説明

液体の検査装置

【課題】エンジンの潤滑オイル等の液体の物性を的確に、しかも装置構造を複雑化させることなく計測する。
【解決手段】劣化診断装置Sは、エンジン10に使用されている潤滑オイル11の劣化度合いを監視するためのものであって、オイル循環系統20及び測定器30を備える。オイル循環系統20は、潤滑オイル11の一部を被検査オイルとして抜き出し、測定器30を経由する循環経路を経てエンジン10に戻す。被検査オイルは、その入口部32inが下側で出口部32outが上側に配置されたブロック部材31のオイル通路32へ導かれる。被検査オイルがオイル通路32を通過する際、第1導光部材を介して検査光が照射され、被検査オイルを透過した検査光が第2導光部材を介して受光される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種液体の物性を計測するための検査装置に関し、特に潤滑オイルの劣化度合い乃至は余寿命の判定に好適な検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコージェネレーション(CGS)用のガスエンジン、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の機関においては、摩擦低減や冷却等のために潤滑オイルが使用される。この潤滑オイルは使用により劣化し、ピストンリングやカムの腐食及び摩耗、潤滑性能の低下、燃料消費率の増加、さらにはエンジントラブル等を招来することから、適時に交換する必要がある。潤滑オイルの劣化は、一般的に運転時間が長くなるほど進行するのであるが、エンジンの使用条件によって劣化進行度合いが異なる。例えば高負荷運転の頻度が高い場合や、粗悪燃料が使用された場合には、潤滑オイルは比較的早く劣化する。
【0003】
ところで、CGS用のガスエンジンのように、一定箇所に据え付けられる定置用エンジンにおいては、メンテナンス事業者が据え付け箇所に出向いてオイルサンプリングを行い、これを分析した上で必要に応じてオイル交換を行っている。或いは、劣化度合いに拘わらず、所定の運転時間や経日数に基づいてオイル交換が行われる場合もある。しかし、前者では、潤滑オイルの劣化度合いを判断するために現地でのオイルサンプリング作業が負担となり、また後者では、潤滑オイルが寿命期を迎えていないのにオイル交換を行う場合があると言った不具合が存在する。
【0004】
そこで、潤滑オイルの劣化度合いを判定するセンサをガスエンジンに取り付け、オイル交換時期を遠隔的に、的確に見極めることができる劣化診断装置が求められるところである。従来、オイル劣化センサとしては、一対のガラス棒を、空隙を置いて対向配置した状態でオイル中に浸漬し、ガラス棒を介して検査光をオイルに照射すると共にその透過光を検出し、吸光度又は透過光量に基づいて劣化判定を行うものが知られている(例えば特許文献1)。一般に、検査光を発生する発光素子、及び前記検査光を受光する受光素子は、環境温度によって光出力が変化するが、このようにガラス棒を介在させる構成を採用することで、発光素子及び受光素子が熱の影響を受けにくくすることができる。
【特許文献1】特開平6−281575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、オイル溜まりに一対のガラス棒を浸漬する場合とは異なり、例えばガスエンジンから潤滑オイルの一部を被検査オイルとして抜き出し、所定の循環経路中で被検査オイルの劣化判定を行い、その後に被検査オイルを前記機関に戻すというシステムを採用する場合、被検査オイルによってガラス棒の空隙を確実に充填させつつ被検査オイルを循環させることが困難なことがある。例えば空気を抱き込んでしまい、前記空隙にその空気が位置してしまうと、正確なオイル劣化判定が行えなくなる。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであって、液体の物性を的確に、しかも装置構造を複雑化させることなく計測することができる液体の検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る液体の検査装置は、液体が貯留された機器から前記液体の一部を被検査液体として抜き出し、所定の循環経路を経て前記被検査液体を前記機器に戻す液体循環系統と、前記循環経路の途中に設けられ、前記被検査液体に所定の検査光を透過させることで前記被検査液体の物性を計測する検査手段と、を具備し、前記液体循環系統は、前記被検査液体を流通させる管路を有し、前記検査手段は、前記管路にその入口側と出口側とがそれぞれ接続され前記被検査液体を所定の流量で通過させる液体通路を有するブロック部材と、各々の一端面が前記液体通路に臨んで配置され前記一端面同士が間隙を置いて互いに対向するように配置される棒状の第1及び第2の導光部材と、前記第1の導光部材の他端面の側に配置され前記検査光を発する発光素子と、前記第2の導光部材の他端面の側に配置され前記検査光を受光する受光素子とを含み、前記ブロック部材は、前記液体通路の入口側の高さ位置が下側で出口側の高さ位置が上側となるように設置され、前記管路の上流側が前記液体通路の入口側に接続され、前記管路の下流側が前記液体通路の出口側に接続されていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、機器から抜き出された被検査液体は液体循環系統の管路を経てブロック部材の液体通路入口側に導かれる。