説明

流体移動のための方法およびマイクロ蠕動ポンプ

【課題】流体移動のための方法、およびこの方法に基づくマイクロ蠕動ポンプを提供すること。
【解決手段】マイクロ蠕動ポンプは、以下:a)モーターおよび該モーターにより駆動される第1の力エフェクタを備える作動パーツ;b)カートリッジ本体に取り付けられた弾性膜を備えるカートリッジパーツであって、ここで、該カートリッジ本体に取り付けられた該弾性膜が、該カートリッジ本体内に閉鎖空間を形成し、該カートリッジ本体は、少なくとも3つのチャンバを備え、かつ、該カートリッジはまた、該第1の力エフェクタと相互作用する第2の力エフェクタを備える、カートリッジパーツ;c)該少なくとも3つのチャンバが、入口および出口を有し、該チャンバは、タンデムに封着接続されている、チャンバ;を備える。マイクロポンプの分野の先行技術と比べると、本発明のマイクロ蠕動ポンプは、同等な全体のサイズでより大きな作動力を生じ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は一般に、流体移動(fluid transfer)のための方法、およびこの方法に基づくマイクロ蠕動ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景技術)
微小流体デバイスは、医用、生化学および微量分析などにおいて広範に使用されている。生物分析用デバイスに対する信頼性の大きな需要について、使い捨てのカートリッジまたはチップが、反応および検出のためのキャリアとしてよりいっそう歓迎されている。時折、流体は、カートリッジまたはチップに手動で注入されるが、このことは、低い信頼性を生じる。一方で、マイクロポンプはしばしば、使い捨てのパーツに組み込まれるのに、容易でなく、かつ、高価すぎる。
【0003】
多くの種類のマイクロポンプが、近年研究されている。通常、可撓性チューブおよび3つ以上のローラーを備える従来の蠕動ポンプとは異なり(例えば、米国特許第6,062,829号および同第6,102,678号、ならびに、欧州特許第1,078,879号および同第1,099,154号を参照のこと)、マイクロポンプは一般に、3つ以上のチャンバから構成され、この中で、流体が1つのチャンバから別のチャンバに移動される(例えば、米国特許第5,085,562号および同第5,759,015号、ならびにWO01/28,682を参照のこと)。例えば、WO01/28,682において、3つの同一のチャンバが、タンデムに接続され、蠕動時系列の3つの駆動部により独立して駆動され、次いで、流体が移動される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の開示)
本発明は、流体移動のための方法およびこの方法に基づくマイクロ蠕動ポンプを提示することによって、当該分野における、上記および他の関連する問題に取り組む。
【0005】
1つの局面において、本発明は流体移動のための方法に関し、この方法は、以下:
a)モーターおよびこのモーターにより駆動される第1の力エフェクタを備える作動パーツ;
b)カートリッジ本体に取り付けられた弾性膜を備えるカートリッジパーツであって、ここで、このカートリッジ本体に取り付けられたこの弾性膜が、このカートリッジ本体内に閉鎖空間を形成し、このカートリッジ本体は、少なくとも3つのチャンバを備え、かつ、このカートリッジはまた、この第1の力エフェクタと相互作用する第2の力エフェクタを備える、カートリッジパーツ;
c)この少なくとも3つのチャンバが、入口および出口を有し、このチャンバは、タンデムに封着接続されている、チャンバ;
d)このカートリッジパーツに、およびこのカートリッジパーツから、このカートリッジパーツを含む平面に対して実質的に平行な平面において、この第1の力エフェクタの移動を制御するための手段であって、それにより、この第1の力エフェクタにより覆われるこのチャンバが、この第1の力エフェクタおよびこの第2の力エフェクタの相互作用により開閉する、手段
を備える。
【0006】
上記第1の力エフェクタが、モーターに非対称に取り付けられ、かつ、円形軌道に沿って構成される第2の力エフェクタと相互作用するように、モーターによって回転させられる。
【0007】
上記第1の力エフェクタが、モーターに取り付けられ、かつ、直線軌道に沿って構成される第2の力エフェクタと相互作用するように、モーターによって直線的に動かされる。
【0008】
上記第1の力エフェクタが、上記第2の力エフェクタの極近位にない場合、上記チャンバが、この第2の力エフェクタにより閉じたまま、または開いたままにされ、かつ、この第1の力エフェクタが、この第2のチャンバの極近位にある場合、このチャンバは、この第1の力エフェクタおよびこの第2の力エフェクタの相互作用により、閉じたまま、または開いたままにされる。
【0009】
上記第1の力エフェクタまたは上記第2の力エフェクタのいずれかが、強磁性であり、かつ、他方が、強磁性であるか、常磁性であるか、または、強磁性体により磁力を生じ得る任意の型の磁性物質である。
【0010】
上記第1の力エフェクタおよび上記第2の力エフェクタの両方が、電荷を帯び、従って、静電気力により相互作用する。
【0011】
別の例において、上記第1の力エフェクタの作業表面が、波形の外周を有し、これに起因して、上記第1の力エフェクタの上記カートリッジパーツの極近位への移動が、この第1の力エフェクタと上記第2の力エフェクタとの間の接触を生じ、かつ、この接触が、上記作動パーツが覆う上記チャンバを開き、かつ、この第1の力エフェクタが離れる場合、この第1の力エフェクタとこの第2の力エフェクタとの間の接触が消滅し、従って、このチャンバが再び閉じる。好ましくは、板ばねは、金属、プラスチックまたは別の可撓性物質を含む。
