説明

火傷の治療

本発明は火傷の治療に対する薬剤の製造における金属イオンキレート剤の使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒトおよびヒト以外の動物における様々な火傷の治療に対する金属イオンキレート組成物の製造および適用に関する。
【0002】
火傷は現代社会における傷害の主な形態である。それらはとりわけ:放射への過剰曝露、例えば日焼けを生じる日射、熱輻射、溶接閃光、炎、電気放電、化学薬品との接触、摩擦、調理器電熱線あるいは熱湯、熱油等のような非常に熱い物との接触を含む多くの原因から生じうる。付随した痛みおよび瘢痕組織形成の不適切な治療によりしばしば問題を生じる。火傷に最も苦しむ最も多くの人々は熱湯または熱油のいずれかを含む状態に手を触れようとしている子供である。
【0003】
火傷は一般にそれらの重症度と範囲に従って分類される。
火傷I度は最も軽く、普通は表皮に影響を及ぼすにすぎない。火傷部位は赤く、痛く、乾き、水疱は無く、接触に非常に過敏で、損傷皮膚は皮膚深層における体液の漏れによりわずかに湿っている。この点で感覚神経終末も露出し痛みを生じる。軽い日焼けは火傷I度状態の典型である。
【0004】
火傷II度では表皮と真皮の両方とも影響を受ける。損傷はより深く水疱が通常皮膚に発生する。その部位の皮脂腺と同様に神経も影響を受けるので、皮膚はさらに痛く、過敏である。
【0005】
火傷III度は皮膚の全層において組織が死滅しているので最も深刻である。普通損傷部位は皮下組織に及ぶ。通常水泡は無いが、やけどした表面は白色から黒色(黒こげ)あるいは創傷深部血液による朱色の幾つかのタイプの外観を有する。ほとんどの場合火傷は浅筋膜を貫通して様々な動脈と静脈が影響を受ける筋層に浸透する。皮膚神経は損傷を受けているので火傷は全く痛みが無く時々皮膚に触ってもどんな感覚もない。感覚の欠落あるいは圧迫時の皮膚血管のブランチングは損傷皮膚の存在を示す。
【0006】
いずれの場合も細菌感染が重大なリスクで緑膿菌は火傷部位に住むことのできる一般に最も優勢な細菌である。この細菌は非常に丈夫なタイプで火傷部位から除去することは非常に難しくその結果下に横たわる基底組織は汚染され、損傷を受け、かなりの瘢痕組織はこの細菌感染に起因するので,皮膚移植を含む様々な方法によるその部位の治癒は時折不可能である。
【0007】
火傷に対する普通の治療は温度を下げる目的で最初に損傷部位に冷水を流す。普通火傷I度にあってはさらなる治療は必要ではなく、皮膚は数日以内にそれ自身自然に修復する。
【0008】
火傷II度にあっては火傷部位へ冷水を流した後、月並みな抗菌性の軟膏あるいは塗剤を治癒過程をアシストするために塗布し、通常損傷部位は3週間以内にそれ自身正常化する。時折もし水泡があり、破裂すれば死滅皮膚を除くために切り取る必要がある。
【0009】
重症度に左右される火傷III度について治療法を述べる。できるだけ最善を尽くし、救うために損傷部位の正しい治療を保障するために病院での条件のもとに通常徹底的な薬物療法が必要とされる。この場合安定化の期間後皮膚移植がおそらく行なわれなければならない。これらの火傷は通常もし治療しなければ直ちに感染し、壊疽、手足の消失あるいは敗血症を生じる。
【0010】
火傷III度について、損傷部位のリハビリテーションは皮膚が保護するので通常瘢痕組織を残し、それがピンと張られ、時折運動制限をもたらす。
【0011】
上記問題の1つ以上を避けあるいは最小化するのが本発明の目的である。
【0012】
抗菌薬抵抗性感染症および皮膚と開いた傷の汚染との戦いに使用するのに適切な様々な局所用キレート組成物を我々の以前の特許出願WO03/032944に予め提唱していた。しかしながら、他の疾患に対しそのような組成物の有用性の可能性を予め示唆したものはなかった。
【0013】
WO03/032944(その内容は、それらに対する参考文献としてここに挿入されている)に開示したようにキレート化合物の使用に基づいた組成物は、それらに関連した痛みの軽減あるいは除去、および自然な皮膚の促進および組織再生およびそれらの血管新生のユニークな作用と同様に、様々な火傷病変の治療および特に火傷病変の管理と治療における特殊な問題である感染症のリスク軽減に重要な有益な性質を有することを我々は現在見出している。
【0014】
キレート化合物は存在する細菌を覆い、細菌が栄養物としてあてにしている金属イオンを細菌から奪う。このことは緑膿菌あるいは他の細菌からもたらされる感染症は、早速治療され、直ちにコントロール下に置かれることを意味する。
