説明

液晶表示装置及びコモン電圧調整方法

【課題】コモン電圧の自動調整を短時間で行うことのできる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】波長域の異なる光で照明され、フレーム単位に供給される映像データに基づく画像光を生成する液晶パネル7〜9を備える液晶表示装置において、各液晶パネルで生成された上記波長域毎の画像光を色合成する色合成プリズム10と、色合成プリズム10と色合成された画像光を投射する投射レンズ11との間に、色合成された画像光の輝度をR、G、Bの各色別に検出するセンサーユニット12を配置する。対向電極電圧生成回路5は、液晶パネル108を構成する複数の液晶セルが共通に接続されたコモン電極に一定のコモン電圧を供給する。制御部6は、センサーユニット12の出力に基づいて、連続するフレーム間の画像光の輝度差であるフリッカが最小となるように、対向電極電圧生成回路5にて生成されるコモン電圧の大きさを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶プロジェクタなどに代表される、液晶パネルを用いた液晶表示装置に関し、特に、複数の液晶セルが共通に接続されたコモン電極にコモン電圧が供給される交流駆動方式の液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、液晶の劣化対策として、液晶に印加される電圧の極性が所定の周期で反転する交流駆動が行われる。交流駆動にはドット反転駆動、ライン反転駆動、フレーム反転駆動などがあり、液晶表示装置では、これらの一つ又は複数の組み合わせで液晶パネルを駆動している。
【0003】
図7に、ライン反転駆動の映像データの波形を示す。図7に示す映像データでは、リファレンス電圧Vrefを基準にして極性を反転させた正極性の映像データと負極性の映像データとを、水平走査期間毎に交互に切り替えるようになっている。ライン反転駆動では、図7に示すように、水平走査期間毎に映像信号の極性が反転する。正極性の映像データと負極性の映像データは、リファレンス電圧Vrefを中心に上下で対称となっている。このライン反転駆動では、正極性の映像データにより表示される画像の明るさと負極性の映像データにより表示される画像の明るさとが異なると、この明るさの違いがフリッカ(明るさのちらつき)として視認される。また、フレーム間においても、映像データが反転することによって、表示画像に明るさの差が生じ、この明るさの違いがフリッカとして視認される。コモン電圧Vcomは、各液晶セルの共通電極に印加する電圧であって、映像データが反転することによって発生するフリッカが最小となるように調整される。
【0004】
交流駆動方式を採用するプロジェクタにおいては、通常、工場出荷時に、投射画像におけるフリッカの量を測定し、フリッカの測定値が最小となるようにコモン電圧を調整する。このコモン電圧の調整により、正極性の映像データと負極性の映像データの印加時における液晶セルにかかる電位のバランスをとり、フレーム間における表示画像の明るさの差を小さくする。図8に、そのようなコモン電圧の調整を行うことが可能なシステムの概略構成を示す。
【0005】
図8を参照すると、プロジェクタ100は、R(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれの色の画像を形成する3つの液晶パネル107〜109を備える3板式のプロジェクタであって、液晶パネル107〜109からの画像光(R画像光、G画像光、B画像光)を合成する色合成プリズム110と、色合成プリズム110で合成されたRGB画像光を外部スクリーン上に投射する投射レンズ111とを備える。また、プロジェクタ100は、パーソナルコンピュータなどの外部映像信号源から供給される映像信号に基づく画像(RGB)を液晶パネル107〜109上に形成させるための処理回路を備える。この処理回路は、液晶パネル107〜109のそれぞれに設けられる。図8中には、映像処理回路101、スケラー回路102、液晶駆動回路103、リファレンス電圧生成回路104、および対向電極電圧生成回路101からなる、液晶パネル108に関する処理回路のみが示されている。
【0006】
映像処理回路101は、パーソナルコンピュータなどの外部映像信号源から供給される映像信号に基づく映像(G)を液晶パネル108に表示させるのに必要な処理を行う。映像処理回路101から出力された映像信号(G)は、スケラー回路102にて適当なサイズに画素変換された後、液晶駆動回路103に供給される。液晶駆動回路103は、スケラー回路102から供給される映像信号(G)に基づいて液晶パネル108を駆動する。この液晶パネル108の駆動において、液晶駆動回路103は、リファレンス電圧生成回路104からのリファレンス電圧を基準として、水平走査期間毎に映像信号(G)の極性を反転させる。
【0007】
対向電極電圧生成回路105は、液晶パネル108を構成する複数の液晶セルが共通に接続されたコモン電極に一定のコモン電圧を供給するコモン電圧生成回路である。制御部105は、不図示のインタフェースを介して外部制御装置200との接続が可能とされており、外部制御装置200を介して供給されるセンサーユニット201の出力に基づいて、対向電極電圧生成回路105で生成されるコモン電圧の大きさを制御する。センサーユニット201は、プロジェクタ100によって投射される映像の輝度を検出する輝度センサーより構成されている。
