液体分注システム
【課題】あらかじめ選択した一連の試薬などの液体を試験スライドに正確に添加する。
【解決手段】液体分注システムは、計量チャンバ110と液体連通している液体貯槽102を通常含む液体分注カートリッジ100となり得る。計量チャンバ110は、カートリッジ100から放出される前に液体貯槽102内のブラダー106から計量チャンバ110に通過した所定量の液体のための保持空間を備えている。圧縮力により計量チャンバ110内に生じた圧力は、開口した弁118から液体を放出させる。計量チャンバ110からカートリッジ100の外へ出する液体の方向および/または速度を制御するためにノズル120を使用する。
【解決手段】液体分注システムは、計量チャンバ110と液体連通している液体貯槽102を通常含む液体分注カートリッジ100となり得る。計量チャンバ110は、カートリッジ100から放出される前に液体貯槽102内のブラダー106から計量チャンバ110に通過した所定量の液体のための保持空間を備えている。圧縮力により計量チャンバ110内に生じた圧力は、開口した弁118から液体を放出させる。計量チャンバ110からカートリッジ100の外へ出する液体の方向および/または速度を制御するためにノズル120を使用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体分注システム、特に生物試料処理システムに使用し得る液体分注装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な状況では、診断を目的として生物標本の処理および試験が必要である。一般的に言えば、病理学者および他の診断医は患者由来の試料を採取し、研究し、顕微鏡検査および他の装置を利用して試料を細胞レベルで評価する。典型的には、多数の工程は病理学および他の診断過程に関与しており、血液や組織などの生物試料の採取、試料の処理、顕微鏡スライドの調製、染色、検査、再試験または再染色、別の試料の採取、試料の再検査、最終的に、診断所見の提出を含む。
【0003】
生物学的試験の実行中では往々にして、試薬などの液体を生物標本が含まれる試験スライドに分注することが必要となる。例えば腫瘍組織を分析する場合、組織の薄切片をスライドに設置し、所定量の液体試薬を組織に分注するといった多様な工程を経て処理し得る。自動試薬液分注システムは、あらかじめ選択した一連の試薬を試験スライドに正確に添加するために開発された。
【0004】
代表的な試薬分注システムは複数の試薬容器を支持し、選択した試薬容器をスライド上に設置し、試薬を受け取ることが可能な試薬分注トレイを含む。該システムは試薬容器からの試薬の放出を容易にするアクチュエータをさらに含む。操作中、試薬分注トレイは、試薬容器をアクチュエータに隣接させて設置する。アクチュエータ(例えばピストン)は、例えば、試薬容器に付随したバネ付勢式変位部材と接触しており、変位部材の動作に影響を与え、試薬液がスライド上に順次添加されるようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の実施態様は例により示されるものであり、同様の引例が類似の構成要素を示す添付図面の図で限定することにより説明されるものではない。注目すべきことは、本開示における「1つの("an"または"one")」実施態様についての複数の引例は必ずしも同一の実施態様を意味するわけではなく、このような複数の引例は少なくとも1つを意味するということである。
【0006】
【図1】(A)液体分注システムの1つの実施態様の斜視図(B)液体分注システムの1つの実施態様の断面図
【図2】液体分注システムの1つの実施態様の分解図
【図3】図2の液体分注システムの1つの実施態様の斜視図
【図4】図2の液体分注システムの1つの実施態様の斜視図
【図5】図2の液体分注システムの1つの実施態様の斜視図
【図6】図2の液体分注システムの断面図
【図7】(A)操作中の図2の液体分注システムの断面図(B)操作中の図2の液体分注システムの断面図(C)操作中の図2の液体分注システムの断面図(D)操作中の図2の液体分注システムの断面図
【図8】液体分注システムの別の実施態様の断面図
【図9】切断線9‐9’に沿った図8の液体分注システムの断面図
【図10】切断線10‐10’に沿った図8の液体分注システムの断面図
【図11】図8の液体分注システムの計量チャンバの斜視図
【図12】図11で説明した安定装置の切り抜き図
【図13】液体分注システム用液体保持容器の1つの実施態様の斜視図
【図14】(A)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの1つの実施態様の側面図(B)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの1つの実施態様の側面図(C)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの1つの実施態様の側面図(D)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの1つの実施態様の側面図
【図15】(A)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(B)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(C)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(D)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(E)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図
【図16】(A)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(B)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(C)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(D)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(E)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図
【図17】液体分注システムの1つの実施態様の平面図
【図18】図17の液体分注システムの側断面図
【図19】液体分注システムの1つの実施態様の斜視図
【図20】液体分注システムの1つの実施態様のフローチャート
【詳細な説明】
【0007】
以下の段落において、添付図面を参照して例示により本発明を詳細に説明することとする。本明細書全体にわたって、示された実施態様および実施例は本発明に対する限定というよりむしろ手本と考えることが好ましい。さらに、本明細書で開示した実施態様の様々な態様の引例は、請求した実施態様または方法すべてが参照した態様を必ず含むことを意味するものではない。
【0008】
図1(A)は液体分注システムの1つの実施態様を示している。液体分注システムは、計量チャンバ110と液体連通している液体貯槽102を通常含む液体分注カートリッジ100となり得る。液体貯槽102は通常、試薬または洗浄液などの所定量の液体を保持するように構築されている容器を含む。いくつかの実施態様では、貯槽102は収容部104を含む。
【0009】
収容部104は液不透過性材料から構成された剛性収容部となり得る。収容部104は、化学的に不活性のプラスチック、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンなどの液体を保持することに適した任意の材料から構成し得ることはまた、高く評価すべきである。液体を含むこと以外に、収容部104は、操作するための把持表面、および例えば表面に記述するかラベルを添付することで情報がカートリッジに記録されるような記録表面をさらに備え得る。該ラベルは例えば、貯槽102の内容物および/もしくは処理プロトコルを識別するバーコードまたは無線周波識別(RFID)タグとし得る。
【0010】
いくつかの実施態様では、収容部104は第1部分104Aおよび第2部分104Bを有する二枚貝収容部である。第1部分104Aおよび第2部分104Bは計量チャンバ110の周囲に位置し、まとめて取り付けられ、収容部104を形成する別々の部品となり得る。いくつかの実施態様では、第1部分104Aおよび第2部分104Bは例えば、戻り止めまたはスナップ固定機構によりまとめて保持されている。いくつかの実施態様では、第一部分104Aおよび第二部分104Bが互いに固定し合っている場合、それら部分により形成された継ぎ目を通って空気が通過可能になっていると考えられている。この態様では、前記継ぎ目は空気進入のための通気機構を備え、収容部104内の圧力を均等にする。このような実施態様では、図1(B)を参照して詳細に記述するように、収容部104内の液体は、収容部104内に設置された液体ブラダーまたは入れ子の中に存在し得る。別のさらなる実施態様では、収容部104内にバルブが備えられ(図1(B)参照)、通気を可能にしている。
【0011】
計量チャンバ110は液体貯槽102および収容部104の基部から伸長している(図示あり)。1つの実施態様では、計量チャンバ110は円筒状部材、例えば変形可能材料の管状構造物である。図2を参照して計量チャンバ110を詳細に説明することとする。
【0012】
ノズル120は計量チャンバ110の端部に設置し得る。ノズル120の外部表面はノズル120を形成するのに必要な材料の量、同様にノズルの重量を削減することに役立つカットアウト部分174を含み得る。ノズル120はノズルロッキング機構134で計量チャンバ110に固定し得る。ノズルロッキング機構134は計量チャンバ110を包囲し、ノズル120に取り付けて計量チャンバ110にノズル120を保持するアームを含む円筒状部品となり得る。典型的には、ノズルロッキング機構134のアームはノズル120内で形成された突出部位の下に掛かっているフックを含み得る(図2参照)。ノズル120は化学的に不活性のプラスチック、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンなどの液体を保持することに適した任意の材料から構成し得る。計量チャンバ110にノズル120を取り付けると、計量チャンバ110からの液体放出の制御が促進される。
【0013】
いくつかの実施態様では、継ぎ輪116および延長部材136、138は計量チャンバ110の上部を包囲し得る。継ぎ輪116は収容部104の開口内に計量チャンバ110の端部を固定する。延長部材136、138は、計量チャンバ110からの液体の放出を操作するように設計された圧縮アセンブリに計量チャンバ110を連結し易くし得る。
【0014】
カートリッジ100の配送中、計量チャンバ110を覆い、保護するためにカバー140をさらに備え付けてもよい。カバー140は、収容部104の外部へ伸長する計量チャンバ110の一部を覆うのに適しているのであればどのような寸法であってもよい。典型的には、カバー140は、直径が先細になっている中空の円筒状プラスチック構造物となり得る。カバー140の開口端を形成するエッジから伸長しているフック142および144は、カバー140を収容部104に取り付けるために使用してもよい。フック142、144はそれぞれ、反矢じり端146、148を含む。収容部104は計量チャンバ110の反対側に開口150、152を含み得る。開口150、152はフック142、144を受け入れるために寸法を合わせる。フック142、144の反矢じり端146、148をそれぞれ開口150、152内に挿入する場合、反矢じり端146、148は開口150、152の端部を引っ掛けて定位置にカバー140を保持する。カバー140を押し潰し、反矢じり端146、148を取り除き、収容部104から離れた方向にカバー140を引くことでカバー140は除去し得る。フック型固定機構が開示されているが、収容部104にカバー140を固定するのに適した任意の他の機構も使用し得ることがさらに考えられる。
【0015】
図1(B)は液体分注システムの中間部を通る図1(A)の液体分注システムの断面図を示す。この態様では、液体分注システムは、収容部104によって形成された液体貯槽102を有する液体分注カートリッジ100を含む。収容部104は、計量チャンバ110と液体連通している。いくつかの実施態様では、収容部104は場合により、収容部104内の圧力を周囲大気圧と同等にする圧力バルブ134を含み得る。特に、収容部104内の液体部分を分注した後に収容部104内が真空にはならないように、圧力バルブ134を使用して収容部104内の圧力を安定化させ得る。圧力バルブ134は空気を収容部104に進入させる任意のバルブとなり得る。例えば、一方向「ダックビル」型逆止弁となり得る。他の実施態様では、圧力バルブ134は省略し、図1(A)を参照して先に述べた収容部104の第1部分104Aおよび第2部分104Bの連結により形成された継ぎ目を使用してシステムを通気させ得る。
【0016】
いくつかの実施態様では、液体貯槽102内の液体は液体ブラダーまたは入れ子106内に保持する。ブラダー106は収容部104により特徴付けられた内部チャンバ内に設置し得る。ブラダー106は中に所定量の液体(例えば試薬または洗浄液)を含み得る。収容部104の内部チャンバの寸法に合わせて膨張するようにブラダー106は膨張性となり得る。この態様では、液体は最大量でブラダー106内に、同様に収容部104内に保持し得る。ブラダー106が、実質的に液体不透過性で可塑性の任意の好適な材料から成り得ることは高く評価すべきである。ブラダー106は例えば、モデル番号TF-480のHawthorne(カナダ)のTechFlex Packaging, LLCから入手できるようなブラダーとなり得る。
【0017】
ブラダー106は、周囲大気汚染の低減およびブラダーに入った液体の保存期間の延長を促進する。いくつかの実施態様では、ブラダー106は、潰れた形態から膨張した形態まで、ブラダー106の膨張を容易にするひだを含む。ブラダー106の膨張形態での断面は四辺形となり得る。例えば、収容部104が台形断面を有する実施態様では、ブラダー106の膨張形態での断面は台形となり得る。他の実施態様では、ブラダー106は望ましい量の液体の保持に適した任意の寸法であり、例えば断面は楕円となり得る。図13を参照してさらに詳細にブラダー106を説明することとする。
【0018】
ブラダー106はコネクタ108を介して計量チャンバ110に接続し得る。コネクタ108はそこに通じる円筒状導管112を有する実質的に剛性の部材となり得る。コネクタ108は、化学的に不活性のプラスチック、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンなどの液体を保持することに適した任意の材料から成り得る。この態様では、ブラダー106から出た液体はコネクタ108を経て計量チャンバ110へと流れる。コネクタ108の一端は、ブラダー106の端部で形成された開口部においてブラダー106に封止する(例えばヒートシール)ことも可能である。コネクタ108の反対側の端部は、計量チャンバ110の端部内に、収容部104の基部に通じるように形成された開口114を経て挿入し得る。
【0019】
コネクタ108は上部154および下部158を含み得る。ブラダー106は上部154の周囲に封止する。下部158は計量チャンバ110内に挿入する。上部154はブラダー106内への上部154の固定に役立つ第1フランジを備える。図1(B)に示したように、上部154付近に形成された第1フランジはブラダー106内に設置し、ブラダー106の開口は第1フランジの周囲に封止する。
【0020】
下部158は第2フランジ156および第3フランジ160を含む。第2フランジ156は、第1フランジと向かい合うブラダー106の外表面に沿って設置する。第3フランジ158は計量チャンバ110内に設置された下部158の端部に設置する。
【0021】
いくつかの実施態様では、開口114に継ぎ輪116をさらに設置し、コネクタ108と計量チャンバ110間で液体の厳重な密閉を確実にし得る。継ぎ輪116は開口114内、および計量チャンバ110の外側に設置したリング状構造物となり得る。継ぎ輪116は計量チャンバ110がコネクタ108に固定されるように寸法を合わせ、前記2つの構造物間のいかなる間隙も抑える。この態様では、継ぎ輪116は開口114内に密着するに十分小さい直径、さらに計量チャンバ110の周囲に密着するに十分大きい直径を有し、計量チャンバ110の端部をコネクタ108に締着または封止する。いくつかの実施態様では、継ぎ輪116は、コネクタ108と同様または異なる材料、例えば化学的に不活性なプラスチックから製造し得る。
【0022】
継ぎ輪116は継ぎ輪116の内表面の周囲に形成された環状リング162を含み得る。リング162は、リング162と第3フランジ160との間に計量チャンバ110の一部を挟むようにして、コネクタ108の第3フランジ160のやや上に設置する(図示あり)。この形態はコネクタ108の周囲に計量チャンバ110を固定し、計量チャンバ110がコネクタ108、同様に収容部104から外れないようにすることに役立つ。
【0023】
継ぎ輪116は継ぎ輪116の上端の周囲に形成された環状溝164をさらに含み得る。環状溝164は計量チャンバ110の上部から伸長する上部フランジ166を受け入れるように寸法を合わせる。環状溝164内への上部フランジ166の設置はさらに、収容部104から計量チャンバ110が外れることを防止するのに役立つ。
【0024】
計量チャンバ110はその中に液体を保持するために構築された液体貯槽となり得る。この態様では、計量チャンバ110は、カートリッジ100から放出される前に液体貯槽102内のブラダー106から計量チャンバ110に通過した所定量の液体のための保持空間を備えている。計量チャンバ110は任意の所望の寸法または形状とし得る。計量チャンバ110はカートリッジ100の各分注サイクル中に分注された容積より多い容積にし得る。いくつかの実施態様では、計量チャンバ110は容積約1.5ml〜4mlを許容する。典型的には、計量チャンバ110は、直径が約0.25インチ〜約1.25インチであり、長さが約2インチ〜約3インチであり、容積が約1.5ml〜4mlである管状構造物となり得る。この実施態様にしたがって、各放出サイクル中、容積約5μl〜約400μl±5μlが計量チャンバ110から分注し得る。
【0025】
計量チャンバ110は収容部104から伸長し、液体がブラダー106から基礎試料に移動するための導管を備え得る。1つの実施態様では、計量チャンバ110は円筒状部材、例えば管状構造物となり得る。1つの実施態様では、計量チャンバ110はその長尺に沿って直径が実質的に同じである管状構造物となり得る。1つの実施態様では、計量チャンバ110は先細形状の管状構造物となり得る。計量チャンバ110は上部フランジ166および下部フランジ168をさらに含み、チャンバ110を収容部104およびノズル120にそれぞれ取り付けることを容易にし得る。
【0026】
1つの実施態様では、計量チャンバ110を収容部に固定するため、計量チャンバ110は、開口114を経て伸長しているコネクタ108を取り囲んで収容部104の端部にある開口114に挿入し得る。前述のとおり、計量チャンバ110の上部フランジ166をコネクタ108の環状溝164内に設置し、計量チャンバ110の収容部104への固定を促進する。継ぎ輪116をさらに計量チャンバ110の周囲に設置し、計量チャンバ110とコネクタ108間の液体の厳重な密閉を確実にし得る。
【0027】
計量チャンバ110は実質的に可塑性または圧縮性の材料から製造し得る。計量チャンバ110の材料は化学的透過性を最小限にし、圧縮後に元の形状に戻る材料であることが好ましい。典型的には、計量チャンバ110はシリコン、塩化ポリビニル(PVC)等の材料から製造し得る。この態様では、計量チャンバ110は停留部分と放出位置間で変形し得る。停留位置では、液体は計量チャンバ110内に含まれ得る。計量チャンバ110に圧縮力を加えると、計量チャンバ110が圧縮され、計量チャンバ110内の液体が計量チャンバ110の端部にある開口の外へ放出される。圧縮力を付与する圧縮機構のストローク量を利用して、放出される液体の体積を制御し得る。いくつかの実施態様では、分注体積は調整し得る。他の実施態様では、分注体積は固定し得る。
【0028】
計量チャンバ110からの液体の流量はバルブ118で調節する。バルブ118は通常、計量チャンバ110の端部に設置する。バルブ118は液体保持バルブとなり得る。典型的には、バルブ118はバルブが閉じているときは互いに密閉し合い、バルブが開いているときには互いに離れて間隙を形成する変形可能なフラップを備え得る。計量チャンバ110が停留位置にある場合、バルブ118は閉鎖したままで、計量チャンバ110内に液体を保持する。計量チャンバが放出位置にある場合(すなわち圧縮されている場合)、バルブ118は開口している。圧縮力により計量チャンバ110内に生じた圧力は、開口した弁118から液体を放出させる。いくつかの実施態様では、バルブ118を計量チャンバ110の端部で一体化して形成する。この態様では、バルブ118は計量チャンバ110と同一の材料で形成する。他の実施態様では、バルブ118は計量チャンバ110の開口端に(例えば接着またはヒートシールにより)取り付けられた別の部品であり、計量チャンバ110と同一または異なる材料から製造し得る。図2〜5を参照してさらに詳細にバルブ118を述べることとする。
【0029】
カートリッジ100から出る前に液体がバルブ118からノズル120を通過するようにノズル120を計量チャンバ110の端部に設置し得る。計量チャンバ110からカートリッジ100の外へ出する液体の方向および/または速度を制御するためにノズル120を使用する。この態様では、ノズル120は計量チャンバ110の端部を受け入れるように寸法を合わせた貯槽122を含み得る。ノズル120はノズル120の端部で貯槽122と開口124との間に伸長する液体導管132をさらに含み得る。液体導管132および開口124の寸法を選択し、バルブ118を経て放出された液体流動の方向および/または速度を制御し得る。典型的には、液体導管132は長さおよび幅の範囲を有し、開口124は幅の範囲を有し、これらは液体放出の液体流動の方向および速度を制御するために選択し得る。
【0030】
1つの実施態様では、開口124は液体導管132の端部に形成されたカウンタボア170により特徴付けられる。この態様では、開口124は液体導管132の幅より広い幅の寸法を有し得る。液体導管132の端部内にカウンタボア170を形成することは、ノズル120の外表面に付いている残留物から過剰量の液体が基礎試料に分注されないことを防止するのに役立つ。特に、挿入されたノズル120の外表面に通常集まる液体はカウンタボア170内に残留する。液体がノズル120の外表面に残留する場合、それは試料に分注されない。これにより、試料に分注される液体の実際量が目的の量より少なくなり、試料の処理に影響を及ぼすことがあり得る。カウンタボア170により、この過剰量の液体はノズル120内に捕捉され次の分注サイクルで分注される。したがって、液体の体積はカートリッジ100から、より正確に分注される。
