説明

流路切り替え装置

【課題】 例えば水道水の水栓の給水管に設けられる浄水装置の原水と浄水との切り替えを簡易な構成で確実に行う流路切り替え装置を提供する。
【解決手段】 流路切り替え装置の装置本体が流体入口部から流入した流体を旋回させる旋回領域を備えた第1室10と、第1室と内部流路を介して連通された第2室20と、第1室内の流体の旋回流による負圧に応じて第1室から第2室への流体の流れを阻止する弁体40とを有し、第1室に旋回流を形成する旋回流形成手段が設けられ、第1流体出口部は第1室内の流体の旋回を阻害しない位置に設けられ、第2流体出口部22は第2室に設けられ、開閉バルブ開において装置本体内に流入した流体が旋回流による負圧で第1室から第2室に流入するのを弁体が防止しながら第1流体出口部から流出するとともに、開閉バルブ閉において内部流路を介して第2流体出口部から流出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入水した流体の流出口を出水要求に基づいて切り替える流路切り替え装置に関し、より好適には例えば水道水の水栓又は給水管に取り付けられる浄水装置に使用され原水と浄水とを切り替え可能とする流路切り替え装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水道水の水栓又は給水管に取り付けられ、原水と浄水との切り替えを可能とした浄水装置はすでに知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる特許文献1に記載の浄水装置は、浄水器に原水を導入する一次側流路と、浄水器から蛇口に至る二次側流路と、一次側流路から分岐して二次側流路に合流するバイパス流路と、分岐部に介在する流路切換遮断部と、二次側流路に介装された逆流阻止部とを備えている。そして、このような浄水装置の流路切り替え遮断部に使用する切り替えバルブには一般的に二方向弁が使用されている(例えば、特許文献2参照)。かかる特許文献2に記載の二方向弁は幅広の入口側開口部と幅狭の出口側開口部を有する内部流路を弁体に備えている。そして、弁体を摺動回転させて、第1流出状態においては内部流路を介して流体入口部を一方の流体出口側に連通させている。また、第2流出状態においては内部流路を介して流体入口部を他方の流体出口部に連通させている。
【特許文献1】特開2002−155555号公報(3−4頁、図1)
【特許文献2】実開平6−43435号公報(9−11頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した特許文献2に記載の二方向弁は、アクチュエータの動作に応じて弁体が摺動することで給水流体の流路を一方の流体出口側流路と他方の流体出口側流路に切り替える構成をとっている。すなわち、弁体自体が摺動して流体の流路を切り替えるようになっているので、流体の脈動などによる力を受け易く、この摺動部が磨耗していわゆるせりが生じて滑らかに摺動しなくなり、流路の切り替えを確実に行えなくなるおそれがある。また、停電時などにおいてアクチュエータが所定外の位置で停止すると、一方の流体出口側流路と他方の流体出口側流路との切り替えができないままとなり、二方向弁の破損につながることもある。
【0004】
また、かかる従来の流路の切り替えを行う切り替え弁はボールバルブやシリンダーバルブが一般的である。しかしながら、このような二方向切り替え弁は複雑な構造を有していることに加えて、ステッピングモーター等による角度制御が必須とされている。そのため、流路を切り替えるのに複雑な操作が必要となり、流路切り替え装置自体が大型化する。また、切り替え弁の駆動に外部アクチュエータを必要とし、外部アクチュエータの取り付け構造やシール構造が複雑となる。
【0005】
本発明の目的は、例えば水道水の水栓の給水管に設けられる浄水装置の原水と浄水との切り替えを簡易な構成で確実に行う流路切り替え装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明にかかる流路切り替え装置は、
流体入口部、第1流体出口部、及び第2流体出口部を有する装置本体と、前記第1流体出口部に接続された開閉バルブを有する流路切り替え装置において、
前記装置本体は前記流体入口部から当該装置本体内に流入した流体を旋回させる旋回領域を備えた第1室と、
前記第1室と内部流路を介して連通された第2室と、
前記第1室内の流体の旋回流による負圧に応じて前記第1室から第2室への流体の流れを阻止する弁体とを有し、かつ