【0008】
図8に示したシステムでは、出荷時において、プロジェクタ100を外部制御装置200と接続し、フリッカが最小となるようにコモン電圧Vcomを調整する。こうしてコモン電圧Vcomの調整がなされたプロジェクタ100が出荷される。
【0009】
上記のシステムの他、プロジェクタ内に輝度センサーを設けて、コモン電圧Vcomの調整を可能したものも提案されている(特許文献1参照)。このプロジェクタにおいては、輝度センサーは、各液晶パネルからの映像光(RGB)を合成するクロスダイクロイックプリズムと、クロスダイクロイックプリズムからの合成光を投射する光学系との間に配置される。輝度センサーの出力に基づいて、各液晶パネルにおけるコモン電圧の調整がそれぞれ別々に行われる。具体的には、R用の液晶パネルについてコモン電圧を調整する場合は、他のG、B用の液晶パネルからの映像光を遮光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−221569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図8に示したシステムには、以下のような問題がある。
【0012】
コモン電圧は、プロジェクタの環境温度や使用状況によって変化する。このため、プロジェクタが実際に設置される場所の環境温度や使用状況によっては、出荷時に調整されたコモン電圧が最適な値とならない場合がある。そのような場合は、フリッカが発生して、表示映像の画質が劣化することになる。また、フリッカが発生した状態で映像を表示することは、液晶パネルの寿命を短くすることになる。
【0013】
特許文献1に記載されたプロジェクタにおいては、内部に設けた輝度センサーを用いて、プロジェクタが自動的にコモン電圧を調整するようになっているので、環境温度や使用状況に関係なく、コモン電圧を最適な値に設定することができる。しかし、このプロジェクタでは、輝度センサーはR用、G用、B用の各液晶パネルに共通とされ、各液晶パネルを順番に駆動して輝度センサーの出力に基づいてコモン電圧を調整するようになっているため、コモン電圧の調整に時間がかかる。
【0014】
本発明の目的は、上記問題を解決し、コモン電圧の調整を自動的に短時間で行うことのできる液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明は、波長域の異なる光でそれぞれ照明され、映像データに基づく波長域が異なる画像光をそれぞれ生成する複数の液晶パネルと、前記複数の液晶パネルで生成された前記波長域毎の画像光を色合成する色合成プリズムと、前記色合成プリズムの出射側に配置された輝度センサー部と、前記複数の液晶パネルにそれぞれ接続され、該液晶パネルを構成する複数の液晶セルが共通に接続されたコモン電極に一定のコモン電圧を供給する複数の対向電極電圧生成回路と、前記複数の対向電極電圧生成回路に対して、各対向電極電圧生成回路で生成されるコモン電圧の大きさを制御する制御部と、を有し、前記輝度センサー部は、前記色合成された画像光の輝度を検出する複数の輝度センサーを有し、前記複数の輝度センサーは、前記色合成プリズム側から前記色合成された画像光が出射される方向を見たときのパネル有効画素領域を含む面に設けられ、前記制御部は、前記複数の輝度センサーの出力に基づいて、前記波長域毎の画像光のそれぞれについて、連続するフレーム間の画像光の輝度差であるフリッカを抑制するように、前記コモン電圧の大きさを調整する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、R用、G用、B用の各液晶パネルのコモン電圧調整を同時に行うことができるので、従来の液晶表示装置に比較してコモン電圧の調整を短時間で行うことができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態である液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すセンサーユニットの構成を示す模式図である。
【図3】図1に示す液晶表示装置において行われる最適コモン電圧決定処理の一手順を示すフローチャートである。
【図4】図1に示すセンサーユニットの他の例を示す模式図である。
【図5】本発明の第2の実施形態である液晶表示装置に用いられるセンサーユニットの構成を示す模式図である。
【図6】本発明の第3の実施形態である液晶表示装置に用いられるセンサーユニットの構成を示す模式図である。
【図7】ライン反転駆動の映像データの波形図である。
【図8】コモン電圧の調整を行うことが可能なシステムの一般的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。本実施形態の液晶表示装置は、ドット反転駆動、ライン反転駆動、フレーム反転駆動の一つ又は複数の組み合わせで液晶パネルを駆動するものであるが、ここでは、ライン反転駆動方式を採用するものと仮定する。
【0020】
図1を参照すると、液晶表示装置は、R(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれの色の画像を形成する3つの液晶パネル7〜9を備える3板式のプロジェクタであって、液晶パネル7〜9からの画像光を合成する色合成プリズム10と、色合成プリズム10で合成されたRGB画像光を外部スクリーン上に投射する投射レンズ11とを有する。液晶パネル7〜9はそれぞれ波長域の異なる光で照明され、フレーム単位に供給される映像データに基づく画像光を生成する。色合成プリズム10は、例えばクロスダイクロイックプリズムである。
