説明

液漏れ防止構造

【課題】従来に比べて長期間にわたる信頼性が高い液漏れ防止構造を提供する。
【解決手段】チューブ接続口(配管接続口)11とチューブ(配管)12との接続部に、ポリアクリル酸系樹脂等のように水分を吸収すると膨張する樹脂を含む吸湿膨張材シート13を巻き付け、その外側をクランプ14で締め付けて固定する。何らかの原因によりチューブ接続口11とチューブ12との間に隙間が発生すると、吸湿膨張材シート13内に水が広がる。一方、吸湿膨張材シート13は、水を吸収して膨張しようとするが、周囲をクランプ14により締め付けられているため、膨張力がチューブ12を締め付ける方向の応力に変わる。これにより、チューブ接続口11とチューブ12との間に隙間が狭まり、液漏れが止まる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管と配管接続口(継ぎ手)との接続部からの液漏れを防止する液漏れ防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電子計算機(コンピュータ)は年々高性能化されており、それにともなって電子計算機で消費される電力が多くなる傾向がある。電子計算機で消費される電力の大部分は熱となるため、電子計算機の稼働にともなってCPU(Central Processing Unit)、チップセット、メモリ及びハードディスク等の部品の温度が上昇する。しかし、これらの部品の温度が過剰に上昇すると誤動作や故障の原因となる。そのため、電子計算機を冷却する手段が必要となる。
【0003】
一般的に、電子計算機の冷却には冷却ファンを用いて筺体内にエアーを通流させる強制空冷方式の冷却機構が採用されている。しかし、近年、電子計算機内の個々の部品の発熱量が多くなるとともに筺体内で各部品が高密度に配置される傾向があり、強制空冷方式の冷却機構では十分な冷却が行えないこともある。そのため、水冷(液冷)方式の冷却機構が提案され、一部の電子計算機では既に実用化されている。
【0004】
電子計算機に使用される水冷方式の冷却機構では、発熱量が多い部品に冷水ジャケットを装着し、冷水ジャケットと放熱器(熱交換器)との間を柔軟性を有する樹脂製チューブ(配管)で接続する。冷水ジャケットや放熱器にはチューブを接続するためのチューブ接続口(継ぎ手)が設けられており、この接続口の外側にチューブの端部を被せるようにして接続した後、リング状に成形された板ばねからなるクランプでチューブの外周面を締め付けて固定する。
【0005】
なお、内周面にゴム製のOリングを配置した管継ぎ手が提案されている。この管継ぎ手では、配管を差し込むだけで管継ぎ手と配管との間の隙間がOリングにより塞がれて液漏れを防止することができる。
【0006】
また、配管と継ぎ手との間に吸湿膨潤性シール材を配置し、水分により吸湿膨潤性シール材を膨潤させてシール材と配管及び継ぎ手との間の隙間をなくして水漏れを防止することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−296379号公報
【特許文献2】特開平9−112777号公報
【特許文献3】特開2004−363600号公報
【特許文献4】特開2006−336834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した水冷方式の冷却機構では、チューブの経年劣化やクランプの締め付け力の経年劣化等によってチューブと接続口との間に隙間が生じ、水漏れが発生することがある。
【0009】
また、上述したOリングを有する管継ぎ手をチューブの接続に適用した場合も、Oリングが劣化して水漏れが発生するおそれがある。更に、柔軟性を有する樹脂製チューブは疵が付きやすく、チューブの外周面にOリングをまたぐ疵があると水漏れの原因となる。
【0010】
上述した配管と継ぎ手との間に吸湿膨潤性シール材を配置する方法では、シール材が常に水と接触しているため、シール材から水が徐々に浸み出すおそれがあり、長期間にわたる信頼性が十分ではない。
【0011】
以上から、従来に比べて長期間にわたる信頼性が高い液漏れ防止構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一観点によれば、配管接続口と、前記配管接続口に接続した配管と、水分を吸収すると膨張する材料により形成され、前記配管接続口と前記配管との接続部の周囲に配置された吸湿膨張部材と、前記吸湿膨張部材の外周を締め付ける締め付け具とを有する液漏れ防止構造が提供される。
