説明

流体制御弁装置

【課題】 流体制御弁を含む流体通路系において、圧力損失を可能な限り軽減し、これにより流体を流通させるための圧力を最小限とし、装置全体が大型化することなく必要流量を確保することができる流体制御弁装置を得る。
【解決手段】 弁ハウジング10内で弁座13および弁体14を有し流体通路を開閉可能なバルブ部12の上流側に形成される上流側室11に、弁軸Lに対して所定角度宛傾斜して上流側の流体通路を形成する上流側パイプ17が臨んで設けられてなる流体制御弁装置において、上流側室の壁面には、該室内に向かって突出させることにより、上流側パイプから流入する流体をバルブ部に向かって滑らかに流れるように整流して案内する膨出部20が一体に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば自動車用内燃機関(以下、自動車用エンジンという)の冷却装置において、冷却水の流れを冷却水温度に応じて切換え制御するサーモスタット弁装置などに用いて好適な流体制御弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば自動車用エンジンにおいて、これを冷却するために、ラジエータを用いた水冷式の冷却装置が一般に使用されている。従来からこの種の冷却装置においては、エンジンに導入する冷却水の温度を制御できるように、ラジエータ側に循環させる冷却水量を調節するために熱膨張体を用いたサーモスタット弁装置が使用されている。
【0003】
すなわち、熱膨張体を用いたサーモスタット弁装置を、冷却水通路の一部、たとえばエンジンの入口側に介装し、冷却水温度が低い場合には、該制御バルブを閉じて、ラジエータを経由せずバイパス通路を介して冷却水を循環させ、また冷却水温度が高くなった場合は、制御バルブを開いて冷却水をラジエータに通して循環させると、冷却水の温度を所要の状態に制御しているものである。
【0004】
この種のサーモスタット弁装置として従来から種々の構造のものが知られており、たとえば特許文献1に示すようなものが知られている。
【0005】
これを簡単に説明すると、このサーモスタット弁装置では、該装置の配設位置がエンジン冷却系においてラジエータからの冷却水通路とエンジン出口部からのバイパス通路、さらにエンジン入口部に至る通路といった流体の合流部に当たり、これにより生じる冷却水の流れの乱れ、冷却水温度の不均一等から、流体通路中に臨んで設けられているサーモスタット感温部での温度検知が不確実になる等の問題点を解決するために、流体通路途中でサーモスタット感温部を設けた壁面に凹凸部を形成し、流体を接触的に旋回、攪乱させて、冷却水温度を均一化するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平2−11289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1等での従来のサーモスタット弁装置にあっては、当該サーモスタット弁装置を設けた流体通路中で流体の流れが乱されることにより圧力損失を生じることを避けられず、所定の供給流量を確保するためには、流体の圧送圧力を増大させることが必要となり、ポンプ等の圧送手段を大型にし、また装置全体を大型化する等の実用上での不具合を生じてしまうものであった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、流体制御弁を含む流体通路系において、圧力損失を可能な限り軽減し、これにより流体を流通させるための圧力を最小限とし、装置全体が大型化することなく必要流量を確保することができる流体制御弁装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係る流体制御弁装置は、弁ハウジング内で弁座および弁体を有し流体通路を開閉可能なバルブ部の上流側に形成される上流側室に、弁軸に対して所定角度宛傾斜して上流側の流体通路を形成する上流側パイプが臨んで設けられてなる流体制御弁装置において、前記上流側室の壁面の一部には、該室内に向かって突出させることにより、前記上流側パイプから流入する流体を前記バルブ部に向かって滑らかに流れるように整流して案内する膨出部が一体に設けられていることを特徴とする。
ここで、上述した弁ハウジング内の上流側室はほほ半球ドーム状の容積空間として形成され、これに接続される上流側パイプからの流体が該上流側室内を通り、バルブ部である弁座と弁体との通路を経て下流側に流れるように構成されている。
