説明

流動式接触分解中のNOx排気を減少させるフェリエライト組成物

接触分解工程、好適には流動式接触分解工程中に発生するNOを減少させる組成物を開示する。この組成物は流動式接触分解用触媒組成物、好適にはY型ゼオライト含有触媒組成物およびフェリエライトゼオライト粒子含有粒状NO減少用組成物を含んで成る。前記NO減少用組成物に含有させるフェリエライトゼオライト粒子を好適には無機結合剤と結合させておく。別法として、前記フェリエライトゼオライト粒子を分解用触媒の中に前記触媒の一体化成分として取り込ませる。本発明に従うNO減少用組成物はFCC工程条件下で稼働している流動式接触分解装置の再生装置から排出されるNO排気を変換率も分解生成物収率も実質的に変えることなく減少させるに非常に有効である。また、本組成物の使用方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は2003年11月6日付けで出願した米国特許出願連続番号10/702,240の一部継続出願である。
【技術分野】
【0002】
本発明はNO減少用組成物およびこれを製油工程、特に流動式接触分解(FCC)工程におけるNO排気の減少で用いる方法に関する。より詳細には、本発明は、NO減少用組成物およびこれをFCC工程中に流動式接触分解装置(FCCU)の再生装置から放出されるNOオフガスの含有量を炭化水素変換率の実質的な変化も価値有る分解生成物の収率の実質的な変化ももたらすことなく低くする目的で用いる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、米国および他の国でも、窒素、硫黄および炭素の有害な酸化物が産業的に排出されることによる大気汚染に関する懸念が高くなっている。そのような懸念に応答して、政府機関は、そのような汚染物の中の1種以上の許容排気量に対して制限を設けており、そのような傾向は明らかに規制を益々厳しくする方向に向かっている。
【0004】
流動式接触分解(FCC)の再生装置から排出される燃焼排ガス流れに入っているNO、即ち窒素の酸化物は広範囲に渡る問題になっている。流動式接触分解装置(FCCU)では窒素化合物を含有する重質炭化水素供給材料が処理されるが、それの一部は触媒に付着しているコークスの中に入った状態で再生装置の中に入り込む。そのようなコークス−窒素のいくらかはFCC再生装置または下流のCOボイラーのいずれかの中で最終的にNO排気に変化する。従って、窒素含有供給材料を処理するFCCUの全部に触媒再生が原因で起こるNO排気問題が存在し得る。
【0005】
FCC工程では、触媒粒子インベントリー(inventory)を接触分解ゾーンと触媒再生ゾーンの間で連続的に循環させることが行われる。再生中、分解ゾーンの中で分解用触媒粒子に付着したコークスが酸素含有ガス、例えば空気などによる酸化によって高温で除去される。コークス付着物を除去すると触媒粒子の活性がそれらを分解反応で再使用することができる点にまで回復する。酸素が欠乏した状態でコークスを燃焼させると、一般に、その再生装置から出る煙道ガスに含まれるCO/CO比が高くなってNOの濃度が低くなるが、酸素を過剰にして燃焼させると、煙道ガスに含まれるNOの濃度が高くなってCO含有量が低くなる。このように、COおよびNOまたはこのような汚染物の混合物は、装置への供給速度、供給材料の窒素含有量、再生装置のデザイン、再生装置の稼働様式および触媒インベントリーの組成の如き要因に応じて、煙道ガスと一緒にいろいろな量で排出される。
【0006】
NOガスが生成した後にそれを処理することでFCCUから排出されるNOガスの量を制限する試みがいろいろ成され、例えば特許文献1、2、3、4、5、6および7に記述されているようにNO含有ガス流れを後処理する試みが成された。
【0007】
別の提案は、燃焼がある程度起こるように再生装置の操作を修飾しそしてその上に煙道ガスに含まれるNO前駆体がNOに変化する前にそれを処理すると言った提案である(例えば特許文献8、9、10、11、12、13および14)。
【0008】
更に別の提案は、NO排気量が減少するように再生装置の操作を修飾する(例えば特許文献15)か或は使用するCO燃焼促進剤を修飾する(例えば特許文献16、17およ
び18)と言った提案である。また、再生装置を燃焼がある程度起こるような様式(partial burn mode)で操作することで空気に含まれる酸素を多くすることも提案された(例えば特許文献19)。
【0009】
また、NO排気を処理しようとする試みで添加剤も用いられた。FCCU再生装置から排出されるNO排気量を減少させる目的でNO除去用組成物を用いることが特許文献20、21、22および23に開示されている。また、FCC触媒再生工程段階中にCO燃焼を助長すると同時に再生段階中に排出されるNOの濃度を低くするNO減少用組成物も特許文献24および25に開示されている。これらの特許文献に開示されたNO減少用組成物は、FCC触媒インベントリーと一緒に循環させるか或はFCC触媒の一体化成分として取り込ませる添加剤として使用可能である。
【0010】
銅充填ゼオライトを含有させた別個の添加剤粒子を循環している分解用触媒のインベントリーに混合することでFCCUの再生装置から排出されるNOの排気量を減少させることが特許文献26および27に開示されている。
【0011】
NO排気を制御する目的で今までに用いられたいろいろな添加剤組成物は、典型的に、炭化水素変換率の有意な低下をもたらすか或は価値有る分解生成物、例えばガソリン、軽質オレフィンおよび液化石油ガス(LPG)などの収率の有意な低下をもたらすと同時にコークス生成量を多くしていた。FCCUに添加されるNO用添加剤が分解生成物の収率に影響を与えることも装置による全体的変換率を変化させることもなければ、これは非常に望ましい特性である。指定分解生成物(a slate of cracked products)がもたらされかつ製油所の利益が最大限になるようにFCCU稼働を最適にしようとする時の最適化は典型的に装置のデザイン、供給材料および触媒を基にして成される。そのような生成物の指定は、特定の製油所の価値モデルが基になっている。例えば、夏のピーク運転シーズン中には多くの製油所がガソリン生産量を最大限にすることを欲する一方、冬季中の製油所は加熱用油の生産量を最大限にすることを欲する可能性がある。他の場合として、製油所は、自由市場で販売可能であるか或は関連した石油プラントで原料として使用可能な軽質オレフィン製品を生産する方が利益になり得る。
【0012】
NO減少用添加剤を用いることでコークス生成量が多くなると、FCCUで余分なコークスを燃焼させる時の空気の量が充分でなくなる可能性があり、その結果として、そのような装置では供給材料の処理量が低くなってしまう可能性がある。添加剤を用いることで価値の低い乾性ガスの生成量が多くなると、価値が高い方の生成物の生成量が低くなる可能性がある。乾性ガスの量が多くなると当該装置がそれを取り扱う能力を超え、従って、処理すべき供給材料の量を低くする必要が生じ得る。製油所が軽質オレフィンに価値を置いておりかつ装置に余分な軽質炭化水素を処理するに必要な装置が備わっている場合には軽質オレフィン生成量を高くする添加剤の方が望ましい可能性があるが、しかしながら、製油所の目的がガソリンの生成量を最大限にすることにある場合には、そのような添加剤を用いると利益が低下してしまう可能性がある。FCCUで軽質オレフィンを生産すると典型的にガソリンの生産が犠牲になる。装置による変換率を高める添加剤であっても、それが生成物の収率に影響を与えると、当該装置が装置限界に到達しそして/または処理可能な供給材料の量が低下することで望ましくない可能性がある。
【0013】
従って、FCCUのどのような変更であっても、それが指定生成物に影響を与え或は供給材料を所望速度で処理する能力を変えるのであれば、当該製油所の利益にとって有害であり得る。従って、生成物の収率にも装置による全体的変換率にも有意な影響を与えないNO制御用組成物の必要性が存在する。
【特許文献1】米国特許第4,434,147号
【特許文献2】米国特許第4,778,664号
【特許文献3】米国特許第4,735,927号
【特許文献4】米国特許第4,798,813号
【特許文献5】米国特許第4,855,115号
【特許文献6】米国特許第5,413,699号
【特許文献7】米国特許第5,547,648号
【特許文献8】米国特許第5,173,278号
【特許文献9】米国特許第5,240,690号
【特許文献10】米国特許第5,372,706号
【特許文献11】米国特許第5,413,699号
【特許文献12】米国特許第5,705,053号
【特許文献13】米国特許第5,716,514号
【特許文献14】米国特許第5,830,346号
【特許文献15】米国特許第5,382,352号
【特許文献16】米国特許第4,199,435号
【特許文献17】米国特許第4,812,430号
【特許文献18】米国特許第4,812,431号
【特許文献19】米国特許第5,908,804号
【特許文献20】米国特許第6,379,536号
【特許文献21】米国特許第6,280,607号
【特許文献22】米国特許第6,129,834号
【特許文献23】米国特許第6,143,167号
【特許文献24】米国特許第6,358,881号
【特許文献25】米国特許第6,165,933号
【特許文献26】米国特許第4,973,399号
【特許文献27】米国特許第4,980,052号
【発明の開示】
【0014】
発明の要約
ここに、流動式接触分解(FCC)工程中に流動式接触分解装置(FCCU)の中を全体に渡って循環している接触分解用触媒インベントリー、特に活性Y型ゼオライトを含有する分解用触媒インベントリーにフェリエライトゼオライト(ferrierite zeolite)成分を混合すると炭化水素変換率に実質的な変化も影響ももたらすことなくかつFCC工程中に生じる分解石油製品の収率に実質的な変化も影響ももたらすことなく優れたNO制御性能が得られることを見いだした。
【0015】
本発明に従い、新規なNO減少用組成物を提供する。本NO減少用組成物は典型的にフェリエライトゼオライトの粒子を含有する粒状の組成物を含んで成る。そのようなフェリエライトゼオライトを循環している分解用触媒のインベントリーに別個の添加剤粒子として添加してもよいか或は前記触媒の一体化成分としてY型ゼオライト含有分解用触媒の中に直接取り込ませてもよい。本発明の好適な態様における前記フェリエライトゼオライトは無機結合剤と結合させておいた別個の添加剤粒子である。そのような結合剤に好適にはシリカ、アルミナまたはシリカアルミナを含める。前記フェリエライトゼオライトに好適には水素、アンモニウム、アルカリ金属またはこれらの組み合わせによる交換を受けさせる。好適なアルカリ金属はナトリウム、カリウムおよびこれらの組み合わせである。
【0016】
本発明の1つの面では、新規なフェリエライトゼオライト含有NO減少用組成物を提供し、この場合には、それをFCC工程中に循環している接触分解用触媒のインベントリーにFCCUの再生装置から排出されるNOを減少させる別個の粒子混和剤として添加する。
【0017】
本発明の別の面では、FCC触媒、好適には活性成分であるY型ゼオライトを含有するFCC触媒の一体化成分として取り込ませたフェリエライトゼオライトを含んで成る新規なNO減少用組成物を提供する。
【0018】
本発明の更に別の面では、FCC工程中にFCCUの再生装置から排出されるNO排気量を減少させると同時に炭化水素変換率および分解石油製品の収率を実質的に維持しかつコークス生成量の上昇を最小限にする新規なNO減少用組成物を提供する。
【0019】
本発明の別の面では、本発明に従うNO減少用組成物を用いてFCC工程中にFCCUの再生装置から出るオフガスに含まれるNOの含有量を低くする方法を提供する。
【0020】
本発明の別の面では、FCCUの再生装置から出るオフガスに含まれるNOの含有量が炭化水素変換率に実質的な影響が生じることもFCC工程中に生じる石油製品の収率に実質的な影響が生じることもなく低くなるように改良を受けさせたFCC方法を提供する。
【0021】
本発明の前記および他の面を以下に更に詳細に記述する。
発明の詳細な説明
周囲条件下で比較的安定な窒素酸化物が数種知られているが、本明細書では本発明の目的で酸化窒素、二酸化窒素(窒素の主に有害な酸化物)ばかりでなくN、Nおよびこれらの混合物を表す目的でNOを用いる。
【0022】
本発明は、フェリエライトゼオライトを含有させたNO減少用組成物を流動式接触分
解(FCC)触媒、好適には活性Y型ゼオライトを含んで成る触媒と組み合わせて用いるのがFCC工程条件下でFCCUの再生装置から排出されるNO排気を炭化水素供給材料の変換率も分解生成物の収率も実質的に変えることなく減少させるに非常に有効であることを見いだしたことを包含する。本NO減少用組成物は典型的にフェリエライトゼオライトの粒子を含有する粒状組成物を含んで成る。本発明の好適な態様では、前記フェリエライト粒子を無機結合剤と結合させる。このフェリエライトゼオライトを含有させた新規なNO減少用組成物は循環している接触分解用触媒のインベントリーに別個の粒子添加剤として添加可能であるか或は分解用触媒の中に一体化成分として組み込み可能である。
【0023】
