説明

海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法および装置

一種の海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法であって、当該方法は、下記のステップ1)と2)を含み、1)SOおよびNOを含有する排ガスを海水によって触媒洗浄して、浄化された排ガスと酸性海水が得られており、海水の中に一定量の鉄イオンを添加すること、または洗浄過程において磁場を付加することを任意的に選択し、2)酸性海水の中に海水を加えると共に空気を導入して、酸性海水を環境要求の基準に適するまで回復させる。さらに、当該方法に使用される装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一種の海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法および装置に関し、海水により排ガスにおける硫黄と窒素を同時に除去する。たとえば、火力発電所などのボイラからの二酸化硫黄および窒素酸化物などの汚染物の排出削減に特に適し、大気環境保護の技術分野に属し、さらに具体的には、排ガスを同時に脱硫・脱硝する技術分野(simultaneous desulfurization and denitrification)、(simultaneous removing SO and NO)に属する。
【背景技術】
【0002】
大気環境保護の必要性から、工業排ガスは、二酸化硫黄および窒素酸化物の二種類の重要な汚染物の排出を削減しなければならない。しかしながら、脱硫プロセス装置と脱硝プロセス装置のそれぞれによって実現される伝統的な排出削減の方式は、プロセス構造が複雑で、資源消耗量が大きい。このため、信頼性が低く、建設および運転のコストが高いなどの問題が存在しており、脱硫と脱硝を別々に行う伝統的な方式によれば、汚染の排出削減と環境保護の作用が厳重に制約されている。大気環境を効果的に保護し、硫黄と窒素による汚染を防ぐために、人々は長期間にわたって総合化・グリーン化の排出削減技術を必要としており、一種のグリーン化した排ガスを同時に脱硫・脱硝するプロセス技術方案の現れが期待されていた。
【0003】
国際上の排ガスを同時に脱硫・脱硝する技術分野における代表的な方案としては、主に以下の技術がある。
【0004】
ドイツのデグサ(Degussa)などの会社に開発されたDESONOX法(図7)。まず、排ガス中にアンモニア水(NH)を注入し、その後、排ガスを二層触媒の固定床反応器に導入させる。第一層は、バナジウムなどの貴金属からなる脱窒素還元(SCR)触媒であり、NOはNHによりNとHOに還元され、第二層は、貴金属の酸化脱硫触媒であり、SOはSOに酸化され、水で吸収、凝縮した後硫酸になる。
【0005】
米国のカリフォルニア(California)大学に開発されたPHOSNOX法。黄燐によりOとOを生成してNOをNOに酸化させると共に、黄燐は、Pに酸化されてリン酸になる。生成されたNOは、水溶液中でSOをSO2-に酸化させ、その自身は、ヒドロキシルアミンジスルホン酸塩、アンモニウム塩およびその他のS-N化合物に還元される。
【0006】
日本の福井工業大学に開発されたPPCP法。加速器によって高エネルギーの電子ビームを生成して排ガスの気体分子を解離させ、O、OH、HOなどの活性基を生成してSOおよびNOを酸化させ、アンモニアを加えることにより硫酸アンモニウムと硝酸アンモニウムを形成する。
【0007】
国内の排ガスを同時に脱硫・脱硝する技術分野における特許技術方案としては、以下のものがある。華北電力大学より開発された出願番号が200610012525.2で、名称が「一種の液相排ガスの脱硫脱硝浄化方法および装置」である技術方案では、ジェットバブリング方法と、亜塩素酸ナトリウム吸収液に次亜塩素酸カルシウム、オキシフル、リン酸水素二ナトリウムなどの組合せ添加剤を添加して、排ガスにおける二酸化硫黄および窒素酸化物を吸収する方法を利用する。華東理工大学より開発された特許登録番号が01105698.3で、名称が「一種の廃ガスにおけるNOの除去方法」、すなわち、トリエチレンジアミンコバルト(II)錯体触媒法の技術方案では、Alを担体として各種の金属酸化物NiO、Coの触媒を担持して、アルカリ性の溶液中でNOをNOに酸化させる。
【0008】