その後、被検査液体は第1及び第2の導光部材間の間隙を通過するが、その際、発光素子により検査光が第1の導光部材を通して照射され、被検査液体を透過した検査光が第2の導光部材を通して受光素子により受光される。しかる後、被検査液体は液体通路出口側から管路を経て、機器に戻される。
【0009】
このように第1及び第2の導光部材を介して被検査液体に検査光を投受光することで、被検査液体が高熱を持つ場合であっても、発光素子及び受光素子がその熱の影響を受け難くすることができる。さらに、ブロック部材は、液体通路の入口側の高さ位置が下側で出口側の高さ位置が上側となるように設置されるので、被検査液体は、液体通路の空間を確実に埋めながら液体通路の出口側に向かうようになる。従って、第1及び第2の導光部材の端面間隙に空気が抱き込まれてしまうようなことはなく、的確に被検査液体の光透過特性(物性)を計測することができる。
【0010】
上記構成において、前記液体通路が、液体溜まりを形成させるキャビティを備え、前記第1及び第2の導光部材の一端面は、前記キャビティにおいて対向配置されていることが望ましい(請求項2)。この構成によれば、キャビティ内で一時的に被検査液体が滞留されるようになるので、被検査液体の物性を安定的に計測できるようになる。
【0011】
上記構成において、前記第1及び第2の導光部材がガラス棒からなることが望ましい(請求項3)。この構成によれば、加工が容易で安価なガラス棒が用いられるので、検査装置の製造を容易化することができると共に、コストダウンを図ることができる。
【0012】
上記構成において、前記第1及び第2の導光部材の前記一端面同士の間隙を調整する間隔調整機構をさらに備えることが望ましい(請求項4)。この構成によれば、第1及び第2の導光部材の端面間隙を簡易に調整できるようになる。従って、被検査液体の特質や汚濁度合い等に応じて端面間隙を調整することで、検出感度を適宜な程度に簡単に調整することができる。
【0013】
上記いずれかの構成において、前記管路及び前記液体通路からなる前記被検査液体の流通空間が、密閉空間とされていることが望ましい(請求項5)。この構成によれば、被検査液体の循環のために必要な機器類を簡素化でき、結果として検査装置の小型化を図ることが可能となる。
【0014】
上記いずれかの構成において、前記液体が潤滑オイルであり、液体循環系統が、前記潤滑オイルを使用する機関から前記潤滑オイルの一部を被検査オイルとして抜き出し、所定の循環経路を経て前記被検査オイルを前記機関に戻すオイル循環系統であることが望ましい(請求項6)。この構成によれば、潤滑オイルが機関内で高温になっていたとしても、発光素子及び受光素子が影響を受けることなく、例えば受光素子の出力値に基づき、粘度、塩基価、酸価、不溶分などを公知の手法で算出することにより、被検査オイルの劣化度合を判定することができるようになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る液体の検査装置によれば、発光素子及び受光素子がその熱の影響を受けず、また第1及び第2の導光部材の端面間隙に空気が抱き込まれてしまうようなことはない。従って、液体の物性を的確に、しかも装置構造を複雑化させることなく計測することができる検査装置を、安価に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る液体の検査装置の一実施形態である潤滑オイルの劣化診断装置Sの全体構成を概略的に示す構成図である。この劣化診断装置Sは、エンジン10(「潤滑オイルを使用する機関」の一例)に使用されている潤滑オイル11の劣化度合いを監視するためのものであって、オイル循環系統20(液体循環系統)と、測定器30(検査手段)とを備えて構成されている。
【0018】
エンジン10は、クランクシャフト等に動力を与える内燃機関であり、例えばCGS用のガスエンジン、ガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン等から成る。エンジン10の内部には潤滑オイル11が充填されており、内燃機関の円滑な動作を可能としている。このエンジン10には、潤滑オイル11の一部を被検査オイル(被検査液体)として抜き出すためのオイル取り出し孔12と、検査後の前記被検査オイルをエンジン10に戻すためのオイル戻し孔13とが備えられている。
【0019】
