説明

炊飯器

【課題】水を過剰に入れられることによってご飯の出来具合が悪くなり食味が低下しても、簡単にその状態を改善して炊くことができること。
【解決手段】鍋1と、炊飯動作を開始させるための炊飯開始スイッチを含む入力部5と、鍋温度検知部4で検知した鍋1の温度から鍋1を加熱する加熱装置3を制御して炊飯動作を行う制御部11とを備え、制御部11は、炊き上げ工程中、少なくとも一の所定時間内に一の所定温度まで上昇しなかった場合は鍋1の加熱を停止させ、炊飯工程終了後から他の所定時間内に炊飯開始スイッチが押された場合には、複数の炊飯シーケンスを記憶している記憶部7に記憶している早切れ対策の炊飯シーケンスを実行することにより、炊飯開始スイッチを押すという簡単な操作で、水を入れすぎたことによる炊飯の異常終了状態を解決し、追加シーケンスを実行して食べることができるご飯にまで改善することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般家庭あるいは業務用に使用した炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の炊飯器は炊飯時にご飯をやわらかく炊くためには、米と水との比率を変更して炊飯を実行させるものが一般的であった。このためやわらかくするためには水を多く入れる必要があるが、水を入れすぎたために炊き上げ工程などでおねば等による吹きこぼれが発生してしまうことがある。この吹きこぼれ防止には、炊飯量に応じた沸騰維持電力で制御している間の所定内に所定の温度に達していない場合に加熱を停止し、吹きこぼれを防ぐものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これによれば、水の量が多めであったときには、炊き上げ工程の工程時間に時間制限を設け、炊き上げ工程中の大きな火力を使用し続けることを禁止し、炊飯器内部の温度上昇を抑え吹きこぼれの発生を防止している。
【0004】
図8は、特許文献1に記載された従来の炊飯器のブロック図を示すものである。図8に示すように、鍋21と、鍋21を加熱する加熱手段22と、炊飯物の沸騰状態を検知する第一の温度手段23と、鍋21の温度を検知する第二の温度手段24と、加熱手段22を制御する制御手段25から構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3642119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、炊き上げ工程時間が所定時間で加熱停止してしまうため過剰な水分が残ってしまい、水分の多いべたべたしたご飯や、おかゆのような状態になってしまい、出来具合が著しく悪くなってしまうという課題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、水を過剰に入れられることによってご飯の出来具合が悪くなり食味が低下しても、簡単にその状態を改善して炊くことができる炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、炊き上げ工程中、少なくとも一の所定時間内に一の所定温度まで上昇しなかった場合は鍋の加熱を停止させ、炊飯工程終了後から他の所定時間内に炊飯開始スイッチが押された場合には、記憶部に記憶している早切れ対策の炊飯シーケンスを実行する構成としたものである。
【0009】
これによって、水を入れすぎたことによるご飯の出来具合が悪くなり食味が低下しても、簡単な操作で追加シーケンスを実行し、食べることができるご飯にまで改善することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の炊飯器は、炊飯終了後所定時間以内に再度炊飯開始スイッチを押すという簡単な操作で、水を入れすぎたことによる炊飯の異常終了状態を解決し、追加シーケンスを実
行して食べることができるご飯にまで改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1における炊飯器のブロック図
【図2】同炊飯器の断面図
【図3】本発明の実施の形態1における炊飯器の要部動作フローチャート
【図4】本発明の実施の形態2における炊飯器のブロック図
【図5】本発明の実施の形態2における炊飯器の要部動作フローチャート
【図6】本発明の実施の形態3における炊飯器のブロック図
【図7】本発明の実施の形態3における炊飯器の要部動作フローチャート
