説明

炊飯器

【課題】簡単な構成であって、省エネルギー効果に優れた炊飯器を提供すること。炊飯・蒸らし・保温時に蓋ヒータの加熱が効率的に伝えられ、炊飯や保温に要するエネルギーが少なくてすむ炊飯器を提供すること。
【解決手段】鍋3及び炊飯器本体2の開口部を塞ぐ蓋体4を備えた炊飯器1において、蓋体4は、枠体42の上下に固着された表蓋41及び蓋カバー48並びに蓋カバー48を介して枠体42に装着する内蓋43からなり、蓋体4は更に内蓋43を加熱する蓋ヒータ49を備え、内蓋43がステンレス鋼材43bとアルミニウム材43aからなるクラッド材で形成される。内蓋43は、鍋3側に配置したステンレス鋼材43bと蓋カバー48側に配置したアルミニウム材43aの2層からなるクラッド材、あるいは、アルミニウム材43aを中間層にしてステンレス鋼材43bで挟んだクラッド材で形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炊飯器に係り、特に省エネルギー化を実現する炊飯器に係るものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化及び環境汚染の問題が地球規模において最優先課題で解決しなければならない時代に突入している。このうち、頻発する自然災害の一因が地球温暖化にあるとされていることから、地球温暖化の防止、すなわちCO排出量の数値目標が世界各国及び地域に設定されて、その目標達成に向けて様々な施策が打ち出され、我が国においても京都議定書での削減目標達成に向けた取り組みがなされている。かかる状況を踏えて、一般家庭で使用される電化製品もその対象となり、電気炊飯器も省エネルギー対策が急務となって、これまでさまざまな工夫がなされた炊飯器が特許文献で紹介されている。
【0003】
炊飯器における従来の省エネルギー対策は、例えば下記特許文献1のように、誘導加熱する炊飯器の鍋を、アルミニウム材からなる中間層と、オーステナイト系ステンレス鋼からなる内層と、フェライト系ステンレス鋼からなる外層とで構成し、鍋の外側面下部の加熱コイルの内外周辺に対向して中間層のアルミニウム材に薄肉部を形成したものがある。この薄肉部によって中間層の底面部及び外側面下部付近での熱の集中がさらにまして高温度となり、鍋側面近傍の対流が促進されて炊きむらのない良好な炊飯が行なえるというものである。
【0004】
あるいは下記特許文献2のように、炊飯器本体の蓋体が上蓋、下蓋及び内蓋を備えており、内蓋をセラミック又はセラミックとガラスの複合材で形成し、内蓋内枠表面にはガラス質の釉薬、あるいはフッ素樹脂加工を施したものがある。これは蓋体の蓄熱性能が高く、蓋ヒータへの通電を不要とし、省エネルギー化が計れ、またご飯がべたつくのを防ぎ、水っぽくならず美味しく保温できるというものである。
【特許文献1】特許3337623号公報(段落[0010]、[0027]、図1)
【特許文献2】特開2003−102621号公報(段落[0010]〜[0011]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1において、鍋は何層ものクラッド材で構成されることによって熱伝導率を高め、熱を拡散させて加熱の均一性を図っているが、鍋の蓋についてはステンレス鋼材の単層のものが用いられていて、熱伝導が配慮されていなかった。また上記特許文献2においては、蓋の蓄熱性能は良いが熱伝導率が悪く、蓋ヒータによる加熱時のエネルギー利用の効率性がよくないため、改善が望まれていた。
【0006】
本願の発明者は、省エネルギー化の点から炊飯器の炊飯又は保温の熱の有効利用に着目し、上記の問題点を解決すべく種々検討を行った結果、鍋の蓋体を構成する金属をステンレス鋼材とアルミニウム材とのクラッド材を採用することによって、熱エネルギーが有効活用できて損失が少なくてすみ、炊飯や保温に要するエネルギーを減少させることができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
すなわち本発明は、簡単な構成であって、省エネルギー効果に優れた炊飯器を提供することを目的とするものである。
【0008】
