説明

濫用抵抗性製剤

【解決手段】 医薬組成物は、少なくとも1つの活性医薬品成分、特に個人により濫用されやすいものを含んでもよい、被覆微粒子を含み得る。被覆粒子は脂肪/蝋を含んでもよく、改善された放出制御および/または破砕抵抗性を有する。これらの被覆微粒子およびそれを含む剤形を製造する方法についてもまた、記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本明細書は、その開示を参照によって本明細書に援用する、2006年9月15日に出願された米国仮特許出願第60/845,128号明細書、2006年9月15日に出願された米国仮特許出願第60/845,127号明細書、2006年9月15日に出願された米国仮特許出願第60/845,126号明細書、2006年9月15日に出願された米国仮特許出願第60/845,151号明細書、および2006年10月10日に出願された米国仮特許出願第60/850,456号明細書の出願日の優先権を主張する2007年9月13日に出願された米国特許出願第11/900,851号明細書の一部継続出願であり、その出願日の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
例えばオピオイドオキシコドンなどの特定の薬物(本明細書では活性医薬品成分または「API」と称する)は、疼痛を低下させるために患者に投与される。これらの患者の多くにおいて功を奏する疼痛管理は、終日にわたるオピオイドの特定の血液レベルの維持を必要とする。一般に製薬産業で使用される許容可能な血液レベルを得る1つの方法は、所望の血液レベルを得るのに要するよりもはるかに多量の薬物を含有する用量を提供することである。錠剤を服用した直後の血液レベルは、摂取(Tmax)の数時間以内であることが多い比較的短時間で最大またはCmaxに達し、その後は身体が薬物を使用し処理して血液系から排出するにつれて、血液レベルは下降する。得られたCmaxが十分に高ければ、そして身体の薬物クリアランスが十分に緩慢であれば、血液レベルは4〜12時間またはさらに長きにわたり治療的なレベル以下に低下しないかもしれない。しかしオキシコドンのような薬物では、そして実のところ多数のその他の薬物では、これは非実用的かつ非効率的投与システムである。さらに患者にとっては、このような高い初期APIレベルが顕著な副作用を引き起こすリスクがある。
【0003】
薬物を投与する別の方法は、持続放出機序の使用を伴う。持続放出は多数の異なるやり方で達成でき、獲得できる多数の異なる放出プロフィールがある。単なる例示として、消化管に触れた際に利用できる流体で膨張して緩慢に浸食され、または顆粒中に含有されるAPI薬物材料の湿潤と拡散を遅延させ、それによってはるかにより低いCmaxと頻繁にはるかに長いTmaxを提供する材料を用いて、粒状材料を製造できる。理想的にはゼロ次放出が得られ、それによって頻繁には6時間以上、より好ましくは12時間以上、最も好ましくは約24時間以上である長時間にわたって、一定の放出速度および一定の血液レベルが得られる。このストラテジーは、1日に服用しなくてはならない投薬回数を低減できるだけでなく、それはまた、不必要に高い初期血液レベルによってもたらされる副作用への曝露を防止し得る。
【0004】
「陶酔状態」になるためにこれらのタイプの製品の濫用を求める者は、このような徐放、および確かにその他の放出制御戦略によって挫折する。これらの戦略は、濫用者は求めるが、通常の患者には望ましくないまたは危険な副作用とさえ見なされる、多幸感またはその他の生理学的効果を引き起こすことができる、高い血液薬物レベルを得ることを積極的に防止する。このような処方薬濫用者は、持続放出錠剤を単に噛みくだくこと、または注射のために乳鉢と乳棒を使用してそれらを破砕することなどをはじめとする様々な投与濫用手段によって、放出制御機序を回避することを学んでいる。これはAPI粒子および/または放出制御コーティングの破裂を引き起こし、または別のやり方で損なうことができ、消化および吸収により多くのAPIをより迅速に曝して、濫用者がより高い血液レベルを達成できるようにする。
【0005】
このような濫用は、かなり広範囲にわたり影響を及ぼす可能性がある。第一にそれは個人による薬物濫用を容易にし、それは濫用者の顕著な健康上の影響、さらには死亡にさえ行き着く場合がある。このような濫用の影響は、濫用者とその近親者の域をはるかに超えて広がる。実際、影響が社会に及ぶ場合もある。癌患者に必要な有用な薬物、手術後または手術前疼痛、関節炎または背部損傷からの慢性疼痛がある患者は、彼らが対処できるようにする製品が入手できなくてはならない。しかし大抵の場合これらは処方薬であり、真に非合法の禁制品よりも自由に得ることができるため、濫用の可能性について規制当局および法執行機関は常に懸念を抱いている。また彼らの健康管理費、彼らのリハビリテーション費用、彼らの薬物依存を維持するために引き起こされ得る犯罪の増加などをはじめとする、薬物使用に関連した社会的問題もある。
【0006】
剤形をより破砕抵抗性/濫用抵抗性にする方法としては、米国特許出願公開第2006/0104909号明細書および米国特許出願公開第2006/0193914号明細書で開示されるものが挙げられる。脂肪/蝋を含んでもよい様々な材料で医薬品または粒子を被覆して、味覚マスキング、持続放出、より容易な嚥下などのその他の目的を達成することもまた知られている。例えば米国特許第5,178,878号明細書、米国特許第5,607,697号明細書、米国特許第6,024,981号明細書、米国特許第6,280,770号明細書、米国特許第6,368,625号明細書、米国特許第6,692,771号明細書、米国特許第6,740,341号明細書、米国特許第2003/0180362号明細書、米国特許第2005/0163839号明細書、および米国特許第2007/0003617号明細書を参照されたい。とりわけその1つがエチルセルロースおよびHPMCを含むことができる、二層コーティングで被覆された顆粒を開示する米国特許第6,740,341号明細書もまた参照されたい。
【0007】
放出制御コーティングを回避する別のやり方は、水またはエタノールなどの溶媒によって剤形の溶解を試みることである。多くの処方薬はアルコールと共に摂取すべきではないので、後者は特に危険な可能性がある。使用するコーティング材料次第で、エタノールまたは水は溶媒として機能でき、コーティングを溶解または浸食して意図される放出制御を回避する。得られた材料は、次に薬物濫用者によって一般に経口的に、またはシリンジ投与される。
【0008】
このタイプの溶媒濫用を阻止するいくつかの技術が開発されている。経口オピオイド化合物のための1つの濫用阻止システムについては、米国特許出願公開第2006/0177380号明細書に記載されている。この開示は、シリンジ取り込みの障害物を形成するゲル形成ポリマー、および過剰な量の活性化合物を吸入すると不快感を引き起こす鼻孔/粘膜刺激物を含有する組成物について述べている。このような濫用阻止システムは、経鼻または非経口濫用経路のためにデザインされることが多い。米国特許出願公開第号明細書2006/0193914、米国特許出願公開第2006/0188447号明細書、米国特許出願公開第2006/0193782号明細書、米国特許出願公開第2006/0204573号明細書、米国特許出願公開第2002/0110595号明細書、国際公開第2006/079550号パンフレット、国際公開第2007/087452A2号パンフレット、米国特許第6,607,751号明細書、および米国特許第7,090,867号明細書もまた参照されたい。脂肪/蝋の使用については、米国特許出願公開第2004/0116352号明細書でもまたより一般的に記載されている。米国特許出願公開第5,500,227号明細書は、とりわけ持続放出を提供するためのコーティング中の蝋および脂肪アルコールの使用を開示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施態様では、本発明は、被覆されて、その中に含有されるあらゆる活性医薬品成分(「API」)の放出制御、または濫用抵抗性、特に破砕抵抗性の観点からの利点を提供する粒子を含んでなる。これは少なくともある程度は、粒子への、コーティングへの、または双方への脂肪/蝋の添加によって達成される。
【0010】
別の実施態様では、コア、コーティング、または双方の中に脂肪/蝋を含有する本発明の粒子は、同一であるかまたは異なっていてもよいその他の脂肪/蝋粒子と共に混合され、別の態様ではそれと共に剤形に調合される。これらの医薬組成物およびそれから生成される剤形は、放出制御および/または破砕抵抗性の観点から利点を提供するだけでなく、それらはまた場合によっては耐溶剤性を提供してもよく、それによって溶媒および/または破砕などの物理的力への曝露による濫用への曝露が低減された、濫用抵抗性放出制御剤形を提供する。
【0011】
別の実施態様では、本発明は、粒子重量を基準として少なくとも約0.1%の量のAPIを含んでなる放出制御API含有粒子と、約5〜約40%の量の脂肪/蝋と、被覆粒子重量を基準として約5〜約30%の脂肪/蝋を含有する破砕抵抗性コーティングとを含んでなる被覆粒子を含む。この実施態様のいくつかの態様では、被覆粒子重量を基準としてコーティングが約20〜約75重量%の量で存在する。この実施態様の被覆粒子は、粒子およびコーティングの双方に脂肪/蝋を含まない同一被覆粒子と比べて、より大きな破砕抵抗性またはより長いAPI放出の少なくとも1つを示す。
【0012】
この実施態様の別の態様では、被覆粒子は顆粒の約0.1〜約90重量%の量のAPIを含んでなる湿潤顆粒である。この実施態様のいくつかの態様では、APIは、顆粒の約1〜約90重量%の量で存在する、水には最大限でもわずかしか溶けないがアルコールには少なくともわずかに溶ける第1の材料と共に造粒される。前述の第1の材料に加えてまたはその代わりに、APIは、顆粒の約1〜約90重量%の量で存在する、アルコールには最大限でもわずかしか溶けないが水には少なくともわずかに溶ける第2の材料と共に造粒できる。粒子が湿潤顆粒の場合、それは好ましくは水およびアルコール存在下で造粒される。一態様では第1の材料はエチルセルロースであり、第2の材料はHPMCである。
【0013】
粒子のコーティングは、セルロースポリマー、メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸共重合体、およびシェラックからなる群から選択される材料をさらに含んでなり、前記コーティング材料は、アルコールベースの溶媒を使用して粒子上に付着される。一実施態様ではこのコーティング材料はエチルセルロースであり、コーティングは実質的に無水のエタノールを使用して粒子上に付着される。いくつかの実施態様では、粒子および被覆粒子の少なくとも1つが硬化される。好ましいAPIはフェンタニル、オキシコドン、およびヒドロモルホンを用いたアヘン剤であり、それらの塩類が特に好ましい。
【0014】
別の実施態様では、本発明は、組成物の約5〜約40重量%の量の脂肪/蝋粒子を含むマトリックスと、上述のあらゆるAPI含有粒子とを含んでなる医薬組成物を考察する。場合によっては、マトリックス中でのこれらの脂肪/蝋の使用は、耐溶剤性を提供してもよく、また放出速度および/または破砕に影響を及ぼしてもよい。
【0015】
これらの組成物としては、剤形の約5〜約30重量%の量で存在する、蝋、脂肪酸、および脂肪酸エステルからなる群から選択される脂肪/蝋粒子を含むマトリックスと、有効量のAPIを提供するのに十分な量のAPI含有粒子とを含んでなる、医薬品剤形が挙げられる。API含有粒子は、いくつかの態様ではAPIと脂肪/蝋を含んでなる。この実施態様のいくつかの態様では、脂肪/蝋は、蝋、脂肪酸、および脂肪酸エステルからなる群から選択され、API含有粒子重量を基準として約5〜約40%の量で存在する。この実施態様のいくつかの態様では、本発明は、約5〜約40%の脂肪/蝋を含有する破砕抵抗性コーティングを含む。いくつかのさらなる態様では、脂肪/蝋は、蝋、脂肪酸、および脂肪酸エステルからなる群から選択されて、被覆粒子重量を基準とし、コーティングは被覆粒子の約20〜約75重量%の量で存在する。1つ以上の賦形剤または追加的成分もまた、剤形中に存在してもよい。
【0016】
この実施態様のいくつかの態様では、剤形は、粒子の約1〜約90重量%の量で存在する、水には最大限でもわずかしか溶けないがアルコールには少なくともわずかに溶ける第1の材料をさらに含んでなる。なおも別の態様では、それは、粒子の約1〜約90重量%の量で存在する、アルコールには最大限でもわずかしか溶けないが水には少なくともわずかに溶ける第2の材料を含んでなる。粒子がAPI、第1および第2の材料を含んでなる湿潤顆粒である場合、それは水とアルコールの溶媒系によって造粒されることが多い。この実施態様のいくつかの態様では、コーティングは、セルロースポリマー、メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸共重合体、およびシェラックからなる群から選択されるコーティング材料をさらに含んでなり、前記コーティング材料はアルコールベースの溶媒を使用して顆粒上に付着される。この場合もやはりいくつかの態様では、被覆粒子は、剤形あたり約10μg〜約2000mg、より好ましくは10μg〜1000mgのAPIを提供するのに十分な量で剤形中に存在する。
【0017】
一態様では、第1の材料はエチルセルロースであり、第2の材料はHPMCである。別の態様では、コーティング材料はエチルセルロースであり、コーティングは実質的に無水のエタノールを使用して粒子上に付着される。粒子および/または被覆粒子は硬化されてもよい。
【0018】
別の本発明の実施態様は、水およびアルコール存在下において、水には最大限でもわずかしか溶けないがアルコールには少なくともわずかに溶ける第1の材料を含むAPIを造粒するステップを含んでなる、より長い放出および改善された破砕抵抗性放出剤形を提供する剤形を製造する方法である。いくつかの態様では、この第1の材料は顆粒の約1〜約90重量%の量で存在する。顆粒は、その代わりにまたはそれに加えて、アルコールには最大限でもわずかしか溶けないが水には少なくともわずかに溶ける第2の材料を含んでもよい。いくつかの態様では、この第2の材料は、顆粒の約1〜約90重量%の量で存在する。顆粒は、いくつかの実施態様ではまた、顆粒重量を基準として約5〜約40%の量で存在する脂肪/蝋を含んでもよい。造粒、そして任意の乾燥および/または硬化の後、顆粒は、セルロースポリマー、メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸共重合体、およびシェラックからなる群から選択される材料を含んでなるコーティングで被覆され、前記コーティング材料は、アルコールベースの溶媒を使用して前記顆粒上に付着され、いくつかの実施態様では、被覆顆粒重量を基準として約5〜約40%の量の脂肪/蝋をさらに含んでなる。コーティングは、被覆粒子重量を基準にして約20%〜約75重量%の量で提供される。この被覆顆粒は、任意に乾燥および/または硬化させてもよい。次に被覆顆粒を少なくとも1つの賦形剤と混合して配合物を形成し、配合物から個々の剤形を形成する。これとしては、被覆粒子の小包装、粒子を充填したカプセル、または被覆顆粒を使用した圧縮錠剤が挙げられる。いくつかの実施態様では、脂肪/蝋が前記顆粒に、および/または固体の非溶融形態で添加される。
【0019】
本発明の別の実施態様は、配合物が脂肪/蝋粒子を含む方法である。いくつかの実施態様では、これらの追加的脂肪/蝋粒子は、追加的破砕抵抗性、より長いAPI放出、または追加的耐溶剤性の少なくとも1つを提供するのに十分な量で提供される。脂肪/蝋は、蝋、脂肪酸、および脂肪酸エステルからなる群から選択されることが多い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例1および2に従って破砕抵抗性コーティングありまたはなしで被覆された顆粒の比較溶出結果を示す。
【図2】本発明の実施例1および2に従った破砕抵抗性コーティングありまたはなしの様々な被覆顆粒の破砕後の比較溶出プロフィールを示す。
【図3】顆粒中に異なるレベルのポリマーを含有する本発明の実施例1および5のCR被覆顆粒の溶出プロフィールを示す。
【図4】顆粒中に異なるレベルのポリマーを含有する本発明の実施例1および5のCR被覆顆粒の破砕後の溶出プロフィールを示す。
【図5】様々な比率のバリアビーズありまたはなしの様々な被覆顆粒の比較溶出結果を示す。三角形で形成された線は被覆顆粒単独を表し、ダイヤモンドで形成された線は実施例6で生成されたCelphereと被覆顆粒の50:50混合物を表し、「x」で形成された線はCelphereと被覆顆粒の75:25混合物を表し、四角形で形成された線は実施例6のCelphereと被覆顆粒の25:75混合物を表す。
【図6】実施例7に記載の材料を用いた比較試験を示す。
【図7】本発明の一実施様態に従って調製されたオキシコドンHCl(10mg)錠剤について、実施例11に記載の比較溶出プロフィールを示すグラフである。
【図8】本発明の一実施様態に従って調製されたオキシコドンHCl(80mg)錠剤について、実施例13に記載の比較溶出プロフィールを示すグラフである。
【図9】異なる百分率の被覆顆粒を含有する本発明の実施例14〜16のCR被覆顆粒の比較溶出プロフィールを示すグラフである。
【図10】Compritolも硬化もなしの被覆顆粒と比べた、コーティング中のみにCompritolがある被覆顆粒を硬化することの、ヒドロモルホンHCl放出に対する影響を示す。
【図11】Compritolも硬化もなしの被覆顆粒と比べた、コア中のみにCompritolがある被覆顆粒を硬化することの、ヒドロモルホンHCl放出に対する影響を示す。
【図12】被覆顆粒(50%被覆、Compritolも硬化もなし)からのヒドロモルホンHCl放出に対する、硬化なしでコアにCompritolを添加することの影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−06B(Compritolなし)を表し、白抜き四角形はロット3766−33(20%Compritol)を表す。
【図13】破砕された被覆顆粒(50%被覆、Compritolも硬化もなし)からのヒドロモルホンHCl放出に対する、硬化なしでコアにCompritolを添加することの影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−06B(Compritolなし)を表し、白抜き四角形はロット3766−33(20%Compritol)を表す。
【図14】被覆顆粒(50%被覆、Compritolも硬化もなし)からのヒドロモルホンHCl放出に対する、コアにCompritolを添加して硬化することの影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−06Bを表し(Compritolなし)、白抜き四角形はロット3766−38(20%Compritol、硬化あり)を表す。
【図15】破砕された被覆顆粒(50%被覆、Compritolも硬化もなし)からのヒドロモルホンHCl放出に対する、コアにCompritolを添加して硬化することの影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−06Bを表し(Compritolなし)、白抜き四角形はロット3766−38(20%Compritol、硬化あり)を表す。
【図16】被覆顆粒(Compritolによる50%被覆、硬化あり)からのヒドロモルホンHCl放出に対する、コア中のCompritolレベルの影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット4002−31B(10%Compritol、硬化顆粒硬化コーティング)を表し、白抜き四角形はロット4002−21(20%Compritol、硬化顆粒硬化コーティング)を表す。
【図17】破砕された被覆顆粒(Compritolによる50%被覆、硬化あり)からのヒドロモルホンHCl放出に対する、コア中のCompritolレベルの影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット4002−31B(10%Compritol、硬化顆粒硬化コーティング)を表し、白抜き四角形はロット4002−21(20%Compritol、硬化顆粒硬化コーティング)を表す。
【図18】被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する、硬化なしでコーティングにCompritolを添加する(ステアリン酸マグネシウムを置き換える)ことの影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−06B(Compritolなし)を表し、白抜き四角形はロット3766−27A(Compritol)を表す。
【図19】破砕された被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する、硬化なしでコーティングにCompritolを添加する(ステアリン酸マグネシウムを置き換える)ことの影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−06B(Compritolなし)を表し、白抜き四角形はロット3766−27A(Compritol)を表す。
【図20】被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する、コーティングにCompritolを添加して(ステアリン酸マグネシウムを置き換える)硬化することの影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−06B(Compritolなし)を表し、白抜き四角形はロット3766−27B(Compritol、硬化あり)を表す。
【図21】破砕された被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する、コーティングにCompritolを添加して(ステアリン酸マグネシウムを置き換える)硬化することの影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−06B(Compritolなし)を表し、白抜き四角形はロット3766−27B(Compritol、硬化あり)を表す。
【図22】被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する、どちらも硬化されないコア(20%)およびコーティングにCompritolを添加することの影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−06B(コアにもコーティングにもCompritolなし、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット4002−40A(コアおよびコーティングにCompritolあり、硬化なし)を表す。
【図23】破砕された被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する、どちらも硬化されないコア(20%)およびコーティングにCompritolを添加することの影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−06B(コアにもコーティングにもCompritolなし、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット4002−40A(コアおよびコーティングにCompritolあり、硬化なし)を表す。
【図24】硬化なしでコアのみにCompritolを添加する(50%被覆)ことと比べた、どちらも硬化されないコアおよびコーティングにCompritol(20%)を添加することの、被覆顆粒からの放出に対する影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−33(コアにCompritol、コーティングにはなし、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット4002−40A(コアおよびコーティングにCompritol、硬化なし)を表す。
【図25】硬化なしでコアのみにCompritolを添加する(50%被覆)ことと比べた、どちらも硬化されないコア(20%)およびコーティングにCompritolを添加することの、破砕された被覆顆粒からの放出に対する影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−33(コアにCompritol、コーティングにはなし、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット4002−40A(コアおよびコーティングにCompritol、硬化なし)を表す。
【図26】硬化なしでコーティングのみにCompritolを添加する(50%被覆)ことと比べた、どちらも硬化されないコア(20%)およびコーティングにCompritolを添加することの、被覆顆粒からの放出に対する影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−27A(コーティングにCompritol、コアにはなし、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット4002−40A(コアおよびコーティングにCompritol、硬化なし)を表す。
【図27】硬化なしでコーティングのみにCompritolを添加する(50%被覆)ことと比べた、どちらも硬化されないコア(20%)およびコーティングにCompritolを添加することの、破砕された被覆顆粒からの放出に対する影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−27A(コーティングにCompritol、コアにはなし、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット4002−40A(コアおよびコーティングにCompritol、硬化なし)を表す。
【図28】硬化なしでコーティング中のみにCompritolを添加する(50%被覆)ことと比べた、硬化なしでコア中のみ(20%)にCompritolを添加することの、被覆顆粒からの放出に対する影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−33(コアにCompritol、コーティングにはなし、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット3766−27A(コーティングにCompritol、コアにはなし、硬化なし)を表す。
【図29】硬化なしでコーティング中のみにCompritolを添加する(50%被覆)ことと比べた、硬化なしでコア中のみ(20%)にCompritolを添加することの、破砕された被覆顆粒からの放出に対する影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−33(コアにCompritol、コーティングにはなし、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット3766−27A(コーティングにCompritol、コアにはなし、硬化なし)を表す。
【図30】被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する、コア(20%)およびコーティングにCompritolを添加してどちらも硬化することの影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−06B(コアまたはコーティング中のどちらにもCompritolなし、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット4002−21(コアおよびコーティングにCompritol、硬化あり)を表す。
【図31】破砕された被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する、コア(20%)およびコーティングにCompritolを添加してどちらも硬化することの影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−06B(コアまたはコーティング中のどちらにもCompritolなし、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット4002−21(コアおよびコーティングにCompritol、硬化あり)を表す。
【図32】コア中のみにCompritolを添加して(50%被覆)硬化することと比べた、コア(20%)およびコーティングにCompritolを添加してどちらも硬化することの、被覆顆粒からの放出に対する影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−38(コアにCompritol、コーティングにはなし、硬化あり)を表し、白抜き四角形はロット4002−21(コアおよびコーティングにCompritol、硬化あり)を表す。
【図33】コア中のみにCompritolを添加して(50%被覆)硬化することと比べた、コア(20%)およびコーティングにCompritolを添加してどちらも硬化することの、破砕された被覆顆粒からの放出に対する影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−38(コアにCompritol、コーティングにはなし、硬化あり)を表し、白抜き四角形はロット4002−21(コアおよびコーティングにCompritol、硬化あり)を表す。
【図34】コーティング中のみにCompritolを添加して(50%被覆)硬化することと比べた、コア(20%)およびコーティングにCompritolを添加してどちらも硬化することの、被覆顆粒からの放出に対する影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−27B(コーティングにCompritol、コアにはなし、硬化あり)を表し、白抜き四角形はロット4002−21(コアおよびコーティングにCompritol、硬化あり)を表す。
【図35】コーティング中のみにCompritolを添加して(50%被覆)硬化することと比べた、コア(20%)およびコーティングにCompritolを添加してどちらも硬化することの、破砕された被覆顆粒からの放出に対する影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−27B(コーティングにCompritol、コアにはなし、硬化あり)を表し、白抜き四角形はロット4002−21(コアおよびコーティングにCompritol、硬化あり)を表す。
【図36】コーティング中のみにCompritolを添加して(50%被覆)硬化することと比べた、コア中(20%)のみにCompritolを添加して硬化することの、通常溶出における影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−38(コアにCompritol、コーティングにはなし、硬化あり)を表し、白抜き四角形はロット3766−27B(コーティングにCompritol、コアにはなし、硬化あり)を表す。
【図37】コーティング中のみにCompritolを添加して(50%被覆)硬化することと比べた、コア中(20%)のみにCompritolを添加して硬化することの、破砕溶出における影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−38(コアにCompritol、コーティングにはなし、硬化あり)を表し、白抜き四角形はロット3766−27B(コーティングにCompritol、コアにはなし、硬化あり)を表す。
【図38】コアに20%CompritolがありコーティングにCompritolがない被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する硬化の影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−33(コアにCompritol、コーティングにはなし、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット3766−38(コアにCompritol、コーティングにはなし、硬化あり)を表す。