前記第1室に旋回流を形成する旋回流形成手段が設けられるとともに、前記第1流体出口部は当該第1室内において流体の旋回を阻害しない位置に設けられ、
前記第2流体出口部は前記第2室に設けられ、
開閉バルブ開状態において前記流体入口部から装置本体内に流入した流体が旋回流による負圧によって前記第1室から第2室に流入するのを前記弁体が防止しながら第1流体出口部から流出するとともに、開閉バルブ閉状態において前記内部流路を介して第2流体出口部から流出することを特徴としている。
【0007】
開閉バルブを開状態とした時は、ナビエ・ストークス方程式の解で知られるように旋回流の中心付近に発生する負圧を利用して内部流路を閉じるように弁体を引っ張り、これによって第1室から第2室に流体が流れるのを防止して流体入口部から第1流体出口にのみ流体を流すようにする。
【0008】
また、開閉バルブを閉状態とした時は、弁体に作用する負圧の減少と流体入口部から第1室内に流入した流体の吐出圧によって内部流路を開くように弁体を移動させ、これによって流体入口部から内部流路を介して第2流体出口部にのみ流体を流すようにする。
【0009】
また、このような構造をとることで1つの開閉バルブの開閉すなわち1ヶ所のオンオフ制御で流体流出口の二方向切り替え可能な流路切り替え構造とすることができ、流路切り替え構造自体が簡単となる。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載された流路切り替え装置は、請求項1に記載の流路切り替え装置において、
前記流体入口部は流体が当該第1室の旋回領域の接線方向に流入するように前記旋回領域の中心軸線から偏倚して設けられるとともに、前記第1流体出口部は当該第1室内において旋回する流体が当該第1室の周壁に対して接線方向に流出するように前記旋回領域の中心軸線から偏倚して設けられたことを特徴としている。
【0011】
流体入口部と第1流体出口部を第1室のこのような位置に形成することで、特別な攪拌手段を設けることなく、流体入口部から第1室に流体が流入するだけで第1室内に旋回流が自然に生じるようになる。また、停電時において開閉バルブが自動的に開くようにすることで、停電時に第1流体出口部のみから流体が必ず流出するようにできる。
【0012】
また、本発明の請求項3に記載された流路切り替え装置は、請求項1又は請求項2に記載の流路切り替え装置において、
前記第1室側に前記弁体を押し付けて前記第1室から第2室への流体の流れを規制する付勢手段が設けられたことを特徴としている。
【0013】
かかる付勢手段を有することで、開閉バルブを開放状態とした時に、旋回流中心部の負圧と付勢手段の付勢力とが合わさって弁体を第1室側にしっかりと押し付けて内部流路を閉塞し、第1室から第2室に流体が流入するのを確実に防止する。
【0014】
また、本発明の請求項4に記載された流路切り替え装置は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の流路切り替え装置において、
前記内部流路が前記第1室における旋回領域の中心軸線上にあることを特徴としている。
【0015】
内部流路をこのような位置に形成することで、開閉バルブを開状態とした時に旋回流中心部からの負圧が内部流路を開閉する弁体に最大限作用するようにして弁体が内部流路をしっかりと閉じるようにする。
【0016】
また、本発明の請求項5に記載された流路切り替え装置は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の流路切り替え装置において、
前記内部流路の第2室側開口部には弁体着座部が備わり、当該弁体と着座部とが協働して前記第2室から第1室への流体の逆流を阻止するようになったことを特徴としている。
【0017】
弁体が内部流路の第2室側開口部に着座して内部流路を閉じるようになっているので、第2室側の流体が第1室側に逆流しようとしても、この流れに伴って弁体が押されて第2室側開口部に着座し、これによって弁体が内部流路を閉じて第2室から第1室への流体の逆流を防止する。
【0018】
