説明

流動層反応器装置

本発明は、流動層反応器装置10に関する。この流動層反応器装置10において、流動層反応器は、少なくとも底部12、天井部16、及び底部と天井部との間に垂直に延在する少なくとも1つの側壁14.1を有し、前述の側壁は、反応器の反応チャンバ20の断面が底部に向かって縮小するような態様で、下部において傾斜して配置されており、また流動層反応器装置は、熱交換チャンバ30を有し、前述の傾斜した側壁14.1は、熱交換チャンバと反応チャンバ20との間に隔壁を形成する。熱交換チャンバの後壁34は、少なくとも接続領域36においてその向きが側壁の向きと整合するように、接続部36において後壁の上部から反応チャンバ20の側壁14.1に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の流動層反応器装置に関する。この流動層反応器装置において、流動層反応器は、少なくとも底部、天井部、及び底部と天井部との間に垂直に延在する少なくとも1つの側壁を有し、前述の側壁は、反応器の反応チャンバの断面が底部に向かって縮小するような態様でその下部において傾斜して配置され、また流動層反応器装置は、前述の側壁の傾斜した領域において反応チャンバの外側に熱交換チャンバを有し、底部と天井部との間に延在し且つその下部において傾斜して配置された前述の側壁は、熱交換チャンバと反応チャンバとの間に隔壁を形成し、熱交換チャンバは、隔壁から、側壁を経て延在する平面の反対側まで延在する。
【背景技術】
【0002】
流動層反応器の反応器チャンバは、通常、4つの側壁、底部、及び天井部によって画成される、水平方向断面が長方形である内部を有し、その内部において、固形物と例えば燃料とを含有する内部流動媒体が、流動化ガスによって流動化される。流動化ガスは、一般に酸素を含む一次ガスであり、反応チャンバ内で起こる発熱化学反応に必要とされる。流動層反応器において燃焼プロセスが行われる場合、内部、つまり反応チャンバは、燃焼チャンバと呼ばれ、反応器は、流動層ボイラと呼ばれる。また反応チャンバの側壁は通常、少なくとも燃料供給及び二次空気の供給のための導管を備える。
【0003】
反応チャンバの側壁は一般に、複数の管及びそれらの間のフィンで形成されたパネルを有するように製作され、それにより、燃料の化学反応で放出されたエネルギーは、管内を流れる水を蒸発させるために使用される。蒸気のエネルギー含有量をさらに増加させるために、過熱器面も同様に流動層反応器内に備えられることが多い。
【0004】
流動層反応器は例えば、循環流動層反応器、又はバブリング層反応器とすることができる。流動層反応器は、様々な燃焼プロセス、熱交換プロセス、化学及び冶金プロセスで使用される。燃焼プロセスでは、流動層の構成要素には、石炭、コークス、亜炭、木、廃棄物、又は泥炭のような粒状の燃料、及び同様に砂、灰、脱硫化剤又は触媒のような他の粒状の物質が含まれ得る。
【0005】
流動層反応器の特性は、プロセス材料として固形物の流動媒体を使用することである。流動媒体は、例えば、反応チャンバ内で温度安定化要素として働き、且つその中に相当な量の熱を蓄える。したがって流動媒体はまた、反応から媒体へ熱を伝達するために使用することができる。流動層燃焼プラントでは、熱回収は通常、ガス流において粒子分離器の下流に配置されている熱交換面を用いて、燃焼チャンバ内及び対流部内で行われる。過熱器などの熱交換面は通常、蒸気を過熱するために、例えば、反応チャンバの上部内の空間及びそれに続く対流部内に配置される。
【0006】
流動層反応器において、反応チャンバから分離された固形物のための熱交換チャンバ、すなわち流動層熱交換器を使用すること自体は知られており、例えば、固形物をもとの反応チャンバの流動媒体へ再循環する前に、流動媒体を反応チャンバから流動層熱交換器に供給して、その流動層熱交換器内で冷却することができる。
【0007】
そのような流動層熱交換器は通常、いわゆるバブリング層として機能する。熱交換チャンバは、反応器自体の内側、又はその外側のどちらかに配置することができる。フィンランド特許公開第FI119916号は、反応器の内側に配置されたそのような熱交換チャンバを開示している。熱交換チャンバが反応器の内側にある場合、熱交換チャンバは、反応器の壁及び/又は底部によって支持されることが好ましい。
【0008】
