洗浄方法
【課題】被洗浄物の洗浄を効率的に行うとともに、洗浄装置の小型化、構成の簡素化を図った洗浄方法を提供する。
【解決手段】収納具の搬送方向に沿って複数配置したノズル10、11ごとに、搬送する収納具の上方側より洗浄水を順次噴射するとともに、前記噴射した洗浄水を複数の被洗浄物28の略全体が浸漬するように収納具内に所定量貯水しながら収納具外に排水し、前記貯水した洗浄水中において、ノズルから噴射した洗浄水により、互いに隣り合う被洗浄物の離間した間隔内にある貯水した洗浄水を排除するとともに、前記ノズルから噴射した洗浄水を被洗浄物の表面と裏面に沿って流動させて、前記被洗浄物の洗浄を収納具の搬送方向に沿って順次行うことを特徴とする。
【解決手段】収納具の搬送方向に沿って複数配置したノズル10、11ごとに、搬送する収納具の上方側より洗浄水を順次噴射するとともに、前記噴射した洗浄水を複数の被洗浄物28の略全体が浸漬するように収納具内に所定量貯水しながら収納具外に排水し、前記貯水した洗浄水中において、ノズルから噴射した洗浄水により、互いに隣り合う被洗浄物の離間した間隔内にある貯水した洗浄水を排除するとともに、前記ノズルから噴射した洗浄水を被洗浄物の表面と裏面に沿って流動させて、前記被洗浄物の洗浄を収納具の搬送方向に沿って順次行うことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被洗浄物の洗浄方法であり、特に学校、病院等の給食のように被洗浄物として食器類である皿、お椀、お玉、スプーン、フォーク、しゃもじ、および食品を掴むトング等を比較的大量に使用する状況における洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被洗浄物である食器を例とした洗浄装置に関しては、タンク内の貯水した洗浄水中に複数の食器を収納した収納具ごと全体を浸漬させて洗浄するもの、および収納具内に収納した複数の食器にノズルから洗浄水を吹き付けて洗浄を行うものがある。これらの代表例として下記のものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載されているように、上段に導入部、残飯除去部、第1移送部、噴射洗浄部、第2移送部、乾燥部および導出部が順次設けられ、第1移送部の下段に第1浸漬槽が、第2移送部の下段に第2浸漬槽が設けられ、残飯除去部および噴射洗浄部に食器に高圧水を噴射するノズルが設けられている。第1移送部および第2移送部に食器を上下動させるリフト機構が設けられている。また、第1浸漬槽および第2浸漬槽は篭に収納された食器がすべて浸漬される大きさであり、その第1浸漬槽に浸漬した篭に振動を与える加振装置が設けられ、また少なくとも第2浸漬槽に供給される液体を加熱する加熱装置が設けられているものである。
【0004】
また、特許文献2に記載されているように、周囲をカバー体で包囲された洗浄室内に、被洗浄物を入れる筒形の洗浄篭が複数の支持ローラによって回転自在に略水平に支持され、洗浄水を噴出する複数本の洗浄ノズル管が、筒形の洗浄篭の周囲にその軸方向に沿って配設され、各洗浄ノズル管には多数のノズルが、噴出する洗浄水の噴出力により洗浄篭を回転させるように、洗浄ノズル管と洗浄篭の中心軸を通る断面中心線から外側に一定の角度だけ傾斜させた方向に洗浄水を洗浄篭に向けて噴出するように配置されていることを特徴とするシャワー式洗浄機としたものである。
【特許文献1】特開平11−56735号公報
【特許文献2】特開平5−7544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載されたものは、食器を収納した篭(収納具)すべてを浸漬槽に浸漬するため、浸漬槽自体が大きくなり、ここに大量の洗浄水を貯水しておく必要があるとともに、貯水した洗浄水に汚れ成分が出て、これを除去するか、または清浄な洗浄水と入れ替えることも必要となる。また、浸漬槽自体、食器を収納した篭を上下動させるリフト機構、浸漬槽から出してノズルからの洗浄水による噴射洗浄部等の構成要素が多くなり、洗浄装置全体が大きく、また複雑となる。さらに、篭を浸漬槽に所定時間にわたって浸漬させておく必要があり、全体の洗浄に要する時間が長くなる課題を有している。
【0006】
また、前記特許文献2に記載されたものは、被洗浄物を入れる筒形の洗浄篭をノズルから噴出する洗浄水の噴出力により洗浄篭を回転させるようにしているため、構造が複雑で、回転にともなう騒音が大きい。さらに筒形の洗浄篭に都度被洗浄物を出し入れするので、取り扱いが煩雑で連続的な洗浄に不向きである等の課題を有している。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、被洗浄物の洗浄を効率的に行うとともに、洗浄装置の小型化、構成の簡素化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために本発明の洗浄方法は、互いに隣り合う被洗浄物を離間させて収納する収納具と、前記収納具を搬送する搬送手段と、前記収納具の搬送方向に沿って所定の間隔を与えて複数配置した洗浄水を噴射するノズルと、を備え、前記複数配置したノズルごとに、搬送する収納具の上方側より洗浄水を順次噴射するとともに、前記噴射した洗浄水を複数の被洗浄物の略全体が浸漬するように収納具内に所定量貯水しながら収納具外に排水し、前記貯水した洗浄水中において、ノズルから噴射した洗浄水により、互いに隣り合う被洗浄物の離間した間隔内にある貯水した洗浄水を排除するとともに、前記ノズルから噴射した洗浄水を被洗浄物の表面と裏面に沿って流動させて、前記被洗浄物の洗浄を収納具の搬送方向に沿って順次行うものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の食器の洗浄方法によれば、被洗浄物の洗浄を効率的に行うとともに、洗浄装置の小型化、構成の簡素化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、互いに隣り合う被洗浄物を離間させて収納する収納具と、前記収納具を搬送する搬送手段と、前記収納具の搬送方向に沿って所定の間隔を与えて複数配置した洗浄水を噴射するノズルと、を備え、前記複数配置したノズルごとに、搬送する収納具の上方側より洗浄水を順次噴射するとともに、前記噴射した洗浄水を複数の被洗浄物の略全体が浸漬するように収納具内に所定量貯水しながら収納具外に排水し、前記貯水した洗浄水中において、ノズルから噴射した洗浄水により、互いに隣り合う被洗浄物の離間した間隔内にある貯水した洗浄水を排除するとともに、前記ノズルから噴射した洗浄水を被洗浄物の表面と裏面に沿って流動させて、前記被洗浄物の洗浄を収納具の搬送方向に沿って順次行うことを特徴とする洗浄方法としたものである。
【0011】
本発明の洗浄方法においては、被洗浄物を収納する収納具に被洗浄物の略全体が浸漬するように貯水することによる収納具内での浸漬洗浄作用と、収納具内に洗浄水を順次噴射して貯水しながら排水することによる洗浄水の収納具内全体での激しい流動化作用と、収納具の上方側より洗浄水を順次噴射することによる被洗浄物への噴射洗浄水自体の被洗浄物への直接的な当接作用と、順次噴射する洗浄水により、互いに隣り合う被洗浄物の離間した間隔内にある貯水した洗浄水の排除、置換作用と噴射した洗浄水の被洗浄物の表面と裏面に沿う高速の流動化作用を複合して生じさせることができる。