【図39】コアに20%CompritolがありコーティングにCompritolがない破砕された被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する硬化の影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−33(コアにCompritol、コーティングにはなし、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット3766−38(コアにCompritol、コーティングにはなし、硬化あり)を表す。
【図40】コアにCompritolがないがコーティングにCompritolがある被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する硬化の影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−27A(コーティングにCompritol、コアにはなし、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット3766―27B(コーティングにCompritol、コアにはなし、硬化あり)を表す。
【図41】コアにCompritolがないがコーティングにCompritolがある破砕された被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する硬化の影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット3766−27A(コーティングにCompritol、コアにはなし、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット3766―27B(コーティングにCompritol、コアにはなし、硬化あり)を表す。
【図42】コアにCompritol(20%)およびコーティングにCompritolがある被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する硬化の影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット4002−40A(コアおよびコーティングにCompritol、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット4002−21(コアおよびコーティングにCompritol、硬化あり)を表す。
【図43】コアにCompritol(20%)およびコーティングにCompritolがある破砕された被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する硬化の影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット4002−40A(コアおよびコーティングにCompritol、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット4002−21(コアおよびコーティングにCompritol、硬化あり)を表す。
【図44】コアにCompritol(10%)およびコーティングにCompritolがある被覆顆粒(40%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する硬化の影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット4002−54(コアおよびコーティングにCompritol、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット4002−46(コアおよびコーティングにCompritol、硬化あり)を表す。
【図45】コアにCompritol(10%)およびコーティングにCompritolがある破砕された被覆顆粒(50%被覆)からのヒドロモルホンHCl放出に対する硬化の影響を示し、黒塗りダイヤモンドはロット4002−54(コアおよびコーティングにCompritol、硬化なし)を表し、白抜き四角形はロット4002−46(コアおよびコーティングにCompritol、硬化あり)を表す。
【図46】ヒドロモルホン被覆顆粒ロットLB4002−73、76、79に対する通常溶出結果の比較を示し、黒塗りダイヤモンドはロットLB4002−73(コアおよびコーティングにカルナバ蝋、硬化なし)を表し、xはロットLB4002−54(コアおよびコーティングにCompritol、硬化なし)を表し、黒塗り四角形はロットLB4002−76(コアおよびコーティングにGelucire 50/13、硬化なし)を表し、*はロットLB3766−33(コアにCompritol、コーティングにはなし、硬化なし)を表し、黒塗り三角形はロットLB4002―79(コアにGelucire 33/01、コーティングにはなし、硬化なし)を表す。
【図47】ヒドロモルホン被覆顆粒ロットLB4002−73、76、79に対する破砕溶出結果の比較を示し、黒塗りダイヤモンドはロットLB4002−73(コアおよびコーティングにカルナバ蝋、硬化なし)を表し、xはロットLB4002−54(コアおよびコーティングにCompritol、硬化なし)を表し、黒塗り四角形はロットLB4002−76(コアおよびコーティングにGelucire 50/13、硬化なし)を表し、*はロットLB3766−33(コアにCompritol、コーティングにはなし、硬化なし)を表し、黒塗り三角形はロットLB4002―79(コアにGelucire 33/01、コーティングにはなし、硬化なし)を表す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
明細書の請求項からその請求範囲は特定され明確とされているが、本発明は次の説明からより良く理解されると考えられる。本明細書で使用される全ての百分率および比率は、特に断りのない限り、文脈に応じて剤形全体、または被覆粒子重量を基準とする。全ての測定は、特に断りのない限り25℃および常圧で行った。全ての温度は特に断りのない限り摂氏である。本発明は、本発明の構成要素ならびに本明細書に記載されているその他の成分または要素を含んでなり、またはそれから本質的になることができる。本明細書での用法では「含んでなる」とは、列挙された要素、または構造または機能におけるそれらの同等物、さらに列挙されないあらゆるその他の1つの要素または複数の要素を意味する。「有する」および「含む」という用語もまた、特に断りがない限り制約がないものとして解釈される。本明細書での用法では「本質的になる」とは、追加的成分が特許請求される発明の基本的および新しい特徴を実質的に変更しない場合に限って、本発明が、請求の範囲で列挙されるものに加えて追加的成分を含んでもよいことを意味する。好ましくはこのような添加剤は全く存在せず、または微量でのみ存在する。しかし化合物の有用性(有用性の程度とは対照的に)が保たれさえすれば、本発明の基本的および新しい特徴を実質的に変更できる約10重量%までの材料を含むことが可能となり得る。本明細書で列挙される全ての範囲は、2つの値の「間」の範囲を列挙するものをはじめとする、終点を含む。「約」、「一般に」、「実質的に」などの用語は、絶対的でないように用語または値を修飾するものと解釈されるが、先行技術と読み替えられるものではない。このような用語は当業者によって理解されるように、状況およびそれらが修飾する用語によって規定される。これは最低でも、値を測定するために使用される所与の技術に関わる、予期される実験誤差、技術誤差、および計器誤差の程度を含む。
【0022】
明細書および請求の範囲は、本発明の錠剤またはその他の剤形が、例えば特定の粒度または分布を有する、または例えば非直接圧縮糖などの特定のタイプである、粒子を含有することに言及するかもしれないが、最終剤形から記述が満たされたかどうか見分けることは困難かもしれないことに留意されたい。しかし例えば最終混合および錠剤処方に先だって使用される材料がその記述を満たせば、このような記述は満たされ得る。別の例では、完成錠剤中に実際に存在する被覆活性医薬品成分(「API」)含有顆粒の重量増加を知ることは困難かもしれないが、錠剤を作るのに使用される被覆API含有顆粒が、最終混合および圧縮ステップに先だって所望のコーティングレベルを示すと判定されればそれで十分である。実際剤形から直接見極めることができない剤形のあらゆる特質については、調合物から剤形が生成される直前に、その中にその特質が存在すれば十分である。
【0023】
一実施態様では本発明は、粒子またはコーティングの1つが脂肪/蝋を含んでなる被覆粒子を包含する。コーティングまたは粒子内の脂肪/蝋の存在は改善された医薬品送達特性を提供し、特にAPI放出時間を延長し、および/または追加的破砕抵抗性を提供することが発見された。これはその他の点では同一に構築される、本明細書に記載されている脂肪/蝋を含有しない被覆粒子と比較される。
【0024】
別の実施態様では、本発明に従った被覆粒子は、粒子およびコーティング双方の中に脂肪/蝋を含んでもよい。この実施態様では、被覆粒子は、粒子およびコーティングのどちらにも脂肪/蝋を含まない同一の被覆粒子と比較すると、改善された破砕抵抗性またはより長いAPI放出の少なくとも1つを示す。別の実施態様では、本発明は、特に個人による濫用を被りやすいものである少なくとも1つのAPIを顆粒の約0.1〜約90重量%の量で含んでなる、顆粒である粒子であってもよい。このAPIは少なくとも1つの材料と共に造粒され、APIおよび少なくとも1つの材料は水とアルコールの混合溶媒系存在下で造粒される。なおも別の実施態様では、粒子は、APIと、水およびアルコール中で溶出挙動が異なる2種の別々の材料との顆粒である。これらの顆粒もまた、脂肪/蝋を含んでもよい。
【0025】
「粒子」という用語は、非限定的な例として、粉末、結晶、非晶質固体、コア、顆粒、微結晶、微粒剤、微粒子、ミニ錠剤などを含むように広義に解釈することが意図される。
【0026】
「コーティング」という用語は、粒子を実質的に取り囲んで、非限定的な例として、味覚マスキング、貯蔵安定性、反応性低下、放出制御、および/または濫用抵抗性などのいくつかの追加的機能を提供する材料を包含することが意図される。「放出制御」という用語は、経時的API放出を延長し/またはパターン化する持続放出、ならびに腸内放出などの遅延放出の双方を包含する。放出制御または「CR」被覆粒子は、一実施態様では、通常の即効型剤形からの放出時間を超えて、API放出を約6時間以上、より好ましくは12〜約24時間以上延長させる。好ましい遅延放出被覆粒子は、剤形または被覆粒子が腸に入るまで放出を防止することを含む。
【0027】
本発明の文脈で「濫用抵抗性」は、一般に、物理的力(例えば破砕)または溶媒のどちらかを適用した後に、時期尚早に放出されるAPIの量を低下させることを指す。
【0028】
粒子は、API単独、球体またはノンパレイユ上に被覆されたAPI、非薬物/API粒子の混合物、または湿潤または乾燥顆粒から構成されることができる。これらの粒子は、本明細書に記載されているような脂肪/蝋を含んでもよい。好ましい実施態様では、API含有粒子は破砕抵抗性、放出制御、または双方を提供するのを助ける湿潤顆粒である。湿潤顆粒は、より小さい粒子であることが多い粒子を造粒機内で共に結合させる処理である、湿式造粒によって形成される凝集塊である。
【0029】
APIそれ自体を粒子として使用する場合、それは粒子の100重量%を構成する。粒子が混合物である、コア上に被覆される、または顆粒である場合、APIは一般に粒子の約0.1%〜約90重量%を構成する。この重量は粒子の乾燥重量を基準とする。特定例では、APIが顆粒の約0.1〜約90重量%であり、残りはバインダー、その他の粒子、造粒賦形剤などでもよい。別の実施態様では、APIは粒子の約1〜約80、より好ましくは約20〜約60重量%の量で存在する。これは被覆粒子でなく、未被覆顆粒調合物重量を基準とする。
【0030】
粒子が湿式造粒される場合、それらは、別々にまたは一緒に添加できるあらゆる溶媒および/またはバインダーを使用して形成できる。しかし塗布されおよび/または水とアルコールの溶媒系によって造粒される特定のバインダーを使用することで、破砕抵抗性が得られまたは増強できることが発見されている。一実施態様では、溶媒混合物中の水の量は、溶媒の約5〜約50重量%、より好ましくは約10〜約40重量%、最も好ましくは約20〜約30重量%の範囲である。本明細書で定義されるあらゆるアルコールを使用してもよいが、C〜C直鎖アルコールが好ましく、最も好ましいのはエタノールである。
【0031】
本発明に従ったアルコールまたはアルコールベースの溶媒とは、一般に少なくとも約90%のC〜Cアルコール、より好ましくはC〜Cアルコールと、最大限でも約10容積%の水とを含む材料を意味する。より好ましくはアルコールはエタノールであり、それは少なくとも約95容積%がアルコールで残りは水である。約99容積%を超えるエタノールを含有する無水エタノールもまた使用してもよい。
【0032】
一実施態様では、顆粒は、時折「第1の材料」と称される少なくとも1つのその他の材料を含む。一実施態様では、この第1の材料は、アルコールには少なくともわずかに溶け、好ましくは可溶性であり、水には最大限でもわずかしか溶けないポリマーである。一般にこの第1の材料は、天然および合成デンプン、天然のおよび合成セルロース、アクリル樹脂、ビニルおよび樹脂から選択される。より好ましくは第1の材料は、エチルセルロース、Eudragit RS、RL、E、NE、L、S、およびシェラックから選択される。最も好ましくは、第1の材料はエチルセルロースである。この第1の材料は固体として添加でき、溶媒に溶解でき、または双方の形態で造粒工程に添加できる。
【0033】
顆粒はまた、水には少なくともわずかに溶けて、好ましくは可溶性であり、アルコールには最大限でもわずかしか溶けない「第2の材料」も含むことができる。この第2の材料は、第1の材料のように固体として添加でき、溶媒に溶解でき、または双方の形態で造粒工程に添加できる。このような第2の材料の1つはHPMCである。
【0034】
その他の第2の材料は、第1の材料と同一の一般カテゴリー、すなわち天然および合成デンプン、天然および合成セルロース、アクリレート、およびポリアルキレン酸化物から選択されてもよい。天然および合成セルロースが、第1および第2のわずかに溶ける材料の双方にとって好ましい。特に好ましい実施態様では、第2のゲル化可能材料とも称することができる第2の材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)ヒドロキシメチルセルロース(HMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの変性セルロースである。しかし第2の材料は、上で考察したように一般に水溶性で、一般にアルコールに不溶性のC〜Cアルコールである。
【0035】
上述のようにいくつかの実施態様では、粒子は、水には最大限でも「わずかしか溶けない」がアルコールには少なくともわずかに溶ける第1の材料、およびアルコールには最大限でも「わずかしか溶けない」が水には少なくともやや溶ける第2の材料、およびAPIを含む。「わずかしか溶けない」とは、材料が一般に溶媒に可溶性であるが、対象となる材料1部を可溶化するのに約100〜1000部の溶媒を要することを意味する。材料はより大きな容積中に溶解性または分散性であってもよい。やや溶けるとは、1部の溶質を溶解するのに30〜100部の溶媒を要することを意味する。しかし別の実施態様では、第1および第2の材料の水とアルコール間の溶解度のギャップはより大きい。したがって一実施態様では、第1の材料はわずかにのみ水溶性であるが、それはアルコールには少なくともやや溶ける(わずかにのみ溶けるよりも可溶性である)。第2の材料については逆であり、それはアルコールには最大限でもわずかにのみ溶けるが、水には少なくともやや溶ける。
【0036】
特に好ましい実施態様では、第1の材料はエチルセルロースである。エチルセルロースは不活性の疎水性ポリマーであり、本質的に無味無臭無色でノンカロリーおよび生理学的に不活性である。ここで検討するアルコール溶解性などのその他の要件を満たしさえすれば、使用できる多くのタイプのエチルセルロースがある。使用されるエチルセルロースは、全てAqualon,Hercules Research center,Wilmington,DEから入手できる、48.0〜49.5%のN−タイプと述べられているもの、49.6〜51.5%のT−タイプと述べられているもの、50.5〜52.5%のX−タイプと述べられているものなどの異なるエトキシ含量を有することができる。
【0037】
使用されるエチルセルロースは、トルエン:エタノール(80:20)中で5%w/w溶液を形成する5.6〜8.0センチポアズ(cps)の粘度範囲を有するN7と述べられているN−タイプのECポリマー、8.0〜11cpsの粘度範囲を有するN10と述べられているもの、12〜16cpsの粘度範囲を有するN14と述べられているもの、18〜24cpsの粘度範囲を有するN22と述べられているもの、40〜52cpsの粘度範囲を有するN50と述べられているもの、80〜105cpsの粘度範囲を有するN100と述べられているものなどの異なる分子量を有することができる。
【0038】
最後にエチルセルロースは、無水グルコース単位あたり、X−タイプでは2.65〜2.81などの異なる程度のエトキシ基の置換を含むことができる。N−タイプは2.46〜2.58の値を有する。
【0039】
顆粒中でHPMCが第2の材料として使用される場合、使用されるHPMCは異なるメチルとヒドロキシプロピルとの置換%比率を有することができ、A−タイプでは30:0、E−タイプでは29:8.5、F−タイプでは28:5、K−タイプでは22:8に及び、これらは全てDOW Chemical Company,Midland,MIから入手でき、またはあらゆるその他のHPMCポリマーはAqualonなどのその他の供給元から入手できる。
【0040】
使用されるHPMCは、20℃で2%w/w水溶液を形成するHPMCポリマーなどの異なる分子量を有することができ、A−タイプでは15〜4000mPa.s、E−タイプでは3〜10,000、F―タイプでは50〜4000、およびK−タイプでは3〜100,000に及ぶ粘度を有する。
【0041】
コーティング前に、API含有粒子は、篩振盪法による試験で好ましくは約100〜約600μm、より好ましくは約150〜約500μm、最も好ましくは約200〜約400μmの平均粒度を有する。別の好ましい実施態様では、被覆前API含有粒子は、好ましくは約10%以下が50μm未満であり、10%以下が700μmを超える粒径分布を有する。もちろん過大および過小であるものは廃棄できる。これらの粒度は篩振盪法によって、重量を基準にして判定される。
【0042】
本発明に従ったいくつかの粒子は、破砕抵抗性、耐溶剤性、または双方の観点から濫用抵抗性を提供できる。これらの目標を達成できる特に好ましい1つの粒子タイプは、前述したように水とエタノールの溶媒系から造粒される、エチルセルロースおよびHPMCがあるAPI含有顆粒である。
【0043】
剤形を安全に溶解するのに利用できる、容易に入手できる溶媒はわずかしかない。水は確かにその1つである。エタノールは危険であるが、それに次ぐ。その他の溶媒も入手できるかもしれないが、それらは得るのが不便であることが多く、および/または常習者でさえも無視できかねる消耗性の恒久的な副作用を有し得る。例えばメタノールまたは木精は容易に見つけられる。しかしそれは失明を引き起こし得る。本発明のこの実施態様は、限定容積のアルコール、水、またはその混合物に曝露すると、不溶性の塊からゲルから粘稠なスラリーに及ぶ注射不能な塊を形成する2つの材料を利用する。それはまた、これらの溶媒中における溶解を遅らせるかもしれない。
【0044】
「限定容積」については、例えば水には最大限でもわずかしか溶けない(がエタノールには少なくともわずかに溶ける)少量の材料(例えばエチルセルロースなど)が、それでもなお十分な溶媒があれば十分に溶解、分散、または少なくとも希釈でき、注射不能な塊を形成できないことが理解されるであろう。したがって例えば本発明に従った錠剤はひとたび溶解すると、不溶性の塊やゲルを形成でき、またはさもなければ20mLの水の粘度を十分に増大させて注射を遅らせる一方で、それは例えば1L以上の水の特性を変えることがほとんどない。もちろんこのような状況でその1Lを身体に注射して、所望される「陶酔状態」を得ることは困難であろう。
【0045】
顆粒中にある第2の材料は、第2のわずかに溶ける材料である。この材料は、アルコールには最大限でもわずかしか溶けないが、同一容積の水には可溶性であることが多い。第1のわずかに溶ける材料のように、摂取または注射しても安全であり、特定条件下で注射不能な塊を形成できるあらゆる材料が考察される。顆粒中に存在する第2のわずかに溶ける材料の量は、第1のゲル化可能材料との関連で前述したのと同一の基準に左右される。
【0046】
一般に本発明に従った限定容積とは、50ミリリットル以下、より好ましくは20ミリリットル以下、なおもより好ましくは10ミリリットル以下、最も好ましくは5ミリリットル以下(注射できる容積)と定義される。したがって剤形中で使用される第1のわずかに溶ける材料は、注射不能な塊を形成するタイプであり、注射不能な塊を形成するのに十分な量で利用できなくてはならず、第2のわずかに溶ける材料は、限定容積の水、アルコールまたは双方の中に双方を含有する剤形が溶解された場合に(部分的に溶解すること、またはそれを溶解する試みを含む)、同じことができなくてはならない。
【0047】
一般に第1の材料および第2の材料の双方は、所望の特性や使用されるAPIなどに応じて、顆粒中にそれぞれ顆粒の約1%〜約90重量%の量で提供される。しかし一般に顆粒中の第1の材料の量は、未被覆顆粒の約1〜約90重量%に及ぶ。別の実施態様では第1の材料は顆粒の約5〜約75重量%、さらに別の実施態様では約10〜約40%の量で存在する。第2の材料については、一実施態様ではそれは顆粒の約10〜約75重量%、別の実施態様では顆粒の約15〜約50重量%に及ぶ。全ての賦形剤(API以外の全て)に関しては、未被覆粒子中の総量は被覆顆粒の約10〜約99.9重量%に及ぶことができる。被覆顆粒の百分率として述べると、量は一般に約60%〜約90重量%に及ぶ。
【0048】
本発明に従った第1または第2のわずかに溶ける材料に関しては、特定の粒度制限はない。しかし材料は、注射不能な塊を迅速に形成するそれらの能力を増強するように、十分に小さくなくてはならない。
【0049】
上述のように、顆粒は第1のわずかに溶ける材料および第2のわずかに溶ける材料を含んでなる。しかし顆粒は、水には最大限でもわずかしか溶けなくてアルコールには少なくともわずかに溶ける2つ以上の材料、および/またはアルコールには最大限でもわずかしか溶けないが水には少なくともわずかに溶ける2つ以上の第2の材料を含んでもよい。さらに必要に応じて、第3またはそれ以上のわずかに溶ける材料を添加して、同様のレベルの溶媒濫用抵抗性を提供してもよい。その他の従来の造粒賦形剤もまた存在してもよい。
【0050】
APIに加えて、被覆粒子は、いくつかの実施態様ではコーティングの代わりにまたはそれに加えて、粒子の一部であってもよい脂肪/蝋を含む。脂肪/蝋は、その他の追加的成分ありまたはなしでAPIと共に造粒できる。しかし好ましくは本明細書で既述したように、それは第1の材料そしてなおもより好ましくは第1および第2の材料と共に造粒される。もちろんこれらの材料は単に共に混合でき、および/または共に乾式造粒でき、または粒子およびAPIは脂肪/蝋の離散した粒子内またはその上に包埋できる。
【0051】
API含有粒子内に存在する場合、脂肪/蝋は一般に粒子の約5%〜約40重量%、より好ましくは未被覆粒子の約5%〜約30重量%を構成する。しかしこれらの百分率は、粒子中に含有される追加的材料の数に応じて変動してもよい。したがって例えば脂肪/蝋は、第1の材料のみを使用する顆粒、および例えばエチルセルロースとHPMCの双方を含む顆粒のより大きな重量百分率を構成してもよい。
【0052】
好ましくは本発明の(コアとも称される)粒子およびコーティング中で使用され、実際に組成物および剤形中のマトリックスまたは賦形剤中で使用される脂肪/蝋は、疎水性であり室温(25℃)において固体である。脂肪は一般に約6以下、より好ましくは4以下、最も好ましくは2以下の親水性/親油性バランス(HLB)を有し、また好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃、なおもより好ましくは50℃の融点も有する脂肪酸ベースの化合物である。一実施態様では、脂肪は約6以下のHLB、および約30℃以上の融点を有する。別の実施態様では、それは約4以下のHLBおよび約40℃以上の融点を有する。別の実施態様では、脂肪は約2以下のHLBおよび約50℃以上の融点を有する。本発明に従った脂肪酸および脂肪酸エステルをはじめとする脂肪は、置換または非置換、飽和または不飽和であってもよい。しかし一般にそれらは、少なくとも約14の鎖長を有する。対象となるエステルは、アルコールに、グリコールに、特に好ましい実施態様ではグリセロールに結合する脂肪酸基を含んでもよい。グリセロールに関しては、例えば一、二、および三脂肪酸置換グリセロール、およびそれらの混合物が考察される。チキソトロピー脂肪/蝋もまた使用できる。
【0053】
適切な脂肪成分の非限定的な例としては、例えばベヘン酸グリセロール(Compritol(登録商標))、パルミトステアリン酸グリセリン(PRECIROL(登録商標))、ステアロイルマクログリセリド(Gelucire(登録商標)50/13)などの、グリセロール脂肪酸エステル、脂肪グリセリド誘導体、蝋、および脂肪アルコールが挙げられる。本発明に従って有用な特に好ましい材料は、ベヘン酸グリセロールである。
【0054】
蝋は非常に複雑であり、分類が困難である。その本文を参照によって援用する、Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology(4th ed.1998)Vol.25 pp.614−26を参照されたい。それらは脂肪について既述した基準(例えば約6以下のHLBおよび30℃以上の融点、約4以下のHLBおよび約40℃以上の融点、約2以下のHLBおよび約50℃以上の融点)を満たすことが多いが、これらの基準を満たさない蝋もまた使用してもよい。蝋の非限定的な例としては、昆虫および動物性蝋、植物性蝋、鉱蝋、石油蝋、および合成蝋が挙げられる。特に好ましいのは、蜜蝋、カルナウバ蝋、カンデリラ蝋、モンタン蝋、オーリクリー蝋、米糠蝋、ホホバ蝋、微結晶蝋、セチルエステル蝋、アニオン性乳化蝋、非イオン性乳化蝋、およびパラフィン蝋である。一実施態様では、脂肪/蝋はグリセロールの脂肪酸エステルである。別の施態様では、グリセロールの脂肪酸エステルはベヘン酸グリセロールである。
【0055】
図46および47に示されるように、被覆顆粒はカルナウバ蝋(Strath and Pitsch,West Babylon,New York、ロット番号21293/07)、Gelucire 50−13およびGelucire 33−01(どちらもGattefosse,Paramus,New Jerseyから、それぞれロット番号106058および102590)をはじめとする異なる脂肪/蝋を使用して調製される。Gelucire 50−13は50℃前後の融解範囲を有し、HLBは13である。Gelucire 33−01は約33℃の融解範囲を有し、HLBは1である。試験された調合物は、実施例8、44、および45に従って調製された。Gelucire 50−13がコアおよびコーティングの双方の中で使用されたのに対し、Gelucire 33−01粒子は、コーティング中でなくコア中のみで脂肪/蝋を使用したことに留意されたい。
【0056】
図を検討すると、カルナウバ蝋およびGelucire 33−01がよく機能することは明らかである。カルナウバ蝋は蝋であり、Gelucire 33/01はグリセロールの脂肪酸エステルすなわち置換脂肪酸エステルである。Gelucire 50−13はより劣る結果を提供する。それは脂肪酸エステル誘導体であり望ましい50℃以上の融点を有するが、そのHLBは13でありそれを過度に親水性にする。既述したように、記載されている材料の範囲内に構造的に入る全ての脂肪材料が、適切に機能するわけではない。約30℃以上の融点および6未満のHLBの双方があるもののみが、適切に機能することが分かった。より好ましくは脂肪は約40℃以上の融点および約4以下のHLBを有し、最も好ましくは約50℃以上の融点および約2以下のHLBを有する。例えばCompritol ATO 888(一般に実施例で使用される)は、約65℃以上の融点を有しHLBは2である。
【0057】
扱いが非常に困難でありコアの中にのみ配置されるのにもかかわらずGelucire 33−01は非常に良く機能し、カルナウバ蝋も非常に良く機能する。その一般により低い融点は、工業規模での扱いをより困難にするかもしれない。しかしGelucire 33−01は、融点がここで検討される終点に近い材料でさえ、事実上、功を奏する粒子および調合物を提供し得ることを実証する。
【0058】
より好ましくはこれらの材料はまた、1つ以上の医薬品集に記載され、すなわちそれらは経口医薬品での使用について承認されている。
【0059】
本発明に従って使用される脂肪/蝋は、溶融形態で使用されてもよい。しかし室温で比較的小型の粒子などの概して固体の非溶融形態として使用された場合でも、それらは溶融材料の利点の全部ではないとしてもいくらかを提供できることが発見されている。粒子、コーティングまたはマトリックスの適切な形成を可能にし、本発明の所望の特性を提供する、あらゆる使用可能な粒度を使用してもよい。しかし一実施態様では、実施例で使用されるCompritol材料について、全てレーザー回折を使用した容積による測定で平均粒度は約30〜約60μmに及び、10%未満が約100μmよりも大きい。しかしより広い範囲ももちろん考察され、したがって脂肪/蝋についてレーザー回析による測定で約10〜約100μmの平均粒度を有する粒子が考察される。実施例で使用されるカルナウバ蝋は少なくとも65%が75ミクロン孔の篩を通過し、少なくとも40%が44ミクロン孔の篩を通過する粒度を有する。これはまた、レーザー回析によって測定される粒度範囲を満たす。
【0060】
一般に造粒で使用されるバインダーは、(濡らすとバインダーの役割を果たす乾燥材料に溶媒を添加して)原位置で形成されてもよく、または溶媒上にスプレーされ、またはそれと混合されてもよい。場合によっては溶媒それ自体がバインダーの役割を果たす。さらに顆粒中に含有される成分の1つ以上をバインダーの一部として、および/または溶媒系の一部として導入できる。したがって例えばAPIは溶解、分散、懸濁でき、または溶媒および/またはバインダーと混合して、第1および/または第2のわずかに溶ける材料の微粒子表面、または顆粒のその他の構成要素に塗布できる。これはまた、既述の賦形剤についても当てはまる。存在する場合、脂肪/蝋は造粒中に乾燥微粒子として添加される。コーティングでは、それはコーティング溶液中に分散される。
【0061】
本発明に従って顆粒を形成するのに使用してもよい賦形剤としては、伝統的に経口剤形で使用されるものが挙げられる。好ましい実施態様では顆粒は必要に応じてあらゆる賦形剤を含んでもよく、それを造粒機中に量り入れる。
【0062】
本発明に従って顆粒を製造することは、改善された破砕抵抗性の観点から利点を提供でき、適切な放出制御もまた提供できることが発見されている。しかし特に本明細書に記載されているように、粒子/顆粒に脂肪/蝋を含めることで、さらなる改良が得られることが意外にも見いだされた。例えば脂肪/蝋なしで製造された同様の粒子と比べて、増大されたAPI放出の長さを得ることが可能である。本明細書でより詳細に述べるように、そして表13に示すように、一実施例中で、錠剤化した被覆顆粒中のCompritol 888(ベヘン酸グリセリル)ありまたはなしのその他の点では同一の調合物が比較された。
【0063】
【表1】

