説明

液晶表示装置と液晶表示装置用光照射装置

【課題】ブラックマトリックスや信号線が存在しても、紫外線照射が遮断されず、封印剤の全量が硬化し、2枚の基板を完全に密着できる液晶表示板の提供。
【解決手段】本発明の液晶表示装置には互いに対向する2枚の基板及び2枚の基板の間に注入されている液晶物質層及び2枚の基板の表示領域外(D)のペンアウト領域周囲(O)に形成されて2枚の基板の間に注入されている液晶物質層を封印し、紫外線硬化材からなる封印材90を含む。この時、封印材90はペンアウト領域(O)でパッド68と重なっておらず、封印材90と重なっている互いに隣接するゲート線及びデータ線62の間隔はゲート線及びデータ線62の幅に対して1〜10倍の間隔で形成されており、ゲート線及びデータ線62の幅は10〜100μm範囲で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置及び液晶表示装置用封印材を硬化させるための光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に液晶表示装置は電極が形成されている2枚の基板及びその間に注入されている液晶物質層を含み、2枚の基板は周縁に形成された液晶物質を封じ込める封印材で結合されており、2枚の基板の間に配置されている間隔材により所定の間隔が維持されている。
このような液晶表示装置では異方性誘電率を有する液晶物質に電極を利用して電界を印加し、この電界の強さを調節して基板を透過する光の量を調節することによって画像を表示する。
【0003】
このような液晶表示装置を製造するためには、まず2枚の基板に信号伝達用配線、配線と電気的に連結されている電界生成電極及び様々な色を表現するためのカラーフィルターを形成する。次に、2枚の基板の表面に液晶分子を配向するための配向膜を塗布し配向処理を実施した後、そのうち一つの基板に間隔材を配置し、液晶注入口を残して封印材を周囲に印刷する。次に、2枚の基板を位置合わせし封印材を利用して2枚の基板を所定距離隔てて接着した後、液晶注入口を通じて2枚の基板の間に液晶物質を注入し液晶注入口を封止して液晶セルを完成する。
【0004】
この時、封印材としては熱硬化性材料または紫外線硬化性材料を用いることができ、紫外線硬化性材料を使用する場合には紫外線を照射しながら2枚の基板を付着する工程を進める。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この場合、画像が表示される表示領域周囲から漏洩する光を遮断するためのブラックマトリックスや走査信号または画像信号を伝達するための信号線が形成されている基板の側から紫外線を照射すれば、このような配線などによって照射される紫外線が遮断される。よって、これら配線と重なっている封印材の全量が硬化しないため、硬化度が100%に達しないことがあり、これによって2枚の基板が完全に接着できず、両基板間の接合不良が発生する。また、硬化していない封印材は液晶物質層の液晶物質と混合されて液晶物質を汚染させ液晶表示装置の表示特性を低下させる問題点を誘発させる。
【0006】
本発明の技術的課題は、液晶表示装置用基板の接合不良を防止すると共に液晶物質の汚染を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、このような課題を解決するために液晶表示装置用基板を接合するのに使用する光硬化性封印材の硬化度を高める。このために、光を遮る配線の幅と間隔を調節したり光が多様な角度で封印材に照射できるようにする。
本発明の一つの特徴による液晶表示板は絶縁基板、基板上に形成されている多数の信号線、そして信号線と一端が連結されていて外部から信号の印加を受ける多数の信号パッドを含み、信号パッド付近の信号線の間の間隔は信号線の幅の1乃至10倍である。
【0008】
この時、信号線の幅は10〜100μmであるのが好ましく、信号パッド付近では信号線が折れ曲がっていることもある。
本発明の一つの実施例による液晶表示装置は表示領域、パッド領域及び前記両領域の中間に位置するペンアウト領域を含む。表示領域には走査信号を伝達するゲート線及びゲート線に交差して画素領域を定義し画像信号を伝達するデータ線が形成されていて画像が表示される。パッド領域にはゲート線及びデータ線に連結されており、外部から走査信号及び画像信号をゲート線及びデータ線に各々伝達するゲートパッド及びデータパッドが形成されている。そしてペンアウト領域には表示領域とパッド領域の間に位置して対向する2枚の基板の間に注入されている液晶物質を封じ込め、ゲート線及びデータ線と交差して表示領域外の周囲に形成されていてゲートパッド及びデータパッドと重なっていない封印材がある。
【0009】
