説明

流体を液滴に乳化するマイクロリアクタ

【課題】連続相に供給する流体の流量を正確にコントロールして、液滴の平均粒径を正確にコントロールする。
【解決手段】マイクロリアクタは、分散相9を液滴の状態で連続相8に混合する。マイクロリアクタは、外周を円柱状とするロータ1と、ロータ1を回転させるモータ4と、ロータ1の外側に配設されて、ロータ表面10との間に円筒状の流路隙間3を設けると共に、ロータ1の軸方向に離して複数の供給孔20を設けている筒体2と、流路隙間3に連続相8を供給する連続相供給器5と、筒体2の供給孔20に分散相9を供給する分散相供給器6と、流路隙間3に連結している排出路7とを備える。マイクロリアクタは、ロータ1をモータ4で回転させる状態で、連続相供給器5から流路隙間3に供給される連続相8に、分散相供給器6から供給される分散相9を供給孔20から供給して連続相中に液滴とし、排出路7から排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水などの連続相に、連続相に溶解しない油などの分散相を液滴の状態で混合するマイクロリアクタに関する。
【背景技術】
【0002】
液滴を安定的に作成する回転型のマイクロリアクタは開発されている(特許文献1参照)。特許文献1のマイクロリアクタを図1と図2に示す。このマイクロリアクタは、狭い流路パターン90を有する複数の円形基板91を積層して、円筒容器92内に配設している。円形基板91は、中心に供給される液体99を外周から排出する。円筒容器92は、上部に連続相98の供給部95を、下部に排出部97を設けている。円形基板91の外側に側壁を94設けて、円形基板91または側壁94が回転され、円形基板91の流路端90Aから流出する流体すべてに均一に高剪断を与えるようにしている。このマイクロリアクタは、円形基板91の流路端90Aから排出される流体99を出口部分で連続相98に接触させて、高剪断を与えて液滴とする。
【特許文献1】特開2006−159043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この構造のマイクロリアクタは、構造が複雑なことに加えて、液滴の大きさの制御が難しい欠点があった。それは、円形基板91の中心に供給される流体99が、円形基板91と側壁94との間で高速に流動する連続相98の遠心力で、円形基板の流路から強制的に吸引されて排出されることから、円形基板91に供給する流体99の供給量を正確にコントロールできないからである。円形基板の流路に多量の流体を供給すると小さく剪断される液滴の平均粒径が大きくなる。また、連続相の遠心力が大きくなって、この遠心力で強く吸引されると、円形基板に供給された流体を一定の流速で円形基板から排出できなくなる。とくに、円形基板と側壁との間で高速流動される連続相は圧力が低下することで、円形基板の流路から流体を吸引して強制的に排出する作用もあり、この連続相の圧力低下と遠心力の両方で、円形基板の流路から強制的に吸引して排出される流体は、定流量ポンプなどで円形基板に一定に供給しても、連続相に供給される流量を正確にコントロールできなくなる。このため、特許文献1のマイクロリアクタは、連続相に供給する流体を所定の平均粒径に正確にコントロールしながら液滴にできない欠点がある。
【0004】
本発明は、さらにこの欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、連続相に供給する流体の流量を正確にコントロールして、液滴の平均粒径を正確にコントロールできるマイクロリアクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の流体を液滴に乳化するマイクロリアクタは、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
マイクロリアクタは、連続相8と分散相9を混合して、分散相9を液滴の状態で連続相8に混合する。マイクロリアクタは、外周を円柱状とするロータ1と、このロータ1を回転させるモータ4と、ロータ1の外側に配設されて、ロータ表面10との間に円筒状の流路隙間3を設けると共に、ロータ1の軸方向に離して流路隙間3に外側から中心に向かって分散相9を供給する複数の供給孔20を設けている筒体2と、この筒体2とロータ1との間の流路隙間3の第1の端部に連続相8を供給する連続相供給器5と、筒体2の供給孔20に分散相9を所定の流量で供給する分散相供給器6と、流路隙間3の第2の端部に連結してなる排出路7とを備えている。マイクロリアクタは、ロータ1をモータ4で回転させる状態で、連続相供給器5から流路隙間3に供給される連続相8に、分散相供給器6から供給される分散相9を供給孔20から流路隙間3に供給し、流路隙間3において連続相8中に液滴となった分散相9を排出路7から排出する。
