説明

混練機、射出成形装置及び被混練物の計量方法

【課題】被混練物をペレット化せずに計量して吐出することが可能な混練機を提供する。
【解決手段】軸状のスクリュー部8と、スクリュー部を囲繞するように設けられたシリンダー部9と、を有し、シリンダー部とスクリュー部との間の混練空間Sに、スクリュー部の内部側に設けられた循環流路を通して被混練物Wを循環させて混練を行う混練機2であって、スクリュー部を軸線方向に貫通する計量シリンダー部16と、スクリュー部の外周部と計量シリンダー部との間に貫通し循環流路の一部を構成する第1の流路17と、計量シリンダー部に軸線方向に進退可能に内嵌されたプランジャー部18と、を備え、第1の流路とスクリュー部の先端部8bとの間に循環流路の他を構成する第2の流路を形成する循環状態と、第1の流路とスクリュー部の先端部との間を閉止するとともに計量シリンダー部に被混練物を出入れ可能とする計量状態とを、プランジャー部の位置で切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被混練物を循環させて混練する混練機、射出成形装置及び被混練物の計量方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工業用材料や医療用材料の特性を向上させるために、複数のポリマー同士、もしくはポリマーと有機粉末や無機粉末といった被混練物を混練する様々な装置が検討されている。そのような装置の1つとして、特許文献1に示すように、スクリュー(スクリュー部)にその先端面と基端側の側面とを連結する貫通孔(循環流路)を形成して内部帰還型のスクリューとした混練機が知られている。
この混練機によれば、スクリューを高速で回転させることにより、投入された被混練物を循環させながら被混練物に強い剪断力を与えて溶融させ、被混練物の粒子の径がそれぞれ数十ナノメータ程度まで小さくなるように分散させた押出し成形品が作製できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−313608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の混練機を用いて射出成形を行う場合には、溶融させた被混練物を一度ペレット化してから射出成形装置に投入する必要があった。このため、溶融させた被混練物の温度を下げてペレットに固める際に、温度低下により混練した被混練物の粒子が集まって再結合して被混練物の分散性が低下し、射出成形後に所望の物性を有する成形品が得られないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、被混練物をペレット化することなく溶融状態の被混練物を計量して吐出することが可能な混練機、射出成形装置及び被混練物の計量方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の混練機は、外周部にスクリューを有し回転可能に設けられた軸状のスクリュー部と、該スクリュー部の外周部及び先端部を囲繞するように設けられたシリンダー部と、を有し、該シリンダー部と前記スクリュー部の外周部及び先端部との間の混練空間に、前記スクリュー部の内部側に設けられた循環流路を通して被混練物を循環させて混練を行う混練機であって、前記被混練物を前記混練空間の外部に吐出させるため、前記スクリュー部の先端部に対向する位置の前記シリンダー部に設けられた吐出口と、該吐出口を開閉する開閉機構と、前記スクリュー部を該スクリュー部の軸線方向に貫通する孔部である計量シリンダー部と、前記スクリュー部の外周部と前記計量シリンダー部との間を貫通し、前記循環流路の一部を構成する第1の流路と、前記計量シリンダー部に前記軸線方向に進退可能に内嵌されたプランジャー部と、を備え、前記第1の流路と前記スクリュー部の先端部との間に前記循環流路の他を構成する第2の流路を形成する循環状態と、前記第1の流路と前記スクリュー部の先端部との間を閉止するとともに前記スクリュー部の先端部を通して前記計量シリンダー部に前記被混練物を出入れ可能とする計量状態とを、前記プランジャー部の進退位置を変えて切り替えることを特徴としている。
【0007】
この発明によれば、まず、プランジャー部を軸線方向に進退させて、スクリュー部に形成された第1の流路とスクリュー部の先端部との間に第2の流路を形成する循環状態にし、第1の流路と第2の流路とで循環流路を構成させる。そして、開閉機構により吐出口を閉じた状態にしてスクリュー部を回転させ、被混練物を混練空間及び循環流路内で循環させ、被混練物を溶融状態にして混練させる。
混練が終了すると、次にプランジャー部を軸線方向に進退させて、プランジャー部で第1の流路とスクリュー部の先端部との間を閉止するとともに、スクリュー部の先端部を通して計量シリンダー部に被混練物を出入れ可能とする計量状態にする。
続いて、開閉機構により吐出口を開いた状態にして、プランジャー部をスクリュー部の先端部側に一定量だけ進出させることにより、吐出口から溶融状態の被混練物を計量して吐出することができる。
