説明

液体噴出容器

【課題】容器本体A1内に収納した液体と、該液体と隔離して収納した混合用剤とを、使用時に簡単な操作で混合して噴出することができ、また、構造も簡単で容易に充填,組み付けを行える液体噴出容器を提案する。
【解決手段】容器本体の底部に開口した第2口頸部4に密嵌した収納筒部材10と、収納筒部材10に押し込み可能に嵌合してその上方の収納筒部材内に収納室Rを画成するとともに、液体噴出容器全体の起立支持が可能に構成した押圧筒部材20と、押圧筒部材20の収納筒部材10に対する上昇を防止して離脱可能に設けたスペーサー30とを備え、押圧筒部材を上昇させるとにより収納筒部材の頂部を開口する開放手段を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体噴出容器に関し、詳しくは、二剤を別々に収納することができ、使用時に混合して混合液を噴出することができる液体噴出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
二液を分離した状態で保管でき、使用時に二液の混合を行え、しかも混合した二液を収納した容器体をそのままポンプ装着用の容器体として使用することができる容器が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
上記容器は、大径筒部上端より小径筒部を延設し、小径筒部上端より口頸部を起立し、口頸部の上端縁より内方へ延設したフランジを介して注出筒部を垂設してなる容器本体を有し、各筒部内を上下に区画する隔壁部材を、その中央部の透孔を注出筒部下端開口と連通させて注出筒部下端に固定し、透孔及び大径筒部下端開口をそれぞれシール材で閉塞し、肩部を下方への弾性反転可能に構成して、反転した際に隔壁部材の周縁部の嵌合が外れて各筒部内が連通する如く構成し、また、装着するポンプの吸い上げパイプでシール材を破断貫通する如く構成している。
【特許文献1】特開平09−254990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記容器は二液を別々に収納保管でき、嵩張らず、別々のボトルに保管した場合の様に一方を紛失する等の不都合を生じる虞もない優れたものであるが、装着するポンプがポンプ本体から直接吸い上げパイプを垂下した形態のトリガー式ポンプであり、シリンダを容器体内上部に垂下した状態で容器体に装着する縦型ポンプ式のディスペンサーには適用し難い。
【0005】
本発明は容器本体内の液と混合用剤とを別々に収納保管でき、使用時に簡単な操作で混合して噴出でき、しかも、容器体内にシリンダを垂下した状態で装着する如き縦型ポンプ形態のディスペンサーを採用できる液体噴出容器を提案する。また、その構造も簡単で、充填、組み付け操作も容易な液体噴出容器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液体噴出容器は、容器体体内に収納した液体と、該液体と隔離して収納した混合用剤とを、使用時に簡単な操作で混合して噴出することができるものであり、容器体とディスペンサーとを備えている。ディスペンサーは容器体内にシリンダを垂下した状態で、口頸部に装着した装着キャップにより固定して使用する縦型ポンプ形態のものが使用できるが、容器体上に本体を固定し、本体から垂設した吸い上げパイプのみを容器体内に垂下して使用するトリガー式のディスペンサーにも応用できる。
【0007】
容器体は、容器本体と、底蓋とを備えている。容器本体は、胴部の上端にディスペンサーを装着する口頸部を起立し、また、底部に第2口頸部を開口したものであり、合成樹脂等により形成される。第2口頸部は上端の口頸部と上下対称に形成しても良いが、開封後の外観を考慮した場合に、胴部内に収納して設けても良く、底蓋の形態に併せて選択すれば良い。
【0008】