【0006】
本発明の請求項2の流体を液滴に乳化するマイクロリアクタは、モータ4を、ロータ1の回転速度を変化できる可変速モータとしている。
【0007】
本発明の請求項3の流体を液滴に乳化するマイクロリアクタは、円柱状であるロータ1が、排出路7に向かって先細り状の円錐部12を端部に連結しており、筒体2が、この円錐部12との間に排水隙間13を設けるように内面を円錐状として、排水隙間13の先端を排出路7に連結している。
【0008】
本発明の請求項4の流体を液滴に乳化するマイクロリアクタは、供給孔20の内径を200μm以下としている。また本発明の請求項5の流体を液滴に乳化するマイクロリアクタは、供給孔20の内径を20μm以上としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のマイクロリアクタは、連続相に供給する分散相の流量を正確にコントロールして、液滴の平均粒径を正確にコントロールできる特徴がある。それは、本発明のマイクロリアクタが、外周を円柱状とするロータをモータで回転し、このロータの外側には、ロータ表面との間に円筒状の流路隙間を設け、かつロータの軸方向に離して流路隙間に外側から中心に向かって分散相を供給する複数の供給孔を設けている筒体を配設し、流路隙間の第1の端部に連続相を供給し、この連続相を回転するロータで回転方向に流動させながら、筒体の供給孔に中心に向かって分散相を供給して、連続相の剪断力で分散相を液滴とするからである。とくに、本発明のマイクロリアクタは、円筒状の流路隙間をロータの回転方向に強制流動される連続相に、外側から中心に向かって分散相を供給する。流路隙間を高速に回転される連続相は、回転することで遠心力が働く。この遠心力は中心から外側に向かって発生する。本発明のマイクロリアクタは、流路隙間に外側から内側に向かって分散相を供給する、すなわち、分散相は遠心力の方向と反対の方向に供給される。このことは、分散相を所定の流量に正確にコントロールしながら、連続相に供給するために特に大切である。それは、流路隙間を強制的に流動される連続相の遠心力が、筒体から排出される分散相を加圧する方向に作用して、分散相の排出を制限するからである。
【0010】
ロータの回転で流路隙間を高速流動される連続相は、流速が速くなるにしたがって圧力が低下する。圧力が低下する連続相は、分散相を吸引して流路隙間に強制的に吸入する。この吸入力が強いと、分散相は強制的に流路隙間に吸い出されて、正確に供給流量をコントロールできなくなる。さらに吸入力が強いと、分散相に含まれるガスが気体となって、連続相に気泡を発生させる原因となる。
【0011】
本発明のマイクロリアクタは、図5に示すように、流路隙間3を高速流動する連続相8の遠心力(F)で、分散相9が流路隙間3に吸入されるのを防止する。それは、連続相8の遠心力(F)が作用する方向が、分散相9の排出を阻止する方向に作用するからである。連続相の遠心力が強くなって、分散相の排出を阻止する作用が強くなっても、分散相を流路隙間に供給する分散相供給器の吐き出し圧力を高くして、正確な流量で供給できる。また、連続相の遠心力の方向は、連続相が高速流動して圧力が低下して吸入する方向と反対に作用する。したがって、本発明のマイクロリアクタは、連続相が高速流動して圧力が低下して、分散相を吸い出す力を、連続相の遠心力で阻止することができる。とくに、高速流動する連続相の圧力は、流速が速くなると大きくなるが、連続相の遠心力も流速が速くなると強くなるので、連続相の流速が速くなって圧力が低下して吸入力が強くなるほど、遠心力も強くなってこの圧力による吸入力を解消するように作用する。このため、本発明のマイクロリアクタは、ロータを高速回転して連続相を高速に流動して、連続相による剪断力を強くしながら、分散相を正確に流路隙間に供給して、特定の粒径の液滴とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための流体を液滴に乳化するマイクロリアクタを例示するものであって、本発明はマイクロリアクタを以下のものに特定しない。
【0013】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0014】
本発明の流体を液滴に乳化するマイクロリアクタを、図3の概略断面図と図4の概略水平断面図に示す。これらの図に示すマイクロリアクタは、図5の要部拡大断面図に示すように、連続相8と分散相9を混合し、連続相8の剪断力で分散相9を液滴の状態で連続相8に分散させて乳化する。本発明は、連続相と分散相を特定するものでないが、連続相と分散相は、互いに溶解しないもの、たとえば連続相を水、分散相を油とする。