【発明の効果】
【0013】
上記一観点によれば、配管と配管接続口との接続部の周囲に吸湿膨張部材を配置し、その外側を締め付け具で締め付けている。何らかの原因により配管と配管接続口との間に隙間が生じると、隙間から水が漏れて吸湿膨張部材内に広がる。一方、吸湿膨張部材は、水を吸収すると膨張しようとする。しかし、締め付け具により周囲が締め付けられているため、吸湿膨張部材で発生した膨張力は配管を縮径する方向の応力となる。これにより、配管と配管接続口と間の隙間が狭まり、液漏れが防止される。また、吸湿膨張部材自身の膨張により吸湿膨張部材内の隙間が塞がれ、水が吸湿膨張部材内に侵入しにくくなる。従って、液漏れがより確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1(a)は第1の実施形態に係る液漏れ防止構造を示す模式図、図1(b)は図1(a)のI−I線による断面図である。
【図2】図2(a),(b)は、クランプの外形を示す斜視図である。
【図3】図3(a),(b)は、第1の実施形態における水漏れ防止作用を示す模式図である。
【図4】図4(a)は第2の実施形態に係る液漏れ防止構造を示す模式図、図4(b)は図4(a)のII−II線による断面図、図4(c)は図4(a)のIII−III線による断面図である。
【図5】図5(a),(b)は、第2の実施形態における水漏れ防止作用を示す模式図である。
【図6】図6は、水漏れ防止構造の効果を調べる実験を説明する図である。
【図7】図7(a)は第3の実施形態に係る液漏れ防止構造を示す模式図、図7(b)は図7(a)のIV−IV線による断面図である。
【図8】図8(a),(b)は、第3の実施形態における水漏れ防止作用を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1(a)は第1の実施形態に係る液漏れ防止構造を示す模式図、図1(b)は図1(a)のI−I線による断面図である。また、図2(a),(b)はクランプの外形を示す斜視図である。
【0017】
本実施形態に係る液漏れ防止構造では、金属製のチューブ接続口(継ぎ手)11の外側に樹脂製のチューブ(配管)12の端部を被せるようにして接続し、その周囲に吸湿膨張材シート(吸湿膨張部材)13を巻き付ける。そして、吸湿膨張材シート13の外側をクランプ(締め付け具)14により締め付けて固定する。チューブ12及びチューブ接続口11内には、電子計算機(又は、その他の電子機器)を冷却するための水(冷却水)が通流する。電子計算機にはCPU等の発熱部分に冷水ジャケットが装着されており、その冷水ジャケットとチューブ接続口11との間も樹脂製のチューブで接続されている。
【0018】
クランプ14は、図2(a)に示すように板ばねをリング状に成形したものであり、ばねの両端にはそれぞれつまみ部14aが設けられている。これらのつまみ部14aをばねの弾性に逆らって強く摘むとリング状の部分(吸湿膨張材シート13に接触する部分)の径が拡大し、離すとばねの弾性でリング状の部分の径が縮小する。なお、クランプ14として、図2(b)に示すようにねじ15によりリング状の部分の径を拡大又は縮小するクランプを使用してもよい。
【0019】
吸湿膨張材シート13は、水分を吸収すると膨張する樹脂により形成されている。水分を吸収すると膨張する樹脂には、例えばポリアクリル酸系樹脂、ポバール系樹脂、ポリオキシエチレン系樹脂及びセルロース系樹脂などがある。吸湿膨張材シート13は、これらの樹脂を繊維状にして形成された織布若しくは不織布、又はこれらの樹脂を例えばポリエステル等の化学繊維と混ぜて織布若しくは不織布としたものである。これらの樹脂を化学繊維からなる織布若しくは不織布に含浸させて吸湿膨張材シート13としてもよい。
【0020】
ポリアクリル酸系樹脂は繊維状にして水を吸収させても繊維としての特性を失わないため、吸湿膨張材シート13の材料として好適である。本実施形態では、吸湿膨張材シート13として、帝人ファイバー社製のポリアクリル酸不織布(KH0230NF)を使用するものとする。
【0021】
