説明

温度変化に対する非常に低い感受性を有する衝突耐久性エポキシ接着剤

エポキシ接着剤組成物は、エポキシ樹脂、ゴム改質、強化剤及び硬化剤を含有する。強化剤は、キャップ処理されたエポキシド反応基と、2200ダルトン〜4500ダルトンの質量を有する少なくとも1つのポリテトラヒドロフランブロックとを有する。ゴム改質されたエポキシ系構造用接着剤における強化剤の選択により、非常に良好な低温性能がもたらされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本発明は米国仮特許出願第60/936,419号(2007年6月20日出願)の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、強化エポキシ樹脂に基づく接着剤に関する。
【背景技術】
【0003】
エポキシ樹脂系接着剤が、様々な異なる基板を接合するために使用される。
【0004】
特定の用途において、接着剤は、基板への良好な結合、及び、良好な耐衝撃性を非常に広い温度範囲にわたって維持しなければならない。例えば、エポキシ樹脂接着剤が、フレーム及び他の構造物における自動車産業での金属−金属の接合において使用される。接着剤による接合は、フレームを組み立てるために必要となる溶接の回数を減らすことができ、従って、そのような理由により、これらの接着剤を使用することは組み立て費用を減らすことができる。接着剤は、その後の製造プロセスの期間中において、また、車輌の寿命期間中において、非常に広い範囲の様々な温度にさらされる。これらの温度は80℃もの高さになる場合がある。寒冷気候地域で使用される自動車は、−40℃もの低い温度にさらされることがある。
【0005】
構造用接着剤は潜在的には、航空宇宙製造業において、構造用接着剤が自動車分野において提供するのと類似する利点、すなわち、低下した機体重量及び低下した製造コストを提供する。しかしながら、航空機は、業界では一般的である30,000フィート以上の高度で運用されるとき、−60℃〜−70℃もの低い温度に日常的にさらされる。これらの用途において使用される構造用接着剤は、十分な接着性及び耐衝撃性をこれらの温度において保持しなければならない。
【0006】
自動車用途において使用される多くの構造用接着剤は、ゴム改質エポキシ樹脂及び反応性「強化剤」に基づく。これらのタイプの構造用接着剤が、例えば、米国特許第5,202,390号、米国特許第5,278,257号、国際公開第2005/118734号、米国特許出願公開第2005/0070634号、米国特許出願公開第2005/0209401号、米国特許出願公開第2006/0276601号及び欧州特許出願公開第EP−A−0308664号に記載される。残念ながら、これらの構造用接着剤は、−40℃以下の温度において性能がかなり低下する傾向がある。良好な接着剤特性及び衝撃特性を有し、かつ、そのような特性を−60℃〜−70℃もの低い温度においてより良好に保持する構造用接着剤を提供することが望ましい。
【0007】
国際公開第2005/007720号及び米国特許出願公開第2007/0066721号において、ポリテトラヒドロフラン(PTHF、これはまた、ポリテトラメチレングリコール(PTMEG)、ポリテトラメチレンオキシド及びPTMOとして公知である)に基づくポリテトラヒドロフラン系強化剤を含有する接着剤システムが記載される。それらにおいて記載される接着剤はゴム改質されていない。国際公開第2005/007720号及び米国特許出願公開第2007/0066721号は、様々な分子量を有するPTHFポリマーに基づく強化剤を記載する。そのようなシステムにおいて、PTHFの分子量は、接着剤特性に対する影響をほとんど有しないことが報告される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/936,419号
【特許文献2】米国特許第5,202,390号
【特許文献3】米国特許第5,278,257号
【特許文献4】国際公開第2005/118734号
【特許文献5】米国特許出願公開第2005/0070634号
【特許文献6】米国特許出願公開第2005/0209401号
【特許文献7】米国特許出願公開第2006/0276601号
【特許文献8】欧州特許出願公開第EP−A−0308664号
【特許文献9】国際公開第2005/007720号
【特許文献10】米国特許出願公開第2007/0066721号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
A)1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂、
B)少なくとも1つの強化用ゴム、
C)フェノール系化合物、アミノフェノール系化合物、第一級若しくは第二級の脂肪族アミン若しくは脂環族アミン、アラルキル(alalkyl)アルコール、芳香族アミン、アラキル(alakyl)ベンジルアミン又はアルキルチオールによりブロック処理又はキャップ処理されるイソシアナート基を有する、ポリテトラヒドロフラン系強化剤、及び
d)1つ又はそれ以上のエポキシ硬化剤
を含み、ポリテトラヒドロフラン系強化剤が、キャップ処理又はブロック処理された反応基と、2200ダルトン〜4500ダルトンの重量を有する少なくとも1つのポリテトラヒドロフランブロックとを有する液状又は低融点の物質である、一成分構造用接着剤である。
【0010】
そのような特定のポリテトラヒドロフラン系強化剤の存在により、非常に良好な接着強度及び衝撃強度が、−40℃〜−60℃の温度において、また、時には−70℃もの低い温度においてさえ、構造用接着剤に付与される傾向があることが見出されている。従って、本発明の構造用接着剤は、特に広い範囲の温度にわたる使用のために好適である。
【0011】
本発明の構造用接着剤はまた、非常に驚くべきことに、その良好な接着強度及び衝撃強度の値を、フィラーが著しい量のフィラー(例えば、接着剤組成物の25重量%に至るまでなど)を含有するときでさえ保持する。このことは、フィラーのレベルが10重量%又は15重量%を超えるとき、フィラーの接着強度及び衝撃強度が多くの場合には著しく損なわれる通常の場合とは反対である。
【0012】
本発明の構造用接着剤の別の利点は、優れた貯蔵安定性を有することである。
【0013】
本発明はまた、本発明の構造用接着剤を2つの金属の表面に塗布すること、及び、構造用接着剤を硬化させて、これら2つの金属の間における接着剤結合を形成することを含む方法である。好ましい態様において、金属の少なくとも1つがガルバニール(galvaneal)である。本発明の構造用接着剤は、ガルバニールに対して特に十分に結合することが見出されている。
【0014】
本発明の構造用接着剤は少なくとも1つのエポキシ樹脂を含有する。エポキシ樹脂のすべて又は一部を、下記においてより議論されるように、ゴム改質エポキシ樹脂の形態で存在させることができる。広範囲のエポキシ樹脂を使用することができ、これらには、米国特許第4,734,332号(これは参照によって本明細書中に組み込まれる)の第2欄66行から第4欄24行に記載されるエポキシ樹脂が含まれる。
【0015】