【0012】
なお別の例において、第3の力エフェクタが、上記第2の力エフェクタを参照し、かつ、この第2の力エフェクタと相互作用する。
【0013】
第1の力エフェクタの、カートリッジパーツの極近位への移動により、第1の力エフェクタと第2の力エフェクタとの間に接触が生じ、そして、この接触が、作動パーツが覆うチャンバを開く。第1の力エフェクタが遠ざかる場合、第1の力エフェクタと第2の力エフェクタとの間の接触は消失し、従って、チャンバが再び閉じる。
【0014】
上記第1の力エフェクタが、上記チャンバの極近位にない場合に、このチャンバが、上記第2の力エフェクタと上記第3の力エフェクタとの相互作用により閉じたまま、または開いたままにされ、かつ、この第1の力エフェクタが、このチャンバの極近位にある場合に、このチャンバが、この第3の力エフェクタより強力な、この第1の力エフェクタとこの第2の力エフェクタとの間の相互作用により、開いたまま、または閉じたままにされる。
【0015】
上記第3の力エフェクタは、第1の力エフェクタに沿って駆動され、あるいは、そして反対に、作動パーツのモーターによって駆動される。
【0016】
上記第3の力エフェクタが強磁性であるか、常磁性であるか、または、上記第2の力エフェクタにより磁力を生じ得る任意の型の磁力物質であり、この磁力物質は、上記チャンバが、この第2の力エフェクタにより閉じたまま、または開いたままにされることを防ぐ。
【0017】
上記第2の力エフェクタおよび上記第3の力エフェクタの両方が電荷を帯び、従って、静電気力により相互作用し、この静電気力は、上記チャンバが、この第2の力エフェクタにより閉じたまま、または開いたままにされることを防ぐ。
【0018】
上記第3の力エフェクタが、一端が上記カートリッジに固定された板ばねであり、他端は、上記チャンバが、この第2の力エフェクタにより閉じたまま、または開いたままにされることを防ぐ。
【0019】
スペーシングカバーが、上記第1の力エフェクタと上記第2の力エフェクタとの間で、上記カートリッジに固定され、上記チャンバが開いている程度を規定する。
【0020】
マイクロ蠕動ポンプであって、このマイクロ蠕動ポンプは、以下:
a)モーターおよびこのモーターにより駆動される第1の力エフェクタを備える作動パーツ;
b)カートリッジ本体に取り付けられた弾性膜を備えるカートリッジパーツであって、ここで、このカートリッジ本体に取り付けられたこの弾性膜が、このカートリッジ本体内に閉鎖空間を形成し、このカートリッジ本体は、少なくとも3つのチャンバを備え、かつ、このカートリッジはまた、この第1の力エフェクタと相互作用する第2の力エフェクタを備える、カートリッジパーツ;
c)この少なくとも3つのチャンバが、入口および出口を有し、このチャンバは、タンデムに封着接続されている、チャンバ;
を備える。
【0021】
上記カートリッジ内に3つのチャンバが存在し、ここで、各チャンバは、その入口および出口を有し、全ての入口および出口は、上記第1のチャンバの入口および上記第3のチャンバの出口とタンデムに接続され、この第1のチャンバの入口およびこの第3のチャンバの出口は、このカートリッジ内の上記流体システムのための入口および出口として機能する。
【0022】
スペーシングカバーが、上記第1の力エフェクタと上記第2の力エフェクタとの間で、上記カートリッジに固定された。
【0023】
上記スペーシングカバー、弾性膜およびカートリッジが、互いにねじにより固定された。
【0024】
第3の力エフェクタが、上記第2の力エフェクタを参照し、かつ、この第2の力エフェクタと相互作用する上記カートリッジ内に設置された。
【0025】
上記第1の力エフェクタまたは上記第2の力エフェクタのいずれかが強磁性であり、かつ、他方は、強磁性であるか、常磁性であるか、または、強磁性体により磁力を生じ得る任意の型の磁性物質である。
【0026】
上記第1の力エフェクタおよび上記第2の力エフェクタの両方が電荷を帯び、従って、静電気力により相互作用する。
【0027】
上記第3の力エフェクタが、一端が上記カートリッジに固定された板ばねであり、他端は、上記第2の力エフェクタと接触により相互作用する。
【0028】
上記第1の力エフェクタの作業表面が、波形の外周を有し、ここで、この第1の力エフェクタが、上記第2の力エフェクタと相互作用する。
【0029】
上記第1の力エフェクタに従って、第3の力エフェクタが、上記第2の力エフェクタを有する上記カートリッジ内に設置され、この第3の力エフェクタは、この第1の力エフェクタと接触により機械的に相互作用するために、いくつかの出っ張ったパーツを有する。
【0030】
上記第3の力エフェクタが、出っ張ったパーツを有する板ばねである。
【0031】
上記第1の力エフェクタが、上記モーターの回転子に対して、フランジにより非対称に取り付けられている扇形の永久磁石であり、かつ、上記カートリッジ内の全てのチャンバが、この第1の力エフェクタの円形軌道に沿って構成されている。
【0032】
上記第1の力エフェクタが、リニアモーターに固定されており、かつ、上記カートリッジ内の全てのチャンバが、この第1の力エフェクタの直線軌道に沿って構成されている。
【0033】
上記第1の力エフェクタが、上記モーターの一部として組立てられる。
【0034】
上記弾性膜が、ゴム製またはポリシロキサン製であり、かつ、接着、溶接または超音波溶接によって上記カートリッジに取り付けられている。
【0035】
上記チャンバの入口および出口が、外部チュービングを介してか上記カートリッジパーツ上に組立てられたチャネルを介して接続されている。
【0036】
上記第2の力エフェクタが、上記弾性膜の内部に組立てられている。
【0037】
