説明

流体式変速機用クラッチピストン

【課題】流体圧室側へ移動させるための構成に関わらず、流体圧力に応じた適切な動作を行うことができるクラッチピストンを提供する。
【解決手段】本発明のクラッチピストン2は、第一流体圧室R1内の流体圧力によってクラッチシリンダ3内を軸方向に移動してクラッチを作動させるピストン本体5と、ピストン本体5の内周端及び外周端に設けられクラッチシリンダ3とピストン本体5との間を密封するシール部材6,7とを備えている。シール部材6,7は、流体圧室R側に設けられ流体圧室Rを密封する第一シールリップ6b及び第三シールリップ7bを備えているとともに、外側空間S側に設けられ外側空間S側においてクラッチシリンダ3とピストン本体5との間を密封する第二シールリップ6c及び第四シールリップ7cを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車等の流体式変速機に用いられる流体式変速機用クラッチピストンに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に用いられる流体式変速機は、変速の切り替えや前進後進の切り替えのときの動力断続のために、多板クラッチを備えたクラッチ機構を備えている。このクラッチ機構には、前記多板クラッチを作動させるためのクラッチピストンが組み込まれている。
上記クラッチピストンは、前記クラッチ機構のクラッチシリンダにより形成される環状空間に収納され当該環状空間を流体圧室と外側空間とに仕切るとともに前記クラッチシリンダ内を軸方向に移動して前記多板クラッチを押圧作動させる環状のピストン本体と、このピストン本体の端面に突設されて前記クラッチシリンダとピストン本体とを密封するシールリップとを備えている。
上記シールリップは、流体圧室側に延びてクラッチシリンダの内周面に摺接し、流体圧室内の流体が外側空間側に漏洩を防止するように形成されている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−139249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記クラッチ機構において、流体圧室の流体圧力によって外側空間側へ移動したクラッチピストンを流体圧室側に移動させる構成としては、当該クラッチピストンを流体圧室側に付勢するリターンスプリングを用いるものが一般的であるが、このほかに、外側空間に流体を導入してクラッチピストンに圧力を作用させ当該クラッチピストンを流体圧室側に移動させる構成を採用することも考えられる。
上記のように外側空間側に流体圧力を作用させる構成を採用したクラッチ機構に、上記従来のクラッチピストンを適用した場合、前記シールリップは、流体圧室内を密封するように流体圧室側に延びて形成されているので、外側空間側から流体圧力を作用させると、当該外側空間側の流体が流体圧室側に漏洩する可能性があり、流体圧力に応じた適切な動作を行えないおそれがある。
このように、従来のクラッチピストンでは、流体圧室側へ移動させるための構成によっては、適切な動作を行えないおそれがあるという問題を有していた。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、流体圧室側へ移動させるための構成に関わらず、流体圧力に応じた適切な動作を行うことができる流体式変速機用クラッチピストンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る流体式変速機用クラッチピストンは、環状空間を形成するシリンダに収納されて、前記環状空間を流体圧室と外側空間とに仕切るとともに、前記流体圧室内の流体圧力によって前記シリンダ内を軸方向に移動してクラッチを作動させる環状のピストン本体と、前記ピストン本体の内周端及び外周端に設けられ前記シリンダと前記ピストン本体との間を密封するシール部材と、を備え、前記シール部材は、前記流体圧室側に設けられ前記シリンダの周面に摺接することで当該流体圧室を密封する環状の第一のシールリップと、前記外側空間側に設けられ前記シリンダの周面に摺接することで前記外側空間側において前記シリンダと前記ピストン本体との間を密封する環状の第二のシールリップと、を備えていることを特徴としている。
【0007】
上記のように構成された流体式変速機用クラッチピストンによれば、流体圧室を密封する第一のシールリップに加え、外側空間側においてシリンダとピストン本体とを密封する第二のシールリップを備えているので、外側空間側に流体を導入しその流体の圧力によって当該ピストン本体を流体圧室側に移動させる構成とした場合においても、前記外側空間側に導入される流体が流体圧室側に流入するのを第二のシールリップによって阻止して、流体圧力に応じた適切な動作を行うことができる。従って、本発明のクラッチピストンは、ピストン本体を流体圧室側に移動させる構成として一般的なリターンスプリングの付勢力で移動させるもののみならず、上記のように流体圧力により移動させる構成を採用したものについても適用することができる。
このように本発明のクラッチピストンによれば、流体圧室側へ移動させるための構成に関わらず、流体圧力に応じた適切な動作を行うことができる。