また、流路切り替え装置内部に弁体逆流防止機構を有することで逆流防止弁を新たに設ける必要がない。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、例えば水道水の水栓の給水管に設けられる浄水装置の原水と浄水との切り替えを簡易な構成で確実に行う流路切り替え装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態にかかる流路切り替え装置について説明する。本発明の一実施形態にかかる流路切り替え装置1は、図1及び図2に示すように、例えば樹脂でできて内部が分離壁30で画成された第1室10と第2室20を有するハウジング(装置本体)1aと、ハウジング1aの第1室側に設けられた流体入口部11及び第1流体出口部12と、ハウジング1aの第2室側に設けられた第2流体出口部22と、分離壁30の略中心部に形成され、第1室10と第2室20と連通する内部流路31(図2参照)と、圧縮スプリング45によって第2室側から第1室側に付勢され、内部流路31を通る流体の流量を制限する弁体40と、第2流体出口部の下流側に設けられた開閉バルブ50(図2参照)を備えている。
【0021】
第1室10はハウジング内部下方において平たい円柱状の空間をなす旋回領域として形成され、流体入口部11が第1室10の底部付近でこの第1室10の半径方向一側の周壁において流体の進入方向が周壁の接線方向に向くように設けられている。また、第1流体出口部12は、第1室10の中心部に対して流体入口部11と同様に半径方向一側の周壁部に偏倚して備わっている。なお、第1流体出口部12は、流体入口部11よりも分離壁30に近い第1室上部の周壁に設けられている。そして、第1流体出口部12の流体流出方向は、流体入口部11と同様に第1室の周壁の接線方向となるように設けられている。
【0022】
このようにして、開閉バルブ50が開放された場合に流体入口部11から第1室の旋回領域の接線方向から流入した流体は、第1室内で旋回しながら上昇し、第1流体出口部12からこの旋回領域の接線方向に流出する。これによって第1室内では第1室10の中心軸線まわりに流体の旋回流(渦)が発生し、この第1室10における旋回流の中心部の上方領域がその周囲領域や第2室20よりも圧力が低下して負圧となる。
【0023】
第1流体出口部12からは、図2及び図3に示すように、第1流体出口流路13が延在形成され、この第1流体出口流路13の一部にこの流路の開閉を行う開閉バルブ50が備わっている。なお、開閉バルブ50は、例えばソレノイドなどのアクチュエータと、これによって駆動されるバルブからなる。
【0024】
第2室20は第1室10と同じように平たい円柱状の空間をなす旋回領域として形成されている。また、第2流体出口部22は本実施形態の場合、第1流体出口部12と同様の向きで第1流体出口部12の上方であって第2室20の周壁に設けられている。なお、第2流体出口部22は本実施形態の場合、常時開放されており、特別な開閉バルブなどを有していない。
【0025】
また、第1室10と第2室20は上述したように分離壁30で画成され、分離壁30の中心部分、すなわち上述した第1室10の旋回領域の中心軸線に対応する位置に第1室10と第2室20を連通する内部流路31が備わるとともに、この内部流路を通る流体の流れを規制する弁体40が備わっている。
【0026】
ここで、この内部流路31は本実施形態の場合、第1室10と第2室20を仕切る分離壁30に開口した連通部を指しているが、第1室と第2室がある程度離間して形成され、この間を連通する連通路も内部流路として当然に含むものとする。
【0027】
なお、内部流路31の第2室側開口部には、弁体40が着座する着座部32が形成されるとともに、弁体40の上方には弁体40を上下方向移動可能に支持する弁体支持部34(図1参照)が備わっている。そして、弁体支持部34と弁体40の間には圧縮スプリングが介装され、この圧縮スプリング45によって弁体40は内部流路31の第1室側に向かって着座部32に押し付けられるようになっている。
【0028】
なお、圧縮スプリング45の付勢力は、開閉バルブ50が開の場合に第1室10で生じた旋回流の負圧による弁体40への引っ張り力と合わさって、第1室10から第2室20への流体の流入を阻止するのに十分な付勢力であることに加えて、開閉バルブ50が閉止した場合に、第1室10内の流体を第2室20に流入させるように弁体40が移動するのを阻止しない程度の付勢力となっている。
【0029】
続いて、上述した構成を有する流路切り替え装置1の作用(動作)について説明する。最初に流体入口部11から第1流体出口部12に流体を流す場合について説明する。図2に示すように、まず、開閉バルブ50を開くことで、流体入口部11から第1室10の周壁に対して接線方向に流入した流体は、第1室の旋回領域で旋回するとともに上昇し、第1室10の第1流体出口部12から開閉バルブ50を通って流出する。この場合、この流体の旋回によって、第1室内には第1室10の旋回領域の中心軸線回りに流体の旋回流が発生し、この旋回流中心部上方の圧力がナビエ・ストークス方程式の解で知られるように周辺部分や第2室20に比べて低下する(図4(a)及び図4(c)の実線参照)。
