説明

流体ベースのエネルギー生成のための再生可能エネルギー流体ポンプ

支持タワーの頂上に装着された風力タービン又は水中に係留された水力タービンは、ハイドロポンプシステムを駆動する。タービンは、風又は水のエネルギーをハイドロポンプに加えられる駆動トルクに変換する。ハイドロポンプは、パイプ輸送システムを通じて水を陸上施設に送り込む。陸上では、結果として得られた加圧流体流が、水力発電システムを駆動させて電気を生成し、或いは、最初に逆浸透脱塩プロセスにおいて使用することができ、その副産物を部分的に使用して、水力発電システムを駆動し電気を生成することができる。水力発電システム及び/又は脱塩プロセスからの低温水排出物は、陸上の地域又は発電プラント冷却の目的で使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体駆動タービン及びこのような流体駆動タービンを作動させるための方法に関し、より具体的には、タービンを駆動する流体の運動エネルギーを変換するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフショア(沖合)用途のための再生可能エネルギー発電技術は、主として、風力タービン、並びに最近出現しつつある潮汐タービン、波力タービン、及び海流タービンに基づいており、これらの全ては、現在のところ又は計画として、発電機を駆動して高圧電気海底ケーブルを介して陸上に電力を伝送する。多くの接続部及び電子制御装置を備えたこの電気設備は高価であり、高度のメンテナンスを必要とし、厳しい環境に曝されること並びに広大な海面状態の海洋環境におけるアクセス及び保守整備が困難であることに起因して、機能不良及び故障を起こし易い。上述の問題点の内の幾つかは、高架高圧電気ケーブルでも生じる。
【0003】
単一又は多タービン構成及びこれらに関連する電磁界における複数の近接した高電圧システムはまた、塩水中での腐食促進及び海洋生物に対する電磁界(EMF)の影響の点で多くの未知の要素を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,069,802B2号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の1つの目的は、流体の運動エネルギーを変換するためのシステム、及び高電圧ケーブルを介した送電を回避するこのような装置を作動させるための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のこの目的は、第1の流体の運動エネルギーを変換するシステムによって解決され、このシステムは、少なくとも1つの流体駆動タービンを含み、各タービンは、第2の流体を加圧するため少なくとも1つの流体ポンプを駆動する。少なくとも1つの流体ポンプは、輸送パイプラインに連結されて、該輸送パイプラインに加圧された第2の流体を提供し、輸送パイプラインは、加圧された第2の流体のエネルギーを利用するための少なくとも1つの装置に連結される。
【0007】
以下において本明細書は、少なくとも1つのタービン及び少なくとも1つのポンプに対して用語「タービン」及び「ポンプ」を使用する。すなわち、用語「タービン」とは、只一つのタービンに限定されず、複数のタービンも包含する。同じことが用語「ポンプ」に対しても当てはまる。
【0008】
本発明のシステムは、第1の流体すなわち少なくとも1つのタービンを駆動する流体の運動エネルギーを、加圧された第2の流体の提供に変換する。この加圧流体は、第2の流体のエネルギーを利用するために少なくとも1つの装置にパイプ輸送される。この装置は、例えば、加圧流体のエネルギーを電気に変換することができる(より詳細な説明は以下による)。本発明によれば、エネルギーは、この加圧された第2の流体によって伝送され、従って、高電圧ケーブルは必要ではない。
【0009】
一般に、このシステムのタービンは、沖合、すなわち湖、河川、又は海洋中もしくはその上に位置付けられる。タービンを駆動する第1の流体は、風、海流、潮流又は河川流の内の1つ又は複数であり、すなわちタービンは、水面下(第1の流体として水を使用する)又は水面上(第1の流体として風を使用する)に配置することができる。しかしながら、タービンはまた、陸上に配置/位置させることができる。この場合、タービンは、常に気流によって駆動される。
【0010】
タービンは、第2の流体を加圧するため流体ポンプを駆動する。タービンと同様に、流体ポンプは、沖合又は陸上の何れにも配置することができる。タービン及び流体ポンプの配置、すなわち陸上、沖合、水中又は水面上の何れにあるかに関係なく、流体ポンプによって加圧される第2の流体は、第1の流体と同じ流体とすることができ、或いは、第1の流体と異なる流体であってもよい。
【0011】
例えば、タービン及びポンプが水中に配置され、且つポンプを用いてタービンを駆動する水を加圧する場合には、第1の流体と第2の流体は同一である。タービンが風力駆動され、すなわち水面上に置かれ、例えば、近くの河川又は海からの水を流体ポンプを用いて加圧する場合、すなわち、タービンが沖合に置かれるが水面上に配置される場合には、第2の流体と第1の流体は異なる。
【0012】
タービン及びポンプは、陸上又は沖合の何れに配置してもよいが、タービン及びポンプの両方は沖合に配置されるのが好ましい。流体ポンプが水中に配置されるか、又は水面上に配置されるかどうかは、現在の用途によって決まる。同様のことが第2の流体にも当てはまる。これらの流体が同じか又は異なるかは、用途によって決まる。
【0013】
上述のように、タービンは、流体ポンプを駆動するのに使用される。ポンプの駆動は、機械的又は電気的に構成することができる。後者の場合、タービンの回転運動は、例えばタービンを流体ポンプと連結する歯車装置装置により機械的に流体ポンプに伝達される。しかしながら、流体ポンプを電気によって駆動することも可能である。この場合には、タービンの回転運動は、流体ポンプを駆動する電気を発生させるのに使用される。流体ポンプが電気によって駆動されるか、又は機械的に駆動されるかは、用途に応じて決まる。
