説明

液状処理組成物のための真珠光沢剤スラリー

本発明に従って、より長期にわたる物理的安定性と加工寿命とを備える無機真珠光沢剤スラリーと、洗濯組成物又は硬質表面洗浄組成物としての使用に好適な液状処理組成物の製造方法に好適なスラリーを製造する方法と、を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状処理組成物の構成成分として使用するのに好適なスラリーに関する。
【背景技術】
【0002】
液状処理組成物の調製における、技術的可能性の向上及び美観の改善が目的である。組成物を真珠光沢性にすることは、液状処理組成物の美観を改善する1つの方法である。
【0003】
真珠光沢は、真珠光沢剤を液状処理組成物に組み込むことによって得られる。真珠光沢剤としては、雲母、オキシ塩化ビスマス及び二酸化チタンのような無機天然物質、並びに高級脂肪酸の金属塩、グリコール脂肪酸エステル、及び脂肪酸アルカノールアミドのような有機化合物が挙げられる。本発明は、あくまで無機真珠光沢剤の使用に関する。真珠光沢剤は、粉末、好適な懸濁剤に懸濁された真珠光沢剤の懸濁液として得ることができ、あるいは真珠光沢剤が結晶である場合はその場で製造してもよい。
【0004】
真珠光沢剤脂肪酸グリコールエステルを含む洗剤組成物及び真珠光沢分散物は、以下の特許に開示されている。米国特許第4,717,501号(花王(Kao))、同第5,017,305号(Henkel)、同第6,210,659号(Henkel)、同第6,835,700号(Cognis)。真珠光沢剤を含有する液状処理組成物は米国特許第6,956,017号(Procter & Gamble)に開示されている。真珠光沢剤を含有する、繊細な衣類を洗浄するための液体洗剤は、欧州特許第520551(B1)号(Unilever)に開示されている。
【0005】
本発明は、無機真珠光沢剤を含むスラリーに関する。国際公開第2007/111899(A2)号(Procter & Gamble)に記載のスラリーは、真珠光沢剤のキャリアとして水を使用する。しかしながら出願者らは、真珠光沢剤のキャリアとしての水の使用は、物理的安定性から、真珠光沢剤が沈殿し始めるまでの最大6週間までであることを公開している。
【0006】
国際公開第2007/11189号の無機真珠光沢剤スラリーは、バッチ方法で製造される。次いで計量した無機真珠光沢剤スラリーを、液状処理組成物の製造に使用される連続的な方法に加える。しかしながら、上述のように、無機真珠光沢剤はスラリー懸濁液から沈殿する傾向がある。この沈殿は、液状処理組成物を調製するために使用される連続的な方法に問題を生じることから、液状処理組成物には真珠光沢が強すぎたり、あるいは全く真珠光沢性でなかったりする可能性のある部分が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,717,501号
【特許文献2】米国特許第5,017,305号
【特許文献3】米国特許第6,210,659号
【特許文献4】米国特許第6,835,700号
【特許文献5】米国特許第6,956,017号
【特許文献6】欧州特許第520551(B1)号
【特許文献7】国際公開第2007/111899(A2)号
【特許文献8】国際公開第2007/11189号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの問題に対する1つの可能性のある解決法は、スラリーの粘度を増大させ得るものである。しかしながら最終製品は、注がれ得る又は加工され得るように、低粘性、特に高せん断下で低粘性である必要がある。したがってスラリーのような液状処理組成物の構成成分は、高粘性であってはならない。これに反して、低せん断下でスラリーが低粘度を有する場合、微粒子は懸濁液から抽出され、貯蔵庫に浮くか又は沈むかのいずれかの状態を生じる傾向がある。これは望ましくない非均質スラリーを生じ、このスラリーでは一部が真珠のように輝き、一部は透明でありかつ均質である。このような透明なスラリーは、真珠光沢性が強すぎたり、あるいは全く真珠光沢性でないなどの、最終組成物の美観に望ましくない影響を持つ可能性がある。それゆえ出願者らは、スラリーの粘度を単純に変化させただけでは、本発明に示したような問題は十分に解決されないことを見出した。
【0009】
加えて、無機真珠光沢剤は不溶性であり、かつ適切な溶液なしには濡れた砂のように振る舞い、スラリーの加工に問題を生じる。濡れた砂のような振る舞いはスラリーを混合しづらくし、混合方法で使用する装置にかなりの労力を要求する。
【0010】
本発明は、スラリーと、液状処理組成物へと更に加工するのに好適なスラリーの調製手順を提供する。本発明は特に、無機真珠光沢剤スラリーの物理的安定性及び加工寿命の改良に関し、これにより液状処理組成物の製造方法と品質を改良する。本発明はまた、無機真珠光沢剤スラリーにおいて、溶媒とレオロジー変性剤とを組み合わせて使用し、スラリーの物理的安定性と加工寿命を改良することに関する。出願者らは、水をグリセロール又はソルビトール溶媒のいずれかと置き換えることでスラリーの物理的安定性が増加し、このようなスラリーでは物理的安定性が16週間保たれることを発見した。本発明はまた、無機真珠光沢剤スラリーの製造方法の最適化に関し、無機真珠光沢剤の添加が厳密に制御される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に従い、液状処理組成物に使用するのに好適な無機真珠光沢剤スラリーであって、
a)無機真珠光沢剤と、
b)グリセロール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒と、
c)レオロジー変性剤と、を含む、無機真珠光沢剤スラリーを提供する。
【0012】
本発明はまた、液状処理組成物で使用するための無機真珠光沢剤スラリーの製造方法であって、
a)グリセロール、及びソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒と、10重量%〜66重量%の100%活性無機真珠光沢剤とを組み合わせる工程と、
b)レオロジー変性剤を添加して混合する工程と、
