活性化可能なゼロ歪の複合積層体
弾性コア層と、前記コア層よりも弾性が低い少なくとも1つの表面薄層と、を有する活性化可能な弾性積層体ウェブ、及び弾性積層体ウェブの表面薄層の一方に取り付けられた少なくとも1つの予め接合された短繊維不織ウェブを含み、少なくとも1つの短繊維不織ウェブが、横方向において少なくとも100%の破断点伸びを有し、そして活性化可能な弾性積層体ウェブが、第1回目の荷重において、前記1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えて横方向に伸ばされた場合、本質的に均質な微小構造の表面を形成する、活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブに関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性コア層と少なくとも1つの表面薄層とを有する弾性積層体、並びに弾性積層体に取り付けられた少なくとも1つの不織布層を含む活性化可能なゼロ歪の複合積層体に関する。本発明は更に、前記活性化可能なゼロ歪の複合積層体を伸ばすことによって得られる活性化された複合積層体と、活性化された複合積層体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,501,679号は、少なくとも1つのエラストマーコア層と少なくとも1つの薄い表面薄層とを含む、活性化された微小構造のエラストマー積層体を開示している。活性化された微小構造のエラストマー積層体は、コアと表面薄層とを共押出しし、続いて表面薄層の弾性限界を超えて積層体を伸ばし、次に積層体を回復させて製造するのが好ましい。米国特許第‘679号には、積層体の収縮回復機構が、表面薄層(1つ又は複数)の厚さの変化の影響を受け得ることが開示されている。更に、米国特許第‘679号には、ミクロ構造積層体の質感が、その弾性限界を超えたフィルムの伸ばし方法を変えることに影響を受け得ることが開示されている。積層体は、1軸的に、連続して2軸的に、又は同時に2軸的に伸ばされ得ることが開示されている。米国特許第‘679号は、おむつ及び衣類での使用を含む、伸ばされたミクロ構造積層体のさまざまな使用及び用途を開示している。
【0003】
弾性コア層と、コア層より弾性の低い少なくとも1つの表面薄層とを有する活性化可能な複合積層ウェブは、例えば、欧州特許第0,521,883号に記載されている。そのような積層体において、少なくとも1つの表面薄層と少なくとも1つのコア層とは、優先活性化部位と非優先活性化部位とを形成し、少なくとも1つのコア層は、少なくとも活性化部位において本質的に弾性である。少なくとも1つの表面薄層及び/又は少なくとも1つのコア層は、多層積層体が伸ばされた場合に、伸ばされた領域において優先活性化部位が、弾性状態まで伸ばされ得、回復することができるように設けられる。例えば、衣類のような不織布材は、活性化可能な積層体又は活性化された積層体に、それぞれ、超音波溶接、ヒートシーリング、並びに接着剤によって適用され得る。
【0004】
米国特許第6,159,584号は、物品の端部に接着されるように設計された延伸性の弾性タブを開示しており、該弾性タブは、少なくとも1つの弾性層と、弾性層の少なくとも第1面上の少なくとも1つの第2層とを有する共押出し弾性フィルムであって、該共押出し弾性フィルムの少なくとも1つの面が少なくとも部分的に延伸性の不織布層に取り付けらている。部分的に拡張性の、つまり延伸性の不織布層は、第1方向において限られた伸張性を有する少なくとも1つの第1部分と、第1方向において非延伸性の少なくとも1つの第2部分とを有する。延伸性の弾性タブは、1つ又は複数の第1部分の延在限度まで第1方向に伸ばされた場合、少なくとも1.0cm、好ましくは少なくとも2cm弾力的に回復し、有効伸び比が少なくとも30%である弾性タブを提供する。有効伸び比は、0.2N/cm(20g/cmの力)を超えるが、一般に延在限度の90%である一定の延在率より低い弾性回復力を有する弾性回復長さ部分を含む。米国特許第‘584号の延伸性の弾性タブはおむつの締結タブとして特に有用であると開示されている。
【0005】
上記欧州特許第0,521,883号の積層体は、所要の優先活性化部位と非優先活性化部位の、それぞれを生成するために、いわゆる積層体形成後弾性率又は応力処理によって活性化されることが可能である。このような処理は、形成後アニール、選択的架橋、又は選択的可塑化を含んでもよい。形成後の応力の局在は、局部的コロナ処理、機械的切断、スコーリング、積層材の裁断、圧入、又は制御された局所的伸びの影響を受け得る。
【0006】
制御された局所的伸び処理方法のいくつかの詳細が米国特許第5,167,897号に記載されている。米国特許第‘897号は、伸び可能でエラストマー材の第1プライと、例えば、不織布材のような伸び可能であるが必ずしもエラストマー性ではない材料を含む第2プライと、を含むゼロ歪の伸び積層体に言及している。2つのプライは、実質的に非伸張(「ゼロ歪」)状態で互いに取り付けられる。ゼロ歪の伸び積層体は、一対の対向する圧力アプリケータに供給され、積層体ウェブの対向する周辺端部を拘束した状態で漸増式に伸ばされる。第2プライは、印加した張力を取り除いた際に最初の歪んでいない形状に戻らないように、積層体を伸ばした際に少なくとも永久に伸ばされる程度に伸ばされる。第2プライの材料の性質及びインクリメンタル伸びの程度に応じて、第2プライ材料は、それぞれ、局所的にz方向において破断されても、又はz方向において嵩高化されてもよく、その結果その後の初期伸び方向において弾性伸張性をもたらす。
【0007】
弾性積層体と該積層体に取り付けられ少なくとも1つの不織布層とを含むゼロ歪の複合積層体は、米国特許第‘897号に開示の方法で活性化させた場合、必ずしも審美的観点から望ましくない、局所的に変形した及び/又は破損した不織布層を呈する場合がある。
【0008】
米国特許第7,078,089号は、熱可塑性材に取り付けられた延伸性不織布繊維ウェブを含む弾性積層体材を開示している。不織布繊維ウェブは、熱可塑性材に積層された場合の、そうした時点まで固着されない短繊維ウェブであってもよい。これは、換言すると、典型的には熱的なプリント接合によって達成される接合は、非接合ウェブを固めることと、それを熱可塑性材に取り付けることとの両方を意味する。熱可塑性材は単層フィルム又は多層フィルムであってもよい。多層フィルムは、弾性素材を不織布繊維ウェブに接合させる接合剤を含む1つ又は2つ外側の表面薄層を含む。
【0009】
米国特許第‘089号の弾性積層体の不織布繊維ウェブ層は、活性化の際に接合点の間で破断する傾向があり、その結果、弾性積層体材の外観が審美的に魅力的でなくなることが見い出された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、活性化され得る1つ以上の不織布層を含む活性化可能なゼロ歪の複合積層体を、対応する活性化された複合積層体に、本質的に不織布層の損傷及び/又は破断なしに提供すると同時に、活性化された複合積層体の許容可能な及び/又は有利な弾性特性を提供することであった。本発明の別の目的は、本質的に不織布層の損傷及び/又は破断なしに、活性化可能なゼロ歪の複合積層体を活性化することのできる方法を提供することである。本発明の他の目的は、以下の本発明の詳細な説明から当業者には明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、弾性コア層と、前記コア層よりも弾性が低い少なくとも1つの表面薄層と、を有する活性化可能な弾性積層体ウェブ、及び弾性積層体ウェブの表面薄層の一方に取り付けられた少なくとも1つの予め接合された短繊維不織ウェブを含み、少なくとも1つの短繊維不織ウェブが、横方向において少なくとも100%の破断点伸びを有し、そして前記活性化可能な弾性積層体ウェブが、第1回目の荷重において、1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えて横方向に伸ばされた場合、本質的に均質な微小構造の表面を形成する、活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブに関する。
【0012】
更に本発明は、弾性コア層と、コア層よりも弾性が低い少なくとも1つの表面薄層と、を有する活性化可能な弾性積層体ウェブ、及び弾性積層体ウェブの表面薄層の一方に取り付けられた少なくとも1つの予め接合された短繊維不織ウェブを含み、少なくとも1つの短繊維不織ウェブが、横方向において少なくとも100%の破断点伸びと、不織ウェブの表面に対して8〜22%、より好ましくは9〜18%、特に好ましくは9〜15%の接合領域とを有し、そして活性化可能な弾性積層体ウェブは、弾性積層体ウェブのコア層の厚さ:そうしたウェブの少なくとも1つの表面薄層の厚さ、又は弾性積層体ウェブのコア層の厚さ:そうしたウェブの表面薄層の合計の厚さが、それぞれ、少なくとも6:1である比を有し、少なくとも1つの短繊維不織布層が、弾性積層体に不連続な接着剤層によって取り付けられている、活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブに関する。
【0013】
更に本発明は、本発明の前記活性化可能な複合積層ウェブを、前記1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えるが、前記短繊維不織ウェブの破断点伸びを未満で横方向に伸ばされることによって得られる、活性化された複合積層ウェブに関する。
【0014】
本発明は更に、
(i)弾性コア層と、該コア層よりも弾性が低い少なくとも1つの表面薄層とを有し、第1回目の荷重において1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えて横方向に伸ばされた場合、本質的に均質な微小構造の表面を形成する、活性化可能な弾性積層体ウェブを提供する工程と、
(ii)少なくとも100%横方向の破断点伸びを有する、少なくとも1つの短繊維不織ウェブを提供する工程と、
(iii)短繊維不織ウェブを、該弾性積層体ウェブに取り付け、それによって活性化可能な弾性積層体ウェブが、本質的に非伸張状態に維持される工程と、を含む本発明の活性化可能な複合積層体を製造する方法に関する。
【0015】
更に本発明は、
(i)本発明の活性化可能な複合積層ウェブを提供する工程と、
(ii)活性化可能な複合積層ウェブを、横方向に、1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えるが、予め接合された短繊維不織布層ウェブの破断点伸び未満で伸ばす工程と、を含む本発明の活性化された複合積層ウェブを製造する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】弾性コア層1と表面薄層2とを有する活性化可能な弾性積層体ウェブを含む、本発明の活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブ10の一部の概略断面図。活性化可能な複合積層ウェブ10は、接着層3を介して表面薄層2に取り付けられた予め接合された短繊維不織ウェブ4を更に含む。
【図1a】図弾性積層体ウェブが、第2の予め接合された短繊維不織ウェブ4を固着する第2の表面薄層3を含む点で図1の実施形態とは異なる、本発明の別の活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブ10の一部の概略断面図。
【図1b】接着剤ストリップ3aを含む不連続な接着層3を含む点で図1の実施形態とは異なる、本発明の別の活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブ10の一部の概略断面図。
【図2】図1aの活性化可能な複合積層体10を横方向に伸ばすことによって得られる、本発明の活性化された複合積層ウェブ20の一部の概略断面図。
【0017】
図1、1a、1b、並びに2は極めて概略的であり、寸法が該図面からわからないようにさまざまな層の厚さを誇張して再現している。前記図面において、不織布層は十分な伸張状態で示されているのではなく、切断されている。
【図3a】横方向において(即ち部分の長さに沿って)40%の伸びまで伸ばされた(第1回目の荷重)後、伸ばされた、本発明において有用な活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。前記写真は、第1回目の荷重後に得た弛緩状態の伸ばされた弾性積層体を示している。弾性積層体ウェブの前記一部は均質な不透明な外観を呈する。前記弾性積層体ウェブの組成物及び幾何学的寸法は実施例1に記載されている。
【図3b】第1回目の荷重における横方向において(即ち部分の長さに沿って)40%の伸びまで伸ばされた後、本発明において有用ではない活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。前記写真は、第1回目の除荷後で、弛緩状態にある活性化された弾性積層体を示している。弾性積層体ウェブの一部は、ウェブ部分の上半分にネックインした乳白色区域を呈し、ウェブ部分の下半分に本質的に透明な外観を呈する、不均質な外観を示している。弾性積層体ウェブの組成物及び幾何学的寸法は比較例1に記載されている。
【図3c】それぞれ、80%、120%、並びに160%の延在まで第1回目の荷重をし、第1回目の除荷の後で弛緩状態にある、本発明において有用な図3aの活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。
【図3d】それぞれ、80%、120%及び160%の延在まで第1回目の荷重をし、その後第1回目の除荷の後で弛緩状態にある、本発明において有用ではない図3bの活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。
【図3e】それぞれ、80%、120%、並びに160%の延在まで第1回目の荷重をし、第1回目の除荷の後で弛緩状態にある、本発明において有用な図3aの活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。
【図3f】それぞれ、80%、120%及び160%の延在まで第1回目の荷重をし、その後第1回目の除荷の後で弛緩状態にある、本発明において有用ではない図3bの活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。
【図3g】それぞれ、80%、120%、並びに160%の延在まで第1回目の荷重をし、第1回目の除荷の後で弛緩状態にある、本発明において有用な図3aの活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。
【図3h】それぞれ、80%、120%及び160%の延在まで第1回目の荷重をし、その後第1回目の除荷の後で弛緩状態にある、本発明において有用ではない図3bの活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。
【図4a】図3dの弾性積層体ウェブの一部の表面を、かかるウェブ部分の下半分の透明区域で倍率100xで撮影したマイクロ写真。
【図4b】図3dの弾性積層体ウェブの一部の表面を、かかるウェブ部分の不透明なネックイン区域で倍率100xで撮影したマイクロ写真。
【図5a】ケース、それぞれにおいて第1回目の荷重と第1回目の除荷とを含む、次のような異なる弾性積層体ウェブの一連の応力ひずみ曲線。
【0018】
【数1】
【0019】
【図5b】積層体、それぞれに関して、第1回目の荷重及び除荷と第5回目の荷重及び除荷とを含む、次のような2つの異なる弾性積層体の一連の応力ひずみ曲線。
【0020】
【数2】
【0021】
【図5c】第1回目の荷重及び除荷、第2回目の荷重及び除荷、並びに第3回目の荷重及び除荷、それぞれ含む、次のような本発明の3つの異なる複合積層ウェブの一連の応力ひずみ曲線。
【0022】
【数3】
【0023】
実施例5の複合積層ウェブは実施例1の弾性ウェブ積層体を含み、実施例6の複合積層ウェブは実施例2の弾性ウェブ積層体を含み、実施例7の複合ウェブ積層体は実施例3の弾性ウェブ積層体を含む。
【図5d】機械方向に延在する複合積層ウェブの右端のストリップ区域が活性化可能(即ち非活性化)であるのに対して、図5aに示される複合積層ウェブの残り全てが活性化されている、実施例6の複合積層ウェブの写真。
【図6】次のような、さまざまな不織ウェブの一連の応力ひずみ曲線を示す。
【0024】
【数4】
【発明を実施するための形態】
【0025】
上記及び以下で使用される用語、活性化可能な「ゼロ歪」の複合積層体は、弾性コア層と該コア層より弾性が低い少なくとも1つの表面薄層とを有する弾性積層体と、少なくとも1つの予め接合された短繊維不織布層と、を含む積層体に関する。弾性積層体と予め接合された短繊維不織布層とは、弾性積層体が本質的に伸ばされない(ゼロ歪)状態で、不織布層を表面薄層の一方に断続的に又は連続的に固定することによって互いに取り付けられている。用語「活性化可能な」及び「非活性化」は同意語として使用される。弾性積層体ウェブ又は複合積層ウェブ、それぞれが活性化可能であるか又は活性化されているかが文脈から明白である場合、かかる用語は省略されてもよい。
【0026】
機械方向に有意な長さにわたって延在する積層体を参照する場合、複合積層体はウェブを表わす。ウェブを横方向に切断することによって通常得られる、このような複合積層ウェブの小さな区域は、複合積層体部分と呼ばれる。
【0027】
上記及び以下において、複合積層ウェブ及び/又は複合積層ウェブの部分は単に複合積層体とも呼ばれる。
【0028】
上記及び以下において、弾性積層体ウェブ及び/又はそのような弾性積層体ウェブの部分は単に弾性積層体とも呼ばれる。
【0029】
上記及び以下において使用される時、用語「機械方向」(MD)は、弾性積層体ウェブ又は複合積層体の、それぞれが、移動する連続ウェブの方向を意味する。上記及び以下において使用される時、用語「横方向」(CD)は、本質的に機械方向に垂直である方向を意味する。弾性積層体ウェブ又は複合積層ウェブの部分、それぞれが用いられる場合、上記及び以下において定義されているように、用語CD及びMDはこのような部分の向きを述べるためにも使用される。
【0030】
活性化可能なゼロ歪の複合積層体の弾性コア層は、周囲条件でエラストマー特性を呈する材料から形成される。エラストマー性とは、伸ばされた後に最初の形状に実質的に戻る材料を意味する。好ましくは、エラストマーは、変形及び弛緩の後にごくわずかな永久歪を維持し、この歪は、最初の50〜500%の伸びの30%未満であれば好ましく、20%未満であれば更に好ましい。エラストマー材は、純粋なエラストマーであるか、又は室温で十分なエラストマー特性を有するエラストマー相又は含有物とのブレンドであり得る。好適なエラストマー性熱可塑性ポリマーとしては、A−B又はA−B−Aタイプのブロックコポリマーなどとして当業者が周知しているブロックコポリマーが挙げられる。これらのブロックコポリマーは、例えば、米国特許第3,265,765号、第3,562,356号、第3,700,633号、第4,116,917号及び第4,156,673号に記載されており、これら特許の内容は、引用することによって本明細書に包含する。スチレン/イソプレン、ブタジエン又はエチレン−ブチレン/スチレン(SIS、SBS又はSEBS)ブロックコポリマーは、特に有用である。一般に、2つ以上のブロック、つまり少なくとも1つのAブロック及び少なくとも1つのBブロックがあり、これらブロックは、線状、放射状、分枝状又は星形のブロックコポリマーなど、任意の順序で配列することができる。その他の有用なエラストマー組成物は、エラストマーポリウレタン、エチレンコポリマー、例えばエチレンビニルアセテート、エチレン/プロピレンコポリマーエラストマー又はエチレン/プロピレンジエンコポリマーエラストマーを含むことができる。これらエラストマー相互のブレンド、又はこれらエラストマーと変性非エラストマーとのブレンドも意図される。
【0031】
粘度を低下させるポリマー及び可塑剤を、エラストマー、例えば低分子量のポリエチレンとポリプロピレンのポリマー及びコポリマー、又は粘着付与樹脂、例えば、グッドイヤーケミカル社(Goodyear Chemical Company)から入手可能なウイングタック(Wingtack)(商標)、つまり脂肪族炭化水素粘着付与剤とブレンドしてもよい。表面薄層に対するエラストマー層の接着性を高めるために粘着付与剤を使用することもできる。粘着付与剤の例には、脂肪族又は芳香族炭化水素液体粘着付与剤、ポリテルペン樹脂粘着付与剤、並びに水素化粘着付与樹脂が挙げられる。脂肪族炭化水素樹脂が好ましい。
【0032】
染料、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、接合助剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、熱安定剤、光安定剤、発泡剤、ガラスバブル、強化繊維、分解性のためのデンプン、並びに金属塩、又はマイクロファイバーのような添加剤をエラストマーコア層(又は複数)に使用してもよい。
【0033】
活性化可能なゼロ歪の複合積層体の表面薄層は一般に、非粘着性材料、又は弾性コア層よりエラストマー性の低い任意の半結晶性又は非晶質ポリマーから形成されるブレンドを含む。表面薄層は本質的に弾力性がなくかつ非粘着性であるのが好ましく、従って弾性積層体が伸ばされる割合でコア層よりも比較的より大きな永久歪を受ける。得られた表面薄層が本質的に非粘着性であり、コア層よりエラストマー性が低くあるならば、オレフィン性エラストマーのようなエラストマー材、例えば、エチレン−プロピレンエラストマー、エチレンプロピレンジエンポリマーエラストマー、メタロセンポリオレフィンエラストマー若しくはエチレンビニルアセテートエラストマー、又はスチレン/イソプレン、ブタジエン若しくはエチレン−ブチレン/スチレン(SIS、SBS又はSEBS)ブロックコポリマー、又はポリウレタン或いはこれら材料とのブレンドを使用することができる。表面薄層は、適用されるあらゆる接着剤に対するバリア層として作用することが好ましい。使用するエラストマー材は、非エラストマー材とのブレンド中に、0〜70重量%、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%の範囲で存在する。表面薄層(又は複数)のエラストマーの割合が高い場合、一般に、粘着防止剤及び/又はスリップ剤を使用して、表面の粘着及びロールの巻出し力を低下させる必要がある。好ましくは、表面薄層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、並びにポリエチレン−ポリプロピレンコポリマーからなる群から選択される1種以上のポリオレフィン又はポリオレフィンコポリマーを含む。しかしながら、表面薄層はまた、ナイロンのような1種以上のポリアミド、ポリエチレンテレフタレートのような1種以上のポリエステル、並びにこれらの好適なブレンドも含んでもよい。
