説明

溶融樹脂シート搬送用通気性ロール

【課題】 溶融樹脂シートの搬送に用いられ、ロール表面の通気性素材を簡易に交換でき、通気性ロール表面の各部分において通気性素材の張りを均一にし、溶融樹脂シートに気泡跡や皺を入れることなく、冷却を少なくし、安定して搬送させることができる通気性ロールを提供することにある。
【解決手段】 駆動ロールと、この駆動ロールのロール面を覆い、駆動ロールと嵌合するように構成され、表面に多数の真空吸引孔が配在されており、ロール軸から放射方向に開放可能なように分割されている吸引円筒と、そのそれぞれの吸引円筒の間に介在するテーパをなす板状の円筒分割部材と、吸引円筒の円筒表面に設けられている通気性円筒と、円筒分割部材が分割された吸引円筒の間に円筒の軸方向に押し込まれていくように構成されている円筒分割部材移動手段とを有する、溶融樹脂シート搬送用通気性ロール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融樹脂シートの搬送に用いられる通気性ロールに関し、特に、ロール表面の通気性素材を簡易に交換でき、通気性ロール表面の各部分の通気性素材の張りを均一にし、溶融樹脂シートに気泡跡や皺を入れることなく、冷却を少なくして、安定して搬送させることができる通気性ロールに関する。
【背景技術】
【0002】
溶融樹脂シートは、その持っている熱をそのまま使用して他のシート類と接合したい場合がある。また、ダイス等から押し出された溶融シートや、既に成形されたシートを加熱溶融して、溶融状態で移転、搬送したい場合もある。溶融樹脂シートは、金属ロールに接すると熱を奪われ、また金属面に接した側に気泡を巻き込み、気泡跡や皺を生じやすい。また、金属ロールから離れるときに、膠着によりシートが変形するなどの問題があった。そこで表面が網目からなるメッシュロールの使用が検討されたが、メッシュロールは、メッシュ素材が力学的に変形しやすいこと、熱歪みによっても変形しやすいことにより、安定した外径寸法を保って実用に供されるものがなかった。
【0003】
溶融樹脂に使用される通気性ロールは、通気性素材が汚れやすく、頻繁に交換する必要がある。また、ボルトの落下等で、機械的に破損する場合も多い。したがって、通気性ロールの表面の通気性素材を簡易に交換できる通気性ロールが望まれていた。
【0004】
通気性ロールは、ロール全体として、均一に緊張した状態に張られている必要があり、また、熱歪みでデコボコになりやすいので、扱い難いロールである。また、溶融樹脂シートが通気性ロールに接した際、通気性円筒内部のエアーで巻き上げられることがないように、シートをロール内部から吸引してしっかりと把持される必要がある。そのためには、通気性ロールの通気性素材の張りを、温度等に合わせて調整できることが要望されていた。従来の通気性ロール(例えば特開2003−94467等)には、このような張りを微細調節する機構がない。また、このようなメッシュを用いた溶融シートの搬送手段として、平面状メッシュを用いたものもある(特開平1−306227)が、装置が煩雑になり、メッシュの張りの調整も簡便ではなかった。
【0005】
通気性ロール表面の通気性素材の張りは、円周において部分的に張りが異なる場合があり、部分ごとに張りを調整する方式が望まれていた。また、ロールの両端部で張りが異なる場合があり、その差も微細に調節出来る機構であることが望ましい。さらに均一な張りをもつ通気性ロールであっても、このロール上で、溶融シートがしっかりと固定されるものである必要があるが、その方法として、通気性ロールの背面から溶融シートを負圧吸引する手段がとられる(例えば特開2003−94467等)。しかし、ロール全面を負圧吸引したのでは、シートが接していない部分での吸引がムダになる。そこで、通気性ロール上のシートの接触している部分だけを負圧吸引してシートをロール上に固定する手段が望まれていた。
【0006】
緩衝材や包装用緩衝シートとして、プラスチックフィルムに多数の窪みを形成させ、その底面を他のプラスチックフィルムを接合させることで多数の密閉された気泡突起を形成させたプラスチック気泡シートが多量に使用されている。このプラスチック気泡シート成形装置は多数提案されている(例えば特公平3−74616号)が、この成形装置へは溶融樹脂シートが案内される必要がある。その際、溶融樹脂シートを過度に冷却せず、不均一な冷却で歪みが入らず、皺を入れることなく安定して案内できる案内ロールが求められていた。
【0007】
【特許文献1】特開2003−94467(第2−3頁、図2)
【特許文献2】特開平1−306227号(第1−2頁、第1図)
【特許文献3】特公平3−74616号(第1−2頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記従来の通気性ロールの問題点を解決するためになされたものであって、溶融樹脂シート搬送用に用いられ、シートに気泡跡や皺が入らない機構の通気性ロールを提示するものである。また本発明の目的は、シートが通気性ロールに接した際、メッシュ内部のエアーで巻き上げられることがないように、シートをしっかりと把持される機構を提供することにある。さらに本発明の目的は、シートをロールから剥がし易い通気性ロールを提供することにある。
