説明

炎症の治療に有用なベンゾオキサゾール類

MAPEGファミリーのメンバーの活性阻害が所望及び/又は必要とされている疾患の治療、特に炎症の治療用の医薬を製造するための、式I:
【化1】


[上式中、Y、WからW、ZからZ及びRは、本記載に付与された意味を有する]
の化合物、及びその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(発明の分野)
この発明は、ある化合物の新規の薬学的使用に関するものであり、該化合物のいくつかは医薬として未知である。特にこの発明は、エイコサノイド及びグルタチオン代謝における膜結合タンパク質(MAPEG)ファミリーに属する酵素の阻害剤としての、このような化合物の使用に関する。MAPEGファミリーのメンバーには、ミクロソームプロスタグランジンEシンターゼ-1(mPGES-1)、5-リポキシゲナーゼ-活性化タンパク質(FLAP)、ロイコトリエンCシンターゼ及びミクロソームグルタチオンS-トランスフェラーゼ(MGST1、MGST2及びMGST3)が含まれる。よって、本化合物には、呼吸器系疾患を含む炎症性疾患の治療における潜在的有用性がある。
【0002】
(発明の背景)
その性質が炎症性である多くの疾患/疾病がある。炎症症状の現在の治療に伴う主要な問題の一つは効能の欠落及び/又は副作用(実際の又はそのように思われているもの)の発生である。
人々をおそう炎症疾患には、喘息、炎症性大腸炎、関節リウマチ、骨関節炎、鼻炎、結膜炎及び皮膚炎が含まれる。
また炎症は、痛覚の一般的な原因でもある。炎症性痛覚は多くの理由、例えば感染、外科処置又は他の外傷によっても生じるおそれがある。さらに、悪性腫瘍及び心臓血管疾患を含むいくつかの疾患は、患者の総合的症状に加えて、炎症性要素も有することが知られている。
【0003】
喘息は、炎症及び気管支収縮の双方の要素を含む気道疾患である。喘息の治療方法は症状の重篤度に基づく。軽いケースでは治療しないか、あるいは気管支収縮の要素に影響を及ぼすβ-アゴニストを吸入することによってのみ治療されるが、より重症の喘息を患っている患者は、典型的には、かなりの程度で本質的に抗炎症性であるコルチコステロイド類を吸入することで、定期的に治療される。
炎症及び気管支収縮の要素を有する気道の他の一般的疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。この疾患は潜在的に致死的なものであり、この症状からの罹患率及び死亡率はかなりのものである。現在、この疾患の経過を変えることのできる薬理学的治療法は知られていない。
【0004】
シクロオキシゲナーゼ(COX)酵素には2つの形態があり、一つは、多くの細胞及び組織で構造的に発現するもの(COX-1)で、もう一つは、多くの細胞及び組織において、炎症反応中、サイトカイン類等の炎症誘導刺激物により誘発されるもの(COX-2)である。
COXはアラキドン酸を不安定な中間プロスタグランジンH(PGH)に代謝する。PGHは、PGE、PGF2α、PGD、プロスタサイクリン及びトロンボキサンAを含む、他のプロスタグランジン類にさらに代謝される。これらのアラキドン酸代謝産物は、炎症誘導効果を含む、明白な生理学的及び病態生理学的活性を有することが知られている。
特に、PGEは強力な炎症誘導媒介物であること、さらには発熱や痛みを誘発することが知られている。従って、「NSAIDs」(非ステロイド性抗炎症剤)及び「コキシブ(coxibs)」(選択的COX-2阻害剤)を含む、PGEの形成を阻害するための多くの薬剤が開発されている。これらの薬剤は、COX-1及び/又はCOX-2を阻害し、よってPGEの形成を低減させることにより、主として作用する。
【0005】
しかしながら、COXを阻害することで、PGHの全ての代謝産物の形成が低減してしまう結果になり、該代謝産物のいくつかは有益な効果を有していることが知られているために、不具合を有する。この点を考慮し、COXを阻害することにより作用する薬剤は、生物学的効果に悪影響を与える原因となることが知られている/推察される。例えば、NSAIDにより、COXを非選択的に阻害すると、胃腸に副作用が生じ、血小板及び腎機能に影響を与えるおそれがある。さらに、コキシブによりCOX-2が選択的に阻害されると、このような胃腸での副作用は低減するが、心臓血管に問題が生じると考えられる。
【0006】
よって、上述したような副作用を生じることのない炎症疾患の代替治療は、病院においてはまさに有益なこととなる。特に、PGHの炎症誘導媒介物であるPGEへの変形を(好ましくは選択的に)阻害する薬剤により、他の有益なアラキドン酸代謝産物の形成を低減させることなく、炎症反応が低下すると期待される。従って、このような阻害により、上述した所望しない副作用が軽減すると期待される。
【0007】
PGHは、プロスタグランジンEシンターゼ(PGES)により、PGEに変形し得る。2つのミクロソームプロスタグランジンEシンターゼ(mPGES-1及びmPGES-2)、及び1つの細胞質プロスタグランジンEシンターゼ(cPGES)が記載されている。
【0008】
ロイコトリエン類(LTs)は、COX/PGES経路のものとは異なる一連の酵素により、アラキドン酸から形成される。ロイコトリエンBは強力な炎症誘導媒介物であることが知られており、一方システイニル含有ロイコトリエンC、D及びE(CysLTs)は、主として非常に強力な気管支収縮剤であり、喘息の病理に関連している。CysLTsの生物学的活性は、CysLT及びCysLTと称される2つのレセプターを介して媒介される。ステロイドの代替として、ロイコトリエンレセプターアンタゴニスト(LTRas)が、喘息の治療に開発されている。これらの薬剤は経口的に付与されるが、炎症を満足のいく程度にはコントロールしない。現在使用されているLTRasはCysLTに対して高度に選択的である。喘息、場合によってはCOPDの良好なコントロールは、双方のCysLTレセプターの活性を低減できる場合に達成され得ると仮定される。このことは、非選択的LTRasを開発するばかりでなく、CysLTsの合成に関与している酵素等のタンパク質の活性を阻害することによっても達成され得る。これらのタンパク質としては、5-リポキシゲナーゼ、5-リポキシゲナーゼ-活性化タンパク質(FLAP)及びロイコトリエンCシンターゼを挙げることができる。またFLAP阻害剤は、炎症誘導性LTBの形成も低減させる。
【0009】
mPGES-1、FLAP及びロイコトリエンCシンターゼは、エイコサノイド及びグルタチオン代謝ファミリーにおける膜結合タンパク質(MAPEG)に属する。このファミリーの他のメンバーには、ミクロソームグルタチオンS-トランスフェラーゼ(MGST1、MGST2及びMGST3)が含まれる。例えば、P.-J. Jacobssonら, Am. J. Respir. Crit. Care Med. 161, S20(2000)が参照される。MAPEGの一つに対するアンタゴニストとして調製される化合物が、他のファミリーのメンバーに対する阻害活性を示すこともよく知られており、例えばJ. H Hutchinsonら, J. Med. Chem. 38, 4538(1995)、及びD. Claveauら, J. Immunol. 170, 4738(2003)が参照される。また先の文献には、このような化合物が、5-リポキシゲナーゼ等のMAPEGファミリーに属さないアラキドン酸カスケードにおいて、タンパク質と顕著な交差反応することが示されている、ということが記載されている。
【0010】
よって、mPGES-1の作用を阻害し、ひいては特定のアラキドン酸代謝産物PGEの形成を低減可能な薬剤は、炎症の治療において有益であると思われる。さらに、ロイコトリエンの合成に関与するタンパク質の作用を阻害可能な薬剤は、喘息及びCOPDの治療においても有益であると思われる。
【0011】
(従来技術)
国際公開第2005/030705号、国際公開第2005/030704号、国際公開第2004/032716号、国際公開第03/045929号、国際公開第03/045930号、国際公開第03/037274号、及び国際公開第03/011219号、及び学術論文、KaoらのChemistry and Biology (2004), 11 (9), 1293-1299、及びGongらのBiochemistry and Medicinal Chemistry Letters (2004), 14 (6), 1455-1459の全てには、医薬として有用な種々のベンゾオキサゾール類又はその類似体(例えば、オキサゾロピリジン類)が開示されている。しかしながら、これらの公報のいずれにも、MAPEGファミリーのメンバーの阻害剤として、よって炎症の治療に、このような化合物を使用することについては示唆されていない。
【0012】
国際公開第2004/046122号及び国際公開第2004/046123号には、ヘパラナーゼ阻害剤として、よって炎症の治療に有用なベンゾオキサゾール誘導体が開示されている。しかしながら、前者の公報には、カルボキシ又はテトラゾリル基により置換されていない(リンカー基又はそれ以外を介した)化合物については、記載も示唆もされていない。さらに、後者の公報には、フェニル環で置換されたベンゾオキサゾール類で、該フェニル環が芳香族アミド基で置換されているものについては、記載も示唆もされていない。
【0013】
国際公開第2004/035522号には、とりわけ、プリオンタンパク質が蓄積した疾患の画像診断用のプローブとして使用されるベンゾオキサゾール類が開示されている。この公報には、MAPEGファミリーのメンバーの阻害剤として、よって炎症の治療に、ここで開示されている化合物を使用することについては、記載も示唆もされていない。
【0014】
国際公開第96/11917号には、PDE IV阻害剤として、よって炎症の治療に有用なベンゾオキサゾール類を含むヘテロアリール基が開示されている。しかしながら、この公報には、2つの連続した芳香族基で2-位が置換されたベンゾオキサゾール類については開示されておらず、またMAPEGファミリーのメンバーの阻害剤として、ここに開示されている化合物を使用することについても示唆されていない。
【0015】
国際公開第2004/089470号には、例えば癌に使用され、11のβ-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼI型の活性調節に有用な種々の化合物が開示されている。また、国際公開第2004/089416号及び国際公開第2004/089415号には、併用治療にこれらの化合物を使用することについて開示されている。しかしながら、これらの公報のいずれにも、MAPEGファミリーのメンバーの阻害剤として、これらの化合物を使用することについては、開示も示唆もされていない。
【0016】
(発明の開示)
本発明は、MAPEGファミリーのメンバーの活性を阻害又は調節することが所望及び/又は必要とされている疾患の治療用の医薬を製造するための、次の式I:
【化1】

