説明

滑り止め部材及び滑り止め部材の取付構造

【課題】 十分な強度を確保しながら滑り止め効果を向上させることができる滑り止め部材を提供すること。
【解決手段】 単一の金属板が折り返されることにより形成され、作業機械に設定された踏み場S1〜S4に設けられる滑り止め部材6であって、特定方向に延びる形状を有し、前記踏み場S1〜S4に取り付けられる取付部7と、この取付部7の両長辺7aに沿って前記踏み場S1〜S4の上方に折り返された一対の側板部8と、これら側板部8の端面から上方へ突出する複数の突出部9とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械に設定された踏み場に設けられる滑り止め部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前記滑り止め部材として、特許文献1に記載されたものが知られている。この滑り止め部材は、建設機械(作業機械)の運転席に乗り降りする際に足を掛ける乗降用ステップ(踏み場)に取り付けられる取付板と、この取付板の端縁部から上向きに直角に折り返される複数の滑り止め突起とを一体に有し、各滑り止め突起は、互いに前記取付板の長手方向に離れた位置で相互独立して前記取付板から立ち上がった状態となっている。
【特許文献1】特開2004−124511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1の滑り止めプレートでは、取付板と滑り止め突起との落差を大きくするほど滑り止め効果を高めることができる。この落差を大きくするには前記取付板からの各滑り止め突起の突出量を大きくすればよいが、この突出量を大きくするほど各滑り止め突起はプレート幅方向に曲げ変形し易くなる。したがって、これらの滑り止め突起が踏み付けられる等して大きな外力を受けた場合、各滑り止め突起が直立姿勢から傾斜する向きに撓み、さらには塑性変形にまで至るおそれがあり、これにより却って滑り止め効果を低下させるおそれがあった。そのため、特許文献1の滑り止めプレートでは前記落差を大きくするのに限界があった。
【0004】
さらに、特許文献1の滑り止めプレートでは、取付板の長辺部分に沿って複数の滑り止め突起が形成されているものの、これら滑り止め突起は取付板の長手方向で相互離間して独立しているために取付板の補強部(リブ)としては機能し得ない。よって、特定方向に延びる平面形状とされた取付板が長手方向に曲げ変形するのを抑止する作用はなく、この取付板の一部が作業機械から剥がれるおそれがあった。このように、取付板に曲げ変形が生じた場合には、各滑り突起の平面配置が乱れることによりすべり止め効果が低下するおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、十分な強度を確保しながら滑り止め効果を向上させることができる滑り止め部材及び滑り止め部材の取付構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、単一の金属板が折り返されることにより形成され、作業機械に設定された踏み場に設けられる滑り止め部材であって、特定方向に延びる形状を有し、前記踏み場に取り付けられる取付部と、この取付部の長手方向に延びる縁部に沿って前記踏み場の上方へ折り返された側板部と、この側板部の端面から上方へ突出するとともに前記取付部の長手方向において間欠的に配置された複数の突出部とを備えていることを特徴とする滑り止め部材を提供する。
【0007】
本発明によれば、取付部の長手方向に延びる縁部に沿って設けられた側板部を備え、この側板部の端面から各突出部を突出させているので、十分な強度を確保しながら滑り止め効果を高めることができる。
【0008】
すなわち、本発明では、取付部から折り返される側板部の端面からさらに各突出部を突出させることにより、これらの突出部から取付部までの落差を大きくとって優れた滑り止め効果を確保することができる一方、前記側板部からの各突出部の突出量は小さく抑えることで、これらの突出部が曲げ変形するのを有効に抑止することができる。
【0009】
さらに、本発明では、取付部の長手方向に延びる縁部に沿って側板部が折り返されているので、当該側板部を取付部の長手方向の曲げ変形に対する補強部として機能させることができ、当該取付板の曲げ変形を抑制して、各突出部の平面配置を保持することができる。
【0010】
したがって、本発明によれば、十分な強度を確保しながら滑り止め効果を向上することができる。
【0011】
前記側板部は取付部の形状に応じて様々な形態をとることができるが、前記取付部が長方形に形成されているとともに、前記側板部が取付部の両長辺に沿って一対形成されていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、取付部の両長辺に沿って一対の側板部が形成されているので、これら両側板部のそれぞれを取付部の補強部として機能させることにより取付部の長手方向の曲げ変形をより確実に抑制することができる。
