説明

液晶表示装置の製造方法、液晶表示装置、電子機器

【課題】複数の液晶セル間における液晶層と視差分割部との距離を均一化する。
【解決手段】液晶セルと、前記液晶セルに接着された視差分割部とを備えた液晶表示装置の製造方法であって、第1基板に対向して第2基板を配置し、前記第1基板と前記第2基板との間に液晶部材を封入して複数の前記液晶セルで構成される液晶セル群を形成する液晶セル群形成工程と、前記液晶セル群の形態で、前記第1基板の厚みを低減化する薄板化処理工程と、低減化された前記第1基板の厚みを測定する板厚測定工程と、測定された前記第1基板の厚みに基づいて、前記液晶セル毎に、前記第1基板と前記視差分割部との間隔を補正する間隔補正工程と、前記第1基板と前記視差分割部とを接着する接着工程と、前記液晶セル群を複数の前記液晶セルに分割する分割工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置の製造方法、液晶表示装置、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置としては、素子基板と対向基板との間に液晶層が設けられた液晶セルと、液晶セルに貼り付けられたバリアマスク基板とを備えたものが知られている。当該液晶表示装置では、液晶セルの表面に、開口部を有するバリア層(視差バリア)が形成されたバリアマスク基板を一定の間隔(距離)をおいて重ねることで、2つの画像を異なる方向に同時に表示することができる。これは、視角を変えると、視差バリアによって異なる画素が遮光されることを利用したものである。特許文献1には、異なる方向に表示される2つの画像を用いて立体的な表示を行うことができる3次元画像表示装置が記載されている。また、表示画素と視差バリアとの距離を短くすることで、上記2つの画像の表示方向をより大きく異ならせることができる。これにより、例えば異なる観察者が当該2つの画像を斜め左右方向から別々に視認できるように(すなわち2画面表示ができるように)構成することもできる。この場合、液晶表示画素と視差バリアとの距離を短くするためには、液晶表示装置の視差バリア側のガラス基板(対向基板)を、例えば、100μm程度の厚さに薄板化する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2857429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、対向基板を化学的手法や機械的手法等によって薄板化した際に、対向基板の厚みにばらつきが生じる場合がある。特に、大判の基板中に、複数の液晶セル(液晶セル群)を形成した形態で、大判の基板を薄板化した場合には、さらに、大判の基板において基板の厚みにばらつきが生じ、各液晶セル間において対向基板と視差バリアとの間隔(距離)がばらついてしまう、という課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例にかかる液晶表示装置の製造方法は、液晶セルと、前記液晶セルに接着された視差分割部とを備えた液晶表示装置の製造方法であって、第1基板に対向して第2基板を配置し、前記第1基板と前記第2基板との間に液晶層を設けて複数の前記液晶セルで構成される液晶セル群を形成する液晶セル群形成工程と、前記液晶セル群の形態で、前記第1基板の厚みを低減化する薄板化処理工程と、低減化された前記第1基板の厚みを測定する板厚測定工程と、測定された前記第1基板の厚みに基づいて、前記液晶セル毎に、前記第1基板と前記視差分割部との間隔を補正する間隔補正工程と、前記第1基板と前記視差分割部とを接着する接着工程と、前記液晶セル群を複数の前記液晶セルに分割する分割工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、厚みが低減化された液晶セル群の第1基板の厚みが測定される。そして、測定された第1基板の厚みに基づいて、液晶セル毎に第1基板と視差分割部との間隔が補正される。これにより、例えば、第1基板の厚みを低減化した際に、各液晶セルに対応する第1基板の厚みがばらついたとしても、液晶セル毎に上記間隔が補正されるので、各液晶セル間における第1基板と視差分割部との距離のばらつきを低減させることができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例にかかる液晶表示装置の製造方法の前記間隔補正工程では、測定された前記第1基板の厚みに基づいて、前記液晶セル毎に、前記第1基板と前記視差分割部とを接着する接着剤の量を調整する接着剤量調整工程を含むことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、接着剤の量に応じて、第1基板と視差分割部との間隔が調整される。例えば、第1基板の厚みを低減化した際に、相対的に第1基板の厚みが薄い液晶セルに対しては、接着剤の量を多くすることにより、第1基板と視差分割部との間隔が広く(距離が長く)なるように調整することができる。一方、相対的に第1基板の厚みが厚い液晶セルに対しては、接着剤の量を少なくすることにより、第1基板と視差分割部との間隔が狭く(距離が短く)なるように調整することができる。このようにして、容易に各液晶セル間における第1基板と視差分割部との間隔(距離)のばらつきを低減させることができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例にかかる液晶表示装置の製造方法の前記接着層厚調整工程では、前記第1基板と前記視差分割部との間にスペーサーを配置するスペーサー配置工程を含むことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、スペーサーによって第1基板と視差分割部との間隔が規制される。従って、各液晶セル間における第1基板と視差分割部との距離を確実に確保することができる。
【0012】
[適用例4]上記適用例にかかる液晶表示装置の製造方法の前記スペーサー配置工程では、測定された前記第1基板の厚みに基づいて、前記スペーサーの材料を含む液状材料を前記第1基板上に塗布する塗布工程と、塗布された前記液状材料を固化して、前記スペーサーを形成する固化工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、各液晶セルに対応する第1基板上に、必要な箇所に必要な厚みのスペーサーを容易に形成することができる。
【0014】
[適用例5]上記適用例にかかる液晶表示装置の製造方法の前記スペーサー配置工程では、前記液晶セル毎に、高さが均一な前記スペーサーを配置することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、第1基板に基づいて、液晶セル毎に高さが均等なスペーサーが配置されるので、液晶セル間における第1基板と視差分割部との間隔のばらつきを低減させることができる。
【0016】
[適用例6]上記適用例にかかる液晶表示装置の製造方法の前記スペーサー配置工程では、測定された前記第1基板の厚みに基づいて、前記液晶層に接する前記第1基板の面から前記スペーサーの頂部までの距離が均一となる前記スペーサーを配置することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、第1基板の厚みに応じて、液晶層に接する第1基板の面からスペーサーの頂部まで間隔(距離)が均一となるスペーサーが配置される。すなわち、第1基板の厚みに応じて、液晶セル毎に高さ(厚み)が異なるスペーサーが配置される。従って、視差分割部を接着した際、液晶層に接する第1基板の面から視差分割部までの距離が、液晶セル群において均一化される。従って、各液晶セル間における第1基板と視差分割部との間隔(距離)のばらつきを低減させることができるとともに、液晶層と視差分割部との距離のばらつきを低減させることができる。
【0018】
[適用例7]上記適用例にかかる液晶表示装置の製造方法の前記スペーサー配置工程では、平面視において、前記視差分割部の形成領域内に対応する位置に前記スペーサーを配置することを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、平面視において、スペーサーが視差分割部の形成領域内に隠れる(重なる)ため、視認性を確保することができる。
