説明

清掃ロボットの自律走行システム

【課題】予め記憶された走行経路情報を変更することなく、清掃不要エリアへの進入が未然に防止できる清掃ロボットの自律走行システムを提供する。
【解決手段】清掃ロボット10による清掃途中において、清掃ロボット10に配設した光検出センサにより予め配設された既存の照明灯による所定照度以上の光検出に基づいて清掃不要エリアAを判断し、隣接する清掃エリアにおける走行経路に変更して走行して清掃する。清掃不要エリアにおける業務等が清掃する清掃ロボットに影響されることなく、業務に支障をもたらすことがない。また、清掃不要エリアにおける人と清掃ロボット10との接触等が回避でき、安全性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め記憶された走行経路に従い自律走行して床面等を清掃する清掃ロボットの自律走行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物内や構内で自律走行しながら床面等を清掃する自律走行式の清掃ロボットが種々提案されている。例えば特許文献1や特許文献2に開示される清掃ロボットは、障害物や側壁までの距離を測定する超音波式や赤外線式の測距センサを備え、建物内や構内に設けられた障害物を回避すると共に、側壁に対して一定の距離を保ちながら側壁に沿って走行する。
【0003】
【特許文献1】特開平5−324060号公報
【特許文献2】特開2005−332055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、この種の清掃ロボットの場合、一般にオフィスビル等にあっては、人がフロアにいなくなくなった後、例えば通常業務時間外に予めプログラムされた走行経路に沿って清掃することが通常であった。
【0005】
特許文献1のような清掃ロボットによると、超音波式や赤外線式の測距センサを備えることから障害物にあたることがなく、清掃ロボットによる清掃中に人がフロアにいても清掃ロボットと近接した時点で測距センサが障害物として検出し、衝突は回避できる。
【0006】
しかし、清掃時間中にオフィスで業務をする場合等でも人に対し直前まで清掃ロボットが進行してくることから、オフィスビルであれば業務に支障をきたすことが懸念される。従って一時的な清掃不要エリアへの清掃ロボットの進入を未然に防止することが望ましい。
【0007】
かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、設備等を新たに追加することなく、一時的な清掃不要エリアへの進入が未然に防止できる清掃ロボットの自律走行システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する請求項1に記載の清掃ロボットの自律走行システムの発明は、予め記憶された走行経路に従い自律走行して床面を清掃する清掃ロボットの自律走行システムにおいて、前記清掃ロボットは、走行装置と、予め記憶された走行経路に従い前記走行装置を制御して走行経路を走行せしめる走行制御手段と、床面を清掃する清掃装置と、照度を検知する光検出センサとを備え、前記走行制御手段は、前記予め記憶された走行経路を走行中に、該走行経路上で前記光検出センサが予め設定された所定以上の照度を検知した場合、前記走行装置を制御して該所定以上の照度が検知される走行経路を回避して走行せしめることを特徴とする。
【0009】
この発明によると、清掃ロボットが走行経路に沿って床面を清掃している時に、光検出センサが予め設定された以上の照度を検知した場合、その走行経路を回避して走行することから、例えば、オフィスルームの一部において照明が灯された清掃不要エリア内への清掃ロボットの進入が未然に防止される。これにより清掃不要エリアにおける業務等が清掃ロボットに影響されることなく、業務に支障をもたらすことがない。また、清掃不要エリアにおける人と清掃ロボットとの接触等が回避できて安全性が向上する。
【0010】
また、予め設定された走行経路を走行する清掃ロボットによる清掃中において、清掃ロボットに配設した光検出センサにより予め配設された既存の照明灯による所定照度以上の光検出に基づいて清掃ロボットの進入が回避可能であり、設備等を新たに追加することなく清掃ロボットの清掃不要エリアへの進入が未然に防止できる。
【0011】
上記目的を達成する請求項2に記載の清掃ロボットの自律走行システムの発明は、予め記憶された走行経路に従い自律走行して床面を清掃する清掃ロボットの自律走行システムにおいて、前記清掃ロボットは、走行装置と、予め記憶された走行経路に従い前記走行装置を制御して走行経路を走行せしめる走行制御手段と、床面を清掃する清掃装置と、照度を検知する光検出センサとを備え、前記走行制御手段は、前記予め記憶された走行経路を走行中に、該走行経路上で前記光検出センサが予め設定された所定以上の照度を検知した場合、前記走行装置を制御して該所定以上の照度が検知される走行経路を回避して隣接する未清掃エリアの走行経路に変更して走行せしめることを特徴とする。
【0012】
この発明によると、清掃ロボットが走行経路に沿って床面を清掃している時に、光検出センサが予め設定された以上の照度を検知した場合、その走行経路を回避して隣接する未清掃エリアの走行経路に変更して走行せしめることから、例えば、照明が灯された清掃不要エリア内への清掃ロボットの進入が未然に防止され、清掃不要エリアにおける業務等が清掃エリアを清掃する清掃ロボットに影響されることなくなる。また、清掃不要エリアにおける人と清掃ロボットとの接触等が回避でき安全性が向上する。
