説明

浴室暖房乾燥機

【課題】浴室の天井又は側壁に設置した浴室暖房乾燥機において、浴室内で効率よく衣類を乾燥させることができる浴室暖房乾燥機を提供することを目的としている。
【解決手段】浴室暖房乾燥機本体2から浴室内に温風を吹出す本体吹出口10と、本体吹出口10とは別に、浴室暖房乾燥機本体2に温風を吹出す開口22を備え、その開口22と被乾燥物を干す物干具18の風路a23を連結し、風路a23と連通している物干具吹出口20から温風を吹出し、物干具18に掛けられた衣類21にその温風を当てることにより、衣類21を効率良く乾燥させることとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の天井又は側壁に設置し、浴室内での衣類乾燥を行う浴室暖房乾燥機に関する。なお、以下、熱源としてガスあるいは石油をエネルギー源とする熱源機により空気を加熱するものを例にとって説明するが、熱源としてヒーターにより空気を加熱する電気式のものも本発明の対象である。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の浴室暖房乾燥機は、下記に記載されたものが知られている。
【0003】
以下、その浴室暖房乾燥機について図9を参照しながら説明する。浴室暖房乾燥機は、浴室100の天井または壁面に設置されるが、図9は浴室暖房乾燥機を天井に設置した浴室の状態を模式的に示す図である。
【0004】
図9に示すように、浴室暖房乾燥機本体101には、浴室100内の空気を吸引する循環用ファン102と、浴室内の空気を吸込む本体吸込口103と、浴室外に設けられた熱源機104と、前記熱源機104と本体101とを接続して前記熱源機104から温水を前記本体101へ送る往流路105と前記本体101から前記熱源機104へ温水を戻す復流路106と、前記往流路105と本体101間とに設けられた熱動弁107と、前記本体吸込口103から吸込んだ浴室内の空気に熱を伝える熱交換器108と、浴室内に温風を吹出す本体吹出口109と、前記本体吸込口103から吸込んだ浴室内の湿った空気を排気ダクト110を経由して屋外に排気(換気)する換気用ファン111と、排気ダクト110への風路を制御する換気用ダンパー112と、浴室の一部として浴室壁面間を掛け渡すように備えられた物干具113と、が配置されており、物干具に掛けられた衣類114aまたは衣類114bの乾燥が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−314700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の浴室暖房乾燥機の場合、浴室内の温風の吹出しは、天井に設けられた本体吹出口109からであり、また換気用ファン111によって排気ダクト110を経由して浴室内の湿った空気を屋外に排気する本体吸込口103も天井に設けられているため、本体吹出口109から吹出された温風が衣類114aの上方に当たってショートパス現象が発生しやすく、衣類114aの場所によって温風が当たる部分と当たらない部分との衣類114aの乾燥ムラが生じてしまう。
【0006】
また、温風が当たりやすい場所に掛けた衣類114aと温風が当たりにくい場所に掛けた衣類114bとの物干具113に掛ける衣類の場所によって、乾燥ムラが生じてしまい、物干具113に掛けられた位置の異なる衣類114aと衣類114bとを均一に乾かすまでに時間がかかり、衣類乾燥に要するエネルギーが多くなる。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するためのものであり、浴室内で効率よく衣類を乾燥させることができる浴室暖房乾燥機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の浴室暖房乾燥機は、上記の目的を達成するために、浴室の天井又は側壁に設置される浴室暖房乾燥機であって、浴室暖房乾燥機本体と前記本体から浴室内に温風を吹出す本体吹出口と前記本体吹出口とは別に本体に設けられた温風を吹出すための開口と被乾燥物を干す物干具を備え、前記物干具は風路と前記風路の接続口と前記風路に連通する物干具吹出口を備え、前記開口と前記接続口とを連結する連結手段とを備えたものである。前記接続口とを連結する連結手段とを備えたものである。
