説明

災害について検出および警告を行うシステムおよび方法

【解決手段】 災害の発生を検出して災害警告をユーザに発令する方法、デバイス、システムを開示する。一実施形態によると、当該方法は、コンピューティングデバイスのアウトオブバンド(OOB)プロセッサで警報通知を受信する段階を備える。警報通知は、コンピューティングデバイスのインバンドプロセッサが低電力状態にある間に、OOBプロセッサによって受信されるとしてよい。当該方法はさらに、警報通知の受信に応じてコンピューティングデバイスにおいてユーザ警告を生成する段階を備える。当該方法はさらに、災害の発生を検出して、災害の検出に応じてリモートサーバにデータを送信する段階を備えるとしてよい。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの災害は、適切な予測が不可能であるので、災害の発生により危険にさらされている人物に警告を発することができない。例えば、現在の地震科学で地震予測は可能だが、間違う確率(誤って災害が発生していないと判断する確率および誤って災害が発生したと判断する確率の両方)が比較的高い。災害予測に代わるものとして、早期検出および警告を行う方法がある。地震の例に戻ると、秒速約6キロメートルで伝搬するが損害は少ない縦波(P波)の発生と、秒速約3.5キロメートルで伝搬するが破壊力がより大きいレーリー波(つまり、表面波)の発生との間には通常、数秒間の間隔がある。P波とレーリー波との間の間隔の時間は、地震の震源からの現在地の距離に応じて変化する。特定の地震に関するP波を検出することができれば、破壊力の大きいレーリー波が発生する前に少なくとも幾人かには警告を発し得るので、即座に避難することができるようになる。
【0002】
一部の国では、災害が発生しそうになると国民に警告を発令するシステムを導入している。例えば、日本の気象庁(www.jma.go.jp)では、約200個の地震計および600個の震度計から構成される地震観測網を持ち、大地震のP波を検出するべく地震計および震度計をリアルタイムで監視している。気象庁は、地震が発生すると、当該地震の震源、マグニチュードおよび震度の観測結果に関する情報を放送することができる。現時点において、この情報は、ローカルメディア(例えば、テレビ、ラジオ等)または無線デバイス(つまり、携帯電話)を通じて、影響を受ける人物に配信される。しかし、このような情報源はいずれも、受信側のデバイスが「オン」になっており動作している場合に限り、ユーザに警告を発すすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本明細書で説明する本発明は、限定ではなく例示を目的として、添付図面に図示している。図示内容を簡略且つ明瞭にするべく、図面に図示している構成要素は必ずしも実寸に即したものではない。例えば、一部の構成要素の寸法は、分かりやすいように、他の構成要素に比べて強調しているとしてもよい。図面は以下の通りである。
【図1】災害の発生の検出、および/または、災害警告の発令を行うシステムの一実施形態を示す簡略ブロック図である。
【図2】図1に示すシステムが利用する災害警告発令方法の一実施形態を説明するための簡略フローチャートである。
【図3】図1に示すシステムが利用する、災害を検出して災害警告を発令する方法の一実施形態を説明するための簡略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本開示の概念は様々な点で変形および変更が可能であるが、具体的な実施形態例を一例として図面に図示するとともに、本明細書で詳細に説明する。しかし、開示している具体的な形態に本開示の概念を限定するものではなく、請求項で定義している本発明の意図および範囲に含まれる変形例、均等例および代替例を全て含むものと理解されたい。
【0005】
以下に記載する説明では、論理の実施例、オペコード、オペランド指定手段、リソースのパーティション化/共有化/複製の実施例、システム構成要素の種類および相関関係、ならびに、論理のパーティション化/集積化に関する選択肢等、具体的且つ詳細な内容を数多く記載して、本開示をより深く理解していただきたい。しかし、当業者であれば、本開示の実施形態はこのような具体的且つ詳細な内容を採用せずとも実施し得ることに想到するであろう。また、制御構造、ゲートレベル回路および完全なソフトウェア命令列は、本開示をあいまいにすることを避けるべく、詳細な説明を省略している場合があるとしてよい。当業者であれば、本明細書に記載する説明を参照することで、過度の実験を行わなくとも適切な機能を実現可能である。
【0006】
本明細書において「一実施形態」、「ある実施形態」、「実施形態例」等の記載は、説明している少なくとも1つの実施形態が特定の特徴、構造または特性を持つことを意味しているが、各実施形態が必ずしもその特定の特徴、構造または特性を持つものではない。また、これらの記載は、必ずしも同じ実施形態を意味しているものではない。また、ある実施形態に関連付けて特定の特徴、構造または特性が説明されている場合、明示的に説明されていてもいなくても、この特徴、構造または特性を他の実施形態に関連付けて実現することは当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0007】
開示したシステムおよび方法の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、または、これらを任意に組み合わせて実現するとしてよい。開示したシステムおよび方法の実施形態は、コンピューティングデバイスで実施される場合、構成要素間に設けられている1以上のバスインターコネクト、および/または、構成要素間に設けられている1以上のポイント・ツー・ポイント・インターコネクトを備えるとしてよい。開示されているシステムおよび方法の実施形態はさらに、有形機械可読媒体に格納されている命令として実現されるとしてもよい。当該命令は、1以上のプロセッサによって読み出されて実行されるとしてよい。有形機械可読媒体は、機械(例えば、コンピューティングデバイス)読み出し可能な形式で情報を格納または送信する任意のメカニズムを含むとしてよい。例えば、有形機械可読媒体は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスクストレージ、光学ストレージ、フラッシュメモリ、および/または、その他の種類のメモリデバイスを含むとしてよい。
【0008】
