説明

流体動圧軸受装置及びその製造方法

【課題】流体動圧軸受装置の部品点数及び組付工数を削減し、低コスト化を図ることにある。
【解決手段】外方部材20を、内方部材10をインサート部品として樹脂で射出成形することで、外方部材20の成形と、外方部材20及び内方部材10の組付を同時に行なう。外方部材20の樹脂成形部Nと内方部材10との剥離は、樹脂成形部Nの成形収縮を利用して行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に換気扇モータに組み込まれる軸受装置に関し、特に、内方部材と外方部材との間の軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で内方部材を回転自在に支持する流体動圧軸受装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、換気扇等の電気機器に搭載されるモータには軸受が組み込まれており、この軸受によって回転側部材(例えば、モータの回転軸)が静止側部材に対して回転自在に支持される。この種の用途には、外方部材および内方部材(外輪および内輪)と、両輪間に配設された複数の転動体と、転動体を円周方向所定間隔で保持する保持器とを構成部材として備える、いわゆる転がり軸受が好適に使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−249142号公報
【特許文献2】特開2008−275159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、化学物質を発散する建材の使用に伴う、いわゆるシックハウス症候群の発症人口の増加が問題視されている。特に、住宅の高気密化が進展している上、エアコンの普及により換気がされにくくなっているため、上記の問題が大きくなっている。そのため、現在の建築基準法において、住宅には、積極的・強制的に給排気を行なうためのいわゆる24時間換気システムの設置が義務付けられている。このシステムは各居室に設置した小型の換気扇を主要部として構築されるため、システムの構築費用を低廉化するには換気扇の低コスト化が有効な対策となる。しかしながら、換気扇用のモータに組み込まれる転がり軸受は、上述のとおり数多くの部材で構成されることから低コスト化に限度があり、モータ、ひいては換気扇の更なる低価格化を図る上での障害となる。
【0005】
また、上記システムの換気扇は基本的に連続運転されることから、特に低騒音であることが求められる。しかしながら、転がり軸受では、運転時に保持器のポケットと転動体とが衝突することによって生じるいわゆる保持器音や、内外輪の軌道面上を転動体が転送することによって生じる摩擦音等の発生が避けられないことから、更なる静粛性向上の要請に対応するのが困難である。
【0006】
以上の問題は、転がり軸受に替えて、例えば、潤滑油の動圧作用で回転側部材(内輪)を非接触支持する流体動圧軸受を採用することによって、緩和あるいは解消し得るものとも考えられる。例えば特許文献2に示されている流体動圧軸受装置は、第1の軸受リング(12)と、第1の軸受リング(12)から内径側に突出した一対の第1の軸受プレート(16,20)とで外方部材(第1の軸受部材)を構成すると共に、回転軸に取り付けられる円筒状の第2の軸受リング(14)と、第2の軸受リング(14)の外周面に固定された第2の軸受プレート(18)とで内方部材(第2の軸受部材)を構成している。内方部材が回転すると、第1の軸受リング(12)の内周面と第2の軸受プレート(18)との間にラジアル軸受隙間が形成されると共に、一対の第1の軸受プレート(16,20)と第2の軸受プレート(18)との間にスラスト軸受隙間が形成される。一対の第1の軸受プレート(16,20)と第2の軸受プレート(18)とが軸方向で係合することにより、外方部材の内周からの内方部材の抜けが規制され、流体動圧軸受装置を一体化できるため、換気扇等への組付がしやすくなる。
【0007】
この場合、内方部材は、外方部材の一対の肩面の軸方向間に配されるため、外方部材に一対の肩面を設けた後に、その一対の肩面の軸方向間に内方部材を組み込むことはできない。このため、上記のように外方部材を複数の部品(第1の軸受リング(12)、及び、第1の軸受プレート(16,20))で構成せざるを得ない。このように多くの部品で流体動圧軸受装置を構成すると、各部品の加工コスト及びこれらの部品をユニット化する組付コストが嵩むこととなり、転がり軸受に替えて流体動圧軸受を採用することでコスト低減を図る目的と逆行することとなる。
【0008】