【0064】
90%を超える放出を得るのに必要な時間は、脂肪/蝋なしの顆粒では8時間(96%)であった。Compritol含有顆粒では16時間(90%)であった。
【0065】
したがって本発明の一態様に従って、脂肪/蝋は、剤形または被覆粒子が、脂肪/蝋なしの他の点では同一の微粒子との比較で、粒子内に含有される90%を超えるAPIの放出を得るのに必要な時間に少なくとも10%の増大を提供するようなタイプについて選択され、そのような量で粒子、コアまたは双方の中で使用される。脂肪/蝋なしの顆粒が>90%を14時間後に放出するのであれば、本発明の顆粒は少なくとも15.4時間後に>90%を放出する。別の実施態様では最小増大は25%であり、なおもさらに別の実施態様では40%の増大が実現される。
【0066】
また表13に示されるように、コア中の脂肪/蝋の存在は、この場合は破砕力などの物理的力をかけることよる、濫用抵抗性の観点から利点を提供するかもしれない。顆粒中にCompritolありおよびまたはCompritolなしの同一の顆粒を製造し、非脂肪/蝋含有コーティングで被覆して錠剤化した。Compritolありで調製された顆粒が90%を超える放出を20時間(93%)で達成したのに対し、Compritolなしの顆粒は、90%を超える放出(94%)に達するのに16時間のみを要した。
【0067】
粉砕は本明細書に記載されているように乳鉢と乳棒を使用してシミュレーションされ、これらの粒子からの放出を測定して、30分時のAPIの%放出を基準にした。Compritol ATO 888を含有する顆粒が30分で28%のみを放出したのに対し、Compritol ATO 888なしの顆粒は63%を放出した。したがって脂肪/蝋がコア中のみに配置された粒子である、被覆粒子中の脂肪/蝋の使用は、持続放出特性および破砕抵抗性の双方の観点からより良い性能を提供した。
【0068】
溶媒を使用する粒子の製造中に、例えばオーブン、トレーまたはその他の装置内で材料を積極的に乾燥させることは必要でない。それは放置して風乾させてもよい。顆粒は乾燥後に被覆できる。コーティングが流動床内で塗布される場合、処理はほぼ同時に進行できる。次に被覆粒子を本明細書に記載されているような少なくとも1つの賦形剤と混合し、好ましくは錠剤に圧縮してカプセル充填し、またはその他の用量ベースの形態またはパッケージに量り入れる。
【0069】
これらの粒子、コーティング、被覆粒子および本発明の組成物の破砕抵抗性は、規定量の被覆API含有粒子(または剤形)を乳鉢と乳棒によって破砕し、破砕材料を水などの溶液に入れ、得られた溶液をアッセイしてAPIの放出量を判定し、脂肪/蝋なしの同一量の同一コーティングで被覆された同一量のAPI含有粒子、または剤形と比較することで測定できる。本明細書で述べられる破砕抵抗性は、機械的応力影響下における被覆粒子(または剤形)からの薬物(API)放出の増強に対する抵抗性と定義される。被覆粒子からの薬物放出は、最新バージョンのUnited Sates Pharmacopoeia(Chapter<711>2008)に記載されているような溶出および薬物放出を測定するのに使用される方法および装置に基づいて、修正ありまたはなしで判定される。破砕抵抗性を評価するため、最初に粒子(または剤形)をUSP装置内の適切な溶出溶媒に入れて、特定時間にわたりどのくらいの量の薬物が放出されるかを測定して、被覆粒子からの薬物放出を測定する。被覆粒子(または剤形)に機械的応力をかけた後、応力を受けたまたは粉砕された保護粒子からの薬物放出を上述のようにして測定する。放出の増強は、機械的応力をかける前後の特定時点における被覆粒子からの薬物放出の差として計算される。増強が低いほど破砕抵抗性はより良い。機械的応力の実施例としては、乳鉢と乳棒またはあらゆるその他の適切な構造(例えばピストンとシリンダー、ボールミル)を使用して、粒子を加圧し、および/または剪断力をかけることが挙げられるが、これに限定されるものではない。加えられる力、粒子が応力に曝露される時間(乳棒/ピストンによって与えられる打撃回数、ミル内の実行時間)、および乳鉢と乳棒(またはあらゆるその他の器具)構造の材料を制御することによって、応力の度合いを制御できる。本発明の一態様では、130mm外径の磁器乳鉢と1ポンドの乳棒を使用して、被覆粒子に機械的応力をかける。要約すれば粒子をセラミック乳鉢(13cm外径)に入れて、次に乳棒を使用して垂直下向きに力をかけて、360度の円運動で被覆顆粒または錠剤を破砕する。それぞれの完全な円運動が、1回の打撃を構成する。各サンプルに上述のように12回の打撃を加えて破砕した。次にUSP装置2を使用して破砕したサンプルを分析し、30分時の溶出データを検討した。
【0070】
本発明に従ったコーティングは、製薬産業で使用するのに許容可能なあらゆるポリマー材料を含んでなり、その溶解度は次のように特性決定できる。功を奏するポリマー材料は、アルコールに少なくともわずかに溶け、好ましくはやや溶けにくい。対照的に功を奏する材料は、一般に水にわずかしか溶けない。これは実質的に水に溶けないことが多い。やや溶けにくいポリマーは、1部のポリマーを溶解するのに30〜100部の溶媒を要するポリマーである。わずかに溶けるポリマーは、1部のポリマーを溶解するのに約100〜約1000部の溶媒を要する。しかしこれらは一般要件であることに留意されたい。特定材料の製造業者による文献に、それが例えば少なくともアルコールベース溶液にわずかに溶ける/やや溶けにくいと記載されている場合、特定の試験で測定した際にその溶解度が上で論じた範囲に入らなくても、それはコーティング中で使用する候補であり得る。特に好ましい材料としては、顆粒中で使用される第1の材料として先に同定されたものが挙げられる。最も好ましいのはエチルセルロースである。
【0071】
これらの材料は、本明細書に記載されているようにアルコールベースの溶媒に溶解または分散されると、水単独でまたはアルコールが約90容積%未満の高含水量溶媒で塗布された同一のコーティングと比較して、追加的な破砕抵抗性をはじめとする驚くべき特性を与え得る。それらはその代わりにまたはそれに加えて、有利に改善された(延長された)放出時間を提供してもよい。一般に塗布される前のコーティング中のポリマーと溶媒の比率は約1:100〜1:10、最も好ましくは約1:15〜1:7である。ひとたびコーティングが乾燥したら、得られた剤形中にいくらかの量の溶媒が検出されてもよい。しかしたとえあったとしても、剤形はわずかな残留溶媒しか含有しないことが好ましい。
【0072】
コーティングに脂肪/蝋を含めることはまた、脂肪/蝋なしのコーティングの使用に優る追加的利点も有することが発見されている。さらにコアまたは粒子中の脂肪/蝋に加えたコーティング中の脂肪/蝋の使用の組み合わせは、場合によっては、それらのどちらか一方のみの使用から実現できるよりもさらに大きな利点を提供できる。
【0073】
特に表14に示すように、脂肪/蝋を含む調合物は、脂肪/蝋なしのコーティングとの比較で、例えば濫用抵抗性の観点からより良く機能する。
【0074】
【表2】