【0015】
このように第一の態様において本発明は火傷の治療に対する薬剤の製造における金属イオンキレート剤の使用を提供する。
【0016】
不確かさを避けるために、ここにおける“火傷”あるいは“火傷病変”に対する言及は反対が指摘されなければ、放射への過剰曝露、例えば日焼けを生じる日射、熱輻射、溶接閃光、炎、電気放電、化学薬品との接触、摩擦、調理器電熱線あるいは熱湯、熱油等のような非常に熱い液体との接触から生じる病変を含むこれら病変の最大限の範囲を含むことを意味する。
【0017】
好ましくは、金属イオンキレート剤は患者の血液のpHよりも十分に高いpHで用いられる。一般に正常患者の血液pHは約7.4である。治療組成物のpHが血液のpHより高い時、それは組成物を塗布した火傷部位へ血液を引き寄せ、それによって火傷の治癒および皮膚と組織の再生を促進する。一般に血液pHと組成物pHとの間のpH格差が大きければ大きいほど、血液を引き寄せる効果は大きく、治癒促進効果も大きい。他方、過度に高いpH値は毒性をもたらしおよび/あるいは身体に他の有害な効果をもたらす。一般にpHは8.0〜9.6の範囲、好ましくは9.0〜9.5、最も好ましくは9.2〜9.4の範囲にあるべきことを我々は見出した。
【0018】
さらなる態様において本発明は火傷に苦しむヒトあるいは動物の火傷に対する金属イオンキレート剤の有効量の塗布からなる火傷の治療方法を提供する。
【0019】
好ましいキレート剤は様々な異なる金属イオンをキレートすることができ、それによって多数の、直接的なおよび間接的な経路によって細菌を攻撃し、それによって回復期間中感染に対する火傷部位の保護を最大化する。特に、それはMg2+、Fe2+、Cu2+、Zn2+、Mn2+、Ni2+およびSe2+から選択された多数の金属イオンとキレートを形成するのに用いられるキレート剤にとって望ましい。8−ヒドロキシキノリンがナトリウム、カリウムおよびカルシウム以外のほとんどの金属をキレートする、特に広い活性スペクトルを有することが判明した。
【0020】
好ましくは金属イオンキレート剤は少なくとも1個のヘテロ原子部分が水素原子アクセプターとして働く少なくとも1個の不飽和結合を有する複素環6員環からなり、上記化合物はまた少なくとも1個の水素原子ドナー部分、好都合には水酸基からなる異極性化合物であり、上記異極性化合物はそれ自身あるいはもう1個の置換基あるいは複数の置換基と共に立体障害を形成しおよび/あるいはその分子を著しく塩基性あるいは酸性にしあるいは1個の異極性化合物分子の水素原子ドナーおよびアクセプター部分と上記異極性化合物のもう一個の分子の水素原子ドナーおよびアクセプター部分との相互作用を阻止するように分子の立体構造を変える置換基を持たない。
【0021】
一般に好ましい金属イオンキレート剤は共にキレート機能を提供するように環構造に少なくとも1個の窒素原子および環構造に配置された少なくとも1個の水酸基置換基を有するヘテロアリール化合物である。好ましい金属イオンキレート剤は随意に置換された2,3−ジヒドロキシピリジン;4,6−ジヒドロキシピリミジン;2−プテリジノール;2,4−キノリンジオール;2,3−ジヒドロキシキノキサリン;2,4−プテリジンジオール;6−プリノール;3−フェナンスリジノール;2−フェナンスロリノール;2−フェナジニロールから選択され、最も好ましいのは8−ヒドロキシキノリンである。8−ヒドロキシキノリンは特に広範囲の異なる金属イオンと金属イオンキレートを形成する利点を有する。
【0022】
さらなる態様において本発明はそれらに対する薬学的に許容しうる担体、好ましくは水性担体において上記金属イオンキレート剤からなる局所塗布に対する医薬組成物を提供する。適切な水性担体は一般に中間希釈剤、湿潤剤、必要なら増粘剤およびここで既に論じたように血液pHよりも高い組成物pHを与えるpH調整剤をも含む。組成物は一般に液体、ゲルあるいはペーストの形であり、一般に0.0031%w/w〜0.20%w/w、好ましくは0.02%w/w〜0.1%(???)w/wの迅速かつ/あるいはより有効に治癒するのに役立つ高濃度のキレート剤からなる。
【0023】
同時に組成物は神経受容体を覆い疼痛を中和する。このことは損傷部位由来の疼痛による苦痛を最小にすることを意味する。
【0024】