【0014】
加圧された第2の流体のエネルギーを利用する装置は、通常は陸上の装置であり、この場合加圧流体流がハイドロ装置を駆動する。
【0015】
加圧された第2の流体のエネルギーを利用する多くの方式及び方法がそれぞれ存在する。しかしながら、加圧流体のエネルギーを利用する装置は、発電用装置であるのが好ましい。この場合、加圧された第2の流体が発電機を駆動する。
【0016】
代替の実施形態では、加圧流体のエネルギーを利用するための装置は、脱塩装置である。この場合、少なくとも1つのポンプによって加圧される流体は水である。
【0017】
場合によっては、電気を発生させるために第2の流体を使用する可能性又は脱塩装置内で第2の流体を使用する可能性を組み合わせることが望ましいであろう。従って、本発明の1つの好ましい実施形態では、システムは、加圧された第2の流体のエネルギーを利用する装置、すなわち電気を発生させる装置と脱塩装置の2つの装置を備え、これら両装置が輸送パイプラインに連結され、装置を通して供給される加圧流体の量は、別々に調節可能である。
【0018】
脱塩装置は、加圧水を使用して、塩分を含まない飲料水を生成する。脱塩中、関連する装置は、低圧で塩分を含まない水のプロセスストリームを生成する。更に、脱塩装置は、比較的高圧で塩水ストリームを生成する。高圧塩水ストリームの残りのエネルギーを利用するために、脱塩装置は、発電用装置の上流側に配置され、脱塩装置の加圧された塩水流又はストリームが、発電用装置にパイプ輸送することができるようになる。
【0019】
加圧された第2の流体の第1の利用方法とは関係なく、すなわち発電装置を駆動するために第2の流体を使用すること又は脱塩装置内で加圧流体を使用することとは関係なく、この装置又はこれらの装置(このシステムが、第2の流体のエネルギーを利用するための1つよりも多い装置を含む場合)からの排出流が極低温であるので、該排出流は依然として使用可能な「エネルギー」を含んでいる。従って、このシステムが下流側に水処理施設を備えることが好ましく、この施設内では、加圧流体のエネルギーを利用するための少なくとも1つの装置から排出された低温水が冷却プロセス用に使用される。
【0020】
少なくとも、このシステムのタービンを駆動するために海流が使用される場合には、システムは、第1の流体の運動エネルギーをほぼ定常的に変換する。しかしながら、加圧された第2の流体に対しての要求はこのような定常的ではない。例えば、システムが発電に使用される場合、例えば夜間には、この電力需要は減少する。このようなオフピーク時間中には、第2の流体のエネルギーを地域冷却及び淡水生成に使用することができる。しかしながら、本発明の好ましい実施形態では、システムは、輸送パイプラインに連結された空気充填エネルギー貯蔵装置を備え、この貯蔵装置内の空気は、エネルギー貯蔵装置内で水を噴射することによって加圧することができる。
【0021】
本発明のこの実施形態を用いると、加圧された第2の流体のエネルギーは、例えば、オフピーク時間中に貯えることができる。例えば、電力需要が増大した場合、エネルギー貯蔵装置内の圧力を用いて、付加的な加圧流体を加圧流体のエネルギーを利用するための装置にパイプ輸送することができる。
【0022】
本発明の目的は、風又は水の運動エネルギーを変換する方法によって解決される。本方法は、風又は水の運動エネルギーを使用してタービンを駆動するステップと、タービンによって提供されるエネルギーを使用して流体を加圧するためのポンプを駆動するステップと、加圧流体を輸送パイプラインを介して該加圧流体のエネルギーを利用するための少なくとも1つの装置にパイプ輸送するステップとを含む。
【0023】
加圧流体のエネルギーは、多くの方式で使用することができる。しかしながら、電力需要が増大しているときには、加圧水は、発電のため水力発電施設内にパイプ輸送されるのが好ましい。
【0024】
十分な淡水源がない多くの国がある。従って、多くの場合、海水を脱塩して淡水の飲料水を生成する。そのため、加圧水を脱塩装置にパイプ輸送することが好ましく、この場合、加圧水を濾過プロセスに通して、低圧の淡水流と高圧の塩水流とを生成する。
【0025】
塩水流は排出してもよい。しかしながら、塩水流は高圧であるので、依然として使用可能なエネルギーを備えている。従って、塩水流は、発電のために水力発電施設内にパイプ輸送されるのが好ましい。
【0026】
更に、淡水流の温度は極低温であるので、淡水流も使用可能な「エネルギー」の残余を含んでいる。従って、淡水流は、飲料水又は灌漑用水用の水処理施設及び/又は冷却プロセスにパイプ輸送されるのが好ましい。
【0027】
同じことは、塩水流、すなわち、使用可能なエネルギーの残余を低温の形態で含む塩水流についても当てはまる。好ましい実施形態では、水力発電施設から排出される塩水流は、冷却プロセスに直接使用され、又は水処理施設(冷却プロセスのための)にパイプ輸送される。
【0028】
本発明は、タービンが大量の低速気流又は水流を、すなわち第1の流体の運動エネルギーを取り込み又は集結して、これを高圧高流量のエネルギー(すなわち第2の流体)に変換し、加圧流体のエネルギーを利用する少なくとも1つの装置にパイプ輸送されるという利点がある。高電圧ケーブルを必要としないので、メンテナンスコストが低減される。
【0029】
本発明は、環境上の大きな利点を有する。完全な水力システムは電力消費を伴わず、空気汚染及び温室効果ガスの発生が減少する。加えて、冷凍及び他の冷却システムに低温水を提供する能力によって、他の場合においてこれらのシステムを作動させるために従来の化石燃料を製造及び使用する際に生じる温室効果ガスが有意に相殺される。
【0030】
この新規の流体駆動システムは、沖合で発電して陸上に電力を伝送することに勝る、優れた信頼性上の利点を有する。海洋環境における高電圧システムには問題が起こる可能性が高い。
