説明

流体材料運搬兼撹拌器材

【課題】 外箱内のスペースを無駄なく活用することができて運搬効率を向上させられるとともに、複数種の流体材料を効果的に撹拌することのできる流体材料運搬兼撹拌器材を提供する。
【解決手段】 直方体状の外箱2と、流体材料を収容するとともに前記外箱2の略中央位置に配置される中央部用軟質袋状容器3と、前記中央部用軟質袋状容器3の外周を囲むようにして保持する筒状の中央配置用保持枠4と、流体材料を収容するとともに前記中央配置用保持枠4と前記外箱2隅部との間に形成される空隙10に配置される隅部用容器5と、前記隅部用容器5の外周を囲むようにして保持する筒状の隅部配置用保持枠6とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料等の流体材料を運搬し、複数の流体材料を撹拌する場合に好適な流体材料運搬兼撹拌器材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本件出願人は、従来、塗料等の流体材料を梱包する器材として、柔軟な合成樹脂で形成された軟質袋容器と、これを支持する段ボール等で筒状に形成された支持枠と、これらを中央に配置する直方体状の段ボール等で形成された外箱とからなる梱包器材を提案している(特許文献1〜5)。これら特許文献1〜5によると、流体材料を軟質袋容器内に収容し、出荷・保管・運搬等をすることができ、収容された流体材料は電動攪拌機で撹拌したり、軟質袋容器を外箱内から取り出し、手で揉んで撹拌したりすることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3084128号公報
【特許文献2】特開2002−166969号公報
【特許文献3】特開2002−249169号公報
【特許文献4】特開2006−76579号公報
【特許文献5】特開2009−166885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1〜5に記載の梱包器材は、支持枠と外箱隅部との間に形成される空隙がデットスペースとなっており、流体材料を運搬するにあたって無駄なスペースとなっていた。また、電動攪拌機で撹拌する場合、当該デットスペースがクッションの役割をしてしまい、却って流体材料が上手く混ざらないことがあった。
【0005】
また、電動攪拌機や手揉みによる撹拌では、流体材料のみが軟質袋容器内で回転し、特に中心部に存在する流体材料は混ざりにくいということがあった。
【0006】
さらに、外箱に使用される段ボール等は、従来の金属製18リットル缶等に比べて強度が弱いため、取手等を取り付けても運搬作業中に流体材料の重さで当該取手が破損していまうことがあった。
【0007】
ところで近年、塗料の調色を安定的に行うため、塗料の調色作業は工場のコンピューターで自動的に行われることが多くなってきている。しかし、調色を工場に依頼すると納品まで数日間の日数を要していた。そこで、使用現場等で簡単に調色ができ、工場における調色と同様に安定した色を出したいというニーズが生じていた。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、外箱内のスペースを無駄なく活用することができて運搬効率を向上させられるとともに、複数種の流体材料を効果的に撹拌することのできる流体材料運搬兼撹拌器材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る流体材料運搬兼撹拌器材は、直方体状の外箱と、流体材料を収容するとともに前記外箱の略中央位置に配置される中央部用軟質袋状容器と、前記中央部用軟質袋状容器の外周を囲むようにして保持する筒状の中央配置用保持枠と、流体材料を収容するとともに前記中央配置用保持枠と前記外箱隅部との間に形成される空隙に配置される隅部用容器と、前記隅部用容器の外周を囲むようにして保持する筒状の隅部配置用保持枠とを有する。
【0010】
また、本発明の一態様として、前記中央配置用保持枠の上部および下部には、前記中央部用軟質袋状容器の上端隅部および下端隅部を各々保持する隅部保持スリットが形成されていてもよい。
【0011】
さらに、本発明の一態様として、前記中央部用軟質袋状容器の上面には、流体材料を注ぎ出すための筒状注出口が設けられており、その筒状注出口には、仕切壁によって複数の収容室に仕切られて複数種の流体材料が収容されているとともに、それら各流体材料を前記中央部用軟質袋状容器内に混入するための流体混入口を前記収容室の底部に形成してある材料混入容器が着脱可能に装着されていてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様として、前記中央部用軟質袋状容器の上面には、流体材料を注ぎ出すための筒状注出口が設けられており、その筒状注出口には、前記中央部用軟質袋状容器内に延設される心棒と、この心棒に取り付けられた複数の撹拌羽根とを有する流体材料撹拌棒が着脱可能に装着されていてもよい。