【図8】従来の炊飯器のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は炊飯器本体の内部に収納される鍋と、前記鍋の上部開口部を覆う開閉自在な蓋と、前記鍋を加熱する加熱装置と、前記鍋の温度を検知する鍋温度検知部と、炊飯動作を開始させるための炊飯開始スイッチを含む入力部と、複数の炊飯シーケンスを記憶している記憶部と、前記鍋温度検知部で検知した温度から前記加熱装置を制御して炊飯動作を行う制御部とを備え、前記制御部は、炊き上げ工程中、少なくとも一の所定時間内に一の所定温度まで上昇しなかった場合は鍋の加熱を停止させ、炊飯工程終了後から他の所定時間内に前記炊飯開始スイッチが押された場合には、前記記憶部に記憶している早切れ対策の炊飯シーケンスを実行することにより、やわらかいご飯を炊くために水を過剰に入れられた炊飯において、炊き上げ工程での加熱時間が加熱時間の制限により、炊きあがる前に加熱を停止してしまった場合に、加熱停止後再度所定時間以内に炊飯開始スイッチを押すことで早切れ対策の炊飯シーケンスを実行できるので簡単に食味が低下した状態を改善させたご飯を炊くことができる。
【0013】
第2の発明は、特に、第1の発明の制御部は炊き上げ工程中、鍋の加熱を停止させる所定時間内に所定温度まで上昇しなかった場合の条件分岐を複数回行うことにより、きめ細かく早切れ対策の追加炊飯を行うことができ、より食味の改善をすることができる。
【0014】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の蓋が開閉されたことを検知する開閉検知部を設け、制御部は、炊飯工程終了後から他の所定時間内かつ、前記開閉検知部によって蓋が開閉されていないときに炊飯開始スイッチが押された場合には、前記記憶部に記憶している早切れ対策の炊飯シーケンスを実行することにより、やわらかいご飯を炊くために水を過剰に入れられた炊飯において、炊き上げ工程での加熱時間が加熱時間の制限により、炊きあがる前に加熱を停止してしまった場合に蓋の開閉を行わずに炊飯開始スイッチを押すことで早切れ対策の炊飯シーケンスを実行できるので簡単に食味が低下した状態を改善させたご飯を炊くことができる。
【0015】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の炊飯器に、炊飯が正常に終了しなかった場合に表示を行う表示部をもうけ、制御部は、炊飯終了後前記表示部に異常状態である表示を行っている場合に前記炊飯開始スイッチを押せば早切れ対策の炊飯シーケンスを実行することにより、炊飯終了後前記表示部に異常状態である表示を行っている場合に前記炊飯開始スイッチを押せば早切れ対策の炊飯シーケンスを実行し、炊飯終了後前記表示部に正常炊飯であった場合に前記炊飯開始スイッチを押せば正常炊飯を実行する構成としたものであり、やわらかいご飯を炊くために水を過剰に入れられた炊飯において、炊き上げ工程での加熱時間が加熱時間の制限により、炊きあがる前に加熱を停止してしまった場合に表示部を確認し、水分量が過多の場合の異常状態であれば炊飯開始スイッチを押すだけで早切れ対策の炊飯シーケンスを実行できるので簡単に食味が低下した状態を改善させたご飯を炊くことができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態の炊飯器のブロック図、図2は同炊飯器の断面図、図3は、本発明の第1の実施の形態の炊飯器の要部動作フローチャートを示すものである。
【0018】
図1および図2に示すように、鍋1は米と水を入れるもので、この鍋1の上部開口部を覆う開閉自在な蓋2を配置し、この鍋1を加熱装置3により底面から加熱するようにしている。鍋温度検知部4は鍋1の底面に接触して鍋1の温度を検知する。炊飯動作を開始させるための炊飯開始スイッチを含む入力部5への入力によって炊飯を開始し、炊き上げ工程中に所定時間中に所定温度まで上昇しなかった場合は加熱装置3が鍋1への加熱を停止させる動作を行う。炊飯が終了してから計時を始めるタイマー装置6を有し、炊飯終了後にタイマー装置6の計時時間が所定時間以内に炊飯開始スイッチが押された場合には、記憶部7に記憶している早切れ対策の炊飯シーケンスを実行する構成としている。
【0019】
以上のように構成された炊飯器について、図3を参照しながら以下その動作、作用を説明する。
【0020】
ステップ51からステップ71までの各工程は、炊き上げ工程中、所定時間内に所定温度まで上昇しなかった場合の条件分岐群であり、ステップ74以降の工程は、炊飯工程終了後から所定時間内に炊飯開始スイッチが押され、早切れ対策の炊飯シーケンスを実行する工程である。