【0013】
また、前記構成では、平面視長方形の滑り止め部材とすることができるので、複数個の滑り止め部材を踏み場の領域の平面形状に合わせて敷き詰めるといった配設方法を採用することもできる。
【0014】
前記両側板部に形成された各突出部同士を互いに対向するように配置してもよいが、前記取付部の長手方向において、一方の側板部に形成された各突出部同士の間に、他方の側板部に形成された各突出部がそれぞれ配置されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、側面視において一方の側板部に形成された各突出部と他方の側板部に形成された各突出部とが互い違いに配置されるので、何れかの側板部における突出部同士の間に靴底が降りてきた場合であっても、他方の側板部における突出部を靴底に係合させることができ、滑り止め効果をより確実なものにすることができる。
【0016】
さらに、前記取付部には、当該取付部の縁部と平行する稜線が上方へ隆起する山折り部が形成されていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、取付部に山折り部が形成されているので、当該取付部の長手方向の曲げ変形を側板部だけでなく山折り部によってさらに確実に抑制することができる。
【0018】
さらに、この構成では、前記側板部と平行して山折り部の稜線が隆起して形成されているので、この稜線部分と靴底とが係合することにより当該靴底が側板部と直交する方向へ滑るのをより確実に抑制することができる。
【0019】
ここで、前記山折り部は、前記稜線の高さ位置が前記各突出部先端の高さ位置と略同一に設定されていることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、各突出部と山折り部とを跨るように靴底が降りてきたときに、当該靴底を突出部及び山折り部の双方に同時に係合させることができるので、滑り止め効果をより向上させることができる。
【0021】
なお、高さ位置が「略同一」とは、完全に同一の場合だけでなく、各突出部と山折り部とを跨るように靴底が降りてきたときに当該靴底が突出部と山折り部の双方に係合することができる程度に、各突出部と山折り部との高さ位置が相違している場合も含む趣旨である。
【0022】
さらに、前記山折り部には、前記稜線を分断する切欠き部が形成されていることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、切欠き部のエッジ(開口縁部)と靴底とを係合させることができるので、前記各突出部と相俟って稜線(取付部の長手方向)に沿った靴底の移動を抑制することができる。
【0024】
前記金属板の材質は適宜設定可能であるが、前記金属板は、ステンレス鋼からなることが好ましい。
【0025】
この構成によれば、不銹鋼であるステンレス鋼によって金属板が形成されているので、錆が生じて各突出部の外観が変化するのを防止することができ、見栄えの良い滑り止め部材とすることができる。
【0026】
さらに、この構成では、錆の発生に伴う金属板の劣化(例えば、強度低下)を抑制することができるので、各突出部の変形等を抑止して靴底の滑り止め効果の向上を図ることもできる。
【0027】
本発明の別の態様は、前記滑り止め部材と、この滑り止め部材を前記作業機械に取り付けるリベットとを備えた滑り止め部材の取付構造であって、前記リベットは、前記取付部と前記踏み場とを貫いた状態で両者を締結するようになっており、このリベットの頭部の高さ位置が前記各突出部先端の高さ位置よりも低くされていることを特徴とする滑り止め部材の取付構造を提供する。
【0028】
この態様によれば、リベットの頭部が各突出部よりも先に靴底に当接することを抑制することができるので、当該リベットの頭部によって滑り止め効果が低下するのを抑制することができる。
【0029】
前記リベットとしてその軸線方向に貫通するオープンリベットを採用してもよいが、前記リベットは、その軸線方向について少なくとも一部が中実とされたシールドリベットであることが特に好ましい。
【0030】
この構成によれば、軸線方向に貫通するオープンリベットを使用する場合と異なり、リベットを通って雨水や泥等が作業機械側へ浸入するのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、滑り止め効果を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施形態に係る作業機械の全体構成を示す、(a)は側面図、(b)は平面図をそれぞれ示している。
【0034】