【0009】
また本発明の目的は、ロール表面の通気性素材の交換を容易にした通気性ロールを提供することにある。また本発明の目的は、ロール表面の通気性素材の張りを均一にする手段を提供することにある。また本発明の目的は、通気性ロールのロール両端における通気性素材の張りを調整する手段を提供することにある。また本発明の目的は、通気性円筒における通気性素材の張りを、通気性素材の材質や温度等に合わせて微細に調整できる通気性ロールを提供することにある。さらに本発明の目的は、通気性ロール上でシートが接触する部分だけを負圧吸引して、不要な部分は吸引しないようにし、吸引効率が良い通気性ロールを提供することにある。
【0010】
また本発明の目的は、溶融シートを安定してプラスチック気泡シート成形装置へ案内するための案内ロールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであって、本発明の溶融樹脂シート搬送用通気性ロールは以下の特徴を有する。本発明は、(a)駆動ロールと、(b)駆動ロールのロール面を覆い、駆動ロールと嵌合するように構成され、表面に多数の真空吸引孔が配在されており、駆動ロール軸から放射方向に開放可能なように分割されて配設されている吸引円筒と、(c)分割されているそれぞれの吸引円筒の間に介在し、その吸引円筒の半径方向にテーパをなす板状形態からなる円筒分割部材と、(d)吸引円筒の円筒表面を覆うように設けられている通気性円筒と、(e)円筒分割部材が分割された吸引円筒の間に押し込まれていくように構成されている円筒分割部材移動手段とを備えている溶融樹脂シート搬送用通気性ロールに関する。また本発明は、前記吸引円筒の内部に、(a)前記真空吸引孔に対応して前記吸引円筒の軸方向に配設されている空気の通路である複数のアキシャル孔と、(b)吸引円筒の円筒の端部における円周の一部に接して設けられ、円筒の一部の範囲におけるアキシャル孔を真空源に導き、このアキシャル孔を負圧吸引するように構成されている固定のサイドプレートと、を備えた、溶融樹脂シート搬送用通気性ロールに関する。また本発明は、前記駆動ロールのロール径がロールの軸方向でテーパをなしており、かつ、この駆動ロールに嵌合するように配設されている吸引円筒の内径が、駆動ロールのテーパ方向とは逆のテーパをなしていることにより駆動ロールと嵌合するように構成されている溶融樹脂シート搬送用通気性ロールに関する。また本発明は、前記吸引円筒の鏡板面側にフランジを有し、前記駆動ロールの端部のネジに嵌合するナットが締められ、フランジが押し込まれることで前記円筒分割部材が円筒の軸方向に押し込まれ、通気性ロールの径が拡張的に変化して通気性円筒を緊張状態となるように構成されている前記円筒分割部材移動手段からなる溶融樹脂シート搬送用通気性ロールに関する。また本発明は、前記吸引円筒の鏡板面側にフランジを有し、このフランジが吸引円筒に複数個のボルトによって支持されており、それぞれのボルトをナットで調節することにより前記円筒分割部材がフランジによって押し込まれ、吸引円筒の径を部分的に変化できるように構成されている、前記円筒分割部材移動手段からなる溶融樹脂シート搬送用通気性ロールに関する。また本発明は、前記吸引円筒の鏡板面側にフランジを有し、フランジに埋め込まれているボルトを前記円筒分割部材側面に押し当てて、この円筒分割部材を吸引円筒間に押し込まれることにより吸引円筒の径を部分的に変化できるように構成されている、前記円筒分割部材移動手段からなる溶融樹脂シート搬送用通気性ロールに関する。また本発明は、前記吸引円筒の鏡板面側にフランジを有し、フランジが前記駆動ロールに固定されており、かつ、前記円筒分割部材とフランジがネジによって繋がれており、ネジによって円筒分割部材を吸引円筒の半径方向外側に移動することにより、吸引円筒の径を部分的に変化できるように構成されている、前記円筒分割部材移動手段からなる溶融樹脂シート搬送用通気性ロールに関する。また本発明は、前記吸引円筒の鏡板面側にフランジを有し、このフランジと前記円筒分割部材が斜め面で接しており、フランジが前記駆動円筒軸の軸方向中心部へ押し込まれることによって複数の円筒分割部材を吸引円筒の半径方向外側に移動させることにより、吸引円筒の径を変化できるように構成されている、前記円筒分割部材移動手段からなる溶融樹脂シート搬送用通気性ロールに関する。また本発明は、前記駆動ロールの両端部に配設され、前記円筒分割部材の円筒軸方向のテーパが異なる少なくとも2個の円筒分割部材からなり、両端部の前記円筒分割部材移動手段によってそれぞれに円筒分割部材を移動させるように構成されていることにより、前記通気性円筒の径や張りを両端部で変更できるようになっている円筒分割部材移動手段からなる溶融樹脂シート搬送用通気性ロールに関する。さらに本発明は、プラスチックフィルムに多数の窪みを形成させ、その底面を他のプラスチックフィルムを接合させることで多数の密閉された気泡突起を形成させるプラスチック気泡シート成形装置において前記通気性ロールが、溶融樹脂シートをプラスチック気泡シート成形装置へ案内するロールとして使用されているプラスチック気泡シート成形装置に関する。
