説明

流動抵抗性を有する歯科用液状除痛製剤

メタクリル酸ヒドロキシエチルすなわちHEMA、グルタルアルデヒド、および増粘剤を水溶液中に含む、歯(16)の露出した象牙質に塗布される組成物。増粘剤または粘性増加物質は組成物の粘性を増加させ、これにより組成物が垂直面上で所定の位置から移動する、または滴り落ちるのを防ぐ。本発明は、患者の口腔内の軟部組織(18)に組成物が接触したり、刺激を与えるのを防ぐ。組成物は歯の過敏症を軽減し、接着性を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には歯の処理に使用される歯科用除痛剤に関し、特に、液垂れのない(dripless)、または流動性抵抗を有する歯科用象牙質除痛剤に関する。
【背景技術】
【0002】
通常は、硬く、比較的過敏性の低いエナメル質が人間の歯を被覆している。エナメル質の下には、より軟らかく過敏性の高い象牙質が存在する。象牙質が露出すると、多くの場合で歯は過敏になる。一般的に、カリエス(caries)、う蝕(decay)、咬耗(excessive wear)、または磨耗(abrasion)がエナメル質を貫通した場合に象牙質が露出する。歯の修復や再建において、過敏性の高い象牙質が露出することが多い。接着を高める目的のためだけでなく、歯の修復または再建後に過敏症が発生するのを防ぐための象牙質の除痛を目的として、象牙質に対して行われる前処理が数多く存在する。窩洞の充填および歯の修復に用いられるコンポジットレジンでの充填に先立って歯の前処理を行うため、多くの場合、様々な物質がプライマー組成物または裏層用組成物として象牙質に対して使用されている。前処理剤は、多くの場合アクリル酸またはメタクリル酸のエステル、およびアルデヒドを含む。
【0003】
1986年6月3日出願の米国特許第4,593,054号明細書、出願タイトル「Adhesive Promoting Agent,Process For Its Preparation and Use Thereof On Collageneous Material」(Asmussen et al.)において、そうしたプライマー組成物または裏層用組成物の1例が開示されている。その明細書中、水溶液中に35%のメタクリル酸ヒドロキシエチル(以下、HEMAとする)および5%のグルタルアルデヒドを含む組成物が開示されている。
【0004】
1989年3月21日出願の、米国特許第4,814,423号明細書、出願タイトル「Dual Bonding Adhesive Composition」(Huang et al.)において、象牙質に塗布される別の前処理用物質が開示されている。その明細書中、象牙質に対する前処理と接着性の向上に使用される、エチレン系不飽和基を持つ重合性リン酸エステル(ethylenically unsaturated polymerizable phosphate)およびアルデヒドが開示されている。グルタルアルデヒドはコラーゲンへの接着性を高め、リン酸エステルはカルシウムへの接着性を高める。
【0005】
1996年6月11日出願の米国特許第5,525,648号明細書、出願タイトル「Method For Adhering To Hard Tissue」(Aasen et al.)において、HEMAおよびグルタルアルデヒドを用いる、象牙質に塗布される別の前処理剤またはプライマー剤が開示されている。その明細書中、湿度の高い環境での塗布に特に適した組成物が開示されている。
【0006】
1997年12月2日出願の米国特許第5,693,315号明細書、出願タイトル「Mammal Tooth Treating Composition」(Bevilacqua)において、歯の過敏症の治療に用いられる組成物が開示されている。その明細書中、HEMA、グルタルアルデヒド、ならびにフッ化ナトリウムを含有する歯の過敏症の治療に用いられる組成物が開示されている。
【0007】
1998年8月25日出願の米国特許第5,797,749号明細書、出願タイトル「Dental Composition」(Bertolotti et al.)において、さらに別の歯科用除痛用組成物が開示されている。その明細書中、HEMAおよび塩化ベンゼトニウムを含有する、露出した歯の表面の除痛に用いられる歯科用水性組成物が開示されている。グルタルアルデヒドは刺激となる場合があるため、塩化ベンゼトニウムがグルタルアルデヒドの代わりに使用される。
【0008】
