説明

液晶表示装置

【課題】表示画像の焼き付きが少なく、高品位な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置は、少なくとも一方が透明な一対の基板と、一対の基板間に配置された液晶層240と、一対の基板の一方の基板232に形成され、液晶層240に電界を印加するための一対の電極群と、一対の電極群に接続された複数のアクティブ素子と、液晶層240に接する面上に形成された配向膜237とを有する液晶表示装置であって、一画素の領域において一対の電極群のうちいずれか一方の電極233は平板状、他方の電極236は櫛歯状に形成されており、一対の電極の間には絶縁膜270が配置され、櫛歯状電極の上に配向膜237が配置され、絶縁膜270の比抵抗ρ(Ωcm)および膜厚d(nm)、配向膜237の比抵抗ρ(Ωcm)および膜厚d(nm)が関係式(ρ・ρ)/(ρ・d+ρ・d)≧8×1017(Ω)を満たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの基板に挟持された液晶層を配向させる配向膜を有する液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は表示品質が高く、且つ薄型、軽量、低消費電力などといった特長からその用途を広げており、携帯電話用モニター、デジタルスチルカメラ用モニターなどの携帯向けモニターからデスクトップパソコン用モニター、印刷やデザイン向けモニター、医療用モニターさらには液晶テレビなど様々な用途に用いられている。これら用途拡大に伴い、液晶表示装置には各用途に合わせたより高度な品質が求められている。
【0003】
通常、液晶表示装置の表示は一対の基板間に挟まれた液晶層の液晶分子に電界を印加することにより液晶分子の配向方向を変化させ、それにより生じた液晶層の光学特性の変化により行われる。電界無印加時の液晶分子の配向方向は、ポリイミド薄膜の表面にラビング処理を施した配向膜(「配向制御膜」とも言う)により規定されている。従来、画素毎に薄膜トランジスタ(TFT)等のスイッチング素子を備えたアクティブ駆動型液晶表示装置は、液晶層を挟持する一対の基板のそれぞれに電極を設け、液晶層に印加する電界の方向が基板面に対してほぼ垂直になる、所謂縦電界になるように設定され、液晶層を構成する液晶分子の光旋光性を利用して表示を行う。縦電界方式の代表的な液晶表示装置として、ツイステッドネマチック(TN:Twisted Nematic)方式が知られている。TN方式の液晶表示装置においては視野角が狭いことが大きな課題の一つである。そこで、広視野角化を達成する表示方式としてIPS(In-Plane Switching)方式やVA(Vertically Alignment)方式が知られている。
【0004】
また、このような液晶表示装置において、駆動時に電荷が溜まることにより残像、焼き付きが起こることが知られている。本課題に対して、特許文献1には、配向膜抵抗を出来るだけ下げることにより、溜まった電荷を拡散しやすくして解消することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−241249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、TV等の大型液晶表示装置に比べて、短時間でオン/オフを繰り返す中小型の液晶表示装置においては、溜まった電荷を拡散し残像を解消する時間を短くすることより、初期の残像強度が低い方が望ましい。本出願の発明者の研究によれば、平面状の電極と層間絶縁膜(保護絶縁膜)を介して形成された櫛歯状電極の間に電界をかけて液晶を駆動する方式の液晶表示装置において、配向膜抵抗を下げてしまうと、駆動時に蓄積する電荷量が多くなってしまい、初期に発生する残像強度が大きくなってしまうことが分かった。また、保護絶縁膜の抵抗も配向膜抵抗と共に残像強度に大きく関わっており、これらの合成抵抗が低いと残像強度を抑制できないことも分かった。
【0007】
