説明

液晶表示装置

【課題】IPSタイプの液晶表示装置において、走査線引出し線に印加されるゲート電圧の影響によって対向基板の内側が帯電し、画面周辺に白抜けが生ずる現象を防止する。
【解決手段】走査線引出し線31は、対向電極108と同層で形成されたシールド電極107によって覆われている。走査線引出し線31はシール材20の下にも形成されている。シールド電極107はシール材20の下まで延在し、シールド電極107の下に形成されている走査線引出し線31の全数を被覆しているので、シールド効果は高い。また、シール材20の下に形成されたシールド電極107には抜きパターン1071が形成されているので、シールド電極107と、それをサンドイッチする無機パッシベーション膜106および上部絶縁膜109との間の接着強度の低下を防止することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に係り、特に視野角特性の優れた横電界方式であって、表示領域の周辺においても画面のムラの無い液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)等がマトリクス状に形成されたTFT基板と、TFT基板に対向して、TFT基板の画素電極と対応する場所にカラーフィルタ等が形成された対向基板が設置され、TFT基板と対向基板の間に液晶が挟持されている。そして液晶分子による光の透過率を画素毎に制御することによって画像を形成している。
【0003】
液晶表示装置はフラットで軽量であることから、色々な分野で用途が広がっている。携帯電話やDSC(Digital Still Camera)等には、小型の液晶表示装置が広く使用されている。携帯電話やDSC等では、液晶表示装置の外形を小さく保ちながら、表示画面は大きくしたいという要求がある。そうすると、表示領域の周辺のいわゆる額縁が小さくなる。このような構成の場合、表示領域の周辺において、額縁部の電位変動等の影響を受け易くなる。
【0004】
一方、液晶表示装置では視野角特性が問題である。視野角特性は、画面を正面から見た場合と、斜め方向から見た場合に、輝度が変化したり、色度が変化したりする現象である。視野角特性は、液晶分子を水平方向の電界によって動作させるIPS(In Plane Switching)方式が優れた特性を有している。
【0005】
「特許文献1」には、IPS方式の液晶表示装置において、走査線の引出し線からのノイズによって、表示領域の周辺に白抜けが生じないように、走査線の引出し線のテーパ部を絶縁膜を介して導電膜で覆う構成が記載されている。つまり、表示領域に形成された走査線のピッチよりも、走査線と外部回路を接続する端子部のピッチの方が小さい。そして、端子部と表示領域の走査線とを結ぶ、走査線引き出し線は、表示領域と端子部のピッチを調整するために、斜め配線(テーパ)となる。この斜め配線部は、表示領域よりも配線密度が大きくなり、走査信号によるノイズが生じやすいので、「特許文献1」では、この部分を導電膜で覆って、テーパ部からのノイズの影響を低減しようとするものである。導電膜には、画素電極と同じITO(Indium Tin Oxide)が使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−275054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
「特許文献1」に記載の構成は、走査線引出し線を画素電極と同じITOで被覆している。走査線引出し線をITOで覆う場合、ITOとシール材との密着性が問題となる。シール材には、一般にはエポキシ樹脂が使用される。シール材は、SiN等の絶縁膜とは接着性が良く、良好なシール性を保つことが出来る。しかし、ITO等の導電膜と直接接した場合のシールの信頼性は不明な点がある。
【0008】
「特許文献1」に記載の構成のように、画素電極と同時に形成されるITOによって走査線引出し線を覆う場合は、シール材との関係をどのようにするかによって、信頼性に問題を生ずる。また、周辺ITOをどの領域まで被覆するかは走査線引出し線に対するシールド効果に対して重要な影響を与えるが、「特許文献1」にはこのような問題に対する記載は無い。
【0009】
また、「特許文献1」の構成では、走査線引出し線のシールドに用いるITOは画素電極と同じITOを用いるために、表示領域から連続して形成することは出来ず、走査線と走査線引出し部の境界において、走査線引出し線がITOによって覆われていない部分が生ずる。そうすると、このITOに覆われていない部分から走査信号の影響が生ずる。
【0010】
本発明の課題は、IPS方式の液晶表示装置において、シール材による封止の信頼性を維持したまま、走査信号の影響による表示領域の白抜けを除去することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記問題を克服するものであり、具体的な手段は次のとおりである。
【0012】
(1)平面状に形成された第1の電極と、前記第1の電極の上に絶縁膜を介して配置された第2の電極と、TFTが形成された画素がマトリクス状に配置された表示領域を有するTFT基板と、前記TFT基板に対向し、カラーフィルタが形成された対向基板との間に液晶層が挟持され、前記液晶層は前記TFT基板と前記対向基板の周辺に形成されたシール材によって封止された液晶表示装置であって、前記TFTの前記表示領域には、走査線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、映像信号線が前記第2の方向に延在して前記第1の方向に配列しており、前記表示領域の外側には走査線と走査線駆動回路を接続する走査線引出し線が形成され、前記走査線引出し線は前記シール材の下にも形成され、前記走査線引出し線の全数を覆って、前記第1の電極と同層で形成されたシールド電極が前記シール材の下まで延在し、かつ、前記シールド電極と前記シール材との間には前記絶縁膜が存在しており、前記シールド電極には、前記第1の電極と同じ電位が印加されることを特徴とする液晶表示装置。