【0021】
また、液晶表示装置は、パーソナルコンピュータなどの外部映像信号源からフレーム単位に供給される映像信号に基づく画像を液晶パネル7〜9上に形成させるための処理回路を備える。この処理回路は、液晶パネル7〜9のそれぞれに設けられる。図1中には、映像処理回路1、スケラー回路2、液晶駆動回路3、リファレンス電圧生成回路4、および対向電極電圧生成回路5からなる、液晶パネル8に関する処理回路のみが示されている。
【0022】
映像処理回路1、スケラー回路2、液晶駆動回路3、リファレンス電圧生成回路4、対向電極電圧生成回路5、液晶パネル7〜9、色合成プリズム10、および投射レンズ11は、図8に示したプロジェクタの処理回路と基本的には同じものである。可動式のセンサーユニット12が色合成プリズム10と投射レンズ11の間に挿入され、制御部6が、そのセンサーユニット12の出力に基づいて対向電極電圧生成回路6を制御する点が、図8に示したプロジェクタと異なる。
【0023】
図2に、センサーユニット12の構成を示す。センサーユニット12は、複数のRGB輝度センサー部120が配置されたセンサー部位121と、センサー部位121を支持する支持部122と、支持部122の一端がモータの出力軸に取り付けられ、モータの回転により、センサー部位121を第1および第2の位置の間で移動させるモータ部123と、を有する。第1の位置において、センサー部位121は、色合成プリズム10から出射された合成光の光路中に挿入される。センサー部位121を第2の位置に移動することで、センサー部位121をその合成光の光路から退避させることができる。このモータ部123のよるセンサー部位121の移動は、制御部6によって制御される。
【0024】
RGB輝度センサー部120は、中央部に1つ、その周りに一定の間隔で8つ設けられている。RGB輝度センサー部120のそれぞれは、R光の波長に対応する波長域の光を透過するR用フィルタを備え、該フィルタを透過した光の輝度を検出するR用輝度センサーと、G光の波長に対応する波長域の光を透過するG用フィルタを備え、該フィルタを透過した光の輝度を検出するG用輝度センサーと、B光の波長に対応する波長域の光を透過するB用フィルタを備え、該フィルタを透過した光の輝度を検出するB用輝度センサーと、を有する。RGB輝度センサー部120のR用、G用、B用の各輝度センサーの出力は制御部6に供給されている。R用、G用、B用の各輝度センサーの透過波長域は、液晶パネル7〜9をそれぞれ照明する光の波長域に完全に一致させる必要はなく、R、G、Bの各色の画像光の輝度をそれぞれ検出することができるような波長域に設定されていればよい。
【0025】
制御部6は、液晶表示装置全体の動作の制御を行う他、モードの切り替えやコモン電圧調整などの制御も行う。具体的には、制御部6は、映像信号源から供給される映像信号に基づく画像の表示が開始される直前、または、装置本体又はリモートコントローラに用意された特定のキーを押下した場合に、動作モードをコモン電圧調整モードに切り替える。コモン電圧調整モードでは、制御部6は、液晶パネル7〜9のそれぞれに設けられた処理回路に対して、不図示のメモリに格納されているフリッカ検出用映像データを供給し、各映像処理回路にて、R用、G用、B用の映像信号を生成させる。そして、制御部6は、それらR用、G用、B用の映像信号に基づいて表示される画像について、フリッカが最小となるようにコモン電圧の調整を行う。
【0026】
コモン電圧調整では、制御部6は、センサー部位121を第1の位置に移動させた状態で、RGB輝度センサー部120のそれぞれから供給される、R用、G用、B用の各輝度センサーの出力に基づいて、フリッカ値を算出する。ここで、フリッカ値は、連続するフレーム間における表示画像の明るさの差で与えられるものであって、R用、G用、B用の各画像について算出される。また、制御部6は、対向電極電圧生成回路6にて生成されるコモン電圧の値を所定の電圧範囲において段階的に変化させて、RGB輝度センサー部120の出力に基づいて算出される、R用、G用、B用の各画像のフリッカ値が最小となるコモン電圧値をそれぞれ取得する。そして、制御部6は、その取得したコモン電圧値となるように、液晶パネル7〜9に関する対向電極電圧生成回路6を制御する。
【0027】
次に、本実施形態の液晶表示装置の動作について具体的に説明する。通常モードにおける動作は、既存のものと同じであるので、ここでは、特徴となるコモン電圧調整モードにおける最適コモン電圧決定処理について詳細に説明する。
【0028】
図3に、最適コモン電圧決定処理の一手順を示す。動作モードがコモン電圧調整モードに切り替えられると、制御部6は、センサー部位121を第1の位置に移動させ(ステップS100)、液晶パネル7〜9のそれぞれの処理回路にフリッカ検出用映像データを供給する(ステップS101)。これにより、フリッカ検出用映像データに基づくR用、G用、B用の各画像が、フレーム単位に液晶パネル7〜9上に形成される。そして、液晶パネル7、8、9のそれぞれから出射されたR画像光、G画像光、B画像光が、色合成プリズム10によって色合成され、その色合成画像光がセンサー部位121の各RGB輝度センサー部120に入射する。