【0010】
本発明(請求項2記載の発明)に係る流体制御弁装置は、請求項1において、膨出部は、上流側パイプが臨む位置と対向する位置に設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明(請求項3記載の発明)に係る流体制御弁装置は、請求項1または請求項2において、弁ハウジングの上流側室の壁面に形成された膨出部は、前記上流側パイプの軸線を含む鉛直断面において壁面に露呈する表面がほぼ円弧状を呈するような形状で形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明(請求項4記載の発明)に係る流体制御弁装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、膨出部は、前記弁ハウジングにおける上流側室の壁面において、前記弁軸周りで前記上流側パイプが接続されている開口端が位置している角度範囲を除いた周方向のいずれかの位置に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明に係る流体制御弁装置によれば、上流側パイプから冷却水が流入する弁ハウジング内の上流側室の壁面に膨出部を設け、冷却水等の流体をバルブ部に向かって整流して案内するようにしているので、簡単な構造であるにもかかわらず、拡張する通路での圧力損失を低減し、バルブ周りの流量分布を均一化することができる。また、本発明によれば、従来のように案内板を設けたり、その案内板のためのスペースの確保も必要なく、弁ハウジング、パイプ等に複雑な形状加工が不要である等の利点がある。
【0014】
すなわち、本発明によれば、流体通路中を流れる流体の流れをスムーズに整流して案内し、ハウジング形状の軽微な変更で流体通路内での圧力損失の増加を防ぎ、該圧力損失によって流体を循環させるのに必要な水圧も縮小できるものであり、これにより装置全体を大型化することなく、必要流量を確保することが可能で、また結果として系全体での圧力損失を小さくできるから、ポンプなどの圧送手段の小型化が可能である等の種々優れた効果がある。
【0015】
また、本発明によれば、膨出部の表面を円弧状に形成しているから、弁ハウジングの上流側室内に流入する流体が円弧状の表面に沿って滑らかに流れ、それと同時に、非膨出部分に流体が流れ込むことが可能なスペースを確保し、流体の行き場に自由度を持たせているので、通水抵抗を抑えることができ、これにより圧力損失を低減できる。
【0016】
さらに、本発明によれば、膨出部の円弧状表面を弁ハウジング中央部に寄せて設けることにより、上流側パイプの流入部から膨出部表面を経てバルブ部まで流れる流体の通路を滑らかにし、流体がスムーズに流れる最適形状とすることができる。
【0017】
また、本発明によれば、弁ハウジングにおける上流側室の壁面上であって膨出部を設ける位置としては、上流側パイプが接続されている開口端に対応する位置を避けた位置であれば、いずれの個所でもよいものであり、設計上での自由度が大きく、しかもその効果が大きいという優れた利点がある。さらに、このような膨出部の位置についての制約が小さいことから、弁ハウジングに対して上流側パイプが、前記弁軸の左右両側に偏芯して取り付けられる際にも自由度が大きく、その効果を発揮し得るという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る流体制御弁装置としてのサーモスタット弁装置の一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】図1のサーモスタット弁装置の概略斜視図である。
【図3】図1、図2のサーモスタット弁装置における弁ハウジングを示す概略斜視図である。
【図4】(a),(b)は図3の弁ハウジングを同図中IV−IV線で断面した後に背面側に傾けた状態を示す概略斜視図である。
【図5】(a)はサーモスタット弁装置が開弁したときの流体の流れを説明するための概略断面図、(b)は従来構造による流体の流れを説明するための概略断面図である。
【図6】(a),(b)は本発明を特徴づける膨出部の弁ハウジングにおける上流側室の壁面での配設位置を説明するための説明図である。