【0031】
本発明は、送水ポンプを駆動する気流又は水流タービンにより、遙かに優れた機械簡素化及び電気関連構成要素の低減が可能になり、タービンの生産性及び信頼性を大いに高める利点を有する。
【0032】
本発明は、発電に加えて、流体駆動システムが陸上ベースの冷却能力、脱塩、及び水産資源を提供する融通性を有する利点があり、後者は、幾つかの場所において、低温のより栄養分に富んだ水を集めて陸上に圧送する可能性に起因する。
【0033】
本発明は、このシステムの有用性がエネルギー貯蔵特徴部によって更に増大され、これにより顧客の要求を最大に満足するようにシステム出力のバランスを最適化することができるといった利点がある。
【0034】
本発明は、常に存在する海流から生成された供給出力が、オフピーク時間中に100%電力の形態で販売する必要はないという利点を有する。この出力を用いて、地域冷却のためのエネルギーを生成することができ、電力オフピーク時の収益獲得が低いときに商品として淡水を製造することができる。
【0035】
本発明は、システム出力がプログラム可能であり、これによってユーザが加圧水の用途をケルよう選択できるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明が具体化される流体流システムの一実施形態の全体ブロック図である。
【図2A】図1に示す流体流システムの陸上部分の概略図である。
【図2B】水域内に係止され且つ図2Aの流体流システムに連結されたタワー上の風力タービンの概略図である。
【図3】水域内に係止され且つ図2Aの陸上部分に連結された水中タワー上の水流タービンの概略図である。
【図4】水中に係留され且つ陸上部分に連結された水流タービンの概略図である。
【図5】図4に示す水流タービンの内の1つの詳細図である。
【図6】複数のタービンモジュールからなる水中アレイの概略図である。
【図7】図5に示す水流タービンの後方斜視図である。
【図8】図5に示す水流タービンの前方斜視図である。
【図9】図5に示す水流タービンの後面図である。
【図10】図5に示す水流タービンの側面図である。
【図11】図5に示す水流タービンの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
これらの図において、同じ参照符号は各図面における同じ要素を示す。図中の様々な構成要素のサイズは、縮尺通り、すなわち正確な比率ではない場合があり、視覚的明瞭さ及び説明の目的で示されている点を理解されたい。
【0038】
図1は、第1の流体の運動エネルギーを変換するためのシステムの実施形態を示している。図1のシステムは、水を加圧するために2つの流体ポンプ(106、108)を駆動する1つの流体駆動タービン(100、102、104)を含む。流体ポンプは、輸送パイプライン(110)に連結されて、加圧水流体を輸送パイプラインに提供し、この輸送パイプライン(110)は、水力発電機(112)すなわち加圧水のエネルギーを利用するための装置に連結される。
【0039】
言い換えると、図1は、流体駆動タービン(100、102、104)によって利用されるエネルギーが、加圧流体流を介して陸上発電所に伝達され、ここでは加圧流体流がハイドロ装置(112)を駆動するシステムを示している。装置(112)は、
電気を発生する水力発電システムのようなエネルギー回収装置、飲料用又は灌漑用に淡水(淡水流113)を濾過するための脱塩プラント(109)、地域(エアコンディショニング)冷却システムで使用するための冷水容器、塩水ペルトンタービン、又は、上記の何れかの組合せとすることができる。
【0040】
図1による実施形態は、加圧水のエネルギーを利用するための2つの装置、すなわち水力発電機(112)及び脱塩装置(109)を含む。更に、図1のシステムは、水処理施設(122)を含む。
【0041】
脱塩装置(109)は、水力発電機(112)の上流側に設けられ、輸送パイプライン(110)に連結される。加圧水が脱塩装置(109)に入り、ここで高圧塩水流(111)と低圧淡水流(113)とに分離される。高圧塩水流は、水力発電機(112)にパイプ輸送され、発電機を駆動して電気を発生する。図1に示す実施形態では、淡水流は、水処理施設にパイプ輸送され、ここで淡水流の低い温度が冷却プロセスに使用される。
【0042】
本発明の他の実施形態では、水力発電機からの塩水流もまた、冷却プロセス用に使用するのに十分に低温である場合には、水処理施設(122)にパイプ輸送することができる。更に、他の実施形態では、システムは、加圧水のエネルギーを利用するための1つの装置、例えば、水力発電機(112)のみを含むことができる。しかしながら、脱塩装置を作動させるのに必要なエネルギーは、水力発電装置によって発生させることができ、公共送電網から取り込む必要はないので、脱塩装置を水力発電機と組み合せることが好ましい。
【0043】
更に、システムの他の実施形態では、輸送パイプラインは、脱塩装置及び水力発電装置に連結することができ、別々の装置に供給される加圧流体の量を制御して、市場の需要に適応できるようにする。例えば、オフピーク時間中は、より多くの加圧水を用いて淡水を製造することができる。
【0044】
タービンを駆動する流体は、図1に示されているような気流に限定されない。気流、海流、潮流又は河川流の内の1つ又はそれ以上を使用することができる。装置は、作動中に水面上(風による駆動、図1)、又は水中(海流による駆動、図3及び4)にあることができ、ポンプシステムは、大気中、圧力容器内、或いは水中環境の何れかにあることができる。ハイドロ装置(112)から排出された水(115)は、水処理施設(122)で使用することができ、次いで水源(123)に戻すことができる。
【0045】
