説明

液体レベルセンサ付き飲料供給器

本発明は、取り外し可能な液体容器(10)と、前記容器内(10)内の液体レベルを検知するための液体レベルセンサ(19)と、前記液体容器(10)に連結可能な上昇パイプ(16)とを備える飲料供給器を提供するものであり、前記液体レベルセンサ(19)は前記液体容器(10)内の液体レベルを液面を決定するために前記上昇パイプ(16)内の液体レベルを検知する。この飲料供給器は、前記上昇パイプ内の液体レベルは、液体容器から液体が消費される間においても前記液体容器内の液体レベルと正確に同じ液体レベルを与え、上昇パイプ内の液体レベルは液体の消費によって生じる吸引効果の影響を受けることがないという利点を与える。このことは液体容器から排出される液体の量を正確に測定できるという利点があり、消費される液量を出来るだけ正確に制御することを可能にする機会を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り外し可能な液体容器と、前記液体容器に接続可能な上昇パイプと、液体容器内の液体レベルを決定するための上昇パイプ内の液面を検知する液体レベルセンサを備える飲料供給器に関する。
【背景技術】
【0002】
取り外し可能な液体容器を備える飲料供給器はEP 1 514 500 A1(特許文献1)により知られている。上昇パイプがその飲料供給器に設けられており、そのパイプは前記液体容器と接続可能とされている。更に、液体容器内の液体レベルを決定するための上昇パイプ内の液面を検知する液体レベルセンサが設けられている。この構成は、液体レベルセンサを液体容器の内部に設ける必要がなく、検知が液体容器の外でなされるという利点を与えている。したがって、液体レベルセンサは取り外し可能な液体容器の外にあり、飲料供給器と液体レベルセンサとを取り外し不能に接続することが必要とされるが、このことは出来そうもない。
【0003】
しかしながら、この飲料供給器の液体レベル検知システムを他の飲料供給器に適用しようとする場合、これらの飲料供給装置の動作の間は、上昇パイプ内の液体レベルは、液体容器内の液体レベルと常に正確に同じということにはならない。
【特許文献1】EP 1 514 500 A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、取り外し可能な液体容器内の液体レベルをより信頼性を高くして検知することができる飲料供給器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、請求項1による飲料供給器によって解決される。更なる有利な改良は従属請求項に示されている。
【0006】
本発明によれば、飲料供給器は、取り外し可能な液体容器と、前記液体容器と接続可能な上昇パイプと、前記液体容器内の液体レベルを決定するための前記上昇パイプ内の液体レベルを検知するための液体レベルセンサを備え、前記液体容器は、少なくとも二つの液体出口が設けられ、一方が前記上昇パイプに接続されるように適合され、他方は飲料供給に使用されるように液体を供給するように適合される。この飲料供給器において、上昇パイプは、液体容器から液体を調合するために使用する部分に延びる管から分岐しない。このような管においては、液体が液体容器から消費のために排出されるとき、吸引効果が生じ、もし、上昇パイプがこの管から分岐していると、上昇管内の液体レベルはこの吸引効果の影響を受けることとなる。したがって、少なくとも二つの液体出口は、上昇パイプ内の液体レベルは液体が使用されている間における液体容器内のレベルと正確に同じに保たれ、吸引効果の影響を受けることがないことを保証する。このことは、液体容器から排出される液体の量を正確に測定できるという利点を与え、液体の使用量を出来るだけ正確に制御する機会を与えることとなる。
【0007】
本発明によれば、飲料供給器は、更に、飲料を供給するために使用されるように液体を供給するためのポンプを備え、そのポンプは一方の出口に接続可能とされることが好ましい。液体容器から液体を汲み出すためのポンプが設けられると、上述の吸引効果は特にはっきりしたものとなる。したがって、この飲料供給器は上昇パイプ内の液体レベルが液体を搬送しているときにポンプの吸引の影響受けないという利点を与える。したがって、ポンプを駆動しているときに、上昇パイプ内の液体レベルが液体容器内と正確に一致し、ポンプの影響を受けないことが保証される。このことは、水容器からポンプにより汲み出される量を正確に測定でき、汲み出す液体の量をできるだけ正確に制御する機会を与えるという利点をもたらす。