【0034】
活性化可能な弾性積層体の本質的に均質な活性化を可能とするために、コア:表面厚さの比、及び/又は表面薄層(又は複数)の柔軟性を調節することが本発明において重要である。上記及び以下で使用するコア:表面厚さの比が、弾性コアの厚さ:そうしたコアの少なくとも1つの表面薄層の厚さの比(表面薄層が1つである場合)、又は弾性コアの厚さ:そうしたコアの2つの表面薄層の合計の厚さの比(第2の表面薄層が存在する場合)として、それぞれ、定義される。
【0035】
上記で定義されたコア:表面厚さの比が小さすぎる場合、及び/又は表面薄層が堅すぎる場合には、活性化可能な弾性積層体が伸ばされた場合、巨視的にネックする及び/又は巨視的なよじれを形成する傾向があることが見い出された。上記及び以下で使用する用語「巨視的な(巨視的に)」は、そのようなネックイン区域及び/又はよじれを肉眼で容易に見ることができることを意味する。典型的には、ネックイン区域又はよじれは少なくとも1mmの伸びを有する。
【0036】
これら巨視的なネッキング又はよじれは、多くの場合伸ばされた弾性積層体の特定の領域にのみ生じ、表面薄層が本質的に変形していない伸ばされた弾性積層体の他の領域は平らなまま及び/又はネッキングしていないままである。弾性積層体のこの不均質な活性化挙動は、活性化された複合積層体に好ましくない審美的外観を付与し、これは、特におむつのような衛生物品で用いるのには許容不可能である。更に、不均質な活性化挙動は、制御困難な場合がある応力ひずみ挙動をもたらす。弾性積層体のネッキング及び/又はよじれ領域(1つ又は複数)は、加えられた力が他の領域(又は複数)でネッキング及び/又はよじれを誘発するのに十分であり得るような程度まで伸ばされた場合、応力伸び曲線はさらなるピークを示す場合があり、弾性積層体を更に伸ばすとダメージを受ける(zippy)可能性がある。
【0037】
弾性積層体の、コア:表面厚さの比、及び/又はコア:表面薄層の柔軟性の比が、表面薄層がその弾性限界を超えて伸ばされて弛緩した場合、ミクロ構造の表面質感を形成するように選択される必要がある。ミクロ構造とは、弾性積層体の表面薄層の表面が人の裸眼で見えるだけの大きさがある微細なピークと谷の凹凸、皺、又はその他の微細な表面構造要素を含み、微細構造ができる前の弾性積層体の不透明度よりも高い不透明度を引き起こし、この凹凸は非常に小さいため人の皮膚には滑らか又は柔軟であるように知覚されることを意味する。ミクロ構造の質感の細部を見るためには凹凸を拡大することが必要である。
【0038】
弾性積層体が、巨視的なよじれがない場合に示されるような本質的に均質に伸ばされ得る、及び/又は弾性積層体を伸ばす前の初期不透明度と比較した場合の弾性積層体の不透明度が本質的に均質に増加されるように、弾性積層体の、コア:表面厚さの比、及び/又はコア:表面薄層の柔軟性の比が、選択されることが更に必要である。
【0039】
活性化可能な弾性積層体の活性化挙動は、以下のように容易に定性的に評価することができる。良好な活性化挙動を示し、本発明で使用するのに好適な、本質的に透明で活性化可能な弾性積層体ウェブは、積層体の一部を、例えば、横方向において40〜160%の比較的小さな伸びで伸びて、続いて弛緩した場合に、本質的に均質な不透明になる。最初は不透明な活性化可能な弾性積層体を伸び−弛緩して、非活性化弾性積層体と比べて活性化された弾性積層体をより不透明にする。
【0040】
この挙動は、コア:表面厚さの比が約8.2:1である下記の実施例1の本質的に透明な活性化可能な弾性積層体に関して、図3a、3c、3e及び3gで例示されている。
【0041】
図3aは、横方向において40%の伸びまで伸び、続いて弛緩させた後のこのような弾性積層体の一部の写真である。活性化された弾性積層が均質な不透明な外観を呈することがわかる。
【0042】
図3c、3e、並びに3gの写真は、それぞれ、80%、120%、並びに160%の伸びまで、伸び−弛緩した場合の、実施例1の活性化可能な弾性積層体の表面を示す。図3a、3c、3e、並びに3gの目視比較は、伸びを40%から80%へと増加した場合に不透明度が図3aから図3cへと目に見えて増加するが、120%又は160%の伸びまで、伸び−弛緩した場合には不透明度の明白な増加を視覚的に検出できないことを、それぞれ、示している。
【0043】
本発明で用いるのに好適ではない弾性積層体ウェブの活性化挙動が図3b、3d、3f、並びに3hに対照的に例示されており、これらは、40%、80%、120%、並びに160%の伸びまで伸び、続いて弛緩した場合の、比較例1の弾性積層体ウェブの部分の表面を示している。下記の比較例1の本質的に透明な活性化可能な弾性積層体の、コア:表面厚さの比は、約4.5:1である。図3bは、弾性積層体部分の活性化が、当該部分のわずかに不透明にされた上半分の領域で始まることを示し、わずかにネッキングしている。図3bの弾性積層体部分の他の領域は影響を受けておらず、本質的に透明を維持している。
【0044】
弾性フィルム部分を80%、120%、並びに160%のより大きな伸びまで、伸び−弛緩した場合に、弾性積層体部分の上半分の活性化された領域は増大してより不透明になる一方、弾性積層体部分の下半分の領域は本質的に透明を保つことが図3d、3f、並びに3hからわかる。図3d、3f、並びに3hの弾性フィルム積層体部分は、当該部分の上半分の活性化された領域に顕著なネッキングを示し、特に、弾性積層体の部分の活性化された上半分と活性化されていない下半分との間に巨視的なよじれが形成されるのを示している。
【0045】
本発明に好適な弾性積層体のコア層:表面薄層厚さの比が、好ましくは少なくとも6:1、より好ましくは少なくとも7:1であるが、1,000:1未満、最も好ましくは7:1と25:1との間である。
【0046】
コア層の厚さは、20〜240μmであるのが好ましく、より好ましくは40〜150μmである。表面薄層の厚さは、1〜10μmであるのが好ましく、より好ましくは2〜8μmである。弾性積層体の全厚は、25〜250μmであるのが好ましい。
【0047】
コア層への表面薄層の追加が本発明の活性化可能な弾性積層体を通常強化する傾向がある一方で、表面薄層は、活性化された弾性積層体の強化が殆ど又は全く生じないように、活性化された弾性積層体が、使用時にサイクル動作される時の(例えば、衛生使い捨て製品では着用者の呼吸により引き起こされる寸法の変化による)好適な低度の応力の伸び力及び低度のヒステリシス損レベルで、最初の伸び、並びに第2の及びその次の伸びでも弾性であるように、十分に薄く及び/又は柔らかであるように設けられる。好ましくは、弾性積層体は第1回目の活性化サイクルで明確な降伏点又は範囲を有さない。次のサイクルにおいて、弾性積層体の弾性特性が弾性コア自体の弾性特性と同様である及び/又はそれに近づく傾向があることが好ましい。
【0048】
弾性積層体の活性化挙動は、活性化可能な弾性積層体の第1回目の応力−伸びサイクルを記録することにより更に評価することができる。
【0049】
図5aは、例えば、実施例1(
【0050】
【数5】
【0051】
)、実施例2(
【0052】
【数6】
【0053】
)、並びに比較例1(
【0054】
【数7】
【0055】
)、それぞれの活性化可能な弾性積層体の第1回目の活性化サイクルを示す。
【0056】
実施例1、実施例2、並びに比較例1の3つの弾性積層体の全てに関する第1回目の荷重曲線の応力伸び曲線は、弾性積層体の表面薄層にミクロ構造を付与するのに必要な力に達するまで、初めは急激な増加を示す。しかしながら、本発明に好適な実施例1及び実施例2の弾性積層体の応力伸び曲線は、明確なピーク点又は降伏点を示さない。これは、本発明で用いるのに好適ではない比較例1の弾性積層体の活性化挙動とは際立って対照的である。比較例1の弾性積層体は、表面薄層の初期変形及び/又はひずみに関係する顕著な初期降伏点を示す。比較例1の弾性積層体を更に伸ばすために必要な力は、表面薄層の初期変形及び/又はひずみに関係しているピーク値と比較すると明らかに低いレベルまで低下している。
【0057】
本発明で有用な弾性積層体は、速度127mm/分で実施される第1回目の荷重において、
・実施例1の弾性積層体で例示されているように、表面薄層の初期変形及び/又はひずみに関係した初期降伏点を本質的に示さないのが好ましく、又は
・そのような初期降伏点が存在する場合には、そうした初期ピーク点又は降伏点の力の、50%の伸びの力に対する割合は1.15、より好ましくは1.10未満、特に好ましくは1.05未満である。
【0058】
好ましくは、第1回目の荷重において、200%の伸びまで伸ばされた場合、弾性積層体は、第1回目の除荷において、80%の伸びで、少なくとも0.12N/cm(0.3N/インチ)、より好ましくは少なくとも0.2N/cm(0.5N/インチ)の牽引力を示す。
【0059】
活性化可能なゼロ歪の複合材料は、好ましくは、1つ又は2つの表面薄層の露出面に、それぞれ取り付けられた1つ又は2つの不織布層を含む。本発明で使用する不織布層は、試験の項で具体的に述べられる方法に従って測定した場合に、横方向において、少なくとも100%、より好ましくは少なくとも120%、特に好ましくは少なくとも150%の破断点伸びを有する、予め接合された短繊維ウェブから作製される。本発明で好適な予め接合された短繊維ウェブには、エアレイド、湿式及びカードされた不織ウェブが挙げられ、カード(された)不織ウェブが好ましい。
【0060】
カードされた不織ウェブは分離した短繊維から作製され、それら繊維は、通常機械方向において配向された繊維性不織ウェブを形成するために、短繊維を機械方向において分離し、かつそろえる、コーミング又はカーディング装置に送られる。所望であれば、無作為抽出装置を使用して、機械方向配向の程度を低減及び/又は調節してもよい。
【0061】
カードされたウェブが形成されると、その後、いくつかの接合方法のうちの1つ又は複数によって接合する。1つの接合方法は、粉末接合であって、粉末接着剤がウェブを通して分配され、次いで通常はウェブ及び接着剤を熱風で加熱することによって活性化される。別の接合方法は、加熱したカレンダーロール又は超音波接合機器を使用して繊維を互いに接合させる、パターン接合である。
【0062】
本発明で有用な予め接合された短繊維ウェブは、例えば、ウェブにわたって、多数の別個の熱接合点によって局部的で不連続な接合パターンを示すのが好ましい。
【0063】
本発明で使用する短繊維ウェブは予め接合されることが重要である。米国特許第7,078,089号で用いられる予め接合されていないカードされた不織ウェブはインラインでのみ加工可能である。これに対し、本発明では、不織ウェブと弾性積層体ウェブを別々に加工することが好ましく、予め接合によって不織ウェブに一体性を付与することが必要である。更に、予め接合されていない不織ウェブは、非接着の個々の繊維の末端部が表面に突き刺さる場合があるので、伸び活性化の際に毛羽立った又は縮れた表面を形成する傾向がある。これは特に、乳児がそのような遊離した繊維をむしり取って飲み込む可能性がある、乳児用のおむつのような乳児用衛生用製品では許容不可能である。
【0064】
本発明の複合積層ウェブでは、予め接合された不織ウェブは、熱接合、超音波接合、又は好ましくは接着接合のような異なる接合機構で弾性積層体に取り付けられる。したがって、不織ウェブの予め接合された接合パターンは、不織ウェブと弾性積層体ウェブとの間の接合機構とは別個でありかつ無関係である。本発明者らはこのような説明によって制約されることを望まないが、このような無関係であり別個である不織ウェブの予め接合しているパターンは、一方では好ましい伸び挙動及び高い破断点伸びを不織ウェブに付与し、他方では不織ウェブの十分な一体性を付与する、多数の接合点を提供する。
【0065】
本発明において好適な予め接合された不織ウェブは、不織ウェブの表面に対して少なくとも8%、より好ましくは少なくとも9%、特に好ましくは少なくとも9.5%の接合領域を示すのが好ましい。不織ウェブの接合領域が、不織ウェブの表面に対して8%未満の場合は、このようなウェブの機械的一体性が、特に衛生用途に関して不十分である傾向がある。
【0066】
本発明の予め接合された短繊維不織ウェブは、横方向と比較して、コーミング又はカーディング工程によって繊維が配向される機械方向において明らかに強いので、異方性である。一般に、予め接合された不織ウェブの接合領域が増大するにつれ、その横方向において引張り強度は増加し、破断点伸びは減少する。本発明において、予め接合された不織ウェブの接合領域及び機械方向の繊維の平均配向度(これは上述のように無作為抽出装置を用いて調節することが可能である)は、機械方向の破断点引張強さ:横方向の破断点引張強さの比が、好ましくは約5:1〜7:1、より好ましくは約5.3:1〜6.7:1であるように選択される。
【0067】
本発明において有用な予め接合された不織ウェブは、不織ウェブの表面に対して、好ましくは22%以下の接合領域を示すのが好ましく、より好ましくは18%未満、特に好ましくは15%未満であることが更に見い出された。予め接合された不織ウェブ接合領域が表面に対して22%を超えると、不織ウェブは横方向において強くなりすぎる傾向があり、横方向において破断点伸びが小さくなりすぎる傾向がある。
【0068】
予め接合された不織ウェブの接合領域は、不織ウェブの表面に対して9〜18%が好ましく、より好ましくは9〜15%である。
【0069】
本発明において好適な短繊維不織ウェブは、好ましくは、綿、レーヨン、ポリエチレン、並びにポリプロピレンを含むポリオレフィン、ナイロンを含むポリアミド、ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル、アラミド、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される天然繊維又は合繊繊維からなる群から選択される1種以上の繊維を含む。ポリオレフィン系繊維が一般に好ましい。
【0070】
本発明において好適な短繊維不織ウェブは、機械方向において30〜80mm、より好ましくは30〜60mmの平均繊維長さを有するのが好ましい。
【0071】
本発明の活性化可能なゼロ歪の複合積層体は、弾性積層体と不織布層(又は複数)との両方が本質的に非伸張(「ゼロ歪」)状態で、不織布層(又は複数)を弾性積層体の表面薄層(又は複数)に接合させることによって得るのが好ましい。弾性積層体に関し、用語「非伸張」又は「ゼロ歪」は、弾性積層体が弾性収縮力を本質的に示さない、伸ばしていない状態を保っていることを意味する。不織布層に関し、用語「非伸張」又は「ゼロ歪」は、不織布が本質的に非波形化であり平坦な形状で存在していることを意味する。「ゼロ歪」積層条件を達成するために、巻き張力を、低レベル、好ましくは50N/m以下に保つのが好ましい。「ゼロ歪」積層条件に関する更なる詳細は、例えば、米国特許第6,476,289号、同第5,422,172号、並びに同第5,167,897号に見い出すことができる。このような参照の対応する部分の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0072】
接合は、例えば、熱接合、押出し接合、又は好ましくは、接着接合によって達成され得る。
【0073】
好ましい接着剤は、圧力、熱、又はこれらの組み合わせによって活性化可能な接着剤である。好適な接着剤には、アクリレート、ゴム樹脂、エポキシ、ウレタン、又はこれらの組み合わせをベースとする接着剤が挙げられる。接着層は、溶液法、水性法、又はホットメルトコーティング法によって適用されてもよい。接着剤は、ホットメルトコーティングされた製剤、並びにラミネーティング、熱的に活性化された接着剤及び接合剤、或いは水で活性化された接着剤及び接合剤を含むことができる。本発明による有用な接着剤は全ての感圧接着剤を含む。感圧接着剤は、強力で永久的な粘着、指圧以下での接着、並びに被着体を保持する十分な能力を含む特性を有することが当業者に周知である。本発明で有用な接着剤の例には、ポリアクリレート;ポリビニルエーテル;天然ゴム、ポリイソプレン、並びにポリイソブチレンのようなジエン含有ゴム;ポリイソブチレン;ポリクロロプレン;ブチルゴム;ブタジエン−アクリロニトリルポリマー;熱可塑性エラストマー;スチレン−イソプレン及びスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロックコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンポリマー、並びにスチレン−ブタジエンポリマーのようなブロックコポリマー;ポリ−アルファ−オレフィン;アモルファスポリオレフィン;シリコーン;エチレンビニルアセテート、エチルアクリレート、並びにエチルメタクリレートのようなエチレン含有コポリマー;ポリウレタン;ポリアミド;エポキシ;ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドンコポリマー;ポリエステル;並びにこれら材料の混合物又はブレンド(連続又は不連続相)の、一般的組成物を基材とするものが挙げられる。更に、これらの接着剤は、粘着付与材剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、安定剤、顔料、拡散体、硬化剤、繊維、フィラメント、並びに溶剤などの添加剤を含有できる。更に、接着剤はあらゆる既知の方法で任意に硬化されることができる。
【0074】
良好な伸び特性に形を変える一般的な粘弾特性によって、ホットメルト感圧接着剤を含む感圧接着剤が本発明においはて好ましい。
【0075】
接着接合は、連続接着剤層又は不連続接着剤層、それぞれによって達成される。
【0076】
連続接着剤層は不織ウェブ層を弾性積層体ウェブ表面薄層にしっかりと取り付ける傾向がある一方で、不連続な接着パターンが複合積層ウェブに固有の性質を与えることが可能であることが本発明者らによって見い出された。
【0077】
不連続な接着パターンは規則的又は不規則であってもよく、例えば、本質的に直線、ジグザグ、又は概して曲線形状、例えば、波形状を呈する接着剤ストリップを含み、そのようなストリップによって機械方向に伸びるのが好ましい。不連続な接着パターンはまた、例えば、スクリーン印刷によって、又は刷毛塗りによって塗布されてもよい。
【0078】
不連続接着剤領域の接合領域は、表面薄層の表面領域に対して10〜95%であるのが好ましく、より好ましくは20〜90%である。
【0079】
特に好ましいのは、弾性積層体ウェブに、直線、本質的に機械方向に伸びるジグザグ又は規則的に曲線を描く接着剤ストリップを含む、1つ又は2つの接着剤層によって、1つ又は2つの不織ウェブが固着されている複合積層体である。
【0080】
横方向に伸ばし−活性化し、続いて弛緩させた場合、複合積層体は、隣接する接着剤ストリップの間の接着剤のない間隔内へのマイクロメートル又はミリメートル範囲の伸びを有する小さなひだを示す傾向があり、これは複合積層体に、よりふっくらとして厚みのある外観を提供する傾向がある。接着剤ストリップ及び隣接する接着剤ストリップの間の接着剤のない間隔の幅は、接着剤のない領域内の不織ウェブが、破断せず及び/又は活性化可能な複合積層体を所望の伸び、例えば、100〜150%まで伸ばした際に許容できない程度まで機械的に変形しないように選択される必要がある。本発明者らは、これらの要件が、例えば、横方向の幅が好ましくは0.5〜3mm、より好ましくは0.75mm〜2.75mmである接着剤ストリップによって満たされることを見い出した。隣接する接着剤ストリップの間の接着剤のない間隔は、好ましくは、0.5mm〜3mm、より好ましくは0.75mm〜2.75mmである。本発明の活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブは、例えば、米国特許第5,043,036号に開示されている幅伸び装置を用いて、本質的に不織布層を変形させる及び/又は破断させることなく活性化されることが可能である。
【0081】
ダイバージングディスク伸び装置とも呼ばれるこのような装置は、軸を中心として回転する、フレームに取り付けられた2つの円形プーリ又はディスクを備え、軸は、フレームに対する第1位置においては互いに接近した間隔のプーリの外周面部分の位置に向けられ、フレームに対する第2位置においては接近した間隔よりも有意に離間し、第1位置のプーリに対して正反対であるプーリの外周面部分の位置に向けられている。本装置はまた、2つのしなやかな連続ベルトを備えている。ベルトとプーリは、ベルトに沿って縦方向に伸び、プーリの周囲面の周りに周囲方向に伸びる相互案内手段を有し、ベルトをプーリの周囲面の周りで外周整列して維持する。これらの相互案内手段は、間隔をおいて周囲方向に伸び、隆起部の間に谷部を有する隆起部を有するプーリの外周面と、縦方向に間隔をおいて伸び、隆起部の間に谷部を有する複数の隆起部を片面に有するベルトと、から構成されるのが好ましい。ベルト上の隆起部はプーリの溝に入るように適合かつ整列され、プーリ上の隆起部はベルトの溝に入るように適合かつ整列される。ベルトは、ベルトとプーリ、それぞれの上にある相互に作用する隆起部と溝とを有するクランプ経路部分を含む所定経路に沿って移動するようにフレームの上に実装され、前記第1位置に隣接する入口位置から前記第2位置に隣接する出口位置に至るまで係合し、ベルトはプーリに向かって付勢されている。
【0082】
このような装置において、機械方向に伸びる活性化可能な複合積層ウェブの2つの対向する端部領域は、ベルトによって入口位置でプーリの周囲面とクランプされ、活性化可能な複合積層ウェブは、複合積層ウェブが入口位置から出口位置まで移動する間にプーリが回転するにつれて伸び、横方向の幅を広げる。装置の出口位置で相互案内手段から放出された活性化された複合積層体は、その弛緩状態でロール状に巻き込まれてもよい。
