説明

測位装置及び方法

【課題】WLAN測位により特定された位置が信頼できるかどうかを判定すること。
【解決手段】位置を測定する測位装置は、アクセスポイントからの電波に基づいて、測位を行うWLAN測位演算部と、測位衛星からの電波に基づいて、測位を行う衛星測位部と、衛星測位部による測位の際に取得されるべき位置情報又は測位位置に基づいて、該位置情報又は測位位置から所定の範囲に、WLAN測位演算部による測位結果が存在するかどうかを判定する測定結果判定部と、判定された結果に基づいて、測位結果を採用するかどうかを判定する測位結果採用判定部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高精度な測位技術の1つとして、全地球測位システム(GPS: Global Positioning System)が知られている。GPSはGPS衛星により送信される電波を利用した測位技術である。GPSでは、測位に利用可能な可視衛星数が少ない屋内では、測位誤差が大きくなる。例えば、屋内では、測位誤差が数百mとなる場合もある。また、測位自体が不能となる場合もある。
【0003】
屋外のみならず、屋内でも、高精度な測位を実現するために、ワイヤレスラン(WLAN: Wireless Local Area Network)を利用した測位技術(以下、「WLAN測位」と呼ぶ)が注目されている。
【0004】
WLAN測位は、WLANアクセスポイントからの電波情報を利用して位置を推定する。WLAN測位では、WLANアクセスポイントに接続しないため、電波情報を利用できる全てのWLANアクセスポイントを対象にして測位できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-306464号公報
【特許文献2】特表2009-536808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
WLAN測位では、WLANアクセスポイントの設置位置が登録されているデータベースが利用される。例えば、該設置位置は、複数の地点において測定されたWLANアクセスポイントからの電波に基づいて推定されたものであってもよい。例えば、受信信号強度に基づいて推定されたものであってもよい。
【0007】
測位装置は、WLANアクセスポイントにより送信されるべき電波から該WLANアクセスポイントの識別子を取得する。該測位装置は、データベースから、該識別子に対応するWLANアクセスポイントの設置位置の情報を取得する。該測位装置は、設置位置の情報に基づいて、当該測位装置の位置を特定する。
【0008】
測位装置は、WLANアクセスポイントのスキャンを頻繁に行うことにより、WLAN測位による測位結果の信頼性を確保することができる。
【0009】
また、データベースの管理者は、データベースの更新を頻繁に行うことにより、WLAN測位による測位結果の信頼性を確保することができる。
【0010】
しかし、WLANアクセスポイントのスキャンを頻繁に行うことにより、消費電力が増大する。また、データベースの管理者は、WLANアクセスポイントの全ての場所を管理することは事実上困難である。データベースに登録されるWLANアクセスポイントの数を増大させる方法として、一般ユーザによる登録を認める方法があるが、悪意を持ったユーザによる登録であるのか、悪意を持たないユーザによる登録であるのかを管理者側で判定するのは困難である。従って、一般ユーザによる登録を認める方法を採用するのは好ましくない。
【0011】
WLAN測位により特定された位置が信頼できる位置であるかどうかは、データベースに登録されているWLANアクセスポイントの設置位置が正しいかどうかに依存する。例えば、WLANアクセスポイントが全く異なる場所に移動された場合に、データベースに登録されている設置位置が変更されないままだと、該WLANアクセスポイントの設置位置が移動前の設置位置として測位が行われる。移動前の設置位置として測位が行われる結果、実際とは全く異なる位置に、測位装置の位置が特定される。
【0012】
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、WLAN測位により特定された位置が信頼できるかどうかを判定できる測位装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本測位装置は、
位置を測定する測位装置であって、
アクセスポイントからの電波に基づいて、測位を行うWLAN測位演算部と、
測位衛星からの電波に基づいて、測位を行う衛星測位部と、
前記衛星測位部による測位の際に取得されるべき位置情報又は前記衛星測位部による測位位置に基づいて、該位置情報又は測位位置から所定の範囲に、前記WLAN測位演算部による測位結果が存在するかどうかを判定する測位結果判定部と、
該測位結果判定部により判定された結果に基づいて、前記測位結果を採用するかどうかを判定する測位結果採用判定部と
を有する。
【0014】
本方法は、
位置を測定する測位装置における方法であって、
アクセスポイントからの電波に基づいて、測位を行うWLAN測位演算ステップと、
測位衛星からの電波に基づいて、測位を行う衛星測位ステップと、
前記衛星測位ステップによる測位の際に取得されるべき位置情報又は前記衛星測位ステップによる測位位置に基づいて、該位置情報又は測位位置から所定の範囲に、前記WLAN測位演算ステップによる測位結果が存在するかどうかを判定する測位結果判定ステップと、
該測位結果判定ステップにより判定された結果に基づいて、前記測位結果を採用するかどうかを判定する測位結果採用判定ステップと
を有する。
【発明の効果】
【0015】
開示の測位装置及び方法によれば、WLAN測位により特定された位置が信頼できるかどうかを判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施例に従ったシステムの一例を示す説明図である。
【図2】本実施例に従った測定装置のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
【図3】本実施例に従った測位装置の一例を示す機能ブロック図である。
【図4】本実施例に従った測位結果の信頼性の判定方法を説明するための説明図(その1)である。
【図5】本実施例に従った測位結果の信頼性の判定方法を説明するための説明図(その2)である。
【図6】本実施例に従った測位結果の信頼性の判定方法を説明するための説明図(その3)である。
【図7】本実施例に従った測位結果の信頼性の判定方法を説明するための説明図(その4)である。
【図8】本実施例に従ったシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本実施例に従った測位装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0018】
<実施例>
<システム>
本実施例に従った測位装置100が適用されるシステムについて説明する。
【0019】
図1は、本測位装置100が適用されるシステムを示す。
【0020】
該システムには、アクセスポイント(Access Point)200(mは、m>0の整数)が含まれる。アクセスポイントは、「親機」、「基地局」、「ステーション」等と呼ばれてもよい。本測位装置100は、発見できたアクセスポイント200との間の距離に基づいて、測位を行う。図1には、一例として、m=3の場合が示される。mは、2以下であっても、4以上であってもよい。例えば、m=1、2の場合には、アクセスポイント200と測位装置100との間の距離から、測位装置100が位置すると想定される領域を求めることができる。また、mの値が大きくなるほど測位精度が向上する。
【0021】
本測位装置100は、携帯端末装置に搭載されるようにしてもよいし、携帯情報端末(PDA: Personal Digital Assistants)に搭載されるようにしてもよいし、パーソナルコンピュータ(PC: Personal Computer)に搭載されるようにしてもよい。
【0022】
本測位装置100が携帯端末装置に搭載され、発見できたアクセスポイント200との間の距離に基づいて測位を行うことにより、屋内においても位置情報を取得できる。屋内においても位置情報を取得できるため、屋内における位置情報に基づいてサービスを提供できる。
【0023】
また、本測位装置100は、GPS衛星300−300(nは、n>3の整数)により送信される測位信号に基づいて、当該測位装置100の位置を測位する。位置情報は、経度、緯度により表されてもよい。さらに、高度により示されてもよい。
【0024】
例えば、本測位装置100は、自立測位方式により測位を行うようにしてもよい。自立測位方式では、測位信号をデコードすることにより、測位演算に必要となる情報を取得する。現在、約30個のGPS衛星が高度約20,000kmの上空で地球を一周しており、55度ずつ傾いた6つの地球周回軌道面があり、各々の軌道面に4個以上のGPS衛星が均等に配置されている。従って、天空が開けている場所であれば、地球上のどの場所にいても、常時、少なくとも5個以上のGPS衛星が観測可能である。