本明細書では、本発明の目的で、語句「炭化水素供給材料の変換率も分解生成物の収率も実質的に変えることなく」は、選択的に、(i)LPG(液化石油ガス)の収率を同じまたは実質的に同じ生成物のベースライン収率と比較した時の相対的変化が50%未満、好適には相対的変化が30%未満、最も好適には相対的変化が15%未満であるか、或は(ii)LPGと組み合わせたLCO[ライトサイクルオイル(light cycle
oils)]、残油およびガソリンの収率を同じまたは実質的に同じ生成物のベースライン収率と比較した時の相対的変化が30%未満、好適には相対的変化が20%未満、最も好適には相対的変化が10%未満であるか、或は(iii)炭化水素供給材料の変換率をベースライン変換率と比較した時の相対的変化が10%未満、好適には相対的変化が6.5%未満、最も好適には相対的変化が5%未満であることを意味すると定義する。変換率は(1−残油収率−LCO収率)x100%であると定義する。本NO減少用組成物を別個の添加剤として用いる場合のベースラインはFCCUを同じもしくは実質的に同じ供給材料を用いて同じまたは実質的に同じ反応および装置条件下で稼働させた時(しかしながら、本発明の添加剤を触媒インベントリーに添加する前)の平均変換率または生成物収率である。本NO減少用組成物を当該分解用触媒粒子と一体化させるか或はそれの中に取り込ませることで一体化NO減少用触媒系を生じさせる場合、当該分解用触媒に本NO減少用組成物の代わりにマトリックス成分、例えばカオリンまたは他の充填材などを入れる以外は本NO減少用組成物を含有させた分解用触媒組成物と同じもしくは実質的に同じ分解用触媒組成物を含んで成る分解用触媒インベントリーを用いかつ同じもしくは実質的に同じ供給材料を用いて同じまたは実質的に同じFCCUを同じもしくは実質的に同じ反応および装置条件下で稼働させた時の平均変換率または生成物収率として定義したベースラインを用いて炭化水素変換率または分解生成物収率が有意に変化したか否かを決定する。この上に示した変化パーセントは、DCR稼働データを統計学的に解析することで引き出した変化パーセントである。
【0024】
本発明のNO減少用組成物の調製で用いるに如何なるフェリエライトゼオライトも有用である。しかしながら、表面積が少なくとも100m/g、より好適には少なくとも200m/g、最も好適には少なくとも300m/gでAlに対するSiOのモル比が500未満、好適には250未満、最も好適には100未満のフェリエライトゼオライトが好適である。本発明の1つの態様では、そのようなフェリエライトゼオライトを結合剤またはFCC触媒の中に混合する前にそれに水素、アンモニウム、アルカリ金属およびこれらの組み合わせから成る群から選択した材料を用いた交換を受けさせておく。好適なアルカリ金属はナトリウム、カリウムおよびこれらの混合物から成る群から選択した金属である。
【0025】
場合により、前記フェリエライトゼオライトに安定化用金属(または金属イオン)を安定化量、例えば約25重量パーセントに及ぶ量で含有させてもよく、それを好適にはゼオライトの孔の中に取り込ませる。適切な安定化用金属には、これらに限定するものでないが、周期律表のIIA、IIIB、IVB、VB、VIB、VIIB、VIII、IIB、IIIA、IVA、VA族、ランタニド系列、Agおよびこれらの混合物から成る群から選択した金属が含まれる。そのような安定化用金属を、好適には、周期律表のIIIB、IIA、IIB、IIIA族およびランタニド系列およびこれらの混合物から成る群から選択する。最も好適には、そのような安定化用金属をランタン、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛およびこれらの混合物から成る群から選択する。本技術分野で公知のいずれかの方法、例えばイオン交換、浸漬などで前記金属を前記フェリエライトゼオライトの孔の中に取り込ませてもよい。本発明の目的で、本明細書の上に言及した周期律表はAmerican Chemical Societyが出版している如き周期律表である。
【0026】
本発明のNO減少用組成物で用いるフェリエライトゼオライトの量はいくつかの要因に応じて変わり、そのような要因には、これらに限定するものでないが、そのフェリエライトゼオライトを当該分解用触媒と一緒にする様式および使用する分解用触媒の種類が含まれる。本発明の1つの態様における本発明のNO減少用組成物は別個の触媒/添加剤組成物であり、フェリエライトゼオライトの粒子を適切な無機結合剤と結合させることで生じさせた粒状組成物を構成している。その粒状のNO減少用組成物に存在させるフェリエライトゼオライトの量は、一般に、この組成物の総重量を基準にして少なくとも10重量パーセント、好適には少なくとも30重量パーセント、最も好適には少なくとも40重量パーセント、更により好適には少なくとも50重量パーセントである。本発明の粒状触媒/添加剤組成物に含有させるフェリエライトゼオライトの量は、典型的に、この触媒/添加剤組成物の総重量を基準にして約10から約85、好適には約30から約80、最も好適には約40から約75重量パーセントである。
【0027】
本発明の粒状組成物の調製で用いるに有用な結合剤材料には、フェリエライトゼオライト粉末を結合させてFCC工程条件下のFCCUで用いるに適した特性を有する粒子をもたらし得る如何なる無機結合剤も含まれる。本発明に従う組成物の調製で用いるに有用な典型的無機結合剤材料には、これらに限定するものでないが、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、燐酸アルミニウムなどおよびこれらの混合物が含まれる。この結合剤を好適にはアルミナ、シリカ、シリカアルミナから成る群から選択する。最も好適には、この結合剤にアルミナを含める。更により好適には、この結合剤に酸もしくは塩基による解膠を受けたアルミナを含める。最も好適には、この結合剤にアルミナゾル、例えばアルミニウムクロロヒドロール(chlorohydrol)などを含める。本粒状のNO減少用組成物に存在させる結合剤材料の量には、一般に、本発明のNO減少用組成物の約5から約50重量パーセント、好適には約10から約30重量パーセント、最も好適には約15から約25重量パーセントが含まれる。
【0028】
本発明の組成物に場合により存在させてもよい追加的材料には、これらに限定するものでないが、充填材(例えばカオリン粘土)またはマトリックス材料(例えばアルミナ、シリカ、シリカアルミナ、イットリア、ランタナ、セリア、ネオジミア、サマリア、ユーロピア、ガドリニア、チタニア、ジルコニア、プラセオジミアおよびこれらの混合物)が含まれる。そのような追加的材料を用いる場合、それを当該組成物がFCC条件下のFCCU再生装置から排出されるNO排気を減少させる性能、即ち当該分解用触媒が示す炭化水素供給材料変換率にも生成物の収率にも有意な悪影響を与えない量で用いる。一般的には、そのような追加的材料が本組成物を構成する量を約70重量パーセント以内にする。しかしながら、本発明の組成物を本質的にフェリエライトと無機結合剤で構成させるのが好適である。
【0029】
本発明の粒状のNO減少用組成物の粒径を本組成物がFCC工程中に当該分解用触媒のインベントリーと同時にFCCUの中を全体に渡って循環することができるに充分な粒径にすべきである。本発明の組成物の平均粒径を典型的には45μm超とする。この平均粒径を好適には約50から約200μm、最も好適には約55から約150μm、更により好適には約60から約120μmにする。本発明の組成物が示すDavison摩耗指
数(DI)値は典型的に50未満、好適には約20未満、最も好適には約15未満である。
【0030】
本発明を特別な如何なる調製方法にも限定するものでないが、典型的には、フェリエライトゼオライトと任意のゼオライト成分と無機結合剤と任意のマトリックス材料を最終的NO減少用組成物中のフェリエライトゼオライトが少なくとも10.0重量パーセントで結合剤材料が少なくとも5.0重量パーセントになるに充分な量で含有する水性スラリーを生じさせた後に前記水性スラリーに噴霧乾燥を受けさせて粒子を生じさせることを通して、本発明の粒状のNO減少用組成物の調製を実施する。その噴霧乾燥させた粒子に場合により乾燥を揮発物が除去されるに充分な温度で充分な時間、例えば約90℃から約320℃で約0.5から約24時間受けさせてもよい。本発明の好適な態様では、そのフェリエライトゼオライトが入っている水性スラリーに噴霧乾燥を受けさせる前に粉砕を受けさせることで前記スラリーに入っている材料の平均粒径を10μm以下、好適には5μm以下、最も好適には3μm以下にまで低くしておく。そのフェリエライトゼオライトが入っている水性スラリーを当該結合剤および/またはマトリックス材料と混合する前または後にそれを必要に応じて粉砕してもよい。
【0031】
その噴霧乾燥させた組成物にカ焼を揮発物が除去されかつ当該結合剤の硬度がFCC工程条件下のFCCUで用いるに充分な硬度になるに充分な温度で充分な時間、好適には約320℃から約900℃で約0.5から約6時間受けさせてもよい。
【0032】
その乾燥またはカ焼を受けさせた組成物に場合により洗浄またはアンモニアもしくはアンモニウム塩(例えばアンモニウムの硫酸塩、硝酸塩、塩化物、炭酸塩、燐酸塩など)または無機もしくは有機酸(例えば硫酸、硝酸、燐酸、塩酸、酢酸、蟻酸など)の水溶液を用いた交換を受けさせることで最終生成物に含まれるアルカリ金属、例えばナトリウムまたはカリウムなどの量を低くしてもよい。
【0033】
本発明の粒状のNO減少用組成物を主分解用触媒と一緒にFCCUの中全体に渡って別個の粒子添加剤の形態で循環させる。本触媒/添加剤組成物を一般に当該FCC触媒インベントリーの少なくとも0.1重量パーセントの量で用いる。本触媒/添加剤組成物の使用量を好適には当該FCC触媒インベントリーの約0.1から約75重量パーセント、最も好適には約1から約50重量パーセントの範囲にする。本発明の別個粒子である触媒/添加剤組成物を通常様式、例えば再生装置に補給する触媒と一緒にか或は他の便利な任意方法を用いてFCCUに添加してもよい。
【0034】
本発明の2番目の態様では、前記フェリエライトゼオライトを当該分解用触媒粒子自身の中に一体化または取り込ませることで一体化NO減少用触媒系を生じさせる。本発明のこの態様に従い、触媒を製造する時に前記フェリエライトゼオライトを当該触媒に添加する時期は、分解用触媒調製を完成させるに必要な任意の追加的または必要な工程段階のいずれとも関係なく、流動式分解用触媒を得る目的で分解用触媒スラリーに噴霧乾燥を受けさせる前の如何なる段階であってもよい。前記フェリエライトおよび任意のゼオライト成分を当該分解用触媒の中に取り込ませる方法を如何なる特定の分解用触媒製造方法にも限定することを意図するものでないが、典型的には、フェリエライトゼオライト、任意の追加的ゼオライト、分解用触媒ゼオライト、通常はUSYまたはREUSY型のゼオライトおよび任意のマトリックス材料を水に入れてスラリー状にする。このスラリーに粉砕を受けさせることでこのスラリーに入っている固体の平均粒径を10μm未満、好適には5μm未満、最も好適には3μm未満にまで小さくする。その粉砕したスラリーを適切な無機結合剤、即ちシリカゾル結合剤および任意のマトリックス材料、例えば粘土などと一緒にする。その結果として得たスラリーを混合しそして噴霧乾燥を行うことで触媒材料を生じさせる。その噴霧乾燥させた触媒を場合により水酸化アンモニウム、アンモニウム塩、無機もしくは有機酸の水溶液そして水を用いて洗浄することで望ましくない塩を除去してもよい。その洗浄を受けさせた触媒に水溶性の希土類塩、例えば希土類の塩化物、硝酸塩などによる交換を受けさせてもよい。
【0035】
別法として、前記フェリエライトゼオライト、任意の追加的ゼオライト、分解用触媒ゼオライト、任意のマトリックス材料、希土類の水溶性塩、粘土およびアルミナゾルである結合剤を水に入れてスラリー状にして混合する。そのスラリーに粉砕そして噴霧乾燥を受けさせる。その噴霧乾燥させた触媒にカ焼を約250℃から約900℃で受けさせる。次に、その噴霧乾燥させた触媒を場合により水酸化アンモニウム、アンモニウム塩、無機もしくは有機酸の水溶液そして水を用いて洗浄することで望ましくない塩を除去してもよい。場合により、その触媒に洗浄を受けさせた後、水溶性の希土類塩による交換を本技術分野で公知の方法のいずれかで受けさせてもよい。
【0036】
前記フェリエライトゼオライト化合物をFCC触媒粒子と一体化させる場合には、それを典型的には前記FCC触媒粒子の少なくとも約0.1重量パーセントの量で存在させる。そのフェリエライトゼオライトの使用量を好適には前記FCC触媒粒子の約0.1から約60重量パーセント、最も好適には約1から約40重量パーセントの範囲にする。
【0037】