【0009】
この手段により、前記物干具吹出口から吹出された温風を前記物干具に掛けられた衣類などの被乾燥物に効率よく当てることができる浴室暖房乾燥機が得られる。
【0010】
また、本発明の浴室暖房乾燥機は、上記の目的を達成するために、開口と接続口とを風量調節手段を介して連結することである。
【0011】
この手段により、前記物干具吹出口から吹出される風量を調整し、前記物干具に掛けられた衣類などの被乾燥物の乾燥度合い、濡れ度合い、濡れのバラツキ、乾燥のバラツキに応じて温風を吹出し、効率よく衣類などの被乾燥物の乾燥ができる浴室暖房乾燥機が得られる。
【0012】
また、本発明の浴室暖房乾燥機は、上記の目的を達成するために、物干具は、前記物干具の長手方向の中心軸を中心に回転するようにしたものである。
【0013】
この手段により、前記物干具の長手方向の中心軸を中心に前記物干具吹出口から、回転しながら放射状に温風が吹出され、前記物干具に干された、掛けられた衣類などの被乾燥物に万遍なく温風が当たり、衣類などの被乾燥物の乾燥ムラを抑制し、効率よく衣類乾燥ができる浴室暖房乾燥機が得られる。
【0014】
また、本発明の浴室暖房乾燥機は、上記の目的を達成するために、物干具吹出口を遮蔽する風路遮蔽手段を備えたことである。
【0015】
この手段により、物干具に掛けられた衣類などの被乾燥物以外に吹出す温風を遮り、前記物干具吹出口から被乾燥物の方向、任意の方向に適切に温風を吹出し、効率よく衣類などの被乾燥物の乾燥ができる浴室暖房乾燥機が得られる。
【0016】
また、本発明の浴室暖房乾燥機は、上記の目的を達成するために、物干具吹出口を複数備え、前記物干具吹出口が接続口から離れるにしたがい、前記物干具吹出口の開口面積を大きくするようにしたことである。
【0017】
この手段により、前記物干具吹出口から吹出される風量を、前記物干具吹出口全てで均一にし、衣類などの被乾燥物の濡れのバラツキ、乾燥のバラツキ、衣類と衣類との乾燥ムラを抑え、効率よく衣類などの被乾燥物を乾燥させることができる浴室暖房乾燥機が得られる。
【0018】
また、本発明の浴室暖房乾燥機は、上記の目的を達成するために、物干具を断熱構造としたことである。
【0019】
この手段により、前記物干具吹出口から吹出される温風の温度低下を抑制することができ、また、複数の物干具吹出口から吹出される風、温風の温度を均一化し、物干し具に干された衣類などの被乾燥物の乾燥ムラを少なくすることができる浴室暖房乾燥機が得られる。
【0020】
また、本発明の浴室暖房乾燥機は、上記の目的を達成するために、前記風路とは別の流路を備えたことである。
【0021】
この手段により、前記流路に温水を流し、前記風路を温め、前記物干具吹出口から温風を吹出すことができる浴室暖房乾燥機が得られる。
【0022】
また、本発明の浴室暖房乾燥機は、上記の目的を達成するために、衣類などの被乾燥物を掛けるための引掛部を設けたことである。
【0023】
この手段により、前記物干具に掛けた衣類などの被乾燥物の落下を防止することができる浴室暖房乾燥機が得られる。
【0024】
また、本発明の浴室暖房乾燥機は、上記の目的を達成するために、被乾燥物の水分の蒸発を検知する湿度センサーを備えたことである。
【0025】
この手段により、被乾燥物の水分の蒸発を検知、水分の蒸発量・蒸発度合いを検知することで、衣類などの被乾燥物の乾燥の度合いを認知し、乾燥度合いに応じて前記物干具吹出口から吹出される温風量と温風温度とを制御することにより、衣類などの被乾燥物の乾燥に要する消費エネルギーを抑えることができる浴室暖房乾燥機が得られる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、浴室内で効率よく衣類を乾燥させることができる浴室暖房乾燥機を提供できる。
【0027】
また、前記物干具が温風によって加熱されることがなく、安全性の高い浴室暖房乾燥機を提供できる。
【0028】
