説明

液体吐出装置

【課題】液滴による機内汚れを好適に低減することができる液体吐出装置を提供すること。
【解決手段】ノズル面3aとプラテン部11における吸収体21との間には電界が形成され、電界の向きは一の走査パス内において所定のタイミングで反転される。用紙2の外縁領域24に吐出され、負極および正極にそれぞれ帯電されたメイン滴25a、サテライト滴25bには、吸収体21に向かう向きの静電力が時分割で作用し、そのミスト化が好適に抑えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタ、ディスプレー製造装置、電極形成装置、あるいは、バイオチップ製造装置など、液体を吐出して描画等を行う液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体吐出装置として、紙への印刷に適したインクジェットプリンタ等が知られており、一般的には、一定方向に往復動するキャリッジに、液体(インク)を微小なノズルから吐出する吐出ヘッドを搭載した構成である。そして、用紙を一方向に送ると共に、用紙の送り方向に垂直に吐出ヘッドを往復動(走査)させ、用紙上にインク滴を吐出して画像を形成するものである。
【0003】
インクジェットプリンタから吐出されるインク滴は近年その微小化が進んでおり、このような微小化されたインク滴は、空気抵抗の影響を受けて速度を失い、浮遊化した状態(ミスト)になりやすい。そして、発生したミストは、キャリッジの移動によって発生する気流に乗って機内中に広がり、いわゆる機内汚れという問題を引き起こす原因となる。
【0004】
また、近年では、用紙の外縁部に余白を設けずに印刷をするいわゆる縁なし印刷を行うインクジェットプリンタも出現し(例えば、特許文献1)、上述したミストの発生がより顕著になっている。すなわち、縁なし印刷において用紙の外縁にはみ出して吐出されるインク滴は、用紙の裏面側に配設された吸収体(スポンジ等)で受けるようになっているが、吸収体面までの到達距離の長さに起因してミスト化しやすくなっている。
【0005】
このような課題に鑑みて、静電力の作用でミストの発生を抑えるようにしたインクジェットプリンタが提案されている(例えば、特許文献2)。すなわち、このプリンタにおいては、ノズル開口の形成面(ノズル面)と吸収体面との間に電界を発生させることにより、インク滴を帯電させると共に当該インク滴に静電力を作用させ、インク滴の強制的な誘引を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−103586号公報
【特許文献2】特開2004−216887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ノズルから吐出されるインク滴は、その吐出制御方法によっては、飛翔過程において先導部(メイン滴)と後続部(サテライト滴)とに分裂することがある。そして、このような場合において上述のような電界を発生させた場合には、メイン滴とサテライト滴とが逆極性に帯電されるという知見が本願発明者らによって得られている。これにより、メイン滴には吸収体方向へ向かう加速力が働く反面、サテライト滴にはそれとは逆の減速力が作用することになり、結果として、サテライト滴のミスト化を招いてしまうという問題がある。
【0008】
ところで、特許文献2には、ノズル面と吸収体面との間に発生させる電界の向きを周期的に切り替えるようにした変形例についても開示がなされている。この場合、電界の向きを反転させることで、既にミスト化したサテライト滴の誘引効果を期待できなくもない。
【0009】
しかしながら当該変形例は、サテライト滴の回収を効果的に行うための積極的な手段をなんら示すものではない。とりわけ、ミスト化したサテライト滴が、電界の反転を待たずして吐出ヘッドの走査後方に生じる気流(上昇気流)に巻き込まれ、機内中に拡散、付着してしまうのを抑えることはできない。
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、液滴による機内汚れを好適に低減することができる液体吐出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、液体を吐出するノズルを一面に有する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドを走査させる走査手段と、前記一面と当該一面の対向領域との間に電界を発生させる電界発生手段と、を備え、前記吐出ヘッドを走査させつつ、所定の吐出対象領域に前記液体を吐出する液体吐出装置であって、前記電界発生手段は、少なくとも前記一面が前記吐出対象領域を通過する間のタイミングで、前記電界の向きを反転させることを特徴とする。