【0015】
図3と図4のマイクロリアクタは、外周を円柱状とするロータ1と、このロータ1を回転させるモータ4と、ロータ1の外側に配設されて、ロータ表面10との間に円筒状の流路隙間3を設けている筒体2と、流路隙間3の第1の端部、図3において下端部に連続相8を供給する連続相供給器5と、筒体2に設けている供給孔に分散相9を所定の流量で供給する分散相供給器6と、流路隙間3の第2の端部、図3において上端部に連結している排出路7と備えている。
【0016】
ロータ1は、ステンレスなど金属を加工して製作される。ただ、ロータは、硬質のプラスチック等を加工して製作することもできる。ロータ1は回転して、流路隙間3の連続相8を強制的に回転するように流動させて、流路隙間3に供給される分散相9を剪断する。連続相8の剪断力は、連続相8の流速を速くして強くなり、剪断力を強くして、分散相9を直径をより微細な液滴にできる。連続相8が流路隙間3に強制流動される流速は、ロータ1の周速を速くして大きくできる。ロータ1の周速は、ロータ1の回転数と円柱部11の直径である外径(r)の積に比例して速くなる。したがって、ロータ1の円柱部11の直径である外径(r)は、たとえば5.0cmとする。ただし、ロータ1の円柱部11の外径(r)は5.0cmよりも小さく、あるいは大きくすることもできる。外径の小さいロータは、回転数を高くして周速を速くする。ロータ1の円柱部11の表面は、研磨して平滑面に仕上げている。このロータ1は、連続相8の乱流を防止しながら、流路隙間3に強制流動できる。
【0017】
ロータ1の幅、図3において円柱部11の高さ(h)は、供給される分散相9の流量、すなわち筒体2に設けられる供給孔20の個数を考慮して最適値に設計される。供給孔20の多い筒体2の内側に配設されるロータ1は、円柱部11の幅を広くする。供給孔20が、所定の間隔でロータ1の幅方向に離して開口されるからである。たとえば、9個の供給孔20を設けている筒体2の内側に配設されるロータ1は、その幅を3〜5cmとする。
【0018】
図3のロータ1は、円柱部11の上端部に、排出路7に向かって先細り状の円錐部12を連結している。ロータ1の円錐部12は、筒体2の内面との間に排水隙間13を形成する。この排水隙間13は、流路隙間3を排出路7に連結する。ロータ1の円錐部12の表面に一定の間隔の排水隙間13を形成するために、ロータ1の円錐部12と対向する筒体2の内面も円錐部22としている。円錐状であるロータ1と筒体2との間に排水隙間13が設けられる。排水隙間13は、その先端を排出路7に連結して、流路隙間3から供給される乳化された流体を排出路7に排出する。円錐部12は、断面形状において、円柱部11の先端面に対する角度(α)を30度ないし60度とする。排出側に円錐状の排水隙間13を設けているマイクロリアクタは、流路隙間3の流体をスムーズに排出路7に排出できる。
【0019】
モータ4は、ロータ1の回転軸14に連結されてロータ1を回転する。このモータ4には、回転速度をコントロールできる変速モータが使用される。変速モータは、供給される電圧と周波数とがコントロールできる電源回路に接続してなる交流モータで実現できる。交流モータは、供給する電圧と周波数を低くして回転速度を遅く、反対に電圧と周波数を高くして回転速度を高く速くできる。さらに、変速モータには直流モータも使用できる。直流モータは供給電圧を高くして回転速度を速く、供給電圧を低くして回転速度を遅くできる。モータ4がロータ1を回転する回転数は、1000rpm〜2000rpmとする。ただし、モータがロータを回転する回転数は、ロータの外径、要求される液滴の粒径、連続相や分散相の種類により最適値に設定され、たとえば300rpm〜10000rpm、好ましくは500rpm〜5000rpmとすることができる。モータ4は、ロータ1の回転軸14に直接に連結され、あるいは増速機構を介して連結され、あるいは脱着できる機構を介して連結される。
【0020】
筒体2もステンレスなどの金属で製作される。筒体2は、ロータ1に対向する内面をロータ1の直径である外径(r)よりも大きい円柱状として、ロータ1との間に流路隙間3を設けている。筒体2とロータ1は同軸に配設されて、ロータ1の外周に等間隔の流路隙間3を設けている。たとえば、筒体2の内面の直径である内径(R)をロータ1の直径である外径(r)よりも1mm大きくして、流路隙間3の隙間を0.5mmとする。ただし、本発明は、流路隙間を0.5mmには特定しない。流路隙間は、たとえば0.2mmないし5mm、好ましくは0.3mm〜3mmに設定される。流路隙間を狭くして、連続相による分散相の剪断力を強くできる。ただ、流路隙間が狭すぎると、分散相を均一な粒径の液滴に乳化できず、また、連続相と分散相の流量も少なくなって処理能力が少なくなる。したがって、流路隙間の間隔は、連続相や分散相の粘度、要求される液滴の粒径、ロータの回転速度などを考慮して最適値に設定される。