【0083】
このようなダイバージングディスク伸び装置によって得た横方向の伸びの程度は、第1位置と第2位置、それぞれのプーリの周囲面部分の間の距離を変化させることによって変えることができる。所望であれば、横方向の伸びの程度は、例えば、10〜500%、より好ましくは20〜300%、特に好ましくは40〜250%の広い範囲にわたって連続的に変化させることができる。
【0084】
活性化可能な複合積層体が伸ばされる速度は、プーリの回転速度及び/又はプーリの直径を変化させることによって変えることができる。プーリの一定回転速度に関する場合、直径の大きいプーリの方が直径の小さいプーリよりも伸びの速度が遅くなる。所望であれば、ダイバージングディスク伸び装置によって与えられる伸び速度は、10m/分〜600m/分の広い範囲にわたって本質的に連続的に変化させることができる。好ましくは、伸び速度は、50m/分〜500m/分の間で調節され、より好ましくは100m/分〜400m/分の間で調節される。
【0085】
ダイバージング伸び装置は、米国特許第5,043,036号の図1及び図2に概略的に示されており、この参照文献のコラム4の10行目〜コラム8の13行目にいくつかの詳細が記載されている。したがって、特定された米国特許第5,043,036号の図1及び図2並びに一節は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0086】
本発明の活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブは、所望であれば、例えば、欧州特許第0,521,883号又は米国特許第5,167,897号に開示されているような、スコーリング又は制御された局所的伸び(リングロールとも呼ばれる)を含むその他の活性化方法によって活性化され得る。
【0087】
しかしながら、特に上記のダイバージングディスク伸び装置によって提供される非破壊活性化技術を用いて本発明の複合積層ウェブを伸ばす−活性化することにより、本質的に複合積層体を損傷せずに又は機械的に変形せずに、複合積層ウェブをゆっくりと活性化することができるという独自の利点が提供される。このことは、上記のダイバージングディスク伸び装置で、伸び−活性化された後に弛緩された、実施例6の複合積層ウェブの一部の写真を示している図5dによって例示される。図5dで「非活性化」と呼ばれる複合積層体部分の端部領域は、ベルト及びプーリ上の相互に作用する隆起部及び溝のような相互案内手段にクランプされたので活性化していない。非活性化端部領域から横方向に伸びる組成物積層部分の残りの領域は延材されており、したがって「活性化された」と分類される。弛緩状態にある伸び−活性化された複合積層体の、非活性化端部領域及び活性化された残りの領域の外観は、それぞれ同様であり及び/又は本質的に同質である。
【0088】
伸び−活性化に続き、複合積層ウェブは弛緩状態でロールに巻き上げられていてもよく、又は、例えば、インラインのおむつのラインにおいてインライン製造プロセスで加工することが可能である。所望であれば、横方向の伸び部分にわたって十分に活性化された複合積層ウェブは、所望である場合は、非活性化端部領域がロールに巻き上げられる前に又は更なる加工の前に、活性化された複合積層ウェブから切断されてもよい。他の実施形態では、複合積層ウェブの、一方又は両方の非活性化端部領域を保持することが望ましい場合がある。ウェブを横方向に切断することによって得られる活性化された複合積層ウェブの区域は、例えば、おむつのような衛生使い捨て物品に好適な弾性クロージャタブを提供するために使用されてもよい。このような場合、非活性化端部領域の一方は、クロージャタブをおむつの裏側(いわゆる「製造者側(manufacturer's end)」)に適用するのに用いられてもよく、機械的なフックパッチを他方の非活性化端部領域(いわゆる「ユーザー側(user's end)」)に適用しもよい。
【0089】
本発明の活性化された複合積層体は、良好な弾性特性と非常に魅力的な審美的外観とを呈する。予め接合された短繊維不織ウェブの比較的高い破断点伸びによって、予め接合された短繊維不織ウェブの機械的一体性に悪影響を与えることなく、広い伸び範囲で本質的に弾性的に回復するように、複合積層体を活性化することが可能である。
【0090】
活性化された複合積層ウェブは、第1回目の荷重において、100%の伸びまで伸ばされた場合、第1回目の除荷の間に60%の伸びで少なくとも0.2N/cm(0.5N/インチ)の収縮力を有するのが好ましい。
【0091】
特に好ましい実施形態において、本発明の活性化可能なゼロ歪の複合積層体は、
・互いに独立して不織ウェブの表面に対して8〜22%の接合領域を有する1つ又は2つの予め接合された不織ウェブと、
・コア:表面厚さの比が、少なくとも6:1である弾性積層体ウェブと、を含み、
・これによって、1つ又は2つの不織ウェブは、少なくとも1つが不連続である接着剤層によって弾性積層体に取り付けられる。
【0092】
より好ましい実施形態では、両方の接着剤層が不連続である。不連続な接着剤層は、好ましくは、機械方向に延在する直線又は曲線のストリップを含む。
【0093】
本発明者らは、このような好ましい活性化可能なゼロ歪の複合積層体から得た活性化された複合積層体が、魅力的な審美的外観と相まって、特に魅力的な肌ざわりによって特徴づけられることを見い出した。
【0094】
本発明の活性化可能な又は活性化された複合積層ウェブ材は、例えば、乳児又は成人着用者用おむつのような使い捨て衛生物品、又は生理用ナプキンで用いるのに好適である。活性化可能な又は活性化された複合積層ウェブ材は、例えば、裏材の2つのストリップに取り付けられた弾性ブリッジを備える閉鎖テープタブに用いられてもよい。例えば、テープタブをおむつに固定するためにおむつに接着接合される裏材の一方のストリップは、多くの場合「製造者側」と呼ばれ、例えば、機械的締結要素を有してもよい裏材の他方のストリップは、着用者の体に適用する際にユーザーにつかまれ、したがって、多くの場合「使用者側」と呼ばれる。活性化可能な又は活性化された複合積層ウェブ材は、裏材のストリップの間に挟まれかつ取り付けられるのが好ましい。
【0095】
他のおむつ設計は、例えば、本質的に矩形状のおむつのシャーシに取り付けられたおむつにサイドパネルを提供することのできる、いわゆる弾性耳を用いる。本発明の活性化可能な又は活性化された複合積層ウェブ材は、おむつに良好な着用特性を付与するので、このようなサイドパネルに有利に使用され得る。
【0096】
本発明の活性化可能な又は活性化された複合積層ウェブ材は、更に、例えばウエストバンド領域又は股領域のようなおむつの他の部分に使用されてもよい。
【0097】
衛生用途において、本発明の複合積層ウェブ材は、活性化可能な又は活性化された形態、それぞれで用いることが可能である。本発明の活性化可能な複合積層ウェブ材を、例えば、おむつの閉鎖テープタブ又はサイドパネルに使用することによって加工利点が提供されるが、例えば、クロージャタブ又はサイドパネルをエンドユーザーが伸ばすことによって活性化する必要があり、これはユーザーに対する追加の使用説明を必要とする場合がある。
【0098】
本発明の活性化可能な又は活性化された複合積層ウェブ材は、例えば、繊維産業又は家具製造産業のような他の用途にも有用である。
【0099】
本発明は、例示的であり非限定的であると考えられる以下の実施例によって更に説明される。この前に、実施例で使用されるいくつかの試験方法を記載する。
【0100】
試験方法
弾性積層体ウェブの表面薄層及びコア層の厚さ並びにコア/表面厚さの割合
本発明に好適な弾性積層体の個々の表面薄層は典型的には非常に薄く(通常<5μm)、したがって、従来の光顕微鏡技術で個々の層の厚さを測定することは難しい可能性がある。弾性積層体ウェブの表面薄層及びコア層の厚さは、重量と密度の計算から第1の測定法によって決定した。弾性積層体の2.54cm×15.24cmのストリップを、ザルトリウスアナリスティック(Sartorius Analytic)計量器モデル#A120S(ニューヨーク州ウェストベリー(Westbury, N. Y.)のブリンクマン・インスツルメンツ社(Brinkman Instruments, Inc.))で小数点4位まで計量し、次にトルエン中で24時間にわたって溶解させた。コア層のブロックコポリマーのエラストマー成分及びポリスチレン成分はトルエン中で溶解可能だが、ポリオレフィン系の表面薄層は溶解しない。トルエン溶液は、ブフナー(Buchner)(商標)漏斗で濾過し、不溶性の部分を濾紙上に収集した。濾紙は、70℃で1時間乾燥させて、室温まで1時間にわたって平衡させ、続いて上記のザルトリウスアナリスティック計量器で小数点4位まで計量した。重量(溶解前後)、面積及び密度を使用して、表面薄層の厚さとコア層の厚さの合計を計算した。
【0101】
代替的測定方法によって、表面薄層の個々の厚さと弾性コア層の厚さとを、液体窒素下で弾性積層体ストリップを破砕して光学顕微鏡を使って写真を撮影し、長さ測定ソフトウェアを使用して写真の、それぞれの層厚さを測定することによって決定した。
【0102】
コア/表面厚さの割合は、表面薄層の厚さに対する弾性コア層の厚さの割合として(表面薄層が1つの弾性積層体の場合)、又は両方の表面薄層の厚さの合計に対する弾性コア層の厚さの割合として(表面薄層が2つの弾性積層体の場合)として求める。
【0103】
破断点伸び及び破断点引張強さ
不織ウェブと複合積層ウェブの両方に関して、破断点伸び及び破断点引張強さを、以下の修正を有するISO 527−3に従って測定した。
【0104】
織布ウェブ又は複合積層ウェブ、それぞれの2.54cm(機械方向)×10.2cm(横方向)片を、上部及び下部つかみ具を2.54cm離した引張試験機(ズウィック(Zwick)から入手可能なズウィック(商標)モデルZ005)に取り付けた。ライン接触つかみ具を使用して、つかみ具の滑り及び破損を最小限にした。次に、このつかみ具を127mm/分の速度で横方向において分離した。伸びをミリ及びパーセントで測定かつ記録し、対応する試料が破損した時の力をニュートンで測定かつ記録した。
【0105】
本明細書で用いられる伸びパーセントは次のように定義される。
【0106】
伸び%=(伸び長さ−初期長さ)/初期長さ×100
引張試験装置での、活性化可能な弾性積層体又は活性化可能な複合積層ウェブ、それぞれの伸び活性化
いずれの場合にも横方向に切断された、活性化可能な弾性積層体又は活性化可能な複合積層ウェブの2.54cm(機械方向)×10.2cm(横方向)片の、それぞれを、上部及び下部つかみ具を2.54cm離した引張試験機(ズウィックから入手可能なズウィック(商標)モデルZ005)に取り付けた。ライン接触つかみ具を使用して、つかみ具の滑り及び破損を最小限にした。次に、このつかみ具を127mm/分の速度で横方向において、2.54cm(100%)、3.81cm(150%)、並びに5.08cm(200%)の距離で、それぞれ分離した。
【0107】
活性化可能な弾性積層体又は活性化可能な複合積層ウェブ、それぞれの、ヒステリシス及び永久歪
いずれの場合にも横方向に切断された、活性化可能な弾性積層体又は活性化可能な複合積層ウェブの2.54cm(機械方向)×10.2cm(横方向)片のそれぞれを、上部及び下部つかみ具を2.54cm離した引張試験機(ズウィックから入手可能なズウィック(商標)モデルZ005)に取り付けた。ライン接触つかみ具を使用して、つかみ具の滑り及び破損を最小限にした。器具の移動速度(cross head speed)は127mm/分に設定した。伸びを、例えば、横方向において100%又は200%に設定した。これはつかみ具が、それぞれ25.4mm又は50.8mm移動することを意味する。終点で、つかみ具は滞留時間なしに逆行した。
【0108】
この実施例では、第1サイクルの後に追加のサイクルが行われ、それによってサイクルの間に滞留時間がなかったかどうかが示された。サイクル、それぞれの上方移動は「荷重」と呼ばれ、対応する下方移動は「除荷」と呼ばれる(第1サイクルは、例えば、第1荷重曲線と第1除荷曲線とを含む)。試験中のつかみ具の分離速度(=伸び速度)は127mm/分であった。
【0109】
それぞれの伸びサイクル後の永久歪は、このようなサイクルの下降曲線つまり除荷曲線が基準(即ちx−軸)を通過する点と定義される。これは伸びた後の長さ、つまり永久変形の増加の測定である。
【実施例】
【0110】
A:弾性積層体ウェブ
(実施例1)
連続共押出しプロセスを実施して3層積層体を形成した。外側の2つの非弾性表面薄層は、ベルギー国フェリュイ(Feluy, Belgium)のトータル・ペトロケミカルズ(Total Petrochemicals)から8069ポリプロピレンとして市販されているホモポリプロピレン(PP)(メルト・フロー・インデックス18g/10分)であり、それぞれの厚さは3μmであった。エラストマーコア層にはスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)/ポリスチレン(PS)(70:30)ポリマーを使用した。使用したSISは、オランダ国パーニス(Pernis, The Netherl)のクレイトン・ポリマーズ(Kraton Polymers)からクレイトン(Kraton)D1114、クレイトン1160SISゴムとして供給された、100%のスチレン−イソプレン−スチレン三元ブロックである。使用したPSのメルトフローレートは13cm3/10分であり、英国キャリントン(Carrington, UK)のノバ・ケミカルズ(Nova Chemicals)からノバ(Nova)3700クリスタル等級(Crystal Grade)のPSとして入手可能である。弾性コア層の厚さが49μmで、非弾性表面薄層の厚さが3μmであったので、上記のように測定したコア対表面比は8.2:1である。1つの押出成形機を使用してエラストマーコア層材を供給し、第2の押出成形機を使用して非弾性表面薄層材を、ドイツ国クロエレン(Cloeren, Germany)の会社から入手可能な3層クロエレン(Cloeren)(商標)フィードブロックに供給し、得られた層状の溶解物を1つのマニホールドフィルムダイを通して押し出して冷却ロール上にキャストした。
【0111】
横方向に10.2cm延在して機械方向に2.54cmの幅を有するように、得られた活性化可能な弾性積層体ウェブから試料を横方向に切断した。第1試料を、第1回目の活性化サイクルにおいて、上記のように伸び速度127mm/分で、ズウィック引張試験装置の上で、40%の伸びまで横方向に伸ばし、次に当該試料を弛緩させた。図3aは、第1回目の活性化サイクル後の弛緩状態のそうした試料の写真を示している。
【0112】
活性化可能な弾性積層体のさらなる試料を、それぞれの第1回目の活性化サイクルで、伸び速度127mm/分でズウィック引張試験装置の上で横方向において、それぞれ、80%、120%、並びに160%の伸びまで伸ばした。図3c、図3e及び図3gは、第1回目の活性化サイクル後の弛緩状態のそうした試料の写真を示している。
【0113】
(実施例2)
弾性コア層の厚さが(実施例1の49μmに代えて)72μmであり、2つの非弾性PP表面薄層の厚さが(実施例1の3μmに代えて)、それぞれ4μmであったこと以外は、上記実施例1の記載通りに実施例2を作製した。
【0114】
したがって、実施例2の弾性積層体のコア/表面厚さの割合は9.0:1であった。
【0115】
(実施例3)
弾性コア層の厚さが(実施例1の49μmに代えて)91μmであり、2つの非弾性PP表面薄層の厚さが(実施例1の3μmに代えて)、それぞれ4.4μmであったこと以外は、上記実施例1の記載通りに実施例3を作製した。
【0116】
したがって、実施例2の弾性積層体のコア/表面厚さの割合は10.3:1であった。
【0117】
比較例1
弾性コア層の厚さが(実施例1の49μmに代えて)112μmであり、2つの非弾性PP表面薄層の厚さが(実施例1の3μmに代えて)、それぞれ12.5μmであったこと以外は、上記実施例1の記載通りに比較例1を作製した。したがって、実施例2の弾性積層体のコア/表面厚さの割合は4.5:1であった。
【0118】
横方向に10.2cmの伸びを有し、機械方向の幅が2.54cmとなるように、得られた活性化可能な弾性積層体ウェブから試料を横方向に切断した。第1試料を、第1回目の活性化サイクルにおいて、上記のように、伸び速度127mm/分で、ズウィック引張試験装置の上で、40%の伸びまで横方向に伸ばし、続いて試料を弛緩した。図3bは、第1回目の活性化サイクル後の弛緩状態のそうした試料の写真を示している。
【0119】
活性化可能な弾性積層体のさらなる試料を、それぞれの第1回目の活性化サイクルにおいて同様に、伸び速度127mm/分で、ズウィック引張試験装置の上で、80%、120%、並びに160%の伸びまで横方向に、それぞれ伸ばされた。図3d、図3f、並びに図3hは、それぞれのケースにおける、第1回目の活性化サイクル後の弛緩状態の試料の写真を示している。
【0120】
部分的に又は本質的に完全に活性化された比較例1の弾性積層体の平面図を示している図3b、図3d、図3f、並びに図3hの写真と、部分的に又は本質的に完全に活性化された実施例1の弾性積層体を示している対応する図3a、図3c、図3e、並びに図3hの写真の比較は、それぞれ、本発明において有用な実施例1の活性化可能な弾性積層体が、第1回目の荷重において表面薄層の弾性限界を超えて横方向に伸ばされた場合、本質的に均質な微小構造の表面を形成することを示している。活性化可能な弾性積層体が伸び−活性化された場合に、活性化可能な積層体の本質的に透明な外観と比較して本質的に不透明な外観を生成するという点で、微小構造は巨視的に認識可能である。40%の伸びの後の弛緩状態で撮られた図3aの写真は比較的低度の不透明度を示し、一方、80%の伸びの後の弛緩状態で撮られた図3cの写真は、実施例の弾性積層体を、それぞれ、120%又は160%まで伸ばした場合、本質的にそれ以上増加しない極めて高い不透明度を示している。これによって、実施例1の弾性積層体は40%の伸びで部分的に活性化されるだけであるが、表面薄層の完全に発現した微小構造の表面によって特徴づけられる完全活性化は、約80%の伸びで達成されることがわかる。図3a及び図3hの、それぞれのわずかなしわは、延伸後の不適切な取扱いによるものであり、延伸の結果生じたものではなかった。
【0121】
これに対し、図3b、図3d、図3f、並びに図3hの平面写真から、本発明において有用ではない比較例1の活性化可能な弾性積層体が、第1回目の荷重において表面薄層の弾性限界を超えて横方向に伸ばされた場合、巨視的なよじれ及び顕著なネッキングを含む不均質な活性化外観を示すことがわかる。図3bは、40%の低い伸びで、部分的に活性化された弾性積層体が試料の上半分の位置でネッキングし始めることを示している。80%、120%、並びに160%の伸びで撮影された写真は、活性化可能な弾性積層体の試料の本質的に上半分のみで、ネッキング挙動及び活性化が増加するのを示している。図3hは、活性化可能な積層体の試料が160%の伸びでまだ完全に活性化していなかったことを示している。図4aは、80%の伸びにおける、比較例1の活性化可能な弾性積層体の試料の、本質的に透明な下半分を撮影した、100倍に拡大されたマイクロ写真である(図3dを参照のこと)。写真は、比較例1の伸ばされていない活性化可能な弾性積層体の表面構造に対応する本質的に滑らかな表面を示している。これに対し、図4bは、80%の伸びにおける、比較例1の活性化可能な弾性積層体の試料の、不透明で活性化された上半分を撮影した、100倍に拡大されたマイクロ写真である(図3dを参照のこと)。写真は、個別のしわと谷部分を含む微小構造を示している。
【0122】
実施例1及び実施例2の活性化可能な弾性積層体ウェブ、並びに比較例1の活性化可能な弾性積層体ウェブから、いずれの場合にも機械方向の幅が2.54cmである、更なる試料を横方向に切断した。試料のそれぞれは、伸ばし速度127mm/分で200%の伸びまで伸ばされ、図5aに示されるように第1回目の活性化サイクルが記録された。
【0123】
【数8】
【0124】
本発明において有用な実施例1及び実施例2の活性化可能な弾性積層体は、形状が同様な応力プロット−伸びプロットを有することがわかる。応力プロット−伸びプロットは共に、表面薄層の初期変形及び/又はひずみに伴うピークを本質的に示さず、弾性積層体を200%の伸びまで更に伸びるためには、ほとんど一定の力(実施例1)又はわずかに増加する力(実施例2)が必要である。実施例2の弾性積層体を伸ばす−活性化するのに必要な力が、実施例1の弾性積層体を伸ばす−活性化するのに必要な力よりも大きい主な理由は、実施例2の弾性積層体は実施例1の弾性積層体と比べて明らかに厚みの増大したコア層を含むからである。更に、実施例2の弾性積層体の表面薄層は、実施例1の弾性積層体の表面薄層よりわずかに厚い。
【0125】
それとは反対に、比較例1の活性化可能な弾性積層体の応力プロット−伸びプロットは、この材料が表面薄層の初期変形及び/又はひずみに伴う顕著な初期ピークを示すという点で著しく異なる。比較例1の弾性積層体を伸ばす−活性化するのに必要な力は、実施例1又は実施例2の弾性積層体、それぞれの延ばす−活性化に必要な力より明らかに大きい。更に、比較例1の活性化された弾性積層体は、約50%の永久歪を示し、これは実施例1及び実施例2の永久歪(それぞれにおいて約20%)に比べて明らかに大きい。実施例1及び実施例2、それぞれの弾性積層体に比べて比較例1の弾性積層体の挙動が全く異なる主な理由は、比較例1の弾性積層体の表面薄層の厚さが明らかに大きいことにあり、これは実施例1及び実施例2の、それぞれの弾性積層体と比較して、比較例1の弾性積層体のコア:表面厚さの比が明らかに小さいことを意味する。更に、実施例1及び実施例2の活性化された弾性積層体が、第1回目の除荷において80%の伸びで、それぞれ、約0.2N/cm(0.5N/インチ)及び約0.6N/cm(1.5N/インチ)の弾性収縮力を示すのに対して、比較例1の活性化された弾性積層体のこれらの条件下での弾性収縮力は約0N/cm(0N/インチ)であることがわかる。
【0126】
