説明

測距装置及びそれを有する光学機器

【課題】 小型でありながら、高い測距精度の測距装置を実現すること。
【解決手段】 互いの光軸が基線長を隔てて配置された一対の結像レンズ102,104と、一対の結像レンズ102,104に対応する一対の開口が設けられた絞り106と、一対の結像レンズ102,104により形成された像を受光して電気信号に変換するセンサ103,106とを有する測距装置101であって、一対の結像レンズ102,104をそれぞれ、1枚の非球面レンズで構成すると共に、各結像レンズのシェープファクター、及び各結像レンズの焦点距離と各開口の基線長方向の長さとの関係を適切に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は測距装置に関し、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の光学機器に好適である。
【背景技術】
【0002】
パッシブ方式の測距装置として、例えば、左右一対のセンサにより物体像を撮像し、左右のセンサにより得られる各像のずれ量から物体までの距離を算出するものが知られている。
【0003】
特許文献1は、センサ上に物体像を形成するための結像レンズに正メニスカルレンズを採用して、測距装置の大型化を抑制しつつ測距精度の向上を図った測距装置を開示している。
【0004】
特許文献2は、開口絞りとは別に副絞りを配置し、軸外光束の焦点深度を深くすることで像面湾曲の影響を抑え、それに起因した測距精度の低下を抑制した焦点検出装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−15029号公報
【特許文献2】特開2005−25140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の測距装置は、結像レンズを平凸レンズで構成した場合に比べて小型ではあるものの、結像レンズの焦点距離が長いため、大きさの観点では改良の余地がある。
【0007】
特許文献2は、軸外光束を副絞りで制限して焦点深度を深くしているので、軸上光束と軸外光束との光量差が大きくなり、センサ上での光量分布が不均一となる。このため、十分な光量が確保できない環境下では、軸外光束を用いて高い測距精度を得ることが難しい。
【0008】
本発明は、従来よりも小型でありながら、測距精度の向上を図った測距装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の例示的な測距装置は、互いの光軸が基線長を隔てて配置された一対の結像レンズと、その一対の結像レンズに対応する一対の開口が設けられた絞りと、一対の結像レンズにより形成された像を受光して電気信号に変換するセンサとを有する測距装置であって、一対の結像レンズをそれぞれ、1枚の非球面レンズで構成すると共に、各結像レンズの物体側の面の曲率半径をR1、各結像レンズの像側の面の曲率半径をR2、各開口の前記基線長方向の長さをA、各結像レンズの焦点距離をfとするとき、
−0.4<(R1+R2)/(R1−R2)<−0.1
5.0<f/A<11.0
なる条件を満足することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来よりも小型でありながら、測距精度の向上を図った測距装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態の測距装置の概略構成図である。
【図2】三角測量の原理図である。
【図3】2つのセンサから読み出した信号の例である。
【図4】実施例1のレンズ断面図と収差図である。
【図5】実施例2のレンズ断面図と収差図である。
【図6】実施例3のレンズ断面図と収差図である。
【図7】デジタルビデオカメラの要部概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の測距装置の実施形態を図面を用いて説明する。
【0013】
図1は、本実施形態の測距装置101の概略構成図である。図1において、102,104は一対の結像レンズである。結像レンズ102,104は、それぞれの光軸を互いに平行にして並列に配置した、同一の焦点距離のレンズである。結像レンズ102,104は、樹脂成形により一体的に形成されている。これにより、結像レンズ102,104を別部材とした場合に比して相対偏芯を低減でき、高い位置精度を達成できる。結像レンズ102,104の光軸間の距離は基線長Bとして定義される。
【0014】
106は、結像レンズ102,104のそれぞれに対応した一対の開口が設けられた絞りである。103,105は、結像レンズ102,104に対応して設けられ、それぞれが形成する物体の像を受光して電気信号に変換する一対のセンサである。図1に示すように、絞り106は、結像レンズ102,104の後方(像側)で、センサ103,105の前方(物体側)に配置されている。センサ103,105は、光軸と直交する同一平面上で基線長方向に並んでおり、各センサは基線長方向に配列された複数の画素を備えている。107は、センサ103,105上に形成された像に対応した信号を用いて物体までの距離の演算を行う距離演算部である。
