説明

波長変換部材及び発光装置

【課題】
蛍光体粒子への励起光の入射効率及び蛍光体粒子からの蛍光の取出し効率を向上させて波長変換効率を向上させた発光装置を実現する。
【解決手段】
酸窒化物蛍光体の粒子又は窒化物蛍光体の粒子を、樹脂又はガラス等の媒体に分散させてなる波長変換部材であって、前記蛍光体には、媒体の屈折率と蛍光体の屈折率の積の平方根近傍の屈折率を有する被膜が形成されている。また、その波長変換部材と半導体発光素子を組み合わせた発光装置とする。このような被膜を酸窒化物蛍光体の粒子又は窒化物蛍光体の粒子に形成することにより、反射率を低減することができるため、蛍光体粒子への励起光の入射効率及び蛍光体粒子からの蛍光の取出し効率を向上させることができ、その結果として波長変換効率が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光体の粒子を含有する波長変換部材、及び蛍光体とLED又は半導体レーザなどの半導体発光素子と組み合わせた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)などの半導体発光素子から発する光を蛍光体によって変換する発光装置は、小型であり、消費電力が白熱電球よりも少ないため、各種表示装置あるいは照明装置の光源として実用化が始まっており、高効率化あるいは高信頼化などの開発が行われている。
【0003】
特許文献1には、波長390nmから420nmの光を発する半導体発光素子と、この半導体発光素子からの発光により励起される蛍光体とを用いて、白色光を発する発光装置が開示されている。波長390nmから420nmの励起光によって発光する蛍光体として、さまざまな酸化物や硫化物の蛍光体が用いられている。
【0004】
しかしながら蛍光体によっては、例えば硫化物を含む蛍光体は、空気中の水分と反応して加水分解するおそれがある。このような蛍光体の劣化によって、発光装置の耐用年数が低下する。その対策として特許文献2に被膜を有する蛍光体が開示されている。
【0005】
また、酸化物や硫化物系蛍光体に代わり、近年、酸窒化物や窒化物蛍光体の例が特許文献3および特許文献4に開示されている。これらの蛍光体は390nmから420nmの波長の光で励起され高効率の発光が得られるうえ、安定性及び耐水性が高く、また使用温度の変化による発光効率の変動が少ない等の優れた特性を有するものが多い。
【0006】
この窒化物蛍光体の耐熱性をさらに高める為、窒化金属系又は酸窒化金属系材料の被膜を設けることが、特許文献5に開示されている。それによれば、酸窒化物系蛍光体として(Sr、Ca1−aSi{(2/3)x+(4/3)y−(2/3)z}:Eu、x=2、y=5を製造する際にベーク劣化しやすいため、この蛍光体を、N元素を含有する被膜によって覆う。N元素を含有する被膜としては、窒素とアルミニウム、ケイ素、チタン、ホウ素、ジルコニウム等の金属を含む窒化金属系材料、ポリウレタン、ポリウレア等のN元素を含有する有機樹脂が用いられる。このN元素を含む被膜を形成していない窒化物系蛍光体は、200〜300℃に加熱することによって急激に発光効率が低下するのに対し、N元素を含有する被膜を設けることにより、窒化物系蛍光材料の窒素の分解を、窒素を供給することによって低減して、耐熱性が向上したとされている。
【0007】
また特許文献6に、本発明の一実施形態に対応する従来技術として、発光素子、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体の順に蛍光体を配置したことにより、発光素子に近い側の蛍光体から発する光の再吸収が抑制された発光装置が開示されている。
【特許文献1】特開2002−171000号公報
【特許文献2】特開2002−223008号公報
【特許文献3】特開2002−363554号公報
【特許文献4】特開2003−206481号公報
【特許文献5】特開2004−161807号公報
【特許文献6】特開2004−71357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように、従来において蛍光体に被膜を設ける理由は、蛍光体の化学的安定性及び耐熱性を向上させるというものであった。しかしながら、被膜は蛍光体の粒子への励起光の入射効率及び蛍光体粒子からの蛍光の取出し効率にも影響を与えることが考えられる。ここで、特許文献5のように窒化物の被膜を設ける場合、酸窒化物又は窒化物蛍光体との組み合わせを考えると、両者が共に窒化物又は窒化物をベースにした同種の材料であるために、屈折率も類似であり、蛍光体を分散させた状態で保持するための樹脂又はガラス等よりなる媒体の屈折率との差が大きくなると、蛍光体粒子への励起光の入射効率及び蛍光体粒子からの蛍光の取出し効率の点で十分でない。