【0030】
弁体40はもともと圧縮スプリング45によって内部流路31を狭めるように第1室側に付勢されているが、この負圧がさらに作用することで内部流路31の第2室側開口部に形成された着座部32に押し付けられる。これによって、内部流路31は完全に閉じられ、開閉バルブ50を開いている状態では流体が第1室10から第2室20に流入することはなくなる。
【0031】
続いて、流体入口部11から第2流体出口部22に流体を流す場合について説明する。開閉バルブ50を閉じると、流体入口部11から第1室10に流入した流体はやはり第1室内で旋回するが、この流体は第1流体出口部12からは流出できなくなるので、第1室内での旋回流のでき方が開閉バルブ開の場合と比べて不十分となる(図4(b)の点線及び図4(c)の点線参照)。これによって、旋回流中心部上方の圧力が開閉バルブ開の場合ほど低下しなくなり、第2室20や周辺部に比べてわずかな負圧が生じるだけとなる。これによって、弁体40が第2室側に移動しやすくなり、第1室内に流入した流体がその吐出圧により弁体40を押し上げて弁体40を第2室側に移動させると内部流路31の第2室側開口部を開く。そして、第1室内の流体は第2室20に流入するとともに第2流体出口部22から流出する。
【0032】
以上の説明から明らかなように、この流路切り替え装置1は装置内部の第1室10において生じる流体の旋回流中心部の負圧によって弁体40を移動させる構成を有しており、従来の二方向弁のように外部のアクチュエータとこれと連動した摺動部を有する弁体を備えていない。そのため、従来の二方向弁のように長期間の使用に伴って弁軸や弁体などの摺動部に流体からの力が作用し続けることでこの摺動部にいわゆるせりが生じてバルブ開閉ができなくなるようなことはない。また、停電時に開閉バルブ50が自然に開くようにしておけば、流体入口部11から流入した流体は必ず第1流体出口部12から流出するようになる。従って、このような停電時においては第1室流体出口部12から流体が流出する場合の安全性を確保しておけば、フェールセーフを実現できる。
【0033】
なお、弁体40は内部流路31の第2室側開口部に形成された着座部32に着座して内部流路31を閉じるようになっているので、第2室側の流体が第1室側に逆流しようとしても、この流れに伴って弁体40が押されて着座部32に着座し、これによって弁体40が内部流路31を閉じて第2室20から第1室10への流体の逆流を防止することができる。
【0034】
以上の流路切り替え装置1は、例えば水栓の給水部に設けた浄水装置の切り替えバルブに適用可能である。具体的には、例えば、流体入口部11に水道水の原水を流入させ、第1流体出口部12から流出した原水はそのまま水栓に給水されるようにする。一方、第2流体出口部22から流出した原水は活性炭などを備えた浄水装置に流入して浄水として水栓から流出するようにする。これによって、流体入口部から流入される原水をそのまま水栓から流出させるか、浄水として水栓から流出させるかの切り替えをこの簡易な構成の流路切り替え装置で行うことができるようになる。また、このような構成をとることで、停電時においては原水が第1流体出口部12からそのまま流出するようにすれば、フェールセーフを確保できる。
【0035】
以上説明した流路切り替え装置の流体入口部と第1流体出口部が設けられる位置は上述の実施形態の位置に限定されず、開閉バルブが開いている際に流体入口部から流入する流体が第1流体出口部から流出する間に第1室で旋回流を発生し、この旋回流による旋回流上方の圧力低下で弁体が内部流路をしっかりと閉じることができれば、どのような位置に形成されていても良い。
【0036】
また、第1室は流体の旋回流を生じさせることができればその旋回領域の軸線方向と直交するする断面視で必ずしも周縁円形を有する必要はなく、断面視で周縁楕円形や周縁トラック形状を有していても良い。
【0037】
また、弁体には上述の実施形態のようにスプリングを必ずしも備える必要はないが、スプリングを有することで開閉バルブを開放した際の弁体による第1室から第2室への流体の流れをより確実に阻止できる。
【0038】
また、スプリングは上述の実施形態のように圧縮スプリングとして第2室から第1室に向かって弁体を付勢する構造とする必要は必ずしもなく、板バネやベローズによって第2室から第1室に向かって弁体を付勢する構造としても良い。また、一端を分離壁に取り付け、他端を弁体に取り付けた引っ張りスプリングによって弁体を第2室から第1室に向かうように付勢する構造としても良い。
【0039】
