスクから入力を受け取り、ECG信号を生成する。波形および信号は、コントローラに入力され、PTTの示度が計算される。
【0048】
PTTは、ECG信号を組み合わせたパルスオキシメトリ技法によって得られるプレチスモグラフィ波形を利用することによって導出される。一実施形態において、ECGのR波またはQ波は、PTT測定の開始点として使用され、PTT測定の終了点は、最大パルス波高値の25%または50%を示す点である可能性がある。
【0049】
一実施形態において、EMG測定を使用して、患者の睡眠レベルが検出される。EMG監視によって、本発明は、患者の筋肉の緊張における睡眠関連変化を検出することが可能になる。睡眠状態は通常、ある筋肉における緊張の変化によって達成されることになる。覚醒は、通常、筋肉の緊張を増加させる。
【0050】
一実施形態において、横隔膜からのECGおよびEMG信号を、一緒に監視して、閉塞無呼吸に代わるものとして中枢性無呼吸対に関連する呼吸作用が検出される。ECG電極は、横隔膜関連呼吸作用を胸郭呼吸作用と区別するために患者の上で構成される。中枢性無呼吸中に、呼吸作用なしの、呼吸の停止が存在するであろう。これは、閉塞性無呼吸と明確に異なり、筋肉活動は、閉塞した気道を取り戻す呼吸作用が増えた結果として増加する。
【0051】
一実施形態において、覚醒を判断するのに役立つように、患者の目の動きが監視される。一技法は、瞼の活動(すなわち、瞼が閉じたか、開いたか、または、開く程度)を判断するために、デジタルビデオ記録、および、知られているグラフィック処理技法を使用することを必要とする。
【0052】
一実施形態において、呼吸マスク内で得られる気流波形および圧力波形の広帯域解析(DC〜200Hz以上の周波数)において明らかな波形信号の乱れの存在を監視することによって、覚醒が、検出される。無呼吸事象、浅い呼吸、上気道抵抗、および低呼吸事象はまた、気流波形および圧力波形の広帯域監視の形状変化の解析によって、検出され、先取りされることができる。
【0053】
一実施形態において、覚醒の監視に加えて、他の生理学的パラメータを監視して、患者の身体的状態が判断されてもよい。本発明は、生体マスク内のセンサを利用して、心拍数、ECG、呼吸数、いびき音、気流、空気圧、およびO飽和度を求めることができる。従来の方法を、本発明に組み込んで、血圧およびCOを監視してもよい。患者の睡眠位置はまた、圧力変換器またはマットレスデバイスを使用して、監視されてもよい。
【0054】
患者がCPAP処置を受けている一実施形態において、覚醒監視はまた、(RERAを誘導する場合がある)UARを判断するために、患者の呼吸に伴う圧力および気流を監視することを含む。RERAを防止するために、睡眠時無呼吸症状、すなわち、吸気の流れの制限(平坦化)、いびき、および流れの振幅の減少(低呼吸および無呼吸)を指示する多数のパターンを検出することが必要である。図3に詳述するように、本発明は、UARの存在を判断するために、患者への、また、患者からの気流を解析する。
【0055】
「呼吸検出」構成要素は、個々の呼吸のリアルタイム検出および特徴付けを実施する。吸気および呼気のピークの検出は、6個までの連続する呼吸を含むことができる比較的長い情況に基づく、(実際の呼吸を雑音から分離するための)呼吸ピークの「局所的」平滑化および「大域的」検出を含む。呼吸解析は、吸気間隔の正確な検出および吸気中の流れの特徴付け、すなわち、平坦化、いびき、および吸気振幅ならびに2、3他の指数を含む。
【0056】
「時間間隔ベースの処理」構成要素は、呼吸ではなく、呼気の時間間隔に基づいて導出される圧力および流れ信号の解析を実施する。この構成要素は、無呼吸などの呼吸が識別できない時、または、マスクが顔からはずれた時に必要である。
【0057】
コントローラは、2つの上述した構成要素によって提供される呼吸ごとに、また、時間間隔情報ごとに、圧力調整信号を生成する。コントローラは、流れの制限、いびき、呼吸振幅、圧力漏れ、および他のパラメータの指標の種々の組合せを包含する規則の集合として実施される。
【0058】
一実施形態において、呼吸検出の主な方策は、吸気および呼気の間隔の指標として、最大および最小点(流れの信号レベル)を使用することである。吸気は、流れの信号の正の変位に関連し、呼気は、負の変位に関連する。しかし、流れの信号は、大量の雑音によって汚染されると思われ、実際の呼吸パターンを検出する前に流れのデータを平滑化することが必要である(ボックス10050)。吸気および呼気のピークの正確な検出のために、流れの信号内で、ピークを局所的最大および最小と混同することを防止するように、比較的長い情況を使用することも必要である。
【0059】
局所的平滑化には、2つの主要なタスクが存在する。第1に、流れの信号からすべての局所的な最大および最小点が検出され、それぞれの最大点は、吸気ピークの場所についての初期候補として規定され、それぞれの最小点は、呼気ピークの可能な場所についての初期候補として規定される。第2のタスクは、雑音信号である可能性がある、「比較的小さな振幅」を有する一部の最大および最小点を平滑化することである。局所的平滑化の結果として、「比較的大きな振幅」を有する最大および最小点のみが、保持され、流れの信号は、十分に平滑化されたと考えられる。この局所的平滑化のこのシーケンスは以下のように述べられる。
【0060】
1.流れのデータのセットからすべての局所的な最大点を検出する。
2.それぞれの最大点について、最大−ピークと呼ぶパターンを形成する。そのパターンでは、最大点は中心に位置し、データは、左側では単調増加し、右側では単調減少する。現在の流れのデータセットについて、最大−ピークパターンのセットを得る。
【0061】
3.同じデータセットについて、すべての局所的な最小点を検出し、同じ方法を使用して、一連の最小−ピークパターンを得る。
4.それぞれの最大−ピークおよび最小−ピークについて、信号の変動および持続期間などの多数のパラメータを計算する。これらのパラメータは、検出された最大−ピークおよび最小−ピークパターンの一部が、実際に、雑音であるかどうかを試験するための測定値として使用される。
【0062】
5.隣接する最大−ピークおよび最小−ピークのシーケンスを解析し(すべてのシーケンスにおいて、最大−ピークの数が最小−ピークの数を1つだけ超えるべきであるか、または、別法として、最小−ピークの数が最大−ピークの数を1つだけ超えるべきである)、近似誤差が、結果として得られる最大−ピークまたは最小−ピークの変動および持続期間パラメータより大幅に小さくなるように単一の最大−ピークまたは最小−ピークによって、シーケンスを近似することができるかどうかをチェックする。
