説明

洗米装置

【課題】洗米タンクの下方に受け容器を配置した際に該受け容器に押圧されて揺動する検知部材の該揺動を検出センサによって検出することで、洗米タンクの下方に受け容器を配置したことを検出するようにした洗米装置において、検知部材をその機能を発揮させつつ安価に製作する。
【解決手段】 検知部材13は、洗米タンク4を支持する支持フレーム9に枢支される上部の枢支部131と、容器配置部Cに配置された受け容器Aに押圧される下部の被押圧部132と、これら枢支部131と被押圧部132との間に位置する弾性変形可能なアーム部134と、検出センサ129の接触子137に接当するセンサ当接部136とを樹脂によって一体形成してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米を洗米して排出する洗米装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
米を洗米して排出する洗米装置として特許文献1に記載の洗米装置がある。
この洗米装置は米を洗米して下端側の排米口から排出する洗米タンクを備えている。この洗米タンクの下方には、該洗米タンクから排出される米を受ける受け容器を配置する容器配置部が設けられている。
また、洗米装置には、前記容器配置部に配置される受け容器を検出する容器検出装置が設けられている。この容器検出装置は、前記容器配置部に配置された受け容器に押圧されて揺動する検知部材と、この検知部材の揺動を検出する接触センサからなる検出センサとを備えている。
【0003】
検知部材は、検出センサを取付固定するセンサブラケットに枢支された揺動部材と、この揺動部材に取り付けられた検知アームとから構成されている。
検知アームは、揺動部材に取り付けられるU字形の取付部と、容器配置部に配置された受け容器に押圧されるL字形の被押圧部と、これら取付部と被押圧部との間に設けられた弾性変形可能なコイル部とを一本の線材を折曲することによって形成されている。
【0004】
前記構成の洗米装置にあっては、受容器配置部に受け容器が配置されると、該受け容器が検知アームの被押圧部に接当して該検知アームを押圧する。検知アームが押圧されると、該検知アームと共に揺動部材が揺動して該揺動部材が検出センサの接触子に接触し、これにより、受容器配置部に受け容器が配置されたことを検出センサによって検出される。
また、コイル部は、揺動部材が検出センサの接触子に当接して検知アームの揺動が規制された後に弾性変形して検知アームに加わる押圧力を逃がす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−154079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の洗米装置の検知部材にあっては、揺動部材と検知アームとから構成されていて部品点数が多く、また、検知アームは一本の線材を折曲することにより、U字形の取付部とL字形の被押圧部とコイル部とを形成しており、該検知アームの製作が面倒で手間がかかるものであった。したがって、従来の検知部材はコスト高であるという課題がある。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、その機能を発揮させつつ安価に製作することができる検知部材を備えた洗米装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明では、米を洗米して下端側の排米口から排出する洗米タンクを設け、この洗米タンクの下方に、該洗米タンクから排出される米を受ける受け容器を配置する容器配置部を設け、この容器配置部に配置される受け容器を検出する容器検出装置を設け、この容器検出装置が、前記容器配置部に配置された受け容器に押圧されて揺動する検知部材と、この検知部材の揺動を検出する検出センサとを備えた洗米装置において、
前記検知部材は、洗米タンクを支持する支持フレームに枢支される上部の枢支部と、容器配置部に配置された受け容器に押圧される下部の被押圧部と、これら枢支部と被押圧部との間に位置する弾性変形可能なアーム部と、検出センサの接触子に接当するセンサ当接部とを樹脂によって一体形成してなることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記検知部材は枢支部が左右軸回りに回動自在に枢支されていて容器配置部に前方から配置される受け容器を検出可能とされると共に、該検知部材の被押圧部とアーム部とが帯板状に形成され、被押圧部は帯幅方向を前後に向けてループ状