【0075】
ここでもこれは30分後に検出されたAPIの相対放出によって測定され、より低い放出程度は一般により良い破砕抵抗性を示す。さらに脂肪/蝋含有コーティングの使用は、その中に含有されるAPIの放出の観点からいくつかの追加的利点を提供し得る。上の第1の項目は図11に三角形で示され、表14の第4の項目は図11にダイヤモンドで示され、最後の項目は図11に四角形で示されることに留意されたい。
【0076】
コーティング中で使用される脂肪/蝋は、粒子中で使用されるものと同一であるかまたは異なることができる。しかしそれらは同一基準の全てを満たすべきであり、したがって粒子との関連で可能な脂肪/蝋として先に同定された全ての材料は、コーティング中でもまた使用してもよい。コーティング中で使用される場合、脂肪/蝋の量は一般に約5〜約40、より好ましくは約10〜30重量%、最も好ましくは20〜30%に及ぶ。これは被覆粒子重量を基準とする。代案としては脂肪/蝋の量は、コーティング液中のその濃度または含量、および粒子重量増加中に塗布されたコーティング液量によって判定できる。コーティング混合物または溶液は、約1〜約10重量%の脂肪/蝋を含有できる。実施例で使用された1つの例示的な調合物は、10重量%エチルセルロース、5重量%脂肪/蝋を含み、残りはエタノール(市販品)であった。
【0077】
一般に放出制御材料はエチルセルロースであることが好ましく、それは放出制御および破砕抵抗性を提供できる量で使用されるべきであり、アルコールベースの溶媒から塗布されなくてはならない。放出制御のためには、一般にコーティング中で使用される制御放出ポリマーコーティング材料の量は、約10〜60、より好ましくは約20〜50、最も好ましくは約25〜40である。さらにAPI含有粒子は、それ自体がいくらかの放出制御手段を提供し得る。例えば湿潤顆粒は、水とアルコールの溶媒系を使用して調合されたHPMCおよびエチルセルロースから作ることができる。この材料は、それ自体がいくらかの破砕抵抗性および/または放出制御手段を提供し得る。
【0078】
一実施態様では、本発明の被覆粒子を含有する脂肪/蝋の使用は、応力を受けていない脂肪/蝋なしの他の点では同様の構造である粒子または剤形と比べて、ここで同定されるようにUSP溶出試験で5分時に測定されるAPI放出に、約25%以下の増大を提供する。これはここで破砕抵抗性材料に関して記載されているように、アルコールベースの溶媒または溶液から塗布できる材料に、必ずしも限定されないことに留意されたい。したがって例えばHPMC層を使用してAPI材料を被覆し、続いて例えばエチルセルロース層で被覆してもよい。これらは同一のまたは異なる溶媒系から塗布してもよく、同一または異なる添加剤を含んでもよい。
【0079】
先に粒子との関連で指摘したように、コーティング中の脂肪/蝋は溶融形態で使用できる。しかし好ましくは脂肪/蝋は溶融材料を適用することなく、コーティング材料中に混合されて塗布できる。これを実行する場合、脂肪/蝋は一般にコア中の脂肪/蝋と同一の粒度範囲、すなわち約10〜約100、より好ましくは約20〜約80、最も好ましくは約30〜約70μmに及ぶ粒度を有する固体非溶融微粒子材料の形態で添加される。これはレーザー回折計を使用して、容積によって測定される。脂肪/蝋は、コーティング材料中に溶解、懸濁および/または分散されてもよい。コーティングは、スプレー、浸漬、注入、噴霧乾燥などをはじめとするが、これに限定されるものではない、あらゆる既知の方法によって塗布されてもよい。コーティングが、変動するまたは均一の破砕抵抗層を有する、単層または多層であってもよいこともまた考察される。
【0080】
コーティングは理想的には、コーティング材料で粒子を実質的に完全に被覆するように粒子に塗布される。もちろん実際には、各粒子をチェックせずに、全ての粒子が被覆されたか、それらが全て特定の厚さおよび/または特定の程度に被覆されたかを知ることはできない。したがってコーティングの程度は、工程の、または得られたバルク材料の分析から推論される。
【0081】
しかし一般にはコーティングが、約30%〜約300%、より好ましくは約50%〜約200%、最も好ましくは約65%〜約150%の粒子の平均重量増加をもたらす厚さを有することが好ましい。これらの数値は、あらゆるコーティング添加剤をコーティングの一部として反映する。これらの平均重量増加の値は、被覆粒子または顆粒の約20〜約75重量%、より好ましくは被覆粒子または顆粒の30〜60重量%の量で存在するコーティング材料に対応する。
【0082】
ひとたびコーティングで被覆されると、被覆APIは、重量に基づく篩振盪法によって試験すると、一般に好ましくは約300〜約1200μm、より好ましくは約400〜約1000μm、最も好ましくは約500〜約800μmの平均粒度を有する粒子を含有する。別の好ましい実施態様では、被覆APIは好ましくは、約10%以下が75μm未満で、10%以下が1400μmよりも大きい粒径分布を有する粒子を含有する。ここでも過大および過小であるものは廃棄できる。
【0083】
本発明の生成物および方法の一態様では、被覆粒子を硬化してもよい。実際、粒子それ自体を硬化し、次に被覆して再度硬化してもよい。代案としては、粒子を硬化し被覆して再度硬化しなくてもよく、または粒子を未硬化で被覆して、その後被覆粒を硬化してもよい。しかし好ましくは、2つの個別の硬化ステップが行われる。「硬化」については、粒子または被覆粒子を単に乾燥するだけでは一般に不十分であると理解される。硬化は、単に表面水を実質的に除去する(一般に10%未満、より好ましくは約5重量%未満の量まで)のに必要なレベルと時間でのエネルギー適用を超える。その代わりにここで定義される硬化は、使用する脂肪/蝋の融点または融点範囲に温度が達するまで、流動床内で粒子または被覆粒子を加熱することで達成されてもよい。次に温度を脂肪/蝋の融点/融点範囲の+/−5℃に少なくとも15分間保つ。特に断りのない限り、Compritolを使用した実施例では70℃で30分を使用した。
【0084】
表14に示されるように、他の点では同一の調合物では、硬化は場合によっては、API放出の相対的長さおよび/または破砕抵抗性の観点から追加的利点を提供できる。表14の最初の3つの組成物は、50%被覆にコーティング材料で被覆された顆粒であった(これは未被覆顆粒重量に対して100%重量%のコーティング材料が添加されたことを意味する)。第1の項目の粒子はCompritolなし(その代わりにステアリン酸マグネシウム)のコーティングを使用して、硬化なしであった。第2の項目はCompritolありで、硬化なしの被覆顆粒であった。表14の第3の項目は項目2と同一の被覆顆粒であったが、被覆粒子は硬化された。未被覆のみに対して、硬化は実施されなかった。
【0085】
3種の調合物は全て、同一粒子(46.6%ヒドロモルホンHCl、36.4%HPMC、17.0%EC)と、エタノール溶媒(10%EC、5%Compritol、85%エタノール(市販品)を用いて塗布された2:1のエチルセルロース:(ステアリン酸マグネシウムまたはCompritol 888)の50%被覆とを含んだ。Compritolも硬化もなしのコーティングが8時間以内に90%を超える放出(95%)をもたらしたのに対し、未硬化Compritol被覆顆粒は12時間で84%を放出した。硬化バージョンは放出を改善し、20時間で90%を放出した。
【0086】
さらに粉砕のシミュレーションに続く30分時の放出は、それぞれ44%〜21%から15%にまで低下した。したがって硬化されたCompritol被覆顆粒は粉砕時に最長の放出および最低の放出を提供し、硬化なしのCompritol含有コーティングからもたらされるよりも良好であり、どちらの構造中にも脂肪/蝋がない材料の約2倍良好である。場合によっては粒子の硬化とコーティングの硬化は、累積効果を提供するかもしれない。他の場合にはそうでないかもしれない。Compritolを顆粒で使用してコーティング中で使用しない場合、コアが硬化されるかどうかで著しい違いがないように見えることに留意されたい(どちらも24時間で約90%放出した)。しかし被覆顆粒はどちらも脂肪/蝋なしのコアおよびコーティングより、さらに長い放出と改善された粉砕性能を示した。
【0087】
表15は、その調合物について実施例に記載されている、図12〜45にグラフ表示された顆粒化/被覆材料11ロットからのデータを提供する。全ての図で同じ11ロットの材料を使用したが、それらは硬化ありまたはなしで、コア、コーティングまたは双方に脂肪/蝋を添加する影響について追加的観点を提供する目的で、異なって配列された。コアが10または20%どちらかのCompritol 888(Gattefosse(Paramus、NJ、USA)からのベヘン酸グリセリル)を含むと表示される場合を除き、全てのコアは同一であった。
【0088】
【表3】