また、衣類の乾燥度合いに応じて適切な温風を浴室内に提供できる省エネルギーな浴室暖房乾燥機を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の請求項1記載の浴室暖房乾燥機は、浴室の天井又は側壁に設置される浴室暖房乾燥機であって、浴室暖房乾燥機本体と前記本体から浴室内に温風を吹出す本体吹出口と前記本体吹出口とは別に本体に設けられた温風を吹出すための開口と被乾燥物を干す物干具を備え、前記物干具は風路と前記風路の接続口と前記風路に連通する物干具吹出口を備え、前記開口と前記接続口とを連結する連結手段とを備えたことを特徴とする浴室暖房乾燥機であり、前記物干具吹出口から吹出された温風を前記物干具に掛けられた衣類などの被乾燥物に効率よく当てて、浴室内で衣類などの被乾燥物を効率よく乾燥させることとができる。
【0030】
本発明の請求項2記載の浴室暖房乾燥機は、開口と接続口とを風量調節手段を介して連結することを特徴とする請求項1記載の浴室暖房乾燥機であり、前記物干具吹出口から吹出される風量を調整し、前記物干具に掛けられた衣類などの被乾燥物の乾燥度合い、濡れ度合い、濡れのバラツキ、乾燥のバラツキに応じて温風を吹出し、効率よく衣類などの被乾燥物を乾燥させることができる。
【0031】
本発明の請求項3記載の浴室暖房乾燥機は、物干具は、前記物干具の長手方向の中心軸を中心に回転するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の浴室暖房乾燥機であり、前記物干具の長手方向の中心軸を中心に前記物干具吹出口から回転しながら放射状に温風が吹出され、前記物干具に干された、掛けられた衣類などの被乾燥物に万遍なく温風が当たり、衣類などの被乾燥物の乾燥ムラを抑制し、効率良く衣類などの被乾燥物が乾燥されることとなる。
【0032】
本発明の請求項4記載の浴室暖房乾燥機は、物干具吹出口を遮蔽する風路遮蔽手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の浴室暖房乾燥機であり、前記物干具に掛けられた衣類などの被乾燥物以外に吹出す温風を遮り、前記物干具吹出口から被乾燥物の方向、任意の方向に適切に温風を吹出し、効率よく衣類などの被乾燥物の乾燥ができるという作用を有する。
【0033】
本発明の請求項5記載の浴室暖房乾燥機は、物干具吹出口を複数備え、前記物干具吹出口が接続口から離れるにしたがい、前記物干具吹出口の開口面積を大きくするようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の浴室暖房乾燥機であり、前記物干具吹出口から吹出される風量を、前記物干具吹出口全てで均一にし、衣類などの被乾燥物の濡れのバラツキ、乾燥のバラツキ、衣類と衣類との乾燥ムラを抑え、効率よく衣類などの被乾燥物を乾燥させることができるという作用を有する。
【0034】
本発明の請求項6記載の浴室暖房乾燥機は、前記物干具を断熱構造としたことを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の浴室暖房乾燥機であり、物干具からの放熱による物干具吹出口から吹出される温風の温度低下を抑制することができ、また、複数の物干具吹出口から吹出される風、温風の温度を均一化し、物干し具に干された衣類などの被乾燥物の乾燥ムラを少なくすることができるという作用を有する。
【0035】
本発明の請求項7記載の浴室暖房乾燥機は、前記風路とは別の流路を備えたことを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の浴室暖房乾燥機であり、前記流路に温水を流し、前記風路を温め、前記物干具吹出口から温風を吹出すことができ、効率よく衣類などの被乾燥物を乾燥させることができるという作用を有する。
【0036】
本発明の請求項8記載の浴室暖房乾燥機は、衣類などの被乾燥物を掛けるための引掛部を設けたことを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の浴室暖房乾燥機であり、前記物干具に掛けた衣類などの被乾燥物の落下を防止することができるという作用を有する。
【0037】