【0029】
次に、制御部6は、対向電極電圧生成回路6にて生成されるコモン電圧の値を、予め設定された値に設定し(ステップS102)、RGB輝度センサー部120を構成するR用、G用、B用の各輝度センサーの出力に基づいてフリッカ値を算出する(ステップS103)。フリッカ値は、R用、G用、B用の画像のそれぞれについて算出される。
【0030】
具体的には、R用画像のフリッカ値を算出する場合は、センサー部位120に設けられた8つのRGB輝度センサー部120のR用輝度センサーのそれぞれについて、フレーム毎に、R用輝度センサーから供給される輝度値をサンプリングして積算する。次いで、連続するフレーム間でその積算値の差分を求め、その求めた差分を複数のフレームに渡って積算することでフリッカ値を得る。こうして、各R用輝度センサーについてフリッカ値が算出される。そして、中央に配置された1つのR用輝度センサーから得られたフリッカ値と、その周辺に配置された8つのR用輝度センサーのそれぞれから得られたフリッカ値とをそれぞれ比較し、その差分の平均値を算出する。算出したフリッカ値の差分の平均値は、不図示のメモリに格納される。G用画像およびB用画像のそれぞれについても、R用画像と同様の手順で、フリッカ値の差分の平均値が算出され、不図示のメモリに格納される。
【0031】
R用、G用およびB用の画像のそれぞれについてフリッカ値の差分の平均値が算出されると、続いて、制御部6は、所定の電圧範囲において設定された、測定すべきコモン電圧の全てについて、フリッカの測定が行われた否かを判断する(ステップS104)。例えば、所定の電圧範囲においてモン電圧値を単位電圧毎に段階的に増大する場合は、ステップS104において、コモン電圧の設定値が所定の電圧範囲における最大のコモン電圧値に達した否かを判断する。
【0032】
ステップS104の判断が「No」となった場合は、制御部6は、ステップ101に戻って、コモン電圧の設定値を単位電圧分だけ増大する。以降、ステップS102〜S104の処理が行われる。
【0033】
ステップS104の判断が「Yes」となった場合は、制御部6は、R用、G用およびB用の各画像について、コモン電圧の設定値毎に不図示のメモリに格納されたフリッカ値の差分の平均値を調べ、その平均値が最小となったコモン電圧値を最適コモン電圧と決定する(ステップS105)。こうして得られた、R用、G用およびB用の各画像の最適コモン電圧値に基づいて、制御部6は、液晶パネル7〜9にコモン電圧を供給する各対向電極電圧発生回路を制御する。
【0034】
上述した本実施形態の液晶表示装置によれば、RGB輝度センサー部120は、R用、G用、B用の各輝度センサーから構成されているので、液晶パネル7〜9にR用、G用、B用の各画像を同時に形成して、各画像についてコモン電圧の調整を行うことができる。この場合のコモン電圧の調整に要する時間は、輝度センサーがR用、G用、B用の各液晶パネルに共通である特許文献1に記載のプロジェクタにおけるコモン電圧の調整時間に比較して格段に短くなる。
【0035】
また、コモン電圧の最適値は、パネル有効画素領域の中央部と周辺部とで異なる。このような場合、中央部でのみ、コモン電圧の調整を行うと、コモン電圧の調整値が、周辺部におけるコモン電圧の実際の最適値から大きく外れて、周辺部でフリッカが発生する場合がある。逆に、周辺部でのみ、コモン電圧の調整を行うと、コモン電圧の調整値が、中央部におけるコモン電圧の実際の最適値から大きく外れて、中央部でフリッカが発生する場合がある。本実施形態では、第1の位置において、RGB輝度センサー部120は、パネル有効画素領域の中央部に1つ、その周辺部に8つ配置されており、中央部と周辺部とのフリッカ値の差分を平均した値に基づいてコモン電圧の調整が行われるので、コモン電圧の調整値が、中央部および周辺部におけるコモン電圧の実際の最適値から大きく外れることはない。よって、中央部および周辺部において、フリッカの発生を効果的に抑制することができる。ここで、パネル有効画素領域は、投射レンズの有効投射領域に基づいて設定された、各液晶パネルにおける有効画像領域に対応する。
【0036】
以上説明した本実施形態の液晶表示装置は本発明の一例であり、その構成および動作は、適宜に変更することができる。例えば、センサーユニット12に設けられるRGB輝度センサー部120の数や配置は、図2に示した例に限定されるものではなく、コモン電圧の調整値が、中央部および周辺部におけるコモン電圧の調整値が実際の最適値から大きく外れることがない、という条件のもとで、適宜に変更することができる。例えば、図4に示すように、RGB輝度センサー部120は、パネル有効画素領域11aの中央部に1つ、その上下左右にそれぞれ1つ配置されてもよい。センサー部位121は、円形形状であって、色合成プリズム10側から投射レンズ11の入射面方向を見た場合に、第1の位置において、センサー部位121の外縁が丁度、パネル有効画素領域11aの四辺に内接するようになっている。
【0037】
フリッカ検出用映像データは、フリッカを検出可能であればどのような映像データであってもよい。好ましいフリッカ検出用映像データとしては、表示画面全体が白表示となる100%白映像、表示画面上における白の表示領域の割合が50%とされる50%白映像、表示画面上における白の表示領域の割合が10%とされる10%白映像、表示画面全体が黒表示となる黒映像、市松パターン映像などの映像データがある。