【図7】(a)は発明を特徴づける膨出部の形成状態を説明するための説明図、(b),(c),(d)は(a)のA部詳細図であって、膨出部表面の形成位置を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1および図4は本発明に係る流体制御弁装置の一実施形態を示し、この実施形態では、内燃機関の冷却装置において冷却水の流路切換えを行うサーモスタット弁装置に適用した場合を説明する。
【0020】
これらの図において、符号1は自動車用エンジンの冷却装置を構成するサーモスタット弁装置であり、このサーモスタット弁装置1は、図示しないが、エンジン冷却水をエンジンとラジエータとの間で循環させるエンジン冷却系において、エンジン入口部に配置され、冷却水温度が高いときは、ラジエータからの冷却水をエンジン入口部に流通させたり、冷却水温度が低いときは、エンジン出口部からの冷却水をエンジン入口部にバイパスして還流させたるするといった流路切換えを行うようになっている。
【0021】
図1,2において、符号10は弁ハウジングであり、その内部には、ラジエータからの上流側の冷却水が流入する上流側室11が形成され、該弁ハウジングの下側に流体通路を開閉可能なバルブ部12としての弁座13が形成されるとともに、弁体14が該弁座13に対して進退動作することにより弁開、弁閉動作するようになっている。
【0022】
ここで、図中15は弁体14を進退動作可能に保持するとともに、サーモスタット感温部、弁体14を移動させるためのピストン、リターンスプリングなどを一体的に組み込んでなるバルブ組立体としてのサーモスタットアセンブリであり、サーモスタット感温部が臨む下流側室内の冷却水温度にしたがって、冷却水温度が高いときはピストンにより弁体14を弁開方向に作動させ、冷却水温度が低いときには弁閉するといった動作制御を行うようになっている。なお、このようなサーモスタット弁の動作は周知の通りであり、ここでの具体的な説明は省略する。
【0023】
また、この実施形態では、図示は省略したが、前述した特許文献1による装置と同様に、弁ハウジング10の下側には、エンジン入口部への流体通路とエンジン出口部からのバイパス通路とに接続される装置ハウジングが組み付けられ、自動車用エンジンなどの所定位置に取り付けられることは言うまでもない。
【0024】
前記弁ハウジング10の上側部分は、略半球ドーム状を呈するように形成され、その内部にほぼ同形状の上流側室11が形成されている。そして、この上流側室11には、前記バルブ部12の中心軸である弁軸Lに対して所定角度宛傾斜して上流側パイプ17が一体に設けられている。この上流側パイプ17は、エンジン冷却系においてラジエータに接続され、ラジエータで冷やされた冷却水を該サーモスタット弁装置を介してエンジン入口部に選択的に供給するようになっている。
【0025】
本発明によれば、上述した上流側室11の壁面の周方向の一部、この実施形態では上流側パイプ17が接続されることにより上流側室11への流入口となる開口端18に対向する部分に、該室11内に向かって突出させることにより、前記上流側パイプ17から流入する流体を前記バルブ部12での弁座13、弁体14による流体通路(隙間通路)に向かって滑らかに流れるように整流して案内する膨出部20を一体に設けている。
【0026】
ここで、この実施形態では、膨出部20は、円柱状部材を半球状ドームの外側から押し当てたような形状にすることにより、上流側室11内に向かって半円柱形状に膨出することで形成された場合を示す。すなわち、弁ハウジング10の上流側室11の壁面に形成された膨出部20を、上流側パイプ17の軸線を含む鉛直断面において壁面に露呈する表面がほぼ円弧状を呈するような形状で形成している。
【0027】
図1中、符号21はこの膨出部20を設けていない従来タイプのドーム形状である場合を示す。また、図2中20aは弁ハウジング10において膨出部20に対応するへこみである。
【0028】
そして、上述したサーモスタット弁装置1によれば、上流側パイプ17から冷却水が流入する弁ハウジング10内の上流側室11の壁面に膨出部20を設け、冷却水等の流体をバルブ部12での弁座13、弁体14間の流体通路(隙間通路)に向かって整流して案内するようにしているので、簡単な構造であるにもかかわらず、該装置1での拡狭する流体通路中での圧力損失を低減し、バルブ部周りの圧力分布を均一化することができる。
