説明

液晶装置、液晶装置の製造方法、電子機器

【課題】液晶に対して任意のプレチルトを与え、かつ安定したアンカリング力を与えることにより高い表示品位を実現することが可能な液晶装置、液晶装置の製造方法、電子機器を提供する。
【解決手段】第1の基板と該第1の基板に対向する第2の基板との間に液晶が挟持されてなる液晶装置において、電極9a上に形成されてなり、所定の方向に延在し、かつ所定の間隔で配列された複数の溝部31を有する下地膜30と、該下地膜30上に形成され、前記溝部31の延在方向に沿って所定の角度θ0だけ傾斜して凸設される複数の柱状構造物により構成された斜方蒸着膜40とによって構成される配向膜16を具備する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の基板と該第1の基板に対向する第2の基板との間に液晶が挟持された液晶装置、液晶装置の製造方法、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示パネル等の液晶装置において液晶分子を配向規制するための配向膜として、SiO等の無機材料を基板表面に対し所定の角度をもって蒸着することにより形成される無機配向や、ポリイミド等の有機材料によって構成される薄膜にラビング処理を施すことによって形成される有機配向膜が知られている。
【0003】
しかしながら、蒸着により無機配向膜を形成する場合、基板に対して均一な方向から蒸着を行わなければならないため、装置が大型になり製造コストが増大する。また、ラビングにより有機配向膜を形成する場合、ラビング処理に伴う発塵により液晶装置の不良が発生しやすくなる。
【0004】
このような、従来の配向膜の製造時の問題点を解消するために、様々な配向膜の形成方法が提案されている。例えば、特許文献1及び2には液晶に接する膜の表面にレーザーを照射することにより凹凸を形成し、液晶に対する配向規制力を得る技術が開示されている。また、特許文献3には、液晶に接する膜の表面にスタンプ法やエッチング法により凹凸を形成し、液晶に対する配向規制力を得る技術が開示されている。
【特許文献1】特開平6−51314号公報
【特許文献2】特開平9−152612号公報
【特許文献3】特開平5−188377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1から3に開示されているような、液晶に接する膜の表面に凹凸を形成することによって配向膜を形成した場合、液晶に対して所望のプレチルト角を与えることが困難であるという問題がある。このため、液晶の配向が乱れやすく、いわゆるディスクリネーションが発生しやすくなってしまう。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、液晶に対して任意のプレチルトを与え、かつ安定したアンカリング力を与えることにより高い表示品位を実現することが可能な液晶装置、液晶装置の製造方法、電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の液晶装置は、第1の基板と該第1の基板に対向する第2の基板との間に液晶が挟持されてなる液晶装置であって、前記第1の基板と前記第2の基板との少なくとも一方の基板の電極上に形成されてなり、所定の方向に延在し、かつ所定の間隔で配列された複数の溝部を有する下地膜と、該下地膜上に形成され、前記溝部の延在方向に沿って所定の角度だけ傾斜して凸設される複数の柱状構造物により構成される斜方蒸着膜とによって構成される配向膜を具備することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の液晶装置の製造方法は、第1の基板と該第1の基板に対向する第2の基板との間に液晶が挟持されてなる液晶装置の製造方法であって、前記第1の基板と前記第2の基板との少なくとも一方の基板の電極上に透光性を有する絶縁膜を形成する工程と、該透光性を有する絶縁膜に、所定の方向に延在しかつ所定の間隔で配列された複数の溝部を形成する工程と、前記溝部が形成された前記透光性を有する絶縁膜上に、前記溝部の延在方向に沿う方向から所定の角度で斜方蒸着を行うことにより、斜方蒸着膜を形成する工程と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の電子機器は、前記液晶装置を具備することを特徴とする。
【0010】
本発明のこのような構成によれば、従来の表面に溝部を形成しただけの配向膜とは異なり液晶分子に任意のプレチルトを与えることが可能であり、かつ、従来の斜方蒸着膜に比して、液晶分子に対して、より安定し、かつより強い方位方向のアンカリング力を与えることが可能となる。よって、ディスクリネーションが生じ難い表示品位の高い液晶装置を提供することが可能となる。
【0011】
また、本発明は、前記下地膜は、透光性を有する絶縁膜であることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、ディスクリネーションが生じ難く表示品位の高い透過式の液晶装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。本実施形態に係る蒸着装置は、液晶装置用の基板に無機配向膜を形成する装置である。なお、以下の説明に用いた各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0014】