この時、ペンアウト領域で互いに隣接するゲート線またはデータ線はゲート線またはデータ線の幅に対して1乃至10倍の間隔で形成されており、ゲート線またはデータ線の幅は10〜100μm範囲で形成されているのが好ましい。
また、封印材は紫外線硬化性であるのが良く、ペンアウト領域でゲート線またはデータ線は折れていることがあり、少なくとも封印材の一部はゲート線及びデータ線の折れた部分と重なっていることがある。
【0010】
上記の他に、液晶表示装置は、発光部材、対向する2枚の基板及び2枚の基板の周囲に形成されている紫外線硬化性封印材を含む液晶セルを支持する支持台、そして液晶セルの上部、下部または側面に対応して配置されており、発光部材からの光の方向を変える光経路変更部材を含んでいてもよい。
この時、発光部材が発する光は紫外線であることがあり、光経路変更部材は光を反射または散乱させ、このために屈曲面を有することもある。
【0011】
また、光経路変更部材は支持台の上部に配置されることがあり、その上に光透過部材が配置されることもある。この場合光経路変更部材は支持台と一体になっていることがある。
光経路変更部材はまた支持台と液晶セルの間及び液晶セルと発光部材の間に配置されていたり、液晶セルの側面に多段に配置されることがあり、後者の場合反射面を有するのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
以上で説明したように、本発明によると、ペンアウト領域でパッドと連結されている信号線の間隔と幅を適正水準に合せて、信号線と重なるために紫外線が直接照射されない封印材部分の硬化度を高めたり、反射板または散乱板を紫外線発光ランプと液晶表示板の間または液晶表示板の下部及び側面に配置して紫外線を様々な高さまたは角度に液晶表示板に入射して封印材の全ての部分に紫外線が到達するようにすることによって、2枚の基板の接合不良を防止し封印材による液晶物質の汚染を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付した図面を参考として本発明の実施例による液晶表示装置について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
[実施例1(液晶表示装置の構造)]
まず、図1及び図2を参照して本発明の第1実施例による液晶表示装置の構造を概略的に説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1実施例による液晶表示装置の構造を示した概略的な配置図であり、図2は図1でII−II´線に沿って切断した断面図である。
図1及び図2に示したように、本発明による液晶表示装置は互いに対向する2枚の基板組立体、つまり、下板100及び上板200の間に注入されている液晶物質層300、そして二つの板100、200の間に位置して液晶物質層300を封じ込める封印材90を含む。
【0015】
下板100は上板200より寸法が大きく、画像を表示する表示領域(D)とその外側の周辺領域に分けることができる。
封印材90は周辺領域に位置し、下板100の縁に沿って閉四角形模様に形成されている。ここで封印材90が閉曲線模様であるのは上板200と下板100を組立てる前に液晶物質を入れる工程によるからである。具体的には、下板100に封印材90を形成した後、封印材90で囲まれた領域に液晶物質を滴下して、上板200を置く方法で組立作業を進める場合にこのような模様になる。このような方法で液晶物質を入れる場合には液晶物質の量を正確に調節することが難しい。このため四角形に突出部を作った後、液晶物質を十分に入れて、余分の液晶物質を突出部側に集まるようにする方法を用いることもできる。封印材90は光硬化材、特に紫外線を照射すれば硬化する紫外線硬化材からなり、封印材90の表面には封印材90と液晶物質の反応を防止するための反応防止膜を形成することができる。
【0016】
液晶物質層300には二つの板100、200を平行に支持するための球形の基板間隔材(図示せず)が混合されることができ、封印材90も基板間隔材を含むことができる。一方、基板間隔材は窒化シリコンまたは有機絶縁物質などからなる突起で形成されることもできる。
図1及び図2のように、本発明の第1実施例による液晶表示装置の下板100は、絶縁基板101とその上のゲート配線20及びデータ配線60を含む。ゲート配線20とデータ配線60は低抵抗の導電物質からなっており、ゲート絶縁膜30で隔てられて互いに絶縁されている。ゲート配線20は、図面からは具体的に認められないが、横方向にのびていて走査信号を伝達する表示領域(D)内の複数のゲート線、周辺領域に位置しゲート線と連結されていて外部から走査信号を受けてゲート線に伝達する複数のゲートパッド及びゲート線に連結されている薄膜トランジスタの複数のゲート電極を含む。
【0017】