また、本発明によれば、従来流体を案内したりするために設けていた案内板、さらにその設置のためのスペースを不要とし、さらには複雑な形状加工が不要である等の利点がある。
【0029】
換言すれば、本発明装置1によれば、図5(a),(b)の違いから明らかなように、流体通路中を流れる流体の流れを可能な限りスムーズに整流して案内できるようにし、これにより弁ハウジング10形状の軽微な変更で流体通路内での圧力損失の低減を図り、該圧力損失によって流体を循環させるのに必要な流体圧力も縮小できるものであり、その結果として装置全体を大型化することなく、必要流量を確保することが可能で、また結果として系全体での圧力損失を小さくできるから、ポンプなどの圧送手段の小型化が可能である等の種々の効果があるものである。
【0030】
また、本発明装置1では、膨出部20の表面を円弧状に形成しているから、弁ハウジング10の上流側室11内に流入する流体が円弧状の表面に沿って滑らかに流れ、それと同時に、非膨出部分に流体が流れ込むことが可能なスペースを確保し、流体の行き場に自由度を持たせているので、通水抵抗を抑え、これにより圧力損失を低減できるようにしている。
【0031】
なお、この実施形態では、半円柱形状の膨出部20である場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、上流側室11に仕切り板を設けたり、上流側室内の壁面をすり鉢形状で形成したりした場合には、流体の流れが複雑となり、圧力損失を低減できないが、たとえば上流側室11の内壁面の一部を、上流側パイプの内面に沿った平面形状とすることで形成される膨出部、適宜の曲率を有する円弧面による膨出部、さらに半球状の膨出部など、適宜の形状をもつ膨出部を形成した場合であっても、上述した実施形態とほぼ同等あるいは同等以上の圧力損失の低減を図れ、所用の作用効果を発揮し得ることは言うまでもない。
本出願人は、これら種々の形状による膨出部の作用効果を、実験により確認している。
【0032】
たとえば上述した実験結果として、上流側室11をすり鉢状に形成すると、冷却水の流れる自由度が極端に少なくなるため、かえって圧力損失が大きくなってしまうことが、実験により確認されている。
【0033】
図6(a),(b)は本発明を特徴づける膨出部20を弁ハウジング10の上流側室11内において周方向のいずれの位置に設けるとよいかを説明するための図である。
本出願人は種々の試行錯誤と実験により、膨出部20を、前記弁ハウジング10における上流側室11の壁面において、前記弁軸L周りで前記上流側パイプ17が接続されている開口端18が位置している角度範囲αを除いた周方向のいずれかの位置(図中βで示す角度範囲)に設けるとよいことを実験により確認している。
【0034】
すなわち、弁ハウジング10における上流側室11の壁面上であって膨出部20を設ける位置としては、上流側パイプ17が接続されている開口端18に対応する位置を避けた位置であれば、いずれの個所でもよいものであり、設計上での自由度が大きく、しかもその効果が大きいものである。これは、図6(b)において、流入する流体が膨出部20の表面に衝突することで流体が回り込んで流れるが、そのスペースを確保でき、円滑な流れを確保できるからである。
【0035】
さらに、このような膨出部20によれば、その設ける位置についての制約が小さいことから、弁ハウジング10に対して装置1の組込み位置等の理由から、弁ハウジングに対して上流側パイプ17が、前記弁軸Lの左右両側に偏芯して取り付けられる際にも自由度が大きく、その効果を発揮し得るものである。
【0036】
図7は膨出部20の円弧状表面と各部との位置関係を説明するためのものである。
すなわち、上流側室11の壁面において膨出部20の円弧状表面としては、その膨出部上端22が、バルブ部12の中心軸である弁軸Lと、弁ハウジング10における上流側室11の壁面であって上流側パイプ17が接続されている開口端18との交わる位置まで、弁ハウジング10の中央部に寄せて形成するとよい。
【0037】
すなわち、この膨出部20の円弧状表面の位置によって、上流側パイプ17の径とバルブ部12の開口径への拡張を滑らかにすることができるが、パイプ17からの流入口の径を犠牲にする図7(d)に示す位置では、膨出部20の円弧状表面が、流体の流れに干渉し過ぎてしまう。また、流入口の径を犠牲にしないものの膨出量が小さい図7(b)に示す位置では、円弧状表面が流入流体に影響を与えないため、流体をバブル部12の弁座13、弁体14間の流体通路(隙間通路)まで案内せず、スムーズな流れが得られない。