【0013】
(2)前記シール材の下に形成された前記シールド電極には、複数の抜きパターンが形成されていることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0014】
(3)前記シール材の下に形成されたシールド電極の前記複数の抜きパターンの面積の合計は、前記シール材の幅の範囲内において内側よりも外側において大きいことを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0015】
(4)前記表示領域の外側には、前記映像信号線と映像信号駆動回路とを接続する映像信号線引出し線が形成され、前記シールド電極は、前記映像信号線引出し線を被覆していないことを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0016】
(5)前記第1の電極と、前記シールド電極とは連続した膜であることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0017】
(6)平面状に形成された第1の電極と、前記第1の電極の上に絶縁膜を介して配置された第2の電極と、TFTが形成された画素がマトリクス状に配置された表示領域を有するTFT基板と、前記TFT基板に対向し、カラーフィルタが形成された対向基板との間に液晶層が挟持され、前記液晶層は前記TFT基板と前記対向基板の周辺に形成されたシール材によって封止された液晶表示装置であって、前記TFTの前記表示領域には、走査線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、映像信号線が前記第2の方向に延在して前記第1の方向に配列しており、前記表示領域の外側には走査線と走査線駆動回路を接続する走査線引出し線が形成され、前記走査線引出し線は前記シール材の下にも形成され、前記走査線引出し線の全数を覆って、前記第1の電極と同層で形成されたシールド電極が前記シール材の下まで延在し、かつ、前記シールド電極と前記シール材との間には前記絶縁膜が存在しており、前記シールド電極には、前記第2の電極と同じ電位が印加されることを特徴とする液晶表示装置。
【0018】
(7)前記シール材の下に形成された前記シールド電極には、複数の抜きパターンが形成されていることを特徴とする(6)に記載の液晶表示装置。
【0019】
(8)前記シール材の下に形成されたシールド電極の前記複数の抜きパターンの面積の合計は、前記シール材の幅の範囲内において内側よりも外側において大きいことを特徴とする(6)に記載の液晶表示装置。
【0020】
(9)平面状に形成された第1の電極と、前記第1の電極の上に絶縁膜を介して配置された第2の電極と、TFTが形成された画素がマトリクス状に配置された表示領域を有するTFT基板と、前記TFT基板に対向し、カラーフィルタが形成された対向基板との間に液晶層が挟持され、前記液晶層は前記TFT基板と前記対向基板の周辺に形成されたシール材によって封止された液晶表示装置であって、前記TFTの前記表示領域には、走査線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、映像信号線が前記第2の方向に延在して前記第1の方向に配列しており、走査線駆動回路が前記第2の方向で、前記シール材の外側に設置され、前記表示領域の外側には前記走査線と前記走査線駆動回路を接続するための走査線引出し線が前記第2の方向に延在し、前記走査線引出し線は前記シール材の下にも形成され、前記走査線引出し線の全数を覆って、前記第1の電極と同層で形成されたシールド電極が前記シール材の下まで延在し、かつ、前記シールド電極と前記シール材との間には前記絶縁膜が存在しており、前記シールド電極には、前記第1の電極と同じ電位が印加されることを特徴とする液晶表示装置。
【0021】
(10)前記シール材の下に形成された前記シールド電極には、複数の抜きパターンが形成されていることを特徴とする(9)に記載の液晶表示装置。
【0022】
(11)前記シール材の下に形成されたシールド電極の前記複数の抜きパターンの面積の合計は、前記シール材の幅の範囲内において内側よりも外側において大きいことを特徴とする(9)に記載の液晶表示装置。
【0023】
(12)平面状に形成された第1の電極と、前記第1の電極の上に絶縁膜を介して配置された第2の電極と、TFTが形成された画素がマトリクス状に配置された表示領域を有するTFT基板と、前記TFT基板に対向し、カラーフィルタが形成された対向基板との間に液晶層が挟持され、前記液晶層は前記TFT基板と前記対向基板の周辺に形成されたシール材によって封止された液晶表示装置であって、前記TFTの前記表示領域には、走査線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、映像信号線が前記第2の方向に延在して前記第1の方向に配列しており、走査線駆動回路が前記第2の方向で、前記シール材の外側に設置され、前記表示領域の外側には前記走査線と前記走査線駆動回路を接続するために、走査線引出し線が前記第2の方向に延在し、前記走査線引出し線は前記シール材の下にも形成され、
前記走査線引出し線の全数を覆って、前記第1の電極と同層で形成されたシールド電極が前記シール材の下まで延在し、かつ、前記シールド電極と前記シール材との間には前記絶縁膜が存在しており、前記シールド電極には、前記第2の電極と同じ電位が印加されることを特徴とする液晶表示装置。