【0013】
さらに、本発明の一態様として、前記外箱を載置する外箱載置部と、この外箱載置部に載置した前記外箱の底部三辺を囲むように設けられた外箱滑落防止壁と、前記外箱載置部の一端縁から略垂直上方に延出されて前記外箱の上方で内側方向に曲げられた把持部とを有する運搬補助具を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、外箱内のスペースを無駄なく活用することができて運搬効率を向上させられるとともに、複数種の流体材料を効果的に撹拌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る流体材料運搬兼撹拌器材の一実施形態を示す組み立て分解図である。
【図2】本実施形態における外箱の嵌合部と取出孔および筒状注出口を示す拡大縦断面図である。
【図3】本実施形態における外箱の嵌合部に筒状注出口の筒体を嵌め合わせた状態を示す拡大斜視図である。
【図4】本実施形態における隅部用容器を示す正面図である。
【図5】本実施形態における隅部用容器の他の実施形態を示す斜視図である。
【図6】本実施形態における材料混入容器および流体材料撹拌棒を示す斜視図である。
【図7】本実施形態における運搬補助具を示す斜視図である。
【図8】本実施形態において運搬補助具に外箱を載置した状態を示す斜視図である。
【図9】本実施形態における中央部用軟質袋状容器および中央配置用保持枠の他の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る流体材料運搬兼撹拌器材の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態の流体材料運搬兼撹拌器材1を示す組み立て分解図である。この図1に示すように、本実施形態の流体材料運搬兼撹拌器材1は、主として、外箱2と、中央部用軟質袋状容器3と、中央配置用保持枠4と、隅部用容器5と、隅部配置用保持枠6とから構成されている。以下、各構成について詳細に説明する。
【0017】
外箱2は、段ボール等の厚紙を折り畳み、直方体状に形成された箱である。本実施形態における外箱2の天部は、先に折り畳むことで下側になる一対の内蓋板21,21と、後に折り畳むことで上側になる一対の外蓋板22,22とから構成されている。
【0018】
本実施形態において、一方の内蓋板21には、図1、図2および図3に示すように、後述する中央部用軟質袋状容器3の上面に設けられた筒状注出口7を嵌合させる切り欠き状の嵌合部23が設けられている。また、本実施形態における外蓋板22には、内蓋板21の嵌合部23と重なる部分に筒状注出口7を通すための取出孔24が設けられている。
【0019】
なお、外箱2の大きさは特に限定されるものではないが、本実施形態においては、一般的な18リットル缶用の電動攪拌機による撹拌作業を可能とするために、当該18リットル缶と略等しい高さおよび幅に形成されている。
【0020】
中央部用軟質袋状容器3は、筒状の軟質合成樹脂製シート31を用いて、その上下端縁を溶着することにより袋状に形成されており、流体材料を収容可能にしている。本実施形態では、上端隅部32,32および下端隅部33,33を略三角形状に溶着させて、後述する中央配置用保持枠4に設けられた隅部保持スリット41に狭持させられるように形成されている。
【0021】
また、中央部用軟質袋状容器3の上面には、流体材料を注ぎ出すための筒状注出口7が設けられている。本実施形態における筒状注出口7は、図2および図3に示すような円筒状の筒部71と、この筒部71を外箱2の嵌合部23に係止させる係止ツバ72と、筒部71の上部開口を封止するキャップ73とから構成されている。
【0022】
筒状注出口7の筒部71は、硬質合成樹脂により形成されている。また、その下端には軟質合成樹脂製シート31に固定するためのフランジ状の固定ツバ74が設けられており、上方外周面にはネジ山75が形成されている。その筒部71は、軟質合成樹脂製シート31を袋状に形成する前にその軟質合成樹脂製シート31の内側から外側に向かって貫通させ、固定ツバ74で溶着固定されている。
【0023】