また、溶融状態の被混練物の温度を下げてペレット化することなく吐出することができるので、温度変化により被混練物の物性が低下するのを抑えることが可能となる。
【0008】
また、前記プランジャー部の内部には、前記スクリュー部の先端部側の端面と前記計量シリンダー部に内嵌される側面との間を連通させる連通孔が設けられ、前記循環状態で形成される前記第2の流路は、前記プランジャー部の前記連通孔を、前記第1の流路に連通させることがより好ましい。
この発明によれば、まず、シリンダー部の第1の流路に連結されたプランジャー部の連通孔で形成される第2の流路と、第1の流路と、で循環流路を構成し被混練物を循環させ混練させる。次に、プランジャー部を吐出口から離間する方向に移動させて第1の流路と連通孔との連結を解除することにより、プランジャー部の先端面とスクリュー部の先端部との間で溶融状態の被混練物を保持する。
続いて、開閉機構により吐出口を開いた状態にして、プランジャー部をスクリュー部の先端部側に一定量だけ進出させることにより、吐出口から溶融状態の被混練物を計量して吐出することができる。
【0009】
また、前記プランジャー部は中実軸からなり、前記循環状態で形成される前記第2の流路は、前記プランジャー部の側面を前記第1の流路の前記計量シリンダー部側の開口から退避させることで前記計量シリンダー部内に形成されることがより好ましい。
この発明によれば、まず、プランジャー部の側面を第1の流路の計量シリンダー側の開口から退避させることで計量シリンダー部内に形成される第2の流路と、シリンダー部の第1の流路と、で循環流路を構成し被混練物を循環させ混練させる。次に、プランジャー部をスクリュー部の先端部側に移動させてプランジャー部の側面で第1の流路の計量シリンダー側の開口を閉止させることにより、プランジャー部の先端面とスクリュー部の先端部との間で溶融状態の被混練物を保持する。
続いて、開閉機構により吐出口を開いた状態にして、プランジャー部をスクリュー部の先端部側に一定量だけ進出させることにより、吐出口から溶融状態の被混練物を計量して吐出することができる。
【0010】
また、前記プランジャー部を前記軸線方向に進退させるプランジャー進退機構と、該プランジャー進退機構及び前記開閉機構の動作を制御することにより前記計量シリンダー部に流入させた前記被混練物を計量して前記吐出口から吐出させる吐出制御部と、を備えることがより好ましい。
この発明によれば、プランジャー部を軸線方向に進退させることを自動的に行うことができる。また、吐出制御部により、プランジャー部と開閉機構とを動作させることで、計量した被混練物を吐出口から自動的に吐出させることができる。
【0011】
また、本発明の射出成形装置は、上記のいずれかに記載の混練機を備え、該混練機で混練された前記被混練物を前記吐出口から金型に射出させることがより好ましい。
この発明によれば、溶融状態の被混練物の温度を下げてペレット化することなく金型に射出することができるので、温度変化により被混練物の物性が低下するのを抑えるとともに、射出成形に要する時間を短縮させることが可能となる。
【0012】
また、本発明の被混練物の計量方法は、回転可能に設けられた軸状のスクリュー部の外周部及び先端部と、該スクリュー部の外周部及び先端部を囲繞するように設けられたシリンダー部との間の混練空間に、前記スクリュー部の内部側に設けられた循環流路を通して被混練物を循環させて混練を行う混練機を用いた被混練物の計量方法であって、
前記スクリュー部を回転させ、前記被混練物を前記混練空間及び前記循環流路内で循環させて、前記被混練物を混練する混練工程と、
該混練工程の後、前記循環流路を閉止し、前記スクリュー部の内部に進退可能に設けられたプランジャー部の先端面と前記スクリュー部の先端部との間の計量空間に、前記被混練物の一部を溶融状態で保持する被混練物保持工程と、
前記スクリュー部の先端部に対向する位置に設けられた前記シリンダー部の吐出口と、前記混練空間とを連通させてから、前記プランジャー部を前記スクリュー部の先端部側に一定量進出させることにより、前記被混練物保持工程で前記計量空間に保持された前記被混練物を計量して、前記吐出口から吐出させる計量吐出工程と、を備えることを特徴としている。
この発明によれば、上記と同様の効果を奏することができる。
【0013】
また、前記計量吐出工程では、前記計量空間に保持された前記被混練物を全て吐出させることがより好ましい。
この発明によれば、計量空間で溶融状態に保持されることにより被混練物の物性が低下するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の混練機、射出成形装置及び被混練物の計量方法によれば、被混練物をペレット化することなく溶融状態の被混練物を計量して吐出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態の射出成形装置の側面の断面図である。
