説明

洗浄剤組成物

【課題】肌に対して刺激が少なく、汎用性の高い、特に弱酸性領域及び硬水中での良好な泡立ちを持った洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表されるリン酸モノエステル(A)、一般式(3)で表されるリン酸モノエステル(C)をAとCの合計100重量部に対してAを5〜60重量部、Cを40〜95重量部の割合で含有する洗浄剤組成物:


(式中、R1及びR3は、それぞれ炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、X1、X3、Y1及びY3は、それぞれ水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルカノールアミン又はアンモニウムを示し、エチレンオキシド平均付加モル数Nは1〜2の数を示す)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄剤組成物に関し、詳しくは、肌に対して刺激が少なく、良好な泡立ちを有し、汎用性の高い、特に弱酸性領域及び硬水中でも良好な泡立ちを有する洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプー、全身洗浄料等の皮膚に直接接する洗浄剤組成物は、洗浄力、泡性能、使用感に加え、肌に対して低刺激であることが求められている。洗浄成分として広く用いられる硫酸塩型界面活性剤は、泡性能は高いものの、シャンプー時に目にしみたり、長期に使用すると敏感肌の人は手や肌が荒れやすくなる場合がある。また、酢酸塩型界面活性剤、両性界面活性剤、糖骨格を有する界面活性剤などのいわゆる低刺激性界面活性剤を主成分とした場合には、洗浄効果、起泡力に劣り、十分な洗浄剤を得るのは困難である。陰イオン界面活性剤の一種であるリン酸エステル系界面活性剤は、皮膚等に対する刺激性が低く、温和な界面活性剤として知られているが、洗浄性は満足できるものの、あるpH領域又は硬水中での水溶性が悪く、起泡力に劣るという問題があった。そこで水溶性の改善のためエチレンオキシドを導入したリン酸エステル類も知られているが(例えば、特許文献1及び特許文献2)、このエチレンオキシドを導入したリン酸エステル類はエチレンオキシドを導入しないリン酸エステル類と比べて、溶解性は改善されるものの、起泡力が不十分である。従ってエチレンオキシドを導入しないリン酸エステル類又はエチレンオキシドを導入したリン酸エステル類を含む洗浄剤組成物は、汎用性が低いと言う問題、具体的には、広範囲pH領域での泡立ち、硬水中での泡立ち、及び耐皮脂性に劣るという問題があった。
【特許文献1】特開2001−107079号公報
【特許文献2】特開2001−181677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、肌に対して刺激が少なく、良好な泡立ちを有し、汎用性の高い、特に弱酸性領域及び硬水中でも良好な泡立ちを持った洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、次の成分(A)及び(B1
(A)一般式(1)で表されるリン酸モノエステル
(B1)一般式(2)でn=1であるリン酸モノエステル
を含有し、それらの含有割合がモル比で(A)/(B1)=70/30〜90/10である洗浄剤組成物(以下、洗浄剤組成物1とも言う)を提供するものである:
【0005】
【化1】

【0006】
(式中、R1及びR2は同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、X1、X2、Y1及びY2は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルカノールアミン又はアンモニウムを示し、エチレンオキシド付加モル数nは1以上の整数を示す)。
【0007】
本発明はまた、次の成分(A)、(B1)及び(B2
(A)一般式(1)で表されるリン酸モノエステル
(B1)一般式(2)でn=1であるリン酸モノエステル
(B2)一般式(2)でn=2であるリン酸モノエステル
を含有し、それらの含有量が一般式(1)及び(2)で表されるリン酸モノエステル中、(A)35〜80モル%、(B1)15〜25モル%、(B2)5〜15モル%である洗浄剤組成物(以下、洗浄剤組成物2とも言う)を提供するものである:
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、R1及びR2は同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、X1、X2、Y1及びY2は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルカノールアミン又はアンモニウムを示し、エチレンオキシド付加モル数nは1以上の整数を示す)。