【0024】
(13)前記シール材の下に形成された前記シールド電極には、複数の抜きパターンが形成されていることを特徴とする(12)に記載の液晶表示装置。
【0025】
(14)前記シール材の下に形成されたシールド電極の前記複数の抜きパターンの面積の合計は、前記シール材の幅の範囲内において内側よりも外側において大きいことを特徴とする(12)に記載の液晶表示装置。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ゲート電圧を走査線に供給する走査線引出し線を全て、コモン電圧が印加されたシールド電極で被覆するので、ゲート電圧による対向基板の帯電を防止することが出来、対抗基板の帯電に起因して、表示領域周辺に発生する白抜き現象を防止することが出来る。
【0027】
また、本発明では、シールド電極をシール材の下まで延在させるので、走査線引出し線に印加されるゲート電圧の影響をより確実に防止することが出来る。さらに、本発明では、シールド電極とシール材との間に絶縁膜を設置するので、シール材部分のシール効果の低下を防止することが出来る。
【0028】
さらにシールド電極がシール材とオーバーラップする部分では、シールド電極に抜きパターンを設け、シールド電極とそれをサンドイッチする絶縁膜との接着性を向上することによってシール部の信頼性を向上することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明が適用される液晶表示装置の平面図である。
【図2】本発明による液晶表示装置の断面図である。
【図3】図2の画素電極の平面図である。
【図4】本発明による液晶表示装置のTFT基板の平面図である。
【図5】シールド電極の抜きパターンの例である。
【図6】シールド電極の抜きパターンの他の例である。
【図7】比較例の液晶表示装置の断面図である。
【図8】比較例の液晶表示装置のTFT基板の平面図である。
【図9】実施例2の液晶表示装置の断面図である。
【図10】実施例3のシールド電極抜きパターンの例である。
【図11】実施例3のシールド電極抜きパターンの他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の実施例により本発明の内容を詳細に説明する。
【実施例1】
【0031】
図1は本発明を用いた、携帯電話等に使用される液晶表示装置の平面図である。図1において、TFT基板100上に対向基板200が設置されている。TFT基板100と対向基板200の間に液晶層が挟持されている。TFT基板100と対向基板200とは額縁部に形成されたシール材20によって接着している。
【0032】
図1の端子部150とは反対側の一部シール材を形成してない部分は液晶の封入孔21となり、この部分から液晶が封入される。液晶を封入後、封入孔21は封着材22によって封着される。TFT基板100は対向基板200よりも大きく形成されており、TFT基板100が対向基板200よりも大きくなっている部分には、液晶表示装置に電源、映像信号、走査信号等を供給するための端子部150が形成されている。
【0033】
また、端子部150には、走査線、映像信号線等を駆動するためのICドライバ50が設置されている。ICドライバ50は3つの領域に分かれており、中央には映像信号駆動回路52が設置され、両脇には走査信号駆動回路51が設置されている。
【0034】
図1の表示領域10において、横方向には図示しない走査線が延在し、縦方向に配列している。また、縦方向には図示しない映像信号線が延在し、横方向に配列している。走査線は走査線引出し線31によって、ICドライバ50の走査信号駆動回路51と接続している。図1において、表示領域10を液晶表示装置の中央に配置するために、走査線引出し線31は表示領域10両側に配置され、このために、ICドライバ50には、走査信号駆動回路51が両脇に設置されている。一方映像信号線とICドライバ50を接続する映像信号線引出し線41は画面下側に集められている。映像信号線引出し線41はICドライバ50の中央部に配置されている映像信号駆動回路52と接続する。
【0035】
走査信号はTFTをONあるいはOFFするためのゲート電圧を供給するので、電圧が高い。したがって、走査信号は、映像信号等に比べて、液晶表示装置の内部でのノイズの原因になりやすい。特に、走査線引出し線31が存在する画面周辺は、後で説明するように、走査信号の影響を受けやすい。その結果、画面周辺において、図1の点線で示すような領域に白抜け11が生ずる。白抜け11の部分はコントラストが劣化した状態である。
【0036】
図2はこのような白抜けが生じないようにした本発明の構成を示す断面図である。図2に示す液晶表示装置は、IPS方式の液晶表示装置である。図4は同様な液晶表示装置のTFT基板の平面図である。図2は右側から表示領域10の一部を構成する画素部Aと、コモン配線60とシールド電極107あるいは対向電極108を接続するコモン配線接続部Bと、走査線引出し線31部Cに分かれている。なお、図4に示すように、対向電極108とシールド電極107は連続膜として形成されるので、シールド電極107にコモン電圧を供給すると、対向電極108にも同時にコモン電圧が供給される。
【0037】
まず、図2の画素部の構成について説明する。図2において、ガラスで形成されるTFT基板100の上に、ゲート電極101が形成されている。ゲート電極101は走査線30と同層で形成されている。ゲート電極101はAl合金の上にMo合金が積層されている。
【0038】