また、底蓋は、第2口頸部を閉塞するとともに、混合用剤を収納する収納室を備えている。混合用剤は液体であっても粉末,顆粒,その他の固体であっても良い。また、底蓋は収納筒部材と押圧筒部材とスペーサーとで構成しており、それぞれ合成樹脂等により形成される。収納筒部材は第2口頸部に密嵌して閉塞した下端開口の有頂筒状をなしている。押圧筒部材は収納筒部材に押し込み可能に嵌合してその上方の収納筒部材内に収納室を画成するとともに、液体噴出容器全体の起立が可能に構成している。従って、開封前も開封後も液体噴出容器は自立が可能に構成している。
【0009】
スペーサーも合成樹脂等により形成され、押圧筒部材の収納筒部材に対する上昇を防止して離脱可能に設けたものであり、押圧筒部材と別体に形成しても或いは切り離し可能に一体に形成しても良い。具体的形状としては、押圧筒部材外周に嵌合させた開環状或いは環状のものであり、開環状の場合は強制的に側方に抜くことにより取り外す。また、環状の場合には縦断するミシン目,薄肉線,等の切断部を設けて開環後取り外す。
【0010】
また、底蓋にはスペーサーを離脱後に押圧筒部材を収納筒部材に対して上昇させることにより収納筒部材の頂部を開口する開放手段を設けて容器体胴部内と収納室内とを連通可能に構成している。開放手段として、押圧筒部材の上面に押圧用突部を突設し、また、収納筒部材の頂部を押圧突部の押圧により開口する如く構成する。具体的には、収納筒部材の頂壁を別体に形成してその周縁部を離脱可能に嵌合する方法、或いは収納筒部材の頂壁に環状の薄肉線を設けて押圧により容易に破断する方法等が採られる。
【0011】
第1の手段として、以下の通り構成した。即ち、胴部2上端の口頸部3にディスペンサーBを装着した液体噴出ポンプに於いて、容器本体A1の底部に開口した第2口頸部4を閉塞するとともに、混合用剤を収納する収納室Rを備えた底蓋A2を設けてなり、底蓋A2は、第2口頸部4に密嵌した下端開口の有頂筒状をなす収納筒部材10と、収納筒部材10に押し込み可能に嵌合してその上方の収納筒部材10内に前記収納室Rを画成するとともに、全体の起立が可能に構成した押圧筒部材20と、押圧筒部材20の収納筒部材10に対する上昇を防止して離脱可能に設けたスペーサー30とを備え、スペーサー30を離脱後に押圧筒部材20を収納筒部材10に対して上昇させることにより収納筒部材10の頂部を開口する開放手段を設けて容器体胴部2内と収納室R内とを連通可能に構成した。
【0012】
第2の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、前記開放手段が、収納筒部材10の第1頂壁16部分をその他の部分と分離形成してその周縁部を第1周壁11の上端部部分に離脱可能に嵌合し、押圧筒部材20の上面周縁部に周方向複数の押圧突部24を立設し、押圧筒部材20の収納筒部材10に対する上昇時に押圧突部24により第1頂壁16を押圧離脱して開口する如く構成した。
【0013】
第3の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、前記開放手段が、収納筒部材の第1頂壁16周縁部に環状の薄肉線19を形成し、押圧筒部材20の上面周縁部に周方向複数の押圧突部24を立設し、押圧筒部材20の収納筒部材10に対する上昇時に押圧突部24により薄肉線19を破断して開口する如く構成した。
【0014】
第4の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、前記第2口頸部4を、容器体Aの胴部周壁2a内周下部より内方に突設したフランジ部5内周縁より下方に垂設して構成し、前記収納筒部材10を、第2口頸部4内周に密嵌させた第1周壁11上端部に第1頂壁16を延設して構成し、前記押圧筒部材20を、第1周壁11内周下部に上部を密嵌して下部を下方へ突設した第2周壁21の上端より第2頂壁22を延設してその上方に収納室Rを画成するとともに、第2周壁21外周下端部より外方へ第2フランジ23を延設して構成し、前記スペーサー30を、収納筒部材10下面と第2フランジ23上面との間の第2周壁21外周に離脱可能に嵌着した開環状に構成し、スペーサー30除去後に押圧筒部材20を押し上げた際に、第2フランジ23上面周縁部が容器本体A1の胴部周壁2a下面に当接する如く構成した。
【0015】