【0038】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態である液晶表示装置に用いられるセンサーユニットの構成を示す模式図である。
【0039】
本実施形態の液晶表示装置は、センサーユニット以外は、図1に示した構成と基本的に同じものである。図5に示すセンサーユニットは、固定式のものであって、色合成プリズム10と投射レンズ11の間に配置された4つのRGB輝度センサー部120から構成されている。RGB輝度センサー部120は、図1に示したRGB輝度センサー部120と同様の構成のもので、R用、G用、B用の各輝度センサーを有する。RGB輝度センサー部120は、色合成プリズム10側から投射レンズ11の入射面方向を見た場合に、パネル有効画素領域11aの上下左右にそれぞれ設けられている。
【0040】
第1の実施形態の液晶表示装置では、RGB輝度センサー部120はパネル有効画素領域11a内に配置されており、専用のフリッカ検出用映像データを用いてコモン電圧を調整するため、その間は、外部映像信号源から供給される通常の映像信号に基づく画像の表示を行うことができない。これに対して、本実施形態の液晶表示装置によれば、RGB輝度センサー部120はパネル有効画素領域11a外に配置されており、コモン電圧の調整に、外部映像信号源から供給される通常の映像信号を利用することが可能である。なお、フリッカの検出には、専用の映像データを用いることが望ましいが、外部映像信号源から供給される通常の映像データでも、ある程度の精度でフリッカを検出することが可能である。また、パネル有効画素領域11a内に輝度センサーを配置した第1の実施形態の液晶表示装置では、実際に表示される画像に関するフリッカを測定することになるので、フリッカの検出精度は、本実施形態の液晶表示装置より第1の実施形態の液晶表示装置の方が高い。
【0041】
本実施形態では、制御部6は、外部映像信号源から供給される通常の映像信号に基づく画像を液晶パネル7〜9に表示させるとともに、動作モードをコモン電圧調整モードに移行する旨の入力がなされた場合には、液晶パネル7〜9に表示された画像に基づいて、フリッカが最小となるようにコモン電圧を調整する。以下に、コモン電圧の調整手順を説明する。
【0042】
制御部6は、対向電極電圧生成回路6にて生成されるコモン電圧の値を、予め設定された値に設定し、RGB輝度センサー部120を構成するR用、G用、B用の各輝度センサーの出力に基づいてフリッカ値を算出する。このフリッカ値は、R用、G用、B用の画像のそれぞれについて算出される。
【0043】
具体的には、R用画像のフリッカ値を算出する場合は、4つのRGB輝度センサー部120のR用輝度センサーのそれぞれについて、フレーム毎に、R用輝度センサーから供給される輝度値をサンプリングして積算する。次いで、連続するフレーム間でその積算値の差分を求め、その求めた差分を所定のフレーム数に渡って積算することでフリッカ値を得る。こうして、各R用輝度センサーについてフリッカ値が算出される。次いで、4つのR用輝度センサーについて算出したフリッカ値の平均値を算出する。算出したフリッカ値の平均値は、不図示のメモリに格納される。G用画像およびB用画像のそれぞれについても、R用画像と同様の手順で、フリッカ値の平均値が算出され、不図示のメモリに格納される。
【0044】
R用、G用およびB用の画像のそれぞれについてフリッカ値の平均値が算出されると、続いて、制御部6は、所定の電圧範囲について、測定すべきコモン電圧の全てについて、フリッカの測定が行われた否かを判断する。
【0045】
測定すべきコモン電圧がまだあると判断した場合は、制御部6は、コモン電圧の設定値を単位電圧分だけ増大して、R用、G用およびB用の画像のそれぞれについてフリッカ値の平均値を算出する。
【0046】
測定すべきコモン電圧がもう無いと判断した場合は、制御部6は、R用、G用およびB用の各画像について、コモン電圧の設定値毎に不図示のメモリに格納されたフリッカ値の平均値を調べ、その平均値が最小となったコモン電圧値を最適コモン電圧と決定する。こうして得られた、R用、G用およびB用の各画像の最適コモン電圧値に基づいて、制御部6は、液晶パネル7〜9にコモン電圧を供給する各対向電極電圧発生回路を制御する。
【0047】
本実施形態の液晶表示装置においても、RGB輝度センサー部120は、R用、G用、B用の各輝度センサーから構成されているので、液晶パネル7〜9にR用、G用、B用の各画像を同時に形成して、各画像についてコモン電圧の調整を行うことができる。
【0048】
第1の実施形態の液晶表示装置においては、可動式のセンサーユニットを用いるため、制御部によるセンサーユニットの駆動制御が必要になるが、本実施形態の液晶表示装置では、センサーユニットは固定式であるので、そのような制御は必要ない。よって、センサーユニットの駆動制御が必要ない分、装置の構成や制御部における処理の負荷が少なくなる。
【0049】
以上説明した本実施形態の液晶表示装置は本発明の一例であり、その構成および動作は、適宜に変更することができる。例えば、RGB輝度センサー部120の数や配置は、図2に示した例に限定されるものではない。RGB輝度センサー部120は、パネル有効画素領域11a外に少なくとも1つ配置されていればよい。
【0050】
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態である液晶表示装置に用いられるセンサーユニットの構成を示す模式図である。