【0015】
図1では、絞り106を結像レンズ102,104と離間して描いているが、結像レンズ102,104の保持部材に絞り106の機能を持たせても良い。また、センサ103,105を1つのセンサとし、その1つのセンサの異なる領域に結像レンズ102,104による像を形成するような構成も考えられる。
【0016】
また、図示していないが、発光素子(光源)と、発光素子からの光を物体側に照射する照明レンズとを備えた照明ユニットを測距装置101に設け、物体を照明しても良い。照明ユニットで照明された物体からの光をセンサ103,105で検出すれば、環境によらずS/N比の高い信号が得られる。
【0017】
次に、三角測距による距離演算の原理を図2,3を用いて説明する。
図2において、201は物体(被写体)である。202,203はそれぞれ第1の光路用の結像レンズ、センサである。204,205はそれぞれ第2の光路用の結像レンズ、センサである。結像レンズ202,204は、互いの光軸が基線長Bだけ離れて設置されている。センサ203,205はラインセンサである。物体201からの光のうち、結像レンズ202によって第1の光路を辿った光がセンサ203上に結像し、結像レンズ204によって第2の光路を辿った光がセンサ205上に結像する。
【0018】
ここで、第1と第2の光路を辿って形成された2つの像を受けたセンサ203,205から読み出した信号の例を示したものが図3である。2つのセンサは基線長Bだけ離れているため、図2から分かるように、2つの信号S1,S2は画素数Xだけずれる。そこで2つの信号S1,S2の相関を、画素をずらしながら演算し、相関が最大になる位置を求めることで、2つの信号のずれ量Xが演算できる。このずれ量Xと、基線長B、そして結像レンズ202,204の焦点距離fより、三角測量の原理で物体までの距離Lが、
L=B×f/X
により求められる。
【0019】
焦点距離fは、光学系に対して光軸に平行な光線が入射する場合、すなわち物体距離無限遠に対して定義されるものである。このため、厳密には有限距離の物体に対して焦点距離を用いて距離Lを演算することはできないが、簡単のため、焦点距離で代用して原理の説明をしている。
【0020】
このような測距装置において、装置を小型化するためには、結像レンズの屈折力(焦点距離の逆数)を強める必要がある。また、測距精度を向上するためには、絞り形状を適切に設定する必要がある。本発明は、測距装置の小型化を図りつつ、所望の測距精度を得るために必要な結像レンズの形状、焦点距離と絞り形状との関係を見出したものである。
【0021】
本実施形態では、一対の結像レンズ102,104をそれぞれ1枚の非球面レンズで構成した。そして結像レンズ102,104が次の条件を満足するようにした。
【0022】
−0.4<(R1+R2)/(R1−R2)<−0.1 (1)
5.0<f/A<11.0 (2)
ここで、
R1:各結像レンズの物体側の面の曲率半径
R2:各結像レンズの像側の面の曲率半径
A :各開口の基線長方向の長さ
f :各結像レンズの焦点距離
である。
【0023】
結像レンズを非球面レンズとすることで、球面収差やコマ収差、像面湾曲を抑えつつ、全系の小型化が行える。
【0024】
条件式(1)は、小型で良好な結像性能を得るための具体的な形状示すシェープファクターを規定した式である。条件式(1)を満足することにより、物体側に凸面を持ち、像側の面の曲率が物体側の面に比して相対的に小さくなった形状となる。結像レンズをこのような形状にすることで、屈折力を強めたときの収差補正が可能になる。条件式(1)の上限を超えると、像側の面の曲率が大きく(曲率半径が小さく)なり、球面収差の補正が困難になる。条件式(1)の下限を超えると、球面収差の補正や小型化には有利だが、軸外のコマ収差が大きくなる。なお、非球面の曲率半径は、近軸曲率半径を用いて条件式(1)を値を求める。
【0025】
条件式(2)は、結像レンズの焦点距離を基線長方向の開口長さで規定した式である。条件式(2)の上限を超えると、回折の影響が大きくなり、結像性能の劣化を招き、高い測距精度の実現が難しくなる。条件式(2)の下限を超えると、センサ周辺像高における結像性能の劣化を招く。また単レンズ1枚で構成した場合に不可避の像面湾曲に対し、十分な焦点深度を確保することが難しくなる。
【0026】
以上のように、結像レンズの形状、結像レンズの焦点距離と絞り形状との関係を規定することにより、本発明の初期の目的である従来よりも小型でありながら、高い測距精度の測距装置が実現できる。
【0027】
次に本発明の測距装置の更に好ましい条件について説明する。下記条件を満足する構成とすることで、後述する効果が付加的に得られる。
【0028】
まず、各結像レンズの光軸上の厚さをd、各結像レンズの物体側の面から対応するセンサまでの距離(所謂「光学全長」)をTLとするとき、
0.35<d/TL<0.7 (3)
なる条件を満足することが望ましい。
【0029】