本発明は、上述の事情を鑑みてされたものであり、表示画像の焼き付きが少ない高品位な液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液晶表示装置は、少なくとも一方が透明な一対の基板と、前記一対の基板間に配置された液晶層と、前記一対の基板の一方の基板に形成され、前記液晶層に電界を印加するための一対の電極群と、前記一対の電極群に接続された複数のアクティブ素子と、前記液晶層に接する面上に形成された配向膜とを有する液晶表示装置であって、一画素の領域において前記一対の電極群のうちいずれか一方の電極は平板状、他方は櫛歯状に形成されており、前記一対の電極の間には絶縁膜が配置され、前記櫛歯状電極の上に配向膜が配置され、前記絶縁膜の比抵抗ρ(Ωcm)および膜厚d(nm)、前記配向膜の比抵抗ρ(Ωcm)および膜厚d(nm)が関係式(ρ・ρ)/(ρ・d+ρ・d)≧8×1017(Ω)を満たす、ことを特徴とする液晶表示装置である。
【0009】
ここで、絶縁膜は、ゲート絶縁膜、保護絶縁膜等を含み、後述する実施例におけるPAS膜を意味している。
【0010】
また、本発明の液晶表示装置では、前記絶縁膜の比抵抗ρ(Ωcm)および膜厚d(nm)、前記配向膜の比抵抗ρ(Ωcm)および膜厚d(nm)が関係式(ρ・ρ)/(ρ・d+ρ・d)≧2×1018(Ω)を満たしていてもよい。
【0011】
また、本発明の液晶表示装置においては、前記絶縁膜の比抵抗ρを、1×1014(Ωcm)以上かつ1×1017(Ωcm)未満としてもよく、更に、前記絶縁膜の比抵抗ρを、5×1015(Ωcm)以上かつ1×1017(Ωcm)未満としてもよい。
【0012】
また、本発明の液晶表示装置においては、前記配向膜の比抵抗ρを、1×1014(Ωcm)以上かつ1×1017(Ωcm)未満としてもよく、更に、前記配向膜の比抵抗ρを、5×1015(Ωcm)以上かつ1×1017(Ωcm)未満としてもよい。
【0013】
また、本発明の液晶表示装置においては、前記絶縁膜の膜厚dを、200(nm)以上1000(nm)以下としてもよい。
【0014】
また、本発明の液晶表示装置においては、前記配向膜の膜厚dを、20(nm)以上200(nm)以下としてもよい。
【0015】
また、本発明の液晶表示装置においては、前記液晶層の比抵抗を、1×1014(Ωcm)以上としてもよい。
【0016】
また、本発明の液晶表示装置において、前記配向膜は、偏光紫外線を照射することにより液晶配向能を付与されていてもよい。
【0017】
また、本発明の液晶表示装置において、前記配向膜は、ポリアミド酸エステルを前駆体とするポリイミドを含むこととしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、表示画像の焼き付きが少ない高品位な液晶表示装置を提供できる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例に係る液晶表示装置について概略的に示す図である。
【図2】図1の液晶モジュールのある画素についての断面を概略的に示す図である。
【図3】TFT基板の1画素付近の模式平面図である。
【図4】PAS膜及び配向膜それぞれの膜厚及び比抵抗並びに液晶の比抵抗と、残像強度との関係を示す表である。
【図5】PAS膜の比抵抗の違いについて比較するための表である。
【図6】配向膜の比抵抗の違いについて比較するための表である。
【図7】液晶の比抵抗の違いについて比較するための表である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本願発明の内容の具体例を示すものであり、本願発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。実施例を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例】
【0021】
図1には、本発明の実施例に係る液晶表示装置100が概略的に示されている。この図に示されるように、液晶表示装置100は、上フレーム110及び下フレーム120に挟まれるように固定された液晶モジュール200から構成されている。
【0022】
図2には、図1の液晶モジュール200のある画素についての断面を概略的に示す図であり、後述する図3のII−II線での断面を示している。この図2に示されるように、液晶モジュール200は、不図示の光源等から構成されるバックライト260と、各画素の階調値に基づく、電界を発生させる薄膜トランジスタ基板(以下、「TFT基板」という。)230と、RGBのカラーフィルタを有するカラーフィルタ基板220と、TFT基板230及びカラーフィルタ基板220の間に封止された液晶組成物からなる液晶層240とを備えている。
【0023】