【0063】
6.雑音信号平滑化のために、流れの信号を近似するのに、区分的線形法を使用する。
7.比較的大きな振幅を有する最大−ピークが保持され、それぞれの「保持された」最大−ピークについて、「増加期間」(左側)と「減少期間」(右側)の両方は予め決めた閾値(0.75s)より短い。
【0064】
8.ある方法が、最小−ピーク平滑化処理に適用される。
局所的平滑化は、基本的に、比較的小さな振幅および短い持続期間を有する雑音信号を排除するように設計される。結果として、大量の最大および最小点を、吸気および呼気のピーク用の「候補」の一覧から排除することができる。局所的な平滑化処理は、別々の「増加期間」または「減少期間」を形成することができ、「増加期間」または「減少期間」内の信号は、吸気または呼気の半分の持続期間の「可能性」に対応する。この「半分の持続期間」の平滑化処理は、小さな雑音信号を削除する一手法である。一方、「半分の持続期間」の手法は、一部の比較的大きな雑音およびアーチファクトを含む流れのデータを平滑化する能力に欠ける。
【0065】
呼吸検出における別の困難な問題は、呼吸パターンの変化に関連する。流れの信号は、患者の呼吸の「方法」を変える患者によって影響を受けることが多い。換言すれば、信号レベルが増加するか、または、減少する一部の期間は、吸気または呼気ではなく、患者の呼吸の「行動」の変化に関連する。局所的な平滑化は、これらのタイプの最大−ピークまたは最小−ピークを排除することはできない。しかし、一部の大域的測定値を使用して、これらの「ありそうもない」最大−ピークまたは最小−ピークを効率的に検出することが可能であり、これは、呼吸ピークの大域的検出(大域的平滑化)(ボックス10080)の背後にある考えである。大域的平滑化において、複数の連続する呼吸をチェックして、吸気または呼気のピーク用の候補一覧から、一部の最大−ピークまたは最小−ピークがさらに不適格と認定される。
【0066】
比較的長い(3.5分までの)時間間隔について、連続する最大−ピーク(最小−ピークも同様に)の対について、条件が試験され、いわゆる、最大−対(または、最小−対)のセットが形成される。次に、一連の最大−対が、最大−列として示される、同じ「パターン」を有する最大−対のセットを得るための多数の条件が生成される。同じ処理が実行されて、最小−対から最小−列が生成される。したがって、大域的平滑化には、2つの主要な部分、すなわち、最大−対(最小−対)の生成(ブロック10100)および最大−列(最小−列)の生成(ブロック10110)が存在する。以下のパラグラフは、最大−対および最大−列の処理を簡潔に概説する(最小−対および最小−列の生成は、それぞれ同じ方法を採用する)。
【0067】
最大−ピークのセットの出発点から、最大−ピークパターンの対が求められ、以下の条件を満たさなければならない。すなわち、
(1)2つの最大−ピークの間の持続期間は、呼吸の最小持続期間(0.75s)より長くなければならない。
【0068】
(2)2つの最大−ピークの間の持続期間は、呼吸の最大持続期間(10s)より短くなければならない。
(3)最大−対の中には、中間的な最大−ピークは存在しない。中間的な最大−ピークパターンは、中間的な最大−ピークパターン内の最大点の信号レベルが、最大−対自体の中の最大点の信号レベルの80%より大きいとして規定される。
【0069】
この探索処理は、最大−対のシーケンスを得るために、最大−ピークパターンのセット全体にわたって実行される。
(4)それぞれの最大−対について、多数の統計的測定値が計算される。これらの測定値は、元の流れの信号とそれぞれの最大−対の中の近似ラインの間の差に基づく。
【0070】
この処理において、2つの主要な出力が存在する。1つは、吸気ピークの最終セットに1段階近い最大−対のセットであり、別のものは、最大−対の「形状」を表すのに使用される多数の統計的測定値である。その後の、最大−列の処理において、本発明者等は、「類似度」試験を実行するのに、これらの統計的測定値に頼るであろう。
【0071】
最大−列の処理で使用される主要な方法は、「類似度」試験と呼ばれる。すなわち、本発明者等は、最大−対のシーケンス内で「類似度」を測定して、最大−列として示される、「類似度」パターンを有する最大−対のシーケンスを形成する。「類似度」試験をパスする最大−対のみを、最大−列に含むことができる。最大−列の背後にある考えとは、
i.連続する期間(3〜6呼吸期間)にわたる正常呼吸のシーケンスは、同じ形状を有するべきであり、このパターンは、短い期間にわたっても、大幅に変わるべきではない。
【0072】
ii.最大−対が、この正常な呼吸パターンと同じでない場合、最大−対は、呼吸事象(無呼吸または低呼吸)ではなく、すなわち、流れの信号内の何らかの雑音/アーチファクトパターンであると思われる。
【0073】
最大−列の処理の簡潔なアルゴリズムは、以下の通りである。
1.それぞれの候補の最大−対は、まず、候補と基準の最大−対の間の距離として規定される、最小持続期間要求を満たさなければならない。
【0074】
2.それぞれの単一の候補から始めて、本発明者等は、最大−ピーク(最小−ピーク)の、持続期間、信号レベルの変動、形状などの多数のパラメータを計算する。本発明者等は、次に、この候補グループについて、これらの候補の中から類似度をチェックする要素すべてについて、平均、偏差、平均および最大誤差などの一部の統計的測定値を計算する。
【0075】
3.類似度の条件が満たされる場合、最大−対のグループは、最大−列として形成される(ボックス10120)。そうでない場合、処理は、すべての最大−対がチェックされるまで、次の最大−対へ移動する。
【0076】
4.同じ方法が、最小−列の処理に適用される。
5.最大−列および最小−列のセットを使用して、本発明者等は、ここで、吸気期間に関連する流れ信号レベルの大域的最大点の場所、および、呼気期間に伴う最小点の数を検出することができる。
【0077】
大域的な最大−ピークおよび最小−ピークのアレイは、それぞれの呼吸の推定された場所、すなわち、吸気ピークおよび呼気ピークを提供する。呼吸事象を検出するために、これらの呼吸を綿密に調べる必要がある。調べることは、