【0021】
筒体2の内面も研磨されて平滑面に仕上げられている。さらに、筒体2は、流路隙間3に、外側からロータ1の中心に向かって分散相9を供給する複数の供給孔20を半径方向に貫通して設けている。複数の供給孔20は、ロータ1の軸方向に離されて、図3において上下に離されて、所定の間隔で設けている。供給孔20は、流路隙間3に強制流動される連続相8に、流路隙間3の外側から中心に向かって分散相9を供給する。供給孔20の内径は、連続相中に乳化される分散相9の粒径に影響を与える。供給孔の内径を小さくして、連続相に乳化される分散相の粒径を小さくできる。供給孔の内径を200μm以下として、連続相に液滴の状態で分散させる分散相の粒径を小さくできる。ただ、供給孔の内径が小さすぎると、流路隙間に供給する分散相の流量が少なくなり、また、詰まりやすくなるので、供給孔の内径は、好ましくは20μmよりも大きくする。筒体2は、排水隙間13を設ける上部を円錐状に加工して、円錐部22の上端を排出路7に連結している。
【0022】
図3と図4の筒体2は、供給孔20を設ける部分の外側に軸方向に縦溝23を設けて、縦溝23の底部を貫通して供給孔20を設けている。縦溝23の開口部は、横断面をコ字状とする閉塞部25Aを有する閉塞プレート25で水密に閉塞される。この閉塞プレート25は、閉塞部25Aを縦溝23に挿入する状態で筒体2の表面に固定される。この筒体2は、縦溝23に沿って分散相9の供給路26を設けて、この供給路26に連結するように複数の供給孔20を設けている。供給路26は、ホースやパイプを介して分散相供給器6に連結され、分散相供給器6から供給路26に供給される分散相9を供給孔20から流路隙間3に供給する。
【0023】
流路隙間3は、連続相供給器5でもって連続相8が供給される。連続相供給器5は連続相8を所定の流量で流路隙間3の一方の端部に供給する。連続相供給器5は、流量をコントロールできる定流量ポンプである。図3の連続相供給器5は、流路隙間3の下部に連続相8を供給している。流路隙間3の下部に供給される連続相8は、回転されるロータ1で強制的に流路隙間3に沿って回転されながら上昇して、排水隙間13を通過して排出路7から外部に排出される。流路隙間3を強制流動する連続相8は、ここに供給される分散相9を剪断力で液滴に分散させて乳化して排出路7から排出する。
【0024】
分散相供給器6は、筒体2に設けている供給路26から複数の供給孔20に分散相9を供給する。分散相供給器6も、分散相9の流量をコントロールできる定流量ポンプである。分散相供給器6から流路隙間3に供給される分散相9は、流路隙間3をロータ1で強制的に回転するように流動される連続相8に剪断されて、連続相中に液滴となって分散され、排水隙間13を通過して排出路7から外部に排出される。
【0025】
以上のマイクロリアクタを使用して、連続相に分散相を液滴の状態で分散させる液滴生成実験を以下の条件で行った。
この液滴生成実験において、マイクロリアクタのロータと筒体には、以下のものを使用した。
ロータ
円柱部の外径(直径)(r)……50.0mm
円柱部の高さ(h)………………40mm
円錐部の角度(α)………………43.5度
筒体
内径(直径)(R)………………51.0mm
供給孔の内径(d)………………50μm
供給孔の数…………………………10個
供給孔の間隔………………………3mm
流路隙間
隙間(s)…………………………0.5mm
さらに、連続相として水を使用し、分散相としてデカン[C1022]を使用した。連続相供給器と分散相供給器にはシリンジポンプを使用した。連続相である水の供給量は、5.0ml/minとした。また、分散相であるデカンの供給量を、5.00ml/min、3.75ml/min、2.50ml/min、1.25ml/minと変化させて液滴を生成した。
さらにまた、モータには、変速モータを使用し、ロータの回転速度を400rpm、800rpm、1200rpm、1500rpmと変化させて液滴を生成した。
各条件で生成された液滴をシャーレに回収し、各50個の液滴の粒径をデジタルマイクロスコープで計測した。
【0026】