条件式(3)は、結像レンズの光軸上の厚さを光学全長で規定した式である。条件式(3)を満足することにより、全系の小型化と緒収差を十分に補正することが可能となる。条件式(3)の上限を超えると、所望のバックフォーカスを確保することが難しくなる。また、半球形状を超える(球形に近づく)ため、レンズの保持が困難となり、鏡胴へのレンズ組み込みが困難となる。条件式(3)の下限を超えると、レンズの中心厚が小さくなり、センサ周辺における結像性能の劣化を招く。
【0030】
次に、各結像レンズの像側の面から対応する開口までの距離をdSPとするとき、
0.3<dSP/TL<0.6 (4)
なる条件を満足することも望ましい。
【0031】
条件式(4)の下限を超えると、結像レンズの軸外光束が光軸から離れるため、結像レンズの径の増大を招く。条件式(4)の上限を超えると、センサ周辺に入射する周辺光束の光軸からの距離変化が大きくなり、鏡胴の内壁フレア(反射光)が増大し、高い測距精度の実現が難しくなる。
【0032】
次にセンサの見かけの画素ピッチをpとするとき、
100<f/p<750 (5)
なる条件を満足することも望ましい。
【0033】
条件式(5)は、条件式(1)で規定したレンズ形状及び条件式(2)で規定した絞りの開口長さに対し、良好な測距性能を引き出すための条件である。条件式(5)の上限を超えると、原理的には高い測距精度は得られるものの、一対の結像レンズとセンサの相対位置敏感度が高くなり、製造誤差による誤演算を招く。条件式(5)の下限を超えると、物体距離を特定する感度が低く、高い測距精度の実現が難しくなる。
【0034】
ところで、見かけの画素ピッチpとは、1ラインのラインセンサでは画素ピッチそのものを指す。図1に示した測距装置のごとく、2ラインのラインセンサにて画素ずらしを行った場合は、1つのラインセンサの画素ピッチの半分を指す。3ライン以上のラインセンサにて、等間隔の画素ずらしを行った場合も同様に考える。
なお、条件式(1)〜(5)は、次の条件を満足すると更に好ましい。
【0035】
−0.35<(R1+R2)/(R1−R2)<−0.15 (1a)
6.0<f/A<9.0 (2a)
0.35<d/TL<0.6 (3a)
0.35<dSP/TL<0.55 (4a)
150<f/p<450 (5a)
条件式(1a)を満足することにより、小型化と球面収差の補正がより高い次元で両立できる。条件式(2a)を満足することにより、回折の影響と像面湾曲に関する焦点深度の確保がより適切になる。条件式(3a)を満足することにより、バックフォーカスの確保と小型化がより高い次元で両立できる。条件式(4a)を満足することにより、球面収差やコマ収差の補正がより適切になる。条件式(5a)を満足することにより、より測距精度の向上が図ることができる。
【0036】
次に上述の本発明の条件や、好ましい条件を満足する具体的な測距装置の実施例について説明する。
図4(a),(b)はそれぞれ、実施例1の測距装置のレンズ断面図と収差図である。図5(a),(b)はそれぞれ、実施例2の測距装置のレンズ断面図と収差図である。図6(a),(b)はそれぞれ、実施例1の測距装置のレンズ断面図と収差図である。
【0037】
図4(a)、図5(a)、図6(a)に示したレンズ断面図では、一対の結像レンズのうち一方の結像レンズに対応する要素のみを抜粋して図示している。各レンズ断面図において、OLは結像レンズ、SPはその結像レンズに対応する開口が設けられた絞りである。Gは光学フィルター、フェースプレート、赤外カットフィルター等に相当する光学ブロックである。IPはセンサが配置される像面である。
【0038】
図4(b)、図5(b)、図6(b)に示した収差図において、d,gは各々d線及びg線、ΔM,ΔSはメリディオナル像面、サジタル像面である。倍率色収差はg線によって表している。ωは半画角を示し、焦点距離と像高の近軸計算による画角から示している。
【0039】
実施例1は焦点距離4.0mmの結像レンズ、実施例2は焦点距離3.2mmの結像レンズ、実施例3は焦点距離2.8mmの結像レンズである。実施例1〜3の結像レンズは、いずれも物体側の面を非球面形状としているが、像側の面、あるいは両面を非球面形状としても良い。
【0040】
各実施例では、開口形状を矩形としている。これにより、矩形の結像レンズに入射する光を有効活用して光量を確保し、高い測距精度を維持している。
【0041】
以下、実施例1〜3の数値データ(数値実施例)を示す。各数値実施例においてrは曲率半径、dは物体側より第i番目と第(i+1)番目の面の間隔であり、単位はいずれも(mm)である。また、ndはd線に対する屈折率、νdはアッベ数であり、アッベ数νdは以下の式で定義される。
νd=(Nd−1)/(NF−NC)
Nd:d線(波長587.6nm)に対する屈折率
NF:F線(波長486.1nm)に対する屈折率
NC:C線(波長656.3nm)に対する屈折率
*は非球面形状を有する面を意味している。非球面形状は、光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH軸、光の進行方向を正とし、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A3〜A10を各々非球面係数とするとき、
【0042】
【数1】