また、流体動圧軸受装置では、ラジアル軸受隙間及びスラスト軸受隙間が高精度に設定されていないと、各軸受隙間の潤滑油の圧力が十分に高まらず、内方部材と外方部材とが接触摺動して騒音を発生させる恐れがある。かかる不具合を回避するために、各軸受隙間を高精度に設定しようとすると、煩雑な工程を要するため組立作業性が低下し、製造コスト高を招く。
【0009】
本発明の解決すべき課題は、静粛性に優れ、且つ、低コストに製造可能であり、特に住宅用の小型換気扇のモータに好適に組み込むことができる流体動圧軸受装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明は、金属で形成された内方部材と、内方部材の外径側に配され、内方部材の外周面と径方向で対向する大径内周面、大径内周面の軸方向両側に設けられた小径内周面、及び、大径内周面と小径内周面との間に設けられ、内方部材の軸方向両端面と軸方向で対向する一対の肩面を有する外方部材と、内方部材の回転に伴って内方部材の外周面と外方部材の小径内周面との間に形成されるラジアル軸受隙間と、内方部材の軸方向両端面と外方部材の肩面との間に形成されるスラスト軸受隙間とを備えた流体動圧軸受装置であって、外方部材が、内方部材をインサート部品とした樹脂の射出成形品である流体動圧軸受装置を提供する。
【0011】
このように、内方部材をインサート部品として外方部材を射出成形すれば、外方部材を一対の肩面を含めて成形すると同時に、外方部材の一対の肩面の軸方向間に内方部材を組み付けることができるため、部品点数及び組立工数を削減することができる。
【0012】
内方部材をインサート部品として外方部材を樹脂で射出成形すると、射出成形直後は、外方部材の樹脂成形部が内方部材に密着しているが、樹脂成形部の成形収縮により、外方部材の樹脂成形部を内方部材から剥離することができる。例えば、樹脂成形部の軸方向の成形収縮により外方部材の肩面を内方部材から剥離することにより、スラスト軸受隙間を形成することができる。これにより、軸受隙間を設定するための別途の工程を要することなく、簡単且つ高精度にスラスト軸受隙間を設定することができる。
【0013】
また、外方部材に芯金を設け、外方部材を射出成形する際に、内方部材に加えて、内方部材の外径側に配した芯金をインサート部品とすることにより、外方部材の大径内周面と内方部材の外周面との間にラジアル軸受隙間を簡単に形成することができる。
【0014】
具体的には、例えば芯金の内周面と内方部材の外周面との間にラジアル軸受隙間を形成する場合、成形金型にインサート部品として供給される芯金の内周面と内方部材の外周面との間の隙間(直径差)を、射出材料(溶融樹脂)が侵入できない程度(例えば50μm以下)に設定すれば、この隙間が樹脂で埋められることを回避し、ラジアル軸受隙間として機能させることができる。
【0015】
一方、外方部材の樹脂成形部と内方部材との間にラジアル軸受隙間を形成する場合、成形金型のキャビティ内に配置された芯金の内周面と内方部材の外周面との間に樹脂が入り込むため、射出成形直後は、樹脂成形部(外方部材の大径内周面)が内方部材の外周面に密着した状態となっている。その後、樹脂の半径方向の成形収縮が芯金を基準として生じることにより、芯金と内方部材との間の樹脂が芯金側(外径側)に収縮し、これにより、樹脂成形部が内方部材の外周面から剥離して、これらの間にラジアル軸受隙間が形成される。
【0016】
また、図7に示すように、芯金Mの軸方向端部M2を、内方部材10の端面13(外方部材20の肩面23)よりも軸方向外側(図中左側)に配すれば、芯金Mの軸方向両端部M2を基準として、外方部材20の肩面23が軸方向外側に移動する方向に成形収縮を生じさせることができる。すなわち、芯金Mの軸方向両端部(点線部)に樹脂が集まる方向に収縮するため、内方部材10に密着した外方部材20の肩面23が内方部材10から剥離する方向に後退し、肩面23を内方部材10から確実に剥離することができる。
【0017】
外方部材の芯金を焼結金属で形成すれば、芯金の寸法精度を高めることができる。特に、芯金がラジアル軸受隙間に面する場合は、焼結金属製の芯金の内部気孔に含浸された潤滑油をラジアル軸受隙間に供給できるため、潤滑性が高められる。
【0018】
外方部材の成形金型のキャビティに芯金をインサート部品として配置する場合、成形金型に、芯金の軸方向両端面に当接する突出部を設ければ、この突出部で芯金の軸方向両端面を挟持することにより、キャビティ内で芯金を確実に位置決めすることができる。この場合、外方部材の樹脂成形部には、外方部材の端面から芯金に達する軸方向穴が形成される。
【0019】
内方部材の外周面にラジアル動圧発生部(例えば動圧溝)を形成すれば、ラジアル軸受隙間の潤滑油に動圧作用を積極的に発生させることができるため、潤滑油の動圧作用により内方部材がより確実に非接触支持され、軸受回転時の静粛性が高められる。
【0020】