また本発明は、簡単な構成で、炊飯・蒸らし・保温時に内蓋の加熱装置による加熱が効率的に行なわれ、炊飯・蒸らしや保温に要するエネルギーが少なくてすむ炊飯器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の炊飯器は、被炊飯物を入れる鍋と、前記鍋を収容する開口部及び該鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段並びに前記加熱手段を制御して被炊飯物の炊飯及び保温制御を行なう制御手段を有する炊飯器本体と、前記鍋及び前記炊飯器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えた炊飯器において、
該蓋体は、枠体の上下に固着された表蓋及び蓋カバー並びに該蓋カバーを介して枠体に装着される内蓋からなり、前記加熱手段は該内蓋の加熱装置を含み、該内蓋はステンレス鋼材とアルミニウム材からなるクラッド材で形成されたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の炊飯器において、前記加熱装置は、前記内蓋の上面に密接配置していることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の炊飯器において、前記内蓋は、ステンレス鋼材とアルミニウム材の2層からなるクラッド材で形成されており、前記アルミニウム材を前記蓋カバー側に配置し、前記ステンレス鋼材を前記鍋側に配置したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の炊飯器において、前記内蓋は、前記アルミニウム材を中間層にしてその両面を前記ステンレス鋼材で挟んだ3層からなるクラッド材で形成されたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の炊飯器において、前記内蓋の加熱装置が、電磁誘導加熱を用いたものであることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の炊飯器において、前記内蓋の加熱装置が、電熱ヒータであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上記の構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、鍋の蓋である内蓋を有する炊飯器において、加熱手段には内蓋の加熱装置を含み、内蓋はステンレス鋼材とアルミニウム材からなるクラッド材で形成されたことにより、内蓋の加熱装置による加熱が熱伝導の良好なアルミニウムにより速やかにかつ均一に内蓋全体に伝わり、効率のよい加熱ができる。また、アルミニウムだけで内蓋を形成するのと異なり、ステンレス鋼材とのクラッドであるので、加熱装置が電磁誘導加熱である場合にも好適であり、かつ厚さが薄くても強度を保つことができる。加えてクラッド材で形成したことにより、炊飯器が炊飯・蒸らし及び保温時に消費するエネルギーを減少させることができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、加熱装置を内蓋上面に密接配置したので、加熱装置からの熱が内蓋に良好に伝わり、炊飯器自体の熱効率を上げることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、鍋の蓋である内蓋が、ステンレス鋼材とアルミニウム材の2層からなるクラッド材で形成され、かつアルミニウム材の層を蓋カバー側に配設したため、このアルミニウム材の層が蓋体の加熱装置に密接配置することとなり、加熱装置の熱を内蓋に良好に伝えることができるようになる。
【0018】
請求項4の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、内蓋は、アルミニウム材を中間層にしてステンレス鋼材で挟んだクラッド材で形成されるので、両面がステンレス鋼材のため傷がつきにくく、汚れを落とすことが容易であり清潔に維持できる。
【0019】
請求項5の発明によれば、請求項1乃至4に記載の発明の効果に加えて、内蓋の加熱装置として電磁誘導を用いたので、ステンレス鋼材の磁性特性を有効に利用できる。
【0020】
請求項6の発明によれば、請求項1乃至4に記載の発明の効果に加えて、内蓋の加熱装置が、電熱ヒータである場合にも、アルミニウム材の熱伝導特性を有効に利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための炊飯器を例示するものであって、本発明をこの炊飯器に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0022】