従来の同時脱硫脱硝の技術方案に存在している共通の問題は、同時に脱硫脱硝するために、その処理過程において貴重な触媒または/および吸収剤を添加する必要がある。しかしながら、吸収剤および触媒、特に貴重な触媒を含む化学工業原料などの使用により、資源とエネルギーの消耗が高くなり過ぎると共に、プロセスが複雑になり、プロセス装置全体の信頼性が低く、建設と運転のコストが高くなり、さらにある一部には、二次汚染の問題も存在している。このため、その普及および応用が難しくなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来技術の欠点を根本的に克服し、貴重なまたは二次汚染がある吸収剤または/および触媒を別途添加する必要がなく、資源とエネルギーを節約し、プロセスが簡単で信頼でき、コストが低いと共に、二次汚染がない総合化・グリーン化の一種の汚染の排出削減の技術方案、すなわち、一種の主に海水を吸収剤および触媒とした海水法による排ガスを同時に脱硫・脱硝する方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的を達成するための海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法の技術方案は、下記の通りである。
【0011】
一種の海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法であって、以下のステップA)とB)を含む。
A)海水による排ガスの触媒洗浄
SOおよびNOを含有する排ガスを海水によって触媒洗浄して、排ガスにおけるSOおよびNOを除去し、その後、脱硫脱硝後の浄化された排ガスおよび洗浄過程において形成された酸性海水を排出し、前記触媒洗浄は、一定量の鉄イオンを含有または添加した海水によって行われる鉄触媒洗浄、または/および付加磁場に海水または/および排ガスを通過させる磁性触媒洗浄である。
B)酸性海水の水質回復
前記Aステップで排出された酸性海水に海水を混入して酸塩基中和させ、同時に空気を導入して、酸性海水の水質を環境保護の要求に適するまで回復した後排出する。
【0012】
前記同時脱硫脱硝方法において、その一定量の鉄イオンを含有する海水により行われる鉄触媒洗浄は、洗浄ステップにおいて、1キログラム当たりの海水における鉄イオンが3マイクログラム〜300マイクログラム(3〜300μg/kg)である鉄イオンの濃度を有する海水によって行われる鉄触媒洗浄である。
【0013】
前記同時脱硫脱硝方法において、その一定量の鉄イオンを含有する海水により行われる鉄触媒洗浄は、洗浄ステップにおいて、1キログラム当たりの海水における鉄イオンが10マイクログラム〜300マイクログラム(10〜300μg/kg)である鉄イオンの濃度を有する海水によって行われる鉄触媒洗浄である。
【0014】
前記同時脱硫脱硝方法において、その前記排ガス洗浄用海水の流量は、洗浄用海水と排ガスのアルカリ対酸の比によって選択され、排ガス洗浄用海水のアルカリ量の値/洗浄される排ガスの酸量の値は、1〜200である。そのうち、排ガス洗浄用海水のアルカリ量の値は、海水のアルカリ度の値と海水の流量値の乗積値であり、当該海水のアルカリ度の値は、1リットル当たりのミリモル(mmol/L)で当該海水の総アルカリ度(ALK)を計量した時の値に等しく、海水の流量値は、当該海水を1時間当たりのミリリットル(ml/h)で計量した値に等しい。前記洗浄される排ガスの酸量の値は、排ガスの硫黄含有濃度値と排ガスの流量値の乗積値であり、当該硫黄含有濃度値は、1標準立方メートル当たりのミリグラム(mg/Nm)で当該排ガスのSO濃度を計量した時の値に等しく、排ガスの流量値は、排ガスを1時間当たりの標準立方メートル(Nm/h)で計量した値に等しい。
【0015】
前記同時脱硫脱硝方法において、その一定量の鉄イオンを添加した海水によって行われる鉄触媒洗浄は、酸性海水の中に鉄製部材を設置し、または/および海水に接触する鉄製材料を犠牲陽極とし、または/および一種の鉄含有溶液を添加可能な装置によって鉄イオンを添加する添加方法を採用した鉄触媒洗浄である。
【0016】
前記同時脱硫脱硝方法において、その磁性触媒洗浄は、磁束密度が1〜6000ガウスの磁場に海水または/および排ガスを通過させる磁性触媒洗浄である。
【0017】
一種の海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法に使用される同時脱硫脱硝装置の技術方案は、当該装置が、海水による触媒洗浄システムと酸性海水水質回復システムを含み、前記海水による触媒洗浄システムは、洗浄器と、洗浄器の排ガス入口と、洗浄器の排ガス出口と、排ガス洗浄用海水入口と、洗浄器の酸性海水排出口と、海水における鉄イオンの含有量を増加させるための鉄製部材または鉄イオン添加装置、または/および排ガス洗浄用海水または/および排ガスを付加磁場に位置させる磁性装置と、を含み、前記酸性海水水質回復システムは、水質回復器を含み、水質回復器には酸性海水通路と、海水通路と、送風機と、海水排出口が連通され、酸性海水注入口と海水注入口は、水質回復器内で隣接し、送風機は、送風通路を介して水質回復器内に設けられた曝気口と連通する。