図3(a),(b)は、本実施形態の水漏れ防止構造における水漏れ防止作用を示す模式図である。
【0022】
本実施形態では、前述したように金属製のチューブ接続口11の外側に樹脂製のチューブ12の端部を被せるようにして接続し、その周囲に吸湿膨張材シート13を巻き付け、更にその外側をクランプ14により締め付けて固定する。チューブ12の経年劣化等によりチューブ接続口11とチューブ12との間に隙間が生じて水が漏れると、図3(a)に模式的に示すように、水は吸湿膨張材シート13内を浸透して広がる。
【0023】
一方、吸湿膨張材シート13は、水を吸収した部分が膨張しようとする。しかし、クランプ14により外側が締め付けられているため、図3(b)に模式的に示すように、吸湿膨張材シート13で発生した膨張力がチューブ12を縮径する方向の応力となる。これにより、チューブ接続口11とチューブ12との間の隙間が狭まり、水漏れが止まる。更に、吸湿膨張材シート13自身の膨張により吸湿膨張材シート13内の隙間が塞がれ、水が吸湿膨張材シート13内に侵入しにくくなる。
【0024】
このように、本実施形態によれば、何らかの原因によりチューブ接続口11とチューブ12との間に隙間が発生して水が漏れたとしても、吸湿膨張材シート13により水が吸収され、更に吸湿膨張材シート13の膨張により隙間が塞がれる。従って、本実施形態に係る液漏れ防止構造は、長期間にわたり漏水の発生を防止することができ、信頼性が極めて高い。
【0025】
(第2の実施形態)
図4(a)は第2の実施形態に係る液漏れ防止構造を示す模式図、図4(b)は図4(a)のII−II線による断面図、図4(c)は図4(a)のIII−III線による断面図である。なお、図4(a)〜(c)において、図1(a),(b)と同一物には同一符号を付している。
【0026】
前述の第1の実施形態では、チューブ接続口11とチューブ12との接続部の周囲に吸湿膨張材シート13を巻き付けているが、本実施形態では予め所定の形状に成型された吸湿膨張部材23を使用する。
【0027】
吸湿膨張部材23は、吸湿膨張材シート13と同様に水分を吸収すると膨張するポリアクリル酸等の樹脂、又はそれらの樹脂と化学繊維との混合物等からなり、円錐台形状に成形されている。また、この吸湿膨張部材23には、接続口11とチューブ12との接続部の形状に対応する形状の孔、すなわちチューブ接続口11側が小径でチューブ12側が大径の孔が設けられている。
【0028】
この吸湿膨張部材23の外側に配置されるクランプ24は、吸湿膨張部材23の外周面の傾斜に対応する傾斜を有するテーパー状の断面の板ばねをリング状に成形したものである。第1の実施形態と同様に、クランプ24を形成するばねの両端にはそれぞれつまみ部24aが設けられている。これらのつまみ部24aを強く摘むことによりリング状の部分の径が拡大し、離すとリング状の部分の径が縮小する。
【0029】
本実施形態では、予め吸湿膨張部材23をその小径側を先端としてチューブ接続口12に通しておく。そして、図4(a)に示すように、チューブ接続口11の外側にチューブ12の端部を被せるようにして接続した後、吸湿膨張部材23をずらしてチューブ接続口11とチューブ12との接続部を覆う。
【0030】
その後、吸湿膨張部材23の外側をクランプ24により締め付けて固定する。この場合、クランプ24は、厚肉部がチューブ接続口11側、薄肉部がチューブ12側となるように取り付ける。これにより、図4(a)に示すようにクランプ24の外周面はチューブ接続口11とチューブ12との接続部に対しほぼ平行となる。
【0031】
図5(a),(b)は、本実施形態の水漏れ防止構造における水漏れ防止作用を示す模式図である。
【0032】
図5(a)に示すように、何らかの原因によりチューブ接続口11とチューブ12との間に隙間が生じて水が漏れると、水は吸湿膨張部材23内を浸透して広がる。一方、吸湿膨張部材23は、水を吸収した部分が膨張しようとする。しかし、クランプ24により外側が締め付けられているため、図5(b)に示すように吸湿膨張部材23で発生した膨張力がチューブ12を縮径する方向の応力となる。これにより、チューブ接続口11とチューブ12との間の隙間が狭まり、水漏れが止まる。
【0033】