図1は本発明の一実施例に係る炊飯器の断面図、図2は図1の実施例における内蓋の平面図、図3は図2の内蓋の断面図、図4は図3の内蓋の一部断面図、図5は他の実施例を示す内蓋の一部断面図である。
【0023】
本発明の実施例に係る炊飯器1は、図1に示すように、被炊飯物を入れる鍋3と、この鍋を着脱自在に収容する開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する誘導加熱コイル5等並びに器外へ連通する通気孔23a及び排気孔23bを有する炊飯器本体2と、鍋3及び炊飯器本体2の開口部を塞ぐ蓋体4と、誘導加熱コイル5及び側面ヒータ6等を制御して被炊飯物の炊飯及び保温を行なう制御手段とを備え、炊飯器本体2に、通気孔23a及び排気孔23bを開閉するシャッター機構25を設け、制御手段は炊飯器本体内部の温度が所定温度以上の期間は通気孔23a及び排気孔23bを開き、また所定温度以下の期間は通気孔23a及び排気孔23bを閉鎖するようにシャッター機構25を制御する構成となっている。
【0024】
炊飯器本体2は、その内部に鍋3を収容する非金属材料で成形された有底筒状の内ケース21と、この内ケースを覆う外ケース22とを有し、内ケース21内に鍋3が着脱自在に収容されるようになっている。内ケース21は、その上端部に外周へ突出したフランジ21aが形成されている。鍋3は、その上端開口部に外方に張り出すフランジ部31が形成されており、このフランジ部31が内ケース21のフランジ21aに掛るように載置される。内ケース21は、その底部付近の外周囲に誘導加熱コイル5が配設される。この誘導加熱コイル5は、鍋3の外周面までの距離が一定になるように耐熱性樹脂材料で成形されたコイルカバー(図示省略)に支持されている。また、内ケース21には、上方開口部と誘導加熱コイル5との間に側面ヒータ6が配設されている。
【0025】
蓋体4は、枠体42の上下に表蓋41及び蓋カバー48をそれぞれ取り付け、蓋カバー48を介して枠体に内蓋43が装着された構成を有し、炊飯器本体2の内ケース21の上方開口部を覆うように取り付けられている。その取り付けは、枠体42をヒンジ部材44と枢支ピン45とを用いて炊飯器本体2に軸支した構成となっている。また枠体42と内蓋43の間には、蓋カバー48に覆われて蓋ヒータ49が配設されるとともに、蓋温度センサ(図示省略)が設けられている。さらに、内蓋43には、炊飯器本体2内の圧力を調整する圧力調整弁4a及び安全弁4bが装着されている。蓋カバー48は枠体42に固定され、内蓋43は蓋カバー48を覆って枠体42に着脱自在に支持されている。圧力調整弁4aは、図示しないソレノイドにより一連の炊飯工程のうち沸騰維持工程で作動される。表蓋41には、鍋内の炊飯物が吹きこぼれて一気に飛び出すのを防止する吹きこぼれ防止蓋4cが着脱自在に装着されている。
【0026】
内蓋43の外周囲には、鍋のフランジ部31と内蓋43とをシールする鍋パッキン46が外枠50に支持されて装着されている。また、ヒンジ部材44の反対側には、内ケース21の上端部に形成された係止部材47aが設けられ、枠体42に設けた係止レバー47bに係止されて蓋体4を閉じた状態に支持するようになっている。炊飯器本体内に鍋3を収容して蓋体4で覆うと、鍋パッキン46が鍋3の開口縁部に圧接して鍋3が閉鎖される。
【0027】
炊飯器本体2は、外ケース22の前面に操作プレート7が装着されている。この操作プレート7には、電源スイッチ7a、炊飯スタートスイッチ、メニュー選択スイッチ、保温スイッチ等(図示せず)のスイッチ類の操作釦及び表示パネル7bが装着されており、これらの部品のうち、表示パネル7bには操作制御基板8に取り付けられた電子部品(図示省略)によって選択された炊飯メニュー等が表示される。
【0028】
炊飯器本体2には、誘導加熱コイル5、側面ヒータ6及び蓋ヒータ49等へ電力を供給・制御する電源制御基板10が通気孔23aに近接した箇所に配設されている。この電源制御基板10には、半導体素子からなるインバータ9、スイッチング素子、タイマー素子等の電子部品が装着されている。これらの電子部品のうち、特にインバータ9は作動時に発熱するのでヒートシンク、或いは冷却ファンによって冷却される。また、炊飯器本体2は、その底部23の中央部に鍋3の底面に接触するようにして鍋底温度センサ32が設けられている。さらに炊飯器本体2又は蓋体4のいずれかに外気温度を検知する外気温度センサ(図示省略)が設けられている。この外気温度センサの出力は、制御装置に入力されて、冷却用ファン11或いはシャッター機構25が作動される。