【0012】
さらに、前記複合作用は、収納具の搬送方向に沿って所定の間隔を与えて複数配置した洗浄水を噴射するノズルの位置において複数回にわたって生じさせることができる。これによって、被洗浄物の汚れを確実に除去し、洗浄を効率的に行うことができる。
【0013】
さらに、従来のように別途に固定した浸漬洗浄槽を設け、収納具を順次洗浄水に浸漬させる場合は、浸漬洗浄槽内の洗浄水中に汚れ成分が増加し、洗浄作用が低下していくことになる。このため浸漬洗浄槽内の洗浄水の定期的な入れ替えが必要となる。これに対して本発明の洗浄方法においては、収納具の上方側より清浄な洗浄水を噴射し、収納具内に貯水しながら汚れ成分とともに連続的に収納具外に排水することによって、収納具内には常に清浄な洗浄水が貯水されることになる。これによって、被洗浄物の汚れを確実に除去し、洗浄を効率的に行うことができる。
【0014】
また、被洗浄物を収納する収納具内に被洗浄物の略全体が浸漬するように貯水することによる浸漬洗浄作用によって、別途に浸漬洗浄槽を設けて所定時間(例えば10〜20分)被洗浄物を収納した収納具を浸漬させておく工程が不要となる。したがってこの点からも被洗浄物の洗浄を効率的に行うことができる。
【0015】
前記したように、別途に固定した浸漬洗浄槽を設ける必要がないこと、収納具を浸漬洗浄槽に出し入れする機構が不要であること、収納具を水平方向に搬送するのみでよいこと等により、洗浄装置全体の小型化、構成の簡素化を図ることができる。
【0016】
第2の発明は、第1の発明において、ノズルから噴射した洗浄水を所定量貯水しながら前記貯水の下部側および貯水する水位での溢水として収納具外に排水することを特徴とする洗浄方法としたものである。
【0017】
これによって、収納具内で多方向に洗浄水を流動化させて被洗浄物の洗浄を効率的に行うことができる。また、比較的重い成分の汚れを貯水の下部側から、また軽い成分の汚れを溢水とともに速やかに収納具外に排出し、貯水する洗浄水を常に清浄に保つことができる。さらに、洗浄後に貯水の下部側から収納具外に速やかに排水することができる。したがって洗浄後の工程である殺菌、乾燥を効率的に行うことができるとともに、収納具の取り扱いの煩雑さを解消することができる。
【0018】
第3の発明は、第1または第2の発明において、ノズルから噴射した洗浄水を収納具内に貯水する水位を下げた洗浄工程を収納具の搬送方向に含むことを特徴とする洗浄方法としたものである。
【0019】
これによって、貯水水位の上に露出する被洗浄物部分への噴射洗浄水の直接的な当接作用を強め、汚れ成分の被洗浄物からの剥離を促進して、洗浄装置全体としての洗浄をより効率的に行うことができる。貯水する水位を下げる手段は、ノズルからの洗浄水の噴射量を、貯水の下部側から収納具外に排水する量とバランスさせること簡単に調整することができる。
【0020】
第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発明において、被洗浄物が食器類であることを特徴とする洗浄方法としたものである。
【0021】
これによって、皿、お椀、お玉、スプーン、フォーク、しゃもじ、および食品を掴むトング等の食器類の洗浄を確実に、効率的に行うことができる。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の一実施例においては、食器類であるお玉を被洗浄物の例として図1〜図15を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施例の被洗浄物であるお玉の洗浄方法を実施する洗浄装置の基本構成を示す正面構成図、図2は図1のA−A線における側断面図、図3(a)、(b)は洗浄水を噴射するノズルの形状を示す図、図4(a)、(b)はお玉の構成図、図5はお玉の収納具の概観斜視図、図6は図5における収納具の側面面図、図7は図5における収納具の平面図、図8は図7中のB−B線における側断面図、図9は図7中のC−C線における側断面図、図10〜図13は洗浄時の状態を示す図、図14は他の構成の洗浄時状態を示す図、図15は他の構成の洗浄時状態を示す図である。
【0023】
図1に示すように、洗浄装置1は、搬送手段であるコンベア2と、コンベア2の下方に位置する仕切部材3により上下方向に区分され、下方部は下部外郭体4によって機器スペース5を構成している。上方部は上部外郭体6によって洗浄スペース7を構成している。また洗浄水を貯留するタンク8からポンプ9によって洗浄水を噴射するノズル10、11を備えている。複数の被洗浄物であるお玉28を収納した収納具14がレール状のコンベア2上に位置し、図1中の実線矢印方向に所定の速度で移動するものである。タンク8、ポンプ9、ノズル10、11は配管12、13により接続されている。
【0024】
図2に示すように、ノズル10、11は、鉛直中心を挟んで互いに所定角度(θ2)を有して配置し、上部側よりお玉28に向けて洗浄水を噴射する。またノズル10、11は、図1に示すように鉛直面に対して所定角度(θ1)を有して配置しているものである。なおノズル10、11の所定角度(θ1)は鉛直面に対して例えば略10度に設定しているものである。
【0025】
洗浄スペース7には、収納具14の移動方向に沿ってお玉28を収納した複数の収納具14がコンベア2上に位置している。また洗浄スペース7は、収納具14の入口側から荒洗浄ゾーン7a、中間洗浄ゾーン7b、7c、仕上げ洗浄ゾーン7dに区分されている。各々の洗浄ゾーンに、洗浄水を貯留するタンク8、ポンプ9、ノズル10、11を一つのユニットとして少なくとも一つ備えているものである。なお洗浄ゾーンの区分およびその数、各々の洗浄ゾーンにおけるタンク8、ポンプ9、ノズル10、11の各々の配置数は一例であって、これに限定されるものではない。
【0026】
図3(a)、(b)に示す洗浄水を噴射するノズル10、11の形状は、開口断面が矩形状となっており、短辺(t1)が収納具14の移動方向に沿い、長辺(t2)が収納具14の移動方向と略直交する方向に配置されている。
【0027】
図4(a)、(b)はお玉28の構成図で、図4(a)は食品を掬う椀状部28aを上にしたときの平面図、図4(b)は椀状部28a、柄部28bを鉛直方向としたときの平面図である。お玉28は、主に食品を掬う椀状部28a、柄部28bからなり、柄部28bの端部にはお玉28を吊るための細長状の孔28cが形成されている。また椀状部28a、柄部28bの表面28f、この裏面28gを鉛直方向としたときの端面を各々28d、28eとして示す。
【0028】
被洗浄物であるお玉28の収納具14の構成およびお玉28の収納方法を、図5〜図9により説明する。
【0029】
収納具14は主に収納部15、蓋部23により構成されている。収納部15は縦壁16a、16b、16c、16dを有し、前記縦壁16a、16b、16c、16dで囲まれた内部に底板17が固定してある。
【0030】
また、図6、図8に示すように底板17は、縦壁16a、16b、16c、16dの高さ方向の下方寄りに位置し、縦壁16bと16d側に洗浄水の流出用の開口18、19を形成するように構成している。縦壁16dには取手20が固定金具21によって回動自在に固定してある。また縦壁16cには蓋部23を開閉自在に固定するフック部材22を有している。
【0031】