オイル循環系統20は、エンジン10のオイル取り出し孔12から潤滑オイル11の一部を被検査オイルとして抜き出し、測定器30を経由する循環経路を経て前記被検査オイルをエンジン10のオイル戻し孔13に戻すものである。オイル循環系統20は、被検査オイルを流通させる管路と、被検査オイルを強制循環させるためのポンプ21と、被検査オイルの循環若しくは停止を行わせるため開閉弁22とを含む。
【0020】
前記管路は、オイル取り出し孔12とポンプ21との間を接続する第1管路201、ポンプ21と開閉弁22との間を接続する第2管路202、開閉弁22と測定器30との間を接続する第3管路203、測定器30とオイル戻し孔13との間を接続する第4管路204を含む。測定器30を中間に介在させた第1〜第4管路201〜204からなる管路は、密閉配管系とされている。なお、第1〜第4管路201〜204は、例えば樹脂パイプで構成することができる。
【0021】
このようなオイル循環系統20がエンジン10に付設されている結果、エンジン10の運転中において、ポンプ21の動作により潤滑オイル11の一部がオイル取り出し孔12から被検査オイルとして抜き出される。抜き出された被検査オイルは、測定器30を経由して劣化度合いが光学的に計測された後、オイル戻し孔13に戻される。
【0022】
測定器30は、被検査オイルに所定の検査光を透過させることで前記被検査オイルの劣化度合いを判定するものである。測定器30は、被検査オイルを所定の流量で通過させるオイル通路32(液体通路)を有するブロック部材31を含む。オイル通路32は、ブロック部材31を直線状に貫通する通路であり、ブロック部材31はこのオイル通路32が垂直方向に向くように設置される。
【0023】
また、ブロック部材31は、オイル通路32の入口部32inの高さ位置が下側で、オイル通路32の出口部32outの高さ位置が上側になるように設置されている。そして、第3管路203(管路の上流側)の終端が入口部32inに接続され、第4管路204(管路の下流側)の始端が出口部32outに接続されている。このような測定器30には、当該測定器30の測定結果に基づき劣化度合い判定のための演算を行う処理演算部70が付設される。
【0024】
図2は、測定器30(ブロック部材31)の詳細構造を示す分解斜視図、図3は組み付けられた状態の測定器30の断面図である。測定器30は、上述のブロック部材31に、第1発光素子41と第1受光素子42とのペアからなる第1センサ対40Aと、第2発光素子43と第2受光素子44とのペアからなる第2センサ対40Bとが、各々、第1導光部材51及び第2導光部材52を介して組み付けられた構造を有する。本実施形態では、異なる2波長の検査光を照射する方式を例示しており、第1センサ対40Aは第1波長の検査光の投受光を行わせるためのものであり、第2センサ対40Bは、前記第1波長とは異なる第2波長の検査光の投受光を行わせるためのものである。
【0025】
ブロック部材31は、機械構造用炭素鋼鋼材(例えばJIS G 4051に規定のS30C〜S45C相当品)等から形成され、上下方向に長い矩形形状をもつ。ブロック部材31は、上述したオイル通路32のほか、該オイル通路32の途中に形成された第1キャビティ324及び第2キャビティ325、シール溝326、327、導光部材挿通用の第1〜第4挿通孔331〜334、並びに6つの締結孔34を備えている。
【0026】
第1キャビティ324及び第2キャビティ325は、被検査オイルを一時的に滞留させる液体溜まりを形成させるための空間部であり、ブロック部材31の上下に2つ並んだ、オイル通路32の延在方向と直交する方向の円筒状貫通孔として形成されている。オイル通路32は、入口部32inと第1キャビティ324の下方を連通させる第1通路321と、第1キャビティ324の上方と第2キャビティ325の下方とを連通させる第2通路322と、及び第2キャビティ325の上方と出口部32outとを連通させる第3通路323とからなる。これら第1〜第3通路321〜323に比べて、第1キャビティ324及び第2キャビティ325は大きな断面積を有する孔である。
【0027】
図3に示すように、入口部32inにはエルボ型の管継手232の一端が螺合されており、この管継手232の他端に第3管路203の終端継手金具231が螺合されている。同様に、出口部32outには、エルボ型の管継手242の一端が螺合されており、この管継手242の他端に第4管路204の始端継手金具241が螺合されている。これにより、図中矢印で示すように、第3管路203から第1通路321に入り、第1キャビティ324、第2通路322、第2キャビティ325及び第3通路323を経て、第4管路204に至るオイル循環経路が形成されている。
【0028】
シール溝326、327は、第1キャビティ324及び第2キャビティ325の開口部に周辺にそれぞれ設けられる環状の溝である。第1キャビティ324及び第2キャビティ325の両側開口面には、図4で後述するように、密閉用のプレート部材35、36が取り付けられるが、このシール溝326、327は、その密閉性を担保するための環状シール部材(図示せず)を保持するための溝である。従って、図2の反対側の面にも、同様なシール溝が設けられている。