火傷I度に対する使用として、損傷部位に便利に噴霧しおよび/あるいは完全な被覆を確実にするために損傷部位に塗布する液体型の組成物が一般に用いられる。典型的にこれは何ら火傷部位あるいは発赤の眼に見える形跡の見られない数分以内および一般に24時間のような短期間に疼痛を和らげる。
【0025】
II度あるいはIII度の火傷部位の治療に対しては、注げる粘性のゲル組成物、あるいはペースト組成物の使用が一般に好ましい。神経受容体が組成物で覆われたままであり、疼痛軽減が十分維持されることを保障するので、ゲルあるいはペーストを塗布する部位を湿ったままであることを保障することが重要である。
【0026】
火傷II度に関して、火傷部位および火傷を負っていない水泡にまで組成物の塗布後、24時間以内に水泡の大きさの縮小、発赤のかなりの消失、疼痛のかなりの消失が一般に認められる。もし水泡が破裂したらその後皮膚は組成物の反復塗布により2〜3日以内に修復する。
【0027】
火傷III度に関して組成物は火傷部位の感染症からの保護を保障し、治癒が進行する。組織と皮膚は再建し始め、数日後皮膚と組織は治癒が進行するにつれて新しい色調の外観を呈する。治癒過程を完了するのに必要な期間は一般に損傷部位の火傷傷害の重症度に依存する。
【0028】
組成物のその他の成分の選択は金属イオンキレート剤の性質によって制限されることが認められる。このように、例えば、好ましい金属イオンキレート剤の故に8−ヒドロキシキノリンは一般に水溶液に溶けないかあるいはわずかに溶解するにすぎない。8−ヒドロキシキノリンの適切な水性組成物はグリコール、好ましくはプロピレングリコール、グリセリンあるいはソルビトールを含むポリオールのような中間溶剤および湿潤剤を用いて調製することができる。当該分野におけるそれらの技術は用いられる広範囲の湿潤剤が入手できること、とりわけポリオキシエチレン・ソルビタン・脂肪酸エステルのT20、T40、T60およびT80(ポリソルベート)、およびC9〜C11のアルコールエトキシレート(Symperonic91/8、あるいはより好ましくは、Symperonic91/6)を含むグリコールに金属イオンキレート剤を溶解させることを認める。
【0029】
水性組成物の様々な成分の異なる割合の範囲は用いられる金属イオンキレート剤の溶解度、必要な最終濃度などに依存して用いられることが認められる。一般に用いられる湿潤剤の量が比較的大きな影響を及ぼすことを我々は見出した。中間溶剤(グリコールなど)の場合、金属キレート剤の水への可溶化に必要な最少量があれば、その後そうすることに通常特別な利点はないにもかかわらず、この中間溶剤の量をさらに容易に増加することができる。
【0030】
有利なことにここで以前に論じたように、血液pHより高い組成物のアルカリ性pH、最も好ましくは9.2〜9.4の範囲のpHを保障するために、pH調整剤も含まれる。便利な生理学的に許容し得るpH調整物質が用いられる。pH調整剤は単に水酸化カリウムあるいは水酸化ナトリウムのようなアルカリである。好ましくは、EDTAが用いられるが、二ナトリウム塩あるいは四ナトリウム塩(それぞれDSEDTAあるいはTSEDTA)の形で便利に用いられる。
【0031】
8−ヒドロキシキノリンの場合火傷の治療における使用に適切な本発明の液体、水性組成物に用いられる適切な割合は、一般に以下の組成物を有することを我々は見出した。
【0032】

【0033】
本発明のさらなる好ましい特徴と利点は好ましい具体化の実例として与えられた以下の詳細な実施例から明らかである。
実施例1−濃縮物の調製法
10gの8−ヒドロキシキノリン(キレート化合物)と0.5gのエチレンジアミン四酢酸(pH調節剤)をプロピレングリコール、グリセリンおよびソルビトールから選択した水溶性の非水性希釈剤200gを用いてポリオキシエチレン・ソルビタン・脂肪酸エステルのT20、T40、T60およびT80(ポリソルベート)およびC9〜C11のアルコールエトキシレート(Symperonic91/6)から選択した50gの湿潤剤に70℃で溶解した。いったん溶液としたら、500gの溶液とするためにグリコールまたはグリセリンまたはソルビトールの希釈剤をさらに加え、それから冷却して2.10%の一次キレート化合物および二次キレート化合物の混合物を含む500gの濃縮物を得る。
【0034】
実施例2−液体噴霧剤組成物の調製
実施例1から2.1%のキレート濃縮物の1部をとり、39部のイオン交換水に希釈し、それからこの組成物のpHをエチレンジアミン四酢酸ナトリウムを加えてpH9.2/9.4に調整する。この調製品の力価はキレート化合物525ppmである。