蓋部23は、外側に線材からなる枠24、この枠24に線材25を複数固着させている。蓋部23と収納部15は複数の回動用部材27によって保持し、収納部15に対して蓋部23を開閉自在に構成している。
【0032】
また、底板17の上面に突出させて線材よりなる複数の保持部材26a、26bを固定している。図5、図7に示すように、前記複数の保持部材26a、26bの間にお玉28を挿入し表面28f、裏面28gを鉛直方向の姿勢に保持するとともに、複数のお玉28を、予め互いに隣り合う表面28f、裏面28g間を離間させて収納する。また先頭に位置するお玉28の表面28f側は縦壁16cと離間させて収納し、さらに最後尾に位置するお玉28の裏面28g側は縦壁16aと離間させて収納するものである。なお、お玉28の椀状部28a、柄部28bは各々同方向に揃える。
【0033】
また、複数のお玉28の表面28f、裏面28gを鉛直方向の姿勢に保持するが、保持部材26a、26b間の間隔は表面28f、裏面28g間の寸法より大きくしてあり、さらにお玉28の重心が裏面28g側にあるので、複数のお玉28は表面28fを上にして所定角度傾斜した姿勢となる。これによって複数のお玉28の姿勢を安定させることができる。なお、底板17上には椀状部28aの下方の端面28eが接触しているが、柄部28bの下方の端面28eは底板17上に設けた保持部材上に接触させるようにして、複数のお玉28の長手方向を略水平に保持しているものである(図示なし)。
【0034】
底板17の上面と蓋部23の線材25間は、お玉28の上下端面28d間より所定寸法大きく設定している。複数のお玉28を底板17上の収納部15に収納した後、蓋部23を回動させて収納部15にフック部材22により固定する。
【0035】
お玉28の長手方向の柄部28bの端部側、椀状部28aが、各々開口18、19側に位置するように収納する。さらに、縦壁16bと16dとの間隔は、お玉28の長手方向の両端部間の寸法よりも長くして余裕を与えて収納する。
【0036】
収納具14は、収納したお玉28の長手方向が収納具14の移動方向と略直交するようにし、またお玉28の表面28fを先頭にて洗浄スペース7内を移動させる。またノズル10、11の短辺(t1)が収納具14の移動方向に沿うように配置されていることから、幅のより狭い洗浄水をお玉28の重ね方向に沿って順次噴射する。
【0037】
次に、図10〜図13に基づいてお玉28の洗浄時状態を説明する。なお図中において、Wは噴射された洗浄水の流れを示し、実線矢印とFa、Fbによって収納具14内に噴射した洗浄水の流動と収納具14外への流出経路を示す。
【0038】
図10(a)、(b)、図11は、収納具14の移動によりノズル10、11からの洗浄水が収納部15の搬送方向における前部に到達し、収納部15内に洗浄水を噴射させているときの洗浄状態を示す。
【0039】
ノズル10、11からの所定の噴射速度を有する洗浄水(w)は、先頭に位置するお玉28の表面28f側、および底板17に当たる。収納部15内に噴射した洗浄水は、収納部15内に貯水され、図10(b)、図11に示す実線矢印のように流動するとともに、収納部15の縦壁16a、16b、16c、16dの上端より溢水(Fa)として流出する。
【0040】
さらに収納部15内に貯水しながら図11に示すように開口18、19から下方に流出する状態となる。
【0041】
図10(b)に示すように、縦壁16aとお玉28の表面28f間を洗浄水が流動し、開口18、19から下方に流出する(Fb)。このときお玉28の表面28fの汚れを除去し、除去した汚れ成分は流動する洗浄水により開口18、19から排出する。
【0042】
この状態において、先頭に位置するお玉28の表面28fの汚れは、流動する洗浄水によって洗浄するが、先頭に位置するお玉28の裏面28gおよび二番目以降に位置するお玉28の各々は、収納部15内に貯水した洗浄水中に浸漬した状態となる。
【0043】
貯水した洗浄水中に浸漬した状態において、お玉28に付着した汚れは水分を吸収して軟化し、表面から剥離しやすい状況を作り出すとともに、収納部15内を流動する洗浄水によってお玉28に付着した一部の汚れが剥離しこれを除去することができる。
【0044】
なお、ノズル10、11からの洗浄水の量は、開口18、19から下方に流出させると同時に、縦壁16a、16b、16c、16dの上端より溢水(Fa)として流出するように設定し、ノズル10、11から洗浄水を収納部15内に噴射しているときは、常に収納部15内に貯水している状態とする。これはノズル10、11から収納部15内に噴射する洗浄水の量に対して縦壁16a、16b、16c、16dの上端より溢水(Fa)流出するように開口18、19の面積を設定すればよい。
【0045】
図12(a)、(b)は、図10の状態からコンベア2により収納具14が移動して、洗浄水が先頭に位置するお玉28の端部28d、28eに当たった後、先頭に位置するお玉28の端部28d、28eと隣り合う二番目のお玉28の端部28d、28eとの離間した間隔に洗浄水が入り込んでいる状態を示す。
【0046】
離間した間隔内を洗浄水が先頭に位置するお玉28の裏面28gと二番目のお玉28の表面28fに沿って高速で流動し、汚れを確実に除去して洗浄するものである。また、このときの収納部15内での貯水および洗浄水の流動は図11に示す状態と同様となる。以降この動作を収納具14が移動することにより順次繰り返す。
【0047】
図13(a)、(b)は、収納具14の移動により、ノズル10、11からの洗浄水が、最後尾に位置するお玉28の裏面28g側の位置に移動したときの洗浄状態を示す。ノズル10、11の洗浄水は、最後尾に位置するお玉28の裏面28gに接触して流動し、汚れを除去し洗浄する。このときの収納部15内での貯水および洗浄水の流動は図11に示す状態と同様となる。
【0048】
以上のように、図10から図13に示した洗浄動作を、複数配置したノズル10、11ごとに繰り返し行い、収納具14とともに収納したお玉28の洗浄を完了する。洗浄を終了したお玉28は、収納具14に収納したまま、次工程で例えば乾燥、殺菌等を行い保管されるものである。
【0049】
なお、図示しないが、収納具14を一方向の移動から駆動手段により往復移動させてお玉28の洗浄を行うか、または収納具14を固定し、駆動手段によりノズル10、11を往復移動させてお玉28の洗浄を行うことによって、洗浄装置の小型化が可能となり、省スペース化を図ることができる。
【0050】
図14は、底板17を縦壁16d側のみに洗浄水の流出用の開口19を形成するように構成したものである。これによって、収納部15内に貯水した洗浄水は収納部15の縦壁16a、16b、16c、16dの上端より溢水(Fa)として流出し、さらにお玉28の長手方向に沿いながら開口19から下方に流出(Fb)する状態となる。図14に示す構成においては、複数のお玉28の長手方向に沿いながら椀状部28a側に流動し、開口19から下方に流出する。
【0051】
複数の被洗浄物をお玉28とした場合には、食品を掬う椀状部28aを開口19側として収納部15内に収納する。これによって、汚れがより多く付着した椀状部28aが開口19側に位置し、除去した汚れが速やかに貯水した洗浄水とともに開口19から流出するので、収納部15内に貯水した洗浄水の全体への汚れ成分の拡散が減少し、収納部15内に貯水した洗浄水の清浄度をより上げることができる。
