説明

液晶表示装置のブーストコンバータ

【課題】エルディアイのブーストコンバータで可変周波数を利用して、パネル駆動電圧を生成して電磁波干渉が低減されるようにするが、毎フレームが始まる度に同一な周波数を使用して、ブースティング動作が安定になされるようにする液晶表示装置の液晶パネル駆動技術を提供する。
【解決手段】本発明は、エルディアイのブーストコンバータで可変周波数を利用してパネル駆動電圧を生成して電磁波干渉が低減されるようにするが、毎フレームが始まる度に同一な周波数を使用してブースティング動作が安定になされるようにするために、中心周波数を基準に一定なパターンで変化されるか、または不規則的にホッピングする周波数の発振信号を同期信号に同期させて生成して、毎フレームが始まる度にあらかじめ決まった固定された周波数の発振信号を生成する発振器を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置の液晶パネル駆動技術に関し、特に、パネル駆動電圧を生成する時、可変周波数を使用して電磁波干渉を低減して、ブースティング動作を画像データの同期信号に同期させて遂行して画像に影響を与えない安定したブースティング動作がなされるようにした液晶表示装置のブーストコンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来液晶表示装置の概略ブロック図であり、これに示したように、複数個のゲートラインとデータラインがお互いに垂直した方向に配列されて、マトリックス形態のピクセル領域を有する液晶パネル110と、該液晶パネル110に駆動信号とデータ信号を供給する駆動回路部121及び、その駆動回路部121で要する各種電源を供給する電源供給部122で構成されたエルディアイ(LDI:LCD Driver IC)120を具備する。
【0003】
前記駆動回路部121は、ゲートドライバー121A、ソースドライバー121B、タイミングコントローラ121Cを具備する。ゲートドライバー121Aは、前記液晶パネル110の各ゲートラインを駆動するためのゲート駆動信号を出力する。ソースドライバー121Bは、前記液晶パネル110の各データラインにデータ信号を出力する。タイミングコントローラ121Cは、前記ゲートドライバー121A及びソースドライバー121Bの駆動を制御すると共に、電源供給部122の駆動を制御する。電源供給部122は、電源制御部122A、ソース電源駆動部122B及びゲート電源駆動部122Cを具備する。
【0004】
電源制御部122Aは、前記タイミングコントローラ121Cの制御を受けてソース電源駆動部122B及びゲート電源駆動部122Cの駆動を制御する。この時、前記ゲート電源駆動部122Cは、前記ゲートドライバー121Aで前記ゲート駆動信号を生成するのに要するゲートハイ電圧(VGH)とゲートロー電圧(VGL)を供給する。そして、ソース電源駆動部122Bは、前記ソースドライバー121Bで前記データ信号を生成するのに要する正極性のパネル駆動電圧(以下、’パネル駆動電圧’と称する。)(VDDP)と負極性のパネル駆動電圧(VDDN)を供給する。
【0005】
図2は、前記エルディアイ120のソース電源駆動部122Bに具備されて、パネル駆動電圧(VDDP)を出力するブーストコンバータ回路図としてこれに示したように、スイッチングパルス(LSW)によってリアクターL1を駆動する電界効果トランジスターFET1と、
前記電界効果トランジスターFET1のスイッチング動作によって前記リアクターL1から逆流防止用ダイオードD1を通じてローディングされる電圧を保存するコンデンサー(Cout)と、
前記コンデンサー(Cout)に保存された後に出力されるパネル駆動電圧(VDDP)を所定レベルに分圧する抵抗R1、R2と、
前記抵抗R1、R2によって分圧された電圧を基にして前記パネル駆動電圧(VDDP)をモニタリングして、目的としたレベルに出力されるように前記スイッチングパルス(LSW)を制御する制御部200で構成される。
【0006】
電界効果トランジスターFET1は、制御部200から入力される図3の(a)のようなスイッチングパルス(LSW)によって一連のオンオフ動作を繰り返す。この時、前記電界効果トランジスターFET1のスイッチング動作によって前記リアクターL1からローディングされるブースティング電圧は、逆流防止用ダイオードD1を通じてコンデンサー(Cout)に保存される。
【0007】
前記のような経路を通じて前記コンデンサー(Cout)に保存されたブースティング電圧が前記パネル駆動電圧(VDDP)に出力される。
【0008】