【0035】
この調製品は夏の間の共通した疾患である日焼けのような火傷I度、または製造業におけるアーク溶接で生じる溶接閃光に対して適切である。火傷を生じた後できるだけ早急に火傷部位に組成物を噴霧し、その後痛みもなく皮膚に触れることができるまで10〜15分の間隔で再投与するのが望ましい。
【0036】
実施例3−ゲル組成物の調製
実施例1から2.1%のキレート濃縮物の1部をとり、39部のイオン交換水に希釈する。注ぐことの可能なゲル組成物を製造するためにヒドロキシプロピルセルロースの増粘剤を1%w/vの割合で加え、それから組成物のpHをエチレンジアミン四酢酸ナトリウム(TSEDTA)で9.2/9.4に調整する。この調製品の力価はキレート化合物519ppmである。
【0037】
このゲルの塗布は火傷および患者に依存するが、ゲルの被覆は塗布毎に少なくとも2〜3mmの厚さであるべきである。疼痛の再発を防ぐために火傷部位のゲルを湿らせておく必要があるので、もし必要ならゲルを乾燥から防ぐために適切な包帯あるいは被覆材(使い捨てダイヤパー素材の形が便利)でポリエチレンラップを用いてその周りの部位を被う。
【0038】
実施例4−ペースト組成物の調製
実施例1から2.1%のキレート濃縮物の1部をとり、39部のイオン交換水に希釈する。粘性のペーストを製造するためにヒドロキシプロピルセルロースの増粘剤を2%w/vの割合で加え、それから組成物のpHをエチレンジアミン四酢酸ナトリウム(TSEDTA)で9.2/9.4に調整する。この調製品の力価はキレート化合物515ppmである。
【0039】
このペーストの塗布は火傷および患者に依存するが、ペーストの被覆は塗布毎に少なくとも2〜3mmの厚さであるべきである。火傷部位のペーストを湿らせておく必要があるので、もし必要ならペーストを乾燥から防ぐために適切な包帯あるいは被覆材(使い捨てダイヤパー素材の形が便利)でポリエチレンラップを用いてその周りの部位を被う。
【0040】
実施例5−火傷III度の治療
熱油をこぼした結果腕に約155cm2の火傷III度を負った48歳の男性患者に実施例4によるペースト組成物を火傷部位に1日2回塗布した。第1日後細菌感染症は克服され、明らかな皮膚再生が第3日までにもたらされた。治療の第6日までに、火傷部位のほとんど全体に自然な皮膚の再生がもたらされた。
【0041】
実施例6−火傷III度の治療
破損したHT送電ケーブルとの接触により生じた70%の電気熱傷III度を有する11歳の女性被験者が約8カ月間通常の治療を受け、広範囲の皮膚移植を受けた。それにもかかわらず、一定部位が感染し、通常の治療に抵抗した。これらの部位には実施例4によるペースト組成物を1日2回塗布した。治療の第8日までに、細菌感染はコントロールされ、自然な皮膚の再生がほとんど治療部位の全体にもたらされた。
【0042】
実施例7−火傷I度の治療
沸騰水でやけどの結果生じた2本の手指に火傷I度を有する高齢男性被験者は最初に手指に数分間冷水を流した後、実施例2による液体組成物を用いて15分間隔で3回噴霧した患部を有した。この後疼痛はかなり消失し、次の日までに触れるとわずかに柔らかく、水疱の形成は無く、火傷部位はわずかに赤くなるだけであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
火傷の治療に対する薬剤の製造における金属イオンキレート剤の使用。
【請求項2】
前記金属イオンキレート剤を7.4より高いアルカリ性pHを与える生理学的に許容しうるpH調節剤と共に用いる請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記アルカリ性pHが8.0〜9.6の範囲である請求項1あるいは請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記金属イオンキレート剤は少なくとも1個のヘテロ原子部分が水素原子アクセプターとして働き、前記化合物はまた少なくとも1個の水素原子ドナー部分からなる少なくとも1個の不飽和結合を有する複素環6員環からなる異極性化合物であり、前記異極性化合物はそれ自身あるいはもう1個の置換基あるいは複数の置換基と共に立体障害を形成し、および/あるいはその分子を著しく塩基性あるいは酸性にしあるいは1個の異極性化合物分子の水素原子ドナーおよびアクセプター部分と前記異極性化合物のもう一個の分子の水素原子ドナーおよびアクセプター部分との相互作用を阻止するように分子の立体構造を変える置換基を持たない請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