【0013】
また、予め設定された走行経路を走行する清掃ロボットによる清掃中において、清掃ロボットに配設した光検出センサにより予め配設された既存の照明灯による所定照度以上の光検出に基づいて清掃ロボットの進入を回避することから、設備等を新たに追加することなく清掃ロボットの清掃不要エリアへの進入が未然に防止できる。
【0014】
上記目的を達成する請求項3に記載の清掃ロボットの自律走行システムの発明は、予め記憶された走行経路に従い自律走行して床面を清掃する清掃ロボットの自律走行システムにおいて、床面上移動可能器具に付されたICタグを備え、前記清掃ロボットは、走行装置と、予め記憶された走行経路に従い前記走行装置を制御して走行経路を走行せしめる走行制御手段と、床面を清掃する清掃装置と、該清掃ロボットの進行方向前方の前記ICタグを検出するICタグ読取センサとを備え、前記走行制御手段は、前記予め記憶された走行経路を走行中に、該走行経路上で前記ICタグ読取センサが進行方向に前記ICタグを検出した場合、該検出した進行方向の走行経路を回避して走行することを特徴とする。
【0015】
この発明によると、清掃ロボットが走行経路に沿って床面を清掃している時に、清掃ロボットに設けたICタグ読取センサが進行方向前方の床面上移動可能器具に付されたICタグを検知した場合、当該進行方向前方の走行経路を清掃不要エリアと判断し、その走行経路を回避して走行することから、清掃不要エリア内への清掃ロボットの進入が未然に防止され、清掃不要エリアにおける業務等が清掃ロボットに影響されることがなくなる。また、清掃不要エリアにおける人と清掃ロボットとの接触等が回避でき安全性が向上する。
【0016】
また、予め設定された走行経路を走行する清掃ロボットによる清掃途中において、清掃ロボットに配設したICタグ読取センサによる床面上移動可能器具に付されたICタグの検出に基づいて清掃ロボットの進入を回避することから、予め記憶された走行経路のプログラムを変更することなく、床面上移動可能器具の移動のみで清掃不要エリアを清掃ロボットに認識させることができ、清掃ロボットの清掃不要エリアへの進入が未然に防止できる。
【0017】
上記目的を達成する請求項4に記載の清掃ロボットの自律走行システムの発明は、予め記憶された走行経路に従い自律走行して床面を清掃する清掃ロボットの自律走行システムにおいて、床面上移動可能器具に付されたICタグを備え、前記清掃ロボットは、走行装置と、予め記憶された走行経路に従い前記走行装置を制御して走行経路を走行せしめる走行制御手段と、床面を清掃する清掃装置と、該清掃ロボットの進行方向前方の前記ICタグを検出するICタグ読取センサとを備え、前記走行制御手段は、前記予め記憶された走行経路を走行中に、該走行経路上で前記ICタグ読取センサが進行方向に前記ICタグを検出した場合、該検出した進行方向の走行経路を回避して隣接する未清掃エリアの走行経路に変更して走行せしめることを特徴とする。
【0018】
この発明によると、清掃ロボットが走行経路に沿って床面を清掃している時に、清掃ロボットに設けたICタグ読取センサが進行方向前方の床面上移動可能器具に付されたICタグを検知した場合、その走行経路を回避して隣接する未清掃エリアの走行経路に変更して走行せしめることから、床面上移動可能器具が置かれた清掃不要エリア内への清掃ロボットの進入が未然に防止され、清掃不要エリアにおける業務等が清掃ロボットに影響されることがなくなる。また、清掃不要エリアにおける人と清掃ロボットとの接触等が回避でき安全性が向上する。
【0019】
また、予め設定された走行経路を走行する清掃ロボットによる清掃中において、清掃ロボットに配設したICタグ読取センサによる床面上移動可能器具に付されたICタグの検出に基づいて清掃ロボットの進入を回避して隣接する未清掃エリアの走行経路に変更して走行することから、予め記憶された走行経路のプログラムを変更することなく、床面上移動可能器具の移動のみで清掃ロボットの清掃不要エリアへの進入が未然に防止できる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4の清掃ロボットの自律走行システムにおいて、前記床面上移動可能器具は、椅子であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、清掃ロボットが走行経路に沿って床面を清掃している時に、走行経路上にはあるが、一時的に清掃不要な清掃不要エリア内への清掃ロボットの進入が未然に防止され、清掃不要エリアにおける業務等が清掃エリアを清掃する清掃ロボットに影響されることがなくなる。また、清掃不要エリアにおける人と清掃ロボットとの接触等が回避でき安全性が向上する。
【0022】
更に、清掃ロボットに配設した光検出センサによる所定照度以上の光検出や、ICタグ読取センサによる床面上移動可能器具に付されたICタグの検知に基づいて清掃ロボットの進入を回避することから、予め記憶された走行経路のプログラムを変更する必要がなく、また大きな設備等を新たに追加せずに清掃ロボットの清掃不要エリアへの進入が未然に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明における清掃ロボットの自律走行システムの実施形態を説明する。