【0089】
【表4】

【0090】
【表5】

【0091】
上に要約したデータから示されるように、多少の一般的傾向が観察できる。脂肪/蝋がどこに分布しているかを問わず、硬化は通常の放出を遅延させる。しかしその影響は変化に富む。
【0092】
脂肪/蝋がコアまたはコーティング中のみにある場合、硬化は破砕による粉砕後の放出に顕著な減少を提供する傾向がある。しかし脂肪/蝋がコアとコーティング双方の中にある場合、硬化は、濫用抵抗性に対して劇的効果を有するように見えない。コアまたはコーティング中に脂肪/蝋がない場合、顆粒の性能は、濫用シミュレーション試験に続く30分時の最高レベルの放出と、4時間でのほぼ完全な放出を含む。ロット3766−06Bを参照されたい。コアに脂肪/蝋を20%のレベルで添加することは、より長い総体的放出の観点からだけでなく、濫用シミュレーション試験に続く30分時の放出量低下の観点からも顕著な改善を提供した。ロット3766ー33、3766ー38(4002−40AはコアおよびコーティングにCompritolを有したことに留意されたい)を参照されたい。Compritolがコーティング中のみにあってコアにはない(コアは重量を基準にして85%エタノール中の10%エチルセルロース、5%Compritolの溶液/懸濁液で100%重量増加まで被覆された)場合、放出の観点から顕著な改善は提供されなかった。ロット3766−27Aおよび3766―27Bを参照されたい。しかしCompritolのコーティングへの添加は、この特定例では一般に濫用抵抗性の観点から顕著な改善を提供する。ロット4002―40Aと3766―27Bを比較すると、コアとコーティングの双方に脂肪/蝋を有することが有利であることは明白である。
【0093】
実際、コア中により低い量のCompritolを含むことでさえ有利であり得る。ロット4002―31Bは顆粒中に10%Compritolを含み、それは硬化されてCompritol含有コーティングで被覆されて、これもまた硬化された。しかしロット4002―21によって例示されるように、硬化された脂肪/蝋を含むコーティングと併用されるコア中の20%Compritolは、コアにあるより低い量のCompritolに比べると、長期放出の観点から恐らく最良の性能と、非常に良く似た30分濫用抵抗値を提供した。残りのロット4002―54および4002―46はわずかにより低い量のコーティング材料を含み、さらにロット4002―46は硬化顆粒および硬化コーティングを有した。
【0094】
特定APIのために特定剤形をデザインする上で、放出の長さおよび/または破砕抵抗性または耐溶剤性を最大化することが、望ましくないかもしれないことが理解されるであろう。各製品は、特有の基準を満たさなくてはならないかもしれない。コアおよびコーティングの双方に脂肪/蝋を添加して硬化することは、場合によっては放出および濫用抵抗性を最大化する一方で、望ましくないかもしれない。しかし本発明で具現化される発見は、配合者にはるかに大きなコントロールを与え、その他の賦形剤を調節しまたは付加構造を追加することなく、特定調合物の調整を可能にするかもしれない。放出が長すぎる場合は、硬化を除去できる。それが十分でなければ、粒子またはコーティングのどちらかから脂肪/蝋を除去できる。その後、放出性能は問題ないが濫用抵抗性が不十分であれば、コアの硬化を使用できる。そして脂肪/蝋はまた、被覆微粒子と混合されるマトリックスまたは賦形剤に添加して、同様に特徴を改善できる。同様にマトリックスへの脂肪/蝋の添加は、耐溶剤性を提供するかもしれない。しかし場合によっては、1つの特質の増大は別のものを犠牲にして成り立つかもしれない。しかし総体的特性のバランスが達成され得る。
【0095】
あらゆる特定の変化または変化の組み合わせが所定の調合物に影響を及ぼす程度は、個別基準で評価されるべきである。しかし本発明は、放出と濫用抵抗性の最適バランスに達するように、比較的単純な調節ができるようし、それはあらゆる所定の活性について、安価に標準装備を使用して迅速に間違いなく評価できる。
【0096】
コーティングは、任意に1)チャネリング剤、2)可塑剤、3)抗粘着剤)、4)消泡剤、5)着色剤、および6)粘度調整剤の1つ以上もまた含んでもよい。
【0097】
細孔形成剤とも称されるチャネリング剤は、溶媒中に溶解または分散することでコーティングに添加でき、好ましくは不活性であり、コーティング中で使用されるポリマーを化学的に変質させない。それらは水性媒体(胃内容物/腸)に曝露すると、被覆から浸出して被覆内にチャネルを作り出し、薬物放出過程を促進することが意図される。この用語および機序は良く認識されているが、起きていることの正確な説明を反映していないかもしれない。それでもなおこれらの材料は、チャネリング剤として知られている。適切に使用された場合、どのような名称または機序によっても、それらはAPI放出を変化させられる。
【0098】
チャネリング剤の例としては、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素塩、クエン酸塩、リン酸カルシウム、塩化カリウムのような塩と、スクロース、グルコース、乳糖、マンニトール、ソルビトールのような糖と、HPMC、MC、HPC、CMC、ポリエチレングリコール、ポロキサマー、PVP、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコールのようなポリマーと、このようなポリマー、好ましくはポロキサマーのグラフトまたはブロック共重合体とが挙げられる。これらはコーティング材料の乾燥ポリマー重量を基準にして0〜50%のレベルで含めることができ、より好ましいのは1〜40%、最も好ましいのは5〜30%である。
【0099】
粘着防止剤または流動促進剤または分離剤とも称される抗粘着剤は、コーティング工程中の粘着性と凝集を低下させるために使用され、ここで使用されてもよい。これらの材料の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、滑石、カオリン、および塩化ステアリルトリメチルアンモニウムが挙げられる。使用する場合、それらはコーティング材料の乾燥ポリマー重量を基準にして0〜100%のレベルで使用してもよく、より好ましいのは20〜80%、最も好ましいのは20〜50%である。好ましいのはステアリン酸マグネシウムである。
【0100】
可塑剤もまた、コーティング中で使用して、コーティングまたは引き続く熱処理中に、ポリマーのガラス転移温度を低下させてフィルム形成過程を改善できる。それらはまた可撓性を与える。それらは溶媒に溶解または分散することで、コーティングに添加される。可塑剤の例としては、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、クエン酸トリブチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、ヒマシ油、Myvacet 9−40、三酪酸グリセリルが挙げられる。これらはコーティングの乾燥ポリマー重量を基準にして0〜150%のレベルで使用してもよく、より好ましいのは1〜50%であり、最も好ましいのは5〜30%である。
【0101】
消泡剤をコーティング中で使用して、溶液/分散体調製品コーティング工程中の発泡を低下させてもよい。例としてはDow Corningによって製造される消泡剤FG−10のようなケイ素ベースの消泡剤が挙げられる。消泡剤はコーティングのポリマー乾燥重量を基準にして0〜10%のレベルで使用してもよい、0.1〜5%および0.5〜5%。
【0102】
製品差別化と美的目的で、着色剤を使用してもよい。例としては、FD&CおよびD&Cレーキ、二酸化チタン、炭酸マグネシウム、滑石、発熱性シリカ、酸化鉄、チャンネルブラック、天然着色剤、および不溶性染料が挙げられる。着色剤は、コーティングのポリマー乾燥重量の0〜25%の量で使用してもよい、0.5〜10、1〜5%。
【0103】
高いポリマー含量を維持しながらポリマー溶液/分散体の粘度を低下させて、コーティング工程を容易にするために、粘度調整剤を使用してもよい。それらのレベルは、いかなる有害な相分離もなく粘度を低下させるために注意深く選択しなくてはならない。これらの材料の例としては、クエン酸ナトリウムおよび塩化ナトリウムをはじめとするホフマイスター系列で上位にある塩が挙げられ、それらはコーティング重量を基準として、1Lのコーティング溶液/分散体あたり0〜0.1molのレベルで使用してもよく、より好ましくは0.001〜0.05、最も好ましくは0.005〜0.03mol/Lである。
【0104】
本発明の組成物および剤形は、単独でまたは追加的賦形剤と共に治療的に使用してもよい。これらは、アップルソースなどの食品に振りかけて、カプセル内に装填して、または錠剤剤形に圧縮して、粉末として摂取できる。しかし本発明の脂肪/蝋含有被覆粒子もまた含む剤形への脂肪/蝋の添加は、放出および/または濫用抵抗性の観点から追加的利点を提供できることが分かった。特に本発明の被覆粒子との配合物中での脂肪/蝋の使用は、耐溶剤性を提供できる。しかしそれは、それに加えてにまたはその代わりに、破砕抵抗性および/または放出制御における利点を提供するかもしれない。
【0105】
脂肪/蝋はマトリックスとして単独で、またはその他の賦形剤と共に使用してもよく、(本発明の被覆微粒子に加えて)あらゆる組成物または剤形の残りを構成するマトリックスを含んでなってもよい。この文脈で「マトリックス」とは、組成物または剤形の残りを広く意味する。脂肪/蝋はあらゆる形態で使用してもよいが、場合によっては第2の微粒子の形態で使用してもよい。
【0106】
脂肪/蝋材料を含有する第2の粒子は、剤形単位(例えば錠剤)あたり約1%〜約50%の量で提供できる。好ましくは剤形単位は単位あたり約2.5%〜約30%、最も好ましくは単位あたり約5%〜約25%の脂肪/蝋含有粒子を含有できる。これらの重量百分率はまた、最終剤形に等しい重量百分率を含有するプレ剤形組成物中の重量百分率でもある。マトリックス中の脂肪/蝋粒子は、被覆粒子中に見られる脂肪/蝋について同定されたのと同一材料から選択されてもよく、同一粒度を有してもよい。
【0107】
能動態−対−脂肪/蝋比率(active−to−fat/wax ratio)を変更して、剤形の潜在的耐薬品耐溶剤特性に関して最適効果を提供することが可能かもしれない。剤形の耐薬品性または耐溶剤性と所望の遅延放出パラメーターとの均衡を図ることもまた、考慮されるべきである。したがって第1に用いられるコーティング材料の厚さとタイプ、第2に剤形中の脂肪/蝋粒子の量の2つの一般的要素が関与するかもしれない。換言すれば、活性成分の放出は、二重粒子系と組み合わさったコーティング/持続放出材料を変更することで制御でき、それは第1の活性粒子への化学物質または溶媒のアクセス、ひいては薬物拡散を遅延させる蛇行性経路を作り出すかもしれない。これらの要素のバリエーションは、物理的粉砕/破砕抵抗性に加えて耐薬品性および遅延放出パラメーターに影響する。
【0108】
終局剤形を形成する前に、APIおよび脂肪/蝋を含有する第1の粒子と、脂肪/蝋材料を含有する第2の粒子とを組み合わせて、微粒子の混合物を形成することができる。追加的または二次的成分または賦形剤を、例えば錠剤である終局剤形の調製工程の一部として組み合わせることができる。例えば剤形調合物は、噴霧乾燥乳糖およびEMCOMPRESS(リン酸水素カルシウム二水和物)を含むことができる。
【0109】
本発明のこの態様の剤形は、あらゆる方法に従って調製できる。しかし一実施態様では、次の方法が使用される。本発明の組成物の第1の粒子を調製するために、APIおよび脂肪/蝋を最初にドライミックスとして造粒機内でポリマーと混合できる。次に混合物にポリマー溶液を添加でき、造粒が達成されるまで溶液を添加しながら工程を継続する。得られた顆粒は、所定の調合物について所望の乾燥値の減少に達するまで部分的に乾燥できる。次に顆粒を顆粒ミル内で製粉して、次に例えば5%未満のLODに乾燥させる。これらの粒子は、その代わりにまたはそれに加えて硬化してもよい。
【0110】
次に顆粒を(例えばエタノール溶液中のエチルセルロースと共に)、底面噴霧流動床内のステアリン酸マグネシウムまたはCompritolで、所望の被覆レベルが得られるまで被覆できる。次に顆粒を乾燥して任意に硬化でき、脂肪/蝋の第2の粒子およびその他の賦形剤と共に混合して一般的な配合物を形成できる。次にこれを個別量に量り入れまたは測定して、包装、充填、および/または錠剤化できる。
【0111】
少なくとも1つのAPIが必要とされる一方、複数のAPIもまた使用してもよいことが考察される。本発明に従って「API」または活性医薬品成分は、粒子であり得る材料、人々によって濫用される可能性が高い、さもなければ本発明で有用な材料を含む。このような活性成分としては、全身性に分布できる医薬品成分、ビタミン、ミネラル、栄養補助食品、ならびに全身性に分布できない薬物が挙げられる。前述のいずれかの組み合わせまたは混合物もまた、本発明によって考察される。医薬品成分の非限定的な例としては、制酸薬、鎮痛剤、興奮薬、睡眠補助薬、睡眠薬、解熱剤、抗菌剤、抗不安薬、緩下剤、抗うつ薬、抗利尿剤、整腸剤(antiflatuants)、鎮痙薬、抗炎症薬、抗生物質、利尿剤、食欲減退薬、抗ヒスタミン剤、抗喘息薬、抗利尿剤、整腸剤(antiflatuents)、抗片頭痛薬、鎮痙薬、鎮静薬、抗過活動薬、抗高血圧薬、精神安定剤、充血除去剤、免疫抑制剤、抗癌剤、抗ウィルス剤、駆虫薬、抗真菌剤、鎮吐薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、局所麻酔薬、血管作用薬、抗喘息薬、骨格筋弛緩薬、パーキンソン症用薬物、抗精神病薬、造血成長因子、抗脂質異常症薬、抗凝固剤、線維素溶解剤、抗血栓剤、ホルモン、治療的タンパク質およびペプチド、不整脈治療薬、抗狭心症薬、β遮断剤、およびそれらの組み合わせが挙げられる。本発明に従ったAPIとしてはまた、Mantelleに付与された米国特許第5,234,957号明細書の18〜21欄に記載されている薬物および薬学的活性成分も挙げられる。Mantelleの本文は参照によって本明細書に援用する。本発明に従った一実施態様では、APIは好ましくは人々による高い濫用可能性がある医薬品である。本発明の別の好ましい実施態様では、APIは参照によって本明細書に援用する、Whitehouse Station,NJのMerck & Co.,Inc.が出版するThe Merck Index第13版(版権2001年)のTHER−2およびTHER−3頁に列挙される麻薬性または非麻薬性鎮痛剤などの鎮痛剤である。麻薬性鎮痛剤としては、鎮痛剤、疼痛緩和剤、オキシコドンなどのオピオイド、コデイン、ヒドロコドン、モルフィン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、メサドン、プロポキシフェン、メペリジン、フェンタニル、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、酢酸レボメタジル、レボルファノール、ナルブフィン、ペンタゾシン、レミフェンタニル、スフェンタニル、トラマドール;アンフェタミン、メタンフェタミン、デキサンフェタミン、メチルフェニデート、デクスメチルフェニデート、ペモリンのような興奮薬;アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、メホバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタールのようなバルビツレート系薬物をはじめとする鎮静薬および睡眠薬;アルプラゾラム、クロナゼパム、ジアゼパム、エスタゾラム、フルラゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、クアゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、プラゼパム、オキサゼパムなどのベンゾジアゼピン;モダフィニルおよびアルモダフィニルをはじめとするその他の薬物クラスが挙げられるが、これに限定されるものではない。特に好ましいAPIとしては、オキシコドン、フェンタニル、およびヒドロモルホンが挙げられる。全てのAPIの塩もまた考察され、それらの立体異性体、多形体、および溶媒和化合物についても同様である。
【0112】
本開示における用法では、「ビタミン」という用語は、食餌中に必要とされる微量有機物を指す。本発明の目的では、ビタミンの非限定的な例としては、チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン、ビオチン、葉酸、ビタミンB12、リポ酸、アスコルビン酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、およびビタミンKが挙げられる。ビタミンという用語にはその補酵素もまた含まれる。補酵素はビタミンの特定の化学形態である。本発明で有用かもしれない補酵素としては、チアミンピロリン酸(TPP)、フラビンモノヌクレオチド(FMM)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(AND)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、補酵素A(CoA)、ピリドキサールリン酸、ビオシチン、テトラヒドロ葉酸、補酵素B12、リポイルリシン、11−cis−レチナール、および1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロールが挙げられる。ビタミンという用語にはまた、コリン、カルニチン、およびα、β、およびγカロテンも含まれる。
【0113】
本開示における用法では、「ミネラル」という用語は、ヒト食餌中に必要とされる無機物、金属などを指す。したがって「ミネラル」という用語は、本明細書での用法では非限定的な例として、カルシウム、鉄、亜鉛、セレン、銅、ヨウ素、マグネシウム、リン、クロムなど、およびそれらの混合物を含む。
【0114】
「栄養補助食品」という用語は、本明細書での用法では、少量投与されるとかなりの栄養効果を有する物質を意味する。栄養補助食品の非限定的な例としては、蜂花粉、ふすま、小麦胚芽、昆布、タラ肝油、朝鮮人参、および魚油、アミノ酸、タンパク質などの成分、およびそれらの混合物が挙げられる。理解されるであろうように、栄養補助食品にはビタミンおよびミネラルが組み混まれてもよい。
【0115】
組成物中のAPIの量は大幅に変動できる。APIである未被覆粒子の比率に関して、それは未被覆粒子または顆粒の約0.1%〜約90重量%、より好ましくは約1%〜約80重量%の量、最も好ましくは未被覆粒子の約20%〜約60重量%の量に及ぶことができる。被覆粒子の比率に関して、薬物の量は、被覆粒子の約0.1%〜約75重量%、より好ましくは約1%〜約60重量%の量、最も好ましくは被覆粒子の約10%〜約40重量%の量に及ぶことができる。
【0116】
剤形内の顆粒および/または被覆粒子の量は大幅に異なることができ、とりわけAPIのタイプおよび特性、API粒子の濃度、脆砕性、硬度など、治療または予防することが意図される病状、患者のサイズ、体重、年齢、および病状、その他の成分の量およびサイズ、被覆粒子のサイズ、全体的組成物、剤形のサイズおよび性質、用量あたりの剤形数、剤形から1つ以上のAPIが送達されるかどうかなどに左右されることができる。剤形が、治療的有効量の少なくとも1つのAPIをそれを必要とする患者に提供することが好ましい。被覆粒子は、好ましくは治療的有効量の少なくとも1つのAPIを提供するのに十分な量で、1つ以上の剤形中に存在する。「治療的有効量」とは、必要なまたは所望の治療的応答を引き起こすのに十分なAPIまたは活性成分の量または分量であり、または換言すれば患者に投与されるとかなりの生物学的応答を引き起こすのに十分な量である。投薬量は必ずしも最適でなくてよく、治癒または症状軽減を提供することさえしなくてもよい。一般にあらゆる個々の剤形のための被覆粒子の総量は、剤形あたり約10μg〜約2gのAPI、より好ましくはAPI剤形あたり約0.1mg〜約1g、なおもより好ましくは剤形あたり約1mg〜約800mgを提供できる量である。したがって剤形あたりその量のAPIを提供するのに十分な被覆微粒子の量が必要となる。当然のことながら先に論じた要因のために、その量は変動する。非限定的な例として、50%装填API粒子を有する点意外では同一の錠剤中にあるのと同一量のAPIを提供するのに、25重量%装填APIを有する微粒子は2倍量が必要となる。
【0117】
ビタミンまたはミネラルに関連した用法で、「有効量」と言う用語は、患者にとってのその特定成分の1日あたりの推奨摂取量(United States Recommended Daily Allowance)(「RDA」)の少なくとも約10%の量を意味する。例えば意図される成分がビタミンCである場合、ビタミンCの有効量はRDAの10%以上を提供するのに十分なビタミンCの量を含む。
【0118】
本発明の組成物はまた、API含有被覆粒子および任意に微粒子外マトリックス中のあらゆる脂肪/蝋に加えて、少なくとも1つのその他の成分または賦形剤も含んでもよいことが考察される。その他の成分または賦形剤としては、その他のAPI、味覚マスキング剤、バインダー、増量剤、糖、人工甘味料、ポリマー、着香剤、着色剤、潤滑剤、流動促進剤、生体または粘膜接着剤、粘度調整剤、界面活性剤、緩衝液、崩壊剤などが挙げられるが、これに限定されるものではない。これらの成分のいずれか1つ以上の量は、CRコーティング(エチルセルロースを含む)の量、追加的ポリマー、API、API粒度、および剤形形状、剤形形態、いくつの成分が使用されるか、どの成分が使用されるか、用量を構成する剤形数、用量あたりのAPI量などによって変動する。本発明に従った破砕抵抗性、耐溶剤性、貯蔵性剤形の創出を可能にするのに十分なあらゆる組み合わせまたは量が考察される。
【0119】
本発明に従った「味覚マスキング剤」とは、本技術分野で味覚マスキング剤として使用されることが知られているあらゆるものを含む。本発明に従った好ましい味覚マスキング剤としては、Eudragit E−100、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、シェラック、ゼイン、カルボマー、脂肪、蝋、グリセロールモノ−、ジ−、トリ−グリセリド、Compritol、Precirol、Gelucires、ポロキサマー、変性キトサン、カラゲナン、トリメリット酸酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびEudragit L 100、S 100、L30D−55、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)をはじめとするメタクリル酸共重合体が挙げられる。味覚マスキング剤は従来の量で使用でき、好ましくは総剤形の約0〜約50重量%の量、より好ましくは総剤形の約5%〜約40重量%の量、最も好ましくは総剤形の約10%〜約30重量%の量である。
【0120】
バインダーはバインダーとして使用されることが知られているもののいずれかであり得る。これらの材料は、粉末に凝集性を追加して、引き続く加工または配送および取り扱いに耐える許容可能な機械的強度を有する硬質錠剤に圧縮できる顆粒を形成するのに必要な結合を提供するために使用される。本発明で有用かもしれないいくつかのバインダーとしては、アカシア、トラガカント、ゼラチン、デンプン(変性または未変性の双方)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびナトリウムカルボキシメチルセルロースなどのセルロース材料、アルギン酸およびそれらの塩類、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ポリエチレングリコール、グアーガム、多糖酸、ベントナイト、糖、転化糖など、脂肪、蝋、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸、およびその他のアクリルおよびビニルベースのポリマーが挙げられる。バインダーは従来の量で使用でき、好ましくは総剤形の約0重量〜約50、より好ましくは約2〜約10重量%の量である。
【0121】
増量剤は、増量剤として使用されることが知られているもののいずれかであり得る。本発明で有用かもしれないいくつかの増量剤としては、マンニトール、デキストロース、ソルビトール、乳糖、スクロース、および炭酸カルシウムが挙げられる。増量剤は従来の量で使用でき、好ましくは約0〜約90、より好ましくは約10〜約50の量である。
【0122】
使用してもよい特に好ましいタイプの増量剤は糖である。本発明で使用してもよい糖としては、糖、糖アルコール、ケトース、糖類、多糖類、オリゴ糖類など、ならびにセルロースおよび変性セルロースが挙げられる。
【0123】
糖としてはまた、直接圧縮および/または非直接圧縮糖も挙げられる。特に好ましい非直接圧縮糖の非限定的な例としては、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、乳糖、およびスクロースが挙げられる。もちろんこれらの糖は、一般に、直接圧縮糖、すなわちその圧縮性および/または流動性を増大させるように変性された糖、または非限定的な例として、流動性を増大させる流動促進剤、流動性および/または圧縮性を増大させる造粒などの何らかの増強なしでは、高速加工およびマルチ打錠機中でそれを使用できるようにするのに十分な流動性および/または圧縮性を有さない非直接圧縮糖のどちらかとして存在する。もちろん非直接圧縮糖に加工する前に、造粒のような技術を使用して、最初は直接圧縮糖と見なされる十分な流動性と圧縮性を有するものを変換することもできる。これは糖のみからできた錠剤を直接圧縮して、流動性と圧縮性を加工前後で比較することで測定できる。加工後に流動性および/または圧縮性が低下すれば、材料が非直接圧縮糖になった可能性が高い。しかし特性の減少が、商業的加工中で糖が使用される前の増強またはさらなる加工を要求するのに十分かどうかは、使用量、使用される加工装置タイプ、および総体的調合物をはじめとするいくつかの要素に左右されることが理解されるであろう。しかし一般には、いくつかのさらなる加工または増強が必要とされる。決定的ではないものの、往々にして非直接圧縮糖は、その粒子の少なくとも約90%が約200μmよりも小さく、より好ましくは80%が約150μmよりも小さい。
【0124】
全糖量は約0〜約90に及ぶことができる。より好ましくは糖量は約5〜約75、なおもより好ましくは約10〜50に及ぶ。本発明に従って使用してもよいその他の非炭水化物希釈剤および増量剤としては、例えば二水和または無水第二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、無水または水和硫酸カルシウム、および乳酸カルシウム三水和物が挙げられる。使用される場合、これらは剤形の0〜約90、より好ましくは約5〜約75、最も好ましくは約10〜約50重量%に及ぶ量で存在する。
【0125】
人工甘味料は、人工甘味料として使用されることが知られているもののいずれかであり得る。本発明で有用かもしれないいくつかの人工甘味料の非限定的な例としては、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、ネオテーム、およびアセスルファムカリウムが挙げられる。人工甘味料は従来の量で使用してもよく、好ましくは約0.1〜約2に及ぶ量である。
【0126】
着香剤は、着香剤として使用されることが知られているもののいずれかであり得る。本発明で有用かもしれない着香剤としては、合成香油および香味芳香族および/または天然油、植物、葉、花、果実などからの抽出物およびそれらの組み合わせが挙げられる。これらとしては、シナモン油、ウインターグリーン油、ペパーミント油、丁子油、ベイ油、アニス油、ユーカリノキ、タイム油、セダー葉油、ナツメグ油、セージ油、苦扁桃油、およびカシア油が挙げられる。バニラ、レモンをはじめとする柑橘油、オレンジ、バナナ、ブドウ、ライムおよびグレープフルーツ、およびリンゴ、ナシ、桃、イチゴ、キイチゴ、チェリー、セイヨウスモモ、パイナップル、アプリコットをはじめとする果実精などもまた着香剤として有用である。
【0127】
着香剤は従来の量で使用してもよく、好ましくは剤形の約0.01%〜約3重量%、より好ましくは剤形の約0.1%〜約2.5重量%、最も好ましくは剤形の約0.25%〜約2重量%に及ぶ量である。
【0128】
着色剤は、着色剤として使用されることが知られているもののいずれかであり得る。本発明で有用な着色剤としては、二酸化チタン、およびF.D. & C.色素として知られているものなどの食品に適した色素、およびブドウ果皮抽出物、ビーツ赤色粉末、β−カロテン、アナットー、カルミン、ターメリック、パプリカなどの天然着色剤が挙げられる。着色剤は従来の量で使用してもよく、好ましくは剤形の約0.001%〜約1重量%に及ぶ量である。
【0129】
潤滑剤は、潤滑剤として使用されることが知られているもののいずれかであり得る。本発明で有用かもしれない潤滑剤としては、内在性または外的潤滑剤が挙げられる。内在性潤滑剤としては、マグネシウム、カルシウム、ステアリン酸の亜鉛塩、水素化および部分水素化植物油、動物性脂肪、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンモノステアリン酸、滑石、軽油、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。潤滑剤は従来の量で使用してもよく、好ましくは剤形の約0.1%〜約5重量%、より好ましくは約0.25〜約2.5、最も好ましくは0.5〜2%の量である。
【0130】
粘度調整剤は、粘度調整剤として使用されることが知られているもののいずれかであり得る。本発明で有用かもしれないいくつかの粘度調整剤の制限を意図としない例としては、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(ナトリウムCMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、コンニャク粉、カラゲナン、キサンタンガム、その他の親水性ポリマー、またはそれらの混合物が挙げられる。粘度調整剤は従来の量で使用でき、好ましくは剤形重量を基準にして約1〜約40の量、より好ましくは約2〜約20の量である。
【0131】
界面活性剤は、界面活性剤として使用されることが知られているもののいずれかであり得る。本発明で有用かもしれないいくつかの界面活性剤の非限定的な例としては、様々な等級の次の市販品が挙げられる。Arlacel(登録商標)、Tween(登録商標)、Capmul(登録商標)、Centrophase(登録商標)、Cremophor(登録商標)、Labrafac(登録商標)、Labrafil(登録商標)、Labrasol(登録商標)、Myverol(登録商標)、Tagat(登録商標)、およびあらゆる無毒の短鎖および中鎖アルコール。界面活性剤は従来の量で使用でき、好ましくは剤形重量を基準にして約0.01〜約5の量、より好ましくは約0.1〜約2の量である。
【0132】
緩衝液は、緩衝液として使用されることが知られているもののいずれかであり得る。本発明で有用かもしれないいくつかの緩衝液としては、あらゆる弱酸または弱塩基、または好ましくは胃腸粘膜に有害でないあらゆる緩衝系が挙げられる。これらとしては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、および対応するカリウム塩が挙げられるが、これに限定されるものではない。緩衝液は従来の量で使用でき、好ましくは剤形重量を基準にして約0.1〜約10の量、より好ましくは約1〜約5の量である。
【0133】
使用してもよい崩壊剤としては、デンプン、セルロース、加工デンプン、微結晶性セルロース、アルギン酸、粘土、veegum、および超崩壊剤が挙げられ、超崩壊剤の非限定的な例としては、架橋PVP、クロスカラメロースナトリウムなどのクロスカラメロース塩、デンプングリコール酸ナトリウムのようなデンプン誘導体が挙げられる。
【0134】
このような超崩壊剤が使用される場合、それらは伝統的に完成剤形の約1〜約20%の量であり、より好ましくは約2〜約10%、最も好ましくは約2〜約5重量%である。超崩壊剤に加えて、超崩壊剤のいずれかの部分の代わりに、またはあらゆる超崩壊剤の代わりに、本発明に従った剤形は、少なくとも1つの発泡性カップルまたは崩壊剤を含んでもよい。
【0135】
発泡性カップルは、可溶性酸源と、金属炭酸塩または金属炭酸水素塩との反応から作られる。酸源または酸はヒト消費に安全なあらゆるものであってもよく、一般に食物酸、酸無水物,および酸性塩が挙げられる。食物酸としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、およびコハク酸などが挙げられる。これらの酸は直接摂取されるので、本発明の発泡性錠剤処方をコップの水に溶解することが意図される場合に比べて、それらの全体的な水への溶解度はそれほど重要でない。上述の酸の酸無水物および酸性塩もまた使用してもよい。酸性塩としては、リン酸二水素ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、酸性クエン酸塩、および亜硫酸水素ナトリウムが挙げられる。
【0136】
炭酸源としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸カリウム、炭酸マグネシウムおよびセスキ炭酸ナトリウム、グリシン炭酸ナトリウム、炭酸L−リジン、炭酸アルギニン、および非晶質炭酸カルシウムなどの乾燥固体炭素塩および炭酸水素塩が挙げられる。これらの発泡性カップルは、剤形の約3%〜約50重量%、より好ましくは約3%〜約25重量%の量で提供されもよい。
【0137】
このような非発泡性崩壊剤の非限定的な例としては、微結晶性、セルロース、デンプン、コーンスターチ、ジャガイモデンプンおよびその加工デンプン、ベントナイトなどの粘土、アルギン酸塩、寒天、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチン、およびトラガカントなどのガムが挙げられる。これらの崩壊剤は、剤形総重量の約20重量%まで、好ましくは約2%〜約10%を構成してもよい。
【0138】
所望ならば剤形はまた、湿潤剤または乳化剤、例えば酢酸ナトリウムのようなpH緩衝剤など、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、オレイン酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの少量の無毒性物質を含有してもよい。
【0139】
本発明に従った「剤形」は、錠剤、カプセル、カプレット、小袋、粉末、または経口的薬剤投与のために知られているその他の固体である。それは一般にここで定義される混合物からできており、(錠剤などに)形成され、または(カプセル、粉末、たは小袋などに)包装されて、医師または患者が投与のために使用する形態になる。錠剤は、摂取に先だって液体の入ったコップに入れて溶解されるALKA−SELTZER(登録商標)様の錠剤、患者の舌の上で口中崩壊性/溶解性の剤形、歯肉、バッカルまたは舌下投与される剤形、または分散体、懸濁液またはスラリーとして飲み込まれる伝統的剤形であり得る。口中崩壊性/溶解性の剤形は、舌の上にのせられて、一般には約90秒以内、より頻繁には約60秒以内に口中で溶解/崩壊するものである。その後、生じた懸濁液、溶液またはスラリーは嚥下される。バッカル、歯茎、および舌下剤形では、活性成分は典型的に口腔粘膜を通じて移行する。剤形は、経口摂取のために粉末または泥状コアを硬質ゼラチンカプセル内に量り入れて調製でき、または直接摂取され、食物上に振りかけられ、または摂取に先だって飲料と混合される粉末として提供される剤形もまた考察される。
【0140】
本発明によって考察される剤形は、様々な形状とサイズで提供されてもよい。好ましい実施態様では、剤形は経口投与できるサイズ内であり、その中で治療的な量のAPIが提供される。一般にこのような剤形は、あらゆる方向で1.5インチ未満、より好ましくは1インチ未満、最も好ましくは0.75インチ未満である。形状としては、どちらも平面または凸面の丸形、カプセル型(カプレット)、ダイヤモンド型、三角形、長方形、六角形、五角形、ハート型、ウサギやゾウなどの動物の形をした錠剤が挙げられるが、これに限定されるものではない。剤形は任意のサイズと形状でよいが、破砕または濫用を回避するサイズと形状が好ましい。
【0141】
投薬頻度は、剤形中に存在する活性成分の量、剤形のサイズ、患者の体重、用量あたりの剤形数、患者の病状、活性成分の副作用などをはじめとする様々な要素に左右される。上の要素、ならびに患者の病状の持続期間、活性成分がどれくらいの期間患者の組織内に留まるかなどに応じて、複数剤形の投与および複数頻度の投与が考察されるが、1日当たり4回以下の投薬が望ましい。最も好ましくは、投薬は1日当たり1、2、3、または少なくとも4回である。
【0142】
いくつかの実施態様では本発明の錠剤は、頻繁に約20ニュートン以下の硬度を有し、別の実施態様では20〜50ニュートンである。一実施態様では、出願時点でのU.S.P.法による測定で、硬度は約20〜約40ニュートン、脆砕性は1%未満である。
【0143】
錠剤は、直接圧縮、湿式造粒、乾式造粒、またはあらゆるその他の錠剤製造技術のいずれかによって製造できる。例えば本明細書で参照によって援用する米国特許第5,178,878号明細書、米国特許第5,223,264号明細書、および米国特許第6,024,981号明細書を参照されたい。
【0144】
他の態様では、本発明は、本発明に従った濫用抵抗性剤形、およびそれが濫用抵抗性であることを示す1つ以上の徴表を含んでなる。一実施態様では、剤形それ自体が徴表を含む。徴表は、例えば「AR」などの1つ以上の文字、「濫用」および/または「抵抗性」などの1つ以上の言葉または絵またはシンボルであり得る。これらは剤形表面に印刷でき、浮彫りとしてまたは隆起構造として埋め込むことができる。その代わりに、またはそれに加えて、本発明の濫用抵抗性剤形は、1つ以上のブリスター包装内に、または瓶などの複数錠剤開閉可能容器内に包装されてもよい。包装、またはあらゆる関連製品ラベルまたは添付文書もまた、剤形が濫用抵抗性であることを示唆する1つ以上の文字、言葉、絵またはシンボルを含むことができる。
【0145】
このような徴表は、様々な形で濫用低下における追加的援助を提供できる。第1には濫用抵抗性特徴を告げられた患者が薬物の別の形態を強く要求した場合、患者が問題を抱えていることを薬剤師に注意喚起できる。第2に剤形が濫用抵抗性であることが分かれば、それらは濫用者にとって望ましさが劣るので、それらの盗難またはそれらの不法転売を減少させられる。
【実施例】
【0146】
実施例1 被覆顆粒ロット2926−76C
API粒子として湿潤顆粒を用いて放出制御被覆粒子製造することにより、本発明を例示できる。
【0147】
【表6】