【0018】
前記同時脱硫脱硝装置において、その鉄製部材は、洗浄器に酸性海水と直接接触可能に設けられた鉄フィラー、または/および固定されあるいは取替可能な鉄製部品である。
【0019】
前記同時脱硫脱硝装置において、その鉄イオン添加装置は、洗浄器に設けられ、鉄含有溶液注入口と連通する注入器、または/および鉄イオン発生装置である。
【0020】
前記同時脱硫脱硝装置において、その磁性装置は、洗浄器に設けられた磁性フィラーまたは/および磁性部材、または/および洗浄用海水または/および排ガスの通路に設けられた磁性部材である。
【0021】
本発明の方法のプロセス原理は、以下の通りである。
【0022】
海水による触媒洗浄:
1、海水で排ガスを洗浄することによって、SOを溶解して酸性海水を形成する。その反応式は、下記の通りである。
SO(g)+HO=SO(l)+H
SO(l)+HO=SO2-+2H
【0023】
2、酸性海水で継続して排ガスを洗浄してNOを溶解する。一般的な湿式プロセスではNOが水に溶けないことにより脱硝機能を有しないこととは異なり、本発明の技術方案は、NOの溶解(加水分解)を触媒化および促進させる物理化学条件を有する。
a)第一段階で二酸化硫黄を溶解して形成した酸性海水の中に、生成された大量のSO2-は、NOの溶解を促進することができる。
b)第一段階で二酸化硫黄を溶解して形成した酸性条件下において、海水中および本発明のプロセスで増加した鉄イオン(Fe2+、Fe3+)は、触媒作用を有する。
c)第一段階で二酸化硫黄を溶解して形成した酸性条件下において、鉄イオン(Fe2+、Fe3+)は、海水の中で複雑な鉄錯体を形成して、溶解したSOと排ガスに付いてきたOの反応を促進して、N、NO、ハイポサルフェート、硫酸塩などの化合物を生成し、たとえば、下記の反応式などに示すようになり、発電所のボイラからの排ガスにおける残りの酸素は、通常5〜8%である。
2(NO)+SO2-→NO+SO2-
d)第一段階で二酸化硫黄を溶解して形成した酸性環境において、磁性部材の付加磁場は、NOの溶解(加水分解)を触媒化する。窒素酸化物が海水中での反応は、比較的複雑であるが、主には自己触媒酸化還元反応に協同することである。同時脱硫脱硝後の浄化された排ガスは、大気に排出される。
【0024】
酸性海水の水質回復:
海水は、排ガスを洗浄することによって酸性となる。このため、酸性海水の水質を環境水質と相容する程度に回復させなければ、自然環境、たとえば、大海に排出してはいけない。水質の回復方式としては、酸性海水に海水、すなわち、アルカリ性の海水を添加し、且つ十分に混合して酸塩基中和反応をさせ、その後、空気を導入して酸化脱酸と酸素付加を行うことによって、海水における亜硫酸を亜硫酸塩に生成させ、さらに海洋環境に優しい安定な硫酸塩に酸化させると共に、海水中に生成された二酸化炭素を除去し、且つ海水における溶存酸素を増加させる。下記の化学平衡反応式に示す通りである。
CO2-+H=HCO-
HCO-+H=CO(g+l)+H
SO2-+1/2O=SO2-
【0025】
プロセス排水のpH値、CODおよび溶存酸素を、共に環境水質と相容し、環境保護の要求に適する品質に回復させる。プロセス排水の中に増加された少量の可溶性の鉄は、環境に優しい。これは、鉄は海水の環境品質基準で制限される元素ではないばかりでなく、海洋の砂漠化現象の改善には増加した元素が必要であるからである。
【0026】
酸性海水の水質回復過程は、単独の水質回復装置の中、または触媒洗浄装置の底部、または関連のパイプ、溝渠の中で完成することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法および装置の技術効果は、顕著である。
その一、排出削減の効率が高く、排ガスにおける汚染物質の除去率は、最高でSOが99%、NOが70%まで達することができる。
その二、資源とエネルギーを節約し、如何なる化学工業原料を必要せず、特に、火力発電所に応用される際、その冷却用海水を再利用するため、エネルギー消耗はより低くなる。
その三、環境に優しく、他の排ガスの脱硫脱硝プロセスで大量の化学工業原料を消耗し且つ大量の廃棄物残渣が生じることとは異なり、本発明のプロセスでは廃棄物残渣が生じず、排出する海水と本発明のプロセスに関する部分は、いずれも環境保護の要求に適するものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法のステップを示す図である。
【図2】本発明の装置を火力発電所で応用することを示す図である。
【図3】本発明の装置における洗浄器1の構造の一つの実施例を示す図であり、そのうち、流量調節器1.7と鉄製部材1.5(必要な際には、磁性部材1.5´に取り替えることができる)が設けられている。