1.吸気間隔の開始点と終了点を検出すること(ボックス10130)、
2.流れの平坦化を実施すること(ボックス10150)、いびきの解析(ボックス10160)、および、他の呼吸パラメータの計算
を含む。
【0078】
平滑化処理中に、線形近似法を使用して、最大−列および最小−列のデータセット内の最大点および最少点を除いて、流れのデータが平滑化される。しかし、呼吸解析のために、呼吸解析処理を実行する前に、基準として最大点および最小点を使用して流れの生データを「回復する」ことが必要とされる。
【0079】
吸気を検出するのに2つのステップ、すなわち、推定および微細調整処理が必要とされる。吸気間隔推定のために、仮定することは、吸気中における、取り込まれる(in−take)流量が、呼気中に「吐き出される」流量と同じであるべきであることである。基準としての、流れの信号内の最大点および最小点を使用して、本発明者等は、吸気間隔、すなわち、流れのデータの面積を計算することに基づく吸気の開始点および終了点を推定する。
【0080】
しかし、この方法は、吸気検出の精度に影響を与えることになると思われる2つの問題をもともと有する。第1に、流れがマスクで測定されると、吸気期間中とそれに続く呼気期間中の流量は、特に、患者が口を使用して呼吸する時には同じでない場合があり、本発明者等は、この問題を「流れ不均衡」と呼ぶ。第2に、「面積無感応」問題が存在する。患者が吸気を始めると、流れのレベルは、急速に増加するが、流れの面積の測定値は、流れの信号自体の変化よりずっと遅い積分処理である。換言すれば、流れの面積の変化は、流れの信号が急速に変化する吸気の開始点を正確に測定するのに十分な感度がない。
【0081】
流れの面積は、吸気の開始点および終了点を含む、吸気間隔を推定するために第1に計算される。呼気期間の開始点は、単に、以前の吸気期間の終了点として規定され、呼気期間の終了点は、その後の吸気期間の開始点であるか、または、この点が、本発明者等の制御アルゴリズムにおいて何の役にも果たさないとして無視されることができる。吸気期間の推定された開始点から始めて、線形近似法は、流れの信号の増加する期間中に「破損点」を検出し、この破損点は、吸気間隔の開始点として規定される。同じ吸気期間の終了点は、信号レベルが、吸気の開始点の信号レベルと同じであるが、信号レベルが最大点を通過してしまっている点として単に規定される。
【0082】
先に述べたように、本発明は、3つのタイプの呼吸事象、すなわち、無呼吸と低呼吸、いびき、および吸気流れ制限を検出する必要がある。第1のタイプの事象(無呼吸および低呼吸)は、吸気流れの減少に伴い、これは、呼吸検出から直接にわかる可能性がある。いびきと吸気流れ制限の両方は、「異常」呼吸期間中に発生する可能性が高い。「正常な」呼吸について、吸気流れの上部の信号の「形状」は、「丸く」、比較的滑らかに見える。いびきが存在すると、図4に示すように、高周波数の流れ信号が、吸気中に見える。吸気流れ制限は、患者が、吸気期間の最初の半分の間で、連続する流れの増加を生成することができない事象として規定される。結果として、吸気流れのピークの流れ信号は、図5に示すように、「平坦」になる。平坦化解析において、本発明者等は、最小二乗誤差(LSE)に従って、吸気の上部の流れ信号に最もよくあてはめることができる基準「平坦」ライン、を求め、次に、この期間中の、流れ信号と基準「平坦」ラインの差が、平坦化誤差として計算される。基準ラインの種々の選択について、多数の平坦化誤差が存在する。最も小さい値を有する平坦化誤差は、平坦化指数として規定される。次に、平坦化指数を使用して、流れ制限が測定され、平坦化指数が小さければ小さいほど、吸気流れ制限が、ますます厳しくなる。いびき指数も利用されて、いびきの程度が指示される。いびき指数は、吸気流れの上部の高周波信号量の測定値として規定される。
【0083】
C.動作
本発明の一実施形態の動作フローチャートが図6に示される。説明のみのために、本発明は、CPAP機器と共に使用するのに適応した実施形態で説明されるであろう。本発明が、他の知られている治療デバイスと共に使用するのに容易に適応するか、または、治療デバイス内に容易に組み込まれることを、当業者は容易に理解することができる。
【0084】
本発明は、センサからの有効な信号を受け取ることを確認するようにチェックする。(ボックス2)。信号が検証されると、信号が解析されて、覚醒の開始が検出されたかどうかが判断される。(ボックス5、6、7、および8)。解析に使用されるデータは、ユーザによって確定される。
【0085】
一実施形態において、本発明は、覚醒およびSBDについての患者固有の閾値を求めるために、異なる強制振動処置(FOT、forced oscillation treatment)を使用する能力を有する。FOTからの結果を使用して、CSA、OSA、OSAHS、RERA、およびTERAの開始を回避するか、または、発生をなくすための、適切な治療応答を求めるのに使用されるテンプレートが作成される。(ボックス3)。これらのテンプレートまたはプロファイルは、被検者の睡眠または呼吸状態のそれぞれの特定の段階において、患者特定の診断調査または適切なFOT処置から求められる。
【0086】
本発明は、圧力の強制振動または気流圧の変化を利用することによって、患者固有のFOTテンプレートおよびプロファイルを得て、これらの微妙な処置の変化から生ずる気流形状の変化が、覚醒(TERAまたはRERA)あるいはOSAHおよびUARの発生または開始を指示する形状またはプロファイル特性を消すことができるかどうかが判断される。本発明は、こうした事象の対応策をとるために、圧力変化値および変化レートを変えることができる。
【0087】
本システムは、睡眠研究室の調査、または、他のタイプの以前の睡眠、呼吸、および/または、心臓関連研究からダウンロードする手段を提供する。固有のデータは、被検者の呼吸および睡眠覚醒パラメータに関与しており、固有のデータを使用して、睡眠断片化を最小にし、睡眠の質を最適化しながら、UARS、OSAHS、RERA、およびTERAの発生を最小にするように、ガス送出デバイスが、感度がよく、正確であるようにカスタマイズされる。(ボックス23)。それぞれの患者は、独特の呼吸回路および関連する経路を有する。患者のすべての睡眠段階中における、その後の呼吸波形は、患者ごとに変わるであろう。本発明が患者の個人的な経験データに対応することができることによって、感度がよく、効率的な処置アルゴリズムを作成する手段が提供される。