【0024】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を、オフィスフロアの清掃を例に図1乃至図7を参照して説明する。
【0025】
図1は、オフィスフロアの一例を示す平面図である。オフィスフロア1は、不在時に消灯される消灯エリアとなる第1壁面2a、第2壁面2b、第3壁面2c及び第4壁面2dによって囲まれた矩形のオフィスルーム2と、第4壁面2dに連続して常に非常口表示灯が点灯されて常時点灯エリアとなるエレベータホール5等を有し、第4壁面2dにはオフィスルーム2とエレベータホール5とを連通する出入口2Aが開口する。
【0026】
オフィスルーム2の床面3には、第1壁面2aに沿って複数の机7を列状に配置した第1机列7A、第1机列7Aと第1横通路8Aを隔てて複数の机7を列状に対向配置した第2机列7B、第2机列7Bと第2横通路8Bを隔てて複数の机7を列状に対向配置した第3机列7C、第3机列7Cと第3横通路8Cを隔てて複数の机7を列状に対向配置した第4机列7D、第4机列7Dと第4横通路8Dを隔てて第3壁面2cに沿って複数の机7を列状に配置した第5机列7Eを有する。
【0027】
また、第2机列7B、第3机列7C、第4机列7Dと第2壁面2bとの間に第2壁面2bに沿って連続する第1縦通路9A、第2縦通路9B、第3縦通路9Cが形成される。同様に第4机列7D、第3机列7C、第2机列7Bと第4壁面2dとの間に第4壁面2dに沿って連続する第4縦通路9D、第5縦通路9E、第6縦通路9Fが形成される。これら第1〜第4横通路8A〜8D及び第1〜第7縦通路9A〜9Fが清掃エリアとなる。
【0028】
一方、図1に示すD1〜D22は後述する清掃の際に清掃ロボット10が走行する走行経路である。
【0029】
即ち、出入口2A近傍の走行経路基端位置Dsから第6縦通路9Fを第4縦壁面2dに沿って延在する第1走行経路D1と、
走行経路D1の端部D1aから右折して第1横通路8Aを第1机列7Aに沿って延在する走行経路D2と、
走行経路D2の端部D2aから右折する走行経路D3と、
走行経路D3の端部D3aから右折して第1横通路8Aを第2机列7Bに沿って延在する走行経路D4と、
走行経路D4の端部D4aから左折して第6縦通路9Fを第2机列7Bに沿って延在する走行経路D5と、
走行経路D5の端部D5aから左折して第2横通路8Bを第2机列7Bに沿って延在する走行経路D6と、
走行経路D6の端部D6aから左折して第1縦通路9Aを第2机列7Bに沿って延在する走行経路D7と、
走行経路D7の端部D7aから右折する走行経路D8と、
走行経路D8の端部D8aから右折して第1縦通路9Aを第2壁面2bに沿って延在する走行経路D9と、
走行経路D9の端部D9aから右折して第2横通路8Bを第3机列7Cに沿って延在する走行経路D10と、
走行経路D10の端部D10aから左折して第5縦通路9Eを第3机列7Cに沿って延在する走行経路D11と、
走行経路D11の端部D11aから左折して第3横通路8Cを第3机列7Cに沿って延在する走行経路D12と、
走行経路D12の端部D12aから左折して第2縦通路9Bを第3机列7Cに沿って延在する走行経路D13と、
走行経路D13の端部D13aから右折する走行経路D14と、
走行経路D14の端部D14aから右折して第2縦通路9Aを第2壁面2bに沿って延在する走行経路D15と、
走行経路D15の端部D15aから右折して第3横通路8Cを第4机列7Dに沿って延在する走行経路D16と、
走行経路D16の端部D16aから左折して第4縦通路9Dを第4机列7Dに沿って延在する走行経路D17と、
走行経路D17の端部D17aから左折して第4横通路8Dを第4机列7Dに沿って延在する走行経路D18と、
走行経路D18の端部D18aから左折して第3縦通路9Cを第4机列7Dに沿って延在する走行経路D19と、
走行経路D19の端部D19aから右折する走行経路D20と、
走行経路D20の端部D20aから右折して第3縦通路9Cを第2壁面2bに沿って延在する走行経路D21と、
走行経路D21の端部D21aから右折して第4横通路8Dを第5机列7Eに沿って延在する走行経路D22と、
走行経路D22の端部D22aから右折して第4縦通路9D、第5縦通路9E、第4縦通路9Fを第4壁面2dに沿って延在して走行経路D1の走行経路基端位置Dsに至る走行経路D23とが順に連続する。
【0030】
エレベータホール5内には、エレベータ6に乗り降りする昇降位置5aから走行経路D1の基端Dsに至る走行経路D25が設定される。
【0031】
次に、清掃ロボット10について図を参照して説明する。
【0032】
図2は、清掃ロボット10の正面図、図3は清掃ロボット10の側面図、図4は清掃ロボット10の下面図である。
【0033】
清掃ロボット10は、清掃範囲の障害物を検知し避けながら、予め設定された走行経路に沿って床面上を走行する走行部20と、床面の清掃を行う清掃装置30を具備する。
【0034】
走行装置20は、本体下部に設けられ、図2乃至図4に示すように前後方向中央位置の左右に設けられた一対の駆動輪21a、21bと、前後にそれぞれ設けられて清掃ロボット10の走行に応じて揺動自在な前キャスタ22及び後キャスタ23とを備える。左右の駆動輪21a、21bはそれぞれ駆動モータ24a、24bによってそれぞれ独立して回転駆動し、駆動輪21a、21bの前進回転或いは後進回転によって前進及び後進し、駆動輪21a、21bの前進回転速度に差を与えることによって前進しつつ右或いは左に走行する。また、駆動輪21a、21bを互いに逆方向に回転駆動することによって清掃ロボット10がスピン、即ちその位置で方向転換する。