その一体化させたFCC触媒は、典型的に、分解用触媒を構成するように前記フェリエライトゼオライトと一緒に分解用触媒ゼオライト、無機結合剤材料および場合によりマトリックス、充填材および他の添加剤成分、例えば金属捕捉剤(例えばNiおよびVを捕捉する捕捉剤)を含んで成る。前記分解用触媒ゼオライト、通常はY、USYまたはREUSY型のゼオライトが分解活性の主要部分を与えており、それを典型的には当該組成物の総重量を基準にして約10から約75、好適には約15から約60、最も好適には約20から約50重量パーセントの範囲で存在させる。本発明に従う一体化触媒組成物を生じさせる時に用いるに有用な無機結合剤材料には、本一体化触媒に含める成分を結合させてFCC工程条件下のFCCUで用いるに適した特性を有する粒子をもたらし得る如何なる無機材料も含まれる。そのような無機結合剤材料には、典型的に、これらに限定するものでないが、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、燐酸アルミニウムなどおよびこれらの混合物が含まれる。そのような結合剤を好適にはアルミナ、シリカ、シリカアルミナから成る群から選択する。本一体化触媒組成物に存在させる結合剤材料の量を一般に本触媒組成物の総重量を基準にして50重量パーセント未満にする。本一体化触媒組成物に存在させる結合剤材料の量を好適には本組成物の総重量を基準にして約5から約45重量パーセント、最も好適には約10から約30重量パーセント、更により好適には約15から約25重量パーセントの範囲にする。
【0038】
本発明の一体化触媒組成物に場合により存在させてもよいマトリックス材料には、これらに限定するものでないが、アルミナ、シリカアルミナ、希土類酸化物、例えばランタナなど、遷移金属酸化物、例えばチタニア、ジルコニアおよび酸化マグネシウムなど、IIA族の酸化物、例えばマグネシウムおよびバリウムの酸化物など、粘土、例えばカオリンなど、およびこれらの混合物が含まれる。そのようなマトリックスまたは充填材を本一体化触媒に存在させる量を本組成物の総重量を基準にして50重量パーセント未満の量にしてもよい。そのようなマトリックスおよび充填材を存在させる場合、好適には、それを本触媒組成物の総重量を基準にして約1から約45重量パーセントの範囲の量で存在させる。
【0039】
本一体化触媒が示す粒径および摩耗特性によって当該装置内の流動特性が影響を受けかつ当該触媒が商業的FCC装置の中にどれくらい良好に保持されるかが決まる。本発明の一体化触媒組成物に持たせる平均粒径は典型的に約45から約200μm、より好適には約50μmから約150μmである。本一体化触媒が示す摩耗特性は、Davison摩
耗指数(DI)で測定して、DI値が50未満、より好適には20未満、最も好適には15未満の摩耗特性である。
【0040】
本発明の好適な態様におけるFCC分解用触媒はY型ゼオライトを含有する。前記フェリエライトゼオライトを循環している分解用触媒のインベントリーに別個の添加剤粒子として添加してもよいか或はY型ゼオライト含有分解用触媒の中にこの触媒の一体化成分として直接取り込ませてもよい。いずれの場合にも、前記フェリエライトゼオライトが最終的組成物の中に全触媒インベントリー中のY型ゼオライトに対するフェリエライトゼオライトの比率が2未満、好適には1未満であるほどの量で存在するようにするのが好適である。
【0041】
また、本発明のフェリエライトゼオライト含有NO減少用組成物に追加的ゼオライト成分を含有させるのも本発明の範囲内である。そのような追加的ゼオライト成分は、NO減少性能に悪影響を与えることもFCC工程中の炭化水素変換率も分解生成物収率も実質的に変えることのない如何なるゼオライトであってもよい。そのような追加的ゼオライト成分は、好適には、孔径が約3から約7.2オングストロームの範囲でAlに対するSiOのモル比が約500未満、好適には250未満のゼオライトである。そのような追加的ゼオライト成分は好適にはZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー(Rho)、エリオナイト(errionite)、チャバザイト(chabazite)、クリノプチロライト(clinoptilolite)、MCM−22、MCM−35、MCM−61、オフレタイト(Offretite)、A、ZSM−12、ZSM−23、ZSM−18、ZSM−22、ZSM−35、ZSM−57、ZSM−61、ZK−5、NaJ、Nu−87、Cit−1、SSZ−35、SSZ−48、SSZ−44、SSZ−23、ダチアルダイト(Dachiardite)、メルリノイト(Merlinoite)、ロブダライト(lovdarite)、レビン(Levyne)、ラウモンタイト(Laumontite)、エピスチルバイト(Epistilbite)、グメロナイト(Gmelonite)、ギスモンジン(Gismondine)、カンクリナイト(Cancrinite)、ブルーステライト(Brewsterite)、スチルバイト(Stilbite)、ポーリンジャイト(Paulingite)、グーセクリーカイト(Goosecreekite)、ナトロライト(Natrolite)またはこれらの混合物から成る群から選択したゼオライトである。そのような追加的ゼオライト成分を最も好適にはZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト、チャバザイト、クリノプチロライト、MCM−22、MCM−35、オフレタイト、A、ZSM−12およびこれらの混合物から成る群から選択する。そのような追加的ゼオライト成分の使用量は、本NO減少用組成物がNO排気の減少で示す性能に有意な悪影響を与えずかつ本触媒/添加剤組成物を用いないで当該分解用触媒を用いた時に比べて当該分解用触媒が示す炭化水素変換率も生成物収率も実質的に維持されるような如何なる量であってもよい。そのような追加的ゼオライト成分の使用量を典型的には本触媒/添加剤組成物の約1から約80、好適には約10から約70重量パーセントの範囲にする。本NO減少用組成物を当該触媒の一体化成分として用いる場合には、そのような追加的ゼオライト成分の使用量を好適には本触媒組成物の約0.1から約60、最も好適には約1から約40重量パーセントの範囲にする。
【0042】
いくらか簡単に述べると、FCC工程は、重質炭化水素原料を循環式触媒再循環分解工程で循環している流動式分解用触媒インベントリー(平均サイズが約50から約150μm、好適には約60から約120μmの範囲の粒子で構成されている)と接触させることで前記原料をより軽質の生成物に分解させることを伴う。そのような比較的高分子量の炭化水素原料に接触分解を受けさせると結果として分子量がより低い炭化水素生成物が生じる。このような循環式FCC工程の中の重要な段階は下記である:
(i)供給材料を接触分解条件下で稼働している接触分解ゾーン、通常はライザー(riser)分解ゾーンの中で熱い再生分解用触媒源に接触させて前記供給材料に接触分解を受けさせることで分解生成物と使用済み触媒[コークスとストリッピング可能(strippable)炭化水素を含有]を含有する流出液を生じさせ、
(ii)前記流出液を排出させた後、分離を通常は1個以上のサイクロンの中で起こさせることで分解生成物が豊富に存在する気相と使用済み触媒を含有する相が豊富に存在する固体を生じさせ、
(iii)前記気相を生成物として取り出しそしてそれにFCCの主カラムおよびそれの関連したサイドカラムの中で分別を受けさせることで気体と液状の分解生成物(ガソリンを包含)を得、
(iv)前記使用済み触媒にストリッピング、通常は蒸気によるストリッピングを受けさせることで、その触媒に吸蔵されていた炭化水素を除去した後、そのストリッピングを受けさせた触媒に酸化による再生を触媒再生ゾーンの中で受けさせることで熱い再生触媒を生じさせ、それを次に分解用ゾーンに再循環させることでさらなる量の供給材料に分解を受けさせる。
【0043】
通常のFCC触媒には、例えば、VenutoおよびHabib、Fluid Catalytic Cracking with Zeolite Catalysts、Marcel Dekker、New York 1979、ISBN 0−8247−6870−1によるセミナルレビュー(seminal review)ばかりでなく他のいろいろな源、例えばSadeghbeigi、Fluid Catalytic Cracking Handbook、Gulf Publ.Co.Houston、1995、ISBN 0−88415−290−1に記述されている如きフォージャサイト分解用成分を伴うゼオライトが基になった触媒などが含まれる。そのようなFCC触媒は、好適には、Y型ゼオライト活性分解用成分を含んで成る触媒である。本発明の特に好適な態様におけるFCC触媒は、結合剤、通常はシリカ、アルミナまたはシリカアルミナ、Y型ゼオライト活性成分、1種以上のマトリックスアルミナおよび/またはシリカアルミナおよび充填材、例えばカオリン粘土などで構成されている触媒である。前記Y型ゼオライトは1種以上の形態で存在する可能性があり、それは超安定化を受け(ultra stabilized)ていてもよくそして/または安定化用カチオン、例えば希土類のいずれかなどによる処理を受けていてもよい。
【0044】
典型的なFCCでは、工程を480℃から600℃の反応温度で実施することに加えて触媒を再生させる温度は600℃から800℃である。本技術分野で良く知られているように、触媒再生ゾーンは単一もしくは複数の反応槽で構成されている可能性がある。本発明の組成物は典型的な如何なる炭化水素原料のFCC処理を行う時にも使用可能である。適切な原料には、石油溜分または原油の残りが含まれ、それらに接触分解を受けさせるとガソリンまたはガスオイル生成物がもたらされる。また、沸点が約204℃から約816℃の合成供給材料、例えば石炭、オイルサンドまたはシェール油などに由来する油を含めることも可能である。
【0045】
当該触媒からコークスを除去する目的で酸素または空気を再生ゾーンに加える。これは再生ゾーンの下部に適切なスパージ洗浄装置を装備するか或は必要に応じて再生ゾーンの希もしくは濃密相に追加的酸素を加えることで実施可能である。
【0046】
本発明に従うNO減少用組成物を用いると、FCCUの再生装置の中で触媒を再生させている間に流出する流出物の中に入っているNO排気が劇的に少なくなる、即ち少なくとも10%、好適には少なくとも20%少なくなると同時に当該分解用触媒を用いた時に得られる炭化水素供給材料変換率も分解生成物、例えばガソリンおよび軽質オレフィンなどの収率も実質的に維持される。ある場合には、本発明の組成物および方法を用いると
、分解生成物の収率にも供給材料の変換率にも有意な影響を与えることなく90%以上のNO減少率を容易に達成することができる。しかしながら、触媒分野の技術者が理解するであろうように、そのようなNO減少度合は例えば使用する添加剤の組成および量、接触分解装置のデザインおよび稼働させる様式(これには、これらに限定するものでないが、酸素の濃度および空気が再生装置の中で示す分布が含まれる)、再生装置の中の触媒床の深さ、ストリッパー(stripper)の稼働および再生装置の温度、分解を受けさせる炭化水素原料の特性、再生装置の化学および稼働に影響を与える可能性のある他の触媒添加剤が存在するか否かの如き要因に依存するであろう。従って、各FCCUは前記観点の中のいくつかまたは全部に関して異なることから、本発明の方法の有効性は装置から装置で変わる可能性があると予測する。本発明のNO減少用組成物を用いるとまたFCC工程中に生じるコークスの増加が有意に防止される。
【0047】
また、本発明のNO減少用組成物を単独で用いるか或は1種以上の追加的NO減少用成分と組み合わせて用いることでそのような組成物のいずれかを単独で用いた時に比べて効率の良いNO減少を達成することができることも本発明の範囲内である。そのような追加的NO減少用成分は好適には非ゼオライト系材料、即ちゼオライト含有量がゼロまたは実質的にゼロ(即ち5重量パーセント未満、好適には1重量パーセント未満)の材料である。
【0048】
本発明のNO減少用組成物と組み合わせて用いるに適したそのようなある種の非ゼオライト系材料には、貴金属含有NO減少用組成物、例えば米国特許第6,660,683号(これの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示および記述されているそれらが含まれる。その種類の組成物は、典型的に、(1)ゼオライトを実質的に含有しない酸性金属酸化物(好適にはシリカおよびアルミナを含有、最も好適にはアルミナを少なくとも1重量パーセント含有)、(2)アルカリ金属(少なくとも0.5重量パーセント、好適には約1から約15重量パーセント)、アルカリ土類金属(少なくとも0.5重量パーセント、好適には約0.5から約50重量パーセント)またはこれらの混合物、(3)酸素を貯蔵する金属酸化物成分(好適にはセリア)(少なくとも0.1重量パーセント)、および(4)貴金属成分(好適にはPt、Pd、Rh、Ir、Os、Ru、Reおよびこれらの混合物)(少なくとも0.1ppm)の粒状混合物を含んで成る。この種類の材料の好適な組成物は、(1)アルミナ含有量が少なくとも50重量パーセントでゼオライト含有量が実質的にゼロの酸性酸化物、(2)アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属またはこれらの混合物を少なくとも0.5重量パーセント、(3)酸素を貯蔵する能力を有する遷移金属酸化物または希土類(好適にはセリア)を約1から約25重量パーセント、および(4)Pt、Rh、Irおよびこれらの組み合わせから成る群から選択される貴金属を少なくとも0.1ppm含んで成る(パーセントは全部酸化触媒/添加剤組成物の総重量が基準)。
【0049】