タービンは、トルク低減歯車装置(104)に連結された回転シャフト(102)を転回させるロータ(100)を含む。トルク低減歯車装置(104)は、好ましくは、Mikhail他に付与された米国特許第7,069,802B2号に記載されるような、分散形パワートレインである。ロータ(100)及び歯車装置(104)は、例えば、海底、川床又は湖底に係止されたタワー構造体の頂上に装着することができる。ロータ(100)は、ヨー制御機構により水平面内、及び支配的な気流又は水流の経路に維持される。ロータ(100)は、流体流に応答して回転するブレード(101)を有する。各ブレードは、歯車装置を駆動するロータシャフトに取り付けられたブレード基部セクションを有し、ブレードピッチ角制御機能及び/又は可変直径ロータを提供するために長さが可変のブレード延長セクションを有することができる。ロータの直径は、ブレード延長部を伸縮させて、ロータによってもたらされる又はロータに作用する荷重が設定限度を超えないように、低流速ではロータを完全に延長し、流速が増大するにつれてロータを後退させることにより制御することができる。ブレード全体のピッチは、ブレードの一部分だけが延長されている間に変えることができる。
【0046】
トルク分配歯車装置(104)は、1つ又はそれ以上の水中ハイドロポンプ(106)、(108)を駆動し、これらのハイドロポンプは、ロータ(100)により駆動されて水輸送パイプ(110)内に水圧を生じさせる。パイプライン(110)は、他のユニット及び/又は陸上脱塩システム(109)、水力発電システム(112)、地域冷却システム、又はこれらの幾つかの組合せに相互連結することができる(図示せず)。結果として得られる加圧流体流は、水力発電システム(112)を駆動して電気(114)を発生させる。障害発生時に絶縁するために、回路遮断器及び/又はヒューズなどの保護装置(116)を設けることができる。パッドマウント変圧器(118)は、生成される出力の電圧を、送電網に接続されたエネルギーファーム収集システム(120)の電圧に変圧する。
【0047】
分散形パワートレイン(104)を用いて、Mikhail他に付与された米国特許第7,069,802B号に記載されているような風力タービン内の発電機を駆動して電気を発生させ、風力タービンが上に配置されているタワーの基部に位置するポンプ(106、108)を電気的に作動させることができる。この場合、ポンプ(106、108)は、図1に示すように水中に、或いは水源への適切な配管を設けて陸上に配置することができる。しかしながら、ポンプはまた、以下に述べるように機械的に駆動することもできる。
【0048】
脱塩後、最小限の圧力が淡水ストリーム(113)内に残される。従って、システムの別の実施形態では、淡水ストリーム(113)は、水力タービン用に用いることができる。この淡水(113)は、そのまま販売されるか、もしくは温度値を抽出するために熱交換器を通過させた後、飲料/灌漑/その他のための淡水として販売することができる。塩水ストリーム(111)は、十分に圧力を有し、水力発電機(112)を通過する。これに低温が残されている場合には、塩水(115)を冷却システムに通過させることにより、AC/冷却値を抽出することができ、次いで、塩水を廃棄することができる。
【0049】
水力発電システム(112)からの低温水排出物(115)は、冷凍のような水処理施設(122)にエネルギーを供給するのに使用され、次いで、水源(123)に戻される。
【0050】
このシステムに対する付加的機能は、脱塩プラント(109)が現場に設けられている場合に、加圧水流(110)は、脱塩プラント(109)をバイパスして水力発電機(112)に直接流入するよう送給され、流れ(111)から100%の水力発電を得ることができる点である。
【0051】
要約すると、加圧された海水源(110)は、最初に脱塩装置(109)に入り、これにより水源水が濾過プロセスを通過して、低圧淡水流(113)と高圧塩水流(111)とを生成することができる。塩水流(111)は、発電のため水力発電施設(112)にパイプ輸送することができる。淡水流(113)は、飲料水又は灌漑用水及び冷凍のためのエネルギーを得るために、水処理施設(122)によって使用することができ、水力発電機(112)から排出される塩水流(111)は、廃棄される前に冷凍のためのエネルギーを得るために使用することができる。
【0052】
図2Aを参照すると、これは、図1に示す流体流システムの実施形態の陸上部分の図である。図2Bに示す風力タービンからの高圧海水パイプ(210)は、脱塩プラント(223)に入っている。高圧低温塩水は、低温塩水排出パイプ(224)を介して排出される。脱塩プラント(223)によって分離された淡水(221)は、淡水パイプ(221)により水処理施設(222)に送られる。
【0053】
高圧低温塩水(224)は水力タービン(211)を駆動し、この水力タービンの出力シャフトは、水力発電プラント(213)の構成要素である発電機(212)を回転させる。水力タービン(211)からの低温塩水排出物(225)は、水処理施設(222)に送られる。
【0054】
加圧水流は、脱塩プラント(223)をバイパスし、この流れから100%の水力発電を得るように迂回することができる。バイパスは、脱塩プラント(223)内のバルブ及びバイパスパイプによって既知の方式で行うことができる。
【0055】
水力発電プラント(213)は、適切な電圧及び電流を変圧器(218)に提供するのに必要な電気機器(216)を含む。変圧器(218)は、高圧電線(220)に接続される。
【0056】
図2Bを参照すると、これは、水域に係止定され、図2Aの流体流システムに連結されたタワー上の風力タービンの図である。この実施形態では、タービンは、送水ポンプ(206、208)を機械的に駆動する。送水ポンプ(206、208)の機械的駆動は、以下のように達成される。ロータブレード(200)は、メインシャフト(202)を転回させ、該メインシャフトが下方シャフト(205)に連結された直角歯車装置(204)を駆動し、更に、下方シャフト(205)が送水ポンプ(206、208)を駆動する。水域に対して開いている送水ポンプは、高圧海水パイプ(210)を介して水流タービンから図2Aに示す陸上システムに水を圧送する。