また、データ配線60は表示領域(D)で縦方向にのびてゲート線と交差する複数のデータ線(図3の62)、周辺領域に位置しデータ線と連結されていて外部から画像信号の伝達を受けてデータ線に伝達する複数のデータパッド(図3の68)、データ線に連結されている薄膜トランジスタの複数のソース電極、そしてソース電極から分離されており、薄膜トランジスタのチャンネル部に対してソース電極の対向側に位置する薄膜トランジスタの複数のドレーン電極を含む。
【0018】
このデータ配線は保護膜70で覆われており、隣接する二つのゲート線と隣接する二つのデータ線で囲まれた領域で定義され、行列形態で配列されている画素領域の保護膜70の上部には薄膜トランジスタのドレーン電極と連結されており、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)などのような透明な導電物質または高い反射率を有する不透明な導電物質からなる画素電極(図示せず)が形成されている。
【0019】
ここで、絶縁基板101上には、またゲート線から分離されていて共通電極電圧などの電圧の印加を受ける維持電極配線が形成されていることがあり、このような維持電極配線は画素電極と重なって画素の電荷保存能力を向上させる維持蓄電器を構成する。
下板100と対向する上板200は絶縁基板201とその上のブラックマトリックス202、共通電極203、複数のカラーフィルター(図示せず)などを含む。ブラックマトリックス202は行列形式に配列された切除部(開口部)を有し、この切除部は下板100の画素領域に対応する。ブラックマトリックス202はまた表示領域(D)の周囲にも形成されて表示領域(D)の周囲から漏洩する光を遮断する。ブラックマトリックス202の切除部、つまり、画素領域対応部分には赤色、緑色、青色のカラーフィルター(図示せず)が形成されている。この時、赤、緑、青のカラーフィルターは列方向には三交替に配列されるが、行方向には同じ色のカラーフィルターが同じ行に位置するように配列されたり、あるいは、列方向と同様に三交替に配列できる。カラーフィルターなどは平坦化特性に優れた保護膜で覆われることができる。
【0020】
一方、下板100と上板200の最上部には、図2のように液晶物質層300の液晶分子を特定の方向に配向するためのもので、ラビング処理された配向膜110、210が形成されている。図1に示したように、下板100は上板200より大きくて配線20、60が上板200の外側に露出される。
図3は図1で表示領域(D)の外側のデータパッド部分の封印材90の周囲を詳細に示した配置図である。図3のように、周辺領域は再びパッド領域(P)とペンアウト領域(O)に分けることができるが、パッド領域(P)にはゲートパッドとデータパッド68が位置し、ペンアウト領域(O)は封印材形成領域で、表示領域(D)とパッド領域(P)の間に位置する。ペンアウト領域(O)ではデータ線62がデータパッド68と連結できるように折れており、封印材90はこのペンアウト領域(O)に形成されている。もちろんこのペンアウト領域(O)でもデータ線62が折れずに直線に伸びることができ、この時にはデータパッド68の間の間隔が広くなる。
【0021】
このような位置にある封印材90を硬化するために、下板100の下側から紫外線を照射すれば、封印材90に含まれている開始剤が封印材90に含まれている単量体または軽度の重合体を重合反応させるが、この反応は紫外線が直接照射された部分からそうでない部分に連鎖的に進められるので、紫外線が直接照射された照射領域だけでなく照射領域の境界から信号線つまり、データ線62下部(非照射部)の内側に一定の距離まで硬化が行われる。したがって配線が占める面積と配線間の間隔を適切に調節すれば封印材90の全ての部分を硬化させることができる。本実施例によれば、ペンアウト領域(O)にある隣接データ線間隔はデータ線62の幅(B)に対して1乃至10倍とし、データ線62の幅(B)は10〜100μm範囲とする。ゲートパッド部分もこれと殆ど似たような構造を有するのでペンアウト領域(O)でのゲート線の幅及びその間隔についても同一な条件を適用する。
実験例1
紫外線を照射しない場合(事例X)と、信号線つまり、データ線62の幅が29.16μmであり隣接信号線間隔が20.29μmであって、信号線間隔(A)がデータ線62の幅(B)より小さい場合(事例Y)と、データ線62の幅(B)が18μmでありデータ線62間の間隔(A)が1222.47μmであって、データ線62間の間隔(A)がデータ線62の幅(B)に比べて約8.3倍程度大きい場合(事例Z)の三例に対してペンアウト領域の信号線上部に形成された封印材の硬化程度を分析した。ここで、封印材の硬化度はラマンスペクトルを使用して測定した。
【0022】