【0010】
本発明は更に、次の成分(A)、(B1)及び(B2
(A)一般式(1)で表されるリン酸モノエステル
(B1)一般式(2)でn=1であるリン酸モノエステル
(B2)一般式(2)でn=2であるリン酸モノエステル
を含有し、それらの含有量が洗浄剤組成物に対して(A)5〜30重量%、(B1)1〜10重量%、(B2)0.5〜5重量%である洗浄剤組成物(以下、洗浄剤組成物3とも言う)を提供するものである:
【0011】
【化3】

【0012】
(式中、R1及びR2は同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、X1、X2、Y1及びY2は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルカノールアミン又はアンモニウムを示し、エチレンオキシド付加モル数nは1以上の整数を示す)。
【0013】
本発明は更にまた、次の成分(A)及び(C)
(A)一般式(1)で表されるリン酸モノエステル
(C)一般式(3)で表されるリン酸モノエステル
を(A)と(C)の合計100重量部に対して(A)5〜60重量部、(C)40〜95重量部の割合で含有する洗浄剤組成物(以下、洗浄剤組成物4とも言う)を提供するものである:
【0014】
【化4】

【0015】
(式中、R1及びR3は同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、X1、X3、Y1及びY3は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルカノールアミン又はアンモニウムを示し、エチレンオキシド平均付加モル数Nは1〜2の数を示す)。
【0016】
本発明は更にまた、炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を有するアルコール1モルに対し、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均付加モル数で0.3〜0.8付加して得られる化合物を、更にリン酸、ポリリン酸又はP25と反応させて得られるリン酸系界面活性剤を含有する洗浄剤組成物(以下、洗浄剤組成物5とも言う)を提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の洗浄剤組成物は、肌に対して刺激が少なく、弱酸性領域及び硬水中での泡立ちも良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明者等は、リン酸モノエステル系界面活性剤について種々研究した結果、一般式(1)で表されるリン酸モノエステルと一般式(2)で表されるエチレンオキシド付加リン酸モノエステルは、特定の比率で混合された場合、起泡力において相乗効果が認められ、特に硬水中や弱酸性水中でも高い起泡力が維持されることを見出した。
【0019】
通常のリン酸モノエステル系界面活性剤は、モノエステルとジエステルとの混合物である。本願で使用するリン酸モノエステルの材料としては、起泡性の観点から、ジエステル含量が低い方が好ましいが、ジエステル含量を0とするのは製造上難しい。従って本発明の洗浄剤組成物中のモノエステル/ジエステルの重量比は、100/0〜60/40、更に99/1〜70/30、より更に99/1〜75/25、特に99/1〜80/20であるのが好ましい。
【0020】
一般式(1)〜(3)において、汎用性向上及び起泡性の観点から、R1、R2及びR3の炭素数は通常は8〜18であり、10〜16であるのが好ましく、12〜14が更に好ましい。R1、R2及びR3は、直鎖、分岐鎖のいずれも使用できるが、泡質の観点から直鎖が好ましい。X1、X2、X3、Y1、Y2及びY3としては、起泡性及び低刺激性の観点から、水素原子、カリウム、ナトリウム、リチウムのようなアルカリ金属原子、又はトリエタノールアミン、ジエタノールアミンのようなアルカノールアミンが好ましい。更に、カリウム、ナトリウム、トリエタノールアミンが好ましく、特にカリウム、ナトリウムが好ましい。
【0021】
成分(A)及び(B1)を含有する洗浄剤組成物1において、成分(A)と成分(B1)とのモル比は、汎用性向上及び起泡性の観点から、通常は70/30〜90/10、好ましくは70/30〜85/15、更に好ましくは75/25〜80/20である。
【0022】
成分(A)、(B1)及び(B2)を含有する洗浄剤組成物2において、一般式(1)及び(2)で表されるリン酸モノエステル中の(A)、(B1)及び(B2)のモル比は、汎用性向上及び起泡性の観点から、通常は(A)35〜80モル%、(B1)15〜25モル%、(B2)5〜15モル%であり、好ましくは(A)50〜80モル%、(B1)16〜24モル%、(B2)6〜13モル%、更に好ましくは(A)60〜75モル%、(B1)17〜22モル%、(B2)8〜12モル%である。