【0052】
図15は、図14の構成において、底板17をお玉28の椀状部28a側を順次下方に傾斜するように構成したものである。これによって、洗浄後において収納部15内の貯水した洗浄水を速やかに排水することができ、乾燥、殺菌等の次工程における水分の除去をより効率的に行うことができる。
【0053】
なお、実施例においては、被洗浄物をお玉28として説明したが、お玉、しゃもじ、スプーンの複数種類の食器類を収納具に収納して同時に洗浄することができる。これは保持部材26a、26bの形状、配置を複数種類の食器類に合わせて構成すればよい。なお、被洗浄物を食器類としたが、これに限定するものではなく、他の様々な被洗浄物に適用できるものである。
【0054】
以上のように、本発明の洗浄方法においては、被洗浄物を収納する収納具に被洗浄物の略全体が浸漬するように貯水することによる収納具内での浸漬洗浄作用と、収納具内に洗浄水を順次噴射して貯水しながら排水することによる洗浄水の収納具内全体での激しい流動化作用と、収納具の上方側より洗浄水を順次噴射することによる被洗浄物への噴射洗浄水自体の直接的な当接作用と、順次噴射する洗浄水により、互いに隣り合う被洗浄物の離間した間隔内にある貯水した洗浄水の排除、置換作用と噴射した洗浄水の被洗浄物の表面と裏面に沿う高速の流動化作用を複合して生じさせることができる。
【0055】
さらに前記複合作用は、収納具の搬送方向に沿って所定の間隔を与えて複数配置した洗浄水を噴射するノズルの位置において複数回にわたって生じさせることができる。これによって、被洗浄物の汚れを確実に除去し、洗浄を効率的に行うことができる。
【0056】
さらに、従来のように別途に固定した浸漬洗浄槽を設け、収納具を順次洗浄水に浸漬させる場合は、浸漬洗浄槽内の洗浄水中に汚れ成分が増加し、洗浄作用が低下していくことになる。このため浸漬洗浄槽内の洗浄水の定期的な入れ替えが必要となる。これに対して本発明の洗浄方法においては、収納具の上方側より清浄な洗浄水を噴射し、収納具内に貯水しながら汚れ成分とともに連続的に収納具外に排水することによって、収納具内には常に清浄な洗浄水が貯水されることになる。これによって、被洗浄物の汚れを確実に除去し、洗浄を効率的に行うことができる。
【0057】
また、被洗浄物を収納する収納具内に被洗浄物の略全体が浸漬するように貯水することによる浸漬洗浄作用によって、別途に浸漬洗浄槽を設けて所定時間(例えば10分程度)被洗浄物を収納した収納具を浸漬させておく工程が不要となる。したがってこの点からも被洗浄物の洗浄を効率的に行うことができる。
【0058】
前記したように、別途に固定した浸漬洗浄槽を設ける必要がないこと、収納具を浸漬洗浄槽に出し入れする機構が不要であること、収納具を水平方向に搬送するのみでよいこと等により、洗浄装置全体の小型化、構成の簡素化を図ることができる。
【0059】
また、ノズルから噴射した洗浄水を所定量貯水しながら前記貯水の下部側および貯水する水位での溢水として収納具外に排水する。これによって、収納具内に多方向に洗浄水を流動化させて被洗浄物の洗浄を効率的に行うことができる。また、比較的重い成分の汚れを貯水の下部側から、また軽い成分の汚れを溢水とともに速やかに収納具外に排出し、貯水中する洗浄水を常に清浄に保つことができる。さらに、洗浄後に貯水の下部側から収納具外に速やかに排水することができる。したがって洗浄後の工程である殺菌、乾燥を効率的に行うことができるとともに、収納具の取り扱いの煩雑さを解消することができる。
【0060】
また、ノズルから噴射した洗浄水を収納具内に貯水する水位を下げた洗浄工程を収納具の搬送方向に含むようにすることによって、貯水水位の上に露出する被洗浄物部分への噴射洗浄水の直接的な当接作用を強め、汚れ成分の被洗浄物からの剥離を促進して、洗浄装置全体としての洗浄をより効率的に行うことができる。収納具内に貯水する水位を下げた洗浄工程は、例えば図1に示す中間洗浄ゾーン7c、仕上げ洗浄ゾーン7dのいずれかにおいて実施する。なお、貯水水位は例えば被洗浄物の半分または三分の二が貯水水位の上に露出する程度に水位を下げるものである。
【0061】
貯水水位を下げる手段は、ノズルからの洗浄水の噴射量を、貯水の下部側から収納具外に排水する量とバランスさせることで簡単に調整することができる。これはノズル10、11の洗浄水の噴射量を減少させるか、10、11の開口面積を小さくして洗浄水の噴射量を減少させるとともに噴射速度をより速くする。噴射速度をより速くした場合は、被洗浄物部分への噴射洗浄水の直接的な当接作用を強め、汚れ成分の被洗浄物からの剥離をより促進することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
食器類に限らず、例えば機械加工部品等の被洗浄物の洗浄用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】は本発明の一実施例の被洗浄物であるお玉の洗浄方法を実施する洗浄装置の基本構成を示す正面構成図。
【図2】は図1のA−A線における側断面図。
【図3】(a)、(b)は洗浄水を噴射するノズルの形状を示す図。
【図4】(a)、(b)はお玉の構成図。
【図5】はお玉の収納具の概観斜視図。
【図6】は図5における収納具の側面面図。
【図7】は図5における収納具の平面図。
【図8】は図7中のB−B線における側断面図。
【図9】は図7中のC−C線における側断面図。
【図10】は洗浄時状態を示す図。
【図11】は洗浄時状態を示す図。
【図12】は洗浄時状態を示す図。
【図13】は洗浄時状態を示す図。
【図14】は他の構成の洗浄時状態を示す図。
【図15】は他の構成の洗浄時状態を示す図。
【符号の説明】
【0064】
1 洗浄装置
2 コンベア(搬送手段)
3 仕切部材
4 下部外郭体
5 機器スペース
6 上部外郭体
7 洗浄スペース
7a 荒洗浄ゾーン
7b 中間洗浄ゾー
7c 仕上げ洗浄ゾーン
8 洗浄水タンク
9 ポンプ
10、11 ノズル
12、13 配管
14 収納具
15 収納部
16a〜16d 縦壁
17 底板
18 開口
19 開口
20 取手
21 固定金具
22 フック部材
23 蓋部
24 枠
25 線材
26a、26b 保持部材
27 回動用部材
28 お玉(食器類、被洗浄物)
【技術分野】
【0001】
本発明は、被洗浄物の洗浄方法であり、特に学校、病院等の給食のように被洗浄物として食器類である皿、お椀、お玉、スプーン、フォーク、しゃもじ、および食品を掴むトング等を比較的大量に使用する状況における洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被洗浄物である食器を例とした洗浄装置に関しては、タンク内の貯水した洗浄水中に複数の食器を収納した収納具ごと全体を浸漬させて洗浄するもの、および収納具内に収納した複数の食器にノズルから洗浄水を吹き付けて洗浄を行うものがある。これらの代表例として下記のものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載されているように、上段に導入部、残飯除去部、第1移送部、噴射洗浄部、第2移送部、乾燥部および導出部が順次設けられ、第1移送部の下段に第1浸漬槽が、第2移送部の下段に第2浸漬槽が設けられ、残飯除去部および噴射洗浄部に食器に高圧水を噴射するノズルが設けられている。第1移送部および第2移送部に食器を上下動させるリフト機構が設けられている。また、第1浸漬槽および第2浸漬槽は篭に収納された食器がすべて浸漬される大きさであり、その第1浸漬槽に浸漬した篭に振動を与える加振装置が設けられ、また少なくとも第2浸漬槽に供給される液体を加熱する加熱装置が設けられているものである。