【0025】
また、例えば、本測位装置100は、アシステッドGPS(A-GPS: Assisted-GPS)方式により測位を行うようにしてもよい。A-GPSでは、ネットワーク(図示無し)から測位装置100が測位を行うために必要とされるデータが配信される。該データは、アシスト情報とよばれてもよい。該データには、例えば、基地局のエリア情報やGPS衛星300の軌道情報などが含まれる。該基地局のエリア情報には、測位装置100の概略位置情報、該概略位置の誤差に関する情報などが含まれる。該データにより、測位信号をデコードする処理を省略できる。
【0026】
<本測位装置>
図2は、本実施例に従った測位装置100を示す。図2には、主にハードウェア構成が示される。
【0027】
本測位装置100は、無線部102と、記憶部104と、中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)106と、出力部108と、通信制御部110と、GPS測位装置112とを有する。各機能ブロックは、バス150により接続される。
【0028】
中央演算処理装置106は、無線部102、記憶部104、出力部108、通信制御部110、及びGPS測位装置112の制御を行う。中央演算処置装置106は、記憶部104に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。
【0029】
無線部102は、中央演算処理装置106による制御により、アクセスポイント200との間で、所定の無線通信方式により無線通信を行う。該無線通信方式には、無線LANが含まれる。無線LANの規格には、IEEE802.11、IEEE802.15が含まれるが、どの規格に従ったものでもよい。該無線部102は、通信制御部110により生成された情報を無線信号に変換して送信する。また、アクセスポイント200からの無線信号をベースバンド信号に変換する。該無線部102は、アクセスポイント200からの無線の受信信号強度(RSSI: Received Signal Strength Indication, Received Signal Strength Indicator)を測定する。
【0030】
記憶部104は、アプリケーションを有する。アプリケーションは、測位装置100上で実行する作業を実施する機能を有するソフトウェアである。また、記憶部104は、チャネル毎に発見されたアクセスポイントの情報を記憶する。また、記憶部104は、当該測位装置100に設定可能なアクセスポイント200の識別子を記憶する。該識別子には、サービスセットID(SSID: Service Set ID)、ESSID(Extended SSID)が含まれる。アクセスポイントを識別可能な識別子であれば、サービスセットID(SSID: Service Set ID)、ESSID(Extended SSID)に限られない。
【0031】
出力部106は、当該測位装置100により算出された位置情報を出力する。例えば、当該測位装置100を搭載する装置に対して出力するようにしてもよい。当該測位装置100を搭載する装置に対して出力することにより、該装置が携帯端末装置である場合には、入力された位置情報に基づいてサービスを提供することができる。例えば、ユーザの現在位置・時間に適した様々な情報の配信することが挙げられる。
【0032】
通信制御部110は、当該測位装置100がアクセスポイントを発見する際に送信すべき情報を生成し、また、発見されたアクセスポイントから受信されるべき信号を解析する。例えば、アクセスポイントを発見する際に送信すべき情報には、アクティブスキャンを行う場合におけるプローブリクエスト(Probe Request)が含まれる。該プローブリクエストには、発見すべきアクセスポイントの識別子が含まれてもよいし、当該測位装置100の近傍に位置するアクセスポイントからの応答を要求するための情報が含まれてもよい。また、例えば、アクセスポイントを発見する際に送信すべき信号には、アクティブスキャン及びパッシブスキャンにおけるリアソシエーションリクエスト(Reassociation Request)が含まれてもよい。
【0033】
例えば、発見されたアクセスポイントから受信されるべき信号には、アクティブスキャンを行う場合におけるプローブレスポンス(Probe Response)が含まれる。該プローブレスポンスには、該プローブレスポンスを送信するアクセスポイントの識別子が含まれてもよい。また、例えば、発見されたアクセスポイントから受信されるべき信号には、パッシブスキャンにおけるビーコン(Beacon)が含まれる。該ビーコンには、該ビーコンを送信するアクセスポイントの識別子が含まれてもよい。
【0034】
また、通信制御部110は、アクティブスキャンを行う場合には、チャネル毎にプローブリクエストが送信されるように、無線部102を制御する。また、通信制御部110は、パッシブスキャンを行う場合には、チャネル毎にビーコン信号を検出できるように、周波数帯をスキャンするように無線部102を制御する。
【0035】
GPS測位装置112は、中央演算処理装置106により入力されるべき制御信号(測位命令)に従って、当該測位装置100の位置を測定する。例えば、GPS測位装置112は、自立測位方式により、複数のGPS衛星300−300からの電波を受信することによって、該複数のGPS衛星300−300から当該GPS測位装置112までの距離(擬似距離)をそれぞれ算出する。該GPS測位装置112は、該擬似距離に基づいて当該GPS測位装置112が搭載された測位装置100の測位を行う。GPS衛星300−300により発射された信号は、GPS衛星300−300とGPS測位装置112との間の距離を電波が伝搬する時間だけ遅れてGPS測位装置112に到達する。従って、複数のGPS衛星300−300について電波伝搬に要する時間を求めれば、測位演算によってGPS測位装置112の位置を求めることができる。例えば、複数のGPS衛星300−300により発射された電波は、GPS測位装置112の測距部において、各GPS衛星300−300からGPS測位装置112までの距離が求められる。そして、測位演算部において、測距部において求められた距離に基づいて、GPS測位装置112の位置が求められる。
【0036】
また、GPS測位装置112は、A-GPS方式により測位を行うようにしてもよい。A-GPS方式では、ネットワーク(図示無し)からGPS測位装置112が測位を行うために必要とされるデータが配信される。該データには、例えば、基地局のエリア情報やGPS衛星300の軌道情報などが含まれる。該基地局のエリア情報には、測位装置100の概略位置情報、該概略位置の誤差に関する情報などが含まれる。測位結果は、経度、緯度により表されてもよい。さらに、高度により表されてもよい。GPS測位装置112は、位置情報をCPU106に入力する。
【0037】
<本測位装置の機能>
本測位装置100により実行される処理には、アクセスポイント200を発見するために、周波数帯をスキャンする処理(以下、「周波数帯スキャン処理」と呼ぶ)が含まれる。該周波数帯スキャン処理では、周波数帯が測定される。該周波数帯スキャン処理には、チャネルをサーチする処理が含まれる。
【0038】
また、本測位装置100により実行される処理には、周波数帯スキャン処理の結果に基づいて発見されたアクセスポイントとの間の距離を求め、当該測位装置100の位置を求める処理が含まれる。例えば、本測位装置100は、アクセスポイントの識別子から、アクセスポイントの位置を求める。本測位装置100は、該アクセスポイントの位置と、アクセスポイント200により送信されるべき無線信号の受信強度とに基づいて、アクセスポイントとの間の距離を求めるようにしてもよい。該距離を求める際にアクセスポイント200の位置が必要である場合には、該アクセスポイント200の位置は、当該測位装置100に事前に格納されてもよいし、他の方法で取得するようにしてもよい。例えば、当該測位装置100を搭載する携帯端末装置により取得されてもよい。例えば、該携帯端末装置が、アクセスポイントの位置情報を格納するサーバにアクセスすることにより取得するようにしてもよい。該携帯端末装置は、所定の無線通信方式により無線通信を行うものであってもよい。例えば、該無線通信方式には、GSM(Global System for Mobile Communications)、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、LTE (Long Term Evolution)が含まれてもよい。また、WLANにより、アクセスポイントの位置情報を取得するようにしてもよい。
【0039】
また、本測位装置100により実行される処理には、WLAN測位により求められた位置(以下、「WLAN測位結果」と呼ぶ)が、信頼性が高いものであるかどうかを判定する処理が含まれる。例えば、本測位装置100は、GPS測位装置112がA-GPS方式により測位を行う際に取得されるべき基地局エリア情報を利用して、該WLAN測位結果が、信頼性が高いものであるかどうかを判定するようにしてもよい。また、例えば、本測位装置100は、GPS測位装置112による測位結果(位置履歴)を利用して、該WLAN測位結果が、信頼性が高いものであるかどうかを判定するようにしてもよい。