【0088】
一実施形態において、覚醒の開始が判断される場合(ブロック11)、本発明は、CPAPが圧力変化を引き起こしたかどうか(ボックス13)、または、事象がUARの存在によって生じたかどうか(ボックス14)を判断する。CPAP機器に起因する圧力変化が存在しなかった場合、本発明は、覚醒の開始が、RERAまたは別の形態の覚醒によって引き起こされたと判断する可能性があるであろう。CPAP関連の圧力変化が存在した場合、本発明は、覚醒の開始が、圧力変化または何らかの他の事象に起因したかどうかについて判断することになる(ボックス15)。その後、生理学的信号および患者呼吸の流れに基づいて、適切な療法が選択されるであろう。(ボックス18)。
【0089】
一実施形態において、本発明は、経験的データに適応するという判断を利用することができる。(ボックス20)。これによって、本発明が、患者の生理学的反応に対してより適切に感度がよくなる。
【0090】
覚醒の最小化は、少なくとも1つの指数または導出されたデータセットに基づいて治療的処置を自動的に調整する能力を含み、指数または導出されたデータセットは、
上気道抵抗(UAR)、呼吸作用関連覚醒(RERA)、治療制御事象関連覚醒(TERA)、呼吸障害指数(RDI)呼吸覚醒指数(RAI)、無呼吸−低呼吸指数(AHI)、覚醒(微小覚醒)、覚醒(皮質)、覚醒(皮質下)、覚醒(すべて)、総覚醒時間、睡眠段階、REM睡眠、睡眠開始、体の動き、覚醒で分裂した睡眠の割合(分裂したすべての段階の分類)、睡眠効率指数、睡眠断片化指数(1時間当たりの新しい、SFIの総睡眠断片化覚醒)、気流形状傾向、気流形状テンプレートタイプ、平坦化指数、強制振動事象、圧力変化事象、圧力変化レート、圧力変化事象曲線、圧力変化事象最大および最小、混合睡眠時無呼吸事象、中枢性睡眠時無呼吸事象、上気道抵抗症候群(UARS)事象、閉塞性睡眠時無呼吸および低呼吸症候群(OSAHS)事象、関連する呼吸作用覚醒のスクリーンにリンクした制限を有する呼吸作用関連覚醒(RERA)、圧力変化および覚醒のスクリーンにリンクした制限を有する治療制御関連覚醒(TERA)、睡眠品質指数(新しい、1時間当たりの睡眠指数係数)品質関連覚醒、酸素脱飽和、パルス遷移時間(PTT)、パルス動脈音(PAT)、パルス波振幅(PWA)、脱飽和事象およびSpOアーチファクト−カスケード脱飽和の正確な検出、SpOアーチファクトを内部に有する脱飽和、SpOアーチファクトの開始および終了位置、部分的な回復または短い回復を有する呼吸事象の検出シーケンス、雑音があるか、または、品質の低い作用信号による呼吸事象の分類、チェーンストークス呼吸の検出エピソード、任意の2つの指定されたデータセット間のスコア比較を可能にする検索能力、ニューモタック較正流れ、熱センサの流れ、呼吸作用信号の合計、EEG覚醒、PTT、プレチスモグラフ波、経胸郭インピーダンス、以下の事象を含む拡張された自動事象のセットについての検出およびスクリーングリッドハイライトの許可、閉塞性睡眠時無呼吸/低呼吸事象または症候群(OSA、OSH、OSAHS)、呼吸作用関連覚醒、中枢性睡眠時無呼吸(CSA)、中枢性睡眠時低呼吸(CSH)、チェーンストークス呼吸、過小換気、あくび、睡眠状態の変化または深い睡眠段階の開始に関連する不安定な呼吸、嚥下、せき、自発性か、または、不整であるが、正常な形状の呼吸信号、導出された一回換気量(鼻圧または較正された流れからの)、導出された流れ制限指数(鼻圧または較正された流れからの)、導出されたいびき(鼻圧または較正された流れからの)、導出された横隔膜EMG振幅、導出された上気道抵抗(マスク圧、咽頭圧力、および較正された流れからの)、導出された皮質下覚醒(PTTまたはプレチスモグラフ波振幅からの)、せき、ぜいぜいとする息、ぜん鳴、無呼吸、および低呼吸などの種々の呼吸障害への区分化による呼吸マスクおよび/または気流音解析
を含むことができる。
【0091】
すべての選択された事象(上記からの拡張された事象群のセットおよび現在の事象のセットとの組合せ)について、ユーザは、測定信号のセットを選択し、事象について検出パラメータを設定することが可能になる。これによって、本発明が、2以上の信号を同時に使用して、事象を検出し、2以上のシナリオを使用して、事象を検出することが可能になる。以下は、規定された事象の例である。
【0092】
RERA−
1.2、3の流れを制限された呼吸の後の平坦な吸気プロファイルの破損
2.EEGの周波数偏移、EMGの振幅の増加
3.その後の脚運動活動
4.圧力増加なし(CTRL信号)。
【0093】
脚運動関連覚醒−
1.脚運動活動の増加
2.EEGの周波数偏移、EMGの振幅の増加
3.必ずしも吸気中というわけではないが吸気中の吸気プロファイルの破損
4.圧力増加なし(CTRL信号)。
【0094】
自発性覚醒−
1.EEGの周波数偏移、EMGの振幅の増加
2.脚運動活動の(またはEEG/EMG変化後の)増加なし
3.必ずしも吸気中というわけではないが吸気中の吸気プロファイルの破損
4.圧力増加なし(CTRL信号)。
【0095】
圧力増加関連覚醒−
1.タイトレーションアルゴリズムによる圧力の増加
2.その後の、EEGの周波数シフト、EMGの振幅の増加
3.脚運動活動の(またはEEG/EMG変化後の)増加なし
4.必ずしも吸気中というわけではないが吸気中の吸気プロファイルの破損。
【0096】
本発明は、患者が睡眠段階に入るまで、圧力処置の適用を制限することによって、覚醒を大幅に減らし、この圧力は、有害な患者の不快を受けさせない、すなわち、引き起こさない。患者に送出される空気圧は、患者の睡眠状態に応じて単調増加または単調減少する。生理学的パラメータが監視される間、圧力は単調増加する。生理学的パラメータが覚醒(微小覚醒)の開始を指示すると、連続して圧力を単調増加することを可能にする、患者がより深い睡眠レベルになるまで、圧力が維持されるか、または、減らされる。圧力は、それに応じて、下方に減少する。
【0097】
コントローラ12は、圧力変化のための規則の組合せとして実施される。すべての圧力変化規則は、圧力変化の大きさと符号、および、圧力変化を作動することができる圧力値の許容範囲、ならびに、時定数、タイムアウト、および強制振動ロジックを含む多数の付加的なパラメータを指定する。すべての圧力変化規則は、その条件の各論理的組合せが真である場合作動する。一実施形態において、圧力変化規則は、規則のセットにおいて任意の単一の規則が満たされる場合、論理的OR−圧力変化によって、圧力変化規則が組み合わされる。2つ以上の規則が満足される場合、よい高い優先度を有する規則が優先する。