第5の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、前記押圧筒部材20を、第2口頸部4外周に螺着した螺筒25により収納筒部材10に対して螺動上昇可能に構成し、前記スペーサー30を、螺筒25の上縁に破断部33を介して下縁を連結して螺筒25上方の第2口頸部4外周に嵌合させた開環状に構成した。
【発明の効果】
【0016】
本発明の液体噴出容器は、容器本体内の収納液と、底蓋内の混合用剤とを別々に収納しておくことができ、しかも、簡単な操作により使用時に混合して噴出することができる。また、容器本体内への液の充填及び底蓋内への混合用剤の充填も簡単に行え、容器本体と底蓋の組み付け操作も容易に行える利点もある。また、開封前も開封後も液体噴出容器は安定した起立状態を維持できる。
【0017】
収納筒部材10の第1頂壁16部分をその他の部分と分離形成してその周縁部を第1周壁11の上端部部分に離脱可能に嵌合し、押圧筒部材20の上面周縁部に周方向複数の押圧突部24を立設し、押圧筒部材20の収納筒部材10に対する上昇時に押圧突部24により第1頂壁16を押圧離脱して開口する如く構成した開放手段を採用した場合には、収納筒部材10の頂部の開放が確実に行える利点がある。
【0018】
収納筒部材の第1頂壁16周縁部に環状の薄肉線19を形成し、押圧筒部材20の上面周縁部に周方向複数の押圧突部24を立設し、押圧筒部材20の収納筒部材10に対する上昇時に押圧突部24により薄肉線19を破断して開口する如く構成した開放手段を採用した場合には、収納室R内と容器本体A1内とが開封前には確実に隔離されており、両者間の液の浸透等の不都合が生じる不都合を確実に防止できる。また、押圧突部24が開封後に容器体内に突出する場合には、各押圧突部24内の液が各押圧突部24間から外方へ流出して残液の少ない効率の良い液の噴出を行える。
【0019】
前記第2口頸部4を、容器体Aの胴部周壁2a内周下部より内方に突設したフランジ部5内周縁より下方に垂設して構成し、前記収納筒部材10を、第2口頸部4内周に密嵌させた第1周壁11上端部に第1頂壁16を延設して構成し、前記押圧筒部材20を、第1周壁11内周下部に上部を密嵌して下部を下方へ突設した第2周壁21の上端より第2頂壁22を延設してその上方に収納室Rを画成するとともに、第2周壁21外周下端部より外方へ第2フランジ23を延設して構成し、前記スペーサー30を、収納筒部材10下面と第2フランジ23上面との間の第2周壁21外周に離脱可能に嵌着した開環状に構成し、スペーサー30除去後に押圧筒部材20を押し上げた際に、第2フランジ23上面周縁部が容器本体A1の胴部周壁2a下面に当接する如く構成した場合には、開封後の容器体Aが通常形態の筒状胴部上端より口頸部を起立した形態のものとして形成でき、誤って開封後の底蓋を引き出す等の不都合を防止できる。
【0020】
前記押圧筒部材20を、第2口頸部4外周に螺着して螺筒25により収納筒部材10に対して螺動上昇可能に構成し、前記スペーサー30を、螺筒25の上縁に破断部33を介して下縁を連結して螺筒25上方の第2口頸部4外周に嵌合させた開環状に構成した場合には、部材数を少なくでき、また、収納筒部材10に対する押圧筒部材20の上昇を安定した低速度で行えてしかも押圧力も大きなものとすることができるため、収納筒部材10の頂部の開放をより容易に行える利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
図1は液体噴出容器を示し、該液体噴出容器1は、容器体Aと、ディスペンサーBとを備えている。容器体Aは、容器本体A1と、底蓋A2とを備えており、合成樹脂により形成されている。容器本体A1は、胴部2の上端部に縮径した口頸部3を起立し、また、胴部2の底部には第2口頸部4を開口している。第2口頸部4は胴部周壁2aの内周下部より内方へ突設したフランジ部5を介して下方へ垂設し、胴部2内に収納されている。また、容器本体A1は上端部とその下方とを二部材で構成し、液密に嵌着して構成している。
【0023】
底蓋A2は、収納筒部材10と、押圧筒部材20と、スペーサー30とから構成している。