実施例3及び比較例1の活性化可能な弾性積層体ウェブから、いずれの場合にも機械方向の幅が2.54cmである更なる試料を横方向に切断した。各試料は、延伸速度127mm/分で500%の伸びまで横方向に伸ばされ、図5bに示されるように第1回目及び第5回目の活性化サイクルが記録された。
【0127】
【数9】
【0128】
B:不織ウェブ
(実施例4)
以下の不織ウェブを用意した。
【0129】
・ドイツ国シュワルツェンバッハ(Schwarzenbach, Germany)のサンドラー社(Sandler AG)よる市販のカードされた不織ウェブサワボンド4147。サワボンド4147はPPとCoPPとの均質なブレンドから作られる短繊維から製造され、処理前の繊維伸びは約250〜350%である。カードされた不織ウェブは、11%接合領域に合わせられたカレンダ(calander)装置で、約145〜150℃の温度で熱接合される。
【0130】
サワボンド4147の更なる特性は次の通りである。
【0131】
−坪量約22g/m2
−繊維タイター約2.2デシテックス
−短繊維長さ約40mm
−1平方センチメートル当たり約25の本質的に均質に分布した接合点
−繊維配向約5:1〜6:1(機械方向/横方向)
・ドイツ国シュワルツェンバッハのサンドラー社による市販のカードされた不織ウェブサワボンド4141。サワボンド4141はPPとCoPPとの均質なブレンドから作られる短繊維から製造され、処理前伸びは約250〜350%である。カードされた不織ウェブは、21%接合領域に合わせられたカレンダ装置で、約145〜150℃の温度で熱接合される。
【0132】
サワボンド4141の更なる特性は次の通りである。
【0133】
−坪量約24g/m2
−繊維タイター約2.2デシテックス
−短繊維長さ約40mm
−1平方センチメートル当たり約21の、ワッフル型パターンに分布した接合点
−繊維配向約5:1〜6:1(機械方向/横方向)
・ドイツ国シュワルツェンバッハのサンドラー社による市販のカードされた不織ウェブサワボンド4313。サワボンド4141は、S/Cバイコファイバー(bicofibres)短繊維、コア構成要素PP、シース構成要素PEから作られ、処理前伸びは約200〜350%である。カードされた不織ウェブは、26%接合領域に合わせられたカレンダ装置で、約125〜140℃の温度で熱接合される。
【0134】
サワボンド4313の更なる特性は次の通りである。
【0135】
−坪量約22g/m2
−繊維タイター約2.2デシテックス
−短繊維長さ約40mm
−1平方センチメートル当たり約60の本質的に均質に分布した接合点
−繊維配向約5:1〜6:1(機械方向/横方向)
・チェコ共和国ズノイモ(Znojmo, Czech Republic)のペガス不織布(Pegas Nonwovens)から市販のスパンボンド不織ウェブペガテックス(Pegatex)SSS。
【0136】
ペガテックスの更なる特性は次の通りである。
【0137】
−坪量約30g/m2
−繊維タイター約2デシテックス
横方向に切断した2.54cm(機械方向)×10.2cm(横方向)片を、上記のような上部及び下部つかみ具を2.54cm離した引張試験機(ズウィックから入手可能なズウィック(商標)モデルZ005)に取り付けた。次につかみ具を127mm/分の速度で横方向に離し、図6の応力プロット−伸びプロットを記録した。
【0138】
図6から、230%超過の破断点伸びを示すカードされた不織ウェブサワボンド4147及び約130%の破断点伸びを示すサワボンド4141が本発明において有用であることがわかる。これに対し、約90%の破断点伸びを示すカードされた不織ウェブ4313は、十分な及び/又は所望の活性化が可能ではないという理由から本発明において有用ではない。スパンボンドウェブペガテックスSSSは3種のカードされたウェブ全てと比べて明らかに高い応力を必要とする。更に、ペガテックスSSSの破断点伸びは約70%であり、したがって、本発明での使用に好適ではない。
【0139】
C:複合積層ウェブ
(実施例5)
2つの別個の、上記のカードされた不織ウェブサワボンド4147を用意した。それぞれの不織ウェブの一方の主要面に、オランダ国ローセンダール(Roosendaal, The Netherlands)のボスチク社オランダ(Bostik Company Netherlands B. V.)から市販のホットメルト接着剤HX20025−02を、弾性積層体ウェブへの積層前の不織ウェブ上に、ドイツ国リューネブルク(Luneburg, Germany)のカンパニー・ノードソン・エンジニアリング社(Company Nordson Engineering GmbH)から市販のポロスコート(Porous Coat)(登録商標)アプリケータを用いて、坪量5g/m2で全幅に連続的にコーティングした。
【0140】
コア/表面厚さの割合が8.2:1である実施例1の活性化可能な弾性積層体ウェブを得た。
【0141】
2つの不織ウェブと活性化可能な弾性積層体ウェブとを、ホットメルト接着剤層が活性化可能な弾性積層体ウェブの表面薄層に対向した状態で弾性積層体ウェブが2つの不織ウェブ層の間に挟まれるように、ニップに送り込んだ。ニップは、追加温度や冷却のないスチールロール及び別のゴムロールで形成されており、不織ウェブ及び活性化可能な弾性積層体ウェブをゼロ歪の条件下で積層した。
【0142】
得られた活性化可能な複合積層体を、上記のように、第1回目の活性化サイクルにおいて、伸び速度127mm/分で、ズウィック(商標)引張試験装置の上で、100%の伸びまで横方向に活性化した。得られた活性化された複合積層体は、第1回目の除荷後に弛緩状態におかれた場合、不織ウェブの表面と同様の滑らかかつ平らな表面を呈した。活性化された複合積層ウェブの不織布層は本質的に、巨視的なひだ又は折り畳みを示さなかった。続くサイクルにおいて、活性化された複合積層体は100%まで延伸され得、本質的に複合積層ウェブの外観が変化することなく回復することが可能であった。
【0143】
(実施例6)
実施例1の活性化可能な弾性積層体ウェブに代えて実施例2の活性化可能な弾性積層体ウェブを使用した以外は実施例5を繰り返した。
【0144】
得られた活性化可能な複合積層体を、上記のように、第1回目の活性化サイクルにおいて、伸び速度127mm/分で、ズウィック(商標)引張試験装置の上で、100%の伸びまで横方向に活性化した。得られた活性化された複合積層体は、第1回目の除荷後に弛緩状態におかれた場合、不織ウェブの表面と同様の滑らかかつ平らな表面を呈した。活性化された複合積層ウェブの不織布層は本質的に、巨視的なひだ又は折り畳みを示さなかった。続くサイクルにおいて、活性化された複合積層体は100%まで伸ばすことができ、本質的に複合積層ウェブの外観が変化することなく回復することが可能であった。
【0145】
図5dは、実施例6の活性化された複合積層ウェブの外観と、対応する非活性化複合積層ウェブの外観との直接的な比較を示す。図5dに示される実施例6の複合積層ウェブ部分は、上記のようにダイバージングディスク延伸装置で活性化された。図5dで「非活性化」と呼ばれる複合積層体の端部領域は、ベルトとプーリの上の相互に作用する隆起部及び溝のような相互案内手段にクランプされており、したがって、活性化されていない。非活性化端部領域から横方向に伸びる複合積層体部分の残りの領域は伸ばされており、したがって、「活性化」と呼ばれる。図5dの複合積層体部分の非活性化領域及び活性化領域の、それぞれの、目視検査で、これら2つの領域の外観は本質的に同一であることが示される。
【0146】
(実施例7)
実施例1の活性化可能な弾性積層体ウェブに代えて実施例3の活性化可能な弾性積層体ウェブを使用した以外は実施例5を繰り返した。
【0147】
得られた活性化可能な複合積層体は、上記のように、第1回目の活性化サイクルにおいてズウィック(商標)引張試験装置の上で、伸び速度127mm/分で横方向に100%の伸びまで活性化された。得られた活性化された複合積層体は、第1回目の除荷後に弛緩状態におかれた場合、不織ウェブの表面と同様の滑らかかつ平らな表面を呈した。活性化された複合積層ウェブの不織布層は、本質的に、巨視的なひだ又は折り畳みを示さなかった。続くサイクルにおいて、活性化された複合積層体は100%まで伸ばすことができ、本質的に複合積層ウェブの外観が変化することなく回復することが可能であった。
【0148】
図5cは、上記のように延伸速度127mm/分で記録された、実施例5〜7の複合積層ウェブの、横方向への第1回目の活性化〜第3回目の活性化を示している。
【0149】
【数10】
【0150】
実施例5〜7の活性化可能な複合積層体は形状が、同様な応力プロット−伸びプロットを有することがわかる。実施例6及び実施例7の複合積層体を伸ばす−活性化するのに必要な力が、実施例5の複合積層体を伸ばす−活性化するのに必要な力による大きい主な理由は、実施例6及び実施例7の弾性積層体は実施例5の弾性積層体よりも厚みの増大したコア層を含むからである。更に、実施例6及び実施例7の弾性積層体は、それぞれ、実施例5の表面薄層よりも厚みの増大した表面薄層を含む。
【0151】
(実施例8)
機械方向に延在し、横方向の幅が2mmの、直線で平行な接着剤ストリップを適用して、不連続なやり方で、ホットメルト接着剤HX20025−02を2つのカードされた不織ウェブサワボンド4147にコーティングした以外は、実施例5を繰り返した。不織ウェブの、それぞれの表面の66%に接着剤がコーティングされるように、接着剤ストリップの間の接着剤のない領域の横方向の幅は1mmであった。実施例5と同様に、接着剤は坪量5g/m2でコーティングされた。接着剤のストリップコーティングは修正された間隔プレートによって達成された。
【0152】
得られた活性化可能な複合積層体は、上記のように、第1回目の活性化サイクルにおいてズウィック(商標)引張試験装置の上で、伸び速度127mm/分で横方向に100%の伸びまで活性化された。得られた活性化された複合積層体は、第1回目の除荷後に弛緩状態におかれた場合、実施例5の活性化された複合積層体の外観と比較して、より手触りがふっくらとして厚いように思われる滑らかかつ平らな表面を呈した。これは、接着剤ストリップの間の接着剤をコーティングしていない領域に小さなひだが形成されたことによる。不織布層は無傷であり破断しなかった。
【0153】
続くサイクルにおいて、活性化された複合積層体は100%まで伸ばすことができ、複合積層ウェブの外観が変化することなく回復することが可能であった。
【0154】
(実施例9)
接着剤ストリップの横方向の幅が1mmであり、これらストリップの間の接着剤のない領域の横方向の幅が2mmであった以外は、実施例8が繰り返された。
【0155】
得られた活性化可能な複合積層体は、上記のように、第1回目の活性化サイクルにおいてズウィック(商標)引張試験装置の上で、伸び速度127mm/分で横方向に100%の伸びまで活性化された。得られた活性化された複合積層体は、第1回目除荷後に弛緩状態におかれた場合、機械方向に延在する線を含む本質的に滑らかかつ平らな表面を呈した。しかしながら、不織布は無傷でありこれらの線で破断することはなかった。活性化された複合積層体は、実施例5の活性化された複合積層体の外観に比べてより手触りがふっくらとして厚いように思われた。
【0156】
続くサイクルにおいて、活性化された複合積層体は100%まで伸ばすことができ、複合積層ウェブの外観が変化することなく回復することが可能であった。
【0157】
次の表1は、実施例5の連続的に接着接合された積層体の伸び−伸び挙動を、実施例8及び実施例9の不連続的に接着接合された積層体と比較している。
【0158】
【表1】
【0159】
横方向への5%の伸びを得るために必要な力は、実施例5の全幅に接着剤をコーティングした複合積層体に比べて、実施例8及び実施例9のストリップ接合された複合積層体の方が有意に小さいことが表1からわかる。
【0160】
【表2】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性コア層と少なくとも1つの表面薄層とを有する弾性積層体、並びに弾性積層体に取り付けられた少なくとも1つの不織布層を含む活性化可能なゼロ歪の複合積層体に関する。本発明は更に、前記活性化可能なゼロ歪の複合積層体を伸ばすことによって得られる活性化された複合積層体と、活性化された複合積層体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,501,679号は、少なくとも1つのエラストマーコア層と少なくとも1つの薄い表面薄層とを含む、活性化された微小構造のエラストマー積層体を開示している。活性化された微小構造のエラストマー積層体は、コアと表面薄層とを共押出しし、続いて表面薄層の弾性限界を超えて積層体を伸ばし、次に積層体を回復させて製造するのが好ましい。米国特許第‘679号には、積層体の収縮回復機構が、表面薄層(1つ又は複数)の厚さの変化の影響を受け得ることが開示されている。更に、米国特許第‘679号には、ミクロ構造積層体の質感が、その弾性限界を超えたフィルムの伸ばし方法を変えることに影響を受け得ることが開示されている。積層体は、1軸的に、連続して2軸的に、又は同時に2軸的に伸ばされ得ることが開示されている。米国特許第‘679号は、おむつ及び衣類での使用を含む、伸ばされたミクロ構造積層体のさまざまな使用及び用途を開示している。
【0003】
弾性コア層と、コア層より弾性の低い少なくとも1つの表面薄層とを有する活性化可能な複合積層ウェブは、例えば、欧州特許第0,521,883号に記載されている。そのような積層体において、少なくとも1つの表面薄層と少なくとも1つのコア層とは、優先活性化部位と非優先活性化部位とを形成し、少なくとも1つのコア層は、少なくとも活性化部位において本質的に弾性である。少なくとも1つの表面薄層及び/又は少なくとも1つのコア層は、多層積層体が伸ばされた場合に、伸ばされた領域において優先活性化部位が、弾性状態まで伸ばされ得、回復することができるように設けられる。例えば、衣類のような不織布材は、活性化可能な積層体又は活性化された積層体に、それぞれ、超音波溶接、ヒートシーリング、並びに接着剤によって適用され得る。
【0004】
米国特許第6,159,584号は、物品の端部に接着されるように設計された延伸性の弾性タブを開示しており、該弾性タブは、少なくとも1つの弾性層と、弾性層の少なくとも第1面上の少なくとも1つの第2層とを有する共押出し弾性フィルムであって、該共押出し弾性フィルムの少なくとも1つの面が少なくとも部分的に延伸性の不織布層に取り付けらている。部分的に拡張性の、つまり延伸性の不織布層は、第1方向において限られた伸張性を有する少なくとも1つの第1部分と、第1方向において非延伸性の少なくとも1つの第2部分とを有する。延伸性の弾性タブは、1つ又は複数の第1部分の延在限度まで第1方向に伸ばされた場合、少なくとも1.0cm、好ましくは少なくとも2cm弾力的に回復し、有効伸び比が少なくとも30%である弾性タブを提供する。有効伸び比は、0.2N/cm(20g/cmの力)を超えるが、一般に延在限度の90%である一定の延在率より低い弾性回復力を有する弾性回復長さ部分を含む。米国特許第‘584号の延伸性の弾性タブはおむつの締結タブとして特に有用であると開示されている。
【0005】
上記欧州特許第0,521,883号の積層体は、所要の優先活性化部位と非優先活性化部位の、それぞれを生成するために、いわゆる積層体形成後弾性率又は応力処理によって活性化されることが可能である。このような処理は、形成後アニール、選択的架橋、又は選択的可塑化を含んでもよい。形成後の応力の局在は、局部的コロナ処理、機械的切断、スコーリング、積層材の裁断、圧入、又は制御された局所的伸びの影響を受け得る。
【0006】
制御された局所的伸び処理方法のいくつかの詳細が米国特許第5,167,897号に記載されている。米国特許第‘897号は、伸び可能でエラストマー材の第1プライと、例えば、不織布材のような伸び可能であるが必ずしもエラストマー性ではない材料を含む第2プライと、を含むゼロ歪の伸び積層体に言及している。2つのプライは、実質的に非伸張(「ゼロ歪」)状態で互いに取り付けられる。ゼロ歪の伸び積層体は、一対の対向する圧力アプリケータに供給され、積層体ウェブの対向する周辺端部を拘束した状態で漸増式に伸ばされる。第2プライは、印加した張力を取り除いた際に最初の歪んでいない形状に戻らないように、積層体を伸ばした際に少なくとも永久に伸ばされる程度に伸ばされる。第2プライの材料の性質及びインクリメンタル伸びの程度に応じて、第2プライ材料は、それぞれ、局所的にz方向において破断されても、又はz方向において嵩高化されてもよく、その結果その後の初期伸び方向において弾性伸張性をもたらす。
【0007】
弾性積層体と該積層体に取り付けられ少なくとも1つの不織布層とを含むゼロ歪の複合積層体は、米国特許第‘897号に開示の方法で活性化させた場合、必ずしも審美的観点から望ましくない、局所的に変形した及び/又は破損した不織布層を呈する場合がある。
【0008】
米国特許第7,078,089号は、熱可塑性材に取り付けられた延伸性不織布繊維ウェブを含む弾性積層体材を開示している。不織布繊維ウェブは、熱可塑性材に積層された場合の、そうした時点まで固着されない短繊維ウェブであってもよい。これは、換言すると、典型的には熱的なプリント接合によって達成される接合は、非接合ウェブを固めることと、それを熱可塑性材に取り付けることとの両方を意味する。熱可塑性材は単層フィルム又は多層フィルムであってもよい。多層フィルムは、弾性素材を不織布繊維ウェブに接合させる接合剤を含む1つ又は2つ外側の表面薄層を含む。
【0009】
米国特許第‘089号の弾性積層体の不織布繊維ウェブ層は、活性化の際に接合点の間で破断する傾向があり、その結果、弾性積層体材の外観が審美的に魅力的でなくなることが見い出された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、活性化され得る1つ以上の不織布層を含む活性化可能なゼロ歪の複合積層体を、対応する活性化された複合積層体に、本質的に不織布層の損傷及び/又は破断なしに提供すると同時に、活性化された複合積層体の許容可能な及び/又は有利な弾性特性を提供することであった。本発明の別の目的は、本質的に不織布層の損傷及び/又は破断なしに、活性化可能なゼロ歪の複合積層体を活性化することのできる方法を提供することである。本発明の他の目的は、以下の本発明の詳細な説明から当業者には明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、弾性コア層と、前記コア層よりも弾性が低い少なくとも1つの表面薄層と、を有する活性化可能な弾性積層体ウェブ、及び弾性積層体ウェブの表面薄層の一方に取り付けられた少なくとも1つの予め接合された短繊維不織ウェブを含み、少なくとも1つの短繊維不織ウェブが、横方向において少なくとも100%の破断点伸びを有し、そして前記活性化可能な弾性積層体ウェブが、第1回目の荷重において、1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えて横方向に伸ばされた場合、本質的に均質な微小構造の表面を形成する、活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブに関する。
【0012】
更に本発明は、弾性コア層と、コア層よりも弾性が低い少なくとも1つの表面薄層と、を有する活性化可能な弾性積層体ウェブ、及び弾性積層体ウェブの表面薄層の一方に取り付けられた少なくとも1つの予め接合された短繊維不織ウェブを含み、少なくとも1つの短繊維不織ウェブが、横方向において少なくとも100%の破断点伸びと、不織ウェブの表面に対して8〜22%、より好ましくは9〜18%、特に好ましくは9〜15%の接合領域とを有し、そして活性化可能な弾性積層体ウェブは、弾性積層体ウェブのコア層の厚さ:そうしたウェブの少なくとも1つの表面薄層の厚さ、又は弾性積層体ウェブのコア層の厚さ:そうしたウェブの表面薄層の合計の厚さが、それぞれ、少なくとも6:1である比を有し、少なくとも1つの短繊維不織布層が、弾性積層体に不連続な接着剤層によって取り付けられている、活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブに関する。
【0013】
更に本発明は、本発明の前記活性化可能な複合積層ウェブを、前記1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えるが、前記短繊維不織ウェブの破断点伸びを未満で横方向に伸ばされることによって得られる、活性化された複合積層ウェブに関する。
【0014】
本発明は更に、
(i)弾性コア層と、該コア層よりも弾性が低い少なくとも1つの表面薄層とを有し、第1回目の荷重において1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えて横方向に伸ばされた場合、本質的に均質な微小構造の表面を形成する、活性化可能な弾性積層体ウェブを提供する工程と、
(ii)少なくとも100%横方向の破断点伸びを有する、少なくとも1つの短繊維不織ウェブを提供する工程と、
(iii)短繊維不織ウェブを、該弾性積層体ウェブに取り付け、それによって活性化可能な弾性積層体ウェブが、本質的に非伸張状態に維持される工程と、を含む本発明の活性化可能な複合積層体を製造する方法に関する。
【0015】
更に本発明は、
(i)本発明の活性化可能な複合積層ウェブを提供する工程と、
(ii)活性化可能な複合積層ウェブを、横方向に、1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えるが、予め接合された短繊維不織布層ウェブの破断点伸び未満で伸ばす工程と、を含む本発明の活性化された複合積層ウェブを製造する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】弾性コア層1と表面薄層2とを有する活性化可能な弾性積層体ウェブを含む、本発明の活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブ10の一部の概略断面図。活性化可能な複合積層ウェブ10は、接着層3を介して表面薄層2に取り付けられた予め接合された短繊維不織ウェブ4を更に含む。