【図2】図1における切断線X−Xの断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の射出成形装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態の射出成形装置の動作を示す要部の断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の射出成形装置の動作を示す要部の断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態の射出成形装置の動作を示す側面の断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態の射出成形装置の要部の断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態の射出成形装置の動作を示す要部の断面図である。
【図9】本発明の実施形態の変形例を模式的に説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る射出成形装置の第1実施形態を、図1から図6を参照しながら説明する。図1は射出成形装置の側面の断面図、図2は図1における切断線X−Xの断面図である。
図1に示すように、本実施形態の射出成形装置1は、被混練物Wを混練する混練機2と、金型Pを取付ける一対のプラテン3と、このプラテン3の移動をガイドするガイド棒4と、を備え、混練した被混練物Wを金型Pに射出して射出成形品を作製する装置である。なお、本実施形態では、被混練物Wは高分子材料と粉末粒子からなる2種類の材料で構成されている。
【0017】
なお、高分子材料の被混練物Wとしては、熱可塑性を有する材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン(低密度・高密度・直鎖状低密度・超高分子量)、アイオノマー樹脂(例えばエチレン−メタクリル酸コポリマーアイオノマー樹脂等)、ポリプロピレン(ホモ・ランダム・ブロック・アタクチック・シンジオタクチック)、超高分子量ポリプロピレン、ポリブテン、4−メチルペンテン−1ポリマー、環状ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、プタジェン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂など)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、酢酸セルロース、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート等)、ポリアミド系樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、生分解性ポリマー、およびその共重合体などを用いることができる。
【0018】
また、粉末粒子の被混練物Wとしては、分子材料と複合化できる材料であれば特に限定されるものではなく、例えば無機物では硫酸バリウム・炭酸カルシウムなどの金属無機塩、アルミナなどの金属酸化物、窒化ホウ素などの窒素化合物、粉末炭素・針状炭素・カーボンナノチューブ・フラーレンなどの単一物もしくは複合物、有機物ではポリ4フッ化エチレン粉末・超高分子量粉末・ポリイミド粉末などを添加してもよい。無機物と有機物の複合粒子であっても構わない。また、上記無機粒子の添加量についても、高分子材料と複合化できる量であれば特に限定されるものではない。無機粒子の複合化に際して、使用する無機粒子は単独であっても、二種以上の複合であっても良い。
また、被混練物Wにおいて樹脂混合物に分散させる成分として常用の各種添加成分、例えば、相溶化剤、結晶核剤、着色防止剤、酸化防止剤、離型剤、可塑剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などの添加剤を用いても良い。
【0019】
本実施形態の混練機2は、外周部8aにスクリュー7を有し回転可能に設けられた軸状のスクリュー部8と、スクリュー部8の外周部8a及び先端部8bを囲繞するように設けられたシリンダー部9と、を有し、シリンダー部9とスクリュー部8の外周部8a及び先端部8bとの間の混練空間Sに、スクリュー部8の内部側に設けられた循環流路を通して被混練物Wを循環させて混練を行う装置である。
また、混練機2は、被混練物Wを混練空間Sの外部に吐出させる吐出口12と、吐出口12を開閉する開閉機構13と、スクリュー部8の内部でスクリュー部8の軸線方向Dに延ばされるとともに、スクリュー部8の先端部8bに貫通する孔部である計量シリンダー部16と、スクリュー部8の外周部8aと計量シリンダー部16との間に径方向に貫通し循環流路の一部を構成する第1の流路17と、計量シリンダー部16に軸線方向Dに進退可能に内嵌されるプランジャー部18と、プランジャー部18を軸線方向Dに進退させるプランジャー進退機構19と、プランジャー進退機構19及び開閉機構13の動作を制御することにより、計量シリンダー部16に流入させた被混練物Wを計量して吐出口12から吐出させる吐出制御部20と、を備える。