好適なエポキシ樹脂には、多価フェノール化合物(例えば、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAP(1,1−ビス(4−ヒドロキシルフェニル)−1−フェニルエタン)、ビスフェノールF、ビスフェノールK、ビスフェノールM、テトラメチルビフェノールなど)のジグリシジルエーテル、脂肪族グリコール及びポリエーテルグリコールのジグリシジルエーテル(例えば、C2〜24アルキレングリコール及びポリ(エチレンオキシド)グリコール又はポリ(プロピレンオキシド)グリコールのジグリシジルエーテルなど);フェノール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂、アルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(エポキシノボラック樹脂)、フェノール−ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、クレゾール−ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール樹脂及びジシクロペンタジエン−置換フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル、並びに、これらの任意の組合せが含まれる。
【0016】
好適なジグリシジルエーテルには、ビスフェノールA樹脂のジグリシジルエーテル、例えば、Dow Chemicalによって、D.E.R.(登録商標)330樹脂、D.E.R.(登録商標)331樹脂、D.E.R.(登録商標)332樹脂、D.E.R.(登録商標)383樹脂、D.E.R.661樹脂及びD.E.R.(登録商標)662樹脂の名称で販売されるものなどが含まれる。
【0017】
市販されているポリグリコールのジグリシジルエーテルには、Dow ChemicalによってD.E.R.(登録商標)732及びD.E.R.(登録商標)736として販売されるジグリシジルエーテルが含まれる。
【0018】
エポキシノボラック樹脂を使用することができる。そのような樹脂は、Dow Chemicalから、D.E.N.(登録商標)354、D.E.N.(登録商標)431、D.E.N.(登録商標)438及びD.E.N.(登録商標)439として市販されている。
【0019】
他の好適なさらなるエポキシ樹脂が脂環式エポキシドである。脂環式エポキシドは、下記の構造I(化1)によって例示されるように、炭素環における2つの隣接原子に結合するエポキシ酸素を有する飽和した炭素環を含む:
【化1】

式中、Rは、脂肪族基、脂環式基及び/又は芳香族基であり、nは1〜10の整数であり、好ましくは2〜4の整数である。nが1であるとき、脂環式エポキシドはモノエポキシドである。nが2以上であるとき、ジエポキシド又はエポキシ樹脂が形成される。モノエポキシド、ジエポキシド及び/又はエポキシ樹脂の混合物を使用することができる。米国特許第3,686,359号(これは参照によって本明細書中に組み込まれる)に記載されるような脂環式エポキシ樹脂を本発明において使用することができる。特に注目される脂環式エポキシ樹脂は、(3,4−エポキシシクロヘキシル−メチル)−3,4−エポキシ−シクロヘキサンカルボキシラート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジパート、ビニルシクロヘキセンモノオキシド及びこれらの混合物である。
【0020】
他の好適なエポキシ樹脂には、米国特許第5,112,932号に記載されるようなオキサゾリドン含有化合物が含まれる。加えて、改良されたエポキシ−イソシアナートコポリマー、例えば、D.E.R.592及びD.E.R.6508(Dow Chemical)として市販されているエポキシ−イソシアナートコポリマーなどを使用することができる。
【0021】
エポキシ樹脂は、好ましくは、ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂、又は、10重量パーセントまでの別のタイプのエポキシ樹脂とのその混合物である。好ましくは、ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂は、液状のエポキシ樹脂、又は、液状のエポキシ樹脂に分散される固体のエポキシ樹脂の混合物である。最も好ましいエポキシ樹脂は、ビスフェノール−Aに基づくエポキシ樹脂、及び、ビスフェノール−Fに基づくエポキシ樹脂である。
【0022】
1つの特に好ましいエポキシ樹脂は、170〜299のエポキシ当量(特に、170〜225のエポキシ当量)を有する、少なくとも1つの多価フェノール(好ましくは、ビスフェノール−A又はビスフェノール−F)のジグリシジルエーテルと、少なくとも300のエポキシ当量(好ましくは、310〜600のエポキシ当量)を有する、多価フェノール(これも好ましくは、ビスフェノール−A又はビスフェノール−F)の少なくとも1つの第2のジグリシジルエーテルとの混合物である。これら2つのタイプの樹脂の割合は好ましくは、これら2つの樹脂の混合物が225〜400の平均エポキシ当量を有するようにされる。混合物はまた、場合により、20%まで(好ましくは、10%まで)の1つ又はそれ以上の他のエポキシ樹脂を含有することができる。
【0023】
エポキシ樹脂は構造用接着剤の少なくとも約10重量パーセントを構成し、より好ましくは少なくとも約15重量パーセントを構成し、最も好ましくは少なくとも約20重量パーセントを構成する。エポキシ樹脂は、好ましくは、構造用接着剤の約70重量パーセントまでを構成し、より好ましくは約60重量パーセントまでを構成し、最も好ましくは約50重量パーセントまでを構成する。
【0024】
本発明の構造用接着剤は少なくとも1つの強化用ゴムを含有する。強化用ゴムは、−25℃以下のガラス転移温度(T)を有しなければならない。強化用ゴムの少なくとも一部は、好ましくは−40℃以下のTを有し、より好ましくは−50℃以下のTを有し、一層より好ましくは−70℃以下のTを有する。強化用ゴムのTは−100℃もの低い温度であり得るか、又は、それ以下の温度でさえあり得る。
【0025】
強化用ゴムは、好ましくは、ゴム改質エポキシ樹脂の形態で、又は、コア−シェル粒子の形態で、又は、両方の任意の組合せで存在する。
【0026】
ゴム改質エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂と、エポキシド反応基
(例えば、アミノ基、又は、好ましくは、カルボキシル基など)を有する少なくとも1つの液状ゴムとの、エポキシ末端を有する付加物である。この場合におけるゴムは好ましくは、共役ジエンのホモポリマー又はコポリマーであり、特に、ジエン/ニトリルのコポリマーである。共役ジエンゴムは好ましくは、ブタジエン又はイソプレンであり、ブタジエンが特に好ましい。好ましいニトリルモノマーがアクリロニトリルである。好ましいコポリマーがブタジエン−アクリロニトリルコポリマーである。ゴムは好ましくは、総量において、最大でも30重量パーセントの重合した不飽和ニトリルモノマーを含有し、好ましくは、最大でも約26重量パーセントの重合した不飽和ニトリルモノマーを含有する。
【0027】
ゴムは好ましくは、(付加物を形成するためのエポキシ樹脂との反応の前において)、平均して、分子あたり約1.5個から、より好ましくは約1.8個から、約2.5個までの、より好ましくは約2.2個までのエポキシド反応末端基を含有する。カルボキシル末端を有するゴムが好ましい。ゴムの分子量(M)は好適には約2000〜約6000であり、より好ましくは約3000〜約5000である。