【0040】
また、本測位装置100により実行される処理には、WLAN測位結果の精度が、信頼性が高いものであるかどうかを判定する処理が含まれる。例えば、本測位装置100は、WLAN測位結果の測位誤差(誤差半径)に基づいて、該WLAN測位位置の精度が高いものであるかどうかを判定するようにしてもよい。
【0041】
図3は、測位装置100の機能を示す機能ブロック図である。図3には、中央演算処理装置106により実行される機能が主に示される。
【0042】
本測位装置100が携帯端末装置に搭載された場合、該携帯端末装置は、ユーザの位置や環境に応じて適切なサービスとコンテンツを提供する。該適切なサービスとコンテンツを提供する処理はソフトウェアにより行われてもよい。該サービスは、各種の地理情報に、リアルタイムに位置情報とコンテンツ情報とを融合することで行われる。該地理情報は、防災、セキュリティ、交通等の様々な分野で、モバイル通信技術を用いて利用される。該地理情報を利用することは、ロケーションベースドサービス(LBS: Location Based Services)と呼ばれる。
【0043】
LBSの実現に必要な社会基盤と主要な技術課題には、高精度3次元空間データ、屋外・屋内を含む広範囲の空間で位置を取得することができるシームレス測位システム、通信システム、端末・表示技術などが含まれる。
【0044】
シームレス測位システムの一例として、無線LANを利用した位置測位が挙げられる。本測位装置100は、無線LANを利用して位置測位を行う。さらに、本測位装置100は、GPS測位を行う。該GPS測位は、A-GPS測位であってもよい。本測位装置100は、該A-GPS測位の際に取得されるべきアシスト情報に基づいて、WLAN測位結果の信頼性を判定する。該信頼性を判定することはフィルタリングと呼ばれてもよい。
【0045】
また、該GPS測位は、自立測位であってもよいし、オートGPSによる測位であってもよいし、単発測位であってもよいし、トラッキングであってもよい。本測位装置100は、該GPS測位による測位履歴に基づいて、WLAN測位結果の信頼性を判定する。該信頼性を判定することはフィルタリングと呼ばれてもよい。
【0046】
本測位装置100は、測位制御部1062を有する。該測位制御部1062は、GPS測位装置112と、通信制御部110と接続される。該測位制御部1062は、GPS測位装置112を制御する。測位制御部1062は、GPS測位装置112が自立測位方式により測位を行う場合には、該測位結果を取得し、信頼性判定部1068に入力する。また、測位制御部1062は、GPS測位装置112がA-GPS方式により測位を行う場合には、該A-GPS方式による測位の際に利用されるべきアシスト情報を取得する。測位制御部1062は、該アシスト情報を信頼性判定部1068に入力する。
【0047】
また、測位制御部1062は、通信制御部110を制御する。測位制御部1062は、通信制御部110からアクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの受信信号強度を取得する。測位制御部1062は、アクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの受信信号強度とをWLAN測位演算部1064に入力する。
【0048】
本測位装置100は、WLAN測位演算部1064を有する。該WLAN測位演算部1064は、測位制御部1062と接続される。該WLAN測位演算部1064は、測位制御部1062により入力されたアクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの受信信号強度とに基づいて、当該測位装置100の位置を特定する。例えば、WLAN測位演算部1064は、アクセスポイントの識別子に対応するアクセスポイントの位置情報を取得する。例えば、WLAN測位演算部1064は、ローカルデータベース(DB: Database)1066に格納されたアクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの位置とが対応付けられたテーブルを参照し、測位制御部1062により入力されたアクセスポイントの識別子に対応する位置情報を取得する。該位置情報と、アクセスポイントの受信信号強度とに基づいて、位置を特定する。WLAN測位演算部1064は、信頼性判定部1068に、WLAN測位結果を入力する。
【0049】
本測位装置100は、ローカルデータベース1066を有する。該ローカルデータベース1066は、WLAN測位演算部1064と接続される。該ローカルデータベース1066には、アクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの位置とが対応付けられて格納される。該アクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの位置とが対応付けられた情報は、当該測位装置100が搭載された携帯端末装置がネットワークに接続されたサーバにアクセスすることにより取得されてもよい。ネットワークにアクセスすることにより取得される場合には、必ずしもローカルデータベース1066は必要ない。該ネットワークには、インターネットが含まれる。また、該アクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの位置との対応は、基地局から提供されてもよい。
【0050】
本測位装置100は、信頼性判定部1068を有する。該信頼性判定部1068は、測位制御部1062、及びWLAN測位演算部1064と接続される。信頼性判定部1068は、測位制御部1062により入力されたアシスト情報及び/又はGPS測位装置112による測位結果に基づいて、WLAN測位演算部1064により入力されたWLAN測位結果の信頼性を判定する。
【0051】
<信頼性判定方法(その1)>
信頼性判定部1068は、測位制御部1062により入力されたアシスト情報に含まれる基地局のエリア情報に基づいて、WLAN測位結果を判定する。基地局のエリア情報に基づいてWLAN測位結果を判定する場合、A-GPS方式による測位手順と、WLAN測位の測位手順とが並行して開始されてもよい。A-GPS方式による測位手順では、アシストデータが取得される処理が行われていればよく、該アシストデータによる測位までは行われる必要はない。
【0052】
信頼性判定部1068は、基地局のエリア情報に基づいて、当該測位装置100が位置すると想定される領域を求める。例えば、基地局のエリア情報に含まれる基地局の位置を取得し、該基地局の位置を測位装置100の位置(以下、「概略位置」と呼ぶ)とみなし(置き換え)、該概略位置を中心とする円を描く。該概略位置は、経度、緯度により示されてもよい。該円の半径(以下、「誤差半径」と呼ぶ)は、該基地局の位置の誤差に関する情報に基づいて設定されてもよい。例えば、該基地局の位置を測位装置100の位置とみなすことにより予想される誤差の範囲としてもよい。また、該基地局の位置の誤差に関する情報に誤差半径の情報が含まれてもよい。例えば、誤差半径を基地局のエリアの半径としてもよい。
【0053】
信頼性判定部1068は、WLAN測位結果と、概略位置とを比較することによりWLAN測位結果の信頼性を判定する。例えば、概略位置とWLAN測位結果との間の距離が誤差半径以下である場合には、WLAN測位結果の信頼性が高いと判定する。一方、概略位置とWLAN測位結果との間の距離が誤差半径を超える場合には、WLAN測位結果の信頼性が低いと判定する。
【0054】
図4は、信頼性判定部1068の処理を説明するための図(その1)である。
【0055】
図4には、WLAN測位結果を示す位置と、概略位置を中心として誤差半径を半径とする円を示す。図4に示される例では、該円に、WLAN測位結果が存在する。図4に示される例では、概略位置とWLAN測位結果との間の距離が誤差半径以下であるため、WLAN測位結果の信頼性が高いと判定する。WLAN測位結果の信頼性が高い場合、該WLAN測位結果を採用する。
【0056】
図5は、信頼性判定部1068の処理を説明するための図(その2)である。
【0057】
図5には、WLAN測位結果を示す位置と、概略位置を中心として誤差半径を半径とする円を示す。図4に示される例では、該円に、WLAN測位結果が存在しない。図5に示される例では、概略位置とWLAN測位結果との間の距離が誤差半径を超えるため、WLAN測位結果の信頼性が低いと判定する。WLAN測位結果の信頼性が低い場合、該WLAN測位結果は採用しない。
【0058】
<信頼性判定方法(その2)>