[上式中、
Rはアリール又はヘテロアリールであって、共にXから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよく;
Yは-C(O)-又は-S(O)-を表し;
からW及びZからZは独立して、水素、又はXから選択される置換基を表し;
及びXは独立して、ハロ、-R3a、-CN、-C(O)R3b、-C(O)OR3c、-C(O)N(R4a)R5a、-N(R4b)R5b、-N(R3d)C(O)R4c、-N(R3e)C(O)N(R4d)R5d、-N(R3f)C(O)OR4e、-N、-NO、-N(R3g)S(O)N(R4f)R5f、-OR3h、-OC(O)N(R4g)R5g、-OS(O)3i、-S(O)3j、-N(R3k)S(O)3m、-OC(O)R3n、-OC(O)OR3p又は-S(O)N(R4h)R5hを表し;
mは0、1又は2を表し;
3b、R3dからR3h、R3k、R3n、R4aからR4h、R5a、R5b、R5d及びR5fからR5hは独立して、H又はR3aを表し;又は
任意の対R4a及びR5a、R4b及びR5b、R4d及びR5d、R4f及びR5f、R4g及びR5g又はR4h及びR5hは互いに結合して、3-から6員環を形成し、該環は、これらの置換基に必ず結合している窒素原子に加えて、さらなるヘテロ原子(例えば窒素又は酸素)を有していてもよく、また該環はF、Cl、=O又はR3aで置換されていてもよく;
3c、R3i、R3j、R3m及びR3pは独立して、R3aを表し;
3aは上述したその度毎に、F、Cl、=O、-OR6a又は-N(R6b)R7bから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキルを表し;
6a及びR6bは独立して、H、又はF、Cl、=O、-OR8a、-N(R9a)R10a又は-S(O)-Gから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキルを表し;
7bは、H、-S(O)CH、-S(O)CF又はC1−6アルキルで、F、Cl、=O、-OR11a、-N(R12a)R13a又は-S(O)-Gから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよいものを表し;又はR6b及びR7bは互いに結合して、3-から6員環を形成し、該環は、これらの置換基に必ず結合している窒素原子に加えて、さらなるヘテロ原子(例えば窒素又は酸素)を有していてもよく、また該環はF、Cl、=O、又は一又は複数のフッ素原子で置換されていてもよいC1−3アルキルで置換されていてもよく;
及びGは独立して、-CH、-CF又は-N(R14a)R15aを表し;
8a及びR11aは独立して、H、-CH、-CHCH又は-CFを表し;
9a、R10a、R12a、R13a、R14a及びR15aは独立して、H、-CH又は-CHCHを表す]
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を提供するものである。
【0017】
薬学的に許容可能な塩には、酸付加塩及び塩基付加塩が含まれる。そのような塩は従来からの手段、場合によっては溶媒、又は塩が不溶である媒体中において、例えば式Iの化合物の遊離酸又は遊離塩基形態のものと、適切な酸又は塩基の一又は複数の等価物とを反応させ、続いて標準的な技術(例えば真空中、凍結乾燥又は濾過)を使用して、前記溶媒又は前記媒体を除去することによって形成され得る。また塩は、塩の形態の本発明の化合物の対イオンを、例えば適切なイオン交換樹脂を使用して、他の対イオンと交換することによって調製されてもよい。
【0018】
式Iの化合物は二重結合を含んでいてもよく、よって各個々の二重結合についてE(entgegen 反対側)及びZ(zusammen 同じ側)幾何異性体として存在しうる。全てのそのような異性体とその混合物が本発明の範囲に含まれる。
さらに式Iの化合物はまた互変異性を示しうる。全ての互変異性体とその混合物が本発明の範囲に含まれる。
【0019】
式Iの化合物はまた一又は複数の不斉炭素原子を含んでいてもよく、従って光学的及び/又はジアステレオ異性を示しうる。ジアステレオ異性体は、従来からの技術、例えばクロマトグラフィー又は分別晶出を使用して分離することができる。様々な立体異性体は、例えば分別晶出又はHPLCのような従来からの技術を使用して化合物のラセミ又は他の混合物の分離によって単離することができる。あるいは、所望の光学異性体は、ラセミ化又はエピマー化を引き起こさない条件で適切な光学的に活性な出発材料を反応させ(すなわち「キラルプール」法)、続いて適切な段階で除去可能な「キラル補助基」と適切な出発材料とを反応させ、例えばホモキラル酸で誘導体化させ(すなわち、動力学的分割を含む分割)、その後に従来からの手段、例えばクロマトグラフィーにより、ジアステレオ異性誘導体を分離させ、又は当業者に公知の全ての条件下で、適切なキラル試薬又はキラル触媒と反応させることにより作製され得る。全ての立体異性体とその混合物が本発明の範囲に含まれる。
【0020】
他に特定されない限り、ここで定義されるC1−qアルキル(ここでqは範囲の上限である)は直鎖状鎖であり得、あるいは十分な数(すなわち最小で3)の炭素原子が存在する場合は、分枝状鎖、及び/又は環状(アルキルのケースではC3−qシクロアルキル基を形成)であり得る。さらに十分な数(すなわち最小で4)の炭素原子が存在する場合、このような基は部分的に環状であってよい。他に特定されない限り、このようなアルキル基は飽和していてもよく、又は十分な数(すなわち最小で2)の炭素原子が存在し、他に特定されない限り、不飽和(例えばC2−qアルケニル又はC2−qアルキニル基を形成)であってもよい。
ここで使用される場合、「ハロ」なる用語には、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードが含まれる。
【0021】
挙げることができるアリール基はC6−14(例えばC6−10)アリール基を含む。そのような基は単環、二環又は三環であってよく、6〜14の環炭素原子を有し、その少なくとも一つの環が芳香族性である。C6−14アリール基には、フェニル、ナフチル等、例えば1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル及びフルオレニルが含まれる。アリール基の結合点は環系の任意の原子を介しうる。しかしながら、アリール基が二環又は三環である場合、それらは、芳香環の原子を介して残りの分子に結合している。
【0022】
挙げることができるヘテロアリール基には、5〜14(例えば5〜10)員のものが含まれる。そのような基は単環、二環又は三環であり得、少なくとも一の環が芳香族性であり、環系の原子の少なくとも一つ(例えば1〜4)が炭素以外(つまりヘテロ原子)である。挙げることができるヘテロアリール基には、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキセピニル、ベンゾジオキソリル(1,3-ベンゾジオキソリルを含む)、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル(2,1,3-ベンゾチアジアゾリルを含む)、ベンゾオキサジアゾリル(2,1,3-ベンゾオキサジアゾリルを含む)、ベンゾオキサジニル(3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジニルを含む)、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾモルホリニル、ベンゾセレナジアゾリル(2,1,3-ベンゾセレナジアゾリルを含む)、ベンゾチエニル、カルバゾリル、クロマニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジル、インダゾリル、インドリニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアジオリル、イソチオクロマニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル(1,5-ナフチリジニル及び1,8-ナフチリジニルを含む)、オキサジアゾリル(1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル及び1,3,4-オキサジアゾリルを含む)、オキサゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、テトラヒドロイソキノリニル(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル及び5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリニルを含む)、テトラヒドロキノリニル(1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル及び5,6,7,8-テトラヒドロキノリニルを含む)、テトラゾリル、チアジアゾリル(1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル及び1,3,4-チアジアゾリルを含む)、チアゾリル、チオクロマニル、チエニル、トリアゾリル(1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル及び1,3,4-トリアゾリルを含む)等が含まれる。ヘテロアリール基上の置換基は、適切ならば、ヘテロ原子を含む環系の任意の原子上に位置し得る。ヘテロアリール基の結合点は、(適切ならば)ヘテロ原子(例えば窒素原子)を含む環系の任意の原子、又は環系の一部として存在し得る任意の縮合炭素環上の原子を介するものであり得る。しかしながら、ヘテロアリール基が二環又は三環である場合、それらは、芳香環の原子を介して残りの分子に結合している。ヘテロアリール基はまたN-又はS-酸化形態であってもよい。
【0023】
挙げることができるヘテロ原子には、リン、ケイ素、ホウ素、テルル、セレン、好ましくは酸素、窒素及び硫黄が含まれる。
疑念を避けるために、式Iの化合物における2又はそれ以上の置換基の同一性が同様でありうる場合には、各置換基の実際の同一性は、何らの方法においても互いに依存しない。例えば、W及びWが、双方ともXを表す状況では、当該問題におけるそれぞれのX基は同一でも異なっていてもよい。同様に、基がここで定義された一を越える置換基によって置換されている場合は、個々の置換基の同一性は相互に依存していると見なされることはない。例えばRが、-R3a及び-OR3hにより置換されたフェニルを表し、ここでR3hがR3aを表し、各ケースにおいてR3aがC1−6アルキルを表す場合、2つのR3a基の同一性は、相互に依存していると見なされることはない。
疑念を避けるために、「WからW」等の用語がここで使用される場合、これはW、W、W及びWを包括的に意味すると、当業者には理解されるであろう。
【0024】
挙げることのできる式Iの化合物には:
Yが-C(O)-を表し;
及びXが独立してHを表し;
任意の対R4a及びR5a、R4b及びR5b、R4d及びR5d、R4f及びR5f、R4g及びR5g又はR4h及びR5hが互いに結合して、3-から6員環を形成し、該環が、これらの置換基に必ず結合している窒素原子に加えて、さらなるヘテロ原子(例えば窒素又は酸素)を有していてもよく、また該環が=O又はR3aで置換されていてもよく;
3aが上述したその度毎に、F、Cl、-OCH、-OCHCH又は-OCFから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキルを表す;
ものが含まれる。
【0025】
さらに、挙げることのできる式Iの化合物には:
Yが-C(O)-を表し、ZからZの一つ(例えばZ)がXを表し、XがR3aを表す場合、R3aはF、Cl、-OCH、-OCHCH又は-OCFから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよいC2−6アルキルを表し;又は
Yが-C(O)-を表し、ZからZの一つ(例えばZ)がXを表す場合、Xはハロ、-CN、-C(O)R3b、-C(O)OR3c、-C(O)N(R4a)R5a、-N(R4b)R5b、-N(R3d)C(O)R4c、-N(R3e)C(O)N(R4d)R5d、-N(R3f)C(O)OR4e、-N、-NO、-N(R3g)S(O)N(R4f)R5f、-OR3h、-OC(O)N(R4g)R5g、-OS(O)3i、-S(O)3j、-N(R3k)S(O)3m、-OC(O)R3n、-OC(O)OR3p又は-S(O)N(R4h)R5hを表す;
ものが含まれる。
【0026】
挙げることのできる式Iのさらなる化合物には:
からWの任意の一つ(例えばW及び/又はW)がXを表す場合、Xは-C(O)OR3cを表さず;及び/又は
からWの任意の一つ(例えばW及び/又はW)がXを表す場合、Xは-N(R4b)R5b(例えばR4b及びR5bの一方が水素以外である場合)を表さない;
ものが含まれる。
【0027】
本発明の好ましい化合物には、
任意の対R4a及びR5a、R4b及びR5b、R4d及びR5d、R4f及びR5f、R4g及びR5g及びR4h及びR5hが互いに結合して、5-又は6員環を形成し、該環が、さらなるヘテロ原子(例えば窒素又は酸素)を有していてもよく、R3aで置換されていてもよく(例えば、ピロリジニル、モルホリニル又はピペラジニル(例えば4-メチルピペラジニル)環を形成);
からWの少なくとも1(例えば少なくとも2(例えば3))が水素を表し;
からZの少なくとも1(例えば少なくとも2(例えば3))が水素を表し;
Rが4未満の置換基で置換されており;
及びXが独立して、-S(O)3j、-N(R4b)R5b、-OC(O)R3n、又はより好ましくはハロ(例えばブロモ、クロロ又はフルオロ)、-NO、-R3a又は-OR3hを表し;
mが2を表し;
3aが、一又は複数のフッ素原子で置換されていてもよいC1−5アルキル(例えば、ジフルオロメチル、エチル、シクロプロピル、t-ブチル、シクロペンチル、t-ペンチル(すなわち、-C(CH))、又はより好ましくはメチル又はイソプロピルを表し(例えば、トリフルオロメチル基を形成);
3jがR3aを表す場合、R3aが好ましくはC1−3アルキル(例えばメチル又はエチル)を表し;
又はXがR3aを表す場合、R3aが、好ましくはt-ブチル、t-ペンチル、又は特にメチル又はイソプロピルを表し、これらの全てが一又は複数のハロ(例えばフルオロ)原子で置換されていてもよく(例えばトリフルオロメチル基を形成)(好ましくは未置換);
3hがR3aを表す場合、R3aが、好ましくはシクロペンチル、特にジフルオロメチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロペンチル、又は特にメチル又はトリフルオロメチルを表し;
4b及びR5bが独立して、H又はメチルを表し;又は
4b及びR5bがここに記載したように互いに結合しており;
3nがR3aを表し;
3nがR3aを表す場合、R3aが好ましくはC1−3アルキル(例えばメチル又はトリフルオロメチル)を表し;
6a、R6b及びR7bが独立して、H、又は一又は複数のフッ素原子で置換されていてもよいC1−6アルキルを表す;
ものが含まれる。
【0028】
Rが表し得る好ましいアリール及びヘテロアリール基には、置換されていてもよいフェニル、ナフチル、ピロリル、フラニル、チエニル(例えば、チエン-2-イル又はチエン-3-イル)、ピラゾリル、イミダゾリル(例えば、1-イミダゾリル、2-イミダゾリル又は4-イミダゾリル)、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジル(例えば、2-ピリジル、3-ピリジル又は4-ピリジル)、インダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリニル、キノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、キノリジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロマニル、ベンゾチエニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル(例えば、2-ピラジニル)、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,3-ベンゾジオキソリル、テトラゾリル、ベンゾチアゾリル、及び/又はベンゾジオキサニル基が含まれる。好ましい意味には、置換されていてもよいフラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラジニル(例えば2-ピラジニル)、又は特にピリジル(例えば3-ピリジル)又はフェニルが含まれる。
【0029】
式Iのさらに好ましい化合物には:
が-OR3h、-N(R4b)R5b、又は好ましくはハロ(例えば、フルオロ、ブロモ、又は好ましくはクロロ)、又はR3aを表し;
がR3aを表す場合、R3aが一又は複数のフルオロ置換基で置換されていてもよいC1−3アルキルを表し;
が-OR3hを表す場合、R3hが好ましくはR3aであり、ここでR3aが一又は複数のフルオロ置換基で置換されていてもよいC1−3アルキルを表し;
がR3aを表す場合、R3aが一又は複数のフルオロ置換基で置換されていてもよいC1−3アルキルを表し;
からWが独立して、H、又はブロモ、ブチル(例えばtert-ブチル)、又は好ましくはクロロ、メチル及びイソプロピルから選択される置換基を表し;
からWの任意の一つ(又は2つ)がH以外である場合、W及び/又はWがH以外であることが好ましく;
からZが独立してH、又はフルオロ、-OR3h、-N(R4b)R5b、又は好ましくはクロロ及びメチルから選択される置換基を表し
からZの任意の一つが-OR3hを表す場合、R3hが好ましくはH又はC1−5アルキル(例えば、メチル、イソプロピル又はシクロペンチル)を表し;
からZの任意の一つが-N(R4b)R5bを表す場合、R4b及びR5bが独立して、H、又は好ましくはC1−2アルキル(例えばメチル)から選択され、又はR4b及びR5bが、それらが結合している窒素原子と共同して、4-、又は好ましくは5員環を形成し、該環が好ましくは未置換であるか、及び/又は好ましくはさらなるヘテロ原子を含有しておらず(例えばピロリジニル環を形成);
からZの任意の一つ(又は2つ)がH以外である場合、Z及び/又は特にZがH以外であることが好ましく;
Rが置換されたフェニルを表す場合、置換基が、好ましくはアミノ(例えば-NH)、又は好ましくはクロロ、フルオロ、ブロモ、-NO、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、及びトリフルオロメトキシから選択され;
Rが置換されたピリジル(例えば3-ピリジル)を表す場合、置換基が、フルオロ、クロロ及びトリフルオロメチル(例えば、3-ピリジル上の(a)置換基のケースにおいては、好ましくは2-及び/又は6位にて)から選択される;
ものが含まれる。
【0030】
式Iの化合物において:
からWを担持する環が、一つの置換基により置換されており;
からZを担持する環が、未置換であるか、又は一つの置換基で置換されており;
R(例えばRがフェニルである場合)は未置換であるか、又は好ましくは、例えば1又は2の置換基で置換されており、ここで好ましくは、式Iの化合物における-C(O)-基へのR基の結合点に対して、これらの置換基の少なくとも一がオルト位にある(すなわち、結果として、Rがオルト位で少なくとも置換されている);
ことが好ましい。
【0031】
挙げることのできる式Iのさらに好ましい化合物には:
がH、Cl又はメチルを表し;
がH、又は上述した置換基(例えばクロロ、又は好ましくはメチル)を表し;
がH、又は上述した置換基(例えばブロモ、tert-ブチル、又は好ましくはメチル、イソプロピル及びクロロから選択)を表し;
がメチル、又は好ましくはHを表し;
及びZが独立してHを表し;
が上述した置換基(例えばメチル)、又はより好ましくはHを表し;
がH、又はより好ましくは上述した置換基を表す;
ものが含まれる。
式Iの特に好ましい化合物、又はその薬学的に許容可能な塩には、以下に記載の実施例のものが含まれる。
【0032】
式Iの化合物は、例えば以下に記載するような、当業者によく知られている技術に従い調製され得る。
本発明のさらなる態様では、式Iの化合物を調製する方法が提供されており、該方法には以下のことが含まれる:
(i)次の式II:
【化2】

[上式中、WからW及びZからZは上述したものである]
の化合物と、次の式III:
R-Y-OH III
[上式中、R及びYは上述したものである]
の化合物とを、カップリング条件下、例えば周囲の室温又はそれ以上(例えば、40-180℃まで)で、場合によっては適切な塩基(例えば、水素化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ピロリジノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ-7-エン、水酸化ナトリウム、N-エチルジイソプロピルアミン、N-(メチルポリスチレン)-4-(メチルアミノ)ピリジン、ブチルリチウム(例えば、n-、s-又はt-ブチルリチウム)又はそれらの混合物)の存在下、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ピリジン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、トリフルオロメチルベンゼン、トリエチルアミン又は水)及び適切なカップリング剤(例えば、1,1'-カルボニルジイミダゾール、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(又はそれらの塩酸塩)、N,N'-ジスクシンイミジルカルボナート、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロ-ホスファート、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート、ブロモ-トリスピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスファート、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロカルボナート)、又は1-シクロヘキシルカルボジイミド-3-プロピルオキシメチルポリスチレン)の存在下で反応させる。また式IIIの化合物は、場合によっては適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン、THF、トルエン又はベンゼン)、及び適切な触媒(例えば、DMF)の存在下、適切な試薬(例えば、塩化オキサリル、塩化チオニル等)を用いて処理することにより、先ず活性化され、結果としてそれぞれ塩化アシルが形成される。ついで、この活性化中間体を、例えば上述したもののような、標準的な条件下で式IIの化合物と反応させてよい。また、アゾジカルボキシラートを、当業者に公知のミツノボ(Mitsunobo)条件下で使用してもよい。
【0033】
(ii)次の式IV:
【化3】