【0035】
また、前キャスタ22より前部位置に斜め前方方向及び左右方向の障害物の検知を行う障害物センサ25を設け、後キャスタ23の後部位置に車体側方の障害物を検知する障害物センサ26を設ける。更に、清掃ロボット10の車体上部中央に光検出センサ27が設けられている。
【0036】
清掃装置30は、清掃ロボット10内に設けられた洗浄液用タンクからノズル31を介して洗浄液を床面3に散布する洗浄手段、床面3を磨く3個の回転ブラシ32、床面上の塵埃が含まれた作業空気と共に吸引するスクイジ33前方から後方に順に配置されている。更に、スクイジ33の前方に吸引口34が開口する吸引流路を介して連通する汚水タンク及び汚水タンクに送風流路を介して連通するブロアケースにブロアファン及びブロアモータを備えたブロア装置が設けられ、送風流路とブロア装置との間に塵埃を捕集するフィルタが設けられる。
【0037】
この清掃装置30は、走行と共にノズル31から洗浄液用タンク内の洗浄液を床面3に散布し、その洗浄液の存在下で回転する回転ブラシ32で床面3を磨き、かつブロア装置によって汚水タンク内を負圧せしめて床面上の洗浄液を空気、即ち作業空気と共に吸引通路を介して汚水タンク内に吸引されて回収する。汚水タンクからブロア装置によって吸引された空気はフィルタによって塵埃が捕集されて外部に放出される。
【0038】
図5は、清掃ロボット10に搭載される走行制御手段40の構成図である。走行制御手段40はマイクロコンピュータを主体として構成される。
【0039】
走行制御手段40は走行制御部41、走行経路情報を記憶する目標走行経路記憶部42、作動制御部43を備える。走行制御部41は、予め設定された走行経路情報を記憶する目標走行経路記憶部42からの走行経路情報と、光検出センサ27による検出信号に基づいて予め設定された照度から走行経路の変更の要否を判断する。本実施の形態ではオフィスルーム2における通常の照明灯の照度以上の照度か、該照度未満の照度かを判断し、通常の照明灯の照度以上の際には清掃不要エリアと判断して該清掃不要エリア内に進入することなく隣接する未清掃エリアの走行経路に変更を決定する。また、障害物センサ25、26からの障害物検知信号に基づく走行の適否を判断する。
【0040】
走行制御部41は決定した走行経路情報を作動制御部43に送り、作動制御部43は、該走行経路情報に応じて、左右のモータドライバ44a、44bを制御し、駆動モータ24a、24bの回転を制御する。
【0041】
次に、図6及び図7を参照して清掃ロボット10による清掃動作パターンを説明する。
【0042】
図6は、オフィスルーム2内が消灯された消灯状態におけるオフィスフロア1の平面図であり、図7はオフィスルーム2内にハッチングで示すように第2縦通路9B及び第3縦通路9C近傍における第3机列7Cと第4机列7Dの部分におけるエリアAのみ照明灯が点灯した状態におけるオフィスフロア1の平面図である。つまり、照明灯が点灯しているエリアAは、人が業務をしている、又は存在していることが推定される掃除不要エリアである。なお、これら図6及び図7においてエレベータホール5内はハッチングBで示すほぼ全範囲にわたり非常口表示灯の点灯した点灯状態であるが、オフィスルーム2の照明灯に比較して照度が低く設定される。
【0043】
図6に示すオフィスルーム2内全体が消灯状態において、各椅子45がそれぞれ机7の天板の下方に入り込むように収納されて、各第1〜第4横通路8A〜8Dの通路エリアを確保している状態である。
【0044】
この設定されたプログラムによりエレベータ6からエレベータホール5の昇降位置5aに移動した清掃ロボット10は、目標走行記憶部42の走行経路情報に従ってエレベータホール5内を走行経路D25沿って走行し、出入口2Aからオフィスルーム2内の走行経路基端位置Dsに移動する。ここで、エレベータホール5内の非常口表示灯の点灯による照度は低く、非常口表示灯の点灯に影響されることなく、エレベータホール5内を円滑に移動できる。
【0045】
走行路基準位置Dsに達した清掃ロボット10はプログラムに従い清掃装置30が作動し清掃を開始すると共に、目標走行記憶部42に予め記憶された走行経路情報に従って第1走行経路D1及び第1走行経路D1の端部D1aから右折して第1横通路8A内を第2走行経路D2に沿って走行して第1横通路8Aの第1机列7A側の範囲を清掃し、第2走行経路D2の端部D2aにおいて右折して第3走行路D3を走行して更に第3走行路D3の端部D3aにおいて右折して折り返し第1横通路8A内を第4走行経路D4に沿って走行して第1横通路8Aの第2机列7B側の範囲を清掃することによって第1横通路8Aを清掃する。
【0046】
続いて、第4走行経路D4の端部D4aにおいて左折して第5走行経路D5を走行して第6縦通路9Fの第2机列7B側の範囲を清掃する。第5走行経路D5の端部D5aにおいて左折して第2横通路8B内を第6走行経路D6に沿って走行して第2横通路8Bの第2机列7B側の範囲を清掃し、かつ第6走行経路D6の端部D6aにおいて左折して第7走行経路D7を走行して第1縦通路9Aの第2机列7B側の範囲を清掃する。更に第7走行経路D7の端部D7aにおいて右折して第8走行路D8を走行して更に第8走行路D8の端部D8aにおいて右折して折り返し第1縦通路9A内を第9走行経路D9に沿って走行して第1縦通路9Aの第2壁面2b側の範囲を清掃することによって第1縦通路9Aを清掃する。