信頼性判定部1068は、測位制御部1062により入力されたGPS測位結果(測位位置)に基づいて、WLAN測位結果を判定する。GPS測位結果に基づいてWLAN測位結果が判定される場合、測位位置の履歴が蓄積される。該測位位置の履歴には、自立測位方式により測位されたものが含まれてもよいし、オートGPS機能により取得されてものが含まれてもよいし、単発測位により取得されたものが含まれてもよいし、トラッキング機能により取得されたものが含まれてもよい。オートGPSとは、所定の時間間隔で、ユーザの位置情報をサービス提供者に通知する機能である。オートGPSでは、所定の時間間隔で、位置情報が取得される。また、オートノーマス方式により取得された位置情報が含まれてもよい。オートノーマス方式では、測位装置100単体で測位計算が行われる。該測位の際には通信が発生しない。
【0059】
信頼性判定部1068は、測位位置の履歴に含まれるGPS測位結果のうち、最新の測位位置(以下、「ラストポジション(Last Position)」と呼ぶ)と、WLAN測位結果とを比較する。例えば、ラストポジションに基づいて、当該測位装置100が位置すると想定される領域を求める。例えば、該ラストポジションを中心とする円を描く。該ラストポジションは、経度、緯度により示されてもよい。該円の半径(以下、「ポジションσ」と呼ぶ)は、ラストポジションが測定された時間からの「経過時間」と、当該測位装置100の「推定速度」と、「ラストポジションの誤差半径」に基づいて設定されてもよい。例えば、式(1)により設定されてもよい。
【0060】
ポジションσ=経過時間×推定速度+ラストポジションの誤差半径 (1)
<経過時間>
経過時間は、ラストポジションに対応するタイムスタンプに基づいて設定されてもよい。該タイムスタンプは、測位履歴に含まれるものであってもよい。また、WLAN測位が完了した際の当該測位装置100が搭載された装置における時間であってもよい。また、当該測位装置100が搭載された装置に実装されているシステムタイマによりカウントされた時間を経過時間としてもよい。
【0061】
<推定速度>
推定速度は、当該測位装置100が移動している場合には、該移動手段毎に設定されてもよい。例えば、以下の方法により、推定速度を設定してもよい。
【0062】
1)2パラメータから選択する
例えば、該2パラメータには、高速移動と低速移動とが含まれる。例えば、高速移動していると判定される場合には、高速移動している際に設定されるべき移動速度が選択される。例えば、80km/hなどの移動速度が設定されてもよい。例えば、在圏基地局が切り替わることが検出され、該検出回数に基づいて高速移動しているかどうかが判定されてもよい。例えば、当該測位装置100が携帯端末装置に搭載されている場合において、状態判定部1072は、在圏基地局情報取得部1074により入力されるべき在圏基地局が切り替わる回数に基づいて、高速移動しているかどうかを判定してもよい。該状態判定部1072には、在圏基地局の情報が入力される。該状態判定部1072は、信頼性判定部1068に、高速移動しているかどうかを示す情報を入力する。所定の時間における切り替わり回数に基づいて高速移動しているかどうかを判定するようにしてもよい。
【0063】
また、例えば、低速移動していると判定される場合には、低速移動している際に設定されるべき移動速度が選択される。例えば、5km/hなどの移動速度が設定されてもよい。例えば、センサによる検出結果に基づいて、低速移動しているかどうかを判定してもよい。具体的には、加速度センサなどにより検出されるべき歩数カウントの値に基づいて低速移動しているかどうかを判定するようにしてもよい。具体的には、歩行検出部1076から歩数カウントの値が状態判定部1072に入力される。状態判定部1072は、歩行検出部1076により入力された歩数カウント値に基づいて、低速移動しているかどうかを判定する。
【0064】
2)複数のパラメータから選択する
例えば、該複数のパラメータには、移動速度が含まれる。例えば、高速鉄道により移動していると判定される場合には、該高速鉄道により移動している際に設定されるべき移動速度が選択される。例えば、270km/hなどの移動速度が設定されてもよい。高速鉄道には、新幹線が含まれる。例えば、センサによる検出結果に基づいて、高速鉄道により移動しているかどうかを判定してもよい。具体的には、加速度センサなどにより検知された状態に基づいて高速鉄道により移動しているかどうかを判定するようにしてもよい。
【0065】
また、例えば、電車により移動していると判定される場合には、該電車により移動している際に設定されるべき移動速度が選択される。例えば、130km/hなどの移動速度が設定されてもよい。例えば、センサによる検出結果に基づいて、電車により移動しているかどうかを判定してもよい。具体的には、加速度センサなどにより検知された状態に基づいて電車により移動しているかどうかを判定するようにしてもよい。
【0066】
また、例えば、車により移動していると判定される場合には、該車により移動していると判定される際に設定されるべき移動速度が選択される。例えば、80km/hなどの移動速度が設定されてもよい。例えば、センサによる検出結果に基づいて、車により移動しているかどうかを判定してもよい。具体的には、加速度センサなどにより検知された状態に基づいて車により移動しているかどうかを判定するようにしてもよい。
【0067】
また、例えば、走行していると判定される場合には、該走行していると判定される際に設定されるべき走行速度が選択される。例えば、20km/hなどの走行速度が設定されてもよい。例えば、センサによる検出結果に基づいて、走行しているかどうかを判定してもよい。具体的には、加速度センサなどにより検知された状態に基づいて走行しているかどうかを判定するようにしてもよい。
【0068】
また、例えば、歩行していると判定される場合には、該歩行していると判定される際に設定されるべき歩行速度が選択される。例えば、5km/hなどの歩行速度が設定されてもよい。例えば、センサによる検出結果に基づいて、歩行しているかどうかを判定してもよい。具体的には、加速度センサなどにより検知された状態に基づいて歩行しているかどうかを判定するようにしてもよい。
【0069】
具体的には、移動状態検出部1078から加速度情報が状態判定部1072に入力される。状態判定部1072は、移動状態検出部1078により入力された加速度情報に基づいて、当該測位装置100の移動状態を判定する。
【0070】
3)速度を推定する
例えば、移動速度を推定し、該推定された速度が設定されてもよい。例えば、在圏基地局情報が切り替わることを検出し、該検出回数に基づいて移動速度を推定してもよい。所定の時間における切り替わり回数に基づいて移動速度を推定してもよい。例えば、当該測位装置100が携帯端末装置に搭載されている場合において、状態判定部1072は、在圏基地局情報取得部1074により入力されるべき在圏基地局が切り替わる回数に基づいて、移動速度を推定してもよい。該状態判定部1072には、在圏基地局の情報が入力される。該状態判定部1072は、信頼性判定部1068に、移動速度を入力する。
【0071】
また、例えば、センサによる検出結果に基づいて、移動速度を推定してもよい。具体的には、加速度センサなどにより検知された状態に基づいて移動速度を推定してもよい。具体的には、移動状態検出部1078から加速度情報が状態判定部1072に入力される。状態判定部1072は、移動状態検出部1078により入力された加速度情報に基づいて、当該測位装置100の移動状態を判定する。
【0072】
信頼性判定部1068は、WLAN測位結果と、ラストポジションとを比較することによりWLAN測位結果の信頼性を判定する。例えば、ラストポジションとWLAN測位結果との間の距離がポジションσ以下である場合には、WLAN測位結果の信頼性が高いと判定する。一方、ラストポジションとWLAN測位結果との間の距離がポジションσを超える場合には、WLAN測位結果の信頼性が低いと判定する。
【0073】
図6は、信頼性判定部1068の処理を説明するための図(その3)である。
【0074】
図6には、WLAN測位結果を示す位置と、ラストポジションを中心としてポジションσを半径とする円を示す。図6に示される例では、該円に、WLAN測位結果が存在する。図6に示される例では、ラストポジションとWLAN測位結果との間の距離がポジションσ以下であるため、WLAN測位結果の信頼性が高いと判定する。WLAN測位結果の信頼性が高い場合、該WLAN測位結果を採用する。
【0075】
図7は、信頼性判定部1068の処理を説明するための図(その4)である。
【0076】
図7には、WLAN測位結果を示す位置と、ラストポジションを中心としてポジションσを半径とする円を示す。図7に示される例では、該円に、WLAN測位結果が存在しない。図7に示される例では、ラストポジションとWLAN測位結果との間の距離がポジションσを超えるため、WLAN測位結果の信頼性が低いと判定する。WLAN測位結果の信頼性が低い場合、該WLAN測位結果は採用しない。
【0077】