【0020】
[適用例8]本適用例にかかる液晶表示装置は、上記液晶表示装置の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、高品位な液晶表示装置を提供することができる。
【0022】
[適用例9]本適用例にかかる電子機器は、上記液晶表示装置を搭載したことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、高品位な電子機器を提供することができる。この場合の電子機器としては、例えば、カーナビゲーションシステム用の表示装置や、モバイルコンピューター、携帯電話機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器などの各種の電子機器が該当する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態における液晶表示装置の構成を示す一部断面図。
【図2】第1実施形態における液晶表示装置の構成を示す平面図。
【図3】第1実施形態における液晶表示装置の構成を示す平面図。
【図4】液晶表示装置の視認表示を示す模式図。
【図5】第1実施形態における液晶表示装置の製造方法を示すフローチャート。
【図6】第1実施形態における液晶表示装置の製造方法を示す工程図。
【図7】第2実施形態における液晶表示装置の構成を示す一部断面図。
【図8】第2実施形態における液晶表示装置の構成を示す平面図。
【図9】第2実施形態における液晶表示装置の製造方法を示すフローチャート。
【図10】第2実施形態における液晶表示装置の製造方法を示す工程図。
【図11】液滴吐出装置の構成を示す斜視図。
【図12】ピエゾ方式による液状材料の吐出原理を示す模式図。
【図13】第3実施形態における液晶表示装置の構成を示す一部断面図。
【図14】第3実施形態における液晶表示装置の製造方法を示す工程図。
【図15】電子機器としてのカーナビゲーションシステム用の表示装置の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した第1〜第3実施形態について図面に従って説明する。なお、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材ごとに縮小を異ならせて図示している。
【0026】
[第1実施形態]
(液晶表示装置の構成)
まず、本実施形態にかかる液晶表示装置の構成について説明する。図1は、第1実施形態にかかる液晶表示装置の構成を示す一部断面図である。図2及び図3は、液晶表示装置の構成を示す平面図である。図1に示すように、液晶表示装置1Aは、液晶セル2と、視差分割部30と、液晶セル2と視差分割部30との間に設けられた接着層35とを備えている。
【0027】
液晶セル2は、対向基板10と、対向基板10に枠状のシール材45を介して対向して貼り合わされた素子基板20と、対向基板10と素子基板20との間に設けられた液晶層40を有している。
【0028】
対向基板10は、ガラス基板11と、ガラス基板11の液晶層40側の表面に設けられたカラーフィルター層12と、カラーフィルター層12の液晶層40側の表面に設けられた透光性を有するITO等からなる共通電極層13と、共通電極層13の液晶層40側の表面に設けられたポリイミド等からなる配向膜14とを備えている。
【0029】
カラーフィルター層12は、図2(a)に示すように、遮光性を有する黒系色の樹脂からなる遮光部14と、遮光層14によって区画された領域に形成されたカラーフィルター部とを備えている。カラーフィルター部は、例えば、赤色のカラーフィルター部12r、緑色のカラーフィルター部12g、青色のカラーフィルター部12bで構成されている。カラーフィルター部12は、入射した光のうち特定の波長の光を吸収する層であり、カラーフィルター部12によって透過光を所定の色(例えば、上記の例では、赤、緑、又は青)とすることができる。なお、各カラーフィルター部12r,12g,12b及び遮光部14の上に、透光性を有する樹脂からなるオーバーコートを積層し、その上に共通電極層13を形成してもよい。
【0030】
素子基板20は、ガラス基板21と、ガラス基板21の液晶層40側に設けられたTFT(Thin Film Transistor)素子、TFT素子に接続されたゲート線、データ線、及び画素電極等を含む回路素子層22と、回路素子層22の液晶層40側の表面に設けられたポリイミド等からなる配向膜23とを備えている。また、ガラス基板21の液晶層40側とは反対側の面には、偏光板46bが配置されている。なお、ガラス基板21と偏光板46bとの間には、適宜位相差板等を配置してもよい。そして、偏光板46bに対向する位置には、液晶表示装置1Aに向けて光を照射するバックライト等の照明部(図示省略)が配置されている。
【0031】
視差分割部30は、ガラス基板31と、ガラス基板31の液晶セル2側の表面に設けられた遮光性を有する複数の視差バリア32とを備えている。そして、隣接する視差バリア32との間には、開口部33が設けられている。ガラス基板31の液晶層40側とは反対側の面には、偏光板46aが配置されている。なお、視差分割部30と偏光板46aとの間には、適宜位相差板等を配置してもよい。
【0032】
液晶層40は、例えばTNモードとすることができる。共通電極層13と画素電極との間に駆動電圧が印加されると、液晶層40に電界が生じる。液晶層40内の液晶分子は、この電界に従って画素ごとに駆動され、配向状態が変化する。液晶表示装置1Aは、この液晶分子の配向状態に応じた偏光変換機能と、偏光板46a,46bの偏光選択機能とを利用して表示を行う。
【0033】
図2(a)は、液晶セル2の一部を拡大した平面図であり、同図(b)は、視差分割部30の一部を拡大した平面図である。図2は、液晶セル2と視差分割部30を張り合わせる前の状態を示している。これらを重ね合わせて貼り合せたものが図3(図1)に示す液晶表示装置1Aである。図2(b)中の網掛け部は、視差分割部30に形成された視差バリア32が存在する領域を表している。
【0034】
図2(a)に示すように、液晶セル2は、各カラーフィルター部12r,12g,12bに対応して、マトリクス状に配置された矩形の画素4r,4g,4b(以下ではまとめて「画素4」とも呼ぶ)を有しており、これらはそれぞれ赤、緑、青の表示を行う。画素4r,4g,4bは、図中のX軸方向にこの順に繰り返し配置されており、Y軸方向については、同一の色に対応する画素4が一列にストライプ状に並ぶように配置されている。また、以下では画素4のX軸方向についての列を画素列5と呼ぶ。
【0035】
各画素4は、第1画像又は第2画像のいずれかの表示に寄与する。第1画像を表示する画素4を画素4L、第2画像を表示する画素4を画素4Rとも呼ぶ。本実施形態では、画素4L,4Rは、画素列5の方向、すなわちX軸方向について交互に繰り返し配置されており、Y軸方向については各々が一列にストライプ状に並ぶように配置されている。
【0036】
視差分割部30に形成された視差バリア32は、図2(b)または図3に示すように、液晶セル2の法線方向から見て画素4Lと画素4Rとの間の遮光層14と略重なる領域に開口部33を有している。ここで、「画素4Lと画素4Rとの間」とは、図の右から左に向かう方向(すなわちX軸の負方向)に沿って画素4L、画素4Rがこの順に隣接している部位を言い、当該方向に沿って画素4R、画素4Lがこの順に隣接している部位は除かれる。したがって、開口部33は、X軸方向について、一つおきの遮光部14に対応する部位に設けられることとなる。また、開口部33の幅は、遮光部14の幅より若干広くなるように形成されている。
【0037】
ところで、液晶セル2のガラス基板11は、ケミカルエッチング又はCMP(Chemical Mechanical Polishing)等により約100μmの厚さに薄板化処理される。この処理によって、実質的に表示光が射出されるカラーフィルター層12と、視差バリア32の開口部33との距離が調節され、その結果、カラーフィルター層12から開口部33に至る光路の角度が調節される。これにより、例えば、第1画像及び第2画像を好適な角度に表示することができる。以下、2画像の表示方法について説明する。