図4はラマンスペクトルであって、横軸はラマンシフト(Raman Shift、cm-1であり、縦軸はラマン強度(Raman intensity)である。図4の1608cm-1ピークは硬化反応に参加しないベンゼン環構造を示し、1631cm-1ピークは硬化反応に参加する炭素二重結合を示す。図4で事例Zの場合が1631ピーク値が最も小さいので硬化がよくできるということが分かる。具体的にラマンスペクトルから硬化度を求める方法は次の通りである。
【0023】
まず、Xの場合のように紫外線を照射しなくて全く硬化されていない場合を硬化度0%とし、反対に完全に硬化されたことを硬化度100%とする。この二つの場合に対して各々ラマンスペクトル曲線を捜し出す。この二つの場合、全て1608cm-1ピークと1631cm-1ピークを有しているが、まず1608cm-1ピークの両側の谷を直線で連結しスペクトル曲線とその直線で囲まれた部分の面積を求める。次に、1631cm-1ピークに対しても同じ方法で面積を求めた後、1631面積/1608面積の比率を計算する。硬化度0%である場合の面積比をr1、100%である場合の面積比をr2とすれば、面積比がrである場合の硬化度Hは、
H=100・(r1-r)/(r1-r2)
に与えられる。この式を見れば面積比が大きいほど硬化度が小さくなることが分かる。又、面積比は1631面積/1608面積で与えられ、1608面積は図4の三つの場合全てが似ているので、結局1631面積によって硬化度が左右されることが分かる。図4ではZの場合がYの場合より面積が小さいので硬化度がさらに大きいことと見ることができる。
【0024】
本実験例において、r1=0.5、r2=0.1であり、これによりH=100・[(0.5−r)/0.4]となった。図4のグラフでは、Xの場合は、前述したようにr=0.5で硬化度0%、Yの場合はrが0.14程度で硬化度90%、Zの場合はrが殆ど0.1であって100%に近い硬化度と推定された。
[実施例2〜4(紫外線照射器の構造)]
一方、封印材の硬化を完全にするために、前の第1実施例でのように液晶表示装置自体の構造を変えることができるが、紫外線を照射する方法及び装置を改善して紫外線が均等に照射できるようにすることも可能である。、例えば、液晶表示装置の上側で紫外線を照射する場合、その下側及び/または横側に反射板または散乱板を設置する。下記にこのような方法及び装置について詳細に説明する。
【0025】
図5は本発明の第2実施例による液晶表示装置の紫外線照射装置を示した概略図である。ここで、紫外線が反射または散乱されることを具体的に表示するために液晶表示装置は一部だけを示した。
図5のように、本発明の第2実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置は、紫外線を生成する紫外線発光ランプ510、発光ランプ510の下部に位置する支持台520及び支持台520の上部に形成されている反射板530を含む。紫外線照射される液晶表示装置は反射板530上に置かれ、反射板530は支持台520と一体に形成されることもできる。なお、発光ランプ510と反射板530の間に集光部材たとえばかまぼこ形レンズを設置してもよい。
【0026】
この時、反射板530は反射率に優れた誘電多層膜または金属物質たとえば反射面にフッ化マグネシウムを蒸着したアルミニウムなどからなり、紫外線が様々な方向に反射されたり乱反射が起こるように粗研磨(grinding)などの方法で処理して表面に屈曲を作ることが好ましい。
このような本発明による液晶表示装置用紫外線照射装置では発光ランプ510で照射された紫外線が上板200及び下板100を通過した後、反射板530によって様々な方向に反射されるので信号線(図1の20、60)またはブラックマトリックス210下部に位置した封印材90にも到達できて封印材90の硬化度を極大化することができる。
【0027】
図6及び7は本発明の第3及び第4実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置の構造を示した概略図である。
図6のように、本発明の第3実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置は、第2実施例の紫外線照射装置の反射板530に加えて、紫外線発光ランプ510と反射板530の間に位置して紫外線発光ランプ510からの紫外線を散乱させ液晶セル100、200に送る反射板540をさらに含む。
【0028】
このような本発明の第3実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置を利用して紫外線を照射する場合、液晶セル100、200に入射される光が第2実施例のように液晶セル100、200に対して均一で垂直に入射されることでなく、多様な方向に傾いて入射され、反射板530に到達する光も多様な方向に均等に入射されるので、第2実施例の場合よりさらに多くの部位にさらに多量の紫外線が到達することができる。