【図1a】図弾性積層体ウェブが、第2の予め接合された短繊維不織ウェブ4を固着する第2の表面薄層3を含む点で図1の実施形態とは異なる、本発明の別の活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブ10の一部の概略断面図。
【図1b】接着剤ストリップ3aを含む不連続な接着層3を含む点で図1の実施形態とは異なる、本発明の別の活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブ10の一部の概略断面図。
【図2】図1aの活性化可能な複合積層体10を横方向に伸ばすことによって得られる、本発明の活性化された複合積層ウェブ20の一部の概略断面図。
【0017】
図1、1a、1b、並びに2は極めて概略的であり、寸法が該図面からわからないようにさまざまな層の厚さを誇張して再現している。前記図面において、不織布層は十分な伸張状態で示されているのではなく、切断されている。
【図3a】横方向において(即ち部分の長さに沿って)40%の伸びまで伸ばされた(第1回目の荷重)後、伸ばされた、本発明において有用な活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。前記写真は、第1回目の荷重後に得た弛緩状態の伸ばされた弾性積層体を示している。弾性積層体ウェブの前記一部は均質な不透明な外観を呈する。前記弾性積層体ウェブの組成物及び幾何学的寸法は実施例1に記載されている。
【図3b】第1回目の荷重における横方向において(即ち部分の長さに沿って)40%の伸びまで伸ばされた後、本発明において有用ではない活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。前記写真は、第1回目の除荷後で、弛緩状態にある活性化された弾性積層体を示している。弾性積層体ウェブの一部は、ウェブ部分の上半分にネックインした乳白色区域を呈し、ウェブ部分の下半分に本質的に透明な外観を呈する、不均質な外観を示している。弾性積層体ウェブの組成物及び幾何学的寸法は比較例1に記載されている。
【図3c】それぞれ、80%、120%、並びに160%の延在まで第1回目の荷重をし、第1回目の除荷の後で弛緩状態にある、本発明において有用な図3aの活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。
【図3d】それぞれ、80%、120%及び160%の延在まで第1回目の荷重をし、その後第1回目の除荷の後で弛緩状態にある、本発明において有用ではない図3bの活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。
【図3e】それぞれ、80%、120%、並びに160%の延在まで第1回目の荷重をし、第1回目の除荷の後で弛緩状態にある、本発明において有用な図3aの活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。
【図3f】それぞれ、80%、120%及び160%の延在まで第1回目の荷重をし、その後第1回目の除荷の後で弛緩状態にある、本発明において有用ではない図3bの活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。
【図3g】それぞれ、80%、120%、並びに160%の延在まで第1回目の荷重をし、第1回目の除荷の後で弛緩状態にある、本発明において有用な図3aの活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。
【図3h】それぞれ、80%、120%及び160%の延在まで第1回目の荷重をし、その後第1回目の除荷の後で弛緩状態にある、本発明において有用ではない図3bの活性化された弾性積層体ウェブの一部の写真。
【図4a】図3dの弾性積層体ウェブの一部の表面を、かかるウェブ部分の下半分の透明区域で倍率100xで撮影したマイクロ写真。
【図4b】図3dの弾性積層体ウェブの一部の表面を、かかるウェブ部分の不透明なネックイン区域で倍率100xで撮影したマイクロ写真。
【図5a】ケース、それぞれにおいて第1回目の荷重と第1回目の除荷とを含む、次のような異なる弾性積層体ウェブの一連の応力ひずみ曲線。
【0018】
【数1】
【0019】
【図5b】積層体、それぞれに関して、第1回目の荷重及び除荷と第5回目の荷重及び除荷とを含む、次のような2つの異なる弾性積層体の一連の応力ひずみ曲線。
【0020】
【数2】
【0021】
【図5c】第1回目の荷重及び除荷、第2回目の荷重及び除荷、並びに第3回目の荷重及び除荷、それぞれ含む、次のような本発明の3つの異なる複合積層ウェブの一連の応力ひずみ曲線。
【0022】
【数3】
【0023】
実施例5の複合積層ウェブは実施例1の弾性ウェブ積層体を含み、実施例6の複合積層ウェブは実施例2の弾性ウェブ積層体を含み、実施例7の複合ウェブ積層体は実施例3の弾性ウェブ積層体を含む。
【図5d】機械方向に延在する複合積層ウェブの右端のストリップ区域が活性化可能(即ち非活性化)であるのに対して、図5aに示される複合積層ウェブの残り全てが活性化されている、実施例6の複合積層ウェブの写真。
【図6】次のような、さまざまな不織ウェブの一連の応力ひずみ曲線を示す。
【0024】
【数4】
【発明を実施するための形態】
【0025】
上記及び以下で使用される用語、活性化可能な「ゼロ歪」の複合積層体は、弾性コア層と該コア層より弾性が低い少なくとも1つの表面薄層とを有する弾性積層体と、少なくとも1つの予め接合された短繊維不織布層と、を含む積層体に関する。弾性積層体と予め接合された短繊維不織布層とは、弾性積層体が本質的に伸ばされない(ゼロ歪)状態で、不織布層を表面薄層の一方に断続的に又は連続的に固定することによって互いに取り付けられている。用語「活性化可能な」及び「非活性化」は同意語として使用される。弾性積層体ウェブ又は複合積層ウェブ、それぞれが活性化可能であるか又は活性化されているかが文脈から明白である場合、かかる用語は省略されてもよい。
【0026】
機械方向に有意な長さにわたって延在する積層体を参照する場合、複合積層体はウェブを表わす。ウェブを横方向に切断することによって通常得られる、このような複合積層ウェブの小さな区域は、複合積層体部分と呼ばれる。
【0027】
上記及び以下において、複合積層ウェブ及び/又は複合積層ウェブの部分は単に複合積層体とも呼ばれる。
【0028】
上記及び以下において、弾性積層体ウェブ及び/又はそのような弾性積層体ウェブの部分は単に弾性積層体とも呼ばれる。
【0029】
上記及び以下において使用される時、用語「機械方向」(MD)は、弾性積層体ウェブ又は複合積層体の、それぞれが、移動する連続ウェブの方向を意味する。上記及び以下において使用される時、用語「横方向」(CD)は、本質的に機械方向に垂直である方向を意味する。弾性積層体ウェブ又は複合積層ウェブの部分、それぞれが用いられる場合、上記及び以下において定義されているように、用語CD及びMDはこのような部分の向きを述べるためにも使用される。
【0030】
活性化可能なゼロ歪の複合積層体の弾性コア層は、周囲条件でエラストマー特性を呈する材料から形成される。エラストマー性とは、伸ばされた後に最初の形状に実質的に戻る材料を意味する。好ましくは、エラストマーは、変形及び弛緩の後にごくわずかな永久歪を維持し、この歪は、最初の50〜500%の伸びの30%未満であれば好ましく、20%未満であれば更に好ましい。エラストマー材は、純粋なエラストマーであるか、又は室温で十分なエラストマー特性を有するエラストマー相又は含有物とのブレンドであり得る。好適なエラストマー性熱可塑性ポリマーとしては、A−B又はA−B−Aタイプのブロックコポリマーなどとして当業者が周知しているブロックコポリマーが挙げられる。これらのブロックコポリマーは、例えば、米国特許第3,265,765号、第3,562,356号、第3,700,633号、第4,116,917号及び第4,156,673号に記載されており、これら特許の内容は、引用することによって本明細書に包含する。スチレン/イソプレン、ブタジエン又はエチレン−ブチレン/スチレン(SIS、SBS又はSEBS)ブロックコポリマーは、特に有用である。一般に、2つ以上のブロック、つまり少なくとも1つのAブロック及び少なくとも1つのBブロックがあり、これらブロックは、線状、放射状、分枝状又は星形のブロックコポリマーなど、任意の順序で配列することができる。その他の有用なエラストマー組成物は、エラストマーポリウレタン、エチレンコポリマー、例えばエチレンビニルアセテート、エチレン/プロピレンコポリマーエラストマー又はエチレン/プロピレンジエンコポリマーエラストマーを含むことができる。これらエラストマー相互のブレンド、又はこれらエラストマーと変性非エラストマーとのブレンドも意図される。
【0031】
粘度を低下させるポリマー及び可塑剤を、エラストマー、例えば低分子量のポリエチレンとポリプロピレンのポリマー及びコポリマー、又は粘着付与樹脂、例えば、グッドイヤーケミカル社(Goodyear Chemical Company)から入手可能なウイングタック(Wingtack)(商標)、つまり脂肪族炭化水素粘着付与剤とブレンドしてもよい。表面薄層に対するエラストマー層の接着性を高めるために粘着付与剤を使用することもできる。粘着付与剤の例には、脂肪族又は芳香族炭化水素液体粘着付与剤、ポリテルペン樹脂粘着付与剤、並びに水素化粘着付与樹脂が挙げられる。脂肪族炭化水素樹脂が好ましい。
【0032】
染料、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、接合助剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、熱安定剤、光安定剤、発泡剤、ガラスバブル、強化繊維、分解性のためのデンプン、並びに金属塩、又はマイクロファイバーのような添加剤をエラストマーコア層(又は複数)に使用してもよい。
【0033】
活性化可能なゼロ歪の複合積層体の表面薄層は一般に、非粘着性材料、又は弾性コア層よりエラストマー性の低い任意の半結晶性又は非晶質ポリマーから形成されるブレンドを含む。表面薄層は本質的に弾力性がなくかつ非粘着性であるのが好ましく、従って弾性積層体が伸ばされる割合でコア層よりも比較的より大きな永久歪を受ける。得られた表面薄層が本質的に非粘着性であり、コア層よりエラストマー性が低くあるならば、オレフィン性エラストマーのようなエラストマー材、例えば、エチレン−プロピレンエラストマー、エチレンプロピレンジエンポリマーエラストマー、メタロセンポリオレフィンエラストマー若しくはエチレンビニルアセテートエラストマー、又はスチレン/イソプレン、ブタジエン若しくはエチレン−ブチレン/スチレン(SIS、SBS又はSEBS)ブロックコポリマー、又はポリウレタン或いはこれら材料とのブレンドを使用することができる。表面薄層は、適用されるあらゆる接着剤に対するバリア層として作用することが好ましい。使用するエラストマー材は、非エラストマー材とのブレンド中に、0〜70重量%、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%の範囲で存在する。表面薄層(又は複数)のエラストマーの割合が高い場合、一般に、粘着防止剤及び/又はスリップ剤を使用して、表面の粘着及びロールの巻出し力を低下させる必要がある。好ましくは、表面薄層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、並びにポリエチレン−ポリプロピレンコポリマーからなる群から選択される1種以上のポリオレフィン又はポリオレフィンコポリマーを含む。しかしながら、表面薄層はまた、ナイロンのような1種以上のポリアミド、ポリエチレンテレフタレートのような1種以上のポリエステル、並びにこれらの好適なブレンドも含んでもよい。
【0034】
活性化可能な弾性積層体の本質的に均質な活性化を可能とするために、コア:表面厚さの比、及び/又は表面薄層(又は複数)の柔軟性を調節することが本発明において重要である。上記及び以下で使用するコア:表面厚さの比が、弾性コアの厚さ:そうしたコアの少なくとも1つの表面薄層の厚さの比(表面薄層が1つである場合)、又は弾性コアの厚さ:そうしたコアの2つの表面薄層の合計の厚さの比(第2の表面薄層が存在する場合)として、それぞれ、定義される。
【0035】
上記で定義されたコア:表面厚さの比が小さすぎる場合、及び/又は表面薄層が堅すぎる場合には、活性化可能な弾性積層体が伸ばされた場合、巨視的にネックする及び/又は巨視的なよじれを形成する傾向があることが見い出された。上記及び以下で使用する用語「巨視的な(巨視的に)」は、そのようなネックイン区域及び/又はよじれを肉眼で容易に見ることができることを意味する。典型的には、ネックイン区域又はよじれは少なくとも1mmの伸びを有する。
【0036】
これら巨視的なネッキング又はよじれは、多くの場合伸ばされた弾性積層体の特定の領域にのみ生じ、表面薄層が本質的に変形していない伸ばされた弾性積層体の他の領域は平らなまま及び/又はネッキングしていないままである。弾性積層体のこの不均質な活性化挙動は、活性化された複合積層体に好ましくない審美的外観を付与し、これは、特におむつのような衛生物品で用いるのには許容不可能である。更に、不均質な活性化挙動は、制御困難な場合がある応力ひずみ挙動をもたらす。弾性積層体のネッキング及び/又はよじれ領域(1つ又は複数)は、加えられた力が他の領域(又は複数)でネッキング及び/又はよじれを誘発するのに十分であり得るような程度まで伸ばされた場合、応力伸び曲線はさらなるピークを示す場合があり、弾性積層体を更に伸ばすとダメージを受ける(zippy)可能性がある。
【0037】
弾性積層体の、コア:表面厚さの比、及び/又はコア:表面薄層の柔軟性の比が、表面薄層がその弾性限界を超えて伸ばされて弛緩した場合、ミクロ構造の表面質感を形成するように選択される必要がある。ミクロ構造とは、弾性積層体の表面薄層の表面が人の裸眼で見えるだけの大きさがある微細なピークと谷の凹凸、皺、又はその他の微細な表面構造要素を含み、微細構造ができる前の弾性積層体の不透明度よりも高い不透明度を引き起こし、この凹凸は非常に小さいため人の皮膚には滑らか又は柔軟であるように知覚されることを意味する。ミクロ構造の質感の細部を見るためには凹凸を拡大することが必要である。
【0038】
弾性積層体が、巨視的なよじれがない場合に示されるような本質的に均質に伸ばされ得る、及び/又は弾性積層体を伸ばす前の初期不透明度と比較した場合の弾性積層体の不透明度が本質的に均質に増加されるように、弾性積層体の、コア:表面厚さの比、及び/又はコア:表面薄層の柔軟性の比が、選択されることが更に必要である。
【0039】
活性化可能な弾性積層体の活性化挙動は、以下のように容易に定性的に評価することができる。良好な活性化挙動を示し、本発明で使用するのに好適な、本質的に透明で活性化可能な弾性積層体ウェブは、積層体の一部を、例えば、横方向において40〜160%の比較的小さな伸びで伸びて、続いて弛緩した場合に、本質的に均質な不透明になる。最初は不透明な活性化可能な弾性積層体を伸び−弛緩して、非活性化弾性積層体と比べて活性化された弾性積層体をより不透明にする。
【0040】
この挙動は、コア:表面厚さの比が約8.2:1である下記の実施例1の本質的に透明な活性化可能な弾性積層体に関して、図3a、3c、3e及び3gで例示されている。
【0041】
図3aは、横方向において40%の伸びまで伸び、続いて弛緩させた後のこのような弾性積層体の一部の写真である。活性化された弾性積層が均質な不透明な外観を呈することがわかる。
【0042】
図3c、3e、並びに3gの写真は、それぞれ、80%、120%、並びに160%の伸びまで、伸び−弛緩した場合の、実施例1の活性化可能な弾性積層体の表面を示す。図3a、3c、3e、並びに3gの目視比較は、伸びを40%から80%へと増加した場合に不透明度が図3aから図3cへと目に見えて増加するが、120%又は160%の伸びまで、伸び−弛緩した場合には不透明度の明白な増加を視覚的に検出できないことを、それぞれ、示している。
【0043】
本発明で用いるのに好適ではない弾性積層体ウェブの活性化挙動が図3b、3d、3f、並びに3hに対照的に例示されており、これらは、40%、80%、120%、並びに160%の伸びまで伸び、続いて弛緩した場合の、比較例1の弾性積層体ウェブの部分の表面を示している。下記の比較例1の本質的に透明な活性化可能な弾性積層体の、コア:表面厚さの比は、約4.5:1である。図3bは、弾性積層体部分の活性化が、当該部分のわずかに不透明にされた上半分の領域で始まることを示し、わずかにネッキングしている。図3bの弾性積層体部分の他の領域は影響を受けておらず、本質的に透明を維持している。
【0044】
弾性フィルム部分を80%、120%、並びに160%のより大きな伸びまで、伸び−弛緩した場合に、弾性積層体部分の上半分の活性化された領域は増大してより不透明になる一方、弾性積層体部分の下半分の領域は本質的に透明を保つことが図3d、3f、並びに3hからわかる。図3d、3f、並びに3hの弾性フィルム積層体部分は、当該部分の上半分の活性化された領域に顕著なネッキングを示し、特に、弾性積層体の部分の活性化された上半分と活性化されていない下半分との間に巨視的なよじれが形成されるのを示している。
【0045】
本発明に好適な弾性積層体のコア層:表面薄層厚さの比が、好ましくは少なくとも6:1、より好ましくは少なくとも7:1であるが、1,000:1未満、最も好ましくは7:1と25:1との間である。
【0046】
コア層の厚さは、20〜240μmであるのが好ましく、より好ましくは40〜150μmである。表面薄層の厚さは、1〜10μmであるのが好ましく、より好ましくは2〜8μmである。弾性積層体の全厚は、25〜250μmであるのが好ましい。
【0047】
コア層への表面薄層の追加が本発明の活性化可能な弾性積層体を通常強化する傾向がある一方で、表面薄層は、活性化された弾性積層体の強化が殆ど又は全く生じないように、活性化された弾性積層体が、使用時にサイクル動作される時の(例えば、衛生使い捨て製品では着用者の呼吸により引き起こされる寸法の変化による)好適な低度の応力の伸び力及び低度のヒステリシス損レベルで、最初の伸び、並びに第2の及びその次の伸びでも弾性であるように、十分に薄く及び/又は柔らかであるように設けられる。好ましくは、弾性積層体は第1回目の活性化サイクルで明確な降伏点又は範囲を有さない。次のサイクルにおいて、弾性積層体の弾性特性が弾性コア自体の弾性特性と同様である及び/又はそれに近づく傾向があることが好ましい。
【0048】
弾性積層体の活性化挙動は、活性化可能な弾性積層体の第1回目の応力−伸びサイクルを記録することにより更に評価することができる。
【0049】
図5aは、例えば、実施例1(
【0050】
【数5】
【0051】
)、実施例2(
【0052】
【数6】
【0053】
)、並びに比較例1(
【0054】
【数7】
【0055】
)、それぞれの活性化可能な弾性積層体の第1回目の活性化サイクルを示す。
【0056】
実施例1、実施例2、並びに比較例1の3つの弾性積層体の全てに関する第1回目の荷重曲線の応力伸び曲線は、弾性積層体の表面薄層にミクロ構造を付与するのに必要な力に達するまで、初めは急激な増加を示す。しかしながら、本発明に好適な実施例1及び実施例2の弾性積層体の応力伸び曲線は、明確なピーク点又は降伏点を示さない。これは、本発明で用いるのに好適ではない比較例1の弾性積層体の活性化挙動とは際立って対照的である。比較例1の弾性積層体は、表面薄層の初期変形及び/又はひずみに関係する顕著な初期降伏点を示す。比較例1の弾性積層体を更に伸ばすために必要な力は、表面薄層の初期変形及び/又はひずみに関係しているピーク値と比較すると明らかに低いレベルまで低下している。
【0057】
本発明で有用な弾性積層体は、速度127mm/分で実施される第1回目の荷重において、
・実施例1の弾性積層体で例示されているように、表面薄層の初期変形及び/又はひずみに関係した初期降伏点を本質的に示さないのが好ましく、又は
・そのような初期降伏点が存在する場合には、そうした初期ピーク点又は降伏点の力の、50%の伸びの力に対する割合は1.15、より好ましくは1.10未満、特に好ましくは1.05未満である。
【0058】
好ましくは、第1回目の荷重において、200%の伸びまで伸ばされた場合、弾性積層体は、第1回目の除荷において、80%の伸びで、少なくとも0.12N/cm(0.3N/インチ)、より好ましくは少なくとも0.2N/cm(0.5N/インチ)の牽引力を示す。
【0059】
活性化可能なゼロ歪の複合材料は、好ましくは、1つ又は2つの表面薄層の露出面に、それぞれ取り付けられた1つ又は2つの不織布層を含む。本発明で使用する不織布層は、試験の項で具体的に述べられる方法に従って測定した場合に、横方向において、少なくとも100%、より好ましくは少なくとも120%、特に好ましくは少なくとも150%の破断点伸びを有する、予め接合された短繊維ウェブから作製される。本発明で好適な予め接合された短繊維ウェブには、エアレイド、湿式及びカードされた不織ウェブが挙げられ、カード(された)不織ウェブが好ましい。
【0060】
カードされた不織ウェブは分離した短繊維から作製され、それら繊維は、通常機械方向において配向された繊維性不織ウェブを形成するために、短繊維を機械方向において分離し、かつそろえる、コーミング又はカーディング装置に送られる。所望であれば、無作為抽出装置を使用して、機械方向配向の程度を低減及び/又は調節してもよい。
【0061】
カードされたウェブが形成されると、その後、いくつかの接合方法のうちの1つ又は複数によって接合する。1つの接合方法は、粉末接合であって、粉末接着剤がウェブを通して分配され、次いで通常はウェブ及び接着剤を熱風で加熱することによって活性化される。別の接合方法は、加熱したカレンダーロール又は超音波接合機器を使用して繊維を互いに接合させる、パターン接合である。
【0062】
本発明で有用な予め接合された短繊維ウェブは、例えば、ウェブにわたって、多数の別個の熱接合点によって局部的で不連続な接合パターンを示すのが好ましい。
【0063】