【0038】
(液晶表示装置の2画像表示)
図4は、液晶表示装置1Aの2画像の表示方法を示す模式図である。なお、同図は、画素4b(画素4R)と画素4r(画素4L)との間に配置された開口部33を通る光に着目して描かれている。他の開口部33を通る光の振る舞いもこの図と同様である。また、この図においては、光路の説明の便宜上、ガラス基板11が厚く描かれており、また素子基板20に含まれる構成要素の描写は省略されている。
【0039】
画素4rからの表示光は、開口部33を通り、空気層に入射する際に屈折した後に、符号9rを付した角度範囲で視認される。同様にして、画素4g、画素4bからの表示光は、それぞれ符号9g,9bを付した角度範囲で視認される。角度範囲9rと角度範囲9b、角度範囲9rと角度範囲9g、及び角度範囲9bと角度範囲9gは、一部重複する。
【0040】
この結果、正面から左に分布する角度範囲VLでは、画素4bからの表示光は視差バリア32で遮蔽されて視認されず、画素4rからの表示光のみが視認される。一方、正面から右に分布する角度範囲VRでは、画素4rからの表示光は視差バリア32で遮蔽されて視認されず、画素4bからの表示光のみが視認される。換言すれば、角度範囲VLでは、画素4Lによる第1画像のみが視認され、角度範囲VRでは、画素4Rによる第2画像のみが視認される。このように、液晶表示装置1Aは、視差バリア32によって、視角に応じて異なる画素4を遮光することにより、角度範囲VL,VRにおいて2つの異なる画像を表示することができる。すなわち、視差バリア32によって、画素4L、画素4Rからの第1画像及び第2画像の表示を空間的に分離することができる。
【0041】
角度範囲VL,VRは、ガラス基板11の厚さによって調節することができ、その他、画素4のX軸方向についての配置ピッチや開口部33の幅、及び遮光層14の幅等にも依存する。本実施形態では、ガラス基板11の厚さは約100μm、画素4のX軸方向の配置ピッチは約70μmである。こうした構成によれば、例えば、ガラス基板11の法線方向から15度以上50度以下の範囲とすることができる。特に、ガラス基板11の法線方向から30度の角度において好適に第1画像又は第2画像を観察することができる。
【0042】
なお、角度範囲VL,VRに挟まれた正面方向の角度範囲VCにおいては、画素4b及び画素4rからの表示光がともに視認される。すなわち、角度範囲VCは、第1画像及び第2画像がともに表示される混在領域となっている。これは、開口部33のX軸方向の幅が、遮光層14のX軸方向の幅より広くなるように形成されているためである。
【0043】
このように、液晶表示装置1Aは、2つの異なる画像を異なる方向に同時に表示可能な、いわゆる2画面表示ディスプレイであり、そのためには、ガラス基板11を薄板化して、例えば50〜100μm程度に薄くすることが必要となる。
【0044】
ところで、ガラス基板11を薄板化した際、ガラス基板11の厚みにばらつきが生じる場合がある。特に、大判のガラス基板中に、複数の液晶セル2を形成した形態で、ガラス基板11を含む大判のガラス基板を薄板化した場合には、さらに、大判のガラス基板の厚みがばらついてしまう傾向にある。そうすると、液晶セル2間でガラス基板11の厚みが異なってしまい、ガラス基板11と視差バリア32との間隔が均一化されない。そこで、以下に、ガラス基板を薄板化して、当該ガラス基板の厚みにばらつきが生じた場合における液晶表示装置の製造方法について説明する。
【0045】
(液晶表示装置の製造方法)
本実施形態にかかる液晶表示装置の製造方法について説明する。図5は、本実施形態にかかる液晶表示装置の製造方法を示すフローチャートであり、図6は、本実施形態にかかる液晶表示装置の製造方法を示す工程図である。なお、本実施形態では、説明を容易にするため、大判のガラス基板中に、2つの液晶セル2a,2bを形成した場合を例に説明する。
【0046】
本実施形態にかかる液晶表示装置1A(1Aa,1Ab)の製造方法は、ガラス基板11(11a,11b)を含む第1基板11Aに対向してガラス基板21(21a,21b)を含む第2基板21Aを配置し、第1基板11Aと第2基板21Aとの間に液晶層40(40a,40b)を配置して複数の液晶セル2(2a,2b)で構成される液晶セル群2Aを形成する液晶セル群形成工程S10と、液晶セル群2Aの形態で、第1基板11Aの厚みを低減化する薄板化処理工程S11と、低減化された第1基板11Aの厚みを測定する板厚測定工程S12と、測定された第1基板11Aの厚みに基づいて、液晶セル2毎に、第1基板11Aと視差分割部30との間隔を補正する間隔補正工程S30と、第1基板11Aと視差分割部30とを接着する接着工程S31と、液晶セル群2Aを複数の液晶セル2に分割する分割工程S13と、を含むものである。
【0047】
図5に示すように、各工程S10〜S13は、複数の液晶セル2を形成する工程であり、工程S20が視差分割部30を形成する工程である。工程S30及びS31は、液晶セル2と視差分割部30とを接着させて液晶表示装置1A(1Ab,1Ab)を完成させるための工程である。ここで、工程S10〜S13と、工程S20は、それぞれ独立して行われる。
【0048】
まず、液晶セル群形成工程S10では、図6(a)に示すように、ガラス基板11a,11bを含む第1基板11Aに対向してガラス基板21a,21bを含む第2基板21Aを配置し、第1基板11Aと第2基板21Aとの間に液晶層40a,40bを配置して複数の液晶セル2a,2bで構成される液晶セル群2Aを形成する。
【0049】
液晶セル群形成工程S10における第1基板11Aには、予め、各液晶セル2a,2bに対応するガラス基板11a,11bのそれぞれに、カラーフィルター層12、共通電極層13及び配向膜14を形成する。例えば、常圧又は減圧CVD法、スピンコート法、フォトリソグラフィー法等の各種の成膜手法を用いて、上記部材を形成することができる。なお、図6中では、カラーフィルター層12、共通電極層13及び配向膜14を省略して示している。
【0050】
また、液晶セル群形成工程S10における第2基板21Aには、予め、各液晶セル2a,2bに対応するガラス基板21a,21bのそれぞれに、回路素子層22及び配向膜23を形成する。例えば、常圧又は減圧CVD法、スピンコート法、フォトリソグラフィー法等の各種の成膜手法を用いて、上記部材を形成することができる。なお、図6中では、回路素子層22及び配向膜23を省略して示している。
【0051】
そして、液晶セル2a,2bに対応する第1基板11Aと第2基板21Aとを枠状のシール材45を介して貼り合わせる。より詳しくは、まず、第1基板11A又は第2基板21Aの少なくとも一方の、液晶セル2a,2bに対応する第1基板11A又は第2基板21Aの所定の部位に、スクリーン印刷法又はディスペンサー塗布法等によって枠状のシール材を塗布する。続いて、第1基板11Aと第2基板21Aとを位置合わせし、圧着する。その後、シール材45を乾燥させて第1基板11Aと第2基板21Aとを貼り合わせる。シール材45には、後に液晶層40となる液晶材料を注入するための注入口を設けておく。
【0052】
次に、シール材45によって囲まれた空間に液晶材料を注入し、封止剤によって封止する。液晶材料の注入は、真空下において注入口に液晶材料を滴下し、毛細管現象によって空間に液晶材料を導入する。また、封止は、注入口に紫外線硬化性樹脂を塗布し、その後当該紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して硬化させることによって行う。こうして、複数の液晶セル2a,2bで構成された液晶セル群2Aが形成される。なお、本実施形態では、液晶セルの形成方法として真空注入方式の方法を示したが、これに限定されるものではなく、たとえば真空貼り合わせ方式でもかまわない。
【0053】