【0009】
本発明は、蛍光体の周囲を覆う樹脂又はガラス等の媒体についても考慮して、酸窒化物あるいは窒化物蛍光体粒子に好適な被膜を設けることによって波長変換部材の波長変換効率を向上させることを目的とする。また、発光効率の良好な発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に、本発明により課題を解決するための手段を記載する。また、その手段を用いる理由の説明のために、その手段に付随する作用についても一部記載している。なお、本発明は付随的に複数の作用又は効果を有している場合があるが、それらの効果は課題を解決するためのものではなく付随的なものであるため、発明を限定するものではない。
【0011】
本発明は、酸窒化物又は窒化物よりなり屈折率nを有する蛍光体の粒子と、前記粒子を覆い屈折率nを有する被膜と、前記被膜を有する蛍光体の粒子を分散させた屈折率nを有する媒体からなり、前記被膜の屈折率nが、n×nの平方根をn13として、n13−0.2以上、n13+0.2以下であることを特徴とする波長変換部材である。
【0012】
本発明は、酸窒化物蛍光体の粒子が、Si、Al、O、N及び一種若しくは二種以上のランタノイド系希土類元素を組成元素として含む蛍光体の粒子であることが望ましい。Si、Al、O及びNからなる材料系は、発光中心となるランタノイド系希土類(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb)のうち一種又は二種以上を混ぜることによって、波長変換効率に優れた波長変換部材となる。
【0013】
本発明は、窒化物蛍光体の粒子が、Ca、Si、Al、N及び一種若しくは二種以上のランタノイド系希土類元素を組成元素として含む蛍光体の粒子であることが望ましい。Ca、Si、Al及びNからなる材料系は、発光中心となるランタノイド系希土類(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb)のうち一種又は二種以上を混ぜることによって、波長変換効率に優れた波長変換部材となる。
【0014】
本発明は、前記被膜が、金属酸化物であることが望ましい。金属酸化物は一般に透明かつ安定であるため、酸窒化物蛍光体の粒子又は窒化物蛍光体の粒子の被膜として適している。
【0015】
本発明は、前記被膜が、酸化マグネシウムであることが望ましい。酸化マグネシウムは、屈折率が例えば1.74程度であることから、酸窒化物蛍光体の粒子又は窒化物蛍光体の粒子に被膜することによって、反射率を低減させることができる場合がある。
【0016】
本発明は、前記被膜が、酸化イットリウムであることが望ましい。酸化イットリウムは、屈折率が例えば1.87程度であることから、酸窒化物蛍光体の粒子又は窒化物蛍光体の粒子に被膜することによって、反射率を低減させることができる場合がある。
【0017】
本発明は、前記被膜が、酸化アルミニウムであることが望ましい。酸化アルミニウムは、屈折率が例えば1.63程度であることから、酸窒化物蛍光体の粒子又は窒化物蛍光体の粒子に被膜することによって、反射率を低減させることができる場合がある。
【0018】
本発明は、前記被膜の膜厚が、5nm以上3μm以下であることが望ましい。
本発明は、ゾル−ゲル法により前記被膜を形成したものであってもよい。
【0019】
本発明は、前記被膜の材料からなる粒子を前記蛍光体の粒子に付着させることによって前記被膜を設けたものであってもよい。
【0020】
本発明は、前記媒体が、シリコーン樹脂であってもよい。シリコーン樹脂は、骨格としてシロキサン結合(Si−O)を有しているため、蛍光体の励起光として用いられる青色から近紫外の光によって劣化しにくく、波長変換部材用の媒体として適している。
【0021】
本発明は、前記媒体が、ガラスであってもよい。ガラスは、蛍光体の励起光として用いられる青色から近紫外の光によって劣化しにくいため、波長変換部材用の媒体として適している。
【0022】
本発明は、前記被膜で覆われ、蛍光のピーク波長が400nm以上500nm以下の第1の蛍光体の粒子と、前記被膜で覆われ、蛍光のピーク波長が500nm以上600nm以下の第2の蛍光体の粒子と、前記被膜で覆われ、蛍光のピーク波長が600nm以上700nm以下の第3の蛍光体の粒子が、前記媒体中に分散されたことを特徴とする波長変換部材であってもよい。第1の蛍光体の粒子の被膜、第2の蛍光体の粒子の被膜、第3の蛍光体の粒子の被膜は、別の材料からなるものであってもよく、同種の材料からなるものであってもよい。
【0023】