【0047】
更に第9走行経路D9の端部D9aにおいて右折して第10走行経路10を走行して第2横通路8Bの第3机列7C側の範囲を清掃して第2横通路8Bを清掃する。
【0048】
同様に、第10走行経路D10の端部D10aから順に第11〜16走行経路D12〜16を走行して第3横通路8C及び第2縦通路9Bを清掃する。
【0049】
更に、第16走行経路D16の端部D16aにおいて左折して第4縦通路9Dの第4机列7D側の範囲を清掃し、第17走行経路D17の端部D17aにおいて左折して順に第18走行経路D18〜第22走行経路D22を走行して第4横通路8D及び第3縦通路9Cを清掃する。更に第22走行経路D22の端部D21aにおいて右折して第23走行経路D23を走行して第4縦通路9D、第5縦通路9E及び第6縦通路9Fの第4壁面2d側を清掃して走行路基準位置Dsに復帰してオフィスルーム2の床面清掃を終了し、清掃装置30を停止する。清掃が終了した清掃ロボット10は、走行経路D25に沿って走行し出入口2Aからエレベータホール5内に移動する。
【0050】
次に、図7のようにオフィスルーム2内にハッチングで示すように第2縦通路9B及び第3縦通路9Cの近傍における第3机列7Cと第4机列7Dの清掃不要エリアAにおける照明灯が点灯した消灯状態における清掃ロボット10による清掃ロボット10による清掃について説明する。
【0051】
予め設定されたプログラムによりエレベータ6からエレベータホール5の昇降位置5aに移動した清掃ロボット10は、上記同様に、目標走行記憶部42の走行経路情報に従ってエレベータホール5内を走行経路D25に沿って走行し、オフィスルーム2内の走行経路基端位置Dsに移動する。
【0052】
走行路基準位置Dsに達した清掃ロボット10はプログラムに従い清掃装置30が作動し清掃を開始すると共に、目標走行記憶部42に予め記憶された走行経路情報に従って第1走行経路D1から第10走行経路D10を順に走行して第1横通路8A、第6縦通路9Fの第2机列7B側の範囲、第2横通路8B及び第5縦通路9Eの第3机列7C側の範囲を清掃した清掃ロボット10は、第11走行経路D11の端部D11aにおいて左折して第12走行経路D12に沿って第3横通路8B内を第3机列8C側の範囲を清掃しつつ走行する。
【0053】
第12走行経路D12に沿って走行する清掃ロボット10が、照明灯が点灯した清掃不要エリアAに達すると、清掃ロボット10の上部に配設された光検出センサ27が照明灯の明かり、即ち予め設定された以上の照度を検知し、その検知信号に基づいて走行制御部41は清掃不要エリアAと判断し、走行経路を隣接する未清掃エリアの第16走行経路D16に変更決定し、その走行経路情報に従って作動制御部43は、左右のモータドライバ44a、44bを制御して該部において第16行経路D16方向転換する。そして、清掃不要エリアAに進入することなく第16走行経路16を走行して第3横通路8Cの第4机列7D側の範囲を清掃して第3横通路8Cを清掃する。
【0054】
更に、清掃しつつ第16走行経路D16の端部D16aを左折して第17走行経路D17、第17走行経路D17の端部D17aを左折して第18走行経路D18、第18走行経路D18の端部D18aを左折して第19走行経路D19を走行する。
【0055】
清掃ロボット10が第9走行経路D19の端部D19a近傍の照明灯が点灯した清掃不要エリアAに達すると、清掃ロボット10の上部に配設された光検出センサ27が予め設定された以上の照度を検知し、その検知信号に基づいて走行制御部41は清掃不要エリアAと判断して走行経路を隣接する未清掃エリアの第13走行経路D13への変更を決定する。その変更された走行経路に従って清掃不要エリアAに進入することなく第13走行経路13を走行して第3横通路8Cの第4机列7D側の範囲を清掃し、更に第13走行経路D13の端部D13aにおいて右折して第14走行路D14を走行して更に第14走行路D14の端部D14aにおいて右折し第2縦通路9B内を第15走行経路D15に沿って走行して第2縦通路9Bの第2壁面2b側の範囲を清掃することによって第2縦通路9Bを清掃する。
【0056】
第15走行経路D15の端部D15aに達した清掃ロボット10は、未清掃エリアの第21走行経路D21に沿って走行して第3縦通路9Cの第2壁面2b側の範囲を清掃することによって第3縦通路9Cを清掃する。
【0057】
更に第21走行経路D21の端部D21aにおいて右折して第22走行経路D22を走行して第4横通路8Dを清掃する。第21走行経路D21の端部D21aにおいて右折して第22走行経路D22を走行して第4縦通路9D、第5縦通路9E及び第6縦通路9Fの第4壁面2d側を清掃して走行路基準位置Dsに復帰してオフィスルーム2の床面清掃を終了し、清掃装置30を停止する。清掃が終了した清掃ロボット10は、走行経路D23に沿って走行し出入口2Aからエレベータホール5内に移動する。
【0058】
従って、本実施の形態によると、例えば予め設定された定期清掃時間において、オフィスルーム2の一部において照明が灯された清掃不要エリアA内の第12走行経路D12への進入が回避されて未清掃エリアにおける第16走行経路16に沿って走行して清掃することから、清掃不要エリアAにおける業務等が清掃する清掃ロボット10に影響されることなく、業務に支障をもたらすことがない。また、清掃不要エリアAにおける人と清掃ロボット10との接触等が回避でき、安全性が向上する。