[上式中、Lは適切な離脱基、例えばクロロ、ブロモ、ヨード、スルホナート基(例えば、-OS(O)CF、-OS(O)CH、-OS(O)PhMe又はノナフラート)又は-B(OH)を表し、WからW及びZからZは上述したものである]
の化合物と、次の式V:
N-Y-R V
[上式中、R及びYは上述したものである]
の化合物とを、適切な金属触媒(その塩又は錯体)、例えばCu、Cu(OAc)、CuI(又はCuI/ジアミン錯体)、Pd(OAc)、Pd(dba)又はNiCl、及び適切な添加剤、例えばPhP、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、キサントフォス(xantphos)、NaI、又は適切なクラウンエーテル、例えば18-クラウン-6-ベンゼンの存在下、適切な塩基、例えばNaH、EtN、ピリジン、N,N'-ジメチルエチレンジアミン、NaCO、KCO、KPO、CsCO、t-BuONa又はt-BuOK(又はそれらの混合物)の存在下、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジオキサン、トルエン、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、エチレングリコールジメチルエーテル、水、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリジノン、テトラヒドロフラン又はそれらの混合物)において、又は試薬がそれ自身で溶媒として作用する場合には、付加的な溶媒の不在下で反応させる。この反応は、室温又はそれ以上(例えば高温、特に使用される溶媒系の還流温度)で実施されてよく、又はマイクロ波照射を使用してもよい。
【0034】
式IIの化合物は、次の式VI:
【化4】

[上式中、WからW及びZからZは上述したものである]
の化合物を、当業者に公知の標準的な条件下で還元させることにより調製されてよい。例えば、還元は、水素化(例えば接触水素化(例えば10%のPd/Cを使用))により、又はEtOH及びNHClにおいてFeパウダー又はSn/HClの混合物を使用する等の、他の適切な還元条件下で実施されてよい。
【0035】
式II、IV及びVIの化合物は、以下のようにして調製され得る:
(I)次の式VII:
【化5】

[上式中、L及びWからWは上述したものである]
の化合物と、次の式VIII:
【化6】

[上式中、Lは適切な離脱基、例えばクロロ、ブロモ、ヨード、-B(OH)又はその保護された誘導体、例えば4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル基、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9-BBN)、-Sn(アルキル)(例えば、-SnMe又は-SnBu)、又は当業者に公知の類似した基を表し、Qは、適切であるならば-NH(式IIの化合物を調製するため)、L(式VIの化合物を調製するため)又は-NO(式VIの化合物を調製するため)を表し、ZからZは上述したものである]
の化合物とを反応させる。当業者であれば、式VIIIの化合物において、L及びLが相互に互換性があり、双方ともQと互換性がなければならない(例えば、Qが-NHである場合)ことを理解しているであろう。この反応は、例えば適切な触媒系、例えば金属(又はその塩又は錯体)、例えばCuI、Pd/C、PdCl、Pd(OAc)、Pd(Ph)Cl、Pd(PhP)、Pd(dba)又はNiCl、及びリガンド、例えばt-BuP、(C11)P、PhP、AsPh、P(o-Tol)、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、2,2'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、1,1'-ビス(ジフェニル-ホスフィノフェロセン)、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、キサントフォス、又はそれらの混合物の存在下、適切な塩基、例えばNaCO、KPO、CsCO、NaOH、KOH、KCO、CsF、EtN、(i-Pr)NEt、t-BuONa又はt-BuOK(又はそれらの混合物)と共に、適切な溶媒、例えばジオキサン、トルエン、エタノール、ジメチルホルムアミド、エチレングリコールジメチルエーテル、水、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリジノン、テトラヒドロフラン、又はそれらの混合物において実施されてよい。また反応は、室温又はそれ以上(例えば高温、特に使用される溶媒系の還流温度)で実施されてよく、又はマイクロ波照射を使用してもよい。
【0036】
(II)次の式IX:
【化7】

[上式中、WからWは上述したものである]
の化合物と、次の式X:
【化8】

[上式中、Lは適切な離脱基、例えばクロロ、ブロモ、又はヒドロキシ基を表し、後者の基は式Iの化合物の調製(上述した方法工程(i))に関して上述したもの等の適切な試薬を使用することにより活性化可能で、Q及びZからZは上述したものである]
の化合物とを、例えば、式Iの化合物の調製(上述した方法工程(i))に関して上述したもの等の反応条件下、ついで標準的な濃縮/脱水条件下で反応させる。当業者であれば、この反応工程が、中間体、例えば上述した式XI又はXIIの化合物を介して進行することを理解しているであろう。
【0037】
(III)次の式XI:
【化9】