【0023】
また、成分(A)、(B1)及び(B2)を含有する洗浄剤組成物3において、洗浄剤組成物中の成分(A)、(B1)及び(B2)の含有量は、汎用性向上及び起泡性の観点から、通常は(A)5〜30重量%、(B1)1〜10重量%、(B2)0.5〜5重量%であり、好ましくは(A)10〜20重量%、(B1)2〜8重量%、(B2)0.5〜5重量%、更に好ましくは(A)12〜18重量%、(B1)2〜6重量%、(B2)1〜3重量%である。
【0024】
成分(A)及び(C)を含有する洗浄剤組成物4において、洗浄剤組成物中の成分(A)と(C)との割合は、汎用性向上及び起泡性の観点から、(A)と(C)の合計100重量部に対して通常は(A)5〜60重量部、(C)40〜95重量部であり、好ましくは(A)10〜60重量部、(C)40〜90重量部、更に好ましくは(A)20〜50重量部、(C)50〜80重量部である。
【0025】
洗浄剤組成物1、2、3、4、5は、炭素数4〜12、特に炭素数6〜10のグリセリルエーテルを更に含有するのが、起泡性の観点から好ましい。
グリセリルエーテルの含有量は、組成物中に起泡性の観点から、好ましくは、0.3〜5重量%、より好ましくは、0.5〜3重量%、更により好ましくは、0.8〜2重量%である。
【0026】
洗浄剤組成物1、2、3、4、5は、低刺激性の観点から、水を用いて20倍希釈液とした場合のpHが4〜8であるのが好ましく、pH5〜7であるのが更に好ましい。pH調整は、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸等の酸、アルカリ金属水酸化物、エタノールアミン等のアルカリを用いて行うことができる。尚、pHは25℃での測定値である。
【0027】
また、洗浄剤組成物1、2、3、4、5は、使用する水のpHが、好ましくは4〜9、さらに好ましくは、5〜8の水と共に用いることができる。尚、pHは25℃での測定値である。
【0028】
洗浄剤組成物1、2、3、4、5は、硬度が好ましくは1〜30°DH、更に好ましくは4〜20°DHの水と共に用いることが出来る。
【0029】
洗浄剤組成物1、2、3は、例えば対応する脂肪族アルコールと無水リン酸あるいはポリリン酸等のリン酸化剤とを反応させ得られた(A)リン酸モノエステルと、例えば対応するモノエチレングリコールモノアルキルエーテルとオキシ塩化リン等のリン酸化剤とを反応させて得られた(B1)一般式(2)でn=1であるリン酸モノエステルと、例えば対応するジエチレングリコールモノアルキルエーテルとオキシ塩化リン等のリン酸化剤とを反応させて得られた(B2)一般式(2)でn=2であるリン酸モノエステルとを適当な割合で混合し、さらに、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリで中和することにより得られる。
【0030】
また、洗浄剤組成物1、2、3、4は、例えば対応する脂肪族アルコールと無水リン酸、ポリリン酸またはオキシ塩化リン等のリン酸化剤とを反応させ得られた(A)リン酸モノエステルと、例えば対応する脂肪族アルコールにエチレンオキシド付加し、平均付加モル数1〜2となったエトキシレートと無水リン酸、ポリリン酸またはオキシ塩化リン等のリン酸化剤とを反応させて得られた(C)ポリオキシエチレンリン酸モノエステルを適当な割合で混合し、さらに、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリで中和することでも得られる。洗浄剤組成物1、2、3に対応しているかどうかは、ガスクロ等の分析により、(A)、(B1)、(B2)の割合で確認することができる。
【0031】
特に洗浄剤組成物4は、一般式(4)で表される脂肪族アルコールと、リン酸(オルトリン酸とも云う、以下同様)、ポリリン酸(縮合リン酸とも云う、以下同様)及びP25(無水リン酸とも云う、以下同様)から選ばれる1種以上のリン酸化剤とを反応させて得られた(A)一般式(1)で表されるリン酸モノエステル5〜60重量部と、一般式(5)で表される脂肪族アルコールにエチレンオキシドを付加し、平均付加モル数1〜2となったエトキシレートとリン酸、ポリリン酸及びP25から選ばれる1種以上のリン酸化剤とを反応させて得られた(C)一般式(3)で表されるポリオキシエチレンリン酸モノエステル40〜95重量部を混合し、さらにアルカリで中和することにより製造することができる。
【0032】
【化5】

【0033】
(上記式中、R1、R3、X1、X3、Y1、Y3及びNは前記と同じである)。
【0034】
また、洗浄剤組成物1、2、3、5は、例えば対応する脂肪族アルコールにエチレンオキシドを平均付加モル数0.3〜0.8となるように付加したエトキシレートと無水リン酸、ポリリン酸等のリン酸化剤とを反応させて得られた、平均付加モル数0.3〜0.8のポリオキシエチレンリン酸モノエステルを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリで中和することでも得られる。洗浄剤組成物1,2,3に対応しているかどうかは、ガスクロ等の分析により、(A)、(B1)、(B2)の割合で確認することができる。