2003年7月15日出願の米国特許第6,592,372号明細書、出願タイトル「Method of Etching and Priming A Tooth」(Jia et al.)において、象牙質の処理に用いられる別の歯科用組成物が開示されている。その明細書中、HEMA、グルタルアルデヒド、ならびにオレフィン系不飽和基とSO末端基を持つ単量体(olefinically unsaturated−SO terminated monomer)を利用する組成物が開示されている。
【0009】
各種様々な理由から多くの組成物が象牙質の処理用に用いられてきたが、主な理由は、充填用複合物質の接着性を高め、充填後の歯の過敏症を抑えるためである。これらの歯科用処理物質はHEMAおよびグルタルアルデヒドを含む。これらの物質は刺激を引き起こす可能性があり、さらには歯肉、すなわち歯の周囲の歯茎などの軟部組織の化学火傷の原因となる。これらの水性製剤の多くは粘性が非常に低く、歯の垂直面上で流動したり、または滴り落ちる傾向がある。これは、多くの場合において軟部組織すなわち歯肉に組成物が直接接触する原因となり、そのために刺激が引き起こされる可能性がある。従って、歯科処置での利用を目的とする、象牙質への接着ならびに象牙質の除痛に用いられる、HEMAおよびグルタルアルデヒドを含有する化学組成からなる優れた製剤が必要とされている。加えて、歯に対して過度の漂白を行ったために生じた歯のエナメル質の損傷が歯の過敏症の原因となる場合があり、その結果、象牙質の除痛を行う必要性が高まっている。歯を白くして外観を向上させるために歯の漂白が行われることが多い。また、高齢患者では歯肉線が退縮するため、歯肉線付近の歯根部分または象牙質部分が露出している場合があり、過敏症が引き起こされる。軟らかい歯肉組織に近く、従来の除痛剤の粘性が低かった為にこの領域の処理は特に困難である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、歯科用除痛剤を含み、好ましくは、粘性増加物質または増粘剤を有する、メタクリル酸のエステルおよびアルデヒドからなる組成物を含む。好ましくは、メタクリル酸のエステルはメタクリル酸ヒドロキシエチルすなわちHEMAであり、アルデヒドはグルタルアルデヒドであり、粘性増加物質または増粘剤は、シリカ、ペクチン、キサンタンガム、カルボポール(carbopol)、またはその他の適合材料、または適切な物質を含む。歯の周囲の軟部組織に刺激を与えたり、損傷を引き起こすのを回避するため、粘性増加物質または増粘剤は、組成物が歯に塗布された際に組成物が塗布された領域から移動する、または滴り落ちるのを防ぐ。増粘剤または粘性増加物質は、好ましくは、口腔内で典型的に認められる環境温度において最短で45秒間の間、垂直面上でその位置を保持する物質をもたらす。
【0011】
従って、本発明の目的は、口腔内の、または歯の周囲の軟部組織への刺激または損傷を防ぐことである。
【0012】
本発明の利点は、取り扱いが簡便であるということである。
【0013】
本発明の別の利点は、定位置に留まり、歯肉、舌、頬肉、口唇などの軟部組織に滴り落ちない、または流れ落ちないことである。
【0014】
本発明の特徴は、粘性増加物質または増粘剤が使用されることである。
【0015】
本発明の特徴は、手持ち式のアプリケーターを使用して塗布可能なことである。
【0016】
本発明の別の特徴は、シリンジを使用して塗布可能なことである。
【0017】
これらの、およびその他の目的、利点、ならびに特徴は、以下の詳細な説明を参照する過程で容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、歯の象牙質またはその他の硬組織へ塗布される組成物である。粘調液またはゲルを形成するため、水溶液に含まれるメタクリル酸のエステルとアルデヒドが粘性増加物質または増粘剤と組み合わせされる。組成物は粘調性であり、口腔内で典型的に認められる環境温度、すなわち、およそ華氏90〜100度またはおよそ摂氏32〜38度の範囲において最短で45秒間の間、垂直面上で流動しない。好ましくは、メタクリル酸のエステルはメタクリル酸ヒドロキシエチルすなわちHEMAであり、アルデヒドはグルタルアルデヒドである。増粘剤は、好ましくは、HEMA、グルタルアルデヒド、および水に適合する任意の不活性物質である。好ましい増粘剤は、ヒュームド・シリカ、ペクチン、キサンタンガム、カルボポール(carbopol)、ならびにその他周知の増粘剤であってもよい。その他の増粘剤は多くの原料から選択されてもよい。