ところが、前記パネル駆動電圧(VDDP)の出力端子を通じて外部にローディングされる電流量が前記コンデンサー(Cout)に蓄積される電流量より少ない場合、そのパネル駆動電圧(VDDP)が不必要に高く上昇される。
【0009】
これを防止するために、抵抗R1、R2を利用して前記コンデンサー(Cout)から出力されるパネル駆動電圧(VDDP)を所定レベルに分圧して、制御部200は、その分圧された電圧を基にしてパネル駆動電圧(VDDP)をモニタリングして、目的としたレベルから出力されるように前記スイッチングパルス(LSW)を制御する。
【0010】
前記スイッチングパルス(LSW)の例として、PWM(Pulse−Width Modulation)パルスとPFM(Pulse Frequency Modulation)パルスがある。前記PWMパルスを使用する場合、前記制御部200はそのPWMパルスのデューティー比を調節して、目的としたレベルのブースティング電圧が出力されるようにして、PFMパルスを使用する場合には、そのPFMパルスの周波数を調節して目的としたレベルのブースティング電圧が出力されるようにする。
【0011】
一般に、前記制御部200は出力しようとするスイッチングパルス(LSW)の形態が決まれば、これを図3の(a)でのように同一位相として出力する。よって、周期的なブースティング動作によってスペクトラムが図3の(b)でのように中心周波数(f)帯域に集中される。
【0012】
このように従来のLDIシステムのブーストコンバータ回路においては、リアクター駆動のためのスイッチングパルスとして同一位相のスイッチングパルスを使用して、周期的なブースティング動作によって増幅された形態のエネルギースペクトラムが形成されて、これによって調和周波数(harmonic frequency)のエネルギースペクトラムも増幅された形態で示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008−134589号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
さらに、増幅された形態のエネルギースペクトラムは、システムに使用する他の信号の周波数に対して電磁波干渉(EMI:Electro Magnetic Interference)を誘発させる問題点があった。
【0015】
最近になって、このような問題点を解消するために可変周波数形態のスイッチングパルスを発生して、スペクトラム拡散(spread spectrum)が示されるようにしている。しかし、毎フレームが始まる度にお互いに異なる周波数のスイッチングパルスを使用して、その度に少しずつ異なるレベルのパネル駆動電圧が出力されて、これによって画像が不安定にディスプレイされる問題点があった。
【0016】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、エルディアイのブーストコンバータで可変周波数を利用して、パネル駆動電圧を生成して電磁波干渉が低減されるようにするが、毎フレームが始まる度に同一な周波数を使用して、ブースティング動作が安定になされるようにすることにある。
【0017】
本発明が解決しようとする課題は、前で言及した課題に制限されない。本発明の他の課題及び長所は下の説明によってさらに明らかに理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記のような課題を達成するための本発明は、
中心周波数を基準で一定なパターンに変化されるか、または不規則的にホッピングする周波数の発振信号を同期信号に同期させて生成して、毎フレームが始まる度にあらかじめ決まった固定された周波数の発振信号を生成する発振器と、
前記発振器から出力される発振信号、パネル駆動電圧で検出した電圧、期設定された基準電圧を利用して要求されるパネル駆動電圧を生成するためのスイッチング信号を出力する制御器と、
前記制御器から出力されるスイッチング信号を利用して、前記パネル駆動電圧を発生するリアクターを駆動するトランジスターをスイッチング動作させるドライバーと、を含むブーストコンバータを提供することにある。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、エルディアイのブーストコンバータで可変周波数を利用して、パネル駆動電圧を生成して電磁波干渉が低減されるようにして、毎フレームが始まる度に同一な周波数を使用してブースティング動作が画像に影響を与えないで安定に遂行されることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来液晶表示装置の概略ブロック図である。
【図2】エルディアイに具備されるブーストコンバータ回路図である。