【0035】
本発明の一態様の洗浄剤組成物5は、汎用性向上及び起泡性の観点から、炭素数8〜18、好ましくは炭素数10〜16、更に好ましくは炭素数12〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を有するアルコール1モルに対し、炭素数2〜4、好ましくは炭素数2のアルキレンオキシドを平均付加モル数で0.3〜0.8、好ましくは0.5〜0.75付加して得られる化合物を、更にリン酸、ポリリン酸又はP25と反応させて得られるリン酸系界面活性剤を含有する。前記ポリリン酸(P25・nH2O)としては、n=1〜2のものが好ましい。
【0036】
本発明の洗浄剤組成物には、その使用目的に応じ、更に慣用の色素、香料、殺菌剤、消炎剤、キレート剤、増泡剤、増粘剤、粘度調整剤、パール化剤、防腐剤、湿潤剤、pH調整剤、他の界面活性剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0037】
本発明の洗浄剤組成物は常法により製造することができ、その剤型について特に制限はなく、従来より公知の種々の剤型、例えばシャンプー、洗顔料、ボディーシャンプー等の身体洗浄剤、動物用洗浄剤とすることができる。
【実施例】
【0038】
実施例1〜7及び比較例1〜3
表1に示す組成の洗浄組成物を混合して製造pHを5〜6に調整し、硬度4°DHでpH4〜9の水を用いて、速泡性、起泡量、泡質及び洗浄後の感触について下記のようにして評価した。結果を表1に示す。尚、pHは25℃での測定値である。
【0039】
実施例8〜9および比較例4
表2に示す組成の洗浄組成物を混合して製造pHを5〜6に調整し、硬度15°DHでpH4〜9の水を用いて、速泡性、起泡量、泡質及び洗浄後の感触について下記のようにして評価した。結果を表2に示す。尚、pHは25℃での測定値である。
【0040】
実施例10〜13及び比較例5
表3に示す組成の洗浄組成物を混合して製造pHを5〜6に調整し、硬度4°DHでpH4〜9の水を用いて、速泡性、起泡量、泡質及び洗浄後の感触について下記のようにして評価した。結果を表3に示す。尚、pHは25℃での測定値である。
【0041】
実施例14〜15及び比較例6〜7
以下の方法で合成したリン酸モノエステルをKOHで中和し、pHを5〜6に調整し、硬度15°DHでpH4〜9の水を用いて、速泡性、起泡量、泡質及び洗浄後の感触について下記のようにして評価した。結果を表4に示す。尚、pHは25℃での測定値である。
実施例14〜15:以下の方法で合成した、平均EO付加モル数0.5のリン酸モノエステル[ポリオキシエチレン(0.5)ラウリルホスフェート]
500mLの反応容器に窒素雰囲気下で原料アルコール(ラウリルアルコール、EO=平均0.5モル付加品)209.3g(1.0モル)を加え、85重量%のオルトリン酸31.9g〔P25・nH2Oとして表すとP25 19.6g(0.14モル)H2O 12.3g(0.68モル)〕を加え、35℃にて攪拌・混合した。更に五酸化リン(有効分98.5重量%)62.1g(0.43モル)を攪拌しながら60分間で徐々に添加した。温度は65℃まで上昇し、更に昇温し80℃で12時間反応を行った。更に水を10.0g加え80℃で3時間加水分解を行った。
比較例6:以下の方法で合成したリン酸モノエステル[ラウリルホスフェート]
500mLの反応容器に窒素雰囲気下で原料アルコール(ラウリルアルコール)187.3g(1.0モル)を加え、85重量%のオルトリン酸31.9g〔P25・nH2Oとして表すとP25 19.6g(0.14モル)H2O 12.3g(0.68モル)〕を加え35℃にて攪拌・混合した。更に五酸化リン(有効分98.5重量%)62.1g(0.43モル)を攪拌しながら60分間で徐々に添加した。温度は65℃まで上昇し、更に昇温し80℃で12時間反応を行った。更に水を10.0g加え80℃で3時間加水分解を行った。
比較例7:以下の方法で合成した、平均EO付加モル数2のリン酸モノエステル[ポリオキシエチレン(2)ラウリルホスフェート]
500mLの反応容器に窒素雰囲気下で原料アルコール(ラウリルアルコール、EO=平均2モル付加品)275.4g(1.0モル)を加え、85重量%のオルトリン酸31.9g(P25・nH2Oとして表すとP25 19.6g(0.14モル)H2O 12.3g(0.68モル))を加え35℃にて攪拌・混合した。更に五酸化リン(有効分98.5重量%)62.1g(0.43モル)を攪拌しながら60分間で徐々に添加した。温度は65℃まで上昇し、更に昇温し80℃で12時間反応を行った。更に水を10.0g加え80℃で3時間加水分解を行った。