一例として、海草を原料とする寒天、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸塩、カラギーナン、セルロース誘導体、分泌ガム類(exudate gums)、例えばアラビアガム、トラガカントゴム、カラヤガム、ジェランガム、ゼラチン、微結晶性セルロース、コラーゲン、コンニャクガム、加工でんぷん、種子ガムなどの増粘剤またはゲル化剤、またはその他多くの周知の増粘剤またはゲル化剤のいずれかを用いてもよい。語句「増粘剤」は、粘性を増加させ、流動抵抗性を高め、組成物が移動する、または滴り落ちるのを防ぐ任意の物質を意味するのに使用される。
【0019】
好ましい実施形態においては、前処理用組成物は30重量パーセント〜40重量パーセントのHEMA、1重量パーセント〜10重量パーセントのグルタルアルデヒドを含み、残りは水と増粘剤である。特定の好ましい実施形態は、35重量パーセントのHEMA、5重量パーセントのグルタルアルデヒド、および増粘剤を含有する水溶液を含む。塩化ベンザルコニウムなどの抗菌剤、またはジ‐tert−ブチルパラクレゾールなどの抗変性剤のようなその他の物質を少量添加してもよい。さらに、抗菌作用を高めたり、接着の強度を高めて強固にする上でフッ化ナトリウムが有益な効果を有することは周知であるため、これを添加してもよい。
【0020】
口腔内で典型的に認められる温度、すなわち、およそ華氏90〜100度またはおよそ摂氏32〜38度において通常は30秒〜60秒の間、好ましくは少なくとも45秒間の間、組成物が垂直面上の所定の位置から滴り落ちたり、移動するのを防ぐため、十分な量の増粘剤が利用される。
【0021】
図1は、本発明の組成物を歯に塗布する様子を概略的に示す。露出した象牙質14を有する歯16に本発明の組成物を塗布する目的で、吸収性または液体保持性のアプリケーター先端12を有するアプリケーター10を使用して組成物を封入し、保持してもよい。象牙質14が露出した歯に形成された窩洞は、歯16を修復、または再建するために通常はコンポジットレジンで充填される。コンポジットレジンでの充填に先立って、本発明の組成物を象牙質14に塗布するためにアプリケーター10が使用される。既定の処理時間の間、好ましくは最短で45秒間の間、象牙質14上、または歯16の垂直面上に塗布された位置から本発明の組成物が移動しないように、本発明の組成物の粘性は増粘剤を用いて調整される。一般的には、この既定の処理時間は通常では60秒間を超えることはないが、場合によっては最大で数分間に及び、その後、組成物は歯16および露出した象牙質14から洗い流される。
【0022】
好ましい粘性または粘度も粘性計を用いて決定可能である。試験過程において、好ましい粘性の範囲は6600〜9200cP(センチポアズ)またはMpa・s(ミリパスカル−秒)と決定された。試験はブルックフィールド粘度計(型番DV−I+)を使用して実施された。およそ華氏68度または摂氏20度、10rpmの条件で、ブルックフィールドのno.7のプローブを使用した。
【0023】
従って、本発明は、通常は歯16の周囲に存在する軟部組織すなわち歯肉18に対するあらゆる刺激または損傷を防ぐ。従って、本発明によって、軟部組織の刺激の原因となる、または軟部組織に対して腐食性を示す可能性があるHEMAおよびグルタルアルデヒドなどの有益な物質の使用が可能になり、軟部組織上に組成物が移動したり、または滴り落ちることなく使用され、露出した象牙質に塗布される。このことは、患者の口腔内において、非常に近接しアクセスするのが困難な部位に本発明の組成物を塗布する場合に特に好都合である。
【0024】
図2は、バルクシリンジを使用して本発明の物質または組成物を塗布する様子を示す。シリンジアプリケーター110は、シリンジ本体124に接続されるカニューレ先端122を有する。シリンジ本体には、除痛用組成物128が封入される。先端122内の経路130およびカニューレ先端122のアプリケーター終端112の内部を通って、除痛用組成物128を押し出す、または追い出すためにプランジャー126が用いられる。アプリケーター終端は、フロック、発泡体、またはコットンなどの任意の軟質材料または吸収材料から作られている。アプリケーター終端112の内部を通り抜けて押し出されるよう、除痛用組成物122は十分な流動性を有していなければならない。除痛用組成物122の好ましい流動性または粘性がおよそ6600〜9200cPであると決定された。この好ましい粘性によって、アプリケーター終端112内部を通過するのに十分な流動性と、所望の時間の間、歯16上の所定の位置に留まるのに十分な粘性が提供される。これによって除痛用組成物の塗布が非常に容易になり、口腔内の軟部組織、例えば歯肉または歯茎18に除痛用組成物が直接接触する可能性が抑えられる、または低下する。