本発明は、前記被膜で覆われ、蛍光のピーク波長が400nm以上500nm以下の蛍光体の粒子を有する第1の波長変換部材と、前記被膜で覆われ、蛍光のピーク波長が500nm以上600nm以下の蛍光体の粒子を有する第2の波長変換部材と、前記被膜で覆われ、蛍光のピーク波長が600nm以上700nm以下の蛍光体の粒子が前記媒体中に分散された第3の波長変換部材を備えたことを特徴とする波長変換部材であってもよい。第1の波長変換部材における蛍光体の粒子の被膜、第2の波長変換部材における蛍光体の粒子の被膜、第3の波長変換部材における蛍光体の粒子の被膜は、別の材料からなるものであってもよく、同種の材料からなるものであってもよい。
【0024】
本発明は、半導体発光素子と、前記半導体発光素子が発する光が入射するように、上記に記載の波長変換部材を配したことを特徴とする発光装置である。これにより、波長変換効率に優れた発光装置が得られる。
【0025】
本発明は、半導体発光素子を備え、前記半導体発光素子が発する光が、前記第3の波長変換部材、前記第2の波長変換部材、前記第1の波長変換部材の順に入射するように、前記波長変換部材を配置したことを特徴とする発光装置である。
【0026】
本発明は、半導体発光素子を備え、前記半導体発光素子が発する光が、前記第2の波長変換部材、前記第3の波長変換部材、前記第1の波長変換部材の順に入射するように、前記波長変換部材を配置したことを特徴とする発光装置である。
【0027】
本発明は、前記半導体発光素子の発光ピーク波長が370nm以上480nm以下であってもよい。
【0028】
本発明は、前記半導体発光素子の発光ピーク波長が390nm以上420nm以下であってもよい。
【0029】
本発明は、前記半導体発光素子が、GaN系半導体よりなる半導体発光素子であってもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、酸窒化物又は窒化物蛍光体粒子を樹脂又はガラス等の媒体に分散させた波長変換部材において、前記蛍光体粒子の屈折率と、前記媒体の屈折率の積の平方根近傍の屈折率を有する金属酸化物材料、例えば酸化マグネシウム、酸化イットリウム又は酸化アルミニウムを用いて、蛍光体の粒子に被膜を形成することにより、蛍光体粒子への励起光の入射効率及び蛍光体粒子からの蛍光の取出し効率が向上するため波長変換効率が向上する。
【0031】
また、本発明は、上記の波長変換部材と、半導体発光素子とを組み合わせた発光装置とすることによって、発光効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明は、酸窒化物又は窒化物よりなり屈折率nを有する蛍光体の粒子と、前記粒子を覆い屈折率nを有する被膜と、前記被膜を有する蛍光体の粒子を分散させた屈折率nを有する媒体からなり、前記被膜の屈折率nが、n×nの平方根をn13として、n13−0.2以上、n13+0.2以下であることを特徴とする波長変換部材である。屈折率の値について具体的な例を挙げると、酸窒化物又は窒化物の蛍光体粒子の屈折率nが2.0、シリコーン樹脂を想定した媒体の屈折率nが1.4の場合には、n13が約1.67となるため、被膜の屈折率nが1.47以上1.87以下であることが望ましい。
【0033】
好適な被膜の屈折率nの範囲と反射率の関係を説明するため、まず被膜がない場合の反射率について説明すると、被膜のない蛍光体(屈折率=2.0)が媒体中(屈折率=1.4)に分散する場合において、蛍光体界面における反射率は3.11%((2.0−1.4)/(2.0+1.4))となる。
【0034】
次に、好適な被膜の屈折率nの範囲を、図1に基づいて説明する。図1は、横軸に被膜の屈折率n、縦軸に被膜を有する蛍光体粒子の反射率R(計算値)を表わしたグラフである。ただし、被膜の膜厚及び被膜への光の入射角がランダムであることを考えて、反射率として光の干渉を平均化した反射率Rを用いている。被膜のある蛍光体においても、被膜の屈折率nが媒体の屈折率nと同じ1.4の場合及び蛍光体の屈折率nと同じ2.0の場合は、被膜がない場合と同じ反射率になる。そして、被膜の屈折率が媒体(屈折率1.4)と蛍光体(屈折率2.0)の積の平方根(屈折率1.67)の場合に反射率が極小(1.58%)になる。この屈折率をn13とすると、その場合に、励起光の入射時の反射率が低下することにより励起光の入射効率が向上するとともに、蛍光の出射時の反射率の低減により蛍光の出射効率が向上する。その結果、波長変換効率が3.1%ほど増加する。
【0035】
また、このような効果が得られる被膜の屈折率nの範囲としては、被膜の屈折率nが1.47(=1.67−0.2)以上1.87(=1.67+0.2)以下である場合、反射率Rが約2.2%以下になり、被膜のない3.1%の場合と比べて0.9%ほど低下するため、励起光の入射効率と蛍光の出射効率を合わせて波長変換効率が1.8%ほど増加すると見積もることができる。