【図4】本発明の装置における洗浄器1の構造の別の実施例を示す図であり、そのうち、鉄イオン発生ユニットは設けられ、鉄イオン発生ユニットが鉄製部材1.5を酸性海水中に浸漬させた洗浄器1の底部の海水槽と酸性海水を送り出す鉄製パイプから構成され、その浸漬した鉄製部材1.5と鉄製パイプは取替または追加することができる。
【図5】本発明の装置における水質回復器6の構造を示す図であり、混合機能と曝気機能を有する池体である。
【図6】従来の排ガスの同時脱硫脱硝の技術方案の一つであるDESONOX法による排ガスの同時脱硫脱硝方法を火力発電所で応用することを示す図であり、この方法は、ドイツのデグサ(Degussa)などの会社が開発したものである。
【符号の説明】
【0029】
図面に示す記号に対応する関連部材または構造の名称は、以下の通りである。
図1:A、海水による排ガスの触媒洗浄 B、酸性海水の水質回復 C、酸性海水が環境保護の要求に適した後の排出 D、海水 E、SOおよびNOを含有する排ガス F、脱硫脱硝後の浄化された排ガス G、酸塩基中和 H、空気の導入。
図2〜図5:1、洗浄器 1.1、フィラー 1.2、支持体 1.3、海水分配器 1.4、ミストセパレーター 1.5、鉄製部材 1.5´、磁性部材 1.6、鉄含有溶液注入口 1.7、流量調節器 1.8、鉄含有溶液ポンプ 1.9、鉄製部材の取替孔 2、洗浄器の排ガス入口 3、洗浄器の排ガス出口 4、洗浄器の海水入口 5、洗浄器の酸性海水排出口 6、水質回復器7、酸性海水注入口 8、海水注入口 8-1、先混入海水注入口 8-2、後混入海水注入口 9、酸性海水通路 10、海水通路 11、送風機 12、送風通路 13、水質回復器内の曝気口 13x、曝気口配列 14、海水排出口 15、ボイラ 16、除塵 17、吸込扇風機 18、煙突 19、海水ポンプ 20、発電所の復水器 21、排ガス再加熱器。
図4:22、流量計 23、pH計。
図7:24、アンモニア水の添加通路 25、貴金属脱窒素還元触媒 26、貴金属酸化脱硫触媒 27、硫酸吸収器
【発明を実施するための形態】
【0030】
A、以下、図面および実施例を参照しながら、本発明に係る海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法の具体的な実施形態についてさらに説明する。
【0031】
実施例1:
図1は、本発明に係る海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法のステップを示す図であり、図2は、本発明を火力発電所で応用するプロセスフローである。本実施例の海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法のステップは、以下のA)とB)を含む。
A)海水による排ガスの触媒洗浄
SOおよびNOを含有する排ガスを海水によって触媒洗浄して、排ガスにおけるSOおよびNOを除去し、その後、同時脱硫脱硝後の浄化された排ガスと洗浄過程で形成された酸性海水を排出する。
本発明に記載された「触媒洗浄」は、一定量の鉄イオンを含有または添加した海水によって行われる鉄触媒洗浄、または/および付加磁場に海水または/および排ガスを通過させる磁性触媒洗浄である。本実施例で言えば、前記触媒洗浄は、一定量の鉄イオンを添加した海水によって行われる鉄触媒洗浄であり、具体的には、酸性海水の中に鉄製部材を設置することによって行われる。
B)酸性海水の水質回復
前記Aステップで排出された酸性海水に海水を混入して酸塩基中和させ、同時に空気を導入して、酸性海水の水質を環境保護の要求に適するまで回復させた後排出する。
【0032】
前記「鉄触媒洗浄」は、洗浄ステップにおいて、1キログラム当たりの海水における鉄イオンが3マイクログラム〜300マイクログラム(3〜300μg/kg)である鉄イオンの濃度を有する海水によって行われる鉄触媒洗浄であり、本実施例では、具体的な鉄イオンの濃度は、32μg/kgを選択した。前記排ガス洗浄用海水の流量は、洗浄用海水と排ガスのアルカリ対酸の比によって選択され、排ガス洗浄用海水のアルカリ量の値/洗浄される排ガスの酸量の値は、1〜200である。そのうち、排ガス洗浄用海水のアルカリ量の値は、海水のアルカリ度の値と海水の流量値の乗積値であり、当該海水のアルカリ度の値は、当該海水の総アルカリ度(ALK)を1リットル当たりのミリモル(mmol/L)で計量した時の値に等しく、海水の流量値は、当該海水を1時間当たりのミリリットル(ml/h)で計量した値に等しい。前記洗浄される排ガスの酸量の値は、排ガスの硫黄含有濃度値と排ガスの流量値の乗積値であり、当該硫黄含有濃度値は、1標準立方メートル当たりのミリグラム(mg/Nm)で当該排ガスのSO濃度を計量した時の値に等しく、排ガスの流量値は、排ガスを1時間当たりの標準立方メートル(Nm/h)で計量した値に等しい。本実施例では、洗浄用海水と排ガスのアルカリ対酸の比は、6.5を選択した。