国際公開第WO94/22571号は、実反応チャンバの外側に配置された熱交換チャンバを開示している。この熱交換チャンバは、固形物に対するいわゆる内部循環に熱交換チャンバが関与するような態様で、循環流動層反応器と接続して配置される。そこで、反応チャンバの内部を流れる流動媒体の一部分は、反応チャンバから熱交換チャンバへ、及び熱交換チャンバから元の反応チャンバへ、直接導かれる。
【0009】
米国特許公開第4,896,717号は、実反応器の外側に配置された熱交換チャンバを開示している。ここでは、熱交換チャンバは、循環流動層反応器内の固形物のための外部循環に接続される。つまり、熱交換チャンバに導かれた固形物は、反応チャンバから出てゆくガスから分離される。
【0010】
反応チャンバから実反応チャンバに分離された固形物のための熱交換チャンバの支持及び接続では、反応チャンバから遠くに水平方向に延在する、すなわち反応チャンバの側壁の平面の外側に少なくとも部分的に延在する熱交換チャンバが、別個の支持を必要とし、それが反応チャンバの周辺の空間を占め、したがって補助的な設備を設置する可能性を減らす、ということが特に問題となる。例えば、米国特許公開第4,896,717号で開示されている熱交換チャンバは、固形物分離器の下方遠くに延在し、そのため実際には、熱交換チャンバは非常に強く支持されなければならず、例えば、上方のサイクロンから熱交換チャンバを支持し、それにより、その質量の一部分だけが反応チャンバの壁に伝わる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】フィンランド特許公開第FI119916号
【特許文献2】国際公開第WO94/22571号
【特許文献3】米国特許公開第4,896,717号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来技術から知られている流動層反応器は、それ自体は有利であるが、熱交換チャンバが流動層反応器に改善された方法で接続される、改善された流動層反応器の必要性が近頃高まっている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、流動層反応器装置によって達成される。この流動層反応器装置において、流動層反応器は、少なくとも底部、天井部、及び底部と天井部との間に垂直に延在する少なくとも1つの側壁を有し、側壁は、反応器の反応チャンバの断面が底部に向かって縮小するような態様でその下部において傾斜して配置され、また流動層反応器装置は、傾斜して配置された側壁の領域において反応チャンバの外側に熱交換チャンバを有し、底部と天井部との間に延在しその下部において傾斜した前述の側壁は、熱交換チャンバと反応チャンバとの間に隔壁を形成し、熱交換チャンバは、隔壁から、側壁を経て延在する平面の反対側まで延在する。本発明の特徴は、熱交換チャンバの後壁が、少なくとも接続領域においてその向きが側壁の向きと整合するような態様で、接続領域において後壁の上部から反応チャンバの側壁に接続されることである。
【0014】
したがって、反応チャンバへの熱交換チャンバの質量力の伝達は、熱交換チャンバを反応チャンバに実質的に完全に支持させることにより、有利な態様でなされ得る。したがって、実質的に熱交換チャンバの質量力の大部分、好ましくは実質的に全ての質量力が、反応チャンバに向けられる。それにより、熱交換チャンバを土台又は流動層装置の支持枠組みに支持するそのような別個の支持構造は、熱交換チャンバには必要とされない。
【0015】
一実施形態によれば、前述の傾斜した側壁は、熱交換チャンバと反応チャンバとの間に隔壁を形成する。したがって、支持力を反応チャンバに直接伝えることができ、また構造は、頑丈且つ単純である。
【0016】
別の実施形態によれば、流動層反応器の側壁を経て延在する平面Pは、少なくとも接続領域で、後壁を経て延在する平面と整合する。したがって、接続部で発生する垂直方向から外れた分力は最小限であり、したがって接続部は頑丈である。
【0017】
さらに別の好ましい実施形態によれば、熱交換チャンバは、前述の接続領域から熱交換チャンバの底部まで延在する後壁の両方の縁部と接続している端壁を有し、また熱交換チャンバは、反応チャンバの側壁の各縁部の間隔内の部分にのみ、水平方向に配置される。
【0018】