に形成され、アーム部は帯幅方向を左右に向けて形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、前記センサ当接部をアーム部の上部に設け、該アーム部の上下中途部に、後方側に凸となる湾曲状に形成された屈曲部を備え、この屈曲部は湾曲が伸びるように弾性変形可能とされていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記支持フレームに検出センサを取り付けるセンサブラケットを取付固定し、このセンサブラケットに検知部材の枢支部を枢支し、前記センサブラケットに嵌合されるカバー部材によって、検出センサを取付固定する固定具及び枢支部を枢支する枢軸のセンサブラケットからの外れ止めをしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、支持フレームに枢支される上部の枢支部と、受け容器に押圧される下部の被押圧部と、これら枢支部と被押圧部との間の弾性変形可能なアーム部と、検出センサの接触子に接当するセンサ当接部とを樹脂によって一体形成することにより検知部材が形成されており、該検知部材をその機能を発揮させつつ安価に製作することができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、強度の必要な被押圧部と、弾性力が必要なアーム部とを容易に形成することができる。
請求項3に係る発明によれば、帯板状のアーム部の弾性変形部分を屈曲形成することにより、検知部材の被押圧部に受け容器が接当した際のアーム部のねじれを抑制することができる。
【0012】
請求項4に係る発明によれば、センサブラケットに嵌合されるカバー部材によって、検出センサを取付固定する固定具及び枢支部を枢支する枢軸のセンサブラケットからの外れ止めをすることにより、前記固定具及び枢軸の脱落を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】洗米機の斜視図である。
【図2】洗米機の正面概略図である。
【図3】洗米タンク下部及び排水ボックスの正面断面図である。
【図4】容器配置部の側面図である。
【図5】検知部材配置部分の側面図である。
【図6】検知部材配置部分の分解斜視図である。
【図7】検知部材上部の正面側からみた斜視図である。
【図8】検知部材上部の背面側からみた斜視図である。
【図9】検知部材下部の正面側からみた斜視図である。
【図10】検出センサ及び取付プレートの斜視図である。
【図11】センサブラケットの斜視図である。
【図12】カバー部材の斜視図である。
【図13】検知部材上部部分の側面図である。
【図14】検知部材支持部分の正面図である。
【図15】検出センサ取付部分の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2において、符号1は、米の計量、洗米をマイコン制御によって自動で行う自動洗米機である。
この自動洗米機1は、上下の貯米庫2,3と、上側の貯米庫2の下方に設けられた洗米タンク4とを有する。
【0015】
上下の貯米庫2,3は貯米ケース5,6内に米を貯留するホッパ7,8を備えてなる。
下側の貯米庫3の貯米ケース6の背面には支持フレーム9が該貯米ケース6から上方突出状に設けられ、この支持フレーム9の上部に上側の貯米庫2が取付固定されている。
下側の貯米庫3の貯米ケース6内にはブロワ10が設けられ、このブロワ10は吸引パイプ等によって上側の貯米庫2のホッパ7に接続され、上側の貯米庫2のホッパ7と下側
の貯米庫3のホッパ8とは米搬送パイプ等によって接続されている。
【0016】
そして、ブロワ10によって上側の貯米庫2のホッパ7内の空気を吸引パイプ等を介して吸引することにより、下側の貯米庫3のホッパ8から米搬送パイプ等を介して上側の貯米庫2のホッパ7に米が空気搬送される。
上側の貯米庫2のホッパ7下方には、該ホッパ7内の米を計量して洗米タンク4内に落下供給する米計量器11が設けられている。
【0017】
