説明

活性物質を担持するイオン交換樹脂および増粘剤として本質的に粘性のあるゲル化剤を含む経口医薬製剤

【課題】経口投与用の医薬製剤を提供する。
【解決手段】イオン交換剤に結合している少なくとも1の有効成分を含有する経口投与用医薬製剤を提供する。本発明の製剤は、特に動物における物理的安定性および受容性を改善するために、増粘剤として本質的に粘性のあるゲル化剤も含有する。従って、本発明は以下のものを提供する:イオン交換剤に結合した1またはそれ以上の活性物質を含む医薬製剤であって、担持されたイオン交換剤が少なくとも1の擬塑性ゲル形成剤を含む担体媒体中に分散していることを特徴とする医薬製剤、および、特に獣医学における、活性物質を担持するイオン交換剤および少なくとも1の擬塑性ゲル形成剤を含む医薬製剤の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン交換剤に結合している1またはそれ以上の活性物質を含む経口投与用の医薬製剤に関する。特に動物における物理的安定性および受容性を改善するために、擬塑性(pseudoplastic)のゲル形成性増粘剤が含まれる。
【背景技術】
【0002】
活性医薬物質を投与しやすくするためにイオン交換樹脂に結合させることは、例えば元来著しい匂いをもつ活性物質について、長く知られてきた(CH383552)。長期間に渡る均一な活性物質の放出を成すために、活性医薬物質をイオン交換樹脂に結合させることも知られている(DE3028082)。加えて、活性物質の味に影響を与えるために、活性駆虫物質をイオン交換樹脂に結合させることも知られている(DE3028082)。イオン交換樹脂に結合させることにより、キノロン抗生物質の苦味を隠し、動物への投与を可能にすることもできる(EP−A−295495)。
【0003】
上述の文章は、イオン交換樹脂に結合している苦味のあるキノロンカルボン酸誘導体の製剤およびその製造を記載している。問題のイオン交換樹脂には、マトリックスがゲル様または多孔性であり得る、弱酸性陽イオン型のものが含まれる。イオン交換剤に適する基材モノマーは、適切な側鎖を利用して官能化され、陽イオン交換樹脂をもたらし得る、重合可能モノマーである。イオン交換剤は、商品名 Lewatit(登録商標)、Amberlite(登録商標)、Purolite(登録商標)または Dowex(登録商標)で知られている。対応する製剤は、ブタの飼料医薬として獣医学において記載されてきた。
【0004】
イオン交換剤のしばしば好ましくない表面の特質のために、液状懸濁物中で粒子が沈降した後に、堆積物の激しいケーク化が頻繁に導かれる。
【0005】
我々の特許出願WO03/007995は、粒子の少なくとも90%が50μmより小さいように粉砕することによる、そのようなイオン交換剤の安定化を記載している。恐らく不規則な表面が丸くなる結果として、形成される堆積物は、容易に再撹拌される。しかしながら、この種の粉砕操作は、非常に面倒であり、そのような製剤の製造をかなり高価にしている。
【0006】
また、ゲル形成剤(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース)の使用により、堆積がもはや起こらない程度まで医薬製剤を固めることも知られている。しかしながら、この種の半固体製剤は、それら自体の重力のもとで、もはや流動しない。そのような製剤で液状医薬形態を実現するのは困難である。
【0007】
さらに、イオン交換樹脂の液状水性懸濁物は、擬塑性ゲル形成剤(例えば、ポリアクリル酸、キサンタン、トラガカント、Naカルボキシメチルセルロース、ベントナイト)を使用して安定化できることが知られている。例えば、US6146622およびUS2002035154は、ポリアクリル酸(Carbopol 974 P)またはキサンタンで安定化されている陽イオン交換剤の水性懸濁物を記載している。US5612026は、陰イオン交換剤およびキサンタンを含む飲料混合物を記載している。Balkus ら (Langmuir, 12, 6277-6281 (1996)) は、ガドリニウム含有ヘクトライト(hectorite)懸濁物のキサンタンによる安定化を公表した。擬塑性ポリマーを使用して堆積に対して安定化されている水性イオン交換懸濁物についてのさらなる記載は、JP05279245、JP05279246、Sprockel et al., Drug Dev. Ind. Pharm. 15, 1275-1287 (1989)、EP139881、JP01071823、JP01071822およびJP63230636に見出すことができる。静置状態で、この種の懸濁物は高い粘性を有し、それにより懸濁されたイオン交換剤粒子の堆積を防止する。力を加えると、系は液化し、容易にポンプで汲み出したりスプレーしたりすることができる。
【0008】
驚くべきことに、この度、擬塑性ポリマーで増粘された活性物質担持イオン交換剤の懸濁物が、特に良好な食感であり、経口投与後に非常に良好に受容され耐用されることが判明した。そのような懸濁物は、さらに、固体成分の堆積に対して安定であり、経口投与用組成物に望ましい、有利な流動特性を有する。胃での吸収の後、活性医薬物質は迅速にイオン交換剤から分離する。従って、非結合有効物質と比較して薬物動態学的プロフィールにほとんど差がない。
【発明の概要】
【0009】
従って、本発明は以下のものを提供する:
・イオン交換剤に結合した1またはそれ以上の活性物質を含む医薬製剤であって、担持されたイオン交換剤が少なくとも1の擬塑性ゲル形成剤を含む担体媒体中に分散していることを特徴とする、医薬製剤。
・特に獣医学における、活性物質を担持するイオン交換剤および少なくとも1の擬塑性ゲル形成剤を含む医薬製剤の使用。
【発明を実施するための形態】
【0010】
使用できる擬塑性ゲル形成剤の例には、微結晶性セルロース、セルロースエーテル類(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、Naカルボキシメチルセルロース)、キサンタン、トラガカント、グアールガム、アラビアガム、デンプンおよびNaカルボキシメチルデンプンなどのデンプン誘導体、ゼラチン、高分散シリカ(例えば、Aerosil)、ポリアクリル酸、ステアリン酸アルミニウムまたはベントナイトが含まれる。上述のゲル形成剤を相互に組み合わせることも可能である。
【0011】
高分散シリカは、非水性担体液体の増粘に好ましく使用される。水性担体液体の増粘には、微結晶性セルロース、セルロースエーテル類、キサンタン、ポリアクリル酸およびベントナイト、または上述のゲル形成剤の混合物を使用するのが好ましい。これに関して、微結晶性セルロース、Naカルボキシメチルセルロース、キサンタン、ポリアクリル酸およびベントナイトを使用するのが特に好ましい。
【0012】
イオン交換樹脂は、例えば、ゲル様または多孔性のマトリックスを有し得る。イオン交換剤に適する基材モノマーには、適切な官能化を利用してイオン交換樹脂に変換できる重合可能モノマーが含まれる。適するモノマーの例には、(メト)アクリル酸塩、(メト)アクリロニトリルおよびスチレン誘導体が含まれる。基材ポリマーの製造に使用されるさらなるコモノマーには、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリル酸塩またはメチレンビスアクリルアミドなどのポリビニル化合物が含まれる。適切な官能基を有するフェノールホルムアルデヒド樹脂を例とする、イオン交換剤をもたらす縮合樹脂もまた適する。
【0013】
使用できるイオン交換剤は知られている。様々なイオン交換剤のタイプおよびそれらの製造のさらなる詳細は、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry (Release 2001, 6th Edition)に見出すことができる。好ましい多孔性樹脂は、様々な孔容量を有し得る。適するイオン交換樹脂のクロスリンクの程度は、好ましくは20%まで、特に好ましくは12%までである。合成樹脂は通常1ないし300μm、好ましくは10ないし200μmの粒子サイズを有する。通例の市販イオン交換樹脂の例は、Lewatit(登録商標)、Amberlite(登録商標)、Dowex(登録商標)およびPurolite(登録商標)である。
【0014】
塩基性または陽イオン性活性物質を結合するために、酸性イオン交換剤を使用することが可能である。
使用される強酸性イオン交換剤は、好ましくはポリ(スチレン、ジビニルベンゼン)スルホン酸をベースとするものである。言及し得る例には、以下のものが含まれる:
・Amberlite IPR 69:Na形態のポリ(スチレン、ジビニルベンゼン)スルホン酸;通常粒子サイズ:10−25%>75μm、最大1%>150μm、K交換能力:110−135mg/g、2.75−3.38eq/kgに相当
・Purolite C 100 H MR:H形態のポリ(スチレン、ジビニルベンゼン)スルホン酸;通常粒子サイズ:最大1%>150μm、交換能力:少なくとも3.2eq/kg
・Purolite C 100 MR:Na形態のポリ(スチレン、ジビニルベンゼン)スルホン酸、Amberlite IPR 69 に相当
・Lewatit Catalyst K 1481:H形態のポリ(スチレン、ジビニルベンゼン)スルホン酸;通常粒子サイズ:最小97%<30μm、交換能力:5.0eq/kg
・Lewasorb SW 12:Na形態のポリ(スチレン、ジビニルベンゼン)スルホン酸、他は Lewatit K 1481 に相当。
【0015】
弱酸性陽イオン交換剤として、特にメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマー類をベースとするものが使用される。例には、以下のものが含まれる:
・Amberlite IPR 64:H形態のメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマー;通常粒子サイズ:15−30%>75μm、最大1%>150μm、交換能力:最小10eq/kg
・Purolite C 115 K MR:カリウム形態のメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマー;通常粒子サイズ:最大1%>150μm
・Purolite C 115 H MR:H形態のメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマー、他は Purolite C 115 K MR と同様
・Lewatit CNP 105:多孔性のH形態のメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマー、交換能力:最小1.4eq/l。