【0057】
図3を参照すると、これは水域内に係止(304)され、図2Aの流体流システムに連結された水中タワー(301)上の水流タービンの図である。ロータブレード(300)はメインシャフトを転回させ、このメインシャフトが、送水ポンプ(306)を駆動する。水域に対して開いている送水ポンプ(306)は、高圧海水パイプ(310)を介して水流タービンから図2Aに示す陸上システムに水を圧送する。
【0058】
図2Bは、風力発電装置を示している。この風力発電装置は、水域の底に係止されたタワー構造体(207)の頂上に装着される。ロータ(200)は、ヨー制御機構により水平面内且つ支配的な気流の経路内に維持される。ロータは、風に応答して回転する可変ピッチブレードを有する。各ブレードは、ロータシャフト(202)に取り付けられたブレード基部セクションを有し、ブレードピッチ角制御機能、及び/又は可変直径ロータを提供するために長さが可変のブレード延長セクションを有することができる。ロータの直径は、ブレード延長部を伸縮させて、ロータによってもたらされる又はロータに作用する荷重が設定限度を超えないように、低流速ではロータを完全に延長し、流速が増大するにつれてロータを後退させることにより制御することができる。ブレード全体のピッチは、ブレードの一部分だけが延長されている間に変えることができる。
【0059】
発電装置は、ロータ(200)が気流と整列して水平方向で所定位置に保持されるように、気流の経路内でタワー構造体によって保持される。
【0060】
歯車装置(204)は、1つ又はそれ以上の水中ハイドロポンプ(206)を駆動し、これらは、ポンプ駆動シャフト(205)によって駆動されて、他のユニット及び/又は陸上水力タービン(211)に相互連結することができる水輸送パイプ(210)内に水圧を生成する。水力タービン(211)は、発電機(212)を駆動して電気を発生させる。
【0061】
水力タービン(211)からの低温水排出物(222)は、冷凍などのために水処理施設に動力を与えるのに使用され、次いで水源に戻される。
【0062】
或いは、加圧水源は、最初に脱塩装置に入ることができ、これにより水源水は、濾過装置を通過して低圧淡水流(113)と高圧塩水流とを生成する。塩水流は、発電のために水力発電施設/装置内にパイプ輸送することができる。淡水流は、飲料水又は灌漑用水及び冷凍のためのエネルギーを得るために、水処理施設によって使用することができ、塩水流は、廃棄される前に冷凍用のエネルギーを得るために使用することができる。
【0063】
図3は、水力発電装置を示している。この水力発電装置は、完全に水中にあり、水域の底に係止(304)されたタワー構造体(301)の頂上に装着される。タービンロータ(300)は、ヨー制御機構により水平面内且つ支配的な気流又は水流の経路内に維持される。ロータは、水流に応答して回転する可変ピッチブレード(306)を有する。
【0064】
ロータは、1つ又はそれ以上の水中ハイドロポンプ(306)を駆動し、これらは、ロータ(300)により駆動されて、他のユニット及び/又は陸上水力タービン(図1に示すような)に相互連結できる水輸送パイプ(310)内に水圧を生成する。水力タービンは、発電機を駆動して電気を発生させる。
【0065】
水力タービンからの低温水排出物は、冷凍を行うために使用され、次いで、図2に関して上述したように水源へ戻される。
【0066】
或いは、加圧水源は、最初に脱塩プロセス/装置に入ることができ、これにより水源水は、濾過装置を通過して低圧淡水流と高圧塩水流とを生成する。塩水流は、発電のために水力発電施設内にパイプ輸送することができる。淡水流は、飲料水又は灌漑用水及び冷凍のためのエネルギーを得るために、水処理施設によって使用することができ、塩水流は、廃棄される前に冷凍用のエネルギーを得るために使用することができる。
【0067】
他の出力:冷凍、地域空調、脱塩及び水産養殖
流体駆動システムは、タービン駆動ポンプにより海洋(又は湖)の深領域から汲み出されて発電のために陸上の水力発電所に輸送される低温水に基づいた冷凍フェーズを含むことができる。発電所の低温の海水又は湖水系もまた、熱生成プラントの冷却能力を増強するような冷却用途のため、或いは、家庭用、商用、又は他の産業用途の集中冷却システムのために使用することができる。流体駆動システムはまた、風力タービン又は海流タービンの陸上又は沖合位置での直接脱塩に使用することもできる。水産養殖での利点は、特定の場所における低温海水が栄養豊富で且つより純粋である点に見出すことができる
【0068】
流体又は加圧空気圧送を備えた水中システム
図4は、本発明の一部が具体化された水中係留装置の後方側面斜視図である。水中係留装置は、2007年6月29日に出願されたDehlsen他の米国特許出願第60/937,813号に記載されている。このシステムは、支柱(430)と、装置係留部(422、423、424、425)により支柱(430)に連結された装置(400、402)とを含む。支柱は、装置の深さを制御するために移動可能である。主係留部(図示されていないが、係留部440及び442に連結されている)、左側係留部(462)及び右側係留部(460)は、支柱を海底に係止する。係留部の内の1つは、可変長係留部である。
【0069】
長さ制御装置は、可変長係留部に連結される。長さ制御装置は、可変長係留部にかかる張力を制御するための支柱(430)内のウインチである。可変長係留部がウインチに巻き上げられると装置が下降し、可変長係留部がウインチから巻き戻されると、装置は、該装置及び支柱の浮力によって上昇する。
【0070】