【0012】
この発明の液体吐出装置によれば、電界の反転の直近において吐出された正負の両極性に帯電した液滴について、吐出ヘッドの走査に係る気流の影響が及ぶ前に、時分割でこれを誘引することができる。かくして、液滴がミスト化され、さらに当該ミスト化された液滴が機内中に拡散されるのを好適に抑えることができる。
【0013】
また好ましくは、前記吐出対象領域が前記吐出対象物の配置領域およびその外周領域に設定される前記液体吐出装置において、前記電界発生手段は、前記一面が前記外周領域を通過する間のタイミングで、前記電界の反転を行うことを特徴とする。
この発明の液体吐出装置によれば、ミストの発生しやすい外周領域に対して吐出される液滴について上述の効果を得ることができるので、いわゆる機内汚れをより効果的に低減することができる。
【0014】
また好ましくは、前記外周領域を前記吐出対象領域に含む前記液体吐出装置において、前記一面の対向領域に、前記液体を収容可能な液体収容手段を備えることを特徴とする。
この発明の液体吐出装置によれば、外周領域において誘引された液滴を収容して、これを保持することができる。
【0015】
また好ましくは、液体収容手段を備える前記液体吐出装置において、前記液体収容手段は、導電性を有する吸収体を含んで構成されていることを特徴とする。
この発明の液体吐出装置によれば、液体収容手段を構成する吸収体が電気発生手段の一部としての機能を有するようになるため、部品の共通化により装置構成を簡素化することができる。
【0016】
本発明は、液体を吐出するノズルを一面に有する吐出ヘッドと、前記一面の対向領域に配設された前記液体を収容可能な液体収容手段と、前記吐出ヘッドを走査させる走査手段と、前記一面と前記液体収容手段との間に電界を発生させる電界発生手段と、を備え、前記液体収容手段に予備吐出を行う液体吐出装置であって、前記電界反転手段は、少なくとも予備吐出を行うタイミングで、前記電界の向きを反転させることを特徴とする。
【0017】
この発明の液体吐出装置によれば、電界の反転の直近において吐出された正負の両極性に帯電した液滴について、吐出ヘッドの走査に係る気流の影響が及ぶ前に、時分割でこれを誘引することができる。かくして、液滴がミスト化され、さらに当該ミスト化された液滴が機内中に拡散されるのを好適に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】液体吐出装置の概略構成を示す斜視図。
【図2】プラテン部の平面構造を示す概略図。
【図3】プラテン部の側断面構造およびプラテン部周辺の電気的構成を示す図。
【図4】(a)〜(c)は、外周領域に係る吐出の様子を示す側断面図。
【図5】(a)〜(c)は、外周領域に係る吐出の様子を示す側断面図。
【図6】変形例1に係るプラテン部の平面構造を示す概略図。
【図7】変形例2に係るプラテン部の電気的構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0020】
まず、図1を参照して液体吐出装置の全体構成について説明する。
図1は、液体吐出装置の概略構成を示す斜視図である。
【0021】
図1において、液体吐出装置としてのプリンタ1は、吐出対象物としての用紙2に液体としてのインクを吐出して画像等の描画(印刷)を行う装置である。このプリンタ1は、スチール板等で形成されたフレーム基体6と、インク滴を吐出する吐出ヘッド3と、吐出ヘッド3を搭載するキャリッジ4と、キャリッジ4を一定の方向に往復動(走査)させるための走査機構5と、用紙2を搬送するための搬送ローラ14と、吐出ヘッド3のメンテナンスを行うメンテナンスユニット16と、を備えている。ここで、フレーム基体6は、その剛性と重量によって装置全体の土台をなすと共に、電気的なアースとしての機能も果たしている。
【0022】
吐出ヘッド3から吐出するインクには、例えば、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色のものが用いられ、それぞれキャリッジ4上に搭載されたインクカートリッジ7a〜7d内に収容されている。このインクカートリッジ7a〜7dの底部にはインクを導出する導出部(図示せず)が設けられており、吐出ヘッド3に設けられたインク導入部(図示せず)と結合して、吐出ヘッド3にインクを供給するようになっている。