【0021】
まず、ステップ51で入力部5の炊飯開始スイッチが押されるまで待機する。ステップ51で炊飯開始スイッチが押されたと判定されたらステップ52へ進み炊飯に必要な火力(80%火力)を設定する。その後ステップ53で40分間のタイマを設定し計時開始する。
【0022】
つぎにステップ54で加熱装置3を動作させ加熱を行う。ステップ55でタイマの計時時間を確認し40分以内であればステップ56へ進み、ステップ56で鍋温度検知部4で検知した温度が80℃を超えているか判定する。80℃を超えていなければステップ54へ戻り、炊飯火力で加熱開始してから40分を超えるか鍋1温度が80℃に達するまでステップ54から56を繰り返す。
【0023】
ステップ56で鍋1温度が80℃を超えたならばステップ57へ進み30分間のタイマを設定し計時開始する。つぎにステップ58で鍋1内の水を沸騰させるための火力(100%火力)を設定し加熱する。ステップ59で鍋1の温度が96℃を超えているか判定し、超えていなければステップ60へ進む。ステップ60でタイマの計時時間が30分以内であればステップ58へ戻る。ステップ58からステップ60において、鍋1内を加熱し鍋1内の温度が80℃から96℃に達する時間が30分かかるかどうかを判定する。
【0024】
ステップ60で計時時間が30分を超えたならばステップ61へ進み加熱を停止した後15分のタイマ時間と60%火力を設定しステップ74へ進む。
【0025】
ステップ59で鍋1内の温度が96℃に達したならば鍋1内が沸騰したと判定しステップ63へ進む。ステップ63で25分間のタイマを設定し計時開始する。ステップ64で沸騰維持し炊き上げるための火力(75%火力)を設定し加熱する。ステップ65で鍋1
内が120℃に達しているかどうか判定し、超えていなければステップ66へ進む。ステップ66でタイマの計時時間が25分以内であればステップ64へ戻る。ステップ64からステップ66において、鍋1内が沸騰してから120℃に達する時間が25分かかるかどうかを判定する。
【0026】
ステップ66で計時時間が25分を超えたならばステップ67へ進み加熱を停止した後10分のタイマ時間と50%火力を設定しステップ74へ進む。
【0027】
ステップ65で鍋1内の温度が120℃に達したならば鍋1内のご飯が炊きあがりドライアップしたと判定しステップ69へ進む。ステップ69で13分間火力0%の「むらし工程」を実行した後炊飯を終了し次工程へすすむ。
【0028】
ステップ54から56の繰り返しの中で、ステップ55で炊飯火力で加熱開始して80℃に達するまでに40分を超えたときにはステップ71へ進み加熱を停止した後18分のタイマ時間と70%火力を設定しステップ74へ進む。
【0029】
ステップ74ではステップ61、ステップ67、ステップ71の各ステップで設定されたタイマ時間を確認し、設定された時間に達していなければステップ75へ進む。ステップ75で炊飯開始スイッチが押されたか判定し、設定された時間までに炊飯開始スイッチが押されるまで加熱を停止した状態で、ステップ74からステップ75を繰り返す。
【0030】
ステップ74で、炊飯開始スイッチが押されずに設定された時間が経過したならば次工程へ進み炊飯を終了する。
【0031】
ステップ75で設定時間以内に炊飯開始スイッチが押されたならばステップ76へ進み、ステップ61、ステップ67、ステップ71の各ステップで設定された火力で鍋1を加熱する。つぎにステップ77で、ステップ76での加熱を始めてから15分経過したか判定し、15分以内であればステップ78へ進む。ステップ78では鍋1内が炊き上げ温度120℃に達しているか判定し、120℃に達していなければステップ76へ戻る。ステップ76からステップ78において、ステップ75で炊飯開始スイッチを押されてから15分以内に炊き上げ温度である120℃に達するかどうかを判定し、120℃に達すればステップ69へ進み15分間火力0%の「むらし工程」を実行した後炊飯を終了し次工程へすすむ。
【0032】
ステップ77で計時時間が15分を超えたときにはステップ79へ進み火力を40%火力に落として10分間加熱し、ステップ80へ進む。ステップ80で20分間火力0%の「むらし工程」を実行した後炊飯を終了し次工程へすすむ。
【0033】