図1を参照しつつ説明すると、災害の発生を検出してユーザに対して警告を発令するシステム100は、コンピューティングデバイス102と、災害通知サーバ(DNS)104と、コンピューティングデバイス102をDNS104に通信可能に接続するネットワーク106とを備える。一部の実施形態では、システム100はさらに、ネットワーク106を介して、コンピューティングデバイス102およびDNS104に接続されている1以上のリモートコンピューティングデバイス108を備えるとしてよい。
【0009】
コンピューティングデバイス102は、本明細書で説明する機能を実行可能な任意の種類の電子デバイスとして具現化されているとしてよい。例えば、コンピューティングデバイス102は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、モバイルインターネットデバイス、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、電話デバイス、ネットワーク機器、仮想化デバイス、ストレージコントローラ、または、コンピュータを利用したその他のデバイスとして具現化されるとしてよい。
【0010】
コンピューティングデバイス102は、インバンドプロセッサ120、アウトオブバンド(OOB)プロセッサ122、チップセット126、メモリ128、および、通信回路130を有する。一部の実施形態によると、コンピューティングデバイス102はさらに、1以上のデータストレージデバイス132、1以上の周辺デバイス134、警報指示部140、および/または、警報回路150を有するとしてよい。一部の実施形態によると、上記の構成要素のうち一部がコンピューティングデバイス102のマザーボード上に一体化されている一方、他の構成要素は、例えば、周辺ポートを介して、当該マザーボードに通信可能に結合されているとしてよい。また、コンピューティングデバイス102は、説明を分かりやすくするべく図1では図示していないが、コンピュータおよび/またはコンピューティングデバイス内で通常発見される他の構成要素、サブ構成要素およびデバイスを含むものと考えられたい。
【0011】
コンピューティングデバイス102のインバンドプロセッサ120は、ソフトウェアを実行可能な任意の種類のプロセッサ、例えば、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコントローラ等であってよい。インバンドプロセッサ120は、一例として、プロセッサコア124を含むシングルコアプロセッサとして具現化されている。しかし、他の実施形態によると、インバンドプロセッサ120は、複数のプロセッサコア124を含むマルチコアプロセッサとして具現化されるとしてもよい。また、コンピューティングデバイス102は、1以上のプロセッサコア124を含むインバンドプロセッサ120をさらに有するとしてもよい。インバンドプロセッサ120は通常、オペレーティングシステムおよびコンピューティングデバイス102上に常駐しているさまざまなアプリケーション、プログラム、ライブラリおよびドライバを含むソフトウェアスタックを実行する。
【0012】
コンピューティングデバイス102のチップセット126は、メモリコントローラハブ(MCHまたは「ノースブリッジ」)、入出力コントローラハブ(ICHまたは「サウスブリッジ」)、および、ファームウェアデバイスを含むとしてよい。このような実施形態によると、ファームウェアデバイスは、ベーシックインプットアウトプットシステム(BIOS)用のデータおよび/または命令および/またはその他の情報を格納するメモリストレージデバイスとして具現化されているとしてよい。しかし、他の実施形態によると、他の構成のチップセットを利用するとしてもよい。チップセット126は、複数の信号パスを介して、インバンドプロセッサ120に通信可能に結合されている。これらの信号パス(および図1に示すその他の信号パス)は、コンピューティングデバイス102の構成要素同士の間の通信を円滑に行うことが可能な任意の種類の信号パスとして具現化されているとしてよい。例えば、信号パスは、任意の数の配線、ケーブル、ライトガイド、プリント配線基板の配線、ビア、バス、中間デバイス等として具現化されているとしてよい。
【0013】
コンピューティングデバイス102のメモリ128もまた、複数の信号パスを介してチップセット126に通信可能に結合されている。メモリ128は、1以上のメモリデバイスまたはデータ格納位置として具現化されるとしてよい。例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリデバイス(DRAM)、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリデバイス(SDRAM)、ダブルデータレートシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリデバイス(DDR SDRAM)、フラッシュメモリデバイス、および/または、その他の揮発性メモリデバイスとして具現化されるとしてよい。また、図1に図示しているメモリデバイス128は1つのみであるが、他の実施形態では、コンピューティングデバイス102は、さらにメモリデバイスを有するとしてよい。インバンドプロセッサ120が実行するソフトウェアスタックを構成するオペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリおよびドライバは、実行中、メモリ128内にあるとしてよい。また、メモリ128内に格納されているソフトウェアおよびデータは、メモリ128と、1以上のデータストレージデバイス132との間で、メモリ管理処理の一環として交換されるとしてよい。
【0014】
コンピューティングデバイス102の通信回路130は、コンピューティングデバイス102と1以上のリモートデバイス(例えば、DNS104およびリモートコンピューティングデバイス108)との間のネットワーク106を介して通信を可能とする任意の数のデバイスおよび回路として具現化されているとしてよい。例えば、通信回路130は、有線通信および/または無線通信を円滑に行うための1以上の有線方式または無線方式のネットワークインターフェースを含むとしてよい。通信回路130はさらに、複数の信号パスを介してチップセット126に通信可能に結合されている。このため、インバンドプロセッサ120がネットワーク106にアクセスすることができる。コンピューティングデバイス102は、ネットワーク106を介して、DNS104と通信する。これは、後述するが、有線方式および/または無線方式であってよい。また、1以上のリモートコンピューティングデバイス108は、ネットワーク106を介して、DNS104と通信するとしてよい。