【0033】
さらに説明すると、前記排ガス洗浄用海水は、海からの海水を採用する。すなわち、使用する海水は、直接に海から取り入れ、あるいは工業設備により排出された海からの海水を再利用する。必要とする海水の量は、二つの面を含む。その一は、海水の総流量であり、排ガスにおける除去しょうとする酸性気体の当量と海水のアルカリ度の当量によって確定された酸塩基中和に必要な海水の量を海水の総流量の下限値とする。大多数の沿海の火力発電所に応用される場合、本発明のプロセスに要する海水の総流量は、発電所の冷却用海水の流量以下であり、発電所の凝縮器から排出され、または/および冷却水ポンプから送り出される全部の冷却用海水をそのまま再利用することができる。このため、その運転のエネルギー消耗は、非常に少なくなる。その二は、排ガスを触媒洗浄するための海水の流量であり、海水の総流量の一部は、排ガスの触媒洗浄ステップに使用される洗浄用海水であり、海水の総流量の他の部分は、水質回復ステップに使用される混入用海水である。
【0034】
上記の酸性海水の中に鉄製部材を設置して海水によって行われる鉄触媒洗浄は、洗浄用海水の中に可溶性の鉄または/および鉄塩を生成させて窒素酸化物の酸化還元反応を触媒化することを採用する方法である。具体的には、NOxの除去を強化するために、洗浄用の酸性環境中に鉄フィラーを配置する方法を採用する。前記海水の水質回復は、酸性海水に海水を混入すると共に空気を導入するステップであり、その空気の導入方式は、通常の曝気方法を採用し、「化学工業ハンドブック」の設計によると、空気が導入される海水の流量は、前記海水の総流量である。混入される海水は、酸性気体の洗浄・吸収に使用されずアルカリ度を保つ海水であり、海水の総流量の一部である。海水の水質回復過程は、独立の海水水質回復装置の中で完成することが好ましいが、触媒洗浄装置の底部、または関連のパイプ、溝渠の中で完成しても良い。前記排水ステップでは、混合、曝気処理後の海水を海域に排出する。排水をさらに総合利用、たとえば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムを抽出する必要がある場合は、混合、曝気処理後の海水を後工程に排出しても良く、これも一種の技術方案である。前記排ガス洗浄用海水のアルカリ量の値と洗浄される排ガスの酸量の値との比の値は、排ガス洗浄用海水の流量を変えることによって調整される。
【0035】
以下は、本実施例における主なパラメーターである。
排ガス量 3,100,000Nm/h(1000MW規模の火力発電ユニットのボイラからの排ガス量に相当する)
原排ガス SO 1600mg/Nm、NO 610mg/Nm
洗浄用海水と排ガスのアルカリ対酸の比 6.5
洗浄用海水における鉄イオンの濃度 32μg/kg
浄化された排ガス SO 16mg/Nm、NO 320mg/Nm
海水水質回復装置からの排水pH >6.8
排水のCOD増量 <1.5mg/L
【0036】
実施例2:
前記実施例1と異なるのは、海水によって行われる鉄触媒洗浄では、洗浄において一種の鉄含有溶液を添加可能な装置によって鉄イオンを添加することである。
本実施例における主なパラメーターは、以下の通りである。
排ガス量 1,100,000Nm/h
原排ガス SO 1900mg/Nm、NO 650mg/Nm
洗浄用海水と排ガスのアルカリ対酸の比 1
添加された後の洗浄用海水の鉄イオンの濃度 106μg/kg
浄化された排ガス SO 76mg/Nm、NO 380mg/Nm
海水水質回復装置からの排水pH >6.8
排水のCOD増量 <0.5mg/L
【0037】
実施例3:
上記の実施例と異なるのは、前記鉄触媒洗浄では、鉄よりも電気化学活性が低い金属を陰極とし、洗浄環境中の一部の鉄製材料を犠牲陽極にして鉄イオンを析出する方法を採用することである。
本実施例における主なパラメーターは、以下の通りである。
排ガス量 2,100,000Nm/h
原排ガス SO 1680mg/Nm、NO 580mg/Nm
洗浄用海水と排ガスのアルカリ対酸の比 200
洗浄用海水における鉄イオンの濃度 300μg/kg
浄化された排ガス SO 80mg/Nm、NO 180mg/Nm
海水水質回復装置からの排水pH >6.8
排水のCOD増量 <4.3mg/L
【0038】
実施例4:
上記の実施例1と異なるのは、一定量の鉄イオンを添加した海水によって行われる鉄触媒洗浄では、洗浄用の酸性環境中に鉄製部材を配置する方法を採用すると共に、鉄よりも電気化学活性が低い金属を陰極とし、洗浄環境中の一部の鉄製材料を犠牲陽極にして鉄イオンを析出する方法を採用することである。この実施例において、海水によって行われる鉄触媒洗浄では、その洗浄ステップにおける鉄イオン濃度の選択範囲は、1キログラム当たりの海水における鉄イオンが10マイクログラム〜300マイクログラム(10〜300μg/kg)である。実施例1と異なるパラメーターは、洗浄用海水と排ガスのアルカリ対酸の比が15であり、洗浄用海水における鉄イオンの濃度が10μg/kgである。