作業機械1は、クローラ2aを備えた下部走行体2と、この下部走行体2上に旋回自在に搭載される上部旋回体3と、この上部旋回体3の前部に起伏自在に装備された作業アタッチメント4とを備えている。
【0035】
上部旋回体3には、前部がキャビン5aに連結されたボディ5が設けられている。このボディ5は、図1の(b)に示すように、前記作業アタッチメント4の側方及び後方を取り囲むように平面視コの字型とされている。また、ボディ5には、内蔵されたエンジン(図示せず)へのアクセス用のボンネット5bが設けられている。
【0036】
本実施形態において、ボディ5の上面には、ボンネット5bの前後位置に作業者の踏み場S1及びS2が、ボンネット5bの右側位置に踏み場S4が設定されているとともに、アタッチメント4の右側位置に踏み場S3が設定されている。これら踏み場S1、S2及びS4はボンネット5bの開閉時に作業者の足場として使用される一方、踏み場S3は給油口5cから燃料を給油する際の足場として使用される。
【0037】
そして、本発明に係る滑り止め部材6は、前記踏み場S1〜S4にそれぞれ複数個設けられ、作業者の靴底と係合して当該靴底の滑り止めとして機能するようになっている。
【0038】
図2は、図1の滑り止め部材を拡大して示す斜視図である。図3は、図2の滑り止め部材6の側面図である。図4は、図2のIV−IV線断面図である。
【0039】
各図を参照して、滑り止め部材6は、ステンレス鋼からなる板が打ち抜き加工及び曲げ加工されることによって製造されたものである。
【0040】
具体的に、滑り止め部材6は、前記踏み場S1〜S4に取り付けられる平面視長方形の取付部7と、この取付部7の両長辺7aに沿って直角に折り返された一対の側板部8と、これら側板部8の端面8aから上方へそれぞれ突出する5個の突出部9とを備え、断面コの字型とされている。
【0041】
取付部7は、前記ボディ5の上面に取り付けられている。具体的に、取付部7及びボディ5は、図4に示すように、それぞれ貫通孔7b及び5eを介して両者を貫通するリベット10の下端部がかしめられることによって締結されている。
【0042】
このリベット10は、シャフト10bの引き上げ動作に応じてその下端部が周方向に膨出するようになっている。このようなリベット10の種類としては、図4(a)に示す開口10cによって軸方向に貫通するオープンリベットや、下端部が中実とされた図4(b)に示すシールドリベットが知られているが、何れを採用してもよい。ただし、リベット10として図4(b)に示すシールドリベットを採用した場合には、雨水等がリベット10を通ってボディ5の内部に侵入するのを抑制することができるという利点がある。
【0043】
さらに、前記リベット10は、その高さ位置P1が前記各突出部9の高さ位置P2よりも下方となるように、その頭部10aの厚み寸法が設定されている。そのため、靴底が降りてきたときに、当該靴底が各突出部9よりも先にリベット10の頭部10aに当接するのを抑制することができる。
【0044】
各側板部8は、それぞれ同一の高さ寸法H1となるように折り返されている。また、これら側板部8は、前記取付部7に対し直角に折り返されているので、当該取付部7の長手方向の曲げ変形に対する補強材として機能することになる。
【0045】
各突出部9は、側面視において頂点を上に向けた二等辺三角形とされ、前記側板部8からの高さ寸法H2がそれぞれ同一に設定されている。また、各突出部9は、各側板部8に形成されたもの同士で互いに対向するように、金属板の長手方向において略同位置及び同間隔に形成されている。
【0046】
そして、前記滑り止め部材6においては、取付板7から各突出部9までの高さ寸法H3が大きい程、高い滑り止め効果を得ることができるが、この寸法H3を大きくする場合には側板部8の高さ寸法H1を大きくすることが好ましい。寸法H1をそのまま維持しながら各突出部9の高さ寸法H2を大きくした場合には、当該各突出部9が長くなり側板部8に対して曲げ変形が生じ易くなるためである。
【0047】
このように構成された滑り止め部材6に靴底が降りてくると、この靴底に各突出部9が係合するので(差し込まれるので)、当該靴底の滑りが抑制されることになる。
【0048】
以上説明したように、滑り止め部材6によれば、取付部7の長辺7aに沿って設けられた側板部8を備え、この側板部8の端面から各突出部9を突出させているので、十分な強度を確保しながら滑り止め効果を高めることができる。
【0049】
すなわち、滑り止め部材6では、取付部7から折り返される側板部8の端面からさらに各突出部9を突出させることにより、これらの突出部9から取付部7までの落差(図3の高さ寸法H3)を大きくとって優れた滑り止め効果を確保することができる一方、側板部8からの各突出部の突出量(図3の寸法H2)は小さく抑えることで、これらの突出部9が曲げ変形するのを有効に抑止することができる。
【0050】
