炭化水素試料の分析用の波長可変ダイオードレーザ分光計を用いる方法及び装置
本発明は、地層流体試料を坑内で又は地表で分析し、地層流体のパラメータを決定するための波長可変ダイオードレーザ(TDL)を用いる超高分解能分光のための坑内装置及び方法を提供する。吸光分析に加えて、本発明は、TDLの波長を掃引し、狭帯域検出器を用いて、固定された波長でラマン散乱光を検出することによって、流体に対してラマン分光を行なうことができる。分光計は、坑内で集められた加圧された坑井流体試料を分析する。分析は、坑内又は地表の現場のいずれかで、行なわれる。試料特性と不純物レベルの地表の現場分析又は坑内分析をもたらすために、近赤外、中赤外、及び可視光分析も試料に対して行なわれる。現場分析又は坑内分析は、相関関係、学習ニューラルネットワーク、又は計量化学式によって評価され得る芳香族化合物、オレフィン、飽和化合物、ガス/油比率、API比重、及び種々の他のパラメータを決定することを含む。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本特許出願は、「炭化水素試料の分析用の波長可変ダイオードレーザ分光計のための方法及び装置」の表題で、ロッコ・ジフォジオ(Rocco DiFoggio)によって2003年5月6日に出願された米国仮特許出願第60/468,372号明細書の一部継続出願で、その優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般的に、坑内試料採取の分野に関し、特に、試料チャンバ内への捕獲の前、最中、又はその後に、炭化水素試料の重要なパラメータを測定及び評価するための波長可変ダイオードレーザを用いる坑内及び地表の現場での超高分解能分光に関する。
【背景技術】
【0003】
典型的には、試料タンクは、試料に基づく地層流体の特性を決定する分析のために、研究所に輸送される。試料は、典型的には、輸送タンクに輸送されねばならなく、それを行なう場合、試料内の圧力損失と気泡又はアスファルテン沈殿の生成によって、試料の破損と損傷の危険をもたらす。さらに、試料が首尾よく研究所に輸送されても、完全なラボ分析を受けるのに、典型的に、数週間又は数ヶ月掛かる。従って、坑内でのその場の分析及び地表での現場分析のためのより迅速な試料分析が、必要とされている。
【0004】
一般的に、光学フィルターを用いる坑内又は現場でのスペクトル分析では、全幅半値波長分解能が、約11nmに制限されている。これらのフィルターは、近接ピーク同士を区別し、大ピークに重畳される小ピークを解像し、又は11nmよりもかなり小さい特徴を有する同位体の差異を識別するのに適していない。従って、約1〜4nm以上の高分解能で炭化水素試料を坑内及び地表の現場でスペクトル分析するのに適した分析技術が必要とされている。波長可変ダイオードレーザの製造業者は、多くの場合、0.01nm以上の分解能を主張している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前述の関連技術の欠点を解決することを意図している。本発明は、土壌穿孔穴又は抗井内に集まった濾液、炭化水素、又は塩水を問わず、地層流体試料の地表現場又は坑内でのスペクトル分析のための装置及び方法を提供する。本発明は、超高分解能分光(UHRS)用の波長可変ダイオードレーザ(TDL)を提供し、及びこれらのUHRS測定値との相関関係に基づくこのような試料の重要なパラメータの対応する評価を提供する。必要に応じて、坑内においてUHRS用のTDLを冷却するために、吸着冷却装置も設けられる。一実施形態において、炭化水素の略1650nmから1850nmの周波数帯域の全体に及ぶようにするために、又は波長可変スペクトル範囲を選択された周波数帯域内の重要な選択領域に重複させるために、複数のTDLが一組にまとめて設けられる。好ましい実施形態において、UHRS用TDLは、実時間でUHRS測定値を得て、UHRS測定値から重要なパラメータを評価するために、坑内に設けられる。他の実施形態では、TDL・UHRSは、地表現場で行なわれるか、工具内のUHRSによって行なわれるか、又は地表に取り付けられた別のUHRSシステムを介して行なわれる。本発明のTDL・UHRSは、分配パイプラインを流れるガス、流体、及びそれらの同位体を分析し、流体やガスを構成する炭化水素の純度、等級、及び同一性を決定するのにも、有用である。
【0006】
