洗濯乾燥機
【課題】フィルタの目詰まりを確実に使用者に伝える洗濯乾燥機を提供すること。
【解決手段】制御手段88は、乾燥行程において目詰まり検知手段17によりフィルタ51の目詰まりを検知し、乾燥行程運転終了後にフィルタ掃除ランプ10fを点滅もしくは点灯させ、フィルタ掃除ランプ10fの点滅もしくは点灯後、所定時間内に電源スイッチ14hにより電源が切られなかった場合には前記所定時間経過後自動的に電源を切り、次回運転時に電源スイッチ14iにより電源が入った時にフィルタ掃除ランプ10fを点滅もしくは点灯させるとともに、前記所定時間内に電源スイッチ14hにより電源が切られた場合には次回運転時に電源スイッチ14iにより電源が入った時にフィルタ掃除ランプ10fを消灯させることで、使用者にフィルタ51が目詰まりしていることを確実に伝え、フィルタ51の掃除を促すことができ、乾燥性能の低下を防止することができる。
【解決手段】制御手段88は、乾燥行程において目詰まり検知手段17によりフィルタ51の目詰まりを検知し、乾燥行程運転終了後にフィルタ掃除ランプ10fを点滅もしくは点灯させ、フィルタ掃除ランプ10fの点滅もしくは点灯後、所定時間内に電源スイッチ14hにより電源が切られなかった場合には前記所定時間経過後自動的に電源を切り、次回運転時に電源スイッチ14iにより電源が入った時にフィルタ掃除ランプ10fを点滅もしくは点灯させるとともに、前記所定時間内に電源スイッチ14hにより電源が切られた場合には次回運転時に電源スイッチ14iにより電源が入った時にフィルタ掃除ランプ10fを消灯させることで、使用者にフィルタ51が目詰まりしていることを確実に伝え、フィルタ51の掃除を促すことができ、乾燥性能の低下を防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ドラム内に収容した洗濯物を洗濯、乾燥する洗濯乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の洗濯乾燥機は、乾燥行程において発生する糸くずなどを、循環送風経路内に設けたフィルタにて捕集する構成が提案されてきた。(例えば、特許文献1参照)
図3は、特許文献1に記載された従来の洗濯乾燥機の縦断面図を示すものである。
【0003】
図3において、外箱101内には、水槽103及びその内側の脱水槽105と、乾燥風が流れる乾燥風循環通路107が配置されている。乾燥風循環通路107は、ダクト139により形成され、内部には送風器141、除湿器143、ヒータ145がそれぞれ配置されている。乾燥風循環通路107の一方の吹出口139aは脱水槽105の乾燥風取入口117と連通している。また、他方の吸込口139bは脱水槽105の乾燥風取出口119と連通しており、かつ、フィルタ147が設けられている。なお、乾燥風取出口119は開閉扉125を開けた時に、洗濯物を出し入れする出し入れ口を兼ねる形状となっている。また、開閉扉125が臨む水槽103の開口周縁部は、外箱101から延長された可撓部材149の一部分に吸込口139b及び乾燥風取出口119と連通し合う連通口149aが設けられている。
【0004】
フィルタ147は、糸くずなどを濾過する材質によって作られ、外箱101に対して脱着可能な引出し式タイプのフィルタケース151内に配置されている。したがって、フィルタケース151を外箱101から引き出すことで、フィルタ147の掃除が可能となっている。
【0005】
このように構成された洗濯乾燥機によれば、洗濯運転が終了し乾燥運転に入ると、ヒータ145によって生成された乾燥風は、乾燥風取入口117から脱水槽105内に送り込まれ、乾燥が行なわれる。そして、仕事を終えた乾燥風は、乾燥風取出口119から乾燥風循環通路107に戻る。この時、乾燥風は、除湿器143の通過時に水分が取り除かれ、再び乾燥風取入口117から脱水槽105へ送り込まれる循環を繰り返す。この乾燥運転時において、脱水槽105内で発生した糸くずなどは、フィルタ147によって捕集される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−243292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の構成では、フィルタに糸くずなどが溜まったかどうかは使用者が定期的にフィルタケースを引き出して確認し、溜まっている場合に掃除をする必要があった。このために、確認を忘れると糸くずが溜まり過ぎて乾燥風の流れが阻害され、乾燥効率が低下するという課題があった。
【0008】
また、使用者にフィルタの目詰まりを知らせるために、例えばフィルタ掃除ランプを設けて、運転終了後に一定時間点滅させ、掃除してもらえるよう促したとしても、一定時間が過ぎてしまえば自動的に電源が切れてしまうので、次回運転時に使用者が気付かずにフ
ィルタの掃除をせず運転を行なってしまい、乾燥効率が低下するという課題があった。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、使用者にフィルタが目詰まりしていることを確実に伝え、フィルタの掃除を促すことにより、乾燥性能の低下を防止し、また使用者に対するフィルタの目詰まりの無駄な報知を減らすことで省エネを実現することができる洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記従来の課題を解決するために、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包する水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽および回転ドラム内に乾燥用空気を供給する乾燥手段と、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御する制御手段と、前記水槽および前記乾燥手段に連通し乾燥用空気を循環させる循環送風経路と、前記循環送風経路内に配設されたフィルタ室と、前記フィルタ室に着脱自在に収納され乾燥用空気に混入した異物を濾過するフィルタと、前記フィルタの目詰まりを検知する目詰まり検知手段と、前記フィルタの目詰まりを報知し前記フィルタ掃除を使用者に促すフィルタ掃除ランプと、前記制御手段への電源を入切する電源スイッチと、前記制御手段への入力設定を行う入力設定手段と、前記フィルタ掃除ランプを有すると共に前記入力設定の内容や運転状態を表示する表示手段とを備え、前記制御手段は、乾燥行程において前記目詰まり検知手段により前記フィルタの目詰まりを検知し、乾燥行程運転終了後に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させ、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られなかった場合には前記所定時間経過後自動的に電源を切り、次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させるとともに、前記所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られた場合には次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを消灯させる構成としたものである。