また、信頼性判定部1068は、WLAN測位位置の精度の信頼性を判定する。例えば、信頼性判定部1068は、WLAN測位結果の測位誤差に基づいて、該WLAN測位結果の測位誤差が概略位置の誤差半径未満であるかどうかを判定する。該WLAN測位結果の測位誤差が概略位置の誤差半径未満である場合、該WLAN測位位置の精度が高い、換言すればWLAN測位結果の信頼性が高いと判定するようにしてもよい。逆に、該WLAN測位結果の測位誤差が概略位置の誤差半径以上である場合、該WLAN測位位置の精度が低い、換言すればWLAN測位結果の信頼性が低いと判定するようにしてもよい。さらに、WLAN測位結果の測位誤差が所定の閾値(閾値B)未満である場合に、WLAN測位位置の精度が高い、換言すればWLAN測位結果の信頼性が高いと判定するようにしてもよい。逆に、WLAN測位結果の測位誤差が所定の閾値(閾値B)以上である場合に、WLAN測位位置の精度が低い、換言すればWLAN測位結果の信頼性が低いと判定するようにしてもよい。
【0078】
信頼性判定部1068は、WLAN測位結果の信頼性が高いと判定した場合、該WLAN測位結果を測位結果通知制御部1070に入力する。また、WLAN測位結果の信頼性が高く、且つ測位精度が高いと判定された場合に、該WLAN測位結果を測位結果通知制御部1070に入力するようにしてもよい。
【0079】
また、信頼性判定部1068は、WLAN測位結果の信頼性が低いと判定した場合、測位制御部1062からGPS測位結果を取得する。信頼性判定部1068は、測位結果通知制御部1070に、該GPS測位結果を入力する。また、信頼性判定部1068は、測位結果通知制御部1070に、概略位置を入力するようにしてもよい。
【0080】
本測位装置100は、測位結果通知制御部1070を有する。該測位結果通知制御部1070は、信頼性判定部1068、及びローカルデータベース1066と接続される。該測位結果通知制御部1070は、信頼性判定部1068により入力されるべきWLAN測位結果、GPS測位結果、及び概略位置のうち少なくとも1つをネットワークに通知する制御を行う。また、WLAN測位結果の信頼性が低いと判定された場合に、GPS測位結果、概略位置をフィードバックする。該フィードバック先は、ローカルデータベース1066であってもよいし、WLANアクセスポイントの設置位置が登録されているデータベースを有するサーバであってもよい。該サーバは、ネットワークに存在してもよい。また、WLANアクセスポイントの設置位置情報は、基地局に存在していてもよい。
【0081】
本測位装置100は、状態判定部1072を有する。状態判定部1072は、当該測位装置100が搭載された装置を携帯しているユーザの移動状態を判定する。該装置は、携帯端末装置であってもよい。例えば、状態判定部1072には、在圏基地局情報取得部1074から在圏基地局情報が入力される。また、状態判定部1072には、歩行検出部1076から歩数カウント値が入力される。また、状態判定部1072には、移動状態検出部1078から移動状態を判定するための情報が入力される。該移動状態を判定するための情報には、加速度が含まれる。
【0082】
状態判定部1072は、在圏基地局情報取得部1074からの在圏基地局情報に基づいて、当該測位装置100が高速移動しているかどうかを判定する。状態判定部1072は、歩行検出部1076からの歩数カウント値に基づいて、当該測位装置100が歩行しているかどうかを判定する。状態判定部1072は、移動状態検出部1078から移動状態を判定するための情報が入力される。該移動状態を判定するための情報に基づいて、当該測位装置100の移動速度を推定する。状態判定部1072は、信頼性判定部1068に、当該測位装置100が高速移動しているかどうかの判定結果、当該測位装置100が歩行しているかどうかの判定結果、当該測位装置100の移動速度を入力する。移動速度に基づいて判定される移動手段を示す情報が入力されてもよい。
【0083】
本測位装置100が搭載された装置は、在圏基地局情報取得部1074を有する。該装置は、携帯端末装置であってもよい。本測位装置100が在圏基地局情報取得部1074を有していてもよい。在圏基地局情報取得部1074は、該携帯端末装置が在圏する基地局装置の情報を取得する。例えば、在圏基地局情報取得部1074は、該携帯端末装置がハンドオーバし、在圏基地局装置が変更された際に、在圏基地局情報を取得するようにしてもよい。また、在圏基地局情報取得部1074は、予め設定された所定の周期で取得するようにしてもよい。在圏基地局情報取得部1074は、在圏基地局情報を状態判定部1072に入力する。在圏基地局情報を状態判定部1074に入力する場合に、所定の周期で在圏基地局情報を取得するように設定されている場合には、取得した在圏基地局が変更されている場合(前回の在圏基地局と異なる場合)に、在圏基地局情報を通知するようにしてもよい。
【0084】
本測位装置100が搭載された装置は、歩行検出部1076を有する。該装置は、携帯端末装置であってもよい。該携帯端末装置は、歩行検出部1076を有する。本測位装置100が歩行検出部1076を有していてもよい。歩行検出部1076は、該携帯端末装置を携帯しているユーザが歩行しているかどうかを判定する。例えば、加速度情報及び/又は歩数情報が設定される。歩行検出部1076は、加速度情報及び/又は歩数情報に基づいて、ユーザが歩行しているかどうかを判定する。例えば、歩行検出部1076は、歩数をカウントし、該カウント値に基づいて加速度を推定する。該歩行検出部1076は、該加速度の推定値が、加速度情報に含まれる閾値未満である場合に歩行していると判定するようにしてもよい。該加速度情報に含まれる閾値は、低加速度状態を表す値に設定されてもよい。該低加速度状態に含まれる閾値を表す値は、歩行している際の加速度であってもよい。また。該低加速度状態が所定の時間継続した場合に歩行していると判定するようにしてもよい。また、歩数情報に基づいて、移動距離が所定の距離に達したと判定される場合に、ユーザが歩行していると判定するようにしてもよい。歩行検出部1076は、ユーザが歩行していると判定した場合、歩行カウント値を状態判定部1072に入力する。歩行検出部1076は、ユーザが歩行していると判定されない場合には、何も入力しないようにしてもよい。また、歩行検出部1076は、ユーザが歩行していると判定されない場合には、歩行していないことを示す情報を状態判定部1072に入力するようにしてもよい。
【0085】
本測位装置100が搭載された装置は、移動状態検出部1078を有する。該装置は、携帯端末装置であってもよい。該携帯端末装置は、移動状態検出部1078を有する。本測位装置100が移動状態検出部1078を有していてもよい。該移動状態検出部1078は、該携帯端末装置を携帯しているユーザの移動状態を判定する。移動状態検出部1078は、加速度を検出する。該移動状態検出部1078は、状態判定部1072に、加速度情報を入力する。状態判定部1072には、例えば、移動手段を判定するための加速度情報が設定される。状態判定部1072は、該移動手段を判定するための加速度情報に基づいて、ユーザの移動状態を判定する。状態判定部1072は、ユーザが高速鉄道、電車、車などの移動手段により移動していると判定した場合、該移動手段を示す情報を信頼性判定部1068に入力する。状態判定部1072は、ユーザが移動手段により移動していると判定されない場合には、何も入力しない。また、状態判定部1072は、ユーザが移動手段により移動していると判定されない場合には、移動手段により移動していないことを示す情報を信頼性判定部1068に入力するようにしてもよい。
【0086】
本測位装置100が搭載された携帯端末装置は、複数のCPUを有するようにしてもよい。例えば、図3に示される機能のうち、測位制御部1062、WLAN測位演算部1064、信頼性判定部1068、測位結果通知制御部1070、及び状態判定部1072は、アプリケーションCPU(A-CPU: Application CPU)により実行されるようにしてもよい。A-CPUは、アプリケーション系制御用のCPUであり、例えば各種アプリケーション機能やユーザインタフェースの制御を行う。また、在圏基地局情報取得部1074の処理は、コミュニケーションCPU(C-CPU)により実行されるようにしてもよい。C-CPUは、伝送系制御用のCPUであり、例えば、基地局、交換機との間の接続、切断などの通信動作の制御を行う。
【0087】
<本システムの動作>
図8は、本システムの動作を示すフローチャートである。図8には、本測位装置100が携帯端末装置に搭載される例が示される。
【0088】
携帯端末装置は測位を開始する(ステップS802)。
【0089】
携帯端末装置とネットワークとの間で、通信セッションが確立される(ステップS804)。
【0090】
携帯端末装置は、WLAN測位を実行する(ステップS806)。例えば、測位制御部1062は、通信制御部110からアクセスポイントの識別子と、該識別子の受信電界強度とを取得する。WLAN測位演算部1064は、測位制御部1062により入力されたアクセスポイントの識別子に基づいて、アクセスポイントの位置を求め、該位置と受信電界強度に基づいて、当該測位装置100のWLAN測位位置を求める。
【0091】
携帯端末装置は、ネットワークに、アシストデータ(アシスト情報)を要求する(ステップS808)。例えば、測位制御部1062は、C-CPUに対してアシストデータを要求する。C-CPUは、測位制御部1062による要求に応じて、基地局を介してアシストデータを要求する。また、例えば、測位制御部1062は、GPS測位装置112に、アシストデータを要求するようにしてもよい。GPS測位装置112は、通信制御部110に、アシストデータを要求する。通信制御部110は、無線部102を介して、アシストデータを要求する。