本発明の請求項9記載の浴室暖房乾燥機は、被乾燥物の水分の蒸発を検知する湿度センサーを備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の浴室暖房乾燥機であり、被乾燥物の水分の蒸発を検知、水分の蒸発量・蒸発度合いを検知することで、衣類などの被乾燥物の乾燥の度合い、濡れ度合いを認知し、衣類の乾燥度合い、濡れ度合いに応じて前記物干具吹出口から吹出される温風量と温風温度とを制御することにより、衣類などの被乾燥物の乾燥に要する消費エネルギーを抑えることができるという作用を有する。
【0038】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0039】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態における浴室暖房乾燥機の構成を示す図である。図1に示すように、浴室1の天井又は側壁に設置される浴室暖房乾燥機であって、浴室暖房乾燥機本体2と、前記浴室暖房乾燥機本体2から浴室内に温風を吹出す本体吹出口10と、前記本体吹出口10とは別に浴室暖房乾燥機本体2に設けられた温風を吹出すための開口22と、接続口16と前記接続口16と繋がる風路と前記風路と繋がる物干具吹出口20とを備えた衣類などの被乾燥物を掛けることができる物干具18と、前記接続口16と前記開口22とを連結する連結手段(後述するダクト17)と、を備えたことを特徴とする浴室暖房乾燥機であり、前記物干具吹出口20から吹出された温風を前記物干具18に掛けられた衣類などの被乾燥物に効率よく当てることができるという作用を有する。浴室暖房乾燥機は、浴室1内の天井に設置されていて、前記浴室暖房乾燥機本体2には浴室内の空気を吸引する循環用ファン3と、浴室内の空気を吸込む本体吸込口4と、浴室外に設けられた熱源機5と、熱源機5と浴室暖房乾燥機本体2とを接続している往流路6と復流路7と、往流路6と浴室暖房乾燥機本体2間とに設けられた熱動弁8と、本体吸込口4から吸込んだ浴室内の空気に熱を伝える熱交換器9と、浴室内に温風を吹出す本体吹出口10と、排気ダクト11を経由して浴室内の空気を屋外に排気(換気)する換気用ファン12と、本体吹出口10から浴室1内への風量を調節する本体吹出口ダンパー13と、排気ダクト11への風量を調節する換気用ダンパー14と、前記本体吹出口10とは別に本体に設けられた温風を吹出すための開口22と、接続口16と物干具吹出口20とを有する衣類を掛けることができる物干具18と、前記開口22と前記接続口16とを接続するダクト17を設け、ダクト17に前記開口22から吹出す温風量を風量調節ダンパー19を設ける。
【0040】
上記構成において、前記往流路6を通って、前記浴室暖房乾燥機本体2の運転に伴い稼働する前記熱動弁8を経由して、前記熱交換器9を通過し、前記復流路7を通って前記熱源機5に戻る前記熱源機5で加熱された温水、例えば、80℃の温水によって、前記循環用ファン3で前記本体吸込口4より吸引した前記浴室1内の空気と前記熱交換器9内の温水とを熱交換し、前記本体吹出口ダンパー13を調節し、前記風量調節ダンパー19を調節することによって、浴室暖房乾燥機本体2からの温風は風路a23または風路b24で示すように前記物干具吹出口20より浴室内に温風が吹出される。また、浴室内の湿った空気は風路d26で示すように、前記換気用ファン12によって前記排気ダクト11を経由して浴室外に排気される。
【0041】
また、前記風量調節ダンパー19を調節し、前記本体吹出口ダンパー13を調節することによって、本体2からの温風は風路c25で示すように前記本体吹出口10より浴室内に温風が吹出されるので、使用者の用途に合わせて前記風路a23または前記風路b24、または前記風路c25に示すように温風を浴室内に吹出すことができ、使用者の用途に合わせて浴室内に温風を吹出すことができる。
【0042】
また、前記風量調節ダンパー19を調節し、前記風路a23と前記風路b24に示される温風の吹出し風量を調節することで、衣類21の乾く度合いに応じて、乾きにくいものを風量の多い側へ、乾きやすいものを風量の少ない側へ配置することで、適切な風量を各々の衣類21に吹出し、各々の衣類21の乾燥ムラを抑制し、効率よく衣類を乾燥することができる。