【0015】
コンピューティングデバイス102の構成要素は、インバンドプロセッサ120、チップセット126、メモリ128および通信回路130を含め、動作するべく電源(不図示)に結合されている。電源は、AC商用電源、DC電池電源または両方のいずれかから電力を引き出すことが可能な回路として具現化されているとしてよい。コンピューティングデバイス102は、エネルギーを節約するべく、多用されていない場合にはいくつかの低電力動作状態になるとしてよい。例えば、コンピューティングデバイス102は、コンピューティングデバイス102の構成要素のうち、あるとしても、わずかな構成要素のみが電源から電力を受け取っている状態である、電源が切れた状態または「オフ」状態になるとしてよい。これに代えて、コンピューティングデバイス102は、コンピューティングデバイス102の構成要素のうち全てではないが一部が電源から電力を受け取る状態である、さまざまな「スリープ」状態または「冬眠」状態になるとしてよい。例えば、「スリープ」状態では、(データを保持するべく)揮発性メモリ128には電力を供給するが、インバンドプロセッサ120には供給しないとしてよい。このような低電力動作状態によって、コンピューティングデバイス102がすぐに全電力動作状態に戻るようにしつつ、エネルギーを節約する。
【0016】
アウトオブバンド(OOB)プロセッサ122は、インバンドプロセッサ120とは別のプロセッサであり、インバンドプロセッサ120とは別個に動作するのが一般的である。OOBプロセッサ122は、ソフトウェアを実行可能な任意の種類のプロセッサ、例えば、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコントローラ等としても具現化され得る。例えば、1以上のプロセッサコア(不図示)を含む1以上のプロセッサである。OOBプロセッサ122は、マザーボード上のチップセット126と一体化しているとしてよく、または、複数の信号パスを介してチップセット126に通信可能に結合されている拡張ボードに設けられている1以上の別個の集積回路として具現化されるとしてもよい。OOBプロセッサ122はさらに、複数の信号パスを介して、コンピューティングデバイス102のさまざまな構成要素、例えば、メモリ128および通信回路130に通信可能に結合されているとしてよい。これに代えて、または、これに加えて、OOBプロセッサ122は、同様の機能を持つ構成要素、例えば、専用メモリおよび/または専用通信回路(不図示)が内蔵されているとしてよい。
【0017】
OOBプロセッサ122は、インバンドプロセッサ120の動作状態とは無関係に、コンピューティングデバイス102の特定機能を管理する。OOBプロセッサ122は、このように独立して動作するべく、電源に独立して接続されているとしてよい。このような構成によって、OOBプロセッサ122は、コンピューティングデバイス102の他の構成要素の電源が切れているか、オフ状態であっても、電力を保持することができる。また、OOBプロセッサ122は、通信回路130を介して独立したネットワークインターフェースを備えているとしてよい。尚、通信回路130も、電源に独立して接続されているので、ネットワーク106を介してアウトオブバンド通信が可能である。言い換えると、OOBプロセッサ122は、インバンドプロセッサ120上で実行されているオペレーティングシステムの外部で、ネットワーク106上のデバイス(例えば、DNS104およびリモートコンピューティングデバイス108)と直接通信が可能である。実際には、この通信はユーザが認識することなく行われているとしてよい。OOBプロセッサ122もまた、オペレーティングシステムの起動を含め、コンピューティングデバイス102を全電力動作状態に戻すことができる。要約すると、OOBプロセッサ122は、インバンドプロセッサ120がオフ状態であろうが、スタンドバイ状態であろうが、初期化中であろうが、または、通常動作中であろうがそれに無関係に、および、オペレーティングシステムが、起動中、実行中、クラッシュ中またはその他の理由で機能していないに関わらず、入力されるクエリ/コマンドに基づいてインテリジェントに動作して、ネットワーク106上で通信を行うとしてよい。
【0018】
一部の実施形態例によると、OOBプロセッサ122は、インテル(商標)社のアクティブ・マネジメント・テクノロジ(Active Management Technology)(インテル(商標)社、AMT)を用いて、インテル(商標)社のAMTの一部分を用いて、または、インテル(商標)社のマネジメント・エンジン(Management Engine)(インテル(登録商標)社、ME)を用いて、および/または、インテル・コーポレーション(Intel Corporation)社が販売しているチップセット内で実現するとしてよい。これらはいずれも、インテル・コーポレーション社(米国カリフォルニア州サンタクラーラ)製である。インテル(商標)社のAMT(商標)の混載プラットフォーム技術(エンベデッド・プラットフォーム・テクノロジ:embedded platform technology)によれば、各エンドポイントデバイスの不揮発性メモリに格納されているハードウェア情報およびソフトウェア情報にアウトオブバンド方式でアクセスすることが可能となり、機能性オペレーティングシステムおよび他の管理ツールで必要となるソフトウェアエージェントの多くが必要なくなる。
【0019】