【0092】
ネットワークは、携帯端末装置に、アシストデータを通知する(ステップS810)。該アシストデータは、C-CPUから測位制御部1062に入力される。また、該アシストデータは、GPS測位装置112から測位制御部1062に入力されてもよい。測位制御部1062は、該アシストデータを信頼性判定部1068に入力する。
【0093】
携帯端末装置は、WLAN測位結果の信頼性が高いかどうかを判定する(ステップS812)。例えば、信頼性判定部1068は、測位制御部1062により入力されたアシストデータに基づいて、WLAN測位演算部1064により入力されたWLAN測位結果の信頼性が高いかどうかを判定する。例えば、WLAN測位結果と概略位置との間の距離を求め、該距離が概略位置の誤差半径未満であるかどうかを判定する。
【0094】
WLAN測位結果の信頼性が高いと判定された場合(ステップS812:YES)、携帯端末装置は、WLAN測位の精度が高いかどうかを判定する(ステップS814)。例えば、信頼性判定部1068は、WLAN測位結果の誤差半径が概略位置の誤差半径未満であるかどうかを判定する。
【0095】
ステップS812において、WLAN測位の信頼性が低いと判定された場合(ステップS812:NO)、又はステップS814において、WLAN測位の精度が低いと判定された場合(ステップS814:NO)、GPS測位を行う(ステップS816)。例えば、信頼性判定部1068は、WLAN測位結果の信頼性が低いと判定した場合、又はWLAN測位の精度が低いと判定した場合、測位制御部1062にGPS測位を行うように要求する。測位制御部1062は、信頼性判定部1068による要求に従って、GPS測位装置112にGPS測位を行うように要求する。該GPS測位は、ステップS810により通知されたアシストデータに基づいて行われてもよい。
【0096】
ステップS814によりWLAN測位結果の信頼性が高いと判定された場合、又はステップS816によりGPS測位が行われた後、携帯端末装置は、ネットワークに測位結果を通知する(ステップS818)。例えば、測位結果通知制御部1070は、信頼性判定部1068によりWLAN測位結果の信頼性が高いと判定された場合には、ネットワークに、WLAN測位結果を通知するように制御する。また、測位制御部1062は、WLAN測位結果の信頼性が低いと判定された場合、ネットワークに、GPS測位結果を通知するようにしてもよい。また、測位結果通知制御部1070は、WLAN測位結果の信頼性が低いと判定されたが、GPS測位結果を得ることができない場合に、ネットワークに概略位置を通知するようにしてもよい。
【0097】
携帯端末装置は、ローカルデータベース1066に、GPS測位結果又は概略位置をフィードバックする(ステップS820)。例えば、測位結果通知制御部1070は、ローカルデータベース1066に、GPS測位結果又は概略位置をフィードバックする。また、測位結果通知制御部1070は、WLANアクセスポイントの設置位置が登録されているデータベースを有するサーバに、GPS測位結果又は概略位置をフィードバックするようにしてもよい。GPS測位結果又は概略位置をフィードバックすることにより、データベースを更新できる。
【0098】
携帯端末装置とネットワークとの間における通信セッションが開放される(ステップS822)。
【0099】
携帯端末装置における測位が終了する(ステップS824)。
【0100】
図8に示されるフローチャートにおいて、ステップS808、及びS810を行うことなく、WLAN測位結果の信頼度のチェックを行うようにしてもよい。該信頼度のチェックでは、GPS測位位置の履歴に基づいて、ラストポジションと、WLAN測位結果とを比較することにより、WLAN測位の信頼度のチェックが行われる。
【0101】
WLAN測位結果の信頼性が高いと判定された場合、該WLAN測位結果がネットワークに通知される。また、WLAN測位結果の信頼性が低いと判定された場合、ラストポジションがネットワークに通知されてもよい。ラストポジションがネットワークに通知される場合、該ラストポジションが、DBにフィードバックされてもよい。
【0102】
<本測位装置の動作>
図9は、本測位装置の動作を示すフローチャートである。
【0103】
本測位装置100は、A-GPS測位を開始する(ステップS902)。例えば、GPS測位装置112は、A-GPS測位を開始する。例えば、GPS測位装置112は、測位制御部1062による制御に従って、A-GPS測位を行う。
【0104】
本測位装置100は、A-GPS処理手順により、ネットワークから概略位置を取得する(ステップS904)。例えば、測位制御部1062は、概略位置を取得する。該概略位置は、アシスト情報に含まれてもよい。例えば、アシスト情報に含まれる基地局のエリア情報から基地局の位置を取得し、該基地局の位置を測位装置100の概略位置とする。
【0105】
一方、本測位装置100は、WLAN測位を開始する(ステップS906)。例えば、WLAN測位演算部1064は、WLAN測位を開始する。
【0106】
本測位装置100は、WLAN測位が成功したかどうかを判定する(ステップS908)。例えば、WLAN測位演算部1064は、WLAN測位が成功したかどうかを判定する。
【0107】
WLAN測位が成功したと判定した場合(ステップS908:YES)、本測位装置100は、WLAN測位結果の信頼性が高いかどうかを判定する(ステップS910)。例えば、信頼性判定部1068は、WLAN測位結果と概略位置との間の距離が、概略位置の誤差半径以下であるかどうかを判定する。
【0108】
WLAN測位が成功したと判定されない場合(ステップS908:NO)、及びWLAN測位結果と概略位置との間の距離が、概略位置の誤差半径より大きいと判定した場合(ステップS910:NO)、本測位装置100は、WLAN測位結果を使用せず、A-GPS測位手順を実施する(ステップS912)。A-GPS測位手順が実施された場合、最終的に得られた位置情報を当該測位装置100の周辺に位置するアクセスポイント情報(API: Access Point Information)とともにフィードバックする。該位置情報には、A-GPS測位手順により得られたGPS測位結果及び/又は概略位置が含まれる。該アクセスポイント情報には、アクセスポイントのマック(MAC: Media Access Control)アドレスと、該アクセスポイントの受信信号強度とが含まれる。該フィードバック先は、ローカルデータベース1066であってもよいし、WLANアクセスポイントの設置位置が登録されているデータベースを有するサーバであってもよい。また、WLANアクセスポイントの設置位置が登録されている基地局であってもよい。
【0109】
WLAN測位結果と概略位置との間の距離が、概略位置の誤差半径以下と判定した場合(ステップS910:YES)、本測位装置100は、概略位置の誤差半径がWLAN測位結果の誤差半径未満であるかどうかを判定する(ステップS914)。例えば、信頼性判定部1068は、概略位置の誤差半径がWLAN測位結果の誤差半径未満であるかどうかを判定する。WLAN測位結果と概略位置との間の距離が誤差半径以下と判定された場合でも、WLAN測位結果の精度が低い場合には信頼性が低いため、該WLAN測位結果を採用すべきでないためである。本実施例では、概略位置の誤差半径よりもWLAN測位結果の誤差半径の方が大きい場合には、WLAN測位結果の精度が低いと判定する。換言すれば、概略位置の誤差半径よりもWLAN測位結果の誤差半径の方が大きい場合には、概略位置の誤差半径の精度が高いと判定する。
【0110】
概略位置の誤差半径がWLAN測位の誤差半径未満である場合(ステップS914:YES)、本測位装置100は、概略位置の誤差半径が閾値A未満であるかどうかを判定する。例えば、信頼性判定部1068は、概略位置の誤差半径が閾値A未満であるかどうかを判定する。概略位置の誤差半径がWLAN測位の誤差半径未満であると判定された場合でも、概略位置の誤差半径が大きい場合には、概略位置の誤差半径の精度が低いため、該概略位置を採用すべきでないためである。該閾値Aは、位置を特定する際に許容できる範囲に基づいて設定される。また、位置に対して要求される精度に応じて設定されてもよい。
【0111】
概略位置の誤差半径が閾値A未満であると判定された場合(ステップS916:YES)、本測位装置100は概略位置を最終的な測位結果とする(ステップS918)。例えば、信頼性判定部1068は、概略位置の誤差半径が閾値A未満であると判定した場合、概略位置の誤差半径の精度が高いため、概略位置を最終的な測位結果とする。
【0112】