洗米タンク4と下側の貯米庫3の間には、図4に示すように、炊飯器の内釜等の受け容器Aを配置可能な配置空間Sが設けられ、下側の貯米庫3の上面が受け容器Aを載置する載置面Bとされている(したがって、本実施形態の場合は、下側の貯米庫3の貯米ケース6が受け容器Aを載置する載置台とされている)。
この受け容器Aを配置可能な配置空間Sと、受け容器を載置する載置面Bとで容器配置部Cが構成されている。
【0018】
洗米タンク4の下方の受け容器Aの配置空間S(容器配置部C)の後部側には、受け容器Aの後方移動を規制する規制バー12と、受け容器Aを検知する検知部材13とが設けられている。
規制バー12は支持フレーム9に取り付けられた左右一対の支持アーム14によって支持されている。検知部材13は支持フレーム9に取り付けられた支持部材15に前後揺動自在に取付支持されている。
【0019】
洗米タンク4は、前記支持フレーム9に支持されており、上側の貯米庫2の貯米ケース5の下壁に取付固定されたタンク取付部16と、このタンク取付部16の下端側に着脱自在に取り付けられたタンク本体17と、このタンク本体17の下端側に着脱自在に取り付けられた排水ジャケット18とを有する。
タンク取付部16は円筒状の本体の内部に隔壁を設けてなる。タンク本体17は上部が円筒状で下部が下方に行くに従って先窄まりとなる漏斗状に形成され、上下開口状とされている。排水ジャケット18は円筒状の本体を有し、上下開口状に形成され、下端側に排米口22を有する。
【0020】
タンク本体17の上端開口はタンク取付部16に連通し、タンク本体17の下端開口は排水ジャケット18に連通している。
洗米タンク4内には攪拌部材19と弁棒20とが設けられている。
前記攪拌部材19は、上側の貯米庫2の貯米ケース5内に設けられた攪拌モータによって上下方向の軸心回りに回転駆動可能とされている。
【0021】
前記弁棒20は上下方向の軸心を有し洗米タンク4の中心部分に上下方向に配置されている。図3に示すように、該弁棒20の下端側には排水ジャケット18の下端側の排米口22を開閉する排米弁23が設けられている。
弁棒20は上側の貯米庫2の貯米ケース5内に設けられた昇降モータによって昇降可能とされている。排米弁23はその上面が排米口22の周縁に下側から接当することにより排米口22を塞ぎ、該排米弁23を下方移動させることにより排米口22が開かれる。
【0022】
図3に示すように、排水ジャケット18の側方には排水ボックス26が設けられ、この排水ボックス26と排水ジャケット18とは横向き配置された排水パイプ27で接続されている。
なお、排水ボックス26は排水ジャケット18の真横に配置されていなくてもよく、排水ボックス26が排水ジャケット18に対して前側又は後側に位置ずれしていてもよい(排水ボックス26が排水ジャケット18の前斜め側方または後斜め側方に配置されていてもよい)。また、排水ボックス26は排水ジャケット18の後方側に配置されていてもよい。
【0023】
排水ボックス26内の排水は、排水孔28から排水ホース等を介して排水溝等に排水可能とされている。
また、排水ボックス26は縦配水管29を介して洗米タンク4のタンク取付部16に設けられたオーバーフロー部30に接続されている。
排水ボックス26内には、排水パイプ27の出口側を開閉する排水弁31を備えた排水
弁装置32が設けられている。この排水弁装置32は、上側の貯米庫2の貯米ケース5内に設けられた排水モータによって駆動可能とされている。
【0024】
排水ジャケット18内には、タンク本体17の下端開口と排米口22との間の空間を取り囲むように截頭円錐筒状に形成された分離板34が設けられている。
この分離板34は水は通すが米は通さない小孔が多数形成されており、排水ジャケット18から排水ボックス26へと米のとぎ汁(洗米水)が小さな不純物と共に流れるようになっている。
【0025】
上側の貯米庫2の貯米ケース5内には、洗米タンク4内に水(水道水)を供給する給水装置が設けられている。
前記構成の自動洗米機1にあっては、排米弁23を閉じた状態で洗米タンク4に米が供給され、この供給された米は、排水弁31を開いた状態で洗米タンク4に給水しながら攪拌部材19を回転駆動させることや、排水弁31を閉じた状態で給水しながら攪拌部材19を回転駆動させると共に洗米タンク4内の洗米水をオーバーフロー部30からオーバーフローさせること等によって洗米される。
【0026】