c)残りの無機真珠光沢剤を添加する工程と、を含む、方法にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明では、本明細書で使用するとき、用語「スラリー」は、一般的には周囲温度において流動性であり、かつ非水溶性の固体粒子又はその他の固体物を含有するような、液体組成物を意味する。
【0014】
本発明の無機真珠光沢剤スラリーは、洗濯用途又は家事用途に好適な液状処理組成物の、構成成分としての使用に好適である。用語「洗濯処理組成物」とは、洗浄及び柔軟化組成物又はコンディショニング組成物を包含する、洗濯処理に使用される全ての液体組成物を含むことを意味する。用語「硬質表面処理組成物」は、台所又は浴室面、並びに手動又は自動食器洗浄操作における皿及び調理器のような硬質表面の処理に使用される全ての液体組成物を包含することを意味する。
【0015】
この用途での、本発明に従う真珠光沢剤スラリーは、30%〜60%の水を含む。しかしながら、好ましくは水は添加されない。水がスラリー中に存在する場合、好ましくは、レオロジー変性剤プレミックスのような、スラリーの他の材料の構成成分として存在する。
【0016】
本発明の無機真珠光沢剤スラリーは、好ましくは0.5s−1で21000〜65000センチポアズ及び20s−1で1000〜3000センチポアズの粘度を有する。粘度は、従来の方法で測定できる。しかしながら、本発明による粘度は、直径40mm及び間隙サイズ500μmで、平板鋼スピンドルを使用する、TA instruments製AR 550レオメーターを使用して測定されるものである。20s−1での高せん断粘度、及び0.5−1での低せん断粘度は、21℃における3分間の0.1−1〜25−1の対数せん断速度曲線から得ることができる。
【0017】
好ましくは本発明のスラリーは、スラリーから直接的に測定した場合、pH 7〜11であり、より好ましくはpH 7〜9である。
【0018】
スラリーの温度、並びに調製及び保管を通しての温度は、好ましくは35℃以下である。使用するレオロジー変性剤が硬化ヒマシ油(HCO)である場合、温度はより好ましくは10℃〜30℃である。HCOの融点は低く、融解した場合にはレオロジー変性剤活性を損ない、スラリーの不安定性を生じる。
【0019】
真珠光沢剤
本発明に従う真珠光沢剤は、真珠光沢効果を生じるために光を反射及び屈折させることが可能である無機結晶又はガラス状固体の透明又は半透明の化合物である。一般的に、真珠光沢剤は、それらが組み込まれる組成物に不溶な結晶性粒子である。好ましくは、真珠光沢剤は、薄板又は球体の形状を有する。本発明によると、球状物は一般的な球形と解釈される。粒径は、その球形の最大直径で測定される。板状粒子は、粒子の2つの寸法(長さと幅)が3番目の寸法(奥行き又は厚さ)の少なくとも5倍であるようなものである。立方体状晶、針状晶、又は他の結晶形状のような別の結晶形状は、真珠光沢効果を示さない。雲母のような多くの真珠光沢剤は、単斜晶結晶を有する天然鉱物である。形状は、その剤の安定性に影響すると思われる。球形状の剤、更により好ましくは、板様の剤が最もうまく安定する。
【0020】
真珠光沢メカニズムは、R.L.Crombieにより、International Journal of Cosmetic Science Vol 19,page 205〜214に記載されている。組成物中に本質的に互いに平行に異なるレベルで位置したときに真珠の板状体又は球体から反射する光が、深み及び艶感を作り出す。いくらかの光が、真珠光沢剤から反射され、残りは、剤を通過する。したがって、真珠光沢剤を透過する光は直接透過するか又は屈折する。反射した、屈折した光は、異なる色、輝度及び艶を生じる。
【0021】
粒径と分布が小さくなるほど、真珠光沢剤はより容易に懸濁される。しかしながら、真珠光沢剤の粒径が減少するにつれて、この剤の効果もまた減少する。したがって本発明では、真珠光沢剤は、好ましくは5〜32マイクロメートルの粒径を、より好ましくは5〜26マイクロメートルの粒径を有することが好ましい。
【0022】
本発明のスラリーは、好ましくはスラリーの1重量%〜35重量%の100%活性無機真珠光沢剤を含む。より好ましくはスラリーは、スラリーの10重量%〜30重量%、より好ましくは10重量%〜20重量%の100%活性無機真珠光沢剤を含む。
【0023】
本発明の真珠光沢剤は無機である。無機真珠光沢剤は動的な真珠光沢効果と静的な真珠光沢効果の両方を提供する。動的真珠光沢とは、組成物が動いているときに、組成物が真珠光沢効果を示すことを意味する。静的真珠光沢とは、組成物が静止しているときに、組成物が真珠光沢効果を示すことを意味する。
【0024】
無機真珠光沢剤
無機真珠光沢剤としては、雲母、金属酸化物被覆雲母、シリカ被覆雲母、オキシ塩化ビスマス被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、ミリスチルミリステート、ガラス、金属酸化物被覆ガラス、グアニン、グリッター(glitter)(ポリエステル又は金属)及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0025】
好適な雲母としては、白雲母又はカリウムアルミニウム水酸化フッ化物が挙げられる。板状晶の雲母は好ましくは金属酸化物の薄層で被覆される。好適な金属酸化物は、ルチル、二酸化チタン、酸化第二鉄、酸化錫、アルミナ及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0026】
これらの真珠光沢剤の真珠光沢効果は、金属酸化物層の上面及び底面から鏡面反射角で反射する光線の間の干渉を通して発現する。この剤は、視覚が非反射角へとシフトするにつれて色強度を失い、真珠光沢性の外観を与えるようになる。
【0027】
より好ましくは無機真珠光沢剤は、雲母及びオキシ塩化ビスマス及びこれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは無機真珠光沢剤は雲母である。より好ましくは真珠光沢剤は金属酸化物被覆雲母であり、より好ましくは酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス被覆雲母又はシリカ被覆雲母、及びこれらの混合物である。
【0028】