【0020】
吐出口12は、スクリュー部8の先端部8bに対向する位置のシリンダー部9に設けられている。
プランジャー部18は円柱状に形成され、スクリュー部8の先端部8b側の端面と計量シリンダー部16に内嵌される側面との間を連通させる連通孔27が内部に設けられている。
プランジャー部18はプランジャー進退機構19により軸線方向Dに進退するが、以下に詳しく説明するように、プランジャー部18の位置により、シリンダー部9の内部で被混練物Wが循環する循環状態と、プランジャー部18により被混練物Wを計量する計量状態と、が切替えられるように構成されている。
すなわち、図1に示す状態は、第1の流路17とスクリュー部8の先端部8bとの間に連通孔27が循環流路の他を構成する第2の流路を形成する循環状態にある。すなわち、図1に示す状態の連通孔27と第1の流路17とが連通して循環流路を構成し、この循環流路及び混練空間Sで被混練物Wを循環させることが可能となっている。そして、この循環状態にある時、プランジャー部18の先端面18bとスクリュー部8の先端部8bの軸線方向Dにおける位置が一致するように構成されている。
また、この図の状態からプランジャー部18を基端側(軸線方向Dのうちの金型P側から混練機2側へ向かう方向。)D2に移動させると、プランジャー部18が第1の流路17とスクリュー部8の先端部8bとの間を閉止するとともにスクリュー部8の先端部8bを通して計量シリンダー部16に被混練物Wを出入れ可能とする計量状態となる。
【0021】
シリンダー部9の基端側D2には、その外面から内面まで貫通する材料投入口21が形成され、この材料投入口21には被混練物Wを貯留し材料投入口21に供給するホッパー22が取付けられている。
スクリュー部8の基端側D2には、円筒状の軸部25がスクリュー部8の軸線Cと同軸に固定されている。スクリュー部8及び軸部25は、軸部25の基端側D2の外周面上に配置された例えばボールベアリングとモータとで構成されたスクリュー回転機構26により軸線C回りに回転可能となっている。
【0022】
図2に示すように、スクリュー部8の内周面には軸線方向Dに延びる第1の係止溝部8cが形成され、プランジャー部18の外周面の対応する位置には軸線方向Dに延びる第2の係止溝部18aが形成されている。そして、スクリュー部8の第1の係止溝部8cとプランジャー部18の第2の係止溝部18aに板状の係止部材28をそれぞれ挿入することにより第1の係止溝部8cと第2の係止溝部18aとの周方向の位置を合わせることが可能となっている。
このような構成のもと、スクリュー回転機構26によりスクリュー部8は軸線C回りに回転するが、係止部材28によりプランジャー部18もスクリュー部8と一体となって回転する。ただし、軸線方向Dについては、係止部材28が第1の係止溝部8c内又は第2の係止溝部18a内を滑ることにより、プランジャー部18はスクリュー部8に対して軸線方向Dに移動可能となっている。
【0023】
計量シリンダー部16は、スクリュー部8の内部でスクリュー本体6の軸線Cと同軸に形成されている。
そして、吐出口12の先端側(基端側D2の反対方向)D1には、先端側D1の外形が半球状のノズル30が取付けられている。このノズル30の基端側D2には軸線方向Dに直交する断面形状が一定の径を有する円形の穴である連結部30aが、先端側D1には先端側D1に向かうに従って内径が小さくなるように設定された穴部30bが、それぞれ形成され、連結部30aと穴部30bとは互いに連通している。
前述した吐出口12及び計量シリンダー部16は、ノズル30の連結部30aと同一の円形の断面形状で同一軸線Cを有するように構成されている。
【0024】
ここで、計量シリンダー部16の軸線方向Dに直交する断面の面積をAとし、図1の状態からプランジャー部18の先端面18bが基端側D2に移動した時の軸線方向Dにおける位置をQ1として、プランジャー部18の先端面18bから位置Q1までの軸線方向Dにおける距離をL1とする。
この時、後述するように、混練機2から吐出される被混練物Wの体積は、(A×L1)となる。
図1は説明の便宜のため混練機2の寸法を多少変更して描いており、実際には開閉板31からスクリュー部8の先端部8bまでの距離は充分短く設定されていて無視できる程度である。
【0025】
開閉機構13は、吐出口12を塞ぐ板状の開閉板31と、開閉板31を吐出口12の流路に進退させる開閉モータ32とを有する。これら開閉モータ32及びプランジャー進退機構19の動作は、吐出制御部20により制御される。
【0026】
平板状の一対のプラテン3は、軸線Cに直交するようにそれぞれ配置され、混練機2が取付けられる側の固定側プラテン3aと、固定側プラテン3aに対向するように配置された可動側プラテン3bとからなる。固定側プラテン3aの中央部には軸線Cに沿って貫通する貫通孔3cが形成されている。