薄板化処理工程S11では、図6(b)に示すように、第1基板11Aを薄板化して、第1基板11Aの厚みを低減化する。例えば、ケミカルエッチング又はCMP等により第1基板11Aを約100μmの厚さに薄板化処理する。この際、第1基板11Aの厚みにばらつきが発生する場合がある。すなわち、各液晶セル2a,2bに対応する第1基板11Aの厚みが異なる場合がある。以下において、第1基板11Aの厚みが各液晶セル2a,2b間で異なる場合について説明する。なお、本実施形態では、図6(b)に示すように、液晶セル2bに対応する第1基板11Aの一端部から液晶セル2aに対応する第1基板11Aの一端部に向けて、第1基板11Aの厚みが徐々に薄くなって薄板化された場合について説明する。
【0054】
板厚測定工程S12では、薄板化処理された第1基板11Aの厚みを測定する。測定方法としては、レーザー光、超音波等を用いた非接触測定のほか、ダイヤルゲージ等を用いた接触測定等で行うことができる。
【0055】
分割工程S13では、液晶セル群2Aを複数の液晶セル2a,2bに分割する。これにより、図6(c)に示すように、単体の液晶セル2a,2bが形成される。分割方法としては、例えば、液晶セル2a,2bに対応する第1基板11A及び第2基板21Aの表面にスクライブ溝を形成する。そして、両基板11A,21Aに外力を印加することにより、スクライブ溝に倣って切断することができる。なお、他の分割方法としては、例えば、ダイサーやレーザー光を利用して、両基板11A,21Aを切断してもよい。
【0056】
視差分割部形成工程S20では、ガラス基板31の表面に視差バリア32を形成して、視差分割部を形成する。具体的には、例えば、ガラス基板31上に遮光性の樹脂をスピンコート法によって塗布して樹脂層を形成し、当該樹脂層をフォトリソグラフィー法によってパターニングすることによって行うことができる。なお、ガラス基板31は、単体として、破損しにくくかつ取扱いが容易である厚さを有していることが好ましい。具体的には、0.4mm以上の厚さを有していることが好ましい。なお、本実施形態では、視差バリア32を樹脂層で形成する例を示したが、これに限定されるものではなく、たとえば金属膜で形成することもできる。
【0057】
次に、間隔補正工程S30では、測定された第1基板11Aの厚みに基づいて、液晶セル2a,2b毎に、第1基板11Aと視差分割部30との間隔を補正する。本実施形態では、液晶セル2a,2b毎に、第1基板11Aと視差分割部30とを接着する接着剤の量を調整する接着剤量調整工程を含む。具体的には、複数の液晶セル2a,2b間におけるガラス基板11a,11bと視差分割部30の視差バリア32との間隔が均一となるように、各液晶セル2a,2b毎に、接着剤の量を調整する。本実施形態の例では、液晶セル2aのガラス基板11aが、液晶セル2bのガラス基板11bよりも、相対的に板厚が薄いので、液晶セル2aのガラス基板11aに塗布する接着剤の量を、液晶セル2bのガラス基板11bに塗布する接着剤の量よりも多くする。
【0058】
接着工程S31では、液晶セル2a,2bと視差分割部30とを接着する。具体的には、図6(d)に示すように、液晶セル2a,2b毎に塗布された接着剤を介して、液晶セル2a,2bと視差分割部30とを接着する。そして、接着剤を乾燥等により固化する。
【0059】
その後、図6(d)に示すように、視差分割部30のガラス基板31及び素子基板20の外側に、それぞれ偏光板46a、偏光板46bを貼り付ける。
【0060】
以上の工程を経ることにより、液晶表示装置1Aa,1Abが完成する。
【0061】
従って、第1実施形態によれば、以下に示す効果がある。
【0062】
(1)液晶セル群2Aの状態で第1基板11Aを薄板化した際に、複数の液晶セル2a,2b間において、液晶セル2a,2bに対応する第1基板11Aの厚みにばらつきが発生した場合であっても、液晶セル2a,2b毎に接着剤の量を調整することにより、ガラス基板11a,11bと視差バリア32との間隔が調整でき、液晶セル2a,2b間におけるガラス基板11a,11bと視差バリア32との間隔を均一化することができる。
【0063】
(2)液晶セル2a,2b間における品質ばらつきが低減され、液晶表示装置1Aを高い歩留りで製造することができる。これにより、不良等により発生する廃棄物の量を削減することができる。
【0064】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、図面において、第1実施形態と同様な部材については、第1実施形態と同様の符号を付している。
【0065】
(液晶表示装置の構成)
まず、本実施形態にかかる液晶表示装置の構成について説明する。図7は、第2実施形態にかかる液晶表示装置の構成を示す断面図である。図8は、液晶表示装置の構成を示す平面図である。図7に示すように、液晶表示装置1Bは、液晶セル2と、視差分割部30と、液晶セル2と視差分割部30との間に設けられた接着層35とを備えている。さらに、液晶セル2と視差分割部30との間にスペーサー50が配置されている。
【0066】
液晶セル2は、対向基板10と、対向基板10に枠状のシール材45を介して対向して貼り合わされた素子基板20と、対向基板10と素子基板20との間に設けられた液晶層40を有している。
【0067】
対向基板10は、ガラス基板11と、ガラス基板11の液晶層40側の表面に設けられたカラーフィルター層12と、カラーフィルター層12の液晶層40側の表面に設けられた透光性を有するITO等からなる共通電極層13と、共通電極層13の液晶層40側の表面に設けられたポリイミド等からなる配向膜14とを備えている。
【0068】
カラーフィルター層12及び視差分割部30の構成等については、第1実施形態と同様なので説明を省略する(図2,3参照)。
【0069】
素子基板20は、ガラス基板21と、ガラス基板21の液晶層40側に設けられたTFT(Thin Film Transistor)素子、TFT素子に接続されたゲート線、データ線、及び画素電極等を含む回路素子層22と、回路素子層22の液晶層40側の表面に設けられたポリイミド等からなる配向膜23とを備えている。また、ガラス基板21の液晶層40側とは反対側の面には、偏光板46bが配置されている。なお、ガラス基板21と偏光板46bとの間には、適宜位相差板等を配置してもよい。そして、偏光板46bに対向する位置には、液晶表示装置1Bに向けて光を照射するバックライト等の照明部(図示省略)が配置されている。液晶層40は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0070】
液晶セル2と視差分割部30との間には、複数のスペーサー50が配置されている。これにより、液晶セル2と視差分割部30との間の間隔が規制される。本実施形態では、スペーサー50は、ガラス基板11と視差バリア32との間に配置されている。そして、スペーサー50は、断面視において、略半球形状であり、液晶セル2内において高さが均一である。当該スペーサー50は、例えば、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂によって形成されている。
【0071】
スペーサー50は、図8に示すように、平面視において、視差バリア32の形成領域内に対応する位置に配置されている。すなわち、平面視において、スペーサー50が、視差バリア32によって隠れる(重なる)位置に配置されている。これにより、画像の視認性の低下を防止することができる。具体的なスペーサー50の平面形状や配置状態としては、例えば、図8(a)に示すように、ドット形状を有し、略等間隔で配置されている。他の例としては、例えば、図8(b)に示すように、ライン形状を有し、略等間隔で配置されている。
【0072】
なお、本実施形態の液晶表示装置1Bの2画像表示方法については、第1実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0073】
(液晶表示装置の製造方法)
次に、本実施形態にかかる液晶表示装置の製造方法について説明する。図9は、本実実施形態にかかる液晶表示装置の製造方法を示すフローチャートであり、図10は、本実施形態にかかる液晶表示装置の製造方法を示す工程図である。