【0028】
カルボキシル官能基を有する好適なブタジエンゴム開始物質及びブタジエン−アクリロニトリルゴム開始物質が、Noveonから、Hycar(登録商標)2000X162のカルボキシル末端化ブタジエンホモポリマーの商品名で、また、Hycar(登録商標)1300X31、Hycar(登録商標)1300X8、Hycar(登録商標)1300X13、Hycar(登録商標)1300X9及びHycar(登録商標)1300X18のカルボキシル末端化ブタジエン−アクリロニトリルコポリマーの各商品名で市販されている。アミン末端を有する好適なブタジエン−アクリロニトリルコポリマーがHycar(登録商標)1300X21の商品名で販売されている。
【0029】
ゴムは、過剰なエポキシ樹脂との反応によって、エポキシ末端を有する付加物に形成される。十分なエポキシ樹脂が、付加物を著しく進行させて高分子量の化学種を形成することを伴うことなく、ゴム上のエポキシド反応基のすべてと反応するために、かつ、フリーのエポキシド基を得られた付加物の表面に提供するために提供される。ゴム上のエポキシ反応基の1当量あたり少なくとも2当量のエポキシ樹脂の比率が好ましい。より好ましくは、十分なエポキシ樹脂化合物が使用され、その結果、得られる生成物が、付加物と、任意のフリーエポキシ樹脂化合物との混合物となる。典型的には、ゴム及び過剰なエポキシ樹脂が重合触媒と共に混合され、付加物を形成するために約100℃〜約250℃の温度に加熱される。ゴムと、エポキシ樹脂との間における反応を行うための有用な触媒には、下記において記載される触媒が含まれる。ゴム改質エポキシ樹脂を形成するための好ましい触媒には、フェニルジメチルウレア及びトリフェニルホスフィンが含まれる。
【0030】
前記で記載される任意のエポキシ樹脂を含めて、広範囲の様々なエポキシ樹脂を、ゴム改質エポキシ樹脂を作製するために使用することができる。好ましいエポキシ樹脂はビスフェノール(例えば、ビスフェノールA又はビスフェノールFなど)の液状グリシジルエーテル又は固体グリシジルエーテルである。ハロゲン化された樹脂、具体的には、臭素化された樹脂を、所望に応じて、難燃性を付与するために使用することができる。液状のエポキシ樹脂(例えば、DER330樹脂及びDER331樹脂(これらはビスフェノールAのジグリシジルエーテルであり、The Dow Chemical Companyから入手可能である)など)が、取り扱いの容易さのために特に好ましい。
【0031】
ゴム改質エポキシ樹脂が存在するとき、上に記載されたように、ゴム改質エポキシ樹脂は本発明の構造用接着剤の成分(A)(エポキシ樹脂)及び成分(B)(強化用ゴム)のそれぞれのすべて又は一部として機能する。従って、ゴム改質エポキシ樹脂が存在するならば、構造用接着剤が任意のさらなる強化用ゴム又は任意のさらなるエポキシ樹脂を含むことは必ずしも必要でない。しかしながら、1つ又はそれ以上のそのようなさらなるエポキシ樹脂もまた存在させることができ、また、1つ又はそれ以上のさらなる強化用ゴム(とりわけ、下記で記載されるようなコア−シェルゴム)もまた、ゴム改質エポキシ樹脂と共に存在させることができる。
【0032】
別の好適なタイプの強化用ゴムがコア−シェルゴムである。コア−シェルゴムは、ゴム状コアを有する粒子状物質である。ゴム状コアは好ましくは−25℃未満のTを有し、より好ましくは−50℃未満のTを有し、一層より好ましくは−70℃未満のTを有する。ゴム状コアのTは−100℃をかなり下回る場合がある。コア−シェルゴムはまた、少なくとも50℃のTを好ましくは有する少なくとも1つのシェル部分を有する。「コア」によって、コア−シェルゴムの内部部分が意味される。コアは、コア−シェル粒子の中心、すなわち、コア−シェルゴムの内部シェル又は内部ドメインを形成することができる。シェルは、ゴム状コアの外側であるコア−シェルゴムの一部分である。シェル部分は、典型的には、コア−シェルゴム粒子の最も外側の部分を形成する。シェル物質は好ましくはコアにグラフト化されるか、又は、架橋される。ゴム状コアはコア−シェルゴム粒子の50重量%〜95重量%(特に、60重量%〜90重量%)を構成することができる。
【0033】
コア−シェルゴムのコアは、共役ジエン(例えば、ブタジエンなど)又は低級アルキルアクリラート(例えば、n−ブチルアクリラート、エチルアクリラート、イソブチルアクリラート又は2−エチルヘキシルアクリラートなど)のポリマー又はコポリマーであり得る。コアポリマーはさらに、20重量%までの他の共重合したモノ不飽和モノマー(例えば、スチレン、ビニルアセタート、ビニルクロリド及びメチルメタクリラートなど)を含有することができる。コアポリマーは場合により架橋される。コアポリマーは場合により、反応性が等しくない2つ以上の不飽和部位(但し、そのような反応性部位の少なくとも1つが非共役である)を有する、5%までの共重合したグラフト連結するモノマー(例えば、ジアリルマレアート、モノアリルフマラート及びアリルメタクリラートなど)を含有する。
【0034】
コアポリマーはまた、シリコーンゴムである場合がある。これらの物質は多くの場合、−100℃未満のガラス転移温度を有する。シリコーンゴムのコアを有するコア−シェルゴムには、Wacker Chemie(Munich、ドイツ)からGenioperl(商標)の商品名で市販されているものが含まれる。
【0035】
シェルポリマーは、場合によりゴムコアに化学的にグラフト化又は架橋されるが、好ましくは、少なくとも1つの低級アルキルメタクリラート(例えば、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート又はt−ブチルメタクリラートなど)から重合される。そのようなメタクリラートモノマーのホモポリマーを使用することができる。さらに、シェルポリマーの40重量%までを他のモノビニリデンモノマー(例えば、スチレン、ビニルアセタート、ビニルクロリド、メチルアクリラート、エチルアクリラート及びブチルアクリラートなど)から形成することができる。グラフト化されたシェルポリマーの分子量は一般には20,000〜500,000の間である。
【0036】
1つの好ましいタイプのコア−シェルゴムは、エポキシ樹脂又はエポキシ樹脂硬化剤と反応することができる反応基をシェルポリマーにおいて有する。グリシジル基が好適である。これらはモノマー(例えば、グリシジルメタクリラートなど)によって提供することができる。
【0037】
1つの特に好ましいタイプのコア−シェルゴムは、欧州特許出願公開第EP1632533A1号に記載されるタイプのものである。欧州特許出願公開第EP1632533A1号に記載されるようなコア−シェルゴム粒子は、架橋されたゴムコア(これはほとんどの場合においてブタジエンの架橋コポリマーである)と、好ましくは、スチレン、メチルアクリラート、グリシジルメタクリラート及び場合によってはアクリロニトリルのコポリマーであるシェルとを含む。このコア−シェルゴムは好ましくは、欧州特許出願公開第EP1632533A1号に同様に記載されるように、ポリマー又はエポキシ樹脂に分散される。
【0038】
好ましいコア−シェルゴムには、Kaneka Corporationによって、Kaneka Kane Aceの名称で販売されるコア−シェルゴムが含まれ、これらには、Kaneka Kane Ace MX156及びKaneka Kane Ace MX120のコア−シェルゴム分散物が含まれる。これらの製造物は、任意のエポキシ樹脂におよそ25%の濃度で事前に分散されたコア−シェルゴム粒子を含有する。そのような製造物に含有されるエポキシ樹脂は、本発明の構造用接着剤のエポキシ樹脂成分のすべて又は一部を形成する。