ガイド棒4は固定側プラテン3aの4隅に軸線Cに沿って4本配置され、可動側プラテン3bは自身の4隅にそれぞれ形成されたガイド孔3dに案内されて軸線方向Dに沿って移動することが可能となっている。
【0027】
金型Pは、固定側プラテン3aに取付けられ被混練物Wを導くスプルーP3を有する固定部P1と、可動側プラテン3bに取付けられ被混練物Wを分配するランナーP4や被混練物Wが収容される2つのキャビティP5、成形品を押出すエジェクタピンP6、P7を有する可動部P2と、を備えている。
固定部P1と可動部P2とが結合された状態では、射出された被混練物WはスプルーP3に導かれて流れランナーP4で2つに分岐され、2つのキャビティP5にそれぞれ収容されることとなる。
【0028】
次に、以上のように構成された射出成形装置1の動作について混練機2の動作を中心に説明する。図3は、射出成形装置の動作を示すフローチャートである。
なお、予め固定側プラテン3aに金型Pの固定部P1を、可動側プラテン3bに可動部P2を取付け、固定側プラテン3aを基端側D2に移動させて固定部P1と可動部P2とを結合させておく。
【0029】
まず、図3に示す混練工程(ステップS11)において、図1に示すように、混練機2の吐出制御部20は、プランジャー進退機構19によりプランジャー部18を軸線方向Dに進退させて、シリンダー部8の第1の流路17にプランジャー部18の連通孔27を連結させた位置でプランジャー部18を停止させる。この時、第1の流路17に連結した連通孔27は循環状態となり、第1の流路17に連結された連通孔27で形成される第2の流路と、第1の流路17と、で循環流路が構成される。
そして、開閉モータ32により開閉板31を進出させて吐出口12を閉じた状態にし、スクリュー回転機構26によりスクリュー部8を軸線C回りに一定の回転速度で回転させてから、ホッパー22に貯留された被混練物Wの所定量をシリンダー部9の内部に投入する。
【0030】
シリンダー部9内に投入された被混練物Wは、軸線C回りに回転するスクリュー部8に螺旋状に形成されたスクリュー7により先端側D1に押出され、スクリュー部8の先端部8bとシリンダー部9の内面との間を通過する。この時、スクリュー部8の先端部8bとシリンダー部9の内面との距離は充分短く設定されているとともにスクリュー部8の先端部8bは軸線C回りに高速で回転しているので、被混練物Wはこの間を通過する時に大きな剪断力を受けて発熱、溶融し、被混練物Wが混練されていく。
そして、シリンダー部9とスクリュー部8の外周部8a及び先端部8bとの間の混練空間Sを通過した被混練物Wは、第2の流路となっている連通孔27と第1の流路17とで構成された循環流路内をこの順に通ってスクリュー部8の外周部8aに戻り、再び先端側D1に押出される。こうして、被混練物Wは混練空間S及び循環流路内を循環しながら繰返し混練されていく。
【0031】
このようにして、被混練物Wを一定時間混練するか、又はスクリュー回転機構26の回転トルクをモニタして混練が終了したと判断できる回転トルクが得られたら、射出成形装置1の操作者は混練工程を終了してステップS12に移行する。
【0032】
次に、被混練物保持工程(ステップS12)において、図4に示すように、吐出制御部20は、スクリュー部8を被混練物Wの流れに応じて自由に回転できる状態にして、プランジャー進退機構19を駆動させてプランジャー部18の先端面18bが位置Q1に達するまでプランジャー部18を基端側D2に移動させる。これにより、第1の流路17と連通孔27との連結が解除されることで、スクリュー部8の先端部8bを通して計量シリンダー部16に被混練物Wを出入れ可能とする計量状態となる。
また、この時、計量シリンダー部16においてプランジャー部18の先端側D1、すなわちプランジャー部18の先端面18bとスクリュー部8の先端部8bとの間の計量空間Tに、(A×L1)の体積を有する混練された被混練物Wが流入し、保持される。
【0033】
次に、計量吐出工程(ステップS13)において、図5に示すように、吐出制御部20は、開閉モータ32により開閉板31を退行させて吐出口12を開いた状態にする。そして、計量空間Tに流入させた被混練物Wを、プランジャー進退機構19を駆動させてプランジャー部18をその先端面18bが連結部30aに達するまで先端側D1に移動させることにより、ノズル30の先端側D1に計量空間Tの体積となる(A×L1)の体積を有する被混練物Wを全て吐出させ、混練機2で混練された被混練物Wを金型Pに射出させる。
【0034】
次に、成形品取出し工程(ステップS14)において、吐出制御部20は金型Pに被混練物Wが射出されてから被混練物Wによる成形品が固まるまでに要する一定時間が経過するまで待機する。
そして、その一定時間が経過した後で、図6に示すように、吐出制御部20は、可動側プラテン3bを先端側D1に移動させて金型Pの固定部P1から可動部P2を離間させる。さらに、エジェクタピンP6、P7を基端側D2に移動させ、可動部P2のランナーP4及びキャビティP5から成形品W1を離型させる。