【0038】
このような点を含めて検討すると、図7(c)に示すような位置に設定すると、パイプ17の流入口から膨出部20を経て、バルブ部12での弁座13、弁体14間の流体通路(隙間通路)に至る流体の流れが滑らかとなり{図5(a),(b)の比較から明らかである。}、流体がスムーズに流れることになる。
【0039】
ここで、上述した図7(b),(c),(d)において、最も好ましい形状は同図(c)であり、同図(b)のように流体の流入口(上流側パイプ17の開口端18)の径を犠牲にしないものの、膨出量が小さいもの、同図(d)のように流入口の径を犠牲にしてしまうものよりは効果的である。尤も、同図(b),(d)に示すものも、半円柱状等の膨出部20を設けたことによるある程度の効果は期待できることは言うまでもない。なお、同図(b),(c),(d)の形状による効果は、最も効果的な(c)、(d)の形状、(b)の形状の順番で期待できるものである。
【0040】
したがって、このように構成すると、膨出部20の円弧状表面を弁ハウジング10の中央部に寄せて設けることにより、上流側パイプ17の流入部から膨出部20表面を経てバルブ部12での弁座13、弁体14間の流体通路(隙間通路)まで流れる流体の通路を滑らかにし、流体がスムーズに流れる最適形状とすることができるのである。
【0041】
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、サーモスタット弁装置1等といった流体制御弁装置を構成する各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
【0042】
また、本発明は、上述した実施形態で説明した内燃機関の冷却装置に用いられるサーモスタット弁装置1には限定されず、種々の流体を制御する流体制御装置であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 サーモスタット弁装置(流体制御弁装置)
10 弁ハウジング
11 上流側室
12 バルブ部
13 弁座
14 弁体
15 サーモスタットアセンブリ(バルブ組立体)
17 上流側パイプ
18 開口端
20 膨出部
22 膨出部上端
L 弁軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ハウジング内で弁座および弁体を有し流体通路を開閉可能なバルブ部の上流側に形成される上流側室に、弁軸に対して所定角度宛傾斜して上流側の流体通路を形成する上流側パイプが臨んで設けられてなる流体制御弁装置において、
前記上流側室の壁面の一部には、該室内に向かって突出させることにより、前記上流側パイプから流入する流体を前記バルブ部に向かって滑らかに流れるように整流して案内する膨出部が一体に設けられていることを特徴とする流体制御弁装置。
【請求項2】
請求項1記載の流体制御弁装置において、
前記膨出部は、前記上流側パイプが臨む位置と対向する位置に設けられていることを特徴とする流体制御弁装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の流体制御弁装置において、
前記弁ハウジングの上流側室の壁面に形成された膨出部は、前記上流側パイプの軸線を含む鉛直断面において壁面に露呈する表面がほぼ円弧状を呈するような形状で形成されていることを特徴とする流体制御弁装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の流体制御弁装置において、
前記膨出部は、前記弁ハウジングにおける上流側室の壁面において、前記弁軸周りで前記上流側パイプが接続されている開口端が位置している角度範囲を除いた周方向のいずれかの位置に設けられていることを特徴とする流体制御弁装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−231856(P2011−231856A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102556(P2010−102556)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000228741)日本サーモスタット株式会社 (52)
【Fターム(参考)】