説明

流し台シンク一体型生ごみ処理機

【課題】シンク上に形成されたごみ投入口周辺の凹凸部を無くし、ごみ溜りが無く、清掃性に優れた流し台シンク一体型生ごみ処理機を提供する。
【解決手段】流し台1のシンク4の天面5に設けられ、生ごみの投入口となる開口部6と、前記開口部6を閉鎖する投入口蓋7と、投入された生ごみの収納及び乾燥処理を行う内容器13とを備え、前記開口部6の位置を含め、前記天面5には凹凸を形成しない平滑面とすると共に、前記開口部6の位置高さを前記天面5と略同一としたもので、生ごみの投入口となる開口部6周辺に凹凸形状が無いので、こぼれたごみの拾い出し作業がいらず、平滑化した天面の清掃と同様、布巾による拭き操作のみで排除可能となる。これにより使用者の清掃メンテナンス性が大きく向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ごみ等の厨芥を乾燥処理する機能を備えた流し台シンク一体型生ごみ処理機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の流し台シンク一体型生ごみ処理機は、生ごみの処理収納に加え流し台シンク天面の平滑面確保を目的として、シンク天面より一段下方に形成させた凹位置面に開口部を設けると共に、閉鎖体である投入口蓋閉鎖時に、前記シンク天面と蓋面の上面がフラット状となるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は、上記特許文献1に記載された従来の流し台シンク一体型生ごみ処理機の主要断面図を示すものである。
【0004】
図5に示すように、従来の流し台シンク一体型生ごみ処理機は、シンク天面61と、一段下方に形成した凹位置面62と、生ごみを投入するための開口部63と、生ごみを収納する収納容器64と、投入口蓋65と、乾燥手段66と、生ごみを攪拌する攪拌羽根67と、攪拌羽根67を回転駆動するモータ68から構成され、モータ68で攪拌羽根67を回転駆動して生ごみを攪拌しながら、乾燥手段66から熱風を生ごみに吹きつけて生ごみを乾燥処理するようになっている。
【特許文献1】特許第3676796号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の流し台シンク一体型生ごみ処理機の構成では、投入口蓋65で開口部63を閉鎖した時に、シンク天面61と投入口蓋65の上面をフラット状とするため、前記投入口蓋65の厚み分の寸法の吸収を見込み、シンク天面61より一段下方に凹位置面62を形成し、開口部63並びに投入口蓋65を設けなくてはならなかった。その結果、生ごみ投入時の投入口蓋65の開放時には、開口部63の周囲の凹位置面62が凹溝部を形成することになり、ここに生ごみ等がこぼれ落ち、溜まりやすくなり、清掃がしにくいなどの課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、清掃性に優れた流し台シンク一体型生ごみ処理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の流し台シンク一体型生ごみ処理機は、流し台のシンクの天面に設けられ、生ごみの投入口となる開口部と、前記開口部を閉鎖する投入口蓋と、投入された生ごみの収納及び乾燥処理を行う収納容器とを備え、前記開口部の位置を含め、前記天面には凹凸を形成しない平滑面とすると共に、前記開口部の位置高さを前記天面と略同一としたもので、生ごみの投入口となる開口部周辺に凹凸形状が無いので、こぼれたごみの拾い出し作業がいらず、平滑化した天面の清掃と同様、布巾による拭き操作のみで排除可能となる。これにより使用者の清掃メンテナンス性が大きく向上する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の流し台シンク一体型生ごみ処理機は、使用者の清掃メンテナンス性が大きく向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、流し台のシンクの天面に設けられ、生ごみの投入口となる開口部と、前記開口部を閉鎖する投入口蓋と、投入された生ごみの収納及び乾燥処理を行う収納容器とを備え、前記開口部の位置を含め、前記天面には凹凸を形成しない平滑面とすると共に、前記開口部の位置高さを前記天面と略同一としたもので、生ごみの投入口となる開口部周辺に凹凸形状が無いので、こぼれたごみの拾い出し作業がいらず、平滑化した天面の清掃と同様、布巾による拭き操作のみで排除可能となる。これにより使用者の清掃メンテナンス性が大きく向上する。
【0010】