【0012】
本発明は、プラスチックシート成型に使用される通気性ロールの改良に関する。本発明の通気性ロールは、溶融樹脂シートの搬送に使用されることを特徴とする。溶融された樹脂シートは、引張張力などで簡単に変形し、また冷却等の不均一で歪みを含む構造になるので、搬送手段において細心の注意が求められる。溶融された樹脂シートには、熱可塑性プラスチックで熱により溶融されたシートばかりでなく、ポリビニルアルコールや酢酸セルローズのように溶剤で溶解されて溶剤を含んで成形されたシートも含められる。またこの溶融樹脂シートには、熱硬化性樹脂シートでまだ硬化が進んでおらず、全体としての流動性を有する場合も含まれる。これらの溶融や溶解された樹脂シートは、押出成形等により成形されたものであってもよく、また、固体シートとして冷却成形された後、加熱等で溶融流動化されたものであってもよい。さらに、本発明ではシートと表現されたものには、通常フィルムと呼ばれる10μm以下のものからシートと呼ばれる200μm以上である数mmの厚みのものまで含まれる。
【0013】
本発明は、通気性ロールの改良に関する。本発明における通気性ロールは、通気性素材によってロール表面が形成されている。通気性素材は、金網やプラスチックネット、スクリーンメッシュなどと呼ばれる、金属線やプラスチックコードを種々の形態に製織、製網、配列された網目組織からなるメッシュが代表的なものである。これらの網目は、それを構成する金属線やプラスチックコードの線径(mm)、目開き(mm)、開口率(%)などで定義されるが、本発明で使用される金属線等の線径は0.02mmから1.9mm、目開きは、0.02mmから22.4mm、開口率は、25.0から93.7%の範囲から目的によって適宜選択して使用される。通気性ロールは、ロール表面に、これらのメッシュ素材が円筒状に形成されたもので構成されたもので、これらのメッシュ素材がつなぎ目なしに円筒状に形成されたものであることが望ましい。
【0014】
通気性素材の他の例として、パンチングプレートがある。パンチングプレートは、金属やプラスチックの薄板に種々の穿孔を施したものである。金属としては、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム等が使用される。また、樹脂シートとしては、フッ素樹脂系のシートや、他の耐熱性樹脂シートが使用される。また、通気性素材の他の例としては、ガラス繊維、アラミド繊維等の耐熱繊維、金属繊維等の繊維を交絡させて形成された織物、編物、不織布なども使用することができる。
【0015】
本発明における通気性素材の通気度としては、JISL1096のフラジール形法により測定した通気度で、20cc/cm2・sec以上であることが好ましく、200cc/cm2・sec以上であることがさらに好ましい。
【0016】
本発明の通気性ロールは、芯となる駆動ロールの上に構築される。駆動ロールは、通常のロール形状であり、外部の動力から回転エネルギーを貰うことによってロールが回転出来るように構成されている。本発明の駆動ロールの内部は、冷却エアーや冷却水によってロールが冷却できる構造になっていることが望ましい。また、通気性ロールは、電動ロールのように、ロール内部に回転モータを有しているものも使用される。
【0017】
本発明における駆動ロールのロール径は、ロールの軸方向でテーパをなしており、かつ、吸引円筒の内径が駆動ロールのテーパ方向とは逆のテーパをなしていることにより駆動ロールに嵌合するように配設されているロールも使用することができる。このようにすることで、テーパに沿って駆動ロール(または吸引円筒)がフランジ等で押し込まれることで、分割されている吸引円筒径が拡大して、その結果、通気性円筒径を拡張して、表面の通気性素材を緊張状態に保つことができる。また、このようなテーパ形状は、駆動ロールから吸引円筒部の脱着を容易にし、組み立て分掃も容易になる。
【0018】
本発明の通気性ロールは、駆動ロールの上から駆動ロールのロール面を覆うように配置され、駆動ロールと嵌合するように構成されている吸引円筒を有する。この吸引円筒は、表面に多数の真空吸引孔が配在されており、しかも駆動ロール軸から放射方向に開放可能なように分割されて配設されていることを特徴とする。吸引円筒は、通気性ロールの通気性素材の背面からエアーを吸引して、溶融樹脂シートを通気性ロールに密着させる作用をする。吸引円筒の分割は、2分割でもよいが、さらに多くの区分に分割することもできる。なお、真空吸引孔は吸引円筒の表面に多数配置されており、数十個、多い場合には数百個から数千個配置されている。
【0019】