【0098】
種々の圧力変化規則についての条件は、多数の生理学的シナリオを表す。すなわち、
多数の後続の呼吸にわたる流れの制限(平坦化)−圧力増加
多数の後続の呼吸にわたる流れの制限(平坦化)およびいびき−圧力増加
1つまたは2つの呼吸にわたるいびき−圧力増加
低呼吸−圧力増加(閉塞性低呼吸と中枢性低呼吸を区別するために、PTT、ベッドまたはマットレス信号などの付加的な情報を使用することが推奨される)
無呼吸開始の検出−強制振動開始
強制振動による、低いレベルの上気道コンダクタンス−圧力増加(閉塞性無呼吸が検出される)
流れの制限なし(丸い呼吸形状)−漸進的な圧力減少
大きなピーク−4cmH2Oへ圧力減少
3分にわたって気流なし−4cmH2Oへ圧力減少。
【0099】
本発明は、適応的アルゴリズム技法を適用することによって、変動する覚醒依存要素を克服することが可能である。適応的アルゴリズム技法は、経験的臨床データを適用して、標準閾値構成を確立する能力を有し、標準閾値設定は、次に、ガス送出特性によって、デバイスの応答および性能を判断する。適応的アルゴリズム技法はまた、閾値特性のセットを適用する能力を有する。
【0100】
一実施形態において、これらの閾値特性は、圧力変化レート、絶対圧力変化量、最小送出圧力値、最大送出圧力値などのパラメータを変えることができる。これらのレートおよび絶対圧力変化を、(単に例として)患者の現在の睡眠状態または患者の相対的な血圧または不整脈検出を含む前記患者の種々の状態に従って変えることができる。本発明は、所定の動作モードで構成されることができ、睡眠呼吸障害を最小にしながら、TERAおよびRERAの開始を予測し、または、発生を検出するように設計された、一定の基準データのセットに依存するアルゴリズムによって、アルゴリズム適応機能が、使用不能にされるか、または、置き換えられることができる。
【0101】
一実施形態において、本発明は、医療専門家が、それぞれの特定の患者にとって望ましくない医療状況を防止することができる種々の閾値を設定することを可能にする。例えば、中枢性睡眠時無呼吸が、ECG、パルス波の増加すなわち望ましくない変化または測度、あるいは不整脈と共に検出される場合、ガス送出デバイスの動作が増大されて、患者の状況を安定化させる。場合によっては、この安定化は、圧力送出の即時停止を含む場合がある。例えば、中枢性睡眠時無呼吸(気道閉塞に代わるものとして脳の指令によって作動した呼吸停止)などの事象中において、気道閉塞のない状態での強制圧力送出は、被検者の血圧または心臓機能を悪化させる場合がある。
【0102】
本発明は、任意の以前の患者データ(例えば、特定の気流形状特性または種々の閾値)が有る状態か、または、ない状態で動作することが可能である。被検者が以前のデータまたは閾値示度を有していない場合、本発明は、標準的な経験的データ閾値設定によって動作を始めることができるであろう。デバイスが圧力変化を生成する間、または、呼吸の乱れが存在する時はいつでも、本発明は、呼吸の乱れおよび覚醒の乱れを最小にするように制御特性を適応させることができる。
【0103】
一実施形態において、覚醒の監視は、本発明が、CPAP睡眠障害検出能力を増大することを可能にする。中程度の低呼吸事象中に、フォールスネガティブが発生することが多い。CPAP機器が、呼吸障害を検出することができない最小気流限界が通常存在する。しかし、こうした中程度の事象は、患者において覚醒を引き起こすのに十分なUARを生成することが多い。こうした覚醒の開始の検出によって、CPAPがたとえ事象を検出できなくても、本発明が、CPAPからの補正応答を始動することが可能になる。
【0104】
一実施形態において、処置モードは、現在のCPAP設定を増大するために、テーブルに格納された呼吸パターンテンプレートを利用することを含む。これらの動的に割り当てられる呼吸パターンテンプレートは、CPAPユニットの制御特性を変えることによって、CPAPアルゴリズムを補う。テンプレートは、患者の睡眠を最適にし、患者の覚醒を最小にしながら、特定の患者の圧力要求を満たす。
【0105】
一実施形態において、本発明は、処置の開始が、事前に規定した睡眠状態、覚醒活動レベル、および/または、所定の睡眠障害を受けた呼吸活動によって決定されることを可能にする。既存の最新のガス送出処置デバイスに関して患者が経験する困難さの1つは、患者が寝つこうとしている間に、患者に加えられる陽性空気圧から受ける不快さである。
【0106】
既存の最新のデバイスは、遅延開始機能を提供する能力を有する。この遅延機能は、処置圧力が、ゆっくり増加するか、または、規定の開始圧力値まで単調増加する前に、時間遅延を提供する。しかし、患者の眠気は、夜ごとに変わるため、患者は常に、睡眠開始時刻を予測できるわけではない。規定の遅延時間の概念は、心理的な不安を提供する可能性がある。それは、患者が、適切な時間が経って、十分な睡眠状態にならない場合、睡眠の準備時間中に、過剰の陽性空気圧の不快な感覚を経験するおそれがあることを常に知っているからである。
【0107】
本発明は、圧力の作動を判断する手段として、睡眠状態および/または覚醒を検出することを使用可能にする。処置は、患者が、予め選択された、または、深い睡眠状態にあり、その結果、前記処置の開始に気がつかない時にだけ適用される。睡眠状態を判断することは、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第6,397,845号に開示される方法を含む、当技術分野で知られている方法である可能性がある。
【0108】
一実施形態において、本発明は、一体化した診断および処置モードを有し、そのモードでは、送出された空気に対する調整がリアルタイムで変更される(すなわち、監視されるパラメータに応じて、即座に変更が行われる)。
【0109】
本発明の制御アルゴリズムは、a)経験的臨床データ、b)個々の患者が収集したデータ、または、収集されたデータ(睡眠研究室または他の代替のサイト(site)内での診断的調査からの)、あるいは、c)リアルタイムで監視され、解析されたデータの任意の組合せに基づいて、リアルタイム動作中に適応する能力を有する。
【0110】
D.代替の実施形態