【0008】
本発明によれば、飲料供給器は、更に、液体容器が飲料供給器から取り外されたときの状態において上昇パイプを遮断するためのバルブを備えることが好ましい。使用時には、上昇パイプ内の液体レベルは液体容器内の液体レベルと等しくなる。このバルブは、空でない液体容器が取り外されたとき、上昇パイプ内に残っている液体が、容器が取り外しできるようになっているソケットから漏れ出ることを防止する。
【0009】
本発明の更なる改良点は、液体容器の二つの出口の夫々に、液体容器が飲料供給器から取り外されたとき、二つの出口を塞ぐバルブが設けられていることにある。これらのバルブは、液体容器が空でない状態で取り外されるとき、液体容器から液体が漏れることを防止する。
【0010】
更に、液体レベルセンサは電気的液体レベルセンサであることが好ましい。このことは、検知信号送出の処理を容易にし、機械的検知信号を検知し、送信するために必要となる複雑な機械的構造を避けることができる。
【0011】
更に、上昇パイプはボイラーから液体を受けるように適合されることが好ましい。これは、沸騰した水を水容器に排出するための管を必要としなくなるため、実施形態の構造をより簡単なものとすることができる。
【0012】
更に、夫々のバルブは液体容器によって摺動可能に支持され、バルブが閉じる方向にバネにより付勢されたたスプールを有し、これにより、出口に接続可能なソケットに形成された突起に対してスプールが当接することによりバルブが開となるようにされている。この構成は、バルブを適用するための構造を簡単にするという利点がある。
【0013】
これら、及び本発明の他の態様は、以下に記載する実施例を参照することにより明らかになるであろう。

【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は本発明による飲料供給器を示す。この飲料供給器は、取り外し可能な液体を貯蔵するための液体容器10を備え、この液体は通常は水又は何らかの添加剤を含む水である。この飲料供給器は、液体容器がその指定された位置に配置された状態で飲料供給器と後述する連結状態が確立するように、液体容器10を受け、保持するようにされている。液体容器10の底部を通して二つの出口12及び14が形成されている。もし、取り外し可能な容器10が飲料供給器に取り付けられたとき、出口12は連結部材18を介して上昇パイプ16と連通する。上昇パイプ16は細長い円筒状をなし、その長軸は配置された液体容器10の上方最大充満レベルを超えて垂直方向に延びている(この詳細な説明における「上方」及び「下方」は図示された方向である)。液体容器10を取り付ける時、液体レベル10は上昇パイプ16内では液体容器10内の液体レベルと等しくなる。上昇パイプ16内の液体レベルは好ましくは電子的又は電気的容量型センサである液体レベルセンサ19によって検出される。このような容量型センサに於いては、夫々が対向し、上昇パイプ16内の長手方向に延びるようにして、二つの電極が上昇パイプ内に設けられている。上昇パイプ16内の液体は誘電体として機能して、容量型センサ容量型センサの容量が上昇パイプ16内で変化する液面に従って変化する。上昇パイプ16内の液体レベルが液体容器10内の液体レベルにスムースに追従するようにするため、上昇パイプ16は上昇パイプ16の最高位置である一端20において開放されている。もし、取り外し可能な液体容器10が飲料供給器に取り付けられると、出口14は管22を経由してポンプ24に連結される。一方、ポンプ24は液体を加熱するために管を介してボイラ26に接続されている。ボイラ26は3方向バルブ28に接続されている。それに加え、更に、3方向バルブ26は管を介して調合チャンバ30に接続され、また、3方向バルブ28から分岐する他の管が上昇パイプ20の開放端20に連通し、ボイラ26から膨張した液体を上昇パイプ16に導くようにしている。
【0015】