さらに別の実施形態によれば、流動層反応器装置は、側壁の各縁部の間隔内に複数の熱交換チャンバを有する。
【0019】
さらに別の実施形態によれば、熱交換チャンバの後壁は、メンブレン構造で形成され、流動層反応器の側壁は、メンブレン構造で形成され、後壁のメンブレン構造は、流動層反応器の給水システムに接続され、側壁のメンブレン構造は、流動層反応器システムの蒸熱システムに接続される。したがって、流動層反応器装置は、貫流ボイラであることが好ましい。
【0020】
さらに別の実施形態によれば、熱交換チャンバの後壁は、メンブレン構造で形成され、流動層反応器の側壁は、メンブレン構造で形成され、接続領域において、メンブレン構造化管の第1の群は、傾斜した側壁内に延在するように配置され、メンブレン構造化管の第2の群は、熱交換チャンバの後壁内に延在するように配置される。
【0021】
さらに別の実施形態によれば、熱交換チャンバは特に、熱交換チャンバが、所定の方法で分散される所定の基準量の固形物、いわゆる流動媒体をその中に含有する状況において、ある一定の重心を有し、さらに熱交換チャンバは、重心が平面Pと接合するような態様で配置される。
【0022】
本発明の典型的な他の追加的な特徴は、添付の特許請求の範囲、及び図面中の実施形態の説明から明らかになる。
【0023】
本発明及びその動作を、添付の概略図を参照しながら以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による流動層反応器装置の実施形態を示す図である。
【図2】本発明による流動層反応器装置の熱交換チャンバの実施形態を示す図である。
【図3】本発明による好ましい接続を示す図である。
【図4】本発明による別の好ましい接続を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
適用できる場合は図1及び図2の両方を参照して、本発明を以下に説明する。図2では、対応する特徴に関して同一の参照番号が使用される。図1は、本発明による流動層反応器装置10の実施形態を概略的に示す。流動層反応器装置10は、流動層反応器を含む。流動層反応器は、例えば、反応器チャンバ20、固形物分離器18を有する。流動層反応器は、循環流動層ボイラであることが好ましい。図2は、反応器の下部における流動層反応器装置の熱交換チャンバ30を示す。
【0026】
循環流動層ボイラ10は、底部12、天井部16、及びそれらの間に延在する壁14を有する。さらに、流動層反応器が、ここでは明瞭性のために図示されていない多くの部品及び要素を有することは明らかである。底部、天井部、及び壁14は、ボイラにおいて火炉と呼ばれる前述の反応チャンバ20を形成する。また、底部12は格子25を有し、それを通じて流動化ガスが反応器に供給される。循環流動層反応器は、典型的には遠心式分離器である固形物分離器18をさらに有する。固形物分離器は、連絡チャネル22により、天井部に近い反応チャンバの上部から反応チャンバに接続され、連絡チャネル22を通じて、反応ガス及び固形物が固形物分離器18に流され得る。固形物分離器において、固形物がガスから分離され、その固形物は、冷却などの可能な処理の後、再循環されることが可能であり、反応チャンバ20に、すなわち火炉に戻される。この目的のために、固形物分離器は、例えば、戻り導管24により反応チャンバ20の下部に接続される。固形物が分離されたガスは、固形物分離器のガス放出接続部26を通って、さらなる処理のためのシステム内に導かれる。
【0027】
流動層反応器の2つの対向する側壁14.1、14.2は、各側壁が底部12に向かって互いに接近するような態様で、流動層反応器の下部において傾斜して配置されている。ここで、反応チャンバ20は、四角形の断面であり、そのため、側壁に加え端壁によっても制限され、端壁のうちの1つ14.3のみがこれに関連して示されている。壁14は複数の蒸発管を有し、これらの蒸発管は、反応器の熱応力がそれらの全てに対して実質的に等しくなるように配置されることが好ましい。図において、簡易化のために各管が線で示され、また実際には各管を連結しているフィンが線と線との間隔で示されていることに留意すべきである。実際には、流動層反応器の各壁は、メンブレン構造31で形成されることが好ましい。メンブレン構造31において、隣接した流管/チャネルが板構造のフィンにより互いに連結されている。