また、TFT基板230は、ガラス基板232と、ガラス基板232のバックライト260側に配置され、バックライト260から出射された光を偏光させる偏光板231と、ガラス基板232の液晶層240側に平面的に形成された共通電極233と、共通電極233上に形成された絶縁膜であるゲート絶縁膜234と、ゲート絶縁膜234上に形成された保護絶縁膜235と、保護絶縁膜235上に形成された櫛歯状の画素電極236と、画素電極236上に形成され、電圧が印加されていないときに液晶組成物を配向させる配向膜237と、を有している。
【0024】
また、カラーフィルタ基板220は、ガラス基板222と、ガラス基板232の液晶層240側とは反対側に配置された偏光板221と、ガラス基板222の液晶層240側に、各画素の各色を仕切るように形成され、隣の画素に入るべき光が入光するのを防ぐブラックマトリクス226と、ブラックマトリクス226に囲まれた領域に形成され、RGBのいずれかの色に対応する波長を透過するカラーフィルタ223と、ブラックマトリクス226及びカラーフィルタ223を覆うように形成されたオーバーコート層224と、オーバーコート層224上に形成され、電圧が印加されていないときに液晶組成物を配向させる配向膜225と、を有している。
【0025】
画素電極236と共通電極233は、ITO(Indium Tin Oxide)により形成されており、共通電極233は画素のほぼ全体を覆う平板状電極で形成されている。本構成により電極上も透過部として利用することができ、開口率を向上することができる。また、電極間隔を短くすることができ、電界を効率よく液晶に印加できる。また、画素電極236と共通電極233に印加する電圧を反転させて液晶を駆動することも可能である。
【0026】
TFT基板230の製造において、ガラス基板232には、厚みが0.7mmで表面を研磨したものが用いられており、ガラス基板232上には、共通電極233、画素電極236、信号配線238及び走査配線239(図3参照)の短絡を防止するためのゲート絶縁膜234と、薄膜トランジスタ280(図3参照)、画素電極236及び信号配線238を保護する保護絶縁膜235が形成されている。
【0027】
図3は、TFT基板230の1画素付近の模式平面図であり、図2は、図3のII−II線での断面図である。薄膜トランジスタ280は、画素電極(ソース電極)236、信号配線(ドレイン電極)238、走査配線(ゲート電極)239及びアモルファスシリコン281から構成される。走査配線(ゲート電極)239はアルミニウム膜をパターニングし、信号配線(ドレイン電極)238はクロム膜をパターニングし、そして共通電極233と画素電極236とはITOをパターニングして形成する。
【0028】
ゲート絶縁膜234と保護絶縁膜235は窒化珪素からなる。容量素子は画素電極236と共通電極233でゲート絶縁膜234と保護絶縁膜235を挟む構造として形成され、これら2つの絶縁膜を合わせてPAS膜270とする。窒化珪素は、製膜時のNガスまたはNHガスの流量を変化させることにより膜中窒素量を変化させ、比抵抗の異なる窒化珪素膜を製膜した。なおPAS膜はアクリル樹脂などの有機絶縁膜であっても良く、樹脂材料を変更することにより比抵抗を変化させることができる。
【0029】
画素電極236は、ベタ形状の共通電極233の上層に重畳する形で配置されている。画素数は1024×3(R,G,Bに対応)本の信号配線238と、768本の走査配線239とから構成される1024×3×768個とする。カラーフィルタ基板220のガラス基板222上には、ブラックマトリクス226付きカラーフィルタ223を形成している。
【0030】
本実施例において、配向膜237はポリイミドを用い、偏光紫外線を照射することにより液晶配向能を付与した。紫外線を照射することにより配向膜の比抵抗が上昇するため、本発明を有効に作用させることができる。また、ポリイミドは前駆体であるポリアミド酸またはポリアミド酸エステルを基板に塗布した後、加熱焼成することにより製膜した。本実施例においてはポリアミド酸1(1×1014Ωcm)、ポリアミド酸2(1×1015Ωcm)、ポリアミド酸メチルエステル(5×1015Ωcm)の比抵抗の異なる3種の前駆体を用いて配向膜を用いた。ポリアミド酸エステルはポリアミド酸に比べて比抵抗が高いため、本発明を有効に作用させることができる。なお液晶配向能はラビング配向法により付与することもできる。
【0031】