【0011】
これによって、使用者にフィルタが目詰まりしていることを確実に伝え、フィルタの掃除を促すことにより、乾燥性能の低下を防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の洗濯乾燥機は、使用者にフィルタが目詰まりしていることを確実に伝え、フィルタの掃除を促すことにより、乾燥性能の低下を防止することができる。また、フィルタ目詰まりの誤報知を防止し、無駄な報知を減らすことで省エネも実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態における洗濯乾燥機の縦断面図
【図2】同洗濯乾燥機の操作表示部の拡大図
【図3】従来の洗濯乾燥機の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1の発明は、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包する水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽および回転ドラム内に乾燥用空気を供給する乾燥手段と、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御する制御手段と、前記水槽および前記乾燥手段に連通し乾燥用空気を循環させる循環送風経路と、前記循環送風経路内に配設されたフィルタ室と、前記フィルタ室に着脱自在に収納され乾燥用空気に混入した異物を濾過するフィルタと、前記フィルタの目詰まりを検知する目詰まり検知手段と、前記フィルタの目詰まりを報知し前記フィルタ掃除を使用者に促すフィルタ掃除ランプと、前記制御手段への電源を入切する電源スイッチと、前記制御手段への入力設定を行う入力設定手段と、前記フィルタ掃除ランプを有すると共に前記入力設定の
内容や運転状態を表示する表示手段とを備え、前記制御手段は、乾燥行程において前記目詰まり検知手段により前記フィルタの目詰まりを検知し、乾燥行程運転終了後に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させ、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られなかった場合には前記所定時間経過後自動的に電源を切り、次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させるとともに、前記所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られた場合には次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを消灯させることにより、使用者にフィルタが目詰まりしていることを確実に伝え、フィルタの掃除を促すことができ、乾燥性能の低下を防止することができる。
【0015】
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記フィルタの前記フィルタ室からの着脱を検知するフィルタ検知手段を有し、前記制御手段は、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、前記所定時間内に前記フィルタが取り外されたことを前記フィルタ検知手段が検知した場合には、次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを消灯させることにより、誤報知を防ぐと共に、フィルタ掃除ランプを無駄に点滅もしくは点灯させることがなくなるので省エネである。
【0016】
第3の発明は、特に、第2の発明の制御手段は、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、前記所定時間内に前記フィルタが取り外されたことを前記フィルタ検知手段が検知した場合には、自動的に電源を切るので、省エネが実現できる。
【0017】
以下、発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態における洗濯乾燥機の縦断面図、図2は、本発明の実施の形態における洗濯乾燥機の操作表示部である。
【0019】
図1および図2において、洗濯乾燥機1は、洗濯乾燥機本体44内に図示しないサスペンション構造によって水槽3が宙吊り状態に配設され、水槽3内に有底円筒形に形成された回転ドラム2がその軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設されている。水槽3の正面側には回転ドラム2の開口端に通じる衣類出入口11が形成され、洗濯乾燥機本体44の正面側に形成され上向き傾斜面に設けられた開口部を開閉可能に閉じる扉9を開くことにより、衣類出入口11を通じて回転ドラム2内に対して洗濯物を出し入れすることができる。扉9が上向き傾斜面に設けられているため、洗濯物を出し入れする作業を、腰を屈めることなく実施できる。
【0020】
回転ドラム2には、その周面に水槽3内に通じる多数の透孔8が形成され、内周面の複数位置に撹拌突起(図示せず)が設けられている。この回転ドラム2は水槽3の背面側に取り付けられたモータ7によって正転及び逆転方向に回転駆動される。また、水槽3には、注水管路12及び排水管路13が配管接続され、図示しない注水弁及び排水弁の制御によって水槽3内への注水及び排水がなされる。
【0021】
制御手段88は、洗濯乾燥機本体44の内方下面部に配設され、洗い、すすぎ、脱水、乾燥等の一連の行程を制御する。入力設定手段14は、使用者が制御手段88に対して洗濯コースなどの入力設定を行い、表示手段10は入力設定手段14によって行われた入力設定の内容の表示や運転状態の表示などを行う。操作表示部4は入力設定手段14および表示手段10をまとめて扉9の上方に配置している。なお表示手段10の制御は制御手段88によってなされるものである。
【0022】