【0028】
流動層装置10は、固形粒子を冷却するための熱交換チャンバ30を有する。熱交換チャンバ30は、好ましくはそれが反応チャンバ20と共通の隔壁32を有するような態様で、流動層反応器装置10に接続して配置される。隔壁32は、流動層反応器の下部における傾斜壁14.1である。また、熱交換チャンバは、後壁34を有する。後壁34は、その上部から流動層反応器装置の反応チャンバ20の側壁14.1に接合している。後壁は、隔壁32に水平方向に平行しており、熱交換チャンバ30の内部空間が、それらの間に形成される。接続部36は、後壁34によって反応器の側壁14.1に質量力が伝達され得るような態様で実現される。熱交換チャンバ30と側壁14.1との接続部36において、後壁の向きは、側壁の向きと整合する。それにより、後壁34を介して反応チャンバ20の側壁14.1に伝達する力の方向は、側壁14.1と実質的に平行であり、接続部36は、極めて頑丈である。平面Pが反応器の側壁14.1を経て延在し、それにより後壁の一部分が、側壁14.1を経て延在する平面Pが前述の後壁34の一部分を経て延在する平面に接合するような態様で配置される、というように接続部を説明することもできる。したがって、この一部分は、接続部からある距離まで延在し、その後、後壁は、隔壁32から離れる方向へ向けられる。
【0029】
熱交換チャンバ30は、その後壁34の両方の縁部と接続している端壁38を有する。後壁34は、少なくとも距離Dにわたって端壁38に接続され、この距離にわたって後壁34は側壁14.1と平行である。また、端壁は、傾斜した側壁に、つまり隔壁32に接続されることが好ましい。端壁は、接続部36と底部12との間の領域に配置されることが好ましい。それによって、接続部36よりも上側の側壁14.1の部分は、端壁から離れた状態にあり、これにより、具体的には固形物のための再循環システム、及び/又はガス/燃料のための供給デバイスのような反応器に関連する他のデバイスを、より容易に位置決めすることが可能になる。
【0030】
熱交換チャンバは、流動層熱交換器を備える。流動層熱交換器は、流動化ガスを供給するための手段40を前述の熱交換器の底部に有し、固形物のための入口42及び出口44、並びに熱交換面46、48を有する。熱交換チャンバ30は、平面Pを経て反対側まで延びる隔壁32から延在し、それにより、熱交換チャンバ30は、反応チャンバに関して垂直投影の外側に、つまり両側に、少なくとも部分的に延在する。したがって、熱交換チャンバ30の後壁34はまた、少なくとも1つの傾斜した部分を有する。後壁34の傾斜は、隔壁32の傾斜に対して反対方向に向けられる。熱交換チャンバが、所定の方法で分散される基準量の固形物、すなわち流動媒体をその中に含有する状況において、熱交換チャンバは特に、ある一定の重心Gを有する。熱交換チャンバは、重心Gが平面Pと接合するような態様で、好ましい実施形態に従って配置される。したがって、後壁の接続部36における反応チャンバ20の側壁14.1に対する応力は、有利な態様で分散され、また、構造は特に頑丈である。熱交換チャンバの重量は、熱交換チャンバの端壁を介して、側壁14.1及び熱交換チャンバの後壁34において長距離にわたって分散されるように設定される。熱交換チャンバ30の後壁34の両方の縁部と接続している端壁38間の距離30’に対する長さDの比率が少なくとも0.5であるように、後壁の接続部36において側壁と平行である後壁の部分の長さDが決定される。したがって、熱交換チャンバの応力を、有利な態様で後壁に分散させることができる。
【0031】
平面Pと接合する部分38’における熱交換チャンバの端壁38の幅は、少なくとも、接続部36からの距離Dの範囲内の隔壁32からの後壁34の垂直距離Xと、実質的に一致する。したがって、後壁34は、端壁の縁部の内側の領域で端壁に接続され、それにより、後壁と端壁との間に伝わる力は、後壁が端壁の縁部に接続された状況よりもより均一に、有利な態様で分散される。
【0032】
反応器が使用されると、好ましくは循環流動層である流動層が反応器内で生成される。循環流動層において、固形粒子の高速流動層が、反応チャンバ内の粒子の内部循環を生成し、それにより、固形粒子は主に、反応チャンバの中央部内を上方に流れ且つそれの側壁に沿って下方に流れる。さらに、固形粒子は、水平方向に移動して、粒子を効率的に混合させる。主として細かい固形粒子は、ガスとともに反応チャンバ20の上部に移動され、したがって反応チャンバ内の壁又は側路に沿って下方に流れ、粗い粒子は、反応チャンバの底部に堆積する。