内方部材の少なくとも外周面を、成形性に優れた焼結金属で形成すれば、この面の寸法精度を高めることができるため、内方部材の外周面が面するラジアル軸受隙間を高精度に設定することができる。また、焼結金属の内部気孔に含浸された潤滑油をラジアル軸受隙間に供給することができるため、ラジアル軸受隙間における潤滑性を高めることができる。この場合、内方部材の外周面にラジアル動圧発生部を転造加工により形成すれば、転造加工により内方部材の外周面に生じる塑性流動を、焼結金属の内部空孔で吸収することができるため、転造加工による盛り上がりが抑えられ、ラジアル動圧発生部を精度良く形成することができる。
【0021】
上記のように、内方部材をインサート部品として外方部材を樹脂で射出成形する場合、樹脂の成形収縮を利用して樹脂成形部を内方部材から剥離するために、成形収縮率が1%以上、望ましくは1.5%以上の樹脂を主成分として使用することが好ましい。このような樹脂として、例えば、ポリアセタール(POM)を使用することができる。
【0022】
以上のような流体動圧軸受装置は、静粛性に優れ、低コストであり、さらに、外方部材と内方部材とがユニット化されて取り扱いが容易であるため、例えば換気扇用モータに好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明の流体動圧軸受装置によれば、外方部材の成形と同時に、外方部材及び内方部材の組付を行なうことができるため、部品点数及び製造工数が削減され、低コスト化を図ることができる。また、樹脂の成形収縮を利用して高精度に軸受隙間を設定することで、軸受回転時の静粛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】軸受ユニットの断面図である(モータ静止時)。
【図2】流体動圧軸受装置の断面図である。
【図3】図2を拡大した断面図である。
【図4】内方部材の側面図である。
【図5】軸受ユニットの断面図である(モータ回転時)。
【図6】外方部材を成形する金型の断面図である。
【図7】外方部材の樹脂成形部が成形収縮する様子を示す断面図である。
【図8】他の実施形態に係る外方部材を成形する金型の断面図である。
【図9】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の断面図である。
【図10】図9の流体動圧軸受装置の芯金の断面図である。
【図11】図10の芯金の平面図である。
【図12】図9の流体動圧軸受装置の外方部材を成形する金型の断面図である。
【図13】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る流体動圧軸受装置を組み込んだ軸受ユニット1の軸方向断面図である。この軸受ユニット1は、例えば、住宅の居室に設置される24時間換気システム用の小型換気扇モータ(より厳密に言えば、換気扇用インナーロータ型モータ)に組み込んで使用されるものである。軸受ユニット1は、回転軸2と、回転軸2の外周面に固定されたモータロータ3と、モータロータ3の軸方向両側に配置された一対の流体動圧軸受装置4,4と、モータロータ3及び流体動圧軸受装置4,4を収容するハウジング5と、ハウジング5から突出した回転軸2の端部に設けられたファン6とを備える。一方(図中右側)の流体動圧軸受装置4とハウジング5との間には、スプリング7が圧縮状態で配置されている。尚、図1は、モータ(回転軸2)が静止した状態を示している。
【0027】
流体動圧軸受装置4は、図2に示すように、内方部材10と、内方部材10を回転自在に支持する外方部材20とを備える。内方部材10は回転軸2に固定され、本実施形態では、図1に示すように、内方部材10が回転軸2の外周面に圧入される。内方部材10は、軸方向両側から位置決め部材8a,8bで挟持され、軸方向内側(モータロータ3側)の位置決め部材8aは止め輪9に当接している。このように、位置決め部材8a,8b及び止め輪9により、回転軸2に対する内方部材10の軸方向位置、特に内方部材10,10の軸方向間隔が設定される。外方部材20は、ハウジング5の内周面に嵌合し、軸方向に摺動可能な状態で取り付けられる(図1参照)。軸方向および半径方向で互いに対向する内方部材10と外方部材20の各面間(ラジアル軸受隙間R及びスラスト軸受隙間T)には潤滑油が介在している(図3参照)。尚、図1中の流体動圧軸受装置4,4は、同一構造である。
【0028】