上記第2の力エフェクタが、接着、溶接または機械的手段によって上記弾性膜に取り付けられている。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
流体移動のための方法であって、以下:
a)モーターおよび該モーターにより駆動される第1の力エフェクタを備える作動パーツ;
b)カートリッジ本体に取り付けられた弾性膜を備えるカートリッジパーツであって、ここで、該カートリッジ本体に取り付けられた該弾性膜が、該カートリッジ本体内に閉鎖空間を形成し、該カートリッジ本体は、少なくとも3つのチャンバを備え、かつ、該カートリッジはまた、該第1の力エフェクタと相互作用する第2の力エフェクタを備える、カートリッジパーツ;
c)該少なくとも3つのチャンバが、入口および出口を有し、該チャンバは、タンデムに封着接続されている、チャンバ;
d)該カートリッジパーツに、および該カートリッジパーツから、該カートリッジパーツを含む平面に対して実質的に平行な平面において、該第1の力エフェクタの移動を制御するための手段であって、それにより、該第1の力エフェクタにより覆われる該チャンバが、該第1の力エフェクタおよび該第2の力エフェクタの相互作用により開閉する、手段を備える、方法。
(項目2)
前記第1の力エフェクタが、前記モーターに非対称に取り付けられ、かつ、円形軌道に沿って構成される前記第2の力エフェクタと相互作用するように、該モーターによって回転させられる、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第1の力エフェクタが、前記モーターに取り付けられ、かつ、直線軌道に沿って構成される前記第2の力エフェクタと相互作用するように、該モーターによって直線的に動かされる、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記第1の力エフェクタが、前記第2の力エフェクタの極近位にない場合、前記チャンバが、該第2の力エフェクタにより閉じたまま、または開いたままにされ、かつ、該第1の力エフェクタが、該第2のチャンバの極近位にある場合、該チャンバは、該第1の力エフェクタおよび該第2の力エフェクタの相互作用により、閉じたまま、または開いたままにされる、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記第1の力エフェクタまたは前記第2の力エフェクタのいずれかが、強磁性であり、かつ、他方が、強磁性であるか、常磁性であるか、または、強磁性体により磁力を生じ得る任意の型の磁性物質である、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記第1の力エフェクタおよび前記第2の力エフェクタの両方が、電荷を帯び、従って、静電気力により相互作用する、項目4に記載の方法。
(項目7)
前記第1の力エフェクタの作業表面が、波形の外周を有し、これに起因して、前記第1の力エフェクタの前記カートリッジパーツの極近位への移動が、該第1の力エフェクタと前記第2の力エフェクタとの間の接触を生じ、かつ、該接触が、前記作動パーツが覆う前記チャンバを開き、かつ、該第1の力エフェクタが離れる場合、該第1の力エフェクタと該第2の力エフェクタとの間の接触が消滅し、従って、該チャンバが再び閉じる、項目4に記載の方法。
(項目8)
第3の力エフェクタが、前記第2の力エフェクタを参照し、かつ、該第2の力エフェクタと相互作用する前記カートリッジ内に設置される、項目1、2、3、4、5、6または7に記載の方法。
(項目9)
前記第1の力エフェクタが、前記チャンバの極近位にない場合に、該チャンバが、前記第2の力エフェクタと前記第3の力エフェクタとの相互作用により閉じたまま、または開いたままにされ、かつ、該第1の力エフェクタが、該チャンバの極近位にある場合に、該チャンバが、該第3の力エフェクタより強力な、該第1の力エフェクタと該第2の力エフェクタとの間の相互作用により、開いたまま、または閉じたままにされる、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記第3の力エフェクタが強磁性であるか、常磁性であるか、または、前記第2の力エフェクタにより磁力を生じ得る任意の型の磁力物質であり、該磁力物質は、前記チャンバが、該第2の力エフェクタにより閉じたまま、または開いたままにされることを防ぐ、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記第2の力エフェクタおよび前記第3の力エフェクタの両方が電荷を帯び、従って、静電気力により相互作用し、該静電気力は、前記チャンバが、該第2の力エフェクタにより閉じたまま、または開いたままにされることを防ぐ、項目9に記載の方法。
(項目12)
前記第3の力エフェクタが、一端が前記カートリッジに固定された板ばねであり、他端は、前記チャンバが、該第2の力エフェクタにより閉じたまま、または開いたままにされることを防ぐ、項目9に記載の方法。
(項目13)
スペーシングカバーが、前記第1の力エフェクタと前記第2の力エフェクタとの間で、前記カートリッジに固定され、前記チャンバが開いている程度を規定する、項目1、2、3、4、5、6、9、10、11または12に記載の方法。
(項目14)
マイクロ蠕動ポンプであって、以下:
a)モーターおよび該モーターにより駆動される第1の力エフェクタを備える作動パーツ;
b)カートリッジ本体に取り付けられた弾性膜を備えるカートリッジパーツであって、ここで、該カートリッジ本体に取り付けられた該弾性膜が、該カートリッジ本体内に閉鎖空間を形成し、該カートリッジ本体は、少なくとも3つのチャンバを備え、かつ、該カートリッジはまた、該第1の力エフェクタと相互作用する第2の力エフェクタを備える、カートリッジパーツ;