また、本実施形態では、クランプ24の内側が傾斜面になっているので、吸湿膨張部材23で発生した応力は傾斜面にほぼ垂直方向に向かい、チューブ接続口11とチューブ12との間の隙間を強く圧縮する。これにより、チューブ接続口11とチューブ12との間の隙間から外に漏れ出ようとする水が押し戻される。更に、吸湿膨張部材23自身の膨張により吸湿膨張部材23内の隙間がなくなり、水が吸湿膨張部材23内に侵入しにくくなる。
【0034】
このように、本実施形態によれば、クランプ24の内面が傾斜面となっているので、第1の実施形態に比べて吸湿膨張部材23で発生した膨張力がチューブ接続口11とチューブ12との間の隙間に集中し、水漏れを防止する効果が大きい。このため、本実施形態の液漏れ防止構造は、第1の実施形態に比べてより一層信頼性が高い。
【0035】
以下、上述の液漏れ防止構造の効果について調べた結果について説明する。
【0036】
図6に示すように、チューブ接続口11として外径が5mm、内径が3mmのアルミニウム管を使用し、チューブ12として外径が6mm、内径が4mmのブチルゴムチューブを使用した。そして、直径が0.5mmのワイヤ29を挟んでチューブ接続口11とチューブ12とを接続し、その接続部にポリアクリル酸系樹脂により所定の形状に成形された吸湿膨張部材23を配置し、更にその外側をクランプ24で締め付けて固定した。
【0037】
その後、チューブ12及びチューブ接続口11内に、電磁ピストンポンプにより水を連続的に流した。ポンプ流量は400ミリリットル/分である。その結果、500時間を経過しても、接続部からの水漏れを確認することはできなかった。一方、吸湿膨張部材を使用しないで接続部のチューブ外側を単にクランプで締め付けただけの場合は、短時間で接続部からの水漏れが確認された。これらの結果から、本実施形態の有用性が確認された。
【0038】
(第3の実施形態)
図7(a)は第3の実施形態に係る液漏れ防止構造を示す模式図、図7(b)は図7(a)のIV−IV線による断面図である。これらの図7(a),(b)において、図1(a),(b)と同一物には同一符号を付している。
【0039】
本実施形態においては、チューブ接続口11とチューブ12との接続部の周囲に第1の吸湿膨張材シート33a、第2の吸湿膨張材シート33b及び第3の吸湿膨張材シート33cを順に巻き付け、更にその外側をクランプ14により締め付けて固定する。
【0040】
吸湿膨張材シート33a,33b,33cは、いずれも水分を吸収すると膨張するポリアクリル樹脂酸等の樹脂、又はそれらの樹脂と化学繊維との混合物などからなる。また、第1の吸湿膨張材シート33aは第2の吸湿膨張材シート33bよりも吸水性が高い樹脂により形成され、第2の吸湿膨張材シート33bは第3の吸湿膨張材シート33よりも吸水性が高い樹脂により形成されている。つまり、外側の吸湿膨張材シートほど吸水性が低くなっている。
【0041】
チューブ接続口11とチューブ12との接続部の隙間から水が漏れると、図8(a)に示すように、大部分の水は吸湿膨張材シート33a,33bで吸収され、第3の吸湿膨張材シート33cの外周までは殆ど到達しない。また、吸湿膨張材シート33bは吸湿膨張材シート33aよりも吸水性が低いため、チューブ接続口11とチューブ12との隙間から漏れた水は吸湿膨張材シート33a内を優先的に広がり、その後吸湿膨張材シート33bに侵入していく。
【0042】
吸湿膨張材シート33a,33bは、水を吸収することにより膨張しようとするが、外側を吸湿膨張材シート33c及びクランプ14により抑えられているため、図8(b)に示すように、吸湿膨張材シート33a,33bで発生した膨張力がチューブ12を縮径する方向の応力となる。これにより、第1の実施形態と同様に、チューブ接続口11とチューブ12との間の隙間が狭まり、水漏れが止まる。また、吸湿膨張材シート33a,33b,33c自身の膨張により吸湿膨張材シート33a,33b,33c内の隙間が塞がれ、水が吸湿膨張材シート33a,33b内に侵入しにくくなる。
【0043】