【0039】
本発明の構造用接着剤は好ましくは、総ゴム含有量が少なくとも1重量パーセントであり、より好ましくは3重量パーセント〜15重量パーセントであり、特に4重量パーセント〜10重量パーセントである。総ゴム含有量は、(存在するならば)コア−シェルゴム粒子の重量、それに加えて、(存在するならば)ゴム改質エポキシ樹脂の液状ゴム部分によって与えられる重量、それに加えて、(存在するならば)存在し得る任意の他の強化用ゴムの重量を求めることによって、本発明の目的のために計算される。それぞれの場合において、コア−シェルゴム製造物又はゴム改質エポキシ樹脂に含有され得る未反応(ゴム非改質)エポキシ樹脂及び/又は他のキャリア、希釈剤、分散剤若しくは他の成分の重量は含まれない。コア−シェルゴムのシェル部分の重量は、本発明の目的のために総強化用ゴム含有量の一部として算入される。
【0040】
ポリテトラヒドロフラン系強化剤(これは時には、本明細書中では「PTHF強化剤」と称される)は、2200ダルトン〜4500ダルトンの質量を有する少なくとも1つのポリテトラヒドロフラン(PTHF)ブロックを含有する液状又は低融点のエラストマー物質である。PTHF強化剤は、キャップ処理又はブロック処理された反応基を含有する。反応基は、フェノール系化合物、アミノフェノール系化合物、第一級若しくは第二級の脂肪族アミン若しくは脂環族アミン、アラルキル(alalkyl)アルコール、芳香族アミン、アラキルベンジルアミン又はアルキルチオールによりブロック処理又はキャップ処理されるイソシアナート基である。そのようなPTHFブロックは好ましくは2500ダルトン〜4000ダルトンの質量を有し、より好ましくは2500ダルトン〜3500ダルトンの質量を有する。ポリテトラヒドロフラン系強化剤は構造用接着剤の反応性成分の残り部分に可溶性又は分散性でなければならない。
【0041】
ポリテトラヒドロフラン系強化剤は好ましくは、1000Pa・s以下である45℃での粘度を有し、より好ましくは最大でも約800Pa・sである45℃での粘度を有する。好ましくは、強化剤の重量平均分子量は約8,000以上であり、より好ましくは約10,000以上である。好ましくは、強化剤の重量平均分子量は約80,000以下であり、より好ましくは約40,000以下である。分子量は、本明細書中で使用される場合、GPC分析によって求められる。
【0042】
ポリテトラヒドロフラン系強化剤は好ましくは、平均して、分子あたり最大でも6個のブロック処理又はキャップ処理された末端基を含有する。好ましくは、そのような基の平均数は、分子あたり少なくとも1から、より好ましくは、分子あたり少なくとも2から、分子あたり約4までである。
【0043】
このようなポリテトラヒドロフラン系強化剤を調製するための一般的な方法が、例えば、米国特許第5,202,390号、米国特許第5,278,257号、国際公開第2005/118734号、米国特許出願公開第2005/0070634号、米国特許出願公開第2005/0209401号、米国特許出願公開第2006/0276601号及び欧州特許第EP1602702号に記載される。
【0044】
ポリテトラヒドロフラン系強化剤は線状であり得るか、分岐型であり得るか、又は、わずかに架橋され得る。
【0045】
好ましいポリテトラヒドロフラン系強化剤が、ブロック処理された脂肪族イソシアナート基を末端に有するプレポリマーである。このような強化剤を、ポリテトラヒドロフランポリオール及び過剰な脂肪族ポリイソシアナート、並びに、場合によっては、分子あたり3つ以上のイソシアナート反応基を有する少量の分岐剤又は架橋剤を反応させて、フリーのイソシアナート基を有するプレポリマーを形成し、その後、そのイソシアナート基をブロック処理することにおいて形成することができる。ブロック処理反応の前において、プレポリマーは好ましくは、イソシアナート含有量が0.5重量%〜4重量%である。これらの好ましい強化剤において、末端のイソシアナート基は、第二級脂肪族アミン、或いは、フェノール、アミノフェノール、ポリフェノール、アリルフェノール又はポリアリルポリフェノール(例えば、o,o−ジアリルビスフェノールAなど)によりブロック処理される。
【0046】
ポリテトラヒドロフラン系強化剤は、ポリテトラヒドロフラン系強化剤を含有する接着剤組成物の性能を動的負荷のもとで改善するために十分な量で存在する。好ましくは、ポリテトラヒドロフラン系強化剤は構造用接着剤の少なくとも約5重量パーセントを構成し、好ましくは少なくとも約8重量パーセントを構成し、最も好ましくは少なくとも約12重量パーセントを構成する。好ましくは、ポリテトラヒドロフラン系強化剤は構造用接着剤の約40重量パーセントまでを構成し、好ましくは約30重量パーセントまでを構成し、最も好ましくは約25重量パーセントまでを構成する。
【0047】
本発明の構造用接着剤はさらに、硬化剤を含有する。硬化剤は任意の触媒と共に選択され、その結果、接着剤が、80℃の温度(好ましくは、少なくとも100℃又はそれ以上の温度)に加熱されるときには硬化するが、室温(約22℃)、及び、少なくとも50℃に至るまでの温度では、仮に硬化するにしても、非常にゆっくり硬化するようにされる。好適なそのような硬化剤には、三塩化ホウ素/アミン錯体及び三フッ化ホウ素/アミン錯体、ジシアンジアミド、メラミン、ジアリルメラミン、グアナミン(例えば、アセトグアナミン及びベンゾグアナミンなど)、アミノトリアゾール(例えば、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールなど)、ヒドラジド(例えば、アジピン酸ジヒドラジド、ステアリン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなど)、セミカルバジド、シアノアセトアミド、並びに、芳香族ポリアミン(例えば、ジアミノジフェニルスルホンなど)が含まれる。ジシアンジアミド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド及び4,4’−ジアミノジフェニルスルホンの使用が特に好ましい。
【0048】
硬化剤は、組成物を硬化させるために十分な量で使用される。硬化剤は好適には、構造用接着剤の少なくとも約1.5重量パーセントを構成し、より好ましくは少なくとも約2.5重量パーセントを構成する。硬化剤は好ましくは接着剤組成物の約15重量パーセントまでを構成し、より好ましくは約10重量パーセントまでを構成し、最も好ましくは約6重量パーセントまでを構成する。
【0049】