【0029】
炊飯器本体2の底部23には、図1の左右に、空気を吸気する通気孔23a及び吸気された空気を排出する排気孔23bが形成され、通気孔23aに近接した位置に冷却ファン11が配設されている。この冷却ファン11は、図示しないモータにより作動される。
【0030】
通気孔23a及び排気孔23bは、底部23に所定の幅長及び長さを有する複数本の細溝、いわゆるスリットで形成されている。また、これらのスリットからなる通気孔23a及び排気孔23bは、それぞれのスリットを塞ぐ幅長及び長さを有する板状体からなる開閉扉、すなわちシャッター板23a’、23b’で開閉される。通気孔23a及び排気孔23bの開閉は、各シャッター板23a’、23b’が作動板24に連結されて、この作動板24がソレノイド12によって移動されることによってそれぞれ行われる。この作動板24は、炊飯器本体の底部23に設けたガイド機構でガイドされながら底部で摺動可能になっている。シャッター機構25は、各シャッター板23a’、23b’を有する作動板24と、この作動板を作動させるソレノイド12とで構成されている。
【0031】
本発明は、被炊飯物を入れる鍋3と、鍋を収容する開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段並びに加熱手段を制御して被炊飯物の炊飯及び保温制御を行なう制御手段を有する炊飯器本体2と、鍋及び炊飯器本体の開口部を塞ぐ蓋体4とを備えた炊飯器において、蓋体4は、枠体42の上下に固着された表蓋41及び蓋カバー48並びに蓋カバーを介して枠体42に装着する内蓋43からなり、内蓋43がステンレス鋼材とアルミニウム材からなるクラッド材で形成されたものである。すなわち、平面図である図2に示したような鍋3を密閉する内蓋43が、ステンレス鋼材とアルミニウム材からなるクラッド材をプレス成型して形成されるものである。図2及びそのX−X線断面図である図3に示すように、内蓋43は金属板を周縁部と内部とに段差43cが形成されるように円盤状にプレス成型して形成され、周縁部にはゴム製の鍋パッキン46を介して硬質のプラスチック製の外枠50を取り付けている。符号50a、50bは内蓋を装着するための枠体50の係止部である。鍋パッキン46は、鍋3のフランジ部31と密着し、鍋3をシールすることにより鍋3内の圧力を保持する。内蓋43の中央部には、鍋の圧力や温度の検知用のセンサが取り付けられるとともに、蒸気圧を制御し、吹きこぼれを防ぐ圧力調整弁4a、安全弁4bが設けられている。鍋パッキン46は、耐久性、耐熱性に優れているシリコンゴムから形成するのが好ましい。
【0032】
図4に示すように、この内蓋43の金属からなる円盤状部分は、熱伝導の良好なアルミニウム材43aの層と、磁性金属材料であってアルミニウムよりは熱伝導が小さいものの、外観が美しく汚れが落ちやすいステンレス鋼材43bの層との2層からなるクラッド材で形成される。なお、この場合にはアルミニウム材43aの層が蓋カバー48に近接する上面に、ステンレス鋼材43bの層が鍋3側に位置するように配置すると好ましい。あるいはまた、図5に示すように、内蓋43の金属からなる円盤状部分は、アルミニウム材43aを中間層にして両面をステンレス鋼材43bで挟んだ3層からなるクラッド材で形成される。かかる構成を有する内蓋43は、蓋ヒータ49による加熱が熱伝導の良好なアルミニウム材43aにより速やかにかつ均一に蓋全体に伝わり、効率のよい加熱ができる。また、アルミニウム材43aだけで形成するのと異なり、ステンレス鋼材43bとのクラッド材としたので、厚さが薄くても内蓋の強度を保つことができ、また、熱効率が上がるので炊飯器が炊飯・蒸らし及び保温時に消費するエネルギーを減少させることができる。加えて、図4に示したアルミニウム材43aの層を蓋カバー48に近接する位置に設けた内蓋43は、アルミニウム材43aの層が蓋ヒータ49に密接配置することで熱伝導性がより高くなり、図5に示したアルミニウム材43aを中間層にしてこの中間層をステンレス鋼材43bの層で挟んだクラッド材で形成された内蓋43は、両面がステンレス鋼材43bであるので両面とも傷つきにくく、汚れを落とすことが容易であり清潔に維持できる、などの効果を奏する。
【0033】