【0024】
収納筒部材10は、その頂部の開放手段を構成するために頂壁部を別体に構成しており、第1収納筒部材10a と第2収納筒部材10b とで構成している。第1収納筒部材10a は、円筒状の第1周壁11の下端縁より外方に第1フランジ12を延設して構成している。また、第2収納筒部材10b は、第1周壁11の上面から内周上端部に亘り密嵌する断面逆L字状の嵌合筒部15を、第1周壁11の上端開口を閉塞する第1頂壁16の周縁部に延設して構成している。そして、第1周壁11の内周上端部に嵌合筒部15を密嵌して第1収納筒部材10a に第2収納筒部材10b を嵌合して収納筒部材10を形成する。また、第1周壁11を第2口頸部4内周に密嵌させるとともに、第1フランジ12の外周縁を胴部周壁2a内周下端部に、その上面内周縁部を第2口頸部4下面に、それぞれ当接して収納筒部材10を容器本体A1に嵌着している。
【0025】
押圧筒部材20は、円筒状の第2周壁21上端縁より第2頂壁22を延設するとともに、第2周壁21外周下端部より外方へ第2フランジ23を延設し、また、第2頂壁22上面周縁部より上方へ周方向複数の押圧突部24を突設して構成している。そして、第2周壁21の上部外周を第1周壁11内周下部に密嵌し、第2周壁21の下部を押し込み可能に下方へ突設し、第2頂壁22上方に混合用剤の収納室Rを画成して収納筒部材10に嵌着している。第2フランジ23はその周縁部を容器本体胴部外周縁下方位置まで延設して液体噴出容器1全体を安定して起立させることができる如く構成している。各押圧突部24は収納筒部材10の頂部の開放手段を構成するもので、第2頂壁22の上面周縁部に周方向等間隔に設けており、それぞれ正面視台形状をなす円弧板状に形成している。そして、各押圧突部24の上面を第2収納筒部材10b の嵌合筒部15下方に位置させ、各押圧突部24の押圧により第1収納筒部材10a を離脱可能に構成している。
【0026】
スペーサー30は、収納筒部材10の下面内周縁部に上面を当接し、第2フランジ23の上面内周縁部に下面を当接して第2周壁21外周に嵌合させた開環状の本体部31と、該本体部31外面より外方へ突設した板状の摘み部32とで構成している。
【0027】
ディスペンサーBは、口頸部3外周に装着キャップ41を嵌合して容器体Aに装着するとともに、容器体A内に下部を垂設したシリンダ42の下端部より吸い上げパイプ43を垂設し、また、シリンダ42内より上方に上方付勢状態で押し込み可能に突設したステム44の上端に押下ヘッド45を嵌着して構成している。そして、押下ヘッド45の押し下げにより容器体A内の液を吸い上げて押下ヘッド45の噴出口46より噴出する如く構成している。尚、図中Cはカバーキャップを示す。
【0028】
上記した液体噴出容器1に内容物を収納する場合には、例えば、容器本体A1から外した状態の底蓋A2に、混合用剤を充填する。この場合は図2に示す如く、押圧筒部材20及びスペーサー30を装着した状態で第2収納筒部材10b を第1収納筒部材10a から外し、混合用剤を充填した後、第2収納筒部材10b を嵌着する。次に、図3に示す如く、底蓋A2を外し、ディスペンサーBを装着した容器本体A1を倒立させて収納液を充填し、次いで、混合用剤を充填した底蓋A2を第2口頸部4に嵌着する。
【0029】
また、液体噴出容器1を使用する場合には、図1の状態から、例えば、図4に示す如く容器を倒立させた後スペーサー30を取り外し、次いで収納筒部材10を押し込めば、図5に示す如く嵌合筒部15の嵌合が外れて第1収納筒部材10a が容器本体A1内に落下するとともに、収納室R内の混合用剤が容器本体A1内の液内に落下する。次いで、正立後要すれば容器全体を振って内容液を攪拌混合した後、カバーキャップCを外して押下ヘッド45を押し下げれば噴出口46より混合液が噴出される。液体噴出容器1全体としては、第1フランジ12の存在で正立した際に安定した起立状態を維持することができる。尚、上記操作は全て正立状態で行うことも当然可能である。
【0030】