【0008】
上記クラッチピストンにおいて、前記第一のシールリップが、前記流体圧室側に延びて前記流体圧室を密封しているとともに、前記第二のシールリップが、前記外側空間側に延びて前記外側空間を密封していることが好ましい。
この場合、第一及び第二のシールリップは、流体圧室側及び外側空間側に導入される流体の圧力によってシリンダ内周面に押圧され、シリンダ内周面とピストン本体との間を確実に密封することができる。従って、流体圧室の流体が外側空間側に漏洩するのをより効果的に防止できるとともに、外側空間に流体が導入された場合においても、当該外側空間の流体が流体圧室側に漏洩するのをより効果的に防止することができる。
【0009】
また、上記クラッチピストンにおいて、前記シール部材が、前記ピストン本体の外周端に形成された環状の周縁部に設けられ、前記周縁部の前記外側空間側に臨む面が前記クラッチを作動させるための押圧面とされており、前記外周端側の第二のシールリップが、前記ピストン本体の径方向外側に向けて断面凸曲面状に膨出し前記シリンダの周面に摺接していることが好ましい。
この場合、第二のシールリップは、押圧面よりも外側空間側に突出することがないので、当該クラッチピストンがクラッチを押圧する動作を妨げるのを防止できる。
また、シール部材は、ピストン本体の周縁部に設けられているので第二のシールリップの基端部の断面積を大きく取ることができない。このため、シール部材を成型する過程、特に成形型から離型する際において、第二のシールリップを径方向外側に延ばしアンダーカット形状となることで当該第二のシールリップを弾性変形させて離型する必要があるときには、その弾性変形によって破損してしまうおそれがある。この点、本発明に係る第二のシールリップは、弾性変形させたとしても破損し難い断面凸曲面状に形成されているので、成型過程における破損を防止することができる。
【0010】
さらに、上記クラッチピストンにおいて、前記周縁部の前記外側空間側に臨む面の周縁には、当該周縁部を幅方向に環状に切り欠いた切欠段差部が形成されており、前記シール部材は、前記切欠段差部に嵌め込まれた環状部を有しており、この環状部に前記外周端側の第二のシールリップが突設されていることが好ましい。
この場合、環状部によって、第二のシールリップの径方向に対する厚みを実質的に増加させることができる。これにより、第二のシールリップの径方向への柔軟性を高めることができ、当該第二のシールリップのシリンダ内周面に対する追従性が高まり、密封性を高めることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の流体式変速機用クラッチピストンによれば、流体圧室側へ移動させるための構成に関わらず、流体圧力に応じた適切な動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る流体式変速機用クラッチピストンが用いられている自動車用自動変速機のクラッチ機構の要部を示す断面図である。
【図2】(a)は、図1中、外側シール部材を拡大した断面図、(b)は、図1中、内側シール部材を拡大した断面図である。
【図3】クラッチピストンの正面図である。
【図4】クラッチピストンの右側面図である。
【図5】クラッチピストンの平面図である。
【図6】クラッチピストンの底面図である。
【図7】クラッチピストンの斜視図である。
【図8】クラッチピストンの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る流体式変速機用クラッチピストンが用いられている自動車用自動変速機のクラッチ機構の要部を示す断面図であり、図3はクラッチピストン2の正面図、図4は同右側面図、図5は同平面図、図6は同底面図、図7は同斜視図、図8はクラッチピストン2の断面図を示している。
【0014】
図1中、クラッチ機構は、ハウジング1と、このハウジング1に収納された流体式変速機用クラッチピストン2(以下、単にクラッチピストン2ともいう)とを備えている。
【0015】
ハウジング1は、機械構造用鋼等の金属を用いて形成された部材であり、多板クラッチC等、クラッチ機構の各構成部材を収納している。このハウジング1には、クラッチピストン2が収納されているクラッチシリンダ3が形成されている。
クラッチシリンダ3は、軸線Lを中心とする円環状の底壁3aと、底壁3aの外周縁から立設された円筒状の外側壁3bと、軸線Lを軸中心とする軸部4とによって構成されており、軸方向一方側(図1の下側)に向いて開口する環状空間を形成している。
【0016】
クラッチピストン2は、クラッチシリンダ3内の環状空間に軸方向移動可能に収納されたピストン本体5と、ピストン本体5の外側端部に設けられた外側シール部材6と、同内側端部に設けられた内側シール部材7とを備えている。なお、図3〜図8では、外側シール部材6及び内側シール部材7に係る部分を実線で示し、他の部分を破線で示している。