[上式中、WからW、ZからZ及びQは上述したものである]
の化合物、又は次の式XII:
【化10】

[上式中、WからW、ZからZ及びQは上述したものである]
の化合物を分子内反応させるもので、これらは共に、当業者に公知の反応条件下、例えば環化条件、ついで標準的な濃縮/脱水にて反応させる。
【0038】
(IV)
(a)Lがハロを表す式VIIの化合物から、:
(1)当業者に公知の標準的な条件下、対応するマグネシウム含有試薬(例えば、グリニャール試薬);又は
(2)当業者に公知のハロゲン-リチウム交換反応条件下、対応するリチオ化化合物を調製:又は
(b)適切なリチオ化条件下、LがHを表す以外、式VIIの化合物に対応する化合物から、Lがリチウムである以外、式VIIの化合物に対応する化合物を調製し、
ついで、Lが適切な離脱基、例えばブロモを表す式VIIIの化合物と、結果生じる中間体とを、例えば式II、IV又はVIの化合物の調製に関して上述したもの(上述した方法工程(I))等の条件下、反応させる。また当業者であれば、マグネシウム含有試薬(グリニャール試薬)のマグネシウム又はリチオ化種のリチウムが、異なる金属、例えば亜鉛(例えば、ZnClを使用)に交換され(特に、リチオ化種のケースにおいて、好ましく交換される)(すなわち、金属交換反応が実施されてよい)、ついで、そのように形成された中間体を、例えば上述した反応条件下で、式VIIIの化合物との反応にかけてよい。
【0039】
式III、V、VII、VIII、IX、X、XI、XIIIの化合物は、商業的に入手可能であり、文献において公知であり、又はここで記載した方法に類似した、又は従来からの合成手順により、適切な試薬及び反応条件を使用し、入手可能な出発物質から標準的な技術に従い得られうる。この点に関し、当業者は、とりわけ「Comprehensive Organic Synthesis」, B. M. Trost及びI. Fleming, Pergamon Press, 1991を参照してよい。
【0040】
式Iの最終化合物又は関連中間体において、置換基WからW、ZからZ、及びR上の任意の置換基は、当業者によく知られている方法により、上述した方法後又は方法中に、一又は複数回修飾されてよい。このような方法の例には、置換、還元、酸化、アルキル化、アシル化、加水分解、エステル化及びエーテル化が含まれる。前駆体基は、反応順序のいつでも、種々のこのような基、又は式Iに定められた基に変化可能である。この点に関し、当業者は、「Comprehensive Organic Functional Group Transformations」, A. R. Katritzky, O. Meth-Cohn 及びC. W. Rees, Pergamon Press, 1995をさらに参照してよい。
【0041】
例えば、R又はRがハロ基を表すケースにおいて、このような基は、式Iの化合物を調製するための上述した方法後又は方法中、一又は複数回、相互転換されてもよい。適切な試薬には、NiCl(クロロ基への転換のため)が含まれる。さらに、挙げることのできる酸化には、例えば標準的な試薬(例えば、メタ-クロロ過安息香酸、KMnO、又はエチレンジアミン四酢酸にオキソン(Oxone)(登録商標)が溶解した溶液)を使用した、スルホキシド及びスルホニル基へのスルファニル基の酸化が含まれる。
【0042】
挙げることのできる他の変形には、ハロ基(好ましくはヨード又はブロモ)を、シアノ又は1-アルキニル基(適切であるならば、例えばシアノアニオンの供給源である化合物(例えばナトリウム、カリウム、銅(I)又は亜鉛シアニド)、又は1-アルキンと反応させることによる)転換が含まれる。後者の反応は、適切なカップリング触媒(例えば、パラジウム及び/又は銅をベースにした触媒)及び適切な塩基(例えば、トリ-(C1−6アルキル)アミン、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン又はエチルジイソプロピルアミン)の存在下で実施されてよい。さらに、アミノ基及びヒドロキシ基は、当業者に公知の試薬を使用し、標準的な条件に従い導入されてよい。
式Iの化合物は従来からの技術を使用して、その反応混合物から単離されてよい。
【0043】
上述及び以下に記載の方法において、中間化合物の官能基は保護基によって保護することが必要でありうることは当業者によって理解されるであろう。
官能基の保護及び脱保護は上述のスキームの反応の前又は後に起こりうる。
保護基は当業者によく知られ以下に記載するような技術に従って取り除くことができる。例えば、ここで記載された保護化合物/中間体は標準的な脱保護技術を使用して非保護化合物に化学的に転換されうる。
関与する化学のタイプが保護基の必要性及びタイプ並びに合成を達成するためのシーケンスに影響するであろう。
保護基の使用は、「Protective Groups in Organic Chemistry」、J W F McOmie編、Plenum Press (1973)、及び「Protective Groups in Organic Synthesis」、3版、T.W. Greene及びP.G.M. Wutz、Wiley-Interscience (1999)に十分に記載されている。
【0044】
式Iの化合物及びその塩は、薬学的活性を有しているために有用である。よって、このような化合物/塩は、医薬として表示される。
式Iのある種の化合物は、医薬としての使用について、以前には開示されていない。本発明のさらなる態様においては、医薬として使用される、上述した式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を提供するものであり、但し、Yが-C(O)-を表し、W、Z及びZが全て水素を表し、また:
(A)W、W及びWが全て水素を表し:
(i)ZがHを表し、Zが-NHを表す場合、Rは4-(アミノアセチル)フェニル(すなわち4-(N(H)C(O)CH)Ph)を表さず;
(ii)Zがクロロを表し、ZがHを表す場合、Rは4-エトキシ-3-ニトロフェニル、3,4,5-トリメトキシフェニル、3,5-ジメトキシフェニル又は2-メチル-3-ニトロフェニルを表さず;
(iii)Z及びZが双方ともHを表す場合、Rは3,5-ジニトロ-4-メチルフェニルを表さず;
(B)W及びWが双方ともHを表し:
(i)Wがクロロを表し、ZがHを表し、Zが-CHを表す場合、Rは2-メトキシフェニルを表さず;
(ii)Wが-CHを表し、Zがクロロを表し、ZがHを表す場合、Rは未置換フェニルを表さず;
(C)W、W、Z及びZが全てHを表し、Wが-CHを表す場合、Rは3-メチルフェニルを表さず;
(D)W、W及びZが全てHを表し:
(i)Wがブロモを表し、及びZがHを表す場合、Rは未置換フェニルを表さず;
(ii)Wが-CHを表し、Zがクロロを表す場合、Rは未置換の3-ピリジルを表さず;
(E)W及びWが双方とも-CHを表し、WがHを表し、Zがクロロを表し、ZがHを表す場合、Rは未置換フェニルを表さない。
【0045】
医薬として使用される、上述した式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩をさらに提供するものであり、但し、Yが-C(O)-を表し、W、W、W、W、Z、Z及びZが全て水素を表し、Zがクロロを表す場合、Rは3-ベンジルオキシフェニルを表さない。
【0046】
ある種の式Iの化合物、及びその塩は、それ自体新規である。よって、本発明のさらなる態様では、以下のものが提供される:
(I)ZがXから選択される置換基を表す以外は、上述した式Iの化合物(例えば、Yが-C(O)-を表す特定の一つ)、又はその薬学的に許容可能な塩、但し、WからW、Z、Z及びZが全て水素を表し、Zが-CHを表す場合、Rは4-エトキシフェニルを表さず、及び/又は
(II)ZからZの任意の2つがXから選択される置換基を表す(ZからZ 置換基の他の2つは上述したものである)以外は、上述した式Iの化合物(例えば、Yが-C(O)-を表す特定の一つ)、又はその薬学的に許容可能な塩。
【0047】
さらに、Yが-S(O)-を表す以外は式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩をさらに提供するものであり、但しWがHを表し、ZがHを表し:
(A)W、W、Z及びZが全てHを表し、Wがメチルを表し:
(i)ZがHを表す場合、Rは未置換フェニル、4-メチルフェニル、4-(アミノアセチル)フェニル(すなわち4-(N(H)C(O)CH)Ph)又は4-クロロフェニルを表さず;
(ii)Zがメチルを表す場合、Rは未置換フェニルを表さず;
(B)W、W、W、Z及びZが全てHを表し:
(i)Zが-OH又はClを表す場合、Rは未置換フェニルを表さず;
(ii)ZがHを表す場合、Rは未置換フェニル、4-クロロフェニル、4-ニトロフェニル、4-(アミノアセチル)フェニル又は4-メチルフェニルを表さず;
(C)Zがメチルを表し、Z及びZが双方ともHを表し;
(i)WがHを表し、W及びWが双方ともメチルを表し;又は
(ii)Wがメチルを表し、W及びWが双方ともHを表す場合、
(双方の場合において)Rは2-クロロ-5-ニトロフェニルを表さず;
(D)W、Z及びZが全てHを表し;
(i)WがHを表し、Wがエチル又はクロロを表し、Zがメチル又はHを表し;又は
(ii)W及びWがクロロを表し、Zがメチルを表す場合、
(双方の場合において)Rは未置換フェニルを表さない。
【0048】
式Iの化合物及びその塩が薬学的活性を有しているけれども、このような活性を有していないが、非経口的に又は経口的に投与された後、体内で代謝されて式Iの化合物を形成し得る、式Iの化合物のある種の薬学的に許容可能な(例えば「保護された」)誘導体も存在し得、又は調製され得る。(そのような活性が代謝されて生じる「活性」化合物の活性よりもかなり低いという条件で、ある薬学的活性を持ちうる)そのような化合物は、従って式Iの化合物の「プロドラッグ」として記述され得る。
【0049】
「式Iの化合物のプロドラッグ」に、我々は、経口又は非経口投与後に、予め定めた時間(例えば、約1時間)内に実験的に検出可能な量で式Iの化合物を形成する化合物を含める。式Iの化合物の全てのプロドラッグは、本発明の範疇に含まれる。
【0050】
さらに、式Iのある種の化合物は、薬理学的活性を有していないか又は最小であるが、非経口的に又は経口的に投与された後、体内で代謝されて、このような薬理学的活性を有する本発明の化合物を形成しうる。(それらが代謝されて生じる、式Iの「活性」化合物の活性よりもかなり低いが、ある薬理学的活性を持ちうる化合物を含む)そのような化合物も「プロドラッグ」として記述され得る。
よって、式Iの化合物及びその塩は、薬理学的活性を有し、及び/又は非経口的に又は経口的に投与された後、体内で代謝されて、薬理学的活性を有する化合物が形成されるために、有用である。
式I及びその塩の化合物は、MAPEGファミリーのメンバーの活性を阻害するため、特に有用である。
【0051】
式Iの化合物及びその塩は、プロスタグランジンEシンターゼ活性(特に、ミクロソームプロスタグランジンEシンターゼ-1(mPGES-1))の活性を(例えば選択的に)阻害し得る、すなわち、例えば以下のテストに示されうるように、mPGES-1又はmPGES-1酵素が一部を形成する錯体の作用を妨げ、及び/又はmPGES-1調節効果を誘発し得るために、特に有用である。よって、式Iの化合物は、PGES、特にmPGES-1の阻害が必要な症状の治療に有用であり得る。
よって、式Iの化合物及びその薬学的に許容可能な塩は、炎症の治療に有用であると期待される。
【0052】
「炎症」という用語は、上で述べたもののような身体外傷、感染、慢性疾患によって誘発されうる局所的又は全身性保護反応、及び/又は外部刺激に対する化学的及び/又は生理学的反応(例えばアレルギー反応の一部として)によって特徴付けられる任意の症状を含むと当業者に理解される。有害因子と傷ついた組織の双方を破壊、希釈又は隔離する作用をするあらゆるそのような応答は、例えば発熱、腫れ、痛み、発赤、血管拡張及び/又は血流増加、白血球の罹患領域への侵入、機能喪失及び/又は炎症症状に伴うことが知られている任意の他の徴候に顕れうる。
【0053】
よって、「炎症」という用語は、任意の炎症疾患、疾病又は症状自体、それを伴う炎症要素を持つ任意の症状、及び/又はとりわけ急性、慢性、潰瘍、特異性、アレルギー性及び壊死性炎症、及び当業者に知られている炎症の他の形態を含む、徴候として炎症を特徴とする任意の症状を含むものとまた理解される。よって、その用語はまた本発明の目的に対して、炎症痛、一般的な痛み及び/又は発熱を含む。
従って、式Iの化合物及びその塩は、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、炎症性大腸炎、過敏性腸症候群、炎症性痛覚、発熱、偏頭痛、頭痛、腰痛、線維筋痛、筋膜障害、ウィルス感染症(例えば、インフルエンザ、風邪、帯状疱疹、C型肝炎、及びAIDS)、細菌感染症、真菌感染症、月経困難症、火傷、外科又は歯科処置、悪性腫瘍(例えば乳癌、大腸癌、及び前立腺癌)、過剰プロスタグランジンE症候群(hyperprostaglandin E syndrome)、古典的バーター症候群、アテローム性動脈硬化症、痛風、関節炎、骨関節炎、若年性関節炎、関節リウマチ、リウマチ熱、強直性脊椎炎、ホジキン病、全身性エリテマトーデス、脈管炎、膵炎、腎炎、滑液包炎、結膜炎、虹彩炎、強膜炎、ブドウ膜炎、創傷治癒、皮膚炎、湿疹、乾癬、脳卒中、真性糖尿病、神経変性疾患、例えばアルツハイマー病及び多発性硬化症、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、鼻炎、潰瘍、冠動脈心疾患、サルコイドーシス、並びに炎症要素を伴う任意の他の疾患の治療に有用であり得る。
【0054】
また式Iの化合物、及びその薬学的に許容可能な塩は、患者における骨減少の低減等、炎症メカニズムに関連していない効果も有している。この関連において挙げることができる症状には、骨粗鬆症、骨関節炎、パジェット病及び/又は歯周病が含まれる。よって、式Iの化合物及びその薬学的に許容可能な塩は、患者における骨密度の増加、並びに罹患率の減少、及び/又は骨折の治癒にも有用であり得る。
式Iの化合物は、上述した症状の治癒的治療及び/又は予防的治療の双方に有効である。
【0055】
本発明のさらなる態様では、MAPEGファミリーのメンバー、例えばPGES(例えばmPGES-1)、LTC及び/又はFLAPの阻害によって調節可能な、及び/又はそれらに伴う疾患の治療方法、及び/又はMAPEGファミリーのメンバー、例えばPGES(特にmPGES-1)、LTC及び/又はFLAPの活性の阻害が望まれる、及び/又は必要とされる疾患(例えば炎症)の治療方法であって、該方法が、式Iの化合物又はその薬学的に許容可能な塩を治療的有効量、そのような症状を患っている、又はそのような症状に罹りやすい患者に投与することを含む方法が提供される。
【0056】
「患者」は哺乳動物(ヒトを含む)の患者を含む。
「有効量」という用語は、治療された患者に治療効果を付与する化合物の量を称する。効果は客観的(すなわち、ある試験又はマーカーで測定可能)であっても、又は主観的(すなわち、主体が効果の顕れを示すか又は効果を感じる)であってもよい。
式Iの化合物は通常は経口的、静脈内、皮下的、口腔的、経直腸的、皮膚的、経鼻的、経気管的、経気管支的、舌下的、任意の他の非経口経路又は吸入を介して、薬学的に許容可能な投薬形態で投与されるであろう。
【0057】
式Iの化合物は単独で投与されてもよいが、好ましくは、経口投与のための錠剤、カプセル剤又はエリキシル剤、直腸投与のための坐薬、非経口又は筋肉内投与のための滅菌液又は懸濁液等々を含む既知の薬学的製剤によって投与される。
そのような製剤は標準的な、及び/又は認められている薬学的実務に従って調製することができる。
【0058】
本発明のさらなる態様では、よって、ここで特定される式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合して含む薬学的製剤が提供される。
【0059】
本発明は、上述したような薬学的製剤の製造方法を提供するものであり、該方法は、ここで特定される式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈液又は担体とを組合せることを含む。
式Iの化合物は、炎症の治療に有用な他の治療剤(例えば、NSAIDs及びコキシブ)と組合せてもよい。
【0060】
本発明のさらなる態様では、
(A)式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩;及び
(B)炎症の治療に有用な他の治療剤;
を含む組合せ品であって、成分(A)及び(B)の各々が薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合されて製剤化されている組合せ品が提供される。
そのような組合せ品は他の治療剤との併用での本発明の化合物の投与をもたらし、よって、その製剤の少なくとも一つが本発明の化合物を含み、少なくとも一つが他の治療剤を含む別個の製剤として提供でき、あるいは組合せ調製品として提供され得る(製剤化)(すなわち、式Iの化合物又はその薬学的に許容可能な塩と他の治療剤を含む単一製剤として提供される)。
【0061】
よって、さらに次のものが提供される:
(1)式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、炎症の治療に有用な他の治療剤、及び薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を含む薬学的製剤;及び
(2)(a)式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合して含む薬学的製剤;及び
(b)炎症の治療に有用な他の治療剤を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合して含む薬学的製剤;
の成分を含むパーツのキットであって、成分(a)及び(b)がそれぞれ他方と併用して投与するのに適した形態で提供されるキット。
【0062】
本発明は、上述したような組合せ品を調製する方法を提供するものであり、該方法は、式Iの化合物又はその薬学的に許容可能な塩と、炎症の治療に有用な他の治療剤、及び薬学的に許容可能なアジュバント、希釈液又は担体とを組合せることを含む。
「組合せる」とは、2つの成分が、互いに併用投与に適していることを意味する。
【0063】
例えば、2つの成分を互いに「組合せ」ることにより、上述したキットのパーツを調製する方法に関して、キットのパーツの2つの成分は:
(i)併用療法において、互いに併用して使用されるために、ついで一緒にされる、別個の製剤(すならち互いに独立している)として提供されてもよく;又は
(ii)併用療法において、互いに併用して使用されるために、「組合せ包装品」の別個の成分として包装され、共に提供されてもよい;
ことを含む。
【0064】
式Iの化合物又はその薬学的に許容可能な塩は様々な用量で投与されてよい。経口、肺及び局所用量は、毎日体重当たり約0.01mg/kg(mg/kg/日)〜約100mg/kg/日、好ましくは約0.01〜約10mg/kg/日、より好ましくは約0.1〜約5.0mg/kg/日の範囲であり得る。例えば、経口投与では、組成物は典型的には約0.01mg〜約500mg、好ましくは約1mg〜約100mgの活性成分を含む。経静脈的には、最も好ましい用量は一定速度の注入の間、約0.001〜約10mg/kg/時間の範囲である。有利には、化合物は単一の毎日用量で投与されてよく、又は毎日の全用量を、毎日2回、3回又は4回の分割量で投与してもよい。
【0065】
とにかく、医師又は当業者であれば、個々の患者に最も適し、投与経路、治療される症状のタイプと重症度、並びに治療される特定の患者の種、年齢、体重、性別、腎機能、肝機能及び応答によって変わり得る実際の用量を決定することができるであろう。上記の用量は平均的な場合の例である;より高い又は低い用量範囲が有利となる個々の例ももちろん有り得、それもこの発明の範囲内である。
【0066】
式Iの化合物及びその塩は、それらが、MAPEGファミリーのメンバーの効果的で、好ましくは選択的な阻害剤、例えばプロスタグランジンEシンターゼ(PGES)、特にミクロソームプロスタグランジンEシンターゼ-1(mPGES-1)の阻害剤であるという利点を有する。式Iの化合物及びその塩は、他のCOX生成アラキドン酸代謝産物の形成を減じることなく、特定のアラキドン酸代謝産物PGEの形成を低減させ、よって上述した関連する副作用が生じるおそれがない。
【0067】
また式Iの化合物及びその塩は、それらが、上述した兆候又は他のものに用いられるかどうかにかかわらず、従来技術で知られている化合物よりも効能があり、毒性が少なく、より長く作用し、より強力で、副作用が少なく、より吸収されやすく、及び/又はより良好な薬物動態学的特性を有し(例えばより高い経口バイオアベイラビリティ及び/又はより低いクリアランス)を持ち、及び/又は他の有用な薬理学的、物理的、又は化学的性質を有しうるという利点を持っている。
【0068】
生物学的試験
アッセイでは、mPGES-1は、基質PGHがPGEに転化される反応を触媒する。mPGES-1を大腸菌で発現させ、膜画分を、20mMのNaPi-バッファーpH8.0に溶解させ、−80℃で保存する。アッセイでは、mPGES-1を、2.5mMのグルタチオンを含む0.1MのKPi-バッファーpH7.35に溶解させる。停止溶液は、FeCl(25mM)及びHCl(0.15M)を含むHO/MeCN(7/3)からなる。アッセイを室温で96ウェルプレートにおいて実施する。PGE量の分析は逆相HPLC(3.9×150mmのC18カラムを具備するウォーターズ(Waters)2795)を用いて実施する。移動相は、TFA(0.056%)を含むHO/MeCN(7/3)からなり、ウォーターズ2487UV-検出器を用いて195nmで吸光度を測定する。
次のものを順に各ウェルに添加する:
1.グルタチオンと共に、KPi-バッファーに100μLのmPGES-1。全タンパク質濃度:0.02mg/mL。
2.DMSOに1μLの阻害剤。室温で25分間、プレートをインキュベート。
3.4μLの0.25mMのPGH溶液。室温で60秒、プレートをインキュベート。
4.100μLの停止溶液。
サンプル当たり180μLをHPLCで分析。
【実施例】
【0069】
本発明を次の実施例によって例証する。
実施例1
4-イソプロピル-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
(a)5-メチル-2-(3-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール
2-アミノ-4-メチルフェノール(18mmol、2.22g)、塩化3-ニトロベンゾイル(20mmol、3.71g)及び25mLのジオキサン(25mL)の混合物を、10の部分に分割し、それぞれを210℃で15分、マイクロ波照射により加熱した。冷却後、混合物を、NaOH(1Mの水溶液、300mL)攪拌溶液に注いだ。黄色の沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させたところ、副題の化合物(3.03g、84%)が提供された。
【0070】
(b)3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン
氷酢酸(75mL)にメチル-2-(3-ニトロ-フェニル)ベンゾオキサゾール(3.03g、11.9mmol;上述した工程(a)を参照)が入った溶液を、室温で4時間、10%のPd-C(127mg、1.19mmol)の存在下、4atmで水素化した。セライト(Celite)(登録商標)を通して混合物を濾過し、濃縮した。残留物をEtOAc(100mL)に溶解させた。溶液をNaHCO(飽和水溶液)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、シリカゲルを通して濾過し、濃縮したところ、副題の化合物(2.56g、96%)が付与された。
【0071】
(c)4-イソプロピル-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(560mg、2.5mmol)及び塩化4-イソプロピルベンゾイル(685mg、3.75mmol)及びトルエン(25mL)の混合物を、還流下で1.5時間加熱し、冷却し、濾過し、濃縮した。固体をEtOHから再結晶化させたところ、表題の化合物が355mg提供された。母液を濃縮し、残留物をEtOHから再結晶化させたところ、付加的な収穫物(356mg)が生じた。全収量:711mg(77%)。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.4(1H,s)8.75(1H,dd,J=1.6,1.6Hz)8.03-7.87(4H,m)7.69-7.52(3H,m)7.44-7.39(2H,m)7.27-7.22(1H,m)2.98(1H,7重線,J=6.9Hz)2.44(3H,s)1.24(6H,d,J=6.9Hz)。