c)該少なくとも3つのチャンバが、入口および出口を有し、該チャンバは、タンデムに封着接続されている、チャンバ;
を備える、ポンプ。
(項目15)
前記カートリッジ内に3つのチャンバが存在し、ここで、各チャンバは、その入口および出口を有し、全ての入口および出口は、前記第1のチャンバの入口および前記第3のチャンバの出口とタンデムに接続され、該第1のチャンバの入口および該第3のチャンバの出口は、該カートリッジ内の前記流体システムのための入口および出口として機能する、項目14に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目16)
スペーシングカバーが、前記第1の力エフェクタと前記第2の力エフェクタとの間で、前記カートリッジに固定された、項目14に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目17)
スペーシングカバーが、前記第1の力エフェクタと前記第2の力エフェクタとの間で、前記カートリッジに固定された、項目15に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目18)
前記スペーシングカバー、弾性膜およびカートリッジが、ねじにより一緒に固定された、項目16に記載の蠕動ポンプ。
(項目19)
前記スペーシングカバー、弾性膜およびカートリッジが、ねじにより一緒に固定された、項目17に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目20)
第3の力エフェクタが、前記第2の力エフェクタを参照し、かつ、該第2の力エフェクタと相互作用する前記カートリッジ内に設置される、項目14、15、16、17、18または19に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目21)
前記第1の力エフェクタまたは前記第2の力エフェクタのいずれかが強磁性であり、かつ、他方は、強磁性であるか、常磁性であるか、または、強磁性体により磁力を生じ得る任意の型の磁性物質である、項目14、15、16、17、18または19に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目22)
前記第2の力エフェクタまたは前記第3の力エフェクタのいずれかが強磁性であり、かつ、他方は、強磁性であるか、常磁性であるか、または、強磁性体により磁力を生じ得る任意の型の磁性物質である、項目20に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目23)
前記第1の力エフェクタおよび前記第2の力エフェクタの両方が電荷を帯び、従って、静電気力により相互作用する、項目14、15、16、17、18または19に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目24)
前記第2の力エフェクタおよび前記第3の力エフェクタの両方が、電荷を帯び、従って、静電気力により相互作用する、項目20に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目25)
前記第3の力エフェクタが、一端が前記カートリッジに固定された板ばねであり、他端は、前記第2の力エフェクタと接触により相互作用する、項目20に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目26)
前記第1の力エフェクタの作業表面が、波形の外周を有し、ここで、該第1の力エフェクタが、前記第2の力エフェクタと相互作用する、項目14または15に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目27)
前記第1の力エフェクタに従って、第3の力エフェクタが、前記第2の力エフェクタを有する前記カートリッジ内に設置され、該第3の力エフェクタは、該第1の力エフェクタと接触により機械的に相互作用するために、いくつかの出っ張ったパーツを有する、項目26に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目28)
前記第3の力エフェクタが、出っ張ったパーツを有する板ばねである、項目27に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目29)
前記第1の力エフェクタが、前記モーターの回転子に対して、フランジにより非対称に取り付けられている扇形の永久磁石であり、かつ、前記カートリッジ内の全てのチャンバが、該第1の力エフェクタの円形軌道に沿って構成されている、項目14、15、16、17、18または19に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目30)
前記第1の力エフェクタが、前記モーターの回転子に対してフランジにより非対称に取り付けられている扇形の永久磁石であり、かつ、前記カートリッジ内の全てのチャンバが、該第1の力エフェクタの円形軌道に沿って構成されている、項目20に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目31)
前記第1の力エフェクタが、リニアモーターに固定されており、かつ、前記カートリッジ内の全てのチャンバが、該第1の力エフェクタの線形軌道に沿って構成されている、項目14、15、16、17、18または19に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目32)