第2の発明は、特に、第1の発明の開口部を形成した天面を、シンクに設けた排水口に向かって前下がり状に傾斜させたもので、ごみ溜まりの排除と清掃面の凹凸排除に加え、傾斜により、水溜まり並びに開口部への水進入の防止が行えるものとなり、乾燥方式による生ごみ処理を行う流し台シンク一体型生ごみ処理機にとって、その余分な水の進入を防止することで、処理性能の向上に貢献するものとなる。その結果、清掃性の良化と生ごみの乾燥処理性能に優れた流し台シンク一体型生ごみ処理機を提供することが出来る。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における流し台シンク一体型生ごみ処理機の全体斜視図及び投入口蓋を開けた状態の要部斜視図、図2、3は、同流し台シンク一体型生ごみ処理機の主要断面図であり、詳細な構成を示す図である。
【0013】
図1において、1は、下方を収納庫とし、上部に排水口2並びに上水道の蛇口3を設けてなるシンク4を備え付けた流し台であり、前記シンク4の天面5には、生ごみを投入するための開口部6を形成し、後述の乾燥手段を有した生ごみ処理機をその下部に配設させている。7は、前記生ごみの投入を行うための開口部6を閉鎖する投入口蓋であり、回動軸8を介して開閉自在に取着されている。
【0014】
次に、図2並びに図3を用いて、生ごみ処理機の構成の詳細を説明する。
【0015】
10は、流し台1のシンク4内に設けられた外容器であり、略円筒状に形成した容器体で構成し、その上端にはフランジ部11を形成している。前記外容器10は、シンク4の上部より、シンク4の天面5に設けた開口部6より挿入されて取り付けられるもので、挿入後、前記フランジ部11にて淵部12を構成する。特に、外容器10のフランジ部11を、天面5に設けた開口部6の周囲に形成された全周に低段差部51に設置させる構成とし、取り付けたフランジ部11は、シンク4の天面5と同一面となるようにしている。また、下部にはその内部に収納する後述の内容器13に駆動連結させるための連結軸15を配設させている。30は、外容器10の外周に巻きつけ接着固定された板状の発熱ヒータであり、外容器10の下方外郭の温度を上昇させるのを目的として取り付けられている。
【0016】
13は、前記外容器10内に着脱自在に収納装着される内容器であり、シンク4の上方より投入された生ごみを収納する収納容器並びに乾燥処理容器として設けてられている。この内容器13は、外容器10と同様略円筒状の容器として構成され、その上部には、外容器10から取り外した際、内容器13の持ち運びをサポートするハンドル52を有しており、このハンドル52は、回動軸14により内容器13の上端に回動自在に取り付けられている。
【0017】
また、内容器13の内部下方には、投入された生ごみを攪拌するための攪拌刃16を取り付けた回転軸17が回転自在に設けられると共に、外容器10の底部を貫通して突出した連結軸15に、連結部18を介して嵌合連結することが出来るように構成されている。
【0018】
また、前記外容器10に設けられた発熱ヒータ30の熱伝導作用を、効率的に行えるように収納時に外容器10の内面と接触する線状リブ31を設けている。
【0019】
次に19は、前記外容器10の外郭フレームとした外容器フレームであり、側面に乾燥手段20並びに脱臭排気手段21が配設され、その下方には、連結軸15を回転駆動するための駆動モータ22を具備すると共に、流し台1内部で外容器10を固定ねじによる締結部23により固定されている。
【0020】
前記乾燥手段20には、熱源ヒータ38並びに送風機32を設けると共に、後述の送風経路29に連結される送風パイプ33を具備し、前記脱臭排気手段21には、前記加熱作用で生ごみから発生した水蒸気の凝縮装置35並びに、脱臭触媒36を有し、外容器10並びに内容器13の側壁に、互いに連通するように設けた連通穴部34を含む経路37により、流し台1の下方外部に排気する構成としている。
【0021】
また、7は、前記シンク4の天面5に設けた開口部6の閉鎖体となる投入口蓋であり、回動軸8を有して、流し台1の後方方向に倒立開閉自在に設けられている。
【0022】
また、前記投入口蓋7は、上部外郭を形成する蓋上27と、閉鎖時のタイトを行うパッキン40を有する蓋下28とで構成され、前記両部材の間に前記乾燥手段20からの送風パイプ33が連結される送風経路29が形成されると共に、蓋下28に噴出し口41を設けている。また、投入口蓋7の開閉を感知するために、蓋下28と外容器10のフランジ部11に磁石スイッチ39が設けられ、その開閉感知により、生ごみの乾燥処理を行う運転のオンオフ制御を行うものとしている。
【0023】
以上のように構成された本実施の形態における流し台シンク一体型生ごみ処理機の動作、作用を以下に説明する。
【0024】