【0074】
本実施形態にかかる液晶表示装置1Bの製造方法は、図9に示すように、ガラス基板11(11a,11b)を含む第1基板11Aに対向してガラス基板21(21a、21b)を含む第2基板21Aを配置し、第1基板11Aと第2基板21Aとの間に液晶層40(40a,40b)を配置して複数の液晶セル2(2a,2b)で構成される液晶セル群2Bを形成する液晶セル群形成工程S40と、液晶セル群2Bの形態で、第1基板11Aの厚みを低減化する薄板化処理工程S41と、低減化された第1基板11Aの厚みを測定する板厚測定工程S42と、測定された第1基板11Aの厚みに基づいて、液晶セル2毎に、第1基板11Aと視差分割部30との間隔を補正する間隔補正工程S43と、第1基板11Aと視差分割部30とを接着する接着工程S60と、液晶セル群2Bを複数の液晶セル2に分割する分割工程S61と、を含むものである。さらに、本実施形態の間隔補正工程S43は、第1基板11Aと視差分割部30との間にスペーサー50を配置するスペーサー配置工程を含み、当該スペーサー配置工程は、測定された第1基板11Aの厚みに基づいて、スペーサー50の材料を含む液状材料を第1基板11A上に塗布する塗布工程と、塗布された液状材料を固化して、スペーサー50を形成する固化工程と、を有している。
【0075】
なお、図9に示すように、各工程S40〜S43は、主に、複数の液晶セル2を形成する工程であり、工程S50が視差分割部30を形成する工程である。工程S60は、液晶セル2と視差分割部30とを接着させて液晶表示装置1B(1Bb,1Bb)を完成させるための工程である。ここで、工程S40〜S43と、工程S50は、それぞれ独立して行われる。なお、本実施形態のスペーサー配置工程では、スペーサー50の材料を含む液状材料を液滴として吐出して、第1基板11A上に液状材料を塗布する液滴吐出装置を用いる。そこで、液晶表示装置1Bの製造方法の説明に先立ち、まず、液滴吐出装置について説明する。
【0076】
図11は、液滴吐出装置の構成を示す斜視図である。液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1001と、X軸方向駆動軸1004と、Y軸方向ガイド軸1005と、制御装置CONTと、ステージ1007と、クリーニング機構1008と、基台1009と、ヒーター1015等を備えている。
【0077】
ステージ1007は、液状材料が塗布されるワークWを支持するものであって、ワークWを基準位置に固定する図示は省略の固定機構を備えている。
【0078】
液滴吐出ヘッド1001は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、長手方向とX軸方向とを一致させている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド1001の下面に一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド1001の吐出ノズルからは、ステージ1007に支持されているワークWに対して、液状材料を液滴として吐出して、ワークW上に液状材料を塗布すうように構成されている。
【0079】
X軸方向駆動軸1004には、X軸方向駆動モーター1002が接続されている。このX軸方向駆動モーター1002は、ステッピングモーター等からなるもので、制御装置CONTからX軸方向の駆動信号が供給されると、X軸方向駆動軸1004を回転させる。X軸方向駆動軸1004が回転すると、液滴吐出ヘッド1001はX軸方向に移動する。
【0080】
Y軸方向ガイド軸1005は、基台1009に対して動かないように固定されている。ステージ1007は、Y軸方向駆動モーター1003を備えている。Y軸方向駆動モーター1003はステッピングモーター等であり、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ1007をY軸方向に移動する。
【0081】
制御装置CONTは、液滴吐出ヘッド1001に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。また、X軸方向駆動モーター1002に液滴吐出ヘッド1001のX軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を、Y軸方向駆動モーター1003にステージ1007のY軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
【0082】
クリーニング機構1008は、液滴吐出ヘッド1001をクリーニングするものである。クリーニング機構1008には、図示は省略のY軸方向の駆動モーターが備えられている。このY軸方向の駆動モーターの駆動により、クリーニング機構は、Y軸方向ガイド軸1005に沿って移動する。クリーニング機構1008の移動も制御装置CONTにより制御される。
【0083】
ヒーター1015は、ここではランプアニールによりワークWを熱処理する手段であり、ワークW上に配置された液状材料に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行う。このヒーター1015の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
【0084】
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1001とワークWを支持するステージ1007とを相対的に走査しつつ、ワークWに対して、液滴吐出ヘッド1001の下面にX軸方向に配列された複数の吐出ノズルから液滴を吐出するようになっている。
【0085】
図12は、ピエゾ方式による液状材料の吐出原理を示す模式図である。図12において、液状材料を収容する液体室1021に隣接してピエゾ素子1022が設置されている。液体室1021には、液状材料を収容する材料タンクを含む液体材料供給系1023を介して液状材料が供給される。ピエゾ素子1022は駆動回路1024に接続されており、この駆動回路1024を介してピエゾ素子1022に電圧を印加し、ピエゾ素子1022を変形させることにより、液体室1021が変形し、吐出ノズル1025から液状材料が吐出される。この場合、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子1022の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子1022の歪み速度が制御される。ピエゾ方式による液滴吐出は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
【0086】
ここで、液晶表示装置1Bの製造方法の説明に戻る。なお、本実施形態では、説明を容易にするため、2つの液晶セル2a,2bを形成した場合を例に説明する。まず、液晶セル群形成工程S40では、図10(a)に示すように、ガラス基板11a,11bを含む第1基板11Aに対向してガラス基板21a,21bを含む第2基板21Aを配置し、第1基板11Aと第2基板21Aとの間に液晶層40a,40bを配置して複数の液晶セル2a,2bで構成される液晶セル群2Aを形成する。なお、液晶セル群形成工程S40の具体的な方法等については、第1実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0087】
薄板化処理工程S41では、図10(b)に示すように、第1基板11Aを薄板化して、第1基板11Aの厚みを低減化する。例えば、ケミカルエッチング又はCMP等により第1基板11Aを約100μmの厚さに薄板化処理する。この際、第1基板11Aの厚みにばらつきが発生する場合がある。すなわち、各液晶セル2a,2bに対応する第1基板11Aの厚みが異なる場合がある。以下において、第1基板11Aの厚みが各液晶セル2a,2b間で異なる場合について説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様に、液晶セル2bに対応する第1基板11Aの端部から液晶セル2aに対応する第1基板11Aの端部に向けて、第1基板11Aの厚みが徐々に薄くなって薄板化処理された場合について説明する。