【0029】
第1〜第4挿通孔331〜334は、棒状の第1導光部材51及び第2導光部材52を、外側から第1キャビティ324及び第2キャビティ325に向けて挿通させるための貫通孔である。詳しくは、第1挿通孔331は、ブロック部材31の一方の側面から第1キャビティ324に向けて水平方向に延びる孔であり、第2挿通孔332は、ブロック部材31の他方の側面から第1キャビティ324に向けて水平方向に延びる孔である。第1挿通孔331と第2挿通孔332とは、同一軸線上に設けられている。また、第3挿通孔333は、ブロック部材31の一方の側面から第2キャビティ325に向けて水平方向に延びる孔であり、第4挿通孔334は、ブロック部材31の他方の側面から第2キャビティ325に向けて水平方向に延びる孔である。第3挿通孔333及び第4挿通孔332もまた、同一軸線上に設けられている。
【0030】
第1挿通孔331及び第2挿通孔332には、第1センサ対40A用の第1導光部材51及び第2導光部材52がそれぞれ挿通される。第1導光部材51及び第2導光部材52は、例えばパイレックス(コーニング社登録商標)のような耐熱性、耐久性に優れたガラス材料を丸棒状に加工して構成することができる。
【0031】
第1導光部材51の第1端面511(ブロック部材31の外側に位置する端面)には、第1発光素子41が取り付けられている。また、第2導光部材52の第1端面521には、第1受光素子42が取り付けられている。一方、第1導光部材51の第2端面512及び第2導光部材52の第2端面522は、オイル通路32の一部を構成する第1キャビティ324に突出している。第1導光部材51の第2端面512と第2導光部材52の第2端面522とは、所定の間隙G1を置いて互いに対向するように配置されている。
【0032】
同様にして、第3挿通孔333及び第4挿通孔334には、第2センサ対40B用の第1導光部材51及び第2導光部材52がそれぞれ挿通される。第1導光部材51の第1端面511には第2発光素子43が取り付けられ、第2導光部材52の第1端面521には、第2受光素子42が取り付けられている。一方、第1導光部材51の第2端面512及び第2導光部材52の第2端面522は、第2キャビティ325に突出し、これら第2端面512と第2端面522とは、所定の間隙G2を置いて互いに対向するように配置されている。
【0033】
第1発光素子41は、第1検査光を発するLED等の半導体発光素子チップを含み、例えばその発光波長は870nmである。また、第1受光素子42は、かかる発光波長に感度を有するシリコンフォトダイオード等からなる。第2発光素子43は、第2検査光を発するLED等の半導体発光素子チップを含み、例えばその発光波長は950nmである。第2受光素子44は、かかる発光波長に感度を有するシリコンフォトダイオード等からなる。
【0034】
第1発光素子41から発せられた第1検査光は、第1導光部材51の第1端面511に入射され、第1導光部材51内を伝搬し、第2端面512から出射される。その後、第1検査光は、間隙G1を置いて対向配置されている第2導光部材52の第2端面522に入射する。そして、第2導光部材52内を伝搬し、第1端面521において第1受光素子42にて受光される。従って、間隙G1が被検査オイルで充填されていると、第1受光素子42は、第1検査光(波長=870nm)が当該被検査オイルを透過した透過光を受光することになる。第2発光素子43及び第2受光素子44についても同様であり、間隙G2が被検査オイルで充填されていると、第2受光素子44は、第2検査光(波長=950nm)が当該被検査オイルを透過した透過光を受光することになる。
【0035】
第1導光部材51及び第2導光部材52は、前記間隙G1、間隙G2の間隔を調整可能な間隔調整機構により保持されている。この間隔調整機構は、本実施形態では、ホルダ部材61、調整ネジ62及びシールリング63からなる。なお、この間隔調整機構は、図2の第2センサ対40Bの側においては図示省略している。
【0036】
ホルダ部材61は、第1導光部材51又は第2導光部材52をスライド移動可能に保持する。各ホルダ部材61は、第1導光部材51又は第2導光部材52の外径よりも僅かに大きい貫通孔を備え、その一端側周壁に固定用のネジ山部をもち、該ネジ山部が各々第1〜第4挿通孔331〜334の内周壁に刻設されたネジ切り部に螺合されることによって、ブロック部材31に固定されている。
【0037】
各ホルダ部材61の他端側周壁には、調整用のネジ山部が形成されており、該ネジ山部には第1導光部材51又は第2導光部材52の貫通孔を有する袋ナット状の部材からなる調整ネジ62が螺合されている。また、ホルダ部材61と調整ネジ62との間に位置するように、第1導光部材51又は第2導光部材52にはそれぞれ2個のシールリング63が外嵌されている。シールリング63は、弾性材料から形成され、第1導光部材51又は第2導光部材52の周壁に密に取り付けられており、オイル通路32及び第1、第2キャビティ324、325の密閉性を保つ役割を果たす。