さらに、滑り止め部材6では、取付部7の両長辺7aに沿って側板部8が折り返されているので、当該側板部8を取付部7の長手方向の曲げ変形に対する補強部として機能させることができ、当該取付板7の曲げ変形を抑制して、各突出部9の平面配置を保持することができる。
【0051】
したがって、滑り止め部材6によれば、十分な強度を確保しながら滑り止め効果を向上することができる。
【0052】
また、前記実施形態では滑り止め部材6が平面視で長方形に形成されているので、複数個の滑り止め部材6を踏み場S1〜S4の領域の平面形状に合わせて敷き詰めるといった配設方法を採用することもできる。
【0053】
そして、前記滑り止め部材6は不銹鋼であるステンレス鋼により構成されているので、錆が生じて各突出部9の外観が変化するのを防止することができ、見栄えの良い滑り止め部材6とすることができる。
【0054】
さらに、前記滑り止め部材6はステンレス鋼により構成されているので、錆の発生に伴う金属板の劣化(例えば、強度低下)を抑制することができるので、各突出部9の変形等を抑止して靴底の滑り止め効果の向上を図ることもできる。
【0055】
そして、前記実施形態のようにリベット10の頭部10aの高さ位置P1を各突出部9先端の高さ位置P2よりも低くすることにより、リベット10の頭部10aが各突出部9よりも先に靴底に当接することを抑制することができるので、当該リベット10の頭部10aによって滑り止め効果が低下するのを抑制することができる。
【0056】
ここで、前記リベット10に図4(b)に示すようなシールドリベットを採用することにより、図4(a)に示すような軸線方向に貫通するオープンリベットを使用する場合と異なり、リベット10を通って雨水や泥等が作業機械1側へ浸入するのを抑制することができる。
【0057】
なお、前記実施形態では、各突出部9が各側板部8に形成されたもの同士で互いに対向するように配置されているが、図5に示すように、前記取付部7の長手方向において、一方の側板部8に形成された各突出部9同士の間に、他方の側板部8に形成された各突出部9を配置することもできる。
【0058】
このようにすれば、側面視において一方の側板部8に形成された各突出部9と他方の側板部8に形成された各突出部9とが互い違いに配置されるので、何れかの側板部8における突出部9同士の間に靴底が降りてきた場合であっても、他方の側板部8における突出部9を靴底に係合させることができ、滑り止め効果をより確実なものにすることができる。
【0059】
また、前記実施形態では取付部7がフラットに形成されているが、図6及び図7に示すように取付部7に対し山折り部12を形成することにより、当該取付部7の厚み方向の強度をさらに向上させることができる。
【0060】
すなわち、図6及び図7に示す滑り止め部材11は、前記実施形態の構成に加えて、前記取付部7の縁部と平行する稜線L1が上方へ隆起する左右一対の山折り部12が当該取付部7に形成されている。
【0061】
これら山折り部12は、その稜線L1から前記取付部7までの高さ寸法H4が、取付部7から各突出部9までの高さ寸法H3と略同一となるように、当該取付部7が山折りにされて形成されている。
【0062】
さらに、各山折り部12には、前記稜線L1を分断する複数の切欠き部14が形成されている。これら切欠き部14は、側面視円弧状とされ、各山折り部12の対向する金属板をそれぞれ左右に貫通している。そして、これら切欠き部14の深さ寸法D1(円弧状の最も深い部分についての深さ寸法)は、前記各突出部9の高さ寸法H2と略同一とされている。また、図7に示すように、各切欠き部14は、側面視において各突出部9の間に配置されている。
【0063】
このように構成された滑り止め部材11によれば、取付部7に山折り部12が形成されているので、当該取付部7の長手方向の曲げ変形を側板部8だけでなく山折り部12によってさらに確実に抑制することができる。さらに、この構成では、側板部8と平行して山折り部12の稜線L1が隆起して形成されているので、この稜線部分と靴底とが係合することにより当該靴底が側板部8と直交する方向(左右方向)へ滑るのをより確実に抑制することができる。
【0064】
また、前記滑り止め部材11では、稜線L1から前記取付部7までの高さ寸法H4が取付部7から各突出部9までの高さ寸法H3と略同一とされているので、各突出部9と山折り部12とを跨るように靴底が降りてきたときに当該靴底を突出部9及び山折り部12の双方に同時に係合させることができ、これにより滑り止め効果をより向上させることができる。
【0065】
さらに、前記滑り止め部材11によれば、切欠き部14のエッジ(開口縁部)と靴底とを係合させることができるので、各突出部9と相俟って稜線L1(取付部7の長手方向)に沿った靴底の移動を抑制することができる。特に、各切欠き部14は、側面視において各突出部9同士の間に配置されているので(図7参照)、各突出部9を位置ずれして配置した場合(図5参照)と同様に、各突出部9同士の間に靴底が降りてきた場合であっても切欠き部14のエッジを靴底に係合させることができ、これによっても滑り止め効果を向上させることができる。