これらのステップから、炊飯開始から80%火力で40分経過までに鍋1内の温度が80℃に達しない場合は炊飯異常と判断し18分間の炊飯復帰時間を設定する。この18分以内に再度炊飯スイッチが押されれば、15分間70%火力で炊飯復帰動作を行う。このとき炊き上げ温度120℃に達すれば正常炊飯時の15分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。70%火力で15分経過しても炊き上げ温度に達しない場合は異常炊飯時の20分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。
【0034】
同様に、80℃から96℃に達するまで30分以上かかる場合は炊飯異常と判断し15分間の炊飯復帰時間を設定する。この15分以内に再度炊飯スイッチが押されれば、15分間60%火力で炊飯復帰動作を行う。このとき炊き上げ温度120℃に達すれば正常炊飯時の15分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。70%火力で15分経過しても炊き上げ温度に達しない場合は異常炊飯時の20分間火力0%の「むらし工程」
を行い炊飯を終了する。
【0035】
同様に、96℃から120℃に達するまで25分以上かかる場合は炊飯異常と判断し10分間の炊飯復帰時間を設定する。この10分以内に再度炊飯スイッチが押されれば、15分間50%火力で炊飯復帰動作を行う。このとき炊き上げ温度120℃に達すれば正常炊飯時の15分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。50%火力で15分経過しても炊き上げ温度に達しない場合は異常炊飯時の20分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。
【0036】
以上の動作から、やわらかいご飯を炊くために水を過剰に入れられた炊飯において、炊飯工程での加熱時間が加熱時間の制限により、炊きあがる前に炊飯異常として判定された場合でも、加熱停止後再度所定時間以内に炊飯開始スイッチを押すことで早切れ対策の炊飯シーケンスを実行できるので簡単に食味が低下した状態を改善させたご飯を炊くことができる。
【0037】
また、米の水分吸収過程において加熱停止が与える影響は、より水を吸収した米の方が大きいため吸水量が多いほど加熱停止時間を短く設定する、つまり加熱停止後再度炊飯開始スイッチを押す時間を水温上昇初期(80℃まで)と中期から沸騰まで(80℃から96℃)と沸騰維持から炊き上げまで(96℃から120℃)の3段階の復帰時において、それぞれ正常炊飯に復帰できる最大時間を設定(18分間、15分間、10分間)することにより正常なご飯に炊き上げることができやすくなる。
【0038】
また、米の水分吸収過程において火力の影響は、加熱を始めてからの時間経過が大きな影響を与えるために炊飯時間が短いほど高火力を設定する、つまり加熱停止後再度炊飯開始スイッチが押されてからの火力を水温上昇初期(80℃まで)と中期から沸騰まで(80℃から96℃)と沸騰維持から炊き上げまで(96℃から120℃)の3段階からの復帰時において、それぞれ正常炊飯に炊き上げるための最適火力(70%火力、60%火力、50%火力)を設定することにより、よりおいしくご飯を炊き上げることができる。
【0039】
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態の炊飯器のブロック図、図5は、本発明の第2の実施の形態の炊飯器の要部動作フローチャートである。
【0040】
図4に示すように、蓋2が開閉されたことを検知する開閉検知部9と、炊飯が正常に終了しなかった場合に表示を行う表示部10とをもうけ、制御部11は、炊飯終了後、タイマー装置6の計時時間が所定時間以内でかつ、開閉検知部9によって蓋2が開閉されていないときに前記炊飯開始スイッチが押された場合には、前記記憶部7に記憶している早切れ対策の炊飯シーケンスを実行する構成としたものである。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
以上のように構成された炊飯器について、図5を参照しながら以下その動作、作用を説明する。
【0042】
ステップ51からステップ61までは実施の形態1と同じ動作であり説明を省略する。
【0043】
ステップ60で計時時間が30分を超えたならばステップ61へ進み加熱を停止した後15分のタイマ時間と60%火力を設定しステップ62へ進む。ステップ62で「水加減が多めです。正常に炊き上げる場合は蓋を開けずに炊飯開始スイッチを押してください」とLCDに表示を行い、ステップ73へ進む。