本発明の構造用接着剤は、ほとんどの場合において、触媒を、接着剤の硬化のために含有する。好ましいエポキシ触媒には、ウレア類(例えば、p−クロロフェニル−N,N−ジメチルウレア(Monuron)、3−フェニル−1,1−ジメチルウレア(Phenuron)、3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチルウレア(Diuron)、N−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−N’,N’−ジメチルウレア(Chlortoluron)など)、tert−アクリルアミン又はアルキレンアミン(例えば、ベンジルジメチルアミン)、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ピペリジン又はその誘導体、イミダゾール誘導体(一般にはC〜C12アルキレンイミダゾール又はN−アリールイミダゾール、例えば、2−エチル−2−メチルイミダゾール又はN−ブチルイミダゾールなど)、6−カプロラクタムがあり、1つの好ましい触媒は、(欧州特許第EP0197892号に記載されるような)ポリ(p−ビニルフェノール)マトリックスに一体化される2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールである。触媒はカプセル化することができ、又は、そうでない場合には、高い温度にさらされたときにだけ活性になる潜伏性タイプとすることができる。好ましくは、触媒は、接着剤組成物において、構造用接着剤の少なくとも約0.1重量パーセントの量で存在し、最も好ましくは構造用接着剤の約0.2重量パーセントの量で存在する。好ましくは、エポキシ硬化触媒は構造用接着剤の約2重量パーセントまでの量で存在し、より好ましくは約1.0重量パーセントまでの量で存在し、最も好ましくは約0.7重量パーセントの量で存在する。
【0050】
必要に応じて使用される別の成分は、分子あたり2つ以上(好ましくは、2つ)のフェノール性ヒドロキシル基を有するビスフェノール化合物である。好適なビスフェノール化合物の例には、例えば、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAP(1,1−ビス(4−ヒドロキシルフェニル)−1−フェニルエタン)、ビスフェノールF、ビスフェノールK及びテトラメチルビフェノールなどが含まれる。ビスフェノール成分は構造用接着剤組成物に溶解させることができ、又は、細かく分割された粒子の形態で存在させることができる。好ましくは、ビスフェノール成分は、樹脂を少し早めるために、(存在するならば、ゴム改質エポキシ樹脂を含み得る)エポキシ樹脂と予備的に反応させられる。
【0051】
使用されるならば、ビスフェノール成分は好ましくは、ゴム成分の100重量部あたり約3重量部〜約35重量部の量で使用される。好ましい量がゴム成分の100重量部あたり約5重量部〜約25重量部である。ビスフェノール成分が構造用接着剤に直接に加えられるとき、ビスフェノール成分は通常、接着剤の0.25重量パーセント〜2重量パーセントを構成し、特に接着剤の0.4重量パーセント〜1.5重量パーセントを構成する。
【0052】
本発明の構造用接着剤は、必要に応じて使用される様々な他の成分を含有することができる。これらの中で、フィラー、レオロジー改質剤又は顔料、1つ又はそれ以上のさらなるエポキシ樹脂、及び、コア−シェルゴムが特に好ましい。
【0053】
フィラー、レオロジー改質剤及び/又は顔料が好ましくは、構造用接着剤に存在する。これらはいくつかの機能を果たすことができる:例えば、(1)接着剤のレオロジーを望ましい様式で改変すること、(2)全体的なコストを低下させること、(3)水分又は油分を接着剤から、又は、接着剤が塗布される基板から吸収すること、及び/或いは、(4)接着破壊ではなく、むしろ、凝集破壊を促進することなど。これらの物質の例には、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、タルク、コールタール、カーボンブラック、織物繊維、ガラス粒子又はガラス繊維、アラミドパルプ、ホウ素繊維、炭素繊維、鉱物ケイ酸塩、雲母、粉末化石英、水和させた酸化アルミニウム、ベントナイト、ケイ灰石、カオリン、フュームドシリカ、シリカエアロゲル又は金属粉末(例えば、アルミニウム粉末又は鉄粉など)が含まれる。これらの中で、炭酸カルシウム、タルク、酸化カルシウム、フュームドシリカ及びケイ灰石が、これらは多くの場合、望ましい凝集破壊モードを促進するので、単体又は任意の組合せのいずれであっても好ましい。
【0054】
特に注目されるフィラーは、200ミクロンまでの平均粒子サイズと、0.2g/ccまでの密度とを有するマイクロバロン(microballon)である。粒子サイズは好ましくは約25ミクロン〜150ミクロンであり、密度は好ましくは約0.05g/cc〜約0.15g/ccである。好適な膨張マイクロバルーンには、Dualite CorporationからDualite(商標)の商品名称で市販されているマイクロバルーン、同様にまた、Lehmann&Voss(Hamburg、ドイツ)から市販されているマイクロバルーンが含まれる。好適なポリマーマイクロバルーンの具体的な例には、Dualite(商標)E065−135及びDualite E130−40Dのマイクロバルーンが含まれる。加えて、膨張可能なマイクロバルーン、例えば、Expancelミクロスフェア(これは、Akzo Nobelから市販されている)など。マイクロバルーンは好都合には、構造用接着剤の約1重量パーセント〜約5重量パーセントのレベルで存在し、好ましくは、構造用接着剤の1.5重量パーセント〜3重量パーセントのレベルで存在する。マイクロバルーンは好ましくは、1つ又はそれ以上のさらなるフィラー(例えば、タルク、酸化カルシウム、ケイ灰石、炭酸カルシウム、フュームドシリカ又はこれらの混合物など)との併用で使用される。
【0055】
本発明の構造用接着剤はさらに、他の添加物(例えば、希釈剤、可塑剤、増量剤、顔料及び色素、難燃剤、チキソトロープ剤、流れ調整剤、増粘剤(例えば、熱可塑性ポリエステルなど)、ゲル化剤(例えば、ポリビニルブチラールなど)、接着促進剤及び酸化防止剤など)を含有することができる。
【0056】
フィラー、レオロジー改質剤、ゲル化剤、増粘剤及び顔料は好ましくは、接着剤組成物の100部あたり約5部又はそれ以上の総量で使用され、より好ましくは、接着剤組成物の100部あたり約10部又はそれ以上の総量で使用される。それらは、好ましくは、構造用接着剤の約25重量パーセントまでの量で存在し、より好ましくは、約20重量パーセントまでの量で存在する。本発明の利点の1つは、構造用接着剤が15重量%〜25重量%もの多くのフィラーを含有するときでさえ、構造用接着剤が良好な接着強度及び衝撃強度を保持することである。
【0057】
接着剤組成物は任意の便利な技術によって塗布することができる。接着剤組成物は、所望に応じて、低温で塗布することができ、又は、温めて塗布することができる。接着剤組成物は、ロボットから基板上においてビーズ形態に押出しすることによって塗布することができ、手作業による塗布方法(例えば、コーキングガンなど)、又は、任意の他の手作業による塗布手段を使用して塗布することができる。構造用接着剤はまた、ジェット噴霧方法(例えば、スチーミング方法又はスワール技術など)を使用して塗布することができる。スワール技術が、当業者には周知の装置(例えば、ポンプ、制御システム、ドージング(dosing)・ガン・アセンブリー、リモート・ドージング・デバイス及び塗布ガンなど)を使用して適用される。接着剤は、流動プロセスを使用して基板に塗布される場合がある。一般に、接着剤は、一方の基板又は両方の基板に塗布される。基板は、接着剤が、接合させられるための基板の間に置かれるように接触させられる。
【0058】
塗布後、構造用接着剤は、硬化剤がエポキシ樹脂組成物の硬化を開始させる温度に加熱することによって硬化させられる。一般に、この温度は約80℃以上であり、好ましくは100℃以上である。好ましくは、そのような温度は約220℃以下であり、より好ましくは約180℃以下である。