以上説明した、混練工程(ステップS11)から成形品取出し工程(ステップS14)まで工程を繰返し行うことで、射出成形装置1で複数の成形品W1を成形することができる。
【0035】
こうして、本発明の第1実施形態の射出成形装置1によれば、まず、シリンダー部9の第1の流路17に連結されたプランジャー部18の連通孔27で形成される第2の流路と、第1の流路17と、で循環流路を構成させる。そして、開閉機構13により吐出口12を閉じた状態にしてスクリュー部8を回転させ、被混練物Wを混練空間S及び循環流路内で循環させ、被混練物Wを溶融状態にして混練させる。
混練が終了すると、プランジャー部18を吐出口から離間する方向に移動させて第1の流路17と連通孔27との連結を解除することにより、プランジャー部18の先端面18bとスクリュー部8の先端部8bとの間の計量空間Tで溶融状態の被混練物Wを保持する。
続いて、開閉機構13により吐出口12を開いた状態にして、プランジャー部18を先端側D1に一定量だけ進出させることにより、吐出口12から溶融状態の被混練物Wを計量して吐出することができる。
従って、溶融状態の被混練物Wの温度を下げてペレット化することなく吐出することができるので、温度変化により被混練物Wの物性が低下するのを抑えることが可能となる。
【0036】
また、プランジャー進退機構19と吐出制御部20とを備えているので、プランジャー部18を軸線方向Dに進退させることを自動的に行うことができる。そして、吐出制御部20により、プランジャー進退機構19と開閉機構13とを動作させることで、計量した被混練物Wを吐出口12から自動的に吐出させることができる。
また、計量吐出工程(ステップS13)では、計量空間Tに保持された被混練物Wを全て吐出させるので、計量空間Tで溶融状態に保持されることにより被混練物Wの物性が低下するのを防止することができる。
また、本発明の射出成形装置1は、溶融状態の被混練物Wの温度を下げてペレット化することなく金型Pに射出することができるので、温度変化により被混練物Wの物性が低下するのを抑えるとともに、射出成形に要する時間を短縮させることが可能となる。
【0037】
なお、上記実施形態では、被混練物保持工程(ステップS12)で、プランジャー部18を基端側D2に移動させる時にスクリュー部8を回転させてもよい。スクリュー部8のスクリュー7の間に留まっていた被混練物Wが先端側D1に押出され、より迅速に被混練物Wを計量シリンダー部16内に収容することができる。
また、吐出口12やノズル30の断面形状は計量シリンダー部16の断面形状より小さくなっていてもよい。
【0038】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の射出成形装置41について説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。図7は、射出成形装置の要部の断面図である。
図7に示すように、本実施形態の射出成形装置41のプランジャー部43には第2の流路27は形成されていなく、中実の軸からなる。
また、循環状態で形成される第2の流路は、上記実施形態では第2の流路27により形成されていたが、本実施形態では、プランジャー部43の側面を第1の流路17の計量シリンダー部16側の開口17aから退避させることで計量シリンダー部16内に形成される。
【0039】
次に、以上のように構成された射出成形装置1の動作について混練機2の動作を中心に説明する。本実施形態の射出成形装置の動作を示すフローチャートは図3に示す上記実施形態と同一であるが、一部の工程の内容が異なる。
まず、図3に示す混練工程(ステップS11)において、混練機42の吐出制御部20は、図7に示すように、プランジャー進退機構19によりプランジャー部43を軸線方向Dに移動させ、プランジャー部43の側面を第1の流路17の計量シリンダー部16側の開口17aから退避させるように、プランジャー部43の先端面43aを開口17aよりも基端側D2に配置させる。これにより、計量シリンダー部16と第1の流路17とを連通させ、開口17aより先端側D1の計量シリンダー部16と第1の流路17とで循環流路を構成する。
そして、吐出制御部20は、開閉モータ32により開閉板31を進出させて吐出口12を閉じた状態にする。次に、シリンダー部9の内部に投入した被混練物Wをスクリュー部8を回転させて溶融させ、被混練物Wを混練空間S及び循環流路内を循環させながら、混練が終了するまで繰返し混練していく。
【0040】
次に、被混練物保持工程(ステップS12)において、吐出制御部20は、プランジャー部43の先端面43aが図7に示す位置Q2に達しプランジャー部43の側面が開口17aを塞ぐように、プランジャー進退機構19によりプランジャー部43を先端側D1に移動させる。このようにすることで、被混練物Wが第1の流路17からスクリュー部8の外周部8a側に流れるのを防止する。
このようにプランジャー部43を移動させることで循環流路を閉止する。そして、混練工程(ステップS11)で混練された被混練物Wの一部を、プランジャー部43の先端面43aとスクリュー部8の先端部8bとの間の計量空間Tに溶融状態で保持する。