【0038】
さらに、シールリング63は、第1導光部材51又は第2導光部材52に移動力を伝達する機能も果たす。すなわち、調整ネジ62の内底面がシールリング63に当接されており、調整ネジ62のホルダ部材61に対する螺合度合いによって圧縮・復元する。この際、シールリング63は第1導光部材51又は第2導光部材52に密に取り付けられていることから、前記圧縮・復元動作に追従して第1導光部材51又は第2導光部材52は軸方向に移動する。従って、調整ネジ62の締め付け程度を調整することによって、前記間隙G1、間隙G2の間隔を調整することができる。
【0039】
ここで、被検査オイルの流れを説明しておく。ブロック部材31は、オイル通路32の入口部32in(入口側)の高さ位置が下側で、出口部32out(出口側)の高さ位置が上側となるように設置されている。エンジン10から抜き出された被検査オイルは、第3管路203から入口部32inを介して第1通路321に入り、第1キャビティ324に至る。そして、被検査オイルの順次の供給により、第1キャビティ324は徐々に下側から上側へ空間を埋められるように、被検査オイルで満たされて行く。従って、第1導光部材51と第2導光部材52との間の間隙G1は、確実に被検査オイルで充填される。
【0040】
その後、被検査オイルは、第1キャビティ324から溢れ出すようにして第2通路322へ向かい、第2キャビティ325に至る。この第2キャビティ325も、徐々に下側から上側へ空間を埋められるように被検査オイルで満たされ、間隙G2も確実に被検査オイルで充填される。しかる後、被検査オイルは、第3通路323及び出口部32outを経て、第4管路204に入り、エンジン10に戻される。
【0041】
以上のように、検査光の投受光が行われる間隙G1、G2が存在する第1、第2キャビティ324、325が、下側から上側へ油面レベルが上昇するように埋められて行くので、間隙G1、G2に空気が抱き込まれてしまうようなことはない。このため、本実施形態の構成によれば、的確に被検査オイルの光透過特性を計測することができる。
【0042】
図4は、測定器30の実際の組み付け例を示す側面図である。ここでは、上記で説明したブロック部材31に、校正用ブロック部材31Rが付設されている例を示している。校正用ブロック部材31Rは、オイル通路32が存在しないことを除けば、ブロック部材31と同じ部材であり、第1キャビティ324及び第2キャビティ325と実質的に同一の第1キャビティ324’及び第2キャビティ325’を有している。
【0043】
ブロック部材31と校正用ブロック部材31Rとは水平方向に並置され、これらをサンドイッチするように、プレート部材35、36、37が、その両側と中間にそれぞれ配置されている。プレート部材35、36、37は炭素鋼鋼材等から成る平板部材である。ブロック部材31及び校正用ブロック部材31Rが持つ6つの締結孔34には、それぞれ締結ボルト38が挿通され、締結ナット39が締め付けられることによって両者が一体的に固定されている。なお、プレート部材35、36で両側面が塞がれることにより、ブロック部材31のオイル通路32並びに第1、第2キャビティ324、325は密閉状態とされる。
【0044】
校正用ブロック部材31Rは、第1センサ対40A、第2センサ対40Bとそれぞれ同様な構成の第3センサ対400A、第4センサ対400Bを備える。第3センサ対400Aは、第1発光素子41と同一の波長(例えば870nm)の参照光を発生する第3発光素子45、この参照光を受光する第3受光素子46、第1キャビティ324’内で間隙G1と同じ間隙を置いて対向配置された第1導光部材及び第2導光部材(図略)を含む。第4センサ対400Bは、第2発光素子43と同一の波長(例えば950nm)の参照光を発生する第4発光素子47、この参照光を受光する第4受光素子48、第2キャビティ325’内で間隙G2と同じ間隙を置いて対向配置された第1導光部材及び第2導光部材(図略)を含む。
【0045】
校正用ブロック部材31Rには被検査オイルは流通されず、第1キャビティ324’及び第2キャビティ325’において、第1導光部材及び第2導光部材の間隙を空気層とした、第3発光素子45及び第3受光素子46による投受光、並びに第4発光素子47及び第4受光素子48による投受光が実行される。
【0046】
このような校正用ブロック部材31Rが付設されていることで、第3発光素子45及び第3受光素子46による投受光結果、並びに第4発光素子47及び第4受光素子48による投受光結果を、リファレンスデータとして用いることができる。特に、ブロック部材31と校正用ブロック部材31Rとが図4に示すような態様で一体化されていることから、両者は熱的に結合され、ブロック部材31において検出された透過光量等のデータを外気温の影響を受けないように温度補正して利用できるようになる。
【0047】