【0031】
計量チャンバ110の周囲にノズル120を設置する場合、計量チャンバ110から伸長したフランジ168はノズル120の最上エッジに沿って留まる。計量チャンバ110を包囲するノズルロッキング機構134はその後、ノズル120の反対側にあるフランジ168の側に位置する。ノズルロッキング機構134のアームはフランジ168を超えてノズル120に向かって伸長し、ノズル120内に挿入され、計量チャンバ110にノズル120を係止する。
【0032】
いくつかの実施態様では、ノズルロッキング機構134の他に、粘着剤、接着剤または熱溶解処理を利用し、ノズル120を計量チャンバ110に固定し得る。いくつかの実施態様では、計量チャンバ110の端部の外表面およびノズル120の内表面は相補的なリブまたはねじ切りを有し、それによりノズル120は計量チャンバ110の端部の周囲にねじ止めされる。他の実施態様では、ノズル120は計量チャンバ110の端部と一体化して形成し得る。図2を参照してノズル120をさらに詳細に説明する。
【0033】
計量チャンバ110を押し潰すことで液体が計量チャンバ110からバルブ118およびノズル120を経て放出され得る。1つの実施態様では、計量チャンバ110と接続した圧縮アセンブリ126は計量チャンバ110を押し潰す。本明細書では特定の圧縮アセンブリが開示されているが、最上端(すなわち貯槽102に最も近い端部)で出発し、最下端(すなわち貯槽102に最も遠い端部)へ下降する計量チャンバ110を押し潰す圧縮装置であればいかなる種類でもよい。この態様では、液体が圧縮アセンブリ126を通過して液体貯槽102に向かって逆流することが防止される。液体が放出サイクル中に圧縮アセンブリ126を通過して流れることが防止されることから、計量チャンバ110の近位端(すなわち貯槽102に最も近い端部)にあり液体が液体貯槽102に逆流することを防止するための第二バルブは必要ない。この実施態様では、計量チャンバ110内に設置されたコネクタ108の液体導管112は、例えばバルブにより遮断解除され、貯槽102から計量チャンバ110への液体流動の閉塞が解除される。しかし、必要に応じて計量チャンバ110の各端部で付属バルブが含まれ得る。
【0034】
圧縮アセンブリ126は圧縮部材128および130を含み得る。圧縮部材128および130は計量チャンバ110の圧縮に適した任意の寸法および形状となり得る。典型的には、1つの実施態様では、圧縮部材128および130は図1(B)で示した構造物など、延長プレートのような構造物である。他の実施態様では、圧縮部材128および130は例えばローラーとなり得る。圧縮部材128および130は計量チャンバ110の反対側に設置し、水平方向に(すなわち計量チャンバ110に向かう方向)移動可能である。いくつかの実施態様では、圧縮部材128および130は計量チャンバ110の長尺に沿った垂直方向にさらに移動し得る。圧縮部材128および130は例えばロータリーカムまたはギア機構により望ましい方向で操作し得る。他の実施態様では、圧縮部材128および130の移動はバネおよびピストンアセンブリにより操作し得る。両方の圧縮部材の移動を記述したが、いくつかの実施態様では、圧縮部材128および130のうち1つだけが移動可能であり、他方、他の一方は移動しないままである。
【0035】
計量チャンバ110を圧縮するため、圧縮部材128および130は計量チャンバ110の方向に互いに向かって進み得る。圧縮部材128、130がその長尺に沿って計量チャンバ110を圧縮すると(すなわち押し潰す)、バルブ118が開き、所定量の液体がそこから放出される。所定量の液体が放出し、圧縮部材128および130が解放され、計量チャンバ110がその元の形態に戻る。計量チャンバ110の膨張が元の停止した形態に戻ると、計量チャンバ110内に初期の真空が生じ、これにより次のサイクルでの放出のため、ノズル120の端部に垂れ下がった「最後の一滴」が吸い込まれ、ノズル120のカウンタボア170に戻る。本明細書で使用された表現「最後の一滴」とは、液体の停留部分が放出された後に液体の表面張力により雫を形成し、ノズル120の端部で残留している液体の量を意味する。放出した液体から最後の一滴が残っているか否かで、基礎資料に添加する液体の量は変化する。したがって、それが初期液体量で放出されること、あるいは計量チャンバに戻るよう吸い込まれて次工程量の液体と共に放出されて試料に添加されることのいずれかを確実にすることにより最後の一滴を計上することは重要である。
【0036】
図2は計量チャンバを含む液体分注システムの1つの実施態様の分解図を示す。計量チャンバ200は管状部210を含む。バルブ240は管状部210の端部に設置する。バルブ240は基部部材260の周囲に配置した円筒状のスカート部材250から構成し得る。円筒状スカート部材250は管状部210の端部から伸長し得る。基部部材260はスカート部材250と交差して形成し得る。バルブ240の開口(図3〜5参照)は基部部材260に通じるように形成し得る。
【0037】
いくつかの実施態様では、計量チャンバ200は、ノズル220の取り付けを容易にするために管状部210の外表面の周囲に形成されたリブ230をさらに含む。典型的には、リブ230は管状部210の端部の周囲に形成され得る。ノズル220の内表面はリブ230に相補的なリブ280を含み得る。ノズル220の貯槽290内にバルブ240を有する管状部210の端部を設置し、バルブ240のリブ230間にノズル220のリブ280を設置することで、ノズル220を管状部210に取り付け得る。
【0038】
前述したとおり、ノズル220がバルブ240の周囲に設置されるとすぐに管状部210の周囲に設置されたノズルロッキング機構234が管状部210の下方へ押され、ノズル220内の溝穴に入り、ノズル220を管状部210に係止し得る。前述のとおり、管状部210から伸長するフランジ268はノズル220とノズルロッキング機構234間に設置し得る。別のさらなる実施態様では、ノズル220は粘着剤、接着剤または熱溶解により管状部210に固定し得る。ノズル220が管状部210に取り付けられる場合、管状部210から放出された液体はノズル220から開口270を経て流出する。
【0039】
計量チャンバ200の管状部210が圧縮されると、バルブ240は開き、スカート部材250を外側へ屈曲させる。このスカート部材250の屈曲により、スカート部材250はノズル220の隣接表面に対して圧迫することとなる。この態様では、スカート部材250は、スカート部材250とノズル220間を封止し、ノズル220の側面に沿って液体が逆流することを防止する。その代わりに、スカート250に特徴付けられたノズル220の領域内に逆流液が入る。このような特徴は、正確な量の液体が試料へ送達されることを確実にするために重要である。特に、液体の分注中に液体がノズル220の側から逃げたなら、分注した液体の量は実際、推定量より少ないものとなる。ノズル220に対するスカート部材250の封止は図6および図7(A)〜図7(D)を参照して、より詳細に述べることとする。
【0040】
図3、図4および図5はバルブの様々な実施態様を示す。図3は基部部材260を有するバルブ240を含む計量チャンバ200の管状部210を示す。バルブ240は基部部材260に通じるように形成された開口310を含む。この実施態様では、開口310はスリットの形状をとる。この実施態様では、計量チャンバ200の管状部210が圧縮されると、スリット310を形成するバルブフラップが開き、管状部210内に保持された液体が放出される。
【0041】
この実施態様では、開口410が「Y」型開口であることを除いては、図4は図3と同一の構造物を含む。図3のバルブ240と同様に、計量チャンバ200の管状部210が圧縮されると、「Y」型開口410を形成するバルブフラップが開き、管状部210内に保持された液体が放出される。
【0042】
この実施態様では、開口510が十字型開口であることを除いては、図5は図3および図4と同一の構造物を含む。図3および図4のバルブ240と同様に、計量チャンバ200の管状部210が圧縮されると、十字型開口510を形成するバルブフラップが開き、管状部210内に保持された液体が放出される。
【0043】
図6は図2の計量チャンバの断面図を説明している。この実施態様では、計量チャンバ200の管状部210がノズル220に取り付けられていることが示されている。リブ230および280ならびにノズルロッキング機構234により管状部210はノズル220に取り付け得る。バルブ240はノズル220内に設置される。バルブ240は基部部材260およびスカート部材250を含む。基部部材260は、計量チャンバ200が圧縮されると領域620で分裂し、開口が明確になるフラップ640、650を含む。
【0044】
スカート部材250はノズル220の陥凹領域610内に設置されている。図6に示すように、陥凹領域610はノズル220の貯槽290内に形成された環状チャンバである。スカート部材250は陥凹領域610内に停留し、スカート部材250が非屈曲形態であるか、屈曲形態であるかによって、陥凹領域610の反対側に封止し得る。図6は非屈曲状態(すなわちバルブ240が閉鎖形態にある)のスカート部材250を示す。スカート部材250が屈曲形態にあると、フラップ640、650は開き、スカート250は屈曲し、陥凹領域610の反対側面を封止する。その後、液体は、ノズル220の開口270に通じる流路630に沿ってスリット620を経て管状部210から放出され、そしてノズル220から放出される。前述したとおり、開口270を形成するノズル220の部分は、分注されなかった液体をすべてノズル220内に保持するためのカウンタボア272を含む。
【0045】
図7(A)〜図7(D)は、操作中の図2の液体分注システムの断面図を示す。特に、停留部分と放出位置間での計量チャンバ200の移行を示している。計量チャンバ200は、図6を参照して開示した計量チャンバと実質的に同一である。この態様では、計量チャンバ200は管状部210、バルブ240およびノズル220を含む。バルブ240は、領域620で分裂するフラップ640、650を有する基部部材260を含み、開口またはスリットおよびスカート部材250を形成する。スカート部材250はノズル220の陥凹部分610内に設置されている。管状部210はノズル220のリブ280に相補的なリブ230を含み、管状部210へのノズル220の取り付けを容易にする。
【0046】
図7(A)は停留位置の計量チャンバ200を示す。図7(A)から分かるように、停留位置で、バルブ240のスリット620は閉鎖位置にある。また、スカート部材250は非屈曲状態にある。この態様では、スカート部材250は陥凹部分610を特徴付けるノズル220の部分の内表面に沿って停留する。スリット620が密閉位置にあることから液体710は管状部210内に保持される。
【0047】
図7(B)は放出位置にある計量チャンバ200を示す。この態様では、管状部分210は圧縮されている。前述したとおり管状部分の圧縮によりスリット620が開く。その後、液体710は、ノズル220の開口270に通じる流路630に沿ってスリット620を経て管状部210から放出され、そしてノズル220から放出される。バルブ240の開口は、陥凹部分610を特徴付けるノズル220の部分の外表面に向けてスカート部材250を屈曲させる。スカート部材250の屈曲は、陥凹部分610に対してスカート部材250を有効に封止し、管状部210の側部とノズル220間で液体がノズル220を逆流するのを防止する。
【0048】
図7(C)は、望ましい量の液体を放出した後の放出位置にある計量チャンバ200を示す。この実施態様では、管状部210は圧縮され、望ましい量の液体がノズル220の開口270を経て計量チャンバ200から放出されている。しかし液体710の最後の一滴がノズル220の端部に付着したままである。最後の一滴がノズル220に吸い込まれ、次の液体放出サイクルで放出されることが望ましい。
【0049】
図7(D)はバルブ240が停留位置に戻る実施態様を示す。図7(C)および図7(D)の比較から分かるように、基部部材260は、図7(C)の放出位置にある実質的に凸状の形態から図7(D)の停留位置にある実質的に凹状の形態に移行する。この移行はノズル220と基部部材260間の領域内を真空にする。この真空効果は液体710の最後の一滴を吸い込み、ノズル220に戻す。その後、最後の一滴710は次の液体放出サイクルまで、図7(D)に示す流路630またはノズル220のカウンタボア272内に残留する。図7(D)はさらに、バルブ240が停留位置に戻るとすぐに非屈曲形態に戻るスカート部材250を示す。非屈曲形態では、スカート部材250は陥凹部分610を形成するノズル220の部分の無い表面に沿って停留する。
【0050】
図8、図9および図10は2つの計量チャンバを有する液体分注カートリッジを含む液体分注システムの様々な図を示す。特に、図8は2つの計量チャンバを有する液体分注カートリッジを含む液体分注システムの1つの実施態様の斜視図を示す。図9は切断線9‐9’に沿った図8の液体分注システムの断面図を示す。図10は切断線10‐10’に沿った図8の液体分注システムの断面図を示す。
【0051】
液体分注カートリッジ800は概して、計量チャンバ810および812と液体連通している液体貯槽802を含む。液体貯槽802は通常、試薬または洗浄液などの所定量の液体を保持するために構築された容器である。いくつかの実施態様では、貯槽802は収容部804を含む。収容部804は図1(B)を参照して述べた収容部104に類似した液体透過材料から構成された剛性収容部となり得る。典型的には、収容部804は化学的に不活性のプラスチック、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンなどの液体を保持するのに適した任意の材料から構成し得る。液体を含むほか、収容部804は操作用把持表面、および例えば表面に記述するかラベルを添付することで情報がカートリッジに記録されるような記録表面を備え得る。該ラベルは例えば、貯槽802の内容物および/もしくは処理プロトコルを識別するバーコードまたはRFIDとし得る。
【0052】
いくつかの実施態様では、収容部804は図1(B)を参照して述べた収容部104に類似した二枚貝型収容部となり得る。収容部804の各側が合わさって形成される継ぎ目は、空気を通過可能にし、収容部804内の圧力を容易に均等にする。特に、収容部804内の液体の一部を分注した後に収容部804内が真空にはならないように、継ぎ目にある間隙を収容部804内の圧力を安定させるために使用し得る。いくつかの実施態様では、収容部804は場合により、収容部804内の圧力を周囲大気圧と同等にする圧力バルブ850を含み得る。圧力バルブ850は図1(B)を参照して述べた圧力バルブ134と実質的に同一であと言える。圧力バルブ850は空気を収容部804に進入させる任意のバルブとなり得る。例えば、圧力バルブ850は一方向「ダックビル」型逆止弁となり得る。
【0053】
収容部804は液体ブラダー806および液体ブラダー808に適合するように寸法を合わせ得る。ブラダー806、808は、収容部804に特徴づけられる内部チャンバ内に設置し得る。いくつかの実施態様では、ブラダー806、808を収容部804内に並べて設置する。他の実施態様では、収容部804は、ブラダー806、808を分けるために内部チャンバを2つのチャンバに分割する壁を含み得る。
【0054】
ブラダー806、808は中に所定量の液体(例えば試薬または洗浄液)を含み得る。ブラダー806、808に含まれる液体は同一でも異なっていてもよい。例えばいくつかの実施態様では、試料に添加する前に、分離状態を維持しなければならない2種の異なる液体を使用することが望ましい。この態様では、液体の一方はブラダー806に含まれ、他方の液体はブラダー808に含まれる。ブラダー806、808とそれぞれ接続した計量チャンバ810、812から放出されるまで該液体は混合しない。
【0055】
ブラダー806、808は膨らませることができ得る。収容部804の内部チャンバの寸法に合わせてブラダー806、808は膨張し得る。この態様では、液体は最大量でブラダー806、808内に、同様に収容部804内に保持し得る。ブラダー806、808が、実質的に液体不透過性で可塑性の任意の好適な材料から成り得ることは高く評価すべきである。ブラダー106は例えば、モデル番号TF-480のHawthorne(カナダ)のTechFlex Packaging, LLCから入手できるようなブラダーとなり得る。ブラダー806、808の使用は、周囲大気汚染の低減およびブラダーに入った液体の保存期間の延長を促進し得る。
【0056】
いくつかの実施態様では、ブラダー806、808は、潰れた形態から膨張した形態まで、ブラダー806、808の膨張を容易にするひだを含む。ブラダー806、808の膨張形態での断面は四辺形となり得る。例えば、収容部804が台形断面または楕円断面を有する実施態様では、2つのブラダーを収容部804の内寸に合わせて併用するようにブラダー806、808の膨張形態での断面は台形であってもよい。ブラダー806、808の寸法は同一または異ってもよいと考えられる。ブラダー806、808はそれぞれ計量チャンバ810、812と液体連通し得る。
【0057】
ノズル834、836はそれぞれ計量チャンバ810、812の端部の周囲に設置し得る。図1(A)および図1(B)を参照して述べたノズル120と同様に、ノズル834、836は開口838、840およびカットアウト部分860、862に形成されたカウンタボア870、872を有し得る。いくつかの実施態様では、図1(A)および図2を参照して述べたノズルロッキング機構134または234と同様なノズルロッキング機構864、866はそれぞれ計量チャンバ810、812を包囲し、ノズル834、836を計量チャンバ810、812に係止し得る。別のさらなる実施態様では、安定装置846はノズル834、836を取り囲んで設置し、計量チャンバ810、812に付加的な支持体を提供し得る。
【0058】
圧縮アセンブリ852は、計量チャンバ810、812と接続して液体放出を容易にし得る。圧縮アセンブリ852は図1(B)を参照して記述したものと同様の圧縮部材854、856を含み得る。この実施態様では、圧縮部材854、856は、計量チャンバ810、812を別々に押圧しながらも同時に圧縮するように寸法を合わせる。典型的には、圧縮部材854、856の幅は少なくとも各計量チャンバ810、812の幅と計量チャンバ810、812間の距離とを合わせた寸法である。この態様では、圧縮部材854は計量チャンバ810、812の片側に隣接しており、圧縮部材856は計量チャンバ810、812の反対側に隣接している。圧縮部材854、856をまとめて押圧すると、それらは各計量チャンバ810、812を別々に押圧しながら圧縮する。圧縮部材854、856は、圧縮部材854、856と接続したロータリーカムまたはギア機構により所望の方向で操作し得る。他の実施態様では、圧縮部材854および856の移動はバネおよびピストンアセンブリにより操作し得る。圧縮アセンブリ852を使用した計量チャンバ810、812の圧縮は図1(B)を参照して前述したように実行し得る。
【0059】
図9に示すように、ブラダー806、808は図1(B)を参照して記述したものと同様の連結部品を使用する計量チャンバ810、812と接続し得る。特に、円筒状導管818、820が通っているコネクタ814、816の端部は計量チャンバ810、812の端部内に挿入し得る。コネクタ814、816の反対側の端部はそれぞれブラダー806、808に封止し得る(例えばヒートシール)。計量チャンバ810、812の端部が設置されたコネクタ814、816は、収容部804の基部に通じるように形成した開口822、824内に設置し得る。この態様では、ブラダー806、808から出た液体はコネクタ814、816を経てそれぞれ計量チャンバ810、812に流入する。コネクタ814、816は図1(B)を参照して開示したコネクタと実質的に同一の材料で製造された円筒状部材となり得る。
【0060】
コネクタ814は上部860および下部868を含み得る。上部860はブラダー806の内部に設置され、下部868は計量チャンバ810内に挿入される。上部860はブラダー806内への上部860の固定に役立つ第1フランジを備える。図1(B)に示すように、上部860付近に形成された第1フランジはブラダー806内に設置し、ブラダー806の開口部は第1フランジの周囲に封止する。
【0061】
下部868は第2フランジ864および第3フランジ872を含む。第2フランジ864は、第1フランジの反対側のブラダー806の外表面に沿って設置する。第3フランジ872は計量チャンバ810内に設置された下部868の端部に設置する。
【0062】
いくつかの実施態様では、開口822に継ぎ輪826をさらに設置し、コネクタ814と計量チャンバ810間で液体の厳重な密閉を確実にし得る。継ぎ輪826は開口822内、および計量チャンバ810の外側に設置したリング状構造物となり得る。継ぎ輪826は計量チャンバ810がコネクタ814に固定されるように寸法を合わせ、前記2つの構造物間のいかなる間隙も防止する。この態様では、継ぎ輪826は開口822内に密着するに十分小さい直径、さらに計量チャンバ810の周囲に密着するに十分大きい直径を有し、計量チャンバ810の端部をコネクタ814に締着または封止する。いくつかの実施態様では、継ぎ輪826はプラスチック材料等から製造し得る。
【0063】
継ぎ輪826は継ぎ輪826の内表面を取り囲んで形成された環状リング870を含み得る。リング870は第2フランジ864と第3フランジ872間に設置する。リング870は、第3フランジ872とリング870間にある計量チャンバ810の一部を捉え、収容部804から計量チャンバ810が外れることを防止する。継ぎ輪826は継ぎ輪826の上端の周囲に形成された環状溝878をさらに含む。環状溝878は計量チャンバ810の付近に形成された上部フランジ880を受け入れるように寸法を合わせる。環状溝878内への上部フランジ880の設置はさらに、収容部804から計量チャンバ810が外れることを防止するのに役立つ。
【0064】
コネクタ816はコネクタ814と同様のものとなり得る。典型的には、コネクタ816は第1フランジを有する上部862、ならびに第2フランジ866および第3フランジ874を有する下部876を含み得る。開口824に継ぎ輪826と同様の継ぎ輪828をさらに備え、コネクタ816と計量チャンバ812間で液体の厳重な密閉を確実にし得る。継ぎ輪828は第2フランジ866および第3フランジ874間に設置された環状リング886を含み、計量チャンバ812が収容部804から外れることを防止し得る。継ぎ輪828は計量チャンバ810の上部フランジ884を受け入れるための上端の周囲に形成された環状溝882をさらに含み得る。継ぎ輪826および継ぎ輪828を別々に記述したが、継ぎ輪826、828は別の構造物であっても、あるいは共に接続するように一体化して形成してもよいと考えられる。