【0148】
【表7】

【0149】
高剪断造粒機内で、オキシコドン塩酸塩、HPMC 844、およびエチルセルロース総量の71%を2分間乾式混合して顆粒を製造した。次に造粒機のインペラーおよびチョッパー速度を事前に選択した値に保って、顆粒の形成と成長に十分な剪断を提供しながら、エチルセルロースの10%水−エタノール(30:70)溶液を緩慢に添加した。前述のエチルセルロース百分率が実現するまで、溶液の添加を継続した。顆粒を引き続いて流動床内で、製粉に適したレベルに乾燥させた。次に顆粒をgranumill内で挽いて、最後に乾燥させた。
【0150】
次に調製した顆粒をエチルセルロースおよびステアリン酸マグネシウム(2:1)の15%アルコール懸濁液を使用して、底面噴霧流動床内で被覆した。平均粒度が篩振盪法によって測定され、約630μmに等しかった。これは幾何平均直径であり、630と言う数字は、対数確率紙上で粒度に対して累積%度数を手動でプロットして得られた。これらの被覆顆粒の溶出プロフィールを試験した(図1)。
【0151】
乳鉢と乳棒を使用し、乳棒で12回円く擂ってサンプルのアリコートを破砕した。アリコートをプールして、次にそれぞれ単回投与に相当する薬物量を含有するアリコートに分割した。アリコートを500mLの溶媒(0.1N HCl)中での溶出について試験した。規定時点で5mLのアリコートを各容器から取り出し、HPLCを通じて標準と対比させて分析した。結果を未破砕被覆粒子について図1に、「破砕」被覆粒子について図2に示し、双方のプロットで黒塗り四角形は測定データ点を示す。
【0152】
実施例2 被覆顆粒ロット2926−76B
調合物を水性EC分散体で被覆したこと以外は、上の実施例1で述べた被覆粒子を作成する方法を再度用いた。
【0153】
【表8】

【0154】
【表9】

【0155】
使用したコーティングは、SURELEASE水性分散体(Colorcon Manufacturerから市販されているEC水性分散体、ロット番号1N509251)であった。水性コーティングからの未破砕(図1)および破砕(図2)粒子の溶出結果をダイヤモンドを使用して測定されたデータ点を示すプロットに示す。
【0156】
実施例3
【0157】
【表10】

【0158】
【表11】

【0159】
71%でなく54%のみのECをその他の成分と乾式混合したこと以外は、実施例1で使用したのと同一製造法を使用できる。
【0160】
実施例4 被覆顆粒ロット3531−18
【0161】
【表12】

【0162】
【表13】

【0163】
(71%でなく)54%のみのECをその他の成分と乾式混合したこと以外は、実施例1で使用したのと同一製造法を使用してもよい。コーティング分散体はまた、ECおよび添加剤、すなわち比率10:5:0.5:84.5でステアリン酸マグネシウム:Lutrol:エタノールも含有した。
【0164】
実施例5 被覆顆粒ロット3070−70
【0165】
【表14】

【0166】
【表15】

【0167】
ここでは顆粒コア中で、71%でなく47%のみのECをその他の成分と乾式混合したこと以外は、実施例1で使用したのと同一製造法を使用した。図3および4は、被覆顆粒の顆粒部分に異なるレベルのポリマーがある50%被覆顆粒について、0.1N HCl中での溶出プロフィールを提供する。図3は、およそ72.2%のポリマーを含有してエタノールベースのECコーティング中で被覆された実施例1の顆粒の溶出プロフィールと、顆粒(未被覆顆粒)がおよそ34.4%のポリマーを含有して同一エタノールベースのECコーティングで被覆された、本実施例(実施例5)に従って製造された被覆粒子との比較を示す。図4は、実施例1に記載のように同一材料が粉砕された後の溶出プロフィールを実証する。図3では、白抜き三角形は実施例1の顆粒について、黒塗りダイヤモンドは実施例5の被覆顆粒についてプロットしたデータを表す。図4では、黒塗りダイヤモンドは実施例1の被覆顆粒のデータを提供し、星印は実施例5被覆顆粒のデータを提供する。図4から、コア中のより高いレベルのポリマー含量(34.4%に対して72.2%)が、比較的より良い破砕抵抗性を提供することが分かる。
【0168】
実施例6
ここではAPI粒子をここで論じるバリアビーズと混合したこと以外は、ここでは実施例1と同一製造法を用いた。
【0169】
【表16】

【0170】
【表17】

【0171】
次に被覆顆粒およびバリアビーズを異なる比率で混合する。Celphere CP−507として市販される微結晶性セルロース粒子を使用した。具体的には、被覆粒子とCP−507とを25:75、50:50、および75:25で混合した。CP―507について公開されたサイズ情報は、少なくとも約75%が500〜710μmの範囲内であった。130mm外径磁器乳鉢および1ポンド乳棒を使用して、混合物に機械的応力をかけた。要約すれば、粒子をセラミック乳鉢(13cm外径)内に入れ、次に乳棒を使用して垂直下向きに力をかけて、360度の円運動によって被覆顆粒を破砕する。それぞれの完全な円運動が、1回の打撃を構成する。各サンプルに上述のように12回の打撃を加えて破砕した。放出溶媒として0.1N HClを使用してUSP溶出装置2内で、応力を受けた顆粒からのオキシコドン放出を測定した。応力を受けなかった、ならびに応力を受けた、オキシコドン被覆顆粒とCelpheresの混合物からの放出プロフィールを図5に示す。
【0172】
比率75:25のバリアビーズ:API粒子では、応力に対する追加的保護が得られたことに留意されたい。他の例では、バリアビーズなしの調合物と比べて追加的保護を提供するのに要する比率は異なる。それ自体が破砕抵抗性であるようにデザインされた保護粒子を使用して、この改善が実現したことに留意することもまた重要である。実際、バインダーとしての水性/アルコール溶液からの特定セルロースで作られた顆粒は、バインダーとしてアルコールなしで水を使用して作られた同一顆粒と比べて、破砕抵抗性を提供すると考えられる。同様に水性/アルコール溶液からのセルロースで被覆された粒子は、コーティングのためにアルコールなしで水を使用して作られた同様に被覆された粒子と比べて、単独で破砕抵抗性を提供することが分かった。したがって本実施例は、その他の破砕抵抗技術と組み合わせた場合でさえも、バリアビーズの使用によってもたらされる改善が得られることを実証する。実際、ここでバリアビーズの平均粒度が保護される粒子よりも小さいと見なされる場合でさえ、改善は実現された。
【0173】
実施例7
上の実施例6に記載の被覆オキシコドン顆粒はまた、バリアビーズとして流動床造粒機内で製造されたイソモルト顆粒と、50:50混合物に混合された。顆粒混合物は、上の実施例6に記載のように乳鉢と乳棒で応力を受けた。応力を受けなかった、ならびに応力を受けたオキシコドン被覆顆粒とイソモルト顆粒の混合物からの放出プロフィールを図6に示す。
【0174】
実施例8 被覆顆粒ロット4002−79(コア中のみにGelucire 33/01、硬化なし)
上の実施例17および45に記載の方法との同様の方法を使用して、しかしその他の成分との乾式混合のために20%Gelucire 33/01と共に82%のECを使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。造粒前にハンドヘルド押し出し機を使用して、最初にGelucire 33/01を小片(直径約1cm)に砕いた。次にGelucire 33/01の小片をHPMCおよびECと手動で混合し、16−メッシュのスクリーンを通して手動で篩掛けしたした。次にヒドロモルホンHClを同一スクリーンを通して篩掛けし、次に混合物を造粒した。湿潤顆粒は製粉に先だって部分的に乾燥されなかった。
【0175】
【表18】

【0176】
【表19】

【0177】
実施例9 被覆顆粒ロット3375−51
顆粒は高剪断造粒機を使用して製造でき、オキシコドン塩酸塩、ヒドロキシメチルセルロースHPMC 844、および使用されるエチルセルロース総量の約47%〜約54%を2分間にわたって乾式混合する。次に造粒機のインペラーおよびチョッパー速度を事前に選択した値に保って、顆粒の形成と成長に十分な剪断を提供しながら、エチルセルロースの10%水−エタノール(30:70)溶液を緩慢に添加できる。所望のエチルセルロース百分率が得られるまで、溶液を添加できる。次に顆粒を流動床内で、製粉に適したレベルに乾燥できる。次に顆粒をミル内で挽いて乾燥できる。
【0178】
上述したのと同様の方法を使用して、エチルセルロース総量の54%を使用して、次の未被覆顆粒組成物を調製した。
【0179】
【表20】