水中装置は、中央セクション(404)からなる水中翼構造体によって互いに連結された流体密封ナセル(400)及び(402)内に収容される1対のハイドロポンプを含む。ハイドロポンプは、図5により明瞭に示されている。中央セクション(404)を通るクロスパイプ(470)は、各ナセル内のハイドロポンプの出力を互いに接続する。係留ライン(423、438)に沿った下方パイプ(472)は、結合したナセル出力を支柱(430)まで下り、更に支柱からアンカー(466)まで下り、更にアンカーから海底に沿って陸地に運ぶ。
【0071】
制御セクション(404)は、ナセル(400)及び(402)を中央セクション(404)の下側表面上に位置付けして支持し、ナセルの各々は、中央水中翼構造体(404)の下に配置される。
【0072】
各タービンは、可変ピッチブレード(418、420)をそれぞれ備えたロータ(414、416)を有し、これらのブレードは、構造体に加わるトルク力が均衡するように反対方向に回転する。1対の係留部(422、424)が、装置(402)を水流の経路において水中に係留する。1対の係留部(423、425)は、発電装置(400)を水流の経路において水中に係留する。係留部(422−425)は、「装置係留部」と呼ばれる。ロータ(414)及び(416)は、水流が最初に中央セクション(404)を通過し、次いで結合して、ロータ(414)及び(416)を回転させるように、水中翼(404)に対して位置付けされる。装置係留部(422−425)は、係留部連結部材から、各ナセル(400)及び(402)の本体上、更にケーブル支柱(430)にまで延びる。
【0073】
図5を参照すると、これは図4のナセル内のハイドロポンプを示している。4つのハイドロポンプ(500、502、504、506)が、水入口又は空気シュノーケル(508)に連結されて示されている。図4で示したクロスパイプ(470)は、水出口パイプ(510)に連結されている。ハイドロポンプ(500、502、504、506)の4つの出力部は、水出口パイプ(510)に連結され、この出口パイプは、図4に示す下方パイプ(472)に連結している。
【0074】
水又は空気は、ハイドロポンプ(500、502、504、506)によって入口(508)から吸い上げられ、出口パイプ(510)から出て下方パイプ(472)、海底、及び海底に沿って陸上施設に送り込まれる。
【0075】
水中流体又は圧縮空気アレイ
図6を参照すると、これは複数のタービンモジュールからなる水中アレイの図である。このアレイは、図示のパターンで海底に係止された図4の幾つかのタービンモジュールからなる。図4に示す水又は圧縮空気下方パイプ(472)は、共通輸送パイプ(600、602)に連結され、これらは、アンカー(604、608)により海底に係止される。共通輸送パイプ(600、602)は、マニフォルド(610)に連結され、このマニフォルドの出力は、陸上に延びる共通出口パイプ(612)である。
【0076】
海底に載置又は拘束された大径の空気充填「貯蔵」パイプ又は浮袋のネットワークの形態で、エネルギー貯蔵能力をシステムに組み込むために出力パイプ(610)にアキュムレータ(614)が設けられる。タービンは、エネルギー貯蔵ネットワークの空気充填キャビティ内に水を噴射することによって、貯蔵アキュムレータ(614)を加圧するのに使用される。このようにして、圧縮空気の形で蓄えられた貯蔵エネルギーを用いて、陸上の発電施設に水を供給することができる。
【0077】
各流体駆動タービンは、加圧流体流を共通マニフォルド(600、602、610)に送り、次いで、この加圧流体流を輸送パイプライン(612)を用いて陸上の発電所に送給し、ここで加圧流体流が大規模商用発電用のハイドロ装置を駆動する。
【0078】
図7〜11を参照すると、これらは、図5及び6に示された水流タービンのより詳細な図である。4基のハイドロポンプ(500、502、504、506)が水マニフォルド入口又は空気シュノーケルマニフォルド入口ポイント(508)に連結されて示されている。
【0079】
ハイドロポンプ(500、502、504、506)の4つの入力部(701、703、705、707)は、これらをマニフォルド入口ポイント(509)に連結する水入口マニフォルドに連結され、この入口ポイントは、図4に示されたパイプ(470)に連結している。図4に示されたクロスパイプ(470)は、水出口パイプ(510)に連結される。ハイドロポンプ(500、502、504、506)の4つの出力部(709、711、713、715)は、これらの出力を出口パイプ(510)に向ける水出口マニフォルドに連結され、出口パイプ(510)は、図4に示された下方パイプ(472)に連結する。
【0080】
水又は空気は、ハイドロポンプ(500、502、504、506)によって入口(508)から吸い上げられ、出口パイプ(510)から出て下方パイプ(472)、海底、及び海底に沿って陸上施設に送り込まれる。
【0081】
タービンは、ロータ駆動ハブフランジ(700)を含み、このハブフランジは、トルク低減歯車装置(704)に連結された回転シャフト(702)を転回させる。トルク低減歯車装置(704)は、好ましくは、Mikhail他に付与された米国特許第7,069,802号に記載されているような分散形パワートレインである。代替の駆動システム、ポンプ構成及びマニフォルドシステムは、単一又は複数のタービンと共に利用して、様々な物理的パッケージの利点及び様々な生産高を達成することができる。このような構成は、事例固有のエネルギー需要、タービンサイズ、及び陸上での用途の性質に応じて決まる。
【0082】
トルク配分歯車装置装置(704)は、水中ハイドロポンプ(500、502、504、506)を駆動し、これらのハイドロポンプは、ロータ駆動ハブフランジ(700)によって駆動されて、他のユニット及び/又は陸上水力発電システム、脱塩システム、地域冷却システム又はこれらの幾つかの組合せに相互連結する水輸送パイプ内に水圧を生成する。結果として得られた加圧流体流は、水力発電システムを駆動して電気を生成する。
【0083】
エネルギー貯蔵