飲料調合の開始にあたり、飲料供給器の液体容器10が飲料供給器に取り付けられ、液体レベルセンサ19が所定の最小液体レベルにあることを示すと、ポンプ24が液体容器10を吸引し、液体をボイラ26に圧送し、そこで液体は、例えばコーヒーのような材料を調合するのに適した温度に加熱される。加熱の間、3方向バルブ28は選択的にボイラ26からの膨張した水を上昇パイプ16の開放端20に供給する。加熱の後、加圧された高温の液体は3方向バルブにより選択的に調合チャンバ30に向けられ、そこで、調合チャンバ30内の材料が高温液体を使用して調合及び/又は混合される。調合の際、抽出された材料はディスペンサを介してカップ又はグラスに注出される。液体レベルセンサ19が最小液体レベル以下であることを検知するとすぐに、ポンプ駆動の開始又は継続が禁止され、視認できる指示器がユーザに取り外し可能な容器を充填する必要があることを知らせる。
【0016】
図2は取り外し可能な容器10と図1の飲料供給器との連結を示す。上昇パイプ側では、連結部材18には、内径が上昇パイプ16の外径より僅かに小さい底のある円筒状上昇パイプソケット40が形成されている。上昇パイプ16の上昇パイプソケット40内への取り付けは、例えば、上昇パイプ16を上昇パイプソケット40内に嵌合させるか、上昇パイプ16を上昇パイプソケット40内に接着剤により接合することにより行われる。連結部材18の中央部分はバルブチャンバを形成し、そのチャンバは円筒状又は立方体形をなし、隔壁42により上部バルブチャンバ44と下部バルブチャンバ46に分けられている。上部バルブチャンバ44は上昇パイプソケット40と好ましくは製造容易のために矩形断面をした細長い通路を介して接続されている。下部バルブチャンバ42は、好ましくは断面矩形の細長の通路を介して液体容器ソケット48と接続されている。液体容器ソケット48は上側が開いた底のある円筒形をなし、この開口部は所定の円形断面を有している。液体容器ソケット48の内部は、突起50が底部から液体容器ソケット48の開放側に突出している。ポンプ22に連通する管22は、その液体容器側に液体容器ソケット52が設けられおり、この液体容器ソケット52は基本的には第1の液体容器ソケット48と同一であり、そこには符号54で示された液体容器ソケット52の突起がある。連結部材18のバルブチャンバ内には、上部と下部のバルブチャンバ44と46の間で連通を開閉するためのチェックバルブとしてバルブ60が設けられている。詳述すると、バルブ60は、細長の円筒状バーで両端に拡大径とされたディスク状端部を持つように形成されたスプールを有する。このスプールの円筒状部分には外径部に凹所が長手方向に延びて形成され、
バルブ60が開の状態では液体が通過できるようにしている。スプール62は円筒状部分が連結部材18の隔壁42により摺動可能に支持されるように設けられている。更に、スプール62はバルブチャンバの上部壁により摺動可能に、且つ液封止状態で支持されている。下部バルブチャンバ46内にあるスプール62のディスク状端部62には、その内側にシーリングが設けられている。バルブチャンバの上部壁とスプール62の上部ディスク状端部との間にはスプール62をバルブを閉じる方向に付勢するバネ64が設けられていて、スプール62の下部ディスク状端部が対応するシーリングを隔壁42に押し付け、上部と下部のバルブチャンバ44と46の間の連通を遮断するようにしている。液体容器10の底から二つの円筒状出口ノズル56と58が下方に突出し、夫々は、出口12と14に同軸に配置されている。更に、出口ノズル56と58の外径は、それぞれ対応する液体容器ソケット48と52の内径と等しいか、或いは僅かに大きくしてある。出口12と14には、夫々、同一構造のバルブ70及び80が設けられている。各バルブ70,80は、細長の円筒状バーとその両端の拡大径のディスク状端部を持つスプール72と82を有している。スプール72,82の円筒状バー部分は対応する出口12,14に摺動可能に支持されており、外径部に長手方向に延びる凹所が形成され、バルブ70.80が開の状態では液体が通過できるようにされている。液体容器10の内部にあるスプール72,82のディスク状端部にはその内側にシーリングが設けられており、液体容器10の底部とスプール72,82の間を封止できるようにされている。スプール72,82の他方のディスク状端部と液体容器10の底部との間には、対応するスプールを、バルブを閉にする方向に付勢するバネ74,84が設けられ、これによって、液体容器10内にあるディスク状端部が対応するシール部を液体容器10の底に押し付け、これによって、出口12,14が閉じられるようにしている。