本発明の吸引円筒の内部は、真空吸引孔に対応して円筒の軸方向に配設されている空気の通路である複数のアキシャル孔を有している。アキシャル孔は、個々の真空吸引孔につながっており、真空源の負圧を個々の真空吸引孔につなぐ役目をする。この吸引円筒の円筒端部には固定のサイドプレートが円周の一部に接して設けられており、円筒の一部の範囲におけるアキシャル孔を真空源に導き、そしてアキシャル孔と真空吸引孔を負圧にするように構成されている。
【0020】
本発明の吸引円筒は分割されているが、分割されているそれぞれの吸引円筒の軸方向に円筒分割部材が狭在する。円筒分割部材は、板状で、吸引円筒に押し込まれ易いように厚みがテーパをなす。テーパ形状としては種々のタイプがある。その基本形としては、ロールの半径方向の厚みにおいてテーパをなすような部材である。そして、ロールの片方より他の方向に厚みにおいてもテーパをなすような部材であることが好ましい。これらの具体的タイプについては図において説明する。
【0021】
円筒分割部材は、分割している吸引円筒の間にさらに押し込まれることで、吸引円筒の円筒径を大きくすることができる。そして、円筒分割部材が押し込まれることによって、通気性円筒の張りが調節される。この円筒分割部材の押し込まれる方向は、吸引円筒の半径方向外側へ押し込まれる方向と、吸引円筒の軸方向に軸の中心に向かって押し込む方向と、前記2つの方向を兼ねた方向へ押し込むこともできる。また分掃時には、円筒分割部材を簡易に取り外せることで、通気性円筒を吸引円筒から容易に外せるようにし、通気性円筒を容易に交換できる。
【0022】
本発明の吸引円筒の円筒表面に、通気性円筒が配置される。通気性円筒は、上記通気性素材からなる円筒で、溶融樹脂シートと接する面を形成すると同時に、分割されている吸引円筒をバラバラにしないタガの役目もしている。そして上記のように、円筒分割部材が押し込まれることで、吸引円筒の径が大きくなり、通気性円筒が張りをもって固定される。溶融樹脂シートに使用される通気性円筒は、汚れやすく、また機械的にも傷つきやすいので、頻繁に交換する必要がある。また、溶融樹脂シートに用いられる通気性円筒は、熱膨張率の程度を含め、微細に張りが調節されることが必要となる。
【0023】
本発明においては、上記円筒分割部材が分割された吸引円筒の間に円筒の主として軸方向に押し込まれていく円筒分割部材移動手段を有する。この移動手段の例として、駆動ロールの少なくとも一端にフランジを有し、駆動ロールの端部のネジがナットによって締め付けられることにより、フランジが円筒分割部材を吸引円筒の軸方向に押し込まれ、前記通気性円筒の径を大きくし張りを持たせることができる。なお、このナットによる締め付けは、ダブルナット方式で緩み止めされていることが望ましい。なお、通気性円筒の交換などのため、円筒分割部材を取り外す際は、このネジ部のナットを緩め、フランジを取り外す。そして、円筒分割部材を押し込んだ方向とは逆方向に力学的に叩き出すことで、簡単に吸引円筒が分割される。なお、ここで使用されるフランジは、駆動ロールの両端部のナットで代替することもできる。
【0024】
本発明における他の円筒分割部材移動手段として、上記円筒分割部材が分割された吸引円筒の間に円筒に対して、主として半径方向に押し込まれていく円筒分割部材移動手段を有する。この場合は、駆動ロールと吸引円筒がテーパをなして、互いに嵌合するように構成されており、駆動ロールの少なくとも一端にフランジを有し、駆動ロールの端部のネジが、ネジに嵌合するナットによって締め付けられることにより、分割されている吸引円筒と駆動ロールが互いに押し込まれることで、吸引円筒の径が大きくなることで前記通気性円筒の径を大きくし張りを持たせることができる。なお、ここで使用されるフランジも、駆動ロールの両端部のナットで代替することもできる。
【0025】
通気性ロールの表面にある通気性円筒は、フレキシブルで変形しやすいため、円筒の円周で部分的に張りの弱い部分が生じることがある。そのような問題を解決する手段として、円筒分割部材移動手段が吸引円筒に複数個のボルトによってフランジが支持されており、それぞれのボルトをナットで調節することにより、強く押し込まれた円筒分割部材の周辺部における円周の張りを強くすることができる。このように、フランジによって押し込まれることにより吸引円筒の径を部分的に変化できるようにして、通気性円筒の張りを部分的に変化できるようにすることができる。
【0026】
通気性円筒の部分的な張りを調整する他の手段として、円筒分割部材側面をフランジ面からボルトで直接押し込む方式をとることができる。駆動ロールの少なくとも一端に、吸引円筒の鏡板面に当てがわれているフランジを有し、このフランジに埋め込まれているボルトがこの円筒分割部材側面に押し当てて円筒分割部材を吸引円筒間に押し込まれることにより、吸引円筒の径を部分的に変化できるようにすることができる。
【0027】
また本発明における円筒分割部材移動手段が、駆動ロールの両端部に配設され、この円筒分割部材の円筒の軸方向にテーパ方向が異なる少なくとも2個の円筒分割部材からなり、この両端部の円筒分割部材移動手段によってそれぞれの円筒分割部材を移動させることにより、この通気性円筒の径や張りをロールの両端で変更できるようにすることもできる。