【図3】(a)は、スイッチングパルスの波形図であり、(b)は、従来のブースティング動作によるスペクトラムである。
【図4】本発明による液晶表示装置のブーストコンバータのブロック図である。
【図5】(a)は、本発明によって周波数が一定なパターンに変化されることを示したグラフであり、(b)は、本発明によって周波数がランダムなパターンに変化されることを示したグラフであり、(c)は、本発明によって周波数が可変されてエネルギーが拡散されたスペクトラムを示したグラフであり、(d)は、本発明によって周波数が可変されて示されたスイッチングパルスの波形図である。
【図6】発振器の第1実施例を示した回路図である。
【図7】図6で電流源及びカウンターの詳細ブロック図である。
【図8】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)及び(g)は、図7各部の波形図であり、(h)は、本発明に適用された垂直同期信号の波形図であり、(i)は、本発明で、垂直同期信号及び水平同期信号によって決定されるカウンターの出力値変化を示した説明図である。
【図9】図7のアップ/ダウンカウンターの詳細回路図である。
【図10】図7の擬似ランダムビット発生器の詳細回路図である。
【図11】発振器の第2実施例を示した回路図である。
【図12】(a)−(d)は、図11の各部の波形図である。
【図13】(a)は、本発明が適用されないブーストコンバータ回路から発生される電磁波干渉(EMI)を示した図面であり、(b)は、本発明によるブーストコンバータ回路で電磁波干渉が低減されたことを示した実験結果の図面である。
【図14】(a)、(b)は、t1、t2の同じ位相で同一なパネル駆動電圧でパネル駆動が可能になることを示した波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明すると次のようである。
【0022】
図4は、本発明による液晶表示装置のブーストコンバータのブロック図として、これに示したように、電界効果トランジスターFET1としてリアクターL1を駆動して、パネル駆動電圧(VDDP)を生成するブーストコンバータにおいて、発振器410と、パネル駆動電圧モニタリング部420と、オンタイムカウンター430と、オフタイムカウンター440と、SRラッチ450及び、ドライバー460で構成された制御部400を具備する。
【0023】
発振器410は、図5の(a)のように中心周波数(f)を基準で一定なパターンに変化される周波数の発振信号を生成するか、または図5の(b)のように中心周波数(f)を基準で不規則的にホッピング(hopping)する周波数の発振信号を生成する。これによって、ブーストコンバータによるスペクトラムが図5の(c)でのように中心周波数(f)帯域に集中されないで広く開かれた形態になる。図5の(d)は前記発振器410から出力される信号が可変周波数形態から出力されることを示した波形図である。そして、前記発振器410は垂直同期信号(Vsync)を利用して、毎フレームが始まる度にあらかじめ決まった固定された周波数を生成する。前記発振器410の詳細な説明及び多様な実施例に対しては添付した図面を参照して後述する。
【0024】
パネル駆動電圧モニタリング部420は、比較機CP401、CP402及びアンドゲートAD401を具備する。比較機CP401は、抵抗R1、R2によって分配されたパネル駆動電圧(VDDP)を基準電圧(Vref)と比べて、それによる信号を出力する。比較機CP402は、前記抵抗R1、R2によって分配されたパネル駆動電圧(VDDP)をソフトスタートのために設定された基準電圧(SSref)と比べてそれによるモニタリング信号を出力する。アンドゲートAD401は、前記比較機CP401の出力信号とオフタイムカウンター440の出力信号をアンド演算して、それによるモニタリング信号を出力する。
【0025】
オンタイムカウンター430は、垂直同期信号(Vsync)によってリセットされた後に前記発振器410から出力される発振信号のオンタイム区間をカウントする。オフタイムカウンター440は、垂直同期信号(Vsync)によってリセットされた後、前記発振器410から出力される発振信号のオフタイム区間をカウントする。SRラッチ450は、前記アンドゲートAD401から出力されるモニタリング信号をセット端子Sに入力されて、前記オンタイムカウンター430から出力される信号をリセット端子Rに入力されてエラーが訂正されたスイッチングパルス(LSW)形態のパルスを出力する。
【0026】