内方部材10は、例えば金属でリング状に形成され、本実施形態では焼結金属で形成される。内方部材10の外周面11は円筒面状を成し、ラジアル軸受隙間Rに満たされた潤滑油に接触している(図3参照)。内方部材10の外周面11にはラジアル動圧発生部が形成される。本実施形態のラジアル動圧発生部は、図4に示すように、外周面11の全面に形成され、V字状に屈曲した動圧溝Baと、これを区画する丘部Bb(図中クロスハッチングで示す)とを円周方向に交互に配列したヘリングボーン形状を呈する。動圧溝Baは、例えば転造加工により形成される。本実施形態では、内方部材10が焼結金属で形成されるため、転造加工の圧迫による内方部材10の外周面11の塑性流動を焼結金属の内部気孔で吸収できる。このため、塑性流動による内方部材10の表面の盛り上がりが抑えられ、ラジアル動圧発生部(動圧溝Ba及び丘部Bb)を精度良く形成することができる。
【0029】
内方部材10の内周面12は、図2に示すように、円筒面12aと、円筒面12aの軸方向両端部に設けられた面取り部12bとを有する。内方部材10は、例えば円筒面12aを回転軸2の外周面に圧入(軽圧入)することにより、あるいは、円筒面12aと回転軸2の外周面との間に接着剤を介在させることにより、回転軸2に固定される。
【0030】
内方部材10の軸方向両側の端面13,13は、内方部材10の軸方向中央面に関して対称な形状を成している。端面13は、図3に拡大して示すように、外径側に設けられたテーパ面13aと、内径側に設けられた平坦面13bとからなる。テーパ面13aは、外径側に向けて軸方向中央部側(すなわち、端面13,13が互いに接近する側)に傾斜して設けられる。平坦面13bは、テーパ面13aの内径端から内径側に延びる。テーパ面13a及び平坦面13bは、スラスト軸受隙間Tの潤滑油に接触する。本実施形態では、テーパ面13a及び平坦面13bは凹凸のない平滑な面となっている。
【0031】
外方部材20は、内方部材10の外径側に配されたリング状を成し、芯金Mと、芯金Mをインサート部品として射出成形された樹脂成形部Nとで構成される。芯金Mは、例えば金属でリング状に形成され、本実施形態では焼結金属で形成される。図2に示すように、芯金Mの外周面M1及び軸方向両端面M2,M2の全面と、内周面M3の軸方向両端部が、樹脂成形部Nにより密着保持されている。
【0032】
外方部材20は、軸方向断面が内径向きに開口した略コの字形状を成し、大径内周面21と、大径内周面21の軸方向両側に設けられた一対の小径内周面22,22と、大径内周面21の軸方向両端部と小径内周面22,22との間に形成された一対の肩面23,23とを備える。大径内周面21は、平滑な円筒面状に形成され、本実施形態では芯金Mの内周面M3で構成される。大径内周面21は、ラジアル軸受隙間Rを介して内方部材10の外周面11と対向する(図3参照)。
【0033】
小径内周面22は樹脂成形部Nに形成され、大径内周面23より小径となっている。本実施形態では、小径内周面22が、内方部材10の端面13の平坦面13bの径方向範囲内(図示例では、平坦面13bの径方向略中央部)に位置している。尚、小径内周面22には、潤滑油の漏れ出しを防止するために、撥油剤を塗布してもよい。
【0034】
一対の肩面23,23は樹脂成形部Nに形成され、軸方向中央面に関して対称な形状を成している。肩面23は、図3に拡大して示すように、外径側に設けられたテーパ面23aと、内径側に設けられた平坦面23bとからなる。テーパ面23aは、外径側に向けて軸方向中央部側(すなわち、肩面23,23が互いに接近する側)に傾斜して設けられる。平坦面23bは、テーパ面23aの内径端から内径側に延びる。テーパ面23a及び平坦面23bは、スラスト軸受隙間Tを介して、それぞれ内方部材10の端面13のテーパ面13a及び平坦面13bと対向する。本実施形態では、テーパ面23a及び平坦面23bは凹凸のない平滑な面となっている。
【0035】
芯金Mの軸方向寸法は、内方部材10の軸方向寸法よりも大きい。詳しくは、芯金Mの軸方向両端面M2,M2が、内方部材10の端面13,13の平坦面13b,13b、及び、この面と軸方向に対向する外方部材10の肩面23,23の平坦面23b(詳細は後述する)よりも、軸方向外側に位置している。これにより、樹脂成形部Nの芯金Mよりも内径側の部分が、芯金Mの軸方向両端面M2,M2よりも軸方向中央側に突出した状態となる。
【0036】
外方部材20の外周面24は樹脂成形部Nに形成され、図2に示すように、ハウジング5(図1参照)への取り付け面となる円筒面24aと、円筒面24aの軸方向両端部に設けられた面取り部24bとを有する。円筒面24a(取り付け面)は、ハウジング5の内周面に隙間を介して嵌合され、これにより外方部材20がハウジング5に対して軸方向でスライド可能とされる。
【0037】
以上の構成からなる流体動圧軸受装置4の内部空間には、焼結金属製の内方部材10及び芯金Mの内部気孔を含めて、潤滑油が充填される。潤滑油は、図3に示すように、ラジアル軸受隙間Rの全域及びスラスト軸受隙間Tの内径端付近まで満たされる。潤滑油は、スラスト軸受隙間Tの毛細管力により外径側(ラジアル軸受隙間R側)に引き込まれる。潤滑油の油面は、スラスト軸受隙間Tに保持され、好ましくは、スラスト軸受隙間Tの円筒部分(平坦面13b,23b間の隙間)に保持される。