【0072】
実施例2
3,5-ジクロロ-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例1、工程(b)を参照)及び塩化3,5-ジクロロベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.7(1H,s)8.70(1H,dd,J=1.6,1.6Hz)8.03-7.87(5H,m)7.66(1H,d,J=8.4Hz)7.63-7.55(2H,m)7.24(1H,dd,J=8.4,1.6Hz)2.43(3H,s)。
【0073】
実施例3
N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ニトロベンズアミド
3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例1、工程(b)を参照)及び塩化2-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.95(1H,s)8.69-8.67(1H,m)8.17(1H,d,J=8.1Hz)7.97-7.89(2H,m)7.88-7.83(3H,m)7.67(1H,d,J=8.4Hz)7.64-7.53(2H,m)7.24(1H,dd,J=8.1,1.5Hz)2.43(3H,s)。
【0074】
実施例4
2-クロロ-5-メタンスルホニル-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
(a)2-クロロ-5-メタンスルホニル安息香酸
2-クロロ-5-メチルスルファニル安息香酸(12.1g、59.5mmol)をNaOH(0.5Mの水溶液、150mL)に懸濁させた。固体状のNaHCO(40g、480mmol)、ついでアセトン(50mL)を添加した。室温で5分攪拌した後、エチレンジアミン四酢酸(0.0004Mの水溶液、180mL)にオキソン(登録商標)(48.5g)が入った溶液を添加し、混合物をさらに1時間攪拌した。水(60mL)にNaHSO(30g、288mmol)が入った溶液を、攪拌しつつ添加した。15分後、HCl(6Mの水溶液、90mL)を添加した。混合物をEtOAcで抽出し、抽出物をNaHCO(飽和水溶液)で洗浄し、乾燥させ、シリカゲルを通して濾過した。濃縮により、EtOAc/石油エーテルから再結晶化された固体が付与され、副題の化合物(11.4g、82%)が生じた。
【0075】
(b)塩化2-クロロ-5-メタンスルホニルベンゾイル
SOCl(10mL、137mmol)、続いてDMF(2滴)を、トルエン(20mL)に2-クロロ-5-メタンスルホニル安息香酸(2.15g、9.2mmol;上述した工程(a)を参照)が入った溶液に添加した。混合物を還流にて4時間加熱し、冷却し、濃縮した。残留物を乾燥石油エーテルで数回洗浄したところ、さらなる精製をすることなく使用される、副題の粗化合物(2.33g、99%)が提供された。
【0076】
(c)2-クロロ-5-メタンスルホニル-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズ-アミド
3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例1、工程(b)を参照)及び塩化2-クロロ-5-メタンスルホニルベンゾイル(上述した工程(b)を参照)から、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.99(1H,s)8.73-8.68(1H,m)8.20(1H,d,J=2.2Hz)8.04(1H,dd,J=8.4,2.2Hz)7.98-7.86(2H,m)7.85-7.78(1H,m)7.67(1H,d,J=8.4Hz)7.64-7.54(2H,m)7.28-7.20(1H,m)3.31(3H,s)2.43(3H,s)。
【0077】
実施例5
4-メタンスルホニル-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例1、工程(b)を参照)及び塩化4-メタンスルホニルベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.75(1H,s)8.77-8.73(1H,m)8.26-8.19(2H,m)8.14-8.06(2H,m)8.04-7.90(2H,m)7.67(1H,d,J=8.4Hz)7.64-7.54(2H,m)7.24(1H,dd,J=8.4,1.1Hz)3.29(3H,s)2.43(3H,s)。
【0078】
実施例6
4-イソプロポキシ-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例1、工程(b)を参照)及び塩化4-イソプロポキシベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.33(1H,s)8.77-8.74(1H,m)8.03-7.94(3H,m)7.91-7.85(1H,m)7.67(1H,d,J=8.4Hz)7.62-7.50(2H,m)7.24(1H,dd,J=8.4,1.1Hz)7.09-7.00(2H,m)4.74(1H,7重線,J=5.9Hz)2.44(3H,s)1.30(6H,d,J=5.9Hz)。
【0079】
実施例7
3-イソプロポキシ-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例1、工程(b)を参照)及び塩化3-イソプロポキシベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.44(1H,s)8.76-8.72(1H,m)8.05-7.96(1H,m)7.94-7.86(1H,m)7.67(1H,d,J=8.1Hz)7.62-7.50(4H,m)7.49-7.38(1H,m)7.28-7.20(1H,m)7.19-7.11(1H,m)4.72(1H,7重線,J=6.2Hz)2.43(3H,s)1.30(6H,d,J=6.2)。
【0080】
実施例8
6-クロロ-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ニコチンアミド
3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例1、工程(b)を参照)及び塩化6-クロロ-ニコチノイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.73(1H,s)8.99(1H,d,J=2.6Hz)8.73-8.69(1H,m)8.39(1H,dd,J=8.4,2.6Hz)8.01-7.89(2H,m)7.73(1H,d,J=8.4Hz)7.67(1H,d,J=8.4Hz)7.64-7.54(2H,m)7.24(1H,dd,J=8.4,1.5Hz)2.43(3H,s)。
【0081】
実施例9
3,4-ジメトキシ-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例1、工程(b)を参照)及び塩化3,4-ジメトキシベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.32(1H,s)8.72-8.68(1H,m)8.06-7.98(1H,m)7.92-7.85(1H,m)7.71-7.63(2H,m)7.61-7.51(3H,m)7.28-7.20(1H,m)7.10(1H,d,J=8.4Hz)3.85(3H,s)3.83(3H,s)2.43(3H,s)。
【0082】
実施例10
2-クロロ-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ニコチンアミド
3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例1、工程(b)を参照)及び塩化2-クロロニコチノイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.95(1H,s)8.75-8.71(1H,m)8.57(1H,dd,J=4.8,1.9Hz)8.15(1H,dd,J=7.6,1.9Hz)7.99-7.92(1H,m)7.86-7.78(1H,m)7.70(1H,d,J=8.4Hz)7.66-7.56(3H,m)7.26(1H,dd,J=8.4,1.4Hz)2.45(3H,s)。
【0083】
実施例11
N-[3-(5-tert-ブチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-3,5-ジクロロベンズアミド
(a)5-tert-ブチル-2-(3-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール
2-アミノ-4-tert-ブチルフェノール及び塩化3-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(a)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)3-(5-tert-ブチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン
5-tert-ブチル-2-(3-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール(上述した工程(a)を参照)から、実施例1、工程(b)に従い、副題の化合物を調製した。
【0084】
(c)N-[3-(5-tert-ブチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-3,5-ジクロロベンズアミド
3-(5-tert-ブチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(上述した工程(b)を参照)及び塩化3,5-ジクロロベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.7(1H,s)8.71(1H,dd,J=1.6,1.6Hz)8.03-7.87(5H,m)7.79-7.77(1H,m)7.69(1H,d,J=8.4Hz)7.59(1H,dd,J=8.0,8.0Hz)7.49(1H,dd,J=8.8,1.8Hz)1.35(9H,s)。
【0085】
実施例12
3,5-ジクロロ-N-[3-(5-エタンスルホニルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
(a)5-エタンスルホニル-2-(3-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール
2-アミノ-4-エタンスルホニルフェノール及び塩化3-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(a)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)3-(5-エチルスルホニルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン
5-エタンスルホニル-2-(3-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール(上述した工程(a)を参照)から、実施例1、工程(b)に従い、副題の化合物を調製した。
【0086】
(c)3,5-ジクロロ-N-[3-(5-エタンスルホニルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
3-(5-エタンスルホニルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(上述した工程(b)を参照)及び塩化3,5-ジクロロベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.7(1H,s)8.77(1H,dd,J=1.6,1.6Hz)8.32(1H,d,J=1.6Hz)8.12-7.97(6H,m)7.94-7.89(1H,m)7.64(1H,dd,J=8.0,8.0Hz)3.38(2H,q,J=7.4Hz)1.12(3H,t,J=7.4Hz)。
【0087】
実施例13
3,5-ジクロロ-N-[3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
(a)5-クロロ-2-(3-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール
2-アミノ-4-クロロフェノール及び塩化3-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(a)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン
5-クロロ-2-(3-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール(上述した工程(a)を参照)から、実施例1、工程(b)に従い、副題の化合物を調製した。
【0088】
(c)3,5-ジクロロ-N-[3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(上述した工程(b)を参照)及び塩化3,5-ジクロロベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.6(1H,s)8.71(1H,dd,J=1.6,1.6Hz)8.02-7.85(6H,m)7.83(1H,d,J=8.8Hz)7.59(1H,dd,J=8.0,8.0Hz)7.49(1H,dd,J=8.8,2.0Hz)。
【0089】
実施例14
3,5-ジクロロ-N-{3-[6-(1,1-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル]フェニル}ベンズアミド
(a)6-(1,1-ジメチルプロピル)-2-(3-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール
2-アミノ-5-(1,1-ジメチルプロピル)フェノール及び塩化3-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(a)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)3-[6-(1,1-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル]フェニルアミン
6-(1,1-ジメチルプロピル)-2-(3-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール(上述した工程(a)を参照)から、実施例1、工程(b)に従い、副題の化合物を調製した。
【0090】
(c)3,5-ジクロロ-N-{3-[6-(1,1-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル]フェニル}ベンズアミド
3-[6-(1,1-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル]フェニルアミン(上述した工程(b)を参照)及び塩化3,5-ジクロロベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.64(1H,s)8.70(1H,dd,J=1.6,1.6Hz)8.02-7.96(3H,m)7.94-7.89(1H,m)7.85(1H,dd,J=2.0,2.0Hz)7.72-7.71(1H,m)7.67(1H,d,J=8.8Hz)7.58(1H,dd,J=8.0,8.0Hz)7.40(1H,dd,J=8.8,1.8Hz)1.66(2H,q,J=7.4Hz)1.30(6H,s)0.61(3H,t,J=7.4Hz)。
【0091】
実施例15
2-クロロ-N-(4-クロロ-3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル)-5-ニトロベンズアミド
(a)4-クロロ-3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン
2-アミノ-4-クロロフェノール及び塩化2-クロロ-5-ニトロベンゾイルから、ついでニトロ基の還元により、実施例1、工程(a)及び(b)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)2-クロロ-N-(4-クロロ-3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル)-5-ニトロベンズアミド
4-クロロ-3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(上述した工程(a)を参照)及び塩化2-クロロ-5-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
600MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 11.10(1H,s)8.66(1H,d,J=2.6Hz)8.54(1H,d,J=2.8Hz)8.34(1H,dd,J=8.8,2.8Hz)8.00(1H,d,J=2.1Hz)7.90(1H,d,J=8.8Hz)7.88(1H,d,J=8.8Hz)7.86(1H,dd,J=8.8,2.6Hz)7.72(1H,d,J=8.8Hz)7.52(1H,dd,J=8.8,2.1Hz)。
【0092】
実施例16
N-(4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル)ピラジン-2-カルボキシアミド
(a)2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール
2-アミノ-4-メチルフェノール及び塩化2-クロロ-5-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(a)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン
EtOH(60mL)に2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール(3.27g、11.35mmol;上述した工程(a)を参照)が入った攪拌懸濁液に、NHCl(飽和水溶液、25mL)及びFeパウダー(3.62g、64.9mmol)を添加した。還流にて30分加熱した後、混合物をセライト(登録商標)を通して濾過した。EtOAc(300mL)を添加し、混合物をNaHCO(飽和水溶液)及びNaCl(飽和水溶液)で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。濃縮し、クロマトグラフィーにより精製したところ、表題の化合物(2.14gmg、73%)が付与された。
【0093】
(c)N-(4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル)ピラジン-2-カルボキシアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(上述した工程(b)を参照)及び塩化ピラジン-2-カルボニルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 11.17(1H,s)9.31(1H,d,J=1.4Hz)8.94(1H,d,J=2.6Hz)8.88(1H,d,J=2.6Hz)8.82(1H,dd,J=2.4,1.6Hz)8.10(1H,dd,J=8.8,2.6Hz)7.72-7.67(3H,m)7.32-7.27(1H,m)2.45(3H,s)。
【0094】
実施例17
N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンズアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例16、工程(b)を参照)及び塩化2-トリフルオロメチルベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.96(1H,s)8.64(1H,d,J=2.4Hz)7.88-7.65(8H,m)7.28(1H,dd,J=8.4,1.2Hz)2.44(3H,s)。
【0095】
実施例18
N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ニトロベンズアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例16、工程(b)を参照)及び塩化2-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 11.05(1H,s)8.60(1H,d,J=2.4Hz)8.17(1H,d,J=7.8Hz)7.93-7.67(7H,m)7.29(1H,dd,J=8.4,1.2Hz)2.44(3H,s)。
【0096】
実施例19
2-クロロ-N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ニコチンアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例16、工程(b)を参照)及び塩化2-クロロニコチノイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 11.05(1H,s)8.65(1H,d,J=2.5Hz)8.57(1H,dd,J=4.8,1.9Hz)8.16(1H,dd,J=7.6,1.9Hz)7.87(1H,dd,J=8.8,2.6Hz)7.75-7.67(3H,m)7.60(1H,dd,J=7.6,4.8Hz)7.30(1H,dd,J=8.2,1.4Hz)2.47(3H,s)。
【0097】
実施例20
N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメトキシベンズアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例16、工程(b)を参照)及び塩化2-トリフルオロメトキシベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.89(1H,s)8.64(1H,d,J=2.4Hz)7.87(1H,dd,J=8.8,2.6Hz)7.78-7.63(5H,m)7.58-7.49(2H,m)7.28(1H,dd,J=8.4,1.4Hz)2.44(3H,s)。
【0098】
実施例21
N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トルアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例16、工程(b)を参照)及び塩化2-トルオイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.67(1H,s)8.70(1H,d,J=2.6Hz)7.89(1H,dd,J=8.8,2.6Hz)7.72-7.64(3H,m)7.53-7.26(5H,m)2.44(3H,s)2.39(3H,s)。
【0099】
実施例22
N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-アニソイルアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例16、工程(b)を参照)及び塩化2-アニソイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.47(1H,s)8.67(1H,d,J=2.6Hz)7.90(1H,dd,J=8.8,2.6Hz)7.72-7.59(4H,m)7.55-7.46(1H,m)7.28(1H,dd,J=8.6,1.6Hz)7.17(1H,d,J=8.4Hz)7.06(1H,ddd,J=7.4,7.4,0.8Hz)3.88(3H,s)2.45(3H,s)。