【0017】
液体容器10が飲料供給器に取り付けられると、パイプノズル56,58はユーザにより液体容器ソケット48,52内に押し付けられ、これにより、液体容器ソケット48,52と出口ノズル56,58との間で液封止連結が確立する。この液体容器10の挿入の間、スプール72,82の下端は突起50,54に当接する。この挿入のバネ74,84の付勢力に抗して作用する力により、突起50と54はスプール72,78を、バルブを開にする方向に押す。これにより、液体は、液体容器10から連結部材18及びポンプ24と連通する管22に向けて流れることが可能となる。この液体容器10の挿入時には、また、スプール62の上端は、挿入力によって、液体容器10の底部がバネ64の付勢力に抗してバルブを開にする方向に作動する。挿入が完了すると、液体容器10は連結部材18を介して上昇パイプ16と連通し、液体容器10は、また、別の管22を介してポンプ26と連通する。液体容器10が取り外され、スプール62,72,82が夫々のバネ64,74,84によってバルブを閉にする方向に付勢されてバルブ60,70,80が閉じられる。
【0018】
このように、上述の発明は、液体レベルセンサ19は液体容器内に設ける必要がなく、液体容器の外に配置することができるという利点を与える。したがって、液体レベルセンサ19は取り外し可能の液体容器の外部に存在し、欠陥が生じ易い、飲料供給器と液体レベルセンサ19との間の取り外し可能な連結機構が必要とされなくなる。
【0019】
これまで記載されていない多くの均等物や改良が添附の請求項に規定される本発明の範囲を離れない範囲において採用することができる。
【0020】
添附の請求項において、符号は請求項の理解を容易にするためのみのものである。これらの符号は発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による飲料供給器を示す図である。
【図2】取り外し可能な液体容器と図1の飲料供給器の結合状態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能な液体容器と、前記液体容器に連結可能な上昇パイプと、前記液体容器の液体レベルを決定するために前記上昇パイプ内の液体レベルを検知するための液体レベルセンサを備え、前記液体容器は少なくとも二つの液体出口を有し、前記出口の一つは前記上昇パイプに連結できるように構成され、一つは飲料を調合するために液体を供給するように構成されていることを特徴とする、飲料供給器。
【請求項2】
飲料を供給するために使用されるように液体を供給するためのポンプを更に有する請求項1に記載の飲料供給器。
【請求項3】
前記液体供給器は、前記液体容器が前記飲料供給器から取り外された状態においては、前記上昇パイプを閉鎖するためのバルブを更に備えている請求項1に記載の飲料供給器。
【請求項4】
前記液体容器の前記出口の各々は、前記液体容器が前記飲料供給器から取り外された状態においては、前記出口を閉鎖するためのバルブを備えている請求項1に記載の飲料供給器。
【請求項5】
前記液体レベルセンサは電気的液体レベルセンサである請求項1に記載の飲料供給器。
【請求項6】
前記上昇パイプはボイラから液体を受けるように構成された請求項1に記載の飲料供給器。
【請求項7】
前記バルブの各々は、前記液体容器に摺動可能に支持され、バネによりバルブを閉にする方向に付勢されているスプールを有し、前記バルブは前記スプールが前記出口に接続可能なソケット内に形成された突起に当接することによって作動するように構成されている、請求項4に記載の飲料供給器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2009−519076(P2009−519076A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545170(P2008−545170)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【国際出願番号】PCT/IB2006/054621
【国際公開番号】WO2007/069135
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】