図6乃至図8は他の例を示すもので、液体噴出容器1は、同様に容器体Aと、ディスペンサーBとを備えており、容器体Aは、容器本体A1と、底蓋A2とを備えており、合成樹脂により形成されている。容器本体A1は、胴部2の上端部に縮径した口頸部3を起立し、また、胴部2の底部には縮径した第2口頸部4を開口している。第2口頸部4の外周下端部には第1係止突条6を周設し、その上方の第2口頸部4外周下半部には螺条7を周設し、更に、第2口頸部4外周上端部には第2係止突条8を周設している。本例に於いては容器本体A1は全体を一体に成形している。
【0031】
本例に於いても底蓋A2は、収納筒部材10と、押圧筒部材20と、スペーサー30とから構成している。
【0032】
収納筒部材10は、第2口頸部4内周に密嵌させた第1周壁11の上端縁より第1頂壁16を延設し、第1周壁11下端縁より外方へ延設した第1フランジ12の外周縁より係止筒17を上方へ延設し、その内周の係合突条18を前記第1係止突条6に乗り越え係合させている。また、本例では第1頂壁16の周縁部に収納筒部材10の頂部の開放手段を構成する環状の薄肉線19を設けている。
【0033】
押圧筒部材20は、第1周壁11内周下部に上部を密嵌して下部を下方へ突設した第2周壁21上端より第2頂壁22を延設してその上方に混合用剤の収納室Rを画成するとともに、第2周壁21外周下端部より外方へ第2フランジ23を延設し、更に、第2フランジ23の外周縁より上方へ二重筒状に立設した螺筒25の上部を第2口頸部4外周下部に、螺筒25内周に周設した螺条26を第2口頸部4外周の螺条7に螺着させて螺動上昇可能に嵌合している。また、第2フランジ23により容器全体を安定して起立させることができるのは同様である。また、第2頂壁22の上面には、前記収納筒部材頂部の開放手段を構成するために、図1の例と同様の複数の押圧突部24を突設している。そして、各押圧突部24の上面を第1頂壁16の周縁部下面に当接しており、この押圧突部24の押圧により薄肉線19を破断して第1頂壁16を離脱可能に構成することで上記開放手段を構成している。
【0034】
本例に於けるスペーサー30は押圧筒部材20と一体に形成されており、螺筒25の上縁に破断部33を介して下縁を切り取り可能に延設した開環状をなす本体部31と、本体部31外面より外方へ突設した板状の摘み部32とで構成しており、本体部31の内周上端縁より突設した係合用突条34を第2係止突条8上面に乗り越え係合させている。
【0035】
ディスペンサーB及びカバーキャップ1は図1の例と同様である。
【0036】
この場合の液体噴出容器1に内容物を収納する場合には、まず容器本体A1から底蓋A2を外し、更に押圧筒部材20から収納筒部材10を外して収納筒部材10内に混合用剤を充填した後、押圧筒部材20に嵌着する。一方、ディスペンサーBを装着した容器本体A1を倒立させて収納液を充填し、次いで、混合用剤を充填した底蓋A2を第2口頸部4に螺着する。
【0037】
また、液体噴出容器1を使用する場合には、例えば図6の状態から、破断部33を破断してスペーサー30を取り外し、次いで収納筒部材10を螺動上昇させれば第1頂壁16の薄肉線19が切断されて容器本体A1内と収納圧R内とが連通する。次いで、要すれば容器全体を振って内容液を攪拌混合した後、カバーキャップCを外して押下ヘッド45を押し下げれば噴出口46より混合液が噴出される。液体噴出容器1全体は第2フランジ23の存在で安定して起立状態を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明液体噴出容器の半断面図である。(実施例1)
【図2】本発明に於ける底蓋の分解状態の半断面図である。(実施例1)
【図3】本発明液体噴出容器の作用を説明する説明図である。(実施例1)
【図4】本発明液体噴出容器の作用を説明する要部説明図である。(実施例1)
【図5】本発明液体噴出容器の液混合後の倒立状態の半断面図である。(実施例1)
【図6】本発明液体噴出容器の半断面図である。(実施例2)
【図7】本発明液体噴出容器の作用を説明する分解状態の半断面図である。(実施例2)
【図8】本発明液体噴出容器の液混合後の半断面図である。(実施例2)