ドライバー460は、前記SRラッチ450から入力されるパルスを、電界効果トランジスターFET1をスイッチングするのに適当な形態のスイッチングパルス(LSW)に変換して出力する。前記ドライバー460から出力されるスイッチングパルス(LSW)は、前記図5の(d)のように可変周波数形態を有する。
【0027】
電界効果トランジスターFET1は、前記ドライバー460から入力される前記スイッチングパルス(LSW)によって一連のオンオフ動作を繰り返す。この時、前記電界効果トランジスターFET1のスイッチング動作によって前記リアクターL1からローディングされるブースティング電圧は、逆流防止用ダイオードD1を通じてコンデンサー(Cout)に保存される。
【0028】
前記のような経路を通じて前記コンデンサー(Cout)に保存されたブースティング電圧がパネル駆動電圧(VDDP)に出力される。
【0029】
図6は、前記のように動作する発振器410の第1実施例を示した回路図としてこれに示したように、第1、第2電流源601、602、カウンター603、セット信号出力部604、リセット信号出力部605、SRラッチ606を具備する。
【0030】
SRラッチ606のセット端子S、リセット端子Rに’ロー’、’ハイ’が入力される時に出力端子Q、Qbに’ロー’、’ハイ’が出力される。これによって、セット信号出力部604のトランジスターFET601がターンオンされる反面、トランジスターFET602はターンオフされる。この時、リセット信号出力部605のトランジスターFET603がターンオフされる反面、トランジスターFET604はターンオンされる。
【0031】
これによって、第1電流源601から供給される電圧が前記トランジスターFET601を通じてコンデンサーC601に充電される。比較機CP601は第1入力端子に入力される前記コンデンサーC601の充電電圧を基準電圧と比べてその充電電圧が基準電圧を上回る瞬間、前記SRラッチ606のセット端子Sに’ハイ’を出力する。この時、前記コンデンサーC602の充電電圧は、前記トランジスターFET604を通じて接地端子で放電する。それで、比較機CP602の第1入力端子に’ロー’が入力されて、これの出力端子から前記SRラッチ606のリセット端子Rに’ロー’が出力される。よって、前記SRラッチ606の出力端子Q、Qbに’ハイ’、’ロー’が出力される。
【0032】
以後、前記SRラッチ606の出力端子Q、Qbから出力される’ハイ’、’ロー’によって前記セット信号出力部604のトランジスターFET601がターンオフされる反面、トランジスターFET602はターンオンされる。この時、リセット信号出力部605のトランジスターFET603は、ターンオンされる反面、トランジスターFET604はターンオフされる。
【0033】
これによって、前記のような過程を通じてSRラッチ606のセット端子S、リセット端子Rに’ロー’、’ハイ’が入力される。よって、前記SRラッチ606の出力端子Q、Qbに’ロー’、’ハイ’が出力される。
【0034】
結局、前記のように動作するリセット信号出力部604とセット信号出力部605によって前記SRラッチ606のセット端子Sに’ハイ’、’ロー’が交互に入力されて、これによってその出力端子Qに該当周波数の球形波が出力される。
【0035】
ところが、カウンター603は各種同期信号(例:Vsync、Hsync、DEなど)に同期して、前記第1、第2電流源601、602の出力電流量を制御して前記コンデンサーC601、C602の充電時間を可変させて、これによって前記SRラッチ606の出力端子Qに出力される球形波の周波数が可変されて、スペクトラム拡散が具現される。よって、電磁波干渉が低減される。
【0036】
図7は、前記第1、第2電流源601、602及びカウンター603の具現例を示したものである。前記第1、第2電流源601、602は、お互いに同一構成であるので図7ではそのうちで一つの第1電流源601を例示的に示した。第1電流源601は、スイッチ(SW1−SWn)にそれぞれ直列接続されて、お互いに並列接続された複数の電流源(I1−In)をそれぞれ具備する。そして、前記カウンター603は、アップ/ダウンカウンター701、擬似ランダムビット発生器(PRBG:Pseudo Random Bit Generator)702及びマルチプレクサ703を具備する。
【0037】
第1電流源601は、スイッチ(SW1−SWn)にそれぞれ直列接続されて、お互いに並列接続された複数の電流源(I1−In)をそれぞれ具備するが、このスイッチ(SW1−SWn)は、カウンター603から出力されるnビットのスイッチング制御信号によってターンオンされて、それによる可変電流を出力する。例えば、前記スイッチ(SW1−SWn)のうちで前記スイッチング制御信号によってスイッチ(SW2、SW4)がターンオンされる場合、前記第1、第2電流源601、602からΔI=I2+I4の可変電流が出力される。