一方、概略位置の誤差半径が閾値A未満であると判定されない場合(ステップS916:NO)、換言すれば概略位置の誤差半径が閾値A以上であると判定される場合、本測位装置100はGPS測位を実行する(ステップS920)。例えば、信頼性判定部1068は、概略位置の誤差半径が閾値A以上であると判定した場合、概略位置の誤差半径の精度が低いと判定し、測位制御部1062に、A-GPS測位を実行するように命令する。測位制御部1062は、信頼性判定部1068による命令に従って、GPS測位装置112にA-GPS測位を実行するように命令する。A-GPS測位結果は、GPS測位装置112から、測位制御部1062を介して、信頼性判定部1068に入力される。
【0113】
本測位装置100は、WLAN測位結果の誤差半径がA-GPS測位の誤差半径未満であるかどうかを判定する(ステップS922)。例えば、信頼性判定部1068は、WLAN測位結果の誤差半径がA-GPS測位の誤差半径未満であるかどうかを判定する。誤差半径が小さい測位結果を採用するのが好ましいためである。WLAN測位結果の誤差半径の代わりに、概略位置の誤差半径を利用して判定してもよい。
【0114】
WLAN測位の誤差半径がA-GPS測位の誤差半径未満であると判定される場合(ステップS922:YES)、本測位装置100は、概略位置を最終的な測位結果とする(ステップS918)。例えば、信頼性判定部1068は、WLAN測位の誤差半径がA-GPS測位の誤差半径未満であると判定した場合、概略位置を最終的な測位結果とする。測位結果通知制御部1070は、ネットワークに、概略位置を通知する。測位制御部1062は、A-GPS測位手順を終了させてもよい。
【0115】
一方、WLAN測位の誤差半径がA-GPS測位の誤差半径未満であると判定されない場合(ステップS922:NO)、換言すればWLAN測位の誤差半径がA-GPS測位の誤差半径以上であると判定される場合、本測位装置100は、A-GPS測位結果を最終的な測位結果とする(ステップS924)。例えば、信頼性判定部1068は、WLAN測位の誤差半径がA-GPS測位の誤差半径以上であると判定した場合、A-GPS測位結果を最終的な測位結果とする。A-GPS測位結果の精度の方が高いためである。測位結果通知制御部1070は、ネットワークに、A-GPS測位結果を通知する。測位制御部1062は、測位手順を終了させてもよい。
【0116】
ステップS914において、概略位置の誤差半径がWLAN測位結果の誤差半径未満でない場合、換言すれば、概略位置の誤差半径がWLAN測位結果の誤差半径以上である場合(ステップS914:NO)、本測位装置100は、WLAN測位結果の精度が高いと判定し、WLAN測位結果の誤差半径が閾値B未満であるかどうかを判定する。例えば、信頼性判定部1068は、WLAN測位結果の誤差半径が閾値B未満であるかどうかを判定する。概略位置の誤差半径がWLAN測位結果の誤差半径以上であると判定された場合でも、WLAN測位結果の誤差半径が大きい場合には、許容される精度を得ることができないためである。該閾値Bは、位置を特定する際に許容できる範囲に基づいて設定される。また、位置に対して要求される精度に応じて設定されてもよい。
【0117】
WLAN測位結果の誤差半径が閾値B未満であると判定された場合(ステップS926:YES)、本測位装置100は、WLAN測位結果の精度が高いと判定し、WLAN測位結果を最終的な測位結果とする(ステップS928)。例えば、信頼性判定部1068は、WLAN測位結果の誤差半径が閾値B未満であると判定した場合、該WLAN測位結果を最終的な測位結果とする。測位結果通知制御部1070は、ネットワークに、WLAN測位結果を通知する。測位制御部1062は、A-GPS測位手順を終了させてもよい。
【0118】
一方、WLAN測位結果の誤差半径が閾値B未満であると判定されない場合(ステップS926:NO)、換言すればWLAN測位結果の誤差半径が閾値B以上であると判定される場合、本測位装置100はGPS測位を実行する(ステップS930)。例えば、信頼性判定部1068は、WLAN測位結果の誤差半径が閾値B以上であると判定した場合、測位制御部1062に、A-GPS測位を実行するように命令する。測位制御部1062は、信頼性判定部1068による命令に従って、GPS測位装置112にA-GPS測位を実行するように命令する。A-GPS測位結果は、GPS測位装置112から、測位制御部1062を介して、信頼性判定部1068に入力される。
【0119】
本測位装置100は、WLAN測位結果の誤差半径がA-GPS測位の誤差半径未満であるかどうかを判定する(ステップS932)。例えば、信頼性判定部1068は、WLAN測位結果の誤差半径がA-GPS測位の誤差半径未満であるかどうかを判定する。誤差半径が小さい測位結果を採用するのが好ましいためである。
【0120】
WLAN測位の誤差半径がA-GPS測位の誤差半径未満であると判定される場合(ステップS932:YES)、本測位装置100は、WLAN測位結果の精度が高いと判定し、WLAN測位結果を最終的な測位結果とする(ステップS928)。例えば、信頼性判定部1068は、WLAN測位結果の誤差半径がA-GPS測位の誤差半径未満であると判定した場合、WLAN測位結果を最終的な測位結果とする。
【0121】
一方、WLAN測位結果の誤差半径がA-GPS測位の誤差半径未満であると判定されない場合(ステップS932:NO)、換言すればWLAN測位結果の誤差半径がA-GPS測位の誤差半径以上であると判定される場合、本測位装置100は、A-GPS測位結果の精度が高いと判定し、A-GPS測位結果を最終的な測位結果とする(ステップS934)。例えば、信頼性判定部1068は、WLAN測位の誤差半径がA-GPS測位の誤差半径以上であると判定した場合、A-GPS測位結果を最終的な測位結果とする。A-GPS測位結果の精度の方が高いためである。測位結果通知制御部1070は、ネットワークに、A-GPS測位結果を通知する。測位制御部1062は、測位手順を終了させてもよい。
【0122】
図9に示されるフローチャートにおいて、ステップS902、及びS904を行うことなく、ステップS910におけるWLAN測位結果の信頼度のチェックを行うようにしてもよい。該信頼度のチェックでは、GPS測位位置の履歴に基づいて、ラストポジションと、WLAN測位結果とを比較することにより、WLAN測位の信頼度のチェックが行われる。
【0123】
また、ステップS920を行うことなく、ステップS922の処理が行われてもよい。ステップS922では、WLAN測位結果の誤差半径と、ラストポジションの誤差半径とが比較されてもよい。
【0124】
また、ステップS930を行うことなく、ステップS932の処理が行われてもよい。ステップS932では、WLAN測位結果の誤差半径と、ラストポジションの誤差半径とが比較されてもよい。
【0125】
本実施例において、GPS測位方式の代わりに、ヨーロッパのガリレオシステム、ロシアのグロナス(GLONASS)システム、又は他の衛星測位システム(satellite positioning system: SPS)を適用してもよい。換言すれば、衛星航法(GNSS: Global Navigation Satellite System)を適用してもよい。
【0126】
本実施例によれば、WLAN測位をGPS測位方式に融合させて商用展開する際に解決すべき課題の1つである、WLAN測位によって得られた測位結果が信頼できる結果であるかどうかを自動的に判定できる。また、WLAN測位によって得られた測位結果の精度が高いか、換言すれば測位結果の精度の信頼性が高いがどうかを自動的に判定できる。
【0127】
具体的には,位置情報サービスで利用している「A-GPS測位結果」、「概略位置(基地局測位結果)」の緯度経度情報に紐づけられる誤差半径によってフィルタリングする。該フィルタリングにより、利用者が取得できる位置情報の信頼度は従来と比べてデグレードしないことを担保できる。
【0128】
本実施例によれば、サービス性を確保した上で、測位方式にWLAN測位を含めることができる。WLAN測位を含めることができるため、高精度、且つ省電力な測位システムが実現できる。
【0129】
本実施例において、WLAN測位が単体で行われた場合において、データベースから取得した値が誤っている場合は利用しないようにしてもよい。
【0130】
また、WLAN測位結果が信頼できると判断でき、高精度な場合はGPS測位を省略するようにしてもよい。高精度であるかどうかは、誤差半径により判定してもよい。GPS測位を省略することにより消費電力を低減できる。
【0131】
また、データベース(DB)からの情報に基づいて算出されたWLAN測位結果の信頼性が低いと判定された場合には、該データベースに対してより精度の高い位置情報をフィードバックするようにしてもよい。フィードバックすることにより、データベース更新をかけることができる。
【0132】
本実施例によれば、位置を測定する測位装置が提供される。
【0133】
該測位装置は、
アクセスポイントからの電波に基づいて、測位を行うWLAN測位演算部と、
測位衛星からの電波に基づいて、測位を行うGPS測位装置としての衛星測位部と、
前記衛星測位部による測位の際に取得されるべき位置情報又は前記衛星測位部による測位位置に基づいて、該位置情報又は測位位置から所定の範囲に、前記WLAN測位演算部による測位結果が存在するかどうかを判定する測位結果判定部と、
該測位結果判定部により判定された結果に基づいて、前記測位結果を採用するかどうかを判定する信頼性判定部としての測位結果採用判定部と