市販の好適な無機真珠光沢剤は、Merckから、商品名Iriodin、Biron、Xirona、Timiron Colorona、Dichrona、Candurin、及びRonastarとして入手可能である。その他の市販の無機真珠光沢剤は、BASF社(Engelhard,Mearl)からBiju、Bi−Lite、Chroma−Lite、Pearl−Glo、及びMearlite and Eckartから商品名Prestige Soft Silver及びPrestige Silk Silver Starの商品名で入手可能である。
【0029】
無機真珠光沢剤は好ましくは粉末として組み込まれ、任意の追加の加工工程を必要とすることなくスラリーの製造に使用される。スラリーの製造方法は以降に更に詳細に記載される。
【0030】
有機溶媒系
レオロジー変性剤と組み合わせた溶媒系は、スラリーの物理安定性を推進するのに必須である。本発明に従う好適な溶媒は、グリセロール、及びソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒である。溶媒は典型的には、スラリーの10重量%〜50重量%、好ましくは20重量%〜40重量%の範囲の濃度で存在する。
【0031】
グリセロールは無色無臭であり、かつ粘稠な液体である。グリセロールは甘みがあり、低毒性である。グリセロールは、水溶解性とその含水特性に関与する、3つのヒドロキシル基を有する。
【0032】
ソルビトールは、水溶解性とその含水特性に関与する、6つのヒドロキシル基を有する糖アルコールである。
【0033】
理論に束縛されることは望まないが、溶媒とレオロジー変性剤との間には相乗効果が存在すると考えられている。更にこれらの2つの要素を含む系は、系内に、より高い弾性を生み出したと考えられる。この弾性は、系又はネットワークが、せん断後に、より迅速に回復し得ることを意味すると考えられる。
【0034】
レオロジー変性剤
本発明のスラリーはレオロジー変性剤を含む。本明細書のスラリーに、かかるレオロジー変性剤を添加することにおける総合的な目的は、スラリーの濃さ、注ぎやすさ、物理安定性、光学特性、及び/又は粒子懸濁性能の点で適切に機能的であり、審美的に満足のいくスラリーを見出すことである。したがって、レオロジー変性剤は、スラリーの適切なレオロジー特性を確立するのに役立ち、かつ、それを行うのに、製品に対して、不適格な光学的特性又は望ましくない相分離などの望ましくないあらゆる属性を付与することはない。「レオロジー特性」により、応カ及びひずみ下にあるスラリーの、流動特性を意味する。
【0035】
本明細書の真珠光沢剤スラリーのレオロジー変性剤構成成分は、「外部」又は「内部」レオロジー変性剤として特徴付けることができる。本発明の目的上、「外部」レオロジー変性剤は、液体マトリックスにレオロジー変化をもたらすといった主要機能を有する物質である。したがって、一般的に外的レオロジー変性剤は、その中で及びそれ自体で、顕著な布地清浄効果又は布地ケア効果を全くもたらさない、又は顕著な成分可溶化効果を全くもたらさない。外的レオロジー変性剤は、したがって、同様にマトリックスレオロジーを変更できるが、いくつかの追加の主要目的のために液体製品に組み込まれた「内的」レオロジー変性剤とは明確に異なる。したがって、例えば、内在する好ましいレオロジー変性剤は、スラリーのレオロジー特性を変化させるように作用し得るが、これは最終製品において主に洗浄成分として作用するようスラリー中に添加されてきたアニオン性界面活性剤である。
【0036】
本発明のスラリーのレオロジー変性剤は、特定のレオロジー特性を有する真珠光沢剤スラリーに液体マトリックスを提供するために使用される。主要な特性では、マトリックスは「ずり減粘」でなければならない。ずり減粘流体は、せん断力が流体に適用されるにつれて、粘度が低下する流体である。したがって、スラリーの静止時、すなわちスラリーの保管時又は輸送時には、スラリーの液体マトリックスは比較的高い粘度を有するべきである。しかしながら、スラリーの注ぎ、ポンプ吸引又は混合時の作用においてのように、せん断力が真珠光沢剤スラリーに適用されるとき、マトリックスの粘性は、スラリーの分配及び混合が容易にかつ速やかになされる程度に低くなければならない。
【0037】
本発明のスラリーに特に有用である1種のレオロジー変性剤は、その場でマトリックス中に結晶化されると、液体マトリックスの全体にわたって糸様構造系を形成することができる非高分子(従来のアルコキシル化を除く)結晶性ヒドロキシ官能性材料を含む。かかる物質は、一般に、結晶性ヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪酸エステル又は脂肪ろうとして特徴付けることができる。
【0038】
具体的な、好適な結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤の例としては、ヒマシ油及びその誘導体が挙げられる。特に好ましい誘導体は、硬化ヒマシ油(HCO)及び水素添加カストリウムワックスなどである。市販のヒマシ油系、結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤としては、Rheox,Inc.(現Elementis)製のTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。
【0039】
代替の市販材料は、結晶性のヒドロキシル基含有レオロジー変性剤としての使用に好適なものである。この種のレオロジー変性剤の例は、R,R及びS,Sの型の1,4−ジ−O−ベンジル−D−トレイトール、並びに光学活性又は不活性な任意の混合物である。
【0040】
上記のように説明された、これら結晶性のヒドロキシル基含有レオロジー変性剤の全ては、本明細書のスラリーの液体マトリックス中で、又はかかる液体マトリックスを形成するために使用されるプレミックス中で、その場で(in situ)結晶化される場合、糸状構造化系を形成することによって機能すると考えられる。そのような結晶化は、これらの材料の水性混合物をレオロジー変性剤の融点より高い温度に加熱し、続いてその混合物を室温まで液を撹拌下で維持しながら冷却することによって引き起こされる。
【0041】