【0016】
酸性および陰イオン性活性物質を結合するために、陰イオン交換剤を使用することが可能である。
使用される陰イオン交換剤は、好ましくは、アミンおよび/またはアンモニウム側鎖基を有するポリスチレン樹脂である。言及し得る例には、以下のものが含まれる:
・Purolite A 430 MR:ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)トリメチル塩化アンモニウム、交換能力3.7−4.8eq/kg
・Lewatit MP 500:ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)トリメチル塩化アンモニウム、交換能力:最小1.1eq/l
Lewatit MP 62 WS:ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ジメチルアミン、交換能力:最小1.7eq/l
・Duolite AP143/1093:ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)トリメチル塩化アンモニウム、交換能力3.7−4.8eq/kg。
【0017】
陽イオン交換剤に結合する能力のある、塩基性官能基を有する活性医薬物質を使用できる。これは、不快な匂いを有するか、または経口投与の際に不快な味覚をもたらす医薬の場合に特にふさわしい。言及され得るこの種の活性物質の例には、なかんずく以下の文書:US4670444(Bayer AG)、US4472405(Riker Labs)、US4730000(Abbott)、US4861779(Pfizer)、US4382892(Daiichi)、US4704459(Toyama)に開示されるようなキノロン抗生物質および関連抗生物質が含まれ、具体例には、以下のものが含まれる:ベノフロキサシン(benofloxacin)、ビンフロキサシン(binfloxacin)、シノキサシン、シプロフロキサシン、ダノフロキサシン、ジフロキサシン、エノキサシン、エンロフロキサシン、フレロキサシン、イバフロキサシン(ibafloxacin)、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、マルボフロキサシン、モキシフロキサシン(moxifloxacin)、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オルビフロキサシン、ペフロキサシン、ピペミド酸、テマフロキサシン、トスフロキサシン、サラフロキサシン、スパルフロキサシン。
【0018】
ある好ましいフルオロキノリン類の群は、式(I)または(II)
【化1】

式中、
Xは、水素、ハロゲン、C1−4−アルキル、C1−4−アルコキシ、NHを表し、
Yは、構造
【化2】

の基
[式中、
は、ヒドロキシまたはメトキシ置換されていることもある直鎖または分枝C−C−アルキル、シクロプロピル、炭素数1ないし3のアシルを表し、
は、水素、メチル、フェニル、チエニルまたはピリジルを表し、
は、水素またはC1−4−アルキルを表し、
は、水素またはC1−4−アルキルを表し、
は、水素またはC1−4−アルキルを表す]
を表し、そしてまた、
は、炭素数1ないし3のアルキル基、シクロプロピル、2−フルオロエチル、メトキシ、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニルまたはメチルアミノを表し、
は、水素、またはメトキシもしくは2−メトキシエトキシ置換されていることもある炭素数1ないし6のアルキル、またはシクロヘキシル、ベンジル、2−オキソプロピル、フェナシル、エトキシカルボニルメチル、ピバロイルオキシメチルを表し、
は、水素、メチルまたはエチルを表し、そして、
Aは、窒素、=CH−、=C(ハロゲン)−、=C(OCH)−、=C(CH)−または=C(CN)を表し、
Bは、酸素、メチルもしくはフェニル置換されていることもある=NHまたは=CHを表し、
Zは、=CH−または=N−を表す、
のもの、およびそれらの医薬的に使用できる塩および水和物である。
【0019】
式(I)および(II)の化合物は、それらのラセミ体またはエナンチオマーの形態でも存在し得る。
【0020】
好ましい式(I)の化合物は、式中、
Aが、=CH−または=C−CNを表し、
が、ハロゲン置換されていることもあるC−C−アルキルまたはシクロプロピルを表し、
が、水素またはC1−4−アルキルを表し、
Yが、構造
【化3】

の基
[式中、
は、ヒドロキシ置換されていることもある直鎖または分枝C−C−アルキル、炭素数1ないし4のオキシアルキルを表し、
は、水素、メチルまたはフェニルを表し、
、R、Rは、相互に独立して水素またはメチルを表す]
を表す、
もの、およびそれらの医薬的に使用できる水和物および塩である。
【0021】
特に好ましい式(I)の化合物は、式中、
Aが、=CH−または=C−CNを表し、
がシクロプロピルを表し、
が、水素、メチルまたはエチルを表し、
Yが、構造
【化4】

の基
[式中、
は、メチル、ヒドロキシ置換されていることもあるエチルを表し、
は、水素またはメチルを表し、
、R、Rは、相互に独立して水素またはメチルを表す]
を表す、
もの、およびそれらの医薬的に使用できる塩および水和物である。
【0022】