【0065】
計量チャンバ810、812は図1を参照して記述した計量チャンバ110と実質的に同一であると言える。この態様では、計量チャンバ810、812はカートリッジ800から放出される前にそれぞれブラダー806、808から流動する所定量の液体のための保持空間を備えている。計量チャンバ810および812は任意の望ましい寸法または形状となり得る。計量チャンバ810、812はカートリッジ800の各分注サイクル中に分注された容積より多い容積にし得る。2つの計量チャンバ810、812を有するカートリッジ800などの実施態様では、各サイクルで分注した液体の総量が、単一の計量チャンバを有する図1のカートリッジ100などの実施態様の総量と同一になり得ることは注目に値する。この態様では、計量チャンバ810、812の寸法はカートリッジ100の計量チャンバ110の寸法より小さく、計量チャンバ810、812の各々は例えば、計量チャンバ110の約半分の容積となり得る。典型的には、計量チャンバ810、812の各々は、直径が約1/8インチ〜約0.75インチであり、長さが約2インチ〜約3インチである環状構造物となり得る。いくつかの実施態様では、計量チャンバ810、812の各々の容積は約5μl〜約200μlとなり得る。各放出サイクル中、計量チャンバ810、812の合計の分注体積は約5μl〜約400μl±5μlとなり得る。
【0066】
計量チャンバ810、812は実質的に可塑性または圧縮性材料から製造し得る。計量チャンバ810、812の材料は化学的透過性を最小限にし、圧縮後に元の形状に戻る材料であることが好ましい。典型的には、計量チャンバ810、812はシリコン、塩化ポリビニル(PVC)等の材料から製造し得る。この態様では、計量チャンバ810、812は停留部分と放出位置間で変形し得る。停留位置では、液体は計量チャンバ810、812内に含まれ得る。計量チャンバ810、812に圧縮力を加えると、計量チャンバ810、812が圧縮され、計量チャンバ810、812内の液体が計量チャンバ810、812の端部にある開口の外へ放出される。
【0067】
計量チャンバ810、812の各々は、チャンバ810、812からの液体流量を調節するバルブ830、832をそれぞれ含む。バルブ830、832は例えば図1(B)を参照して記述したバルブ118と実質的に同一であると言える。
【0068】
ノズル834はバルブ830の周囲にある計量チャンバ810の端部に設置し得る。同様に、ノズル836はバルブ832の周囲にある計量チャンバ812の端部に設置し得る。カートリッジ800を出てそれぞれ計量チャンバ810、812から流動する液体流量を調節するためにノズル834、836を使用する。ノズル834、836は、液体が各ノズルを経て共通の流路に流れるように寸法を合わせることを除いて、図1(B)を参照して記述したノズル120と実質的に同様であると言える。この態様では、ノズル834、836はそれぞれ計量チャンバ810、812の端部を受け取るように寸法を合わせ得る。ノズル834、836は液体を放出するため、開口838、840にそれぞれ通じる流路842、844を含み得る。カウンタボア890、892は、開口838、840を特徴付ける流路842、844の端部にさらに形成し得る。流路842、844は、それぞれバルブ834および836の開口838、840から放出された液体の流れる方向および/または速度を制御するための長さおよび幅寸法を有し得る。また、流路842、844は、試料と接触させる前に液体の流れを混合するように、開口838から流出した液体を開口840から流出する液体に向けるに十分な角度でそれぞれノズル834、836内に形成し得る。
【0069】
液体を厳重に密閉すると、ノズル834、836とそれぞれ計量チャンバ810、812間において、ノズル834、836がそれぞれ計量チャンバ810、812に固定され得る。典型的には、ノズル834は粘着剤、接着剤または熱溶解により計量チャンバ810の端部の周囲に固定し得る。いくつかの実施態様では、計量チャンバ810の外表面はリブ894を有し、ノズル834の内表面はリブ894間に設置可能な相補的リブ896を有し、計量チャンバ810の端部の周囲にノズル834を固定することに役立つ。他の実施態様では、計量チャンバ810およびノズル834の内表面は相補的なねじ切りを有する。別のさらなる実施態様では、ノズル834は計量チャンバ810の端部と一体化して形成し得る。ノズル836は、ノズル834を計量チャンバ810に取り付けるために使用する場合と同様に、または異なる方法で計量チャンバ812に取り付け得る。典型的には、ノズル836は、前述した粘着剤および/もしくは相補的なリブ888、898またはねじ切りを使用して計量チャンバ812に取り付け得る。
【0070】
いくつかの実施態様では、ノズル834、836が計量チャンバ810、812の端部に取り付けられて初めてそれらを互いに取り付けることができる。典型的には、ノズル834、836を計量チャンバ810、812に配置する場合、計量チャンバ810、812の上下位置を変えずに両ノズルが隣り合えるようにノズル834、836の隣接表面をフラットにすることが可能である。ノズル834、836の一方は突出部を含み、ノズル834、836の他方は突出部を受け入れるように寸法を合わせた受容部を含み得る。ノズル834、836をまとめて押圧すると、突出部が受容部に挿入され、ノズル834、836がまとめて保持される。いくつかの実施態様では、ノズル834、836の各々は突出部および受容部を含み得る。
【0071】
安定装置846は計量チャンバ810、812およびノズル834、836に結合し得る。いくつかの実施態様では、安定装置846は、計量チャンバ810、812およびノズル834、836を包囲する実質的に楕円形の円筒構造物となり得る。計量チャンバ810、812およびノズル834、836の部分を受け入れるように寸法を合わせた安定装置846内に仕切りを形成し得る。いくつかの実施態様では、安定装置846は計量チャンバ810、812およびノズル834、836とは別個の構造物であり、それは組み立てられるときに初めて計量チャンバ810、812およびノズル834、836の周囲に密着する。典型的には、安定装置846はチャンバ810、812およびノズル834、836をまとめて取り囲むスナップ固定具と言える2つの部分を含み得る。他の実施態様では、ノズル834および836は安定装置846の一端に結合し、そこから伸長し得る。
【0072】
計量チャンバ810、812の各々はさらに、ノズル834、836とノズルロッキング機構864、866間に設置されてノズル834、836を計量チャンバ810、812に固定することに役立つ下部フランジ893、897を含む。
【0073】
図10は切断線10‐10’に沿った図8の液体分注システムの断面図を示す。この図から分かるように、圧縮部材854、856を使用して計量チャンバ810(計量チャンバ812)を圧縮し、一定量の液体を放出し得る。
【0074】
図11は図8に示した計量チャンバの斜視図である。計量チャンバ810、812を安定装置846およびノズル834、836に取り付けていることが示されている。前述したとおり、安定装置846は楕円の円筒形状であり、計量チャンバ810、812およびノズル834、836の一部を包囲している。ノズル834、836はそれぞれ開口838、840を含み、試料へ添加する前に混ざるように、それらを通って流れる液体の流れを互いの方向に導く。ノズル834、836は前述した「最後の一滴」を捕捉するためのカウンボア870、872を含み得る。ノズル834、836を計量チャンバ810、812に係止するため、ノズルロッキング機構864、866をさらに備え得る。
【0075】
図12は、図11に示した安定装置の切り抜き図を示す。計量チャンバ810、812およびノズル834、836を受け入れるように寸法を合わせた安定装置846の仕切り内に計量チャンバ810、812の端部を設置していることが示されている。ノズル834、836は、液体を開口838、840の外側へ向かわせるための流路842、844を含む。図12から分かるように、液体の流動が開口838、840の外側に向かい、1つの流れになるように流路842、844は互い同士に向かって角度が付いている。
【0076】
図13は液体分注システム用液体保持容器の1つの実施態様の斜視図を示している。この実施態様では、液体保持容器は液体分注カートリッジ内に設置したブラダーであると言える。ブラダー1302は中の液体を保持するように寸法を合わせ得る。いくつかの実施態様では、ブラダー1302のエッジ1310および1312はまとめて封止する(例えばヒートシール)。エッジ1314は、コネクタ(例えばコネクタ108)の周囲に封止し、計量チャンバ(例えば計量チャンバ110)をブラダー1302に結合するために使用し得る。ひだ1306を端部1304に形成する。この態様では、ブラダー1302は膨張性であり、しぼんだ形状から膨らんだ形状になり得る。しぼんだ形態では、ブラダー1302は実質的にフラットとなり得る。液体をブラダー1302に添加すると、ブラダー1302はひだ1306で膨張し、膨らんだ形態または膨張した形態となる。ブラダー1302は前述のいずれかの形状、例えば断面が四辺形の形状に膨張し得る。
【0077】
ひだ1306は深さDを有し得る。ひだ1306の深さDはブラダー1302の所望の液体体積に基づいて決定し得る。典型的には、ひだ1306の深さDが増加すると、ブラダー1302の液体体積はさらに増加する。典型的には、膨張していない形態でブラダー1302の長さが約5インチで幅が約4インチである1つの実施態様では、ひだ1306の深さDは約1インチとなり、これにより膨張形態でブラダー1302の液体体積は約250mL〜約350mLとなり得る。他の実施態様では、ひだ1306の深さDは0.60インチ〜約1.5インチの範囲で可変である。
【0078】
別のさらなる実施態様では、ひだはブラダー1302のエッジ1310、1312に沿うように備えられ、端部1304はひだを含んでなくともよい。
【0079】
図14(A)〜図14(D)は圧縮アセンブリの側面図の1つの実施態様を示す。図14(A)は計量チャンバ1404を圧縮していない開離形態の圧縮アセンブリ1400を示す。圧縮アセンブリ1400は図1(B)を参照して記述した圧縮アセンブリ126と実質的に同一であると言える。この態様では、圧縮アセンブリ1400は計量チャンバ1404の側面に沿って設置された圧縮部材1406、1408を含み得る。計量チャンバ1404は液体貯槽1402から伸長し、液体放出を可能にする。計量チャンバ1404および貯槽1402はそれぞれ、図1(B)を参照して記述した計量チャンバ110および液体貯槽102と実質的に同一であると言える。図1(B)を参照して記述したノズル120に類似したノズル1432は計量チャンバ1404の端部に取り付ける。図1(A)を参照して記述した液体分注カートリッジ100と共に計量チャンバ1404を圧縮アセンブリ1400内に配列することを促進するため、配列部材1434を圧縮アセンブリ1400の底部にさらに取り付け得る。液体分注カートリッジ100は、図19を参照し、より詳細に記述したボール戻り止めシート1908により実装アセンブリ1904に設置し得る。圧縮アセンブリ1400を図1(B)の計量チャンバ110などの単一の計量チャンバに関して記述しているが、圧縮アセンブリ1400は、1つ以上の計量チャンバ、例えば図8を参照して開示した計量チャンバ810、812を圧縮するために使用してもよいと考えられる。
【0080】
圧縮部材1406、1408は曲線の端部を有する実質的にフラットな部材である。圧縮部材1406、1408のフラットな領域の長さは計量チャンバ1404から分注した液体の体積を調節するために変更し得る。典型的には、長さが約0.5インチ〜約0.6インチのフラット領域を有する圧縮部材1406、1408が計量チャンバ1404に向けて圧縮されると、約380μL〜約480μLの容積が分注され得る。
【0081】
圧縮部材1406、1408はそれぞれ支持部材1410、1412に取り付けられ得る。支持部材1410、1412は圧縮部材1406、1408の移動を操作する。支持部材1410、1412はそれぞれ圧縮ガイド1414、1416に枢動可能に取り付ける(例えばピン、ねじ等で)。圧縮ガイド1414、1416は計量チャンバ1404の周囲に圧縮部材1406、1408を支持し、設置するのに役立つ。圧縮ガイド1414、1416はピボット機構1422により互いに回動可能に結合する。この態様では、互いへと向かう方向の圧縮ガイド1414、1416、同様に支持部材1410、1412の移動は、圧縮部材1406、1408が計量チャンバ1404に向かう移動を操作する。スプリング1424は支持部材1410と圧縮ガイド1414間をつなぐ。この態様では、圧縮ガイド1414が図14(A)に示した開離位置にあるとき、圧縮部材1406は計量チャンバ1404から離れた方向に傾いており、計量チャンバ1404を圧縮しない。同様に、スプリング1426は支持部材1412と圧縮ガイド1416間をつなぎ、開離位置にある計量チャンバ1404から離れた方向に圧縮部材1408を傾ける。
【0082】
連結プレート1430によりアクチュエータ1428を支持部材1412に取り付ける。連結プレート1430はアクチュエータ1428および支持部材1412の反対側の端部に枢動可能に取り付ける。
【0083】
計量チャンバ1404を圧縮するために、アクチュエータ1428は、計量チャンバ1404へと向かう方向に連結プレート1430を押圧する。連結プレート1430のこの移動により、圧縮部材1408に取り付けた支持部材1412が計量チャンバ1404へと向かう方向に移動する。支持部材1410および圧縮部材1406もまた、計量チャンバ1404へと向かう方向に移動する。この初動により、圧縮部材1406、1408の湾曲端部が計量チャンバ1404に接触する。アクチュエータ1428により計量チャンバ1404の方向へさらに移動すると、圧縮部材1406、1408の湾曲端部が、図14(B)に示す同一の位置で計量チャンバ1404を圧縮する。
【0084】
図14(C)および図14(D)に示すように、計量チャンバ1404に向かうアクチュエータ1428の連続的移動により、圧縮部材1406、1408が長尺に沿ってお互いに向かって移動し、計量チャンバ1404の大きい方の部分を圧縮する。特に、アクチュエータ1428が連結プレート1430を押圧し続けると、連結プレート1430は下方へ移動し始める。ピボット機構1422が下方に移動することから、圧縮ガイド1414、1416も下方に移動し、圧縮ガイド1414、1416がお互いに向かって移動することが可能となる。図14(C)および図14(D)でさらに示すように、バネ1424および1426が伸びると、圧縮部材1406、1408のフラット部分が回転し、計量チャンバ1404が圧縮される。
【0085】
圧縮部材1406、1408のフラット部分が図14(D)に示したように平行であるときは、圧縮アセンブリ1400は閉鎖した形態である。この位置では、計量チャンバ1404は完全に圧縮され、望ましい量の液体が放出される。その後、アクチュエータ1428を解放し、図14(A)に示すように圧縮部材1406、1408を離して広げることにより、圧縮アセンブリ1400を開離した形態に戻し、別の液体放出サイクルを開始することが可能となる。
【0086】
計量チャンバ1404の圧縮中、計量チャンバ1404の上部圧縮部分のほとんどが、全工程を通じて圧縮された状態のままである。この態様では、計量チャンバ1404内の液体が、圧縮領域上部の計量チャンバ1404の部分に漏出することが防止される。放出工程中、液体が計量チャンバ1404の上から漏れたり、収容部1402に戻るリスクが最小限になることから、計量チャンバ1404の上端にバルブは必要ない。
【0087】
図15(A)〜図15(D)は圧縮アセンブリの側面図の別の実施態様を示す。図15(A)は、計量チャンバ1504を圧縮していない開離形態の圧縮アセンブリ1500を示す。圧縮アセンブリ1500は計量チャンバ1504の側面に沿って設置された圧縮部材1506、1508を含み得る。計量チャンバ1504は液体貯槽1502から伸長し、液体放出を可能にする。計量チャンバ1504および貯槽1502は、図1を参照して記述した計量チャンバ110および液体貯槽102とそれぞれ実質的に同一であると言える。圧縮アセンブリ1500は図1の計量チャンバ110などの単一の計量チャンバに関して記述しているが、圧縮アセンブリ1500は、1つ以上の計量チャンバ、例えば図8を参照して開示した計量チャンバ810、812を圧縮するために使用してもよいと考えられる。
【0088】
この実施態様では、圧縮部材1506、1508はローラーとなり得る。ローラー1506、1508は計量チャンバ1504の長尺に沿って回転し、計量チャンバ1504を圧縮し得る。ローラー1506、1508はそれぞれ駆動軸1522、1524の周囲を回転し得る。駆動軸1522、1524は収容部1516内に形成されたトラック1510、1512内に設置し得る。収容部1516は圧縮アセンブリ1500を包囲し得る。駆動軸1522、1524は、計量チャンバ1504に沿ってローラー1506、1508を案内するトラック1510、1512に沿って移動し得る。トラック1510、1512は計量チャンバ1504の長尺の実質部分に沿って互いに平行であり、その後、一端で広がる。この態様では、ローラー1506、1508の駆動軸1522、1524がトラック1510、1512の広がった端部内にあるときは、ローラー1522、1524は遠く離れ、図15(A)に示した計量チャンバ1504を圧縮しない。
【0089】
トラック1510、1512に沿って駆動軸1506、1508に支持部材1514を備え得る。支持部材1514は駆動軸1522、1524の端部を受け入れる陥凹領域1518、1520を含み得る。駆動軸1506、1508が水平方向に、例えば計量チャンバ1504に向かって、あるいはそれから遠ざかって移動することを可能にするに十分な深さを陥凹領域1518、1520は有している。この態様では、支持部材1514がトラック1510、1512の広がった端部に向かう垂直方向に移動すると、ローラー1506、1508は互いに離れるように移動し、図15(A)に示すように計量チャンバ1504を圧縮しないように距離をもって離れる。支持部材1514が計量チャンバ1504の下方に(すなわち液体貯槽1502から遠ざかる方向に)移動すると、ローラー1506、1508は互いに向かって移動し、図15(B)〜図15(D)に示すように計量チャンバ1504を圧縮する。放出サイクルが完了すると(すなわちローラー1506、1508がトラック1510、1512の底部にある)、支持部材1514は液体貯槽1502の方へ上昇して戻り、それによりローラー1506、1508が回転して計量チャンバ1504の上方に戻り、図15(A)に示す開離形態となる。
【0090】
図15(E)は圧縮アセンブリ1500の端面図を示す。この図から、支持部材1514、ならびに支持部材1514と同一の支持部材1515が駆動軸1522の反対側の端部に設置されることが分かる。支持部材1514、1515は、垂直にトラック1510に沿って、駆動軸1522を、同様にローラー1506を案内する。支持部材1514、1515は例えば、支持部材1514と1515間のバーまたはロッドにより互いに結合し得る。この態様では、支持部材1514、1515は同時に移動する。
【0091】
駆動部材1526は支持部材1514に結合し、垂直方向に支持部材1514、1515を移動させ得る。いくつかの実施態様では、駆動部材1526は、支持部材1514に取り付けられ、そこから伸長するロッドとなり得る。垂直方向の移動が駆動可能であるロボットアームまたは他の機構を駆動部材1526に取り付け、計量チャンバ1504を垂直に沿うように駆動部材、同様に駆動軸1522およびローラー1506を移動させ得る。駆動部材1526の移動はカム‐クランクおよびモーターを含むユニットにより駆動し得る。
【0092】
図16(A)〜図16(E)は圧縮アセンブリの別の実施態様を示す。図16(A)は、計量チャンバ1604を圧縮していない開離形態の圧縮アセンブリ1600を示す。圧縮アセンブリ1600は計量チャンバ1604の側面に沿って設置された圧縮部材1606、1608を含み得る。計量チャンバ1604は液体貯槽1602から伸長し、液体の放出を可能にする。ノズル1640は計量チャンバ1604の端部に取り付け得る。貯槽1602、計量チャンバ1604およびノズル1640は、それぞれ図1(B)を参照して記述した液体貯槽102、計量チャンバ110およびノズル120と実質的に同一であると言える。圧縮アセンブリ1600を図1(B)の計量チャンバ110などの単一の計量チャンバに関して記述しているが、圧縮アセンブリ1600は、1つ以上の計量チャンバ、例えば図8を参照して開示した計量チャンバ810、812を圧縮するために使用してもよいと考えられる。
【0093】
この実施態様では、圧縮部材1606、1608はローラーとなり得る。ローラー1606、1608は、それぞれローラー1606、1608の回転を容易にする駆動軸1622、1624の周囲に設置し得る。駆動軸1622、1624はピボットアーム1610、1612に取り付け得る。取り付けられた駆動軸1622、1624、同様にローラー1606、1608を垂直に計量チャンバ1604の長尺に沿って駆動させるため、ピボットアーム1610、1612はそれぞれ軸1626、1628を軸にして旋回する。
【0094】
ローラー1606、1608が計量チャンバ1604の底部に到達するとすぐに、拡張器1642はローラー1606、1608の間に位置し、ローラーが計量チャンバ1604の上部に戻るにつれローラー1606、1608間の距離が増加する。計量チャンバ1604の上部に戻る前にローラー1606、1608が離間しないと、計量チャンバ1604の下部(ローラー1606、1608およびバルブ間の領域)に真空が生じてしまう。この真空により、空気が計量チャンバ1604に吸引される。空気は計量チャンバ1604の上部に移動し、液体貯槽1602に入る。空気が貯槽1602内の液体に付加されると、液体に悪影響が及ぶ可能性がある。例えば、空気が液体貯槽1602内の試薬に付加されると、試薬の酸化が増強する。
【0095】