【0028】
本発明の通気性ロールは、溶融樹脂シートをプラスチック気泡シート成形装置へ案内する案内ロールとして使用される。溶融樹脂シートは、押出機からTダイス等により成形されて直接気泡シート成形装置へ導かれる際、その案内ロールとして使用される。また他のケースとして、既に冷却されて成形されているシートが加熱溶融されている気泡シート成形装置へ導かれる場合があり、その場合における案内ロールとしても使用される。
【発明の効果】
【0029】
本発明は均一な張りを有する通気性ロールが、溶融樹脂シートを安定して把持して移送できるようにすることができる。また、シートに気泡跡や皺が入らない機構の通気性ロールとすることができる。また本発明は、シートが通気性ロールに接した際、通気性ロール内部のエアーで巻き上げられることがないように、シートをしっかりと把持される機構を備えた通気性ロールとすることができる。また、シートをロールから剥がし易いという利点も有する。また本発明の通気性ロールは、通気性素材の交換を簡易に行うことができる。また本発明の通気性ロールは、通気性ロールの円周部における一部の張りや、ロール両端における通気性素材の張りを部分的に調整することができる。また本発明では、通気性素材の張りを、通気性素材の材質や温度等に合わせて微細に調整できる。さらに本発明は、通気性ロール上でシートが接触する部分だけを負圧吸引して、不要な部分は吸引しないようにし、吸引効率が良い通気性ロールとすることができる。本発明の通気性ロールは、溶融樹脂シートをプラスチック気泡シート成形装置へ案内するロールとして使用されることに特に適する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下本発明を図面で示す実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の通気性ロール1の全体を示す斜視図である。駆動ロール2は、ロール両端部にネジ部3を有する径の細い部分と、径の大きい部分(フランジ等で隠れて図では示されていない)とからなる。この駆動ロール2のロール径の大きい部分を覆い、この駆動ロールと嵌合するように構成されており、この駆動ロール軸から放射方向に開放可能なように分割されている吸引円筒4A、4Bがある。吸引円筒4A、4Bには、表面に多数の真空吸引孔を有するが、図では通気性円筒5に隠れて見えない。このそれぞれの真空吸引孔に通じている多数のアキシャル孔6が吸引円筒4の鏡板の面から吸引円筒4の内部に導かれている。分割されているそれぞれの吸引円筒4A、4Bの間に介在する吸引円筒の半径方向にテーパをなす板状形態からなる円筒分割部材7A、7Bが設けられている。この吸引円筒4A、4Bの円筒表面を覆うように円筒形の通気性素材からなる通気性円筒5が設けられている。この円筒分割部材7は、フランジ8がボルト3と嵌合するナット9により押し込まれることで、分割された吸引円筒4の間に円筒の軸方向に押し込まれていくことにより吸引円筒4の径が拡大し、その結果通気性円筒5の径も拡大し、通気性円筒5を構成している通気性素材が張りをもたすことができる。なお、駆動ロール2における外部の駆動源と接続しているギアやチエンホイル等の駆動に必要な部材は、この図では省略してある。
【0031】
図2は、本発明の駆動ロールがテーパをなす駆動ロール11と、それに覆うように配置されている吸引円筒12を示す。本発明における駆動ロールは、必ずしもこの図のようテーパをなしている必要はないが、テーパをなしていることにより、駆動ロール11の両端部におけるフランジ(図示されていない)等により吸引円筒12の中に押し込まれることにより、分割されている吸引円筒12の径が大きくなり、吸引円筒12の円筒部を覆っている通気性円筒5に張りを持たせることができる。吸引円筒12は、表面に多数の真空吸引孔13を有し、それらの真空吸引孔13は、アキシャル孔6によりサイドプレート14に導かれ、さらに真空源(図示されていない)に導かれることにより、矢印aの方向に吸引されるように構成されている。駆動ロール11は、ベアリング部15によって回転自在に支持されており、外部の駆動源とプーリ等で繋がることによって回転する。駆動ロール11の内部は、矢印bのように空気や水を通じることにより、冷却されていることが望ましい。
【0032】
図3は、本発明の吸引円筒が多数の分割された吸引円筒21A、21B、・・・、21E、21Fに分割されている例を示す。それぞれの分割された吸引円筒21の間には、円筒分割部材22A、22B、・・・、22E、22Fが挟在している。フランジ23は、分割された吸引円筒21とボルト24によって固定されている。これらの円筒分割部材22は、ボルト24が締め付けられることにより分割された吸引円筒21の中に押し込まれ、吸引円筒の径を大きくし、その結果、吸引円筒の円筒部を覆っている通気性円筒5に張りを持たせることができる。このような構造にすることにより、通気性円筒5の一部(例えばP部)の張りを強くすることができる。通気性円筒5のP部の張りを強くするには、円筒分割部材22A、22Bの両脇にあるボルト24を締め付けることにより、円筒分割部材22A、22Bが押し込まれることで、分割された吸引円筒21A部の両脇にある円筒分割部材上部の空間が広くなり、通気性円筒5のP部の張りが強くなる。