本発明のNO減少用組成物と組み合わせて用いるに適した別の種類の非ゼオライト系材料には、米国特許第6,165,933号および6,358,881号(これらの特許の開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示および記述されている如き低NOのCO燃焼促進剤が含まれる。そのような低NOのCO燃焼促進剤組成物は、典型的に、(1)酸性酸化物担体、(2)アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属またはこれらの混合物、(3)酸素貯蔵能力を有する遷移金属酸化物および(4)パラジウムを含んで成る。前記酸性酸化物担体は好適にはシリカアルミナを含有する。セリアが好適な酸素貯蔵用酸化物である。そのようなNO減少用組成物は、好適には、(1)アルミナ含有量が少なくとも50重量パーセントの酸性金属酸化物担体、(2)金属酸化物として測定して約1−10重量部の少なくとも1種のアルカリ金属、アルカリ土類金属またはこれらの混合物、(3)CeOを少なくとも1重量部および(4)Pdを約0.01−5.0重量部含んで成る[前記成分(2)−(4)の重量部は全部前記酸性金属酸化物担体材料100重量部当たりである]。
【0050】
本発明のNO減少用組成物と組み合わせて用いるに適した更に別の種類の非ゼオライト系材料には、米国特許第6,280,607 B1、6,143,167号、6,379,536号および6,129,834号(これらの特許の開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示および記述されている如きNO減少用組成物が含まれる。そのようなNO減少用組成物は、一般に、(1)酸性酸化物担体、(2)アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属またはこれらの混合物、(3)酸素貯蔵能力を有する遷移金属酸化物および(4)周期律表のIBおよびIIB族から選択される遷移金属を含んで成る。前記酸性酸化物担体は好適にはアルミナを少なくとも50重量パーセント含有し、好ましくはシリカ−アルミナを含有する。セリアが好適な酸素貯蔵用酸化物である。本発明の好適な態様におけるNO減少用組成物は、(1)アルミナ含有量が少なくとも50重量パーセントの酸性酸化物担体、(2)アルカリ金属、アルカリ土類金属またはこれらの混合物を金属酸化物として測定して1−10重量パーセント、(3)CeOを少なくとも1重量パーセントおよび(4)遷移金属であるCuまたはAgを金属酸化物として測定して0.01−5.0重量部パーセント(parts weight percent)含んで成る[成分(2)−(4)の重量部は全部前記酸性酸化物担体材料100重量部当たりである]。
【0051】
本発明のNO減少用組成物と組み合わせて用いるに適した別の種類の非ゼオライト系NO減少用材料には、今までFCC再生装置から硫黄酸化物を除去する目的で用いる有用であったマグネシウム−アルミニウムスピネルが基になった添加剤が含まれる。その種類の材料を開示および記述している典型的な特許には米国特許第4,963,520号、第4,957,892号、第4,957,718号、第4,790,982号、第4,471,070号、第4,472,532号、第4,476,245号、第4,728,635号、第4,830,840号、第4,904,627号、第4,428,827号、第5,371,055号、第4,495,304号、第4,642,178号、第4,469,589号、第4,758,418号、第4,522,937号、第4,472,267号および第4,495,305号(前記特許の開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)が含まれる。その種類の組成物は、好適には、少なくとも1種の金属含有スピネルを含んで成り、それは、1番目の金属および前記1番目の金属の原子価より高い原子価を有する2番目の金属、前記1番目および2番目の金属以外の3番目の金属の少なくとも1種の成分および前記1番目、2番目および3番目の金属以外の4番目の金属の少なくとも1種の成分を含有し、ここで、前記3番目の金属はIB族の金属、IIB族の金属、VIA族の金属、希土類金属、白金族の金属およびこれらの混合物から成る群から選択されそして前記4番目の金属は鉄、ニッケル、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ゲルマニウム、錫、ビスマス、モリブデン、アンチモン、バナジウムおよびこれらの混合物から成る群から選択される。そのような金属含有スピネルは、好適には、マグネシウムを前記1番目の金属として含有しかつアルミニウムを前記2番目の金属として含有して成り、そして前記スピネル中のアルミニウムに対するマグネシウムの原子比は少なくとも約0.17である。前記スピネル中の3番目の金属には、好適には、白金族金属、希土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択される金属が含まれる。前記3番目の金属成分を元素状の3番目の金属として計算して好適には約0.001から約20重量パーセントの範囲内の量で存在させ、そして前記4番目の金属成分を元素状の4番目の金属として計算して約0.001から約10重量パーセントの範囲内の量で存在させる。
【0052】
本発明のNO減少用添加剤と組み合わせて用いるに有用な他の非ゼオライト系材料には、これらに限定するものでないが、例えば米国特許第5,002,654号に開示および記述されている如き亜鉛が基になった触媒、米国特許第4,988,432号に開示および記述されている如きアンチモンが基になったNO減少用添加剤、米国特許第5,3
64,517号および5,565,181号に開示および記述されている如きペロブスカイト−スピネルNO減少用添加剤、米国特許第4,889,615号、4,946,581号、4,952,382号、5,114,691号、5,114,898号、6,479,421 B1およびPCT国際公開番号WO 95/03876などに開示および記述されている如きヒドロタルサイト触媒および添加剤組成物、そして米国特許第4,290,878号などに記述されている如き低NO助長添加剤組成物が含まれる[各特許の開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる]。
【0053】
また、本発明のNO減少用添加剤をPCT国際公開番号WO 03/046112 A1およびPCT国際公開番号WO 2004/033091A1(これらの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示および記述されている如きNO除去用組成物と組み合わせて用いることも本発明の範囲内である。そのようなNO除去用組成物は、一般に、(i)酸性酸化物担体、(ii)酸化セリウム、(iii)セリア以外のランタニド酸化物および(iv)場合により周期律表のIBおよびIIB族から選択される遷移金属、貴金属およびこれらの混合物の少なくとも1種の酸化物を含んで成る。
【0054】
そのような追加的非ゼオライト系NO減少用組成物を用いる場合、それを本フェリエライトNO減少用組成物を単独で用いた時に比べてNO減少度が高くなるに充分な量で用いる。そのような追加的非ゼオライト系組成物の使用量を典型的にはFCC触媒インベントリーの約50重量パーセント以下の量にする。そのような非ゼオライト系組成物の使用量を好適にはFCC触媒インベントリーの約30重量パーセント以下、最も好適には約10重量パーセント以下にする。そのような追加的NO減少用組成物を別個の粒子添加剤としてFCC触媒インベントリーと混合してもよい。別法として、そのような追加的NO減少用組成物をFCC触媒の中に前記触媒の一体化成分として取り込ませてもよい。
【0055】
また、本発明に従うNO減少用組成物をFCC工程で通常用いられる他の添加剤、例えばSO減少用添加剤、ガソリンの硫黄を減少させる添加剤、CO燃焼促進剤、軽質オレフィン生成用添加剤などと組み合わせて用いてもよいことも本発明の範囲内であることを意図する。
【0056】
以下に挙げる実施例は決して本発明の範囲を限定することを意図するものでない。本実施例に本発明の方法で用いるに有用な触媒/添加剤の調製および本発明の方法が接触分解環境でNOを減少させるか否かの評価を含める。本実施例は請求する発明の具体的な説明として示すものである。しかしながら、本発明を本実施例に挙げる具体的な詳細に限定するものでないと理解されるべきである。
【0057】
本実施例ばかりでなく本明細書の残りで固体状組成物または濃度を指す部およびパーセントは全部特に明記しない限り重量部である。気体状混合物の濃度は特に明記しない限り体積濃度である。
【0058】
その上、本明細書または請求の範囲に示す数値の範囲、例えば個々の組の特性、測定単位、条件、物理的状態またはパーセントを表す数値の範囲などは、いずれも、そのような範囲内に入る如何なる数[その示したいずれかの範囲内に入る如何なるサブセットの数も包含]も言及または他の様式で文字通りその中に明らかに入れることを意図する。
[実施例]
【実施例1】
【0059】
フェリエライト含有量が40%で粘土含有量が40%でシリカゾル含有量が20%の組
成物(添加剤A)の調製を下記の如く実施した。フェリエライト(SiO/Al=20)含有量が29%の水性スラリーをDraisミルで粉砕することで平均粒径を2.5μm未満にした。その粉砕したフェリエライトスラリー(4160g)を1200gのNatka粘土(無水ベース)および6000gのシリカゾル結合剤(10%固体)と一緒にした。前記シリカゾル結合剤はケイ酸ナトリウムと酸性みょうばんから調製したものであった。次に、Bowen噴霧乾燥器を用いて前記触媒スラリーに噴霧乾燥を受けさせた。その結果として得た噴霧乾燥製品を硫酸アンモニウム溶液に続いて水で洗浄することでNaO濃度が0.1重量パーセント未満の触媒を得た。この添加剤の特性を以下の表1に示す。
【実施例2】
【0060】
フェリエライト含有量が75%でアルミナゾル含有量が25%の組成物(添加剤B)の調製を下記の如く実施した。アルミニウムクロロヒドロール溶液(23%固体)を2174g、フェリエライト(SiO/Al=20、NaO+KO<0.2)を1500g(無水ベース)および固体含有量が約40%のスラリーが生じるに充分な量の追加的水を含有する水性スラリーを調製した。このスラリーをDraisミルで粉砕することで平均粒径を2.5μm未満にした後、Bowen噴霧乾燥器を用いて噴霧乾燥を実施した。その噴霧乾燥させた生成物にカ焼を1100度Fで90分間受けさせた。この触媒の特性を以下の表1に示す。
【実施例3】
【0061】
添加剤AおよびBにDavison循環式ライザー(DCR)が用いられているFCCUから排出されるNO排気を減少させる能力に関する評価を受けさせた。このDCRの説明は下記の論文に公開されている:G.W.Young,G.D.Weatherbee,およびS.W.Davey,“Simulating Commercial FCCU Yields With The Davison Circulating Riser(DCR)Pilot Plant Unit,”National Petroleum Refiners Association(NPRA)Paper AM88−52;G.W.Young,“Realistic Assessment of FCC Catalyst Performance in the Laboratory,” Fluid Catalytic Cracking:ScienceそしてTechnology,J.S.Magee and M.M.Mitchell,Jr.Eds.Studies in Surface Science and Catalysis 76巻,257頁,Elsevier Science Publishers B.V.,Amsterdam 1993,ISBN 0−444−89037−8。
【0062】
Grace Davisonから得た市販の分解用触媒であるSUPERNOVA(商標)−DMR+(流動床反応槽の中で816℃の100%蒸気を用いて水熱的に4時間失活させておいた)を装置に約1800g仕込むことでDCRの稼働を開始した。
【0063】
【表1】

【0064】
評価の目的で、以下の表2に記述する如き商業的FCC供給材料を用いた。
【0065】
【表2】

【0066】
再生装置の中のOが1%過剰になるようにDCRを稼働させかつ再生装置を705℃で操作した。装置が安定になった後、オンラインのLear−Siegler SO/NO分析装置(SM8100A)を用いてベースラインNO排気データを集めた。その後、前記DCRに、Ptが基になった燃焼促進剤であるCP−3(商標)(Grace
Davisonから入手)[Cyclic Propylene Steaming方法(CPS)を用いてNiもVも全く添加しないで788℃で20時間失活させておいた]の商業的サンプルを4.75gおよび水熱的に失活させておいたSUPERNOVA(商標)−DMR+を95.25グラムを用いて構成させた触媒を100g注入した。前記CPS方法の説明はL.T.Boock,T.F.Petti,およびJ.A Rudesill,“Contaminant−Metal Deactivation and Metal−Dehydrogenation Effects During Cyclic Propylene Steaming of Fluid Catalytic Cracking Catalysts,”DeactivationおよびTesting of Hydrocarbon Processing Catalysts,ACS Symposium Series 634,171頁(1996),ISBN 0−8412−3411−6に公開されている。