【0025】
図2に示すような典型的な塗布では、バルクアプリケーター110を使用して、歯根部分または歯肉線114において露出した象牙質に除痛用組成物128が塗布される。時として、疾患または加齢に伴い歯茎の退縮が発生する。多くの場合、歯茎の退縮によって歯の根部が露出し、過敏症を引き起こす。この過敏症が疼痛または不快感の原因となることが多い。多くの場合において、歯の露出した根部の除痛を行うために除痛剤が使用され、これによって患者が経験する過敏症を軽減する。
【0026】
各種の好ましい実施形態に関して本発明を説明したが、本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、各種の修正を施すことも可能であることを当業者は理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明を歯の窩洞へ塗布する様子を概略的に示す。
【図2】シリンジを使用して本発明を部分的に露出した歯根部分へ塗布する様子を概略的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用除痛用組成物であって、
歯科用除痛剤と、
増粘剤とを含み、
これにより、前記歯科用除痛用組成物が塗布された位置から移動する、または流れるのを防ぐ、歯科用除痛用組成物。
【請求項2】
該歯科用除痛剤は、
メタクリル酸のエステルと、
アルデヒドとを含む、請求項1に記載の歯科用除痛用組成物。
【請求項3】
該増粘剤は、シリカ、ペクチン、キサンタンゴム、およびカルボポール(carbopol)からなる群から選択される、請求項1に記載の歯科用除痛用組成物。
【請求項4】
該増粘剤は、海草を原料とする寒天、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸塩、カラギーナン、セルロース誘導体、分泌ガム類(exudate gums)、例えばアラビアガム、トラガカントゴム、カラヤガム、ジェランガム、ゼラチン、微結晶性セルロース、コラーゲン、コンニャクガム、加工でんぷん、種子ガムからなる群から選択される、請求項1に記載の歯科用除痛用組成物。
【請求項5】
該増粘剤は、およそ華氏90〜100度、またはおよそ摂氏32〜38度の温度において少なくとも45秒間の間、垂直面上での前記組成物の移動を防ぐために十分な量である、請求項1に記載の歯科用除痛用組成物。
【請求項6】
該増粘剤は、6600〜9200センチポアズの粘性を提供するために十分な量である、請求項1に記載の歯科用除痛用組成物。
【請求項7】
該メタクリル酸のエステルはメタクリル酸ヒドロキシエチルを含み、該アルデヒドはグルタルアルデヒドを含む、請求項2に記載の歯科用除痛用組成物。
【請求項8】
該メタクリル酸ヒドロキシエチルは、30重量パーセント〜40重量パーセントの前記組成物を含み、該グルタルアルデヒドは、1重量パーセント〜10重量パーセントの前記組成物を含む、請求項7に記載の歯科用除痛用組成物。
【請求項9】
該メタクリル酸ヒドロキシエチルは、実質的に35重量パーセントの前記組成物を含み、該グルタルアルデヒドは、実質的に5重量パーセントの前記組成物を含む、請求項8に記載の歯科用除痛用組成物。
【請求項10】
歯の露出した象牙質の処理に用いられる歯科用除痛用組成物であって、
実質的に35重量パーセントのメタクリル酸ヒドロキシエチルと、
実質的に5重量パーセントのグルタルアルデヒドと、
およそ華氏90〜100度、または摂氏32〜38度の温度において少なくとも45秒間の間、垂直面上での前記組成物の移動を防ぐのに十分な量の増粘剤とを含む、歯科用除痛用組成物。
【請求項11】
フッ化物をさらに含む、請求項10に記載の歯の露出した象牙質の処理に用いられる歯科用除痛用組成物。
【請求項12】
前記歯科用除痛用組成物は水溶液に含まれる、請求項10に記載の歯の露出した象牙質の処理に用いられる歯科用除痛用組成物。
【請求項13】
歯の露出した象牙質の処理に用いられる歯科用除痛用組成物であって、
35重量パーセントのメタクリル酸ヒドロキシエチルと、
5重量パーセントのグルタルアルデヒドと、