適する塩には、医薬的に使用できる塩基性塩および酸付加塩が含まれる。
医薬的に使用できる塩は、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、エンボン酸(embonic acid)、グルタミン酸またはアスパラギン酸の塩を意味する。本発明の化合物は、酸性または塩基性イオン交換剤にも結合できる。医薬的に使用できる塩基性塩として、例えばナトリウムまたはカリウム塩などのアルカリ金属塩、例えばマグネシウムまたはカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;鉛塩、銀塩およびグアニジニウム(guanidinium)塩に言及し得る。
【0023】
水和物は、フルオロキノリン類自体の水和物およびそれらの塩の水和物の両方を意味する。
特に好ましいフルオロキノリン類には、WO97/31001に記載の化合物、特に式
【化5】

の8−シアノ−1−シクロプロピル−7−((1S,6S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン−8−イル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(プラドフロキサシン(pradofloxacin))が含まれる。
【0024】
さらに、エンロフロキサシン(enrofloxacin):
1−シクロプロピル−7−(4−エチル−1−ピペラジニル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリン−カルボン酸
【化6】

が、特に好ましく使用される。
【0025】
さらにまた適するのは、なかんずく以下の文書:US3536713、US3714159、US3682930、US3177252;で特定される、適する塩基性官能基を有する他の活性物質である。具体例には、以下の活性物質が含まれる:アンピシリン、アモキシシリン、セファゾリン、セフォチアム、セフチゾキシム、セフォタキシム、セフォジジム、セフトリアキソン、セフタジジム、セフスロジン、セファレキシン、セファクロル、セファドロキシル、セフポドキシンプロキセチル(cefpodoximproxetil)、セフェタメトピボキシル、セフィキシム、セフチブテン、ロラカルベフ(loracarbef)、イミペネム、アズトレオナム、ストレプトマイシン、ネオマイシン、カナマイシン、スペクチノマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、アジスロマイシン、スピラマイシン、スルファジアジン、スルファメトキサゾール、スルファレン、スルファドキシン、トリメトプリム、テトロキソプリム(tetroxoprim)、メトロニダゾール、ニモラゾール(nimorazole)、チニダゾール、リンコマイシン、クリンダマイシン、バンコマイシン、テイコプラニン、イソニアジド、ピラチナミド、エタンブトール、リファンピシン、クロトリマゾール、エコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、ビフォナゾール、チオコナゾール、フェンチコナゾール(fenticonazole)、ミコナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、テルビナフィン、ナフチフィン、アモロルフィン、フルシトシン、アンホテリシンB、ニスタチン、クロロキン、メフロキン、キニーネ、プリマキン、ハロファントリン、プログアニル、ピリメタミン、メラルソプロール、ニフルチモックス、ペンタミジン、アマンタジン、トロムアンタジン(tromantadine)、アシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、ジダノシン、ザルシタビン、ピランテル、メベンダゾール、アルベンダゾール、チアベンダゾール、ジエチルカルバマジン、ピルビニウム、オキサムニキン、アンブロキソール、ロペラミド、ケトチフェン、メトクロプラミド、フルピルチン(flupirtin)。
【0026】
酸および陰イオン性活性物質を陰イオン交換剤に結合させることも可能である。言及し得る具体例には、以下のものが含まれる:アカンプロセート(acamprosate)、アセクロフェナク(aceclofenac)、アセメタシン、アセチルシステイン、アセチルサリチル酸、アシトレチン(acitretin)、アダパレン(adapalene)、アレンドロン酸(alendronic acid)、アルプロスタジル、アミドトリゾ酸、4−アミノサリチル酸、アモキシシリン、アンピシリン、アスコルビン酸、アトルバスタチン、アズトレオナム、バクロフェン、ベナゼプリル(benazepril)、ベンジルペニシリン、ベザフィブレート、ビオチン、ブメタニド、カンデサルタン、カンレノ酸カリウム、カプトプリル、カルビドパ、カルボシステイン、セファクロル、セファドロキシル、セファレキシン、セファマンドール、セファゾリン、セフェタメト、セフィキシム、セフォタキシム、セフォチアム、セフォキシチン、セフポドキシム、セフチブテン(ceftibutene)、セフトリアキソン、セフロキシム、セリバスタチン、セチリジン(cetirizine)、ケノデオキシコール酸、クロランブシル、シドフォビル、シラスタチン(cilastatin)、シラザプリル、クラブラン酸、クロドロン酸(clodronic