【0044】
ステップ59で鍋1内の温度が96℃に達したならば鍋1内が沸騰したと判定しステップ63へ進む。ステップ63で25分間のタイマを設定し計時開始する。ステップ64で沸騰維持し炊き上げるための火力(75%火力)を設定し加熱する。ステップ65で鍋1内が120℃に達しているかどうか判定し、超えていなければステップ66へ進む。ステップ66でタイマの計時時間が25分以内であればステップ64へ戻る。ステップ64からステップ66において、鍋1内が沸騰してから120℃に達する時間が25分かかるかどうかを判定する。
【0045】
ステップ66で計時時間が25分を超えたならばステップ67へ進み加熱を停止した後10分のタイマ時間と50%火力を設定し68へ進む。ステップ68で「水加減が多めです。正常に炊き上げる場合は蓋を開けずに炊飯開始スイッチを押してください」とLCDに表示を行い、ステップ73へ進む。
【0046】
ステップ65で鍋1内の温度が120℃に達したならば鍋1内のご飯が炊きあがりドライアップしたと判定しステップ69へ進む。ステップ69で13分間火力0%の「むらし工程」を実行した後炊飯を終了し次工程へすすむ。
【0047】
ステップ54から56の繰り返しの中で、ステップ55で炊飯火力で加熱開始して80℃に達するまでに40分を超えたときにはステップ71へ進み加熱を停止した後18分のタイマ時間と70%火力を設定しステップ72へ進む。ステップ72で「水が多く入りすぎているようです。正常に炊き上げる場合は蓋を開けずに炊飯開始スイッチを押してください」とLCDに表示を行い、ステップ73へ進む。
【0048】
ステップ73で蓋2が閉じているか判定し、閉じていればステップ74へ進む。ステップ74ではステップ61、ステップ67、ステップ71の各ステップで設定されたタイマ時間を確認し、設定された時間に達していなければステップ75へ進む。ステップ75で炊飯開始スイッチが押されたか判定し、設定された時間までに炊飯開始スイッチが押されるまで加熱を停止した状態で、ステップ73からステップ75を繰り返す。
【0049】
ステップ73において、蓋2が開けられたならば次工程へ進み炊飯を終了する。
【0050】
ステップ74においては、炊飯開始スイッチが押されずに設定された時間が経過したならば次工程へ進み炊飯を終了する。
【0051】
ステップ75で設定時間以内に炊飯開始スイッチが押されたならばステップ76へ進み、ステップ61、ステップ67、ステップ71の各ステップで設定された火力で鍋1を加熱する。つぎにステップ77で、ステップ76での加熱を始めてから15分経過したか判定し、15分以内であればステップ78へ進む。ステップ78では鍋1内が炊き上げ温度120℃に達しているか判定し、120℃に達していなければステップ76へ戻る。ステップ76からステップ78において、ステップ75で炊飯開始スイッチを押されてから15分以内に炊き上げ温度である120℃に達するかどうかを判定し、120℃に達すればステップ69へ進み15分間火力0%の「むらし工程」を実行した後炊飯を終了し次工程へすすむ。
【0052】
ステップ77で計時時間が15分を超えたときにはステップ79へ進み火力を40%火力に落として10分間加熱し、ステップ80へ進む。ステップ80で20分間火力0%の「むらし工程」を実行した後炊飯を終了し次工程へすすむ。
【0053】
これらのステップから、炊飯開始から80%火力で40分経過までに鍋1内の温度が80℃に達しない場合は炊飯異常と判断しLCD表示に異常内容と注意が表示され、18分
間の炊飯復帰時間を設定する。この18分以内に蓋が開けられず再度炊飯スイッチが押されれば、15分間70%火力で炊飯復帰動作を行う。このとき炊き上げ温度120℃に達すれば正常炊飯時の15分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。70%火力で15分経過しても炊き上げ温度に達しない場合は異常炊飯時の20分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。
【0054】
同様に、80℃から96℃に達するまで30分以上かかる場合は炊飯異常と判断しLCD表示に異常内容と注意が表示され、15分間の炊飯復帰時間を設定する。この15分以内に蓋が開けられず再度炊飯スイッチが押されれば、15分間60%火力で炊飯復帰動作を行う。このとき炊き上げ温度120℃に達すれば正常炊飯時の15分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。70%火力で15分経過しても炊き上げ温度に達しない場合は異常炊飯時の20分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。