拡張器1642は計量チャンバ1604の周囲に設置された基部部材1684、およびローラー1606、1608間に垂直に伸長する側面部材1650を含む。側面部材1650は実質的に三角形状であり、最も広がった部分が基部部材1648の近傍にあり、そのためローラー1606、1608が計量チャンバ1604の端部に達するにつれ、ローラー1606、1608間の距離が増加する。拡張器1642はロッド1644に沿って可動的に設置されている。典型的には、ロッド1644の一部の周囲に密着し、拡張器1642をロッド1644に沿ってスライドさせるように寸法を合わせた流路(図示せず)が拡張器1642の側面部材1650に含まれる。ロッド1644は、拡張器1642の上にあるロッド1644の上部領域を包囲するバネ1646を含み、収容部1602から遠ざかる方向に拡張器1642を傾ける。側面部材1650、ロッド1644およびバネ1646に一致する第2の側面部材、ロッドおよびバネ(図示せず)が拡張器1642の反対側に見られる。操作中、ローラー1606、1608は、計量チャンバ1604の下部に到達するまで、計量チャンバ1604および拡張器1642に沿って回転する。計量チャンバ1604の最下部に達すると、拡張器1642はローラー1606、1608を離間する。ローラー1606、1608が計量チャンバ1604の長尺を上って戻ると、拡張器1642はローラー1606、1608間に残り、その長尺部分は、ローラーが計量チャンバ1604を上って開離位置に戻るにつれローラーが十分な距離で離間することを確実にする長さである。拡張器1642は最終的に解放され、バネ1646により支持部材1618の基部に向かう下降により押圧される。
【0096】
ギア1614、1616はローラー1606、1608の移動を制御する。ギア1614、1616は、一方の回転が他方の回転を稼動するように相補歯または歯車を含み得る。典型的には、圧縮アセンブリ1600が図16に示す開離形態にあるときは、ギア1614は半時計回りに回転し、ギア1616の回転を時計回りに稼動する。同様に、これによりアーム1610は反時計回りに旋回し、アーム1612は時計回りに旋回する。アーム1610、1612が旋回すると、ローラー1606、1608は、計量チャンバ1604を圧縮するため互いに向かって、計量チャンバ1604に垂直に沿って、液体貯槽1602から遠ざかる方向に移動する。この態様では、計量チャンバ1604はその長尺に沿って圧縮され、計量チャンバ1604内の液体は計量チャンバの端部から外に押し出される。放出サイクルが完了するとすぐに(すなわちローラー1606、1608は計量チャンバ1604の底部にある)、ローラー1606、1608が回転して計量チャンバ1604の上方に戻り、図16(A)に示す開離形態となる。他の実施態様では、ローラー1606、1608が計量チャンバ1604とその周辺から離れ、その後図16(A)に示す位置に戻るように、ギアは回転し続ける。
【0097】
ギア1614、1616は電動装置、またはギアの駆動に適した他の類似の装置により駆動し得る。別のさらなる実施態様では、ギア1614、1616は使用者の手により駆動し得る。
【0098】
ギア1614、1616およびそれらに付随する任意の電動装置は支持部材1618に支持され得る。支持部材1618は、ギア1614、1616を支持してそれらを液体分注カートリッジと接続させるのに適した任意の構造物となり得る。
【0099】
いくつかの実施態様では、ローラー1606、1608はそれぞれバネアセンブリ1630、1632を含み得る。バネアセンブリ1630、1632は必要に応じてローラー1606、1608を後退させる。例えば、ローラー1606、1608に、図16(B)〜図16(D)に示すように長尺に沿って計量チャンバ1604を圧縮させるため、ローラー1606、1608は図16(B)および図16(D)に示すようにアーム1610、1612を越えて伸長する必要がある。しかし、図16(C)に示すように計量チャンバ1604の正反対の側でローラー1606と1608が会合する場合、計量チャンバ1604を圧縮するために長く伸長する必要はない。この態様では、バネアセンブリ1630、1632は必要なときにローラー1606、1608を後退させる。
【0100】
図16(E)は圧縮アセンブリ1600の端面図を示す。この図から、駆動軸1622の反対側端部はピボットアーム1610、1612に支持されていることが分かる。ピボットアーム1610、1612は、ギア1614に同様に取り付けられている軸1626に取り付けられている。ギア1614が、時計回り、または反時計回りに回転すると、ギア1614は軸1626を回転させ、ピボットアーム1610が旋回し、同様にローラー1606が計量チャンバ1604の長尺に沿って回転する。ローラー1608は、同じ方向および同じ速度で計量チャンバ1604の長尺に沿ってローラー1606、1608が回転するように同様の方法で制御し得る。
【0101】
図17および18は液体分注システムの1つの実施態様を示す。液体分注システム1700の形状およびメカニズムは、システム1700を使用するために選択した液体分注カートリッジの操作法により可変である。図17の最善形態として、システム1700は場合により、液体分注カートリッジ1706が実装される複数のステーション1704を有する実装アセンブリ1702を含む。液体分注カートリッジ1706は、例えば図1(A)〜図1(B)および図8〜10を参照して記述した液体分注カートリッジ100と実質的に同一であると言える。ステーション1704は、アクチュエータアセンブリ1720に隣接した複数の液体分注カートリッジ1706を選択的に設置するための実装孔1708を含むことが好ましい。前述したアセンブリの中の1種などの圧縮アセンブリを各ステーション1704に実装し得る(図19参照)。アクチュエータアセンブリ1720は選択された圧縮アセンブリと共に配列し、必要に応じて圧縮アセンブリを起動し得る。カートリッジ1706が孔1708内に設置されると、計量チャンバがそれぞれの圧縮アセンブリと共に配置されるように、圧縮アセンブリをステーション1704に実装する。
【0102】
液体分注システム1700はまた、場合により複数の受容部材1712を保持する受容アセンブリ1710を含む。受容部材1712はカートリッジ1706から液体を分注するために必要な任意の構成物となり得る。好適な受容部材1712の例としてはスライド、トレイおよび混合槽が挙げられる。好ましい実施態様では、受容部材1712は支持部材上で支持された顕微鏡スライドである。顕微鏡スライドはそこに実装された基板を有し得る。好適な基板の例としては組織試料の薄切片である。
【0103】
概して、カートリッジ1706から分注した液体を送達するために重力を利用し、受容アセンブリ1710を実装アセンブリ1702の下方に設置する。複数のカートリッジ1706が設置されて任意の所望の受容部材1712に液体を分注することが可能になるように、実装アセンブリ1702および受容アセンブリ1710は互いに対して可動であることが好ましい。実装アセンブリ1702および受容アセンブリ1712の可動性を任意に組み合わせて選択し得る。例えば、両方とも可動でも、一方のみ可動で他方が固定されていてもよい。またさらに、カートリッジ1706と所望の受容部材1712とを配列するために、実装アセンブリ1702は中心軸に対して回転可能な円形コンベアとなり得る。実装アセンブリ1702はまた、1つの受容部材1712から次に移動できるように直線的に移動可能となり得る。図18に示すように、受容部材1712はすべて、スライドなど同一の種類の構成物であり、あるいは代替的に、スライドや容器など異なる種類の構成物も含み得る。
【0104】
分注システム1700の操作の一例では、個々のカートリッジ1706が選択的にアクチュエータアセンブリ1720の一方または両方に隣接して設置されるように、実装アセンブリ1702は回転式である。あるいは、各カートリッジ1706とアクチュエータアセンブリ1720とを配列させるために実装アセンブリ1702が回転する必要がないように、システム1700は、各カートシッジ1706に隣接して設置された複数のアクチュエータアセンブリ1720を含み得る。
【0105】
アクチュエータアセンブリ1720は、カートリッジ1706を始動し、調整した量の液体を放出させる任意の起動装置となり得る。典型的には、アクチュエータアセンブリ1720は、例えば圧縮アセンブリ1400のアクチュエータ1428と共に配列するピストン機構を含み得る(図14(A)〜図14(D)参照)。アクチュエータアセンブリ1720は、例えば電気信号に応答してピストンを移動させるソレノイドを含む。ピストンは計量チャンバ1404の方向にアクチュエータ1428を移動させるため伸長し得る。図14(A)〜図14(D)を参照して前述したように、このような移動により、圧縮アセンブリ1400が計量チャンバ1404を押し潰し、計量チャンバ1404から液体が放出される。液体分注システムを操作するプロセッサまたはコントローラ(図示あり)によりアクチュエータアセンブリ1720が制御され得る。
【0106】
個々のカートリッジ1706が任意の受容部材1712の上方に選択的に設置可能になるように、実装アセンブリ1702は受容アセンブリ1710に対して移動も回転も可能である。カートリッジ1706が受容部材1712の1つの上方に設置され次第、アクチュエータアセンブリ1720はカートリッジ1706を始動し、調整した量の液体を受容部材1712へ放出させる。
【0107】
図17および18に示すように、1つの実施態様では、カートリッジ1706がアクチュエータアセンブリ1720に対して回転可能となるように、実装アセンブリ1702を支持部材1722に回動可能に取り付ける。アクチュエータアセンブリ1720を支持部材1722に、場合により実装アセンブリ1702の下方に固定して取り付ける。好ましくは、カートリッジ1706が受容部材1712に対して回転も移動も可能になるように、支持部材1722は水平に移動可能である。この方法では、選んだカートリッジ1706を任意の受容部材1712の上方に選択的に設置することが可能である。
【0108】
受容部材1712は受容アセンブリ1710内に直線的に設置していることが示されてはいるが、受容部材1712は2列以上に分けられることがさらに考えられる。この態様では、アクチュエータアセンブリ1720は2つ以上のアクチュエータ、例えば、液体を2列の受容部材に分注することに使用される2つのアクチュエータ1714、1716を場合により含み得る。操作中、一方の列の受容部材1712に液体を分注するようにアクチュエータ1714を適合させ、他方の列の受容部材1712に液体を分注するようにアクチュエータ1716を適合させる。本発明の範囲から逸脱すことなく、アクチュエータおよび/または受容部材は任意の数で使用可能になることがさらに考えられる。
【0109】
図18に示すように、システム1800は場合により、供給容器1802、排出容器1804およびバルブ1806を含む。供給容器1802は受容部材1712を洗浄するための水などの液を保持するために使用可能である。バルブ1806は受容部材1712を洗浄するときの液の流れを方向付けるスイッチを含むことが好ましい。また、液を受容部材1712の洗浄に使用した後に液の流れを排出容器1804に流入させるためにバルブ1806を使用する。
【0110】
カートリッジ1706およびステーション1704の分解図に示すように、カートリッジ1706(単数または複数の計量チャンバを含む)をステーション1704内に脱着可能に設置する。圧縮アセンブリが実装されたステーション1704を支持部材1722に固定して実装する。この態様では、カートリッジ1706がカラになり次第、カートリッジ1706およびそれに付随する計量チャンバ(単数または複数)はステーション1704から外れるが、圧縮アセンブリはステーション1704の分注システムに実装されたままである。その後交換カートリッジおよび計量チャンバ(単数または複数)はステーション1704に配置し得る。他の実施態様では、圧縮アセンブリはカートリッジ1706に実装し得る。この態様では、各カートリッジ1706は圧縮アセンブリを含み、カートリッジ1706を外すことは、圧縮アセンブリも外されるということである。
【0111】
ここでカートリッジ1706の構造を参照すると、いくつかの実施態様では、カートリッジ1706の水平断面形状は非対称である。この方式では、実装アセンブリ1702の実装孔1708は、特定の望ましい配向になるような挿入を必要とする同様の形状である。例えば、実質的に台形の形状を選択し、望ましい設置配向が促進し得る。図19は、断面が実質的に台形であるカートリッジ1706の例を示す。この態様では、カートリッジ1706を、実質的に台形の実装孔1708内に密着するように適合させる(図17参照)。他の実施態様では、実装孔1708およびカートリッジ1706は、同様の配向にした非対称の他の形状である。あるいは、カートリッジ1706および実装孔1708は、ステーション1704内にカートリッジ1706を設置し、液体を下にある試料に分注するのに適した任意の形状または寸法を有し得る。
【0112】
場合により、実装機構を利用し、カートリッジ1706を実装アセンブリ1702の対応する実装孔1708内に解放可能に取り付けることが可能である。1例では、図19に示すように、ボール戻り止めシート1908をカートリッジ1902の収容部の外表面に備える。図17に示すように、場合によりバネ付勢式の、対応するボール1718が各実装孔1708に隣接した実装アセンブリ1702に据え付けられ得る。実装孔1708に挿入する前に、台形のカートリッジ1902が対応する台形の実装孔1708と共に垂直に配列されるように、カートリッジ1902を適切に配列しなければならない。適切に挿入するために、ボール1718がシート1908内の位置にスライドするように、カートリッジ1902を十分な力で下方に押す必要がある。
【0113】
図19は液体分注システムの1つの実施態様の斜視図を示す。液体分注システム1900は全般的に、液体分注カートリッジ1902、および実装アセンブリ1904に実装された圧縮アセンブリ1906を含む。液体分注カートリッジ1902は図1(B)を参照して記述したカートリッジ100と実質的に同一であると言える。圧縮アセンブリ1906は図14(A)〜図14(D)を参照して記述した圧縮アセンブリ1400と実質的に同一であると言える。さらに考えられるのは、圧縮アセンブリ1906が本明細書に記述の他の圧縮アセンブリのいずれかと同一であるこということである。実装アセンブリ1904は図17を参照して記述した実装アセンブリ1702と実質的に同一であると言える。液体分注カートリッジ1902および圧縮アセンブリ1906が実装アセンブリ1904に実装されていることを示しているが、下にある受容部材内の試料の処理に使用する他の部品を実装アセンブリ1904にさらに実装し得ることが考えられる。
【0114】
図17〜18を参照して先に述べたように、液体分注カートリッジ1902は実装アセンブリ1702の上面に沿ってステーション内に設置している。開口1910は各ステーションの下にある実装アセンブリ1702を通って形成されている。液体分注カートリッジ1902の計量チャンバ(図示せず)は対応する開口1910を通って挿入される。実装ステーションの向かい側にある実装アセンブリ1702の側で、圧縮アセンブリ1906が実装ステーションの下に実装される。実装アセンブリ1702の開口1910を通って伸長している計量チャンバを圧縮アセンブリ1906内に設置する。計量チャンバのノズル1920は圧縮アセンブリ1906の底部の外へ伸長している。向かい側のアクチュエータアセンブリ(図17〜18のアクチュエータアセンブリ1720参照)がアクチュエータ1912と共に配列されるように、圧縮アセンブリ1906のアクチュエータ1912は実装アセンブリ1904の中心に向いている。
【0115】
図20に関し、アクチュエータアセンブリ1720はスイッチ2004を含むコントローラ2002を使用して起動することが好ましい。場合によりコントローラ2002は、アクチュエータアセンブリ1720との無線通信接続路2006を有するプログラム可能なコンピュータである。コントローラ2002は例えば、実行するときにアクチュエータアセンブリ1720を作動させる機械読み取り媒体を含む。あるいは、コントローラ2002はアクチュエータアセンブリ1720を活性化させ、通信接続路および/または無線通信接続路を含むものであればいかなるものでもよい。活性化されるとすぐに、液体分注器1706が受容部材1712に液体を分注するようにアクチュエータアセンブリ1720は磁気接続路2008を利用し得る。
【0116】
「1つの実施態様」または「1つ以上の実施態様」に対する本明細書全体にわたる引例が例えば、特定の性質が本発明の実施に含まれ得ることを意味していることもまた高く評価すべきである。同様に、開示を合理化し、多様な発明性のある態様の理解を支援する目的で、明細書中、多様な特性が単一の実施態様、図面またはそれらの説明の中にまとまって群を形成している場合があることは高く評価すべきである。しかし開示のこの方法は、本発明が各請求項で明確に引用したものよりさらに多くの態様を必要とする意図を反映していると解釈すべきではない。むしろ、以下の請求項が反映しているように、発明性のある態様は開示された単一の実施態様の特徴すべてに掛かっている訳では決してない。したがって「詳細な説明」に続く請求項は本明細書によりこの「詳細な説明」に明確に組み込まれており、各請求項は別個の実施態様としてそれ自身に基づいている。
【0117】
前述の明細書では、本発明はその特定の実施態様を参照して記述されている。しかし、添付の請求項に記載の本発明の広範囲な精神および範囲から逸脱することなく多様な改善および改変が本発明になされ得ることが明らかになるであろう。したがって明細書および図面は限定的な意味というよりむしろ実例的な意味でとらえられるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体分注システム、特に生物試料処理システムに使用し得る液体分注装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な状況では、診断を目的として生物標本の処理および試験が必要である。一般的に言えば、病理学者および他の診断医は患者由来の試料を採取し、研究し、顕微鏡検査および他の装置を利用して試料を細胞レベルで評価する。典型的には、多数の工程は病理学および他の診断過程に関与しており、血液や組織などの生物試料の採取、試料の処理、顕微鏡スライドの調製、染色、検査、再試験または再染色、別の試料の採取、試料の再検査、最終的に、診断所見の提出を含む。
【0003】
生物学的試験の実行中では往々にして、試薬などの液体を生物標本が含まれる試験スライドに分注することが必要となる。例えば腫瘍組織を分析する場合、組織の薄切片をスライドに設置し、所定量の液体試薬を組織に分注するといった多様な工程を経て処理し得る。自動試薬液分注システムは、あらかじめ選択した一連の試薬を試験スライドに正確に添加するために開発された。
【0004】
代表的な試薬分注システムは複数の試薬容器を支持し、選択した試薬容器をスライド上に設置し、試薬を受け取ることが可能な試薬分注トレイを含む。該システムは試薬容器からの試薬の放出を容易にするアクチュエータをさらに含む。操作中、試薬分注トレイは、試薬容器をアクチュエータに隣接させて設置する。アクチュエータ(例えばピストン)は、例えば、試薬容器に付随したバネ付勢式変位部材と接触しており、変位部材の動作に影響を与え、試薬液がスライド上に順次添加されるようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の実施態様は例により示されるものであり、同様の引例が類似の構成要素を示す添付図面の図で限定することにより説明されるものではない。注目すべきことは、本開示における「1つの("an"または"one")」実施態様についての複数の引例は必ずしも同一の実施態様を意味するわけではなく、このような複数の引例は少なくとも1つを意味するということである。
【0006】
【図1】(A)液体分注システムの1つの実施態様の斜視図(B)液体分注システムの1つの実施態様の断面図
【図2】液体分注システムの1つの実施態様の分解図
【図3】図2の液体分注システムの1つの実施態様の斜視図
【図4】図2の液体分注システムの1つの実施態様の斜視図
【図5】図2の液体分注システムの1つの実施態様の斜視図
【図6】図2の液体分注システムの断面図
【図7】(A)操作中の図2の液体分注システムの断面図(B)操作中の図2の液体分注システムの断面図(C)操作中の図2の液体分注システムの断面図(D)操作中の図2の液体分注システムの断面図
【図8】液体分注システムの別の実施態様の断面図
【図9】切断線9‐9’に沿った図8の液体分注システムの断面図
【図10】切断線10‐10’に沿った図8の液体分注システムの断面図
【図11】図8の液体分注システムの計量チャンバの斜視図
【図12】図11で説明した安定装置の切り抜き図
【図13】液体分注システム用液体保持容器の1つの実施態様の斜視図
【図14】(A)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの1つの実施態様の側面図(B)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの1つの実施態様の側面図(C)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの1つの実施態様の側面図(D)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの1つの実施態様の側面図
【図15】(A)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(B)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(C)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(D)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(E)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図
【図16】(A)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(B)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(C)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(D)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図(E)操作中の液体分注システム用圧縮アセンブリの別の実施態様の側面図
【図17】液体分注システムの1つの実施態様の平面図
【図18】図17の液体分注システムの側断面図
【図19】液体分注システムの1つの実施態様の斜視図
【図20】液体分注システムの1つの実施態様のフローチャート
【詳細な説明】
【0007】
以下の段落において、添付図面を参照して例示により本発明を詳細に説明することとする。本明細書全体にわたって、示された実施態様および実施例は本発明に対する限定というよりむしろ手本と考えることが好ましい。さらに、本明細書で開示した実施態様の様々な態様の引例は、請求した実施態様または方法すべてが参照した態様を必ず含むことを意味するものではない。
【0008】
図1(A)は液体分注システムの1つの実施態様を示している。液体分注システムは、計量チャンバ110と液体連通している液体貯槽102を通常含む液体分注カートリッジ100となり得る。液体貯槽102は通常、試薬または洗浄液などの所定量の液体を保持するように構築されている容器を含む。いくつかの実施態様では、貯槽102は収容部104を含む。