前記第1の力エフェクタが、リニアモーターに固定されており、かつ、前記カートリッジ内の全てのチャンバが、該第1の力エフェクタの直線軌道に沿って構成されている、項目20に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目33)
前記第1の力エフェクタが、前記モーターの一部として組立てられている、項目14、15、16、17、18、19、27または28に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目34)
前記第1の力エフェクタが、前記モーターの一部として組立てられる、項目26に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目35)
前記弾性膜が、接着、溶接または超音波溶接によって前記カートリッジに取り付けられている、項目14、15、16、17、18または19に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目36)
前記弾性膜が、ゴムまたはポリシロキサンから作製される、項目20に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目37)
前記チャンバの入口および出口が、外部チュービングを介して接続されている、項目14、15、16、17または18に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目38)
前記チャンバの入口および出口が、前記カートリッジパーツ上に組立てられたチャネルを介して接続されている、項目20に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目39)
前記第2の力エフェクタが、前記弾性膜の内部に組立てられている、項目14、15、16、17または18に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目40)
前記第2の力エフェクタが、前記弾性膜の内部に組立てられている、項目20に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目41)
前記第2の力エフェクタが、接着、溶接または機械的手段によって前記弾性膜に取り付けられている、項目14、15、16、17または18に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
(項目42)
前記第2の力エフェクタが、接着、溶接または機械的手段によって前記弾性膜に取り付けられている、項目20に記載のマイクロ蠕動ポンプ。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、復元力を提供する板ばねを備える例示的なマイクロ蠕動ポンプの断面図である。
【図2】図2は、モーターを有さない、図1に示される例示的なマイクロ蠕動ポンプの上面図である。
【図3】図3は、板ばねを備える例示的なカートリッジアセンブリの上面図である。
【図4】図4は、例示的な組立てられたカートリッジ本体の上面図である。図4−1は、図4に示される例示的な組立てられたカートリッジ本体の断面図である。図4−2は、図4−1に示される例示的な組立てられたカートリッジ本体の部分断面図である。
【図5】図5は、例示的なカートリッジの底面図である。
【図6】図6は、組立てられた流体チャネルを備える例示的なカートリッジの上面図である。
【図7A】図7−1〜7−10は、例示的な作動サイクルの各期を模式的に図示する断面図および上面図であり、これらにおいて、第1の力エフェクタは、モーターによって回転する。
【図7B】図7−1〜7−10は、例示的な作動サイクルの各期を模式的に図示する断面図および上面図であり、これらにおいて、第1の力エフェクタは、モーターによって回転する。
【図7C】図7−1〜7−10は、例示的な作動サイクルの各期を模式的に図示する断面図および上面図であり、これらにおいて、第1の力エフェクタは、モーターによって回転する。
【図8】図8は、例示的な板ばねによる、復元力発生を例示する。
【図9】図9は、例示的なシステムアセンブリの断面図であり、このアセンブリにおいて、アクチュエータはカートリッジパーツと接触することにより機能する。
【図10】図10は、弾性膜により生じる力の模式図である。
【図11】図11は、板ばねの片持ち梁モデルを例示する。
【図12A】図12−1〜12−10は、例示的な作動サイクルの各期を模式的に図示する断面図および上面図であり、これらにおいて、第1の力エフェクタは、直線的に移動する。
【図12B】図12−1〜12−10は、例示的な作動サイクルの各期を模式的に図示する断面図および上面図であり、これらにおいて、第1の力エフェクタは、直線的に移動する。
【図12C】図12−1〜12−10は、例示的な作動サイクルの各期を模式的に図示する断面図および上面図であり、これらにおいて、第1の力エフェクタは、直線的に移動する。
【図12D】図12−1〜12−10は、例示的な作動サイクルの各期を模式的に図示する断面図および上面図であり、これらにおいて、第1の力エフェクタは、直線的に移動する。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(発明を実施するための様式)
例示的なマイクロ蠕動ポンプは、2つの別個のパーツ:カートリッジ(またはチップ)およびアクチュエータを備える。これらは、物理的な接触を伴ってか、または伴わずに、連携し得る。
【0040】