【0029】
また、図7のように、本発明の第4実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置は第3実施例の反射板530上に一定の厚さのスペーサ600が配置されている構造を有する。この時、スペーサ600は透明または半透明であり散乱性を有することも可能である。
このスペーサ600は液晶セル100、200と反射板530の間の距離を遠くして反射板530から反射される紫外線がさらに広くて稠密に照射できるようにする。
【0030】
以下、本発明の実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置を利用して封印材を硬化した実験例について具体的に説明する。
実験例2
図8は本発明の実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置を利用して封印材の硬化度を測定するための試料の概略図であり、図9は位置による封印材の硬化度を示すグラフである。
【0031】
本実験例では図8に示したように0.7mm厚さのガラス基板二枚のうち一つにクロム(Cr)をメッキして陰影部8を形成し、紫外線硬化性封印材7を陰影部8と重なるように基板上部に塗った後、反射板のない従来の紫外線照射装置及び第2実施例の紫外線照射装置を使用して紫外線を照射し2枚の基板を接着した。図8で六つの地点(1−6)で封印材の硬化度を測定したが、図面から見るように、地点1は陰影部で遮らない部分に位置し、地点(2−6)は陰影部の境界線から50、180、330、530及び1,300μm離れた部分に各々位置する。
【0032】
図9で硬化度は実験例1と同じ方法で求めたものであって、Qは反射板を使用した場合に封印材の硬化度を示し、Rは反射板を使用しない場合の封印材の硬化度を示す。
図9のように、反射板を使用しない従来の場合(R)には地点1及び陰影部の境界線から50μm離れた地点2までは封印材の硬化度が90%以上と認められたが、陰影部の他の地点では封印材の硬化度が50%乃至0%であった。これと比較して、本発明の実施例のように反射板を利用した場合(Q)には全ての地点で封印材硬化度が90%以上となった。このように、反射板を利用する場合には陰影部の中にまで紫外線が十分に照射されて封印材が硬化されることが分かる。
[実施例5〜8(紫外線照射器の構造)]
本発明の第2乃至第4実施例では基板の下部及び/または上部に反射板及び/または散乱板を配置して封印材の硬化度を増加させたが、基板の側面に反射板及び散乱板を配置して紫外線の硬化度を増加させることができる。下記にこれを具体的に説明する。
【0033】
図10乃至図13は本発明の第5乃至第8実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置の構造を示した概略図である。
図10のように、本発明の第5実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置は紫外線を発生させる紫外線発光ランプ510、発光ランプ510の下部に位置する支持台520及び支持台520上部側面に配置されている反射板550を含む。ここで液晶セル100、200は支持台520上に位置する。
【0034】
側面に位置した反射板550は傾いた反射面を有していて発光ランプ510からの紫外線を傾くように反射させブラックマトリックス210と重なってその下部に位置した紫外線硬化性の封印材90に到達するようにする。
例えば反射板550の数、位置及び模様などを多様にして封印材90の硬化をさらに極大化することができる。図11に示した本発明の第6実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置のように上下方向に多段で反射板550を配置することもでき、図12に示した本発明の第7実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置のように反射板550の表面を凸(または凹)の曲面に作ることができ、図13に示した本発明の第8実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置でのように反射板550の表面をエンボシングまたは粗研磨処理して表面に屈曲552を作って紫外線を乱反射させることもできる。
【0035】
前述した第2乃至第8実施例の反射板530、540、550は別々に用いられることもでき、これらの組み合わせで用いられることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施例による液晶表示装置の構造を示した概略的な配置図である。