また、この内蓋43は、内蓋の加熱装置である蓋ヒータ49が、ニクロム線や正特性サーミスタなどの電熱ヒータである場合も、あるいは電磁誘導を用いたものである場合にも、良好に適用できる。加熱方式が電熱ヒータである場合には、アルミニウム材43aにより良好な熱伝導が得られ、電磁誘導加熱である場合にも、磁性金属材料であるステンレス鋼材43bを使用しているので良好に適用できる。電磁誘導加熱が作動し、蓋ヒータ49のコイルに高周波電流が供給されると、コイルに発生する交番磁界により対向する内蓋の磁性金属材料であるステンレス鋼材が発熱し、アルミニウム材に熱を伝える。ステンレス鋼材43bは磁性体であるフェライト系のものが好ましい。蓋ヒータ49に通電することにより発熱し内蓋43に伝えられた熱は、鍋の中の米、水を上方から加熱し鍋の温度を上昇させる。その際、熱伝導性の良いアルミニウム材により発熱が速やかに伝わるため、鍋の上部の温度上昇が早くなりすばやく沸騰状態に達することができる。
【0034】
本発明によれば、炊飯器本体の鍋収納部に収めた鍋の蓋をする内蓋をアルミニウム材とステンレス鋼材とのクラッド材により形成したので、予熱、炊飯、蒸らし、保温の各過程において内蓋の加熱が迅速に行なえるので、エネルギーが有効活用でき、省エネルギー化に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る炊飯器の断面図である。
【図2】図2は図1の実施例における内蓋の平面図である。
【図3】図3は図2の内蓋の断面図である。
【図4】図4は図3の内蓋の一部断面図である。
【図5】図5は他の実施例を示す内蓋の一部断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 炊飯器
2 炊飯器本体
3 鍋
4 蓋体
5 誘導加熱コイル
6 側面ヒータ
7 操作プレート
8 操作制御基板
10 電源制御基板
11 冷却ファン
12 ソレノイド
21 内ケース
22 外ケース
23a 通気孔
23b 排気孔
41 表蓋
42 枠体
43 内蓋
43a アルミニウム材の層
43b ステンレス鋼材の層
46 鍋パッキン
48 蓋カバー
49 蓋ヒータ
50 内蓋の外枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被炊飯物を入れる鍋と、前記鍋を収容する開口部及び該鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段並びに前記加熱手段を制御して被炊飯物の炊飯及び保温制御を行なう制御手段を有する炊飯器本体と、前記鍋及び前記炊飯器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えた炊飯器において、該蓋体は、枠体の上下に固着された表蓋及び蓋カバー並びに該蓋カバーを介して枠体に装着される内蓋からなり、前記加熱手段は該内蓋の加熱装置を含み、該内蓋はステンレス鋼材とアルミニウム材からなるクラッド材で形成されたことを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記加熱装置は、前記内蓋の上面に密接配置していることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記内蓋は、ステンレス鋼材とアルミニウム材の2層からなるクラッド材で形成されており、前記アルミニウム材を前記蓋カバー側に配置し、前記ステンレス鋼材を前記鍋側に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記内蓋は、前記アルミニウム材を中間層にしてその両面を前記ステンレス鋼材で挟んだ3層からなるクラッド材で形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の炊飯器。
【請求項5】
前記内蓋の加熱装置が、電磁誘導加熱を用いたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の炊飯器。
【請求項6】
前記内蓋の加熱装置が、電熱ヒータであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−229374(P2007−229374A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−57827(P2006−57827)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】