【0042】
[評価方法]
速泡性、起泡量、泡質、洗浄後の感触
常法に従って調製した洗浄組成物を手のひらに3mL塗布して手、腕を洗浄したときの速泡性、起泡量、泡質、及び洗浄後の感触を、専門パネラー10名により下記の評価基準に従い評価した。
【0043】
(速泡性)
4:速泡性が非常に良い。
3:速泡性が良い。
2:速泡性がやや悪い。
1:速泡性が悪い。
【0044】
(起泡量)
4:泡量が非常に多い。
3:泡量が多い。
2:泡量がやや少ない。
1:泡量が少ない。
【0045】
(泡質)
4:きめ細かく、かつ非常にクリーミーで良好な泡質。
3:クリーミーで良好な泡質。
2:ややクリーミーな泡質。
1:軽く粗い泡質。
【0046】
(洗浄後の感触)
4:非常に良い。
3:良い。
2:やや悪い。
1:悪い。
【0047】
ランク
A:平均評点が3.5以上
B:平均評点が2.5以上、3.5未満
C:平均評点が1.5以上、2.5未満
D:平均評点が1.5未満
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
【表3】

【0051】
【表4】

【0052】
実施例16(洗顔料)
下記の処方で洗顔料を製造した。
(重量部)
ラウリルホスフェートK塩 5
ポリオキシエチレン(1)ラウリルホスフェートK塩* 15
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 1.0
ジプロピレングリコール 5
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(EO:160) 2.0
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−
ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール
共重合体の4%水溶液〔ソフケアKG-301W;花王(株)社製〕 5
ラウリルヒドロキシスルホベタイン 1
ジステアリン酸エチレングリコール 2
メチルパラベン 0.2
プロピルパラベン 0.1
BHT 0.2
香料 0.05
精製水 バランス
100.00
*平均付加モル数N=1
【0053】
実施例17(ボディシャンプー)
下記の処方でボディシャンプーを製造した。
(重量部)
ラウリルホスフェートK塩 5
ポリオキシエチレン(1)ラウリルホスフェートK塩* 15
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 1.0
ジプロピレングリコール 2.2
グリセリン 3.0
アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体a) 0.2
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 8.0
ジステアリン酸エチレングリコール 2.0
サリチル酸 0.2
BHT 0.2
香料 0.05
精製水 バランス
100.00
* 平均付加モル数 N=1
a)カーボポールETD2020;BFGoodrich社製
実施例16及び17の洗顔料及びボディシャンプーは起泡性、泡質に優れ、しかも使用後の感触が良好であった。
【0054】
実施例18(ボディシャンプー)
下記の処方でボディシャンプーを製造した。
(重量部)
ラウリルホスフェートK塩 3.8
ポリオキシエチレン(1)ラウリルホスフェートK塩* 11.2
デカン−1,2−ジオール 1.0
プロピレングリコール 5
カチオン化セルロース(ポイズC−150L;花王(株)社製) 0.3
ラウリルヒドロキシスルホベタイン 5
ジステアリン酸エチレングリコール 2
メチルパラベン 0.2
プロピルパラベン 0.1
BHT 0.2
香料 0.05
精製水 バランス
100.00
* 平均付加モル数 N=1
【0055】
実施例19(ボディシャンプー)
下記の処方でボディシャンプーを製造した。
(重量部)
ラウリルホスフェートK塩 5.0
ポリオキシエチレン(1)ラウリルホスフェートK塩* 15.0
オクタン−1,2−ジオール 1.5
ジプロピレングリコール 2.2
グリセリン 3.0
アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体a) 0.2
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 8.0
ジステアリン酸エチレングリコール 2.0
サリチル酸 0.2
BHT 0.2
香料 0.05
精製水 バランス
100.00
* 平均付加モル数 N=1
a)カーボポールETD2020;BFGoodrich社製
実施例18及び19のボディシャンプーは起泡性、泡質に優れ、しかも使用後の感触が良好であった。
【0056】
実施例20(洗顔料)