【0043】
なお、実施の形態1では、前記接続口16を前記物干具18の両端に設けたが、前記接続口16は前記物干具18の任意の場所に設けてもよく、前記接続口16はいくつでもよい。
【0044】
従って、本実施の形態により、効率よく衣類の乾燥を行うことができる浴室暖房乾燥機を提供できる。
【0045】
(実施の形態2)
実施の形態1と同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図2は本発明の実施の形態における浴室暖房乾燥機の構成を示す図である。本実施の形態では、前記接続口16にモーター27を設け、前記モーター27によって、前記物干具18が長手方向の中心軸を中心にして回転できるよう、構成する。実施の形態1と同一部分は同一番号を付し詳細な説明は省略する。
【0046】
上記構成において、物干具18の長手方向の中心軸を中心に、物干具18のの回転にしたがい、物干具吹出口20も回転し、物干具吹出口20から回転しながら放射状に温風が吹出され、被乾燥物の衣類21に万遍なく、温風が当たり、衣類の乾燥ムラがなく、効率良く衣類21が乾燥されることとなる。
【0047】
従って、本実施の形態により、物干具に掛けられた衣類の乾燥ムラを抑制し、効率よく衣類乾燥ができる浴室暖房乾燥機を提供することができる。
【0048】
(実施の形態3)
実施の形態1、2と同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図3は本発明の実施の形態における浴室暖房乾燥機の構成を示す図である。
【0049】
本実施の形態では、物干具吹出口20を遮蔽する風路遮蔽手段として、モーター27によって、物干具18の長手方向の中心軸を中心に回転することができる風路遮蔽パネル28を前記物干具18の風路に設け、構成する。
【0050】
上記構成において、モーター27により風路遮蔽パネル28が物干具18の風路a23内で回転すると、物干具吹出口20が遮蔽され、物干具18に掛けられた衣類などの被乾燥物の方向以外に吹出す温風を遮り、物干具吹出口20から物干具18に掛けられた衣類などの被乾燥物の方向に、任意の方向に温風が吹出される。
【0051】
従って、本実施の形態により、衣類などの被乾燥物の方向に温風が吹出され、無駄なく効率よく衣類乾燥ができる浴室暖房乾燥機を提供することができる。
【0052】
(実施の形態4)
実施の形態1乃至3と同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図4は本発明の実施の形態における浴室暖房乾燥機の構成を示す図である。本実施の形態では、物干具吹出口20が接続口16から距離が離れるにしたがい、物干具吹出口20と接続口16との間隔が広くなるにしたがい、物干具吹出口20の開口面積を広くし、形状を大きく構成する。
【0053】
上記構成において、物干具吹出口20が接続口16から距離が離れるにしたがい、圧力損失が生じるが、接続口16から離れた物干具吹出口20の開口面積を広く、大きくすることで、その生じた圧力損失を解消し、物干具吹出口20に均一に風圧がかかるため、前記物干具吹出口20より均一な温風が吹出されることとなる。
【0054】
したがって、本実施の形態により、物干具吹出口20から吹出される風量を、物干具吹出口20全てで均一にし、物干具18に干された、掛けられた衣類などの被乾燥物の濡れのバラツキ、乾燥のバラツキ、衣類と衣類との乾燥ムラを抑え、効率よく均一に衣類などの被乾燥物を乾燥させることができる浴室暖房乾燥機を提供できる。
【0055】
(実施の形態5)
図5は本発明の実施の形態における浴室暖房乾燥機の構成を示す図である。実施形態1〜4と同一部分は同一番号を付し詳細な説明は省略する。本実施の形態では、前記物干具18内に断熱材29を設けた断熱構造として構成する。断熱材29としては、断熱できれば良く、例えば発泡ポリエチレンなどがある。
【0056】
上記構成において、物干具18からの放熱、熱伝導に伴う温風の温度低下を防止し、物干具吹出口20から均一の温度で温風を吹出し、物干具吹出口20同士の温風の温度差を防止する。また、前記物干具18内の温風の熱伝導によって加熱される物干具18の表面温度の上昇を抑制する。