【0038】
上記の流体動圧軸受装置4を組み込んだ軸受ユニット1は、図1に示すように、スプリング7により図中右側の流体動圧軸受装置4の外方部材20が図中左向きに付勢されている。このため、回転軸2が静止した状態(図1の状態)では、スプリング7により付勢された外方部材20が内方部材10に当接し、内方部材10及び回転軸2が図中左向きに付勢される。これにより、図中左側の流体動圧軸受装置4の内方部材10が図中左向きに付勢され、外方部材20と当接して係止される。すなわち、この軸受ユニット1では、ハウジング5及びスプリング7により、一対の流体動圧軸受装置4,4が互いに接近する方向の予圧が付されている。
【0039】
回転軸2が回転すると、各流体動圧軸受装置4の内方部材10の外周面11と外方部材20の大径内周面21(芯金Mの内周面M3)との間のラジアル軸受隙間Rに油膜が形成される。そして回転軸2の回転に伴い、ラジアル軸受隙間Rの油膜の圧力がラジアル動圧発生部(動圧溝Ba及び丘部Bb)により高められ、この油膜の動圧作用により回転軸2および内方部材10が静止側部材および外方部材20に対してラジアル方向に非接触支持される。
【0040】
これと同時に、各流体動圧軸受装置4の内方部材10の両端面13,13と、これらに対向する外方部材20の肩面23,23のとの間のスラスト軸受隙間Tに油膜が形成される。そして回転軸2の回転に伴い、スラスト軸受隙間Tの油膜の圧力が高められ、回転軸2および内方部材10が静止側部材および外方部材20に対して両スラスト方向に非接触支持される(図5参照)。尚、図5では、ラジアル軸受隙間R及びスラスト軸受隙間Tの大きさを誇張して示している。
【0041】
回転軸2の回転によりスラスト軸受隙間Tの潤滑油に圧力が生じると、回転軸2が図中右側に負荷を受ける(図5の白抜き矢印参照)。このとき、図中右側の流体動圧軸受装置4の外方部材20がスプリング7を圧縮しながら図中右側にスライドすることにより、両流体動圧軸受装置4,4のスラスト軸受隙間Tが確保される。このように、外方部材20をハウジング5に固定するのではなく、ハウジング5に対して軸方向移動可能な状態で嵌合することで、ハウジング5への外方部材20の組付精度に関わらず、スラスト軸受隙間Tを高精度に設定することができる。これにより、外方部材20に対して内方部材10が確実に非接触支持され、接触摺動による騒音の発生をより確実に防止できる。
【0042】
また、この軸受ユニット1では、スプリング7により流体動圧軸受装置4,4に軸方向の予圧を付しているため、外方部材20がハウジング7に隙間を介して嵌合した状態であっても、回転軸2の回転に伴って外方部材20が回転する事態を防止できる。一方、スプリング7の弾性力が大きすぎると、内方部材10と外方部材20とが接触摺動する恐れがある。従って、スプリング7の弾性力は、外方部材20の回転を防ぎ、且つ、外方部材20と内方部材10との接触摺動を防ぐことができるような範囲に設定され、例えば、スラスト軸受隙間Tに発生する圧力の負荷容量の20〜80%程度とすることが望ましい。
【0043】
以上の構成からなる流体動圧軸受装置4は、外方部材20の肩面23,23の軸方向間に内方部材10が設けられるため、外方部材20の肩面23,23と内方部材10の端面13,13とが軸方向で係合することにより、外方部材20の内周からの内方部材10の抜けが規制される。これにより、内方部材10及び外方部材20の分離を防止して流体動圧軸受装置4を一体的に扱うことができるため、回転軸2やハウジング5への取り付けがしやすくなる。
【0044】
また、回転軸2の回転に伴ってスラスト軸受隙間T内の潤滑油に遠心力が作用することにより、潤滑油が外径側(ラジアル軸受隙間R側)に押し込まれる。この遠心力と、スラスト軸受隙間Tによる毛細管力とにより、潤滑油の漏れ出しを防止できるため、流体動圧軸受装置4には特別なシール機構を設ける必要がない。もちろん、流体動圧軸受装置4にシール機構を設けても良く、例えば、内方部材10の端面13の平坦面13b、あるいは、外方部材20の肩面23の平坦面23bの何れかをテーパ面状に形成することで、断面楔形のシール空間を設けても良い。
【0045】
以下、流体動圧軸受装置4の製造方法、特に、外方部材20の射出成形工程を中心に説明する。
【0046】
図6に、外方部材20を射出成形するための金型30を示す。この金型30は、固定型31と、可動型32と、コアピン33とを主に備える。
【0047】