【0059】
また、予め設定された走行経路を走行する清掃ロボット10による清掃途中において、清掃ロボット10に配設した光検出センサ27により予め配設された既存の照明灯による所定照度以上の光検出に基づいて清掃不要エリアAを判断し、該清掃不要エリアAへの清掃ロボット10の進入を回避することから、清掃エリアとなるオフィスルーム2内の設備等を新たに追加することなく清掃ロボット10の清掃不要エリアへの進入が未然に防止できる。従ってオフィスルーム2等の設備やレイアウト変更することなく、清掃ロボット10の走行経路等のプログラムを変更することで、種々のオフィスルーム2の床面清掃が可能であり、清掃ロボット10の優れた汎用性が得られる。
【0060】
(第2実施の形態)
本発明の第2実施の形態を、オフィスフロアの清掃を例に図8乃至図15を参照して説明する。なお、図8乃至図15において、図1乃至図7対応する部位に同一符号を付することで該部の説明を省略する。
【0061】
図8は、オフィスフロアの一例を示す平面図である。オフィスフロア1は、第1壁面2a、第2壁面2b、第3壁面2c及び第4壁面2dによって囲まれた矩形のオフィスルーム2と、第4壁面2dに連続するエレベータホール5等を有し、第4壁面2cにはオフィスルーム2とエレベータホール5とを連通する出入口2Aが開口する。オフィスルーム2の床面3に配置される第1〜第5机列7A〜7E、第1〜第4横通路8A〜8E、第1〜第6縦通路9A〜9B等のレイアウトは図1と同様であり、第1走行経路D1から第23走行経路D23の走行経路も同様であり対応する部分に同一符号を付することで詳細な説明を省略する。
【0062】
図9は、各机7と対応してオフィスルーム2に配置される床面上移動器具である椅子45の概要を示す側面図である。椅子45は、下部にキャスタ46aを支持する脚羽根が形成された脚体46の上部に着座部47及び背当て48を有する移送可能式であって、脚体46にICタグ49が設けられる。
【0063】
次に清掃ロボット50の概要を説明する。図10は清掃ロボット50の正面図、図11は清掃ロボット50の側面図、図12は清掃ロボット50の下面図である。
【0064】
清掃ロボット50は走行経路に沿って床面上を走行する走行装置20と、床面の清掃を行う清掃装置30を具備する。
【0065】
走行装置20は、本体下部に設けられ、図10乃至図12に示すように左右一対の駆動輪21a、21bと、前キャスタ22及び後キャスタ23とを備える。左右の駆動輪21a、21bはそれぞれ駆動モータ24a、24bによってそれぞれ独立して回転駆動して、前進及び後進、前進しつつ右或いは左に走行すると共にスピン、即ちその位置で方向転換する。
【0066】
前部位置に前方方向及び左右方向の障害物の検知を行う障害物センサ25を設け、後部位置に車体側方の障害物を検知する障害物センサ26を設ける。
【0067】
更に、清掃ロボット50の車体前部に、前方の椅子45に付されたICタグ49を検出するためのICタグ読取センサ51が設けられている。
【0068】
図13は、清掃ロボット50に搭載される走行制御手段60の構成図である。走行制御手段60はマイクロコンピュータを主体として構成される。
【0069】
走行制御手段60は走行制御部61、走行経路情報を記憶する目標走行経路記憶部42、作動制御部63を備える。走行制御部61は、予め設定された走行経路情報を記憶する目標走行経路記憶部42からの走行経路情報と、ICタグ読取センサ51による検出信号に基づいて清掃不要エリアと判断して該清掃不要エリア内に進入することなく隣接する未清掃エリアの走行経路に変更を決定する。また、障害物センサ25、26からの障害物検知信号に基づく走行経路の適否を判断する。
【0070】
走行制御部61は決定した走行経路情報を作動制御部63に送り、作動制御部63は、該走行経路情報に応じて、左右のモータドライバ44a、44bを制御し、駆動モータ24a、24bの回転を制御する。
【0071】
次に、図14及び図15を参照して清掃ロボット50による清掃動作パターンを説明する。
【0072】
図14は、各椅子45がそれぞれ机7の天板の下方に入り込むように収納されて、各第1〜第4横通路8A〜8Dの通路エリアを確保している状態である。
【0073】
予め設定されたプログラムによりエレベータ6からエレベータホール5の昇降位置5aに移動した清掃ロボット50は、目標走行記憶部42の走行経路情報に従ってエレベータホール5内を走行経路D23沿って走行し、出入口2Aからオフィスルーム2内の走行経路基端位置Dsに移動する。
【0074】
走行経路基準位置Dsに達した清掃ロボット50は、プログラムに従い第1実施の形態と同様に第1走行経路D1から第21走行経路D21を順に走行し、第1〜第3横通路8A〜8C及び第1〜第6縦通路9A〜9Fを清掃する。
【0075】
次に、図15のようにオフィスルーム2内の第3机列7C及び第4机列7Dの第2縦通路9B及び第3縦経路9Cの近傍における第3机列7Cと第4机列7DのエリアAにおける各椅子45は第3横経路8Cに張り出した状態に位置する。各椅子45が経路に張り出しているエリアAは、人が着座している又は、その他の理由で清掃不要と判断される清掃不要エリアである。一方、他の椅子45はそれぞれ対応する机7の天板の下方に入り込むように収納され第1横経路8A、第2横経路8B及び第3横経路8Cの経路エリアを確保している。