【0067】
前記装置を再び安定化させた後にNO排気データを集めた。その後、前記DCRに0.525gの前記CO助長剤を210gの添加剤Aと一緒に加えるか、或は前記DCRの中に元々充填されている同じ分解用触媒(蒸気で失活させておいた)(105g)を105gの添加剤Bと一緒に加えた。その結果を以下の表3に示す。TOSはPt含有CO燃焼促進剤を装置に添加した時間からの稼働時間である。表および図に示すように、添加剤AおよびBはDCR再生装置から排出されるNO排気を減少させるに有効である。
【0068】
表4に、本発明の組成物を用いた時と用いない時の変換率および生成物収率を示す。表4では、7個のベースラインDCR試験のサンプルを用いて変換率および分解生成物収率の平均を計算した。表4に示すように、実験から実験で予測される変動を考慮に入れると、添加剤AおよびBの両方ともが分解生成物の収率に有意な影響を与えることなくNO排気を減少させるに特に有効である。特に、これらの実験で用いたFCC原料は窒素量が多い供給材料であるにも拘らず変換率およびガソリン収率の両方とも全体として実質的に変わらない。
【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【実施例4】
【0071】
フェリエライト含有量が65%でアルミナゾル含有量が20%でカオリン粘土含有量が15%の組成物(添加剤C)の調製を下記の如く実施した。アルミニウムクロロヒドロール溶液(23%固体)を40.1ポンド、フェリエライト(SiO/Al=16、NaO+KO<0.2)を29.3ポンド(無水ベース)、カオリン粘土を7.9ポンド(そのまま)および固体含有量が約40%のスラリーが生じるに充分な量の追加的水(32.5ポンド)を含有する水性スラリーを調製した。このスラリーをDraisミルで粉砕することで平均粒径を2.5μm未満にした後、Bowen Engineering噴霧乾燥器を用いて噴霧乾燥を実施した。その噴霧乾燥させた生成物にカ焼を1100度Fで60分間受けさせた。この触媒の特性を以下の表5に示す。
【0072】
【表5】

【実施例5】
【0073】
粒状のNO減少用組成物(添加剤D)の調製を下記の如く実施した:解膠性アルミナ(La Roche Industries Inc.から入手したVersal 700アルミナ粉末、Alが99%、水分が30%)の固体が20%入っている水性スラリーを用いてスラリーを生じさせた。前記アルミナスラリーはアルミナを31.6ポンド用いて生じさせたスラリーであった。このアルミナスラリーに水酸化ナトリウム水溶液(NaOHが50%)を3.87ポンド加えた。次に、このスラリーに炭酸セリウム結晶(Rhone Poulenc,Inc.から入手、CeOが96%でLaが4%、水分が50%)を10.4ポンド加えた。このスラリーをスラリーの固体濃度が12%になるに充分な量の水で希釈した。最後に、このスラリーにイオン交換を受けているシリカゾルであるNalco 1140(Nalco Chemicals Co.から入手)を3.38ポンド加えた。この混合物を良好な混合が確保されるように撹拌した後、撹拌型メディアミル(media mill)で粉砕することで凝固物が実質的に10μm未満になるまで小さくした。次に、その粉砕した混合物に噴霧乾燥を受けさせることで約70μmの微小球を生じさせた後、カ焼を約650℃で受けさせることで揮発物を除去した。その結果として得た材料にCu含有塩(例えばCuSO)が入っている水溶液を最終生成物が約2%のCuを達成するように染み込ませた後、瞬間乾燥を受けさせた。この最終的生成物は下記の分析値(無水ベース):7.8% SiO,7.1% NaO,18.5%CeO,60.2% Al,1.9%Cuを示しかつBET表面積は111m/gであった。
【実施例6】
【0074】
添加剤Cを75%と添加剤Dを25%用いて構成させた添加剤CとDの混合物および添加剤CにDCRを用いた試験を表6に示した特性を有する原料を用いて受けさせた。前記装置に以下の表7に示す特性を有する平衡分解用触媒(ECAT)を1995gおよび市販のCO燃焼促進剤CP−3(商標)[CPS方法を用いてNiもVも全く添加しないで788℃で20時間失活させておいた]を5g充填した。この装置が安定になった後、ベースラインNO排気データを集めた。その後、前記装置に、添加剤CとDの混合物または添加剤Cを42g注入することに加えて前記燃焼促進剤を0.25gおよび前記平衡用触媒を157.75g注入した。その結果を以下の表8に示す。TOSは、Pt含有CO燃焼促進剤を装置に添加した時間からの稼働時間である。この表が示すように、添加剤CとDの混合物および添加剤Cは両方ともがDCR装置の再生装置から排出されるNO排気を減少させるに有効である。しかしながら、添加剤CとDの混合物を添加剤C単独の時と同じ量で触媒インベントリーで用いた時の方が添加剤CよりもNO減少の点で有効である。
【0075】
【表6】

【0076】
【表7】

【0077】
【表8】

【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本図は、それぞれ実施例1および2で調製した添加剤Aおよび添加剤Bを市販の分解用触媒[Grace Davison(コロンビア、MD)から入手したSUPERNOVA(商標)−DMR+(これは、Grace Davison(コロンビア、MD)から入手可能な白金含有促進剤であるCP−3(商標)を0.25重量パーセント含有しかつ実施例3に記述した如きCyclic Propylene Steaming手順を用いた失活を受けている)]と混合した時に前記添加剤がDCR再生装置から排出されるNO排気を減少させる効果を稼働時間と対比させて示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素原料から分子量がより低い成分を生じさせる流動式接触分解中に再生ゾーンから排出されるNO排気を減少させる方法であって、
a. 流動式接触分解(FCC)条件下で稼働している流動式接触分解装置(FCCU)の再生ゾーンからNO排気が排出されるFCC工程中に炭化水素原料を(i)フェリエライトゼオライトを少なくとも10重量パーセントおよび(ii)アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、燐酸アルミナおよびこれらの混合物から成る群から選択した無機結合剤を約5から約50重量パーセント含んで成る平均粒径が45μm超の粒状のNO減少用組成物および分解用触媒の循環しているインベントリーに接触させ、そして
b. 前記FCCUの再生ゾーンから排出されるNO排気の量を前記粒状のNO減少用組成物が存在しない時に排出されるNO排気の量に比べて少なくとも10%少なくする、
ことを含んで成る方法。
【請求項2】
前記FCC分解用触媒がY型ゼオライトを含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項3】
段階(b)を炭化水素原料変換率も分解を受けた炭化水素の収率も前記分解用触媒を単独で用いた時に得られる炭化水素原料変換率または分解を受けた炭化水素の収率に比べて実質的に変わることなく達成する請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記NO減少用組成物に存在させるフェリエライトゼオライトの量を前記組成物の少なくとも30重量パーセントにする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記NO減少用組成物に存在させるフェリエライトゼオライトの量を前記組成物の少なくとも40重量パーセントにする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記NO減少用組成物に存在させるフェリエライトゼオライトの量を前記組成物の少なくとも50重量パーセントにする請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記NO減少用組成物に存在させるフェリエライトゼオライトの量を前記組成物の約10から約85重量パーセントの範囲にする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記NO減少用組成物に存在させるフェリエライトゼオライトの量を前記組成物の約30から約80重量パーセントの範囲にする請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記NO減少用組成物に存在させるフェリエライトゼオライトの量を前記組成物の約40から約75重量パーセントの範囲にする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記フェリエライトゼオライトに水素、アンモニウム、アルカリ金属およびこれらの組み合わせから成る群から選択したカチオンによる交換を受けさせておく請求項1または3記載の方法。
【請求項11】
前記フェリエライトゼオライトが更に少なくとも1種の安定化用金属も含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記安定化用金属が周期律表のIIA、IIIB、IVB、VB、VIB、VIIB、VIII、IIB、IIIA、IVA、VA族、ランタニド系列、Agおよびこれらの混合物から成る群から選択した金属である請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記安定化用金属を周期律表のIIIB、IIA、IIB、IIIA族およびランタニド系列およびこれらの混合物から成る群から選択する請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記安定化用金属をランタン、アルミニウム、マグネシウムおよび亜鉛およびこれらの混合物から成る群から選択する請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記安定化用金属を前記フェリエライトゼオライトの孔の中に取り込ませておく請求項11記載の方法。
【請求項16】
前記無機結合剤をシリカ、アルミナ、シリカアルミナおよびこれらの混合物から成る群から選択する請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記無機結合剤がアルミナである請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記アルミナが酸もしくは塩基による解膠を受けたアルミナである請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記アルミナがアルミニウムクロロヒドロールである請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記粒状のNO減少用組成物に存在させる無機結合剤の量を前記組成物の約10から約30重量パーセントの範囲にする請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記粒状のNO減少用組成物に存在させる無機結合剤の量を前記組成物の約15から約25重量パーセントの範囲にする請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記粒状のNO減少用組成物に更にフェリエライトゼオライト以外の追加的ゼオライトも含有させる請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記追加的ゼオライトが孔径が約3から約7.2オングストロームの範囲でAlに対するSiOのモル比が約500未満のゼオライトである請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記Alに対するSiOのモル比が250未満である請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記追加的ゼオライトをZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト、チャバザイト、クリノプチロライト、MCM−22、MCM−35、MCM−61、オフレタイト、A、ZSM−12、ZSM−23、ZSM−18、ZSM−22、ZSM−35、ZSM−57、ZSM−61、ZK−5、NaJ、Nu−87、Cit−1、SSZ−35、SSZ−48、SSZ−44、SSZ−23、ダチアルダイト、メルリノイト、ロブダライト、レビン、ラウモンタイト、エピスチルバイト、グメロナイト、ギスモンジン、カンクリナイト、ブルーステライト、スチルバイト、ポーリンジャイト、グーセクリーカイト、ナトロライトおよびこれらの混合物から成る群から選択する請求項22記載の方法。
【請求項26】