【0038】
前記アップ/ダウンカウンター701の出力信号及び擬似ランダムビット発生器702の出力信号は、マルチプレクサ703から選択信号(SS_SEL)によって選択されて、前記第1、第2電流源601、602のスイッチ(SW1−SWn)に伝達する。
【0039】
前記アップ/ダウンカウンター701は、図8の(a)、(d)のように毎フレームの一番目水平ラインを駆動する時度に垂直同期信号(Vsync)によってリセットされてnビットのスイッチング制御信号を期設定された値に出力して、これによって前記第1、第2電流源601、602のスイッチ(SW1−SWn)のうちで該当スイッチがターンオンされて、それによる電流量が出力される。よって、前記SRラッチ606の出力端子Qで該当周波数、例えば、図8の(e)でのように8MHzの発振周波数が出力される。
【0040】
以後、前記アップ/ダウンカウンター701は、図8の(b)、(c)でのような水平同期信号(Hsync)やデータイネーブル信号(DE)を図8の(d)でのように一定なパターンでアップ/ダウンカウントして、それによるnビットのスイッチング制御信号を出力する。これによって前記SRラッチ606の出力端子Qで図8の(e)のように周期的に変化される前記nビットの可変周波数の信号が出力される。
【0041】
また、擬似ランダムビット発生器702は、図8の(a)、(f)のように毎フレームの一番目水平ラインを駆動する時度に垂直同期信号(Vsync)によってリセットされてnビットのスイッチング制御信号を期設定された値に出力して、これによって前記第1、第2電流源601、602のスイッチ(SW1−SWn)のうちで該当スイッチがターンオンされて、それによる電流量が出力される。よって、前記SRラッチ606の出力端子Qで該当周波数、例えば、図8の(g)でのように8MHzの発振周波数が出力される。
【0042】
このように毎フレームが始まる度に同一な周波数の発振信号が出力されるようにすることで、可変周波数を利用して電磁波干渉を低減させる時画像に影響を与えないで安定されたブースティング動作を保障することができるようになる。
【0043】
以後、前記擬似ランダムビット発生器702は、図8の(b)、(c)でのような水平同期信号(Hsync)やデータイネーブル信号(DE)を図8の(f)でのように不規則なパターンでアップ/ダウンカウントして、それによるnビットのスイッチング制御信号を出力する。これによって前記SRラッチ606の出力端子Qで図8の(g)のように不規則的に変化される前記nビットの可変周波数の信号が出力される。
【0044】
前記図7で、選択信号SELは前記アップ/ダウンカウンター701のアップカウンティングやダウンカウンティング動作を選択して、前記擬似ランダムビット発生器702のランダムビット発生周期を選択する。図8の(h)、(i)は前記選択信号SELを利用して、垂直同期信号(Vsync)や水平同期信号(Hsync)が入力される度に、または任意の垂直同期信号(Vsync)や水平同期信号(Hsync)が入力される度に前記アップ/ダウンカウンター701または擬似ランダムビット発生器702のカウント周期を変化させる例を示したものである。このようにすることで、前記アップ/ダウンカウンター701または擬似ランダムビット発生器702が垂直同期信号(Vsync)や水平同期信号(Hsync)が入力される度に、または任意の垂直同期信号(Vsync)や水平同期信号(Hsync)が入力される度にカウント値を変更してブーストコンバータによって発生するエネルギースペクトラムが分散される。これによって、エネルギー上昇による電磁波干渉を低下させることができるようになる。
【0045】
図9は、前記アップ/ダウンカウンター701の具現例を示した回路図として、これに示したように、クロック信号端子が水平同期信号端子(Hsync)に共通に接続されて、クリア端子(CLR)が垂直同期信号端子(Vsync)に共通で接続されたN段のT型フリップフロップF/F901A−F/F901Nと、
選択信号SELを反転出力するインバーターI901、第1、第2入力端子が前記選択信号端子SEL、T型フリップフロップF/F901Aの出力端子Q1にそれぞれ接続されたアンドゲートAD901、第1、第2入力端子が前記T型フリップフロップF/F901Aの反転出力端子Qb1、前記インバーターI901の出力端子にそれぞれ接続されたアンドゲートAD902、第1、第2入力端子が前記アンドゲートAD901、AD902の出力端子にそれぞれ接続されたオアゲートOR901で構成された第1出力信号演算部901Aと、