【0066】
なお、前記実施形態では、平面視長方形の取付部7を有する滑り止め部材6及び11について説明したが、取付部7の平面形状は特定方向に延びる楕円形や多角形等、特に限定されることはなく、少なくとも取付部7の長手方向に延びる縁部に沿って側板部8及び各突出部9が形成されていれば上述した効果を奏することができる。
【0067】
また、前記各実施形態の滑り止め部材6及び11の取付場所は、前記踏み場S1〜S4に限定されることはなく、本発明の滑り止め部材6又は11が適用される各種作業機械において踏み場とされる部分に適宜設定することができ、この踏み場に対し必要に応じて前記滑り止め部材6又は11を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態に係る作業機械の全体構成を示す、(a)は側面図、(b)は平面図をそれぞれ示している。
【図2】図1の滑り止め部材を拡大して示す斜視図である。
【図3】図2の滑り止め部材の側面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】突出部を位置ずれして形成した実施形態を示す側面図である。
【図6】本発明の別の実施形態に係る滑り止め部材を示す正面図である。
【図7】図6に示す滑り止め部材の側面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 作業機械
6 滑り止め部材
7 取付部
7a 長辺
8 側板部
8a 端面
9 突出部
10 リベット
10a 頭部
11 滑り止め部材
12 山折り部
14 切欠き部
L1 稜線
S1〜S4 踏み場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の金属板が折り返されることにより形成され、作業機械に設定された踏み場に設けられる滑り止め部材であって、
特定方向に延びる形状を有し、前記踏み場に取り付けられる取付部と、
この取付部の長手方向に延びる縁部に沿って前記踏み場の上方へ折り返された側板部と、
この側板部の端面から上方へ突出するとともに前記取付部の長手方向において間欠的に配置された複数の突出部とを備えていることを特徴とする滑り止め部材。
【請求項2】
前記取付部が長方形に形成されているとともに、前記側板部が取付部の両長辺に沿って一対形成されていることを特徴とする請求項1に記載の滑り止め部材。
【請求項3】
前記取付部の長手方向において、一方の側板部に形成された各突出部同士の間に、他方の側板部に形成された各突出部がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項2に記載の滑り止め部材。
【請求項4】
前記取付部には、当該取付部の縁部と平行する稜線が上方へ隆起する山折り部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の滑り止め部材。
【請求項5】
前記山折り部は、前記稜線の高さ位置が前記各突出部先端の高さ位置と略同一に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の滑り止め部材。
【請求項6】
前記山折り部には、前記稜線を分断する切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の滑り止め部材。
【請求項7】
前記金属板は、ステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の滑り止め部材。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の滑り止め部材と、この滑り止め部材を前記作業機械に取り付けるリベットとを備えた滑り止め部材の取付構造であって、前記リベットは、前記取付部と前記踏み場とを貫いた状態で両者を締結するようになっており、このリベットの頭部の高さ位置が前記各突出部先端の高さ位置よりも低くされていることを特徴とする滑り止め部材の取付構造。
【請求項9】
前記リベットは、その軸線方向について少なくとも一部が中実とされたシールドリベットであることを特徴とする請求項8に記載の滑り止め部材の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−45371(P2007−45371A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−234190(P2005−234190)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】