acid)、ダルテパリン(dalteparin)Na、ジクロフェナク、ジクロキサシリン、クロラゼプ酸二カリウム(dipotassium clorazepat)、ジノプロスト、エナラプリル、エプロサルタン、エタクリン酸、エチドロン酸(etidronic acid)、フェルビナク、フェキソフェナジン、フルクロキサシリン、フルフェナム酸、フルルビプロフェン、フルバスタチン、葉酸、ホスフェストロール、ホスホマイシン、フマル酸、フロセミド、ガバペンチン(gabapentin)、ゲムフィブロジル、ヘパリン、ヒアルロン酸、コハク酸水素ヒドロコルチゾン、イバンドロン酸(ibandronic acid)、イブプロフェン、イロプロスト、イミダプリル、イミペネム、インドメタシン、イオタラミン酸(iotalaminic acid)、イオトロクス酸、イオキサグル酸(ioxaglic acid)、ケトプロフェン、レボカバスチン(levocabastine)、レボドパ、レボチロキシンNa、リポ酸、リシノプリル、ロドキサミド(lodoxamide)、ロナゾラク(lonazolac)、ロラカルベフ(loracarbef)、メフェナム酸、メロペネム、メサラジン、メスナ(mesna)、メタミゾール(metamizole)、メトトレキセート、メズロシリン(mezlocillin)、モエキシプリル(moexipril)、モンテルカスト(montelukast)、モキシフロキサシン(moxifloxacin)、ナプロキセン、ナタマイシン(natamycin)、ナテグリニド、ジブナート(dibunate)Na、イオポダート(iopodate)Na、ピコスルファート(picosulfate)Na、ニコチン酸、オルサラジン(olsalazine)、オロト酸、オキサシリン、パミドロン酸(pamidronic acid)、パンガム酸(pangamic acid)、ペニシラミン、ペリンドプリル(perindopril)、フェノバルビタール、フェノキシメチルペニシリン、ピペラシリン、ピレタニド、プラバスタチン、プロベネシド、プログルミド、プロピシリン、キナプリル、レパグリニド(repaglinide)、レビパリン(reviparin)Na、リセドロン酸(risedronic acid)、サリチル酸、スピラプリル(spirapril)、スルファサラジン、タゾバクタム(tazobactam)、テルミサルタン、チアガビン(tiagabin)、チアプロフェン酸、チルドロン酸(tiludronic acid)、チンザパリン(tinzaparin)Na、トランドラプリル(trandolapril)、トラネキサム酸、トレチノイン、トリプトファン、ウルソデオキシコール酸、バルプロ酸、ビガバトリン(vigabatrin)、ザナミビルおよびゾレドロン酸(zoledronic acid)。上述のキノリンカルボン酸および構造的に関連する抗生物質にも言及し得る。
【0027】
上述の鎮痛性フルピルチンは、以下の構造式:
【化7】

を有する。
フルピルチンは、その医薬的に使用可能な塩、好ましくは例えば塩酸またはマレイン酸などの酸との塩の形態でも使用できる。
【0028】
イオン交換樹脂は、水または、例えばプロピレングリコールもしくはエタノール、グリセロールのようなアルコール類、アセトンなどのケトン類などの極性有機溶媒、またはそれらの混合物中で、活性物質を担持される。水およびアルコール/水混合物が特に好ましい。イオン交換剤および活性物質を、活性物質が十分に結合するまで、室温または上昇した温度で、媒体中で攪拌する。イオン交換剤への活性物質の担持と医薬の製剤は、1工程で行うこともできる。
【0029】
活性物質を担持するイオン交換剤を、水および/または極性溶媒と混合できない親油性の担体媒体に分散させようとする場合、それを最初に水性担持媒体から分離し、乾燥させねばならない。次いで、担持イオン交換剤を担体媒体に取り込むことができる。親油性担体媒体として、例えば、脂肪油、パラフィン油またはシリコン油を使用することが可能である。ここで好ましいのは、例えば中鎖トリグリセリド、ゴマ油、落花生油または大豆油などの脂肪油を使用することである。
【0030】
本発明の医薬製剤は、一般に、ヒトおよび動物への投与に適する。それらは、好ましくは、家畜、種畜、動物園の動物、実験動物、試験動物およびペットに関する動物の飼育および動物の繁殖に用いられる。
【0031】
家畜および種畜には、例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラクダ、スイギュウ、ロバ、ウサギ、ファロージカ、トナカイなどの哺乳動物、例えばミンク、チンチラ、アライグマなどの毛皮を有する動物、例えばニワトリ、ガチョウ、シチメンチョウ、アヒル、ハト並びに家庭および動物園で飼育される鳥類の種などの鳥類が含まれる。
【0032】
実験および試験動物には、マウス、ラット、モルモット、ゴールデンハムスター、イヌおよびネコが含まれる。
ペットには、ウサギ、ハムスター、モルモット、マウス、ウマ、爬虫類、適切な鳥類の種、イヌおよびネコが含まれる。
【0033】