扉9を開いて回転ドラム2内に洗濯物及び洗剤を投入して、操作表示部4で洗濯コースなどの設定を行い、運転を開始させると、水槽3内には注水管路12から所定量の注水がなされ、モータ7により回転ドラム2が回転駆動されて洗濯行程が開始される。回転ドラム2の回転により、回転ドラム2内に収容された洗濯物は回転ドラム2の内周壁に設けられた撹拌突起によって回転方向に持ち上げられ、持ち上げられた適当な高さ位置から落下する撹拌動作が繰り返されるので、洗濯物には叩き洗いの作用が及んで洗濯がなされる。所定の洗濯時間の後、汚れた洗濯液は排水管路13から排出され、回転ドラム2を高速回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた洗濯液を脱水し、その後、水槽3内に注水管路12から注水してすすぎ行程が実施される。このすすぎ行程においても回転ドラム2内に収容された洗濯物は回転ドラム2の回転により撹拌突起により持ち上げられて落下する撹拌動作が繰り返されて、すすぎ洗いが実施される。
【0023】
この洗濯乾燥機1には、回転ドラム2内に収容した洗濯物を乾燥する機能が設けられ、水槽3内の空気を排気して除湿した後、乾燥した空気を加熱して再び水槽3内に送風する循環送風経路5が形成されている。
【0024】
この循環送風経路5の途中には蒸発器などの除湿手段、凝縮器などの加熱手段、及び、送風手段である送風ファン66が設けられた乾燥手段としてのヒートポンプユニット31が配置してあり、この送風ファン66を回転駆動することにより、循環送風経路5に空気の流れが発生し、洗濯物を収容した回転ドラム2内の空気は透孔8を通じて水槽3から送風ファン側への循環空気導入管路16に排気され、送風ファン66の上流に位置する蒸発器に水分を結露させて除湿することと、400℃程度に昇温する凝縮器との熱交換により加熱することとで常に乾燥した高温の空気とされる。この乾燥した高温の空気は、送風ファン66から水槽3へ導通する送風管路33に送り出されて水槽3内に送風される。水槽3内に送風された高温の乾燥空気は透孔8を通じて回転ドラム2内に入って衣類などの洗濯物にさらされながら再び水槽3へと抜け、循環空気導入管路16へと導入され、以上の循環送風経路5での空気の循環の繰り返しにより乾燥行程が実施される。
【0025】
また、この循環送風経路5を利用した乾燥行程では、循環送風経路5を流れる空気中に主として衣類などの洗濯物から発生する糸くずなどの異物が混じって循環し、ヒートポンプユニット31の蒸発器や凝縮器の目詰まり、送風ファン66の回転部への噛み込み、送風ファン66の内面への堆積といった乾燥性能を低下させる原因が発生する。事前にこれを防止するために、循環送風経路5の途中に、具体的には蒸発器、凝縮器、送風ファン66が設けられたヒートポンプユニット31の上流側の循環空気導入管路16の途中に、循環空気中の異物を除去するフィルタ51を収容したフィルタ室36を設けている。これによって、洗濯物を乾燥させた後の空気に糸くずなどの異物が混入して、蒸発器側の循環空気導入管路16側に導入されてきても、フィルタ室36を通る際にフィルタ51によって捕集され、下流側への循環空気に混入することはない。従って、ヒートポンプユニット31の蒸発器、凝縮器、送風ファン66の機能が長期に保全される。
【0026】
しかし一方では、フィルタ室36内のフィルタ51には捕集された糸くずなどの異物が堆積していき、循環空気の通気抵抗が徐々に増して風量が低下することによって、乾燥機能が低下してしまうという問題があるので、フィルタ51は掃除ができるように着脱可能になっている。
【0027】
また、循環空気導入管路16内のフィルタ室36下流には、目詰まり検知手段17が設けられている。目詰まり検知手段17としては、例えばサーミスタを使用し、サーミスタによる循環空気の温度検知によって、フィルタ51の目詰まりを検知することができる。
【0028】
また、フィルタ51とフィルタ室には、永久磁石(図示せず)とホールセンサ(図示せず)との組み合わせで構成されたフィルタ検知手段77が設けられており、フィルタ51がフィルタ室36から外されているのか、セットされているのかを検知することができる。
【0029】
図2において、操作表示部4は、入力設定手段14として、洗濯乾燥機に電源を入れる際に操作する電源スイッチ14i、および電源を切る際に操作する電源スイッチ14h、洗濯等の動作をスタートあるいは一時停止する際に操作するスタートスイッチ14gや、洗濯のみを運転するのか、乾燥のみを運転するのか、洗濯と乾燥の両方を運転するのかを選択する洗濯乾燥切り替えスイッチ14f、各運転コースを選択するコーススイッチ14e、更に洗い・すすぎ・脱水及び乾燥の各行程の詳細時間および運転するか否かを選択する個別時間設定スイッチ14a、14b、14c、14d等を有している。なお、電源の入り切りについては、自動OFF機能にて、運転終了後電源を切る際に操作する電源スイッチ14hが押されなくても、所定時間が経過すると、自動的に電源が切れるよう制御手段88により制御されている。
【0030】
また、表示手段10は、設定された運転コースを表示するコースランプ10c、洗濯乾燥切り替えスイッチ14fの設定を表示する洗濯乾燥ランプ10d、3桁の7セグメント表示部で、布量判定後の洗剤量表示や残時間表示などを行うデジタル表示部10b、個別設定された時間を表示する個別設定ランプ10e、チャイルドロックを設定した場合に点灯表示させるチャイルドロックランプ10a、および、フィルタ51に糸くずなどが詰まり、目詰まり検知手段17でその詰まりを検知して、掃除を注意喚起するときに点滅もしくは点灯させるフィルタ掃除ランプ10f等を有している。なお、フィルタ51がフィルタ室36にセットされずに乾燥行程が開始すると、この表示手段10にて異常表示を行なう。
【0031】
以上のように構成された洗濯乾燥機について、以下その動作、作用を説明する。
【0032】
この洗濯乾燥機が運転スタートし、乾燥行程中に、目詰まり検知手段17により、フィルタ51が目詰まりしたことを検知した場合、すぐに運転を停止させるのでは無くて、通常より運転時間を延長して乾燥行程を行ない、運転を終了させる。
【0033】
そして、運転終了後、直ぐに自動的に電源を切るのではなくて、所定時間、操作表示部4の表示手段10にあるフィルタ掃除ランプ10fを点滅もしくは点灯させることで、使用者にフィルタ51を掃除するように注意喚起を行う。運転終了後に使用者にフィルタ51の目詰まりを知らせる表示は長ければ長いほど確実に伝えることができるが、省エネという観点からは望ましいものではなく、例えば4時間程度経過すると自動的に表示を停止し電源そのものを切るような設定としている。
【0034】
所定時間の4時間が経って、自動的に電源が切れた場合は使用者にフィルタ51の目詰まりを知らせることができなかったと判断し、使用者が次回洗濯や乾燥を行うために電源を入れる際に操作する電源スイッチ14iを押した時に再度フィルタ掃除ランプ10fを点滅させて、使用者にフィルタ51掃除の注意喚起を行なう。
【0035】