【0051】
本実施形態の液晶表示装置は、センサーユニット以外は、図1に示した構成と基本的に同じものである。図6に示すセンサーユニットは、固定式のものであって、色合成プリズム10の上面側に配置された3つの輝度センサー部120a〜120cから構成されている。図6には、色合成プリズム10の上面側から見た場合のセンサーユニットの配置状態が示されている。
【0052】
液晶パネル7からのR画像光が色合成プリズム10を通過する際に、屈折や反射面での反射によって、R画像光の一部が、色合成プリズム10の上下面からプリズム外に洩れる。同様に、液晶パネル8からのG画像光および液晶パネル9からのB画像光も、色合成プリズム10を通過する際に、屈折や反射面での反射によって、それぞれの画像光の一部が、色合成プリズム10の上下面からプリズム外に洩れる。輝度センサー部120aは、色合成プリズム10の上面側に洩れるR画像光の輝度を検出する。輝度センサー部120bは、色合成プリズム10の上面側に洩れるG画像光の輝度を検出する。輝度センサー部120cは、色合成プリズム10の上面側に洩れるB画像光の輝度を検出する。
【0053】
輝度センサー部120aは、色合成プリズム10の上面の、液晶パネル7からのR画像光が入射する第1の入射面側の領域に配置される。より望ましくは、輝度センサー部120aは、色合成プリズム10の上面の、第1の入射面と、液晶パネル7からのR画像光を投射レンズ11に向けて反射する反射面10aと、液晶パネル9からのB画像光を投射レンズ11に向けて反射する反射面10bとによって区画される領域に配置される。この領域においては、色合成プリズム10の上面に洩れる光のほとんどが液晶パネル7からのR画像光の漏れ光であるので、輝度センサー部120aで、R画像光の漏れ光の輝度を効率よく検出することが可能である。
【0054】
輝度センサー部120bは、色合成プリズム10の上面の、液晶パネル8からのG画像光が入射する第2の入射面側の領域に配置される。より望ましくは、輝度センサー部120bは、色合成プリズム10の上面の、第2の入射面および反射面10a、10bによって区画される領域に配置される。この領域においては、色合成プリズム10の上面に洩れる光のほとんどが液晶パネル8からのG画像光の漏れ光であるので、輝度センサー部120bで、G画像光の漏れ光の輝度を効率よく検出することが可能である。
【0055】
輝度センサー部120cは、色合成プリズム10の上面の、液晶パネル9からのB画像光が入射する第3の入射面側の領域に配置される。より望ましくは、輝度センサー部120cは、色合成プリズム10の上面の、第3の入射面および反射面10a、10bによって区画される領域に配置される。この領域においては、色合成プリズム10の上面に洩れる光のほとんどが液晶パネル9からのB画像光の漏れ光であるので、輝度センサー部120cで、B画像光の漏れ光の輝度を効率よく検出することが可能である。
【0056】
第1の実施形態の液晶表示装置では、RGB輝度センサー部120はパネル有効画素領域11a内に配置されており、専用のフリッカ検出用映像データを用いてコモン電圧を調整するため、その間は、外部映像信号源から供給される通常の映像信号に基づく画像の表示を行うことができない。これに対して、本実施形態の液晶表示装置によれば、輝度センサー部120a〜120cは、色合成プリズム10の上面に配置されており、コモン電圧の調整に、外部映像信号源から供給される通常の映像信号を利用することが可能である。なお、フリッカの検出には、専用の映像データを用いることが望ましいが、外部映像信号源から供給される通常の映像データでも、ある程度の精度でフリッカを検出することが可能である。
【0057】
本実施形態では、制御部6は、外部映像信号源から供給される通常の映像信号に基づく画像を液晶パネル7〜9に表示させるとともに、動作モードをコモン電圧調整モードに移行する旨の入力がなされた場合には、液晶パネル7〜9に表示された画像に基づいて、フリッカが最小となるようにコモン電圧を調整する。以下に、コモン電圧の調整手順を説明する。
【0058】
制御部6は、対向電極電圧生成回路6にて生成されるコモン電圧の値を、予め設定された値に設定し、輝度センサー部120a〜120cの出力に基づいてフリッカ値を算出する。このフリッカ値は、R用、G用、B用の画像のそれぞれについて算出される。
【0059】
具体的には、R用画像のフリッカ値を算出する場合は、フレーム毎に、輝度センサー部120aから供給される輝度値をサンプリングして積算する。次いで、連続するフレーム間でその積算値の差分を求め、その求めた差分を所定のフレーム数に渡って積算することでフリッカ値を得る。こうして、R画像のフリッカ値が算出される。算出したフリッカ値は、不図示のメモリに格納される。G用画像およびB用画像のそれぞれについても、R用画像と同様の手順で、フリッカ値が算出され、不図示のメモリに格納される。
【0060】
R用、G用およびB用の画像のそれぞれについてフリッカ値が算出されると、続いて、制御部6は、所定の電圧範囲について、測定すべきコモン電圧の全てについて、フリッカの測定が行われた否かを判断する。
【0061】
測定すべきコモン電圧がまだあると判断した場合は、制御部6は、コモン電圧の設定値を単位電圧分だけ増大して、R用、G用およびB用の画像のそれぞれについてフリッカ値を算出する。
【0062】