本実施形態における係止ツバ72は、筒状注出口7を外箱2の嵌合部23に保持させるためのものであって、嵌合部23よりも大きい矩形状の硬質合成樹脂板によって形成されている。また、その係止ツバ72の略中央には、前記筒部71を貫通させるとともに、その筒部71のネジ山75の溝に係合させられる孔径の貫通孔76が形成されている。そして、本実施形態の流体材料運搬兼撹拌器材1を組み立てる際には、図2および図3に示すように、筒部71を内蓋板21の嵌合部23に嵌合させた後、係止ツバ72を筒部71のネジ山75と固定ツバ74との間に装着する。これにより、係止ツバ72は、嵌合部23とネジ山75とに係止することで、筒状注出口7を外箱2の天部から落下しないように保持する。
【0024】
また、本実施形態におけるキャップ73は、内周面に筒部71のネジ山75と同一ピッチのネジ溝77を形成しており、筒部71の上部開口を封止するようになっている。
【0025】
中央配置用保持枠4は、段ボール等の厚紙により筒状に形成されている。本実施形態では円筒状のものを例示しているが、中央部用軟質袋状容器3を適切に保持しうる多角形状に形成してもよい。また、中央配置用保持枠4の上縁部および下縁部には、中央部用軟質袋状容器3の上端隅部32,32および下端隅部33,33をそれぞれ保持する隅部保持スリット41が形成されている。本実施形態における隅部保持スリット41は、中央配置用保持枠4の上縁部および下縁部から軸方向に沿って切り込みを入れることで形成されている。
【0026】
隅部用容器5は、流体材料を収容し、図3に示す外箱2と中央配置用保持枠4との間に形成される隅部の隙間10に配置されるものである。本実施形態における隅部用容器5は、図4に示すように、筒状注出口7を有し、中央部用軟質袋状容器3とほぼ同様の構成を有しているが、隅部に配置可能にするために縦長の2枚の軟質合成樹脂製シート51,51を用い、外周縁を溶着することにより袋状に形成されている。また、本実施形態における隅部用容器5には、内容量を示す目盛り52が付されている。
【0027】
なお、前述した隅部用容器5は、軟質合成樹脂製シート51により形成されるものに限定されるものではなく、図5に示すように、硬質合成樹脂等によって隅部の隙間10に配置可能な形状に形成されていてもよい。
【0028】
隅部配置用保持枠6は、段ボール等の厚紙によって隅部用容器5を収納可能な大きさの筒状に形成されており、外箱2と中央配置用保持枠4との間の四隅に形成される空隙10に配置される。本実施形態における隅部配置用保持枠6は、横断面形状が略三角形状に形成されており、中央配置用保持枠4と接する面は、中央配置用保持枠4の外周面に沿うように湾曲されている。なお、本実施形態における隅部配置用保持枠6は、外箱2の四隅に着脱可能に設けられているが、接着剤等によって固定されていてもよい。
【0029】
また、本実施形態の流体材料運搬兼攪拌器材1は、図6に示すような、材料混入容器8および流体材料撹拌棒9を中央部用軟質袋状容器3の筒状注出口7に着脱可能に備えられている。
【0030】
材料混入容器8は、仕切壁81によって仕切られた複数の収容室82を有し、複数種の流体材料が収容されている。また、各収容室82の底部には収容された塗料等の流体材料を中央部用軟質袋状容器3内に混入させる際に開口可能な流体混入口83が形成されている。本実施形態における材料混入容器8は、透明または半透明の硬質合成樹脂により形成されており、各収容室82の側面には内容量に合わせた目盛り84が付されている。また、材料混入容器8の上方周縁部は、フランジ状に形成されており、筒状注出口7の上部開口に係止するようになっている。
【0031】
各収容室82は、流体材料を収容後、上方を薄い合成樹脂膜等(図示しない)で覆って密閉されている。また、流体混入口83には、例えば錐などの尖形物により破ることができる薄い合成樹脂膜が張設されており、混入させる際に開口し易く構成されている。
【0032】
流体材料撹拌棒9は、電動攪拌機や手揉みで流体材料を撹拌する場合に、筒状注出口7に装着させておくことで効果的に攪拌しうるものであり、装着時に中央部用軟質袋状容器3A内に向けて延設される心棒91と、この心棒91に取り付けられた複数の撹拌羽根92とを有している。本実施形態では、図6に示すように、材料混入容器8の底部に一体的に取り付けられている。なお、本実施形態においては、材料混入容器8と流体材料撹拌棒9とを一体的に構成しているが、これに限定されるものではなく別体として構成してもよい。
【0033】
また、本実施形態の流体材料運搬兼撹拌器材1には、図7に示すような、運搬補助具11を備えてもよい。本実施形態における運搬補助具11は、主として、外箱載置部12と、外箱落下防止壁13と、把持部14とから構成される。
【0034】
前記運搬補助具11の外箱載置部12は、前記外箱2を載置できる大きさを有する矩形状のアルミニウム板から構成されている。本実施形態では前記外箱載置部12の外周のうち三辺を略垂直に折り曲げることにより外箱滑落防止壁13を形成している。
【0035】