ゲート電極101を覆ってゲート絶縁膜102がSiNによって形成されている。ゲート絶縁膜102の上に、ゲート電極101と対向する位置に半導体層103がa−Si膜によって形成されている。a−Si膜はプラズマCVDによって形成される。a−Si膜はTFTのチャネル部を形成するが、チャネル部を挟んでa−Si膜上にドレイン電極104とソース電極105が形成される。なお、a−Si膜とドレイン電極104あるいはソース電極105との間には図示しないn+Si層が形成される。半導体層103とドレイン電極104あるいはソース電極105とのオーミックコンタクトを取るためである。
【0039】
ドレイン電極104は映像信号線40が兼用し、ソース電極105は画素電極110と接続される。ドレイン電極104もソース電極105も同層で同時に形成される。本実施例では、ドレイン電極104あるいはソース電極105はMo合金で形成される。ドレイン電極104あるいはソース電極105の電気抵抗を下げたい場合は、例えば、Al合金をMo合金でサンドイッチした電極構造が用いられる。
【0040】
TFTを覆って無機パッシベーション膜106がSiNによって形成される。無機パッシベーション膜106はTFTの、特にチャネル部を不純物から保護する。無機パッシベーション膜106の上には有機パッシベーション膜が形成される場合もあるが、本実施例では無機パッシベーション膜106のみである。
【0041】
無機パッシベーション膜106の上には対向電極108が形成される。対向電極108は透明導電膜であるITO(Indium Tin Oxide)を表示領域10全体にスパッタリングすることによって形成される。すなわち、対向電極108は面状に形成される。対向電極108を全面にスパッタリングによって形成した後、画素電極110とソース電極105を導通するためのスルーホール部だけは対向電極108をエッチングによって除去する。なお、このとき、後で述べるシールド電極107を同時に形成する。
【0042】
対向電極108を覆って上部絶縁膜109がSiNによって形成される。上部絶縁膜109が形成された後、エッチングによってスルーホールを形成する。この上部絶縁膜109をレジストにして無機パッシベーション膜106をエッチングして第1スルーホールTH1を形成する。その後、上部絶縁膜109および第1スルーホールTH1を覆って画素電極110となるITOをスパッタリングによって形成する。スパッタリングしたITOをパターニングして画素電極110を形成する。画素電極110となるITOは第1スルーホールTH1、第2スルーホールTH2、第3スルーホールTH3にも同時に被着され、同時にパターニングされ、第2スルーホールTH2および第2スルーホールTH3においては、接続電極111となる。第1スルーホールTH1において、TFTから延在してきたソース電極105と画素電極110が導通し、映像信号が画素電極110に供給されることになる。
【0043】
図3に画素電極110の1例を示す。画素電極110は、両端が閉じた櫛歯状の電極である。櫛歯と櫛歯の間にスリット112が形成されている。画素電極110の下方には、図示しない平面状の対向電極108が形成されている。画素電極110に映像信号が印加されていると、スリット112を通して対向電極108との間に生ずる電気力線によって液晶分子301が回転する。これによって液晶層300を通過する光を制御して画像を形成する。
【0044】
図2の画素部はこの様子を断面図として説明したものである。櫛歯状の電極と櫛歯状の電極の間はスリット112となっている。対向電極108にはコモン電圧が印加され、画素電極110には映像信号による電圧が印加される。画素電極110に電圧が印加されると図2に示すように、電気力線が発生して液晶分子301を電気力線の方向に回転させてバックライトからの光の透過を制御する。画素毎にバックライトからの透過が制御されるので、画像が形成されることになる。なお、画素電極110の上には液晶分子301を配向させるための配向膜113が形成されている。
【0045】
図2において、液晶層300を挟んで対向基板200が設置されている。対向基板200の内側には、カラーフィルタ201が形成されている。カラーフィルタ201は画素毎に、赤、緑、青のカラーフィルタ201が形成されており、カラー画像が形成される。カラーフィルタ201とカラーフィルタ201の間にはブラックマトリクス202が形成され、画像のコントラストを向上させている。ただし、図2は表示領域10周辺の断面図なので、カラーフィルタ201は1色分のみ記載され、大部分は、遮光膜としてのブラックマトリクス202によって覆われている。
【0046】
カラーフィルタ201およびブラックマトリクス202を覆ってオーバーコート膜203が形成されている。カラーフィルタ201およびブラックマトリクス202の表面は凹凸となっているために、オーバーコート膜203によって表面を平らにしている。オーバーコート膜203の上には、液晶分子301を配向させるための配向膜113が形成されている。なお、図2はIPSであるから、対向電極108はTFT基板100側に形成されており、対向基板200側には形成されていない。
【0047】
図2に示すように、IPSでは、対向基板200の内側には導電膜が形成されていない。そうすると、対向基板200の電位が不安定になる。また、外部からの電磁ノイズが液晶層300に侵入し、画像に対して影響を与える。このような問題を除去するために、対向基板200の外側に表面導電膜210が形成される。表面導電膜210は、透明導電膜であるITOをスパッタリングすることによって形成される。
【0048】
このように、液晶表示装置の外部からの電磁ノイズ等に対しては表面導電膜210によってシールドすることが出来るが、液晶表示装置の内部で発生する、ゲート電圧等の影響による液晶表示装置内部の帯電については、表面導電膜210によっては対策することは出来ない。このような問題は以下に説明する本発明の構成によって対策する。
【0049】