【0043】
なる式で表している。なお、数値実施例において非球面係数の記載がない項については、非球面係数は0(ゼロ)である。「e−x」は10−xを意味している。
【0044】
(数値実施例1)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd vd
1* 2.910 2.00 1.52996 55.8
2 -5.950 0.40
3(絞り) ∞ 2.16
4 ∞ 0.30 1.52000 55.0
5 ∞ 0.45 1.51900 43.0
6 ∞ 0.00
像面 ∞

開口絞り 0.6×2.0(矩形)

非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4=-6.11537e-003 A 6=-1.03251e-003 A 8= 4.12288e-005

焦点距離 4.00
画角 5.71
像高 0.40
レンズ全長 5.05
バックフォーカス 3.05
【0045】
(数値実施例2)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd vd
1* 2.358 2.30 1.52996 55.8
2 -4.000 0.40
3(絞り) ∞ 1.23
4 ∞ 0.30 1.52000 55.0
5 ∞ 0.45 1.51900 43.0
6 ∞ 0.00
像面 ∞

開口絞り 0.4×1.4(矩形)

非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.00451e-002 A 6=-3.27096e-003 A 8=-4.36807e-005

焦点距離 3.20
画角 7.13
像高 0.40
レンズ全長 4.42
バックフォーカス 2.12
【0046】
(数値実施例3)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd vd
1* 2.168 2.00 1.52996 55.8
2 -3.200 0.60
3(絞り) ∞ 0.77
4 ∞ 0.30 1.52000 55.0
5 ∞ 0.45 1.51900 43.0
6 ∞ 0.00
像面 ∞