【0088】
板厚測定工程S42では、薄板化処理された第1基板11Aの厚みを測定する。測定方法としては、レーザー光、超音波等を用いた非接触測定のほか、ダイヤルゲージ等を用いた接触測定等で行うことができる。
【0089】
次に、間隔補正工程S43では、測定された第1基板11Aの厚みに基づいて、液晶セル2a,2b毎に、第1基板11Aと視差分割部30との間隔を補正する。本実施形態では、第1基板11Aと視差分割部30との間にスペーサー50を配置する。具体的には、液滴吐出装置IJを用いて、スペーサー50を形成する。以下に、スペーサー50の形成方法にかかる塗布工程と固化工程について説明する。
【0090】
まず、塗布工程では、図10(c)に示すように、液滴吐出装置IJを用いて、測定された第1基板11Aの厚みに基づいて、スペーサー50の材料を含む液状材料を液滴Dとして吐出し、第1基板11A上に液状材料50a’,50b’を塗布する。この際、複数の液晶セル2a,2b間におけるガラス基板11a,11bと視差分割部30の視差バリア32との間隔が均一となるように、各液晶セル2a,2b毎に、液状材料50a’,50b’の塗布量を調整する(吐出量を調整する)。本実施形態の例では、液晶セル2aに対応する第1基板11Aが、液晶セル2bに対応する第1基板11Aよりも、相対的に板厚が薄いので、液晶セル2aに対応する第1基板11Aに塗布する液状材料50a’の量を、液晶セル2bに対応する第1基板11Aに塗布する液状材料50b’の量よりも多くする。換言すれば、液状材料50a’高さを液状材料50b’の高さよりも高くする。また、液晶セル2a、2bと視差バリア32の接着位置を考慮して、平面視において、視差バリア32の形成領域内に対応する第1基板11A上の位置に液状材料50a’,50b’を塗布する。
【0091】
次に、固化工程では、塗布された液状材料50a’,50b’を固化する。固化することにより、スペーサー50a,50bが形成される。ここで、図10(d)に示すように、スペーサー50a,50bは、各液晶セル2a,2b内において高さが均一であるが、第1基板11Aの厚みに応じて液状材料50a’,50b’を塗布したため、液晶セル2a,2b間においては、それぞれ高さが異なる。本実施形態では、液晶セル2aに対応するスペーサー50aの方が、液晶セル2bに対応するスペーサー50bよりも高さが高く形成される。
【0092】
一方、視差分割部形成工程S50では、第1実施形態と同様にして、ガラス基板31の表面に視差バリア32を形成することにより、視差分割部30を形成する。
【0093】
接着工程S60では、液晶セル2a,2bと視差分割部30とを接着する。具体的には、図10(e)に示すように、接着剤を介して、液晶セル2a,2bと視差分割部30とを接着する。この際、スペーサー50a,50bによって、第1基板11Aと視差分割部30との間隔が規制される。
【0094】
分割工程S61では、液晶セル群2Bを複数の液晶セル2a,2bに分割する。分割方法としては第1実施形態と同様なので説明を省略する。その後、図10(f)に示すように、視差分割部30のガラス基板31及び素子基板20の外側に、それぞれ偏光板46a、偏光板46bを貼り付ける。
【0095】
以上の工程を経ることにより、液晶表示装置1Ba,1Bbが完成する。
【0096】
従って、第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、以下に示す効果がある。
【0097】
(1)液晶セル群2Bの状態で第1基板11Aを薄板化した際に、複数の液晶セル2a,2b間において、液晶セル2a,2bに対応する第1基板11Aの厚みにばらつきが発生した場合であっても、液晶セル2a,2b毎に、第1基板11Aと視差バリア32との間に、第1基板11の厚みに応じた高さを有するスペーサー50a,50bを設けることにより、ガラス基板11a,11bと視差バリア32との間隔が調整でき、液晶セル2a,2b間におけるガラス基板11a,11bと視差バリア32との間隔を均一化させることができる。
【0098】
(2)液滴吐出装置IJを用いて、スペーサー50a,50bの材料を含む液状材料50a’,50b’を第1基板11Aに塗布した。これにより、必要な箇所に必要な厚みのスペーサー50a,50bを容易に形成することができる。
【0099】
(3)平面視において、視差バリア32の形成領域内に対応する位置にスペーサー50を形成した。これにより、カラーフィルター層12を透過した光は、スペーサー50a,50bを介することなく開口部33を透過するため、視認性を確保することができる。
【0100】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。図面において、第1又は第2実施形態と同様な部材については、第1又は第2実施形態と同様の符号を付している。
【0101】
(液晶表示装置の構成)
まず、本実施形態にかかる液晶表示装置の構成について説明する。図13は、本実施形態にかかる液晶表示装置の構成を示す断面図である。図13に示すように、液晶表示装置1Cは、液晶セル2と、視差分割部30と、液晶セル2と視差分割部30との間にもうけられた接着層35とを備えている。さらに、液晶セル2と視差分割部30との間にスペーサー51が配置されている。
【0102】
液晶セル2は、対向基板10と、対向基板10に枠状のシール材45を介して対向して貼り合わされた素子基板20と、対向基板10と素子基板20との間に設けられた液晶層40を有している。
【0103】
対向基板10は、ガラス基板11と、ガラス基板11の液晶層40側の表面に設けられたカラーフィルター層12と、カラーフィルター層12の液晶層40側の表面に設けられた透光性を有するITO等からなる共通電極層13と、共通電極層13の液晶層40側の表面に設けられたポリイミド等からなる配向膜14とを備えている。
【0104】
カラーフィルター層12及び視差分割部30の構成等については、第1実施形態と同様なので説明を省略する(図2,3参照)。
【0105】
素子基板20は、ガラス基板21と、ガラス基板21の液晶層40側に設けられたTFT(Thin Film Transistor)素子、TFT素子に接続されたゲート線、データ線、及び画素電極等を含む回路素子層22と、回路素子層22の液晶層40側の表面に設けられたポリイミド等からなる配向膜23とを備えている。また、ガラス基板21の液晶層40側とは反対側の面には、偏光板46bが配置されている。なお、ガラス基板21と偏光板46bとの間には、適宜位相差板等を配置してもよい。そして、偏光板46bに対向する位置には、液晶表示装置1Cに向けて光を照射するバックライト等の照明部(図示省略)が配置されている。液晶層40は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0106】
液晶セル2と視差分割部30との間には、複数のスペーサー51が配置されている。これにより、液晶セル2と視差分割部30との間の間隔が規制される。本実施形態では、スペーサー51は、ガラス基板11と視差バリア32との間に配置されている。そして、スペーサー51は、断面視において、略半球形状であり、液晶層40に接する対向基板10の面から各スペーサー51の頂部までの距離が均一となるように形成されている。なお、スペーサー51の配置位置等については、第2実施形態と同様なので説明を省略する(図8参照)。また、本実施形態の液晶表示装置1Cの2画像表示方法については、第1実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0107】
(液晶表示装置の製造方法)
次に、本実施形態にかかる液晶表示装置の製造方法について説明する。図14は、本実実施形態にかかる液晶表示装置の製造方法を示す工程図である。なお、本実施形態にかかる液晶表示装置の製造方法を示すフローチャートは、第2実施形態と同様である(図9参照)。なお、本実施形態では、説明を容易にするため、2つの液晶セル2a,2bを形成した場合を例に説明する。