所定時間の4時間以内に電源が切れた場合は、自動的に電源が切れた場合と異なり電源を切る際に操作する電源スイッチ14hが押されたということなので、使用者が洗濯物を取りに来てこのフィルタ掃除ランプ10fの点滅に気付き、フィルタ51を取り外して掃除がなされたものと判断し、使用者が次回洗濯や乾燥を行うために電源を入れる際に操作する電源スイッチ14iを押した時にフィルタ掃除ランプ10fは消灯しておく。なお、フィルタ51の取り外しは、フィルタ検知手段77にて検知することができ、例えば4時
間以内に電源が切れる前に、フィルタ51が外されたことを検知した後に再度セットされたことを検知した場合は使用者がフィルタ清掃を行ったと判断し、フィルタ掃除ランプ10fを消灯させると共に電源を自動的に切り、使用者が次回洗濯や乾燥を行うために電源を入れる際に操作する電源スイッチ14iを押した時にフィルタ掃除ランプ10fは消灯しておく。これにより誤報知を防げ、また、フィルタ掃除ランプを無駄に点滅もしくは点灯させることがなくなるので省エネになる。
【0036】
なお、本実施の形態では、フィルタ掃除の注意喚起方法として、ランプの点滅もしくは点灯としたが、このようなランプの表示による視覚効果だけでなく、ブザー音によって聴覚に訴えてもよい。
【0037】
また、ランプを使った視覚に訴える点滅や点灯、ブザーを使った聴覚に訴える方法は、運転終了後と次回電源投入時でこれら組み合わせを変えることも有効であり、例えば運転終了後の4時間はフィルタ掃除ランプの点灯のみとし、次回電源が投入されたときにはフィルタ掃除ランプの点滅とブザーを鳴らすことで、より強く訴えることにしてもよい。
【0038】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段は、乾燥行程において前記目詰まり検知手段により前記フィルタの目詰まりを検知し、乾燥行程運転終了後に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させ、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られなかった場合には前記所定時間経過後自動的に電源を切り、次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させるとともに、前記所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られた場合には次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを消灯させる構成としたことにより、使用者にフィルタが目詰まりしていることを確実に伝え、フィルタの掃除を促すことができ、乾燥性能の低下を防止することができる。
【0039】
また、前記フィルタの前記フィルタ室からの着脱を検知するフィルタ検知手段を有し、前記制御手段は、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、前記所定時間内に前記フィルタが取り外されたことを前記フィルタ検知手段が検知した場合には、次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを消灯させることにより、誤報知を防ぐと共に、フィルタ掃除ランプを無駄に点滅もしくは点灯させることがなくなるので省エネである。
【0040】
また、制御手段は、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、前記所定時間内に前記フィルタが取り外されたことを前記フィルタ検知手段が検知した場合には、自動的に電源を切るので、省エネが実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上のように、本発明にかかる洗濯乾燥機は、使用者にフィルタが目詰まりしていることを確実に伝え、フィルタの掃除を促すことにより、乾燥性能の低下を防止し、省エネの実現も可能となるので、衣類を乾燥する機能を有する他の洗濯機等の電化機器の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0042】
2 回転ドラム
3 水槽
4 操作表示部
5 循環送風経路
7 モータ
10 表示手段
10f フィルタ掃除ランプ
14 入力設定手段
14h 電源を切る際に操作する電源スイッチ
14i 電源を入れる際に操作する電源スイッチ
17 目詰まり検知手段
31 ヒートポンプユニット(乾燥手段)
36 フィルタ室
44 洗濯乾燥機本体
51 フィルタ
77 フィルタ検知手段
88 制御手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ドラム内に収容した洗濯物を洗濯、乾燥する洗濯乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の洗濯乾燥機は、乾燥行程において発生する糸くずなどを、循環送風経路内に設けたフィルタにて捕集する構成が提案されてきた。(例えば、特許文献1参照)
図3は、特許文献1に記載された従来の洗濯乾燥機の縦断面図を示すものである。
【0003】
図3において、外箱101内には、水槽103及びその内側の脱水槽105と、乾燥風が流れる乾燥風循環通路107が配置されている。乾燥風循環通路107は、ダクト139により形成され、内部には送風器141、除湿器143、ヒータ145がそれぞれ配置されている。乾燥風循環通路107の一方の吹出口139aは脱水槽105の乾燥風取入口117と連通している。また、他方の吸込口139bは脱水槽105の乾燥風取出口119と連通しており、かつ、フィルタ147が設けられている。なお、乾燥風取出口119は開閉扉125を開けた時に、洗濯物を出し入れする出し入れ口を兼ねる形状となっている。また、開閉扉125が臨む水槽103の開口周縁部は、外箱101から延長された可撓部材149の一部分に吸込口139b及び乾燥風取出口119と連通し合う連通口149aが設けられている。
【0004】
フィルタ147は、糸くずなどを濾過する材質によって作られ、外箱101に対して脱着可能な引出し式タイプのフィルタケース151内に配置されている。したがって、フィルタケース151を外箱101から引き出すことで、フィルタ147の掃除が可能となっている。
【0005】