対向電極108にはコモン配線60からコモン電圧が印加される。コモン配線60は走査線30あるいはゲート電極101と同層で形成される。図2における対向電極108と走査線引出し線31を覆うシールド電極107とは図4に示すように、連続膜として形成されている。したがって、図2に示すように、コモン配線60とシールド電極107を接続すると、同時に、コモン配線60と対向電極108を接続することになる。
【0050】
コモン配線60とシールド電極107との接続は、次のとおりである。上部絶縁膜109、無機パッシベーション膜106、ゲート絶縁膜102にスルーホールを形成してコモン配線60の一部を露出させる。一方、上部絶縁膜109にスルーホールを形成してシールド電極107の一部を露出させる。そして、画素電極110を形成するためのITO膜をスパッタリングするときに同時にITOを被着し、このITO膜を画素電極110と同時にパターニングすることによって接続電極111を形成し、シールド電極107と対向電極108を接続する。
【0051】
図2において、走査線引出し線部Cは、本発明の特徴を示す部分である。図2の走査線引出し線31は2層構造となっている。特に小型の液晶表示装置では、表示領域10周辺の額縁部を狭くしたいという要求が強い。走査線引出し線31は表示領域10の外側の額縁部に配置される。走査線引出し線31を同一層に配置する場合は、各走査線引出し線31の間隔を取る必要があり、額縁部を小さくするには限界がある。
【0052】
図2の走査線引出し線31領域では、走査線引出し線31を第1走査線引出し線311と第2走査線引出し線312の2層に分けて配置することによって走査線引出し線31の占めるスペースを小さくしている。図2において、第1走査線引出し線311は走査線30あるいはゲート電極101と同層で形成され、第2走査線引出し線312は映像信号線40あるいはソース電極105と同層で形成される。なお、走査線30と第2走査線引出し線312とは、図2には図示されていないスルーホールによって接続される。
【0053】
第1走査線引出し線311と第2走査線引出し線312との間にはゲート絶縁膜102が存在しているので、平面的には、第1走査線引出し線311と第2走査線引出し線312とは隙間無く配置することも出来、重ねて配置することも出来る。したがって、額縁領域を狭くすることが出来る。
【0054】
走査線30および走査線引出し線31には、TFTをON、OFFさせる比較的電圧の高い、ゲート電圧が印加される。特に、走査線引出し線31がシールド電極107等で覆われていない場合は、ゲート電圧の影響によって対向電極108の一部が帯電する。特に、対向基板200に形成されているブラックマトリクス202が絶縁物である樹脂等で形成されていると、このブラックマトリクス202が帯電し易い。対向基板200が帯電すると、この影響が液晶層300に及び、映像信号に対するノイズとなって、画面周辺に白抜けが生ずる。
【0055】
本発明は、対向電極108と同時に形成されたシールド電極107をシール材20の下まで延在させ、走査線引出し線31を全て被覆することによって、ゲート電圧の影響が対向基板200に及ぶことを防止している。なお、シールド電極107は対向電極108と同じITO膜によって形成されている。また、第2走査線引出し線312とシールド電極107との間にはSiNで形成された無機パッシベーション膜106が存在している。
【0056】
シールド電極107は上部絶縁膜109によって被覆されている。したがって、シール材20とシールド電極107を構成するITOとは直接接触していない。したがって、シール材20は、絶縁物である上部絶縁膜109と接触することになり、シール部の信頼性は高い。
【0057】
ただし、平面的に見て、シール材20の広範囲にわたってシールド電極が形成されるので、この部分に絶縁物ではないITOが存在することによってシール部の信頼性が低下する可能性もある。そこで、本実施例においては、シール材とオーバーラップする部分のシールド電極に抜きパターン1071を形成し、シール部において、シールド電極と無機パッシベーション膜106および上部絶縁膜109との接着性を向上させている。
【0058】
抜きパターン1071の平面形状は例えば、図5に示すようなパンターンとすることが出来る。図5において、シール部20とシールド電極107がオーバーラップした部分には、正方形の抜きパターン1071が形成されている。抜きパターンが形成された部分では、無機パッシベーション膜106と上部絶縁膜109が直接接することになり、シール部全体としては信頼性が向上する。抜きパターン1071が形成された部分では、平面的に見て、厳密には下部電極引出し線が覆われていないことになるが、電界のシールド効果としては十分である。
【0059】
図5に示す抜きパターン1071は図5のような正方形に限る必要は無い。図6はシール材20とシールド電極1071がオーバーラップした部分に形成されることが出来る種々のパターンの例である。図6において、図6(A)は縦スリット状の抜きパターン1071であり、図6(b)は横スリット状の抜きパターン1071である。また、図6(c)は鍵形のパターン1071であり、図6(d)はジグザグ状のパターン1071である。このようなパターンはシールド電極107とシール材20のオーバーラップ形状に合わせて選択することが出来る。
【0060】
図2において、シールド電極107の外側にはコモン配線60が延在している。コモン配線60には基準電圧が印加されるで、シールドの必要はない。したがって、コモン配線60の上側にはシールド電極は存在していない。なお、コモン配線はゲート電極と同層で形成され、図2には図示しない他の部分において、他のコモン配線と導通している。
【0061】