まず、本実施形態の液晶装置100の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1はTFTアレイ基板を、その上に構成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置の平面図である。図2は、図1のH−H’断面図である。ここでは、液晶装置の一例として、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の透過型液晶表示装置を例にとる。
【0015】
液晶装置100は、ガラスや石英等からなるTFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶50を挟持してなり、液晶50の配向状態を変化させることにより、画像表示領域10aに対向基板20側から入射する光を変調しTFTアレイ基板10側から出射することで、画像表示領域10aにおいて画像を表示するものである。
【0016】
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶装置100では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されており、TFTアレイ基板10と対向基板20との間には液晶50が挟持されている。また、シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔を所定値とするためのグラスファイバあるいはガラスビーズ等のギャップ材が散らばって配設されている。
【0017】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。なお、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
【0018】
また、本実施形態においては、前記の画像表示領域10aの周辺に位置する非表示領域が存在する。非表示領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び実装端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。図示しないが、TFTアレイ基板10の表面に露出して設けられた実装端子102にフレキシブルプリント基板等を接続することにより、液晶装置100と例えば電子機器の制御装置等の外部との電気的接続が行われる。
【0019】
また、走査線駆動回路104は、データ線駆動回路101及び実装端子102が設けられたTFTアレイ基板10の一辺に隣接する2辺に沿い、かつ額縁遮光膜53に覆われるように設けられている。また、TFTアレイ基板10の残る一辺、すなわちデータ線駆動回路101及び実装端子102が設けられたTFTアレイ基板10の一辺に対向する辺に沿って設けられ、額縁遮光膜53に覆われるように設けられた複数の配線105によって、二つの走査線駆動回路104は互いに電気的に接続されている。
【0020】
また、対向基板20のコーナー部の少なくとも一箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との電気的接続を行う上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらの上下導通材106に対応する領域において上下導通端子が設けられている。上下導通材106と上下導通端子を介して、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な接続が行われる。
【0021】
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、無機配向膜16が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に無機配向膜22が形成されている。TFTアレイ基板10及び対向基板20のそれぞれ液晶50と接する面に形成された無機配向膜16及び22は、詳しくは後述するが、SiO、SiO、MgF等の透光性を有する無機材料によって構成された薄膜である。無機配向膜16及び22は、液晶50の配向を規制するための膜であり、液晶50は一対の無機配向膜16及び22の間で、所定の配向状態をとる。
【0022】
また、対向基板20の入射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の出射光が出射する側には各々、例えば、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード、D−STN(ダブル−STN)モード、VA(垂直配向)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
【0023】
上述した構成を有する液晶装置100においては、液晶を配向規制するための配向膜を、SiO、SiO、MgF等の無機材料にて構成される薄膜である無機配向膜により形成している。無機材料によって構成される無機配向膜は、例えばポリイミド等の有機材料によって構成される配向膜に対して耐光性や耐熱性に優れるため、経年劣化がなく表示品位が低下することのない液晶装置を実現できる。
【0024】
なお、本実施形態においては、対向基板20に形成される無機配向膜23も同様の構成を有するものであるが、液晶装置の構成によっては、本実施形態の無機配向膜は、TFTアレイ基板及び対向基板のいずれか一方にのみ形成されてもよい。
【0025】