【0059】
本発明の接着剤は、様々な基板を接合するために使用することができ、そのような基板には、木材、金属、被覆された金属、アルミニウム、様々なプラスチック基板及び充填プラスチック基板、並びに、ガラス繊維などが含まれる。1つの好ましい実施形態において、接着剤は、自動車の部品を相互に接合するために、又は、部品を自動車に接合するために使用される。そのような部品は、スチール、被覆されたスチール、亜鉛メッキされたスチール、アルミニウム、被覆されたアルミニウム、プラスチック基板及び充填プラスチック基板であり得る。
【0060】
特に注目される用途が、自動車のフレーム構成部品を相互に、又は、他の構成部品に接合することである。フレーム構成部品は多くの場合、金属であり、例えば、冷間圧延スチール、亜鉛メッキされた金属、又は、アルミニウムなどである。フレーム構成部品に接合させられることになる構成部品もまた、上に記載されたように金属であり得るか、又は、他の金属、プラスチック及び複合材料などであり得る。
【0061】
脆い金属(例えば、ガルバニールなど)への接着が自動車業界では特に注目される。ガルバニールは、鉄含有量がやや多く、かつ、そのために脆い亜鉛−鉄の表面を有する傾向がある。本発明の具体的な利点の1つは、硬化した接着剤が、脆い金属(例えば、ガルバニールなど)に対して十分に結合することである。特に注目される別の用途が、航空宇宙用の構成部品(具体的には、飛行期間中に周囲の大気条件にさらされる外側の金属製構成部品又は他の金属製構成部品など)を接合することである。
【0062】
本発明の接着剤組成物は、硬化すると、好ましくは、DIN EN ISO527−1に従って測定されるとき、約1000MPaのヤング率を有する。より好ましくは、ヤング率は約1200MPa以上である。好ましくは、硬化した接着剤は引張り強さが約25MPa以上であり、より好ましくは約30MPa以上であり、最も好ましくは約35MPa以上である。好ましくは、厚さが1.5mmの硬化した接着剤層の重ね剪断強さが、DIN EN1465に従って測定されるとき、約15MPa以上であり、より好ましくは約20MPa以上であり、最も好ましくは約25MPa以上である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0063】
下記の実施例は、本発明を例示するために提供されるが、その範囲を限定することは意図していない。すべての部及び百分率は、別途示されない限り、重量比である。下記の実施例において使用される製造物は下記のように特定される:
【0064】
DER(商標)330はビスフェノールAの液状のジグリシジルエーテルであり、The Dow Chemical Companyから入手可能である。DER(商標)330は、エポキシ当量がおよそ180である。
【0065】
DER(商標)671はビスフェノールAのジグリシジルエーテルのメチルエチルケトン溶液であり、The Dow Chemical Companyから入手可能である。DER(商標)671は、エポキシ当量がおよそ425〜550である。
【0066】
PTHF強化剤1が、87.9部の、分子量が2900のPTHFジオールと、0.6部のトリメチロールプロパンとを、均一になるまで60℃で混合し、その後、8.2部のヘキサメチレンジイソシアナートを混合とともに加えることによって調製される。0.2部のジブチルスズメルカプチド触媒(Metatin713、これはAcimaから得られる)を加え、混合物を、イソシアナート含有量が1.0%に低下するまで85℃で反応させる。得られたプレポリマーを、その後、3.1部の2−アリルフェノールとの反応によってキャップ処理する。得られたPTHF強化剤1は、Mが18,300であり、Mが70,500である。
【0067】
PTHF強化剤2が、83.5部の、分子量が2900のPTHFジオールと、0.6部のトリメチロールプロパンとを、均一になるまで60℃で混合し、その後、9.7部のヘキサメチレンジイソシアナートを混合とともに加えることによって調製される。0.2部の同じ触媒を加え、混合物を、イソシアナート含有量が2.0%に低下するまで85℃で反応させる。得られたプレポリマーを、その後、6.1部の2−アリルフェノールとの反応によってキャップ処理する。得られたPTHF強化剤2は、Mが9,200であり、Mが19,500である。
【0068】
PTHF強化剤3が、79.3部の、分子量が2900のPTHFジオールと、0.5部のトリメチロールプロパンとを、均一になるまで60℃で混合し、その後、11.1部のヘキサメチレンジイソシアナートを混合とともに加えることによって調製される。0.2部の同じ触媒を加え、混合物を、イソシアナート含有量が3.0%に低下するまで85℃で反応させる。得られたプレポリマーを、その後、8.8部の2−アリルフェノールとの反応によってキャップ処理する。得られたPTHF強化剤3は、Mが6,400であり、Mが12,200である。
【0069】
PTHF強化剤4が、84.8部の、分子量が2900のPTHFジオールと、0.6部のトリメチロールプロパンとを、均一になるまで60℃で混合し、その後、9.8部のヘキサメチレンジイソシアナートを混合とともに加えることによって調製される。0.2部の同じ触媒を加え、混合物を、イソシアナート含有量が2.0%に低下するまで85℃で反応させる。得られたプレポリマーを、その後、4.6部のジイソプロピルアミンとの反応によってキャップ処理する。得られたPTHF強化剤4は、Mが9,000であり、Mが19,900である。
【0070】
PTHF強化剤5が、70.8部の、分子量が2900のPTHFジオールと、0.5部のトリメチロールプロパンとを、均一になるまで60℃で混合し、その後、8.2部のヘキサメチレンジイソシアナートを混合とともに加えることによって調製される。0.2部の同じ触媒を加え、混合物を、イソシアナート含有量が2.0%に低下するまで85℃で反応させる。得られたプレポリマーを、その後、20.3部の2,2’−ジアリルビスフェノールAとの反応によってキャップ処理する。得られたPTHF強化剤5は、Mが11,900であり、Mが35,100である。
【0071】
コントロールの強化剤Aは、イソシアナート基がo,o−ジアリルビスフェノールAによりキャップ処理される、ポリエーテルポリオール及び脂肪族ジイソシアナートから調製される、イソシアナート末端を有するポリウレタンプレポリマーであり、欧州特許第EP308664号の実施例13に記載されるように作製される。コントロールの強化剤Aは、Mが6,900であり、Mが13,200である。
【0072】
強化用ゴム3911は、およそ50%の、ビスフェノールFの液状ジグリシジルエーテルと、40%のHycar1300X13ゴム(約−40℃のTを有する、カルボキシル末端を有するブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、これはNoveonから入手可能である)と、2%〜5%のビスフェノールAとの反応生成物が重量比で1/3であり、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(D.E.R.(商標)330、これはDow Chemicalから得られる)が重量比で2/3である。強化強ゴム3911は、1重量部のStruktol(商標)3611ゴム改質エポキシ樹脂(これはSchill&Seilacherから市販されている)を2重量部のD.E.R.330エポキシ樹脂とブレンド混合することによって調製される。