【0180】
次に調製された顆粒をエチルセルロースとステアリン酸マグネシウム(2:1)との15%アルコール懸濁液を使用して、底面噴霧流動床内で被覆できる。コーティング後、重量を基準にして被覆顆粒の約40%はコーティング材料からなることができる。この方法を使用して、次の被覆顆粒調合物を調製した。
【0181】
【表21】

【0182】
実施例10 錠剤ロット3375−59
上述のようにして調製された被覆顆粒は、例えば錠剤などの固体剤形に成形できる。被覆顆粒は、V−ブレンダー内でEMCOMPRESS(リン酸水素カルシウム二水和物)、乳糖(FAST−FLO、噴霧乾燥)、Compritol ATO 888(ベヘン酸グリセリル)と約30分間にわたり混合できる。次に混合物をロータリー式打錠機内で圧縮して、錠剤を形成できる。錠剤重量は、10mgのオキシコドンHCl活性成分では約110mgから、80mgオキシコドンHCl錠剤では約880mgまで変動できる。この方法を使用して次の錠剤を調製した。
【0183】
【表22】

【0184】
上の計算は、作られた被覆顆粒の実際の効力が理論量に満たないという事実の理由を説明する。したがって110.00mgの調製された錠剤は、10mgのオキシコドンHClを含有した。
【0185】
本発明では、様々な錠剤形状およびサイズを用いることができる。さらに上と同一方法が使用できるが、ただし低融点の第2の粒子脂肪/蝋は溶融されてカプセル殻内に注入されて一体化され、またはあらかじめ一体化されて、次に懸濁液をカプセル殻内に注入できる。
【0186】
実施例11
経時的%活性成分放出を測定して結果を比較するために、本発明に従って調製された10mgのオキシコドンHCl錠剤を酸/水溶媒(通常)および水/アルコール(アルコール)溶媒の2種の溶出溶媒に溶解した。
【0187】
表18の調合物を用いて実施例10に従って調製された10mgオキシコドン含有組成物を使用して調製された圧縮錠剤を使用して、溶出溶媒中の活性成分の通常溶出を測定した。USP溶出装置(速度rpm 50の2本のパドル)内において温度37℃で、放出(溶出)溶媒として500mlの0.1 NHCl(水中)から出発して、顆粒(10mgオキシコドンHCl当量)を溶出溶媒に添加した。サンプルを5分、15分、30分、45分、60分、120分の間隔で取り出した。各サンプルは、HPLC法を使用して可溶化されたオキシコドン含量について試験し、値を百分率で表して時間に対してプロットして放出プロフィールを確立した。データは次の表に示される。
【0188】
【表23】

【0189】
プロットされた通常溶出データを図7に示す。
【0190】
通常溶出と、溶媒(アルコール)加速急速放出濫用および粉砕行為を代表する溶出条件とを比較した。溶出溶媒が60:40の容積比で水:エタノールを含有して、錠剤とアルコールの併用を模倣したこと以外は、上の手順を繰り返した。サンプルを5、15、30、45、60、および120分の間隔で採取して、再度オキシコドン含量を測定した。結果は時間に対してプロットされ、次の表に示される。
【0191】
【表24】

【0192】
プロットされたデータを図7のグラフに示す(溶出プロフィール)。
【0193】
図に示されるように、溶媒としてアルコールを使用して、本発明に従って調製された錠剤剤形からの活性成分(例えばオキシコドンHCl)放出を加速する能力は、制限される。アルコール含有溶出溶媒中のオキシコドンの能動的放出の測定量は、酸性水含有(通常)溶出溶媒中で測定された量に匹敵する。
【0194】
実施例12 錠剤ロット3070−98
上の実施例9に記載の方法と同様の方法を使用して、エチルセルロース総量の54%を使用して次の未被覆顆粒組成物を調製した。
【0195】
【表25】

【0196】
上の実施例9に記載の方法と同様の方法を使用して、次の被覆顆粒組成物を調製した。
【0197】
【表26】

【0198】
上の実施例10に記載の方法と同様の方法を使用して、次の調合物を調製した。
【0199】
【表27】

【0200】
実施例13
経時的%活性成分放出を測定して結果を比較するために、本発明に従って調製され表23のように配合された80mgオキシコドンHCl錠剤を酸/水溶媒(通常)および水/アルコール(アルコール)溶媒の2種の溶出溶媒に溶解した。
【0201】
実施例12に従って表23の調合物を使用して調製された80mgオキシコドン含有組成物を使用して調製された圧縮錠剤を使用して、溶液溶媒中の活性成分の通常溶出を測定した。USP溶出装置(速度rpm 50の2本のパドル)内において温度37℃で、放出(溶出)溶媒として500mlの0.1 NHCl(水中)から出発して、顆粒(80mgオキシコドンHCl当量)を溶出溶媒に添加した。サンプルを5分、15分、30分、45分、60分、120分の間隔で取り出した。各サンプルは、HPLC法を使用して可溶化されたオキシコドン含量について試験し、値を百分率で表して時間に対してプロットして放出プロフィールを確立した。データは次の表に示される。
【0202】
【表28】

【0203】
プロットされた通常溶出データを図8に示す。
【0204】
通常溶出と、溶媒(アルコール)加速急速放出濫用および粉砕行為を代表する溶出条件とを比較した。溶出溶媒が60:40の容積比で水:エタノールを含有して、錠剤とアルコールの併用を模倣したこと以外は、上の手順を繰り返した。サンプルを5、15、30、45、60、および120分の間隔で採取して、再度オキシコドン含量を測定した。結果は時間に対してプロットされ、次の表に示される。
【0205】
【表29】

【0206】
プロットされたアルコール溶出データを図8に示す。図8のグラフに示されるように、溶媒としてアルコールを使用して、本発明に従って調製された錠剤剤形からの活性成分(例えばオキシコドンHCl)放出を加速する能力は、制限される。アルコール含有溶出溶媒中のオキシコドンの能動的放出の測定量は、酸性水含有(通常)溶出溶媒中で測定された量に少なくとも匹敵する。
【0207】
実施例14 被覆顆粒ロット770300
API粒子として湿潤顆粒を用いてCR被覆粒子を含む組成物を製造することにより、本発明を例示できる。
【0208】
71%でなく53%のECをその他の成分と乾式混合したこと以外は、上の実施例1に記載の方法と同様の方法を使用して、各使用構成要素の量が実施例1とは異なる次の調合物を調製した。
【0209】
【表30】

【0210】
【表31】

【0211】
上の実施例10に記載の方法と同様の方法を使用して、実施例10とは異なる量および構成要素を使用して次の調合物を調製した。
【0212】
【表32】

【0213】
Compritolが常に剤形(錠剤)総重量の10%に保たれる一方、実際のアッセイ量における理論値からのあらゆる変化は、オキシコドンHClの量を錠剤あたり80mgに保つために乳糖および被覆顆粒の量を変更することによって説明される。平均錠剤重量は850mgであり、140〜155Nの平均硬度を有する。錠剤寸法は.3125インチ×.5625インチである。
【0214】
実施例11と同様の方法を使用して、上の調合物を使用して次のデータを得た。
【0215】
【表33】

【0216】
【表34】

【0217】
【表35】

【0218】
表29のデータは、黒塗り四角形と「×」の上部曲線として図9に示される。
【0219】
実施例15 被覆顆粒ロット770299
上の実施例14に記載の方法と同様の方法を使用して、53%のECをここでもその他の成分と乾式混合して、各使用構成要素の量が実施例14とは異なる次の調合物を調製した。
【0220】
【表36】

【0221】
【表37】

【0222】
実施例14に記載の方法と同様の方法を使用して、実施例14とは異なる量を使用して次の調合物を調製した。
【0223】
【表38】

【0224】
Compritolが常に剤形(錠剤)総重量の10%に保たれる一方、実際のアッセイ量における理論値からのあらゆる変化は、オキシコドンHClの量を錠剤あたり80mgに保つために乳糖および被覆顆粒の量を変更することによって説明される。平均錠剤重量は850mgであり、140〜155Nの平均硬度を有する。錠剤寸法は.3125インチ×.5625インチである。
【0225】
実施例14と同様の方法を使用して、上の調合物を使用して次のデータを得た。
【0226】
【表39】

【0227】
【表40】

【0228】
【表41】

【0229】
表35のデータは黒塗り三角形として図9に示される。
【0230】
実施例16 被覆顆粒ロット770298
上の実施例15に記載の方法と同様の方法を使用して、その他の成分と乾式混合するために53%のみのECをここでも使用して、各使用構成要素の量が実施例15とは異なる次の調合物を調製した。
【0231】
【表42】

【0232】
【表43】

【0233】
実施例15に記載の方法と同様の方法を使用して、実施例15とは異なる量を使用して次の調合物を調製した。
【0234】
【表44】

【0235】
Compritolが常に錠剤重量の10%に保たれる一方、実際のアッセイ量における理論値からのあらゆる変化は、オキシコドンHClの量を80mgに保つために乳糖および被覆顆粒の量変更することによって説明される。平均錠剤重量は850mgであり、139〜155Nの平均硬度を有する。錠剤寸法は.3125インチ×.5625インチである。
【0236】
実施例15と同様の方法を使用して、上の調合物を使用して次のデータを得た。
【0237】
【表45】

【0238】
【表46】

【0239】
【表47】

【0240】
表41のデータは、黒塗り四角形の下部曲線として図9に示される。
【0241】
実施例17 被覆顆粒ロット番号3766−06Bおよび3766−80
上の実施例3に記載の方法と同様の方法を使用して、その他の成分と乾式混合するために54%でなく53%のみのECをここでも使用して、各使用構成要素の量および使用薬物が実施例3とは異なる次の調合物を調製した。
【0242】
【表48】

【0243】
【表49】

【0244】
この実施例では、オキシコドンHClがヒドロモルホンHClで置換された。しかし同一工程段階を様々なタイプのAPIのために使用してもよい。
【0245】
実施例18 被覆顆粒ロット番号3766−06C
上の実施例17に記載の方法と同様の方法を使用して、その他の成分と乾式混合するために53%のみのECをここでも使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。
【0246】
【表50】

【0247】
【表51】

【0248】
実施例17と同じく、APIとしてヒドロモルホンHClがオキシコドンHClを置換した。
【0249】
実施例19 被覆顆粒ロット番号3766−06A
上の実施例18に記載の方法と同様の方法を使用して、その他の成分と乾式混合するために53%のみのECをここでも使用して、各使用構成要素の量が実施例18とは異なる次の調合物を調製した。
【0250】
【表52】

【0251】
【表53】

【0252】
実施例18と同じく、APIとしてヒドロモルホンHClがオキシコドンHClを置換した。
【0253】
[実施例20および図10および表50からの出発]
実施例20 被覆顆粒ロット番号3766−27A(コーティング中のみにCompritol、硬化なし)
上の実施例17に記載の方法と同様の方法を使用して、その他の成分と乾式混合するためにこ53%のみのECをこでも使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。
【0254】
【表54】

【0255】
【表55】

【0256】
実施例21 被覆顆粒ロット番号3766−27B(コーティング中のみにCompritol、硬化あり)
上の実施例17に記載の方法と同様の方法を使用して、その他の成分と乾式混合するために53%のみのECをここでも使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。
【0257】
【表56】

【0258】
【表57】

【0259】
適正量のコーティングを顆粒内に噴霧した後、吸気温度を増大させながら被覆顆粒を流動床内に浮遊させてさらに硬化した。床温度が60℃を超えて40分間保たれたら、硬化は完結したと見なされた。
【0260】
実施例22被覆顆粒ロット番号3766−33(コア中のみにCompritol、硬化なし)
上の実施例17に記載の方法と同様の方法を使用して、しかし20%ベヘン酸グリセロールと共にその他の成分と乾式混合するために72%のECを使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。
【0261】
【表58】

【0262】
【表59】

【0263】
実施例23被覆顆粒ロット番号3766−38(コア中のみにCompritol、硬化あり)
上の実施例17に記載の方法と同様の方法を使用して、しかし20%ベヘン酸グリセロールと共にその他の成分と乾式混合するために72%のECを使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。吸気温度を増大させながら未被覆顆粒を流動床内に浮遊させてさらに硬化した。床温度が60℃を超えて40分間、および70℃を超えて20分間保たれたら、硬化は完結したと見なされた。
【0264】
【表60】

【0265】
【表61】

【0266】
実施例24 被覆顆粒ロット番号4002−21(コアにCompritol、硬化あり、コーティングにCompritol、硬化あり)
上の実施例17に記載の方法と同様の方法を使用して、しかし20%ベヘン酸グリセロールと共にその他の成分と乾式混合するために72%のECを使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。湿潤顆粒は製粉に先だって部分的に乾燥されなかった。吸気温度を増大させながら未被覆顆粒を流動床内に浮遊させてさらに硬化した。床温度が60℃を超えて30分間保たれたら、硬化は完結したと見なされた。
【0267】
【表62】

【0268】
【表63】

【0269】
適正量のコーティングを顆粒内に噴霧した後、吸気温度を増大させながら被覆顆粒を流動床内に浮遊させてさらに硬化した。床温度が60℃を超えて30分間保たれたら、硬化は完結したと見なされた。
【0270】
実施例25 被覆顆粒ロット番号4002−31B(コアにCompritol、硬化あり、コーティングにCompritol、硬化あり、50%被覆)
上の実施例17に記載の方法と同様の方法を使用して、しかし10%ベヘン酸グリセロールと共にその他の成分と乾式混合するために61%のECを使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。湿潤顆粒は製粉に先だって部分的に乾燥されなかった。吸気温度を増大させながら未被覆顆粒を流動床内に浮遊させてさらに硬化した。床温度が65℃を超えて30分間保たれたら、硬化は完結したと見なされた。
【0271】
【表64】

【0272】
【表65】

【0273】
適正量のコーティングを顆粒内に噴霧した後、吸気温度を増大させながら被覆顆粒を流動床内に浮遊させてさらに硬化した。床温度が65℃を超えて30分間保たれたら、硬化は完結したと見なされた。
【0274】
実施例26 被覆顆粒ロット番号4002−31A(コアにCompritol、硬化あり、コーティングにCompritol、硬化あり、40%被覆)
上の実施例17に記載の方法と同様の方法を使用して、しかし10%ベヘン酸グリセロールと共にその他の成分と乾式混合するために61%のECを使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。湿潤顆粒は製粉に先だって部分的に乾燥されなかった。吸気温度を増大させながら未被覆顆粒を流動床内に浮遊させてさらに硬化した。床温度が65℃を超えて30分間保たれたら、硬化は完結したと見なされた。
【0275】
【表66】

【0276】
【表67】

【0277】
適正量のコーティングを流動床内の顆粒内に噴霧した後、被覆顆粒を温度70℃に設定したオーブンに30分間入れてそれらをさらに硬化した。
【0278】
実施例27 被覆顆粒ロット番号4002−40A(コアにCompritol、硬化なし、コーティングにCompritol、硬化なし、50%被覆)
上の実施例17に記載の方法と同様の方法を使用して、しかし20%ベヘン酸グリセロールと共にその他の成分と乾式混合するために72%のECを使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。湿潤顆粒は製粉に先だって部分的に乾燥されなかった。
【0279】
【表68】

【0280】
【表69】

【0281】
実施例28 被覆顆粒ロット番号4002−40B(コアにCompritol、硬化なし、コーティングにCompritol、硬化なし、55%被覆)
上の実施例17に記載の方法と同様の方法を使用して、しかし20%ベヘン酸グリセロールと共にその他の成分と乾式混合するために72%のECを使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。湿潤顆粒は製粉に先だって部分的に乾燥されなかった。
【0282】
【表70】

【0283】
【表71】

【0284】
実施例29 被覆顆粒ロット番号4002−40C(コアにCompritol、硬化なし、コーティングにCompritol、硬化なし、60%被覆)
上の実施例17に記載の方法と同様の方法を使用して、しかし20%ベヘン酸グリセロールと共にその他の成分と乾式混合するために72%のECを使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。湿潤顆粒は製粉に先だって部分的に乾燥されなかった。
【0285】
【表72】

【0286】
【表73】

【0287】
実施例30 被覆顆粒ロット番号4002−46(コアにCompritol、硬化あり、コーティングにCompritol、硬化あり、40%被覆)
上の実施例17に記載の方法と同様の方法を使用して、しかし10%ベヘン酸グリセロールと共にその他の成分と乾式混合するために61%のECを使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。湿潤顆粒は製粉に先だって部分的に乾燥されなかった。吸気温度を増大させながら未被覆顆粒を流動床内に浮遊させてさらに硬化した。床温度が65℃を超えて30分間保たれたら、硬化は完結したと見なされた。
【0288】
【表74】

【0289】
【表75】

【0290】
適正量のコーティングを顆粒内に噴霧した後、吸気温度を増大させながら被覆顆粒を流動床内に浮遊させてさらに硬化した。床温度が65℃を超えて30分間保たれたら、硬化は完結したと見なされた。
【0291】
実施例31 被覆顆粒ロット番号4002−54(コアにCompritol、硬化なし、コーティングにCompritol、硬化なし、40%被覆)
上の実施例17に記載の方法と同様の方法を使用して、しかし20%ベヘン酸グリセロールと共にその他の成分と乾式混合するために62%のECを使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。湿潤顆粒は製粉に先だって部分的に乾燥されなかった。
【0292】
【表76】

【0293】
【表77】

【0294】
実施例32 ヒドロモルホンHCl(32mg)錠剤処方ロット番号3766−69
上述のようにして調製された被覆顆粒は、例えば錠剤などの固体剤形に成形できる。被覆顆粒は、V−ブレンダー内でEMCOMPRESS(リン酸水素カルシウム二水和物)、乳糖(FAST−FLO、噴霧乾燥)、Compritol ATO 888(ベヘン酸グリセリル)と約30分間にわたり混合できる。次にステアリン酸マグネシウムを配合物に添加して、さらに5分間混合する。次に混合物をロータリー式打錠機内で圧縮して、直径3/8インチの400mgの円形錠剤を形成できる。この方法を使用して次の錠剤を調製した。
【0295】
【表78】

【0296】
上の計算は被覆顆粒の理論的効力でなく実効力に基づく。
【0297】
実施例33 ヒドロモルホンHCl(32mg)錠剤処方ロット番号3766−70
被覆顆粒は、V−ブレンダー内でEMCOMPRESS(リン酸水素カルシウム二水和物)、乳糖(FAST−FLO、噴霧乾燥)、Compritol ATO 888(ベヘン酸グリセリル)と約30分間にわたり混合できる。次にステアリン酸マグネシウムを配合物に添加して、さらに5分間混合する。次に混合物をロータリー式打錠機内で圧縮して、直径3/8インチの400mgの円形錠剤を形成できる。この方法を使用して次の錠剤を調製した。
【0298】
【表79】