前記追加的ゼオライトをZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト、チャバザイト、クリノプチロライト、MCM−22、MCM−35、オフレタイト、A、ZSM−12およびこれらの混合物から成る群から選択する請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記追加的ゼオライトを前記組成物の約1から約80重量パーセントの範囲の量で存在させる請求項22、23または25記載の方法。
【請求項28】
前記追加的ゼオライトを前記組成物の約10から約70重量パーセントの範囲の量で存在させる請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記NO減少用組成物に更にアルミナ、シリカ、シリカアルミナ、チタニア、ジルコニア、イットリア、ランタナ、セリア、ネオジミア、サマリア、ユーロピア、ガドリニア、プラセオジミアおよびこれらの混合物から成る群から選択したマトリックス材料も含有させる請求項1または3記載の方法。
【請求項30】
存在させる前記マトリックス材料の量を70重量パーセント未満にする請求項29記載の方法。
【請求項31】
更に前記分解用触媒を前記接触段階から回収しそしてその使用済み触媒を再生ゾーン内で処理して前記触媒を再生させることも含んで成る請求項1または3記載の方法。
【請求項32】
前記分解用触媒および前記粒状のNO減少用組成物を前記炭化水素原料接触中に流動させる請求項31記載の方法。
【請求項33】
更に前記炭化水素供給材料を少なくとも1種の追加的NO減少用組成物と接触させることも含んで成る請求項1または3記載の方法。
【請求項34】
前記追加的NO減少用組成物が非ゼオライト系組成物である請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記追加的NO減少用組成物が(1)ゼオライトを実質的に含有しない酸性金属酸化物、(2)酸化物として測定してのアルカリ金属、アルカリ土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択される金属成分、(3)酸素貯蔵用金属酸化物成分および(4)少なくとも1種の貴金属成分を含んで成る請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記追加的NO減少用組成物が(1)酸性酸化物担体、(2)アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属またはこれらの混合物、(3)酸素貯蔵能力を有する遷移金属酸化物および(4)パラジウムを含んで成る低NOのCO燃焼促進剤組成物である請求項33記載の方法。
【請求項37】
前記追加的NO減少用組成物が(1)酸性酸化物担体、(2)アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属またはこれらの混合物、(3)酸素貯蔵能力を有する遷移金属酸化物および(4)周期律表のIBおよびIIB族およびこれらの混合物から選択される遷移金属を含んで成る請求項33記載の方法。
【請求項38】
前記追加的NO減少用組成物が少なくとも1種の金属含有スピネルを含んで成っていて、前記スピネルが1番目の金属および前記1番目の金属の原子価より高い原子価を有する2番目の金属、前記1番目および2番目の金属以外の3番目の金属の少なくとも1種の成分および前記1番目、2番目および3番目の金属以外の4番目の金属の少なくとも1種の成分を含有するが、前記3番目の金属をIB族の金属、IIB族の金属、VIA族の金属、希土類金属、白金族の金属およびこれらの混合物から成る群から選択しそして前記4番目の金属を鉄、ニッケル、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ゲルマニウム、錫、ビスマス、モリブデン、アンチモン、バナジウムおよびこれらの混合物から成る群から選択する請求項33記載の方法。
【請求項39】
前記金属含有スピネルがマグネシウムを前記1番目の金属として含有しかつアルミニウムを前記2番目の金属として含有して成る請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記金属含有スピネルに含める前記3番目の金属成分を白金族金属、希土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択する請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記3番目の金属成分を元素状の3番目の金属として計算して約0.001から約20重量パーセントの範囲内の量で存在させる請求項38記載の方法。
【請求項42】
前記4番目の金属成分を元素状の4番目の金属として計算して約0.001から約10重量パーセントの範囲内の量で存在させる請求項38記載の方法。
【請求項43】
前記追加的NO減少用添加剤が亜鉛が基になった触媒である請求項33記載の方法。
【請求項44】
前記追加的NO減少用添加剤がアンチモンが基になったNO減少用添加剤である請求項33記載の方法。
【請求項45】
前記追加的NO減少用添加剤がペロブスカイト−スピネルNO減少用添加剤である請求項33記載の方法。
【請求項46】
前記追加的NO減少用添加剤がヒドロタルサイト含有組成物である請求項33記載の方法。
【請求項47】
前記粒状のNO減少用組成物の平均粒径が約50から約200μmである請求項1記載の方法。
【請求項48】
前記粒状のNO減少用組成物の平均粒径が約55から約150μmである請求項47記載の方法。
【請求項49】
前記粒状のNO減少用組成物が示すDavison摩耗指数(DI)値が50未満である請求項1または3記載の方法。
【請求項50】
前記粒状のNO減少用組成物が示すDI値が20未満である請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記粒状のNO減少用組成物が示すDI値が15未満である請求項49記載の方法。
【請求項52】
前記NO減少用組成物の量を全触媒インベントリー中のY型ゼオライトに対するフェリエライトゼオライトの比率が2未満であるほどの量にする請求項2記載の方法。
【請求項53】
前記追加的NO減少用組成物が(i)酸性金属酸化物、(ii)酸化セリウム、(iii)セリア以外のランタニド酸化物および(iv)場合により周期律表のIBおよびIIB族から選択される遷移金属、貴金属およびこれらの混合物の少なくとも1種の酸化物を含んで成る請求項33記載の方法。
【請求項54】
流動式分解用触媒(FCC)組成物であって、(a)FCC条件下で起こさせる炭化水素の分解に触媒作用を及ぼすに適したFCC分解用成分および(b)(i)フェリエライトゼオライトを少なくとも10重量パーセントおよび(ii)アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、燐酸アルミナおよびこれらの混合物から成る群から選択される無機結合剤を約5から約50重量パーセント含んで成る平均粒径が45μm超の粒状のNO減少用組成物を含んで成る触媒組成物。
【請求項55】
前記FCC分解用成分がY型ゼオライトを含有する請求項54記載の触媒。
【請求項56】
前記NO減少用組成物が全触媒組成物中のY型ゼオライトに対するフェリエライトゼオライトの比率が2未満であるほどの量で存在する請求項55記載の触媒。
【請求項57】
前記NO減少用組成物に存在するフェリエライトゼオライトの量が前記組成物の少なくとも30重量パーセントである請求項54記載の触媒。
【請求項58】
前記NO減少用組成物に存在するフェリエライトゼオライトの量が前記組成物の少なくとも40重量パーセントである請求項57記載の触媒。
【請求項59】
前記NO減少用組成物に存在するフェリエライトゼオライトの量が前記組成物の少なくとも50重量パーセントである請求項58記載の触媒。
【請求項60】
前記NO減少用組成物に存在するフェリエライトゼオライトの量が前記組成物の約10から約85重量パーセントの範囲である請求項54記載の触媒。
【請求項61】
前記NO減少用組成物に存在するフェリエライトゼオライトの量が前記組成物の約30から約80重量パーセントの範囲である請求項60記載の触媒。
【請求項62】
前記NO減少用組成物に存在するフェリエライトゼオライトの量が前記組成物の約40から約75重量パーセントの範囲である請求項61記載の触媒。
【請求項63】
前記フェリエライトゼオライトが水素、アンモニウム、アルカリ金属およびこれらの組み合わせから成る群から選択されるカチオンによる交換を受けてい請求項54記載の触媒。
【請求項64】
前記フェリエライトゼオライトが更に少なくとも1種の安定化用金属も含んで成る請求項54記載の触媒。
【請求項65】
前記安定化用金属が周期律表のIIA、IIIB、IVB、VB、VIB、VIIB、VIII、IIB、IIIA、IVA、VA族、ランタニド系列、Agおよびこれらの混合物から成る群から選択される金属である請求項64記載の触媒。
【請求項66】
前記安定化用金属が周期律表のIIIB、IIA、IIB、IIIA族およびランタニド系列およびこれらの混合物から成る群から選択される請求項65記載の触媒。
【請求項67】
前記安定化用金属がランタン、アルミニウム、マグネシウムおよび亜鉛およびこれらの混合物から成る群から選択される請求項66記載の触媒。
【請求項68】
前記安定化用金属が前記フェリエライトゼオライトの孔の中に取り込まれている請求項64記載の触媒。
【請求項69】
前記粒状NO減少用触媒中の無機結合剤がシリカ、アルミナ、シリカアルミナおよびこれらの混合物から成る群から選択される請求項54記載の触媒。
【請求項70】
前記無機結合剤がアルミナである請求項69記載の触媒。
【請求項71】
前記無機結合剤がアルミニウムクロロヒドロールである請求項70記載の触媒。
【請求項72】
前記アルミナが酸もしくは塩基による解膠を受けたアルミナである請求項70記載の触
媒。
【請求項73】
前記粒状のNO減少用組成物に存在する無機結合剤の量が前記組成物の約10から約30重量パーセントの範囲である請求項54記載の触媒。
【請求項74】
前記粒状のNO減少用組成物に存在する無機結合剤の量が前記組成物の約15から約25重量パーセントの範囲である請求項73記載の触媒。
【請求項75】
前記粒状のNO減少用組成物が更にフェリエライトゼオライト以外の追加的ゼオライトも含んで成る請求項54記載の触媒。
【請求項76】
前記追加的ゼオライトが孔径が約3から約7.2オングストロームの範囲でAlに対するSiOのモル比が約500未満のゼオライトである請求項75記載の触媒。
【請求項77】
前記Alに対するSiOのモル比が250未満である請求項76記載の触媒。
【請求項78】
前記追加的ゼオライトがZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト、チャバザイト、クリノプチロライト、MCM−22、MCM−35、MCM−61、オフレタイト、A、ZSM−12、ZSM−23、ZSM−18、ZSM−22、ZSM−35、ZSM−57、ZSM−61、ZK−5、NaJ、Nu−87、Cit−1、SSZ−35、SSZ−48、SSZ−44、SSZ−23、ダチアルダイト、メルリノイト、ロブダライト、レビン、ラウモンタイト、エピスチルバイト、グメロナイト、ギスモンジン、カンクリナイト、ブルーステライト、スチルバイト、ポーリンジャイト、グーセクリーカイト、ナトロライトおよびこれらの混合物から成る群から選択される請求項75記載の触媒。
【請求項79】
前記追加的ゼオライトがZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト、チャバザイト、クリノプチロライト、MCM−22、MCM−35、オフレタイト、A、ZSM−12およびこれらの混合物から成る群から選択される請求項78記載の触媒。
【請求項80】
前記追加的ゼオライトが前記組成物の約1から約80重量パーセントの範囲の量で存在する請求項75、76または78記載の触媒。
【請求項81】
前記追加的ゼオライトが前記組成物の約10から約70重量パーセントの範囲の量で存在する請求項80記載の触媒。
【請求項82】
前記組成物が更にアルミナ、シリカ、シリカアルミナ、チタニア、ジルコニア、イットリア、ランタナ、セリア、ネオジミア、サマリア、ユーロピア、ガドリニア、プラセオジミアおよびこれらの混合物から成る群から選択されるマトリックス材料も含んで成る請求項54記載の触媒。
【請求項83】
存在する前記マトリックス材料の量が70重量パーセント未満である請求項82記載の触媒。
【請求項84】
更に少なくとも1種の追加的NO減少用組成物も含んで成る請求項54記載の触媒。
【請求項85】
前記追加的NO減少用組成物が非ゼオライト系組成物である請求項84記載の触媒。
【請求項86】
前記追加的NO減少用組成物が(a)ゼオライトを実質的に含有しない酸性金属酸化
物、(b)酸化物として測定してのアルカリ金属、アルカリ土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択される金属成分、(c)酸素貯蔵用金属酸化物成分および(d)少なくとも1種の貴金属成分を含んで成る請求項85記載の触媒。