あらゆる年齢レベルの、真水および塩水中で生活する、養殖魚、繁殖魚、水族館の魚および観賞用の魚を含む魚類も言及され得る。養殖魚および繁殖魚には、例えば、コイ、ウナギ、マス、白マス、サケ、ブリーム、ローチ、ラッド、チャブ、ヒラメ、カレイ、オヒョウ、日本のブリ(セリオラ・キンケラディアータ(Seriola quinqueradiata))、日本のウナギ(アンギラ・ジャポニカ(Anguilla japonica))、アカダイ(マダイ属)、スズキ(ディセントラルクス・ラブラクス(Dicentrarchus labrax))、ボラ(ムギルス・セファルス(Mugilus cephalus))、コバンアジ、クロダイ(セパルス・アウラタス(Sparus auratus))、テラピア種、カワスズメ種、例えばプラギオシオン、アメリカナマズなどが含まれる。本発明の組成物は、稚魚、例えば体長2ないし4cmのコイを処理するのに、そして、ウナギの飼養に適する。
【0034】
本発明の製剤は、好ましくは、ハムスター、ウサギ、モルモット、ネコおよびイヌなどのペットに関して使用される。それらは、特にネコへの投与に適する。
【0035】
投与は、予防的または治療的に実行され得る。
本発明の製剤は、好ましくは経口投与される。
動物に適する医薬製剤は、例えば、消費中の味の改善が役割を果たすか、または投与に続く活性物質の遅延放出を目的とするものである。
【0036】
懸濁物を製造するために、活性物質を担持する樹脂を、適するならば湿潤剤などの他の補助剤の補助により、液状担体媒体中に非常に均一に分散させる。懸濁物は、擬塑性ゲル形成剤を使用して増粘される。湿潤剤、抗酸化剤、保存料、着色料および着香料または香料(aroma)などのさらなる補助剤を、同様に含め得る。
【0037】
本発明の製剤は、活性物質を担持するイオン交換剤を、製剤の総重量をベースとして、通常1ないし50重量%、好ましくは5ないし30重量%、特に5ないし25重量%含有する。
【0038】
言及し得る担体の液体には、水、水および水と混合可能な有機溶媒(例えば、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコールなどのアルコール類)の混合物、および親油性担体液体(例えば、脂肪油、パラフィン油またはシリコン油)が含まれる。本発明の製剤において、担体の液体は、所望の稠度に適する量で、通常10ないし98重量%、好ましくは20ないし90重量%で存在する。
【0039】
湿潤剤(分散剤)には、以下のものが含まれる:
・ラウリル硫酸Na、脂肪族アルコールエーテル硫酸塩、モノ/ジアルキルポリグリコールエーテルオルトリン酸エステルモノエタノールアミン塩、リグニンスルホン酸塩(ligninsulphonate)またはジオクチルスルホコハク酸塩などの乳化剤を含む、陰イオン性界面活性剤
・塩化セチルトリメチルアンモニウムなどの乳化剤を含む陽イオン性界面活性剤
・ジ−Na N−ラウリル−β−イミノジプロピオン酸塩またはレシチンなどの乳化剤を含む両性界面活性剤
・ポリオキシエチル化ヒマシ油、ポリオキシエチル化ソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、グリセロールモノ−およびジ−グリセリド類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類;アルキルフェノールポリグリコールエーテル類、ポリエチレン−ポリプロピレンブロックコポリマーなどの乳化剤を含む非イオン性界面活性剤。
【0040】
本発明の製剤に、湿潤剤は、通常、製剤の総重量をベースとして、0.01ないし10重量%、好ましくは0.1ないし2重量%の量で含まれる。
【0041】
さらなる補助剤の例には、以下のものが含まれる:
・p−ヒドロキシ安息香酸塩、ソルビン酸、安息香酸、プロピオン酸、蟻酸またはそれらの塩などの保存料。本発明の製剤中、保存料は、製剤の総重量をベースとして、通常0.05ないし2重量%、好ましくは0.1ないし1重量%の量で含まれる。
・着色料、即ち、ヒトまたは動物での使用を承認され、溶解または懸濁形態をとり得るあらゆる着色料。本発明の製剤中、着色料は、製剤の総重量をベースとして、0.001ないし5重量%、好ましくは0.01ないし2重量%の量で含まれる。
・メタ重亜硫酸カリウムなどの亜硫酸塩またはメタ重亜硫酸塩、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、トコフェロールなどの抗酸化剤。本発明の製剤中、抗酸化剤は、製剤の総重量をベースとして、通常0.001ないし5重量%、好ましくは0.01ないし2重量%の量で存在する。
・着香料または香料は、医薬で一般的に用いられるものであり、例は、バニリンである。本発明の製剤中、着香料または香料は、製剤の総重量をベースとして、通常0.001ないし5重量%、好ましくは0.01ないし2重量%の量で含まれる。
【0042】
本発明の製剤は、半固体状(例えば、ペースト)または液状懸濁物であり得る。回転粘度計(例えば、Haake Rheometer RS 100)を使用して測定可能な降伏点は、0ないし2000Paにある。300s−1での粘度は、10ないし5000mPasに等しい。
【0043】
本発明の製剤は、好ましくは液体懸濁物である。降伏点は0ないし100Pa、好ましくは5ないし50Paにある。300s−1での粘度は、10ないし1000mPas、好ましくは50ないし500mPasに等しい。
【0044】
本発明の製剤は、飼料と別に、または一緒に投与できる。