図7に示す、一実施形態において、本発明を使用して、薬剤が患者に送出される。被検者について、鎮静薬またはトランキライザ投薬量要求を判断する従来の方法は、一般化した患者群または特定のサンプル患者群について推定されることが多い。
【0111】
被検者の睡眠または覚醒の傾向は、非常に複雑で、多くのパラメータに依存する。例えば、患者の睡眠傾向は、睡眠不足、アルコール、不安、ストレス、環境的要因、体格指数、性、遺伝、および他の要因に関連することが示されている。
【0112】
過剰鎮静の結果は、回復時間の増加、過剰の眠気を伴う注意不足のおそれ、薬剤費用の増加、および被検者の眠い状態が長引くことによる生活の質の低下を含む。
薬剤投与は、(限定はしないが)経口的に、経皮的に、流体点滴送出、蒸気送出、およびガス送出などの方法を利用して、ある範囲の薬剤を送出することができる。薬剤送出システムと本発明との一体化を利用して、薬剤投与量を、眠気、覚醒、または注意状態の所定のレベルまたは適切なレベルについて最適化することができる。
【0113】
ユーザまたは健康管理プロバイダは、患者および監視される患者データを参考にして薬剤投与量を調整することができるであろう。
本発明のさらなる能力は、運動に敏感なセンサなどのセンサを収容することであり、センサは、(限定はしないが、スペクトル、位相、および振幅などの)信号解析と一緒に使用して、適切な薬剤の使用を指示する、揺れ、震え、および他の徴候を検出することができる。パーキンソン病および他の疾病のタイプの場合、本システムは、例えば、震えおよび揺れを最小にするように十分な薬剤を投与し、一方、同時に、日中にはある程度の覚醒および夜中には睡眠の質を、患者に提供するようにプログラムされることができ、それが、それぞれの個人の生活の質の要求または要望にとって一層の助けとなる。
【0114】
本発明は、生理学的記録チャネル、センサ、解析、格納、および表示能力の種々の組合せを有する多数の構成に適応することができる。これらの能力は、それぞれの被検者の特定の健康専門家の情報に対する要求に加えて、処置される特定の疾病または傷害に合わせて変わることができるであろう。
【0115】
図7に示す、別の代替の実施形態において、本発明は、被検者の心臓ペーシングを最適にしながら、RERAおよびTERAを最小にするペースメーカ制御アルゴリズムを含む。本発明は、例えば、心電図またはパルス波信号からRERAおよびTERAを検出することを可能にする。別法として、より包括的な信号を使用することができる。本発明は、ECGペーシングの従来の最適化を可能にし、一方、同時に、覚醒および睡眠断片化を最小にする。ペースメーカ制御を利用して、一部の睡眠障害を受けた呼吸をなくすのに役立つこともできる。本発明は、睡眠断片化覚醒の助長を引き起こす不適切なペースメーカ制御などの睡眠断片化の原因について重要なフィードバックを提供することができる。
【0116】
本発明はまた、睡眠中に、心拍数変動、血圧変動、および睡眠断片化覚醒を監視し、これらの前記変動が、正常な睡眠生理(physiology)に関連するかどうか、または、これらの変化が、心臓機能を最適化し、一方、同時に、睡眠断片化を最小にするために、ペースメーカ制御の変更を示唆しているかどうかを判断することができる。
【0117】
別の実施形態において、本発明は、処置を最適化するためのマーカとして、皮質、皮質下、気流の形状、または波形特性を利用することによって、酸素濃縮処置中に最適な睡眠を提供する能力を有する。本発明は、タイトレーションアルゴリズムを制御して、被検者の呼吸治療を最適にしながら、RERAおよびTERAを最小にすることができる。本発明は、呼吸マスクまたはホース音、気流または圧力信号の任意の組合せを監視することによって、RERAおよびTERAを検出することを可能にする。別法として、より包括的な信号を使用することができる。SOCは、覚醒を最小にしながら、被検者の血液−ガス状態についての従来の最適化を可能にする。酸素および空気の不適切な混合、または、被検者に対する不適切なガス送出レートは、例えば、覚醒を助長するであろう。
【0118】
不適切なガス送出によって、次に、患者の呼吸解剖学的構造内の機械的または化学的受容体が、睡眠断片化覚醒(TERA)を活性化させる。気流波形状を監視することによって、TERAまたはRERAの開始または発生を予測することができ、ガス処置が、(呼吸治療をなお最適にしながら)こうした覚醒を最小にするような方法で制御されることが可能になる。
【0119】
一実施形態において、本発明は、睡眠障害を受けた呼吸および睡眠の質を判断するための、単に診断ツールとして利用される。本発明は、多数の睡眠または覚醒関連の生理学的データまたは統計情報を、リアルタイムで、あるいは、再生または閲覧ベースで、記録し、計量し、索引付けし、または、表示するようになっている。統計情報およびRAI、AHI、RERA、RDI、覚醒、睡眠断片化、または睡眠アーキテクチャ指数などの指数は、監視されるパラメータから導出され、この情報は、解析のために格納される。
【0120】
一実施形態において、統計情報および指数を求めるのに利用される、監視される生理学的パラメータは、解析に役立つために格納されてもよい。本発明はまた、ユーザが、意味のあるフォーマットで未加工のデータまたは導出された値を操作し、表示することを可能にするための、当技術分野では知られているグラフィックおよび統計ツールを含むことができる。一実施形態において、本発明は、未加工データを表示し、次に、視覚キューを使用して、未加工データ上で、覚醒などの事象の発生にマーク付けする能力を有する。本発明はまた、1つまたは複数の事象を、事象の発生を反映する、特定の指数値または導出された値にリンクすることもできる。
【0121】
先の説明および添付図面に記載した事柄は、制限としてではなく、例示のみのために提供される。特定の実施形態が示され、説明されたが、出願人の寄与の広範囲の態様から逸脱することなく、変更および修正を行ってもよいことが当業者には明らかになるであろう。求められる保護の実際の範囲は、従来技術に基づいて適切な観点から考えると、添付特許請求の範囲で規定されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の一実施形態の略図である。
【図2】本発明の覚醒監視機能の略図である。
【図3】本発明の気流診断プロセスのフローチャートである。
【図4】いびきを有する吸気サイクルについての波形の例である。
【図5】UARを有する吸気についての波形の例である。