【0009】
収容部104は液不透過性材料から構成された剛性収容部となり得る。収容部104は、化学的に不活性のプラスチック、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンなどの液体を保持することに適した任意の材料から構成し得ることはまた、高く評価すべきである。液体を含むこと以外に、収容部104は、操作するための把持表面、および例えば表面に記述するかラベルを添付することで情報がカートリッジに記録されるような記録表面をさらに備え得る。該ラベルは例えば、貯槽102の内容物および/もしくは処理プロトコルを識別するバーコードまたは無線周波識別(RFID)タグとし得る。
【0010】
いくつかの実施態様では、収容部104は第1部分104Aおよび第2部分104Bを有する二枚貝収容部である。第1部分104Aおよび第2部分104Bは計量チャンバ110の周囲に位置し、まとめて取り付けられ、収容部104を形成する別々の部品となり得る。いくつかの実施態様では、第1部分104Aおよび第2部分104Bは例えば、戻り止めまたはスナップ固定機構によりまとめて保持されている。いくつかの実施態様では、第一部分104Aおよび第二部分104Bが互いに固定し合っている場合、それら部分により形成された継ぎ目を通って空気が通過可能になっていると考えられている。この態様では、前記継ぎ目は空気進入のための通気機構を備え、収容部104内の圧力を均等にする。このような実施態様では、図1(B)を参照して詳細に記述するように、収容部104内の液体は、収容部104内に設置された液体ブラダーまたは入れ子の中に存在し得る。別のさらなる実施態様では、収容部104内にバルブが備えられ(図1(B)参照)、通気を可能にしている。
【0011】
計量チャンバ110は液体貯槽102および収容部104の基部から伸長している(図示あり)。1つの実施態様では、計量チャンバ110は円筒状部材、例えば変形可能材料の管状構造物である。図2を参照して計量チャンバ110を詳細に説明することとする。
【0012】
ノズル120は計量チャンバ110の端部に設置し得る。ノズル120の外部表面はノズル120を形成するのに必要な材料の量、同様にノズルの重量を削減することに役立つカットアウト部分174を含み得る。ノズル120はノズルロッキング機構134で計量チャンバ110に固定し得る。ノズルロッキング機構134は計量チャンバ110を包囲し、ノズル120に取り付けて計量チャンバ110にノズル120を保持するアームを含む円筒状部品となり得る。典型的には、ノズルロッキング機構134のアームはノズル120内で形成された突出部位の下に掛かっているフックを含み得る(図2参照)。ノズル120は化学的に不活性のプラスチック、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンなどの液体を保持することに適した任意の材料から構成し得る。計量チャンバ110にノズル120を取り付けると、計量チャンバ110からの液体放出の制御が促進される。
【0013】
いくつかの実施態様では、継ぎ輪116および延長部材136、138は計量チャンバ110の上部を包囲し得る。継ぎ輪116は収容部104の開口内に計量チャンバ110の端部を固定する。延長部材136、138は、計量チャンバ110からの液体の放出を操作するように設計された圧縮アセンブリに計量チャンバ110を連結し易くし得る。
【0014】
カートリッジ100の配送中、計量チャンバ110を覆い、保護するためにカバー140をさらに備え付けてもよい。カバー140は、収容部104の外部へ伸長する計量チャンバ110の一部を覆うのに適しているのであればどのような寸法であってもよい。典型的には、カバー140は、直径が先細になっている中空の円筒状プラスチック構造物となり得る。カバー140の開口端を形成するエッジから伸長しているフック142および144は、カバー140を収容部104に取り付けるために使用してもよい。フック142、144はそれぞれ、反矢じり端146、148を含む。収容部104は計量チャンバ110の反対側に開口150、152を含み得る。開口150、152はフック142、144を受け入れるために寸法を合わせる。フック142、144の反矢じり端146、148をそれぞれ開口150、152内に挿入する場合、反矢じり端146、148は開口150、152の端部を引っ掛けて定位置にカバー140を保持する。カバー140を押し潰し、反矢じり端146、148を取り除き、収容部104から離れた方向にカバー140を引くことでカバー140は除去し得る。フック型固定機構が開示されているが、収容部104にカバー140を固定するのに適した任意の他の機構も使用し得ることがさらに考えられる。
【0015】
図1(B)は液体分注システムの中間部を通る図1(A)の液体分注システムの断面図を示す。この態様では、液体分注システムは、収容部104によって形成された液体貯槽102を有する液体分注カートリッジ100を含む。収容部104は、計量チャンバ110と液体連通している。いくつかの実施態様では、収容部104は場合により、収容部104内の圧力を周囲大気圧と同等にする圧力バルブ134を含み得る。特に、収容部104内の液体部分を分注した後に収容部104内が真空にはならないように、圧力バルブ134を使用して収容部104内の圧力を安定化させ得る。圧力バルブ134は空気を収容部104に進入させる任意のバルブとなり得る。例えば、一方向「ダックビル」型逆止弁となり得る。他の実施態様では、圧力バルブ134は省略し、図1(A)を参照して先に述べた収容部104の第1部分104Aおよび第2部分104Bの連結により形成された継ぎ目を使用してシステムを通気させ得る。
【0016】
いくつかの実施態様では、液体貯槽102内の液体は液体ブラダーまたは入れ子106内に保持する。ブラダー106は収容部104により特徴付けられた内部チャンバ内に設置し得る。ブラダー106は中に所定量の液体(例えば試薬または洗浄液)を含み得る。収容部104の内部チャンバの寸法に合わせて膨張するようにブラダー106は膨張性となり得る。この態様では、液体は最大量でブラダー106内に、同様に収容部104内に保持し得る。ブラダー106が、実質的に液体不透過性で可塑性の任意の好適な材料から成り得ることは高く評価すべきである。ブラダー106は例えば、モデル番号TF-480のHawthorne(カナダ)のTechFlex Packaging, LLCから入手できるようなブラダーとなり得る。
【0017】
ブラダー106は、周囲大気汚染の低減およびブラダーに入った液体の保存期間の延長を促進する。いくつかの実施態様では、ブラダー106は、潰れた形態から膨張した形態まで、ブラダー106の膨張を容易にするひだを含む。ブラダー106の膨張形態での断面は四辺形となり得る。例えば、収容部104が台形断面を有する実施態様では、ブラダー106の膨張形態での断面は台形となり得る。他の実施態様では、ブラダー106は望ましい量の液体の保持に適した任意の寸法であり、例えば断面は楕円となり得る。図13を参照してさらに詳細にブラダー106を説明することとする。
【0018】
ブラダー106はコネクタ108を介して計量チャンバ110に接続し得る。コネクタ108はそこに通じる円筒状導管112を有する実質的に剛性の部材となり得る。コネクタ108は、化学的に不活性のプラスチック、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンなどの液体を保持することに適した任意の材料から成り得る。この態様では、ブラダー106から出た液体はコネクタ108を経て計量チャンバ110へと流れる。コネクタ108の一端は、ブラダー106の端部で形成された開口部においてブラダー106に封止する(例えばヒートシール)ことも可能である。コネクタ108の反対側の端部は、計量チャンバ110の端部内に、収容部104の基部に通じるように形成された開口114を経て挿入し得る。
【0019】
コネクタ108は上部154および下部158を含み得る。ブラダー106は上部154の周囲に封止する。下部158は計量チャンバ110内に挿入する。上部154はブラダー106内への上部154の固定に役立つ第1フランジを備える。図1(B)に示したように、上部154付近に形成された第1フランジはブラダー106内に設置し、ブラダー106の開口は第1フランジの周囲に封止する。
【0020】
下部158は第2フランジ156および第3フランジ160を含む。第2フランジ156は、第1フランジと向かい合うブラダー106の外表面に沿って設置する。第3フランジ158は計量チャンバ110内に設置された下部158の端部に設置する。
【0021】
いくつかの実施態様では、開口114に継ぎ輪116をさらに設置し、コネクタ108と計量チャンバ110間で液体の厳重な密閉を確実にし得る。継ぎ輪116は開口114内、および計量チャンバ110の外側に設置したリング状構造物となり得る。継ぎ輪116は計量チャンバ110がコネクタ108に固定されるように寸法を合わせ、前記2つの構造物間のいかなる間隙も抑える。この態様では、継ぎ輪116は開口114内に密着するに十分小さい直径、さらに計量チャンバ110の周囲に密着するに十分大きい直径を有し、計量チャンバ110の端部をコネクタ108に締着または封止する。いくつかの実施態様では、継ぎ輪116は、コネクタ108と同様または異なる材料、例えば化学的に不活性なプラスチックから製造し得る。
【0022】
継ぎ輪116は継ぎ輪116の内表面の周囲に形成された環状リング162を含み得る。リング162は、リング162と第3フランジ160との間に計量チャンバ110の一部を挟むようにして、コネクタ108の第3フランジ160のやや上に設置する(図示あり)。この形態はコネクタ108の周囲に計量チャンバ110を固定し、計量チャンバ110がコネクタ108、同様に収容部104から外れないようにすることに役立つ。
【0023】
継ぎ輪116は継ぎ輪116の上端の周囲に形成された環状溝164をさらに含み得る。環状溝164は計量チャンバ110の上部から伸長する上部フランジ166を受け入れるように寸法を合わせる。環状溝164内への上部フランジ166の設置はさらに、収容部104から計量チャンバ110が外れることを防止するのに役立つ。
【0024】
計量チャンバ110はその中に液体を保持するために構築された液体貯槽となり得る。この態様では、計量チャンバ110は、カートリッジ100から放出される前に液体貯槽102内のブラダー106から計量チャンバ110に通過した所定量の液体のための保持空間を備えている。計量チャンバ110は任意の所望の寸法または形状とし得る。計量チャンバ110はカートリッジ100の各分注サイクル中に分注された容積より多い容積にし得る。いくつかの実施態様では、計量チャンバ110は容積約1.5ml〜4mlを許容する。典型的には、計量チャンバ110は、直径が約0.25インチ〜約1.25インチであり、長さが約2インチ〜約3インチであり、容積が約1.5ml〜4mlである管状構造物となり得る。この実施態様にしたがって、各放出サイクル中、容積約5μl〜約400μl±5μlが計量チャンバ110から分注し得る。
【0025】
計量チャンバ110は収容部104から伸長し、液体がブラダー106から基礎試料に移動するための導管を備え得る。1つの実施態様では、計量チャンバ110は円筒状部材、例えば管状構造物となり得る。1つの実施態様では、計量チャンバ110はその長尺に沿って直径が実質的に同じである管状構造物となり得る。1つの実施態様では、計量チャンバ110は先細形状の管状構造物となり得る。計量チャンバ110は上部フランジ166および下部フランジ168をさらに含み、チャンバ110を収容部104およびノズル120にそれぞれ取り付けることを容易にし得る。
【0026】
1つの実施態様では、計量チャンバ110を収容部に固定するため、計量チャンバ110は、開口114を経て伸長しているコネクタ108を取り囲んで収容部104の端部にある開口114に挿入し得る。前述のとおり、計量チャンバ110の上部フランジ166をコネクタ108の環状溝164内に設置し、計量チャンバ110の収容部104への固定を促進する。継ぎ輪116をさらに計量チャンバ110の周囲に設置し、計量チャンバ110とコネクタ108間の液体の厳重な密閉を確実にし得る。
【0027】
計量チャンバ110は実質的に可塑性または圧縮性の材料から製造し得る。計量チャンバ110の材料は化学的透過性を最小限にし、圧縮後に元の形状に戻る材料であることが好ましい。典型的には、計量チャンバ110はシリコン、塩化ポリビニル(PVC)等の材料から製造し得る。この態様では、計量チャンバ110は停留部分と放出位置間で変形し得る。停留位置では、液体は計量チャンバ110内に含まれ得る。計量チャンバ110に圧縮力を加えると、計量チャンバ110が圧縮され、計量チャンバ110内の液体が計量チャンバ110の端部にある開口の外へ放出される。圧縮力を付与する圧縮機構のストローク量を利用して、放出される液体の体積を制御し得る。いくつかの実施態様では、分注体積は調整し得る。他の実施態様では、分注体積は固定し得る。
【0028】
計量チャンバ110からの液体の流量はバルブ118で調節する。バルブ118は通常、計量チャンバ110の端部に設置する。バルブ118は液体保持バルブとなり得る。典型的には、バルブ118はバルブが閉じているときは互いに密閉し合い、バルブが開いているときには互いに離れて間隙を形成する変形可能なフラップを備え得る。計量チャンバ110が停留位置にある場合、バルブ118は閉鎖したままで、計量チャンバ110内に液体を保持する。計量チャンバが放出位置にある場合(すなわち圧縮されている場合)、バルブ118は開口している。圧縮力により計量チャンバ110内に生じた圧力は、開口した弁118から液体を放出させる。いくつかの実施態様では、バルブ118を計量チャンバ110の端部で一体化して形成する。この態様では、バルブ118は計量チャンバ110と同一の材料で形成する。他の実施態様では、バルブ118は計量チャンバ110の開口端に(例えば接着またはヒートシールにより)取り付けられた別の部品であり、計量チャンバ110と同一または異なる材料から製造し得る。図2〜5を参照してさらに詳細にバルブ118を述べることとする。
【0029】
カートリッジ100から出る前に液体がバルブ118からノズル120を通過するようにノズル120を計量チャンバ110の端部に設置し得る。計量チャンバ110からカートリッジ100の外へ出する液体の方向および/または速度を制御するためにノズル120を使用する。この態様では、ノズル120は計量チャンバ110の端部を受け入れるように寸法を合わせた貯槽122を含み得る。ノズル120はノズル120の端部で貯槽122と開口124との間に伸長する液体導管132をさらに含み得る。液体導管132および開口124の寸法を選択し、バルブ118を経て放出された液体流動の方向および/または速度を制御し得る。典型的には、液体導管132は長さおよび幅の範囲を有し、開口124は幅の範囲を有し、これらは液体放出の液体流動の方向および速度を制御するために選択し得る。
【0030】
1つの実施態様では、開口124は液体導管132の端部に形成されたカウンタボア170により特徴付けられる。この態様では、開口124は液体導管132の幅より広い幅の寸法を有し得る。液体導管132の端部内にカウンタボア170を形成することは、ノズル120の外表面に付いている残留物から過剰量の液体が基礎試料に分注されないことを防止するのに役立つ。特に、挿入されたノズル120の外表面に通常集まる液体はカウンタボア170内に残留する。液体がノズル120の外表面に残留する場合、それは試料に分注されない。これにより、試料に分注される液体の実際量が目的の量より少なくなり、試料の処理に影響を及ぼすことがあり得る。カウンタボア170により、この過剰量の液体はノズル120内に捕捉され次の分注サイクルで分注される。したがって、液体の体積はカートリッジ100から、より正確に分注される。
【0031】
計量チャンバ110の周囲にノズル120を設置する場合、計量チャンバ110から伸長したフランジ168はノズル120の最上エッジに沿って留まる。計量チャンバ110を包囲するノズルロッキング機構134はその後、ノズル120の反対側にあるフランジ168の側に位置する。ノズルロッキング機構134のアームはフランジ168を超えてノズル120に向かって伸長し、ノズル120内に挿入され、計量チャンバ110にノズル120を係止する。
【0032】
いくつかの実施態様では、ノズルロッキング機構134の他に、粘着剤、接着剤または熱溶解処理を利用し、ノズル120を計量チャンバ110に固定し得る。いくつかの実施態様では、計量チャンバ110の端部の外表面およびノズル120の内表面は相補的なリブまたはねじ切りを有し、それによりノズル120は計量チャンバ110の端部の周囲にねじ止めされる。他の実施態様では、ノズル120は計量チャンバ110の端部と一体化して形成し得る。図2を参照してノズル120をさらに詳細に説明する。
【0033】
計量チャンバ110を押し潰すことで液体が計量チャンバ110からバルブ118およびノズル120を経て放出され得る。1つの実施態様では、計量チャンバ110と接続した圧縮アセンブリ126は計量チャンバ110を押し潰す。本明細書では特定の圧縮アセンブリが開示されているが、最上端(すなわち貯槽102に最も近い端部)で出発し、最下端(すなわち貯槽102に最も遠い端部)へ下降する計量チャンバ110を押し潰す圧縮装置であればいかなる種類でもよい。この態様では、液体が圧縮アセンブリ126を通過して液体貯槽102に向かって逆流することが防止される。液体が放出サイクル中に圧縮アセンブリ126を通過して流れることが防止されることから、計量チャンバ110の近位端(すなわち貯槽102に最も近い端部)にあり液体が液体貯槽102に逆流することを防止するための第二バルブは必要ない。この実施態様では、計量チャンバ110内に設置されたコネクタ108の液体導管112は、例えばバルブにより遮断解除され、貯槽102から計量チャンバ110への液体流動の閉塞が解除される。しかし、必要に応じて計量チャンバ110の各端部で付属バルブが含まれ得る。
【0034】
圧縮アセンブリ126は圧縮部材128および130を含み得る。圧縮部材128および130は計量チャンバ110の圧縮に適した任意の寸法および形状となり得る。典型的には、1つの実施態様では、圧縮部材128および130は図1(B)で示した構造物など、延長プレートのような構造物である。他の実施態様では、圧縮部材128および130は例えばローラーとなり得る。圧縮部材128および130は計量チャンバ110の反対側に設置し、水平方向に(すなわち計量チャンバ110に向かう方向)移動可能である。いくつかの実施態様では、圧縮部材128および130は計量チャンバ110の長尺に沿った垂直方向にさらに移動し得る。圧縮部材128および130は例えばロータリーカムまたはギア機構により望ましい方向で操作し得る。他の実施態様では、圧縮部材128および130の移動はバネおよびピストンアセンブリにより操作し得る。両方の圧縮部材の移動を記述したが、いくつかの実施態様では、圧縮部材128および130のうち1つだけが移動可能であり、他方、他の一方は移動しないままである。
【0035】
計量チャンバ110を圧縮するため、圧縮部材128および130は計量チャンバ110の方向に互いに向かって進み得る。圧縮部材128、130がその長尺に沿って計量チャンバ110を圧縮すると(すなわち押し潰す)、バルブ118が開き、所定量の液体がそこから放出される。所定量の液体が放出し、圧縮部材128および130が解放され、計量チャンバ110がその元の形態に戻る。計量チャンバ110の膨張が元の停止した形態に戻ると、計量チャンバ110内に初期の真空が生じ、これにより次のサイクルでの放出のため、ノズル120の端部に垂れ下がった「最後の一滴」が吸い込まれ、ノズル120のカウンタボア170に戻る。本明細書で使用された表現「最後の一滴」とは、液体の停留部分が放出された後に液体の表面張力により雫を形成し、ノズル120の端部で残留している液体の量を意味する。放出した液体から最後の一滴が残っているか否かで、基礎資料に添加する液体の量は変化する。したがって、それが初期液体量で放出されること、あるいは計量チャンバに戻るよう吸い込まれて次工程量の液体と共に放出されて試料に添加されることのいずれかを確実にすることにより最後の一滴を計上することは重要である。
【0036】
図2は計量チャンバを含む液体分注システムの1つの実施態様の分解図を示す。計量チャンバ200は管状部210を含む。バルブ240は管状部210の端部に設置する。バルブ240は基部部材260の周囲に配置した円筒状のスカート部材250から構成し得る。円筒状スカート部材250は管状部210の端部から伸長し得る。基部部材260はスカート部材250と交差して形成し得る。バルブ240の開口(図3〜5参照)は基部部材260に通じるように形成し得る。
【0037】
いくつかの実施態様では、計量チャンバ200は、ノズル220の取り付けを容易にするために管状部210の外表面の周囲に形成されたリブ230をさらに含む。典型的には、リブ230は管状部210の端部の周囲に形成され得る。ノズル220の内表面はリブ230に相補的なリブ280を含み得る。ノズル220の貯槽290内にバルブ240を有する管状部210の端部を設置し、バルブ240のリブ230間にノズル220のリブ280を設置することで、ノズル220を管状部210に取り付け得る。
【0038】
前述したとおり、ノズル220がバルブ240の周囲に設置されるとすぐに管状部210の周囲に設置されたノズルロッキング機構234が管状部210の下方へ押され、ノズル220内の溝穴に入り、ノズル220を管状部210に係止し得る。前述のとおり、管状部210から伸長するフランジ268はノズル220とノズルロッキング機構234間に設置し得る。別のさらなる実施態様では、ノズル220は粘着剤、接着剤または熱溶解により管状部210に固定し得る。ノズル220が管状部210に取り付けられる場合、管状部210から放出された液体はノズル220から開口270を経て流出する。
【0039】
計量チャンバ200の管状部210が圧縮されると、バルブ240は開き、スカート部材250を外側へ屈曲させる。このスカート部材250の屈曲により、スカート部材250はノズル220の隣接表面に対して圧迫することとなる。この態様では、スカート部材250は、スカート部材250とノズル220間を封止し、ノズル220の側面に沿って液体が逆流することを防止する。その代わりに、スカート250に特徴付けられたノズル220の領域内に逆流液が入る。このような特徴は、正確な量の液体が試料へ送達されることを確実にするために重要である。特に、液体の分注中に液体がノズル220の側から逃げたなら、分注した液体の量は実際、推定量より少ないものとなる。ノズル220に対するスカート部材250の封止は図6および図7(A)〜図7(D)を参照して、より詳細に述べることとする。
【0040】