図4は本発明による液晶表示装置のTFT基板100の平面図である。図4において、TFT基板100は、シール材20まで記載されている。シール材20は一点鎖線によって示されている。図4の下側には、図示しない端子部150が形成されている。図4において、表示領域10には、走査線30が横方向に延在し、縦方向に配列している。また、映像信号線40が縦方向に延在し、横方向に配列している。走査線30は表示領域10の両側に存在する走査線引出し線31と接続する。また、映像信号線40は、表示領域10の下側に存在する映像信号線引出し線41と接続している。
【0062】
表示領域10の両側に存在する走査線引出し線31は表示領域10の下方に延在して、ICドライバ50の走査信号駆動回路51に接続する。表示領域10の下側に存在する映像信号線引出し線41は表示領域10のさらに下側に存在する映像信号駆動回路52と接続する。図4において、走査線引出し線31は、平面的には互いに隙間なく存在している。図2で説明したように、走査線引出し線31は2層構造となっており、絶縁膜によって相互に絶縁されているので、このような配置が可能になる。
【0063】
図4において、表示領域10の左側には、コモン配線60が延在し、コモン配線60は第2スルーホールTH2および第3スルーホールTH3を介してシールド電極107、および、シールド電極107と連続膜として形成されている対向電極108と接続している。表示領域10全体は対向電極108によって覆われており、表示領域10の両側に存在する走査線引出し線31はシールド電極107によって覆われている。対向電極108とシールド電極107は連続膜で形成されており、この様子をハッチングによって示している。したがって、シール材20の内側においては、走査線30および走査線引出し線31は全てITOで形成された対向電極108あるいはシールド電極107によって覆われている。シールド電極107は走査線引出し線31を覆っているが、映像信号線引出し線41は覆っていない。映像信号は電圧が低く、対向基板200を帯電させる可能性は小さいからである。場合によっては、シールド電極107が映像信号線引出し線41を覆うと、映像信号線引出し線41間の容量が増加して映像信号の処理速度に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0064】
シールド電極107はシール材20と平面的にはオーバーラップしている。また、走査線引出し線31も額縁を狭くするためにシール材20とオーバーラップしている。シール材20とオーバーラップしている部分のシールド電極107には、図5等に示すような抜きパターンが形成されているが、図4では図を複雑化しないために省略されている。
【0065】
図4において、シール材20とオーバーラップしている走査線引出し線31は全てシールド電極107によって覆われている。これによって、走査電圧の影響によって対向基板上のブラックマトリクス202等が帯電することを防止することが出来る。したがって、画面周辺における白抜きの現象が生ずることはない。
【0066】
図4において、表示領域10の端子部15と反対側の領域には、左側の走査線引出し線31によって走査線30に走査電圧が供給され、表示領域10の端子部150側の領域には右側の走査線引出し線31によって走査線30に走査電圧が供給される。
【0067】
図4において、コモン配線60は映像信号線引出し線41と走査線引出し線31の間に形成されているが、走査線引出し線31の外側にもコモン配線60が延在している。コモン配線60の抵抗を下げ、コモン配線における電圧降下を防止するためである。
【0068】
走査線引出し線31の外側に形成されたコモン配線60は、端子部150と反対側に延在し、表示領域10を囲むように、形成される。また、図4の端子部150と反対側において、シールド電極107もこのコモン配線60を覆うように形成されている。
【0069】
また、端子部150と反対側の辺においても、シールド電極107もコモン電極60もシール材20とオーバーラップして形成されている。ただし、シール材20は端子部の反対側の辺の一部において、開放部が形成されており、この部分が液晶の封入孔21となる。なお、封入孔21が形成された部分においても、シールド電極107およびコモン配線60は連続して形成されている。
【0070】
以上のように、本実施例によれば、シール材20の内側および、シール材20とオーバーラップした部分において、走査線引出し線31は全てシールド電極107によって覆われているので、ゲート電圧によって対向基板200の内側に形成されたブラックマトリクス202等が帯電するという問題は回避することが出来る。また、平面で形成された対向電極108と連続してシールド電極107を形成するので、シールド電極107と表示領域10に形成された対向電極108とを切れ目無く接続することが出来る。したがって、走査線引出し線31は実質的に完全にシールド電極によって覆われるので、優れたシールド効果を奏する。
【0071】
さらに本実施例によれば、ITOで形成されるシールド電極107とシール材20が直接接することはなく、シール材20は、絶縁膜とのみ接触するので、シール部の信頼性を低下させることが無い。また、シール材20とオーバーラップした部分におけるシールド電極107には抜きパターン1071が形成されているので、シールド電極107と上部絶縁膜109あるいは無機パッシベーション膜106との接着力の問題が生ずることを回避することが出来る。
【0072】
図7は本発明に対する比較例である。図7は図2と同様、図1に示す液晶表示装置の周辺の断面図である。図7の構成は、図2の構成と、シールド電極107を除いて同一である。図7において、シールド電極107はシール材20とオーバーラップしておらず、シール材20の内側とシールド電極の端部との間は、走査線引出し線31が無機パッシベーション膜106および上部絶縁膜109を介して対向基板200に向かい合っている領域dが存在する。したがって、この領域dにおけるゲート電位の影響によって対向基板200の内側が帯電する。そうすると、対向基板200内側の帯電の影響が液晶層300に及び、画面周辺に図1に示すような白抜けが生ずる。