第1、第2入力端子が前記アンドゲートAD901の出力端子、T型フリップフロップF/F901Bの出力端子Q2にそれぞれ接続されたアンドゲートAD903、第1、第2入力端子が前記T型フリップフロップF/F901Bの反転出力端子Qb2、前記アンドゲートAD902の出力端子にそれぞれ接続されたアンドゲートAD904、第1、第2入力端子が前記アンドゲートAD903、AD904の出力端子にそれぞれ接続されたオアゲートOR902で構成された第2出力信号演算部901Bと、
以後の段に前記出力信号演算部901Bのように構成された第3−N出力信号演算部901C−901Nを具備する。
【0046】
図10は、前記擬似ランダムビット発生器702の具現例を示した回路図として、これに示したように、クロック信号端子が水平同期信号端子(Hsync)に共通で接続されて、クリア端子(CLR)が垂直同期信号端子(Vsync)に共通で接続されたN段のD型フリップフロップF/F1001A−F/F1001Nと、
選択信号SELによって前記D型フリップフロップF/F1001A−F/F1001Nの出力端子(Q1−Qn)の出力信号を選択して出力するマルチプレクサMUX1001と、
前記マルチプレクサMUX1001の出力信号をエクスクルーシブオア演算して、その演算結果を前記一番目段のD型フリップフロップF/F1001Aの入力端子DにフィードバックするエクスクルーシブオアゲートXOR1001を具備する。
【0047】
図11は、前記図4で発振器410の第2実施例を示した回路図として、これに示したように、RC発振回路1101、グラウンド電圧発生部1102、カウンター1103を具備する。
【0048】
第1ノードN1と第3ノードN3は、コンデンサー(Cosc)によって連結されている。よって、第3ノードN3が’ハイ’なら、第1ノードN1はそれに相応されるレベルでブースティングされる。
【0049】
前記第3ノードN3が’ハイ’なら、これによってトランジスターFET111がターンオフされる反面、トランジスターFET1112、FET1113がターンオンされるので、第4ノードN4はグラウンド電圧(VSSA)のレベルになる。よって、RC時定数(Rosc・Cosc)で充電された前記コンデンサー(Cosc)の電荷が前記第4ノードN4で放電される。
【0050】
後述するように前記グラウンド電圧(VSSA)は、グラウンド電圧発生部1102、カウンター1103によってVSSA1、VSSA2、VSSA3レベルのグラウンド電圧に可変されるが、図12の(a)でのように第1ノードN1電圧がロジッグスレッショルド電圧を越せば(落ちると)第2ノードN2の電圧は上昇されて、第3ノードN3の電圧は下降される。この時、第4ノードN4は’ハイ’であるので、RC時定数で前記コンデンサー(Cosc)が充電される。
【0051】
このような動作が繰り返し遂行されながらRC発振動作がなされる。この時の発振周波数は、トランジスターのオン抵抗を無視すると、RCタイムの二倍周期で発振する。
【0052】
ところが、前記のようなRC発振回路1101を使用して、所望の周波数の信号を生成する時、下の説明でのようにグラウンド電圧(VSSA)を可変して、拡散スペクトラムが具現されるようにした。
【0053】
すなわち、グラウンド電源電圧(VSS)を分配用直列抵抗R1101、R1102、R1103を利用して、VSSA1、VSSA2、VSSA3のレベルに分圧して、バッファーBUF1101、BUF1102、BUF103を通じてバッファリングした後マルチプレクサMUX1101を通じて、そのうちで一つを選択して、RC発振回路のグラウンド電圧(VSSA)に出力する。この時、カウンター1103を利用して、前記マルチプレクサMUX1101でのグラウンド電圧選択動作を制御することで、RC発振回路の発振周波数を可変させることができるようになるが、図12の(a)−(d)は、これによって第1−第4ノード(N1−N4)の位相が変化される例を示した波形図である。
【0054】
このために前記カウンター1103を多様に具現することができるが、例えば、前記図7でのようにアップ/ダウンカウンターと擬似ランダムビット発生器を具備して、前記説明でのように各種同期信号(例:Vsync、Hsync、DEなど)に同期して駆動させることができる。これによってRC発振回路1101で生成される発振信号の周波数が可変されて、スペクトラム拡散が具現される。よって、画像に影響を与えない安定されたブースティング動作を保障しながら電磁波干渉を低減することができるようになる。
【0055】