図3、図4および図5はバルブの様々な実施態様を示す。図3は基部部材260を有するバルブ240を含む計量チャンバ200の管状部210を示す。バルブ240は基部部材260に通じるように形成された開口310を含む。この実施態様では、開口310はスリットの形状をとる。この実施態様では、計量チャンバ200の管状部210が圧縮されると、スリット310を形成するバルブフラップが開き、管状部210内に保持された液体が放出される。
【0041】
この実施態様では、開口410が「Y」型開口であることを除いては、図4は図3と同一の構造物を含む。図3のバルブ240と同様に、計量チャンバ200の管状部210が圧縮されると、「Y」型開口410を形成するバルブフラップが開き、管状部210内に保持された液体が放出される。
【0042】
この実施態様では、開口510が十字型開口であることを除いては、図5は図3および図4と同一の構造物を含む。図3および図4のバルブ240と同様に、計量チャンバ200の管状部210が圧縮されると、十字型開口510を形成するバルブフラップが開き、管状部210内に保持された液体が放出される。
【0043】
図6は図2の計量チャンバの断面図を説明している。この実施態様では、計量チャンバ200の管状部210がノズル220に取り付けられていることが示されている。リブ230および280ならびにノズルロッキング機構234により管状部210はノズル220に取り付け得る。バルブ240はノズル220内に設置される。バルブ240は基部部材260およびスカート部材250を含む。基部部材260は、計量チャンバ200が圧縮されると領域620で分裂し、開口が明確になるフラップ640、650を含む。
【0044】
スカート部材250はノズル220の陥凹領域610内に設置されている。図6に示すように、陥凹領域610はノズル220の貯槽290内に形成された環状チャンバである。スカート部材250は陥凹領域610内に停留し、スカート部材250が非屈曲形態であるか、屈曲形態であるかによって、陥凹領域610の反対側に封止し得る。図6は非屈曲状態(すなわちバルブ240が閉鎖形態にある)のスカート部材250を示す。スカート部材250が屈曲形態にあると、フラップ640、650は開き、スカート250は屈曲し、陥凹領域610の反対側面を封止する。その後、液体は、ノズル220の開口270に通じる流路630に沿ってスリット620を経て管状部210から放出され、そしてノズル220から放出される。前述したとおり、開口270を形成するノズル220の部分は、分注されなかった液体をすべてノズル220内に保持するためのカウンタボア272を含む。
【0045】
図7(A)〜図7(D)は、操作中の図2の液体分注システムの断面図を示す。特に、停留部分と放出位置間での計量チャンバ200の移行を示している。計量チャンバ200は、図6を参照して開示した計量チャンバと実質的に同一である。この態様では、計量チャンバ200は管状部210、バルブ240およびノズル220を含む。バルブ240は、領域620で分裂するフラップ640、650を有する基部部材260を含み、開口またはスリットおよびスカート部材250を形成する。スカート部材250はノズル220の陥凹部分610内に設置されている。管状部210はノズル220のリブ280に相補的なリブ230を含み、管状部210へのノズル220の取り付けを容易にする。
【0046】
図7(A)は停留位置の計量チャンバ200を示す。図7(A)から分かるように、停留位置で、バルブ240のスリット620は閉鎖位置にある。また、スカート部材250は非屈曲状態にある。この態様では、スカート部材250は陥凹部分610を特徴付けるノズル220の部分の内表面に沿って停留する。スリット620が密閉位置にあることから液体710は管状部210内に保持される。
【0047】
図7(B)は放出位置にある計量チャンバ200を示す。この態様では、管状部分210は圧縮されている。前述したとおり管状部分の圧縮によりスリット620が開く。その後、液体710は、ノズル220の開口270に通じる流路630に沿ってスリット620を経て管状部210から放出され、そしてノズル220から放出される。バルブ240の開口は、陥凹部分610を特徴付けるノズル220の部分の外表面に向けてスカート部材250を屈曲させる。スカート部材250の屈曲は、陥凹部分610に対してスカート部材250を有効に封止し、管状部210の側部とノズル220間で液体がノズル220を逆流するのを防止する。
【0048】
図7(C)は、望ましい量の液体を放出した後の放出位置にある計量チャンバ200を示す。この実施態様では、管状部210は圧縮され、望ましい量の液体がノズル220の開口270を経て計量チャンバ200から放出されている。しかし液体710の最後の一滴がノズル220の端部に付着したままである。最後の一滴がノズル220に吸い込まれ、次の液体放出サイクルで放出されることが望ましい。
【0049】
図7(D)はバルブ240が停留位置に戻る実施態様を示す。図7(C)および図7(D)の比較から分かるように、基部部材260は、図7(C)の放出位置にある実質的に凸状の形態から図7(D)の停留位置にある実質的に凹状の形態に移行する。この移行はノズル220と基部部材260間の領域内を真空にする。この真空効果は液体710の最後の一滴を吸い込み、ノズル220に戻す。その後、最後の一滴710は次の液体放出サイクルまで、図7(D)に示す流路630またはノズル220のカウンタボア272内に残留する。図7(D)はさらに、バルブ240が停留位置に戻るとすぐに非屈曲形態に戻るスカート部材250を示す。非屈曲形態では、スカート部材250は陥凹部分610を形成するノズル220の部分の無い表面に沿って停留する。
【0050】
図8、図9および図10は2つの計量チャンバを有する液体分注カートリッジを含む液体分注システムの様々な図を示す。特に、図8は2つの計量チャンバを有する液体分注カートリッジを含む液体分注システムの1つの実施態様の斜視図を示す。図9は切断線9‐9’に沿った図8の液体分注システムの断面図を示す。図10は切断線10‐10’に沿った図8の液体分注システムの断面図を示す。
【0051】
液体分注カートリッジ800は概して、計量チャンバ810および812と液体連通している液体貯槽802を含む。液体貯槽802は通常、試薬または洗浄液などの所定量の液体を保持するために構築された容器である。いくつかの実施態様では、貯槽802は収容部804を含む。収容部804は図1(B)を参照して述べた収容部104に類似した液体透過材料から構成された剛性収容部となり得る。典型的には、収容部804は化学的に不活性のプラスチック、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンなどの液体を保持するのに適した任意の材料から構成し得る。液体を含むほか、収容部804は操作用把持表面、および例えば表面に記述するかラベルを添付することで情報がカートリッジに記録されるような記録表面を備え得る。該ラベルは例えば、貯槽802の内容物および/もしくは処理プロトコルを識別するバーコードまたはRFIDとし得る。
【0052】
いくつかの実施態様では、収容部804は図1(B)を参照して述べた収容部104に類似した二枚貝型収容部となり得る。収容部804の各側が合わさって形成される継ぎ目は、空気を通過可能にし、収容部804内の圧力を容易に均等にする。特に、収容部804内の液体の一部を分注した後に収容部804内が真空にはならないように、継ぎ目にある間隙を収容部804内の圧力を安定させるために使用し得る。いくつかの実施態様では、収容部804は場合により、収容部804内の圧力を周囲大気圧と同等にする圧力バルブ850を含み得る。圧力バルブ850は図1(B)を参照して述べた圧力バルブ134と実質的に同一であと言える。圧力バルブ850は空気を収容部804に進入させる任意のバルブとなり得る。例えば、圧力バルブ850は一方向「ダックビル」型逆止弁となり得る。
【0053】
収容部804は液体ブラダー806および液体ブラダー808に適合するように寸法を合わせ得る。ブラダー806、808は、収容部804に特徴づけられる内部チャンバ内に設置し得る。いくつかの実施態様では、ブラダー806、808を収容部804内に並べて設置する。他の実施態様では、収容部804は、ブラダー806、808を分けるために内部チャンバを2つのチャンバに分割する壁を含み得る。
【0054】
ブラダー806、808は中に所定量の液体(例えば試薬または洗浄液)を含み得る。ブラダー806、808に含まれる液体は同一でも異なっていてもよい。例えばいくつかの実施態様では、試料に添加する前に、分離状態を維持しなければならない2種の異なる液体を使用することが望ましい。この態様では、液体の一方はブラダー806に含まれ、他方の液体はブラダー808に含まれる。ブラダー806、808とそれぞれ接続した計量チャンバ810、812から放出されるまで該液体は混合しない。
【0055】
ブラダー806、808は膨らませることができ得る。収容部804の内部チャンバの寸法に合わせてブラダー806、808は膨張し得る。この態様では、液体は最大量でブラダー806、808内に、同様に収容部804内に保持し得る。ブラダー806、808が、実質的に液体不透過性で可塑性の任意の好適な材料から成り得ることは高く評価すべきである。ブラダー106は例えば、モデル番号TF-480のHawthorne(カナダ)のTechFlex Packaging, LLCから入手できるようなブラダーとなり得る。ブラダー806、808の使用は、周囲大気汚染の低減およびブラダーに入った液体の保存期間の延長を促進し得る。
【0056】
いくつかの実施態様では、ブラダー806、808は、潰れた形態から膨張した形態まで、ブラダー806、808の膨張を容易にするひだを含む。ブラダー806、808の膨張形態での断面は四辺形となり得る。例えば、収容部804が台形断面または楕円断面を有する実施態様では、2つのブラダーを収容部804の内寸に合わせて併用するようにブラダー806、808の膨張形態での断面は台形であってもよい。ブラダー806、808の寸法は同一または異ってもよいと考えられる。ブラダー806、808はそれぞれ計量チャンバ810、812と液体連通し得る。
【0057】
ノズル834、836はそれぞれ計量チャンバ810、812の端部の周囲に設置し得る。図1(A)および図1(B)を参照して述べたノズル120と同様に、ノズル834、836は開口838、840およびカットアウト部分860、862に形成されたカウンタボア870、872を有し得る。いくつかの実施態様では、図1(A)および図2を参照して述べたノズルロッキング機構134または234と同様なノズルロッキング機構864、866はそれぞれ計量チャンバ810、812を包囲し、ノズル834、836を計量チャンバ810、812に係止し得る。別のさらなる実施態様では、安定装置846はノズル834、836を取り囲んで設置し、計量チャンバ810、812に付加的な支持体を提供し得る。
【0058】
圧縮アセンブリ852は、計量チャンバ810、812と接続して液体放出を容易にし得る。圧縮アセンブリ852は図1(B)を参照して記述したものと同様の圧縮部材854、856を含み得る。この実施態様では、圧縮部材854、856は、計量チャンバ810、812を別々に押圧しながらも同時に圧縮するように寸法を合わせる。典型的には、圧縮部材854、856の幅は少なくとも各計量チャンバ810、812の幅と計量チャンバ810、812間の距離とを合わせた寸法である。この態様では、圧縮部材854は計量チャンバ810、812の片側に隣接しており、圧縮部材856は計量チャンバ810、812の反対側に隣接している。圧縮部材854、856をまとめて押圧すると、それらは各計量チャンバ810、812を別々に押圧しながら圧縮する。圧縮部材854、856は、圧縮部材854、856と接続したロータリーカムまたはギア機構により所望の方向で操作し得る。他の実施態様では、圧縮部材854および856の移動はバネおよびピストンアセンブリにより操作し得る。圧縮アセンブリ852を使用した計量チャンバ810、812の圧縮は図1(B)を参照して前述したように実行し得る。
【0059】
図9に示すように、ブラダー806、808は図1(B)を参照して記述したものと同様の連結部品を使用する計量チャンバ810、812と接続し得る。特に、円筒状導管818、820が通っているコネクタ814、816の端部は計量チャンバ810、812の端部内に挿入し得る。コネクタ814、816の反対側の端部はそれぞれブラダー806、808に封止し得る(例えばヒートシール)。計量チャンバ810、812の端部が設置されたコネクタ814、816は、収容部804の基部に通じるように形成した開口822、824内に設置し得る。この態様では、ブラダー806、808から出た液体はコネクタ814、816を経てそれぞれ計量チャンバ810、812に流入する。コネクタ814、816は図1(B)を参照して開示したコネクタと実質的に同一の材料で製造された円筒状部材となり得る。
【0060】
コネクタ814は上部860および下部868を含み得る。上部860はブラダー806の内部に設置され、下部868は計量チャンバ810内に挿入される。上部860はブラダー806内への上部860の固定に役立つ第1フランジを備える。図1(B)に示すように、上部860付近に形成された第1フランジはブラダー806内に設置し、ブラダー806の開口部は第1フランジの周囲に封止する。
【0061】
下部868は第2フランジ864および第3フランジ872を含む。第2フランジ864は、第1フランジの反対側のブラダー806の外表面に沿って設置する。第3フランジ872は計量チャンバ810内に設置された下部868の端部に設置する。
【0062】
いくつかの実施態様では、開口822に継ぎ輪826をさらに設置し、コネクタ814と計量チャンバ810間で液体の厳重な密閉を確実にし得る。継ぎ輪826は開口822内、および計量チャンバ810の外側に設置したリング状構造物となり得る。継ぎ輪826は計量チャンバ810がコネクタ814に固定されるように寸法を合わせ、前記2つの構造物間のいかなる間隙も防止する。この態様では、継ぎ輪826は開口822内に密着するに十分小さい直径、さらに計量チャンバ810の周囲に密着するに十分大きい直径を有し、計量チャンバ810の端部をコネクタ814に締着または封止する。いくつかの実施態様では、継ぎ輪826はプラスチック材料等から製造し得る。
【0063】
継ぎ輪826は継ぎ輪826の内表面を取り囲んで形成された環状リング870を含み得る。リング870は第2フランジ864と第3フランジ872間に設置する。リング870は、第3フランジ872とリング870間にある計量チャンバ810の一部を捉え、収容部804から計量チャンバ810が外れることを防止する。継ぎ輪826は継ぎ輪826の上端の周囲に形成された環状溝878をさらに含む。環状溝878は計量チャンバ810の付近に形成された上部フランジ880を受け入れるように寸法を合わせる。環状溝878内への上部フランジ880の設置はさらに、収容部804から計量チャンバ810が外れることを防止するのに役立つ。
【0064】
コネクタ816はコネクタ814と同様のものとなり得る。典型的には、コネクタ816は第1フランジを有する上部862、ならびに第2フランジ866および第3フランジ874を有する下部876を含み得る。開口824に継ぎ輪826と同様の継ぎ輪828をさらに備え、コネクタ816と計量チャンバ812間で液体の厳重な密閉を確実にし得る。継ぎ輪828は第2フランジ866および第3フランジ874間に設置された環状リング886を含み、計量チャンバ812が収容部804から外れることを防止し得る。継ぎ輪828は計量チャンバ810の上部フランジ884を受け入れるための上端の周囲に形成された環状溝882をさらに含み得る。継ぎ輪826および継ぎ輪828を別々に記述したが、継ぎ輪826、828は別の構造物であっても、あるいは共に接続するように一体化して形成してもよいと考えられる。
【0065】
計量チャンバ810、812は図1を参照して記述した計量チャンバ110と実質的に同一であると言える。この態様では、計量チャンバ810、812はカートリッジ800から放出される前にそれぞれブラダー806、808から流動する所定量の液体のための保持空間を備えている。計量チャンバ810および812は任意の望ましい寸法または形状となり得る。計量チャンバ810、812はカートリッジ800の各分注サイクル中に分注された容積より多い容積にし得る。2つの計量チャンバ810、812を有するカートリッジ800などの実施態様では、各サイクルで分注した液体の総量が、単一の計量チャンバを有する図1のカートリッジ100などの実施態様の総量と同一になり得ることは注目に値する。この態様では、計量チャンバ810、812の寸法はカートリッジ100の計量チャンバ110の寸法より小さく、計量チャンバ810、812の各々は例えば、計量チャンバ110の約半分の容積となり得る。典型的には、計量チャンバ810、812の各々は、直径が約1/8インチ〜約0.75インチであり、長さが約2インチ〜約3インチである環状構造物となり得る。いくつかの実施態様では、計量チャンバ810、812の各々の容積は約5μl〜約200μlとなり得る。各放出サイクル中、計量チャンバ810、812の合計の分注体積は約5μl〜約400μl±5μlとなり得る。
【0066】
計量チャンバ810、812は実質的に可塑性または圧縮性材料から製造し得る。計量チャンバ810、812の材料は化学的透過性を最小限にし、圧縮後に元の形状に戻る材料であることが好ましい。典型的には、計量チャンバ810、812はシリコン、塩化ポリビニル(PVC)等の材料から製造し得る。この態様では、計量チャンバ810、812は停留部分と放出位置間で変形し得る。停留位置では、液体は計量チャンバ810、812内に含まれ得る。計量チャンバ810、812に圧縮力を加えると、計量チャンバ810、812が圧縮され、計量チャンバ810、812内の液体が計量チャンバ810、812の端部にある開口の外へ放出される。
【0067】
計量チャンバ810、812の各々は、チャンバ810、812からの液体流量を調節するバルブ830、832をそれぞれ含む。バルブ830、832は例えば図1(B)を参照して記述したバルブ118と実質的に同一であると言える。
【0068】
ノズル834はバルブ830の周囲にある計量チャンバ810の端部に設置し得る。同様に、ノズル836はバルブ832の周囲にある計量チャンバ812の端部に設置し得る。カートリッジ800を出てそれぞれ計量チャンバ810、812から流動する液体流量を調節するためにノズル834、836を使用する。ノズル834、836は、液体が各ノズルを経て共通の流路に流れるように寸法を合わせることを除いて、図1(B)を参照して記述したノズル120と実質的に同様であると言える。この態様では、ノズル834、836はそれぞれ計量チャンバ810、812の端部を受け取るように寸法を合わせ得る。ノズル834、836は液体を放出するため、開口838、840にそれぞれ通じる流路842、844を含み得る。カウンタボア890、892は、開口838、840を特徴付ける流路842、844の端部にさらに形成し得る。流路842、844は、それぞれバルブ834および836の開口838、840から放出された液体の流れる方向および/または速度を制御するための長さおよび幅寸法を有し得る。また、流路842、844は、試料と接触させる前に液体の流れを混合するように、開口838から流出した液体を開口840から流出する液体に向けるに十分な角度でそれぞれノズル834、836内に形成し得る。
【0069】
液体を厳重に密閉すると、ノズル834、836とそれぞれ計量チャンバ810、812間において、ノズル834、836がそれぞれ計量チャンバ810、812に固定され得る。典型的には、ノズル834は粘着剤、接着剤または熱溶解により計量チャンバ810の端部の周囲に固定し得る。いくつかの実施態様では、計量チャンバ810の外表面はリブ894を有し、ノズル834の内表面はリブ894間に設置可能な相補的リブ896を有し、計量チャンバ810の端部の周囲にノズル834を固定することに役立つ。他の実施態様では、計量チャンバ810およびノズル834の内表面は相補的なねじ切りを有する。別のさらなる実施態様では、ノズル834は計量チャンバ810の端部と一体化して形成し得る。ノズル836は、ノズル834を計量チャンバ810に取り付けるために使用する場合と同様に、または異なる方法で計量チャンバ812に取り付け得る。典型的には、ノズル836は、前述した粘着剤および/もしくは相補的なリブ888、898またはねじ切りを使用して計量チャンバ812に取り付け得る。
【0070】
いくつかの実施態様では、ノズル834、836が計量チャンバ810、812の端部に取り付けられて初めてそれらを互いに取り付けることができる。典型的には、ノズル834、836を計量チャンバ810、812に配置する場合、計量チャンバ810、812の上下位置を変えずに両ノズルが隣り合えるようにノズル834、836の隣接表面をフラットにすることが可能である。ノズル834、836の一方は突出部を含み、ノズル834、836の他方は突出部を受け入れるように寸法を合わせた受容部を含み得る。ノズル834、836をまとめて押圧すると、突出部が受容部に挿入され、ノズル834、836がまとめて保持される。いくつかの実施態様では、ノズル834、836の各々は突出部および受容部を含み得る。
【0071】
安定装置846は計量チャンバ810、812およびノズル834、836に結合し得る。いくつかの実施態様では、安定装置846は、計量チャンバ810、812およびノズル834、836を包囲する実質的に楕円形の円筒構造物となり得る。計量チャンバ810、812およびノズル834、836の部分を受け入れるように寸法を合わせた安定装置846内に仕切りを形成し得る。いくつかの実施態様では、安定装置846は計量チャンバ810、812およびノズル834、836とは別個の構造物であり、それは組み立てられるときに初めて計量チャンバ810、812およびノズル834、836の周囲に密着する。典型的には、安定装置846はチャンバ810、812およびノズル834、836をまとめて取り囲むスナップ固定具と言える2つの部分を含み得る。他の実施態様では、ノズル834および836は安定装置846の一端に結合し、そこから伸長し得る。
【0072】
計量チャンバ810、812の各々はさらに、ノズル834、836とノズルロッキング機構864、866間に設置されてノズル834、836を計量チャンバ810、812に固定することに役立つ下部フランジ893、897を含む。
【0073】
図10は切断線10‐10’に沿った図8の液体分注システムの断面図を示す。この図から分かるように、圧縮部材854、856を使用して計量チャンバ810(計量チャンバ812)を圧縮し、一定量の液体を放出し得る。
【0074】