本実施形態では、このような校正用ブロック部材31Rを付設することに加えて、第1及び第2導光部材51、52を介して被検査オイルに検査光を投受光するので、被検査オイルが高熱を持つ場合であっても、発光素子及び受光素子がその熱の影響を受け難い構成となっている。つまり、被検査オイルと接触するのは第1及び第2導光部材51、52の第2端面512、522の側であり、発光素子及び受光素子はそこから離間した位置に配置されているので、熱の影響をさほど受けない。
【0048】
図5(a)は、一般的な受光素子の温度特性を示すグラフ、図5(b)は、一般的な発光素子の温度特性を示すグラフである。これらグラフに示す通り、受光素子は環境温度が上昇すると出力電流が上昇する傾向があり、発光素子は環境温度が上昇すると発光出力が低下する傾向がある。従って、第1発光素子41及び第1受光素子42、第2発光素子43及び第2受光素子44が高温に曝されると、その温度の影響を受けて真の透過光量特性が測定できず、ひいては粘度、塩基価、酸価、不溶分などオイル劣化診断に必要なパラメータを算出できない懸念がある。しかし、本実施形態によれば、上記の対策によって温度の影響は可及的に抑制されることから、的確なオイル劣化診断を行うことができる。
【0049】
続いて、処理演算部70について説明する。図6は、処理演算部70の構成を示すブロック図である。この処理演算部70は、ドライバ711〜714、I/V(電流/電圧)変換部721〜724、A/D(アナログ/デジタル)変換部73、CPU(Central Processing Unit)74、通信部75、表示部76、ROM(Read Only Memory)77及びRAM(Random Access Memory)78を備えて構成されている。
【0050】
ドライバ711〜714は、第1センサ対40A、第2センサ対40B、第3センサ対400A及び第4センサ対400Bにそれぞれ備えられている第1発光素子41、第2発光素子43、第3発光素子45及び第4発光素子47を、後述するCPU74の測定制御部743から所定のサンプリング周期で与えられる発光制御信号に基づき駆動(発光)させる。上述した通り、第1発光素子41と第3発光素子45とが同一の発光波長(例えば870nm)であり、第2発光素子43と第4発光素子47とが同一の発光波長(例えば950nm)である。
【0051】
I/V変換部721〜724は、第1受光素子42、第2受光素子44、第3受光素子46及び第4受光素子48がそれぞれ検査光を光電変換して出力した電流信号を電圧信号に変換する。ここで、I/V変換部721、722から出力される電圧信号は、第1発光素子41及び第2発光素子43から発せられた検査光が被検査オイルを透過した透過光量に応じた電圧信号である。すなわち、被検査オイルの劣化の程度に応じた電圧信号が出力される。一方、I/V変換部723、723から出力される電圧信号は、第3発光素子45及び第4発光素子47から発せられた参照光が空気層を通過しただけの空気透過光量に応じた電圧信号となる。
【0052】
A/D変換部73は、I/V変換部721〜724からそれぞれ出力される電圧信号を取得し、これをデジタル信号に変換してCPU74へ向けて出力する。
【0053】
CPU74は、処理演算部70各部の動作制御を行うもので、機能的に温度補正部741、劣化演算部742及び測定制御部743を備えて構成されている。温度補正部741は、校正用ブロック部材31Rに対応するI/V変換部723、724からの出力信号を補正用電圧として利用し、検査光の透過光量に応じたI/V変換部721、722からの出力信号をそれぞれの検査光波長において温度補正する演算を行う。すなわち、I/V変換部721の出力信号は、同じ波長が用いられたI/V変換部723の出力信号で補正され、I/V変換部722の出力信号は、同じ波長が用いられたI/V変換部724の出力信号で補正されるものである。
【0054】
劣化演算部742は、I/V変換部721、722からの出力信号に基づいて、被検査オイルの劣化度合いに関するパラメータを求める演算を行う。このパラメータとしては、透過光量若しくは吸光度の低下度合い、あるいは透過光量に基づき求められる粘度、塩基価、酸価、不溶分などを例示することができる。
【0055】
測定制御部743は、所定の測定プログラムに則りドライバ711〜714及びI/V変換部721〜724による測定動作を制御する。具体的には、ドライバ711〜714及びI/V変換部721〜724にタイミングパルス等を与え、サンプリング周期毎に第1〜第4発光素子41、43、45、47を発光させると共に、その発光タイミングに同期させて第1〜第4受光素子42、44、46、48から光電変換信号(測定データ)を取得させる。
【0056】
図7は、発光波長として870nm及び950nmの2波長を使用した場合における、エンジン10の運転時間と潤滑オイル11(被検査オイル)の透過光量(受光光量)との関係の測定例を示すグラフである。グラフに示す通り、エンジン10の運転時間が長くなる程、受光光量が低下するようになる。また、870nmと950nmとでは、受光光量の大きさ、傾きが異なることが分かる。劣化演算部742は、このような特性を利用して、劣化度合いに関するパラメータを求める演算を行う。