【0041】
次に、計量吐出工程(ステップS13)において、図8に示すように、吐出制御部20は、まず、開閉モータ32により開閉板31を退行させて吐出口12を開いた状態にする。そして、プランジャー部43の先端面43aが位置Q3に達するようにプランジャー進退機構19によりプランジャー部43を先端側D1に移動させることにより、ノズル30の先端側D1に所定量の被混練物Wを吐出させる。
ここで、前述した位置Q2から位置Q3までの軸線方向Dにおける距離はL2となっており、混練機2から吐出される被混練物Wの体積は、(A×L2)の値から、吐出口12とノズル30の内部の体積を除いた値となる。
なお、続いて行われる成形品取出し工程(ステップS14)は、上記実施形態と同一なので説明を省略する。
【0042】
こうして、本発明の第2実施形態の射出成形装置41によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0043】
以上、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更等も含まれる。
例えば、上記第1実施形態及び第2実施形態では、射出成形装置の操作者がプランジャー部18を進退させることができるので、プランジャー進退機構19と吐出制御部20は設けなくてもよい。また、開閉機構13の開閉モータ32を設けずに、操作者が開閉板31を操作して吐出口12を開閉させてもよい。
【0044】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、溶融した被混練物Wを射出成形用の金型Pに射出するのでなく、所定の断面形状に形成され吐出口12の先端側D1に取付けられたダイを通して被混練物Wを吐出することにより押出し成形してもよい。混練機で一度に作製される量の溶融した被混練物Wにより、押出し成形品を作製することができる。
【0045】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、混練が完了したことを混練した時間により検出した。しかし、この混練の完了となる時間を、以下に説明するように、予めスクリュー部8の回転数等を同一条件とし被混練物Wを混練する時間を変えて射出成形を行った試験結果から判断してもよい。
射出成形した複数の成形品W1からサンプルをそれぞれ切り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、各サンプルにおける2種類以上の被混練物Wの分散状態を確認し、混練が完了しているかを判断する。
【0046】
2種類以上の被混練物Wを混練して作製された成形品W1の場合には、図9に示すように、サンプルW2はマトリックスと呼ばれる基本相W5と、ドメインと呼ばれる分散相W6と、で構成されている。ここで、例えば10mm×10mmで厚さ1mmという所定の大きさのサンプルW2を成形品W1から切出し、この分散相W6の粒子のサイズを計測する。そして、分散相W6の各粒子の径が最も大きくなる方向の粒径を分散相粒径W7とし、分散相粒径W7の平均値μ、標準偏差σをそれぞれ求める。
そして、次式で示される変動係数Kを求める。なお、この変動係数Kは、被混練物Wをの分散性が高くなる程小さな値を示すものである。
【0047】
K=σ/μ×100(%) ・・・(1)
【0048】
そして、変動係数Kで分散性を評価し、この変動係数Kが所定の値より小さくなった場合に混練が完了したと判断する。
スクリュー部8の回転速度等を同一条件にして、混練させる時間のみを変化させた被混練物Wによる成形品W1を複数作製する。この複数の成形品W1のサンプルW2から変動係数Kをそれぞれ求め、混練させる時間に対する変動係数Kを求める。変動係数Kが所定の値より小さくなるのに要する被混練物Wを混練させる時間を求め、以降の射出成形においてはこの求めた時間だけ被混練物Wの混練を行うことで、変動係数Kが所定の値より小さく分散性の高い被混練物Wを作製することができる。
【実施例1】
【0049】
以下に、上述の第1実施形態に対応する実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
まず、被混練物Wとしてポリカーボネート及び高密度ポリエチレンを同じ重量ずつ混合してホッパー22に供給し、混練空間Sの温度を280℃、スクリュー本体6の軸線C回りの回転速度を1分間に3000回転として被混練物Wを混練し溶融させた。回転直後のスクリュー部8の回転トルクは約10N・mであったが、混練が進むにつれて回転トルクは低下し、回転トルクが約7N・mと一定の値に収束した時に混練を終了させた。被混練物Wを混練させていた時間は約5分間であった。
次に、プランジャー部18を2mm/Secの速度で基端側D2に移動させ計量シリンダー部16においてプランジャー部18の先端側D1に一定量の混練された被混練物Wを流入させた。そして、プランジャー部18を20mm/Secの速度で先端側D1に移動させ溶融させた被混練物Wを金型P内に射出した。