カートリッジは、各々がバルブシートを有する3つのバルブ形状のチャンバ、第2の力エフェクタが第1の力エフェクタと相互作用するように取り付けられたバルブ膜を備える。チャンバは、弾性膜およびカートリッジの構造により囲まれており、ここで、一対の入口/出口ポートが組立てられている。チャンバの全てのポートは、タンデムに接続されており、そして、左の2つは、システム全体の入口ポートおよび出口ポートとして機能する。板ばねは、各チャンバ用のカートリッジ上に取り付けられ得、バルブシート上にバルブ膜を押す変形力を生じる。スペーシングカバーがまた、全ての膜の統一されたストロークを保証するために必要であり得る。アクチュエータパーツは、モーターおよび扇形の作動パーツを備え、これらは、モーターの回転子上のフランジによって機械的に連結している。扇形の作動パーツは、扇形の永久磁石であり得、弾性膜に取り付けられた別の磁石と相互作用し得る。この場合、扇形の永久磁石は、第1の力エフェクタであり、膜上の磁石は、第2の力エフェクタであり、その一方、板ばねは第3の力エフェクタである。
【0041】
流体移動は、上記扇形の永久磁石が、上記チャンバへの物理的接触は必要ではないが、上記チャンバの近位にある場合、弾性膜が、バルブシートから引き出されるか、または、バルブシート上に押し付けられることによって、本発明において現実化される。他方で、弾性膜は、板ばねの変形力によってバルブシート上にしっかりと押し付けられる。弾性膜の垂直方向の置き換えは、スペーシングカバーにより規定される。3つのチャンバが、意図的なパターンでカートリッジ内に組立てられるので、回転する扇形の永久磁石は、全てのチャンバを覆い、従って、蠕動時系列において、全てのチャンバに、交互の開閉状態をもたらす。従って、流体は、蠕動様式で、1つのチャンバから別のチャンバへと輸送される。流速および流れ方向は、扇形磁石の回転速度および方向を制御することによって、簡単に変更され得る。
【0042】
例示的なポンプの代表的な構造は、図1〜5に示すように、カートリッジパーツおよび作動パーツを備える。作動パーツは、デバイス本体に固定されており、モーター23、フランジ12および扇形の永久磁石1から構成される。フランジ12は、ねじ22によってモーター23の回転子上に取り付けられ得る。扇形磁石1は、フランジ12によって、接着もしくは溶接により、モーター23の回転子に取り付けられ、従って、それと共に回転し得る。
【0043】
カートリッジ内の主要構成要素は、カートリッジ本体4、弾性膜3、カートリッジ4内の各チャンバに取り付けられた膜3、スペーシングカバー2を備え、そして、また、この要素が、事前締め力(pre−tightening force)および復元力を生じるように設計される場合、各チャンバにつき、ねじ6および11、ならびに、板ばね5を備え得る(図1〜3を参照のこと)。カートリッジは、金属製、ガラス製またはプラスチック製であり得る。図4、4−1および4−2は、バルブシート18、入口/出口ポート9、10、および空洞を備えるチャンバのカートリッジ構造を示す。チャンバを閉じるために、弾性膜3が、接着、溶接または超音波溶接によってカートリッジ4に取り付けられる。一片の磁石7が、バルブ膜3の外側に取り付けられ得る。磁石7は、常磁性または強磁性のいずれかであり得る。後者の場合、その上側の磁極は、扇形磁石1の底部と同じであるべきでない。磁石7は、膜3に接着され得るか、または、組立てによって一体にされ得る。少し前に述べたように、板ばね5が各チャンバ膜に適用されて、事前締め力および復元力を生じ得る。板ばね5は、金属製であっても、プラスチック製であっても、または、任意の型の適切な可撓性物質製であってもよい。板ばね5の2つの端の一方は、ねじ6もしくは任意の他の手段によってカートリッジ本体4またはスペーシングカバー2に固定される。板ばね5のもう一方の端は、接着、溶接または機械的手段などによって磁石7の上側に取り付けられる。このときに、チャンバ膜3、膜磁石7および板ばね5が、カートリッジ上でタンデムに設置される。
【0044】
図1および2に示されるように、磁力は、扇形磁石1が膜磁石7を超えて回転するときに、扇形磁石1および膜磁石7によって生じる。磁力が、板ばね5から膜3へ課される復元力よりも十分大きい場合、膜3に沿う膜磁石7は、バルブシートからスペーシングカバー2へと引っ張り出される。こうして、チャンバが開き、流体通路がここに接続される。扇形磁石1が遠くに離れると磁力が消失し;次いで、膜3および膜磁石7が、板ばね5からの圧力によって、その正常な状態にバルブシートを押し戻す。これが、カートリッジ内の全てのチャンバについての作動スタイルである。
【0045】
カートリッジ内の全てのバルブ構造の入口ポートおよび出口ポートは、タンデムに接続され、通路のごく最初の部分および最後の部分を除く、流体の流通ルートを可能にする。図4および5に図示されるように、外側のチューブは、ポート10、11とポート12、13とを連絡するために使用され得る。従って、ポート9および14は、全システムのための入口ポートおよび出口ポートとして機能する。この流体経路連絡はまた、カートリッジ(例えば、図6の16および17)内に組立てられたチャネルによって実現され得る。
【0046】
以下の言及は、磁石1の全回転サイクルにおいて、逐一述べられる:
(a)図7−1および7−2に示される最初の状態。扇形磁石1によって覆われている膜磁石はない。従って、全てのバルブ構造のチャンバが閉じている。
(b)図7−3および7−4を参照のこと。バルブV1は、扇形磁石1によって覆われており、従って、開いており、一方で、バルブV2およびV3はなお閉じている。従って、流体は、V1のチャンバ内に吸引される。
(c)図7−5および7−6を参照のこと。バルブV1およびV2が、共に、回転する扇形磁石1によって覆われており、従って、共に開いている。こうして、前の段階でチャンバV1内に吸引された流体が、V2のチャンバに移動される。そして、別の体積の流体が、入口ポート9からV1のチャンバを充填するように吸引される。