【0108】
本実施形態にかかる液晶表示装置1Cの製造方法は、ガラス基板11a,11bを含む第1基板11Aに対向してガラス基板21a,21bを含む第2基板21Aを配置し、第1基板11Aと第2基板21Aとの間に液晶層40a,40bを配置して複数の液晶セル2a,2bで構成される液晶セル群2Cを形成する液晶セル群形成工程S40と、液晶セル群2Cの形態で、第1基板11Aの厚みを低減化する薄板化処理工程S41と、低減化された第1基板11Aの厚みを測定する板厚測定工程S42と、測定された第1基板11Aの厚みに基づいて、液晶セル2毎に、第1基板11Aと視差分割部30との間隔を補正する間隔補正工程S43と、第1基板11Aと視差分割部30とを接着する接着工程S60と、液晶セル群2Aを複数の液晶セル2に分割する分割工程S61と、を含むものである。さらに、本実施形態の間隔補正工程S43は、第1基板11Aと視差分割部30との間にスペーサー51を配置するスペーサー配置工程を含み、当該スペーサー配置工程は、測定された第1基板11Aの厚みに基づいて、スペーサー51の材料を含む液状材料を第1基板11A上に塗布する塗布工程と、塗布された液状材料を固化して、スペーサー51を形成する固化工程と、を有している。
【0109】
まず、液晶セル群形成工程S40では、図14(a)に示すように、ガラス基板11a,11bを含む第1基板11Aに対向してガラス基板21a,21bを含む第2基板21Aを配置し、第1基板11Aと第2基板21Aとの間に液晶層40a,40bを配置して複数の液晶セル2a,2bで構成される液晶セル群2Cを形成する。なお、液晶セル群形成工程S40の具体的な方法等については、第1実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0110】
薄板化処理工程S41では、図14(b)に示すように、第1基板11Aの厚みを低減化する。例えば、ケミカルエッチング又はCMP等により第1基板11Aを約100μmの厚さに薄板化処理する。この際、第1基板11Aの厚みにばらつきが発生する場合がある。すなわち、各液晶セル2a,2bに対応する第1基板11Aの厚みが異なる場合がある。以下において、第1基板11Aの厚みが各液晶セル2a,2b間で異なる場合について説明する。なお、本実施形態では、第1及び第2実施形態と同様に、液晶セル2bに対応する第1基板11Aの端部から液晶セル2aに対応する第1基板11Aの端部に向けて、第1基板11Aの厚みが徐々に薄くなって薄板化処理された場合について説明する。
【0111】
板厚測定工程S42では、薄板化処理された第1基板11Aの厚みを測定する。測定方法としては、レーザー光、超音波等を用いた非接触測定のほか、ダイヤルゲージ等を用いた接触測定等、種々の方法で行うことができる。
【0112】
次に、間隔補正工程S43では、測定された第1基板11Aの厚みに基づいて、液晶セル2a,2b毎に、第1基板11Aと視差分割部30との間隔を補正する。本実施形態では、第1基板11Aと視差分割部30との間にスペーサー51を配置する。具体的には、液滴吐出装置IJを用いて、スペーサー51を形成する。以下に、スペーサー51の形成方法として、塗布工程と固化工程について説明する。
【0113】
まず、塗布工程では、図14(c)に示すように、液滴吐出装置IJを用いて、測定された第1基板11Aの厚みに基づいて、スペーサー51の材料を含む液状材料を液滴Dとして吐出し、第1基板11A上に液状材料51’を塗布する。この際、液晶層40に接する第1基板11Aの面から液状材料51’の頂部までの距離が均一となるように、第1基板11A上の塗布位置に応じて液状材料51’の塗布量を調整する(吐出量を調整する)。本実施形態の例では、第1基板11Aの板厚が、液晶セル2bから液晶セル2aに向けて徐々に薄くなっているので、液晶セル2bから液晶セル2aに向けて、第1基板11Aに塗布する液状材料51’の量を多くしていく。換言すれば、液状材料51’の高さを第1基板11Aに厚みに応じて徐々に高くする。なお、塗布方向は、上記の方向に限定されず、液晶セル2aから液晶セル2bの方向に液晶材料51’を塗布してもよい。そして、液晶セル2a、2bと視差バリア32との接着位置を考慮して、平面視において、視差バリア32の形成領域内に対応する第1基板11A上の位置に液状材料51’を塗布する。
【0114】
次に、固化工程では、塗布された液状材料51’を固化する。固化することにより、図14(d)に示すように、第1基板11A上には、液晶層40a,40bに接する第1基板11Aの面から各スペーサー51の頂部までの距離が均一となるスペーサー51が形成される。すなわち、第1基板11Aの厚みに応じて、高さが異なるスペーサー51が形成される。
【0115】
一方、視差分割部形成工程S50では、第1実施形態と同様にして、ガラス基板31の表面に視差バリア32を形成することにより、視差分割部30を形成する。
【0116】
接着工程S60では、第1基板11Aと視差分割部30とを接着する。具体的には、図14(e)に示すように、接着剤を介して、第1基板11Aと視差分割部30とを接着する。この際、スペーサー51によって、第1基板11Aと視差バリア32との間隔が規制される。そして、スペーサー51は、液晶層40に接する第1基板11Aの面から各スペーサー51の頂部までの距離が均一であるため、液晶層40に接する第1基板11Aの面から視差バリア32との距離が均一化される。すなわち、液晶層40に接する第1基板11Aの面と視差分割部30の視差バリア32の頂部面とが平行となる。
【0117】
分割工程S61では、液晶セル群2Cを複数の液晶セル2a,2bに分割する。分割方法としては、ダイサーやレーザー光を利用して、両基板11A,21A、31Aを切断することができる。その後、図14(f)に示すように、視差分割部30のガラス基板31及び素子基板20の外側に、それぞれ偏光板46a、偏光板46bを貼り付ける。
【0118】
以上の工程を経ることにより、液晶表示装置1Ca,1Cbが完成する。
【0119】
従って、第3実施形態によれば、第1及び第2実施形態の効果に加え、以下に示す効果がある。
【0120】
(1)液晶セル群2Cの状態で第1基板11Aを薄板化した際に、複数の液晶セル2a,2b間において、液晶セル2a,2bに対応する第1基板11Aの厚みにばらつきが発生した場合であっても、第1基板11Aの厚みに応じて、液晶層40に接する第1基板11Aの面と視差バリア32の頂部面とが平行となるように高さ調整されたスペーサー51を設けることにより、液晶セル2a,2b間におけるガラス基板11a,11bと視差バリア32との間隔を均一化させることができる。
【0121】
(2)液晶セルを分割する前の状態で基板31の貼り合わせを行うことができる。個々の液晶セルに分割した基板31を貼り合わせる場合は、個々の液晶セルごとに位置あわせが必要となる。また、分割した後の液晶セルの大きさは製品の種類により異なるため、製品の種類ごとに治工具を用意する必要がある。一方、分割する前に貼りあわせを行う第三の実施例の場合、位置合わせは1回で良く、治工具も分割前の基板の大きさに合わせた1種類を用意すれば良い。したがって、より低コストで製品を作ることが出来る。
【0122】
(電子機器の構成)
次に、第1〜第3実施形態の液晶表示装置を搭載した電子機器の構成について説明する。図15は、電子機器としてのカーナビゲーションシステム用の表示装置の構成を示す斜視図である。図15に示すように、カーナビゲーションシステム用の表示装置100は、画像等を表示する表示領域110を有する。そして、表示領域110には、液晶表示装置1A(1B,1C)が搭載されている。当該カーナビゲーションシステム用の表示装置100の構成によれば、搭載された液晶表示装置1によって、2つの画像を異なる方向に同時に表示することができる。例えば、運転席側に地図の画像を表示するとともに、助手席側に映画の画像を表示することができる。
【0123】
なお、液晶表示装置1を搭載した電子機器としては、カーナビゲーションシステム用の表示装置100の他、モバイルコンピューター、携帯電話機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器などの各種電子機器に適用することができる。