このように構成された洗濯乾燥機によれば、洗濯運転が終了し乾燥運転に入ると、ヒータ145によって生成された乾燥風は、乾燥風取入口117から脱水槽105内に送り込まれ、乾燥が行なわれる。そして、仕事を終えた乾燥風は、乾燥風取出口119から乾燥風循環通路107に戻る。この時、乾燥風は、除湿器143の通過時に水分が取り除かれ、再び乾燥風取入口117から脱水槽105へ送り込まれる循環を繰り返す。この乾燥運転時において、脱水槽105内で発生した糸くずなどは、フィルタ147によって捕集される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−243292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の構成では、フィルタに糸くずなどが溜まったかどうかは使用者が定期的にフィルタケースを引き出して確認し、溜まっている場合に掃除をする必要があった。このために、確認を忘れると糸くずが溜まり過ぎて乾燥風の流れが阻害され、乾燥効率が低下するという課題があった。
【0008】
また、使用者にフィルタの目詰まりを知らせるために、例えばフィルタ掃除ランプを設けて、運転終了後に一定時間点滅させ、掃除してもらえるよう促したとしても、一定時間が過ぎてしまえば自動的に電源が切れてしまうので、次回運転時に使用者が気付かずにフ
ィルタの掃除をせず運転を行なってしまい、乾燥効率が低下するという課題があった。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、使用者にフィルタが目詰まりしていることを確実に伝え、フィルタの掃除を促すことにより、乾燥性能の低下を防止し、また使用者に対するフィルタの目詰まりの無駄な報知を減らすことで省エネを実現することができる洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記従来の課題を解決するために、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包する水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽および回転ドラム内に乾燥用空気を供給する乾燥手段と、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御する制御手段と、前記水槽および前記乾燥手段に連通し乾燥用空気を循環させる循環送風経路と、前記循環送風経路内に配設されたフィルタ室と、前記フィルタ室に着脱自在に収納され乾燥用空気に混入した異物を濾過するフィルタと、前記フィルタの目詰まりを検知する目詰まり検知手段と、前記フィルタの目詰まりを報知し前記フィルタ掃除を使用者に促すフィルタ掃除ランプと、前記制御手段への電源を入切する電源スイッチと、前記制御手段への入力設定を行う入力設定手段と、前記フィルタ掃除ランプを有すると共に前記入力設定の内容や運転状態を表示する表示手段とを備え、前記制御手段は、乾燥行程において前記目詰まり検知手段により前記フィルタの目詰まりを検知し、乾燥行程運転終了後に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させ、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られなかった場合には前記所定時間経過後自動的に電源を切り、次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させるとともに、前記所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られた場合には次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを消灯させる構成としたものである。
【0011】
これによって、使用者にフィルタが目詰まりしていることを確実に伝え、フィルタの掃除を促すことにより、乾燥性能の低下を防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の洗濯乾燥機は、使用者にフィルタが目詰まりしていることを確実に伝え、フィルタの掃除を促すことにより、乾燥性能の低下を防止することができる。また、フィルタ目詰まりの誤報知を防止し、無駄な報知を減らすことで省エネも実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態における洗濯乾燥機の縦断面図
【図2】同洗濯乾燥機の操作表示部の拡大図
【図3】従来の洗濯乾燥機の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1の発明は、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包する水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽および回転ドラム内に乾燥用空気を供給する乾燥手段と、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御する制御手段と、前記水槽および前記乾燥手段に連通し乾燥用空気を循環させる循環送風経路と、前記循環送風経路内に配設されたフィルタ室と、前記フィルタ室に着脱自在に収納され乾燥用空気に混入した異物を濾過するフィルタと、前記フィルタの目詰まりを検知する目詰まり検知手段と、前記フィルタの目詰まりを報知し前記フィルタ掃除を使用者に促すフィルタ掃除ランプと、前記制御手段への電源を入切する電源スイッチと、前記制御手段への入力設定を行う入力設定手段と、前記フィルタ掃除ランプを有すると共に前記入力設定の
内容や運転状態を表示する表示手段とを備え、前記制御手段は、乾燥行程において前記目詰まり検知手段により前記フィルタの目詰まりを検知し、乾燥行程運転終了後に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させ、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られなかった場合には前記所定時間経過後自動的に電源を切り、次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させるとともに、前記所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られた場合には次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを消灯させることにより、使用者にフィルタが目詰まりしていることを確実に伝え、フィルタの掃除を促すことができ、乾燥性能の低下を防止することができる。
【0015】
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記フィルタの前記フィルタ室からの着脱を検知するフィルタ検知手段を有し、前記制御手段は、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、前記所定時間内に前記フィルタが取り外されたことを前記フィルタ検知手段が検知した場合には、次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを消灯させることにより、誤報知を防ぐと共に、フィルタ掃除ランプを無駄に点滅もしくは点灯させることがなくなるので省エネである。