【0036】
また、被膜の屈折率nが1.52(=1.67−0.15)以上1.82(=1.67+0.15)以下である場合、反射率Rが約1.9%以下になり、被膜のない3.1%の場合と比べて1.2%ほど低下するため、励起光の入射効率と蛍光の出射効率を合わせて波長変換効率が2.4%ほど増加すると見積もることができる。
【0037】
また、被膜の屈折率nが1.57(=1.67−0.1)以上1.77(=1.67+0.1)以下である場合、反射率Rが約1.74%以下になり、被膜のない3.1%の場合と比べて1.36%ほど低下するため、励起光の入射効率と蛍光の出射効率を合わせて波長変換効率が2.7%ほど増加すると見積もることができる。
【0038】
このように、被膜の屈折率を好適な範囲内にすることにより、蛍光体粒子の反射率が低減し、励起光の入射効率及び蛍光の出射効率が向上するため、波長変換効率が向上する。
【0039】
被膜の膜厚としては、干渉効果が極大となる膜厚である(λ/n)×(1/4+M/2)、ただしλは光の波長、Mは整数、の付近が特に適している。例えば被膜の屈折率nが上記n13であり、波長λが実施の形態における励起光の波長である405nm、Mがゼロである場合には、干渉効果が極大となる被膜の膜厚は61nmとなる。干渉の効果は、膜厚に対してコサインの関係にあることから、この値の1/4程度(例えば15nm)以上であれば干渉による反射率低減効果が生じており、約1/2以上2/3以下(例えば30nm以上90nm以下)であれば十分に反射率低減効果が生じているものと考えられる。M=1以上の整数の場合にも基本的には同様のことが言えるが、膜厚が厚い場合には、膜厚分布のばらつき及び光の入射角のばらつきが平均化されることにより、膜厚対反射率のグラフにおけるコサイン形状の反射率の振幅が減衰していくため、ある程度以上の層厚においてはほぼ一定の干渉効果が生じていると考えられる。なお、上述の議論は、蛍光に対しては波長λを蛍光の値とすることにより同様に成り立つ。
【0040】
また、波長変換効率の増加以外にも以下の効果が得られることが考えられる。被膜を形成することによって、蛍光体表面における非発光過程(励起状態の電子が、発光を伴う遷移によって非励起状態にならずに、表面準位を介して非発光遷移することにより非励起状態になること)の要因となる表面準位を低減することができる。また表面改質効果によって、蛍光体粒子の凝集を防いで樹脂又はガラス等よりなる媒体へ良好に分散させることができる。また被膜を形成することによって、被膜が蛍光体粒子の保護膜として働くため、発光効率及び色度の長期安定性に優れている。実験上は、実施の形態に示す通り、膜厚が5nm以上3μm以下において波長変換効率の増大が認められており、干渉効果以外の効果も有すると解釈できる。
【0041】
従って、本発明の被膜を形成した蛍光体を用いた発光装置は、良好な発光効率を得ることができ、また発光効率及び色度の長期安定性に優れている。
【0042】
以下において、さらに本発明の実施の形態を具体的に説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1である被膜を有する蛍光体21及びそれを用いた波長変換部材31について説明する。
【0043】
図2(a)に示すように、不定形(球形に近い場合もある)を有する、Ceを賦活したαサイアロン(組成式Ca0.25Ce0.25(Si,Al)12(O,N)16、屈折率2.0)の青色蛍光体粒子11に、酸化マグネシウム(屈折率1.74)の子粒子を付着させることによって被膜10を形成する。なお、蛍光体の被膜10の厚さは、酸化マグネシウム粉末46の重量比が0.1の場合に、平均80nm(場所によって40〜200nm程度)であった。被膜10は、図2(b)に示すように、子粒子の形をある程度保ったまま付着する場合もある。
【0044】
次に、図3に示す波長変換部材31を以下のようにして作製する。液体状のシリコーン樹脂原料に対して、被膜を有する蛍光体21をそれぞれ加え、均一に混合した後、厚さ0.5mmのシートにして、120℃60分の加熱により硬化して波長変換部材31を作製する。波長変換部材31の媒体であるシリコーン樹脂24の屈折率は1.4であり、蛍光体11の屈折率が約2.0、被膜10の屈折率が1.74であるため、蛍光体粒子11への励起光の入射効率及び青色蛍光体粒子11からの蛍光の取出し効率の向上が図れる。なお、波長変換部材31の媒体として屈折率が1.3〜1.6程度のシリコーン樹脂24を用いることにより、被膜を有する蛍光体21への励起光の入射効率及び被膜を有する蛍光体21からの蛍光の取出し効率が向上するため波長変換効率が向上する。媒体としては、樹脂でなくガラスを用いても良い。
【0045】