また、開閉バルブを開いた状態で弁体が第1室側に移動して第1室内の流体が第2室に流入できないようにすれば、弁体は必ずしも第1室の中心軸線上に備わっている必要はなく、中心軸線上から偏倚して備わっていても良い。
【0040】
また、ハウジングの外径は、本実施形態のように両端部の塞がった円筒形状を必ずしも備える必要はない。すなわち、例えばハウジングの外形が直方体であっても、第1室内で流体の旋回流が生じるように第1室が形成されていればハウジングの外形形状はどのようなものであっても良い。
【0041】
また、ハウジングや弁体、圧縮スプリングの材質は、本発明の作用を発揮するものであれば、樹脂材、金属等様々な材質を用いることができる。
【0042】
また、第1室に流体の旋回流を生じさせる羽根と駆動部を備えた特別な旋回手段を流路切り替え装置に設けても良い。この場合、本実施形態のように、流体が第1室内で旋回流を生じさせる位置に流体入口部と第1流体出口部を特別に形成する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態にかかる流路切り替え装置の概略構造を透過的に示す斜視図である。
【図2】図1に示した流路切り替え装置において開閉バルブを開状態にした時の概略構造を示す断面図である。
【図3】図1に示した流路切り替え装置において開閉バルブを閉止状態とした時の概略構造を示す断面図である。
【図4】図2と図3に示した流路切り替え装置の弁体に作用する圧力を分かりやすく対比した説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1 流路切り替え装置
1a ハウジング(装置本体)
10 第1室
11 流体入口部
12 第1流体出口部
13 第1流体出口流路
20 第2室
22 第2流体出口部
30 分離壁
31 内部流路
32 着座部
34 弁体支持部
40 弁体
45 圧縮スプリング
50 開閉バルブ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体入口部、第1流体出口部、及び第2流体出口部を有する装置本体と、前記第1流体出口部に接続された開閉バルブを有する流路切り替え装置において、
前記装置本体は前記流体入口部から当該装置本体内に流入した流体を旋回させる旋回領域を備えた第1室と、
前記第1室と内部流路を介して連通された第2室と、
前記第1室内の流体の旋回流による負圧に応じて前記第1室から第2室への流体の流れを阻止する弁体とを有し、かつ
前記第1室に旋回流を形成する旋回流形成手段が設けられるとともに、前記第1流体出口部は当該第1室内において流体の旋回を阻害しない位置に設けられ、
前記第2流体出口部は前記第2室に設けられ、
開閉バルブ開状態において前記流体入口部から装置本体内に流入した流体が旋回流による負圧によって前記第1室から第2室に流入するのを前記弁体が防止しながら第1流体出口部から流出するとともに、開閉バルブ閉状態において前記内部流路を介して第2流体出口部から流出することを特徴とする流路切り替え装置。
【請求項2】
前記流体入口部は流体が当該第1室の旋回領域の接線方向に流入するように前記旋回領域の中心軸線から偏倚して設けられるとともに、前記第1流体出口部は当該第1室内において旋回する流体が当該第1室の周壁に対して接線方向に流出するように前記旋回領域の中心軸線から偏倚して設けられたことを特徴とする、請求項1に記載の流路切り替え装置。
【請求項3】
前記第1室側に前記弁体を押し付けて前記第1室から第2室への流体の流れを規制する付勢手段が設けられたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の流路切り替え装置。
【請求項4】
前記内部流路が前記第1室における旋回領域の中心軸線上にあることを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の流路切り替え装置。
【請求項5】
前記内部流路の第2室側開口部には弁体着座部が備わり、当該弁体と着座部とが協働して前記第2室から第1室への流体の逆流を阻止するようになったことを特徴とする。請求項1乃至請求項4の何れかに記載の流路切り替え装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−265838(P2006−265838A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−81284(P2005−81284)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】