本発明で使用する短繊維ウェブは予め接合されることが重要である。米国特許第7,078,089号で用いられる予め接合されていないカードされた不織ウェブはインラインでのみ加工可能である。これに対し、本発明では、不織ウェブと弾性積層体ウェブを別々に加工することが好ましく、予め接合によって不織ウェブに一体性を付与することが必要である。更に、予め接合されていない不織ウェブは、非接着の個々の繊維の末端部が表面に突き刺さる場合があるので、伸び活性化の際に毛羽立った又は縮れた表面を形成する傾向がある。これは特に、乳児がそのような遊離した繊維をむしり取って飲み込む可能性がある、乳児用のおむつのような乳児用衛生用製品では許容不可能である。
【0064】
本発明の複合積層ウェブでは、予め接合された不織ウェブは、熱接合、超音波接合、又は好ましくは接着接合のような異なる接合機構で弾性積層体に取り付けられる。したがって、不織ウェブの予め接合された接合パターンは、不織ウェブと弾性積層体ウェブとの間の接合機構とは別個でありかつ無関係である。本発明者らはこのような説明によって制約されることを望まないが、このような無関係であり別個である不織ウェブの予め接合しているパターンは、一方では好ましい伸び挙動及び高い破断点伸びを不織ウェブに付与し、他方では不織ウェブの十分な一体性を付与する、多数の接合点を提供する。
【0065】
本発明において好適な予め接合された不織ウェブは、不織ウェブの表面に対して少なくとも8%、より好ましくは少なくとも9%、特に好ましくは少なくとも9.5%の接合領域を示すのが好ましい。不織ウェブの接合領域が、不織ウェブの表面に対して8%未満の場合は、このようなウェブの機械的一体性が、特に衛生用途に関して不十分である傾向がある。
【0066】
本発明の予め接合された短繊維不織ウェブは、横方向と比較して、コーミング又はカーディング工程によって繊維が配向される機械方向において明らかに強いので、異方性である。一般に、予め接合された不織ウェブの接合領域が増大するにつれ、その横方向において引張り強度は増加し、破断点伸びは減少する。本発明において、予め接合された不織ウェブの接合領域及び機械方向の繊維の平均配向度(これは上述のように無作為抽出装置を用いて調節することが可能である)は、機械方向の破断点引張強さ:横方向の破断点引張強さの比が、好ましくは約5:1〜7:1、より好ましくは約5.3:1〜6.7:1であるように選択される。
【0067】
本発明において有用な予め接合された不織ウェブは、不織ウェブの表面に対して、好ましくは22%以下の接合領域を示すのが好ましく、より好ましくは18%未満、特に好ましくは15%未満であることが更に見い出された。予め接合された不織ウェブ接合領域が表面に対して22%を超えると、不織ウェブは横方向において強くなりすぎる傾向があり、横方向において破断点伸びが小さくなりすぎる傾向がある。
【0068】
予め接合された不織ウェブの接合領域は、不織ウェブの表面に対して9〜18%が好ましく、より好ましくは9〜15%である。
【0069】
本発明において好適な短繊維不織ウェブは、好ましくは、綿、レーヨン、ポリエチレン、並びにポリプロピレンを含むポリオレフィン、ナイロンを含むポリアミド、ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル、アラミド、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される天然繊維又は合繊繊維からなる群から選択される1種以上の繊維を含む。ポリオレフィン系繊維が一般に好ましい。
【0070】
本発明において好適な短繊維不織ウェブは、機械方向において30〜80mm、より好ましくは30〜60mmの平均繊維長さを有するのが好ましい。
【0071】
本発明の活性化可能なゼロ歪の複合積層体は、弾性積層体と不織布層(又は複数)との両方が本質的に非伸張(「ゼロ歪」)状態で、不織布層(又は複数)を弾性積層体の表面薄層(又は複数)に接合させることによって得るのが好ましい。弾性積層体に関し、用語「非伸張」又は「ゼロ歪」は、弾性積層体が弾性収縮力を本質的に示さない、伸ばしていない状態を保っていることを意味する。不織布層に関し、用語「非伸張」又は「ゼロ歪」は、不織布が本質的に非波形化であり平坦な形状で存在していることを意味する。「ゼロ歪」積層条件を達成するために、巻き張力を、低レベル、好ましくは50N/m以下に保つのが好ましい。「ゼロ歪」積層条件に関する更なる詳細は、例えば、米国特許第6,476,289号、同第5,422,172号、並びに同第5,167,897号に見い出すことができる。このような参照の対応する部分の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0072】
接合は、例えば、熱接合、押出し接合、又は好ましくは、接着接合によって達成され得る。
【0073】
好ましい接着剤は、圧力、熱、又はこれらの組み合わせによって活性化可能な接着剤である。好適な接着剤には、アクリレート、ゴム樹脂、エポキシ、ウレタン、又はこれらの組み合わせをベースとする接着剤が挙げられる。接着層は、溶液法、水性法、又はホットメルトコーティング法によって適用されてもよい。接着剤は、ホットメルトコーティングされた製剤、並びにラミネーティング、熱的に活性化された接着剤及び接合剤、或いは水で活性化された接着剤及び接合剤を含むことができる。本発明による有用な接着剤は全ての感圧接着剤を含む。感圧接着剤は、強力で永久的な粘着、指圧以下での接着、並びに被着体を保持する十分な能力を含む特性を有することが当業者に周知である。本発明で有用な接着剤の例には、ポリアクリレート;ポリビニルエーテル;天然ゴム、ポリイソプレン、並びにポリイソブチレンのようなジエン含有ゴム;ポリイソブチレン;ポリクロロプレン;ブチルゴム;ブタジエン−アクリロニトリルポリマー;熱可塑性エラストマー;スチレン−イソプレン及びスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロックコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンポリマー、並びにスチレン−ブタジエンポリマーのようなブロックコポリマー;ポリ−アルファ−オレフィン;アモルファスポリオレフィン;シリコーン;エチレンビニルアセテート、エチルアクリレート、並びにエチルメタクリレートのようなエチレン含有コポリマー;ポリウレタン;ポリアミド;エポキシ;ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドンコポリマー;ポリエステル;並びにこれら材料の混合物又はブレンド(連続又は不連続相)の、一般的組成物を基材とするものが挙げられる。更に、これらの接着剤は、粘着付与材剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、安定剤、顔料、拡散体、硬化剤、繊維、フィラメント、並びに溶剤などの添加剤を含有できる。更に、接着剤はあらゆる既知の方法で任意に硬化されることができる。
【0074】
良好な伸び特性に形を変える一般的な粘弾特性によって、ホットメルト感圧接着剤を含む感圧接着剤が本発明においはて好ましい。
【0075】
接着接合は、連続接着剤層又は不連続接着剤層、それぞれによって達成される。
【0076】
連続接着剤層は不織ウェブ層を弾性積層体ウェブ表面薄層にしっかりと取り付ける傾向がある一方で、不連続な接着パターンが複合積層ウェブに固有の性質を与えることが可能であることが本発明者らによって見い出された。
【0077】
不連続な接着パターンは規則的又は不規則であってもよく、例えば、本質的に直線、ジグザグ、又は概して曲線形状、例えば、波形状を呈する接着剤ストリップを含み、そのようなストリップによって機械方向に伸びるのが好ましい。不連続な接着パターンはまた、例えば、スクリーン印刷によって、又は刷毛塗りによって塗布されてもよい。
【0078】
不連続接着剤領域の接合領域は、表面薄層の表面領域に対して10〜95%であるのが好ましく、より好ましくは20〜90%である。
【0079】
特に好ましいのは、弾性積層体ウェブに、直線、本質的に機械方向に伸びるジグザグ又は規則的に曲線を描く接着剤ストリップを含む、1つ又は2つの接着剤層によって、1つ又は2つの不織ウェブが固着されている複合積層体である。
【0080】
横方向に伸ばし−活性化し、続いて弛緩させた場合、複合積層体は、隣接する接着剤ストリップの間の接着剤のない間隔内へのマイクロメートル又はミリメートル範囲の伸びを有する小さなひだを示す傾向があり、これは複合積層体に、よりふっくらとして厚みのある外観を提供する傾向がある。接着剤ストリップ及び隣接する接着剤ストリップの間の接着剤のない間隔の幅は、接着剤のない領域内の不織ウェブが、破断せず及び/又は活性化可能な複合積層体を所望の伸び、例えば、100〜150%まで伸ばした際に許容できない程度まで機械的に変形しないように選択される必要がある。本発明者らは、これらの要件が、例えば、横方向の幅が好ましくは0.5〜3mm、より好ましくは0.75mm〜2.75mmである接着剤ストリップによって満たされることを見い出した。隣接する接着剤ストリップの間の接着剤のない間隔は、好ましくは、0.5mm〜3mm、より好ましくは0.75mm〜2.75mmである。本発明の活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブは、例えば、米国特許第5,043,036号に開示されている幅伸び装置を用いて、本質的に不織布層を変形させる及び/又は破断させることなく活性化されることが可能である。
【0081】
ダイバージングディスク伸び装置とも呼ばれるこのような装置は、軸を中心として回転する、フレームに取り付けられた2つの円形プーリ又はディスクを備え、軸は、フレームに対する第1位置においては互いに接近した間隔のプーリの外周面部分の位置に向けられ、フレームに対する第2位置においては接近した間隔よりも有意に離間し、第1位置のプーリに対して正反対であるプーリの外周面部分の位置に向けられている。本装置はまた、2つのしなやかな連続ベルトを備えている。ベルトとプーリは、ベルトに沿って縦方向に伸び、プーリの周囲面の周りに周囲方向に伸びる相互案内手段を有し、ベルトをプーリの周囲面の周りで外周整列して維持する。これらの相互案内手段は、間隔をおいて周囲方向に伸び、隆起部の間に谷部を有する隆起部を有するプーリの外周面と、縦方向に間隔をおいて伸び、隆起部の間に谷部を有する複数の隆起部を片面に有するベルトと、から構成されるのが好ましい。ベルト上の隆起部はプーリの溝に入るように適合かつ整列され、プーリ上の隆起部はベルトの溝に入るように適合かつ整列される。ベルトは、ベルトとプーリ、それぞれの上にある相互に作用する隆起部と溝とを有するクランプ経路部分を含む所定経路に沿って移動するようにフレームの上に実装され、前記第1位置に隣接する入口位置から前記第2位置に隣接する出口位置に至るまで係合し、ベルトはプーリに向かって付勢されている。
【0082】
このような装置において、機械方向に伸びる活性化可能な複合積層ウェブの2つの対向する端部領域は、ベルトによって入口位置でプーリの周囲面とクランプされ、活性化可能な複合積層ウェブは、複合積層ウェブが入口位置から出口位置まで移動する間にプーリが回転するにつれて伸び、横方向の幅を広げる。装置の出口位置で相互案内手段から放出された活性化された複合積層体は、その弛緩状態でロール状に巻き込まれてもよい。
【0083】
このようなダイバージングディスク伸び装置によって得た横方向の伸びの程度は、第1位置と第2位置、それぞれのプーリの周囲面部分の間の距離を変化させることによって変えることができる。所望であれば、横方向の伸びの程度は、例えば、10〜500%、より好ましくは20〜300%、特に好ましくは40〜250%の広い範囲にわたって連続的に変化させることができる。
【0084】
活性化可能な複合積層体が伸ばされる速度は、プーリの回転速度及び/又はプーリの直径を変化させることによって変えることができる。プーリの一定回転速度に関する場合、直径の大きいプーリの方が直径の小さいプーリよりも伸びの速度が遅くなる。所望であれば、ダイバージングディスク伸び装置によって与えられる伸び速度は、10m/分〜600m/分の広い範囲にわたって本質的に連続的に変化させることができる。好ましくは、伸び速度は、50m/分〜500m/分の間で調節され、より好ましくは100m/分〜400m/分の間で調節される。
【0085】
ダイバージング伸び装置は、米国特許第5,043,036号の図1及び図2に概略的に示されており、この参照文献のコラム4の10行目〜コラム8の13行目にいくつかの詳細が記載されている。したがって、特定された米国特許第5,043,036号の図1及び図2並びに一節は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0086】
本発明の活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブは、所望であれば、例えば、欧州特許第0,521,883号又は米国特許第5,167,897号に開示されているような、スコーリング又は制御された局所的伸び(リングロールとも呼ばれる)を含むその他の活性化方法によって活性化され得る。
【0087】
しかしながら、特に上記のダイバージングディスク伸び装置によって提供される非破壊活性化技術を用いて本発明の複合積層ウェブを伸ばす−活性化することにより、本質的に複合積層体を損傷せずに又は機械的に変形せずに、複合積層ウェブをゆっくりと活性化することができるという独自の利点が提供される。このことは、上記のダイバージングディスク伸び装置で、伸び−活性化された後に弛緩された、実施例6の複合積層ウェブの一部の写真を示している図5dによって例示される。図5dで「非活性化」と呼ばれる複合積層体部分の端部領域は、ベルト及びプーリ上の相互に作用する隆起部及び溝のような相互案内手段にクランプされたので活性化していない。非活性化端部領域から横方向に伸びる組成物積層部分の残りの領域は延材されており、したがって「活性化された」と分類される。弛緩状態にある伸び−活性化された複合積層体の、非活性化端部領域及び活性化された残りの領域の外観は、それぞれ同様であり及び/又は本質的に同質である。
【0088】
伸び−活性化に続き、複合積層ウェブは弛緩状態でロールに巻き上げられていてもよく、又は、例えば、インラインのおむつのラインにおいてインライン製造プロセスで加工することが可能である。所望であれば、横方向の伸び部分にわたって十分に活性化された複合積層ウェブは、所望である場合は、非活性化端部領域がロールに巻き上げられる前に又は更なる加工の前に、活性化された複合積層ウェブから切断されてもよい。他の実施形態では、複合積層ウェブの、一方又は両方の非活性化端部領域を保持することが望ましい場合がある。ウェブを横方向に切断することによって得られる活性化された複合積層ウェブの区域は、例えば、おむつのような衛生使い捨て物品に好適な弾性クロージャタブを提供するために使用されてもよい。このような場合、非活性化端部領域の一方は、クロージャタブをおむつの裏側(いわゆる「製造者側(manufacturer's end)」)に適用するのに用いられてもよく、機械的なフックパッチを他方の非活性化端部領域(いわゆる「ユーザー側(user's end)」)に適用しもよい。
【0089】
本発明の活性化された複合積層体は、良好な弾性特性と非常に魅力的な審美的外観とを呈する。予め接合された短繊維不織ウェブの比較的高い破断点伸びによって、予め接合された短繊維不織ウェブの機械的一体性に悪影響を与えることなく、広い伸び範囲で本質的に弾性的に回復するように、複合積層体を活性化することが可能である。
【0090】
活性化された複合積層ウェブは、第1回目の荷重において、100%の伸びまで伸ばされた場合、第1回目の除荷の間に60%の伸びで少なくとも0.2N/cm(0.5N/インチ)の収縮力を有するのが好ましい。
【0091】
特に好ましい実施形態において、本発明の活性化可能なゼロ歪の複合積層体は、
・互いに独立して不織ウェブの表面に対して8〜22%の接合領域を有する1つ又は2つの予め接合された不織ウェブと、
・コア:表面厚さの比が、少なくとも6:1である弾性積層体ウェブと、を含み、
・これによって、1つ又は2つの不織ウェブは、少なくとも1つが不連続である接着剤層によって弾性積層体に取り付けられる。
【0092】
より好ましい実施形態では、両方の接着剤層が不連続である。不連続な接着剤層は、好ましくは、機械方向に延在する直線又は曲線のストリップを含む。
【0093】
本発明者らは、このような好ましい活性化可能なゼロ歪の複合積層体から得た活性化された複合積層体が、魅力的な審美的外観と相まって、特に魅力的な肌ざわりによって特徴づけられることを見い出した。
【0094】
本発明の活性化可能な又は活性化された複合積層ウェブ材は、例えば、乳児又は成人着用者用おむつのような使い捨て衛生物品、又は生理用ナプキンで用いるのに好適である。活性化可能な又は活性化された複合積層ウェブ材は、例えば、裏材の2つのストリップに取り付けられた弾性ブリッジを備える閉鎖テープタブに用いられてもよい。例えば、テープタブをおむつに固定するためにおむつに接着接合される裏材の一方のストリップは、多くの場合「製造者側」と呼ばれ、例えば、機械的締結要素を有してもよい裏材の他方のストリップは、着用者の体に適用する際にユーザーにつかまれ、したがって、多くの場合「使用者側」と呼ばれる。活性化可能な又は活性化された複合積層ウェブ材は、裏材のストリップの間に挟まれかつ取り付けられるのが好ましい。
【0095】
他のおむつ設計は、例えば、本質的に矩形状のおむつのシャーシに取り付けられたおむつにサイドパネルを提供することのできる、いわゆる弾性耳を用いる。本発明の活性化可能な又は活性化された複合積層ウェブ材は、おむつに良好な着用特性を付与するので、このようなサイドパネルに有利に使用され得る。
【0096】
本発明の活性化可能な又は活性化された複合積層ウェブ材は、更に、例えばウエストバンド領域又は股領域のようなおむつの他の部分に使用されてもよい。
【0097】
衛生用途において、本発明の複合積層ウェブ材は、活性化可能な又は活性化された形態、それぞれで用いることが可能である。本発明の活性化可能な複合積層ウェブ材を、例えば、おむつの閉鎖テープタブ又はサイドパネルに使用することによって加工利点が提供されるが、例えば、クロージャタブ又はサイドパネルをエンドユーザーが伸ばすことによって活性化する必要があり、これはユーザーに対する追加の使用説明を必要とする場合がある。
【0098】
本発明の活性化可能な又は活性化された複合積層ウェブ材は、例えば、繊維産業又は家具製造産業のような他の用途にも有用である。
【0099】
本発明は、例示的であり非限定的であると考えられる以下の実施例によって更に説明される。この前に、実施例で使用されるいくつかの試験方法を記載する。
【0100】
試験方法
弾性積層体ウェブの表面薄層及びコア層の厚さ並びにコア/表面厚さの割合
本発明に好適な弾性積層体の個々の表面薄層は典型的には非常に薄く(通常<5μm)、したがって、従来の光顕微鏡技術で個々の層の厚さを測定することは難しい可能性がある。弾性積層体ウェブの表面薄層及びコア層の厚さは、重量と密度の計算から第1の測定法によって決定した。弾性積層体の2.54cm×15.24cmのストリップを、ザルトリウスアナリスティック(Sartorius Analytic)計量器モデル#A120S(ニューヨーク州ウェストベリー(Westbury, N. Y.)のブリンクマン・インスツルメンツ社(Brinkman Instruments, Inc.))で小数点4位まで計量し、次にトルエン中で24時間にわたって溶解させた。コア層のブロックコポリマーのエラストマー成分及びポリスチレン成分はトルエン中で溶解可能だが、ポリオレフィン系の表面薄層は溶解しない。トルエン溶液は、ブフナー(Buchner)(商標)漏斗で濾過し、不溶性の部分を濾紙上に収集した。濾紙は、70℃で1時間乾燥させて、室温まで1時間にわたって平衡させ、続いて上記のザルトリウスアナリスティック計量器で小数点4位まで計量した。重量(溶解前後)、面積及び密度を使用して、表面薄層の厚さとコア層の厚さの合計を計算した。
【0101】
代替的測定方法によって、表面薄層の個々の厚さと弾性コア層の厚さとを、液体窒素下で弾性積層体ストリップを破砕して光学顕微鏡を使って写真を撮影し、長さ測定ソフトウェアを使用して写真の、それぞれの層厚さを測定することによって決定した。
【0102】
コア/表面厚さの割合は、表面薄層の厚さに対する弾性コア層の厚さの割合として(表面薄層が1つの弾性積層体の場合)、又は両方の表面薄層の厚さの合計に対する弾性コア層の厚さの割合として(表面薄層が2つの弾性積層体の場合)として求める。
【0103】
破断点伸び及び破断点引張強さ
不織ウェブと複合積層ウェブの両方に関して、破断点伸び及び破断点引張強さを、以下の修正を有するISO 527−3に従って測定した。
【0104】
織布ウェブ又は複合積層ウェブ、それぞれの2.54cm(機械方向)×10.2cm(横方向)片を、上部及び下部つかみ具を2.54cm離した引張試験機(ズウィック(Zwick)から入手可能なズウィック(商標)モデルZ005)に取り付けた。ライン接触つかみ具を使用して、つかみ具の滑り及び破損を最小限にした。次に、このつかみ具を127mm/分の速度で横方向において分離した。伸びをミリ及びパーセントで測定かつ記録し、対応する試料が破損した時の力をニュートンで測定かつ記録した。
【0105】
本明細書で用いられる伸びパーセントは次のように定義される。
【0106】
伸び%=(伸び長さ−初期長さ)/初期長さ×100
引張試験装置での、活性化可能な弾性積層体又は活性化可能な複合積層ウェブ、それぞれの伸び活性化
いずれの場合にも横方向に切断された、活性化可能な弾性積層体又は活性化可能な複合積層ウェブの2.54cm(機械方向)×10.2cm(横方向)片の、それぞれを、上部及び下部つかみ具を2.54cm離した引張試験機(ズウィックから入手可能なズウィック(商標)モデルZ005)に取り付けた。ライン接触つかみ具を使用して、つかみ具の滑り及び破損を最小限にした。次に、このつかみ具を127mm/分の速度で横方向において、2.54cm(100%)、3.81cm(150%)、並びに5.08cm(200%)の距離で、それぞれ分離した。
【0107】
活性化可能な弾性積層体又は活性化可能な複合積層ウェブ、それぞれの、ヒステリシス及び永久歪