【0004】
また、特許文献2に記載されているように、周囲をカバー体で包囲された洗浄室内に、被洗浄物を入れる筒形の洗浄篭が複数の支持ローラによって回転自在に略水平に支持され、洗浄水を噴出する複数本の洗浄ノズル管が、筒形の洗浄篭の周囲にその軸方向に沿って配設され、各洗浄ノズル管には多数のノズルが、噴出する洗浄水の噴出力により洗浄篭を回転させるように、洗浄ノズル管と洗浄篭の中心軸を通る断面中心線から外側に一定の角度だけ傾斜させた方向に洗浄水を洗浄篭に向けて噴出するように配置されていることを特徴とするシャワー式洗浄機としたものである。
【特許文献1】特開平11−56735号公報
【特許文献2】特開平5−7544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載されたものは、食器を収納した篭(収納具)すべてを浸漬槽に浸漬するため、浸漬槽自体が大きくなり、ここに大量の洗浄水を貯水しておく必要があるとともに、貯水した洗浄水に汚れ成分が出て、これを除去するか、または清浄な洗浄水と入れ替えることも必要となる。また、浸漬槽自体、食器を収納した篭を上下動させるリフト機構、浸漬槽から出してノズルからの洗浄水による噴射洗浄部等の構成要素が多くなり、洗浄装置全体が大きく、また複雑となる。さらに、篭を浸漬槽に所定時間にわたって浸漬させておく必要があり、全体の洗浄に要する時間が長くなる課題を有している。
【0006】
また、前記特許文献2に記載されたものは、被洗浄物を入れる筒形の洗浄篭をノズルから噴出する洗浄水の噴出力により洗浄篭を回転させるようにしているため、構造が複雑で、回転にともなう騒音が大きい。さらに筒形の洗浄篭に都度被洗浄物を出し入れするので、取り扱いが煩雑で連続的な洗浄に不向きである等の課題を有している。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、被洗浄物の洗浄を効率的に行うとともに、洗浄装置の小型化、構成の簡素化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために本発明の洗浄方法は、互いに隣り合う被洗浄物を離間させて収納する収納具と、前記収納具を搬送する搬送手段と、前記収納具の搬送方向に沿って所定の間隔を与えて複数配置した洗浄水を噴射するノズルと、を備え、前記複数配置したノズルごとに、搬送する収納具の上方側より洗浄水を順次噴射するとともに、前記噴射した洗浄水を複数の被洗浄物の略全体が浸漬するように収納具内に所定量貯水しながら収納具外に排水し、前記貯水した洗浄水中において、ノズルから噴射した洗浄水により、互いに隣り合う被洗浄物の離間した間隔内にある貯水した洗浄水を排除するとともに、前記ノズルから噴射した洗浄水を被洗浄物の表面と裏面に沿って流動させて、前記被洗浄物の洗浄を収納具の搬送方向に沿って順次行うものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の食器の洗浄方法によれば、被洗浄物の洗浄を効率的に行うとともに、洗浄装置の小型化、構成の簡素化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、互いに隣り合う被洗浄物を離間させて収納する収納具と、前記収納具を搬送する搬送手段と、前記収納具の搬送方向に沿って所定の間隔を与えて複数配置した洗浄水を噴射するノズルと、を備え、前記複数配置したノズルごとに、搬送する収納具の上方側より洗浄水を順次噴射するとともに、前記噴射した洗浄水を複数の被洗浄物の略全体が浸漬するように収納具内に所定量貯水しながら収納具外に排水し、前記貯水した洗浄水中において、ノズルから噴射した洗浄水により、互いに隣り合う被洗浄物の離間した間隔内にある貯水した洗浄水を排除するとともに、前記ノズルから噴射した洗浄水を被洗浄物の表面と裏面に沿って流動させて、前記被洗浄物の洗浄を収納具の搬送方向に沿って順次行うことを特徴とする洗浄方法としたものである。
【0011】
本発明の洗浄方法においては、被洗浄物を収納する収納具に被洗浄物の略全体が浸漬するように貯水することによる収納具内での浸漬洗浄作用と、収納具内に洗浄水を順次噴射して貯水しながら排水することによる洗浄水の収納具内全体での激しい流動化作用と、収納具の上方側より洗浄水を順次噴射することによる被洗浄物への噴射洗浄水自体の被洗浄物への直接的な当接作用と、順次噴射する洗浄水により、互いに隣り合う被洗浄物の離間した間隔内にある貯水した洗浄水の排除、置換作用と噴射した洗浄水の被洗浄物の表面と裏面に沿う高速の流動化作用を複合して生じさせることができる。
【0012】
さらに、前記複合作用は、収納具の搬送方向に沿って所定の間隔を与えて複数配置した洗浄水を噴射するノズルの位置において複数回にわたって生じさせることができる。これによって、被洗浄物の汚れを確実に除去し、洗浄を効率的に行うことができる。
【0013】
さらに、従来のように別途に固定した浸漬洗浄槽を設け、収納具を順次洗浄水に浸漬させる場合は、浸漬洗浄槽内の洗浄水中に汚れ成分が増加し、洗浄作用が低下していくことになる。このため浸漬洗浄槽内の洗浄水の定期的な入れ替えが必要となる。これに対して本発明の洗浄方法においては、収納具の上方側より清浄な洗浄水を噴射し、収納具内に貯水しながら汚れ成分とともに連続的に収納具外に排水することによって、収納具内には常に清浄な洗浄水が貯水されることになる。これによって、被洗浄物の汚れを確実に除去し、洗浄を効率的に行うことができる。
【0014】
また、被洗浄物を収納する収納具内に被洗浄物の略全体が浸漬するように貯水することによる浸漬洗浄作用によって、別途に浸漬洗浄槽を設けて所定時間(例えば10〜20分)被洗浄物を収納した収納具を浸漬させておく工程が不要となる。したがってこの点からも被洗浄物の洗浄を効率的に行うことができる。
【0015】
前記したように、別途に固定した浸漬洗浄槽を設ける必要がないこと、収納具を浸漬洗浄槽に出し入れする機構が不要であること、収納具を水平方向に搬送するのみでよいこと等により、洗浄装置全体の小型化、構成の簡素化を図ることができる。
【0016】
第2の発明は、第1の発明において、ノズルから噴射した洗浄水を所定量貯水しながら前記貯水の下部側および貯水する水位での溢水として収納具外に排水することを特徴とする洗浄方法としたものである。
【0017】
これによって、収納具内で多方向に洗浄水を流動化させて被洗浄物の洗浄を効率的に行うことができる。また、比較的重い成分の汚れを貯水の下部側から、また軽い成分の汚れを溢水とともに速やかに収納具外に排出し、貯水する洗浄水を常に清浄に保つことができる。さらに、洗浄後に貯水の下部側から収納具外に速やかに排水することができる。したがって洗浄後の工程である殺菌、乾燥を効率的に行うことができるとともに、収納具の取り扱いの煩雑さを解消することができる。
【0018】
第3の発明は、第1または第2の発明において、ノズルから噴射した洗浄水を収納具内に貯水する水位を下げた洗浄工程を収納具の搬送方向に含むことを特徴とする洗浄方法としたものである。