【0033】
側壁に沿って下方に流れるそのような内部循環の粒子は、隔壁32の開口部、いわゆる入口42を通じて、熱交換チャンバへ誘導され得る。いわゆるバブリング層が、熱交換チャンバの内側に配置される。固形物は、そこからもとの反応チャンバ内の高速流動層へ再循環され、新しい固形物が、バブリング層の上部に連続的に加えられる。また、熱交換チャンバは、固形物分離器の戻り導管24’と接続していてもよい。流動層反応器装置において、複数の熱交換チャンバを有することも可能であり、その一部分又は全てが上記の内部循環及び/又は固形物分離器の戻り導管に接続され得る。
【0034】
図3は、本発明による蒸気システムのための流動層反応器装置の好ましい蒸気回路接続300を概略的に示しており、流動層反応器装置は、貫流式流動層ボイラである。ここでは、給水加熱器を含み且つ蒸気/水の流れ方向において給水ポンプ302の下流に配置された給水システム304は、熱交換チャンバ30の端壁38及び/又は後壁34のメンブレン・ウォールを含む。そして蒸発器システム306は、反応チャンバ20のメンブレン・ウォールを含む。過熱器システム308は、例えば、熱交換チャンバの流動層内に配置された熱交換面46を含み得る。
【0035】
図4は、本発明による蒸気システムのための流動層反応器装置の別の好ましい蒸気回路接続300を概略的に示しており、流動層反応器装置は、自然循環式ボイラである。この実施形態では、蒸気/水の流れにおいて給水ポンプ302の下流に給水システム304がある。ボイラの蒸発器システム306は、熱交換チャンバの両方の端壁38及び/又は後壁34のメンブレン・ウォール、並びに反応チャンバ20のメンブレン・ウォールを含む。さらに、この実施形態において、過熱器システム308は、例えば、熱交換チャンバの流動層内に配置された熱交換面46を含み得る。したがって、接続領域36における隔壁32のメンブレン構造31の管の第1の群は、傾斜した側壁内に延在するように配置され、メンブレン構造の管の第2の群は、熱交換チャンバの後壁34内に延在するように配置される(図1)。
【0036】
本発明は、現時点で最も好ましい実施形態であると考えるべきものに関連して実例として本明細書に記述されたが、本発明は、開示された実施形態には限定されず、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲内に含まれる、その特徴の様々な組み合わせ又は修正形態及び他の幾つかの応用を含むように意図されていることを理解すべきである。したがって、熱交換チャンバはまた、固形物分離器の戻り導管24’と接続されてもよい。実施形態とともに開示された特徴は、本発明の範囲内で他の実施形態とともに利用することができ、且つ/又は、開示された特徴は、様々な構成要素が所望され且つそれらが技術的に実現可能であれば、それらを形成するために組み合わせることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動層反応器が、少なくとも底部(12)、天井部(16)、及び前記底部と前記天井部との間に垂直に延在する少なくとも1つの側壁(14.1)を有し、前記側壁が、前記反応器の反応チャンバ(20)の断面が前記底部に向かって縮小するような態様で、下部において傾斜して配置されている、流動層反応器装置(10)であって、前記側壁の前記傾斜した領域において前記反応チャンバの外側に熱交換チャンバ(30)を有し、前記底部と前記天井部との間に延在し且つその下部において傾斜して配置されている前記側壁が、前記熱交換チャンバと前記反応チャンバとの間に隔壁(32)を形成し、前記熱交換チャンバ(30)が、前記隔壁(32)から、前記側壁(14.1)を経て延在する平面(P)の反対側まで延在する、流動層反応器装置において、
前記熱交換チャンバの後壁(34)が、少なくとも接続領域(36)においてその向きが前記側壁の向きと整合するように、前記接続部(36)において前記後壁の上部から前記反応チャンバ(20)の前記側壁(14.1)に接続されることを特徴とする、流動層反応器装置。