以上で記載された非高分子結晶性のヒドロキシル基含有レオロジー変性剤の他に、他の種類のレオロジー変性剤を本明細書のスラリーに利用してもよい。また、水性液体マトリックスにずり減粘特性を提供する高分子物質が使用されてもよい。
【0042】
好適なポリマーレオロジー変性剤には、ポリアクリレート、多糖類又は多糖類誘導体のタイプのものが挙げられる。レオロジー変性剤として典型的に用いられる多糖類誘導体には、ポリマーゴム材料が含まれる。そのようなゴムとしては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム及びグアーガムが挙げられる。
【0043】
本明細書でポリマーレオロジー変性剤が使用される場合、このタイプの好適な材料はジェランガムである。ジェランガムは、シュードモナス・エロディア(Pseudomonaselodea)ATCC 31461の発酵によって調製されるヘテロ多糖である。ジェランガムは、CP Kelco U.S.社から商標名KELCOGELで市販されている。ジェランガムを調製する方法は、米国特許第4,326,052号、同第4,326,053号、同第4,377,636号及び同第4,385,123号に記載されている。
【0044】
他の好ましい実施形態においては、レオロジー変性剤は、不飽和モノ−又はジ−炭酸のポリアクリレート及び(メタ)アクリル酸の1〜30Cアルキルエステルである。そのようなコポリマーは、Noveon Incから商品名Carbopol Aqua 30で入手可能である。
【0045】
好ましくは、本発明のレオロジー変性剤は、外的レオロジー変性剤である。レオロジー変性剤は、非高分子結晶性のヒドロキシ官能性材料、高分子レオロジー変性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。レオロジー変性剤は、スラリーにずり減粘特性を付与する。結晶性、ヒドロキシ官能性材料はレオロジー変性剤であり、それはマトリックス中のその場での結晶化により組成物のマトリックスの全体にわたって糸状構造系を形成する。ポリマーレオロジー変性剤は、好ましくはポリアクリレート、ポリマーゴム、その他の非ゴム多糖類、及びこれらのポリマー材料の組み合わせから選択される。
【0046】
好ましくは、本発明の真珠光沢剤スラリーは、無機真珠光沢剤スラリーの40重量%〜80重量%のレオロジー変性剤を含む。好ましくは、本明細書の無機真珠光沢剤スラリーの40重量%〜60重量%、より好ましくは40重量%〜50重量%である。
【0047】
洗浄性界面活性剤
本スラリーはまた、界面活性剤を含み得る。かかる界面活性剤はレオロジー変性剤の構成成分であってもなくてもよい。界面活性剤は、汚れを懸濁させるための洗浄性界面活性剤として本発明に使用される。
【0048】
使用される洗浄性界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、双極性イオン、両性、若しくはカチオン性の種類のものであってもよく、又はこれらの種類の界面活性剤の相容性混合物を含んでもよい。より好ましくは、界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性の界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、組成物は、ベタイン界面活性剤を実質的に含まない。本明細書で有用な洗浄性界面活性剤は、米国特許第3,664,961号(Norris、1972年5月23日発行)、同第3,919,678号(Laughlinら、1975年12月30日発行)、同第4,222,905号(Cockrell、1980年9月16日発行)、及び同第4,239,659号(Murphy、1980年12月16日発行)に記載されている。アニオン性及び非イオン性の界面活性剤が好ましい。
【0049】
有用なアニオン性界面活性剤は、それら自体が、いくつか異なる種類の界面活性剤であってもよい。例えば、高級脂肪酸の水溶性塩、すなわち「石鹸」は、本明細書の組成物において有用なアニオン性界面活性剤である。これには、約8〜約24個の炭素原子、及び好ましくは約12〜約18個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びアルキルアンモニウム塩のようなアルカリ金属石鹸、が挙げられる。石鹸は、脂肪及び油の直接鹸化によって、又は遊離脂肪酸の中和によって製造することができる。特に有用であるのは、ココヤシ油及び獣脂から誘導される脂肪酸の混合物のナトリウム塩及びカリウム塩、すなわち、ナトリウム又はカリウム獣脂及びココヤシ石鹸である。
【0050】
本明細書に用いるのに好適な、石鹸以外の更なるアニオン性界面活性剤としては、その分子構造内に約10〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基とスルホン酸基又は硫酸エステル基とを有する有機イオウ反応生成物の、水溶性塩、好ましくはアルカリ金属及びアンモニウム塩が挙げられる。(用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる)この群の合成界面活性剤の例は、a)アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキル硫酸アンモニウム、特に、獣脂又はココヤシ油のグリセリドの還元によって生成されるもののような高級アルコール(C〜C18炭素原子)の硫酸化によって得られるもの、b)アルキルポリエトキシレート硫酸ナトリウム、アルキルポリエトキシレート硫酸カリウム、及びアルキルポリエトキシレート硫酸アンモニウム、特に、アルキル基が10〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を含有し、ポリエトキシレート鎖が1〜15個、好ましくは1〜6個のエトキシレート部分を含有するもの、並びにc)アルキル基が直鎖又は分枝鎖構造中に約9〜約15個の炭素原子を含有する、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びアルキルベンゼンスルホン酸カリウム、例えば、米国特許第2,220,099号及び同第2,477,383号に記載の種類のものである。とりわけ価値があるのは、アルキル基の平均炭素原子数が約11〜13個である、C11〜C13 LASと略される、直鎖アルキルベンゼンスルホネートである。