【0124】
なお、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形例が挙げられる。
【0125】
(変形例1)第1〜第3実施形態では、視差バリア32を有する液晶表示装置1A(1B,1C)について説明したが、視差バリア32に代えて、レンチキュラーレンズを有する視差分割部30を構成してもよい。レンチキュラーレンズを備えた液晶表示装置を製造するためには、上記実施形態の製造方法において、第1の基板としてのガラス基板31上にレンチキュラーレンズを配置、固定したものを、視差分割部30と置き換えればよい。そして、レンチキュラーレンズと第1基板11Aとの間の接着剤の量を調整、或いは、レンチキュラーレンズと第1基板11Aとの間にスペーサー50(51)を形成すればよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
【0126】
(変形例2)第1〜第3実施形態における液晶セル2に含まれる液晶層40のモードは、TNモードに限られず、VA(VerticalAlignment:垂直配向)、IPS(In Plain Switching)、FFS(Fringe Field Switching)、STN(Super Twisted Nematic)等、種々のモードを採用することができる。これらのモードの中では、広視野角の得られるVA、IPS、FFSが好適である。液晶層40を広視野角の得られるモードとすれば、正面から左右に傾いた視角において視認される第1画像及び第2画像を高輝度かつ高品位に表示することができる。
【0127】
(変形例3)第1〜第3実施形態における液晶表示装置1A(1B,1C)は、2つの画像を同時に表示するものについて説明したが、これに限定されず、3つ以上の画像を同時に表示するものであってもよい。3つの画像を同時に表示させる場合は、第1画像を表示する画素4L、第2画像を表示する画素4Rに加えて、第3の画像を表示する画素4Cを設け、これらを透過した表示光を、視差分割部30の視差バリア32によって異なる方向に射出するように構成すればよい。また、表示の方向を制御するためには、第1基板11Aの板厚を調整するなどしてカラーフィルター層12と視差バリア32との間の距離を調整すればよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
【0128】
(変形例4)第1実施形態では、液晶セル2a,2bを分割した後に、ガラス基板11a,10bと視差分割部30とを接着したが、第1基板11A(ガラス基板11a,11bを含む)状態で、第1基板11Aと視差分割部30とを接着した後に、液晶セル2a,2bに分割してもよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
【0129】
(変形例5)第1実施形態では、接着剤の塗布量を調整することにより、ガラス基板11a,11bと視差分割部30との距離を調整したが、接着剤にスペーサーを含ませ、スペーサーを含む接着剤の塗布量を調整してもよい。このようにすれば、ガラス基板11a,11bと視差分割部30との距離を容易に調整することができる。
【0130】
(変形例6)第2及び第3実施形態では、全ての視差バリア32の形成領域に対応してスペーサー50(51)を設けたが、これに限定されず、任意に設けてもよい。すなわち、第1基板11Aと視差バリア32との距離が確保できる程度に、間引きして、スペーサー50(51)を設けてもよい。このようにしても、第1基板11Aと視差バリア32との距離を規制することができる。
【0131】
(変形例7)第2及び第3実施形態では、第1基板11A上にスペーサー50(51)を形成したが、これに限定されず、視差バリア32上にスペーサー50(51)を形成ししてもよい。このようにすれば、確実に、視差バリア32の形成領域内にスペーサー50(51)を形成することができるので、視認性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0132】
1,1A,1Aa,1Ab,1B,1Ba,1Bb,1C,1Ca,1Cb…液晶表示装置、2,2a,2b…液晶セル、2A,2B,2C…液晶セル群、10…対向基板、11,11a,11b…第1基板11A…第1基板、21A…第2基板、30…視差分割部、32…視差バリア、33…開口部、35…接着層、40,40a,40b…液晶層、50,50a,50b,51…スペーサー、50a’,50b’,51’…液状材料、100…電子機器としてのカーナビゲーションシステム用の表示装置、IJ…液滴吐出装置、D…液滴。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶セルと、前記液晶セルに接着された視差分割部とを備えた液晶表示装置の製造方法であって、
第1基板に対向して第2基板を配置し、前記第1基板と前記第2基板との間に液晶層を設けて複数の前記液晶セルで構成される液晶セル群を形成する液晶セル群形成工程と、
前記液晶セル群の形態で、前記第1基板の厚みを低減化する薄板化処理工程と、
低減化された前記第1基板の厚みを測定する板厚測定工程と、
測定された前記第1基板の厚みに基づいて、前記液晶セル毎に、前記第1基板と前記視差分割部との間隔を補正する間隔補正工程と、
前記第1基板と前記視差分割部とを接着する接着工程と、
前記液晶セル群を複数の前記液晶セルに分割する分割工程と、を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記間隔補正工程では、
測定された前記第1基板の厚みに基づいて、前記液晶セル毎に、前記第1基板と前記視差分割部とを接着する接着剤の量を調整する接着剤量調整工程を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記間隔補正工程では、
前記第1基板と前記視差分割部との間にスペーサーを配置するスペーサー配置工程を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記スペーサー配置工程では、
測定された前記第1基板の厚みに基づいて、前記スペーサーの材料を含む液状材料を前記第1基板上に塗布する塗布工程と、
塗布された前記液状材料を固化して、前記スペーサーを形成する固化工程と、を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項5】
請求項3または4に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記スペーサー配置工程では、
前記液晶セル毎に、高さが均一な前記スペーサーを配置することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項6】
請求項3または4に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記スペーサー配置工程では、
測定された前記第1基板の厚みに基づいて、前記液晶層に接する前記第1基板の面から前記スペーサーの頂部までの距離が均一となる前記スペーサーを配置することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記スペーサー配置工程では、
平面視において、前記視差分割部の形成領域内に対応する位置に前記スペーサーを配置することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項8に記載の液晶表示装置を搭載したことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−81230(P2011−81230A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234081(P2009−234081)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】