比較例として、窒化シリコン(屈折率=2.0)よりなる被膜を形成した青色蛍光体粒子(図示せず)を上記の方法で製造し、シリコーン樹脂中に分散した波長変換部材(図示せず)を作製した。実施の形態である波長変換部材31に波長405nmの励起光を照射して波長変換効率を測定したところ、酸化マグネシウム被膜10を形成することにより、比較例の波長変換部材に比べて波長変換効率が5.2%向上した。反射率の見積りで得られた3%の向上より大きくなっている理由としては、被膜を形成することによって、蛍光体表面において非発光過程の要因となる表面準位を低減することができたためと考えられる。
【0046】
さらに膜厚依存性を検討するため、青色蛍光体粒子11に対する酸化マグネシウム粉末56の比率を0.006(平均膜厚5nm)、0.1(平均膜厚80nm、上記例)、1.0(平均膜厚650nm)、10(平均膜厚3μm)としたサンプルを作製して、同じく波長405nmの励起光を照射して波長変換効率を比較した。波長変換効率が、それぞれ比較例に対して1.1%、5.2%、3.1%、1.3%増大しており、この膜厚範囲内における波長変換効率の向上効果が確認できた。
【0047】
また、被膜を設けることにより表面改質効果も生じるため、蛍光体粒子を凝集させずに樹脂又はガラス等よりなる媒体へ良好に分散させることができる。特に酸化マグネシウムはプラスに帯電する傾向が強いため、静電気によって反発しあい、凝集しにくいという利点を有する。
【0048】
(実施の形態2)
実施の形態2では、Euを賦活したβサイアロン(Si、Al、O、N、Euを成分元素とする)よりなる緑色蛍光体粒子12に、酸化イットリウムの被膜をゾル−ゲル法により形成した。
【0049】
図4に示す液体容器50に、エタノール51、水52、及びイットリウムのアルコキシド53(トリブトキシイットリウム)を所定量加えた後、攪拌しながら、触媒である塩酸54を加えた。その中に蛍光体粒子12(屈折率2.0)を入れて攪拌し、約30〜50℃に加熱する。1〜5時間後、液体容器50中の沈殿物56を取り出し、100℃に加熱して溶媒を蒸発させ、引き続き乾燥空気中において約500℃で数十分間焼成する。このようにして、酸化イットリウムの被膜(屈折率1.87)を有する蛍光体26を作製する。得られた蛍光体の被膜の膜厚を測定したところ、50〜300nm程度であった。
【0050】
また、この被膜を有する蛍光体26を用い、媒体としてガラス29(屈折率1.5)を用いた波長変換部材36を図5に示す。波長変換部材36は以下のようにして作製した。金属アルコキシドであるテトラエトキシシランのエタノール溶液に、加水分解用の水及びアンモニアを加え、ガラスゾルとする。これに被膜を有する蛍光体26を加え、ガラス基板39上にディッピングし、乾燥空気中、150℃で2時間焼成することにより波長変換部材36を作製した。
【0051】
また、比較例として、被膜を形成しない緑色蛍光体粒子12を上記の製造方法で樹脂中に分散した比較用の波長変換部材を作製し、両者を比較したところ、被膜を形成した波長変換部材36の方が前記比較用の波長変換部材に比べて波長変換効率が3.6%向上した。
【0052】
(実施の形態3)
実施の形態3では、Euを賦活したCaAlSiNよりなる赤色蛍光体粒子13に、酸化アルミニウムの被膜を湿式法により形成した。
【0053】
図6に示す液体容器50に、純水52及び酸化アルミニウムの微粉末55を入れ、スターラーで攪拌した。その中に蛍光体粒子13(屈折率2.0)を入れて攪拌し、得られた沈殿物57をろ過した。ろ過された物質を約110℃に加熱して水分を蒸発させた。これにより、蛍光体粒子に酸化アルミニウムの被膜(屈折率1.63)が付着した、被膜を有する蛍光体27が得られた。
【0054】
また、この被膜を有する蛍光体27を用い、媒体としてガラス29(屈折率1.5)を用いた波長変換部材36を図7に示す。波長変換部材36は以下のようにして作製した。金属アルコキシドであるテトラエトキシシランのエタノール溶液に、加水分解用の水及びアンモニアを加え、ガラスゾルとした。これに被膜を有する蛍光体27を加え、ガラス基板39上にディッピングし、乾燥空気中、150℃で2時間焼成することにより波長変換部材37を作製した。
【0055】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4の発光装置60を、図8を用いて説明する。
【0056】