【0057】
従って、本実施の形態により、物干具吹出口20から吹出される温風の温度を維持し、均一の温度で温風を吹出し、衣類などの被乾燥物の乾燥ムラを抑制して、効率良く均一に衣類などの被乾燥物の乾燥、および衣類などの被乾燥物の乾燥に要する消費エネルギーを抑制することができる。
【0058】
(実施の形態6)
図6は本発明の実施の形態における浴室暖房乾燥機の構成を示す図である。実施形態1〜5と同一部分は同一番号を付し詳細な説明は省略する。本実施の形態では、前記風路とは別の流路30を備え、構成する。
【0059】
上記構成において、流路30に温水を流し、風路a23を温め、物干具吹出口20から温風を吹出すことができる浴室暖房乾燥機が得られる。
【0060】
従って、本実施の形態により、温風の熱量のロスを抑制し、効率よく衣類を乾燥させる浴室暖房乾燥機を提供することができる。
【0061】
(実施の形態7)
図7は本発明の実施の形態における浴室暖房乾燥機の構成を示す図である。本実施の形態では、物干具18に衣類21を吊るすための物干具引掛部31を前記物干具18を加工し設け、構成する。実施形態1〜6と同一部分は同一番号を付し詳細な説明は省略する。
【0062】
上記構成において、前記物干具18の物干具引掛部31にハンガー32を用いて、衣類を掛ける。もちろん、ハンガー32のように衣類を掛ける道具なら何を用いて衣類を掛けてもよい。
【0063】
従って、本実施の形態により、衣類などの被乾燥物の乾燥効率を高め、また衣類などの被乾燥物の落下を防止することができる浴室暖房乾燥機を提供できる。
【0064】
なお、本実施の形態7では、前記物干具18を加工し前記物干具引掛部31を設けたが、衣類を掛けるためのリングなどを前記物干具18に備えても良く、衣類などの被乾燥物の乾燥効率を高め、また衣類などの被乾燥物の落下を防止することができる浴室暖房乾燥機を提供することができる。
【0065】
(実施の形態8)
図8は本発明の実施の形態における浴室暖房乾燥機の構成を示す図である。実施形態1〜7と同一部分は同一番号を付し詳細な説明は省略する。本実施の形態では、物干具18に衣類水分の蒸発を検知する湿度センサー33を設け、構成する。
【0066】
上記構成において、本発明の浴室暖房乾燥機における動作を説明する。物干具18に掛けられた衣類21の水分の蒸発を、物干具18に設けられた湿度センサー33によって検知し、検知された湿度センサー33の値に応じて、物干具吹出口20から吹出される風量と熱源機5で加熱される温水の温度とを制御し、適切な温風を物干具18に掛けられた衣類21に前記物干具吹出口20より吹出す。濡れた状態のときは、蒸発量が多く、湿度が高くなり、その高湿度時、例えば湿度80〜100%RH時には、温風の温度を高く、風量を多くして、乾燥を早め、乾燥が進むと、蒸発量が少なくなり、湿度が低くなるが、その湿度が低くなった時、例えば、湿度70%RHに低下した時には、温風の温度を下げ、更に、乾燥が進み、低湿度時、例えば湿度50%RHに低下時には、風量を少なくし、省エネルギーにて、衣類などの被乾燥物の乾燥を行うものである。なお、上記湿度と温風温度、温風量との関係は、上記に限定するものでなく、乾燥時間、乾燥量、季節などの条件によって、適宜設定すれば良いことはいうもでもない。また、湿度センサー33は、衣類などの被乾燥物の雰囲気湿度が検出、検知できれば良く、例えば、高分子膜湿度センサーなどがある。本実施例では、湿度センサー33を物干具18に設けたが、特にこれに限定するものでなく、例えば、物干具18から20mm〜100mm程度離れた上方に設けるなど、衣類などの被乾燥物の蒸発水分の雰囲気湿度が検出、検知できれば良い。
【0067】
従って、本実施の形態により、水分の蒸発を検知、水分の蒸発量・蒸発度合いを検知することで、衣類などの被乾燥物の乾燥の度合い、濡れ度合いを認知し、衣類の乾燥度合い、濡れ度合いに応じて物干具吹出口から吹出される温風量と温風温度とを制御することにより、衣類などの被乾燥物の乾燥に要する消費エネルギーを抑制した浴室暖房乾燥機を提供することができる。