【0055】
同様に、96℃から120℃に達するまで25分以上かかる場合は炊飯異常と判断しLCD表示に異常内容と注意が表示され、10分間の炊飯復帰時間を設定する。この10分以内に蓋が開けられず再度炊飯スイッチが押されれば、15分間50%火力で炊飯復帰動作を行う。このとき炊き上げ温度120℃に達すれば正常炊飯時の15分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。50%火力で15分経過しても炊き上げ温度に達しない場合は異常炊飯時の20分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。
【0056】
以上の動作から、やわらかいご飯を炊くために水を過剰に入れられた炊飯において、炊き上げ工程での加熱時間が加熱時間の制限により、炊きあがる前に加熱を停止してしまった場合に表示部を確認し、水分量が過多の場合の異常状態であれば蓋の開閉を行わずに炊飯開始スイッチを押すことで早切れ対策の炊飯シーケンスを実行できるので簡単に食味が低下した状態を改善させたご飯を炊くことができる。
【0057】
尚、本実施の形態では、水分量が過多の場合の異常状態であれば、表示部に異常表示をして、それを確認して炊飯開始スイッチを押すようになっているが、表示部への表示を省略してもよい。
【0058】
(実施の形態3)
図6は、本発明の第3の実施の形態の炊飯器のブロック図、図7は、本発明の第3の実施の形態の炊飯器の要部動作フローチャートである。
【0059】
図6に示すように、炊飯が正常に終了しなかった場合に表示を行う表示部10をもうけ、制御部11を、炊飯終了後前記表示部10に異常状態である表示を行っている場合に炊飯開始スイッチを押せば早切れ対策の炊飯シーケンスを実行し、炊飯終了後、正常炊飯であった場合に炊飯開始スイッチを押せば正常炊飯を実行する構成としたものである。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
以上のように構成された炊飯器について、図7を参照しながら以下その動作、作用を説明する。
【0061】
ステップ51からステップ80のうち、ステップ73以外は実施の形態2と同じ動作であり、ステップ73を中心に説明し同じ動作の部分は説明を省略する。
【0062】
LCD表示内容について説明する。ステップ62では「水加減が多めです。正常に炊き上げる場合は炊飯開始スイッチを押してください」とLCDに表示を行い、ステップ73へ進む。
【0063】
ステップ68では「水加減が多めです。正常に炊き上げる場合は炊飯開始スイッチを押してください」とLCDに表示を行い、ステップ73へ進む。
【0064】
ステップ72では「水が多く入りすぎているようです。正常に炊き上げる場合は炊飯開始スイッチを押してください」とLCDに表示を行い、ステップ73へ進む。
【0065】
つぎにステップ73で状態取消スイッチが押されたか判定し、押されていなければステップ74へ進む。ステップ74ではステップ61、ステップ67、ステップ71の各ステップで設定されたタイマ時間を確認し、設定された時間に達していなければステップ75へ進む。ステップ75で炊飯開始スイッチが押されたか判定し、設定された時間までに炊飯開始スイッチが押されるまで加熱を停止した状態で、ステップ73からステップ75を繰り返す。
【0066】
ステップ73において、状態取消スイッチが押されていたならば次工程へ進み炊飯を終了する。
【0067】
ステップ74においては、炊飯開始スイッチおよび状態取消スイッチが押されずに設定された時間が経過したならば次工程へ進み炊飯を終了する。
【0068】
ステップ75で設定時間以内に炊飯開始スイッチが押されたならばステップ76へ進む。
【0069】
これらのステップから、炊飯開始から80%火力で40分経過までに鍋1内の温度が80℃に達しない場合は炊飯異常と判断しLCD表示に異常内容と注意が表示され、18分間の炊飯復帰時間を設定する。この18分以内に状態取消スイッチが押されず再度炊飯スイッチが押されれば、15分間70%火力で炊飯復帰動作を行う。このとき炊き上げ温度120℃に達すれば正常炊飯時の15分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。70%火力で15分経過しても炊き上げ温度に達しない場合は異常炊飯時の20分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。