【0016】
第3の発明は、特に、第2の発明の制御手段は、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、前記所定時間内に前記フィルタが取り外されたことを前記フィルタ検知手段が検知した場合には、自動的に電源を切るので、省エネが実現できる。
【0017】
以下、発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態における洗濯乾燥機の縦断面図、図2は、本発明の実施の形態における洗濯乾燥機の操作表示部である。
【0019】
図1および図2において、洗濯乾燥機1は、洗濯乾燥機本体44内に図示しないサスペンション構造によって水槽3が宙吊り状態に配設され、水槽3内に有底円筒形に形成された回転ドラム2がその軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設されている。水槽3の正面側には回転ドラム2の開口端に通じる衣類出入口11が形成され、洗濯乾燥機本体44の正面側に形成され上向き傾斜面に設けられた開口部を開閉可能に閉じる扉9を開くことにより、衣類出入口11を通じて回転ドラム2内に対して洗濯物を出し入れすることができる。扉9が上向き傾斜面に設けられているため、洗濯物を出し入れする作業を、腰を屈めることなく実施できる。
【0020】
回転ドラム2には、その周面に水槽3内に通じる多数の透孔8が形成され、内周面の複数位置に撹拌突起(図示せず)が設けられている。この回転ドラム2は水槽3の背面側に取り付けられたモータ7によって正転及び逆転方向に回転駆動される。また、水槽3には、注水管路12及び排水管路13が配管接続され、図示しない注水弁及び排水弁の制御によって水槽3内への注水及び排水がなされる。
【0021】
制御手段88は、洗濯乾燥機本体44の内方下面部に配設され、洗い、すすぎ、脱水、乾燥等の一連の行程を制御する。入力設定手段14は、使用者が制御手段88に対して洗濯コースなどの入力設定を行い、表示手段10は入力設定手段14によって行われた入力設定の内容の表示や運転状態の表示などを行う。操作表示部4は入力設定手段14および表示手段10をまとめて扉9の上方に配置している。なお表示手段10の制御は制御手段88によってなされるものである。
【0022】
扉9を開いて回転ドラム2内に洗濯物及び洗剤を投入して、操作表示部4で洗濯コースなどの設定を行い、運転を開始させると、水槽3内には注水管路12から所定量の注水がなされ、モータ7により回転ドラム2が回転駆動されて洗濯行程が開始される。回転ドラム2の回転により、回転ドラム2内に収容された洗濯物は回転ドラム2の内周壁に設けられた撹拌突起によって回転方向に持ち上げられ、持ち上げられた適当な高さ位置から落下する撹拌動作が繰り返されるので、洗濯物には叩き洗いの作用が及んで洗濯がなされる。所定の洗濯時間の後、汚れた洗濯液は排水管路13から排出され、回転ドラム2を高速回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた洗濯液を脱水し、その後、水槽3内に注水管路12から注水してすすぎ行程が実施される。このすすぎ行程においても回転ドラム2内に収容された洗濯物は回転ドラム2の回転により撹拌突起により持ち上げられて落下する撹拌動作が繰り返されて、すすぎ洗いが実施される。
【0023】
この洗濯乾燥機1には、回転ドラム2内に収容した洗濯物を乾燥する機能が設けられ、水槽3内の空気を排気して除湿した後、乾燥した空気を加熱して再び水槽3内に送風する循環送風経路5が形成されている。
【0024】
この循環送風経路5の途中には蒸発器などの除湿手段、凝縮器などの加熱手段、及び、送風手段である送風ファン66が設けられた乾燥手段としてのヒートポンプユニット31が配置してあり、この送風ファン66を回転駆動することにより、循環送風経路5に空気の流れが発生し、洗濯物を収容した回転ドラム2内の空気は透孔8を通じて水槽3から送風ファン側への循環空気導入管路16に排気され、送風ファン66の上流に位置する蒸発器に水分を結露させて除湿することと、400℃程度に昇温する凝縮器との熱交換により加熱することとで常に乾燥した高温の空気とされる。この乾燥した高温の空気は、送風ファン66から水槽3へ導通する送風管路33に送り出されて水槽3内に送風される。水槽3内に送風された高温の乾燥空気は透孔8を通じて回転ドラム2内に入って衣類などの洗濯物にさらされながら再び水槽3へと抜け、循環空気導入管路16へと導入され、以上の循環送風経路5での空気の循環の繰り返しにより乾燥行程が実施される。
【0025】
また、この循環送風経路5を利用した乾燥行程では、循環送風経路5を流れる空気中に主として衣類などの洗濯物から発生する糸くずなどの異物が混じって循環し、ヒートポンプユニット31の蒸発器や凝縮器の目詰まり、送風ファン66の回転部への噛み込み、送風ファン66の内面への堆積といった乾燥性能を低下させる原因が発生する。事前にこれを防止するために、循環送風経路5の途中に、具体的には蒸発器、凝縮器、送風ファン66が設けられたヒートポンプユニット31の上流側の循環空気導入管路16の途中に、循環空気中の異物を除去するフィルタ51を収容したフィルタ室36を設けている。これによって、洗濯物を乾燥させた後の空気に糸くずなどの異物が混入して、蒸発器側の循環空気導入管路16側に導入されてきても、フィルタ室36を通る際にフィルタ51によって捕集され、下流側への循環空気に混入することはない。従って、ヒートポンプユニット31の蒸発器、凝縮器、送風ファン66の機能が長期に保全される。
【0026】
しかし一方では、フィルタ室36内のフィルタ51には捕集された糸くずなどの異物が堆積していき、循環空気の通気抵抗が徐々に増して風量が低下することによって、乾燥機能が低下してしまうという問題があるので、フィルタ51は掃除ができるように着脱可能になっている。
【0027】
また、循環空気導入管路16内のフィルタ室36下流には、目詰まり検知手段17が設けられている。目詰まり検知手段17としては、例えばサーミスタを使用し、サーミスタによる循環空気の温度検知によって、フィルタ51の目詰まりを検知することができる。
【0028】
また、フィルタ51とフィルタ室には、永久磁石(図示せず)とホールセンサ(図示せず)との組み合わせで構成されたフィルタ検知手段77が設けられており、フィルタ51がフィルタ室36から外されているのか、セットされているのかを検知することができる。
【0029】