図11は図8に示した計量チャンバの斜視図である。計量チャンバ810、812を安定装置846およびノズル834、836に取り付けていることが示されている。前述したとおり、安定装置846は楕円の円筒形状であり、計量チャンバ810、812およびノズル834、836の一部を包囲している。ノズル834、836はそれぞれ開口838、840を含み、試料へ添加する前に混ざるように、それらを通って流れる液体の流れを互いの方向に導く。ノズル834、836は前述した「最後の一滴」を捕捉するためのカウンボア870、872を含み得る。ノズル834、836を計量チャンバ810、812に係止するため、ノズルロッキング機構864、866をさらに備え得る。
【0075】
図12は、図11に示した安定装置の切り抜き図を示す。計量チャンバ810、812およびノズル834、836を受け入れるように寸法を合わせた安定装置846の仕切り内に計量チャンバ810、812の端部を設置していることが示されている。ノズル834、836は、液体を開口838、840の外側へ向かわせるための流路842、844を含む。図12から分かるように、液体の流動が開口838、840の外側に向かい、1つの流れになるように流路842、844は互い同士に向かって角度が付いている。
【0076】
図13は液体分注システム用液体保持容器の1つの実施態様の斜視図を示している。この実施態様では、液体保持容器は液体分注カートリッジ内に設置したブラダーであると言える。ブラダー1302は中の液体を保持するように寸法を合わせ得る。いくつかの実施態様では、ブラダー1302のエッジ1310および1312はまとめて封止する(例えばヒートシール)。エッジ1314は、コネクタ(例えばコネクタ108)の周囲に封止し、計量チャンバ(例えば計量チャンバ110)をブラダー1302に結合するために使用し得る。ひだ1306を端部1304に形成する。この態様では、ブラダー1302は膨張性であり、しぼんだ形状から膨らんだ形状になり得る。しぼんだ形態では、ブラダー1302は実質的にフラットとなり得る。液体をブラダー1302に添加すると、ブラダー1302はひだ1306で膨張し、膨らんだ形態または膨張した形態となる。ブラダー1302は前述のいずれかの形状、例えば断面が四辺形の形状に膨張し得る。
【0077】
ひだ1306は深さDを有し得る。ひだ1306の深さDはブラダー1302の所望の液体体積に基づいて決定し得る。典型的には、ひだ1306の深さDが増加すると、ブラダー1302の液体体積はさらに増加する。典型的には、膨張していない形態でブラダー1302の長さが約5インチで幅が約4インチである1つの実施態様では、ひだ1306の深さDは約1インチとなり、これにより膨張形態でブラダー1302の液体体積は約250mL〜約350mLとなり得る。他の実施態様では、ひだ1306の深さDは0.60インチ〜約1.5インチの範囲で可変である。
【0078】
別のさらなる実施態様では、ひだはブラダー1302のエッジ1310、1312に沿うように備えられ、端部1304はひだを含んでなくともよい。
【0079】
図14(A)〜図14(D)は圧縮アセンブリの側面図の1つの実施態様を示す。図14(A)は計量チャンバ1404を圧縮していない開離形態の圧縮アセンブリ1400を示す。圧縮アセンブリ1400は図1(B)を参照して記述した圧縮アセンブリ126と実質的に同一であると言える。この態様では、圧縮アセンブリ1400は計量チャンバ1404の側面に沿って設置された圧縮部材1406、1408を含み得る。計量チャンバ1404は液体貯槽1402から伸長し、液体放出を可能にする。計量チャンバ1404および貯槽1402はそれぞれ、図1(B)を参照して記述した計量チャンバ110および液体貯槽102と実質的に同一であると言える。図1(B)を参照して記述したノズル120に類似したノズル1432は計量チャンバ1404の端部に取り付ける。図1(A)を参照して記述した液体分注カートリッジ100と共に計量チャンバ1404を圧縮アセンブリ1400内に配列することを促進するため、配列部材1434を圧縮アセンブリ1400の底部にさらに取り付け得る。液体分注カートリッジ100は、図19を参照し、より詳細に記述したボール戻り止めシート1908により実装アセンブリ1904に設置し得る。圧縮アセンブリ1400を図1(B)の計量チャンバ110などの単一の計量チャンバに関して記述しているが、圧縮アセンブリ1400は、1つ以上の計量チャンバ、例えば図8を参照して開示した計量チャンバ810、812を圧縮するために使用してもよいと考えられる。
【0080】
圧縮部材1406、1408は曲線の端部を有する実質的にフラットな部材である。圧縮部材1406、1408のフラットな領域の長さは計量チャンバ1404から分注した液体の体積を調節するために変更し得る。典型的には、長さが約0.5インチ〜約0.6インチのフラット領域を有する圧縮部材1406、1408が計量チャンバ1404に向けて圧縮されると、約380μL〜約480μLの容積が分注され得る。
【0081】
圧縮部材1406、1408はそれぞれ支持部材1410、1412に取り付けられ得る。支持部材1410、1412は圧縮部材1406、1408の移動を操作する。支持部材1410、1412はそれぞれ圧縮ガイド1414、1416に枢動可能に取り付ける(例えばピン、ねじ等で)。圧縮ガイド1414、1416は計量チャンバ1404の周囲に圧縮部材1406、1408を支持し、設置するのに役立つ。圧縮ガイド1414、1416はピボット機構1422により互いに回動可能に結合する。この態様では、互いへと向かう方向の圧縮ガイド1414、1416、同様に支持部材1410、1412の移動は、圧縮部材1406、1408が計量チャンバ1404に向かう移動を操作する。スプリング1424は支持部材1410と圧縮ガイド1414間をつなぐ。この態様では、圧縮ガイド1414が図14(A)に示した開離位置にあるとき、圧縮部材1406は計量チャンバ1404から離れた方向に傾いており、計量チャンバ1404を圧縮しない。同様に、スプリング1426は支持部材1412と圧縮ガイド1416間をつなぎ、開離位置にある計量チャンバ1404から離れた方向に圧縮部材1408を傾ける。
【0082】
連結プレート1430によりアクチュエータ1428を支持部材1412に取り付ける。連結プレート1430はアクチュエータ1428および支持部材1412の反対側の端部に枢動可能に取り付ける。
【0083】
計量チャンバ1404を圧縮するために、アクチュエータ1428は、計量チャンバ1404へと向かう方向に連結プレート1430を押圧する。連結プレート1430のこの移動により、圧縮部材1408に取り付けた支持部材1412が計量チャンバ1404へと向かう方向に移動する。支持部材1410および圧縮部材1406もまた、計量チャンバ1404へと向かう方向に移動する。この初動により、圧縮部材1406、1408の湾曲端部が計量チャンバ1404に接触する。アクチュエータ1428により計量チャンバ1404の方向へさらに移動すると、圧縮部材1406、1408の湾曲端部が、図14(B)に示す同一の位置で計量チャンバ1404を圧縮する。
【0084】
図14(C)および図14(D)に示すように、計量チャンバ1404に向かうアクチュエータ1428の連続的移動により、圧縮部材1406、1408が長尺に沿ってお互いに向かって移動し、計量チャンバ1404の大きい方の部分を圧縮する。特に、アクチュエータ1428が連結プレート1430を押圧し続けると、連結プレート1430は下方へ移動し始める。ピボット機構1422が下方に移動することから、圧縮ガイド1414、1416も下方に移動し、圧縮ガイド1414、1416がお互いに向かって移動することが可能となる。図14(C)および図14(D)でさらに示すように、バネ1424および1426が伸びると、圧縮部材1406、1408のフラット部分が回転し、計量チャンバ1404が圧縮される。
【0085】
圧縮部材1406、1408のフラット部分が図14(D)に示したように平行であるときは、圧縮アセンブリ1400は閉鎖した形態である。この位置では、計量チャンバ1404は完全に圧縮され、望ましい量の液体が放出される。その後、アクチュエータ1428を解放し、図14(A)に示すように圧縮部材1406、1408を離して広げることにより、圧縮アセンブリ1400を開離した形態に戻し、別の液体放出サイクルを開始することが可能となる。
【0086】
計量チャンバ1404の圧縮中、計量チャンバ1404の上部圧縮部分のほとんどが、全工程を通じて圧縮された状態のままである。この態様では、計量チャンバ1404内の液体が、圧縮領域上部の計量チャンバ1404の部分に漏出することが防止される。放出工程中、液体が計量チャンバ1404の上から漏れたり、収容部1402に戻るリスクが最小限になることから、計量チャンバ1404の上端にバルブは必要ない。
【0087】
図15(A)〜図15(D)は圧縮アセンブリの側面図の別の実施態様を示す。図15(A)は、計量チャンバ1504を圧縮していない開離形態の圧縮アセンブリ1500を示す。圧縮アセンブリ1500は計量チャンバ1504の側面に沿って設置された圧縮部材1506、1508を含み得る。計量チャンバ1504は液体貯槽1502から伸長し、液体放出を可能にする。計量チャンバ1504および貯槽1502は、図1を参照して記述した計量チャンバ110および液体貯槽102とそれぞれ実質的に同一であると言える。圧縮アセンブリ1500は図1の計量チャンバ110などの単一の計量チャンバに関して記述しているが、圧縮アセンブリ1500は、1つ以上の計量チャンバ、例えば図8を参照して開示した計量チャンバ810、812を圧縮するために使用してもよいと考えられる。
【0088】
この実施態様では、圧縮部材1506、1508はローラーとなり得る。ローラー1506、1508は計量チャンバ1504の長尺に沿って回転し、計量チャンバ1504を圧縮し得る。ローラー1506、1508はそれぞれ駆動軸1522、1524の周囲を回転し得る。駆動軸1522、1524は収容部1516内に形成されたトラック1510、1512内に設置し得る。収容部1516は圧縮アセンブリ1500を包囲し得る。駆動軸1522、1524は、計量チャンバ1504に沿ってローラー1506、1508を案内するトラック1510、1512に沿って移動し得る。トラック1510、1512は計量チャンバ1504の長尺の実質部分に沿って互いに平行であり、その後、一端で広がる。この態様では、ローラー1506、1508の駆動軸1522、1524がトラック1510、1512の広がった端部内にあるときは、ローラー1522、1524は遠く離れ、図15(A)に示した計量チャンバ1504を圧縮しない。
【0089】
トラック1510、1512に沿って駆動軸1506、1508に支持部材1514を備え得る。支持部材1514は駆動軸1522、1524の端部を受け入れる陥凹領域1518、1520を含み得る。駆動軸1506、1508が水平方向に、例えば計量チャンバ1504に向かって、あるいはそれから遠ざかって移動することを可能にするに十分な深さを陥凹領域1518、1520は有している。この態様では、支持部材1514がトラック1510、1512の広がった端部に向かう垂直方向に移動すると、ローラー1506、1508は互いに離れるように移動し、図15(A)に示すように計量チャンバ1504を圧縮しないように距離をもって離れる。支持部材1514が計量チャンバ1504の下方に(すなわち液体貯槽1502から遠ざかる方向に)移動すると、ローラー1506、1508は互いに向かって移動し、図15(B)〜図15(D)に示すように計量チャンバ1504を圧縮する。放出サイクルが完了すると(すなわちローラー1506、1508がトラック1510、1512の底部にある)、支持部材1514は液体貯槽1502の方へ上昇して戻り、それによりローラー1506、1508が回転して計量チャンバ1504の上方に戻り、図15(A)に示す開離形態となる。
【0090】
図15(E)は圧縮アセンブリ1500の端面図を示す。この図から、支持部材1514、ならびに支持部材1514と同一の支持部材1515が駆動軸1522の反対側の端部に設置されることが分かる。支持部材1514、1515は、垂直にトラック1510に沿って、駆動軸1522を、同様にローラー1506を案内する。支持部材1514、1515は例えば、支持部材1514と1515間のバーまたはロッドにより互いに結合し得る。この態様では、支持部材1514、1515は同時に移動する。
【0091】
駆動部材1526は支持部材1514に結合し、垂直方向に支持部材1514、1515を移動させ得る。いくつかの実施態様では、駆動部材1526は、支持部材1514に取り付けられ、そこから伸長するロッドとなり得る。垂直方向の移動が駆動可能であるロボットアームまたは他の機構を駆動部材1526に取り付け、計量チャンバ1504を垂直に沿うように駆動部材、同様に駆動軸1522およびローラー1506を移動させ得る。駆動部材1526の移動はカム‐クランクおよびモーターを含むユニットにより駆動し得る。
【0092】
図16(A)〜図16(E)は圧縮アセンブリの別の実施態様を示す。図16(A)は、計量チャンバ1604を圧縮していない開離形態の圧縮アセンブリ1600を示す。圧縮アセンブリ1600は計量チャンバ1604の側面に沿って設置された圧縮部材1606、1608を含み得る。計量チャンバ1604は液体貯槽1602から伸長し、液体の放出を可能にする。ノズル1640は計量チャンバ1604の端部に取り付け得る。貯槽1602、計量チャンバ1604およびノズル1640は、それぞれ図1(B)を参照して記述した液体貯槽102、計量チャンバ110およびノズル120と実質的に同一であると言える。圧縮アセンブリ1600を図1(B)の計量チャンバ110などの単一の計量チャンバに関して記述しているが、圧縮アセンブリ1600は、1つ以上の計量チャンバ、例えば図8を参照して開示した計量チャンバ810、812を圧縮するために使用してもよいと考えられる。
【0093】
この実施態様では、圧縮部材1606、1608はローラーとなり得る。ローラー1606、1608は、それぞれローラー1606、1608の回転を容易にする駆動軸1622、1624の周囲に設置し得る。駆動軸1622、1624はピボットアーム1610、1612に取り付け得る。取り付けられた駆動軸1622、1624、同様にローラー1606、1608を垂直に計量チャンバ1604の長尺に沿って駆動させるため、ピボットアーム1610、1612はそれぞれ軸1626、1628を軸にして旋回する。
【0094】
ローラー1606、1608が計量チャンバ1604の底部に到達するとすぐに、拡張器1642はローラー1606、1608の間に位置し、ローラーが計量チャンバ1604の上部に戻るにつれローラー1606、1608間の距離が増加する。計量チャンバ1604の上部に戻る前にローラー1606、1608が離間しないと、計量チャンバ1604の下部(ローラー1606、1608およびバルブ間の領域)に真空が生じてしまう。この真空により、空気が計量チャンバ1604に吸引される。空気は計量チャンバ1604の上部に移動し、液体貯槽1602に入る。空気が貯槽1602内の液体に付加されると、液体に悪影響が及ぶ可能性がある。例えば、空気が液体貯槽1602内の試薬に付加されると、試薬の酸化が増強する。
【0095】
拡張器1642は計量チャンバ1604の周囲に設置された基部部材1684、およびローラー1606、1608間に垂直に伸長する側面部材1650を含む。側面部材1650は実質的に三角形状であり、最も広がった部分が基部部材1648の近傍にあり、そのためローラー1606、1608が計量チャンバ1604の端部に達するにつれ、ローラー1606、1608間の距離が増加する。拡張器1642はロッド1644に沿って可動的に設置されている。典型的には、ロッド1644の一部の周囲に密着し、拡張器1642をロッド1644に沿ってスライドさせるように寸法を合わせた流路(図示せず)が拡張器1642の側面部材1650に含まれる。ロッド1644は、拡張器1642の上にあるロッド1644の上部領域を包囲するバネ1646を含み、収容部1602から遠ざかる方向に拡張器1642を傾ける。側面部材1650、ロッド1644およびバネ1646に一致する第2の側面部材、ロッドおよびバネ(図示せず)が拡張器1642の反対側に見られる。操作中、ローラー1606、1608は、計量チャンバ1604の下部に到達するまで、計量チャンバ1604および拡張器1642に沿って回転する。計量チャンバ1604の最下部に達すると、拡張器1642はローラー1606、1608を離間する。ローラー1606、1608が計量チャンバ1604の長尺を上って戻ると、拡張器1642はローラー1606、1608間に残り、その長尺部分は、ローラーが計量チャンバ1604を上って開離位置に戻るにつれローラーが十分な距離で離間することを確実にする長さである。拡張器1642は最終的に解放され、バネ1646により支持部材1618の基部に向かう下降により押圧される。
【0096】
ギア1614、1616はローラー1606、1608の移動を制御する。ギア1614、1616は、一方の回転が他方の回転を稼動するように相補歯または歯車を含み得る。典型的には、圧縮アセンブリ1600が図16に示す開離形態にあるときは、ギア1614は半時計回りに回転し、ギア1616の回転を時計回りに稼動する。同様に、これによりアーム1610は反時計回りに旋回し、アーム1612は時計回りに旋回する。アーム1610、1612が旋回すると、ローラー1606、1608は、計量チャンバ1604を圧縮するため互いに向かって、計量チャンバ1604に垂直に沿って、液体貯槽1602から遠ざかる方向に移動する。この態様では、計量チャンバ1604はその長尺に沿って圧縮され、計量チャンバ1604内の液体は計量チャンバの端部から外に押し出される。放出サイクルが完了するとすぐに(すなわちローラー1606、1608は計量チャンバ1604の底部にある)、ローラー1606、1608が回転して計量チャンバ1604の上方に戻り、図16(A)に示す開離形態となる。他の実施態様では、ローラー1606、1608が計量チャンバ1604とその周辺から離れ、その後図16(A)に示す位置に戻るように、ギアは回転し続ける。
【0097】
ギア1614、1616は電動装置、またはギアの駆動に適した他の類似の装置により駆動し得る。別のさらなる実施態様では、ギア1614、1616は使用者の手により駆動し得る。
【0098】
ギア1614、1616およびそれらに付随する任意の電動装置は支持部材1618に支持され得る。支持部材1618は、ギア1614、1616を支持してそれらを液体分注カートリッジと接続させるのに適した任意の構造物となり得る。
【0099】
いくつかの実施態様では、ローラー1606、1608はそれぞれバネアセンブリ1630、1632を含み得る。バネアセンブリ1630、1632は必要に応じてローラー1606、1608を後退させる。例えば、ローラー1606、1608に、図16(B)〜図16(D)に示すように長尺に沿って計量チャンバ1604を圧縮させるため、ローラー1606、1608は図16(B)および図16(D)に示すようにアーム1610、1612を越えて伸長する必要がある。しかし、図16(C)に示すように計量チャンバ1604の正反対の側でローラー1606と1608が会合する場合、計量チャンバ1604を圧縮するために長く伸長する必要はない。この態様では、バネアセンブリ1630、1632は必要なときにローラー1606、1608を後退させる。
【0100】
図16(E)は圧縮アセンブリ1600の端面図を示す。この図から、駆動軸1622の反対側端部はピボットアーム1610、1612に支持されていることが分かる。ピボットアーム1610、1612は、ギア1614に同様に取り付けられている軸1626に取り付けられている。ギア1614が、時計回り、または反時計回りに回転すると、ギア1614は軸1626を回転させ、ピボットアーム1610が旋回し、同様にローラー1606が計量チャンバ1604の長尺に沿って回転する。ローラー1608は、同じ方向および同じ速度で計量チャンバ1604の長尺に沿ってローラー1606、1608が回転するように同様の方法で制御し得る。
【0101】
図17および18は液体分注システムの1つの実施態様を示す。液体分注システム1700の形状およびメカニズムは、システム1700を使用するために選択した液体分注カートリッジの操作法により可変である。図17の最善形態として、システム1700は場合により、液体分注カートリッジ1706が実装される複数のステーション1704を有する実装アセンブリ1702を含む。液体分注カートリッジ1706は、例えば図1(A)〜図1(B)および図8〜10を参照して記述した液体分注カートリッジ100と実質的に同一であると言える。ステーション1704は、アクチュエータアセンブリ1720に隣接した複数の液体分注カートリッジ1706を選択的に設置するための実装孔1708を含むことが好ましい。前述したアセンブリの中の1種などの圧縮アセンブリを各ステーション1704に実装し得る(図19参照)。アクチュエータアセンブリ1720は選択された圧縮アセンブリと共に配列し、必要に応じて圧縮アセンブリを起動し得る。カートリッジ1706が孔1708内に設置されると、計量チャンバがそれぞれの圧縮アセンブリと共に配置されるように、圧縮アセンブリをステーション1704に実装する。
【0102】
液体分注システム1700はまた、場合により複数の受容部材1712を保持する受容アセンブリ1710を含む。受容部材1712はカートリッジ1706から液体を分注するために必要な任意の構成物となり得る。好適な受容部材1712の例としてはスライド、トレイおよび混合槽が挙げられる。好ましい実施態様では、受容部材1712は支持部材上で支持された顕微鏡スライドである。顕微鏡スライドはそこに実装された基板を有し得る。好適な基板の例としては組織試料の薄切片である。
【0103】
概して、カートリッジ1706から分注した液体を送達するために重力を利用し、受容アセンブリ1710を実装アセンブリ1702の下方に設置する。複数のカートリッジ1706が設置されて任意の所望の受容部材1712に液体を分注することが可能になるように、実装アセンブリ1702および受容アセンブリ1710は互いに対して可動であることが好ましい。実装アセンブリ1702および受容アセンブリ1712の可動性を任意に組み合わせて選択し得る。例えば、両方とも可動でも、一方のみ可動で他方が固定されていてもよい。またさらに、カートリッジ1706と所望の受容部材1712とを配列するために、実装アセンブリ1702は中心軸に対して回転可能な円形コンベアとなり得る。実装アセンブリ1702はまた、1つの受容部材1712から次に移動できるように直線的に移動可能となり得る。図18に示すように、受容部材1712はすべて、スライドなど同一の種類の構成物であり、あるいは代替的に、スライドや容器など異なる種類の構成物も含み得る。
【0104】
分注システム1700の操作の一例では、個々のカートリッジ1706が選択的にアクチュエータアセンブリ1720の一方または両方に隣接して設置されるように、実装アセンブリ1702は回転式である。あるいは、各カートリッジ1706とアクチュエータアセンブリ1720とを配列させるために実装アセンブリ1702が回転する必要がないように、システム1700は、各カートシッジ1706に隣接して設置された複数のアクチュエータアセンブリ1720を含み得る。