【0073】
Struktol(商標)3604は、およそ60%の、ビスフェノールAの液状ジグリシジルエーテルと、40%のHycar1300X8ゴム(約−52℃のTを有する、カルボキシル末端を有するブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、これはNoveonから入手可能である)との反応生成物である。これはSchill&Seilacherから市販されている。
【0074】
Struktol(商標)3614は、およそ60%の、ビスフェノールAの液状ジグリシジルエーテルと、40%のHycar1300X13ゴム(約−40℃のTを有する、カルボキシル末端を有するブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、これはNoveonから得られる)との反応生成物である。Struktol3614はSchill&Seilacherから市販されている。
【0075】
Kaneka Kane Ace MX156は、エポキシ樹脂における約25%のコア−シェルゴムの分散物である。コア−シェルゴムは架橋ポリブタジエンのコアを有する。これはKaneka Corporationから市販されている。
【0076】
Amicure(商標)CG−1200は、Air Products and Chemicalsから入手可能なシアノグアニジンエポキシ硬化剤である。
【0077】
EP796は、米国特許第4,659,779号の第2欄39行から57行及び第4欄34行から第6欄54行に記載されるような、ポリマーマトリックスにおけるトリス(2,4,6−ジメチルアミノメチル)フェノールである。
【0078】
Dynasilan A187は、Degussa(Frankfurt、ドイツ)から入手可能なエポキシシランである。
【0079】
実施例1から実施例10及び比較サンプルA
1.構造用接着剤の調製
構造用接着剤の実施例1から実施例10及び比較サンプルAが、表1に示される成分から調製される。2つの配合プロセス(これらは、開始物質を添加する順序が異なる)が、これらを作製するために使用される。
【0080】
構造用接着剤の実施例1から実施例3、実施例9、実施例10及び比較サンプルAを作製するために使用されるプロセスでは、ゴム改質エポキシ樹脂、さらなるエポキシ樹脂、ベルサト酸エステル(versatic ester)モノエポキシエステル及び着色剤が遊星形ミキサーにおいて90℃で30分間混合される。その後、フュームドシリカが加えられ、混合物が50℃でさらに30分間撹拌される。最後に、EP796、Amicure CG1200及びポリビニルブチラールゲル化化合物が加えられ、15分間撹拌される。すべての混合工程が真空下で行われる。その後、ポリテトラヒドロフラン系強化剤が加えられ、組成物が、均一になるまで混合される。
【0081】
構造用接着剤のサンプル4からサンプル8を作製するために使用されるプロセスでは、ポリテトラヒドロフラン系強化剤が最初の工程でブレンド混合され、ゴム改質エポキシ樹脂が最後に加えられ、撹拌される。
【表1】

【0082】
2.様々な温度における冷間圧延スチールでの衝撃剥離試験
衝撃剥離試験が、ISO11343くさび衝撃法に従って、実施例1から実施例10のそれぞれに関して、また、比較サンプルAに関して行われる。試験が2m/秒の操作速度で行われる。基板は1mmの冷間圧延スチール14O3である。
【0083】
多数の試験サンプルが、それぞれの接着剤を使用して調製される。試験クーポンは90mm×20mmであり、接合された領域が30×20mmである。サンプルは、サンプルをアセトンで拭くことによって準備される。0.15mm×10mm幅のTeflonテープが、結合領域を定めるためにクーポンに貼り付けられる。その後、それぞれの試験試料を調製するために、構造用接着剤が後者のクーポンの結合領域に塗布され、最初のクーポンに強く押し付けられる。接着剤層は厚さが0.2mmである。接着剤は180℃で30分間硬化させられる。
【0084】
衝撃剥離試験が、23℃、−20℃、−40℃、−50℃及び−70℃で行われる(但し、実施例1及び実施例3については、23℃及び−40℃でのみ試験され、実施例7については、+80℃でもまた試験される)。衝撃剥離試験の結果は、表2に示される通りである。ゴム含有量及び強化剤もまた、表2において特定される。
【表2】

【0085】
表2におけるデータから理解され得るように、比較用接着剤は、非常に不良な衝撃剥離強度を−40℃以下において示す。他方で、構造用接着剤の実施例2及び実施例4から実施例10はすべてが、それらの衝撃剥離強度のほとんど又はすべてを、少なくとも−60℃に至るまで、また、一部の場合には−70℃に至るまで保持する。強化剤のレベルがすべての場合において同一であるにもかかわらず、本発明の実施例のすべてが、比較サンプルが示すよりも大きい衝撃剥離強度を23℃において示すことにもまた留意されたい。
【0086】
3.冷間圧延スチールでの重ね剪断試験
構造用接着剤の実施例1から実施例3、実施例9及び実施例10、並びに、比較サンプルAが、DIN EN1465に従って重ね剪断強度について評価される。試験が10mm/分の試験速度で行われる。基板は1mmの脱脂された冷間圧延スチール14O3である。試験は23℃で行われ、重ね剪断強度が測定される。
【0087】
試験サンプルが、それぞれの接着剤を使用して調製される。それぞれの場合における接合された領域が25×10mmである。接着剤層は厚さが0.2mmである。接着剤が180℃で30分間硬化させられる。
【0088】
結果は、表3に示される通りである。
【表3】

【0089】
表3におけるデータから理解されるように、本発明の構造用接着剤は、コントロールの重ね剪断強度特性及び伸び特性と非常に類似する重ね剪断強度特性及び伸び特性を室温において有する。
【0090】
4.他の金属基板での衝撃剥離試験及び重ね剪断試験
衝撃剥離試験が、上記で記載される様式で、実施例2及び比較サンプルAに関して行われる。試験された基板は、(1)0.9mmの、溶融メッキにより亜鉛被覆されたスチール(8−340−LAD+2)、(2)0.9mmの、電気亜鉛メッキされたスチール(DC04−B+ZE)、及び、(3)Alodine2040により予備処理された1.2mmアルミニウム(AA6016)表面である。サンプルが、上記で記載されるように調製される。衝撃剥離試験が23℃及び−40℃で行われる。重ね剪断試験が23℃で行われる。衝撃剥離試験の結果は、表2に示される通りである。ゴム含有量及び強化剤もまた、表2において特定される。結果は、表4に示される通りである。
【表4】

【0091】
表4におけるデータは、構造用接着剤が、他の金属に結合するために使用されるとき、冷間圧延スチールの基板を使用して認められる傾向が繰り返されることを示している。実施例2及び比較サンプルAについての衝撃強度は、3つすべての基板で、(重ね剪断強度が類似するように)室温において非常に類似する。しかしながら、構造用接着剤の実施例2はその衝撃剥離強度を−40℃において保持し、これに対して、比較例は衝撃剥離強度のほぼ完全な喪失を−40℃において示す。
【0092】
実施例11から実施例13