【0019】
これによって、貯水水位の上に露出する被洗浄物部分への噴射洗浄水の直接的な当接作用を強め、汚れ成分の被洗浄物からの剥離を促進して、洗浄装置全体としての洗浄をより効率的に行うことができる。貯水する水位を下げる手段は、ノズルからの洗浄水の噴射量を、貯水の下部側から収納具外に排水する量とバランスさせること簡単に調整することができる。
【0020】
第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発明において、被洗浄物が食器類であることを特徴とする洗浄方法としたものである。
【0021】
これによって、皿、お椀、お玉、スプーン、フォーク、しゃもじ、および食品を掴むトング等の食器類の洗浄を確実に、効率的に行うことができる。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の一実施例においては、食器類であるお玉を被洗浄物の例として図1〜図15を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施例の被洗浄物であるお玉の洗浄方法を実施する洗浄装置の基本構成を示す正面構成図、図2は図1のA−A線における側断面図、図3(a)、(b)は洗浄水を噴射するノズルの形状を示す図、図4(a)、(b)はお玉の構成図、図5はお玉の収納具の概観斜視図、図6は図5における収納具の側面面図、図7は図5における収納具の平面図、図8は図7中のB−B線における側断面図、図9は図7中のC−C線における側断面図、図10〜図13は洗浄時の状態を示す図、図14は他の構成の洗浄時状態を示す図、図15は他の構成の洗浄時状態を示す図である。
【0023】
図1に示すように、洗浄装置1は、搬送手段であるコンベア2と、コンベア2の下方に位置する仕切部材3により上下方向に区分され、下方部は下部外郭体4によって機器スペース5を構成している。上方部は上部外郭体6によって洗浄スペース7を構成している。また洗浄水を貯留するタンク8からポンプ9によって洗浄水を噴射するノズル10、11を備えている。複数の被洗浄物であるお玉28を収納した収納具14がレール状のコンベア2上に位置し、図1中の実線矢印方向に所定の速度で移動するものである。タンク8、ポンプ9、ノズル10、11は配管12、13により接続されている。
【0024】
図2に示すように、ノズル10、11は、鉛直中心を挟んで互いに所定角度(θ2)を有して配置し、上部側よりお玉28に向けて洗浄水を噴射する。またノズル10、11は、図1に示すように鉛直面に対して所定角度(θ1)を有して配置しているものである。なおノズル10、11の所定角度(θ1)は鉛直面に対して例えば略10度に設定しているものである。
【0025】
洗浄スペース7には、収納具14の移動方向に沿ってお玉28を収納した複数の収納具14がコンベア2上に位置している。また洗浄スペース7は、収納具14の入口側から荒洗浄ゾーン7a、中間洗浄ゾーン7b、7c、仕上げ洗浄ゾーン7dに区分されている。各々の洗浄ゾーンに、洗浄水を貯留するタンク8、ポンプ9、ノズル10、11を一つのユニットとして少なくとも一つ備えているものである。なお洗浄ゾーンの区分およびその数、各々の洗浄ゾーンにおけるタンク8、ポンプ9、ノズル10、11の各々の配置数は一例であって、これに限定されるものではない。
【0026】
図3(a)、(b)に示す洗浄水を噴射するノズル10、11の形状は、開口断面が矩形状となっており、短辺(t1)が収納具14の移動方向に沿い、長辺(t2)が収納具14の移動方向と略直交する方向に配置されている。
【0027】
図4(a)、(b)はお玉28の構成図で、図4(a)は食品を掬う椀状部28aを上にしたときの平面図、図4(b)は椀状部28a、柄部28bを鉛直方向としたときの平面図である。お玉28は、主に食品を掬う椀状部28a、柄部28bからなり、柄部28bの端部にはお玉28を吊るための細長状の孔28cが形成されている。また椀状部28a、柄部28bの表面28f、この裏面28gを鉛直方向としたときの端面を各々28d、28eとして示す。
【0028】
被洗浄物であるお玉28の収納具14の構成およびお玉28の収納方法を、図5〜図9により説明する。
【0029】
収納具14は主に収納部15、蓋部23により構成されている。収納部15は縦壁16a、16b、16c、16dを有し、前記縦壁16a、16b、16c、16dで囲まれた内部に底板17が固定してある。
【0030】
また、図6、図8に示すように底板17は、縦壁16a、16b、16c、16dの高さ方向の下方寄りに位置し、縦壁16bと16d側に洗浄水の流出用の開口18、19を形成するように構成している。縦壁16dには取手20が固定金具21によって回動自在に固定してある。また縦壁16cには蓋部23を開閉自在に固定するフック部材22を有している。
【0031】
蓋部23は、外側に線材からなる枠24、この枠24に線材25を複数固着させている。蓋部23と収納部15は複数の回動用部材27によって保持し、収納部15に対して蓋部23を開閉自在に構成している。
【0032】
また、底板17の上面に突出させて線材よりなる複数の保持部材26a、26bを固定している。図5、図7に示すように、前記複数の保持部材26a、26bの間にお玉28を挿入し表面28f、裏面28gを鉛直方向の姿勢に保持するとともに、複数のお玉28を、予め互いに隣り合う表面28f、裏面28g間を離間させて収納する。また先頭に位置するお玉28の表面28f側は縦壁16cと離間させて収納し、さらに最後尾に位置するお玉28の裏面28g側は縦壁16aと離間させて収納するものである。なお、お玉28の椀状部28a、柄部28bは各々同方向に揃える。
【0033】
また、複数のお玉28の表面28f、裏面28gを鉛直方向の姿勢に保持するが、保持部材26a、26b間の間隔は表面28f、裏面28g間の寸法より大きくしてあり、さらにお玉28の重心が裏面28g側にあるので、複数のお玉28は表面28fを上にして所定角度傾斜した姿勢となる。これによって複数のお玉28の姿勢を安定させることができる。なお、底板17上には椀状部28aの下方の端面28eが接触しているが、柄部28bの下方の端面28eは底板17上に設けた保持部材上に接触させるようにして、複数のお玉28の長手方向を略水平に保持しているものである(図示なし)。
【0034】
底板17の上面と蓋部23の線材25間は、お玉28の上下端面28d間より所定寸法大きく設定している。複数のお玉28を底板17上の収納部15に収納した後、蓋部23を回動させて収納部15にフック部材22により固定する。
【0035】
お玉28の長手方向の柄部28bの端部側、椀状部28aが、各々開口18、19側に位置するように収納する。さらに、縦壁16bと16dとの間隔は、お玉28の長手方向の両端部間の寸法よりも長くして余裕を与えて収納する。
【0036】
収納具14は、収納したお玉28の長手方向が収納具14の移動方向と略直交するようにし、またお玉28の表面28fを先頭にて洗浄スペース7内を移動させる。またノズル10、11の短辺(t1)が収納具14の移動方向に沿うように配置されていることから、幅のより狭い洗浄水をお玉28の重ね方向に沿って順次噴射する。
【0037】