【0100】
実施例23
N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-フルオロベンズアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例16、工程(b)を参照)及び塩化2-フルオロベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.80(1H,s)8.65(1H,d,J=2.6Hz)7.90(1H,dd,J=8.8,2.6Hz)7.74-7.54(5H,m)7.41-7.26(3H,m)2.44(3H,s)。
【0101】
実施例24
2-クロロ-N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例16、工程(b)を参照)及び塩化2-クロロベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.94(1H,s)8.70(1H,d,J=2.4Hz)7.90(1H,dd,J=8.8,2.4Hz)7.76-7.46(7H,m)7.32(1H,dd,J=8.6,1.6Hz)2.48(3H,s)。
【0102】
実施例25
2-クロロ-N-[4-メチル-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ニコチンアミド
(a)4-メチル-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン
2-アミノ-4-メチルフェノール及び塩化2-メチル-5-ニトロベンゾイルから、ついでニトロ基の還元により、実施例1、工程(a)及び(b)に従い、副題の化合物を調製した。
【0103】
(b)2-クロロ-N-[4-メチル-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ニコチンアミド
4-メチル-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(上述した工程(a)を参照)及び塩化2-クロロニコチノイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.85(1H,s)8.61(1H,d,J=2.2Hz)8.56(1H,dd,J=4.8,1.8Hz)8.14(1H,dd,J=7.6,1.8Hz)7.75(1H,dd,J=8.4,2.2Hz)7.69(1H,d,J=8.4Hz)7.66-7.63(1H,m)7.59(1H,dd,J=7.6,4.8Hz)7.45(1H,d,J=8.4Hz)7.27(1H,dd,J=8.4,1.2Hz)2.73(3H,s)2.46(3H,s)。
【0104】
実施例26
4-アミノ-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
(a)2-(3-ブロモフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール
2-アミノ-4-メチルフェノール及び塩化3-ブロモベンゾイルから、実施例1、工程(a)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)4-アミノ-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
2-(3-ブロモフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール(144mg、0.50mmol;上述した工程(a)を参照)、CuI(12mg、0.06mmol)、KPO(254mg、1.2mmol)、N,N'-ジメチル-1,2-ジアミノエタン(20μL、0.18mmol)、4-アミノベンズアミド(68.1mg、0.5mmol)及びトルエン(2mL)の混合物を、110℃で48時間加熱した。混合物をEtOAc(70mL)で希釈し、セライト(登録商標)を通して濾過し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。残留物をDMFから再結晶化させたところ、表題の化合物(110mg、65%)が提供された。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.02(1H,s)8.75-8.70(1H,m)8.02-7.94(1H,m)7.87-7.80(1H,m)7.80-7.82(2H,m)7.65(1H,d,J=8.4Hz)7.61-7.57(1H,m)7.57-7.46(1H,m)7.23(1H,dd,J=8.4,1.1Hz)6.65-6.56(2H,m)5.80(2H,s)2.43(3H,s)。
【0105】
実施例27
3-アミノ-4-メチル-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
2-(3-ブロモフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール(実施例26、工程(a)を参照)及び3-アミノ-4-メチルベンズアミドから、実施例26、工程(b)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.27(1H,s)8.75-8.71(1H,m)8.01-7.94(1H,m)7.90-7.83(1H,m)7.66(1H,d,J=8.4Hz)7.62-7.58(1H,m)7.54(1H,dd,J=8.1,8.1Hz)7.27-7.17(2H,m)7.12(1H,dd,J=7.7,1.8Hz)7.05(1H,d,J=7.7Hz)5.09(2H,s)2.43(3H,s)2.11(3H,s)。
【0106】
実施例28
N-[4-イソプロポキシ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメトキシベンズ-アミド
(a)4-ブロモ-2-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェノール
25mLの1,4-ジオキサンに2-アミノ-4-メチルフェノール(18mmol、2.22g)及び塩化5-ブロモ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル(20mmol、4.69g)の混合物が入ったものを、10のマイクロ波処理用バイアルに配し、それぞれの封鎖された反応管を、210℃で15分、マイクロ波処理した。冷却後、反応混合物をセライト(登録商標)を通して濾過した。濾過ケーキをEtOAcで洗浄した。組合せた濾液を濃縮し、クロマトグラフィーで精製したところ、副題の化合物(3.91g、72%)が付与された。
【0107】
(b)2-(5-ブロモ-2-イソプロポキシフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール
以下の一般的手順に従い、4-ブロモ-2-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)-フェノール(上述した工程(a)を参照)及び2-ブロモプロパンから、副題の化合物を調製した。例えば、乾燥DMFに4-ブロモ-2-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェノール(上述した工程(a)を参照)が入った溶液を、DMFに75%のNaH(使用前に乾燥EtOで2回洗浄)が入った懸濁液に、0℃で徐々に添加してよい。ついでDMFに2-ブロモプロパンを添加してすぐ、反応混合物を、0℃で、例えば30分攪拌してよい。室温で、例えば24時間攪拌した後、混合物を水に注ぎ、(例えばMeOtBuを用いて)抽出してもよい。ついで、組合せた抽出物を水及びブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させてよい。次に、減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーで精製すると、副題の化合物が提供され得る。
【0108】
(c)2-(5-ヨード-2-イソプロポキシフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール
以下の一般的手順に従い、2-(5-ブロモ-2-イソプロポキシフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール(上述した工程(b)を参照)から、副題の化合物を調製した。例えば、オーブン乾燥されたACE(登録商標)圧力管に、2-(5-ブロモ-2-イソプロポキシフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール(上述した工程(b)を参照)、CuI及びNaIを充填してよい。ついで反応管をアルゴンでパージし、次に1,4-ジオキサン、続いてN,N'-ジメチル-1,2-ジアミノエタンを添加してよい。ついで、反応混合物を130℃で18時間加熱してよい。混合物をセライト(登録商標)を通して濾過した。減圧下で溶媒を除去し、クロマトグラフィーにかけたところ、副題の化合物(702mg、76%)が提供された。
【0109】
(d)N-[4-イソプロポキシ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメトキシ-ベンズアミド
以下の一般的手順に従い、2-(5-ヨード-2-イソプロポキシフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール(上述した工程(c)を参照)及び2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドから、表題の化合物を調製した。例えば、2-(5-ヨード-2-イソプロポキシフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール、CuI、KPO、N,N'-ジメチル-1,2-ジアミノエタン、2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド及びトルエンの混合物を、110℃で48時間加熱してよい。ついで、混合物をEtOAcで希釈し、セライト(登録商標)を通して濾過し、乾燥させ(NaSO)、濃縮してよい。ついで、残留物をDMFから再結晶化させると、表題の化合物が提供され得る。
200MHz、H-NMR(CDCl、ppm)δ 8.27(1H,s)8.16(1H,d,J=2.7Hz)8.10(1H,dd,J=7.6,1.9Hz)7.94(1H,dd,J=9.0,2.7Hz)7.63-7.52(2H,m)7.51-7.41(2H,m)7.40-7.33(1H,m)7.20-7.09(2H,m)4.61(1H,7重線,J=6.0Hz)2.49(3H,s)1.42(6H,d,J=6.0Hz)。
【0110】
実施例29
2-アミノ-5-クロロ-N-[4-メトキシ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)-フェニル]ベンズアミド
2-(5-ヨード-2-メトキシフェニル)-5-メチル-ベンゾオキサゾール(実施例28、工程(c)を参照)及び2-アミノ-5-クロロベンズアミドから、実施例28、工程(d)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(CDCl、ppm)δ 8.21(1H,d,J=2.7Hz)7.84(1H,dd,J=9.1,2.7Hz)7.80(1H,s)7.60-7.56(1H,m)7.50-7.43(2H,m)7.21(1H,dd,J=8.7,2.2Hz)7.18-7.13(1H,m)7.09(1H,d,J=9.1Hz)6.67(1H,d,J=8.7Hz)5.53(2H,s)4.03(3H,s)2.48(3H,s)。
【0111】
実施例30
N-[4-ヒドロキシ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンズアミド
(a)2-(2-ベンジルオキシ-5-ブロモフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール
4-ブロモ-2-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェノール(実施例28、工程(a)を参照)及びクロロメチルベンゼンから、実施例28、工程(b)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)2-(2-ベンジルオキシ-5-ヨードフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール
2-(2-ベンジルオキシ-5-ブロモフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール(上述した工程(a)を参照)から、実施例28、工程(c)に従い、副題の化合物を調製した。
(c)N-[4-ベンジルオキシ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシベンズアミド
2-(2-ベンジルオキシ-5-ヨードフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール(上述した工程(b)を参照)及び2-トリフルオロメチルベンズアミドから、実施例28、工程(d)に従い、副題の化合物を調製した。
【0112】
(d)N-[4-ヒドロキシ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンズ-アミド
EtOAc(20mL)及びEtOH(10mL)に、N-[4-ベンジルオキシ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシベンズアミド(270mg、0.54mmol;上述した工程(c)を参照)が入った溶液を、室温で2時間、10%のPd-C(140mg)の存在下で水素化した。混合物をセライト(登録商標)を通して濾過した。減圧下で溶媒を除去し、クロマトグラフィーにかけ、EtOHから再結晶化させたところ、表題の化合物(140mg、63%)が提供された。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 11.14(1H,s)10.66(1H,s)8.60(1H,d,J=2.5Hz)7.92-7.60(7H,m)7.31(1H,dd,J=8.6,1.2Hz)7.14(1H,d,J=9.0Hz)2.46(3H,s)。
【0113】
実施例31
N-[4-イソプロポキシ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンズ-アミド
2-(5-ヨード-2-イソプロポキシフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール(実施例28、工程(c)を参照)及び2-トリフルオロメチルベンズアミドから、実施例28、工程(d)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.66(1H,s)8.47(1H,d,J=2.6Hz)7.90-7.59(7H,m)7.29(1H,d,J=9.2Hz)7.24(1H,dd,J=8.5,1.6Hz)4.68(1H,7重線,J=6.0Hz)2.45(3H,s)1.33(6H,d,J=6.0Hz)。
【0114】
実施例32
N-[4-シクロペンチルオキシ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンズ-アミド
(a)2-(5-ブロモ-2-シクロペンチルオキシフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール
4-ブロモ-2-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェノール(実施例28、工程(a)を参照)及びブロモシクロペンタンから、実施例28、工程(b)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)2-(2-シクロペンチルオキシ-5-ヨードフェニル)-5-メチル-ベンゾオキサゾール
2-(5-ブロモ-2-シクロペンチルオキシフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール(上述した工程(a)を参照)から、実施例28、工程(c)に従い、副題の化合物を調製した。
【0115】
(c)N-[4-シクロペンチルオキシ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチル-ベンズアミド
2-(2-シクロペンチルオキシ-5-ヨードフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール(上述した工程(b)を参照)及び2-トリフルオロメチルベンズアミドから、実施例28、工程(d)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.64(1H,s)8.47(1H,d,J=2.6Hz)7.90-7.67(5H,m)7.64-7.58(2H,m)7.29(1H,d,J=9.2Hz)7.23(1H,dd,J=8.6,1.5Hz)5.04-4.95(1H,m)2.45(3H,s)1.95-1.51(8H,m)。
【0116】
実施例33
N-[3-(5-ブロモベンゾオキサゾール-2-イル)-4-クロロフェニル]-2,5-ジクロロベンズアミド
(a)5-ブロモ-2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール
2-アミノ-4-ブロモフェノール及び塩化2-クロロ-5-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(a)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)3-(5-ブロモベンゾオキサゾール-2-イル)-4-クロロフェニルアミン
5-ブロモ-2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール(上述した工程(a)を参照)から、以下の実施例34、工程(b)に従い、副題の化合物を調製した。
【0117】
(c)N-[3-(5-ブロモベンゾオキサゾール-2-イル)-4-クロロフェニル]-2,5-ジクロロベンズアミド
3-(5-ブロモベンゾオキサゾール-2-イル)-4-クロロフェニルアミン(上述した工程(b)を参照)及び塩化2,5-ジクロロベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 11.01(1H,s)8.70(1H,d,J=2.5Hz)8.17(1H,d,J=1.9Hz)7.88(1H,dd,J=8.8,2.6Hz)7.86(1H,d,J=8.8Hz)7.83(1H,d,J=1.6Hz)7.73(1H,d,J=8.8Hz)7.66(1H,dd,J=8.6,1.9Hz)7.64-7.58(2H,m)。
【0118】
実施例34
2-アミノ-N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
(a)2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール
2-アミノ-4-メチルフェノール及び塩化2-クロロ-5-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(a)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン
EtOH(60mL)に2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール(3.27g、11.35mmol;上述した工程(a)を参照)が入った攪拌懸濁液に、NHCl(飽和水溶液、25mL)及びFeパウダー(3.62g、64.9mmol)を添加した。還流で30分加熱した後、混合物をセライト(登録商標)を通して濾過した。EtOAc(300mL)を添加し、混合物をNaHCO(飽和水溶液)及びNaCl(飽和水溶液)で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。濃縮し、クロマトグラフィーで精製したところ、表題の化合物(2.14gmg、73%)が提供された。
【0119】
(c)N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ニトロベンズアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(上述した工程(b)を参照)及び塩化2-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、副題の化合物を調製した。
(d)2-アミノ-N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ニトロベンズアミド(上述した工程(c)を参照)から、ニトロ基の還元により、上述した工程(b)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.33(1H,s)8.67-8.64(1H,m)7.95(1H,dd,J=8.8,2.6Hz)7.72-7.62(4H,m)7.31-7.17(2H,m)6.75(1H,d,J=8.4Hz)6.63-6.55(1H,m)6.41(2H,b.s)2.45(3H,s)。
【0120】
実施例35
N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例34、工程(b)を参照)及び塩化ベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.60(1H,s)8.70(1H,d,J=2.6Hz)8.04(1H,dd,J=8.8,2.6Hz)8.01-7.96(2H,m)7.72-7.65(3H,m)7.61-7.49(3H,m)7.28(1H,dd,J=8.4,1.6Hz)2.45(3H,s)。
【0121】
実施例36
N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-4-メトキシベンズアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例34、工程(b)を参照)及び塩化4-メトキシベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.43(1H,s)8.68(1H,d,J=2.6Hz)8.06-7.95(3H,m)7.71-7.63(3H,m)7.31-7.26(1H,m)7.10-7.03(2H,m)3.83(3H,s)2.45(3H,s)。
【0122】
実施例37
4-クロロ-N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
4-クロロ-3-(5-メチル-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例34、工程(b)を参照)及び塩化4-クロロベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.64(1H,s)8.67(1H,dd,J=2.6Hz)8.05-7.98(3H,m)7.71-7.58(5H,m)7.28(1H,dd,J=8.4,1.6Hz)2.44(3H,s)。
【0123】
実施例38
N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-4-メチルベンズアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例34、工程(b)を参照)及び塩化4-メチルベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.5(1H,s)8.69(1H,d,J=2.6Hz)8.04(1H,dd,J=8.8,2.6Hz)7.94-7.88(2H,m)7.71-7.63(3H,m)7.36-7.26(3H,m)2.44(3H,s)2.37(3H,s)。
【0124】
実施例39