前記金属イオンキレート剤が共にキレート機能を与えるように環構造に少なくとも1個の窒素原子および環構造に配置された少なくとも1個の水酸基置換基を有するヘテロアリール化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
前記金属イオンキレート剤は随意に置換された2,3−ジヒドロキシピリジン;4,6−ジヒドロキシピリミジン;2−プテリジノール;2,4−キノリンジオール;2,3−ジヒドロキシキノキサリン;2,4−プテリジンジオール;6−プリノール;3−フェナンスリジノール;2−フェナンスロリノール;2−フェナジニロールおよび8−ヒドロキシキノリンから選択される請求項5に記載の使用。
【請求項7】
前記金属イオンキレート剤が8−ヒドロキシキノリンである請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記組成物に湿潤剤を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
湿潤剤がポリオキシエチレン・ソルビタン・脂肪酸エステルのT20、T40、T60およびT80(ポリソルベート)およびC9〜C11のアルコールエトキシレート(Symperonic91/8およびSymperonic91/6)から選択される請求項8に記載の使用。
【請求項10】
前記薬剤がその中に中間溶剤を非水性水溶性溶剤の形で含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
前記中間溶剤がポリオールである請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記中間溶剤がモノエチレングリコール、プロピレングリコールグリセリンおよびソルビトールから選択される請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記薬剤に増粘剤を含む請求項1〜12のいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
前記増粘剤がヒドロキシプロピルセルロース増粘剤である請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記増粘剤がデヒドロキサンタンゴム増粘剤である請求項13に記載の使用。
【請求項16】
前記薬剤中8−ヒドロキシキノリン1重量部、湿潤剤4±5%重量部、グリコールおよび水の少なくとも20重量部からなる請求項1〜15のいずれか1項に記載の使用。
【請求項17】
前記薬剤が液体、噴霧剤、クリーム、ゲルあるいはペーストの形である請求項1〜16のいずれか1項に記載の使用。
【請求項18】
前記金属イオンキレート剤がキレート剤の0.0031〜0.20%w/wの濃度で薬剤中に存在する請求項1〜17のいずれか1項に記載の使用。
【請求項19】
前記金属イオンキレート剤がキレート剤の0.02〜0.1%w/wの濃度で薬剤中に存在する請求項18に記載の使用。
【請求項20】
請求項2に従属する時、前記薬剤が9.0〜9.5の範囲のpHを有するように前記pH調節剤を用いる請求項2あるいは3〜19のいずれか1項に記載の使用。
【請求項21】
前記薬剤のpHが9.2〜9.4の範囲にあるように前記pH調整剤を用いた請求項20に記載の使用。
【請求項22】
火傷に苦しむヒトあるいは動物へ金属イオンキレート剤の有効量を火傷に塗布することからなる火傷の治療法。
【請求項23】
7.4より高いアルカリ性pHを与える生理学的に許容しうるpH調節剤と共に前記金属イオンキレート剤を用いる請求項22に記載の使用。

【公表番号】特表2008−506760(P2008−506760A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522020(P2007−522020)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【国際出願番号】PCT/GB2005/002849
【国際公開番号】WO2006/008525
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(504142570)エーキュー・プラス・ピーエルシー (3)
【Fターム(参考)】