下記の処方で洗顔料を製造した。
(重量部)
ラウリルホスフェートK塩 5.0
ポリオキシエチレン(1)ラウリルホスフェートK塩* 15.0
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 1.5
ジプロピレングリコール 1.5
プロピレングリコール 5.0
ソルビトール 5.0
ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸K塩 1.8
(アルキル基:C12/C14=75/25,EO:10)
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(EO:160) 2.0
カチオン化セルロース(ポイズC−150L;花王(株)社製) 0.3
アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体b) 0.5
ラウリルヒドロキシスルホベタイン 3.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 2.0
ジステアリン酸エチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
プロピルパラベン 0.1
BHT 0.2
香料 0.05
精製水 バランス
100.00
* 平均付加モル数 N=1
b)カーボポールETD2020;BFGoodrich社製
【0057】
実施例21(洗顔料)
下記の処方で洗顔料を製造した。
(重量部)
ラウリルホスフェートトリエタノールアミン塩 5
ポリオキシエチレン(1)ラウリルホスフェートトリエタノールアミン塩* 15
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 0.7
ミリスチン酸トリエタノールアミン塩 2.5
グリセリン 16
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(EO:160) 2
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−
ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重
合体の4%水溶液(ソフケアKG−301W;花王(株)社製) 12.5
アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体c) 0.5
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 4.0
メチルパラベン 0.2
プロピルパラベン 0.1
BHT 0.2
精製水 バランス
100.00
* 平均付加モル数 N=1
c)カーボポールETD2020;BFGoodrich社製
実施例20及び21の洗顔料は起泡性、泡質に優れ、しかも使用後の感触が良好であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び(C)
(A)一般式(1)で表されるリン酸モノエステル
(C)一般式(3)で表されるリン酸モノエステル
を(A)と(C)の合計100重量部に対して(A)5〜60重量部、(C)40〜95重量部の割合で含有する洗浄剤組成物:
【化1】

(式中、R1及びR3は同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、X1、X3、Y1及びY3は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルカノールアミン又はアンモニウムを示し、エチレンオキシド平均付加モル数Nは1〜2の数を示す)。
【請求項2】
更に炭素数4〜12のグリセリルエーテルを含有する請求項1記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
洗浄剤組成物の20倍希釈液がpH4〜8である請求項1又は2記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
硬度が1〜30°DHの水と共に用いられる請求項1〜3の何れか1項記載の洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2009−62546(P2009−62546A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−265001(P2008−265001)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【分割の表示】特願2004−364826(P2004−364826)の分割
【原出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】