飼料には、干草、ビート、シリアル、シリアル副産物などの植物由来の飼料成分、肉、脂質、乳製品、骨粉、魚製品などの動物由来の飼料成分、またビタミン、タンパク質、DL−メチオニンなどのアミノ酸などの飼料成分、炭酸カルシウムおよび塩化ナトリウムなどの塩が含まれる。飼料はまた、製剤および調合された飼料も補足的に含む。これらは、組成物中に飼料成分を含有し、エネルギーおよびタンパク質の供給、並びにビタミン、無機塩および微量元素の供給の観点で均衡のとれた食餌を確実にする。
【実施例】
【0045】
製造実施例
実施例1
メチルp−ヒドロキシ安息香酸塩0.18kgおよびプロピルp−ヒドロキシ安息香酸塩0.02kgを熱湯75.0kgに溶解する。キサンタン(Xantural 180, CP Kelco)0.3kgおよびベントナイト(Veegum, Vanderbildt)0.3kgを激しく撹拌しながら溶液に取り込み、混合物を70℃で1時間撹拌する。生じる液体が冷えた後、その中にプラドフロキサシン6.0kg、弱酸性イオン交換剤(Amberlite IRP 64)18.0kgおよびバニリン1.0kgを分散させる。全バッチをローター・ステータ(rotor-stator)で均一化する。粘性のある懸濁物が生じる。
【0046】
実施例2
実施例1と同様、但しバニリン1.0kgの代わりにクリームカラメル香料0.2kgを使用する。
【0047】
実施例3
ソルビン酸0.2kgおよびアスコルビン酸0.02kgを熱湯74.98kgに溶解する。キサンタン(Xantural 180, CP Kelco)0.3kgおよびベントナイト(Veegum, Vanderbildt) 0.3kgを激しく撹拌しながら溶液に取り込み、混合物を70℃で1時間撹拌する。生じる液体が冷えた後、その中にプラドフロキサシン6.0kg、弱酸性イオン交換剤(Amberlite IRP 64)18.0kgおよびクリームカラメル香料0.2kgを分散させる。全バッチをローター・ステータで均一化する。粘性のある懸濁物が生じる。
【0048】
実施例4
実施例1と同様、しかしバニリン1.0kgの代わりにバニラ香料0.1kgを使用する。
【0049】
実施例5
ソルビン酸0.2kgをプロピレングリコール30.0kgに溶解する。キサンタン (Xantural 180, CP Kelco)0.7kgを激しく撹拌しながら溶液に取り込む。第2の容器の中で、プラドフロキサシン2.5kg、アスコルビン酸0.02kgおよびバニラ香料0.2kgを水61.58kgに溶解する。弱酸性陽イオン交換剤(Amberlite IRP 64)10.0kgを溶液に分散させる。高速スターラーを使用して、キサンタン/プロピレングリコール分散物をこの懸濁物に取り込む。全バッチをローター・ステータで均一化する。粘性のある懸濁物が生じる。
【0050】
実施例6
ソルビン酸0.2kgを、グリセロール30.0kgに溶解する。キサンタン(Xantural 180, CP Kelco)0.5kgを激しく撹拌しながらこの溶液に取り込む。第2の容器の中で、プラドフロキサシン6.0kgを水48.3kgに溶解する。弱酸性陽イオン交換剤(Amberlite IRP 64)10.0kgおよび肉香料5.0kgを溶液に分散させる。高速スターラーを使用して、キサンタン/グリセロール分散物をこの懸濁物に取り込む。全バッチをローター・ステータで均一化する。粘性のある懸濁物が生じる。
【0051】
実施例7
エンロフロキサシン5.00kgおよび Purolite C 100 H MR 20.00kgを精製水80.00kgに懸濁し、懸濁物を室温で少なくとも8時間撹拌する。堆積後、上清を捨てる。残渣を、濾過乾燥機を用いて75℃で乾燥させる。これと並行して、ソルビン酸0.384kgを熱湯146.496kgに溶解する。第2の容器の中でポリアクリル酸(Carbopol 974P, BFGoodrich)0.96kgをグリセロール19.20kgに分散させる。その中に、乾燥させた担持イオン交換剤24.00kgを懸濁する。
【0052】
実施例8
プラドフロキサシン5.00kgおよびPurolite C 115 HMR 20.00kgを精製水75.00kgに懸濁する。次いで、安息香酸0.25kgおよびベントナイト(Veegum, Vanderbildt)0.5kgを激しく撹拌しながら取り込み、混合物を70℃で1時間加熱し、液状懸濁物を得る。
【0053】
実施例9
ソルビン酸0.2kgをプロピレングリコール30.0kgに溶解する。微結晶性セルロースおよびNaカルボキシメチルセルロースの混合物(Avicel CL 611, FMC)2.25kgを激しく撹拌しながらこの溶液に取り込む。第2の容器の中でプラドフロキサシン6.0kg、アスコルビン酸0.02kgおよびバニラ香料0.2kgを水54.35kgに溶解する。弱酸性陽イオン交換剤(Amberlite IRP 64)18.0kgを溶液に分散させる。高速スターラーを使用して、ゲル形成剤/プロピレングリコール分散物をこの懸濁物に取り込む。全バッチをローター・ステータで均一化する。粘性のある懸濁物が生じる。
【0054】
実施例10
プラドフロキサシン6.0kgを18.0kgの Amberlite IRP 64 と一緒に水72kg中で16時間撹拌する。懸濁された粒子が沈降した後、上清を廃棄し、残渣を70℃で乾燥させる。この活性物質が担持されたイオン交換剤を、バニリン1.0kgと共に中鎖トリグリセリド(Miglyol 812)72.0kgに分散させる。高分散シリカ(Aerosil 200)3.0kgの添加後、バッチをローター・ステータで均一化する。粘性のある懸濁物が生じる。