【0076】
予め設定されたプログラムによりエレベータ6からエレベータホール5の昇降位置5aに移動した清掃ロボット50は、上記同様に、目標走行経路記憶部42の走行経路情報に従ってエレベータホール5内を走行経路D25に沿って走行し、オフィスルーム2内の走行経路基端位置Dsに移動する。
【0077】
走行路基準位置Dsに達した清掃ロボット50がプログラムに従い清掃装置30が作動し清掃を開始すると共に、目標走行経路記憶部42に予め記憶された走行経路情報に従って第1走行経路D1から第11走行経路D11を順に走行して第1横通路8A、第6縦通路9Fの第2机列7B側の範囲、第2横通路8B及び第5縦通路9Eの第3机列7C側の範囲を清掃した清掃ロボット50は、第11走行経路D11の端部D11aにおいて左折して第12走行経路D12に沿って第3横通路8B内を第3机列8C側の範囲を清掃しつつ走行する。
【0078】
第12走行経路D12に沿って走行する清掃ロボット50が清掃不要エリアA近傍に達すると、清掃ロボット50の前部に配設されたICタグ読取センサ51が進行方向前方で第3横通路8Cに突出した状態の椅子45の脚体46に付設されたICタグ49を検知する。その検知信号に基づいて走行制御部61は清掃不要エリアAと判断し、走行経路を隣接する未清掃エリアの第16走行経路D16に変更決定し、その走行経路情報に従って作動制御部63は、左右のモータドライバ44a、44bを制御して該部において清掃ロボット50を第16行経路D16方向へ転換させる。そして、清掃不要エリアAに進入することなく第16走行経路16を走行して第3横通路8Cの第4机列7D側の範囲を清掃して第3横通路8Cを清掃する。
【0079】
更に、清掃しつつ第16走行経路D16の端部D16aを左折して第17走行経路D17、その端部D17aを左折して第18走行経路D18、その端部D18aを左折して第19走行経路D19を走行する。
【0080】
清掃ロボット50が第19走行経路D19の端部D19a近傍の清掃不要エリアAに達すると、清掃ロボット50の上部に配設されたICタグセンサ51が第3横通路8Cに突出している椅子45の脚体46に付設されたICタグ49を検知する。そして第3横走行通路8Cに進入することなく第13走行経路D13を走行して第3横通路8Cの第4机列7D側の範囲を清掃し、更に第13走行経路D13の端部D13aにおいて右折して第14走行路D14を走行して更に第14走行路D14の端部D14aにおいて右折し第2縦通路9B内を第15走行経路D15に沿って走行して第2縦通路9Bの第2壁面2b側の範囲を清掃することによって第2縦通路9Bを清掃する。
【0081】
第15走行経路D15の端部D15aに達した清掃ロボット50は、未清掃エリアの第21走行経路D21に沿って走行して第3縦通路9Cの第2壁面2b側の範囲を清掃することによって第3縦通路9Cを清掃する。
【0082】
更に第21走行経路D21の端部D21aにおいて右折して第22走行経路D22を走行して第4横通路8Dの第5机列7E側の範囲を清掃して第4横通路8Dを清掃する。第21走行経路D21の端部D21aにおいて右折して第22走行経路D22を走行して第4縦通路9D、第5縦通路9E及び第6縦通路9Fの第4壁面2d側を清掃して走行路基準位置Dsに復帰してオフィスルーム2の床面清掃を終了し、清掃装置30を停止する。清掃が終了した清掃ロボット50は、走行経路23に沿って走行し出入口2Aからエレベータホール5内に移動する。
【0083】
従って、本実施の形態によると、例えば予め設定された定期清掃時間において、オフィスルーム2の一部において清掃不要エリアA内の第12走行経路D12b及び第3走行経路D13bへの進入が回避されて清掃エリアにおける走行経路に沿って走行して清掃することから、清掃不要エリアAにおける業務等が清掃エリアを清掃する清掃ロボット50に影響されることなく、業務に支障をもたらすことがない。また、清掃不要エリアAにおける人と清掃ロボット50との接触等が回避でき、安全性が向上する。
【0084】
また、予め設定された走行経路を走行する清掃ロボット50による清掃途中において、清掃ロボット50に配設したICタグ読取センサ51が椅子45に取り付けられたICタグ49の検出に基づいて清掃不要エリアAを判断し、該清掃不要エリアAへの清掃ロボット50の進入を回避することから、椅子45にICタグ49を付するのみでオフィスルーム2内の設備等を新たに追加することなく清掃途中において清掃ロボット50の清掃不要エリアAへの進入が未然に防止できる。従ってオフィスルーム2等の設備やレイアウト変更することなく、清掃ロボット50の走行経路等のプログラムを変更することで、種々のオフィスルーム2の床面清掃が可能であり、清掃ロボット50の優れた汎用性が得られる。
【0085】
本発明は上記実施の形態に限定することなく発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、ICタグ読取センサ51により検知した椅子45に付されたICタグ49の位置情報を記録し、清掃済みエリアと未清掃エリアを分別して記録することもできる。