【請求項2】
前記熱交換チャンバ(30)が、前記反応チャンバ(20)に完全に支持されることを特徴とする、請求項1に記載の流動層反応器装置。
【請求項3】
前記傾斜した側壁(14.1)が、前記熱交換チャンバと前記反応チャンバ(20)との間に隔壁を形成することを特徴とする、請求項1に記載の流動層反応器装置。
【請求項4】
前記流動層反応器の前記側壁(14.1)を経て延在する前記平面(P)が、少なくとも前記接続領域において、後壁(34)を経て延在する前記平面と整合することを特徴とする、請求項1又は2に記載の流動層反応器装置。
【請求項5】
前記熱交換チャンバ(30)が、その前記後壁の両方の縁部と接続している端壁(38)を有し、前記端壁(38)が、前記接続領域(36)から前記熱交換チャンバ(30)の前記底部まで延在することを特徴とする、請求項1に記載の流動層反応器装置。
【請求項6】
前記熱交換チャンバ(30)が、前記反応チャンバ(20)の前記側壁の前記縁部の間隔内の部分にのみ水平方向に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の流動層反応器装置。
【請求項7】
前記流動層反応器装置が、前記側壁(14.1)の端部の間隔内に複数の熱交換チャンバ(30)を有することを特徴とする、請求項1に記載の流動層反応器装置。
【請求項8】
前記熱交換チャンバの前記後壁が、メンブレン構造(31)で形成され、前記流動層反応器の前記側壁が、メンブレン構造(31)で形成され、前記後壁の前記メンブレン構造が、前記流動層反応器の給水システム(304)に接続され、前記側壁の前記メンブレン構造が、前記流動層反応器装置の蒸発器システム(306)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の流動層反応器装置。
【請求項9】
前記熱交換チャンバの前記後壁が、メンブレン構造(31)で形成され、前記流動層反応器の前記側壁が、メンブレン構造(31)で形成され、前記接続領域において、前記メンブレン構造の管の第1の群が、傾斜して配置された前記側壁内に延在するように配置され、メンブレン構造化管の第2の群が、前記熱交換チャンバの前記後壁(34)内に延在するように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の流動層反応器装置。
【請求項10】
前記熱交換チャンバ(30)が、特に、前記熱交換チャンバが所定の方法で分散される所定量の固形物、つまり流動媒体を含有する状況において、ある一定の重心(G)を有し、且つ前記熱交換チャンバが、前記重心(G)が前記平面(P)と接合するような態様で配置されることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一項に記載の流動層反応器装置。
【請求項11】
前記後壁(34)の向きが、接続点においてある距離にわたって前記側壁の向きと整合し、前記ある距離の長さ(D)が、前記熱交換チャンバ(30)の前記後壁(34)の前記端壁(38)同士の相互間の距離(30’)に対する長さ(D)の比率が少なくとも0.5であるように、決定されることを特徴とする、請求項1に記載の流動層反応器装置。
【請求項12】
平面(P)と整合する前記後壁(14.1)の前記部分における前記熱交換チャンバの端壁(38)の幅が、少なくとも前記隔壁(32)からの前記後壁(34)の垂直距離(X)に相当することを特徴とする、請求項5に記載の流動層反応器装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2013−520307(P2013−520307A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554383(P2012−554383)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【国際出願番号】PCT/FI2011/050150
【国際公開番号】WO2011/104434
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(506425251)フォスター ホイーラー エナージア オサケ ユキチュア (23)
【Fターム(参考)】