ピストン本体5は、圧延鋼板等の金属板を用いて形成された、軸線Lを中心とする環状の部材であり、クラッチシリンダ3内の環状空間を流体圧室Rと、外側空間Sとに仕切っている。このピストン本体5は、軸部4の外周面に沿って配置されている小径円筒部8と、小径円筒部8の上端に繋がる大径円筒部9と、大径円筒部9の上端から径方向外側に延びる環状部10と、環状部10の外周端部から僅かに底壁3aから離れるように配置されその先端が外側壁3bの内周面3b1に近接している環状の周縁部11とを有している。
【0017】
周縁部11の軸方向一方側(外側空間S側)には、動力の伝達を断続するための多板クラッチCが配置されており、ピストン本体5は、その軸方向の移動によって、この周縁部11の外側空間S側に臨む押圧面11aを多板クラッチCに当接させて多板クラッチCを押圧し、当該多板クラッチCを作動させる。
【0018】
図2(a)は、図1中、外側シール部材6を拡大した断面図である。
周縁部11における押圧面11aの周縁には、当該周縁部11を幅方向に環状に切り欠いた切欠段差部11bが形成されている。
外側シール部材6は、合成ゴム等の弾性部材を用いてピストン本体5に加硫成形されており、周縁部11の外端部を覆うように形成されている基部6aと、周縁部11における流体圧室R側の周縁に設けられた第一シールリップ6bと、周縁部11における外側空間S側の周縁に設けられた第二シールリップ6cと、周縁部11の切欠段差部11bに嵌め込まれた環状部6dとを有している。
【0019】
第一シールリップ6bは、周縁部11における流体圧室R側の周縁に設けられることで、流体圧室Rを密封しており、自由状態において周縁部11の端部から軸方向に対して流体圧室R側に傾斜して突設されており、クラッチシリンダ3内に収納された状態で、弾性変形して流体圧室R側に延びて摺接している。このため、第一シールリップ6bは、軸部4に設けられた流体路4aを通じて流体圧室R内に導入される流体の圧力によって外側壁3bの内周面3b1に押圧され、前記流体がクラッチシリンダ3の内周面3b1と、ピストン本体5との間を確実に密封することができる。これにより、流体圧室R内の流体が外側空間S側に漏洩するのをより効果的に防止することができる。
【0020】
第二シールリップ6cは、ピストン本体5の径方向外側に向けて断面凸曲面状に膨出するように形成されており、クラッチシリンダ3内に収納された状態で、径方向に弾性変形して外側壁3bの内周面3b1に押圧されて摺接している。これによって、第二シールリップ6cは、外側空間S側において、クラッチシリンダ3の内周面3b1と、ピストン本体5との間を密封している。
第二シールリップ6cは、ピストン本体5の径方向外側に向けて断面凸曲面状に膨出しクラッチシリンダ3の内周面3b1に摺接しているので、周縁部11の押圧面11aよりも外側空間S側に突出することがなく、多板クラッチCを押圧する動作を妨げるのを防止できる。
また、外側シール部材6は、金属板により環状に形成された周縁部11に設けられているので第二シールリップ6cの基端部の断面積を大きく取ることができない。このため、第二シールリップ6cを成型する過程、特に成形型から離型する際において、第二シールリップ6cを径方向外側に延ばしアンダーカット形状となることで当該第二シールリップ6cを弾性変形させて離型する必要があるときには、その弾性変形によって破損してしまうおそれがある。この点、本実施形態に係る第二シールリップ6cは、弾性変形させたとしても破損し難い断面凸曲面に形成されているので、成型過程における破損を防止することができる。
【0021】
環状部6dは、切欠段差部11bに嵌め込まれた状態で、周縁部11の押圧面11aに面一となるように形成されている。また、第二シールリップ6cは、この環状部6dに突設されている。
このように、環状部6dに第二シールリップ6cを突設することで、第二シールリップ6cの径方向に対する厚みを実質的に増加させることができる。これにより、第二シールリップ6cの径方向への柔軟性を高めることができ、当該第二シールリップ6cの内周面3b1に対する追従性が高まり、密封性を高めることができる。
【0022】
図2(b)は、図1中、内側シール部材7を拡大した断面図である。
内側シール部材7も、外側シール部材6と同様、合成ゴム等の弾性部材を用いてピストン本体5に加硫成形されており、小径円筒部8の内周面側を覆うように形成されている基部7aと、小径円筒部8における流体圧室R側の端部に設けられた第一のシールリップとしての第三シールリップ7bと、小径円筒部8における外側空間S側の端部に設けられた第二のシールリップとしての第四シールリップ7cとを有している。
【0023】
第三シールリップ7bは、第一シールリップ6bと同様、自由状態において周縁部11の端部から軸方向に対して流体圧室R側に傾斜して突設されており、クラッチシリンダ3内に収納された状態で、弾性変形して流体圧室R側に延びて摺接している。この第三シールリップ7bは、軸部4に設けられた流体路4aを通じて流体圧室R内に導入される流体の圧力によって軸部4の周面4bに押圧され、前記流体がクラッチシリンダ3の内周面を構成する周面4bと、ピストン本体5との間から漏洩しないように密封している。
【0024】
第四シールリップ7cは、自由状態において周縁部11の端部から軸方向に対して外側空間S側に傾斜して突設されており、クラッチシリンダ3内に収納された状態で、弾性変形して外側空間S側に延びて摺接している。これによって、第二シールリップ6cは、外側空間S側において、軸部4の周面4bと、ピストン本体5との間を密封している。