米を洗米した後は、排水弁31を開けて水切りした後に該排水弁31を閉じ、次に、水加減水を供給した後に排米弁23を下方移動させて排米口22を開くことにより、洗米タンク4下方に配置した受け容器Aへと、米及び水加減水が落下排出される。
図4、図5及び図6に示すように、前記規制バー12は支持フレーム9の前方側で且つ容器配置空間Sの下部側に左右方向に配置され、該規制バー12を支持する支持アーム14は支持フレーム9の左右両側に配置されている。
【0027】
左右各支持アーム14の上部は、支持フレーム9の側壁9aに支軸126を介して左右方向の軸芯回りに回動自在に取り付けられている。
規制バー12の左右端部は、左右方向で同じ側にある支持アーム14の前部下端側に取付固定されている。
左右各支持アーム14の下部は、規制バー12より上方側において、該支持アーム14を貫通して支持フレーム9の側壁9aに取り付けられるボルト等の固定具127によって該支持フレーム9に取付固定されている。
【0028】
本実施形態では、受け容器Aは前方側から容器配置部Cに配置されて下側の貯米庫3の貯米ケース6上に載置される。このとき、受け容器Aが規制バー12に接当することにより、受け容器Aの後方移動が規制され、該受け容器Aの中心側を洗米タンク4の排米口22の略真下に位置させることができる。
前記支持アーム14には前記固定具127を挿通するための挿通孔128が形成され、この挿通孔128は、前記支軸126を中心とする円弧上に間隔をおいて複数形成されている(本実施形態では5つ形成されている)。したがって、本実施形態では、固定具127を挿通孔128から抜脱し、支持アーム14を揺動させた後、再び固定具127によって支持アーム14を固定することにより、受け容器Aの上端開口の口径の大きさに合わせて規制バー12の前後位置が位置変更可能とされている。
【0029】
前記検知部材13は、容器配置部Cに配置される受け容器Aによって押圧されて後方に揺動する。そして、この検知部材13の揺動を接触センサからなる検出センサ129によって検出することにより受け容器Aが容器配置部Cに配置されていること(受け容器Aが洗米タンク4の下方に配置されていること)が検出される。
この検知部材13と検出センサ129とで容器検出装置130が主構成されている。
【0030】
この容器検出装置130によって受け容器Aの検出が行われていないときには、洗米タンク4の排米口22から米が落下排出されないように構成されている。
図4〜図9、図13〜図15に示すように、前記検知部材13は、規制バー12の上方側で且つ支持フレーム9の左右一側(図例では右側)に配置されている。
この検知部材13が配置された側の支持フレーム9の側面(右側面)に検知部材13を支持する前記支持部材15が設けられている。支持部材15は容器配置部Cより上方側(洗米タンク4下端より上方側)に配置されている。
【0031】
前記検知部材13は、支持部材15に枢支される(洗米タンク4を支持する支持フレー
ム9に枢支される)上部の枢支部131と、容器配置部Cに配置された受け容器Aに押圧される下部の被押圧部132と、この被押圧部132から上方に延設された延設部133と、前記枢支部131と被押圧部132との間に位置する(枢支部131と延設部133とを連結する)弾性変形可能なアーム部134と、このアーム部134の上部に設けられたリブ壁135A,135Bと、検出センサ129の接触子137に当接して押圧するセンサ当接部136とを樹脂によって一体形成してなる。
【0032】
検知部材13を樹脂によって一体形成することにより、検知部材13をその機能を発揮させつつ安価に製作することができる。
枢支部131は、左右方向の軸心を有する筒状に形成されている。
被押圧部132は、帯幅方向が前後に向く(前後に沿う)帯板状に形成されていて、正面視左右方向に長い矩形状のループ状に形成されている。また、この被押圧部132は下方に向かうに従って前方に移行する傾斜状に配置され、下端側が規制バー12より前方側に位置していて容器配置部C(容器配置空間S)内に侵入している。したがって、受け容器Aが容器配置部Cに配置される際に規制バー12より先に検知部材13の被押圧部132に接当する。
【0033】
延設部133は、帯幅方向が前後に向く(前後に沿う)帯板状に形成されていて、被押圧部132の右側の側部132aの上端から上方側に延出されている。