開口絞り 0.4×1.4(矩形)

非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.72668e-002 A 6=-4.50580e-003 A 8=-4.91418e-004

焦点距離 2.80
画角 8.13
像高 0.40
レンズ全長 3.91
バックフォーカス 1.91
【0047】
各条件式と各数値実施例との関係を以下の表に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
次に本発明の測距装置を用いた光学機器の実施形態について説明する。図10は、本実施形態のデジタルビデオカメラの要部外略図である。
【0050】
図10において、10はカメラ本体、11は撮影光学系である。12はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系11によって形成された被写体の像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。13は液晶モニタである。14は本発明の測距装置である。
【0051】
本実施形態のデジタルビデオカメラは、固体撮像素子12から出力される映像信号を利用してコントラスト検出方式のオートフォーカスを行う。コントラスト検出方式は、フォーカスレンズを微小駆動させてピントずれの方向を判別し、コントラストがピークとなるフォーカスレンズの位置を探索する方式であるため、合焦に至るまでに時間がかかる。一方、測距装置14から得られた測距情報と、フォーカスレンズの位置情報とを合わせれば、合焦位置までのフォーカスレンズの駆動方向と駆動量を瞬時に導き出せる。但し、測距装置14の測距情報を利用したオートフォーカスは、精度の点ではコントラスト検出方式に一歩劣る。
【0052】
本実施形態のデジタルビデオカメラは、測距装置14からの情報に基づきフォーカスレンズを合焦位置付近に移動させた後、コントラスト検出方式でフォーカスレンズの微調整を行う。これにより、高速且つ高精度のオートフォーカスが可能となる。特に本発明の測距装置14は、高い測距精度を実現しているので、フォーカスレンズの駆動量を高い精度で導出でき、結果としてコントラスト検出方式で合焦に至るまでの時間を短縮することが可能になる。更に本発明の測距装置14は小型なので、デジタルビデオカメラ全体の小型化やデザインの自由度にも貢献する。
【0053】
以上、本発明の測距装置を有する光学機器としてデジタルビデオカメラの例を説明したが、その他の光学機器、例えばスクリーンまでの距離を測定するための測距装置を備えた液晶プロジェクタにも、本発明の測距装置は適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
102,104 結像レンズ
106 絞り
103,104 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いの光軸が基線長を隔てて配置された一対の結像レンズと、該一対の結像レンズに対応する一対の開口が設けられた絞りと、前記一対の結像レンズにより形成された像を受光して電気信号に変換するセンサとを有する測距装置において、
前記一対の結像レンズはそれぞれ、1枚の非球面レンズで構成され、各結像レンズの物体側の面の曲率半径をR1、各結像レンズの像側の面の曲率半径をR2、各開口の前記基線長方向の長さをA、各結像レンズの焦点距離をfとするとき、
−0.4<(R1+R2)/(R1−R2)<−0.1
5.0<f/A<11.0
なる条件を満足することを特徴とする測距装置。
【請求項2】
各結像レンズの光軸上の厚さをd、各結像レンズの物体側の面からセンサまでの距離をTLとするとき、
0.35<d/TL<0.7
なる条件を満足することを特徴とする請求項1記載の測距装置。
【請求項3】
各結像レンズの像側の面から対応する前記開口までの距離をdSP、各結像レンズの物体側の面からセンサまでの距離をTLとするとき、
0.3<dSP/TL<0.6
なる条件を満足することを特徴とする請求項1または2記載の測距装置。
【請求項4】
前記センサの見かけの画素ピッチをpとするとき、
100<f/p<750
なる条件を満足することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の測距装置。
【請求項5】
請求項1〜4いずれかに記載の測距装置を有する光学機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−242586(P2011−242586A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114224(P2010−114224)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】