【図6】本発明の一実施形態のフロー図である。
【図7】本発明の一実施形態の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に治療的処置を提供する方法であって、
処置レベルを設定するステップと、
覚醒の指標である生理学的パラメータを監視するステップと、
前記監視された生理学的パラメータが、覚醒の開始を指示するかどうかを判断するステップと、
覚醒を回避するように、前記処置レベルを調整するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
覚醒が、上気道抵抗(UAR)か、前記処置レベルのいずれによって引き起こされたかを判断するステップを、さらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
調整する前記ステップは、処置レベルが、覚醒を引き起こさないと判断されるまで、処置レベルを変えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
覚醒を引き起こさない処置レベルを格納するステップを、さらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
監視する前記ステップは、皮質活動または皮質下活動を監視することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
判断する前記ステップは、低い背景周波数からアルファまたはシータEEG活動へのシフトを検出することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
判断する前記ステップは、パルス遷移時間(PTT)の低下を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
複数の監視されたパラメータから指数値を計算し、覚醒の開始を予測するために前記指数値を利用するステップを、さらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
判断する前記ステップは、患者の気道波形を、覚醒の開始を示す複数のテンプレートと比較することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
生理学的事象の組合せを、覚醒を最小にする前記処置レベルの最適な調整に関連付けるテーブルを提供する付加的なステップを、さらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
判断する前記ステップは、事象が、中枢性無呼吸か、閉塞性無呼吸の、いずれに関連するかを検出することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
判断する前記ステップは、覚醒用の閾値を求めるのに患者固有のデータを利用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
判断する前記ステップは、周期的脚運動関連覚醒を判断するために皮質活動と皮質下活動を比較することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
患者の睡眠状態を判断し、患者の睡眠状態に基づいて処置を調節する付加的なステップを、さらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
判断する前記ステップは、残留二酸化炭素レベル、残留一酸化窒素レベル、または、残留酸素レベルの測度の変化を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
処置デバイスにデータを転送する付加的なステップであって、それによって、前記処置デバイスが、覚醒または睡眠時呼吸障害を最小にする処置パラメータを求めることが可能になる、付加的なステップを、さらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
患者へのガスの送出を制御する方法であって、
生理学的パラメータを監視するステップと、
設定されたレベルでガスを送出するステップと、
前記生理学的パラメータから覚醒の開始を判断するステップと、
覚醒の開始が、上気道抵抗か、ガス送出の、いずれによって引き起こされたかを判断するステップと、
前記覚醒が、上気道抵抗か、ガス送出の、いずれによるかに応じて、送出されるガスのレベルを調整するステップと、
を含む方法。
【請求項18】
覚醒用の閾値レベルを求めるのに強制振動処置を使用するステップを、さらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
呼吸作用関連覚醒の開始を判断する付加的なステップを、さらに備える請求項17に記載の方法。
【請求項20】
閉塞性睡眠時無呼吸−低呼吸の開始を判断するステップを、さらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項21】
複数の監視される異なる生理学的パラメータについての値のセットに基づいて、事象の開始を規定する複数のエントリを有するテーブルを提供するステップを、さらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の監視される生理学的パラメータの少なくとも1つから導出される指数値に基づいて前記送出されるガスの圧力レベルを調整する付加的なステップを、さらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項23】
睡眠の質を判断するステップを、さらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項24】
チェーン−ストークス呼吸を判断するステップを、さらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記監視されるパラメータからの複数の値を事象にリンクさせるテーブルを設け、患者の感度に対応するために前記テーブルを更新するステップを、さらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項26】