【0023】
走査手段としての走査機構5は、駆動力を発生するモータ(図示せず)と、キャリッジ4に当該駆動力を伝達する駆動ベルト8と、キャリッジ4を支持すると共にその移動方向を規定するガイドロッド10とを備えている。かくして、キャリッジ4に搭載された吐出ヘッド3は、ガイドロッド10の伸長方向(X軸方向)に沿って用紙2上を往復動(走査)する。
【0024】
用紙2は、フレーム基体6の裏側に設けられている図示しない用紙トレーにストックされており、図示しない給紙機構によって1枚ずつ搬送ローラ14の方へ移送(給紙)される。搬送ローラ14は、搬送モータ15の駆動によって回転し、走査方向に直交する方向(Y軸方向)に用紙2を搬送する。
【0025】
吐出ヘッド3のノズル面3aと対向する位置には、用紙2を裏面2b側から支持するためのプラテン部11が設けられている。プラテン部11の構造については後で詳しく説明する。
【0026】
吐出ヘッド3は、所定の配列でノズルが形成された一面であるノズル面3aを用紙2の表面2aに対向させるように、キャリッジ4に搭載されている。吐出ヘッド3は、キャリッジ4の走査と同期したノズル毎の吐出制御により、ノズルからインク(インク滴)を吐出する。尚、吐出ヘッド3のノズル面3aは、SUS等の導電性部材により形成されており、電界発生(詳細については後述する)のための電極としての機能も果たすようにもなっている。
【0027】
メンテナンスユニット16は、ノズル面3aの一定領域を囲んで封止可能なキャップ部材17を備えている。キャップ部材17は、ノズル面3aを覆うことでノズルを粉塵や乾燥などから保護する役割を果たすほか、ノズル面3aを覆ったまま底面の連通口と接続された吸引ポンプを作動させて、ノズルからインクを吸引する(吸引動作)際にも用いられる。
【0028】
メンテナンスユニット16はまた、ゴム等で形成された板状部材であるワイパブレード18を有している。ワイパブレード18は、吸引動作後において、ノズル面3aに付着したインク等を払拭するのに用いられる。
【0029】
次に、図2、図3を参照して、プラテン部の周辺構成について説明する。
図2は、プラテン部の平面構造を示す概略図である。図3は、プラテン部の側断面構造およびプラテン部周辺の電気的構成を示す図である。
【0030】
図2、図3に示すように、プラテン部11は、ノズル面3aと対向する側に開口を有する箱型のケース20と、ケース20に形成された凹部内に収容された液体収容手段としての吸収体21(便宜上、網掛けで図示)とを備えている。また、吸収体21の露出面上には、用紙2に当接してこれを支持するための支持部材22が設けられている。
【0031】
吸収体21には、ポリエチレンやポリウレタンにカーボン等の導電性材料を混入させて発泡形成し、導電性を付与したものが用いられている。これにより、吸収体21は、インクを吸収する機能と共に、ノズル面3aに対向する電極としての機能も果たすようになっている。
【0032】
いわゆる縁なし印刷は、図示するように、吐出対象領域23を用紙2の外側に拡張させた状態で行われる。このとき、側縁の外側にあたる外周領域23a,23aに対して吐出されたインク滴は、用紙2の裏面側に位置する吸収体21内に収容されるようになっているため、用紙2の支持面を汚すことがない。
【0033】
プラテン部11における吐出対象領域23の脇には、予備吐出に係るインク滴を受けるための予備吐出受容領域24が設けられている。予備吐出とは、ノズル内において乾燥したインクを排出する目的で用紙2以外の領域に対して行われる吐出のことであり、例えば、印刷動作中に定期的に行われる。予備吐出されたインク滴は、吸収体21内に収容されるようになっている。
【0034】
プリンタ1は、接地電位(GND)を基準として、正極性電位(+)を出力する高電圧生成回路30と、負極性電位(−)を出力する電位反転回路31とを備えている。また、プリンタ1は、高電圧生成回路30および電位反転回路31の出力端子と接続され、正極性電位(+)および負極性電位(−)のいずれか一方を選択して出力するスイッチ回路32を備えている。
【0035】
ノズル面3aはアースに、吸収体21はスイッチ回路32の出力端子にそれぞれ接続されており、これにより、ノズル面3aと吸収体21との間には電界が形成される。また、形成される電界の向きは、スイッチ回路32の出力切り替えによって反転可能となっている。すなわち、ノズル面3a、吸収体21、高電圧生成回路30、電位反転回路31、スイッチ回路32は、本発明における電界発生手段を構成している。