【0086】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態ではオフィスルームの床面を清掃する場合を例に説明したが、オフィスルームに限らず、他の屋内の床面清掃に適用することができる。また、上記第2実施の形態ではICタグが付される床面上移動器具として椅子の場合を例に説明したが、椅子に限定されることなく床面上を移動することが可能な種々の器具に変更することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】第1実施の形態係るオフィスフロアの一例を示す平面図である。
【図2】清掃ロボットの正面図である。
【図3】清掃ロボットの側面図である。
【図4】清掃ロボットの下面図である
【図5】走行制御部の構成図である。
【図6】清掃ロボットによる清掃動作を説明するオフィスフロアの一例を示す平面図である。
【図7】清掃ロボットによる清掃動作を説明するオフィスフロアの一例を示す平面図である。
【図8】第2実施の形態係るオフィスフロアの一例を示す平面図である。
【図9】椅子の概要を示す側面図である。
【図10】清掃ロボットの正面図である。
【図11】清掃ロボットの側面図である。
【図12】清掃ロボットの下面図である。
【図13】走行制御部の構成図である。
【図14】清掃ロボットによる清掃動作を説明するオフィスフロアの一例を示す平面図である。
【図15】清掃ロボットによる清掃動作を説明するオフィスフロアの一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0088】
1 オフィスフロア
2 オフィスルーム(消灯エリア)
3 床面
5 エレベータホール(常時点灯エリア)
7 机
7A〜7E 机列
8A〜8D 第1〜第4横通路
9A〜9F 第1〜第6縦通路
Ds 走行経路基端位置
D1〜D23 走行経路
10、50 清掃ロボット
20 走行部
24a、24b 駆動モータ
27 光検出センサ
30 清掃装置
40、60 走行制御手段
41、61 走行制御部
42 目標走行経路記憶部
43、63 作動制御部
45 椅子(床面上移動器具)
49 ICタグ
51 ICタグセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め記憶された走行経路に従い自律走行して床面を清掃する清掃ロボットの自律走行システムにおいて、
前記清掃ロボットは
走行装置と、
予め記憶された走行経路に従い前記走行装置を制御して走行経路を走行せしめる走行制御手段と、
床面を清掃する清掃装置と、
照度を検知する光検出センサとを備え、
前記走行制御手段は、前記予め記憶された走行経路を走行中に、該走行経路上で前記光検出センサが予め設定された所定以上の照度を検知した場合、前記走行装置を制御して該所定以上の照度が検知される走行経路を回避して走行せしめることを特徴とする清掃ロボットの自律走行システム。
【請求項2】
予め記憶された走行経路に従い自律走行して床面を清掃する清掃ロボットの自律走行システムにおいて、
前記清掃ロボットは
走行装置と、
予め記憶された走行経路に従い前記走行装置を制御して走行経路を走行せしめる走行制御手段と、
床面を清掃する清掃装置と、
照度を検知する光検出センサとを備え、
前記走行制御手段は、前記予め記憶された走行経路を走行中に、該走行経路上で前記光検出センサが予め設定された所定以上の照度を検知した場合、前記走行装置を制御して該所定以上の照度が検知される走行経路を回避して隣接する未清掃エリアの走行経路に変更して走行せしめることを特徴とする清掃ロボットの自律走行システム。
【請求項3】
予め記憶された走行経路に従い自律走行して床面を清掃する清掃ロボットの自律走行システムにおいて、
床面上移動可能器具に付されたICタグを備え、
前記清掃ロボットは
走行装置と、
予め記憶された走行経路に従い前記走行装置を制御して走行経路を走行せしめる走行制御手段と、
床面を清掃する清掃装置と、
該清掃ロボットの進行方向前方の前記ICタグを検出するICタグ読取センサとを備え、
前記走行制御手段は、前記予め記憶された走行経路を走行中に、該走行経路上で前記ICタグ読取センサが進行方向に前記ICタグを検出した場合、該検出した進行方向の走行経路を回避して走行することを特徴とする清掃ロボットの自律走行システム。
【請求項4】
予め記憶された走行経路に従い自律走行して床面を清掃する清掃ロボットの自律走行システムにおいて、
床面上移動可能器具に付されたICタグを備え、
前記清掃ロボットは
走行装置と、
予め記憶された走行経路に従い前記走行装置を制御して走行経路を走行せしめる走行制御手段と、
床面を清掃する清掃装置と、
該清掃ロボットの進行方向前方の前記ICタグを検出するICタグ読取センサとを備え、
前記走行制御手段は、前記予め記憶された走行経路を走行中に、該走行経路上で前記ICタグ読取センサが進行方向に前記ICタグを検出した場合、該検出した進行方向の走行経路を回避して隣接する未清掃エリアの走行経路に変更して走行せしめることを特徴とする清掃ロボットの自律走行システム。
【請求項5】
前記床面上移動可能器具は、椅子であることを特徴とする請求項3または4に記載の清掃ロボットの自律走行システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−157101(P2010−157101A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−335054(P2008−335054)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】