判断する前記ステップは、覚醒または睡眠時呼吸障害を判断するために気流波形または圧力波形の広帯域監視を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
判断する前記ステップは、前記覚醒の開始を判断するために、パルス遷移時間、血圧、およびECG信号を解析することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
判断する前記ステップは、周期的呼吸事象を判断するために、患者の呼吸を解析することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
口呼吸の存在を判断するステップを、さらに含み、調整する前記ステップは、口呼吸を補償することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
生理学的信号を検出するセンサと、
調整可能な処置レベルを有する治療デバイスと、
前記センサおよび前記治療デバイスと接続するコントローラであって、前記検出された生理学的信号から覚醒の開始を検出し、覚醒を回避するように処置レベルを調整するようになっているコントローラと、
を備える装置。
【請求項31】
前記治療デバイスは、ガス送出デバイスである、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記治療デバイスは、注入デバイスである、請求項30に記載の装置。
【請求項33】
前記治療デバイスは、心臓ペースメーカシステムである、請求項30に記載の装置。
【請求項34】
複数の生理学的パラメータの値を覚醒の開始に関連付けるテーブルを含むメモリデバイスを、さらに備える請求項30に記載の装置。
【請求項35】
覚醒の開始を適切な処置レベルに関連付けるテーブルを含むメモリデバイスを、さらに備える請求項30に記載の装置。
【請求項36】
前記コントローラは、閉塞性睡眠時無呼吸−低呼吸の開始を予測するようにもなっている、請求項30に記載の装置。
【請求項37】
前記コントローラは、処置関連覚醒に対する患者の感度を求めるために、処置レベルを変える試験を実施するようにもなっている、請求項30に記載の装置。
【請求項38】
前記コントローラは、睡眠の質を監視するようにもなっている、請求項30に記載の装置。
【請求項39】
前記コントローラは、複数の異なる生理学的信号から指数値を作成し、前記指数値に基づいて前記処置レベルを調整するようにもなっている、請求項30に記載の装置。
【請求項40】
複数の生理学的信号を監視する複数のセンサと、
前記複数の生理学的信号から覚醒の開始を検出するようになっているプロセッサと、
を備える装置。
【請求項41】
前記センサは、EEGセンサを含む、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記センサは、EMGセンサを含む、請求項40に記載の装置。
【請求項43】
前記センサは、空気流量センサを含む、請求項40に記載の装置。
【請求項44】
前記センサは、ECGセンサおよびSpOセンサを含み、前記プロセッサは、PTTを計算するようになっている、請求項40に記載の装置。
【請求項45】
前記センサは、体の位置センサを含む、請求項40に記載の装置。
【請求項46】
前記プロセッサは、覚醒に対する患者の感度を試験するようになっている、請求項40に記載の装置。
【請求項47】
特定の患者について覚醒を指示する、生理学的パラメータについての値を格納するようになっているメモリデバイスを、さらに備える請求項40に記載の装置。
【請求項48】
メモリデバイスを、さらに備え、前記プロセッサは、前記メモリデバイスに前記生理学的信号を格納するようになっている、請求項40に記載の装置。
【請求項49】
前記プロセッサは、ユーザ選択のフォーマットに従って、未加工のデータおよび前記生理学的パラメータからの導出された指数を表示するようになっている、請求項40に記載の装置。
【請求項50】
ガス送出デバイスであって、
複数の生理学的パラメータを監視する複数のセンサと、
調整可能な圧力レベルを有するガス送出デバイスと、
前記センサおよび前記ガス送出デバイスに接続するコントローラであって、RERAから生ずるか、または、TERAから生ずる覚醒の開始を判断し、それに応じて、前記ガス送出デバイスの圧力レベルを調整するようになっているコントローラと、
を備えるガス送出デバイス。
【請求項51】
CPAP機器である請求項50に記載のガス送出デバイス。
【請求項52】
換気装置である請求項50に記載のガス送出デバイス。
【請求項53】
酸素濃縮器である請求項50に記載のガス送出デバイス。
【請求項54】
前記コントローラは、前記覚醒の開始を指示する患者固有の生理学的パラメータを取得し、格納するようにもなっている、請求項50に記載のガス送出デバイス。
【請求項55】
前記複数のセンサは、無線技術を使用して前記コントロータと接続する、請求項50に記載のガス送出デバイス。
【請求項56】
薬剤送出装置であって、
複数のセンサと、
調整可能な薬剤送出レベルを有する薬剤送出デバイスと、
前記センサおよび前記薬剤送出デバイスと接続するコントローラであって、患者の睡眠状態に基づいて前記薬剤送出デバイスを調整するようになっているコントローラと、
を備える薬剤送出装置。
【請求項57】
心臓ペーシングシステムであって、
複数のセンサと、
調整可能な出力制御を有するペーシングデバイスと、
前記センサおよび前記ペーシングデバイスと接続するコントローラであって、覚醒を最小にするように前記ペーシングデバイスの出力を調整するようになっているコントローラと、
を備える心臓ペーシングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−516100(P2006−516100A)
【公表日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−543671(P2004−543671)
【出願日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2003/032170
【国際公開番号】WO2004/032719
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(505130569)コンピュメディクス・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】