次に、図10〜図13に基づいてお玉28の洗浄時状態を説明する。なお図中において、Wは噴射された洗浄水の流れを示し、実線矢印とFa、Fbによって収納具14内に噴射した洗浄水の流動と収納具14外への流出経路を示す。
【0038】
図10(a)、(b)、図11は、収納具14の移動によりノズル10、11からの洗浄水が収納部15の搬送方向における前部に到達し、収納部15内に洗浄水を噴射させているときの洗浄状態を示す。
【0039】
ノズル10、11からの所定の噴射速度を有する洗浄水(w)は、先頭に位置するお玉28の表面28f側、および底板17に当たる。収納部15内に噴射した洗浄水は、収納部15内に貯水され、図10(b)、図11に示す実線矢印のように流動するとともに、収納部15の縦壁16a、16b、16c、16dの上端より溢水(Fa)として流出する。
【0040】
さらに収納部15内に貯水しながら図11に示すように開口18、19から下方に流出する状態となる。
【0041】
図10(b)に示すように、縦壁16aとお玉28の表面28f間を洗浄水が流動し、開口18、19から下方に流出する(Fb)。このときお玉28の表面28fの汚れを除去し、除去した汚れ成分は流動する洗浄水により開口18、19から排出する。
【0042】
この状態において、先頭に位置するお玉28の表面28fの汚れは、流動する洗浄水によって洗浄するが、先頭に位置するお玉28の裏面28gおよび二番目以降に位置するお玉28の各々は、収納部15内に貯水した洗浄水中に浸漬した状態となる。
【0043】
貯水した洗浄水中に浸漬した状態において、お玉28に付着した汚れは水分を吸収して軟化し、表面から剥離しやすい状況を作り出すとともに、収納部15内を流動する洗浄水によってお玉28に付着した一部の汚れが剥離しこれを除去することができる。
【0044】
なお、ノズル10、11からの洗浄水の量は、開口18、19から下方に流出させると同時に、縦壁16a、16b、16c、16dの上端より溢水(Fa)として流出するように設定し、ノズル10、11から洗浄水を収納部15内に噴射しているときは、常に収納部15内に貯水している状態とする。これはノズル10、11から収納部15内に噴射する洗浄水の量に対して縦壁16a、16b、16c、16dの上端より溢水(Fa)流出するように開口18、19の面積を設定すればよい。
【0045】
図12(a)、(b)は、図10の状態からコンベア2により収納具14が移動して、洗浄水が先頭に位置するお玉28の端部28d、28eに当たった後、先頭に位置するお玉28の端部28d、28eと隣り合う二番目のお玉28の端部28d、28eとの離間した間隔に洗浄水が入り込んでいる状態を示す。
【0046】
離間した間隔内を洗浄水が先頭に位置するお玉28の裏面28gと二番目のお玉28の表面28fに沿って高速で流動し、汚れを確実に除去して洗浄するものである。また、このときの収納部15内での貯水および洗浄水の流動は図11に示す状態と同様となる。以降この動作を収納具14が移動することにより順次繰り返す。
【0047】
図13(a)、(b)は、収納具14の移動により、ノズル10、11からの洗浄水が、最後尾に位置するお玉28の裏面28g側の位置に移動したときの洗浄状態を示す。ノズル10、11の洗浄水は、最後尾に位置するお玉28の裏面28gに接触して流動し、汚れを除去し洗浄する。このときの収納部15内での貯水および洗浄水の流動は図11に示す状態と同様となる。
【0048】
以上のように、図10から図13に示した洗浄動作を、複数配置したノズル10、11ごとに繰り返し行い、収納具14とともに収納したお玉28の洗浄を完了する。洗浄を終了したお玉28は、収納具14に収納したまま、次工程で例えば乾燥、殺菌等を行い保管されるものである。
【0049】
なお、図示しないが、収納具14を一方向の移動から駆動手段により往復移動させてお玉28の洗浄を行うか、または収納具14を固定し、駆動手段によりノズル10、11を往復移動させてお玉28の洗浄を行うことによって、洗浄装置の小型化が可能となり、省スペース化を図ることができる。
【0050】
図14は、底板17を縦壁16d側のみに洗浄水の流出用の開口19を形成するように構成したものである。これによって、収納部15内に貯水した洗浄水は収納部15の縦壁16a、16b、16c、16dの上端より溢水(Fa)として流出し、さらにお玉28の長手方向に沿いながら開口19から下方に流出(Fb)する状態となる。図14に示す構成においては、複数のお玉28の長手方向に沿いながら椀状部28a側に流動し、開口19から下方に流出する。
【0051】
複数の被洗浄物をお玉28とした場合には、食品を掬う椀状部28aを開口19側として収納部15内に収納する。これによって、汚れがより多く付着した椀状部28aが開口19側に位置し、除去した汚れが速やかに貯水した洗浄水とともに開口19から流出するので、収納部15内に貯水した洗浄水の全体への汚れ成分の拡散が減少し、収納部15内に貯水した洗浄水の清浄度をより上げることができる。
【0052】
図15は、図14の構成において、底板17をお玉28の椀状部28a側を順次下方に傾斜するように構成したものである。これによって、洗浄後において収納部15内の貯水した洗浄水を速やかに排水することができ、乾燥、殺菌等の次工程における水分の除去をより効率的に行うことができる。
【0053】
なお、実施例においては、被洗浄物をお玉28として説明したが、お玉、しゃもじ、スプーンの複数種類の食器類を収納具に収納して同時に洗浄することができる。これは保持部材26a、26bの形状、配置を複数種類の食器類に合わせて構成すればよい。なお、被洗浄物を食器類としたが、これに限定するものではなく、他の様々な被洗浄物に適用できるものである。
【0054】
以上のように、本発明の洗浄方法においては、被洗浄物を収納する収納具に被洗浄物の略全体が浸漬するように貯水することによる収納具内での浸漬洗浄作用と、収納具内に洗浄水を順次噴射して貯水しながら排水することによる洗浄水の収納具内全体での激しい流動化作用と、収納具の上方側より洗浄水を順次噴射することによる被洗浄物への噴射洗浄水自体の直接的な当接作用と、順次噴射する洗浄水により、互いに隣り合う被洗浄物の離間した間隔内にある貯水した洗浄水の排除、置換作用と噴射した洗浄水の被洗浄物の表面と裏面に沿う高速の流動化作用を複合して生じさせることができる。
【0055】
さらに前記複合作用は、収納具の搬送方向に沿って所定の間隔を与えて複数配置した洗浄水を噴射するノズルの位置において複数回にわたって生じさせることができる。これによって、被洗浄物の汚れを確実に除去し、洗浄を効率的に行うことができる。
【0056】
さらに、従来のように別途に固定した浸漬洗浄槽を設け、収納具を順次洗浄水に浸漬させる場合は、浸漬洗浄槽内の洗浄水中に汚れ成分が増加し、洗浄作用が低下していくことになる。このため浸漬洗浄槽内の洗浄水の定期的な入れ替えが必要となる。これに対して本発明の洗浄方法においては、収納具の上方側より清浄な洗浄水を噴射し、収納具内に貯水しながら汚れ成分とともに連続的に収納具外に排水することによって、収納具内には常に清浄な洗浄水が貯水されることになる。これによって、被洗浄物の汚れを確実に除去し、洗浄を効率的に行うことができる。
【0057】
また、被洗浄物を収納する収納具内に被洗浄物の略全体が浸漬するように貯水することによる浸漬洗浄作用によって、別途に浸漬洗浄槽を設けて所定時間(例えば10分程度)被洗浄物を収納した収納具を浸漬させておく工程が不要となる。したがってこの点からも被洗浄物の洗浄を効率的に行うことができる。