まず、固定型31に設けられたコアピン33の外周面に内方部材10を嵌合し、この内方部材10の外周面11に芯金Mを嵌合する。この状態で、可動型32をスライドさせて型締めすることにより、キャビティ34が形成される。このとき、内方部材10は、固定型31に設けられた軸方向の突出部31aと、可動型32に設けられた軸方向の突出部32aとで軸方向両側から挟持され、これによりキャビティ34内で軸方向に位置決めされる。このとき、内方部材10の外周面11と芯金Mの内周面M3との間の径方向隙間(ラジアル軸受隙間Rに相当する隙間)は、キャビティ34に射出される溶融樹脂が入り込まず、且つ、内方部材10と外方部材20(芯金M)とが滑らかに相対回転可能な値に設定する必要があり、例えば10〜50μm、好ましくは20〜40μmの範囲内に設定される。本実施形態では、内方部材10及び芯金Mを何れも成形性に優れた焼結金属で形成しているため、内方部材10及び芯金Mを優れた寸法精度で成形することができる。従って、これらの間に形成される隙間を高精度に設定することができ、この隙間を上記のような微小な範囲内に設定することが可能となる。
【0048】
この状態で、ゲート35からキャビティ34内に溶融樹脂を射出する。溶融樹脂の主成分樹脂としては、収縮率が大きいもの(1%以上)が好ましく、例えばポリアセタール(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)、液晶ポリマー(LCP)等を使用することができる。これらのうち、収縮率が特に大きいポリアセタールが最も好ましい。この主成分樹脂に、強化材や導電化材等の各種充填材を必要に応じて配合したものが溶融樹脂として用いられる。この溶融樹脂に配合する充填材の種類や配合量を適宜設定することで、キャビティ34に射出した時に、内方部材10と芯金Mとの間の径方向隙間に溶融樹脂が入り込みにくくすることができる。
【0049】
キャビティ34内へ溶融樹脂が充填され、溶融樹脂が固化した後、型開きを行なうと、内方部材10と、内方部材10に密着した外方部材20との一体品が得られる。この一体品を、固定型31及びコアピン33から離型する。
【0050】
上記の一体品のうち、外方部材20の樹脂成形部Nには成形収縮が生じる。一般に、樹脂成形品の成形収縮は、肉厚の中央部に向けて生じる。図2に示す樹脂成形部Nが軸方向中央側に成形収縮すると、外方部材20の肩面23が内方部材10の端面13に押し付けられる恐れがある。そこで、本実施形態では、外方部材20に芯金Mをインサート部品として配置する。芯金Mは、内方部材10のうち、少なくともキャビティ34内に配された部分よりも軸方向寸法が大きく、内方部材10の軸方向両側にはみ出すように設けられる。この芯金Mにより、樹脂成形部Nの軸方向中央側への収縮を妨げている。すなわち、図7に示すように、外方部材20の肩面23の軸方向の成形収縮は、芯金Mの軸方向両端面M2の軸方向位置(点線で示す位置)を基準として生じ、この領域の樹脂成形部Nの樹脂は基準位置(点線位置)に向けて軸方向両側から収縮する。その結果、内方部材10の端面13に密着した外方部材20の肩面23が、内方部材10から剥離する方向に収縮して、図7に鎖線で示す位置まで後退する。これにより、内方部材の端面13と外方部材20の肩面23との間に軸方向の隙間が形成され、この隙間がスラスト軸受隙間Tとして機能する。尚、図7では一方の肩面23の成形収縮について説明したが、他方の肩面23も同様に収縮し、内方部材10の端面13から剥離する。
【0051】
以上のように成形された内方部材10と外方部材20との間の隙間に、焼結金属製の内方部材10及び芯金Mの内部気孔を含めて、潤滑油が注入される。その後、流体動圧軸受装置4の使用環境で想定される最高温度まで加熱し、このときの熱膨張によりスラスト軸受隙間Tの内径側端部から溢れ出した潤滑油を拭き取る。その後、常温まで冷却することにより潤滑油が収縮し、油面が軸受内部側(外径側)に後退してスラスト軸受隙間Tの円筒部分(平坦面13b,23b間の隙間)に保持される。これにより、想定される温度範囲内であれば、熱膨張により潤滑油がスラスト軸受隙間Tから漏れ出すことはない。以上により、流体動圧軸受装置4が完成する。
【0052】
本発明は上記の実施形態に限られない。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記の実施形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0053】
例えば、図8に示す金型30は、固定型31及び可動型32に、キャビティ34内に配置された芯金Mの端面に軸方向両側から当接する突出部31b,32bが設けられる。突出部31b,32bは、例えば円周方向に離隔した複数箇所に等配される。この突出部31b,32bにより、キャビティ34内で芯金Mを軸方向で確実に位置決めすることができる。この場合、成形後の外方部材20の軸方向両端面には、突出部31b,32bにより成形され、外方部材20の端面から芯金Mに達する軸方向穴が形成される(図示省略)。金型30から内方部材10及び外方部材20を取り出した後、軸方向穴は接着剤や樹脂等で埋められる。