上述したように、一部の実施形態では、コンピューティングデバイス102はさらに、1以上のデータストレージデバイス132、1以上の周辺デバイス134、および、警報指示部140を有するとしてよい。このような実施形態では、チップセット126も、信号パスを介して、1以上のデータストレージデバイス132、1以上の周辺デバイス134、および、警報指示部140に通信可能に結合されている。データストレージデバイス132は、短期データ格納媒体または長期データ格納媒体として構成されている任意の種類のデバイスとして具現化されるとしてよい。例えば、メモリデバイスおよびメモリ回路、メモリカード、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、または、その他のデータストレージデバイスとして具現化されるとしてよい。周辺デバイス134は、任意の数の周辺デバイス、例えば、入力デバイス、出力デバイス、および、その他のインターフェースデバイスを含むとしてよい。例えば、周辺デバイス134は、コンピューティングデバイス102の外部スピーカ、キーボード、マウス、および、ディスプレイを含むとしてよい。周辺デバイス134に含まれる具体的なデバイスは、例えば、コンピューティングデバイス102の使用目的に応じて決まるとしてよい。警報指示部140は、コンピューティングデバイス102のステータスをユーザに警告することが可能な任意の種類のフィードバックデバイスを含むとしてよい。説明のための例を挙げると、警報指示部140は、光源(例えば、発光ダイオード(LED))、音源(例えば、マザーボードスピーカ)、または、振動源(例えば、力フィードバックアクチュエータ)として具現化されるとしてよい。また、一部の実施形態によると、警報指示部140は、コンピューティングデバイス102の表示デバイスとして具現化されるとしてもよいし、または、コンピューティングデバイス102の表示デバイスを含むとしてよい。このような実施形態によると、警報メッセージが当該表示デバイス(つまり、警報指示部140)上に表示されて、以下でより詳細に説明するが、災害をユーザに通知するとしてよい。
【0020】
一部の実施形態では、コンピューティングデバイス102はさらに、専用の警告回路150を有するとしてよい。警告回路150は、複数の信号パスを介してOOBプロセッサ122に通信可能に結合されている。一部の実施形態によると、警告回路150は、コンピューティングデバイス102のマザーボードに一体化されているとしてよい。他の実施形態によると、警告回路150は、コンピューティングデバイス102に通信可能に結合されている拡張カードまたは周辺デバイスとして具現化されるとしてよい。警告回路150は、スピーカ152および災害センサ154を含むとしてよい。警告回路150のスピーカ152は、OOBプロセッサ122からのコマンドに応じて可聴音を生成する任意の数のデバイスとして具現化されるとしてよい。例えば、スピーカ152は、電気音響変換器を含むとしてよい。警告回路150の災害センサ154は、1以上の災害の発生を示す1以上の条件を感知する任意の種類のセンサまたはセンサネットワークとして具現化されるとしてよい。例えば、災害センサ154は、急激な振動を感知する加速度計、大気圧の変化を感知する気圧計、大気の温度の変化を感知する温度計、または、特定の化学物質の存在を感知する電気化学センサとして具現化されているとしてよい。災害センサ154は、センサデータを生成するとしてよい。当該センサデータは、評価のために、または、さらにDNS104に送信されるべく、OOBプロセッサ122に送られる。スピーカ152および災害センサ154は、OOBプロセッサ122および通信回路130と同様に、電源に独立して接続されているとしてよい。このため、低電力状態にあっても、スピーカ152および災害センサ154を利用しやすくなる。
【0021】
災害通知サーバ(DNS)104は、ネットワーク106を介して、コンピューティングデバイス102との間で、そして、一部の実施形態では、1以上のリモートコンピューティングデバイス108との間で通信を実行可能な任意の種類の電子デバイスとして具現化されているとしてよい。例えば、DNS104は、1以上のメインフレーム、サーバ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ラップトップコンピュータまたはその他のコンピュータを用いたデバイスとして具現化されているとしてよい。DNS104は通常、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリデバイス(不図示)とを有する。一部の実施形態によると、DNS104は、少なくとも1つのメモリデバイス内に格納されているデータベース160を有するとしてよい。データベース160は、コンピューティングデバイス102およびリモートコンピューティングデバイス108から受信した情報を保持するべく、DNS104によって利用されるとしてよい。当該情報は、これらに限定されないが、災害センサ154からのセンサデータ、各コンピューティングデバイス102、108のインターネットプロトコル(IP)アドレス、および、対応するコンピューティングデバイス102、108の物理的な位置を示す位置データ(例えば、住所情報、郵便番号、GPS座標等)を含む。一部の実施形態によると、DNS104は、このデータを処理および評価して、災害の発生に関する警報通知を動的に生成することが可能である。例えば、DNS104は、事前に構築された包括的な算出モデルまたはその他のアルゴリズムを用いてこれらのデータを評価するとしてよい。
【0022】
ネットワーク106は、任意の種類の有線方式および/または無線方式のネットワークとして具現化されるとしてよい。例えば、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、公的に利用可能なグローバルネットワーク(例えば、インターネット)、または、他のネットワークとして具現化するとしてよい。また、ネットワーク106は、コンピューティングデバイス102とDNS104との間の通信を円滑化する任意の数のデバイス、例えば、ルータ、スイッチ、中間コンピュータ等を有するとしてよい。1以上のリモートコンピューティングデバイス108は、コンピューティングデバイス102とは別個の任意の種類のコンピューティングデバイスとして具現化されるとしてよい。例えば、リモートコンピューティングデバイス108は、1以上のパーソナルコンピュータ、ワークステーション、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、モバイルインターネットデバイス、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、電話デバイス、ネットワーク機器、仮想化デバイス、ストレージコントローラ、または、同様にネットワーク106を介してDNS104と通信するその他のコンピュータを利用したデバイスとして具現化されているとしてよい。1以上のリモートコンピューティングデバイス108はそれぞれ、OOBプロセッサおよび災害センサを含むコンピューティングデバイス102と同様の構成を持つとしてよい。
【0023】