アーム部134は帯幅方向が左右を向く(左右に沿う)帯板状に形成されており、該アーム部134の上部(基部)138は枢支部131の下部に接続され、該アーム部134の下端側(先端側)は延設部133の上端側に接続されている。このアーム部134の上下方向中途部は後方側に凸となる湾曲状の屈曲部139とされている。この屈曲部139は湾曲が伸びるように(曲率が小さくなるように)弾性変形可能とされている。
【0034】
このアーム部134の基部138の左側端面は面一状とされ且つ該アーム部134の右側端面は下部が上部よりも左右方向内方に位置していて、アーム部134の基部138は下部138aが上部138bよりも狭幅とされている。該アーム部134の基部138下端からアーム部134の先端にかけては、基部138の下部138aと同幅とされている。
【0035】
リブ壁135A,135Bは、アーム部134の基部138の左右両端部に設けられている。左右のリブ壁135A,135Bはアーム部134の基部138の左右両端部から前後両側に延出状とされていて、帯幅方向が前後を向く帯板状に形成されている。また、このリブ壁135A,135Bはアーム部134の基部138の帯幅方向の端部に沿って上部138bから下部138aにわたって形成されている。したがって、左側のリブ壁135Aは上下にストレート状とされ、右側のリブ壁135Bは下部が鉤型状とされている。
【0036】
センサ当接部136は、アーム部134の基部138の下部138aの右方で且つ該基部138の上部138bの右側下方に配置され、右側のリブ壁135Bの下部後部側から右側に突出形成されている。したがって、このセンサ当接部136はアーム部134の基部138より後方側に位置ズレされている。
また、センサ当接部136は、上部がアーム部134の長手方向に沿って形成され、下部がアーム部134の長手方向下方に向かうに従って後方側に移行する傾斜状に形成されている。
【0037】
検出センサ129は、図10及び図13〜図15に示すように、センサ本体141の前面側に接触子137が設けられ、センサ本体141の前面側下部には接触子137によって押圧されるプランジャ142が突出されている。
接触子137は、本実施形態では、上部がセンサ本体141に固着されていて前後に弾性変形可能なレバー部137aと、このレバー部137aの下部に左右軸回りに回動自在に支持されたローラからなる接当部137bとを有する。
【0038】
検出センサ129のセンサ本体141には、左右方向に貫通形成された上下一対のネジ挿通孔143a,143bが設けられている。上部側のネジ挿通孔143aはセンサ本体141の前部に形成され、下部側のネジ挿通孔143bはセンサ本体141の後部に形成
されている。
前記支持部材15は、図6に示すように、検出センサ129が取り付けられるセンサブラケット144と、このセンサブラケット144に上方から嵌合するカバー部材145とから構成されている。
【0039】
センサブラケット144は、図11及び図13〜図15に示すように、支持フレーム9の右側面に対向状に配置された側壁146と、この側壁146の上端から支持フレーム9の右側面に向けて延出された上壁147と、この上壁147の支持フレーム9側の端部から下方に延出された取付壁148と、側壁146の下端後部から支持フレーム9の右側面に向けて延出された下壁149とから主構成されている。
【0040】
このセンサブラケット144の下壁149の支持フレーム9側の端部には、支持フレーム9の右側の側壁9aに形成された係合孔150に挿通されて支持フレーム9の右側の側壁9aに係合する係合爪151が形成されている。
センサブラケット144の取付壁148にはネジ挿通孔152が形成され、この取付壁148は支持フレーム9の右側面に重ね合わされと共に前記ネジ挿通孔152を挿通して支持フレーム9の右側の側壁9aに設けられたネジ孔153にねじ込まれる取付ネジ(固定具)154によって支持フレーム9に取付固定されている。
【0041】
センサブラケット144の側壁146の上部には、前記取付ネジ154及び工具(ドライバー)が挿通可能な取付用穴155が前記ネジ挿通孔152と同心状に貫通形成されている。したがって、この取付用穴155を介して左右方向外方側からセンサブラケット144が取付可能とされている。
センサブラケット144の前部は支持フレーム9から前方に突出されており、この支持フレーム9から突出した部分に、支持孔156が側壁146及び取付壁148に同心状に貫通形成されている。