【図2】図1のII−II´線に沿って切断した液晶表示装置の断面図である。
【図3】図1で表示領域(D)外側のデータパッド部分の封印材90の周囲を詳細に示した配置図である。
【図4】配線の下部に位置した封印材のラマンスペクトルである。
【図5】各々本発明の第2実施例による液晶表示装置の紫外線照射装置を示した概略図である。
【図6】各々本発明の第3実施例による液晶表示装置の紫外線照射装置を示した概略図である。
【図7】各々本発明の第4実施例による液晶表示装置の紫外線照射装置を示した概略図である。
【図8】封印材の硬化度を測定するための試料の概略図である。
【図9】図8の試料で、位置による紫外線の硬化度を示したグラフである。
【図10】各々本発明の第5実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置の構造を示した概略図である。
【図11】各々本発明の第6実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置の構造を示した概略図である。
【図12】各々本発明の第7実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置の構造を示した概略図である。
【図13】各々本発明の第8実施例による液晶表示装置用紫外線照射装置の構造を示した概略図である。
【符号の説明】
【0037】
1 地点
2 境界線から50μm離れた地点
7 紫外線硬化性封印材
8 陰影部
20 ゲート配線
30 ゲート絶縁膜
60 データ配線
62 信号線
68 データパッド
70 保護膜
90 封印材
100 下板
101 絶縁基板
110 配向膜
200 上板
201 絶縁基板
202 ブラックマトリックス
203 共通電極
210 配向膜
300 液晶物質層
510 発光ランプ
520 支持台
530 反射板
540 散乱板
550 反射板
600 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、
前記基板上に形成されている多数の信号線と、
前記信号線と一端が連結されていて外部から信号の印加を受ける多数の信号パッドを含み、
前記信号パッド付近の前記信号線の線間間隔は前記信号線の幅の1乃至10倍である液晶表示板。
【請求項2】
前記信号線の幅は10〜100μmである、請求項1に記載の液晶表示板。
【請求項3】
前記信号線は前記信号パッド付近で折れている、請求項2に記載の液晶表示板。
【請求項4】
走査信号を伝達するゲート線及び前記ゲート線に交差して画素領域を定義し画像信号を伝達するデータ線が形成されており、画像が表示される表示領域と、
前記ゲート線及び前記データ線に連結されており、外部から前記走査信号及び前記画像信号を前記ゲート線及び前記データ線に各々伝達するゲートパッド及びデータパッドが形成されているパッド領域と、
前記表示領域と前記パッド領域の間に位置し、対向する2枚の基板の間に注入されている液晶物質を封じ込め、前記ゲート線及び前記データ線と交差して前記表示領域外の周囲に形成されていて前記ゲートパッド及び前記データパッドと重なっていない封印材を有するペンアウト領域と、
を含む液晶表示装置。
【請求項5】
前記ペンアウト領域で互いに隣接する前記ゲート線または前記データ線は前記ゲート線または前記データ線の幅に対して1乃至10倍の間隔で形成されている、請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記ゲート線または前記データ線の幅は10〜100μm範囲で形成されている、請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記封印材は紫外線硬化性である、請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記ペンアウト領域で前記ゲート線または前記データ線は折れており、
少なくとも前記封印材の一部は前記ゲート線及び前記データ線の折れた部分と重なっている、請求項4に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−65699(P2007−65699A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−335043(P2006−335043)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【分割の表示】特願2001−381883(P2001−381883)の分割
【原出願日】平成13年12月14日(2001.12.14)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】