海草を原料とする寒天、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸塩、カラギーナン、セルロース誘導体、分泌ガム類(exudate gums)、例えばアラビアガム、トラガカントゴム、カラヤガム、ジェランガム、ゼラチン、微結晶性セルロース、コラーゲン、コンニャクガム、加工でんぷん、種子ガム、シリカ、ペクチン、キサンタンガム、ならびにカルボポール(carbopol)からなる群から選択される増粘剤とを含み、
該増粘剤は、およそ華氏90〜100度または摂氏32〜38度の温度において少なくとも45秒間の間、垂直面上での前記組成物の移動を防ぐために十分な量であり、
これにより、前記歯科用除痛用組成物が塗布された位置から移動するまたは流れるのを防ぐ、歯科用除痛用組成物。
【請求項14】
歯科用除痛用組成物およびディスペンサーであって、シリンジ本体、吐出終端、およびプランジャーを有するバルクシリンジと、
前記吐出終端に取り付けられる多孔性のアプリケーター終端を有する先端と、
6600〜9200センチポアズの範囲の粘性を有する歯科用除痛用組成物とを含み、
前記多孔性のアプリケーター終端は、該歯科用除痛用組成物がその内部を通過できるように十分な多孔性を有するよう構成される、歯科用除痛用組成物およびディスペンサー。
【請求項15】
該歯科用除痛用組成物は、
メタクリル酸のエステルと、
アルデヒドと、
増粘剤とを含む、請求項14に記載の歯科用除痛用組成物およびディスペンサー。
【請求項16】
該増粘剤は、海草を原料とする寒天、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸塩、カラギーナン、セルロース誘導体、分泌ガム類(exudate gums)、例えばアラビアガム、トラガカントゴム、カラヤガム、ジェランガム、ゼラチン、微結晶性セルロース、コラーゲン、コンニャクガム、加工でんぷん、種子ガム、シリカ、ペクチン、キサンタンガム、ならびにカルボポール(carbopol)からなる群から選択される、請求項15に記載の歯科用除痛用組成物およびディスペンサー。
【請求項17】
歯科用除痛用組成物を分注し、歯に塗布する方法であって、
6600〜9200センチポアズの範囲の粘性を有する歯科用除痛用組成物を、多孔性のアプリケーター終端を有するアプリケーター内に封入するステップと、
前記歯科用除痛用組成物を前記多孔性のアプリケーター終端から押し出すステップと、
前記歯科用除痛用組成物を前記多孔性のアプリケーター終端を用いて歯に塗布するステップとを含み、
これにより、前記歯科用除痛用組成物は前記多孔性のアプリケーター終端の内部を通過するのに十分な流動性を有し、周囲の軟部組織上に滴り落ちない、または流れ落ちないよう十分な粘性を有する、方法。
【請求項18】
歯科用除痛用組成物を使用して歯を処理する方法であって、6600〜9200センチポアズの範囲の粘性を有する前記歯科用除痛用組成物を前記歯に塗布するステップを含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の歯科用除痛用組成物を使用して歯を処理する方法であって、該塗布するステップは、アプリケーターを使用して前記歯科用除痛用組成物を塗布するステップを含む、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の歯科用除痛用組成物を使用して歯を処理する方法であって、該塗布するステップは、シリンジを使用して前記歯科用除痛用組成物を塗布するステップを含む、方法。
【請求項21】
前記歯科用除痛用組成物を60秒以内に前記歯から除去するステップをさらに含む、請求項18に記載の歯科用除痛用組成物を使用して歯を処理する方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−536154(P2009−536154A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505440(P2009−505440)
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/008877
【国際公開番号】WO2007/120679
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(591274495)セントリックス、インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】