図13の(a)は、本発明が適用されないブーストコンバータ回路から発生される電磁波干渉(EMI)を示した実験結果の図面であり、図13の(b)は本発明によるブーストコンバータ回路で電磁波干渉が低減されたことを示した実験結果の図面である。
【0056】
図14の(a)、(b)は、本発明によってフレームが始まる度に同期信号を利用して同一なパネル駆動電圧でパネル駆動が可能になることを示した波形図である。参照で、前記図14の(a)は垂直同期信号(Vsync)や水平同期信号(Hsync)またはデータイネーブル信号(DE)の波形図であり、図14の(b)は正、負パネル駆動電圧(VDDP、VDDN)の波形図である。
【0057】
以上で本発明の望ましい実施例に対して詳しく説明したが、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではなく、次の請求範囲で定義する本発明の基本概念を基にして、より多様な実施例で具現されることができるし、このような実施例も本発明の権利範囲に属するものである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上詳述したように、本発明によれば、エルディアイのブーストコンバータで可変周波数を利用して、パネル駆動電圧を生成して電磁波干渉が低減されるようにして、毎フレームが始まる度に同一な周波数を使用してブースティング動作が画像に影響を与えないで安定に遂行されることができる効果がある。
【符号の説明】
【0059】
400…制御部、
410…発振器、
420…パネル駆動電圧モニタリング部、
430…オンタイムカウンター、
440…オフタイムカウンター、
450…SRラッチ、
460…ドライバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチングパルスによってスイッチング動作するトランジスターによってリアクターが駆動されてパネル駆動電圧を発生する液晶表示装置のブーストコンバータにおいて、
中心周波数を基準で一定なパターンに変化されるか、または不規則的にホッピングする周波数の発振信号を同期信号に同期させて生成して、毎フレームが始まる度にあらかじめ決まった固定された周波数の発振信号を生成する発振器と、
前記発振器から出力される発振信号、パネル駆動電圧で検出した電圧、期設定された基準電圧を利用して要求されるパネル駆動電圧を生成するためのスイッチング信号を出力する制御器と、
前記制御器から出力されるスイッチング信号を利用して、前記パネル駆動電圧を発生するリアクターを駆動するトランジスターをスイッチング動作させるドライバーと、を含んで構成したことを特徴とする液晶表示装置のブーストコンバータ。
【請求項2】
発振器は、
可変電流を出力する第1電流源及び第2電流源と、
同期信号をカウントして、そのカウント値を利用して前記第1電流源及び第2電流源の出力電流を可変するカウンターと、
前記第1電流源の出力電流に相応されるように充電電圧を変更して、その変更される充電電圧を第1基準電圧と比べて、それによるセット信号を生成するセット信号出力部と、
前記第2電流源の出力電流に相応されるように充電電圧を変更して、その変更される充電電圧を第2基準電圧と比べて、それによるリセット信号を生成するリセット信号出力部と、
前記セット信号出力部から出力されるセット信号と前記リセット信号出力部から出力されるリセット信号によって球形波形態の出力信号及び反転出力信号を生成して、これらとして前記第1電流源及び第2電流源の出力電流を制御するSRラッチと、を含んで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置のブーストコンバータ。
【請求項3】
第1電流源及び第2電流源は、
前記カウンターによって制御される複数のスイッチと、
前記複数のスイッチのうちで一つと直列接続されて、お互いに並列接続された複数の電流源をそれぞれ具備したことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置のブーストコンバータ。
【請求項4】
カウンターは、
毎フレームが始まる度に垂直同期信号によってリセットされて、nビットのスイッチング制御信号を期設定された値に出力した後水平同期信号やデータイネーブル信号を一定なパターンでアップ/ダウンカウントして、それによるnビットのスイッチング制御信号を出力するアップ/ダウンカウンターと、
毎フレームが始まる度に垂直同期信号によってリセットされて、nビットのスイッチング制御信号を期設定された値に出力した後水平同期信号やデータイネーブル信号によって不規則なパターンでアップ/ダウンカウントして、それによるnビットのスイッチング制御信号を出力する擬似ランダムビット発生器と、