また、把持部14は、前記外箱載置部12の一端縁から略垂直上方に延出されて、外箱2の上方で内側方向に曲げられて構成されている。本実施形態では、前記外箱滑落防止壁13が設けられている三辺のうち中央に位置する辺の縁部から上方に延出させている。
【0036】
次に、本実施形態の流体材料運搬兼撹拌器材1における各構成の作用について詳細に説明する。
【0037】
中央部用軟質袋状容器3および隅部用容器5は、流体材料を筒状注出口7から注入させて所定量を収容する。例えば中央部用軟質袋状容器3に仕上げ塗料を収容させるとともに、隅部用容器5に下地用塗料を収容させる。なお、収容する流体材料は、特に限定されるものではなく、塗料の他、洗浄水や洗浄後の汚濁水等、適宜選択することができる。
【0038】
中央部用軟質袋状容器3は、中央配置用保持枠4の内側に収容されて保持される。本実施形態においては、中央部用軟質袋状容器3の上端隅部32,32および下端隅部33,33を中央配置用保持枠4の上部および下部に設けた隅部保持スリット41にそれぞれ狭持させることにより、中央部用軟質袋状容器3を中央配置用保持枠4内に確実に保持する。これにより、運搬中もずれにくく、重心が安定する。このため安全に運搬作業することができるとともに、電動攪拌機を使って撹拌する場合にも中央配置用保持枠4から落下しにくくなり効果的に攪拌できる。
【0039】
なお、上端隅部32,32および下端隅部33,33は、中央部用軟質袋状容器3を中央配置用保持枠4内に安定的に載置するための他、手揉みによる撹拌作業を行う際には持ち手部分として利用することもできる。
【0040】
そして、中央部用軟質袋状容器3は、中央配置用保持枠4内に保持された状態で外箱2の略中央位置に配置される。
【0041】
一方、隅部用容器5は、隅部配置用保持枠6の内側に保持される。なお、本実施形態における隅部用容器5は、内容量に応じた目盛り52が付されているため、調色などの作業において計量器としても使用できる。
【0042】
隅部用容器5を保持した隅部配置用保持枠6は、中央配置用保持枠4と外箱2との間に形成される隅部の空隙10に配置される。よって、これまでデットスペースとして活用されていなかった空隙10を無駄なく有効に活用することができる。なお、隅部配置用保持枠6のスペースには、隅部用容器5以外にも、塗料を塗るためのハケ等の道具や材料混入容器8、流体材料撹拌棒9等を収容しておくこともできる。
【0043】
また、隅部配置用保持枠6を配置することによって中央配置用保持枠4を外箱2の中央位置に安定的に配置することができる。そのため、中央配置用保持枠4の偏りが抑えられて運搬しやすい。また、電動攪拌機により撹拌する場合には、中央配置用保持枠4を保持することで、中央配置用保持枠4が安定的な壁となり、中央部用軟質袋状容器3内に収容された流体材料を効果的に揺らし、撹拌効率を向上することができる。
【0044】
材料混入容器8は、工場等で予めコンピュータにより自動調色された複数種の塗料等の流体材料を収容している。筒状注出口7に装着された材料混入容器8は、専用器具または先端が尖った器具を使って底部の流体混入口83に張設された構成樹脂膜を破ることにより収容された流体材料を中央部用軟質袋状容器3内に混入させる。
【0045】
本実施形態において、材料混入容器8に収容されている流体材料は、工場において予め自動調色されているため、中央部用軟質袋状容器3に混入させて撹拌することにより誰でも安定した色を作成することができる。よって、特別な熟練度を必要とせずに現場にて簡単に塗料の調色が可能となる。また、種々の色に調色された材料混入容器8を用意することにより、調色できる色のバリエーションを増やすことができる。なお、材料混入容器8は、筒状注出口7に装着された状態で運搬してもよいし、別体として運搬して現場で取り付けてもよい。
【0046】
塗料の調色等のように混入した流体材料の撹拌は、外箱2を電動攪拌機に保持させて攪拌したり、あるいは中央部用軟質袋状容器3のみを取り出して手揉みすることにより行う。本実施形態においては、流体材料撹拌棒9を備えた材料混入容器8を筒状注出口7に装着し、撹拌作業を行う。
【0047】
本実施形態において、流体材料撹拌棒9は、中央用軟質袋状容器3内の流体材料が撹拌作業により流動した際に、その流動の抵抗となって乱れを生じさせ、流体材料の混ざりをよくしている。特に中央用軟質袋状容器3の中央部は混ざりにくいが、流体材料攪拌棒9を装着することによって効果的に攪拌することができる。
【0048】
運搬補助具11は、図8に示すように、外箱2を外箱載置部12に載置する。この外箱載置部12の底部三辺に設けられた外箱滑落防止壁13は、運搬作業中にその三辺の方向に傾けられた際に外箱2を支えて落下を防止する。本実施形態では、外箱2を下から支えるため運搬しやすい。
【0049】