【0036】
次に、図4、図5を参照して、インク滴に作用する静電力について説明する。
図4、図5は、外周領域に係る吐出の様子を示す側断面図である。尚、図中の仮想線の矢印は電気力線を示し、+、−の符号は、吸収体の電位極性およびインク滴の帯電極性を示している。
【0037】
図4(a)〜(c)は、用紙2の内側から外側に向かって吐出ヘッド3(ノズル面3a)が移動するときの吐出の様子を時系列で示している。
【0038】
図4(a),(b)に示すように、吐出ヘッド3は、吸収体21が正極性電位(+)とされた状態で、用紙2、外周領域23aに対してノズル3bからインク滴の吐出を行う。吐出されたインク滴は、図示するように先導部のメイン滴25aと後続部のサテライト滴25bとに分裂し、それぞれ負極(−)および正極(+)に帯電する。この結果、メイン滴25aには加速方向の静電力が作用し、用紙2ないし吸収体21に確実に到達する。
【0039】
一方、サテライト滴25bには減速方向の静電力が作用する。この場合、用紙2に対して吐出されたサテライト滴25bは、速度を失う前に用紙2に到達することができるが、外周領域23aに対して吐出されたサテライト滴25bは、吸収体21への到達前に速度を失ってしまうことになる。
【0040】
そこで、本実施形態では、外周領域23aに対するインク滴(メイン滴25aおよびサテライト滴25b)の吐出がなされた後、所定の遅延時間を経て、吸収体21の電位極性の切り替えが行われる。これにより、図4(c)に示すように、ノズル面3aと吸収体21との間に形成される電界の向きが反転され、サテライト滴25bには吸収体21に向かう向きの静電力が作用する。
【0041】
かくして、サテライト滴25bは、ミスト化することなく吸収体21に到達し、吸収体21内に収容される。尚、図4(c)においては、飛行中のメイン滴25aには減速方向の静電力が作用することになるが、上述の遅延時間の間に当該メイン滴25aに十分な加速力を与えておくことで、当該メイン滴25aのミスト化を回避することができる。
【0042】
図5(a)〜(c)は、用紙2の外側から内側に向かって吐出ヘッド3(ノズル面3a)が移動するときの吐出の様子を時系列で示している。
【0043】
図5に示す場合においても、吐出ヘッド3が外周領域23aに対するインク滴の吐出がなされた後、所定の遅延時間を経て、吸収体21の電位極性の切り替えがなされ、形成される電界の向きが反転される。これにより、外周領域23aにおけるメイン滴25aおよびサテライト滴25bは、共に吸収体21で捕集される。
【0044】
上述のように、電界の反転の直近において吐出されたインク滴は、吐出ヘッド3の走査後方に発生する気流の影響を受ける前に、その帯電極性に関わらず時分割で誘引され、吸収体21で捕集される。とりわけ本実施形態では、吐出ヘッド3(ノズル面3a)が外周領域23aを通過する間のタイミングで電界の切り替えを行うようにしており、ミスト化の起こりやすい外周領域23aにおけるインク滴が効果的に捕集されるようになっている。これにより、いわゆる機内汚れが好適に低減される。
【0045】
また、上述のような電界の反転は、吐出ヘッド3が予備吐出受容領域24において予備吐出を行っている際にも行われており、これにより、予備吐出に係るインク滴のミスト化も好適に低減されるようになっている。尚、従来技術では、予備吐出に伴って発生したミストの巻き上げを抑えるために予備吐出後にウェイトを設け、ミストの沈静化を待ってから吐出ヘッドの走査を再開するようにしていたが、この実施形態においては、このようなウェイトを削減して動作の高速化を図ることも可能である。
【0046】
(変形例1)
次に、図6を参照して、本発明の変形例1について、先の実施形態との相違点を中心に説明する。図6は、変形例1に係るプラテン部の平面構造を示す概略図である。
【0047】
図6に示すように、この変形例1におけるプラテン部11は、非導電性の吸収体27の露出面上に、所定のパターンで配置された導線26を備えている。ここで、導線26は、線状の導体(金属等)に短絡(ショート)および腐蝕を防止するための絶縁被膜を形成したものである。そして、導線26はスイッチ回路32(図3参照)の出力端子と接続されている。
【0048】
かくして、導線26は電極として機能し、ノズル面3a(図3参照)と吸収体27との間に電界を発生させる電界発生手段の一部としての役割を果たすようになっている。この変形例のように、電界を発生させるための電極は、吸収体とは別の導体で部分的に形成することもできる。
(変形例2)