【0042】
センサブラケット144の前部の側壁146と取付壁148との間には検知部材13の枢支部131が配置され、該枢支部131及び両支持孔156にわたって枢軸157が挿通され、これによって検知部材13がセンサブラケット144に左右軸回りに前後揺動自在に支持されている。
センサブラケット144の側壁146の検知部材13後方側には、取付孔158A,158Bが上下一対貫通形成されている。上側の取付孔158Aは円形孔とされ、下側の取付孔158Bは前後に長い長孔に形成されている。また、下側の取付孔158Bは後方に向かうに従って上方に移行する傾斜状に形成されている。
【0043】
前記検出センサ129は検知部材13の基部138の後方側で且つセンサブラケット144の側壁146と支持フレーム9との間に配置されている。この検出センサ129の支持フレーム9側の側面には取付プレート159が配置されている。この取付プレート159には、検出センサ129のネジ挿通孔143に左右方向で一致するネジ孔161が上下一対形成されている。
【0044】
この検出センサ129は、センサブラケット144の上下の取付孔158A,158B及び検出センサ129の上下のネジ挿通孔143に挿通され且つ取付プレート159の上下のネジ孔161にねじ込まれる取付ネジ162によってセンサブラケット144に取付固定されている。
この検出センサ129の接触子137は検知部材13のセンサ当接部136の後方側に位置しており、接触子137の接当部137bがセンサ当接部136に接当可能とされている。そして、容器配置部Cに配置された受け容器Aに押圧されて検知部材13が後方に揺動したときに、センサ当接部136が検出センサ129の接触子137を押圧して該接触子137を後方に揺動させ、これにより検出センサ129のプランジャ142が押圧されて受け容器Aが容器配置部Cに配置されたことが検出される。
【0045】
また、検出センサ129を取り付ける上下の取付ネジ162を緩めることにより、上側の取付ネジ162を中心として検出センサ129が前後に揺動自在とされ、前後に揺動した位置で上下の取付ネジ162を締め付けることにより、検出センサ129の取付位置が変更可能とされている。
これは、規制バー12を前後位置調整可能としたのに対応して検出センサ129の位置も調整可能としたものである。また、該検出センサ129の位置を調整することにより、検知部材13も前後揺動され、検知部材13の被押圧部132の下端側が規制バー12より前側に位置するように、該被押圧部132の前後位置も位置調整可能とされている。
【0046】
取付プレート159の下端前部には、センサブラケット144の側壁146に向けて延出されていて検出センサ129の接触子137及びプランジャ142の下方に位置する規制壁163が設けられている。この規制壁163は、検知部材13のセンサ当接部136の下部後方側に位置していて、検知部材13が後方に揺動して接触子137を押圧したときに、センサ当接部136の下部が規制壁163に接当することにより検知部材13の揺動が規制され、過度にプランジャ142が押圧されないように構成されている。
【0047】
また、センサ当接部136の下部が規制壁163に接当した後は、検知部材13のアーム部134の屈曲部139が、該屈曲部139の曲率が小さくなるように弾性変形し、受け容器Aが確実に規制バー12に接当する。
本実施形態の検知部材13にあっては、帯板状のアーム部134の弾性変形部分を屈曲形成することにより、検知部材13の被押圧部132に受け容器Aが接当した際のアーム部134のねじれを抑制することができ、このねじれに起因する不具合、例えば、感知不良等を抑制することができる。
【0048】
前記カバー部材145は、図12及び図13〜図15に示すように、センサブラケット144の側壁146の外側方に対向状に位置する一側壁164と、この一側壁164の上端から支持フレーム9に向けて延出されていてセンサブラケット144の上壁147の上側に重ね合わされる上壁165と、センサブラケット144の前側に位置する前壁166と、センサブラケット144の後側に位置する後壁167と、センサブラケット144の前部左側で且つ支持フレーム9の前側に位置する他側壁168とから構成されている。
【0049】