【0105】
アクチュエータアセンブリ1720は、カートリッジ1706を始動し、調整した量の液体を放出させる任意の起動装置となり得る。典型的には、アクチュエータアセンブリ1720は、例えば圧縮アセンブリ1400のアクチュエータ1428と共に配列するピストン機構を含み得る(図14(A)〜図14(D)参照)。アクチュエータアセンブリ1720は、例えば電気信号に応答してピストンを移動させるソレノイドを含む。ピストンは計量チャンバ1404の方向にアクチュエータ1428を移動させるため伸長し得る。図14(A)〜図14(D)を参照して前述したように、このような移動により、圧縮アセンブリ1400が計量チャンバ1404を押し潰し、計量チャンバ1404から液体が放出される。液体分注システムを操作するプロセッサまたはコントローラ(図示あり)によりアクチュエータアセンブリ1720が制御され得る。
【0106】
個々のカートリッジ1706が任意の受容部材1712の上方に選択的に設置可能になるように、実装アセンブリ1702は受容アセンブリ1710に対して移動も回転も可能である。カートリッジ1706が受容部材1712の1つの上方に設置され次第、アクチュエータアセンブリ1720はカートリッジ1706を始動し、調整した量の液体を受容部材1712へ放出させる。
【0107】
図17および18に示すように、1つの実施態様では、カートリッジ1706がアクチュエータアセンブリ1720に対して回転可能となるように、実装アセンブリ1702を支持部材1722に回動可能に取り付ける。アクチュエータアセンブリ1720を支持部材1722に、場合により実装アセンブリ1702の下方に固定して取り付ける。好ましくは、カートリッジ1706が受容部材1712に対して回転も移動も可能になるように、支持部材1722は水平に移動可能である。この方法では、選んだカートリッジ1706を任意の受容部材1712の上方に選択的に設置することが可能である。
【0108】
受容部材1712は受容アセンブリ1710内に直線的に設置していることが示されてはいるが、受容部材1712は2列以上に分けられることがさらに考えられる。この態様では、アクチュエータアセンブリ1720は2つ以上のアクチュエータ、例えば、液体を2列の受容部材に分注することに使用される2つのアクチュエータ1714、1716を場合により含み得る。操作中、一方の列の受容部材1712に液体を分注するようにアクチュエータ1714を適合させ、他方の列の受容部材1712に液体を分注するようにアクチュエータ1716を適合させる。本発明の範囲から逸脱すことなく、アクチュエータおよび/または受容部材は任意の数で使用可能になることがさらに考えられる。
【0109】
図18に示すように、システム1800は場合により、供給容器1802、排出容器1804およびバルブ1806を含む。供給容器1802は受容部材1712を洗浄するための水などの液を保持するために使用可能である。バルブ1806は受容部材1712を洗浄するときの液の流れを方向付けるスイッチを含むことが好ましい。また、液を受容部材1712の洗浄に使用した後に液の流れを排出容器1804に流入させるためにバルブ1806を使用する。
【0110】
カートリッジ1706およびステーション1704の分解図に示すように、カートリッジ1706(単数または複数の計量チャンバを含む)をステーション1704内に脱着可能に設置する。圧縮アセンブリが実装されたステーション1704を支持部材1722に固定して実装する。この態様では、カートリッジ1706がカラになり次第、カートリッジ1706およびそれに付随する計量チャンバ(単数または複数)はステーション1704から外れるが、圧縮アセンブリはステーション1704の分注システムに実装されたままである。その後交換カートリッジおよび計量チャンバ(単数または複数)はステーション1704に配置し得る。他の実施態様では、圧縮アセンブリはカートリッジ1706に実装し得る。この態様では、各カートリッジ1706は圧縮アセンブリを含み、カートリッジ1706を外すことは、圧縮アセンブリも外されるということである。
【0111】
ここでカートリッジ1706の構造を参照すると、いくつかの実施態様では、カートリッジ1706の水平断面形状は非対称である。この方式では、実装アセンブリ1702の実装孔1708は、特定の望ましい配向になるような挿入を必要とする同様の形状である。例えば、実質的に台形の形状を選択し、望ましい設置配向が促進し得る。図19は、断面が実質的に台形であるカートリッジ1706の例を示す。この態様では、カートリッジ1706を、実質的に台形の実装孔1708内に密着するように適合させる(図17参照)。他の実施態様では、実装孔1708およびカートリッジ1706は、同様の配向にした非対称の他の形状である。あるいは、カートリッジ1706および実装孔1708は、ステーション1704内にカートリッジ1706を設置し、液体を下にある試料に分注するのに適した任意の形状または寸法を有し得る。
【0112】
場合により、実装機構を利用し、カートリッジ1706を実装アセンブリ1702の対応する実装孔1708内に解放可能に取り付けることが可能である。1例では、図19に示すように、ボール戻り止めシート1908をカートリッジ1902の収容部の外表面に備える。図17に示すように、場合によりバネ付勢式の、対応するボール1718が各実装孔1708に隣接した実装アセンブリ1702に据え付けられ得る。実装孔1708に挿入する前に、台形のカートリッジ1902が対応する台形の実装孔1708と共に垂直に配列されるように、カートリッジ1902を適切に配列しなければならない。適切に挿入するために、ボール1718がシート1908内の位置にスライドするように、カートリッジ1902を十分な力で下方に押す必要がある。
【0113】
図19は液体分注システムの1つの実施態様の斜視図を示す。液体分注システム1900は全般的に、液体分注カートリッジ1902、および実装アセンブリ1904に実装された圧縮アセンブリ1906を含む。液体分注カートリッジ1902は図1(B)を参照して記述したカートリッジ100と実質的に同一であると言える。圧縮アセンブリ1906は図14(A)〜図14(D)を参照して記述した圧縮アセンブリ1400と実質的に同一であると言える。さらに考えられるのは、圧縮アセンブリ1906が本明細書に記述の他の圧縮アセンブリのいずれかと同一であるこということである。実装アセンブリ1904は図17を参照して記述した実装アセンブリ1702と実質的に同一であると言える。液体分注カートリッジ1902および圧縮アセンブリ1906が実装アセンブリ1904に実装されていることを示しているが、下にある受容部材内の試料の処理に使用する他の部品を実装アセンブリ1904にさらに実装し得ることが考えられる。
【0114】
図17〜18を参照して先に述べたように、液体分注カートリッジ1902は実装アセンブリ1702の上面に沿ってステーション内に設置している。開口1910は各ステーションの下にある実装アセンブリ1702を通って形成されている。液体分注カートリッジ1902の計量チャンバ(図示せず)は対応する開口1910を通って挿入される。実装ステーションの向かい側にある実装アセンブリ1702の側で、圧縮アセンブリ1906が実装ステーションの下に実装される。実装アセンブリ1702の開口1910を通って伸長している計量チャンバを圧縮アセンブリ1906内に設置する。計量チャンバのノズル1920は圧縮アセンブリ1906の底部の外へ伸長している。向かい側のアクチュエータアセンブリ(図17〜18のアクチュエータアセンブリ1720参照)がアクチュエータ1912と共に配列されるように、圧縮アセンブリ1906のアクチュエータ1912は実装アセンブリ1904の中心に向いている。
【0115】
図20に関し、アクチュエータアセンブリ1720はスイッチ2004を含むコントローラ2002を使用して起動することが好ましい。場合によりコントローラ2002は、アクチュエータアセンブリ1720との無線通信接続路2006を有するプログラム可能なコンピュータである。コントローラ2002は例えば、実行するときにアクチュエータアセンブリ1720を作動させる機械読み取り媒体を含む。あるいは、コントローラ2002はアクチュエータアセンブリ1720を活性化させ、通信接続路および/または無線通信接続路を含むものであればいかなるものでもよい。活性化されるとすぐに、液体分注器1706が受容部材1712に液体を分注するようにアクチュエータアセンブリ1720は磁気接続路2008を利用し得る。
【0116】
「1つの実施態様」または「1つ以上の実施態様」に対する本明細書全体にわたる引例が例えば、特定の性質が本発明の実施に含まれ得ることを意味していることもまた高く評価すべきである。同様に、開示を合理化し、多様な発明性のある態様の理解を支援する目的で、明細書中、多様な特性が単一の実施態様、図面またはそれらの説明の中にまとまって群を形成している場合があることは高く評価すべきである。しかし開示のこの方法は、本発明が各請求項で明確に引用したものよりさらに多くの態様を必要とする意図を反映していると解釈すべきではない。むしろ、以下の請求項が反映しているように、発明性のある態様は開示された単一の実施態様の特徴すべてに掛かっている訳では決してない。したがって「詳細な説明」に続く請求項は本明細書によりこの「詳細な説明」に明確に組み込まれており、各請求項は別個の実施態様としてそれ自身に基づいている。
【0117】
前述の明細書では、本発明はその特定の実施態様を参照して記述されている。しかし、添付の請求項に記載の本発明の広範囲な精神および範囲から逸脱することなく多様な改善および改変が本発明になされ得ることが明らかになるであろう。したがって明細書および図面は限定的な意味というよりむしろ実例的な意味でとらえられるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む装置:
液体貯槽;
前記液体貯槽に接続した第1端部および第2端部を含み、前記第1端部が前記液体貯槽との間で液体を通過させるための円滑な液体導管を含む圧縮性の計量チャンバ;
前記計量チャンバの前記第2端部に接続したバルブ;および
前記バルブに接続したノズル。
【請求項2】
前記液体貯槽が、チャンバを特徴付ける収容部および前記計量チャンバ内に設置された膨張性ブラダーを含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記膨張性ブラダーが膨張形態の状態では四辺形断面を有する請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記膨張性ブラダーが少なくとも1つのひだを含む請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記円滑な液体導管が前記計量チャンバの前記第1端部内に挿入されたコネクタにより特徴付けられ、液体が前記液体導管を経て前記計量チャンバへと直接通過する請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記バルブが、前記計量チャンバに接続された唯一のバルブである請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記バルブが液保持バルブである請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記バルブが前記計量チャンバの圧縮に反応して開口するフラップを含む請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記バルブが、単一のスリット、Yまたは十字形状の範囲を有する開口を含む請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記計量チャンバが第1計量チャンバであり、第2計量チャンバが前記液体貯槽に接続されている請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記バルブが前記第1計量チャンバに接続された第1バルブであり、第2バルブが前記第2計量チャンバに接続されている請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ノズルが前記第1計量チャンバに接続された第1ノズルであり、第2ノズルが前記第2計量チャンバに接続されている請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第1ノズルが第1流路を含み、前記第2ノズルが第2流路を含み、前記第1流路は前記第1ノズルから流出する液体を、前記第2ノズルから流出する液体の方に向ける請求項12に記載の装置。
【請求項14】
以下を含むシステム:
複数の液体分注カートリッジ実装ステーションを有する直線移動可能なカートリッジ実装アセンブリ;
個々の液体分注カートリッジ実装ステーションに実装された複数の液体分注カートリッジであって、前記複数の液体分注カートリッジの各々が、圧縮性の計量チャンバに接続された液体貯槽および前記圧縮性の計量チャンバに接続されたバルブを含む複数の液体分注カートリッジ;
前記圧縮性の計量チャンバを圧縮し、そこから液体を放出させるための個々の液体分注カートリッジに接続された複数の圧縮アセンブリ;および
前記実装アセンブリの下方に設置され、試料保持部材を支持するための複数の受容部材位置を含む受容アセンブリ。
【請求項15】
前記カートリッジ実装アセンブリが回動可能である請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記液体貯槽が、チャンバを特徴付ける収容部および前記計量チャンバ内に設置された膨張性ブラダーを含む請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記バルブが、前記計量チャンバの圧縮に反応して開口するフラップを含む請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記バルブが、単一のスリット、Yまたは十字形状の範囲を有する開口を含む請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記計量チャンバが第1計量チャンバであり、第2計量チャンバが前記液体貯槽に接続されている請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記バルブが前記第1計量チャンバに接続された第1バルブであり、第2バルブが前記第2計量チャンバに接続されている請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
前記計量チャンバに接続されたノズルをさらに含む請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記圧縮アセンブリの各々が第1圧縮部材および第2圧縮部材を含み、前記第1圧縮部材および前記第2圧縮部材は前記計量チャンバの長尺に沿って移動し、前記計量チャンバの長尺に沿って隣接した領域を圧縮する請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
前記圧縮アセンブリを前記液体分注カートリッジ実装ステーションに固定して実装する請求項14に記載のシステム。
【請求項24】
以下の工程を含む方法:
液体貯槽を含む液体分注カートリッジおよび計量チャンバを試料保持部材の上方に設置する工程;
前記液体分注カートリッジの計量チャンバに圧縮力を付与し、所定量の液体を前記計量チャンバから前記試料保持部材上へ放出させる工程;および
前記圧縮力を解除し、前記計量チャンバに再充填する工程。
【請求項25】
前記圧縮力が前記計量チャンバの長尺に沿って移動する請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記液体が前記試料保持部材上に放出されるとすぐに前記液体分注カートリッジが別の試料保持部材の上方に設置される請求項24に記載の方法。
【請求項1】
以下を含む装置:
液体貯槽;
前記液体貯槽に接続した第1端部および第2端部を含み、前記第1端部が前記液体貯槽との間で液体を通過させるための円滑な液体導管を含む圧縮性の計量チャンバ;
前記計量チャンバの前記第2端部に接続したバルブ;および
前記バルブに接続したノズル。
【請求項2】
前記液体貯槽が、チャンバを特徴付ける収容部および前記計量チャンバ内に設置された膨張性ブラダーを含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記膨張性ブラダーが膨張形態の状態では四辺形断面を有する請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記膨張性ブラダーが少なくとも1つのひだを含む請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記円滑な液体導管が前記計量チャンバの前記第1端部内に挿入されたコネクタにより特徴付けられ、液体が前記液体導管を経て前記計量チャンバへと直接通過する請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記バルブが、前記計量チャンバに接続された唯一のバルブである請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記バルブが液保持バルブである請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記バルブが前記計量チャンバの圧縮に反応して開口するフラップを含む請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記バルブが、単一のスリット、Yまたは十字形状の範囲を有する開口を含む請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記計量チャンバが第1計量チャンバであり、第2計量チャンバが前記液体貯槽に接続されている請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記バルブが前記第1計量チャンバに接続された第1バルブであり、第2バルブが前記第2計量チャンバに接続されている請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ノズルが前記第1計量チャンバに接続された第1ノズルであり、第2ノズルが前記第2計量チャンバに接続されている請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第1ノズルが第1流路を含み、前記第2ノズルが第2流路を含み、前記第1流路は前記第1ノズルから流出する液体を、前記第2ノズルから流出する液体の方に向ける請求項12に記載の装置。
【請求項14】
以下を含むシステム:
複数の液体分注カートリッジ実装ステーションを有する直線移動可能なカートリッジ実装アセンブリ;
個々の液体分注カートリッジ実装ステーションに実装された複数の液体分注カートリッジであって、前記複数の液体分注カートリッジの各々が、圧縮性の計量チャンバに接続された液体貯槽および前記圧縮性の計量チャンバに接続されたバルブを含む複数の液体分注カートリッジ;
前記圧縮性の計量チャンバを圧縮し、そこから液体を放出させるための個々の液体分注カートリッジに接続された複数の圧縮アセンブリ;および
前記実装アセンブリの下方に設置され、試料保持部材を支持するための複数の受容部材位置を含む受容アセンブリ。
【請求項15】
前記カートリッジ実装アセンブリが回動可能である請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記液体貯槽が、チャンバを特徴付ける収容部および前記計量チャンバ内に設置された膨張性ブラダーを含む請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記バルブが、前記計量チャンバの圧縮に反応して開口するフラップを含む請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記バルブが、単一のスリット、Yまたは十字形状の範囲を有する開口を含む請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記計量チャンバが第1計量チャンバであり、第2計量チャンバが前記液体貯槽に接続されている請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記バルブが前記第1計量チャンバに接続された第1バルブであり、第2バルブが前記第2計量チャンバに接続されている請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
前記計量チャンバに接続されたノズルをさらに含む請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記圧縮アセンブリの各々が第1圧縮部材および第2圧縮部材を含み、前記第1圧縮部材および前記第2圧縮部材は前記計量チャンバの長尺に沿って移動し、前記計量チャンバの長尺に沿って隣接した領域を圧縮する請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
前記圧縮アセンブリを前記液体分注カートリッジ実装ステーションに固定して実装する請求項14に記載のシステム。
【請求項24】
以下の工程を含む方法:
液体貯槽を含む液体分注カートリッジおよび計量チャンバを試料保持部材の上方に設置する工程;
前記液体分注カートリッジの計量チャンバに圧縮力を付与し、所定量の液体を前記計量チャンバから前記試料保持部材上へ放出させる工程;および
前記圧縮力を解除し、前記計量チャンバに再充填する工程。
【請求項25】
前記圧縮力が前記計量チャンバの長尺に沿って移動する請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記液体が前記試料保持部材上に放出されるとすぐに前記液体分注カートリッジが別の試料保持部材の上方に設置される請求項24に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−159503(P2012−159503A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−12269(P2012−12269)
【出願日】平成24年1月24日(2012.1.24)
【出願人】(504462571)サクラ ファインテック ユー.エス.エー., インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−12269(P2012−12269)
【出願日】平成24年1月24日(2012.1.24)
【出願人】(504462571)サクラ ファインテック ユー.エス.エー., インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]