恒久的に電力供給を受けていること、および、独立した通信チャネルがあること等、OOBプロセッサ122の特徴のいくつかによって、システム100は、災害の検出、災害警告の発令、または、この両方を行うことができる。このため、図2に示すように、システム100は、災害警告を発令する方法200を実行するように構成されているとしてよい。方法200は、例えば、OOBプロセッサ122およびコンピューティングデバイス102の他の構成要素によって実行されるとしてよい。尚、コンピューティングデバイス102は、システム100の他の構成要素とやり取りするとしてよい。方法200は、コンピューティングデバイス102を利用して、適切なセンサデータに基づき、任意の種類の災害(例えば、地震、火山噴火、竜巻、ハリケーン、津波、鉄砲水、致命的なコンピュータウィルス、テロリストによる攻撃等)についての警告を発令するとしてよい。また、方法200によって生成する災害警告は、任意のソース(例えば、政府機関)から出力されるとしてよい。
【0024】
方法200は、コンピューティングデバイス102のユーザがコンピューティングデバイス102を災害通知サーバ(DNS)104に登録するブロック202から開始される。このため、コンピューティングデバイス102は、ネットワーク106を介して、DNS104に識別データを送信する。この識別データは、例えば、コンピューティングデバイス102のインターネットプロトコル(IP)アドレス、コンピューティングデバイス102の物理的位置を示す位置データ(例えば、住所情報、郵便番号、GPS座標等)、および/または、システム情報を含むとしてよい。DNS104は、コンピューティングデバイス102に対応しているデータベース160の記録に、識別データを格納する。一部の実施形態では、ブロック202では、ユーザがホームページ、または、DNS104に関する他のポータルに行って、ウェブブラウザで関連データを提出することを含むとしてよい。他の実施形態によると、ブロック202では、ユーザが介在することなく(例えば、DNS104から受信する尋問メッセージに応じて)、コンピュータデバイス102がネットワーク106を介して識別データをDNS104に送信するとしてよい。また、一部の実施形態によると、DNS104は、受信したコンピューティングデバイス102のIPアドレスに基づき、コンピューティングデバイス102の位置データを決定するとしてよい。このような位置データは、例えば、公的または私的なIP−位置データベースまたはウェブサービス(例えば、www.ipgeoinfo.com)にアクセスすることによって決定するとしてよい。
【0025】
識別データは、DNS104のデータベース160に格納されているものから定期的に変更され得ることに留意されたい。例えば、コンピューティングデバイス102のIPアドレスが更新された場合、または、コンピューティングデバイス102が新しい位置に移動した場合(例えば、コンピューティングデバイス102が携帯可能なコンピューティングデバイスであるとしてよい)に変更されるとしてよい。このため、コンピューティングデバイス102は、ブロック204において、更新後の識別データをDNS104に送る。更新後の識別データは、インバンドプロセッサ120またはOOBプロセッサ122によって送信されるとしてよい。例えば、コンピューティングデバイスが完全動作電力状態である場合、インバンドプロセッサ120が更新後の識別データをDNS104に送信するとしてよく、コンピューティングデバイス102のインバンドプロセッサ120が低電力状態またはオフ状態である場合、OOBプロセッサ122がこれらの更新内容を送信するとしてよい。また、インバンドプロセッサ120および/またはOOBプロセッサ122は、ユーザが介在せずとも、これらの更新内容をDNS104に送信するとしてよい。一部の実施形態によると、コンピューティングデバイス102は、位置データが変更された(例えば、コンピューティングデバイス102のIPアドレスが変更された)場合にのみ、更新後の位置データを送信する。図2のブロック206に示すように、更新後の識別データを受信することに応じて、DNS104はデータベース160の関連する記録を更新する。
【0026】
コンピューティングデバイス102がDNS104に登録されると、コンピューティングデバイス102(つまり、インバンドプロセッサ120またはOOBプロセッサ122)はさらに、DNS104から関連する警報通知を受信し始める。ブロック208において、コンピューティングデバイス102は、DNS104が災害の検出に応じて警報通知を送信したか否かを判断する。つまり、DNS104が(自身の判断により、または、外部ソースから受信した通知により)災害が発生中または発生予定であると判断すると、DNS104は、データベース160にアクセスして、当該災害(例えば、地震、致命的なウィルス攻撃等)の影響を受ける可能性があるエリアにあるコンピューティングデバイス102、108、または、当該エリアにあるコンピューティングシステムに属するコンピューティングデバイス102、108を判断する。影響を受けるエリアにコンピューティングデバイス102、108があれば、DNS104は、データベース160に格納されている対応するIPアドレスに警報通知をブロードキャストする。このように、コンピューティングデバイス102が災害に遭っているエリア、または、遭う予定のエリアにある場合、DNS104はコンピューティングデバイス102(つまり、インバンドプロセッサ120またはOOBプロセッサ122)に警報通知を送信する。尚、OOBプロセッサ122は、コンピューティングデバイス102のインバンドプロセッサ120の電源が切れている場合、または、オフ状態の場合であっても、このような警報通知を受信するために利用可能である。これに加えて、または、これに代えて、コンピューティングデバイス102は、DNS104に対して定期的に、警報通知に関してクエリを行うように構成されているとしてもよい。
【0027】
ブロック208において警報通知を受信しない場合、方法200はブロック204に戻る。しかし、コンピューティングデバイス102(つまり、インバンドプロセッサ120またはOOBプロセッサ122)が警報通知を受信すると、ブロック210においてコンピューティングデバイス102でユーザ警告を生成する。ブロック210でコンピューティングデバイス102が生成するユーザ警告は、コンピューティングデバイス102のユーザの注意をひきつけるものであればどのような形態であってもよい。
【0028】