このように射出成形することで、材料特性が良好な成形品W1が得られることが分かった。
【符号の説明】
【0050】
1、41 射出成形装置
2、42 混練機
6 スクリュー本体
7 凸部
8 スクリュー部
9 シリンダー部
12 吐出口
13 開閉機構
16 計量シリンダー部
17 第1の流路
18、43 プランジャー部
19 プランジャー進退機構
20 吐出制御部
27 第2の流路
C 軸線
D 軸線方向
S 混練空間
T 計量空間
W 被混練物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周部にスクリューを有し回転可能に設けられた軸状のスクリュー部と、該スクリュー部の外周部及び先端部を囲繞するように設けられたシリンダー部と、を有し、該シリンダー部と前記スクリュー部の外周部及び先端部との間の混練空間に、前記スクリュー部の内部側に設けられた循環流路を通して被混練物を循環させて混練を行う混練機であって、
前記被混練物を前記混練空間の外部に吐出させるため、前記スクリュー部の先端部に対向する位置の前記シリンダー部に設けられた吐出口と、
該吐出口を開閉する開閉機構と、
前記スクリュー部を該スクリュー部の軸線方向に貫通する孔部である計量シリンダー部と、
前記スクリュー部の外周部と前記計量シリンダー部との間を貫通し、前記循環流路の一部を構成する第1の流路と、
前記計量シリンダー部に前記軸線方向に進退可能に内嵌されたプランジャー部と、を備え、
前記第1の流路と前記スクリュー部の先端部との間に前記循環流路の他を構成する第2の流路を形成する循環状態と、前記第1の流路と前記スクリュー部の先端部との間を閉止するとともに前記スクリュー部の先端部を通して前記計量シリンダー部に前記被混練物を出入れ可能とする計量状態とを、前記プランジャー部の進退位置を変えて切り替えることを特徴とする混練機。
【請求項2】
請求項1に記載の混練機において、
前記プランジャー部の内部には、前記スクリュー部の先端部側の端面と前記計量シリンダー部に内嵌される側面との間を連通させる連通孔が設けられ、
前記循環状態で形成される前記第2の流路は、前記プランジャー部の前記連通孔を、前記第1の流路に連通させることによって形成されることを特徴とする混練機。
【請求項3】
請求項1に記載の混練機において、
前記プランジャー部は中実軸からなり、
前記循環状態で形成される前記第2の流路は、前記プランジャー部の側面を前記第1の流路の前記計量シリンダー部側の開口から退避させることで前記計量シリンダー部内に形成されることを特徴とする混練機。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の混練機において、
前記プランジャー部を前記軸線方向に進退させるプランジャー進退機構と、
該プランジャー進退機構及び前記開閉機構の動作を制御することにより前記計量シリンダー部に流入させた前記被混練物を計量して前記吐出口から吐出させる吐出制御部と、を備えることを特徴とする混練機。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の混練機を備え、
該混練機で混練された前記被混練物を前記吐出口から金型に射出させることを特徴とする射出成形装置。
【請求項6】
回転可能に設けられた軸状のスクリュー部の外周部及び先端部と、該スクリュー部の外周部及び先端部を囲繞するように設けられたシリンダー部との間の混練空間に、前記スクリュー部の内部側に設けられた循環流路を通して被混練物を循環させて混練を行う混練機を用いた被混練物の計量方法であって、
前記スクリュー部を回転させ、前記被混練物を前記混練空間及び前記循環流路内で循環させて、前記被混練物を混練する混練工程と、
該混練工程の後、前記循環流路を閉止し、前記スクリュー部の内部に進退可能に設けられたプランジャー部の先端面と前記スクリュー部の先端部との間の計量空間に、前記被混練物の一部を溶融状態で保持する被混練物保持工程と、
前記スクリュー部の先端部に対向する位置に設けられた前記シリンダー部の吐出口と、前記混練空間とを連通させてから、前記プランジャー部を前記スクリュー部の先端部側に一定量進出させることにより、前記被混練物保持工程で前記計量空間に保持された前記被混練物を計量して、前記吐出口から吐出させる計量吐出工程と、を備えることを特徴とする被混練物の計量方法。
【請求項7】
請求項6に記載の被混練物の計量方法において、
前記計量吐出工程では、前記計量空間に保持された前記被混練物を全て吐出させることを特徴とする被混練物の計量方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−179598(P2010−179598A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26070(P2009−26070)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】