まず、シンク4の天面5に設けた開口部6から内容器13内に水を切った生ごみを都度投入し、その量がある程度一杯になったら、図示しないスイッチをONする。それにより、駆動モータ22、送風機32、熱源ヒータ38、発熱ヒータ30に通電され、内容器13内の生ごみが、外容器10に設けた発熱ヒータ30で加熱されながら、攪拌刃16で攪拌される。一方、熱源ヒータ38で加熱された空気が送風機32により、送風パイプ33を通って投入口蓋7に設けた噴出し口41から、内容器13内に噴出され、それにより生ごみからの蒸気拡散を促し、多量に蒸気を含んだ空気は、連通穴部34を通って、凝縮装置35に至り、そこで蒸気分が凝縮されて液体となり外部に排出される。一方、蒸気分が除去された空気は、経路37を通って、脱臭触媒36に至り、そこで脱臭され、臭いが大幅に低減された空気が外部に排出されるようになっている。
【0025】
また、本実施の形態では、シンク4の天面5に設けた開口部6の全周に低段差部51を設け、且つその低段差部51に外容器10の上端に形成したフランジ部11を覆い被せるように設置させ、そのフランジ部11の厚みと低段差部51の段差量を同一以上に設定しているので、天面5と前記フランジ部11の表面が同一面で構成され、その結果、従来の構成で発生していた投入口周辺に形成させていた凹溝部等のごみ溜まり部、もしくは清掃性が悪い箇所の撤廃となり懸念された課題の解決となる。
【0026】
以上のように本実施の形態によれば、ごみ溜まりの排除、清掃面の凹凸の排除により、清掃性が大幅に向上した流し台シンク一体型生ごみ処理機を提供することができる。
【0027】
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態における流し台シンク一体型生ごみ処理機の主要断面図である。なお、上記第1の実施の形態における流し台シンク一体型生ごみ処理機と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0028】
本実施の形態における流し台シンク一体型生ごみ処理機は、図4に示すように、生ごみの投入口となる開口部6を形成するシンク4の天面5を、シンク4内の排水口50方向に向かって前下がり状に傾斜させたもので、他の構成は、上記第1の実施の形態における流し台シンク一体型生ごみ処理機と同一である。
【0029】
本実施の形態によれば、ごみ溜まりの廃除と清掃面の凹凸排除に加え、シンク4の天面5を傾斜させたことにより、水溜まり並びに開口部6に水が進入するのを防止することができ、熱乾燥方式による生ごみ処理を行う流し台シンク一体型生ごみ処理機にとって、その余分な水進入除去は処理性能の向上に貢献するものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上のように、本発明に係る流し台シンク一体型生ごみ処理機は、天面に設けた生ごみ投入用の開口部を、天面と同一面として凹溝部を廃止したことにより、こぼれ落ちによる生ごみ溜まりを廃除し、同時に、天面に凹凸を形成していないので、清掃性の良化が確保でき清潔で且つ清掃性の良いもので、清潔台所機器等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における流し台シンク一体型生ごみ処理機の全体斜視図、(b)同流し台シンク一体型生ごみ処理機の投入口蓋を開けた状態の要部斜視図
【図2】同流し台シンク一体型生ごみ処理機の主要断面図
【図3】同流し台シンク一体型生ごみ処理機の主要断面図
【図4】本発明の実施の形態2における流し台シンク一体型生ごみ処理機の主要断面図
【図5】従来の流し台シンク一体型生ごみ処理機の主要断面図
【符号の説明】
【0032】
1 流し台
2 排水口
3 蛇口
4 シンク
5 天面
6 開口部
7 投入口蓋
8 回動軸
10 外容器
11 フランジ部
12 淵部
13 内容器(収納容器)
14 回動軸
15 連結軸
16 攪拌刃
17 回転軸
18 連結部
20 乾燥手段
21 脱臭排気手段
22 駆動モータ
23 締結部
30 発熱ヒータ
31 線状リブ
33 送風パイプ
34 連通穴部
35 凝縮装置
36 脱臭触媒
37 経路
39 磁石スイッチ
51 低段差部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流し台のシンクの天面に設けられ、生ごみの投入口となる開口部と、前記開口部を閉鎖する投入口蓋と、投入された生ごみの収納及び乾燥処理を行う収納容器とを備え、前記開口部の位置を含め、前記天面には凹凸を形成しない平滑面とすると共に、前記開口部の位置高さを前記天面と略同一とした流し台シンク一体型生ごみ処理機。
【請求項2】
開口部を形成した天面を、シンクに設けた排水口に向かって前下がり状に傾斜させたことを特徴とする請求項1に記載の流し台シンク一体型生ごみ処理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−115622(P2010−115622A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292259(P2008−292259)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】