以上のような本実施形態の流体材料運搬兼撹拌器材1によれば、以下のような効果が得られる。
1.外箱2と中央配置用保持枠4との間に形成される隅部の空隙10を有効に活用して運搬効率を向上させられる。
2.一箱で複数の流体材料を運搬することができる。
3.中央部用軟質袋状容器3を外箱2の中央にしっかりと保持することで安定的に運搬することができるとともに、効果的に撹拌することができる。
4.予め容量が調整された流体材料を材料混入容器8に封入しているため、調色作業に熟練度を要せず、簡単かつ安定的に調色することができる。
5.流体材料撹拌棒9により撹拌効率を向上させ、撹拌時間を短縮することができる。
6.運搬補助具10により運搬効率を向上させ、運搬作業者の負担を軽減することができる。
【0050】
なお、本発明に係る流体材料運搬兼撹拌器材1は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0051】
例えば、中央部用軟質袋状容器3は、上述した態様に限定されるものではなく、例えば図9に示すように、袋状容器の上部に硬質合成樹脂からなる天板34を取り付け、この天板34の縁部に水平方向に突出させた突出係止部35を形成してもよい。なお、このような中央部用軟質袋状容器3を使用する際には、隅部保持スリット41は、中央配置用保持枠4Bの上方において、軸方向と直交する方向に切り込みを入れて形成すればよい。
【符号の説明】
【0052】
1 流体材料運搬兼撹拌器材
2 外箱
3 中央部用軟質袋状容器
4 中央配置用保持枠
5 隅部用容器
6 隅部配置用保持枠
7 筒状注出口
8 材料混入容器
9 流体材料撹拌棒
10 空隙
11 運搬補助具
12 外箱載置部
13 外箱落下防止壁
14 把持部
21 内蓋板
22 外蓋板
23 嵌合部
24 取出孔
31 軟質合成樹脂製シート
32 上端隅部
33 下端隅部
34 天板
35 突出係止部
41 隅部保持スリット
51 軟質合成樹脂製シート
52 目盛り
71 筒部
72 係止ツバ
73 キャップ
74 固定ツバ
75 ネジ山
76 貫通孔
77 ネジ溝
81 仕切壁
82 収容室
83 流体混入口
84 目盛り
91 心棒
92 撹拌羽根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体状の外箱と、
流体材料を収容するとともに前記外箱の略中央位置に配置される中央部用軟質袋状容器と、
前記中央部用軟質袋状容器の外周を囲むようにして保持する筒状の中央配置用保持枠と、
流体材料を収容するとともに前記中央配置用保持枠と前記外箱隅部との間に形成される空隙に配置される隅部用容器と、
前記隅部用容器の外周を囲むようにして保持する筒状の隅部配置用保持枠と
を有する流体材料運搬兼撹拌器材。
【請求項2】
前記中央配置用保持枠の上部および下部には、前記中央部用軟質袋状容器の上端隅部および下端隅部を各々保持する隅部保持スリットが形成されている請求項1に記載の流体材料運搬兼撹拌器材。
【請求項3】
前記中央部用軟質袋状容器の上面には、流体材料を注ぎ出すための筒状注出口が設けられており、その筒状注出口には、仕切壁によって複数の収容室に仕切られて複数種の流体材料が収容されているとともに、それら各流体材料を前記中央部用軟質袋状容器内に混入するための流体混入口を前記収容室の底部に形成してある材料混入容器が着脱可能に装着されている請求項1または請求項2に記載の流体材料運搬兼撹拌器材。
【請求項4】
前記中央部用軟質袋状容器の上面には、流体材料を注ぎ出すための筒状注出口が設けられており、その筒状注出口には、前記中央部用軟質袋状容器内に延設される心棒と、この心棒に取り付けられた複数の撹拌羽根とを有する流体材料撹拌棒が着脱可能に装着されている請求項1または請求項2に記載の流体材料運搬兼撹拌器材。
【請求項5】
前記外箱を載置する外箱載置部と、この外箱載置部に載置した前記外箱の底部三辺を囲むように設けられた外箱滑落防止壁と、前記外箱載置部の一端縁から略垂直上方に延出されて前記外箱の上方で内側方向に曲げられた把持部とを有する運搬補助具を備えた請求項1から請求項4のいずれかに記載の流体材料運搬兼撹拌器材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−62091(P2012−62091A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208090(P2010−208090)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(394001559)
【出願人】(506191909)
【出願人】(510141268)
【Fターム(参考)】