【0068】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の浴室暖房乾燥機は、ユニットバスや衣類乾燥室に、同様の構成を設けることで、効率のよい衣類の乾燥を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施の形態1の浴室暖房乾燥機を示す構成図
【図2】同実施の形態2の浴室暖房乾燥機を示す構成図
【図3】同実施の形態3の浴室暖房乾燥機を示す構成図
【図4】同実施の形態4の浴室暖房乾燥機を示す構成図((a)は斜視図、(b)はA−A’断面図)
【図5】同実施の形態5の浴室暖房乾燥機を示す構成図
【図6】同実施の形態6の浴室暖房乾燥機を示す構成図((a)は斜視図、(b)は物干具の拡大図)
【図7】同実施の形態7の浴室暖房乾燥機を示す構成図
【図8】同実施の形態8の浴室暖房乾燥機を示す構成図
【図9】従来の浴室暖房乾燥機を示す構成図
【符号の説明】
【0071】
1 浴室
2 浴室暖房乾燥機本体
3 循環用ファン
4 本体吸込口
5 熱源機
6 往流路
7 復流路
8 熱動弁
9 熱交換器
10 本体吹出口
11 排気ダクト
12 換気用ファン
13 本体吹出口ダンパー
14 換気用ダンパー
15 浴室壁面
16 接続口
17 ダクト
18 物干具
19 風量調節ダンパー
20 物干具吹出口
21 衣類
22 開口
23 風路a
24 風路b
25 風路c
26 風路d
27 モーター
28 風路遮蔽パネル
29 断熱材
30 流路
31 物干具引掛部
32 ハンガー
33 湿度センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の天井又は側壁に設置される浴室暖房乾燥機であって、浴室暖房乾燥機本体と前記本体から浴室内に温風を吹出す本体吹出口と前記本体吹出口とは別に本体に設けられた温風を吹出すための開口と被乾燥物を干す物干具を備え、前記物干具は風路と前記風路の接続口と前記風路に連通する物干具吹出口を備え、前記開口と前記接続口とを連結する連結手段とを備えたことを特徴とする浴室暖房乾燥機。
【請求項2】
開口と接続口とを風量調節手段を介して連結することを特徴とする請求項1記載の浴室暖房乾燥機。
【請求項3】
物干具は、前記物干具の長手方向の中心軸を中心に回転するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の浴室暖房乾燥機。
【請求項4】
物干具吹出口を遮蔽する風路遮蔽手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の浴室暖房乾燥機。
【請求項5】
物干具吹出口を複数備え、前記物干具吹出口が接続口から離れるにしたがい、前記物干具吹出口の開口面積を大きくするようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の浴室暖房乾燥機。
【請求項6】
物干具は、断熱構造からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の浴室暖房乾燥機。
【請求項7】
物干具は、風路とは別の流路を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の浴室暖房乾燥機。
【請求項8】
物干具は、被乾燥物を掛けるための引掛部を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の浴室暖房乾燥機。
【請求項9】
被乾燥物の水分の蒸発を検知する湿度センサーを備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の浴室暖房乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−236586(P2007−236586A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−62325(P2006−62325)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】