警報通知を受信するとコンピューティングデバイス102の電源がオンになる場合、警報通知は、OOBプロセッサ122および/またはインバンドプロセッサ120によって処理されるとしてよい。例えば、OOBプロセッサ122は、コンピューティングデバイス102の電源がオンになって警報通知を受信することに応じて、コンピューティングデバイス102のスピーカ152、または、警告指示部140、および/または、1以上の周辺デバイス134に警告信号を即座に送信するとしてよい。この場合、ユーザ警告は、可聴アラーム、視覚警告、振動、または、これらの任意の組み合わせとなるとしてよい。これに代えて、一部の実施形態によると、インバンドプロセッサ120は、コンピューティングデバイス102の電源がオンであれば警報通知を受信して処理する。この場合、インバンドプロセッサ120は、OOBプロセッサ122と同様の機能を実行するとしてよく、例えば、コンピューティングデバイス102のスピーカ152、または、警告指示部140、および/または、1以上の周辺デバイス134に、警告信号を送るとしてよい。また、一部の実施形態によると、OOBプロセッサ122は、インバンドプロセッサ120の電力状態にかかわらず、警報通知を処理するとしてよい。
【0029】
警報通知をOOBプロセッサ122がDNS104から受信した際にコンピューティングデバイス102が低電力動作状態である場合(そして、コンピューティングデバイス102が任意の警告回路150を備えていない場合)、OOBプロセッサ122は、インバンドプロセッサ120を起動して、ユーザ警告を生成するために必要な機能を取り戻すために必要な電力動作状態にするとしてよい。しかし、災害が発生すると大抵、被害を回避するべくコンピューティングデバイス102のユーザに即座に通知しなければならない。このため、一部の実施形態では、OOBプロセッサ122は、緊急事態フラグをチップセット126に伝達して、BIOS命令に短時間で完了する緊急事態ブート処理を開始させる。一部の実施形態では、この緊急事態ブート処理において、警告指示部140を動作させるために必要な構成要素(例えば、マザーボードスピーカ)およびソフトウェアのみを初期化するとしてよい。このような実施形態では、警告指示部140は、災害の検出を表すべく事前に選択されたビープ音パターン(つまり、1回以上のビープ音)を生成するために用いられるとしてよい。一例として挙げると、コンピューティングデバイス102は、該当エリアで地震が発生したことを知らせるべく途切れずに長く続くビープ音を1回出力するとしてよい。さらに、一部の実施形態によると、OOBプロセッサ122は、コンピューティングデバイス102のディスプレイ等、コンピューティングデバイス102の機能を取り戻すために必要な電力動作状態までインバンドプロセッサ120を起動するとしてよい。このような実施形態によると、警告音の生成に加えて、または、警告音の生成に代えて、警告メッセージをユーザに提示するとしてよい。
【0030】
以下では図3を参照しつつ説明するが、システム100は、利用に際して、災害を検出して災害警告を発令する方法300を実行するとしてよい。方法300はさらに、例えば、OOBプロセッサ122、および、システム100の他の構成要素とやり取りするコンピューティングデバイス102の他の構成要素によって実行されるとしてよい。方法300は、適切な災害センサ154を利用することによって、任意の種類の災害(例えば、地震、火山噴火、竜巻、ハリケーン、津波、鉄砲水、致命的なコンピュータウィルス、テロリストの攻撃等)を検出して警告を発令するために用いられるとしてよい。方法300は、コンピューティングデバイス102のユーザがコンピューティングデバイス102を災害通知サーバ(DNS)104に登録するブロック302で開始される。
【0031】
コンピューティングデバイス102がDNS104に登録されると、コンピューティングデバイス102(つまり、インバンドプロセッサ120またはOOBプロセッサ122)は、ブロック304において災害の検出に応じてDNS104が警報通知を送信したか否かを判断する。図2を参照しつつ上述したように、DNS104が(自身の判断により、または、外部ソースから受信した通知により)災害が発生中または発生予定であると判断すると、DNS104は、データベース160にアクセスして、当該災害(例えば、地震、致命的なウィルス攻撃等)の影響を受ける可能性があるエリアにあるコンピューティングデバイス102、108、または、当該エリアにあるコンピューティングシステムに属するコンピューティングデバイス102、108を判断する。影響を受けるエリアにコンピューティングデバイス102、108があれば、DNS104は、データベース160に格納されている対応するIPアドレスに警報通知をブロードキャストする。このように、コンピューティングデバイス102が災害に遭っているエリア、または、遭う予定のエリアにある場合、DNS104はコンピューティングデバイス102(つまり、インバンドプロセッサ120またはOOBプロセッサ122)に警報通知を送信する。繰り返しになるが、OOBプロセッサ122は、コンピューティングデバイス102のインバンドプロセッサ120が電力供給を受けていない場合、または、オフ状態であっても、このような警報通知を受信するべく利用可能であることに留意されたい。これに加えて、または、これに代えて、コンピューティングデバイス102は、警報通知について、DNS104に対して定期的にクエリを行うとしてよい。
【0032】
コンピューティングデバイス102(つまり、インバンドプロセッサ120またはOOBプロセッサ122)が警報通知が受信されたと判断すると、コンピューティングデバイス102は、ブロック306において、コンピューティングデバイス102上でユーザ警告を生成する。コンピューティングデバイス102が生成するユーザ警告は、コンピューティングデバイス102のユーザの注意を引く任意の形態であってよい。例えば、コンピューティングデバイス102が専用の警告回路150(恒久的に電源供給を受けるもの)を有する実施形態では、コンピューティングデバイス102(つまり、インバンドプロセッサ120またはOOBプロセッサ122)はスピーカ152に即座にアラーム信号を送信することができ、スピーカ152に可聴アラームを生成させる。図2のブロック210に関連づけて上述したように、警報通知を受信するとコンピューティングデバイス102の電源がオンになる場合、警報通知はOOBプロセッサ122および/またはインバンドプロセッサ120によって処理されるとしてよい。例えば、OOBプロセッサ122は、コンピューティングデバイス102の電力状態に関係なく、警報通知を処理するとしてよい。これに代えて、図2のブロック210に関連付けて詳細に上述したように、OOBプロセッサ122は、コンピューティングデバイス102が低電力状態の場合に警報通知を処理するとしてよく、インバンドプロセッサ120は、コンピューティングデバイス102が電源オン状態または動作状態である場合に警報通知を処理するとしてよい。