いずれの場合にも横方向に切断された、活性化可能な弾性積層体又は活性化可能な複合積層ウェブの2.54cm(機械方向)×10.2cm(横方向)片のそれぞれを、上部及び下部つかみ具を2.54cm離した引張試験機(ズウィックから入手可能なズウィック(商標)モデルZ005)に取り付けた。ライン接触つかみ具を使用して、つかみ具の滑り及び破損を最小限にした。器具の移動速度(cross head speed)は127mm/分に設定した。伸びを、例えば、横方向において100%又は200%に設定した。これはつかみ具が、それぞれ25.4mm又は50.8mm移動することを意味する。終点で、つかみ具は滞留時間なしに逆行した。
【0108】
この実施例では、第1サイクルの後に追加のサイクルが行われ、それによってサイクルの間に滞留時間がなかったかどうかが示された。サイクル、それぞれの上方移動は「荷重」と呼ばれ、対応する下方移動は「除荷」と呼ばれる(第1サイクルは、例えば、第1荷重曲線と第1除荷曲線とを含む)。試験中のつかみ具の分離速度(=伸び速度)は127mm/分であった。
【0109】
それぞれの伸びサイクル後の永久歪は、このようなサイクルの下降曲線つまり除荷曲線が基準(即ちx−軸)を通過する点と定義される。これは伸びた後の長さ、つまり永久変形の増加の測定である。
【実施例】
【0110】
A:弾性積層体ウェブ
(実施例1)
連続共押出しプロセスを実施して3層積層体を形成した。外側の2つの非弾性表面薄層は、ベルギー国フェリュイ(Feluy, Belgium)のトータル・ペトロケミカルズ(Total Petrochemicals)から8069ポリプロピレンとして市販されているホモポリプロピレン(PP)(メルト・フロー・インデックス18g/10分)であり、それぞれの厚さは3μmであった。エラストマーコア層にはスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)/ポリスチレン(PS)(70:30)ポリマーを使用した。使用したSISは、オランダ国パーニス(Pernis, The Netherl)のクレイトン・ポリマーズ(Kraton Polymers)からクレイトン(Kraton)D1114、クレイトン1160SISゴムとして供給された、100%のスチレン−イソプレン−スチレン三元ブロックである。使用したPSのメルトフローレートは13cm3/10分であり、英国キャリントン(Carrington, UK)のノバ・ケミカルズ(Nova Chemicals)からノバ(Nova)3700クリスタル等級(Crystal Grade)のPSとして入手可能である。弾性コア層の厚さが49μmで、非弾性表面薄層の厚さが3μmであったので、上記のように測定したコア対表面比は8.2:1である。1つの押出成形機を使用してエラストマーコア層材を供給し、第2の押出成形機を使用して非弾性表面薄層材を、ドイツ国クロエレン(Cloeren, Germany)の会社から入手可能な3層クロエレン(Cloeren)(商標)フィードブロックに供給し、得られた層状の溶解物を1つのマニホールドフィルムダイを通して押し出して冷却ロール上にキャストした。
【0111】
横方向に10.2cm延在して機械方向に2.54cmの幅を有するように、得られた活性化可能な弾性積層体ウェブから試料を横方向に切断した。第1試料を、第1回目の活性化サイクルにおいて、上記のように伸び速度127mm/分で、ズウィック引張試験装置の上で、40%の伸びまで横方向に伸ばし、次に当該試料を弛緩させた。図3aは、第1回目の活性化サイクル後の弛緩状態のそうした試料の写真を示している。
【0112】
活性化可能な弾性積層体のさらなる試料を、それぞれの第1回目の活性化サイクルで、伸び速度127mm/分でズウィック引張試験装置の上で横方向において、それぞれ、80%、120%、並びに160%の伸びまで伸ばした。図3c、図3e及び図3gは、第1回目の活性化サイクル後の弛緩状態のそうした試料の写真を示している。
【0113】
(実施例2)
弾性コア層の厚さが(実施例1の49μmに代えて)72μmであり、2つの非弾性PP表面薄層の厚さが(実施例1の3μmに代えて)、それぞれ4μmであったこと以外は、上記実施例1の記載通りに実施例2を作製した。
【0114】
したがって、実施例2の弾性積層体のコア/表面厚さの割合は9.0:1であった。
【0115】
(実施例3)
弾性コア層の厚さが(実施例1の49μmに代えて)91μmであり、2つの非弾性PP表面薄層の厚さが(実施例1の3μmに代えて)、それぞれ4.4μmであったこと以外は、上記実施例1の記載通りに実施例3を作製した。
【0116】
したがって、実施例2の弾性積層体のコア/表面厚さの割合は10.3:1であった。
【0117】
比較例1
弾性コア層の厚さが(実施例1の49μmに代えて)112μmであり、2つの非弾性PP表面薄層の厚さが(実施例1の3μmに代えて)、それぞれ12.5μmであったこと以外は、上記実施例1の記載通りに比較例1を作製した。したがって、実施例2の弾性積層体のコア/表面厚さの割合は4.5:1であった。
【0118】
横方向に10.2cmの伸びを有し、機械方向の幅が2.54cmとなるように、得られた活性化可能な弾性積層体ウェブから試料を横方向に切断した。第1試料を、第1回目の活性化サイクルにおいて、上記のように、伸び速度127mm/分で、ズウィック引張試験装置の上で、40%の伸びまで横方向に伸ばし、続いて試料を弛緩した。図3bは、第1回目の活性化サイクル後の弛緩状態のそうした試料の写真を示している。
【0119】
活性化可能な弾性積層体のさらなる試料を、それぞれの第1回目の活性化サイクルにおいて同様に、伸び速度127mm/分で、ズウィック引張試験装置の上で、80%、120%、並びに160%の伸びまで横方向に、それぞれ伸ばされた。図3d、図3f、並びに図3hは、それぞれのケースにおける、第1回目の活性化サイクル後の弛緩状態の試料の写真を示している。
【0120】
部分的に又は本質的に完全に活性化された比較例1の弾性積層体の平面図を示している図3b、図3d、図3f、並びに図3hの写真と、部分的に又は本質的に完全に活性化された実施例1の弾性積層体を示している対応する図3a、図3c、図3e、並びに図3hの写真の比較は、それぞれ、本発明において有用な実施例1の活性化可能な弾性積層体が、第1回目の荷重において表面薄層の弾性限界を超えて横方向に伸ばされた場合、本質的に均質な微小構造の表面を形成することを示している。活性化可能な弾性積層体が伸び−活性化された場合に、活性化可能な積層体の本質的に透明な外観と比較して本質的に不透明な外観を生成するという点で、微小構造は巨視的に認識可能である。40%の伸びの後の弛緩状態で撮られた図3aの写真は比較的低度の不透明度を示し、一方、80%の伸びの後の弛緩状態で撮られた図3cの写真は、実施例の弾性積層体を、それぞれ、120%又は160%まで伸ばした場合、本質的にそれ以上増加しない極めて高い不透明度を示している。これによって、実施例1の弾性積層体は40%の伸びで部分的に活性化されるだけであるが、表面薄層の完全に発現した微小構造の表面によって特徴づけられる完全活性化は、約80%の伸びで達成されることがわかる。図3a及び図3hの、それぞれのわずかなしわは、延伸後の不適切な取扱いによるものであり、延伸の結果生じたものではなかった。
【0121】
これに対し、図3b、図3d、図3f、並びに図3hの平面写真から、本発明において有用ではない比較例1の活性化可能な弾性積層体が、第1回目の荷重において表面薄層の弾性限界を超えて横方向に伸ばされた場合、巨視的なよじれ及び顕著なネッキングを含む不均質な活性化外観を示すことがわかる。図3bは、40%の低い伸びで、部分的に活性化された弾性積層体が試料の上半分の位置でネッキングし始めることを示している。80%、120%、並びに160%の伸びで撮影された写真は、活性化可能な弾性積層体の試料の本質的に上半分のみで、ネッキング挙動及び活性化が増加するのを示している。図3hは、活性化可能な積層体の試料が160%の伸びでまだ完全に活性化していなかったことを示している。図4aは、80%の伸びにおける、比較例1の活性化可能な弾性積層体の試料の、本質的に透明な下半分を撮影した、100倍に拡大されたマイクロ写真である(図3dを参照のこと)。写真は、比較例1の伸ばされていない活性化可能な弾性積層体の表面構造に対応する本質的に滑らかな表面を示している。これに対し、図4bは、80%の伸びにおける、比較例1の活性化可能な弾性積層体の試料の、不透明で活性化された上半分を撮影した、100倍に拡大されたマイクロ写真である(図3dを参照のこと)。写真は、個別のしわと谷部分を含む微小構造を示している。
【0122】
実施例1及び実施例2の活性化可能な弾性積層体ウェブ、並びに比較例1の活性化可能な弾性積層体ウェブから、いずれの場合にも機械方向の幅が2.54cmである、更なる試料を横方向に切断した。試料のそれぞれは、伸ばし速度127mm/分で200%の伸びまで伸ばされ、図5aに示されるように第1回目の活性化サイクルが記録された。
【0123】
【数8】
【0124】
本発明において有用な実施例1及び実施例2の活性化可能な弾性積層体は、形状が同様な応力プロット−伸びプロットを有することがわかる。応力プロット−伸びプロットは共に、表面薄層の初期変形及び/又はひずみに伴うピークを本質的に示さず、弾性積層体を200%の伸びまで更に伸びるためには、ほとんど一定の力(実施例1)又はわずかに増加する力(実施例2)が必要である。実施例2の弾性積層体を伸ばす−活性化するのに必要な力が、実施例1の弾性積層体を伸ばす−活性化するのに必要な力よりも大きい主な理由は、実施例2の弾性積層体は実施例1の弾性積層体と比べて明らかに厚みの増大したコア層を含むからである。更に、実施例2の弾性積層体の表面薄層は、実施例1の弾性積層体の表面薄層よりわずかに厚い。
【0125】
それとは反対に、比較例1の活性化可能な弾性積層体の応力プロット−伸びプロットは、この材料が表面薄層の初期変形及び/又はひずみに伴う顕著な初期ピークを示すという点で著しく異なる。比較例1の弾性積層体を伸ばす−活性化するのに必要な力は、実施例1又は実施例2の弾性積層体、それぞれの延ばす−活性化に必要な力より明らかに大きい。更に、比較例1の活性化された弾性積層体は、約50%の永久歪を示し、これは実施例1及び実施例2の永久歪(それぞれにおいて約20%)に比べて明らかに大きい。実施例1及び実施例2、それぞれの弾性積層体に比べて比較例1の弾性積層体の挙動が全く異なる主な理由は、比較例1の弾性積層体の表面薄層の厚さが明らかに大きいことにあり、これは実施例1及び実施例2の、それぞれの弾性積層体と比較して、比較例1の弾性積層体のコア:表面厚さの比が明らかに小さいことを意味する。更に、実施例1及び実施例2の活性化された弾性積層体が、第1回目の除荷において80%の伸びで、それぞれ、約0.2N/cm(0.5N/インチ)及び約0.6N/cm(1.5N/インチ)の弾性収縮力を示すのに対して、比較例1の活性化された弾性積層体のこれらの条件下での弾性収縮力は約0N/cm(0N/インチ)であることがわかる。
【0126】
実施例3及び比較例1の活性化可能な弾性積層体ウェブから、いずれの場合にも機械方向の幅が2.54cmである更なる試料を横方向に切断した。各試料は、延伸速度127mm/分で500%の伸びまで横方向に伸ばされ、図5bに示されるように第1回目及び第5回目の活性化サイクルが記録された。
【0127】
【数9】
【0128】
B:不織ウェブ
(実施例4)
以下の不織ウェブを用意した。
【0129】
・ドイツ国シュワルツェンバッハ(Schwarzenbach, Germany)のサンドラー社(Sandler AG)よる市販のカードされた不織ウェブサワボンド4147。サワボンド4147はPPとCoPPとの均質なブレンドから作られる短繊維から製造され、処理前の繊維伸びは約250〜350%である。カードされた不織ウェブは、11%接合領域に合わせられたカレンダ(calander)装置で、約145〜150℃の温度で熱接合される。
【0130】
サワボンド4147の更なる特性は次の通りである。
【0131】
−坪量約22g/m2
−繊維タイター約2.2デシテックス
−短繊維長さ約40mm
−1平方センチメートル当たり約25の本質的に均質に分布した接合点
−繊維配向約5:1〜6:1(機械方向/横方向)
・ドイツ国シュワルツェンバッハのサンドラー社による市販のカードされた不織ウェブサワボンド4141。サワボンド4141はPPとCoPPとの均質なブレンドから作られる短繊維から製造され、処理前伸びは約250〜350%である。カードされた不織ウェブは、21%接合領域に合わせられたカレンダ装置で、約145〜150℃の温度で熱接合される。
【0132】
サワボンド4141の更なる特性は次の通りである。
【0133】
−坪量約24g/m2
−繊維タイター約2.2デシテックス
−短繊維長さ約40mm
−1平方センチメートル当たり約21の、ワッフル型パターンに分布した接合点
−繊維配向約5:1〜6:1(機械方向/横方向)
・ドイツ国シュワルツェンバッハのサンドラー社による市販のカードされた不織ウェブサワボンド4313。サワボンド4141は、S/Cバイコファイバー(bicofibres)短繊維、コア構成要素PP、シース構成要素PEから作られ、処理前伸びは約200〜350%である。カードされた不織ウェブは、26%接合領域に合わせられたカレンダ装置で、約125〜140℃の温度で熱接合される。
【0134】
サワボンド4313の更なる特性は次の通りである。
【0135】
−坪量約22g/m2
−繊維タイター約2.2デシテックス
−短繊維長さ約40mm
−1平方センチメートル当たり約60の本質的に均質に分布した接合点
−繊維配向約5:1〜6:1(機械方向/横方向)
・チェコ共和国ズノイモ(Znojmo, Czech Republic)のペガス不織布(Pegas Nonwovens)から市販のスパンボンド不織ウェブペガテックス(Pegatex)SSS。
【0136】
ペガテックスの更なる特性は次の通りである。
【0137】
−坪量約30g/m2
−繊維タイター約2デシテックス
横方向に切断した2.54cm(機械方向)×10.2cm(横方向)片を、上記のような上部及び下部つかみ具を2.54cm離した引張試験機(ズウィックから入手可能なズウィック(商標)モデルZ005)に取り付けた。次につかみ具を127mm/分の速度で横方向に離し、図6の応力プロット−伸びプロットを記録した。
【0138】
図6から、230%超過の破断点伸びを示すカードされた不織ウェブサワボンド4147及び約130%の破断点伸びを示すサワボンド4141が本発明において有用であることがわかる。これに対し、約90%の破断点伸びを示すカードされた不織ウェブ4313は、十分な及び/又は所望の活性化が可能ではないという理由から本発明において有用ではない。スパンボンドウェブペガテックスSSSは3種のカードされたウェブ全てと比べて明らかに高い応力を必要とする。更に、ペガテックスSSSの破断点伸びは約70%であり、したがって、本発明での使用に好適ではない。
【0139】
C:複合積層ウェブ
(実施例5)
2つの別個の、上記のカードされた不織ウェブサワボンド4147を用意した。それぞれの不織ウェブの一方の主要面に、オランダ国ローセンダール(Roosendaal, The Netherlands)のボスチク社オランダ(Bostik Company Netherlands B. V.)から市販のホットメルト接着剤HX20025−02を、弾性積層体ウェブへの積層前の不織ウェブ上に、ドイツ国リューネブルク(Luneburg, Germany)のカンパニー・ノードソン・エンジニアリング社(Company Nordson Engineering GmbH)から市販のポロスコート(Porous Coat)(登録商標)アプリケータを用いて、坪量5g/m2で全幅に連続的にコーティングした。
【0140】
コア/表面厚さの割合が8.2:1である実施例1の活性化可能な弾性積層体ウェブを得た。
【0141】
2つの不織ウェブと活性化可能な弾性積層体ウェブとを、ホットメルト接着剤層が活性化可能な弾性積層体ウェブの表面薄層に対向した状態で弾性積層体ウェブが2つの不織ウェブ層の間に挟まれるように、ニップに送り込んだ。ニップは、追加温度や冷却のないスチールロール及び別のゴムロールで形成されており、不織ウェブ及び活性化可能な弾性積層体ウェブをゼロ歪の条件下で積層した。
【0142】
得られた活性化可能な複合積層体を、上記のように、第1回目の活性化サイクルにおいて、伸び速度127mm/分で、ズウィック(商標)引張試験装置の上で、100%の伸びまで横方向に活性化した。得られた活性化された複合積層体は、第1回目の除荷後に弛緩状態におかれた場合、不織ウェブの表面と同様の滑らかかつ平らな表面を呈した。活性化された複合積層ウェブの不織布層は本質的に、巨視的なひだ又は折り畳みを示さなかった。続くサイクルにおいて、活性化された複合積層体は100%まで延伸され得、本質的に複合積層ウェブの外観が変化することなく回復することが可能であった。
【0143】
(実施例6)
実施例1の活性化可能な弾性積層体ウェブに代えて実施例2の活性化可能な弾性積層体ウェブを使用した以外は実施例5を繰り返した。
【0144】
得られた活性化可能な複合積層体を、上記のように、第1回目の活性化サイクルにおいて、伸び速度127mm/分で、ズウィック(商標)引張試験装置の上で、100%の伸びまで横方向に活性化した。得られた活性化された複合積層体は、第1回目の除荷後に弛緩状態におかれた場合、不織ウェブの表面と同様の滑らかかつ平らな表面を呈した。活性化された複合積層ウェブの不織布層は本質的に、巨視的なひだ又は折り畳みを示さなかった。続くサイクルにおいて、活性化された複合積層体は100%まで伸ばすことができ、本質的に複合積層ウェブの外観が変化することなく回復することが可能であった。
【0145】
図5dは、実施例6の活性化された複合積層ウェブの外観と、対応する非活性化複合積層ウェブの外観との直接的な比較を示す。図5dに示される実施例6の複合積層ウェブ部分は、上記のようにダイバージングディスク延伸装置で活性化された。図5dで「非活性化」と呼ばれる複合積層体の端部領域は、ベルトとプーリの上の相互に作用する隆起部及び溝のような相互案内手段にクランプされており、したがって、活性化されていない。非活性化端部領域から横方向に伸びる複合積層体部分の残りの領域は伸ばされており、したがって、「活性化」と呼ばれる。図5dの複合積層体部分の非活性化領域及び活性化領域の、それぞれの、目視検査で、これら2つの領域の外観は本質的に同一であることが示される。
【0146】
(実施例7)
実施例1の活性化可能な弾性積層体ウェブに代えて実施例3の活性化可能な弾性積層体ウェブを使用した以外は実施例5を繰り返した。
【0147】
得られた活性化可能な複合積層体は、上記のように、第1回目の活性化サイクルにおいてズウィック(商標)引張試験装置の上で、伸び速度127mm/分で横方向に100%の伸びまで活性化された。得られた活性化された複合積層体は、第1回目の除荷後に弛緩状態におかれた場合、不織ウェブの表面と同様の滑らかかつ平らな表面を呈した。活性化された複合積層ウェブの不織布層は、本質的に、巨視的なひだ又は折り畳みを示さなかった。続くサイクルにおいて、活性化された複合積層体は100%まで伸ばすことができ、本質的に複合積層ウェブの外観が変化することなく回復することが可能であった。
【0148】
図5cは、上記のように延伸速度127mm/分で記録された、実施例5〜7の複合積層ウェブの、横方向への第1回目の活性化〜第3回目の活性化を示している。
【0149】
【数10】
【0150】
実施例5〜7の活性化可能な複合積層体は形状が、同様な応力プロット−伸びプロットを有することがわかる。実施例6及び実施例7の複合積層体を伸ばす−活性化するのに必要な力が、実施例5の複合積層体を伸ばす−活性化するのに必要な力による大きい主な理由は、実施例6及び実施例7の弾性積層体は実施例5の弾性積層体よりも厚みの増大したコア層を含むからである。更に、実施例6及び実施例7の弾性積層体は、それぞれ、実施例5の表面薄層よりも厚みの増大した表面薄層を含む。
【0151】
(実施例8)
機械方向に延在し、横方向の幅が2mmの、直線で平行な接着剤ストリップを適用して、不連続なやり方で、ホットメルト接着剤HX20025−02を2つのカードされた不織ウェブサワボンド4147にコーティングした以外は、実施例5を繰り返した。不織ウェブの、それぞれの表面の66%に接着剤がコーティングされるように、接着剤ストリップの間の接着剤のない領域の横方向の幅は1mmであった。実施例5と同様に、接着剤は坪量5g/m2でコーティングされた。接着剤のストリップコーティングは修正された間隔プレートによって達成された。
【0152】
得られた活性化可能な複合積層体は、上記のように、第1回目の活性化サイクルにおいてズウィック(商標)引張試験装置の上で、伸び速度127mm/分で横方向に100%の伸びまで活性化された。得られた活性化された複合積層体は、第1回目の除荷後に弛緩状態におかれた場合、実施例5の活性化された複合積層体の外観と比較して、より手触りがふっくらとして厚いように思われる滑らかかつ平らな表面を呈した。これは、接着剤ストリップの間の接着剤をコーティングしていない領域に小さなひだが形成されたことによる。不織布層は無傷であり破断しなかった。
【0153】
続くサイクルにおいて、活性化された複合積層体は100%まで伸ばすことができ、複合積層ウェブの外観が変化することなく回復することが可能であった。
【0154】
(実施例9)
接着剤ストリップの横方向の幅が1mmであり、これらストリップの間の接着剤のない領域の横方向の幅が2mmであった以外は、実施例8が繰り返された。
【0155】
得られた活性化可能な複合積層体は、上記のように、第1回目の活性化サイクルにおいてズウィック(商標)引張試験装置の上で、伸び速度127mm/分で横方向に100%の伸びまで活性化された。得られた活性化された複合積層体は、第1回目除荷後に弛緩状態におかれた場合、機械方向に延在する線を含む本質的に滑らかかつ平らな表面を呈した。しかしながら、不織布は無傷でありこれらの線で破断することはなかった。活性化された複合積層体は、実施例5の活性化された複合積層体の外観に比べてより手触りがふっくらとして厚いように思われた。
【0156】
続くサイクルにおいて、活性化された複合積層体は100%まで伸ばすことができ、複合積層ウェブの外観が変化することなく回復することが可能であった。