以上の実験結果を図6ないし図10に示す。ここで、図6ないし図9は、分散相であるデカンの供給量を、5.00ml/min、3.75ml/min、2.50ml/min、1.25ml/minと変化させて生成された液滴の粒径とその分布を示している。また、図10は、流路隙間に供給される連続相と分散相の流量比(デカン/水)に対する生成された液滴の平均粒径を示している。これらの図に示すように、本発明のマイクロリアクタでは、生成される液滴である液滴の粒径を25〜100μmとしながら、液滴の平均粒径を正確にコントロールできることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来のマイクロリアクタを示す平面図である。
【図2】図1に示すマイクロリアクタが流体を連続相に接触させて液滴とする状態を示す要部拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施例にかかるマイクロリアクタを示す概略断面図である。
【図4】図3に示すマイクロリアクタの水平断面図である。
【図5】図1に示すマイクロリアクタが分散相を液滴の状態で連続相に分散させる状態を示す要部拡大断面図である。
【図6】液滴生成実験で生成された液滴の粒径とその分布を示す図である。
【図7】液滴生成実験で生成された液滴の粒径とその分布を示す図である。
【図8】液滴生成実験で生成された液滴の粒径とその分布を示す図である。
【図9】液滴生成実験で生成された液滴の粒径とその分布を示す図である。
【図10】連続相と分散相の流量比に対する液滴の平均粒径を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
1…ロータ
2…筒体
3…流路隙間
4…モータ
5…連続相供給器
6…分散相供給器
7…排出路
8…連続相
9…分散相
10…ロータ表面
11…円柱部
12…円錐部
13…排水隙間
14…回転軸
20…供給孔
22…円錐部
23…縦溝
24…閉塞部
25…閉塞プレート
26…供給路
90…流路パターン 90A…流路端
91…円形基板
92…円筒容器
94…側壁
95…供給部
97…排出部
98…連続相
99…液体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続相(8)と分散相(9)を混合して、分散相(9)を液滴の状態で連続相(8)に混合するマイクロリアクタにおいて、
外周を円柱状とするロータ(1)と、このロータ(1)を回転させるモータ(4)と、前記ロータ(1)の外側に配設されて、ロータ表面(10)との間に円筒状の流路隙間(3)を設けており、さらに、前記ロータ(1)の軸方向に離して前記流路隙間(3)に外側から中心に向かって分散相(9)を供給する複数の供給孔(20)を設けている筒体(2)と、この筒体(2)と前記ロータ(1)との間の流路隙間(3)の第1の端部に連続相(8)を供給する連続相供給器(5)と、前記筒体(2)の供給孔(20)に分散相(9)を所定の流量で供給する分散相供給器(6)と、前記流路隙間(3)の第2の端部に連結してなる排出路(7)とを備えており、
前記ロータ(1)がモータ(4)で回転される状態で、前記連続相供給器(5)から流路隙間(3)に供給される連続相(8)に、分散相供給器(6)から供給される分散相(9)が供給孔(20)から流路隙間(3)に供給されて、流路隙間(3)において連続相(8)中に液滴となって排出路(7)から排出されるようにしてなる流体を液滴に乳化するマイクロリアクタ。
【請求項2】
前記モータ(4)がロータ(1)の回転速度を変化できる可変速モータである請求項1に記載される流体を液滴に乳化するマイクロリアクタ。
【請求項3】
円柱状である前記ロータ(1)が、排出路(7)に向かって先細り状の円錐部(12)を端部に連結しており、筒体(2)はこの円錐部(12)との間に排水隙間(13)を設けるように内面を円錐状としており、排水隙間(13)の先端を排出路(7)に連結している請求項1に記載される流体を液滴に乳化するマイクロリアクタ。
【請求項4】
前記供給孔(20)の内径が200μm以下である請求項1に記載される流体を液滴に乳化するマイクロリアクタ。
【請求項5】
前記供給孔(20)の内径が20μm以上である請求項1又は4に記載される流体を液滴に乳化するマイクロリアクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−183899(P2009−183899A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28064(P2008−28064)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(304020292)国立大学法人徳島大学 (307)
【出願人】(502089693)財団法人 岡山県産業振興財団 (14)
【Fターム(参考)】