【0033】
ブロック304に戻って、コンピューティングデバイス102(つまり、インバンドプロセッサ120またはOOBプロセッサ122)が警報通知は受信しなかったと判断すると、コンピューティングデバイス102は、ブロック308において、更新後の識別データをDNS104に通知する。ブロック310において、DNS104は、更新後のデータの受信に応じて、データベース160を更新する。ブロック308および310の具体的な処理はそれぞれ、図2を参照しつつ上述した方法200のブロック204および206とほぼ同様である。
【0034】
コンピューティングデバイス102が任意の更新後の識別データをDNS104に通知すると、コンピューティングデバイス102(つまり、インバンドプロセッサ120またはOOBプロセッサ122)はさらに、災害センサ154が生成するセンサデータを監視し始める。方法300のブロック312において、コンピューティングデバイス102(つまり、インバンドプロセッサ120またはOOBプロセッサ122)は災害センサ154からのセンサデータを評価して、ローカル災害条件が発生したか否かを判断する。一部の実施形態によると、ブロック312では、取得したセンサデータの1以上の値を所定のしきい値または動的に調整されるしきい値と比較するとしてよい。地震検出の例に戻ると、OOBプロセッサ122またはインバンドプロセッサ120は、地震により発生する1以上のP波を検出することを目的として突然の変動を発見するべく加速度計(つまり、災害センサ154)の出力を監視するとしてよい。プロセッサ120、122は、コンピューティングデバイス102のインバンドプロセッサ120が低電力状態または電源オフ状態であっても、上記のように観察および評価を行うとしてよい。
【0035】
ブロック312において、コンピューティングデバイス102(つまり、インバンドプロセッサ120またはOOBプロセッサ122)がローカル災害条件が発生していないと判断すると、方法300はブロック304に戻る。しかし、コンピューティングデバイス102がローカル災害条件を検出すると、方法300は、ブロック314に進んで、コンピューティングデバイス102(つまり、インバンドプロセッサ120またはOOBプロセッサ122)がセンサデータの一部またはすべてをDNS104に渡す。尚、OOBプロセッサ122は、コンピューティングデバイス102のインバンドプロセッサ120が低電力状態またはオフ状態であっても、関連するセンサデータを送信し得ることを理解されたい。コンピューティングデバイス102は、ユーザの介在を必要とすることなく、DNS104に更新内容を送信するとしてよい。尚、方法300の一部の実施形態では、判断ブロック312を省略して、OOBプロセッサ122またはインバンドプロセッサ120が取得したセンサデータを全てDNS104に送信するとしてよい(このような実施形態では、方法300はブロック308から直接ブロック314に進む)。
【0036】
コンピューティングデバイス102(つまり、インバンドプロセッサ120またはOOBプロセッサ122)がセンサデータをDNS104に通知した後、DNS104は、ブロック316において、コンピューティングデバイス102、および、一部の実施形態では、1以上のリモートコンピューティングデバイス108から受信したセンサデータをまとめて考察するとしてよい。つまり、ローカル災害条件が複数のコンピューティングデバイス102、108から報告されると、DNS104は、高い信頼率で災害の発生を判断するとしてよい(このため、誤って災害発生を検出することを回避しやすくなる)。DNS104はさらに、位置地理情報と共に、センサデータのさまざまな側面、例えば、大きさおよびタイミングを評価して、災害のさまざまな特徴を決定するとしてよい。任意で、専門家がDNS104とやり取りを行って、受信したセンサデータを観察および評価するとしてよい。地震を検出する例に戻ると、複数のコンピューティングデバイス102、108がローカルな振動を報告し、コンピューティングデバイス102、108が地震帯上に位置している場合、DNS104は、報告された振動が地震のP波を表していると結論付けるとしてよい。DNS104はこの後、地震の様々な特徴を算出するとしてよい(例えば、マグニチュード、震源)。最後に、DNS104は、影響を受けたエリアの各コンピューティングデバイスに警報通知を送信するとしてよい。当該警報通知は、コンピューティングデバイス102がブロック304で受信する。大半の場合、この警報通知は、破壊力が大きいレーリー波より前にコンピューティングデバイス102に到着するので、OOBプロセッサ122またはインバンドプロセッサ120は、迫りくる地震についてユーザに警告を発令することができる。
【0037】
本開示は添付図面および上記の説明において詳細に図示および記載してきたが、図示内容および記載内容は、例示的なものであって本質的に本開示を制限するものではないと考えられたい。図示および記載した実施形態は例示的なものに過ぎず、本開示および請求項が意図する範囲内に入る全ての変更および変形は保護の対象となる旨理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスのインバンドプロセッサの動作状態に関係なく前記コンピューティングデバイスとはリモートのサーバと通信可能であるコンピューティングデバイスのアウトオブバンド(OOB)プロセッサから、前記サーバへと、識別データを送信する段階と、
(i)災害の検出に応じて、および、(ii)前記識別データに基づき、前記OOBプロセッサにおいて、前記サーバから送信された警報通知を受信する段階と、