【0039】
実施例5:
上記の実施例と異なるのは、本実施例では、磁性材料による付加磁場の中で排ガスを触媒洗浄させる方法を採用し、海水または/および排ガスを磁束密度が1〜6000ガウスの磁場に通過させることである。主なパラメーターは、以下の通りである。
排ガス量 2,900,000Nm/h
原排ガス SO 2100mg/Nm、NO 670mg/Nm
洗浄用海水と排ガスのアルカリ対酸の比 7.1
付加磁場の磁束密度 6000ガウスの磁場
浄化された排ガス SO 85mg/Nm、NO 303mg/Nm
海水水質回復装置からの排水pH >6.8
排水のCOD増量 <1.6mg/L
【0040】
実施例6:
上記の実施例5と異なるのは、本実施例は、一定量の鉄イオンを添加した海水によって行われる鉄触媒洗浄であると共に、排ガスを磁性材料による付加磁場の中で触媒洗浄させる方法を採用することである。主なパラメーターは、以下の通りである。
排ガス量 1,900,000Nm/h
原排ガス SO 1800mg/Nm、NO 720mg/Nm
洗浄用海水と排ガスのアルカリ対酸の比 16
洗浄用海水における鉄イオンの濃度 3μg/kg
付加磁場の磁束密度 3000ガウス
浄化された排ガス SO 85mg/Nm、NO 203mg/Nm
海水水質回復装置からの排水pH >6.8
排水のCOD増量 <2.8mg/L
【0041】
実施例7:
上記の実施例6と異なるのは、本実施例では以下のようになっていることである。
洗浄用排水と排ガスのアルカリ対酸の比 86
洗浄用海水における鉄イオンの濃度 210μg/kg
付加磁場の磁束密度 1ガウスの磁場
【0042】
B:以下、図面および実施例を参照しながら、本発明に係る海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法の専用装置、すなわち、設備の技術方案についてさらに説明する。
【0043】
実施例8:
図2〜図5に示すように、本発明の方法を実現するための排ガスの同時脱硫脱硝装置の技術方案において、当該装置は、海水による触媒洗浄システムと酸性海水水質回復システムを有し、さらに制御システムを有している。海水による触媒洗浄システムは、洗浄器1と、洗浄器の排ガス入口2と、洗浄器の排ガス出口3と、排ガス洗浄用海水入口4と、洗浄器の酸性海水排出口5とを備えている。本発明の海水による触媒洗浄システムは、さらに海水における鉄イオンの含有量を増加させるための鉄製部材または鉄イオン添加装置、または/および排ガス洗浄用海水または/および排ガスを付加磁場に位置させる磁性装置を備えている。本実施例では、海水における鉄イオンの含有量を増加する鉄製部材の方案を選択して採用する。前記の酸性海水水質回復システムは、水質回復器6を備えており、水質回復器6には酸性海水通路9、海水通路10、送風機11および海水排出口14が連通されている。酸性海水注入口7と海水注入口8は、水質回復器6内で隣接する。送風機11は、送風通路12を介して水質回復器6内に設けられた曝気口13と連通する。
【0044】
以下、さらに説明する。
図4に示すように、本実施例に記載された鉄製部材は、洗浄器1に設けられた酸性海水に直接に接触可能に鉄フィラーであるが、固定されまたは取替可能な鉄製部品であっても良く、鉄フィラーと鉄製部品を同時に設置しても良い。前記海水による触媒洗浄システムにおける洗浄器1は、「化学工業設計ハンドブック」によって設計製造または選択して採用することができる。洗浄器1には調節可能なバルブと調速ポンプから構成される洗浄用海水の流量調節器1.7が設けられる。また、その鉄層を酸性海水に直接に接触させることで酸性海水における鉄イオンの濃度を増加させる鉄フィラーを設置する。鉄製部材取替孔1.9を介して鉄フィラーを交換することができる。
【0045】