【0157】
次の表1は、実施例5の連続的に接着接合された積層体の伸び−伸び挙動を、実施例8及び実施例9の不連続的に接着接合された積層体と比較している。
【0158】
【表1】
【0159】
横方向への5%の伸びを得るために必要な力は、実施例5の全幅に接着剤をコーティングした複合積層体に比べて、実施例8及び実施例9のストリップ接合された複合積層体の方が有意に小さいことが表1からわかる。
【0160】
【表2】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性コア層と、前記コア層よりも弾性が低い少なくとも1つの表面薄層と、を有する活性化可能な弾性積層体ウェブ、及び前記弾性積層体ウェブの前記表面薄層の一方に取り付けられた少なくとも1つの予め接合された短繊維不織ウェブを含み、前記少なくとも1つの短繊維不織ウェブが、横方向において少なくとも100%の破断点伸びを有し、そして前記活性化可能な弾性積層体ウェブが、第1回目の荷重において、前記1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えて横方向に伸ばされた場合、本質的に均質な微小構造の表面を形成する、活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブ。
【請求項2】
前記短繊維不織ウェブが、カードされた不織ウェブである、請求項1に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項3】
前記不織ウェブが、熱的に予め接合されている、請求項1又は2に記載の活性化可能な複合積層体。
【請求項4】
前記予め接合された短繊維不織ウェブが、前記ウェブの表面に対して8〜22%の接合領域を示す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項5】
前記短繊維不織ウェブが、前記ウェブにわたって、多数の別個の熱接合点によって熱的に接合されている、請求項3又は4に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項6】
前記熱的な接合が、15〜30cm−2の密度を有する個々の接合点によって達成されている、請求項5に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項7】
前記短繊維不織ウェブが、機械方向において、30〜60mmの平均短繊維長さを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項8】
前記短繊維不織ウェブが、約5:1〜7:1の機械方向における引張り強度:横方向における引張り強度の比を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項9】
前記短繊維不織ウェブの破断点伸びが、少なくとも120%、好ましくは少なくとも150%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項10】
前記短繊維不織ウェブが、綿、レーヨン、ポリエチレン及びポリプロピレンを含むポリオレフィン、ナイロンを含むポリアミド、ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル、アラミド、並びにこれらのブレンドの、天然繊維又は合繊繊維からなる群から選択された1種以上の繊維を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項11】
前記弾性積層体ウェブのコア層の厚さ:そうしたウェブの前記少なくとも1つの表面薄層の厚さの比、又は前記弾性積層体ウェブのコア層の厚さ:そうしたウェブの前記表面薄層の合計の厚さの比が、それぞれ、少なくとも6:1である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項12】
前記弾性積層体ウェブが、前記第1回目の荷重で200%の伸びまで伸ばされた場合、第1回目の除荷の間の80%の伸びで、少なくとも0.12N/cm(0.3N/インチ)の収縮力を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項13】
前記弾性積層体ウェブが、前記第1回目の荷重で200%の伸びまで伸ばされた場合、第1回目の除荷の間に30%未満の永久歪を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項14】
前記弾性コアが、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)又はスチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)ブロックコポリマーエラストマーポリウレタンを含むブロックコポリマー、エラストマーエチレンビニルアセテート、エチレン/プロピレンコポリマーエラストマー及びエチレン/プロピレンジエンコポリマーエラストマーを含むエラストマエチレンコポリマー、並びにこれらのブレンドからなる群から選択された1種以上のエラストマーを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの表面薄層が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン及びポリエチレン−ポリプロピレンを含むポリオレフィン及びポリオレフィンコポリマー、ナイロンを含むポリアミド、ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル、並びにこれらのブレンドからなる群から選択された1種以上のポリマーを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの短繊維不織布層が、熱接合、超音波接合、又は接着接合によって前記弾性積層体に取り付けられている、請求項1〜15のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項17】
前記接着接合が、連続した接着剤層によって達成される、請求項16に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項18】
前記接着接合が、不連続な接着剤層によって達成される、請求項16に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項19】
前記機械方向に延在する本質的に直線及び/又は曲線の接着剤ストリップを含む、請求項18に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項20】
前記接着層が、機械方向に延在する本質的に直線かつ平行な接合ストリップを含む、請求項19に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項21】
前記接着剤ストリップが、横方向において0.5〜3mmの幅を示し、そして前記接着剤の線の間の接着剤のない間隔が、0.5〜3mmである、請求項19又は20に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項22】
弾性コア層と、前記コア層よりも弾性が低い少なくとも1つの表面薄層と、を有する活性化可能な弾性積層体ウェブ、及び前記弾性積層体ウェブの前記表面薄層の一方に取り付けられた少なくとも1つの予め接合された短繊維不織ウェブを含み、前記少なくとも1つの短繊維不織ウェブが、横方向に少なくとも100%の破断点伸び、及び前記不織ウェブの表面に対して8〜22%の接合領域を有し、前記弾性積層体ウェブが、少なくとも6:1の前記弾性積層体ウェブのコア層の厚さ:そうしたウェブの前記少なくとも1つの表面薄層の厚さの比、又は少なくとも6:1の前記弾性積層体ウェブのコア層の厚さ:そうしたウェブの前記表面薄層の合計の厚さの比を有し、少なくとも1つの短繊維不織布層が、前記弾性積層体に不連続な接着剤層によって取り付けられている、活性化可能なゼロ歪複合積層ウェブ。
【請求項23】
ロールの形状に巻き上げられている、請求項1〜22のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブを、前記1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えるが、前記短繊維不織ウェブの破断点伸び未満で伸ばすことによって得られる、活性化された複合積層ウェブ。
【請求項25】
ロールの形状に巻き上げられている、請求項24に記載の活性化された複合積層ウェブ。
【請求項26】
第1回目の荷重で100%の伸びまで伸ばされた場合、第1回目の除荷の間に60%の伸びで、少なくとも0.2N/cm(0.5N/インチ)の収縮力を有する、請求項24又は25に記載の活性化された複合積層ウェブ。
【請求項27】
請求項24〜26の活性化された複合積層ウェブから一部を横方向に切断することによって得られる、活性化された複合積層体部分。
【請求項28】
それぞれが締結手段と請求項27に記載の活性化された複合積層体とを含む、閉鎖テープタブ又はサイドパネル。
【請求項29】
(i)弾性コア層と、前記コア層よりも弾性が低い少なくとも1つの表面薄層とを有し、前記第1回目の荷重において前記1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えて横方向に伸ばされた場合、本質的に均質な微小構造の表面を形成する、活性化可能な弾性積層体ウェブを提供する工程と、
(ii)少なくとも100%横方向の破断点伸びを有する、少なくとも1つの短繊維不織ウェブを提供する工程と、
(iii)前記短繊維不織ウェブを、前記弾性積層体ウェブに取り付け、それによって前記活性化可能な弾性積層体ウェブが、本質的に非伸張状態に維持される工程と、
を含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層体を製造する方法。
【請求項30】
(i)請求項1〜23に記載の活性化可能な複合積層ウェブを提供する工程と、
(ii)前記活性化可能な複合積層ウェブを、横方向に、前記1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えるが、前記短繊維不織布層ウェブの破断点伸び未満で伸ばす工程と、
を含む、請求項24〜27に記載の活性化された複合積層ウェブを製造する方法。
【請求項31】
前記活性化可能な複合積層ウェブが、ダイバージングディスク延伸装置又はリングロール装置で伸ばされる、請求項30に記載の方法。
【請求項1】
弾性コア層と、前記コア層よりも弾性が低い少なくとも1つの表面薄層と、を有する活性化可能な弾性積層体ウェブ、及び前記弾性積層体ウェブの前記表面薄層の一方に取り付けられた少なくとも1つの予め接合された短繊維不織ウェブを含み、前記少なくとも1つの短繊維不織ウェブが、横方向において少なくとも100%の破断点伸びを有し、そして前記活性化可能な弾性積層体ウェブが、第1回目の荷重において、前記1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えて横方向に伸ばされた場合、本質的に均質な微小構造の表面を形成する、活性化可能なゼロ歪の複合積層ウェブ。
【請求項2】
前記短繊維不織ウェブが、カードされた不織ウェブである、請求項1に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項3】
前記不織ウェブが、熱的に予め接合されている、請求項1又は2に記載の活性化可能な複合積層体。
【請求項4】
前記予め接合された短繊維不織ウェブが、前記ウェブの表面に対して8〜22%の接合領域を示す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項5】
前記短繊維不織ウェブが、前記ウェブにわたって、多数の別個の熱接合点によって熱的に接合されている、請求項3又は4に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項6】
前記熱的な接合が、15〜30cm−2の密度を有する個々の接合点によって達成されている、請求項5に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項7】
前記短繊維不織ウェブが、機械方向において、30〜60mmの平均短繊維長さを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項8】
前記短繊維不織ウェブが、約5:1〜7:1の機械方向における引張り強度:横方向における引張り強度の比を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項9】
前記短繊維不織ウェブの破断点伸びが、少なくとも120%、好ましくは少なくとも150%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項10】
前記短繊維不織ウェブが、綿、レーヨン、ポリエチレン及びポリプロピレンを含むポリオレフィン、ナイロンを含むポリアミド、ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル、アラミド、並びにこれらのブレンドの、天然繊維又は合繊繊維からなる群から選択された1種以上の繊維を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項11】
前記弾性積層体ウェブのコア層の厚さ:そうしたウェブの前記少なくとも1つの表面薄層の厚さの比、又は前記弾性積層体ウェブのコア層の厚さ:そうしたウェブの前記表面薄層の合計の厚さの比が、それぞれ、少なくとも6:1である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項12】
前記弾性積層体ウェブが、前記第1回目の荷重で200%の伸びまで伸ばされた場合、第1回目の除荷の間の80%の伸びで、少なくとも0.12N/cm(0.3N/インチ)の収縮力を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項13】
前記弾性積層体ウェブが、前記第1回目の荷重で200%の伸びまで伸ばされた場合、第1回目の除荷の間に30%未満の永久歪を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項14】
前記弾性コアが、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)又はスチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)ブロックコポリマーエラストマーポリウレタンを含むブロックコポリマー、エラストマーエチレンビニルアセテート、エチレン/プロピレンコポリマーエラストマー及びエチレン/プロピレンジエンコポリマーエラストマーを含むエラストマエチレンコポリマー、並びにこれらのブレンドからなる群から選択された1種以上のエラストマーを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの表面薄層が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン及びポリエチレン−ポリプロピレンを含むポリオレフィン及びポリオレフィンコポリマー、ナイロンを含むポリアミド、ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル、並びにこれらのブレンドからなる群から選択された1種以上のポリマーを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの短繊維不織布層が、熱接合、超音波接合、又は接着接合によって前記弾性積層体に取り付けられている、請求項1〜15のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項17】
前記接着接合が、連続した接着剤層によって達成される、請求項16に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項18】
前記接着接合が、不連続な接着剤層によって達成される、請求項16に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項19】
前記機械方向に延在する本質的に直線及び/又は曲線の接着剤ストリップを含む、請求項18に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項20】
前記接着層が、機械方向に延在する本質的に直線かつ平行な接合ストリップを含む、請求項19に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項21】
前記接着剤ストリップが、横方向において0.5〜3mmの幅を示し、そして前記接着剤の線の間の接着剤のない間隔が、0.5〜3mmである、請求項19又は20に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項22】
弾性コア層と、前記コア層よりも弾性が低い少なくとも1つの表面薄層と、を有する活性化可能な弾性積層体ウェブ、及び前記弾性積層体ウェブの前記表面薄層の一方に取り付けられた少なくとも1つの予め接合された短繊維不織ウェブを含み、前記少なくとも1つの短繊維不織ウェブが、横方向に少なくとも100%の破断点伸び、及び前記不織ウェブの表面に対して8〜22%の接合領域を有し、前記弾性積層体ウェブが、少なくとも6:1の前記弾性積層体ウェブのコア層の厚さ:そうしたウェブの前記少なくとも1つの表面薄層の厚さの比、又は少なくとも6:1の前記弾性積層体ウェブのコア層の厚さ:そうしたウェブの前記表面薄層の合計の厚さの比を有し、少なくとも1つの短繊維不織布層が、前記弾性積層体に不連続な接着剤層によって取り付けられている、活性化可能なゼロ歪複合積層ウェブ。
【請求項23】
ロールの形状に巻き上げられている、請求項1〜22のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブ。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層ウェブを、前記1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えるが、前記短繊維不織ウェブの破断点伸び未満で伸ばすことによって得られる、活性化された複合積層ウェブ。
【請求項25】
ロールの形状に巻き上げられている、請求項24に記載の活性化された複合積層ウェブ。
【請求項26】
第1回目の荷重で100%の伸びまで伸ばされた場合、第1回目の除荷の間に60%の伸びで、少なくとも0.2N/cm(0.5N/インチ)の収縮力を有する、請求項24又は25に記載の活性化された複合積層ウェブ。
【請求項27】
請求項24〜26の活性化された複合積層ウェブから一部を横方向に切断することによって得られる、活性化された複合積層体部分。
【請求項28】
それぞれが締結手段と請求項27に記載の活性化された複合積層体とを含む、閉鎖テープタブ又はサイドパネル。
【請求項29】
(i)弾性コア層と、前記コア層よりも弾性が低い少なくとも1つの表面薄層とを有し、前記第1回目の荷重において前記1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えて横方向に伸ばされた場合、本質的に均質な微小構造の表面を形成する、活性化可能な弾性積層体ウェブを提供する工程と、
(ii)少なくとも100%横方向の破断点伸びを有する、少なくとも1つの短繊維不織ウェブを提供する工程と、
(iii)前記短繊維不織ウェブを、前記弾性積層体ウェブに取り付け、それによって前記活性化可能な弾性積層体ウェブが、本質的に非伸張状態に維持される工程と、
を含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の活性化可能な複合積層体を製造する方法。
【請求項30】
(i)請求項1〜23に記載の活性化可能な複合積層ウェブを提供する工程と、
(ii)前記活性化可能な複合積層ウェブを、横方向に、前記1つ以上の表面薄層の弾性限界を超えるが、前記短繊維不織布層ウェブの破断点伸び未満で伸ばす工程と、
を含む、請求項24〜27に記載の活性化された複合積層ウェブを製造する方法。
【請求項31】
前記活性化可能な複合積層ウェブが、ダイバージングディスク延伸装置又はリングロール装置で伸ばされる、請求項30に記載の方法。
【図1】
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図3h】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図3h】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【公表番号】特表2010−503781(P2010−503781A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528445(P2009−528445)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/078245
【国際公開番号】WO2008/033903
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【出願人】(509073730)ザンドラー アクチェンゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/078245
【国際公開番号】WO2008/033903
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【出願人】(509073730)ザンドラー アクチェンゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】
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