【0033】
図4は、円筒分割部材22が分割された吸引円筒21の中に押し込まれる他の例を示す。フランジ31は、駆動ロール32に刻まれたネジ33に嵌合するナット34により、円筒分割部材22を押し当てられている。フランジ31には、押しボルト35が埋め込まれており、円筒分割部材21の側面を押しボルト35を締め付けることで押し込めるようになっている。押し込まれた円筒分割部材22の部分だけが通気性円筒5の張りを強くするので、この方式においても、通気性円筒の一部の張りを強くすることができる。なおこの図では、フランジが駆動軸ロールに固定されている例を示したが、図3のように吸引円筒に固定されていてもよい。なお、この図では鏡板面の片側から押しボルトによって押し込まれる例を示したが、両面から押しボルトにより押されていることで、押し込み過ぎた場合に、押し込みすぎたボルトを緩め、逆側からの押し込みボルトで押すことで、押し込みすぎを調整することもできる。
【0034】
図5は、円筒分割部材41が分割された吸引円筒21の中で半径方向に移動させる例を示す。円筒分割部材41a、41bは駆動ロール32に刻まれたネジ33に嵌合するナット42により、吸引円筒21内に押し当てられている。押し当てられた後、ナット42にはボルト43a、43b、43c、43d・・・によりフランジ44が固定される。フランジ44と円筒分割部材41aとは、引き上げボルト45aと引き上げナット46aによって繋がっており、引き上げナット46bを締めることにより、円筒分割部材41aは半径方向の外方向(この図では上方向)に引き上げられる。同様にフランジ44と円筒分割部材41bは、引き上げボルト45bと引き上げナット46bによって繋がっており、引き上げナット46bを締めることにより、円筒分割部材41bは半径方向の外方向(この図では下方向)に引き上げられる。なおこの図では、ナットで引き上げる例を示したが、ボルトによって、円筒分割部材を円筒外側方向へ押し上げるようにすることもできる。またこの図の方式では、引き上げナット46で拡げすぎた部分がある場合、引き上げナット46を緩めることによって微調整することもできる。
【0035】
図6は、円筒分割部材51が分割された吸引円筒21の中で半径方向に移動させる他の例を示す。駆動ロール32に刻まれたネジ33に嵌合するナット52を締めることにより、フランジ53が押し込まれる。フランジ53と円筒分割部材51a、51bが接点において斜めの面で接しており、フランジ53が駆動ロール32の中心方向に押し込まれることにより円筒分割部材51a、51b等の多数の円筒分割部材51が同時に半径方向の外方向に押し上げられる。この図に限らないが、機械部品が相互に摺動する部分は、硬度のある耐摩耗性の表面で仕上げられており、グリース等の潤滑剤が塗布されていることが好ましい。なお、この図におけるナット52を、フランジ53のように斜面を構成させることにより、ナット52がフランジ53の役割を兼ねることができる。また、この図と図5の機構を組み合わせることで、この図のように円筒分割部材51全体が半径方向に外側に移動できる場合ばかりでなく、個々の円筒分割部材51a、51b、・・・も半径方向の移動を微調整することもできる。
【0036】
図7は、通気性円筒(煩雑になるので図示していない)の張りをロールの両端で調整する場合の機構を説明する。円筒分割部材56aは、図の左側で厚く、右側に行くに従って薄くなるタイプのテーパをなしている。円筒分割部材56bは、図の左側で薄く、右側に行くに従って厚くなるテーパをなしている。分割された吸引円筒57a、57b間にこれらの円筒分割部材56a、56bを狭在させ、左側からフランジや押しボルト等で円筒分割部材56a(または56aと56bの両方)が押し込まれることで、図の左側における通気性円筒の張りを強くすることができる。
【0037】
図8は、本発明に使用される円筒分割部材の例を、種々のタイプに分けて説明する。図(a)の円筒分割部材58aは、駆動軸側(底面)の厚みが厚く、通気性円筒側(上面)が薄い厚みにおいてテーパをなし(du<db)、これは本発明のテーパの基本形である。そして、高さhは左右で同じであり(h1=h2)、底面や上面の板の厚みは左右で同じである(d1=d2)。この図のタイプは、図5や図6のように円筒分割部材が吸引円筒の半径方向にのみ押し込む場合において有効である。図(b)の円筒分割部材58bは、上記の基本形58aの左側と右側で、左側が上面や底面の厚みが大きい場合の例を示す(d1>d2)。上面と底面の両方において左側が大きい必要はないが、少なくとも底面の左側が大きいことが望ましい。高さhは左右で同じである(h1=h2)。この図(b)のタイプは、図3、4、5の場合の円筒分割部材と分割された吸引円筒との対応に特に適する。図(c)の円筒分割部材58cは、上記の58bにおいて、高さhも左側が大きい場合について示した(h1>h2)。この図(c)のタイプは、図2の場合の円筒と分割部材分割された吸引円筒とが共にテーパになることで嵌合されている場合に特に適合する。なお、他のタイプとして、d1=d2、h1>h2、du<dbのような例がある。