図2において、操作表示部4は、入力設定手段14として、洗濯乾燥機に電源を入れる際に操作する電源スイッチ14i、および電源を切る際に操作する電源スイッチ14h、洗濯等の動作をスタートあるいは一時停止する際に操作するスタートスイッチ14gや、洗濯のみを運転するのか、乾燥のみを運転するのか、洗濯と乾燥の両方を運転するのかを選択する洗濯乾燥切り替えスイッチ14f、各運転コースを選択するコーススイッチ14e、更に洗い・すすぎ・脱水及び乾燥の各行程の詳細時間および運転するか否かを選択する個別時間設定スイッチ14a、14b、14c、14d等を有している。なお、電源の入り切りについては、自動OFF機能にて、運転終了後電源を切る際に操作する電源スイッチ14hが押されなくても、所定時間が経過すると、自動的に電源が切れるよう制御手段88により制御されている。
【0030】
また、表示手段10は、設定された運転コースを表示するコースランプ10c、洗濯乾燥切り替えスイッチ14fの設定を表示する洗濯乾燥ランプ10d、3桁の7セグメント表示部で、布量判定後の洗剤量表示や残時間表示などを行うデジタル表示部10b、個別設定された時間を表示する個別設定ランプ10e、チャイルドロックを設定した場合に点灯表示させるチャイルドロックランプ10a、および、フィルタ51に糸くずなどが詰まり、目詰まり検知手段17でその詰まりを検知して、掃除を注意喚起するときに点滅もしくは点灯させるフィルタ掃除ランプ10f等を有している。なお、フィルタ51がフィルタ室36にセットされずに乾燥行程が開始すると、この表示手段10にて異常表示を行なう。
【0031】
以上のように構成された洗濯乾燥機について、以下その動作、作用を説明する。
【0032】
この洗濯乾燥機が運転スタートし、乾燥行程中に、目詰まり検知手段17により、フィルタ51が目詰まりしたことを検知した場合、すぐに運転を停止させるのでは無くて、通常より運転時間を延長して乾燥行程を行ない、運転を終了させる。
【0033】
そして、運転終了後、直ぐに自動的に電源を切るのではなくて、所定時間、操作表示部4の表示手段10にあるフィルタ掃除ランプ10fを点滅もしくは点灯させることで、使用者にフィルタ51を掃除するように注意喚起を行う。運転終了後に使用者にフィルタ51の目詰まりを知らせる表示は長ければ長いほど確実に伝えることができるが、省エネという観点からは望ましいものではなく、例えば4時間程度経過すると自動的に表示を停止し電源そのものを切るような設定としている。
【0034】
所定時間の4時間が経って、自動的に電源が切れた場合は使用者にフィルタ51の目詰まりを知らせることができなかったと判断し、使用者が次回洗濯や乾燥を行うために電源を入れる際に操作する電源スイッチ14iを押した時に再度フィルタ掃除ランプ10fを点滅させて、使用者にフィルタ51掃除の注意喚起を行なう。
【0035】
所定時間の4時間以内に電源が切れた場合は、自動的に電源が切れた場合と異なり電源を切る際に操作する電源スイッチ14hが押されたということなので、使用者が洗濯物を取りに来てこのフィルタ掃除ランプ10fの点滅に気付き、フィルタ51を取り外して掃除がなされたものと判断し、使用者が次回洗濯や乾燥を行うために電源を入れる際に操作する電源スイッチ14iを押した時にフィルタ掃除ランプ10fは消灯しておく。なお、フィルタ51の取り外しは、フィルタ検知手段77にて検知することができ、例えば4時
間以内に電源が切れる前に、フィルタ51が外されたことを検知した後に再度セットされたことを検知した場合は使用者がフィルタ清掃を行ったと判断し、フィルタ掃除ランプ10fを消灯させると共に電源を自動的に切り、使用者が次回洗濯や乾燥を行うために電源を入れる際に操作する電源スイッチ14iを押した時にフィルタ掃除ランプ10fは消灯しておく。これにより誤報知を防げ、また、フィルタ掃除ランプを無駄に点滅もしくは点灯させることがなくなるので省エネになる。
【0036】
なお、本実施の形態では、フィルタ掃除の注意喚起方法として、ランプの点滅もしくは点灯としたが、このようなランプの表示による視覚効果だけでなく、ブザー音によって聴覚に訴えてもよい。
【0037】
また、ランプを使った視覚に訴える点滅や点灯、ブザーを使った聴覚に訴える方法は、運転終了後と次回電源投入時でこれら組み合わせを変えることも有効であり、例えば運転終了後の4時間はフィルタ掃除ランプの点灯のみとし、次回電源が投入されたときにはフィルタ掃除ランプの点滅とブザーを鳴らすことで、より強く訴えることにしてもよい。
【0038】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段は、乾燥行程において前記目詰まり検知手段により前記フィルタの目詰まりを検知し、乾燥行程運転終了後に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させ、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られなかった場合には前記所定時間経過後自動的に電源を切り、次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させるとともに、前記所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られた場合には次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを消灯させる構成としたことにより、使用者にフィルタが目詰まりしていることを確実に伝え、フィルタの掃除を促すことができ、乾燥性能の低下を防止することができる。
【0039】
また、前記フィルタの前記フィルタ室からの着脱を検知するフィルタ検知手段を有し、前記制御手段は、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、前記所定時間内に前記フィルタが取り外されたことを前記フィルタ検知手段が検知した場合には、次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを消灯させることにより、誤報知を防ぐと共に、フィルタ掃除ランプを無駄に点滅もしくは点灯させることがなくなるので省エネである。
【0040】
また、制御手段は、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、前記所定時間内に前記フィルタが取り外されたことを前記フィルタ検知手段が検知した場合には、自動的に電源を切るので、省エネが実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上のように、本発明にかかる洗濯乾燥機は、使用者にフィルタが目詰まりしていることを確実に伝え、フィルタの掃除を促すことにより、乾燥性能の低下を防止し、省エネの実現も可能となるので、衣類を乾燥する機能を有する他の洗濯機等の電化機器の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0042】