次に、上述した無機配向膜16の構成を、図3及び図4を用いて説明する。図3は、図2の画素電極上に形成された無機配向膜の構成を、無機配向膜によって配向される液晶とともに概略的に示す図である。図4は、無機配向膜の溝部の延在方向に沿った断面図である。なお、無機配向膜23の構成は、無機配向膜16の構成と同様であるため、以下においては、無機配向膜16の構成についてのみ説明する。
【0026】
図3に示すように、本実施形態の無機配向膜16は、下地膜30と該下地膜30上に形成された斜方蒸着膜40とにより構成されている。
【0027】
下地膜30は、透光性を有する絶縁膜であって、本実施形態においては、シリコン酸化膜により構成されている。下地膜30は、その上面に、所定の方向(図3中、x方向)に沿う直線状の凹部である溝部31が、x方向と直交する方向であるy方向に所定の間隔Wで配列されて形成されている。
【0028】
溝部31は、x−y平面、すなわちTFTアレイ基板10と略平行な平面の法線方向(図3中、z方向)に所定の深さhを有し、かつTFTアレイ基板10の表示領域10a全体に亘って形成されている。
【0029】
下地膜30は、所定の厚さのシリコン酸化膜をプラズマCVD法等によって成膜した後に、グレースケールマスクを用いたフォトリソグラフィ工程により溝部31を凹設することで形成される。
【0030】
斜方蒸着膜40は、溝部31が形成された下地膜30上に、本実施形態ではSiOからなる柱状構造物41が所定の密度で多数形成されて構成されている。この柱状構造は、カラム構造とも称されるものであり、所定の条件下で蒸着法によりSiOの分子を堆積させることで形成されるナノメートルオーダの構造である。
【0031】
柱状構造物41は、TFTアレイ基板10と略平行な平面の法線方向(z方向)に対して、所定の角度θ0だけ、溝部31の延在する方向に傾斜するように形成されている。つまり、図4に示すように、斜方蒸着膜40を構成する柱状構造物41は、x−z平面に平行な方向に傾斜しており、x−z平面上においてTFTアレイ基板10と略平行な平面の法線方向(z方向)に対して所定の角度θ0を成すように凸設されている。
【0032】
斜方蒸着膜40は、溝部31が形成された下地膜30上に成膜されるため、表面に溝部31と略同一の方向に延在する溝状部42が形成される。
【0033】
上述のような構成を有する斜方蒸着膜40は、蒸着による成膜工程時に蒸着源42を、TFTアレイ基板10と略平行な平面の法線方向(z方向)に対して、角度θ0だけ溝部31の延在する方向に傾けた方向(図3中、D1方向)に配置して蒸着を行うことにより形成される。このような蒸着方法は、一般に斜方蒸着法、斜め蒸着法と呼ばれているものである。言い換えれば、斜方蒸着膜40は、溝部31の延在方向(x方向)に沿う方向から、SiOを角度θ0で斜方蒸着することにより形成される。
【0034】
上述のような2層の構成を有する本実施形態の無機配向膜16は、図3に示すように、液晶分子50aに対して、z方向に対して角度θpのプレチルトを与え、かつ、液晶分子50aの傾斜する方位を、溝状部42の延在方向に沿った方向に略均一にアンカリングする配向規制力を有する。すなわち本実施形態の無機配向膜16の配向規制力により、液晶分子50aは、TFTアレイ基板10と略平行な平面の法線方向(z方向)に対して、角度θpだけ溝部31の延在する方向に傾斜するのである。
【0035】
したがって、本実施形態によれば、従来の表面に溝部を形成しただけの配向膜とは異なり、蒸着角度θ0を変化させることで液晶分子に任意のプレチルトを与えることが可能であり、かつ、従来の斜方蒸着膜に比して、溝状部42が形成されていることにより、液晶分子に対してより安定し、かつより強いアンカリング力を与えることが可能となる。よって、本実施形態の液晶装置100によれば、ディスクリネーションが生じ難くかつコントラストの高い表示を実現することができる。
【0036】
次に、図1から図4に示したように構成された液晶装置の製造方法、具体的には、液晶装置100における無機配向膜16及び23の形成方法について説明する。なお、無機配向膜23の形成方法は、無機配向膜16と同様であるため、以下においては、無機配向膜16の形成方法についてのみ説明する。また、無機配向膜16及び23の形成方法以外の液晶装置の製造方法については、周知であるため、その説明は省略する。
【0037】
まず、既知の半導体薄膜、絶縁性薄膜又は導電性薄膜を積層することによって複数の薄膜が形成されたTFT基板10の画素電極9a上に、プラズマCVD法によってシリコン酸化膜を成膜する。次に、シリコン酸化膜に対し、グレーマスクを用いたフォトリソグラフィ工程を実施することにより、深さh、ピッチwの溝部31を形成する。
【0038】
そして、斜方蒸着法により、溝部31の延在方向(x方向)に沿う方向から、SiOを角度θ0で斜方蒸着することにより、斜方蒸着膜40を形成する。ここで、斜方蒸着時には、蒸着源42は、TFTアレイ基板10と略平行な平面の法線方向(z方向)に対して、角度θ0だけ溝部31の延在する方向に傾けた方向(D1方向)に配置される。
【0039】
以上により、本実施形態の無機配向膜16が形成される。
【0040】
以下、本実施形態の変形例を、図5及び図6を参照して説明する。上述した実施形態においては、図3に、溝部31は、y−z平面による断面において、滑らかな波状の断面形状を有するものとして示しているが、溝部31の断面形状はこの形態に限られるものではない。例えば、図5に示すように、溝部の断面形状は矩形状であってもよいし、また、図示しないが勾配を有するテーパ状であってもよい。
【0041】