【請求項87】
前記追加的NO減少用組成物が(a)酸性金属酸化物担体、(b)アルカリ金属、アルカリ土類金属またはこれらの混合物、(c)酸素貯蔵能力を有する遷移金属酸化物および(d)周期律表のIBおよびIIB族およびこれらの混合物から選択される遷移金属を含んで成る請求項84記載の触媒。
【請求項88】
前記追加的NO減少用組成物が(a)酸性酸化物担体、(b)アルカリ金属、アルカリ土類金属またはこれらの混合物、(c)酸素貯蔵能力を有する遷移金属酸化物および(d)パラジウムを含んで成る低NOのCO燃焼促進剤組成物である請求項84記載の触媒。
【請求項89】
前記追加的NO減少用組成物が少なくとも1種の金属含有スピネルを含んで成っていて、前記スピネルが1番目の金属および前記1番目の金属の原子価より高い原子価を有する2番目の金属、前記1番目および2番目の金属以外の3番目の金属の少なくとも1種の成分および前記1番目、2番目および3番目の金属以外の4番目の金属の少なくとも1種の成分を含有するが、前記3番目の金属がIB族の金属、IIB族の金属、VIA族の金属、希土類金属、白金族の金属およびこれらの混合物から成る群から選択されそして前記4番目の金属が鉄、ニッケル、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ゲルマニウム、錫、ビスマス、モリブデン、アンチモン、バナジウムおよびこれらの混合物から成る群から選択される請求項84記載の触媒。
【請求項90】
前記金属含有スピネルがマグネシウムを前記1番目の金属として含有しかつアルミニウムを前記2番目の金属として含有して成る請求項89記載の触媒。
【請求項91】
前記金属含有スピネル中の前記3番目の金属成分が白金族金属、希土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択される請求項89記載の触媒。
【請求項92】
前記3番目の金属成分が元素状の3番目の金属として計算して約0.001から約20重量パーセントの範囲内の量で存在する請求項89記載の触媒。
【請求項93】
前記4番目の金属成分が元素状の4番目の金属として計算して約0.001から約10重量パーセントの範囲内の量で存在する請求項89記載の触媒。
【請求項94】
前記追加的NO減少用添加剤が亜鉛が基になった触媒である請求項84記載の触媒。
【請求項95】
前記追加的NO減少用添加剤がアンチモンが基になったNO減少用添加剤である請求項84記載の触媒。
【請求項96】
前記追加的NO減少用添加剤がペロブスカイト−スピネルNO減少用添加剤である請求項84記載の触媒。
【請求項97】
前記追加的NO減少用添加剤がヒドロタルサイト含有組成物である請求項84記載の触媒。
【請求項98】
前記粒状のNO減少用組成物の平均粒径が約50から約200μmである請求項54記載の触媒。
【請求項99】
前記粒状のNO減少用組成物の平均粒径が約55から約150μmである請求項98記載の触媒。
【請求項100】
前記粒状のNO減少用組成物が示すDavison摩耗指数(DI)値が50未満である請求項54記載の触媒。
【請求項101】
前記粒状のNO減少用組成物が示すDI値が20未満である請求項100記載の触媒。
【請求項102】
前記粒状のNO減少用組成物が示すDI値が15未満である請求項101記載の触媒。
【請求項103】
前記追加的NO減少用組成物が(i)酸性金属酸化物、(ii)酸化セリウム、(iii)セリア以外のランタニド酸化物および(iv)場合により周期律表のIBおよびIIB族から選択される遷移金属、貴金属およびこれらの混合物の少なくとも1種の酸化物を含んで成る請求項84記載の触媒。
【請求項104】
炭化水素原料から分子量がより低い成分を生じさせる流動式接触分解中に再生ゾーンから排出されるNO排気を減少させる方法であって、炭化水素原料を請求項54、56、64または75記載の組成物を含んで成る分解用触媒に高温で接触させることで分子量がより低い炭化水素成分を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項105】
更に前記分解用触媒を前記接触段階から回収しそしてその使用済み触媒を再生ゾーン内で処理して前記触媒を再生させることも含んで成る請求項104記載の方法。
【請求項106】
前記分解用触媒を前記炭化水素原料接触中に流動させる請求項105記載の方法。
【請求項107】
前記分解用触媒が更に追加的NO減少用添加剤組成物も含んで成る請求項104記載の方法。
【請求項108】
流動式分解用触媒であって、(a)炭化水素の分解に触媒作用を及ぼすに適した分解用成分、(b)フェリエライトゼオライトを少なくとも0.1重量パーセントおよび(c)無機結合剤材料を50重量パーセント未満の量で含んで成るが、成分(b)および(c)の量が分解用触媒の総重量を基準にした量である分解用触媒。
【請求項109】
成分(a)、(b)および(c)を含有する一体化粒子を構成している請求項108記載の分解用触媒。
【請求項110】
成分(b)が分解用触媒の約0.1から約60重量%を構成している請求項108記載の分解用触媒。
【請求項111】
成分(b)が分解用触媒の約1から約40重量%を構成している請求項110記載の分解用触媒。
【請求項112】
更に少なくとも1種の追加的NO減少用組成物も含んで成る請求項108記載の触媒。
【請求項113】
前記追加的NO減少用組成物が非ゼオライト系組成物である請求項112記載の触媒。
【請求項114】
前記追加的NO減少用組成物が(a)ゼオライトを実質的に含有しない酸性金属酸化物、(b)酸化物として測定してのアルカリ金属、アルカリ土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択される金属成分、(c)酸素貯蔵用金属酸化物成分および(d)少なくとも1種の貴金属成分を含んで成る請求項113記載の触媒。
【請求項115】
前記追加的NO減少用組成物が(a)酸性金属酸化物担体、(b)アルカリ金属、アルカリ土類金属またはこれらの混合物、(c)酸素貯蔵能力を有する遷移金属酸化物および(d)周期律表のIBおよびIIB族およびこれらの混合物から選択される遷移金属を含んで成る請求項112記載の触媒。
【請求項116】
前記追加的NO減少用組成物が(a)酸性酸化物担体、(b)アルカリ金属、アルカリ土類金属またはこれらの混合物、(c)酸素貯蔵能力を有する遷移金属酸化物および(d)パラジウムを含んで成る低NOのCO燃焼促進剤組成物である請求項112記載の触媒。
【請求項117】
前記追加的NO減少用組成物が少なくとも1種の金属含有スピネルを含んで成っていて、前記スピネルが1番目の金属および前記1番目の金属の原子価より高い原子価を有する2番目の金属、前記1番目および2番目の金属以外の3番目の金属の少なくとも1種の成分および前記1番目、2番目および3番目の金属以外の4番目の金属の少なくとも1種の成分を含有するが、前記3番目の金属がIB族の金属、IIB族の金属、VIA族の金属、希土類金属、白金族の金属およびこれらの混合物から成る群から選択されそして前記4番目の金属が鉄、ニッケル、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ゲルマニウム、錫、ビスマス、モリブデン、アンチモン、バナジウムおよびこれらの混合物から成る群から選択される請求項112記載の触媒。
【請求項118】
前記金属含有スピネルがマグネシウムを前記1番目の金属として含有しかつアルミニウムを前記2番目の金属として含有して成る請求項117記載の触媒。
【請求項119】
前記金属含有スピネル中の前記3番目の金属成分が白金族金属、希土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択される請求項117記載の触媒。
【請求項120】
前記3番目の金属成分が元素状の3番目の金属として計算して約0.001から約20重量パーセントの範囲内の量で存在する請求項117記載の触媒。
【請求項121】
前記4番目の金属成分が元素状の4番目の金属として計算して約0.001から約10重量パーセントの範囲内の量で存在する請求項117記載の触媒。
【請求項122】
前記追加的NO減少用添加剤が亜鉛が基になった触媒である請求項112記載の触媒。
【請求項123】
前記追加的NO減少用添加剤がアンチモンが基になったNO減少用添加剤である請求項112記載の触媒。
【請求項124】
前記追加的NO減少用添加剤がペロブスカイト−スピネルNO減少用添加剤である請求項112記載の触媒。
【請求項125】
前記追加的NO減少用添加剤がヒドロタルサイト含有組成物である請求項112記載の触媒。
【請求項126】
炭化水素原料から分子量がより低い成分を生じさせる流動式接触分解中に再生ゾーンか
ら排出されるNO排気を減少させる方法であって、(a)流動式接触分解(FCC)条件下で稼働しているFCCUの再生ゾーンからNO排気が排出されるFCC工程中に炭化水素原料を請求項108記載の分解用触媒組成物に接触させ、そして(b)前記FCCUの再生ゾーンから排出されるNO排気の量を前記NO減少用組成物が存在しない時に排出されるNO排気の量に比べて少なくとも10%少なくすることを含んで成る方法。
【請求項127】
段階(b)をFCC工程中に得られる炭化水素原料変換率も分解を受けた炭化水素の収率も前記分解用触媒を単独で用いた時に得られる炭化水素原料変換率または分解を受けた炭化水素の収率に比べて実質的に変わることなく達成する請求項126記載の方法。
【請求項128】
前記分解用触媒組成物に存在させるフェリエライトゼオライトの量を前記分解用触媒組成物の少なくとも約0.1重量パーセントにする請求項126または127記載の方法。
【請求項129】
前記分解用触媒組成物に存在させるフェリエライトゼオライトの量を前記分解用触媒組成物の約0.1から約60重量パーセントの範囲にする請求項126または127記載の方法。
【請求項130】
前記分解用触媒組成物に存在させるフェリエライトゼオライトの量を前記分解用触媒組成物の約1から約40重量パーセントの範囲にする請求項129記載の方法。
【請求項131】
前記フェリエライトゼオライトに水素、アンモニウム、アルカリ金属およびこれらの組み合わせから成る群から選択したカチオンによる交換を受けさせておく請求項126または127記載の方法。
【請求項132】
前記フェリエライトゼオライトが更に少なくとも1種の安定化用金属も含んで成る請求項126または127記載の方法。
【請求項133】
前記安定化用金属が周期律表のIIA、IIIB、IVB、VB、VIB、VIIB、VIII、IIB、IIIA、IVA、VA族、ランタニド系列、Agおよびこれらの混合物から成る群から選択した金属である請求項132記載の方法。
【請求項134】
前記安定化用金属を周期律表のIIIB、IIA、IIB、IIIA族およびランタニド系列およびこれらの混合物から成る群から選択する請求項133記載の方法。
【請求項135】
前記安定化用金属をランタン、アルミニウム、マグネシウムおよび亜鉛およびこれらの混合物から成る群から選択する請求項134記載の方法。
【請求項136】
前記安定化用金属を前記フェリエライトゼオライトの孔の中に取り込ませておく請求項132記載の方法。
【請求項137】
更に前記分解用触媒を回収しそしてその使用済み触媒を再生ゾーン内で処理して前記触媒を再生させることも含んで成る請求項126または127記載の方法。
【請求項138】
前記分解用触媒を前記炭化水素原料接触中に流動させる請求項126または127記載の方法。
【請求項139】
更に前記炭化水素供給材料を少なくとも1種の追加的NO減少用添加剤組成物と接触させることも含んで成る請求項126記載の方法。
【請求項140】
前記追加的NO減少用添加剤組成物が非ゼオライト系組成物である請求項139記載の方法。
【請求項141】
前記追加的NO減少用添加剤組成物が(a)ゼオライトを実質的に含有しない酸性金属酸化物、(b)酸化物として測定してのアルカリ金属、アルカリ土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択される金属成分、(c)酸素貯蔵用金属酸化物成分および(d)少なくとも1種の貴金属成分を含んで成る請求項140記載の方法。
【請求項142】
前記追加的NO減少用添加剤組成物が(a)酸性酸化物担体、(b)アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属またはこれらの混合物、(c)酸素貯蔵能力を有する遷移金属酸化物および(d)パラジウムを含んで成る低NOのCO燃焼促進剤組成物である請求項139記載の方法。
【請求項143】
前記追加的NO減少用添加剤組成物が少なくとも1種の金属含有スピネルを含んで成っていて、前記スピネルが1番目の金属および前記1番目の金属の原子価より高い原子価を有する2番目の金属、前記1番目および2番目の金属以外の3番目の金属の少なくとも1種の成分および前記1番目、2番目および3番目の金属以外の4番目の金属の少なくとも1種の成分を含有するが、前記3番目の金属をIB族の金属、IIB族の金属、VIA族の金属、希土類金属、白金族の金属およびこれらの混合物から成る群から選択しそして前記4番目の金属を鉄、ニッケル、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ゲルマニウム、錫、ビスマス、モリブデン、アンチモン、バナジウムおよびこれらの混合物から成る群から選択する請求項139記載の方法。