【0038】
図9は、本発明の通気性ロールをプラスチック気泡シート成形装置に使用される例を装置の斜視図で示す。回転している円筒61の表面には多数の真空吸引孔62を有しており、それぞれの真空吸引孔62は、アキシャル孔63に通じている。真空吸引孔62の数およびアキシャル孔63の数は、図では煩雑なため粗く描いているが、実際の装置は、もっと密に配されている。アキシャル孔63は、円筒61の側面からみて、円筒の周方向に等位置に配分されていることが望ましい。真空吸引孔62は、横方向に列をなしており、例えば、アキシャル孔63aは、点線で示した範囲の真空吸引孔62の列に通じている。そして、円筒61の側面の一部には、固定のサイドプレート64(点線で示されている)が設けられており、真空源(図示されていない)へとダクト65を通じて導かれる。なお、円筒61の他の側面にも固定のサイドプレートを付けて、円筒の両面から負圧吸引することが望ましいが、図では省略してある。固定のサイドプレート64が回転いている円筒61と気密に接していることにより、アキシャル孔63はサイドプレート64に接続する真空源より、回転しながら減圧される。このような回転する円筒61上へ、キャップフィルムの原料となる溶融フィルム65がターンロールとしての役割を果たす通気性ロール66を介して導かれて来る。そして、導かれてきた溶融フィルム65は円筒61上のアキシャル孔63により減圧されるサイドプレート64の範囲で、そのアキシャル孔63に通じている真空吸引孔62により真空成形されて気泡突起が形成される。キャップフィルムに気泡突起が形成された時点で、バックフィルムの原料となる溶融フィルム67が導入され、ターンロールの役割を果たす通気性ロール68を通過して、キャップフィルムとラミネートされて、プラスチック気泡シート69となる。この図のような装置で、ターンロールとしての役割を果たす本発明の通気性ロール66および68を使用することにより、溶融フィルムが冷却されることなく、また、皺やたるみを入れることなく安定してプラスチック気泡シート成形装置に導かれ、高品質のプラスチック気泡シートを成形することができる。また、図では示していないが、プラスチック気泡シート69は、この図の後工程で、気泡シートの突起の表面にライナーフィルムをラミネートすることが多い。そのライナーフィルムの原料となる溶融フィルムを、ラミネート部へ移行する際のターンロールにも、本発明のこの通気性ロールを使用すると、ライナーフィルムに皺が入らず、高品質で安定したラミネートを実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の通気性ロールは、溶融樹脂シートの搬送に用いられ、特にプラスチック気泡シート成形装置への溶融シートの搬送に特に適する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の通気性ロールの斜視図。
【図2】本発明の通気性ロールの例を示す断面図。
【図3】本発明の通気性ロールの例を示す他の断面図。
【図4】本発明の通気性ロールにおける円筒分割部材を移動させる手段の例を示す断面図。
【図5】本発明の通気性ロールにおける円筒分割部材を移動させる手段の他の例を示す断面図。
【図6】本発明の通気性ロールにおける円筒分割部材を移動させる手段の他の例を示す断面図。
【図7】本発明の通気性ロールの一部を拡大した断面図。
【図8】本発明における円筒分割部材の種々のタイプを示す斜視図。
【図9】プラスチック気泡シート成形装置に本発明の通気性ロールが使用されている例を示す装置の斜視図。
【符号の説明】
【0041】
1:通気性ロール、 2:駆動ロール、 3:ネジ部、 4:吸引円筒、
5:通気性円筒、 6:アキシャル孔、 7:円筒分割部材、 8:フランジ、
9:ナット。
11:駆動ロール、 12:吸引円筒、 13:真空吸引孔、
14:サイドプレート、 15:ベアリング部。
21:吸引円筒、 22:円筒分割部材、 23:フランジ、
24:ボルト、 P:通気性円筒の一部。
31:フランジ31、 32:駆動ロール、 33:ネジ、
34:ナット、 35:押しボルト。
41:円筒分割部材、 42:ナット、 43:ボルト、 44:フランジ。
45:引き上げボルト、 46:引き上げナット。
51:円筒分割部材、 52:ナット、 53:フランジ。
56a、56b:円筒分割部材、 57a、57b:吸引円筒。
58a、58b、58c:円筒分割部材
61:円筒、 62:真空吸引孔、 63:アキシャル孔、
64:サイドプレート、 65:ダクト、