【0058】
前記したように、別途に固定した浸漬洗浄槽を設ける必要がないこと、収納具を浸漬洗浄槽に出し入れする機構が不要であること、収納具を水平方向に搬送するのみでよいこと等により、洗浄装置全体の小型化、構成の簡素化を図ることができる。
【0059】
また、ノズルから噴射した洗浄水を所定量貯水しながら前記貯水の下部側および貯水する水位での溢水として収納具外に排水する。これによって、収納具内に多方向に洗浄水を流動化させて被洗浄物の洗浄を効率的に行うことができる。また、比較的重い成分の汚れを貯水の下部側から、また軽い成分の汚れを溢水とともに速やかに収納具外に排出し、貯水中する洗浄水を常に清浄に保つことができる。さらに、洗浄後に貯水の下部側から収納具外に速やかに排水することができる。したがって洗浄後の工程である殺菌、乾燥を効率的に行うことができるとともに、収納具の取り扱いの煩雑さを解消することができる。
【0060】
また、ノズルから噴射した洗浄水を収納具内に貯水する水位を下げた洗浄工程を収納具の搬送方向に含むようにすることによって、貯水水位の上に露出する被洗浄物部分への噴射洗浄水の直接的な当接作用を強め、汚れ成分の被洗浄物からの剥離を促進して、洗浄装置全体としての洗浄をより効率的に行うことができる。収納具内に貯水する水位を下げた洗浄工程は、例えば図1に示す中間洗浄ゾーン7c、仕上げ洗浄ゾーン7dのいずれかにおいて実施する。なお、貯水水位は例えば被洗浄物の半分または三分の二が貯水水位の上に露出する程度に水位を下げるものである。
【0061】
貯水水位を下げる手段は、ノズルからの洗浄水の噴射量を、貯水の下部側から収納具外に排水する量とバランスさせることで簡単に調整することができる。これはノズル10、11の洗浄水の噴射量を減少させるか、10、11の開口面積を小さくして洗浄水の噴射量を減少させるとともに噴射速度をより速くする。噴射速度をより速くした場合は、被洗浄物部分への噴射洗浄水の直接的な当接作用を強め、汚れ成分の被洗浄物からの剥離をより促進することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
食器類に限らず、例えば機械加工部品等の被洗浄物の洗浄用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】は本発明の一実施例の被洗浄物であるお玉の洗浄方法を実施する洗浄装置の基本構成を示す正面構成図。
【図2】は図1のA−A線における側断面図。
【図3】(a)、(b)は洗浄水を噴射するノズルの形状を示す図。
【図4】(a)、(b)はお玉の構成図。
【図5】はお玉の収納具の概観斜視図。
【図6】は図5における収納具の側面面図。
【図7】は図5における収納具の平面図。
【図8】は図7中のB−B線における側断面図。
【図9】は図7中のC−C線における側断面図。
【図10】は洗浄時状態を示す図。
【図11】は洗浄時状態を示す図。
【図12】は洗浄時状態を示す図。
【図13】は洗浄時状態を示す図。
【図14】は他の構成の洗浄時状態を示す図。
【図15】は他の構成の洗浄時状態を示す図。
【符号の説明】
【0064】
1 洗浄装置
2 コンベア(搬送手段)
3 仕切部材
4 下部外郭体
5 機器スペース
6 上部外郭体
7 洗浄スペース
7a 荒洗浄ゾーン
7b 中間洗浄ゾー
7c 仕上げ洗浄ゾーン
8 洗浄水タンク
9 ポンプ
10、11 ノズル
12、13 配管
14 収納具
15 収納部
16a〜16d 縦壁
17 底板
18 開口
19 開口
20 取手
21 固定金具
22 フック部材
23 蓋部
24 枠
25 線材
26a、26b 保持部材
27 回動用部材
28 お玉(食器類、被洗浄物)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣り合う被洗浄物を離間させて収納する収納具と、前記収納具を搬送する搬送手段と、前記収納具の搬送方向に沿って所定の間隔を与えて複数配置した洗浄水を噴射するノズルと、を備え、前記複数配置したノズルごとに、搬送する収納具の上方側より洗浄水を順次噴射するとともに、前記噴射した洗浄水を複数の被洗浄物の略全体が浸漬するように収納具内に所定量貯水しながら収納具外に排水し、前記貯水した洗浄水中において、ノズルから噴射した洗浄水により、互いに隣り合う被洗浄物の離間した間隔内にある貯水した洗浄水を排除するとともに、前記ノズルから噴射した洗浄水を被洗浄物の表面と裏面に沿って流動させて、前記被洗浄物の洗浄を収納具の搬送方向に沿って順次行うことを特徴とする洗浄方法。
【請求項2】
ノズルから噴射した洗浄水を所定量貯水しながら前記貯水の下部側および貯水する水位での溢水として収納具外に排水することを特徴とする請求項1に記載の洗浄方法。
【請求項3】
ノズルから噴射した洗浄水を収納具内に貯水する水位を下げた洗浄工程を収納具の搬送方向に含むことを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄方法。
【請求項4】
被洗浄物が食器類であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄方法。
【請求項1】
互いに隣り合う被洗浄物を離間させて収納する収納具と、前記収納具を搬送する搬送手段と、前記収納具の搬送方向に沿って所定の間隔を与えて複数配置した洗浄水を噴射するノズルと、を備え、前記複数配置したノズルごとに、搬送する収納具の上方側より洗浄水を順次噴射するとともに、前記噴射した洗浄水を複数の被洗浄物の略全体が浸漬するように収納具内に所定量貯水しながら収納具外に排水し、前記貯水した洗浄水中において、ノズルから噴射した洗浄水により、互いに隣り合う被洗浄物の離間した間隔内にある貯水した洗浄水を排除するとともに、前記ノズルから噴射した洗浄水を被洗浄物の表面と裏面に沿って流動させて、前記被洗浄物の洗浄を収納具の搬送方向に沿って順次行うことを特徴とする洗浄方法。
【請求項2】
ノズルから噴射した洗浄水を所定量貯水しながら前記貯水の下部側および貯水する水位での溢水として収納具外に排水することを特徴とする請求項1に記載の洗浄方法。
【請求項3】
ノズルから噴射した洗浄水を収納具内に貯水する水位を下げた洗浄工程を収納具の搬送方向に含むことを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄方法。
【請求項4】
被洗浄物が食器類であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−75576(P2010−75576A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249428(P2008−249428)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(390007456)株式会社中西製作所 (26)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(390007456)株式会社中西製作所 (26)
【Fターム(参考)】
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