【請求項144】
前記金属含有スピネルがマグネシウムを前記1番目の金属として含有しかつアルミニウムを前記2番目の金属として含有して成る請求項143記載の方法。
【請求項145】
前記金属含有スピネルに含める前記3番目の金属成分を白金族金属、希土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択する請求項143記載の方法。
【請求項146】
前記3番目の金属成分を元素状の3番目の金属として計算して約0.001から約20重量パーセントの範囲内の量で存在させる請求項143記載の方法。
【請求項147】
前記4番目の金属成分を元素状の4番目の金属として計算して約0.001から約10重量パーセントの範囲内の量で存在させる請求項143記載の方法。
【請求項148】
前記追加的NO減少用添加剤組成物が(a)酸性酸化物担体、(b)アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属またはこれらの混合物、(c)酸素貯蔵能力を有する遷移金属酸化物および(d)周期律表のIBおよびIIB族から選択される遷移金属を含んで成る請求項139記載の方法。
【請求項149】
前記追加的NO減少用添加剤組成物が亜鉛が基になった触媒である請求項139記載の方法。
【請求項150】
前記追加的NO減少用添加剤組成物がアンチモンが基になったNO減少用添加剤である請求項139記載の方法。
【請求項151】
前記追加的NO減少用添加剤組成物がペロブスカイト−スピネルNO減少用添加剤である請求項139記載の方法。
【請求項152】
前記追加的NO減少用添加剤組成物がヒドロタルサイト含有組成物である請求項13
9記載の方法。
【請求項153】
成分(a)がY型ゼオライトを含んで成りそして成分(b)を全触媒中のY型ゼオライトに対するフェリエライトの比率が2未満であるほどの量で存在させる請求項108記載の分解用触媒。
【請求項154】
成分(b)が更に少なくとも1種の安定化用金属も含んで成る請求項108記載の分解用触媒。
【請求項155】
前記安定化用金属が周期律表のIIA、IIIB、IVB、VB、VIB、VIIB、VIII、IIB、IIIA、IVA、VA族、ランタニド系列、Agおよびこれらの混合物から成る群から選択される金属である請求項154記載の分解用触媒。
【請求項156】
前記安定化用金属が周期律表のIIIB、IIA、IIB、IIIA族およびランタニド系列およびこれらの混合物から成る群から選択される請求項155記載の分解用触媒。
【請求項157】
前記安定化用金属がランタン、アルミニウム、マグネシウムおよび亜鉛およびこれらの混合物から成る群から選択される請求項156記載の分解用触媒。
【請求項158】
前記安定化用金属が成分(b)の孔の中に取り込まれている請求項154記載の分解用触媒。
【請求項159】
前記NO減少用組成物が(i)酸性金属酸化物、(ii)酸化セリウム、(iii)セリア以外のランタニド酸化物および(iv)場合により周期律表のIBおよびIIB族から選択される遷移金属、貴金属およびこれらの混合物の少なくとも1種の酸化物を含んで成る請求項112記載の分解用触媒。
【請求項160】
更にフェリエライトゼオライト以外の追加的ゼオライトも含んで成る請求項108記載の分解用触媒。
【請求項161】
前記追加的ゼオライトが孔径が約3から約7.2オングストロームの範囲でAlに対するSiOのモル比が約500未満のゼオライトである請求項160記載の分解用触媒。
【請求項162】
前記Alに対するSiOのモル比が250未満である請求項161記載の分解用触媒。
【請求項163】
前記追加的ゼオライトがZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト、チャバザイト、クリノプチロライト、MCM−22、MCM−35、MCM−61、オフレタイト、A、ZSM−12、ZSM−23、ZSM−18、ZSM−22、ZSM−35、ZSM−57、ZSM−61、ZK−5、NaJ、Nu−87、Cit−1、SSZ−35、SSZ−48、SSZ−44、SSZ−23、ダチアルダイト、メルリノイト、ロブダライト、レビン、ラウモンタイト、エピスチルバイト、グメロナイト、ギスモンジン、カンクリナイト、ブルーステライト、スチルバイト、ポーリンジャイト、グーセクリーカイト、ナトロライトおよびこれらの混合物から成る群から選択される請求項160記載の分解用触媒。
【請求項164】
前記追加的ゼオライトがZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト、チャバザイト、
クリノプチロライト、MCM−22、MCM−35、オフレタイト、A、ZSM−12およびこれらの混合物から成る群から選択される請求項163記載の分解用触媒。
【請求項165】
前記追加的ゼオライトが前記組成物の約1から約80重量パーセントの範囲の量で存在する請求項160、161または163記載の分解用触媒。
【請求項166】
前記追加的ゼオライトが前記組成物の約10から約70重量パーセントの範囲の量で存在する請求項165記載の分解用触媒。
【請求項167】
前記追加的NO減少用組成物が(i)酸性金属酸化物、(ii)酸化セリウム、(iii)セリア以外のランタニド酸化物および(iv)場合により周期律表のIBおよびIIB族から選択される遷移金属、貴金属およびこれらの混合物の少なくとも1種の酸化物を含んで成る請求項139記載の方法。
【請求項168】
段階(b)を炭化水素原料変換率も分解を受けた炭化水素の収率も前記分解用触媒を単独で用いた時に得られる炭化水素原料変換率または分解を受けた炭化水素の収率に比べて実質的に変わることなく達成する請求項2記載の方法。
【請求項169】
成分(c)が該分解用触媒の約1から約45重量パーセントを構成する請求項108記載の分解用触媒。
【請求項170】
前記分解用触媒が更にフェリエライトゼオライト以外の追加的ゼオライトも含んで成る請求項126記載の方法。
【請求項171】
前記追加的ゼオライトが孔径が約3から約7.2オングストロームの範囲でAlに対するSiOのモル比が約500未満のゼオライトである請求項170記載の方法。
【請求項172】
前記Alに対するSiOのモル比が250未満である請求項171記載の方法。
【請求項173】
前記追加的ゼオライトをZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト、チャバザイト、クリノプチロライト、MCM−22、MCM−35、MCM−61、オフレタイト、A、ZSM−12、ZSM−23、ZSM−18、ZSM−22、ZSM−35、ZSM−57、ZSM−61、ZK−5、NaJ、Nu−87、Cit−1、SSZ−35、SSZ−48、SSZ−44、SSZ−23、ダチアルダイト、メルリノイト、ロブダライト、レビン、ラウモンタイト、エピスチルバイト、グメロナイト、ギスモンジン、カンクリナイト、ブルーステライト、スチルバイト、ポーリンジャイト、グーセクリーカイト、ナトロライトおよびこれらの混合物から成る群から選択する請求項170記載の方法。
【請求項174】
前記追加的ゼオライトをZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト、チャバザイト、クリノプチロライト、MCM−22、MCM−35、オフレタイト、A、ZSM−12およびこれらの混合物から成る群から選択する請求項173記載の方法。
【請求項175】
前記追加的ゼオライトを前記組成物の約1から約80重量パーセントの範囲の量で存在させる請求項170、171または173記載の方法。
【請求項176】
前記追加的ゼオライトを前記組成物の約10から約70重量パーセントの範囲の量で存在させる請求項175記載の方法。
【請求項177】
前記フェリエライトゼオライトに水素、アンモニウム、アルカリ金属およびこれらの組み合わせから成る群から選択したカチオンによる交換を受けさせておく請求項108記載の方法。
【請求項178】
前記分解用触媒組成物がY型ゼオライトを成分(a)として含んで成りそして成分(b)を全触媒組成物中のY型ゼオライトに対するフェリエライトの比率が2未満であるほどの量で存在させる請求項126記載の方法。
【請求項179】
NO排気の減少を炭化水素原料変換率も分解を受けた炭化水素の収率も前記分解用触媒を単独で用いた時に得られる炭化水素原料変換率または分解を受けた炭化水素の収率に比べて実質的に変わることなく達成する請求項104記載の方法。
【請求項180】
前記追加的NO減少用添加剤組成物が非ゼオライト系組成物である請求項107記載の方法。
【請求項181】
前記NO減少用添加剤組成物が(a)酸性酸化物担体、(b)アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属またはこれらの混合物、(c)酸素貯蔵能力を有する遷移金属酸化物および(d)パラジウムを含んで成る低NOのCO燃焼促進剤組成物である請求項107記載の方法。
【請求項182】
前記追加的NO減少用添加剤組成物が少なくとも1種の金属含有スピネルを含んで成っていて、前記スピネルが1番目の金属および前記1番目の金属の原子価より高い原子価を有する2番目の金属、前記1番目および2番目の金属以外の3番目の金属の少なくとも1種の成分および前記1番目、2番目および3番目の金属以外の4番目の金属の少なくとも1種の成分を含有するが、前記3番目の金属をIB族の金属、IIB族の金属、VIA族の金属、希土類金属、白金族の金属およびこれらの混合物から成る群から選択しそして前記4番目の金属を鉄、ニッケル、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ゲルマニウム、錫、ビスマス、モリブデン、アンチモン、バナジウムおよびこれらの混合物から成る群から選択する請求項107記載の方法。
【請求項183】
前記金属含有スピネルがマグネシウムを前記1番目の金属として含有しかつアルミニウムを前記2番目の金属として含有して成る請求項182記載の方法。
【請求項184】
前記金属含有スピネルに含める前記3番目の金属成分を白金族金属、希土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択する請求項182記載の方法。
【請求項185】
前記3番目の金属成分を元素状の3番目の金属として計算して約0.001から約20重量パーセントの範囲内の量で存在させる請求項182記載の方法。
【請求項186】
前記4番目の金属成分を元素状の4番目の金属として計算して約0.001から約10重量パーセントの範囲内の量で存在させる請求項182記載の方法。
【請求項187】
前記追加的NO減少用添加剤組成物が(a)酸性酸化物担体、(b)アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属またはこれらの混合物、(c)酸素貯蔵能力を有する遷移金属酸化物および(d)周期律表のIBおよびIIB族から選択される遷移金属を含んで成る請求項107記載の方法。
【請求項188】
前記追加的NO減少用添加剤組成物が亜鉛が基になった触媒である請求項107記載の方法。
【請求項189】
前記追加的NO減少用添加剤組成物がアンチモンが基になったNO減少用添加剤である請求項107記載の方法。
【請求項190】
前記追加的NO減少用添加剤組成物がペロブスカイト−スピネルNO減少用添加剤である請求項107記載の方法。
【請求項191】
前記追加的NO減少用添加剤組成物がヒドロタルサイト含有組成物である請求項107記載の方法。
【請求項192】
前記追加的NO減少用組成物が(i)酸性金属酸化物、(ii)酸化セリウム、(iii)セリア以外のランタニド酸化物および(iv)場合により周期律表のIBおよびIIB族から選択される遷移金属、貴金属およびこれらの混合物の少なくとも1種の酸化物を含んで成る請求項107記載の方法。
【請求項193】
前記追加的NO減少用添加剤組成物が(a)ゼオライトを実質的に含有しない酸性金属酸化物、(b)酸化物として測定してのアルカリ金属、アルカリ土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択される金属成分、(c)酸素貯蔵用金属酸化物成分および(d)少なくとも1種の貴金属成分を含んで成る請求項180記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−510782(P2007−510782A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538463(P2006−538463)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/036642
【国際公開番号】WO2005/047429
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(399016927)ダブリュー・アール・グレイス・アンド・カンパニー−コネチカット (63)
【Fターム(参考)】