本実施形態においては、第1の実施形態と同様の効果が得られるのに加えて、水が吸湿膨張材シート33a全体に広がるので、吸湿膨張材シートの膨張にともなって発生するチューブ12を縮径する方向の応力が第1の実施形態に比べてより強く働く。このため、第1の実施形態に比べて水漏れを防止する効果が大きい。また、本実施形態においては外側の吸湿膨張材シートほど吸水性が低いので、漏水が吸湿膨張材シート33cの外側に浸み出すことがより確実に防止されるという効果もある。なお、チューブ接続口11とチューブ12との接続部に吸湿膨張材シート33a,33b,33cを順次巻きつける替わりに、第2の実施形態と同様に予め吸湿膨張材シート33a,33b,33cで成形体を作成しておき、その成形体をチューブ接続口11とチューブ12との接続部に配置するようにしてもよい。
【0044】
以下、上述の液漏れ防止構造の効果について調べた結果について説明する。
【0045】
第2の実施形態と同様に、直径が0.5mmのワイヤを挟んでチューブ接続口(外径5mm、内径3mmのアルミニウム管)11とチューブ(外径6mm、内径4mmのブチルゴムチューブ)12とを接続した。そして、それらの接続部の周囲に、第1の吸湿膨張材シート33aとしてKH0230NF、第2の吸湿膨張材シート33bとしてKK0120R、第3の吸湿膨張材シート33cとしてKB0107F(いずれも帝人ファイバー社製)を巻き付け、更にその外側をクランプ14により締め付けた。各吸湿膨張材シートの吸水量を下記表1に示す。
【0046】
【表1】

そして、チューブ12内に、電磁ピストンポンプにより水を連続的に流した。ポンプ流量は400ミリリットル/分である。その結果、500時間を経過しても、接続部からの水漏れを確認することはできなかった。一方、吸湿膨張部材を使用しないで接続部のチューブ外周を単にクランプで締め付けただけの場合は、短時間で接続部からの水漏れが確認された。これらの結果から、本実施形態の有用性が確認された。
【0047】
なお、上述した各実施の形態では電子計算機の冷却用配管の水漏れに適用した例を説明したが、上述した技術を水又は薬品等を移送する樹脂配管又は金属配管の接続部の液漏れ防止に使用してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
11…チューブ接続口、12…チューブ、13,33a,33b,33c…吸湿膨張材シート、14,24…クランプ、14a,24a…つまみ部、15…ねじ、23…吸湿膨張部材、29…ワイヤ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管接続口と、
前記配管接続口に接続した配管と、
水分を吸収すると膨張する材料により形成され、前記配管接続口と前記配管との接続部の周囲に配置された吸湿膨張部材と、
前記吸湿膨張部材の外周を締め付ける締め付け具と
を有することを特徴とする液漏れ防止構造。
【請求項2】
前記締め付け具は断面がテーパー状の板ばねをリング状に曲げて形成され、
前記吸湿膨張部材の外周面は前記締め付け具の形状に対応した傾斜面を有することを特徴とする請求項1に記載の液漏れ防止構造。
【請求項3】
前記吸湿膨張部材が吸水性が相互に異なる複数の吸湿膨張層により形成され、内側の吸湿膨張層ほど吸水性が高いことを特徴とする請求項1に記載の液漏れ防止構造。
【請求項4】
前記吸湿膨張部材は、ポリアクリル酸系樹脂、ポバール系樹脂、ポリオキシエチレン系樹脂及びセルロース系樹脂のいずれかを主成分とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液漏れ防止構造。
【請求項5】
前記吸湿膨張部材は、水分を吸収すると膨張する材料により形成された織布又は不織布を巻き付けてなるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液漏れ防止構造。
【請求項6】
冷却液により冷却する冷却機構を備えた電子機器であって、前記冷却機構が、
配管接続口と、
前記配管接続口に接続した配管と、
水分を吸収すると膨張する材料により形成され、前記配管接続口と前記配管との接続部の周囲に配置された吸湿膨張部材と、
前記吸湿膨張部材の外周を締め付ける締め付け具とを有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−196865(P2010−196865A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45241(P2009−45241)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】