測定すべきコモン電圧がもう無いと判断した場合は、制御部6は、R用、G用およびB用の各画像について、コモン電圧の設定値毎に不図示のメモリに格納されたフリッカ値を調べ、フリッカ値が最も小さなコモン電圧値を最適コモン電圧と決定する。こうして得られた、R用、G用およびB用の各画像の最適コモン電圧値に基づいて、制御部6は、液晶パネル7〜9にコモン電圧を供給する各対向電極電圧発生回路を制御する。
【0063】
本実施形態の液晶表示装置においても、液晶パネル7〜9にR用、G用、B用の各画像を同時に形成して、各画像についてコモン電圧の調整を行うことができる。
【0064】
第1の実施形態の液晶表示装置においては、可動式のセンサーユニットを用いるため、制御部によるセンサーユニットの駆動制御が必要になるが、本実施形態の液晶表示装置では、センサーユニットは固定式であるので、そのような制御は必要ない。よって、センサーユニットの駆動制御が必要ない分、装置の構成や制御部における処理の負荷が少なくなる。
【0065】
また、輝度センサー120a〜120cに、R用、G用、B用のフィルタを設ける必要がないため、その分、装置コストを下げることができる。
【0066】
第2の実施形態の液晶表示装置では、投射レンズ11の一部をその光軸に垂直な方向にシフトしてスクリーン上における画像の表示位置を調整する場合において、レンズシフトを考慮したパネル有効画素領域外にRGB輝度センサー部を配置する必要がある。この場合は、RGB輝度センサー部の配置がより制限されることになり、設計における自由度が低下する。本実施形態の液晶表示装置によれば、パネル有効画素領域に関係なく輝度センサー部を配置することができるので、レンズシフトを考慮した場合に、輝度センサー部の配置が制限されることはない。
【0067】
以上説明した本実施形態の液晶表示装置は本発明の一例であり、その構成および動作は、適宜に変更することができる。例えば、輝度センサー部の数や配置は、図6に示した例に限定されるものではない。輝度センサー部120a〜120cは、色合成プリズムの下面に配置されてもよい。また、輝度センサー部120a〜120cは、色合成プリズムの上面および下面のそれぞれに配置されてもよい。この場合は、輝度センサー部120aのそれぞれでR画像光のフリッカ値を算出し、その平均値をコモン電圧毎にメモリに格納する。同様に、輝度センサー部120b、120cについても、平均値をコモン電圧毎にメモリに格納する。そして、R用、G用、B用の各画像について、平均値の最も低かったコモン電圧を最適コモン電圧と決定する。
【0068】
図6に示した構成においては、輝度センサー部120a〜120cのそれぞれに、他の画像光の洩れ光が入射することもある。他の画像光の洩れ光の入射を防止するために、輝度センサー部120aを、R光の波長に対応する波長域の光を透過するR用フィルタを備え、該フィルタを透過した光の輝度を検出するR用輝度センサーより構成し、輝度センサー部120bを、G光の波長に対応する波長域の光を透過するG用フィルタを備え、該フィルタを透過した光の輝度を検出するG用輝度センサーより構成し、輝度センサー部120cを、B光の波長に対応する波長域の光を透過するB用フィルタを備え、該フィルタを透過した光の輝度を検出するB用輝度センサーより構成してもよい。
【0069】
また、他の画像光の洩れ光を遮蔽するために、輝度センサー部120aが配置される領域の、該領域を区画する反射面10a、10bの位置に遮蔽板を設けてもよい。同様に、輝度センサー部120b、120cがそれぞれ配置される領域の、該領域を区画する反射面10a、10bの位置に遮蔽板を設けてもよい。
【0070】
図6に示した構成において、輝度センサー部120a〜120cに代えて、R用、G用、B用の各輝度センサーから構成される少なくとも1つのRGB輝度センサーを、色合成プリズム10の上面または下面もしくは上下面の、色合成された画像光が出射される出射面側の領域に配置してもよい。より望ましくは、RGB輝度センサーは、色合成プリズム10の上面または下面もしくは上下面の、出射面および反射面10a、10bによって区画される領域に配置する。この領域においては、色合成プリズム10から洩れる光のほとんどが色合成された画像光の漏れ光であるので、RGB輝度センサー部で、R画像光、G画像光、B画像光のそれぞれの漏れ光の輝度を効率よく検出することが可能である。
【0071】
また、輝度センサー部120a〜120cのそれぞれが、色合成プリズム10からの洩れ光ではなく、液晶パネル7〜9からのRGB画像光の一部を直接検出するようにしてもよい。
【0072】
以上説明した各実施形態において、コモン電圧の調整は、コモン電圧調整モードを選択した場合に実行されるようになっているが、コモン電圧の調整を定期的に実行するようにしてもよい。例えば、液晶パネルの駆動時間(またはプロジェクタの稼動時間)をカウントするカウンタを設け、該カウンタにおけるカウント値に基づいて、駆動時間が100h、200h、・・・、1000hの各設定時間に達した際に、コモン電圧の調整を行ってもよい。ここで、「h」は時間(hour)を示す。
【0073】