【0073】
図8は、比較例におけるTFT基板100の平面図である。図8は、シールド電極107の範囲を除いて図4と同一である。図8において、TFT基板100の周辺にはシール材20が形成されている。シール材は一点鎖線で示されている。表示領域10の両側には走査線引出し線31が設置されている。シールド電極107は、シール材20の内側と表示領域10の端部を全て覆うのではなく、一部のみ覆っている。すなわち、シール材20の内側において、走査線引出し線31が覆われていない領域dが存在する。そうするとこの領域dにおける走査線引出し線31に印加されるゲート電圧によって対向基板200の内側が帯電する。そうすると、図7の説明で述べたように、表示領域10周辺に白抜けが生ずる。
【0074】
このように、対向電極108と同層で、走査線引出し線31上にシールド電極107を設置しても、シールド電極107をシール材20とオーバーラップさせる範囲までに延在させ、走査線引出し線31を実質的に全て覆う構成としないと白抜けに対して十分な効果を上げることが出来ない。
【実施例2】
【0075】
実施例1におけるIPS方式の液晶表示装置では、無機パッシベーション膜106上に平面状の対向電極108を形成し、その上に上部絶縁膜109を形成し、その上に櫛歯状の画素電極110を形成している。実施例1の液晶表示装置の電極配置とは逆に、無機パッシベーション膜106上に平面状の画素電極110を形成し、上部絶縁膜109を挟んで櫛歯状の対向電極108を形成してもよい。図9にこの例を示す。この場合の対向電極108の形状は、図3の櫛歯電極と同様の形状でよい。
【0076】
図9において、画素部においては、無機パッシベーション膜106の上に平面状の画素電極110が形成される。平面状の画素電極110の上には上部絶縁膜109が形成され、上部絶縁膜109の上に櫛歯状の対向電極108が形成される。走査線引出し線31を覆うシールド電極107は、画素電極110の形成と同時にITO膜によって形成される。シールド電極107は、画素電極110と同時に形成されるが、シールド電極107には、コモン配線60から第2スルーホールTH2および第3スルーホールTH3を通してコモン電位が供給される。したがって、実施例2においては、画素電極110を構成するITO膜とシールド電極107を構成するITO膜とは連続膜とはなっていない。
【0077】
図9のような構成は次のようなプロセスによって形成することが出来る。無機パッシベーション膜106までの形成は図2に示す実施例1と同様である。無機パッシベーション膜106を形成したあと、画素電極110とTFTのソース電極105を接続するための第1スルーホールTH1を形成する。その後、ITOをスパッタリングする。被着されたITO膜をパターニングすることによって、画素電極110、スルーホール部のコンタクトおよびシールド電極107を形成する。この場合画素電極110とシールド電極107とは連続膜とはなっていない。
【0078】
その後、上部絶縁膜109をSiNによって形成する。次に、実施例1と同様に、第2スルーホールTH2および第3スルーホールTH3を形成する。その後、対向電極108となるITOをスパッタリングによって被着する。このITOをパターニングすることによって、櫛歯状の対向電極108およびスルーホールのコンタクトを形成する。スルーホールのうち、TFTのソース電極105と画素電極110を接続する第1スルーホールTH1のみが実施例1の図2と異なる。
【0079】
シールド電極107が平面的に見て、シール材20の下にまで形成されていることは実施例1と同様である。また、シールド電極107にコモン電圧が印加されることも実施例1と同様である。したがって、平面状の画素電極110が下側に配置され、その上に絶縁膜を介して対向電極108が櫛歯状に形成されたタイプのIPS方式の液晶表示装置においても、実施例1と同様の効果を得ることが出来る。
【0080】
シールド電極107がシール材20とオーバーラップする部分においては、シールド電極107に抜きパターン1071が形成され、これによってシールド電極107をサンドイッチしている上部絶縁膜109および、無機パッシベーション膜106と、シールド電極107との接着力を向上させていることは実施例1と同様である。
【0081】
なお、走査線引出し線31の外側にコモン配線60が形成され、このコモン配線60は、端子部150が形成された辺とは反対側の辺の方向に伸び、表示領域10を囲むように形成され、さらに、このコモン配線60はシールド電極107によって覆われることは実施例1の図4において説明したのと同様である。
【実施例3】
【0082】
実施例1および実施例2において、シールド電極107がシール材20とオーバーラップしている部分においては、シールド電極107と上部絶縁膜109および無機パッシベーション膜106との接着力向上にために、抜きパターン1071が形成されている。
【0083】
抜きパターン1071の面積は、走査線引出し線31からの走査電圧の影響を無くす観点からは小さいほうが良い。一方、シールド電極107と上部絶縁膜109および無機パッシベーション膜106との接着力向上にためには面積は大きい方が良い。
【0084】
本実施例では、このようなジレンマを解決するために、シールド電極107がシール部20とオーバーラップしている部分において、抜きパターン1071の面積を、表示領域10側で小さく、外側において大きくしている。本実施例における抜きパターン1071の例を図10に示す。
【0085】