【0054】
また、上記の実施形態では、外方部材20の大径内周面21を芯金Mの内周面M3で構成し、芯金Mと内方部材10との間にラジアル軸受隙間Rを形成する場合を示しているが、これに限らず、図9に示すように、外方部材20の大径内周面21を樹脂成形部Nで構成してもよい。図示例では、内方部材10の外周面11と芯金Mとが径方向に離隔し、この径方向間に樹脂成形部Nが設けられる。内方部材10が回転すると、外方部材20の樹脂成形部Nで構成される大径内周面21と内方部材10の外周面11との間にラジアル軸受隙間Rが形成され、外方部材20の樹脂成形部Nで構成される一対の肩面23,23と内方部材10の軸方向両側端面13,13との間にスラスト軸受隙間Tが形成される。
【0055】
この実施形態の芯金Mは、図10及び図11に示すようにリング状を成し、その軸方向両側の端面から突出した突出部M20を有する。本実施形態では、突出部M20が円周方向等間隔に離隔した複数箇所(例えば4箇所、図11参照)に設けられる。突出部M20の軸方向両端面は、外方部材20の軸方向両端面に露出している(図9参照)。
【0056】
図10及び図11に示す芯金Mを金型30のキャビティ34内に配置した状態を、図12に示す。このとき、芯金Mの軸方向両側端面M2,M2から突出した突出部M20,M20が、固定型31及び可動型32で軸方向両側から挟持されることにより、芯金Mがキャビティ34内で位置決めされる。この状態で、ゲート35から溶融樹脂を射出し、キャビティ34内に溶融樹脂を充填する。
【0057】
その後、樹脂成形部Nの径方向の成形収縮により、内方部材10から樹脂成形部Nが剥離する。具体的には、樹脂成形部Nの径方向の成形収縮が芯金Mを基準として生じることにより、樹脂成形部Nで構成される外方部材20の大径内周面21が芯金Mに接近する側、すなわち外径側に後退し、これにより大径内周面21が内方部材10の外周面11から剥離する。また、樹脂成形部Nの軸方向の成形収縮が芯金Mの軸方向両端面M2,M2を基準として生じることにより、樹脂成形部Nで構成される外方部材20の肩面23,23が内方部材10の軸方向両端面13,13から剥離する。以上により、外方部材20の樹脂成形部Nが内方部材10から剥離し、この剥離により形成された隙間がラジアル軸受隙間R及びスラスト軸受隙間Tとして機能する。
【0058】
また、上記の実施形態では、外方部材20が芯金Mを有する場合を示しているが、これに限らず、例えば図13に示すように、外方部材20を樹脂成形部Nのみで構成してもよい。この場合、外方部材20は、内方部材10をインサート部品とした樹脂の射出成形で形成される。射出成形した後、樹脂成形部Nの成形収縮により、外方部材20の大径内周面21及び端面23,23が内方部材10から剥離する。このとき、外方部材20に芯金Mを設けなくても、外方部材20の大径内周面21及び端面23,23が内方部材10から剥離する方向に成形収縮するような材料で、樹脂成形部Nを形成する必要がある。例えば、液晶ポリマー(LCP)を主成分とする樹脂で樹脂成形部を形成すれば、上記のような成形収縮を生じさせることが可能である。
【0059】
以上の実施形態では、スラスト軸受隙間Tに面する内方部材10の端面13や外方部材20の肩面23が、凹凸のない平滑な面に形成されているが、これに限らず、例えばスラスト軸受隙間Tを介して対向する何れか一方の面に、スラスト軸受隙間Tの潤滑油に動圧作用を積極的に発生させるスラスト動圧発生部を形成してもよい(図示省略)。スラスト動圧発生部は、例えばヘリングボーン形状、スパイラル形状、ステップ形状の動圧溝で構成することができる。特に、スラスト動圧発生部を、スラスト軸受隙間Tの潤滑油を外径側(ラジアル軸受隙間R側)に押し込むポンプアウトタイプの動圧溝とすれば、潤滑油をラジアル軸受隙間R側に引き込むことができ、油漏れをより確実に防止できる。焼結金属製の内方部材10にスラスト動圧発生部を形成すれば、内方部材10のサイジングと同時にスラスト動圧発生部を型成形することができる。一方、外方部材20の樹脂成形部Nにスラスト動圧発生部を形成すれば、外方部材20の射出成形と同時にスラスト動圧発生部を型成形することができる。
【0060】