65:溶融フィルム、 66:通気性ロール、 67:溶融フィルム、
68:通気性ロール、 69:プラスチック気泡シート。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)駆動ロールと、
(b)該駆動ロールのロール面を覆い、該駆動ロールと嵌合するように構成され、表面に多数の真空吸引孔が配在されており、該駆動ロール軸から放射方向に開放可能なように分割されて配設されている吸引円筒と、
(c)分割されているそれぞれの該吸引円筒の間に介在し、該吸引円筒の半径方向にテーパをなす板状形態からなる円筒分割部材と、
(d)該吸引円筒の円筒表面を覆うように設けられている通気性円筒と、
(e)該円筒分割部材が分割された該吸引円筒の間に押し込まれていくように構成されている該円筒分割部材移動手段と、
を備えていることを特徴とする、溶融樹脂シート搬送用通気性ロール。
【請求項2】
請求項1における前記吸引円筒の内部に、
(a)前記真空吸引孔に対応して前記吸引円筒の軸方向に配設されている空気の通路である複数のアキシャル孔と、
(b)該吸引円筒の円筒端部における円周の一部に接して設けられ、円筒の一部の範囲における該アキシャル孔を真空源に導き、該アキシャル孔を負圧吸引するように構成されている固定のサイドプレートと、
を備えた、溶融樹脂シート搬送用通気性ロール。
【請求項3】
前記駆動ロールのロール径がロールの軸方向でテーパをなしており、かつ、該駆動ロールに嵌合するように配設されている前記吸引円筒の内径が、該駆動ロールのテーパ方向とは逆のテーパをなしていることにより該駆動ロールと嵌合するように構成されている、請求項1の溶融樹脂シート搬送用通気性ロール。
【請求項4】
前記吸引円筒の鏡板面側にフランジを有し、前記駆動ロールの端部のネジに嵌合するナットが締められ、該フランジが押し込まれることで前記円筒分割部材が円筒の軸方向に押し込まれ、通気性ロールの径が拡張的に変化して通気性円筒が緊張状態となるように構成されている前記円筒分割部材移動手段からなる、請求項1の溶融樹脂シート搬送用通気性ロール。
【請求項5】
前記吸引円筒の鏡板面側にフランジを有し、該フランジが該吸引円筒に複数個のボルトによって支持されており、それぞれのボルトをナットで調節することにより前記円筒分割部材が該フランジによって押し込まれ、該吸引円筒の径を部分的に変化できるように構成されている、前記円筒分割部材移動手段からなる請求項1の溶融樹脂シート搬送用通気性ロール。
【請求項6】
前記吸引円筒の鏡板面側にフランジを有し、該フランジに埋め込まれているボルトを前記円筒分割部材側面に押し当てて、該円筒分割部材を該吸引円筒間に押し込まれることにより該吸引円筒の径を部分的に変化できるように構成されている、前記円筒分割部材移動手段からなる請求項1の溶融樹脂シート搬送用通気性ロール。
【請求項7】
前記吸引円筒の鏡板面側にフランジを有し、該フランジが前記駆動ロールに固定されており、かつ、前記円筒分割部材と該フランジがネジによって繋がれており、該ネジによって該円筒分割部材を該吸引円筒の半径方向外側に移動することにより、該吸引円筒の径を部分的に変化できるように構成されている、前記円筒分割部材移動手段からなる請求項1の溶融樹脂シート搬送用通気性ロール。
【請求項8】
前記吸引円筒の鏡板面側にフランジを有し、該フランジと前記円筒分割部材が斜め面で接しており、該フランジが前記駆動円筒軸の軸方向中心部へ押し込まれることによって複数の該円筒分割部材を該吸引円筒の半径方向外側に移動させることにより、該吸引円筒の径を変化できるように構成されている、前記円筒分割部材移動手段からなる請求項1の溶融樹脂シート搬送用通気性ロール。
【請求項9】
前記駆動ロールの両端部に配設され、前記円筒分割部材の円筒軸方向のテーパが異なる少なくとも2個の円筒分割部材からなり、両端部の前記円筒分割部材移動手段によってそれぞれに該円筒分割部材を移動させるように構成されていることにより、前記通気性円筒の径や張りを両端部で変更できるようになっている該円筒分割部材移動手段からなる請求項1の溶融樹脂シート搬送用通気性ロール。
【請求項10】
プラスチックフィルムに多数の窪みを形成させ、その底面を他のプラスチックフィルムを接合させることで多数の密閉された気泡突起を形成させるプラスチック気泡シート成形装置において、請求項1における前記通気性ロールが、溶融樹脂シートを該プラスチック気泡シート成形装置へ案内するロールとして使用されているプラスチック気泡シート成形装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−114981(P2008−114981A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299870(P2006−299870)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000199979)川上産業株式会社 (203)
【Fターム(参考)】