また、上述した実施形態においては、溝部31の深さhは、シリコン酸化膜の厚さよりも浅いものとして説明しているが、溝部の深さhは、シリコン酸化膜の厚さと同一であってもよい。すなわち、図6に示すように、下地膜30は、ピッチwで凸設された複数の凸条部35によって構成されるものであってもよい。
【0042】
次に、以上詳細に説明した液晶装置をライトバルブとして用いた電子機器である投射型カラー表示装置の実施形態について、その全体構成、特に光学的な構成について説明する。図7は、液晶プロジェクタの構成例を示す断面図である。図7において、本実施形態における電子機器の一例である液晶プロジェクタ1100は、液晶装置100を、それぞれRGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、RGBの三原色に対応する光成分R、G及びBに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bにそれぞれ導かれる。この際特に、B光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bによりそれぞれ変調された三原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
【0043】
なお、本実施形態に係る電子機器は、図7を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型コンピュータ、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末又はタッチパネル等の各種電子機器に適用可能である。
【0044】
また、上述の実施形態では、TFTを用いたアクティブマトリクス駆動方式の透過型液晶パネルを液晶装置として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、TFD(Thin Film Diode)を用いたアクティブマトリクス駆動方式や、パッシブマトリクス駆動方式を採用した液晶装置にも本発明を適用可能である。また、本発明は透過型の液晶装置に限られるものではなく、反射型や半透過半反射型の液晶装置にも本発明を適用可能である。
【0045】
また、液晶装置は、半導体基板に素子を形成する表示用デバイス、例えばLCOS(Liquid Crystal On Silicon)等であっても構わない。LCOSでは、素子基板として単結晶シリコン基板を用い、画素や周辺回路に用いるスイッチング素子としてトランジスタを単結晶シリコン基板に形成する。また、画素には、反射型の画素電極を用い、画素電極の下層に画素の各素子を形成する。
【0046】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う蒸着装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】TFTアレイ基板を、その上に構成された各構成要素と共に対向基板の側から見た電気光学装置の平面図である。
【図2】図1のH−H’断面図である。
【図3】画素電極上に形成された無機配向膜の構成を、無機配向膜によって配向される液晶とともに概略的に示す図である。
【図4】無機配向膜の溝部の延在方向に沿った断面図である。
【図5】下地膜の変形例を説明する断面図である。
【図6】下地膜の変形例を説明する断面図である。
【図7】液晶プロジェクタの光学系の概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
9a 画素電極、 10 TFTアレイ基板、 16 無機配向膜 、30 下地膜、 31 溝部、 40 斜方蒸着膜、 42 溝状部、 50a 液晶分子、 θp プレチルト角、 θ0 蒸着角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と該第1の基板に対向する第2の基板との間に液晶が挟持されてなる液晶装置であって、
前記第1の基板と前記第2の基板との少なくとも一方の基板の電極上に形成されてなり、所定の方向に延在し、かつ所定の間隔で配列された複数の溝部を有する下地膜と、
該下地膜上に形成され、前記溝部の延在方向に沿って所定の角度だけ傾斜して凸設される複数の柱状構造物により構成される斜方蒸着膜とによって構成された配向膜を具備することを特徴とする液晶装置。
【請求項2】
前記下地膜は、透光性を有する絶縁膜であることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
【請求項3】
第1の基板と該第1の基板に対向する第2の基板との間に液晶が挟持されてなる液晶装置の製造方法であって、
前記第1の基板と前記第2の基板との少なくとも一方の基板の電極上に透光性を有する絶縁膜を形成する工程と、
該透光性を有する絶縁膜に、所定の方向に延在しかつ所定の間隔で配列された複数の溝部を形成する工程と、
前記溝部が形成された前記透光性を有する絶縁膜上に、前記溝部の延在方向に沿う方向から所定の角度で斜方蒸着を行うことにより、斜方蒸着膜を形成する工程と、を具備することを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の液晶装置を具備することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−225033(P2008−225033A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62975(P2007−62975)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】