2 回転ドラム
3 水槽
4 操作表示部
5 循環送風経路
7 モータ
10 表示手段
10f フィルタ掃除ランプ
14 入力設定手段
14h 電源を切る際に操作する電源スイッチ
14i 電源を入れる際に操作する電源スイッチ
17 目詰まり検知手段
31 ヒートポンプユニット(乾燥手段)
36 フィルタ室
44 洗濯乾燥機本体
51 フィルタ
77 フィルタ検知手段
88 制御手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包する水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽および回転ドラム内に乾燥用空気を供給する乾燥手段と、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御する制御手段と、前記水槽および前記乾燥手段に連通し乾燥用空気を循環させる循環送風経路と、前記循環送風経路内に配設されたフィルタ室と、前記フィルタ室に着脱自在に収納され乾燥用空気に混入した異物を濾過するフィルタと、前記フィルタの目詰まりを検知する目詰まり検知手段と、前記フィルタの目詰まりを報知し前記フィルタ掃除を使用者に促すフィルタ掃除ランプと、前記制御手段への電源を入切する電源スイッチと、前記制御手段への入力設定を行う入力設定手段と、前記フィルタ掃除ランプを有すると共に前記入力設定の内容や運転状態を表示する表示手段とを備え、前記制御手段は、乾燥行程において前記目詰まり検知手段により前記フィルタの目詰まりを検知し、乾燥行程運転終了後に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させ、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られなかった場合には前記所定時間経過後自動的に電源を切り、次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させるとともに、前記所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られた場合には次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを消灯させる洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記フィルタの前記フィルタ室からの着脱を検知するフィルタ検知手段を有し、前記制御手段は、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、前記所定時間内に前記フィルタが取り外されたことを前記フィルタ検知手段が検知した場合には、次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを消灯させる請求項1項記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記制御手段は、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、前記所定時間内に前記フィルタが取り外されたことを前記フィルタ検知手段が検知した場合には、自動的に電源を切る請求項2記載の洗濯乾燥機。
【請求項1】
洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包する水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽および回転ドラム内に乾燥用空気を供給する乾燥手段と、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御する制御手段と、前記水槽および前記乾燥手段に連通し乾燥用空気を循環させる循環送風経路と、前記循環送風経路内に配設されたフィルタ室と、前記フィルタ室に着脱自在に収納され乾燥用空気に混入した異物を濾過するフィルタと、前記フィルタの目詰まりを検知する目詰まり検知手段と、前記フィルタの目詰まりを報知し前記フィルタ掃除を使用者に促すフィルタ掃除ランプと、前記制御手段への電源を入切する電源スイッチと、前記制御手段への入力設定を行う入力設定手段と、前記フィルタ掃除ランプを有すると共に前記入力設定の内容や運転状態を表示する表示手段とを備え、前記制御手段は、乾燥行程において前記目詰まり検知手段により前記フィルタの目詰まりを検知し、乾燥行程運転終了後に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させ、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られなかった場合には前記所定時間経過後自動的に電源を切り、次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを点滅もしくは点灯させるとともに、前記所定時間内に前記電源スイッチにより電源が切られた場合には次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを消灯させる洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記フィルタの前記フィルタ室からの着脱を検知するフィルタ検知手段を有し、前記制御手段は、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、前記所定時間内に前記フィルタが取り外されたことを前記フィルタ検知手段が検知した場合には、次回運転時に前記電源スイッチにより電源が入った時に前記フィルタ掃除ランプを消灯させる請求項1項記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記制御手段は、前記フィルタ掃除ランプの点滅もしくは点灯後、前記所定時間内に前記フィルタが取り外されたことを前記フィルタ検知手段が検知した場合には、自動的に電源を切る請求項2記載の洗濯乾燥機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2013−13536(P2013−13536A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147968(P2011−147968)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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