また、プロジェクタの電源のオン・オフ時に算出したフリッカ値を比較し、その比較結果に基づいて、コモン電圧の調整を行うか否かを判断するようにしてもよい。具体的には。プロジェクタの電源をオフする旨の入力がなされると、R用、G用、B用の各画像におけるフリッカ値を算出する。その後、電源をオンする旨の入力がなされると、R用、G用、B用の各画像におけるフリッカ値を算出し、該フリッカ値と、電源オフ時に算出した、対応する画像のフリッカ値とをそれぞれ比較する。電源オン時のフリッカ値が電源オフ時のフリッカ値と一致しなかった場合(または、両フリッカ値の差が所定の範囲を超えた場合)にのみ、コモン電圧を調整する。この場合のコモン電圧の調整は、電源オン時のフリッカ値に基づいて実行される。
【0074】
また、各実施形態においてフレーム単位に映像信号が供給される例を挙げて説明しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、フィールド単位に映像信号が供給されるものであってもよい。フィールド単位に映像信号が供給される場合は、「フレーム」を「フィールド」に置き換えることでその動作を説明することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 映像処理回路
2 スケラー回路
3 液晶駆動回路
4 リファレンス電圧生成回路
5 対向電極電圧生成回路
6 制御部
7〜9 液晶パネル
10 色合成プリズム
11 投射レンズ
12 センサーユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長域の異なる光でそれぞれ照明され、映像データに基づく波長域が異なる画像光をそれぞれ生成する複数の液晶パネルと、
前記複数の液晶パネルで生成された前記波長域毎の画像光を色合成する色合成プリズムと、
前記色合成プリズムの出射側に配置された輝度センサー部と、
前記複数の液晶パネルにそれぞれ接続され、該液晶パネルを構成する複数の液晶セルが共通に接続されたコモン電極に一定のコモン電圧を供給する複数の対向電極電圧生成回路と、
前記複数の対向電極電圧生成回路に対して、各対向電極電圧生成回路で生成されるコモン電圧の大きさを制御する制御部と、を有し、
前記輝度センサー部は、前記色合成された画像光の輝度を検出する複数の輝度センサーを有し、
前記複数の輝度センサーは、前記色合成プリズム側から前記色合成された画像光が出射される方向を見たときのパネル有効画素領域を含む面に設けられ、
前記制御部は、前記複数の輝度センサーの出力に基づいて、前記波長域毎の画像光のそれぞれについて、連続するフレーム間の画像光の輝度差であるフリッカを抑制するように、前記コモン電圧の大きさを調整する、液晶表示装置。
【請求項2】
前記輝度センサー部は、前記複数の輝度センサーが前記色合成プリズムから出射される色合成された画像光の光路中に配置される第1の位置と、前記複数の輝度センサーが前記光路外に配置される第2の位置との間を移動する、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記複数の輝度センサーは、前記第1の位置において、前記光路中の、前記複数の液晶パネルのそれぞれの有効画素領域に対応する有効表示領域内に配置される、請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記複数の輝度センサーは、前記有効表示領域の中央部に配置された第1の輝度センサーと、該第1の輝度センサーの周辺に配置された複数の第2の輝度センサーと、を有する、請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記複数の輝度センサーは、前記色合成プリズムから出射される色合成された画像光の光路中の、前記複数の液晶パネルのそれぞれの有効画素領域に対応する有効表示領外に配置されている、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
波長域の異なる光で照明され、映像データに基づく画像光を生成する複数の液晶パネルと、前記複数の液晶パネルで生成された前記波長域毎の画像光を色合成する色合成プリズムと、前記色合成プリズムの出射側に配置され、前記色合成された画像光の輝度を検出する複数の輝度センサーを備え、前記複数の輝度センサーは、前記色合成プリズム側から前記色合成された画像光が出射される方向を見たときのパネル有効画素領域を含む面に設けられた輝度センサー部とを有する液晶表示装置のコモン電圧調整方法であって、
前記複数の液晶パネルのそれぞれに対して、該液晶パネルを構成する複数の液晶セルが共通に接続されたコモン電極に一定のコモン電圧を供給し、
前記複数の輝度センサーの出力に基づいて、前記波長域毎の画像光のそれぞれについて、連続するフレーム間の画像光の輝度差であるフリッカを抑制するように、前記複数の液晶パネルに供給される前記コモン電圧の大きさを調整する、コモン電圧調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−93770(P2012−93770A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263619(P2011−263619)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【分割の表示】特願2006−199230(P2006−199230)の分割
【原出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(300016765)NECディスプレイソリューションズ株式会社 (289)
【Fターム(参考)】