(d)図7−7および7−8を参照のこと。扇形磁石1が、バルブV1上の膜磁石から遠ざかって移動し、V1のチャンバ内の流体が、扇形磁石1がバルブV3に到達する前に、入口ポートを通って外に出される。そして、次いで、V3が扇形磁石1によって覆われる場合、V3が開き、一方で、状態の遷移の間に、チャンバV2は開いたままであり、そのチャンバ内に流体を保持する。次いで、V3のチャンバは、出口ポート14から吸引された流体で充填される。言い換えると、V2およびV3のチャンバは、共に、この時点で流体で満たされている。
(e)図7−9および7−10を参照のこと。バルブV2は、扇形磁石1がバルブ2から遠ざかって移動する場合に閉じている。従って、V2中の流体がV3に移され、出口ポート14を通してV3中の流体を外に出す。
(a)扇形磁石が回転し続ける場合、このシステムは、初期状態に戻る。
【0047】
上記の手順に従って、流体は、入口ポート9から出口ポート14へと移動され得る。流速は、扇形磁石1の回転のスピードアップによって加速され得、ポンピング方向は、磁石が可逆的に回転する場合、変更され得る。
【0048】
図1において、22はねじであり、このねじによって、フランジ12が、モーター23上の回転子に固定される。図2において、15は、スペーシングカバー2のカートリッジ本体4への組立てのための取付け穴である。図3において、19および20は、別の2つの膜磁石であり、これらは、必須ではないが、磁石7と同じ材料、形状および組立てであり得る。図4は、代表的なバルブシート構造18を示す。図4−1および4−2は、詳細な図面である。1つの実施形態として、膜3は、図8に示される、接着剤21によってカートリッジ基部4に接着され得る。
【0049】
全てのバルブチャンバが、上記と同じ様式で作動するだけでなく、これらはまた、多様に作動され得る。以前に言及した方法において、磁力の代わりとして、バルブを開けるために、静電気力が使用され得る。膜自体からの弾性力は、バルブを復元するために使用され得る。また、板ばねからの変形力は、バルブを開くように機能し、このバルブは、その最初の形状に完全に依存する。
【0050】
図9は、別の作動方法を例示する。フランジ12は、特定の形状に製造され得、3相の蠕動時系列において、カートリッジ内のバルブ構造に接触することによって、ポンプの動きを実現する。このことは、フランジの底部表面が、波形の外周を有するように加工され得、すなわち、平坦な表面の代わりに、底部表面のある領域は、付近の他の領域よりも低い。これらのより低い領域のいずれか1つが、チャンバを通常は開いているように設計され得る板ばね5と接触する場合、膜3は、カートリッジ本体4内のバルブシート18上に押し付けられる。より低い領域が遠く離れると、膜3は、板ばね5によって開放に戻される(receove)。
【0051】
なお別の実施形態において、永久磁石が、直線的に移動して、蠕動時系列を生じ得る。当然、この場合、永久磁石は扇形ではない。永久磁石の移動の間の全ての相が、図12−1〜12−10に示される。
【0052】
詳細に提示された実施形態において、磁力および板ばね力に変えて、縦方向に作動するために使用され得るなおいくつかの他の型の力が存在する。実際、本実施形態の本質は、縦方向の作動の型にはとらわれず、扇形の作動パーツ1の一回の回転により形成される蠕動移動である。板ばね5の左端は固定され、他端は自由である。板ばねの自由端について、変位yは、外からかけられた力Pにより生じ、逆も同じである。また、復元力は、図10に図示されるように、弾性膜3により提供され得る。Yは、弾性膜の縦方向の変位Yの半径方向の成分である。従って、力Tは、Yの縦方向の積分により生じ、そして、Tは、縦方向の成分である。
【0053】
静電気力は、電荷を有する任意の2つの別個の対象間で生じる。電荷が共に陽または陰である場合、2つの対象は、互いに反発し合う。電荷が逆である場合、これらは、互いに引き付け合う。本発明の別の実施形態として、1および7が帯電されて、静電気力を生じる。従って、静電気力は、代表的な実施形態におけるもののように、回転する扇形の作動パーツ1によって形成される同じ時系列で縦方向に作動する。静電気的な作動には、物理的な接触は存在しないことが留意され得る。
【0054】
任意の適切な数の本発明の蠕動ポンプにおけるチャンバは、入口および出口に封着接続され得る。例えば、本発明の蠕動ポンプのチャンバの50%より多くが、入口および出口に封着接続され得る。好ましくは、各チャンバは、入口および出口に封着接続される。任意の適切な数の本発明の蠕動ポンプのチャンバの入口および出口は、接続され得る。例えば、少なくとも3つのチャンバの入口および出口が接続される。好ましくは、全ての入口および出口が接続される。
【0055】
別の特定の実施形態において、第1の力エフェクタがカートリッジ内のチャンバの近位にない場合、チャンバは閉じたままであり、そして、第1の力エフェクタが、チャンバの近位に移動する場合、作動パーツとカートリッジパーツとの間の相互作用により、チャンバが開く。
【0056】
なお別の特定の実施形態において、第1の力エフェクタが、カートリッジ内のチャンバの近位にない場合、チャンバは開いたままであり、そして、作動パーツがチャンバの近位に移動する場合、作動パーツとカートリッジパーツとの間の相互作用によりチャンバが閉じる。この状況において、引き付け合うのではなく、反発し合う磁力が使用され得る。
【0057】
上記の例は、例示的な目的のためだけに含められ、本発明の範囲を限定することは意図されない。上記のものに対する多くのバリエーションが可能である。上記の例に対する改変およびバリエーションは当業者に明らかであるので、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲によってのみ制限されることが意図される。