【0051】
好ましい非イオン性界面活性剤は、式R(OCOHのものであり、式中、Rは、C10〜C16アルキル基又はC〜C12アルキルフェニル基であり、nは3〜約80である。特に好ましいのは、C12〜C15アルコールと、アルコール1モル当たり約5〜約20モルのエチレンオキシドとの縮合生成物であり、例えば、C12〜C13アルコールをアルコール1モル当たり約6.5モルのエチレンオキシドで縮合したものである。
【0052】
本発明の無機真珠光沢剤スラリーは、スラリーの約6重量%〜13重量%の界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、レオロジー変性剤が硬化ヒマシ油である場合に、特に好ましいスラリー成分である。
【0053】
液体処理組成物
好ましくは無機真珠光沢剤スラリーは、液状処理組成物の構成成分として使用される。したがって、スラリーが液状処理組成物の必要性を満たし、その他の構成成分と共に加工可能であることが好ましい。液状処理組成物の好適な構成成分を、以下に列挙し議論する。
【0054】
無機真珠光沢剤スラリー
スラリーは上に詳細に記載し議論されている。
【0055】
レオロジー変性剤
好ましくは液状処理組成物は、液状処理組成物に使用される真珠光沢剤スラリーに使用されるものに加えて、レオロジー変性剤を含む。液状処理組成物でのレオロジー変性剤の機能及び選択は、既にスラリーについて記載したものと同様である。
【0056】
洗浄性界面活性剤
好ましくは液状処理組成物は、真珠光沢剤スラリーに使用されるものに加えて、洗浄性界面活性剤を含む。液状処理組成物中での洗浄性界面活性剤の機能及び選択は、既にスラリーについて記載したものと同様である。
【0057】
液状処理組成物の任意成分
液状処理組成物は以下に示す任意成分の列記から選択されるその他の成分を含み得る。本明細書の以下において特に指示しない限り、特定の洗濯助剤の「有効な量」は、洗剤組成物の、好ましくは0.01重量%から、より好ましくは0.1重量%から、更により好ましくは1重量%から、20重量%まで、より好ましくは15重量%まで、更により好ましくは10重量%まで、更により好ましくは7重量%まで、最も好ましくは5重量%までである。
【0058】
布地ケア有益剤
本明細書の組成物の好適な実施形態によると、布地ケア有益剤が含まれる。本明細書で使用するとき、「布地ケア有益剤」は、その材料が適切な量で衣類/布地の上にあるときに、布地ケアに効果を与えるあらゆる材料を指し、例えば、布地柔軟化、着色保護、毛玉/毛羽削減、磨耗防止、皺防止、などの効果を衣類及び布地、特に綿及び綿が多い衣類並びに布地に対して与える。布地ケア有益剤の非限定的な例としては、カチオン性界面活性剤、シリコーン、ポリオレフィンワックス、ラテックス、油性糖誘導体、カチオン性多糖類、ポリウレタン、脂肪酸、及びこれらの混合物が挙げられる。処理組成物中に存在する場合、ある実施形態において、布地ケア有益剤は、好適には組成物の最大で約30重量%、より一般的には1重量%〜20重量%、好ましくは2重量%〜10重量%の濃度である。
【0059】
ビルダー
液状処理組成物は所望によりビルダーを含み得る。好適なビルダーを以下に説明する。
【0060】
好適なポリカルボキシレート研磨剤としては、環状化合物、特に米国特許第3,923,679号、同第3,835,163号、同第4,158,635号、同第4,120,874号及び同第4,102,903号に記載されるもののような脂環式化合物が挙げられる。
【0061】
その他の有用な洗剤性ビルダーとしては、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸のエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の各種アルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換型アンモニウム塩、並びにメリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びこれらの可溶性塩のようなポリカルボキシレートが挙げられる。
【0062】
シトレートビルダー、例えば、クエン酸及びその可溶性の塩(特に、ナトリウム塩)は、その再生可能な資源からの可用性及びその生分解性のために、強力液体洗剤製剤にとって特に重要なポリカルボキシレートビルダーである。オキシジスクシネートはまた、かかる組成物及び組み合わせにおいて特に有用である。
【0063】
同様に液状処理組成物に好適なものは、3,3−ジカルボキシ−4−オキサ−1,6−ヘキサンジオエート、及び米国特許第4,566,984号(Bush)(1986年1月28日発行)に開示される関連する化合物である。有用なコハク酸研磨剤としては、C5〜C20のアルキル、及びアルケニルコハク酸、並びにこれらの塩が挙げられる。この種類の特に好ましい化合物は、ドデセニルコハク酸(dodecenylsuccinic acid)である。スクシネートビルダーの具体例には、ラウリルスクシネート、ミリスチルスクシネート、パーミチルスクシネート、2−ドデセニルスクシネート(好ましい)、2−ペンタデセニルスクシネートなどが挙げられる。ラウリルスクシネートは、この群の好ましいビルダーであり、欧州特許第0 200 263(A)号明細書(1986年11月5日発行)に記載されている。
【0064】
窒素を含有し、リンを含まないアミノカルボキシレートの具体的な例としては、エチレンジアミン二コハク酸及びその塩(エチレンジアミンジスクシネート、EDDS)、エチレンジアミン四酢酸及びその塩(エチレンジアミンテトラアセテート、EDTA)、並びにジエチレントリアミン五酢酸及びその塩(ジエチレントリアミンペンタアセテート、DTPA)が挙げられる。
【0065】
他の好適なポリカルボキシレートが、米国特許第4,144,226号(Crutchfieldら)(1979年3月13日発行)及び米国特許第3,308,067号(Diehl)(1967年3月7日発行)に開示されている。米国特許第3,723,322号(Diehl)も参照されたい。かかる物質には、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、アコニット酸、シトラコン酸、及びメチレンマロン酸のような脂肪族カルボン酸の、ホモ及びコポリマーの水溶性塩が挙げられる。