次に、図7を参照して、本発明の変形例2について、先の実施形態との相違点を中心に説明する。図7は、変形例2に係るプラテン部の電気的構成を示す図である。
【0049】
図7に示すように、この変形例2におけるプリンタ1は、ノズル面3aおよび吸収体21のうちの一方を接地電位(GND)、他方を正極性電位(+)として選択的に電位を出力するスイッチ回路33を備えている。これにより、ノズル面3aと吸収体21との間には電界が形成され、当該電界の向きは、スイッチ回路33内の接続パスの切り替えにより反転可能となっている。すなわち、スイッチ回路33は、本発明の電界発生手段を構成している。
【0050】
この変形例のように、本発明の電界発生手段は、電位反転回路を用いずに構成することも可能である。
【0051】
本発明は上述の実施形態に限定されない。
例えば、電界の反転は、一の走査パス中内ないし予備吐出動作内において、周期的に行われるようになっていてもよい。
また、用紙2をコロナ放電等で帯電させる帯電手段を用いて、ノズル面3aと用紙2との間に電界を発生させるように電界発生手段を構成してもよい。
また、各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略したり、図示しない他の構成と組み合わせたりすることができる。
【符号の説明】
【0052】
1…液体吐出装置としてのプリンタ、2…吐出対象物としての用紙、2a…表面、2b…裏面、3…吐出ヘッド、3a…電界発生手段を構成する吐出ヘッドの一面としてのノズル面、3b…ノズル、4…キャリッジ、5…走査手段としての走査機構、6…フレーム基体、11…プラテン部、20…ケース、21…電界発生手段を構成する液体収容手段としての吸収体、22…支持部材、23…吐出対象領域、23a…外周領域、24…予備吐出受容領域、25a…メイン滴、25b…サテライト滴、26…電界発生手段を構成する導線、27…吸収体、30…電界発生手段を構成する高電圧生成回路、31…電界発生手段を構成する電位反転回路、32…電界発生手段を構成するスイッチ回路、33…電界発生手段を構成するスイッチ回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出するノズルを一面に有する吐出ヘッドと、
前記吐出ヘッドを走査させる走査手段と、
前記一面と当該一面の対向領域との間に電界を発生させる電界発生手段と、を備え、
前記吐出ヘッドを走査させつつ、所定の吐出対象領域に前記液体を吐出する液体吐出装置であって、
前記電界発生手段は、少なくとも前記一面が前記吐出対象領域を通過する間のタイミングで、前記電界の向きを反転させることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記吐出対象領域が前記吐出対象物の配置領域およびその外周領域に設定される請求項1に記載の液体吐出装置であって、
前記電界発生手段は、前記一面が前記外周領域を通過する間のタイミングで、前記電界の反転を行うことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項3】
前記一面の対向領域に、前記液体を収容可能な液体収容手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記液体収容手段は、導電性を有する吸収体を含んで構成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
液体を吐出するノズルを一面に有する吐出ヘッドと、
前記一面の対向領域に配設された前記液体を収容可能な液体収容手段と、
前記吐出ヘッドを走査させる走査手段と、
前記一面と前記液体収容手段との間に電界を発生させる電界発生手段と、を備え、
前記液体収容手段に予備吐出を行う液体吐出装置であって、
前記電界反転手段は、少なくとも予備吐出を行うタイミングで、前記電界の向きを反転させることを特徴とする液体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−60023(P2013−60023A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−279270(P2012−279270)
【出願日】平成24年12月21日(2012.12.21)
【分割の表示】特願2011−63903(P2011−63903)の分割
【原出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】