を有する。
【0134】
WLAN測位結果が信頼できる結果であるかどうかを判定できる。WLANアクセスポイントのスキャンを頻繁に行うことなくWLAN測位結果が信頼できる結果であるかどうかを判定できるため、消費電力を低減できる。また、データベースの更新が行われているかどうかに関係なくWLAN測位結果が信頼できる結果であるかどうかを判定できる。GPS測位に加えて、WLAN測位を加えることができるため、サービス性を確保した上で、高精度かつ省電力な測位システムを実現できる。
【0135】
さらに、
前記WLAN測位演算部による測位結果の測位誤差に基づいて、該測位結果の測定精度が許容されるかどうかを判定する信頼性判定部としての測定精度判定部
を有する。
【0136】
前記WLAN測位演算部による測位結果の測定精度を判定できる。
【0137】
さらに、
前記信頼性判定部は、前記位置情報と、前記測位演算部による測位結果との間の距離が、第1の閾値以下であるかどうかを判定することにより前記測位結果の信頼性を判定する。
【0138】
さらに、
前記第1の閾値は、前記位置情報の誤差に基づいて設定される。
【0139】
基地局の位置と、WLAN測位結果に基づいて、該WLAN測位結果の信頼性を判定できる。
【0140】
さらに、
当該測位装置の移動状態を判定する状態判定部
を有し、
前記信頼性判定部は、前記測位位置の履歴と、前記状態判定部により判定された移動状態とに基づいて、前記測位演算部による測位結果の信頼性を判定する。
【0141】
GPS測位による測位位置の履歴と、当該測位装置の移動状態とに基づいて、WLAN測位結果の信頼性を判定できる。
【0142】
さらに、
前記信頼性判定部は、
前記信頼性判定部は、前記測位位置の履歴のうち、最新の測位位置と、前記測位演算部による測位結果との間の距離が、第2の閾値以下であるかどうかを判定することにより前記測位結果の信頼性を判定する。
【0143】
さらに、
前記第2の閾値は、前記最新の測位位置が測定されてからの経過時間と、前記状態推定部により判定された当該測位装置の推定速度とに基づいて設定される。
【0144】
最新の測位位置と、WLAN測位結果とに基づいて、該WLAN測位結果の信頼性を判定できる。
【0145】
さらに、
前記WLAN測位演算部は、アクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの位置とを対応付けたデータベースから、アクセスポイントの位置を検出し、該位置と、前記電波の受信信号強度とに基づいて測位を行う。
【0146】
さらに、
前記測位結果判定部により前記測位結果を採用しないと判定された場合に、前記衛星測位部により測位されるべき測位位置を取得する衛星測位位置取得部と、
前記衛星測位位置取得部により取得された測位位置、又は前記WLAN測位演算部による測位結果をネットワークに通知する測位結果通知部
を有する。
【0147】
WLAN測位結果の信頼性が低いと判定された場合に、GPS測位結果及び/又は基地局のエリア情報をデータベースにフィードバックできるため、該データベースの信頼性を高めることができる。
【0148】
本実施例によれば、位置を測定する測位装置における方法が提供される。
【0149】
該方法は、
アクセスポイントからの電波に基づいて、測位を行うWLAN測位演算ステップと、
測位衛星からの電波に基づいて、測位を行う衛星測位ステップと、
前記衛星測位ステップによる測位の際に取得されるべき位置情報又は前記衛星測位ステップによる測位位置に基づいて、該位置情報又は測位位置から所定の範囲に、前記WLAN測位演算ステップによる測位結果が存在するかどうかを判定する測定結果判定ステップと、
該測定結果判定ステップにより判定された結果に基づいて、前記測位結果を採用するかどうかを判定する測位結果採用判定ステップと
を有する。
【0150】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0151】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0152】
100 測位装置
102 無線部
104 記憶部
106 中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)
1062 測位制御部
1064 WLAN測位演算部
1066 ローカルデータベース(Local database)
1068 信頼性判定部
1070 測位結果通知制御部
1072 状態判定部
1074 在圏基地局情報取得部
1076 歩行検出部
1078 移動状態検出部
108 出力部
110 通信制御部
112 GPS測位装置
200−200(mは、m>0の整数) アクセスポイント
300−300(nは、n>3の整数) GPS衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置を測定する測位装置であって、
アクセスポイントからの電波に基づいて、測位を行うWLAN測位演算部と、
測位衛星からの電波に基づいて、測位を行う衛星測位部と、
前記衛星測位部による測位の際に取得されるべき位置情報又は前記衛星測位部による測位位置に基づいて、該位置情報又は測位位置から所定の範囲に、前記WLAN測位演算部による測位結果が存在するかどうかを判定する測位結果判定部と、
該測位結果判定部により判定された結果に基づいて、前記測位結果を採用するかどうかを判定する測位結果判定部と
を有する測位装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測位装置において、
前記WLAN測位演算部による測位結果の測位誤差に基づいて、該測位結果の測定精度が許容されるかどうかを判定する測定精度判定部
を有する測位装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の測位装置において、
前記信頼性判定部は、前記位置情報と、前記測位演算部による測位結果との間の距離が、第1の閾値以下であるかどうかを判定することにより前記測位結果の信頼性を判定する測位装置。
【請求項4】
請求項3に記載の測位装置において、
前記第1の閾値は、前記位置情報の誤差に基づいて設定される測位装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の測位装置において、
当該測位装置の移動状態を判定する状態判定部
を有し、
前記信頼性判定部は、前記測位位置の履歴と、前記状態判定部により判定された移動状態とに基づいて、前記測位演算部による測位結果の信頼性を判定する測位装置。
【請求項6】
請求項5に記載の測位装置において、
前記信頼性判定部は、
前記信頼性判定部は、前記測位位置の履歴のうち、最新の測位位置と、前記測位演算部による測位結果との間の距離が、第2の閾値以下であるかどうかを判定することにより前記測位結果の信頼性を判定する測位装置。
【請求項7】
請求項6に記載の測位装置において、
前記第2の閾値は、前記最新の測位位置が測定されてからの経過時間と、前記状態推定部により判定された当該測位装置の推定速度とに基づいて設定される測位装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の測位装置において、
前記WLAN測位演算部は、アクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの位置とを対応付けたデータベースから、アクセスポイントの位置を検出し、該位置と、前記電波の受信信号強度とに基づいて測位を行う測位装置。
【請求項9】
請求項8に記載の測位装置において、
前記測位結果判定部により前記測位結果を採用しないと判定された場合に、前記衛星測位部により測位されるべき測位位置を取得する衛星測位位置取得部と、
前記衛星測位位置取得部により取得された測位位置、又は前記WLAN測位演算部による測位結果をネットワークに通知する測位結果通知部
を有する測位装置。
【請求項10】
位置を測定する測位装置における方法であって、
アクセスポイントからの電波に基づいて、測位を行うWLAN測位演算ステップと、
測位衛星からの電波に基づいて、測位を行う衛星測位ステップと、
前記衛星測位ステップによる測位の際に取得されるべき位置情報又は前記衛星測位ステップによる測位位置に基づいて、該位置情報又は測位位置から所定の範囲に、前記WLAN測位演算ステップによる測位結果が存在するかどうかを判定する測定結果判定ステップと、
該測定結果判定ステップにより判定された結果に基づいて、前記測位結果を採用するかどうかを判定する測位結果採用判定ステップと
を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−247738(P2011−247738A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121004(P2010−121004)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】