【0066】
漂白剤系
液状処理組成物での使用に好適な漂白剤系は、1種以上の漂白剤を含有する。好適な漂白剤の非限定的な例は、触媒金属錯体、活性過酸素源、漂白活性化剤、漂白ブースター、光漂白剤、漂白性酵素、フリーラジカル開始剤、及び次亜ハロゲン酸漂白剤からなる群から選択される。
【0067】
香料
好ましくは香料は液状処理組成物中に組み込まれる。香料成分はプレミックスされ、本発明の洗剤組成物に添加する前に調和する香料を形成する。本明細書で用いる場合、「香料」は、個別の香料成分並びに調和香料(perfume accord)を網羅する。より好ましくは液状処理組成物は香料マイクロカプセルを含む。香料マイクロカプセルは、尿素及びホルムアルデヒド、メラミン及びホルムアルデヒド、フェノール、及びホルムアルデヒド、ゼラチン、ポリウレタン、ポリアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、ポリメタクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料から作製されるカプセル内に封入される香料原材料を含み、最も好ましくは香料はメラミン及びホルムアルデヒドのシェルに封入される。封入技術は、Benita及びSimon編「Microencapsulation」:methods and industrial applications(marcel Dekker Inc 1996)に見出することができる。
【0068】
代表的な香料成分及び香料アコードは、米国特許第5,445,747号、同第5,500,138号、同第5,531,910号、同第6,491,840号、同第6,903,061号に開示されている。
【0069】
液状処理組成物の溶媒系
スラリーのものとは対照的に、液状処理組成物中の溶媒系は水のみを含有する溶媒系又は有機溶媒と水の混合物を含有する溶媒系であり得る。好適な有機溶媒には1,2−プロパンジオール、エタノール、グリセロール、ジプロピレンジグリコール、メチルプロパンジオール、及びこれらの混合物が挙げられる。また、他の低級アルコール、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミンのようなC〜Cアルカノールアミンも使用することができる。溶媒系は、例えば、本発明の無水固体実施形態において存在しないこともあり得るが、より典型的には約0.1%〜約98%、好ましくは少なくとも約10%〜約95%、より通常は約25%〜約75%の範囲の濃度で存在する。
【0070】
布地質感染料及び色相染料
染料は酸性染料、塩基性染料、反応性染料、分散性染料、直接性染料、バット染料、硫黄性染料又は溶媒染料などであるものとして伝統的に定義される。液状処理組成物の直接染料については、酸性染料及び反応性染料が好ましく、直接染料が最も好ましい。直接染料は水溶性染料のグループであり、恐らく選択的吸着により、電解質を含有する水溶液から繊維により直接的に引き取られる。カラーインデックスシステムでは、直接染料は様々な平面的で、高度に共役した分子構造を指し、1つ以上のアニオン性スルホネート基を含有する。酸性染料は水溶性アニオン性染料のグループであり、酸性溶液から適用される。反応染料は、天然又は合成繊維の分子の特定の部分との共有連鎖を形成することのできる反応基を含む、染料の基である。化学的構造の観点から、本明細書において有用で好適な布地直接染料は、アゾ化合物、スチルベン、オキサジン及びフタロシアニンであってよい。
【0071】
本明細書に用いられる好適な布地直接染料は、カラーインデックス中に直接紫色染料、直接青色染料、酸性紫色染料及び酸性青色染料として列記されるものを含む。
【0072】
色相染料は洗濯用洗剤組成物中に洗剤を包含する溶液中で洗浄される布地に着色効果を与えるのに十分な量が含まれる。
【0073】
カプセル化組成物
処理組成物ひいては本発明のスラリーは、水溶性フィルム内に封入され得る。水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール、あるいはカルボキシメチルセルロース、セルロース誘導体、デンプン、加工デンプン、糖、PEG、ワックス、又はこれらの組み合わせを含むその他の好適な変形物、から製造されてよい。
【0074】
別の実施形態において、水溶性フィルムはその他の、ビニルアルコールとカルボン酸のコポリマーなどの補助剤を含んでもよい。米国特許第7,022,656 B2号(Monosol)にはそのようなフィルム組成物及びこれらの利点が記述される。
【0075】
水溶性フィルムは、追加のコモノマーを更に含み得る。好適な追加のコモノマーとしては、スルホネート及びエトキシレートが挙げられる。好ましいスルホン酸の一例は、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)である。本発明の文脈での使用に好適な水溶性フィルムは、商品名M8630(商標)(Mono−Sol of Indiana,US.)で市販されている。本明細書の水溶性フィルムは、ポリマー又はポリマー材料以外の成分も含んでよい。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ソルビトール、及びこれらの混合物、追加の水、崩壊助剤、充填剤、消泡剤、乳化/分散剤、並びに/又はブロッキング防止剤を加えることが有益であり得る。パウチ又は水溶性フィルム自体が、洗浄水に供給されるべき洗剤添加物、例えば、有機ポリマー性の汚れ放出剤、分散剤、移染防止剤などを含むことが有用であり得る。所望により、パウチのフィルム表面に微細粉末を散布して、摩擦係数を減少させてもよい。アルミノケイ酸ナトリウム、シリカ、タルク及びアミロースは、好適な微細粉末の例である。
【0076】
封入パウチは任意の従来既知の技術を用いて製造することができる。より好適には、パウチは水平形態充填のサーモフォーミング技法を使用して製造される。
【0077】
その他の助剤