【0055】
実施例11
フルピルチン2.50kgおよび7.50kgの Amberlite IRP 69 を50%(v/v)エタノール40.00kgに懸濁し、懸濁物を40℃で少なくとも12時間撹拌する。懸濁物を濾過乾燥機に移し、濾過し、60℃で乾燥させる。担持させたイオン交換剤およびNaカルボキシメチルセルロース(Blanose 7M31CF, Hercules)0.80kgを続いて精製水29.20kgに激しく撹拌しながら分散させる。液状懸濁物が生じる。
【0056】
実施例12
フルピルチンマレイン酸塩3.0kgを12.0kgの Purolite C115 KMR と一緒に水60.0kg中で16時間撹拌する。濾過に続き、残渣を70℃で乾燥させる。第2の製造容器中で、ソルビン酸0.5kgを中鎖トリグリセリド(Miglyol 812)82.24kgに溶解する。ローター・ステータを使用して、その中にカラメル香料0.25kg、赤色酸化鉄0.01kgおよび活性物質を担持するイオン交換剤を分散させる。激しく撹拌しながら、高分散シリカ(Aerosil 200)2.0kgを添加し、組成物をローター・ステータで分散させる。液体懸濁物が生じる。
【0057】
実施例13
フルピルチンマレイン酸塩3.0kg、12.0kgの Purolite C115 KMR、カラメル香料0.25kgおよび赤色酸化鉄0.01kgを、ローター・ステータを使用して水62.14kg中に均一に分散させる。バッチを続いて16時間撹拌する。第2の容器中、ソルビン酸0.1kgをプロピレングリコール20.0kgに溶解し、その中に微結晶性セルロースおよびNaカルボキシメチルセルロース(Avicel CL 611)の混合物2.5kgを分散させる。この懸濁物を激しく撹拌しながら活性物質含有懸濁物に添加し、組成物をローター・ステータで均一化する、粘性のある懸濁物が生じる。
【0058】
生物学的実施例
嗜好性試験
良好な食感のために、また特定の稠度のためでもあり得るが、本発明の医薬製剤は、例えばネコにおける優れた嗜好性を特徴とする。下表1は、対応するネコでの試験の結果をまとめたものである:
【表1】

表1:容易に口に合う参照製剤(nutri-plus Cat, virbac animal medicament, Bad Oldesloe)と比較した、本発明の実施例1−4、10のネコにおける嗜好性、n=36。
スコア:1=受容不可能、2=投与困難、3=中程度の消費、4=投与しやすい、5=非常に投与しやすい。
実施例の組成:上記参照。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン交換剤に結合している1またはそれ以上の活性物質を含む医薬製剤であって、担持されたイオン交換剤が、1またはそれ以上の擬塑性ゲル形成剤を含む担体媒体中に分散していることを特徴とする、医薬製剤。
【請求項2】
擬塑性ゲル形成剤として、ポリアクリル酸、キサンタン、微結晶性セルロース、セルロースエーテル、ベントナイト、高分散シリカまたは上記のゲル形成剤の混合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
イオン交換剤が酸性イオン交換剤であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項4】
担体媒体が水を含むことを特徴とする、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項5】
イオン交換剤に結合している活性物質がキノロン抗生物質であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項6】
イオン交換剤に結合している活性物質がプラドフロキサシンであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項7】
イオン交換剤に結合している活性物質がエンロフロキサシンであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項8】
イオン交換剤に結合している活性物質がフルピルチンであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項9】
経口投与のための請求項1に記載の医薬製剤の使用。
【請求項10】
動物に経口投与可能な医薬として使用するための液状懸濁物の特性を改良するための、擬塑性ゲル形成剤の使用。

【公開番号】特開2011−12087(P2011−12087A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235021(P2010−235021)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【分割の表示】特願2004−508780(P2004−508780)の分割
【原出願日】平成15年5月19日(2003.5.19)
【出願人】(508270727)バイエル・アニマル・ヘルス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (32)
【氏名又は名称原語表記】BAYER ANIMAL HEALTH GMBH
【Fターム(参考)】