図10において、一点鎖線がシール材20であり、斜線部がシールド電極107である。シール材20とシールド電極107とがオーバーラップした部分に抜きパターン1071が形成されている。抜きパターン1071は3角形の形状であり、右側の表示領域側では面積が小さくなっている。すなわち、表示領域により近い部分では、抜きパターン1071の面積を小さくし、シールド効果をより向上させている。一方、走査線引出し線31の外側に形成されたコモン配線60とオーバーラップする部分においては、抜きパターンの面積が大きいので、シールド電極107と上部絶縁膜109および無機パッシベーション膜106との接着の信頼性が優れている。このように、本実施例によれば、シールド電極107によるシールド効果とシールド電極107とその上下に形成されている絶縁膜との接着力向上という問題を同時に解決することが出来る。
【0086】
図10においては、抜きパターン1071は3角形であるとして説明したが、同様の効果を得ることが出来れば3角形に限る必要は無い。図11は他の例である。図11において、台形の抜きパターン1071を形成し、台形の大きさを外側ほど大きくすることによって、図10で説明したシールド効果と接着力の問題を同時に解決している。
【0087】
図10および図11の例を言葉を変えて言うと、シール材20の下に形成されているシールド電極107の抜きパターン1071は複数形成されており、シール材20の幅方向に、内側と外側とに分けた場合、複数の抜きパターンの合計の面積は、シール材20の幅方向の外側のほうが内側よりも大きいということになる。
【0088】
図10および図11は本実施例における抜きパターン1071の例であり、抜きパターンが他の形状であっても、シール材の幅方向の内側よりも外側において、抜きパターン1071の面積の合計を大きくすることによって本実施例の効果を実現することが出来る。
【符号の説明】
【0089】
10…表示領域、 11…白抜け、 20…シール材、 21…封入孔、 22…封着材、 30…走査線、 31…走査線引出し線、 40…映像信号線、 41…映像信号線引出し線、 50…ICドライバ、51…走査信号駆動回路、52…映像信号駆動回路、 60…コモン配線、 100…TFT基板、 101…ゲート電極、 102…ゲート電絶縁膜、 103…半導体層、 104…ソース電極、 105…ドレイン電極、 106…無機パッシベーション膜、 107…シールド電極、 108…対向電極、 109…上部絶縁膜、 110…画素電極、 111…接続電極、 112…スリット、 113…配向膜、 150…端子部、 200…対向基板、 201…カラーフィルタ、 202…ブラックマトリクス、 203…オーバーコート膜、 210…表面導電膜、 300…液晶層、 301…液晶分子、311…第1走査線引出し線、312…第2走査線引出し線、1071…シールド電極抜きパターン、 TH1…第1スルーホール、 TH2…第2スルーホール、 TH3…第3スルーホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状に形成された第1の電極と、前記第1の電極の上に絶縁膜を介して配置された第2の電極と、TFTとが形成された画素がマトリクス状に配置された表示領域を有するTFT基板と、
前記TFT基板に対向し、カラーフィルタが形成された対向基板と、
前記TFT基板と前記対向基板との間に挟持された液晶層と、
前記TFT基板と前記対向基板との周辺に形成されたシール材とを有する液晶表示装置であって、
前記TFT基板の前記表示領域には、走査線と映像信号線とが形成されており、
前記表示領域の外側には前記走査線と走査線駆動回路を接続する走査線引出し線が形成されており、
前記走査線引出し線は前記シール材と前記TFT基板との間にも形成されており、
前記走査線引出し線を覆う透明導電膜からなるシールド電極が前記シール材と前記TFT基板との間に形成されており、
前記シール材と前記TFT基板との間に形成されている前記シールド電極には、複数の抜きパターンが形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記シール材と前記TFT基板との間に形成されているシールド電極の前記複数の抜きパターンの面積の合計は、前記シール材の幅の範囲内において、内側よりも外側において大きいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記表示領域の外側には、前記映像信号線と映像信号駆動回路とを接続する映像信号線引出し線が形成され、前記シールド電極は、前記映像信号線引出し線を被覆していないことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1の電極と、前記シールド電極とは連続した透明導電膜であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記シールド電極には、前記第2の電極と同じ電位が印加されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記シールド電極は、前記第1の電極と同層に形成された透明導電膜であることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−77038(P2013−77038A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−17983(P2013−17983)
【出願日】平成25年2月1日(2013.2.1)
【分割の表示】特願2008−215475(P2008−215475)の分割
【原出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】