【0025】
以上のように、クラッチシリンダ3及びピストン本体5によって仕切られている流体圧室Rは、外側シール部材6及び内側シール部材7によって、流体圧室R内の流体が漏洩しないように密封されている。
【0026】
また、クラッチピストン2は、図示しないリターンスプリングによって、流体圧室R側に付勢されており、流体圧室Rに導入される流体の圧力を制御することによって、クラッチシリンダ3内を軸方向に移動し、その移動に応じて多板クラッチCを作動させる。
【0027】
上記のように構成されたクラッチピストン2によれば、流体圧室Rを密封する第一シールリップ6b及び第三シールリップ7bに加え、外側空間S側においてクラッチシリンダ3とピストン本体5とを密封する第二シールリップ6c及び第四シールリップ7cを備えているので、外側空間S側に流体を導入しその流体の圧力によってピストン本体5を流体圧室R側に移動させる構成とした場合においても、外側空間S側に導入される流体が流体圧室R側に流入するのを第二シールリップ6c及び第四シールリップ7cによって阻止して、流体圧力に応じた適切な動作を行うことができる。従って、本実施形態のクラッチピストン2は、ピストン本体5を流体圧室R側に移動させる構成として一般的な前記リターンスプリングの付勢力で移動させるもののみならず、上記のように流体圧力により移動させる構成を採用したものについても適用することができる。
このように本実施形態のクラッチピストン2によれば、クラッチ機構側の流体圧室R側へ移動させるための構成に関わらず、流体圧力の応じた適切な動作を行うことができる。
【0028】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、第二シールリップ6cを径方向外側に膨出した凸曲面状としたが、例えば、ピストン本体5の周縁部11が外側シール部材6を設けるにあたって軸方向に広い面積を確保でき第二シールリップ6cの基端部の断面積を十分に確保できる場合には、多板クラッチCの押圧を妨げない範囲で、自由状態において外側空間S側に傾斜させ、内周面3b1に摺接した状態で外側空間S側に延びるように形成してもよい。
【符号の説明】
【0029】
2 クラッチピストン
3 クラッチシリンダ
3b1 内周面
4b 周面
5 ピストン本体
6 外側シール部材
6b 第一シールリップ(第一のシールリップ)
6c 第二シールリップ(第二のシールリップ)
6d 環状部
7 内側シール部材
7b 第三シールリップ(第一のシールリップ)
7c 第四シールリップ(第二のシールリップ)
11 周縁部
11a 押圧面
11b 切欠段差部
C 多板クラッチ
R 流体圧室
S 外側空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状空間を形成するシリンダに収納されて、前記環状空間を流体圧室と外側空間とに仕切るとともに、前記流体圧室内の流体圧力によって前記シリンダ内を軸方向に移動してクラッチを作動させる環状のピストン本体と、
前記ピストン本体の内周端及び外周端に設けられ前記シリンダと前記ピストン本体との間を密封するシール部材と、を備え、
前記シール部材は、前記流体圧室側に設けられ前記シリンダの周面に摺接することで当該流体圧室を密封する環状の第一のシールリップと、
前記外側空間側に設けられ前記シリンダの周面に摺接することで前記外側空間側において前記シリンダと前記ピストン本体との間を密封する環状の第二のシールリップと、を備えていることを特徴とする流体式変速機用クラッチピストン。
【請求項2】
前記第一のシールリップが、前記流体圧室側に延びて前記流体圧室を密封しているとともに、
前記第二のシールリップが、前記外側空間側に延びて前記外側空間を密封している請求項1に記載の流体式変速機用クラッチピストン。
【請求項3】
前記シール部材が、前記ピストン本体の外周端に形成された環状の周縁部に設けられ、
前記周縁部の前記外側空間側に臨む面が前記クラッチを作動させるための押圧面とされており、
前記外周端側の第二のシールリップが、前記ピストン本体の径方向外側に向けて断面凸曲面状に膨出し前記シリンダの周面に摺接している請求項1に記載の流体式変速機用クラッチピストン。
【請求項4】
前記周縁部の前記外側空間側に臨む面の周縁には、当該周縁部を幅方向に環状に切り欠いた切欠段差部が形成されており、
前記シール部材は、前記切欠段差部に嵌め込まれた環状部を有しており、
この環状部に前記外周端側の第二のシールリップが突設されている請求項3に記載の流体式変速機用クラッチピストン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−149512(P2011−149512A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12163(P2010−12163)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000167196)光洋シーリングテクノ株式会社 (57)
【Fターム(参考)】