3,4-ジクロロ-N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例34、工程(b)を参照)及び塩化3,4-ジクロロベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、1H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.7(1H,s)8.64(1H,d,J=2.6Hz)8.25(1H,d,J=2.0Hz)8.03(1H,dd,J=8.8,2.6Hz)7.96(1H,dd,J=8.4,2.0Hz)7.82(1H,d,J=8.4Hz)7.71-7.65(3H,m)7.28(1H,dd,J=8.4,1.4Hz)2.44(3H,s)。
【0125】
実施例40
N-[4-ジメチルアミノ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)-フェニル]-2-トリフルオロメチル-ベンズアミド
(a)ジメチル-[2-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)-4-ニトロフェニル]アミン
オーブン乾燥されたACE(登録商標)圧力管に、2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール(790mg、2.74mmol;実施例34、工程(a)を参照)、CuCl(49mg、0.49mmol)及び銅パウダー(47mg、0.74mmol)を充填した。液状N,N-ジメチルアミン(15mL)を添加し、反応混合物を60℃で48時間加熱した。−40℃まで冷却した後、圧力管を開け、液状N,N-ジメチルアミンを放置して蒸発させ、残留物をCHClに溶解させた。無機物質を濾過し、減圧下で溶媒を除去したところ、さらなる精製をすることなく次の工程に使用される、副題の粗化合物(897mg)が提供された。
【0126】
(b)N',N'-ジメチル-2-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)-ベンゼン-1,4-ジアミン塩酸塩
氷AcOH(50mL)にジメチル-[2-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)-4-ニトロフェニル]アミン(897mg、3mmol;上述した工程(a)を参照)が入った溶液を、10%のPd-炭(344mg;3.23mmol)の存在下、周囲温度、4atmのH圧にて2.5時間、攪拌した。セライト反応を通して濾過した後、溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAc(100mL)に溶解させ、NaHCO飽和水溶液で洗浄した。乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した後、残留物を乾燥ジエチルエーテルに溶解させ、ガス状のHClで処理した後、塩酸塩として生成物を沈殿させたところ、500mg(55%)の副題の化合物が提供された。
【0127】
(c)N-[4-ジメチルアミノ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチル-ベンズアミド
乾燥THF(20mL)に、N',N'-ジメチル-2-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)-ベンゼン-1,4-ジアミン塩酸塩(250mg、0.82mmol;上述した工程(b)を参照)、塩化2-トリフルオロメチルベンゾイル(232mg、1.11mmol)及びトリエチルアミン(215μL、2.96mmol)の混合物が入ったものを、還流下にて24時間加熱した。溶媒を蒸発させ、クロマトグラフィーにより精製し、ついでEtOAc-ヘキサンから再結晶化させたところ、表題の化合物(56mg、14%)が付与された。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.6(1H,s)8.27(1H,d,J=2.5Hz)7.86-7.59(7H,m)7.23-7.18(1H,m)7.14(1H,d,J=9.0Hz)2.66(6H,s)2.43(3H,s)。
【0128】
実施例41
N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)-4-ピロリジン-1-イル-フェニル]-2-トリフルオロメチル-ベンズアミド
(a)5-メチル-2-(5-ニトロ-2-ピロリジン-1-イル-フェニル)ベンゾオキサゾール
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例34、工程(b))及びピロリジンから、実施例40、工程(a)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)-4-ピロリジン-1-イル-フェニルアミン塩酸塩
5-メチル-2-(5-ニトロ-2-ピロリジン-1-イル-フェニル)ベンゾオキサゾール(上述した工程(a)を参照)から、実施例40、工程(b)に従い、副題の化合物を調製した。
【0129】
(c)N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)-4-ピロリジン-1-イル-フェニル]2-トリフルオロメチル-ベンズアミド
3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)-4-ピロリジン-1-イル-フェニルアミン塩酸塩(上述した工程(b)を参照)及び塩化2-トリフルオロメチルベンゾイルから、実施例40、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.4(1H,s)8.04(1H,d,J=2.6Hz)7.85-7.56(7H,m)7.20(1H,dd,J=8.4,1.4Hz)6.94(1H,d,J=9.0Hz)3.06-2.99(4H,m)2.43(3H,s)1.82-1.76(4H,m)。
【0130】
実施例42
N-[3-(5-tert-ブチルベンゾオキサゾール-2-イル)-4-クロロフェニル]-2-トリフルオロメチルベンズアミド
(a)5-tert-ブチル-2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール
2-アミノ-4-tert-ブチルフェノール及び塩化2-クロロ-5-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(a)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)3-(5-tert-ブチルベンゾオキサゾール-2-イル)-4-クロロ-フェニルアミン
5-tert-ブチル-2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール(上述した工程(a)を参照)から、実施例34、工程(b)に従い、副題の化合物を調製した。
【0131】
(c)N-[3-(5-tert-ブチル-ベンゾオキサゾール-2-イル)-4-クロロフェニル]-2-トリフルオロメチルベンズ-アミド
3-(5-tert-ブチルベンゾオキサゾール-2-イル)-4-クロロフェニルアミン(上述した工程(b)を参照)及び塩化2-トリフルオロメチルベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 11.0(1H,s)8.67(1H,d,J=2.4Hz)7.88-7.66(8H,m)7.56-7.51(1H,m)1.35(9H,s)。
【0132】
実施例43
N-[4-クロロ-3-(4-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンズアミド
(a)2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)-4-メチルベンゾオキサゾール
2-アミノ-3-メチルフェノール及び塩化2-クロロ-5-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(a)に従い、表題の化合物を調製した。
(b)4-クロロ-3-(4-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン
2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)-4-メチルベンゾオキサゾール(上述した工程(a)を参照)から、実施例34、工程(b)に従い、副題の化合物を調製した。
【0133】
(c)N-[4-クロロ-3-(4-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンズアミド
4-クロロ-3-(4-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)-フェニルアミン(上述した工程(b)を参照)及び塩化2-トリフルオロメチルベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.98(1H,s)8.60(1H,d,J=2.6Hz)7.92-7.58(7H,m)7.39-7.32(1H,m)7.28-7.22(1H,m)2.59(3H,s)。
【0134】
実施例44
N-[4-クロロ-3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンズアミド
(a)5-クロロ-2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール
2-アミノ-4-クロロフェノール及び塩化2-クロロ-5-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(a)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)4-クロロ-3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン
5-クロロ-2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール(上述した工程(a)を参照)から、実施例34、工程(b)に従い、副題の化合物を調製した。
【0135】
(c)N-[4-クロロ-3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンズアミド
4-クロロ-3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)-フェニルアミン(上述した工程(b)を参照)及び塩化2-トリフルオロメチルベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.99(1H,s)8.69(1H,d,J=2.6Hz)8.01(1H,d,J=1.8Hz)7.93-7.66(7H,m)7.52(1H,dd,J=8.8,2.2Hz)。
【0136】
実施例45
N-[4-クロロ-3-(6-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンズアミド
(a)6-クロロ-2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール
2-アミノ-5-クロロフェノール及び塩化2-クロロ-5-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(a)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)4-クロロ-3-(6-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン
6-クロロ-2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール(上述した工程(a)を参照)から、実施例34、工程(b)に従い、副題の化合物を調製した。
【0137】
(c)N-[4-クロロ-3-(6-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンズアミド
4-クロロ-3-(6-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(上述した工程(b)を参照)及び塩化2-トリフルオロメチルベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.99(1H,s)8.66(1H,d,J=2.6Hz)8.07(1H,d,J=2.0Hz)7.93-7.67(7H,m)7.50(1H,dd,J=8.6,2.0Hz)。
【0138】
実施例46
N-[4-フルオロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメトキシベンズアミド
(a)2-(5-ブロモ-2-フルオロフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール
2-アミノ-4-メチルフェノール及び塩化5-ブロモ-2-フルオロベンゾイルから、実施例28、工程(a)に従い、副題の化合物を調製した。
(b)N-[4-フルオロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメトキシベンズ-アミド
2-(5-ブロモ-2-フルオロフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾール(上述した工程(a)を参照)及び2-トリフルオロメトキシベンズアミドから、実施例28、工程(d)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.71(1H,s)8.71(1H,dd,J=6.5,2.6Hz)7.90-7.81(1H,m)7.79-7.62(4H,m)7.59-7.22(3H,m)7.27(1H,dd,J=8.5,1.2Hz)2.44(3H,s)。
【0139】
実施例47
N-[4-クロロ-3-(4-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンズアミド
(a)N-(2-メトキシフェニル)-2,2-ジメチルプロピオンアミド
CHCl(70mL)に2-メトキシフェニルアミン(7g、54mmol)が入った冷却(0℃)溶液に、トリエチルアミン(10mL、71mmol)及び塩化2,2-ジメチルプロピオニル(8.8mL、71mmol)を添加した。反応物を周囲温度で2時間攪拌し、水(200mL)に注ぎ、EtOAcで抽出した。組合せた有機抽出物を1MのHCl水、ついでNaHCO飽和水溶液で洗浄した。減圧下で濃縮し、EtOAc-石油エーテルから再結晶化させたところ、副題の化合物(15g、89%)が提供された。
【0140】
(b)N-(2-クロロ-6-メトキシフェニル)-2,2-ジメチルプロピオンアミド
アルゴン雰囲気下、EtOにN-(2-メトキシフェニル)-2,2-ジメチルプロピオンアミド(5.1g、24.6mmol;上述した工程(a)を参照)が入った冷却(−15℃)溶液に、TMEDA(3.7mL、24.6mmol)、ついでヘキサン(9.8mL、24.6mmol)にn-BuLiが入った2.5M溶液を添加した。−15℃で2時間攪拌した後、反応物を−30℃まで冷却し、EtO(30mL)にCCl(8.15g、34.4mmol)が入った溶液を添加した。混合物を放置して周囲温度まで温め、1MのHCl(100mL)に注ぎ、EtOAcで抽出した。濃縮し、クロマトグラフィーにより精製したところ、副題の化合物(2.44g、41%)が提供された。
【0141】
(c)2-クロロ-6-メトキシフェニルアミン
N-(2-クロロ-6-メトキシフェニル)-2,2-ジメチルプロピオンアミド(3.89g、16.1mmol;上述した工程(b)を参照)、AcOH(40mL)及び濃HCl水(20mL)の混合物を、75℃で72時間加熱し、ついで冷却し、濃NHOH水で中和させた。生成物をEtOAcで抽出し、濃縮した。クロマトグラフィーにより精製し、ついで蒸留した(沸点:0.25mbarで140℃)ところ、副題の化合物(2.24g、88%)が提供された。
【0142】
(d)2-アミノ-3-クロロフェノール
乾燥CHCl(20mL)に2-クロロ-6-メトキシフェニルアミン(2g、12.7mmol)が入った冷却(0℃)溶液に、適切なBBr(14.8mL、50.8mmol)を滴下し、混合物を0℃で20分、ついで周囲温度で20分攪拌した。−30℃まで冷却し、反応をMeOH(20mL)を用いてクエンチし、水を添加し、生成物をEtOAcで抽出した。濃縮し、EtOAc-石油エーテルから再結晶化させたところ、副題の化合物(1.42g、78%)が提供された。
【0143】
(e)4-クロロ-2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール
2-アミノ-3-クロロフェノール(上述した工程(d)を参照)及び塩化2-クロロ-5-ニトロベンゾイルから、実施例1、工程(a)に従い、副題の化合物を調製した。
(f)4-クロロ-3-(4-クロロ-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン
4-クロロ-2-(2-クロロ-5-ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール(上述した工程(e)を参照)から、実施例34、工程(b)に従い、表題の化合物を調製した。
【0144】
(g)N-[4-クロロ-3-(4-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンズアミド
4-クロロ-3-(4-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(上述した工程(f)を参照)及び塩化2-トリフルオロメチルベンゾイルから、実施例1、工程(c)に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 11.00(1H,s)8.65(1H,d,J=2.6Hz)7.90(1H,dd,J=8.8,2.6Hz)7.87-7.72(5H,m)7.71(1H,d,J=8.8Hz)7.56(1H,dd,J=7.8,1.4Hz)7.48(1H,dd,J=7.8,7.8Hz)。
【0145】
実施例48
N-[3-(5-ブロモベンゾオキサゾール-2-イル)-4-クロロフェニル]-2,5-ジクロロベンゼンスルホン-アミド
乾燥ピリジン(15mL)に、3-(5-ブロモベンゾオキサゾール-2-イル)-4-クロロフェニルアミン(350mg、1.1mmol;実施例28、工程(d)を参照)が入った冷却溶液に、塩化2,5-ジクロロベンゼンスルホニル(322mg、1.31mmol)を添加した。室温で4時間攪拌した後、混合物を水(50mL)に注ぎ、EtOAcで抽出した。組合せた抽出物を水及びブラインで洗浄し、ついでNaSO上で乾燥させた。減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーで精製したところ、表題の化合物(400mg、70%)が提供された。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 11.36(1H,s)8.14(1H,d,J=1.9Hz)8.11(1H,d,J=2.2Hz)7.91(1H,d,J=2.6Hz)7.83(1H,d,J=8.7Hz)7.77(1H,dd,J=8.5,2.2Hz)7.71(1H,d,J=8.5Hz)7.65(1H,dd,J=8.7,1.9Hz)7.63(1H,d,J=8.8Hz)7.36(1H,dd,J=8.8,2.6Hz)。
【0146】
実施例49
3,5-ジクロロ-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド
3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例1、工程(b)を参照)及び塩化3,5-ジクロロベンゼンスルホニルから、実施例48に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 10.8(1H,s)7.95-7.86(3H,m)7.75(2H,d,J=2.0Hz)7.64(1H,d,J=8.4Hz)7.59-7.58(1H,m)7.51(1H,dd,J=8.0,8.0Hz)7.34(1H,ddd,J=8.0,2.2,1.2Hz)7.23(1H,dd,J=8.4,1.2Hz)2.42(3H,s)。
【0147】
実施例50
3-クロロ-N-[4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-メチルベンゼン-スルホンアミド
4-クロロ-3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルアミン(実施例34、工程(b)を参照)及び塩化3-クロロ-2-メチルベンゼンスルホニルから、実施例48に従い、表題の化合物を調製した。
200MHz、H-NMR(DMSO-d、ppm)δ 11.10(1H,s)7.93(1H,dd,J=8.0,1.2Hz)7.86(1H,d,J=2.8Hz)7.75-7.64(3H,m)7.56(1H,d,J=8.8Hz)7.42(1H,dd,J=8.0,8.0Hz)7.30-7.24(2H,m)2.65(3H,s)2.43(3H,s)。
【0148】
実施例51
次の化合物を、上述した生物学的試験でテストしたところ、10μM以下の濃度で、mPGES-1の50%阻害を示すことが見出された:
2,4-ジクロロ-N-[2-メチル-5-(5,7-ジメチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド;
2,5-ジクロロ-N-[3-(5,6-ジメチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド;
2-クロロ-N-[4-クロロ-3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド;
N-[4-クロロ-3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ニトロベンズアミド;
2-ブロモ-N-[3-(5,7-ジクロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド;
2-クロロ-N-[4-クロロ-3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-4-ニトロベンズアミド;
N-[4-クロロ-3-(5-イソプロピルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ニトロベンズアミド;
2-クロロ-N-[4-クロロ-3-(5-イソプロピルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド;
N-[4-クロロ-3-(5-イソプロピルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-4-メトキシ-3-ニトロベンズアミド;
2,5-ジクロロ-N-[3-(5-イソプロピルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド;
N-[4-クロロ-3-(5-イソプロピルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ニコチンアミド;及び
2-クロロ-N-[3-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ベンズアミド。
【0149】
実施例52
実施例1から50の表題の化合物を、上述した生物学的試験でテストしたところ、10μM以下の濃度で、mPGES-1の50%阻害を示すことが見出された。例えば、実施例の次の代表的化合物は、次のIC50値を示した。
実施例3: 1900nM
実施例17:1300nM
実施例20:2300nM
実施例21:1500nM
実施例23:2600nM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MAPEGファミリーのメンバーの活性を阻害又は調節することが所望及び/又は必要とされている疾患の治療用の医薬を製造するための、次の式I:
【化1】