発光装置60は、基体65と、その表面に形成された電極66、67と、電極66、67に電気的に接続された半導体発光素子64と、ミラー68と、半導体発光素子64を封止するとともに半導体発光素子64から発した光を蛍光に変換する波長変換部材69よりなる。波長変換部材69は、媒体となるシリコーン樹脂24(屈折率1.4)及びその樹脂中に分散した被膜を有する蛍光体21、22、23からなる。ここで、被膜を有する蛍光体21、22、23は、それぞれCeを賦活したαサイアロンからなる青色蛍光体粒子11、Euを賦活したβサイアロンからなる緑色蛍光体粒子12、Euを賦活したCaAlSiNからなる赤色蛍光体粒子13について、実施の形態1に示した方法によって酸化マグネシウムの被膜を形成したものである。
【0057】
半導体発光素子64として、GaN系半導体発光素子を用いる場合には、その電気・光変換効率が良好な、発光ピーク波長390nm以上420nm以下のものが望ましいが、ここでは発光ピーク波長が405nmのGaN系半導体(少なくともGaとNを含み、必要に応じてAl、Inおよびn型ドーパント、p型ドーパントなどを用いた半導体)よりなるLEDを用いた。
【0058】
被膜を有する蛍光体21、22、23の発光ピーク波長はそれぞれ490nm、540nmおよび660nmである。
【0059】
波長変換部材69は以下のようにして作製した。液体状のシリコーン樹脂原料に被膜を有する蛍光体21、22、23を加え、均一に混合した後、基体65上に注入し、120℃60分の加熱により硬化した。波長変換部材69の主成分であるシリコーン樹脂24の屈折率は1.4であり、蛍光体の屈折率が約2.0、酸化マグネシウムからなる被膜の屈折率が1.74であるため、蛍光体粒子への励起光の入射効率及び蛍光体粒子からの蛍光の取出し効率の向上が図れる。3種類の蛍光体粒子を配合することにより、ほぼ白色である色度座標x=0.32、色度座標y=0.35の色で光る発光装置60が得られた。また、色の三原色を発光することができ、また各蛍光体の発光スペクトルの半値幅が例えば50nm以上と広いため、演色性が良好であった。
【0060】
このように、被膜を有する酸窒化物蛍光体の粒子又は窒化物蛍光体の粒子を分散した波長変換部材と、GaN系半導体よりなる半導体発光素子を用いることにより、小型で略白色が得られる高効率の発光装置が得られた。
【0061】
(実施の形態5)
次に、実施の形態1において作製された被膜を有する蛍光体21、実施の形態2において作製された被膜を有する蛍光体26、実施の形態3において作製された被膜を有する蛍光体27を用いた発光装置70を、図9を用いて説明する。
【0062】
発光装置70は、基体75と、その表面に形成された電極76、77と、電極76、77に電気的に接続された半導体発光素子74と、ミラー78と、赤色蛍光体層73、緑色蛍光体層72、青色蛍光体層71とからなる。蛍光体層73、72、71は波長変換部材としての働きを有している。
【0063】
半導体発光素子74としては、発光ピーク波長が405nmのGaN系半導体よりなるLEDを用いた。
【0064】
半導体発光素子74に近い側から赤色蛍光体層73、緑色蛍光体層72、青色蛍光体層71がこの順に積層されており、半導体発光素子74を発した励起光を各色に変換する。
【0065】
青色蛍光体層71中に分散されている被膜を有する蛍光体21としては、Ceを賦活したαサイアロンに酸化マグネシウムの被膜を設けたものを、緑色蛍光体層72中に分散されている被膜を有する蛍光体26としては、Euを賦活したβサイアロンに酸化マグネシウムの被膜を設けたものを、赤色蛍光体層73中に分散されている被膜を有する蛍光体27としては、Euを賦活したCaAlSiNに酸化マグネシウムの被膜を設けたものを用いる。それぞれの発光ピーク波長は660nm、540nmおよび490nmである。
【0066】
赤色蛍光体層73は以下のようにして作製される。液体状のシリコーン樹脂原料に対して、被膜を有する蛍光体27を均一に混合した後、基体75に注入をし、樹脂硬化を行う。次に緑色蛍光体層72は、液体状のシリコーン樹脂原料に対して、被膜を有する蛍光体26を均一に混合した後、赤色蛍光体層73に重ねるように注入をし、樹脂硬化を行う。さらに青色蛍光体層71についても被膜を有する蛍光体21を均一に混合した後、緑色蛍光体層72に重ねるように注入をし、樹脂硬化を行う。これにより、発光素子の封止材としての働きも有する3層の蛍光体層(波長変換部材)を形成する。この順序で蛍光体層を形成することにより、赤色蛍光体層73で発光した光が、その上の緑色蛍光体層72、青色蛍光体層71で吸収されにくい。また緑色蛍光体層72で発光した光が、青色蛍光体層71で吸収されにくい。これは、一般に蛍光体が、その蛍光を発する波長における光吸収率と比べて、蛍光の波長よりも長波長域における光吸収率が小さいことに起因する(特許文献6参照)。そのため、各蛍光体層による光吸収を低減して、可視光を効率良く発光させることができる。そして、本実施の形態における被膜を有する蛍光体の場合には、蛍光体粒子の表面における光の反射が少なく、その結果として蛍光の再吸収が多くなるため、この様な配置にして再吸収を低減するメリットが大きくなる。これにより、色の三原色を発光することができ、また各蛍光体の発光スペクトルの半値幅が、酸窒化物蛍光体及び窒化物蛍光体の場合は、例えば50nm以上と広いため、演色性が良好であった。