【符号の説明】
【0039】
1…液体噴出容器
A…容器体
A1…容器本体
2…胴部,2a…胴部周壁,3…口頸部,4…第2口頸部,5…フランジ部,
6…第1係止突条,7…螺条,8…第2係止突条
A2…底蓋
10…収納筒部材
10a …第1収納筒部材
11…第1周壁,12…第1フランジ
10b …第2収納筒部材
15…嵌合筒部,16…第1頂壁,17…係止筒,18…係合突条,19…薄肉線
20…押圧筒部材
21…第2周壁,22…第2頂壁,23…第2フランジ,24…押圧突部,25…螺筒, 26…螺条,R…収納室
30…スペーサー
31…本体部,32…摘み部,33…破断部,34…係合用突条
B…ディスペンサー
41…装着キャップ,42…シリンダ,43…吸い上げパイプ,44…ステム,
45…押下ヘッド,46…噴出口
C…カバーキャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部2上端の口頸部3にディスペンサーBを装着した液体噴出ポンプに於いて、容器本体A1の底部に開口した第2口頸部4を閉塞するとともに、混合用剤を収納する収納室Rを備えた底蓋A2を設けてなり、底蓋A2は、第2口頸部4に密嵌した下端開口の有頂筒状をなす収納筒部材10と、収納筒部材10に押し込み可能に嵌合してその上方の収納筒部材10内に前記収納室Rを画成するとともに、全体の起立が可能に構成した押圧筒部材20と、押圧筒部材20の収納筒部材10に対する上昇を防止して離脱可能に設けたスペーサー30とを備え、スペーサー30を離脱後に押圧筒部材20を収納筒部材10に対して上昇させることにより収納筒部材10の頂部を開口する開放手段を設けて容器体胴部2内と収納室R内とを連通可能に構成したことを特徴とする液体噴出容器。
【請求項2】
前記開放手段が、収納筒部材10の第1頂壁16部分をその他の部分と分離形成してその周縁部を第1周壁11の上端部部分に離脱可能に嵌合し、押圧筒部材20の上面周縁部に周方向複数の押圧突部24を立設し、押圧筒部材20の収納筒部材10に対する上昇時に押圧突部24により第1頂壁16を押圧離脱して開口する如く構成してなる請求項1記載の液体噴出容器。
【請求項3】
前記開放手段が、収納筒部材の第1頂壁16周縁部に環状の薄肉線19を形成し、押圧筒部材20の上面周縁部に周方向複数の押圧突部24を立設し、押圧筒部材20の収納筒部材10に対する上昇時に押圧突部24により薄肉線19を破断して開口する如く構成してなる請求項1記載の液体噴出容器。
【請求項4】
前記第2口頸部4を、容器体Aの胴部周壁2a内周下部より内方に突設したフランジ部5内周縁より下方に垂設して構成し、前記収納筒部材10を、第2口頸部4内周に密嵌させた第1周壁11上端部に第1頂壁16を延設して構成し、前記押圧筒部材20を、第1周壁11内周下部に上部を密嵌して下部を下方へ突設した第2周壁21の上端より第2頂壁22を延設してその上方に収納室Rを画成するとともに、第2周壁21外周下端部より外方へ第2フランジ23を延設して構成し、前記スペーサー30を、収納筒部材10下面と第2フランジ23上面との間の第2周壁21外周に離脱可能に嵌着した開環状に構成し、スペーサー30除去後に押圧筒部材20を押し上げた際に、第2フランジ23上面周縁部が容器本体A1の胴部周壁2a下面に当接する如く構成してなる請求項1記載の液体噴出容器。
【請求項5】
前記押圧筒部材20を、第2口頸部4外周に螺着した螺筒25により収納筒部材10に対して螺動上昇可能に構成し、前記スペーサー30を、螺筒25の上縁に破断部33を介して下縁を連結して螺筒25上方の第2口頸部4外周に嵌合させた開環状に構成してなる請求項1記載の液体噴出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−30824(P2008−30824A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−207846(P2006−207846)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】