【0299】
上の計算は被覆顆粒の理論的効力でなく実効力に基づく。
【0300】
実施例34 ヒドロモルホンHCl(32mg)錠剤処方ロット番号3766−72
被覆顆粒は、V−ブレンダー内で乳糖(FAST−FLO、噴霧乾燥)、Compritol ATO 888(ベヘン酸グリセリル)、Benecel MP844(ヒプロメロース)と約30分間にわたり混合できる。次にステアリン酸マグネシウムを配合物に添加して、さらに5分間混合する。次に混合物をロータリー式打錠機内で圧縮して、直径3/8インチの400mgの円形錠剤を形成できる。この方法を使用して次の錠剤を調製した。
【0301】
【表80】

【0302】
上の計算は被覆顆粒の理論的効力でなく実効力に基づく。
【0303】
実施例35 ヒドロモルホンHCl(32mg)錠剤処方ロット番号3766−73
被覆顆粒は、V−ブレンダー内で乳糖(FAST−FLO、噴霧乾燥)、Compritol ATO 888(ベヘン酸グリセリル)、Benecel MP844(ヒプロメロース)と約30分間にわたり混合できる。次にステアリン酸マグネシウムを配合物に添加して、さらに5分間混合する。次に混合物をロータリー式打錠機内で圧縮して、直径3/8インチの400mgの円形錠剤を形成できる。この方法を使用して次の錠剤を調製した。
【0304】
【表81】

【0305】
上の計算は被覆顆粒の理論的効力でなく実効力に基づく。
【0306】
実施例36 ヒドロモルホンHCl(32mg)錠剤処方ロット番号3766−87
被覆顆粒は、V−ブレンダー内で乳糖(FAST−FLO、噴霧乾燥)、Compritol ATO 888(ベヘン酸グリセリル)、Benecel MP844(ヒプロメロース)と約30分間にわたり混合できる。次にステアリン酸マグネシウムを配合物に添加して、さらに5分間混合する。次に混合物をロータリー式打錠機内で圧縮して、直径3/8インチの400mgの円形錠剤を形成できる。この方法を使用して次の錠剤を調製した。
【0307】
【表82】

【0308】
上の計算は被覆顆粒の理論的効力でなく実効力に基づく。
【0309】
実施例37 ヒドロモルホンHCl(32mg)錠剤処方ロット番号3766−88
被覆顆粒は、V−ブレンダー内で乳糖(FAST−FLO、噴霧乾燥)、Benecel MP844(ヒプロメロース)と約30分間にわたり混合できる。次にステアリン酸マグネシウムを配合物に添加して、さらに5分間混合する。次に混合物をロータリー式打錠機内で圧縮して、直径3/8インチの400mgの円形錠剤を形成できる。この方法を使用して次の錠剤を調製した。
【0310】
【表83】

【0311】
上の計算は被覆顆粒の理論的効力でなく実効力に基づく。
【0312】
実施例38 ヒドロモルホンHCl(32mg)錠剤処方ロット番号3766−89
被覆顆粒は、V−ブレンダー内で乳糖(FAST−FLO、噴霧乾燥)、エチルセルロースNT10、Compritol(ベヘン酸グリセロール)と約30分間にわたり混合できる。次にステアリン酸マグネシウムを配合物に添加して、さらに5分間混合する。次に混合物をロータリー式打錠機内で圧縮して、直径3/8インチの400mgの円形錠剤を形成できる。この方法を使用して次の錠剤を調製した。
【0313】
【表84】

【0314】
上の計算は被覆顆粒の理論的効力でなく実効力に基づく。
【0315】
実施例39 ヒドロモルホンHCl(32mg)錠剤処方ロット番号3766−57
被覆顆粒は、V−ブレンダー内で乳糖(FAST−FLO、噴霧乾燥)、Compritol(ベヘン酸グリセリル)と約30分間にわたり混合できる。次に混合物をロータリー式打錠機内で圧縮して、直径3/8インチの400mgの円形錠剤を形成できる。この方法を使用して次の錠剤を調製した。
【0316】
【表85】

【0317】
上の計算は被覆顆粒の理論的効力でなく実効力に基づく。
【0318】
実施例40 ヒドロモルホンHCl(32mg)錠剤処方ロット番号4002−57
被覆顆粒は、V−ブレンダー内で乳糖(FAST−FLO、噴霧乾燥)と約30分間にわたり混合できる。次にステアリン酸マグネシウムを配合物に添加して、さらに5分間混合する。次に混合物をロータリー式打錠機内で圧縮して、直径3/8インチの400mgの円形錠剤を形成できる。この方法を使用して次の錠剤を調製した。
【0319】
【表86】

【0320】
上の計算は被覆顆粒の理論的効力でなく実効力に基づく。
【0321】
実施例41 ヒドロモルホンHCl(32mg)錠剤処方ロット番号4002−60
被覆顆粒は、V−ブレンダー内で乳糖(FAST−FLO、噴霧乾燥)、Benecel MP844(ヒプロメロース)と約30分間にわたり混合できる。次にステアリン酸マグネシウムを配合物に添加して、さらに5分間混合する。次に混合物をロータリー式打錠機内で圧縮して、直径3/8インチの400mgの円形錠剤を形成できる。この方法を使用して次の錠剤を調製した。
【0322】
【表87】

【0323】
上の計算は被覆顆粒の理論的効力でなく実効力に基づく。
【0324】
実施例42 ヒドロモルホンHCl(32mg)錠剤処方ロット番号4002−61
被覆顆粒は、V−ブレンダー内で乳糖(FAST−FLO、噴霧乾燥)、Compritol ATO 888(ベヘン酸グリセリル)、Benecel MP844(ヒプロメロース)と約30分間にわたり混合できる。次にステアリン酸マグネシウムを配合物に添加して、さらに5分間混合する。次に混合物をロータリー式打錠機内で圧縮して、直径3/8インチの400mgの円形錠剤を形成できる。この方法を使用して次の錠剤を調製した。
【0325】
【表88】

【0326】
上の計算は被覆顆粒の理論的効力でなく実効力に基づく。
【0327】
実施例43 ヒドロモルホンHCl(32mg)錠剤処方ロット番号4002−58
被覆顆粒は、V−ブレンダー内で乳糖(FAST−FLO、噴霧乾燥)と約30分間にわたり混合できる。次にステアリン酸マグネシウムを配合物に添加して、さらに5分間混合する。次に混合物をロータリー式打錠機内で圧縮して、直径3/8インチの400mgの円形錠剤を形成できる。この方法を使用して次の錠剤を調製した。
【0328】
【表89】

【0329】
上の計算は被覆顆粒の理論的効力でなく実効力に基づく。
【0330】
実施例44 被覆顆粒ロット4002−73(コアおよびコーティング中にカルナウバ蝋、硬化なし)
上の実施例17に記載の方法と同様の方法を使用して、しかし10%カルナウバ蝋と共にその他の成分と乾式混合するために62%のECを使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。湿潤顆粒は製粉に先だって部分的に乾燥されなかった。
【0331】
【表90】

【0332】
【表91】

【0333】
実施例45 被覆顆粒ロット4002−76(コアおよびコーティング中にGelucire 50/13、硬化なし)
上の実施例17に記載の方法との同様の方法を使用して、しかしその他の成分との乾式混合のために10.1%Gelucire 50/13と共に64%のECを使用して、各使用構成要素の量が実施例17とは異なる次の調合物を調製した。造粒前に、その他の材料との混合に先だってGelucire 50/13を最初に製粉して30メッシュスクリーンを通して篩掛けした。湿潤顆粒は製粉に先だって部分的に乾燥されなかった。
【0334】
【表92】

【0335】
コーティング前に、エタノールEC溶液に添加するのに先だって、Gelucire 50/13を最初に製粉して200メッシュスクリーンを通して篩掛けした。
【0336】
【表93】

【0337】
実施例46
本発明の被覆顆粒をはじめとするいくつかのロットの錠剤を下の表92に示すように製造した。
【0338】
【表94】

【0339】
錠剤ロット番号は第2欄に示され、使用された被覆顆粒(その製造については先に述べた)は第1欄に示される。第3欄は平均錠剤硬度を提供する。製造工程の詳細は、付随する実施例セクションにある。
【0340】
表93、94、および95は、錠剤ロットを左側に同定し、各ロットについて様々な時点の溶解情報を提供する。例えばロット3766−57は硬度52ニュートンを有する400mgの錠剤であり、円形で3/4インチである。これらの錠剤は、その製造について実施例22に記載の被覆顆粒ロット3766−33を含んだ。表93に示すようにこれらの錠剤は、溶出溶媒として500mlの0.1N HCl(通常溶出)または40%のエタノール溶液(急速放出溶解)を使用して、USP溶解装置2を使用して試験された。セラミック乳鉢および乳棒を使用して錠剤を破砕し、経口粉砕シミュレーション試験を実施した。各錠剤をセラミック乳鉢(13cm外径)に入れて、次に乳棒を使用して垂直下向きに力をかけて、360度の円運動で錠剤を破砕する。それぞれの完全な円運動が、1回の打撃を構成する。各錠剤に上述のように12回の打撃を加えて破砕した。次にUSP装置2を使用して破砕した粉末を分析し、30分時の溶出データを検討した。このロットは4時間で29%放出を示し、8時間で58%を放出し、16時間で90%を放出した。表94に示すように、エタノールに曝露すると同ロットは2時間以内に51%を放出した。これは通常の状態での13%の放出と比べられる。この特定例では、このような矛盾は耐溶剤性の観点から成功と見なされなかった。表95によれば同一錠剤ロットは、本明細書に記載されているような粉砕のシミュレーションの30分後に36%の放出を示した。
【0341】
【表95】

【0342】
【表96】

【0343】
【表97】

【0344】
本発明について特定の実施態様に言及して説明したが、これらの実施態様は単に本発明の原理と応用を例示するものであると理解される。したがって添付の請求の範囲によって定義される本発明の精神と範囲を逸脱することなく、例示的な実施態様に多数の修正を加えてもよく、またその他の取り合わせを工夫してもよいものと理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも約0.1の量のAPIを含んでなる放出制御API含有粒子と、粒子重量を基準として約5〜約40%の量の脂肪/蝋と、被覆粒子重量を基準として約5〜約40%の脂肪/蝋を含有する破砕抵抗性コーティングとを含んでなり、前記コーティングが被覆粒子重量を基準として約20〜約75重量%の量で存在し、前記粒子および前記コーティングの双方に脂肪/蝋を含まない同一被覆粒子と比べて、より大きな破砕抵抗性またはより長いAPI放出の少なくとも1つを示す、被覆粒子。
【請求項2】
前記脂肪/蝋が前記粒子中に未被覆粒子重量を基準として約5〜約30%の量で存在し、前記脂肪/蝋が前記コーティングに被覆粒子の約10〜約30重量%の量で存在する、請求項1に記載の被覆粒子。
【請求項3】
前記粒子が湿潤顆粒であって、顆粒の約1〜約90重量%の量で存在し、且つ水には最大限でもわずかしか溶けないがアルコールには少なくともやや溶ける第1の材料、および顆粒の約1〜約90重量%の量で存在し、且つアルコールには最大限でもわずかしか溶けないが水には少なくともやや溶ける第2の材料と混合された、顆粒の約0.1〜約90重量%の量のAPIを含んでなる湿潤顆粒であり、前記APIおよび前記2つの材料が水およびアルコール存在下で造粒される、請求項1に記載の被覆粒子。
【請求項4】
前記第1の材料がエチルセルロースであり、前記第2の材料がHPMCである、請求項3に記載の被覆粒子。
【請求項5】
前記粒子上の前記コーティングが被覆粒子の約30〜約60重量%の量で提供され、前記コーティングが、セルロースポリマー、メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸共重合体、およびシェラックからなる群から選択されるコーティング材料をさらに含んでなり、前記コーティング材料がアルコールベースの溶媒を使用して前記粒子上に付着される、請求項4に記載の被覆粒子。
【請求項6】
前記コーティング材料がエチルセルロースであり、前記コーティングが実質的に無水のエタノールを使用して前記粒子上に付着される、請求項5に記載の被覆粒子。
【請求項7】
前記粒子または前記被覆粒子が硬化される、請求項4に記載の被覆粒子。
【請求項8】
前記粒子または前記被覆粒子が硬化される、請求項5に記載の被覆粒子。
【請求項9】
前記粒子または前記被覆粒子が硬化される、請求項6に記載の被覆粒子。
【請求項10】
前記APIがアヘン剤である、請求項1に記載の被覆粒子。
【請求項11】
前記アヘン剤が、フェンタニル、オキシコドン、およびヒドロモルホン、およびそれらの塩類からなる群から選択される、請求項10に記載の被覆粒子。
【請求項12】
前記APIがアヘン剤である、請求項3に記載の被覆粒子。
【請求項13】
前記アヘン剤が、フェンタニル、オキシコドン、およびヒドロモルホン、おそびそれらの塩類からなる群から選択される、請求項12に記載の被覆粒子。
【請求項14】
前記APIがアヘン剤である、請求項5に記載の被覆粒子。
【請求項15】
前記アヘン剤が、フェンタニル、オキシコドン、およびヒドロモルホン、およびそれらの塩類からなる群から選択される、請求項14に記載の被覆粒子。
【請求項16】
前記脂肪/蝋が約6以下のHLBおよび約30℃以上の融点を有する、請求項4に記載の被覆粒子。
【請求項17】
前記脂肪/蝋が蝋、脂肪酸または脂肪酸エステルである、請求項16に記載の被覆粒子。
【請求項18】
前記脂肪/蝋がグリセロールの脂肪酸エステルである、請求項17に記載の被覆粒子。
【請求項19】
前記グリセロールの脂肪酸エステルがベヘン酸グリセロールである、請求項18に記載の被覆粒子。
【請求項20】
組成物の約1〜約50重量%の量の脂肪/蝋粒子を含むマトリックスと、少なくとも約0.1の量のAPIを含んでなるAPI含有粒子と、粒子重量を基準として約5〜約40%の量の脂肪/蝋と、被覆粒子重量を基準として約5〜約40%の脂肪/蝋を含有する破砕抵抗性コーティングとを含んでなり、前記コーティングが被覆粒子重量を基準として約20〜約75重量%の量で存在し、被覆粒子が、前記粒子および前記コーティングの双方に脂肪/蝋を含まない同一被覆粒子と比べて、より大きな破砕抵抗性またはより長いAPI放出の少なくとも1つを示す、医薬組成物。
【請求項21】
剤形の約1〜約50重量%の量で存在する蝋、脂肪酸、および脂肪酸エステルからなる群から選択される脂肪/蝋粒子を含むマトリックスと、有効量のAPIを提供するのに十分な量のAPI含有粒子と、APIを含んでなる粒子と、粒子重量を基準として約5〜約40%の量の蝋、脂肪酸、および脂肪酸エステルからなる群から選択される脂肪/蝋と、被覆粒子重量を基準として約5〜約40%の蝋、脂肪酸、および脂肪酸エステルからなる群から選択される脂肪/蝋を含有する破砕抵抗性コーティングと、被覆粒子の約20〜約75重量%の量で存在するコーティングとを含んでなり、被覆粒子が、前記粒子および前記コーティングの双方に脂肪/蝋を含まない同一被覆粒子と比べて、より大きな破砕抵抗性またはより長いAPI放出の少なくとも1つを示す、医薬品剤形。
【請求項22】
粒子の約1〜約90重量%の量で存在し、且つ水には最大限でもわずかしか溶けないがアルコールには少なくともやや溶ける第1の材料と、粒子の約1〜約90重量%の量で存在し、且つアルコールには最大限でもわずかしか溶けないが水には少なくともやや溶ける第2の材料とをさらに含んでなり、前記粒子がAPIを含んでなる湿潤顆粒であり、前記第1の材料および前記第2の材料が水とアルコールの溶媒系によって造粒され、前記コーティングが、セルロースポリマー、メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸共重合体、およびシェラックからなる群から選択されるコーティング材料をさらに含んでなり、前記コーティング材料がアルコールベースの溶媒を使用して前記顆粒上に付着され、前記被覆粒子が剤形あたり約10μg〜約2000mgのAPIを提供するのに十分な量で存在する、請求項21に記載の剤形。
【請求項23】
前記第1の材料がエチルセルロースであり、第2の材料がHPMCである、請求項22に記載の剤形。
【請求項24】
前記コーティング材料がエチルセルロースである、請求項22に記載の剤形。
【請求項25】
前記第1の材料がエチルセルロースであり、前記第2の材料がHPMCであり、前記コーティング材料がエチルセルロースであり、前記コーティングが実質的に無水のエタノールを使用して前記粒子上に付着される、請求項22に記載の剤形。
【請求項26】
前記粒子および前記被覆粒子の少なくとも1つが硬化される、請求項22に記載の剤形。
【請求項27】
より長い放出および改善された破砕抵抗性を放出制御剤形に提供する剤形を製造する方法であって、顆粒の約1〜約90重量%の量で存在し、且つ水には最大限でもわずかしか溶けないがアルコールには少なくともやや溶ける第1の材料と、顆粒の約1〜約90重量%の量で存在し、且つアルコールには最大限でもわずかしか溶けないが水には少なくともやや溶ける第2の材料と、顆粒重量を基準として約5〜約40%の量で存在する摂氏約30度以上の融点および約6以下のHLBを有する脂肪/蝋とを用いて、水およびアルコール存在下においてAPIを造粒するステップと、
セルロースポリマー、メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸共重合体、およびシェラックからなる群から選択される材料を含んでなるコーティングで前記顆粒をコーティングするステップであって、前記コーティング材料がアルコールベースの溶媒を使用して前記顆粒上に付着され、被覆顆粒重量を基準として約5〜約40%の量で摂氏約30度以上の融点および約6以下のHLBを有する脂肪/蝋をさらに含んでなり、コーティングが被覆粒子重量を基準として約20%〜約75重量%の量で提供されるステップと、
被覆顆粒と少なくとも1つの賦形剤とを混合して配合物を形成するステップと、
前記配合物から個々の剤形を形成するステップと
を含んでなる方法。
【請求項28】
前記脂肪/蝋が前記顆粒に固体の非溶融形態で添加される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記脂肪/蝋が前記コーティングに固体の非溶融形態で添加される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記顆粒、前記コーティングまたは前記被覆顆粒を硬化するステップをさらに含んでなる、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記顆粒をコーティング前に硬化するステップと、前記被覆顆粒を硬化するステップをさらに含んでなる、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記配合物が追加的破砕抵抗性、より長いAPI放出または追加的耐溶剤性の少なくとも1つを提供するのに十分な量で、摂氏約30度以上の融点および約6以下のHLBを有する脂肪/蝋粒子を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記脂肪/蝋が蝋、脂肪酸、および脂肪酸エステルからなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記脂肪/蝋が蝋、脂肪酸、および脂肪酸エステルからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記脂肪/蝋が蝋、脂肪酸、および脂肪酸エステルからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記脂肪/蝋が蝋、脂肪酸、および脂肪酸エステルからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公表番号】特表2011−517654(P2011−517654A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524829(P2010−524829)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/003598
【国際公開番号】WO2009/035474
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(509025614)シマ ラブス インク. (6)
【Fターム(参考)】