その他好適な洗浄補助剤の、非限定的な例には、トリメトキシ安息香酸又はこれらの塩(TMBA)のようなアルコキシル化安息香酸又はこれらの塩;酵素安定化系;アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、窒素非含有ホスホネート、及びリン及びカルボン酸塩非含有キレート剤を含むキレート剤;ゼオライトのような無機ビルダーを含む無機ビルダー及びポリアクリレート、アクリレート/マレエートコポリマーなどのような水溶性有機ビルダー、及びアニオン性染料固着剤、アニオン性界面活性剤の錯化剤、及びこれらの混合剤を含むスカベンジング剤;過酸化水素及びカタラーゼを含む発泡性系;光学的光沢剤又は蛍光剤;汚れ放出ポリマー;分散剤;泡抑制剤;染料;着色剤;硫酸ナトリウムのような増量剤塩;トルエンスルホネート、キュメンスルホネート、及びナフタレンスルホネートのようなヒドロトロープ;光活性化剤;加水分解性界面活性剤;防腐剤;酸化防止剤;収縮防止剤;防皺剤;殺菌剤;殺真菌剤;色スペックル;着色ビーズ、球状物又は押出し品;日焼け止め剤;フッ素化化合物;粘土;発光剤又は化学発光剤;耐腐食及び/又は器具保護剤;アルカリ性供給源又は他のpH調節剤;可溶化剤;加工助剤;顔料;フリーラジカル捕捉剤、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な物質としては、米国特許第5,705,464号、同第5,710,115号、同第5,698,504号、同第5,695,679号、同第5,686,014号及び同第5,646,101号に記載されているようなものが挙げられる。補助剤の混合物−上記成分の混合物はいかなる割合でも製造できる。
【0078】
スラリー製造
本発明のスラリーは、材料を共に混合することにより製造される。しかしながら、無機真珠光沢剤を加える順序及び量が重要であり、無機真珠光沢剤は2回に分けて加えるべきである。このような方法は、
a)グリセロール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒と、10重量%〜66重量%の100%活性無機真珠光沢剤とを組み合わせる工程と、
b)レオロジー変性剤を添加して混合する工程と、
c)残りの無機真珠光沢剤を添加する工程と、を含む。
【0079】
無機真珠光沢剤は不溶性であり、かつ適切な溶液なしには濡れた砂のように挙動し、スラリー加工に問題を生じる。濡れた砂のような挙動はスラリーを混合しづらくし、混合方法で使用する装置にかなりの労力を要求する。2回に分けて無機真珠光沢剤を加えることにより、加工可能であり均質なスラリーが製造される。まず無機真珠光沢剤の10重量%〜66重量%の、第一回無機真珠光沢剤添加を複数工程で加え、混合する。
【0080】
硬化ヒマシ油は好ましいレオロジー変性剤である。硬化ヒマシ油をレオロジー変性剤として使用する場合、硬化ヒマシ油と界面活性剤とのプレミックスをバッチ方法で製造することが好ましい。水を80℃〜98℃に加熱する。次いで界面活性剤を溶液に加え、適切なpH調整剤(例えばNaOH及び緩衝液)を用いてpHを7〜8に調整する。レオロジー変性剤の融点以上の温度にて硬化ヒマシ油レオロジー変性剤を溶液に分散させ、混合物を乳化させる。次いでエマルションをエンドポイントの25℃まで1℃/分±0.2℃/分で冷却することにより、プレミックスを結晶化する。
【0081】
残りの無機真珠光沢剤を複数工程で加え、混合する。
【0082】
真珠光沢剤スラリーの混合速度はスラリーの組成に基づいて決まり、真珠光沢剤の占める割合が高くなるほど、真珠光沢剤の占める割合が低いものと比較してより速い速度で混合する必要がある。真珠光沢剤のブレンドと組み込みを確実にするために、十分でありかつ一定の混合速度が必要とされる。しかしながらこの方法におけるせん断応力は、レオロジー変性剤により生成したネットワークの、破壊を避けるためにも最小限にとどめるべきである。
【実施例】
【0083】
以下の比限定的な実施例は本発明を例証する。別途明記しない場合、百分率は重量によるものである。
【0084】
本発明による粘度は、直径40mm及び間隙サイズ500μmの平板の鋼製スピンドルを用いるTA instruments製のAR 550レオメーターを使用して測定される。20s−1での高せん断粘度(HSV)、及び0.5−1での低せん断粘度(LSV)は、21℃における3分間の0.1−1〜25−1の対数せん断速度曲線から得ることができる。
【0085】
(実施例1)
実施例1では、実施例A〜Dが本発明のスラリーの例である。
【表1】

【0086】
スラリーA
スラリーAを製造する方法の詳細な例を、以下の表に記載する。表は経時的な方法を示す。二主要工程での無機真珠光沢剤の添加は、以下のように表に記される:複数工程での第一回雲母添加(無機真珠光沢剤の10重量%〜66重量%)及び同様に複数工程での第二回雲母添加(無機真珠光沢剤の残りの重量)。
【0087】
バッチサイズは1100gであり、ビーカー直径は140mmであった。インペラタイプはブレードをピッチ調整したタービンであり、インペラ直径は100mmである。クリアランスC(mm)はビーカーの底からインペラまでの距離であり、任意の測定装置(すなわちメーター又は定規)で測定することができる。
【表2】

【0088】
スラリーB
スラリーBを製造する方法の詳細な例を、以下の表に記載する。表は経時的な方法を示す。二主要工程での無機真珠光沢剤の添加は、以下のように表に記される:複数工程での第一回雲母添加(無機真珠光沢剤の10重量%〜66重量%)及び同様に複数工程での第二回雲母添加(無機真珠光沢剤の残りの重量)。
【0089】
バッチサイズは1100gであり、ビーカー直径は140mmであった。インペラタイプはブレードをピッチ調整したタービンであり、インペラ直径は100mmである。クリアランスC(mm)はビーカーの底からインペラまでの距離であり、任意の測定装置(すなわちメーター又は定規)で測定することができる。
【表3】

【0090】
スラリーC
スラリーCを製造する方法の詳細な例を、以下の表に記載する。表は経時的な方法を示す。二主要工程での無機真珠光沢剤の添加は、以下のように表に記される:複数工程での第一回雲母添加(無機真珠光沢剤の10重量%〜66重量%)及び同様に複数工程での第二回雲母添加(無機真珠光沢剤の残りの重量)。