TFT基板230の配向膜237及びカラーフィルタ基板220の配向膜225の配向方向は互いにほぼ平行とした。これらの基板間に平均粒径が4μmのポリマービーズをスペーサとして分散し、TFT基板230とカラーフィルタ基板220との間に液晶分子を挟み込み液晶層240を形成している。
【0032】
TFT基板230とカラーフィルタ基板220とを挟む2枚の偏光板231及び221はクロスニコルに配置した。そして、低電圧で暗状態となり、高電圧で明状態をとるノーマリークローズ特性を採用した。
【0033】
図4には、本実施例で作製した液晶表示装置100における、PAS膜270及び配向膜237それぞれの膜厚及び比抵抗並びに液晶の比抵抗と、測定された残像強度との関係を示す表が示されている。図4の表には、No.1からNo.13までの13種類の測定結果が示されている。本実施例では、液晶表示装置100の画像の焼き付け、残像を定量的に測定するため、輝度計を用いて評価した。まず、画面上に最大輝度でウインドウパターンを2時間表示し、その後、残像が最も目立つ中間調表示、ここでは、輝度が最大輝度の50%となるように全面を切り換え、ウインドウパターン表示部の輝度Bと非表示部の輝度Bを輝度計を用いて測定し、式(B−B)/B×100により残像強度を求めた。ここで許容される残像強度は1.0%未満であり、1.0%未満であれば残像はほとんど認知されない。また、表中の合成抵抗は、絶縁膜の比抵抗ρ(Ωcm)および膜厚d(nm)、前記配向膜の比抵抗ρ(Ωcm)および膜厚d(nm)とした場合の式((ρ・ρ)/(ρ・d+ρ・d))により求められる値であり、PAS膜と配向膜の面内方向における合成抵抗を示している。
【0034】
図4の表に示されるように、合成抵抗7×1017(Ω)及び合成抵抗2×1017(Ω)で残像強度がそれぞれ4.5%及び4.4%の高い値となったが、合成抵抗8×1017(Ω)以上では、残像強度が0.9%以下の良好な値が得られた。特に、合成抵抗2×1018(Ω)以上では、残像強度が0.7%以下となり、より好ましいことが分かる。
【0035】
図5には、図4の表のうち、PAS膜(絶縁膜)の膜厚が400(nm)、配向膜の膜厚が100(nm)、比抵抗が1×1014(Ωcm)以上、液晶の比抵抗が1×1014(Ωcm)である測定について抽出した、PAS膜の比抵抗の違いについて比較するための表が示されている。この図5の表に示されるように、PAS膜の比抵抗が1×1013(Ωcm)の場合には、残像強度が4.4%の高い値であるが、PAS膜の比抵抗が1×1014(Ωcm)以上では、残像強度が0.5%以下の良好な値が得られている。また、PAS膜の比抵抗が5×1015(Ωcm)である場合には残像強度が0.1%であり、PAS膜の比抵抗が5×1015(Ωcm)以上であることがより好ましいことが分かる。
【0036】
図6には、図4の表のうち、PAS膜の膜厚が400(nm)、比抵抗が1×1014(Ωcm)、配向膜の膜厚が100(nm)、液晶の比抵抗が1×1014(Ωcm)である測定について抽出した、配向膜の比抵抗の違いについて比較するための表が示されている。この図6の表に示されるように、配向膜の比抵抗が1×1013(Ωcm)の場合には、残像強度が4.5%の高い値であるが、配向膜の比抵抗が1×1014(Ωcm)以上では、残像強度が0.5%以下の良好な値が得られている。また、配向膜の比抵抗が5×1015(Ωcm)である場合には残像強度が0.3%であり、配向膜の比抵抗が5×1015(Ωcm)以上であることがより好ましいことが分かる。
【0037】
図7には、図4の表のうち、合成抵抗が8×1017(Ω)以上である測定について抽出して示すと共に、合成抵抗が8×1017(Ω)以上であり、かつ液晶の比抵抗が1×1013(Ωcm)であるNo.14の測定結果が加えられている。この図7の表に示されるように、合成抵抗が8×1017(Ω)以上であっても、液晶の比抵抗が1×1013(Ωcm)である場合には、残像強度は3.8%と高い値を示しており、液晶の比抵抗1×1014(Ωcm)以上が好ましいことが分かる。
【0038】
PAS膜(絶縁膜)及び配向膜の比抵抗値において、1×1017(Ωcm)以上のものを製造することは困難であることから、PAS膜(絶縁膜)及び配向膜の比抵抗値は、1×1017(Ωcm)未満である。
【0039】
一方、PAS膜は200nmより薄いと絶縁破壊しやすくなり、1000nmより厚く形成するのはコスト、生産性の点から好ましくない。
【0040】