流体駆動システムの有用性は、海底に載置又は拘束された大径の空気充填「貯蔵」パイプ又は浮袋のネットワークの形態で、エネルギー貯蔵能力をシステムに組み込むことによって更に強化することができる。タービンは、何れの場合(風力及び水力)においても、エネルギー貯蔵ネットワークの空気充填キャビティ内に水を噴射することによって、貯蔵パイプ又は浮袋を加圧するのに使用することができる。このことは、風のレベルが低下している状況で、圧縮空気の形態で蓄えられた貯蔵エネルギーを用いて、陸上発電施設に水を供給することができるという利点がある。この再生可能資源は、電力需要が最低(の価格)である時に常時流れ続けるので、潮流、河川流又は海流タービンにおいてこの貯蔵は有用である。陸上で発電するためにこのエネルギーを直ちに供給するのではなく貯蔵することで、最も必要な時にエネルギーを伝送するようシステムが指令することができるので、収益値と送電網の安定化が最適になる。
【0084】
このエネルギー貯蔵機能を用いると、システムからの電力供給は、従来の風力発電の性質が間欠的であるのに対して、信頼性があり且つ迅速に対応可能になる。このエネルギー貯蔵機能は、送電網市場が「オフピーク」であるときに持続的な流れ環境で作動する海流タービンにおいて最適である。この機能の更なる利点は、タービンにより「発電時」の電力供給から最大の電力価値を有する1日の内の時間(「ピーク時間」)中の電力供給へのタイムシフトを可能にすることである。一例として、沖合風力発電ファームは、パイプ貯蔵ネットワークの空気圧を充填するために1日に18時間ポンプ動作を行い、次いで、電力需要が高い(高価格の)6時間の間、電力変換及び供給のために加圧空気の形態で蓄えられたエネルギーが放出されるようにプログラムすることができる。この実施例では、陸上の水力発電所で生成される電力は、風力タービンの能力よりも約3倍大きくなるが、この高レベルでの電力供給は、25%の長さしか持続せず、また「発電時」の能力よりも約3倍大きな陸上までのパイプ能力及び陸上発電能力を必要とする。ピーク負荷時の電気料金からのより高い収益は、この大きな能力についての追加コストを上回る必要がある。
【0085】
出力を最適化するためのプログラム制御
流体駆動システムは、プログラム化したアルゴリズムによって制御することができ、これにより、都市又は地方自治体が送電網供給のための1日の時間、季節に応じた発電調整、予備発電能力、並びに電力の生成及び供給、飲料水及び冷却水に関係する他の機能を最適にすることが可能になる。本システムはまた、単一の機能すなわち発電から始まり、必要に応じて他の機能を追加する柔軟性を提供する。
【0086】
代替形態:ハイドロポンプに給電する発電機
図1に関して述べたように、ロータ(100)を含むタービンは、トルク低減歯車装置(104)に連結された回転シャフト(102)を転回させる。トルク低減歯車装置は、好ましくは、Mikhail他に付与された米国特許第7,069,802B2号に記載されるような分散形パワートレインである。ロータ及び歯車装置は、海底、川床又は湖底に係止されたタワー構造体の頂上に装着される。歯車装置は、水中にあるハイドロポンプ(106、108)を駆動する。
【0087】
発電用タービンにおいて、歯車装置(104)は、電気を発生する発電機を駆動する。この代替形態においては、歯車装置のシャフトがハイドロポンプ(106、108)を直接駆動するのではなく、発電機がハイドロポンプ(106、108)を駆動し、該ハイドロポンプは、該ポンプと直列にされた電動機を有する。輸送システムと陸上システムとの均衡は、依然として本明細書の内容と一致する。
【符号の説明】
【0088】
100 ロータ; 101 ブレード; 102 シャフト;
104 トルク低減歯車装置; 106、108 流体ポンプ;
109 脱塩プラント; 110 輸送パイプライン; 111 高圧塩水流;
112 水力発電機; 113 低圧淡水流; 122 水処理施設。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の流体の運動エネルギーを変換するためのシステムであって、
第2の流体を加圧するため少なくとも1つの流体ポンプを各々が駆動する少なくとも1つの流体駆動タービン(100、102、104、106、108)を備え、
前記少なくとも1つの流体ポンプが輸送パイプラインに連結されて、加圧された前記第2の流体を前記輸送パイプラインに提供し、前記輸送パイプラインが、前記加圧された第2の流体のエネルギーを利用する少なくとも1つの装置に連結される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記加圧流体のエネルギーを利用する装置が、発電用装置である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのポンプによって加圧される流体が水である、
請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記加圧流体のエネルギーを利用する装置が脱塩装置である、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムが、前記加圧された第2の流体のエネルギーを利用する2つの装置、すなわち電気を生成する装置と脱塩装置とを備え、前記両装置が、前記輸送パイプラインに連結することができ、前記装置を通って伝導される前記加圧流体の量が個々に調節可能である、
請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項6】
前記脱塩装置が、前記電気を生成する装置の上流側に配置され、前記脱塩装置の加圧された塩水流が、前記電気を生成するための装置にパイプ輸送することができる、
請求項4又は5に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムが下流側に水処理施設を備え、該水処理施設において、前記加圧流体のエネルギーを利用する少なくとも1つの装置から排出される低温水が冷却プロセスに使用される、