[上式中、
Rはアリール又はヘテロアリールであって、共にXから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよく;
Yは-C(O)-又は-S(O)-を表し;
からW及びZからZは独立して、水素、又はXから選択される置換基を表し;
及びXは独立して、ハロ、-R3a、-CN、-C(O)R3b、-C(O)OR3c、-C(O)N(R4a)R5a、-N(R4b)R5b、-N(R3d)C(O)R4c、-N(R3e)C(O)N(R4d)R5d、-N(R3f)C(O)OR4e、-N、-NO、-N(R3g)S(O)N(R4f)R5f、-OR3h、-OC(O)N(R4g)R5g、-OS(O)3i、-S(O)3j、-N(R3k)S(O)3m、-OC(O)R3n、-OC(O)OR3p又は-S(O)N(R4h)R5hを表し;
mは0、1又は2を表し;
3b、R3dからR3h、R3k、R3n、R4aからR4h、R5a、R5b、R5d及びR5fからR5hは独立して、H又はR3aを表し;又は
任意の対R4a及びR5a、R4b及びR5b、R4d及びR5d、R4f及びR5f、R4g及びR5g又はR4h及びR5hは互いに結合して、3-から6員環を形成し、該環は、これらの置換基に必ず結合している窒素原子に加えて、さらなるヘテロ原子を有していてもよく、また該環はF、Cl、=O又はR3aで置換されていてもよく;
3c、R3i、R3j、R3m及びR3pは独立して、R3aを表し;
3aは、F、Cl、=O、-OR6a又は-N(R6b)R7bから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキルを表し;
6a及びR6bは独立して、H、又はF、Cl、=O、-OR8a、-N(R9a)R10a又は-S(O)-Gから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキルを表し;
7bは、H、-S(O)CH、-S(O)CF又はC1−6アルキルで、F、Cl、=O、-OR11a、-N(R12a)R13a又は-S(O)-Gから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよいものを表し;又はR6b及びR7bは互いに結合して、3-から6員環を形成し、該環は、これらの置換基に必ず結合している窒素原子に加えてさらなるヘテロ原子を有していてもよく、また該環はF、Cl、=O、又は一又は複数のフッ素原子で置換されていてもよいC1−3アルキルで置換されていてもよく;
及びGは独立して、-CH、-CF又は-N(R14a)R15aを表し;
8a及びR11aは独立して、H、-CH、-CHCH又は-CFを表し;
9a、R10a、R12a、R13a、R14a及びR15aは独立して、H、-CH又は-CHCHを表す]
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用。
【請求項2】
Yが-C(O)-を表す、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
任意の対R4a及びR5a、R4b及びR5b、R4d及びR5d、R4f及びR5f、R4g及びR5g又はR4h及びR5hが互いに結合して、3-から6員環を形成し、該環が、これらの置換基に必ず結合している窒素原子に加えてさらなるヘテロ原子を有していてもよく、また該環が=O又はR3aで置換されていてもよい、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
3aが、F、Cl、-OCH、-OCHCH又は-OCFから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキルを表す、請求項1から3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
からWの少なくとも2が水素を表す、請求項1から4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
からZの少なくとも2が水素を表す、請求項1から5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
Rが4未満の置換基で置換されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
及びXが独立して、ハロ、-NO、-R3a又は-OR3hを表す、請求項1から7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
3aが、一又は複数のフッ素原子で置換されていてもよいC1−5アルキルを表す、請求項1から8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
又はXがR3aを表す場合、R3aが、t-ブチル、t-ペンチル、メチル、イソプロピル又はトリフルオロメチルを表す、請求項1から9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
3hがR3aを表す場合、R3aが、シクロペンチル、ジフルオロメチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、メチル又はトリフルオロメチルを表す、請求項1から10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
からWが独立して、H、又はブロモ、ブチル、クロロ、メチル及びイソプロピルから選択される置換基を表す、請求項1から11のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
からZが独立してH、又はフルオロ、-OR3h、-N(R4b)R5b、クロロ及びメチルから選択される置換基を表す、請求項1から12のいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
からZの任意の一つが-OR3hを表す場合、R3hがH又はC1−5アルキルを表す、請求項1から13のいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
からZの任意の一つが-N(R4b)R5bを表す場合、R4b及びR5bが独立して、H又はC1−2アルキルから選択され、又はR4b及びR5bは、それらが結合している窒素原子と共同して、ピロリジニル環を形成する、請求項1から14のいずれか1項に記載の使用。
【請求項16】
Rが、置換されていてもよいフェニル、ナフチル、ピロリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、インダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリニル、キノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、キノリジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロマニル、ベンゾチエニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,3-ベンゾジオキソリル、テトラゾリル、ベンゾチアゾリル、又はベンゾジオキサニル基を表す、請求項1から15のいずれか1項に記載の使用。
【請求項17】
Rが、置換されていてもよいピリジル又はフェニルを表す、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
Rが置換されたフェニルを表す場合、置換基が、-NH、クロロ、フルオロ、ブロモ、-NO、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、及びトリフルオロメトキシから選択される、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
Rが置換されたピリジルを表す場合、置換基が、フルオロ、クロロ及びトリフルオロメチルから選択される、請求項17に記載の使用。
【請求項20】
Rが、式Iの化合物における-C(O)-基へのR基の結合点に対してオルト位で置換されているフェニルである、請求項1から18のいずれか1項に記載の使用。
【請求項21】
医薬として使用される、請求項1から20のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩であって、但し、Yが-C(O)-を表し、W、Z及びZが全て水素を表し、また:
(A)W、W及びWが全て水素を表し:
(i)ZがHを表し、Zが-NHを表す場合、Rは4-(アミノアセチル)フェニルを表さず;
(ii)Zがクロロを表し、ZがHを表す場合、Rは4-エトキシ-3-ニトロフェニル、3,4,5-トリメトキシフェニル、3,5-ジメトキシフェニル又は2-メチル-3-ニトロフェニルを表さず;
(iii)Z及びZが双方ともHを表す場合、Rは3,5-ジニトロ-4-メチルフェニルを表さず;
(B)W及びWが双方ともHを表し:
(i)Wがクロロを表し、ZがHを表し、Zが-CHを表す場合、Rは2-メトキシフェニルを表さず;
(ii)Wが-CHを表し、Zがクロロを表し、ZがHを表す場合、Rは未置換フェニルを表さず;
(C)W、W、Z及びZが全てHを表し、Wが-CHを表す場合、Rは3-メチルフェニルを表さず;
(D)W、W及びZが全てHを表し:
(i)Wがブロモを表し、ZがHを表す場合、Rは未置換フェニルを表さず;
(ii)Wが-CHを表し、Zがクロロを表す場合、Rは未置換の3-ピリジルを表さず;
(E)W及びWが双方とも-CHを表し、WがHを表し、Zがクロロを表し、ZがHを表す場合、Rは未置換フェニルを表さない、
化合物。
【請求項22】
請求項21に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合して含む薬学的製剤。
【請求項23】
がXから選択される置換基を表す、請求項1から20のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩であって、但し、WからW、Z、Z及びZが全て水素を表し、Zが-CHを表す場合、Rは4-エトキシフェニルを表さない化合物。
【請求項24】
からZの任意の2つがXから選択される置換基を表す、請求項1から20のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項25】
Yが-S(O)-を表す以外は、請求項1から20のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩であって、但しWがHを表し、ZがHを表し:
(A)W、W、Z及びZが全てHを表し、Wがメチルを表し:
(i)ZがHを表す場合、Rは未置換フェニル、4-メチルフェニル、4-(アミノアセチル)フェニル又は4-クロロフェニルを表さず;
(ii)Zがメチルを表す場合、Rは未置換フェニルを表さず;
(B)W、W、W、Z及びZが全てHを表し:
(i)Zが-OH又はClを表す場合、Rは未置換フェニルを表さず;
(ii)ZがHを表す場合、Rは未置換フェニル、4-クロロフェニル、4-ニトロフェニル、4-(アミノアセチル)フェニル又は4-メチルフェニルを表さず;
(C)Zがメチルを表し、Z及びZが双方ともHを表し;
(i)WがHを表し、W及びWが双方ともメチルを表し;又は
(ii)Wがメチルを表し、W及びWが双方ともHを表す場合、
(双方の場合において)Rは2-クロロ-5-ニトロフェニルを表さず;
(D)W、Z及びZが全てHを表し;
(i)WがHを表し、Wがエチル又はクロロを表し、Zがメチル又はHを表し;又は
(ii)W及びWがクロロを表し、Zがメチルを表す場合、
(双方の場合において)Rは未置換フェニルを表さない、
化合物。
【請求項26】
MAPEGファミリーのメンバーが、ミクロソームプロスタグランジンEシンターゼ-1、ロイコトリエンC及び/又は5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質である、請求項1から20のいずれか1項に記載の使用。
【請求項27】
MAPEGファミリーのメンバーがミクロソームプロスタグランジンEシンターゼ-1である、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
疾患が炎症である、請求項26から27のいずれか1項に記載の使用。
【請求項29】
疾患が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、炎症性大腸炎、過敏性腸症候群、炎症性痛覚、発熱、偏頭痛、頭痛、腰痛、線維筋痛、筋膜障害、ウィルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、月経困難症、火傷、外科又は歯科処置、悪性腫瘍、過剰プロスタグランジンE症候群、古典的バーター症候群、アテローム性動脈硬化症、痛風、関節炎、骨関節炎、若年性関節炎、関節リウマチ、リウマチ熱、強直性脊椎炎、ホジキン病、全身性エリテマトーデス、脈管炎、膵炎、腎炎、滑液包炎、結膜炎、虹彩炎、強膜炎、ブドウ膜炎、創傷治癒、皮膚炎、湿疹、乾癬、脳卒中、真性糖尿病、神経変性疾患、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、鼻炎、潰瘍、冠動脈心疾患、サルコイドーシス、炎症要素を伴う任意の他の疾患、骨粗鬆症、骨関節炎、パジェット病、又は歯周病である、請求項26から28のいずれか1項に記載の使用。
【請求項30】
MAPEGファミリーのメンバーの活性阻害が所望され及び/又は必要とされる疾患の治療方法であって、請求項1から20のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の治療的有効量を、そのような症状を患っているか、又はそのような症状に罹りやすい患者に投与することを含む方法。
【請求項31】
MAPEGファミリーのメンバーが、ミクロソームプロスタグランジンEシンターゼ-1、ロイコトリエンC及び/又は5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
MAPEGファミリーのメンバーがミクロソームプロスタグランジンEシンターゼ-1である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
(A)請求項1から21、23、24又は25のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩と;
(B)炎症の治療に有用な他の治療剤、
を含む組合せ品であって、成分(A)及び(B)の各々が薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合されて製剤化されている組合せ品。
【請求項34】
請求項1から21、23、24又は25のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、炎症の治療に有用な他の治療剤、及び薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を含む薬学的製剤を含む、請求項33に記載の組合せ品。
【請求項35】
(a)請求項1から21、23、24又は25のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合して含む薬学的製剤;及び
(b)炎症の治療に有用な他の治療剤を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合して含む薬学的製剤、
の成分を含むパーツのキットを含み、成分(a)及び(b)がそれぞれ他方と併用して投与するのに適した形態で提供される、請求項33に記載の組合せ品。
【請求項36】
(i)次の式II:
【化2】

[上式中、WからW及びZからZは、請求項1に記載したものである]
の化合物と、次の式III:
R-Y-OH III
[上式中、R及びYは、請求項1に記載したものである]
の化合物とを反応させる;又は
(ii)次の式IV:
【化3】

[上式中、Lは適切な離脱基を表し、WからW及びZからZは、請求項1に記載したものである]
の化合物と、次の式V:
N-Y-R V
[上式中、R及びYは、請求項1に記載したものである]
の化合物とを反応させる;
ことを含む、請求項21、23、24又は25のいずれか1項に記載の化合物Iの製造方法。
【請求項37】
請求項22に記載の薬学的製剤の製造方法であって、請求項21に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈液又は担体と組合せることを含む方法。
【請求項38】
請求項33、34又は35のいずれか1項に記載の組合せ品の製造方法であって、請求項1から21、23、24又は25のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、炎症の治療に有用な他の治療剤、及び薬学的に許容可能なアジュバント、希釈液又は担体とを組合せることを含む方法。

【公表番号】特表2009−511559(P2009−511559A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535097(P2008−535097)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003792
【国際公開番号】WO2007/042816
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(505347558)バイオリポックス エービー (26)
【Fターム(参考)】