実施例11から実施例13が、実施例1から実施例10に関して記載される同じ一般的様式で調製される。衝撃剥離試験が23℃及び−60℃で行われる。重ね剪断試験が、前記実施例に関して記載されるように行われる。配合成分及び結果は、表5に示される通りである。
【表5】

【0093】
実施例14から実施例20
実施例14から実施例20が、実施例1から実施例10に関して記載される同じ一般的様式で調製される。構造用接着剤の実施例14から実施例20はすべてが、表6に示されるような様々な量のフィラーを含有する。重ね剪断試験が、先行の実施例に関して記載されるように行われる。衝撃剥離強度が、先行の実施例において示されるように23℃及び−40℃で測定される。ヤング率がDIN/EN/ISO527−1に従って23℃で測定される。すべての場合における基板は、0.9mmの、電気亜鉛メッキされたスチール(DC04−B+ZE)である。ガラス転移温度が示差走査熱量測定によって測定される。配合成分及び結果は、表6に示される通りである。
【表6】

【0094】
表6に示される結果は、本発明の構造用接着剤が、フィラーの増大する量とともに、その接着剤特性をどのように維持するかを明らかにする。フィラー負荷レベルが0重量%から20重量%超にまで増大するときに、重ね剪断強度及び衝撃剥離強度においてほんの小さな変化のみが認められる。構造用接着剤の実施例14から実施例20のすべてが、優れた重ね剪断強度及び優れた衝撃剥離強度を室温及び−40℃の両方において有する。
【0095】
構造用接着剤の実施例20はさらに、0.8mmのガルバニール(SCGA70)基板における衝撃剥離強度について評価される。サンプル調製及び試験プロトコルは先行の実施例の場合と同様である。比較のために、2つの市販されている衝突耐久性接着剤製造物が同様に評価される。結果は、表7に示される通りである。
【表7】

【0096】
表7における結果は、本発明の構造用接着剤が、市販の製造物が有するよりもはるかに良好な、ガルバニールでの衝撃剥離強度を有することを示す。
【0097】
構造用接着剤の実施例14が、23℃及び30℃における貯蔵安定性について評価される。貯蔵安定性は、規定された温度で6ヶ月間貯蔵された後での粘度における変化を測定することによって求められる。粘度は、Bohlinコーン/プレート粘度計(コーン/プレート、4/20)を使用して45℃で測定される。密閉された容器における23℃での6ヶ月間の経時処理の後、構造用接着剤の実施例14の粘度は108Pa・sから単に142Pa・sに増大するだけである。比較のために、市販されている衝突耐久性接着剤製造物は、類似する条件のもとで6ヶ月間の経時処理が行われるとき、175Pa・sから555Pa・sへの粘度増大を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂、
B)少なくとも1つの強化用ゴム、
C)フェノール系化合物、アミノフェノール系化合物、第一級若しくは第二級の脂肪族アミン若しくは脂環族アミン、アラルキル(alalkyl)アルコール、芳香族アミン、アラキル(alakyl)ベンジルアミン又はアルキルチオールによりブロック処理又はキャップ処理されるイソシアナート基を有する、ポリテトラヒドロフラン系強化剤、及び
D)1つ又はそれ以上のエポキシ硬化剤
を含み、前記ポリテトラヒドロフラン系強化剤は、キャップ処理又はブロック処理された反応基と、2200ダルトン〜4500ダルトンの重量を有する少なくとも1つのポリテトラヒドロフランブロックとを有する液状又は低融点のエラストマー物質を含む、一成分構造用接着剤。
【請求項2】
前記ポリテトラヒドロフラン系強化剤が、ポリテトラヒドロフランポリオール及び脂肪族ポリイソシアナート、並びに、場合によっては、分子あたり3つ以上のイソシアナート反応基を有する少量の分岐剤又は架橋剤を反応させて、フリーのイソシアナート基を有するプレポリマーを形成し、その後、そのイソシアナート基をブロック処理することによって形成される、請求項1に記載の構造用接着剤。
【請求項3】
フリーのイソシアナート基を有する前記プレポリマーが0.5重量%〜4重量%のイソシアナート含有量を有する、請求項2に記載の構造用接着剤。
【請求項4】
前記エポキシ樹脂がビスフェノールの少なくとも1つのジグリシジルエーテルを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の構造用接着剤。
【請求項5】
前記強化用ゴムが少なくとも1つのコア−シェルゴムを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の構造用接着剤。
【請求項6】
前記コア−シェルゴムが、−50℃未満のTを有するゴム状コアと、少なくとも50℃のTを有する少なくとも1つのシェル部分とを有する、請求項5に記載の構造用接着剤。
【請求項7】
前記強化用ゴムが、エポキシ樹脂と、エポキシド反応基(例えば、アミノ基、又は、好ましくは、カルボキシル基)を有する少なくとも1つの液状ゴムとの、エポキシ末端を有する付加物である、請求項1から4のいずれか一項に記載の構造用接着剤。
【請求項8】
前記液状ゴムが、30重量パーセントまでの重合した不飽和ニトリルモノマーを含有する、カルボキシル末端を有するブタジエン−アクリロニトリルコポリマーである、請求項7に記載の構造用接着剤。
【請求項9】
総ゴム含有量が3重量パーセント〜15重量パーセントである、請求項1から8のいずれか一項に記載の構造用接着剤。
【請求項10】
5重量パーセント〜30重量パーセントの前記ポリテトラヒドロフラン系強化剤を含有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の構造用接着剤。
【請求項11】
前記ポリテトラヒドロフラン系強化剤が8,000〜80,000の重量平均分子量を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の構造用接着剤。
【請求項12】
少なくとも1つのフィラーをさらに含有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の構造用接着剤。
【請求項13】
10重量%〜25重量%のフィラーを含有する、請求項12に記載の構造用接着剤。
【請求項14】
前記ポリテトラヒドロフランブロックが2500ダルトン〜3500ダルトンの質量を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の構造用接着剤。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載される構造用接着剤を2つの金属の表面に塗布すること、及び、前記構造用接着剤を硬化させて、前記2つの金属の間における接着剤結合を形成することを含む方法。
【請求項16】
前記金属の少なくとも1つがガルバニール(galvaneal)である、請求項15に記載の方法。

【公表番号】特表2010−530472(P2010−530472A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513367(P2010−513367)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/067275
【国際公開番号】WO2008/157571
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】