【0067】
(実施の形態6)
次に、実施の形態5とは波長変換部材の配置が異なる発光装置80を、図10を用いて説明する。
【0068】
発光装置80は、基体75と、その表面に形成された電極76、77と、その電極に電気的に接続された半導体発光素子74と、ミラー78と、緑色蛍光体層82と、赤色蛍光体層83と、青色蛍光体層81とからなる。赤色蛍光体層83は実施の形態5の赤色蛍光体層73、緑色蛍光体層82は実施の形態5の緑色蛍光体層72、青色蛍光体層81は実施の形態5の青色蛍光体層71とほぼ同じものであるが、形成の順番が異なる。この配置によっても、視感度が低く発光効率も他の色に比べて若干劣る青色蛍光体層71を半導体発光素子74から離れた位置に配置することにより、緑色蛍光体層82及び赤色蛍光体層83における青色の蛍光の再吸収を抑制することができる。
【0069】
本実施の形態によっても、励起光の吸収が多い青色蛍光体層81を最上層とすることにより、緑色及び赤色を効率よく取り出すことができ、全体として波長変換効率に優れた白色の発光装置が得られる。これにより、色の三原色を発光することができ、また各蛍光体の発光スペクトルの半値幅が例えば50nm以上と広いため、演色性が良好であった。
【0070】
(その他の実施可能形態)
実施の形態1では樹脂による媒体を用いた波長変換部材を作製し、実施の形態2及び3ではガラスによる媒体を用いた波長変換部材を作製したが、これは例示であって、逆の組み合わせにしてもよい。
【0071】
また、実施の形態4から6では、光源として紫色から近紫外(波長420nm以下)を用いた発光装置を示したが、青色光源(発光ピーク波長420nm以上480nm以下、例えば460nm程度のもの)を用いてもよい。その場合、青色蛍光体を用いないでも青色及び白色を得ることができる。現時点では青色蛍光体の効率が他の蛍光体の効率に比べて若干劣るため、青色をLEDから得ることによって、全体としての発光効率を増大させることができる。
【0072】
半導体発光素子としては、GaN系半導体よりなる半導体発光素子以外に有機半導体や酸化亜鉛半導体などよりなる半導体発光素子を用いることも考えられ、またLED以外に半導体レーザを用いてもよい。
【0073】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】発明を実施するための最良の形態における被膜を有する蛍光体を説明するための、被膜の屈折率と被膜を有する蛍光体の反射率の関係を示す説明図である。
【図2】実施の形態1における被膜を有する蛍光体粒子の断面図である。
【図3】実施の形態1における波長変換部材の断面図である。
【図4】実施の形態2における被膜形成工程の説明図である。
【図5】実施の形態2における波長変換部材の断面図である。
【図6】実施の形態3における被膜形成工程の説明図である。
【図7】実施の形態3における波長変換部材の断面図である。
【図8】実施の形態4における発光装置の断面図である。
【図9】実施の形態5における発光装置の断面図である。
【図10】実施の形態6における発光装置の断面図である。
【符号の説明】
【0075】
10 被膜
11 青色蛍光体粒子、 12 緑色蛍光体粒子、 13 赤色蛍光体粒子
21、22、23、26、27 被膜を有する蛍光体
24 シリコーン樹脂、 29 ガラス、 31、36、37、69 波長変換部材
39 ガラス基板、 50 液体容器
51 エタノール、 52 水、 53 イットリウムのアルコキシド
54 塩酸 55 酸化アルミニウムの微粉末、 56、57 沈殿物
60、70、80 発光装置、 65、75 基体
66、67、76、77 電極、 64、74 半導体発光素子
68、78 ミラー
71、81 青色蛍光体層、 72、82 緑色蛍光体層
73、83 赤色蛍光体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸窒化物又は窒化物よりなり屈折率nを有する蛍光体の粒子と、前記粒子を覆い屈折率nを有する被膜と、前記被膜を有する蛍光体の粒子を分散させた屈折率nを有する媒体からなり、
前記被膜の屈折率nが、n×nの平方根をn13として、n13−0.2以上、n13+0.2以下であることを特徴とする波長変換部材。
【請求項2】
前記酸窒化物蛍光体の粒子が、Si、Al、O、N及び一種若しくは二種以上のランタノイド系希土類元素を組成元素として含む蛍光体の粒子であることを特徴とする請求項1に記載の波長変換部材。