また、以上の実施形態では、内方部材10の外周面11にラジアル動圧発生部(動圧溝Ba,丘部Bb)を形成した場合を示したが、これに限らず、例えば内方部材10の外周面11を円筒面状とする一方で、これと径方向に対向する外方部材20の大径内周面21にラジアル動圧発生部を形成してもよい。あるいは、ラジアル軸受隙間Rを介して対向する内方部材10の外周面11及び外方部材20の大径内周面21を共に円筒面状とすることにより、いわゆる真円軸受を構成してもよい。この場合、何れの面にもラジアル動圧発生部は形成されていないが、内方部材10の回転に伴ってラジアル軸受隙間Rの潤滑油が流動することにより、動圧作用が発生する。
【符号の説明】
【0061】
1 軸受ユニット
2 回転軸
3 モータロータ
4 流体動圧軸受装置
10 内方部材
20 外方部材
30 金型
31 固定型
32 可動型
33 コアピン
34 キャビティ
35 ゲート
Ba 動圧溝
Bb 丘部
M 芯金
N 樹脂成形部
R ラジアル軸受隙間
T スラスト軸受隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内方部材と、内方部材の外周面と径方向で対向する大径内周面、大径内周面の軸方向両側に設けられた小径内周面、及び、大径内周面と小径内周面との間に設けられ、内方部材の軸方向両端面と軸方向で対向する一対の肩面を有する外方部材と、内方部材の外周面と外方部材の大径内周面との間に形成されるラジアル軸受隙間と、内方部材の軸方向両端面と外方部材の肩面との間に形成されるスラスト軸受隙間とを備えた流体動圧軸受装置であって、
外方部材が、内方部材をインサート部品とした樹脂の射出成形品である流体動圧軸受装置。
【請求項2】
外方部材の樹脂成形部の軸方向の成形収縮により外方部材の肩面を内方部材から剥離して、スラスト軸受隙間を形成した請求項1記載の流体動圧軸受装置。
【請求項3】
外方部材に芯金を設け、外方部材を、内方部材と、内方部材の外径側に配置した芯金とをインサート部品として樹脂で射出成形した請求項1又は2記載の流体動圧軸受装置。
【請求項4】
外方部材の芯金の内周面と内方部材の外周面との間にラジアル軸受隙間を形成した請求項3記載の流体動圧軸受装置。
【請求項5】
芯金の内周面と内方部材の外周面との直径差が50μm以下である請求項4記載の流体動圧軸受装置。
【請求項6】
外方部材の樹脂成形部の内周面と内方部材の外周面との間にラジアル軸受隙間を形成した請求項3記載の流体動圧軸受装置。
【請求項7】
芯金の軸方向両端部が、内方部材の両端面よりも軸方向外側にある請求項2〜6の何れかに記載の流体動圧軸受装置。
【請求項8】
芯金を焼結金属で形成した請求項3〜7の何れかに記載の流体動圧軸受装置。
【請求項9】
外方部材の樹脂成形部に、外方部材の端面から芯金に達する軸方向穴が形成された請求項3〜8の何れかに記載の流体動圧軸受装置。
【請求項10】
内方部材の外周面にラジアル動圧発生部を形成した請求項1〜9の何れかに記載の流体動圧軸受装置。
【請求項11】
内方部材の少なくとも外周面を焼結金属で形成した請求項1〜10の何れかに記載の流体動圧軸受装置。
【請求項12】
内方部材の外周面に、ラジアル動圧発生部を転造加工により形成した請求項1〜11の何れかに記載の流体動圧軸受装置。
【請求項13】
外方部材の樹脂の収縮率が1%以上である請求項1〜12の何れかに記載の流体動圧軸受装置。
【請求項14】
外方部材の樹脂がPOMである請求項13記載の流体動圧軸受装置。
【請求項15】
換気扇用モータに用いられる請求項1〜14の何れかに記載の流体動圧軸受装置。
【請求項16】
内方部材と、内方部材の外周面と径方向で対向する大径内周面、大径内周面の軸方向両側に設けられた小径内周面、及び、大径内周面と小径内周面との間に設けられ、内方部材の軸方向両端面と軸方向で対向する一対の肩面を有する外方部材と、内方部材の外周面と外方部材の大径内周面との間に形成されるラジアル軸受隙間と、内方部材の軸方向両端面と外方部材の肩面との間に形成されるスラスト軸受隙間とを備えた流体動圧軸受装置の製造方法であって、
内方部材をインサート部品として樹脂で射出成形することにより、外方部材を形成する流体動圧軸受装置の製造方法。
【請求項17】
外方部材を樹脂で射出成形した後、樹脂成形部の軸方向の成形収縮により、樹脂成形部を内方部材の端面から剥離してスラスト軸受隙間を形成する請求項16記載の流体動圧軸受装置の製造方法。
【請求項18】
外方部材を、内方部材と、内方部材の外径側に配置した芯金とをインサート部品として樹脂で射出成形する請求項17記載の流体動圧軸受装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−208670(P2011−208670A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74454(P2010−74454)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】