前記警報通知の受信に応じて、前記コンピューティングデバイスにおいてユーザ警報を生成する段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記識別データを送信する段階は、(i)前記コンピューティングデバイスのインターネットプロトコル(IP)アドレスおよび(ii)前記コンピューティングデバイスの物理的位置を示すデータを送信する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記識別データを送信する段階は、前記コンピューティングデバイスの前記IPアドレスを定期的に送信する段階を有する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記警報通知を受信する段階は、前記インバンドプロセッサが低電力動作状態にある間に、前記OOBプロセッサにおいて、前記警報通知を受信する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ警報を生成する段階は、前記コンピューティングデバイスにおいて可聴アラームを生成する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記可聴アラームを生成する段階は、前記コンピューティングデバイスの前記インバンドプロセッサを低電力動作状態から起動して、前記コンピューティングデバイスのマザーボードスピーカで、前記災害の検出を指示するべく事前に選択されているパターンのビープ音を生成する段階を含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記可聴アラームを生成する段階は、前記OOBプロセッサから前記コンピューティングデバイスの周辺音声モジュールへとアラーム信号を送信する段階を含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記コンピューティングデバイスの災害センサを監視してセンサデータを取得する段階と、
前記OOBプロセッサから前記サーバへと前記センサデータを送信する段階と
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記警報通知はさらに、それぞれが災害センサおよび対応するOOBプロセッサを有している複数のコンピューティングデバイスから前記サーバが受信するセンサデータに基づいて発行される請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記災害センサを監視することは、前記コンピューティングデバイスの加速度計を監視することを含み、前記加速度計は、地震の縦波を感知する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
複数の命令を備える有形機械可読媒体であって、
前記複数の命令が実行されると、コンピューティングデバイスは、
前記コンピューティングデバイスのインバンドプロセッサが低電力状態にある間に、前記コンピューティングデバイスのアウトオブバンド(OOB)プロセッサで、ネットワークを介して警報通知を受信し、
前記警報通知の受信に応じて、前記コンピューティングデバイス上で前記OOBプロセッサを用いて可聴アラームを生成する 有形機械可読媒体。
【請求項12】
前記警報通知を受信することは、リモートサーバから前記警報通知を受信することを含み、
前記複数の命令を実行することで前記コンピューティングデバイスはさらに、前記リモートサーバに格納されている前記コンピューティングデバイスの識別データを更新する請求項11に記載の有形機械可読媒体。
【請求項13】
前記識別データを更新することは、前記コンピューティングデバイスのインターネットプロトコル(IP)アドレスを前記リモートサーバに定期的に送信することを含む請求項12に記載の有形機械可読媒体。
【請求項14】
前記可聴アラームを生成することは、低電力動作状態から前記コンピューティングデバイスの前記インバンドプロセッサを起動して、災害の検出を示すべく事前に選択されたパターンのビープ音を前記コンピューティングデバイスのマザーボードスピーカから生成することを含む請求項11に記載の有形機械可読媒体。
【請求項15】
前記可聴アラームを生成することは、前記OOBプロセッサから前記コンピューティングデバイスの周辺音声モジュールへとアラーム信号を送信することを含む請求項11に記載の有形機械可読媒体。
【請求項16】
前記複数の命令を実行すると、前記コンピューティングデバイスはさらに、
前記コンピューティングデバイスに通信可能に結合されている災害センサからセンサデータを受信し、
前記OOBプロセッサを用いて前記コンピューティングデバイスとはリモートのサーバに前記センサデータを送信する請求項11に記載の有形機械可読媒体。
【請求項17】
前記警報通知を受信することは、前記コンピューティングデバイスとはリモートのサーバによって前記センサデータに応じて生成される警報通知を受信することを含む請求項16に記載の有形機械可読媒体。
【請求項18】
前記センサデータを受信することは、前記コンピューティングデバイスの加速度計からセンサデータを受信することを含み、前記加速度計は、地震の縦波を感知する請求項16に記載の有形機械可読媒体。
【請求項19】
インバンドプロセッサと、
災害センサと、
前記インバンドプロセッサの動作状態に関係なく災害通知サーバとの間でネットワークを介して通信可能なアウトオブバンド(OOB)プロセッサと
を備えるコンピューティングデバイスであって、
前記OOBプロセッサは、
前記災害センサからセンサデータを受信して、前記センサデータを前記災害通知サーバに送信し、
前記センサデータに応じて前記サーバから警報通知を受信して、
前記警報通知の受信に応じて前記コンピューティングデバイスにおいてユーザ警報を生成するコンピューティングデバイス。
【請求項20】
前記警報通知は、複数のコンピューティングデバイスから前記サーバが受信するセンサデータに基づいて発行される請求項19に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項21】
前記OOBプロセッサはさらに、前記センサデータに基づいて災害の発生を判断して、前記災害の発生に基づき前記コンピューティングデバイスにおいて前記ユーザ警報を生成する
請求項19に記載のコンピューティングデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−512629(P2013−512629A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541295(P2012−541295)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【国際出願番号】PCT/CN2009/001513
【国際公開番号】WO2011/075863
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】