【0057】
図8は、温度補正部741における温度補正処理を説明するためのグラフである。I/V変換部721,722からの出力電圧は、符号C1で示す特性のように、温度が高くなる程低くなる。一方、校正用ブロック部材31Rに対応するI/V変換部723、724からの出力電圧も、ブロック同士が熱結合されていることから、符号C2で示す特性のように同じような勾配を示す。従って、符号C1の特性を符号C2の特性で補償することで、符号C3で示すように殆ど温度依存性のない特性を得ることができる。
【0058】
図6に戻って、通信部75は、外部の端末機等とデータ通信を行うものであり、例えば劣化演算部742による劣化診断結果を、インターネットを介して遠隔地に存在する管理センター等へ伝送する。表示部76は、液晶ディスプレイ等からなり、例えば劣化演算部642による劣化診断結果を所定の形式で表示する。
【0059】
ROM77は、当該劣化診断装置Sの動作プログラム等を記憶する。RAM78は、A/D変換部73から与えられるデータ信号、劣化演算部742による劣化診断結果等を一時的に格納する。
【0060】
以上の通り構成された本実施形態に係る潤滑オイルの劣化診断装置Sの動作について説明する。エンジン10の運転が開始されると、ポンプ21の駆動も開始され、潤滑オイル11の一部がオイル取り出し孔12から被検査オイルとして抜き出される。抜き出された被検査オイルは、第1〜第3管路201〜203を経て、測定器30のブロック部材31へ導かれ、入口部32inからオイル通路32に入る(図1参照)。
【0061】
その後、被検査オイルは、第1キャビティ324及び第2キャビティ325の空間を充填しつつ、オイル通路32を通過する(図3参照)。この際、先ず第1キャビティ324で、第1センサ対40Aの第1導光部材51と第2導光部材52との間隙G1において、被検査オイルは第1発光素子41が発する第1検査光の照射を受ける。この第1検査光は、被検査オイルを透過した後に第1受光素子42にて受光される。続いて、第2キャビティ325で、第2センサ対40Bの第1導光部材51と第2導光部材52との間隙G2において、被検査オイルは第2発光素子43が発する第2検査光の照射を受ける。この第2検査光は、被検査オイルを透過した後に第2受光素子44にて受光される。
【0062】
ここで、調整ネジ62の締め付け程度を調整することによって、前記間隙G1、G2の間隔を調整することができる。間隙G1、G2は、被検査オイルの種類、汚濁度等に応じて、第1受光素子42、第2受光素子44の感度が適切化されるように調整すれば良い。
【0063】
第1受光素子42、第2受光素子44の受光データに基づき、処理演算部70(図6参照)により被検査オイルの劣化度合いに関するパラメータが算出される。その算出結果は、通信部75を通して外部の端末機等に送信されたり、表示部76で表示されたりする。一方、オイル通路32の出口部32outから排出された被検査オイルは、第4管路204を経て、オイル戻し孔13を介してエンジン10に戻される。以下、かかる動作が、エンジン10の運転期間中継続されるものである。
【0064】
以上説明した潤滑オイルの劣化診断装置Sによれば、稼働中のエンジン10の運転を停止することなく、潤滑オイル11の劣化度合いを長期間安定的に、非破壊で監視することができる。従って、CGS用のガスエンジンのような定置用エンジン等であっても、通信部75から劣化診断結果を送信させることで、オイル交換時期を遠隔的に且つ的確に判定することができ、結果としてメンテナンス負担の軽減、オイル交換頻度の最適化及びそれに伴う廃油量の低減を図ることができる。
【0065】
また、ガラス棒のような断熱性の第1及び第2導光部材51、52を介して被検査オイルに検査光を投受光するので、被検査オイルが高熱を持つ場合であっても、発光素子及び受光素子がその熱の影響を受けることはない。さらに、ブロック部材31は、オイル通路32の入口部32inが下側で出口部32outが上側となるように設置されるので、被検査オイルは、オイル通路32の空間を確実に埋めながら出口部32outに向かう。このため、第1及び第2導光部材51、52の端面間隙G1、G2に空気が抱き込まれてしまうようなことはなく、的確に被検査オイルの光透過特性を計測することができる。
【0066】
以上、本発明の各種実施形態につき説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、下記[1]〜[3]のような変形実施形態を取ることができる。
[1]上記実施形態では、2組の発光素子及び受光素子を用いる2波長方式を例示したが、1組の発光素子及び受光素子のみを用いるようにしても良い。あるいは、3組以上の発光素子及び受光素子を用いるようにしても良い。