また、配向膜は20nmより薄いと塗布均一性を保つのが難しくなり、液晶の配向方向にムラが出来てしまうため好ましくなく、また200nmより厚いと膜形成時に残留溶媒が残りやすく、液晶を汚染してしまうため好ましくない。
【0041】
また、本実施例による液晶表示装置の表示品位を評価したところ、コントラスト比500対1の高品位な表示が確認されるとともに、中間調表示時における広視野角が確認された。
【符号の説明】
【0042】
100 液晶表示装置、110 上フレーム、120 下フレーム、200 液晶モジュール、220 カラーフィルタ基板、221 偏光板、222 ガラス基板、223 カラーフィルタ、224 オーバーコート層、225 配向膜、226 ブラックマトリクス、230 TFT基板、231 偏光板、232 ガラス基板、233 共通電極、234 ゲート絶縁膜、235 保護絶縁膜、236 画素電極、237 配向膜、238 信号配線、239 走査配線、240 液晶層、260 バックライト、270 PAS膜、280 薄膜トランジスタ、281 アモルファスシリコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が透明な一対の基板と、
前記一対の基板間に配置された液晶層と、
前記一対の基板の一方の基板に形成され、前記液晶層に電界を印加するための一対の電極群と、
前記一対の電極群に接続された複数のアクティブ素子と、
前記液晶層に接する面上に形成された配向膜とを有する液晶表示装置であって、
一画素の領域において前記一対の電極群のうちいずれか一方の電極は平板状、他方は櫛歯状に形成されており、
前記一対の電極の間には絶縁膜が配置され、
前記櫛歯状電極の上に配向膜が配置され、
前記絶縁膜の比抵抗ρ(Ωcm)および膜厚d(nm)、前記配向膜の比抵抗ρ(Ωcm)および膜厚d(nm)が関係式
(ρ・ρ)/(ρ・d+ρ・d)≧8×1017(Ω)
を満たす、ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記絶縁膜の比抵抗ρ(Ωcm)および膜厚d(nm)、前記配向膜の比抵抗ρ(Ωcm)および膜厚d(nm)が関係式
(ρ・ρ)/(ρ・d+ρ・d)≧2×1018(Ω)
を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記絶縁膜の比抵抗ρは、1×1014(Ωcm)以上かつ1×1017(Ωcm)未満である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記絶縁膜の比抵抗ρは、5×1015(Ωcm)以上かつ1×1017(Ωcm)未満である、ことを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記配向膜の比抵抗ρは、1×1014(Ωcm)以上かつ1×1017(Ωcm)未満である、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記配向膜の比抵抗ρは、5×1015(Ωcm)以上かつ1×1017(Ωcm)未満である、ことを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記絶縁膜の膜厚dは、200(nm)以上1000(nm)以下である、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記配向膜の膜厚dは、20(nm)以上200(nm)以下である、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記液晶層の比抵抗は、1×1014(Ωcm)以上である、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記配向膜は、偏光紫外線を照射することにより液晶配向能を付与されている、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記配向膜は、ポリアミド酸エステルを前駆体とするポリイミドを含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−3463(P2013−3463A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136538(P2011−136538)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】