図5に示すように、酸性海水水質回復システムは、水質回復器6を備えており、その容積が1分間〜25分間の曝気時間を確保できる池体と、導入された空気の1標準立方メートル当たりの流量と空気が導入される海水流量との比の値が、0.2:1〜10:1に達することができる送風機と、空気通路と、曝気口とから構成される。前記水質回復器6は、混合機能と曝気機能を有する池体により構成される。その混合機能部分は、酸性海水と海水との混合を行い、または/および混合後の海水を収納する池体であり、その混合機能部分が酸性海水を送り出す密閉パイプと繋がることで、酸性海水は大気から遮断された条件下でアルカリ性の海水が満たされた海水水質回復装置の混合区域に導入され、その中でアルカリ性の海水と迅速に混合され、且つ混合過程において酸性海水の水流を水面から露出させない。その混合機能の一部を水質回復器以外のパイプによって構成し、酸性海水とアルカリ性の海水をパイプの中で混合させた後、さらに海水水質回復装置の混合機能区に送り出しても良い。その曝気機能部分は、エネルギー消耗が比較的低く、脱炭効率が比較的高い浅層曝気槽としても良く、中間層、深層曝気槽としても良い。その曝気口または曝気ヘッドは、「化学工業設計ハンドブック」によって設計製造または選択して採用することができる。海水水質回復装置は、単独で配置されており、その海水注入口8は、二つの注入口8-1と8-2から構成されている。そのうちの一方の注入口は、先混入海水注入口8-1であり、酸性海水注入口7の近傍に位置し、他方の海水注入口は、後混入海水注入口8-2であり、曝気口と海水排出口14の水流に沿う経路の間に位置する。曝気口13は、空気通路を介して送風機と繋がり、曝気口13は、複数の曝気口からなる曝気口配列13xにより構成されている。
【0046】
実施例9:
上記の実施例8と異なるのは、図4に示すように、洗浄器1には鉄イオン発生ユニットが設けられ、当該鉄イオン発生ユニットは、洗浄器1の底部の海水槽における酸性海水およびその中に浸漬した鉄製部材1.5と、酸性海水を送り出す鉄製パイプとから構成され、浸漬した鉄製部材1.5と鉄製パイプは、取替または添加することができ、さらに、鉄含有溶液ポンプ1.8と鉄含有溶液注入口1.6を備えている。
【0047】
実施例10:
上記の実施例8と異なるのは、図4に示すように、本実施例では、洗浄器1に鉄イオン添加装置が設けられ、すなわち、洗浄器1に鉄含有溶液注入口1.6と連通する注入器、または/および鉄イオン発生装置が設けられている。
【0048】
実施例11:
上記の実施例8と異なるのは、図3に示すように、前記海水による触媒洗浄システムは、排ガス洗浄用海水または/および排ガスを付加磁場に位置させる一つの磁性装置を備えており、前記磁性装置は、洗浄器1に設置された磁性部材1.5としての磁性フィラーであり、その磁性部材の材質は、恒透磁率性を有するフェライトであるが、合金鋼、またはネオジム鉄硼素粉末冶金材料などの希土類磁性体であっても良い。
【0049】
実施例12:
上記の実施例11と異なるのは、本実施例の海水による触媒洗浄システムは、海水における鉄イオンの含有量を増加させる鉄製部材と、洗浄を付加磁場で行わせる磁性部材とを備えている。一種の方案としては、海水による触媒洗浄器1の底部に、図4に示すような海水における鉄イオンの含有量を増加させるための鉄製部材を設け、その上部に図3に示すような排ガス洗浄用海水または/および排ガスを付加磁場に位置させる磁性部材を設けている。もう一種の方案としては、その上部に図3に示すような鉄製の磁性部材を設け、その材料は、恒透磁率性を有する鉄製材料を選択して採用し、且つ酸性海水に接触させる。
【0050】
前記の洗浄器および水質回復器におけるユニット部材は、いずれも関連の「化学工業設計ハンドバック」によって設計または選択して採用することができる。本発明の特許の保護範囲は、上記の実施例に限定されるものではない。
【0051】
本発明の排ガスの同時脱硫脱硝方法および装置は、化学工業原料を必要ぜす、排出削減の効率および信頼性が高く、設置面積が小さく、建設および運転のコストが低いことから、特に大型、中型の火力発電所などのボイラからの排ガスの同時脱硫脱硝に適用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップA)とB)を含むことを特徴とする海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法。
A)海水による排ガスの触媒洗浄
SOおよびNOを含有する排ガスを海水によって触媒洗浄して、排ガスにおけるSOおよびNOを除去し、その後、脱硫脱硝後の浄化された排ガスおよび洗浄過程において形成された酸性海水を排出し、
前記触媒洗浄は、一定量の鉄イオンを含有または添加した海水によって行われる鉄触媒洗浄、または/および付加磁場に海水または/および排ガスを通過させる磁性触媒洗浄である。
B)酸性海水の水質回復
前記Aステップで排出された酸性海水に海水を混入して酸塩基中和させ、同時に空気を導入して、酸性海水の水質を環境保護の要求に適するまで回復した後排出する。
【請求項2】
前記一定量の鉄イオンを含有する海水によって行われる鉄触媒洗浄は、洗浄ステップにおいて、1キログラム当たりの海水における鉄イオンが3マイクログラム〜300マイクログラム(3〜300μg/kg)である鉄イオンの濃度を有する海水によって行われる鉄触媒洗浄であることを特徴とする請求項1に記載の海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法。