【請求項3】
前記窒化物蛍光体の粒子が、Ca、Si、Al、N及び一種若しくは二種以上のランタノイド系希土類元素を組成元素として含む蛍光体の粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の波長変換部材。
【請求項4】
前記被膜が、金属酸化物であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の波長変換部材。
【請求項5】
前記被膜が、酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の波長変換部材。
【請求項6】
前記被膜が、酸化イットリウムであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の波長変換部材。
【請求項7】
前記被膜が、酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の波長変換部材。
【請求項8】
前記被膜の膜厚が、5nm以上3μm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の波長変換部材。
【請求項9】
前記被膜をゾル−ゲル法により形成したことを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の波長変換部材。
【請求項10】
前記媒体が、シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の波長変換部材。
【請求項11】
前記媒体が、ガラスであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載の波長変換部材。
【請求項12】
前記被膜で覆われ、蛍光のピーク波長が400nm以上500nm以下の第1の蛍光体の粒子と、前記被膜で覆われ、蛍光のピーク波長が500nm以上600nm以下の第2の蛍光体の粒子と、前記被膜で覆われ、蛍光のピーク波長が600nm以上700nm以下の第3の蛍光体の粒子が、前記媒体中に分散されたことを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載の波長変換部材。
【請求項13】
前記被膜で覆われ、蛍光のピーク波長が400nm以上500nm以下の蛍光体の粒子が前記媒体中に分散された第1の波長変換部材と、前記被膜で覆われ、蛍光のピーク波長が500nm以上600nm以下の蛍光体の粒子が前記媒体中に分散された第2の波長変換部材と、前記被膜で覆われ、蛍光のピーク波長が600nm以上700nm以下の蛍光体の粒子が前記媒体中に分散された第3の波長変換部材を備えたことを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載の波長変換部材。
【請求項14】
半導体発光素子と、前記半導体発光素子が発する光が入射するように配された請求項1から13のいずれかに記載の波長変換部材を備えたことを特徴とする発光装置。
【請求項15】
半導体発光素子を備え、前記半導体発光素子が発する光が、前記第3の波長変換部材、前記第2の波長変換部材、前記第1の波長変換部材の順に入射するように、請求項13に記載の波長変換部材が配置されたことを特徴とする発光装置。
【請求項16】
半導体発光素子を備え、前記半導体発光素子が発する光が、前記第2の波長変換部材、前記第3の波長変換部材、前記第1の波長変換部材の順に入射するように、請求項13に記載の波長変換部材が配置されたことを特徴とする発光装置。
【請求項17】
前記半導体発光素子の発光ピーク波長が370nm以上480nm以下であることを特徴とする請求項14から16のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項18】
前記半導体発光素子の発光ピーク波長が390nm以上420nm以下であることを特徴とする請求項14から16のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項19】
前記半導体発光素子が、GaN系半導体よりなる半導体発光素子であることを特徴とする請求項14から18のいずれか1つに記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−126536(P2007−126536A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−319711(P2005−319711)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】