【0070】
同様に、80℃から96℃に達するまで30分以上かかる場合は炊飯異常と判断しLCD表示に異常内容と注意が表示され、15分間の炊飯復帰時間を設定する。この15分以内に状態取消スイッチが押されず再度炊飯スイッチが押されれば、15分間60%火力で炊飯復帰動作を行う。このとき炊き上げ温度120℃に達すれば正常炊飯時の15分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。70%火力で15分経過しても炊き上げ温度に達しない場合は異常炊飯時の20分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。
【0071】
同様に、96℃から120℃に達するまで25分以上かかる場合は炊飯異常と判断しLCD表示に異常内容と注意が表示され、10分間の炊飯復帰時間を設定する。この10分以内に状態取消スイッチが押されず再度炊飯スイッチが押されれば、15分間50%火力で炊飯復帰動作を行う。このとき炊き上げ温度120℃に達すれば正常炊飯時の15分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。50%火力で15分経過しても炊き上げ温度に達しない場合は異常炊飯時の20分間火力0%の「むらし工程」を行い炊飯を終了する。
【0072】
以上の動作から、やわらかいご飯を炊くために水を過剰に入れられた炊飯において、炊き上げ工程での加熱時間が加熱時間の制限により、炊きあがる前に加熱を停止してしまった場合に表示部を確認し異常状態であることを確認できるだけでなく、さらに蓋を開けて目で見て鍋内を確認した場合にでも、水分量が過多の場合の異常状態であれば炊飯開始ス
イッチを押すだけで早切れ対策の炊飯シーケンスを実行できるので簡単に食味が低下した状態を改善させたご飯を炊くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、やわらかいご飯を炊くために水を過剰に入れられた炊飯において、炊き上げ工程での加熱時間が加熱時間の制限により、炊きあがる前に加熱を停止してしまった場合にでも簡単に食味が低下した状態を改善させたご飯を炊く炊飯器として有用である。
【符号の説明】
【0074】
1 鍋
2 蓋
3 加熱装置
4 鍋温度検知部
5 入力部
6 タイマー装置
7 記憶部
9 開閉検知部
10 表示部
11 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器本体の内部に収納される鍋と、前記鍋の上部開口部を覆う開閉自在な蓋と、前記鍋を加熱する加熱装置と、前記鍋の温度を検知する鍋温度検知部と、炊飯動作を開始させるための炊飯開始スイッチを含む入力部と、複数の炊飯シーケンスを記憶している記憶部と、前記鍋温度検知部で検知した温度から前記加熱装置を制御して炊飯動作を行う制御部とを備え、前記制御部は、炊き上げ工程中、少なくとも一の所定時間内に一の所定温度まで上昇しなかった場合は鍋の加熱を停止させ、炊飯工程終了後から他の所定時間内に前記炊飯開始スイッチが押された場合には、前記記憶部に記憶している早切れ対策の炊飯シーケンスを実行する炊飯器。
【請求項2】
制御部は炊き上げ工程中、鍋の加熱を停止させる所定時間内に所定温度まで上昇しなかった場合の条件分岐を複数回行うこととした請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
蓋が開閉されたことを検知する開閉検知部を設け、制御部は、炊飯工程終了後から他の所定時間内かつ、前記開閉検知部によって蓋が開閉されていないときに炊飯開始スイッチが押された場合には、前記記憶部に記憶している早切れ対策の炊飯シーケンスを実行する請求項1または2に記載の炊飯器。
【請求項4】
炊飯が正常に終了しなかった場合に表示を行う表示部をもうけ、制御部は、炊飯終了後前記表示部に異常状態である表示を行っている場合に前記炊飯開始スイッチを押せば早切れ対策の炊飯シーケンスを実行する請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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