[2]上記実施形態では、機関の例としてエンジン10を挙げたが、本発明はエンジン以外の潤滑オイルを用いる他の機関にも適用可能である。例えば、コンプレッサーやギア装置等に使用されている潤滑オイルの劣化診断にも適用することができる。
[3]上記実施形態では、潤滑オイルの劣化診断を例示したが、潤滑オイル以外の他の各種液体の物性を検査する検査装置にも適用可能である。例えば、冷却水、工業用水、温泉水、液体燃料、薬液類などの検査用途にも、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係る潤滑オイルの劣化診断装置Sの全体構成を概略的に示す構成図である。
【図2】測定器(ブロック部材)の詳細構造を示す分解斜視図である。
【図3】組み付けられた状態の測定器の断面図である。
【図4】測定器の実際の組み付け例を示す側面図である。
【図5】(a)は、一般的な受光素子の温度特性を示すグラフ、(b)は、一般的な発光素子の温度特性を示すグラフである。
【図6】処理演算部の構成を示すブロック図である。
【図7】2波長を使用した場合における、エンジンの運転時間と潤滑オイル(被検査オイル)の透過光量(受光光量)との関係の測定例を示すグラフである。
【図8】温度補正部における温度補正処理を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
【0068】
S 潤滑オイルの劣化診断装置(液体の検査装置)
10 エンジン(機器;潤滑オイルを使用する機関)
11 潤滑オイル
20 オイル循環系統(液体循環系統)
201〜204 第1〜第4管路
30 測定器(検査手段)
31 ブロック部材
32 オイル通路(液体通路)
32in 入口部
32out 出口部
324、325 第1キャビティ、第2キャビティ
41、43、45、47 第1、第2、第3、第4発光素子
42、44、46、48 第1、第2、第3、第4受光素子
51、52 第1、第2導光部材
62 調整ネジ62(間隔調整機構)
70 処理演算部
G1、G2 間隙


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が貯留された機器から前記液体の一部を被検査液体として抜き出し、所定の循環経路を経て前記被検査液体を前記機器に戻す液体循環系統と、
前記循環経路の途中に設けられ、前記被検査液体に所定の検査光を透過させることで前記被検査液体の物性を計測する検査手段と、を具備し、
前記液体循環系統は、前記被検査液体を流通させる管路を有し、
前記検査手段は、前記管路にその入口側と出口側とがそれぞれ接続され前記被検査液体を所定の流量で通過させる液体通路を有するブロック部材と、各々の一端面が前記液体通路に臨んで配置され前記一端面同士が間隙を置いて互いに対向するように配置される棒状の第1及び第2の導光部材と、前記第1の導光部材の他端面の側に配置され前記検査光を発する発光素子と、前記第2の導光部材の他端面の側に配置され前記検査光を受光する受光素子とを含み、
前記ブロック部材は、前記液体通路の入口側の高さ位置が下側で出口側の高さ位置が上側となるように設置され、前記管路の上流側が前記液体通路の入口側に接続され、前記管路の下流側が前記液体通路の出口側に接続されていることを特徴とする液体の検査装置。
【請求項2】
前記液体通路が、液体溜まりを形成させるキャビティを備え、
前記第1及び第2の導光部材の一端面は、前記キャビティにおいて対向配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体の検査装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の導光部材がガラス棒からなることを特徴とする請求項1に記載の液体の検査装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の導光部材の前記一端面同士の間隙を調整する間隔調整機構をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の液体の検査装置。
【請求項5】
前記管路及び前記液体通路からなる前記被検査液体の流通空間が、密閉空間とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体の検査装置。
【請求項6】
前記液体が潤滑オイルであり、
液体循環系統が、前記潤滑オイルを使用する機関から前記潤滑オイルの一部を被検査オイルとして抜き出し、所定の循環経路を経て前記被検査オイルを前記機関に戻すオイル循環系統であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−2861(P2009−2861A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165427(P2007−165427)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(506289756)伸和エンジニヤリング株式会社 (3)
【Fターム(参考)】