【0058】
開示を明確にするために、かつ、限定する目的ではなく、本発明に関する専門用語が、以下に提供される。
1.他に規定されない限り、本明細書中で使用される全ての科学技術用語は、本発明が属する分野の当業者に通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書中で参照される全ての特許、出願、公開された出願および他の刊行物は、その全体が、参考として援用される。この節に示される定義が本明細書中に参考として援用される特許、出願、公開された出願および他の刊行物において示される定義と逆であるか、または、他に矛盾する場合、この節に示される定義が、本明細書中に参考として援用される定義よりも優先される。
2.本明細書中で使用される場合、「a」または「an」は、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する。
3.本明細書中で使用される場合、「上記カートリッジパーツを含む平面に対して実質的に平行な平面」とは、作動パーツがカートリッジパーツから、およびカートリッジパーツへと移動する平面と、カートリッジパーツを含む平面との間の角度が、45°未満または135°より大きいことを意味する。好ましくは、作動パーツがカートリッジパーツから、およびカートリッジパーツへと移動する平面と、カートリッジパーツを含む平面との角度は、30°未満、15°未満、5°未満、2°未満、1°未満、または、1°未満であるか、あるいは、150°より大きいか、165°より大きいか、170°より大きいか、175°より大きいか、178°より大きいか、179°より大きいか、または179°より大きい。より好ましくは、作動パーツがカートリッジパーツから、およびカートリッジパーツへと移動する平面と、カートリッジパーツを含む平面との角度は、0°または180°であり、すなわち、2つの平面は完全に平行である。
4.本明細書中で使用される場合、「作動パーツがカートリッジパーツの近位にある」とは、作動パーツとカートリッジパーツが、チャンバの所望の開閉を達成するのに十分に近くにあることを意味する。通常、作動パーツとカートリッジパーツとの間の距離は、約数μm〜数mm(例えば、約10μm〜約5mm)である。
5.本明細書中で使用される場合、「磁力物質」とは、磁石または磁性体に付随するか、磁石または磁性体が生成するか、磁性体によって生じるか、または、磁性体によって作動する、磁石の特性を有する任意の物質を指す。
6.本明細書中で使用される場合、「磁化物質」とは、磁場と相互作用する特性を有し、従って、磁場において自由に懸濁または配置される場合、磁化を誘導し、かつ、磁気モーメントを生じる任意の物質を指す。磁化物質の例としては、常磁性物質、強磁性物質およびフェリ磁性物質が挙げられるがこれらに限定されない。
7.本明細書中で使用される場合、「常磁性物質」とは、個々の原子、イオン、または分子が永続する磁気双極子モーメントを持つ物質を指す。外部磁場のない状態では、原子双極子は無秩序な方向を向き、結果として、全体としてどの方向においても磁化されない。この無秩序な方向性は物質内の熱振動の結果である。外部から磁場を加えると、平行状態の方が非平行位置よりもエネルギーが低い状態であるため、原子双極子は磁場に平行に向く傾向がある。これによって磁場に平行な正味の磁化が与えられ、磁化率に正に貢献する。「常磁性物質」または「常磁性体」についての詳細は様々な文献に見出され得る(例えば1975年の、B.I BleaneyおよびB.Bleaney,Oxfordによる「Electricity and Magnetism」の第6章、169頁〜171頁)。
8.本明細書中で使用される場合、「強磁性物質」とは、非常に大きな値(正の)の磁化率によって区別される物質を指し、これらは加える磁場の強さに依存する。さらに、強磁性物質は、加える磁場のない状態でも磁気モーメントを持つことができ、磁場ゼロにおける磁化の保持は「残留磁気」として知られる。「強磁性物質」または「強磁性体」についての詳細は様々な文献に見出され得る(例えば1975年B.I BleaneyおよびB.Bleaney,Oxfordによる「Electricity and Magnetism」の第6章、171頁〜174頁)。
9.本明細書中で使用される場合、「フェリ磁性物質」とは、自発磁化、残留磁気、および通常の強磁性物質と類似する他の性質を示すが、その自発モーメントが、物質内の(磁気)双極子が完全平行配置ある場合に期待される値とは一致しない物質を指す。「フェリ磁性物質」または「フェリ磁性体」のさらなる詳細は様々な文献で見出され得る(例えば1975年,B.I BleaneyおよびB.Bleaney,Oxfordによる「Electricity and Magnetism」の第16章、519頁〜524頁)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【公開番号】特開2011−69373(P2011−69373A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2534(P2011−2534)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【分割の表示】特願2004−567224(P2004−567224)の分割
【原出願日】平成15年7月14日(2003.7.14)
【出願人】(598098331)ツィンファ ユニバーシティ (534)
【出願人】(504278260)キャピタルバイオ コーポレーション (10)
【Fターム(参考)】