【請求項3】
前記一定量の鉄イオンを含有する海水によって行われる鉄触媒洗浄は、洗浄ステップにおいて、1キログラム当たりの海水における鉄イオンが10マイクログラム〜300マイクログラム(10〜300μg/kg)である鉄イオンの濃度を有する海水によって行われる鉄触媒洗浄であることを特徴とする請求項1に記載の海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法。
【請求項4】
前記排ガス洗浄用海水の流量は、洗浄用海水と排ガスのアルカリ対酸の比によって選択され、
排ガス洗浄用海水のアルカリ量の値/洗浄される排ガスの酸量の値は、1〜200であり、
そのうち、排ガス洗浄用海水のアルカリ量の値は、海水のアルカリ度の値と海水の流量値の乗積値であり、当該海水のアルカリ度の値は、1リットル当たりのミリモル(mmol/L)で当該海水の総アルカリ度(ALK)を計量した時の値に等しく、海水の流量値は、当該海水を1時間当たりのミリリットル(ml/h)で計量した値に等しく、
前記洗浄される排ガスの酸量の値は、排ガスの硫黄含有濃度値と排ガスの流量値の乗積値であり、当該硫黄含有濃度値は、1標準立方メートル当たりのミリグラム(mg/Nm)で当該排ガスのSO濃度を計量した時の値に等しく、排ガスの流量値は、排ガスを1時間当たりの標準立方メートル(Nm/h)で計量した値に等しくことを特徴とする請求項1に記載の海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法。
【請求項5】
前記一定量の鉄イオンを添加した海水によって行われる鉄触媒洗浄は、酸性海水の中に鉄製部材を設置し、または/および海水に接触する鉄製材料を犠牲陽極とし、または/および一種の鉄含有溶液を添加可能な装置によって鉄イオンを添加する添加方法を採用した鉄触媒洗浄であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法。
【請求項6】
前記磁性触媒洗浄は、磁束密度が1〜6000ガウスの磁場に海水または/および排ガスを通過させる磁性触媒洗浄であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法。
【請求項7】
海水法による排ガスの同時脱硫脱硝方法に使用される同時脱硫脱硝装置であって、
海水による触媒洗浄システムと酸性海水水質回復システムを含み、
前記海水による触媒洗浄システムは、洗浄器(1)と、洗浄器の排ガス入口(2)と、洗浄器の排ガス出口(3)と、排ガス洗浄用海水入口(4)と、洗浄器の酸性海水排出口(5)と、海水における鉄イオンの含有量を増加させるための鉄製部材または鉄イオン添加装置、または/および排ガス洗浄用海水または/および排ガスを付加磁場に位置させる磁性装置と、を含み、
前記酸性海水水質回復システムは、水質回復器(6)を含み、水質回復器(6)には酸性海水通路(9)、海水通路(10)、送風機(11)および海水排出口(14)が連通され、
酸性海水注入口(7)と海水注入口(8)は、水質回復器(6)内で隣接し、
送風機(11)は、送風通路(12)を介して水質回復器(6)内に設けられた曝気口(13)と連通することを特徴とする同時脱硫脱硝装置。
【請求項8】
前記鉄製部材は、洗浄器(1)に酸性海水と直接接触可能に設けられたアイアンフィラー、または/および固定されあるいは取替可能な鉄製部品であることを特徴とする請求項7に記載の同時脱硫脱硝装置。
【請求項9】
前記鉄イオン添加装置は、洗浄器(1)に設けられ、鉄含有溶液注入口(1.6)と連通される注入器、または/および鉄イオン発生装置であることを特徴とする請求項7に記載の同時脱硫脱硝装置。
【請求項10】
前記磁性装置は、洗浄器(1)中に設けられた磁性フィラーまたは/および磁性部材、または/および洗浄用海水または/および排ガスの通路に設けられた磁性部材であることを特徴とする請求項7に記載の同時脱硫脱硝装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2012−505734(P2012−505734A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531324(P2011−531324)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【国際出願番号】PCT/CN2008/072729
【国際公開番号】WO2010/043083
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(510239200)
【Fターム(参考)】