このカバー部材145の一側壁164及び他側壁168は検知部材13を枢支する枢軸157の近接位置に位置していて、該カバー部材145の一側壁164及び他側壁168によって、枢軸157の枢支部131からの抜止め(外れ止め)が図られている。
また、カバー部材145の一側壁164は検出センサ129を取付固定する取付ネジ162の近接位置に位置していて、カバー部材145の一側壁164によって該取付ネジ162の外れ止めが図られている。
【0050】
カバー部材145の上壁165には、センサブラケット144の上壁147に形成されたネジ孔169に一致するネジ挿通孔170が貫通形成され、該ネジ挿通孔170を上方から挿通して前記ネジ孔169にねじ込まれる取付ネジ171によってカバー部材145がセンサブラケット144に取り付けられている。
本発明は、前述した上下の貯米庫2,3を有する自動洗米機1の他、貯米庫を有しないパック米対応の自動洗米機や、米の計量、洗米、炊飯をマイコン制御によって自動で行う自動炊飯機の洗米装置に採用される。
【符号の説明】
【0051】
4 洗米タンク
9 支持フレーム
13 検知部材
22 排米口
129 検出センサ
130 容器検出装置
131 枢支部
132 被押圧部
134 アーム部
136 センサ当接部
137 接触子
144 センサブラケット
145 カバー部材
157 枢軸
A 受け容器
C 容器配置部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米を洗米して下端側の排米口(22)から排出する洗米タンク(4)を設け、この洗米タンク(4)の下方に、該洗米タンク(4)から排出される米を受ける受け容器(A)を配置する容器配置部(C)を設け、この容器配置部(C)に配置される受け容器(A)を検出する容器検出装置(130)を設け、この容器検出装置(130)が、前記容器配置部(C)に配置された受け容器(A)に押圧されて揺動する検知部材(13)と、この検知部材(13)の揺動を検出する検出センサ(129)とを備えた洗米装置において、
前記検知部材(13)は、洗米タンク(4)を支持する支持フレーム(9)に枢支される上部の枢支部(131)と、容器配置部(C)に配置された受け容器(A)に押圧される下部の被押圧部(132)と、これら枢支部(131)と被押圧部(132)との間に位置する弾性変形可能なアーム部(134)と、検出センサ(129)の接触子(137)に接当するセンサ当接部(136)とを樹脂によって一体形成してなることを特徴とする洗米装置。
【請求項2】
前記検知部材(13)は枢支部(131)が左右軸回りに回動自在に枢支されていて容器配置部(C)に前方から配置される容器を検出可能とされると共に、該検知部材(13)の被押圧部(132)とアーム部(134)とが帯板状に形成され、被押圧部(132)は帯幅方向を前後に向けてループ状に形成され、アーム部(134)は帯幅方向を左右に向けて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の洗米装置。
【請求項3】
前記センサ当接部(136)をアーム部(134)の上部に設け、該アーム部(134)の上下中途部に、後方側に凸となる湾曲状に形成された屈曲部(139)を備え、この屈曲部(139)は湾曲が伸びるように弾性変形可能とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗米装置。
【請求項4】
前記支持フレーム(9)に検出センサ(129)を取り付けるセンサブラケット(144)を取付固定し、このセンサブラケット(144)に検知部材13の枢支部(131)を枢支し、前記センサブラケット(144)に嵌合されるカバー部材(145)によって、検出センサ(129)を取付固定する固定具及び枢支部(131)を枢支する枢軸(157)のセンサブラケット(144)からの外れ止めをしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗米装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2013−81596(P2013−81596A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222915(P2011−222915)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】