【0091】
バッチサイズは1100gであり、ビーカー直径は140mmであった。インペラタイプはブレードをピッチ調整したタービンであり、インペラ直径は100mmである。
【表4】

【0092】
スラリーD
スラリーDを製造する方法の詳細な例を、以下の表に記載する。二主要工程での無機真珠光沢剤の添加は、以下のように表に記される:複数工程での第一回雲母添加(無機真珠光沢剤の10重量%〜66重量%)及び同様に複数工程での第二回雲母添加(無機真珠光沢剤の残りの重量)。
【0093】
バッチサイズは30kgであり、タンク直径は390mmであった。インペラタイプはブレードをピッチ調整したタービンであり、インペラ直径は250mmである。クリアランスC(mm)はタンクの底からインペラまでの距離であり、任意の測定装置(すなわちメーター又は定規)で測定することができる。
【表5】

【0094】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状処理組成物に使用するのに好適な無機真珠光沢剤スラリーであって、
a)無機真珠光沢剤と、
b)グリセロール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒と、
c)レオロジー変性剤と、
を含む、無機真珠光沢剤スラリー。
【請求項2】
前記無機真珠光沢剤が、雲母若しくはオキシ塩化ビスマス、より好ましくは金属酸化物被覆雲母、より好ましくはTiO被覆雲母、オキシ塩化ビスマス被覆雲母又はシリカ被覆雲母、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のスラリー。
【請求項3】
前記レオロジー変性剤が、非高分子結晶性のヒドロキシ官能性材料、ポリアクリレート、高分子ゴム、他の非ゴム系の多糖類レオロジー変性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1又は2に記載のスラリー。
【請求項4】
11〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C10〜C20分枝鎖でかつランダムなアルキルサルフェート(AS)、C10〜C18アルキルエトキシサルフェート(AES)(式中xは1〜30である)、中鎖分枝鎖アルキルサルフェート、中鎖分枝鎖アルキルアルコキシサルフェート、1〜5個のエトキシ単位を含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート、変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、C12〜C20メチルエステルスルホネート(MES)、C10〜C18α−オレフィンスルホネート(AOS)、C〜C20スルホスクシネート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスラリー。
【請求項5】
〜C18アルキルエトキシレート、C〜C12アルキルフェノールアルコキシレート、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノール縮合体、C14〜C22中鎖分枝鎖アルコール、C14〜C22中鎖分枝鎖アルキルアルコキシレート、アルキルポリグリコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、エーテルキャップ化ポリ(オキシアルキル化)アルコール、脂肪酸(C12〜18)ソルビタンエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される非イオン性界面活性剤を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記溶媒の重量が、前記無機真珠光沢剤スラリーの10重量%〜50重量%であり、より好ましくは前記無機真珠光沢剤スラリーの20重量%〜40重量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスラリー。
【請求項7】
前記無機真珠光沢剤が、前記無機真珠光沢剤スラリーの1重量%〜35重量%の濃度で存在し、より好ましくは前記無機真珠光沢剤スラリーの10重量%〜30重量%、及びより好ましくは10重量%〜20重量%の濃度で存在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のスラリー。
【請求項8】
前記レオロジー変性剤が、前記無機真珠光沢剤スラリーの40重量%〜80重量%の濃度で存在し、より好ましくは前記無機真珠光沢剤スラリーの40重量%〜60重量%、及びより好ましくは40重量%〜50重量%の濃度で存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のスラリー。
【請求項9】
前記レオロジー変性剤が、硬化ヒマシ油と界面活性剤のプレミックスとして存在し、前記界面活性剤が、好ましくは前記レオロジー変性剤プレミックスの6重量%〜13重量%の濃度で存在する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のスラリー。
【請求項10】
洗剤組成物で使用するための請求項1〜9のいずれか一項に記載のスラリーの製造方法であって、
i)グリセロール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒と、10重量%〜66重量%の100%活性無機真珠光沢剤とを組み合わせる工程と、
ii)レオロジー変性剤を添加して混合する工程と、
iii)残りの無機真珠光沢剤を添加する工程と、
を含む、方法。

【公表番号】特表2012−511624(P2012−511624A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540881(P2011−540881)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/067465
【国際公開番号】WO2010/080326
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】