選択信号によって前記アップ/ダウンカウンターの出力信号や擬似ランダムビット発生器の出力信号を選択して、出力するマルチプレクサを含んで構成されたことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置のブーストコンバータ。
【請求項5】
アップ/ダウンカウンターは、選択信号によってアップ/ダウンカウント動作が決定されることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置のブーストコンバータ。
【請求項6】
擬似ランダムビット発生器は、前記選択信号によってランダムビット発生周期が決定されることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置のブーストコンバータ。
【請求項7】
発振器は、
グラウンド電圧の変化によって可変される周波数の信号を発振するRC発振回路と、
グラウンド電圧をそれぞれ他のいくつのレベルに分圧して、これらを選択的に出力するグラウンド電圧発生部と、
同期信号に同期して前記グラウンド電圧発生部でのグラウンド電圧選択動作を制御するカウンターと、を含んで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置のブーストコンバータ。
【請求項8】
グラウンド電圧発生部は、
グラウンド電圧VSSAをVSSA1、VSSA2、VSSA3レベルのグラウンド電圧に分圧する直列接続抵抗と、
前記分圧されたグラウンド電圧VSSA1、VSSA2、VSSA3をそれぞれバッファリングする複数のバッファーと、
前記バッファリングされたグラウンド電圧を選択的に出力するマルチプレクサを含んで構成されたことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置のブーストコンバータ。
【請求項9】
カウンターは、
毎フレームが始まる度に垂直同期信号によってリセットされて、nビットのスイッチング制御信号を期設定された値に出力した後水平同期信号やデータイネーブル信号を一定なパターンでアップ/ダウンカウントして、それによるnビットのスイッチング制御信号を出力するアップ/ダウンカウンターと、
毎フレームが始まる度に垂直同期信号によってリセットされて、nビットのスイッチング制御信号を期設定された期設定された値に出力した後水平同期信号やデータイネーブル信号を不規則なパターンでアップ/ダウンカウントして、それによるnビットのスイッチング制御信号を出力する擬似ランダムビット発生器と、
選択信号によって前記アップ/ダウンカウンターの出力信号や擬似ランダムビット発生器の出力信号を選択して出力するマルチプレクサを含んで構成されたことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置のブーストコンバータ。
【請求項10】
制御器は、
前記パネル駆動電圧の検出電圧を基準電圧と比べて、それによる信号を出力する第1比較機、前記パネル駆動電圧の検出電圧をソフトスタートのために設定された基準電圧と比べて、それによる第2モニタリング信号を出力する第2比較機、前記第1比較機の出力信号とオフタイムカウンターの出力信号をアンド演算して、それによる第1モニタリング信号を出力するアンドゲートを具備したパネル駆動電圧モニタリング部と、
垂直同期信号によってリセットされた後前記発振器から出力される発振信号のオンタイム区間をカウントするオンタイムカウンターと、
垂直同期信号によってリセットされた後前記発振器から出力される発振信号のオフタイム区間をカウントするオフタイムカウンターと、
前記アンドゲートから出力される第1モニタリング信号をセット端子で入力されて、前記オンタイムカウンターから出力される信号をリセット端子で入力されて、エラーが訂正されたスイッチングパルス形態のパルスを出力するSRラッチを含んで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置のブーストコンバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−239658(P2011−239658A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153999(P2010−153999)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(508038091)シリコン・ワークス・カンパニー・リミテッド (46)
【氏名又は名称原語表記】Silicon Works Co., LTD.
【Fターム(参考)】