請求項3から6の何れかに記載のシステム。
【請求項8】
前記システムが、前記輸送パイプラインに連結された空気充填エネルギー貯蔵装置を備え、
前記貯蔵装置内の空気が、前記エネルギー貯蔵装置における水噴射によって圧縮することができる、
請求項3から7の何れかに記載のシステム。
【請求項9】
風又は水の運動エネルギーを変換する方法であって、
前記風又は水の運動エネルギーを用いてタービンを駆動するステップと、
前記タービンによって提供されるエネルギーを用いて、流体を加圧するポンプを駆動するステップと、
前記加圧流体のエネルギーを利用する少なくとも1つの装置に前記加圧流体を輸送パイプラインを介してパイプ輸送するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
前記加圧水が、発電用の水力発電施設(112)内にパイプ輸送される、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記加圧水が、脱塩装置(109)にパイプ輸送され、前記加圧水が、濾過プロセスを通して低圧淡水流(113)と高圧塩水流(111)とを生成する、
請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記塩水流(111)が、発電用の前記水力発電施設(112)内にパイプ輸送される、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記淡水流(113)が、飲料水又は灌漑用水を得るため及び/又は冷却プロセスのための水処理施設(122)にパイプ輸送される、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記水力発電施設(112)から排出された塩水流(115)が、冷却プロセスに使用され、又は前記水処理施設にパイプ輸送される、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
流体駆動タービン(100、102、104、106、108)によって利用されるエネルギーが、加圧流体流(110、472)を介して陸上発電所にエネルギーを伝送するシステムにおいて、前記加圧流体流(111)がハイドロ装置(112)を駆動する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記加された流体流(472)が水である、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記加圧流体流(472)が圧縮空気である、
請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記ハイドロ装置が、電気(114)を生成する水力発電システムである、
請求項15、16又は17の何れかに記載のシステム。
【請求項19】
前記ハイドロ装置が、淡水と、発電に使用される塩水流とを生成する脱塩システム(109)である、
請求項15、16又は17の何れかに記載のシステム。
【請求項20】
前記タービンを駆動する流体が、気流、海流、潮流又は河川流の内の1つ又はそれ以上のものである、
請求項15、16、17又は18の何れかに記載のシステム。
【請求項21】
前記流体駆動タービン(400、402)が、水中で係留される、
請求項15から20の何れかに記載のシステム。
【請求項22】
前記ハイドロ装置(112)から排出される水(121)が、地域冷却用の水処理施設(122)で使用される、
請求項15から19の何れかに記載のシステム。
【請求項23】
A.加圧された海水源(110)を脱塩処理装置(109)にパイプ輸送して、これにより水源水が濾過装置を通過し、低圧淡水流(113)と高圧塩水流(111)とを生成するようにするステップと、
B.前記塩水流(111)を発電用の水力発電施設(112)にパイプ輸送するステップと、
C.前記淡水流(113)を飲料又は灌漑用水及び冷却用エネルギーを得るために水処理施設(122)にパイプ輸送するステップと、
D.前記水力発電施設(112)から排出される塩水流(111)を用いて冷凍用エネルギーを得るようにするステップと、
を含む方法。
【請求項24】
複数の流体駆動タービンによって利用されるエネルギーが、加圧流体流を介して共通マニフォルド(600、602、610)に伝送され、次いで前記加圧流体流を輸送パイプライン(612)を用いて陸上発電所に供給するシステムであって、
前記加圧流体流が、大規模商用発電のためのハイドロ装置(112)を駆動するようにする、
ことを特徴とするシステム。
【請求項25】
エネルギー貯蔵能力を前記システム内に組み込むために、アキュムレータ(614)が出力パイプ(610)に設けられ、前記タービンが、エネルギー貯蔵ネットワークの空気充填キャビティ内への流体の噴射によって前記貯蔵アキュムレータ(614)を加圧し、これにより圧縮空気の形態で蓄えられた貯蔵エネルギーを用いて、加圧流体を前記陸上発電所に供給し、前記加圧流体流が大規模商用発電のため前記ハイドロ装置(112)を駆動する、
請求項23又は24に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−540816(P2010−540816A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525456(P2010−525456)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【国際出願番号】PCT/IB2008/001419
【国際公開番号】WO2009/037533
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(510079422)デールセン・アソシエイツ・エルエルシイ (2)
【Fターム(参考)】