本発明を詳細に理解するには、添付の図面と関連して、以下の好ましい実施形態の詳細な説明を参照するべきである。図面において、類似の要素には、類似の番号が付されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、原油試料内の油を主成分とする泥状濾液不純物の百分率を評価することができる高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザを用いる超高分解能分光計を提供する。本発明は、原油又はガス試料内の化学基(芳香族化合物、オレフィン、飽和化合物)のモル分率又は百分率を評価するための高分解能スペクトル測定値、又はガス/油比率(GOR)を測定するための高分解能スペクトル測定値を得ることも可能にする。
【0008】
本発明は、原油試料が乾性ガス又は湿性ガスを含むかどうか(C2、C3、及びC4の量に対するC1の量)を評価するための高分解能スペクトル測定を可能にする波長可変ダイオードレーザを用いる超高分解能分光計を提供する。また、本発明は、パイプライン、精製所、又は研究所において用いられるのに適している。本発明は、メタンガス内のCO2又は原油内に溶解されているCO2を評価するための高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザに基づく超高分解能分光計を提供する。
【0009】
本発明は、原油の物理的特性(API比重、曇り点、沸点、アスファルテン沈殿物の圧力など)又は化学的特性(酸価、ニッケル、バナジウム、硫黄、水銀など)に対する改良された相関関係、又はメタンガスの13C/12C同位体比率をもたらすための高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザを用いる超高分解能分光計を提供する。
【0010】
本発明は、原油のフィタン/プリスタン比率を評価するための高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザを用いる超高分解能分光計を提供する。
【0011】
本発明は、水蒸気を液体水からその蒸気を同位体分析するために分離する薄膜を提供する。このような薄膜の例として、ダイアプレックス(Diaplex)ポリウレタン薄膜(三菱重工業)及び東レのダーミザックス(Dermizax)ポリウレタン発泡体が挙げられる。これらの薄膜は、両方とも、水を通さないが、水蒸気を浸透させる通気性がある。
【0012】
また、本発明は、液体原油からメタンガスをそのガスの同位体分析のために分離させるための(シリコンゴムなど)薄膜を提供する。本発明は、液体に対して、及び液体に溶解されているガスに対して、TDL分析を適用する。
【0013】
本発明は、原油内に溶解しているH2Sを評価するための高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザに基づく超高分解能分光計を提供する。本発明は、水の17O/18O同位体を評価するための超高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザを用いる超高分解能分光計を提供する。本発明は、略「合成」時の等級のガスクロマトグラム(C1、C2、C3などのスペクトル包絡線)を得るための高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザを用いる超高分解能分光計を提供する。本発明は、メタンガスの13C/12C同位体を評価するための高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザを用いる超高分解能分光計を提供する。
【0014】
本発明は、TDLの小波長範囲を、選択された波長領域においていくつかのこれらの軽量センサ(TDL)を用いることによって、補償する。本発明は、高温TDL分光計を提供する。あるいは、本発明は、常温(80℃)TDL分光計を吸着冷却によって冷却する。本発明は、光学的に透明な窓の付いた試料タンクにおいて地層流体試料の特性を分析するTDLを提供する。一実施形態において、本発明は、炭化水素帯域(1740nm)を中心とする一組の広い範囲(100〜200nm)の室温又は高温TDLを提供する。
【0015】
本発明は、坑内又は地表での分光手段によって今までは可能ではなかった試料としての地層流体又は他の流体の物理的及び化学的特性を推測するためのスペクトル測定値を得るための高分解能TDLを提供する。本発明は、TDLの迅速な波長切換え能力を利用して高分解能微分分光を行い、例えば、他の肩にあるピークを見出し、又は信号対雑音を著しく改良し、及び低分解能である従来の中赤外(MIR)及び近赤外(NIR)分光によっては可能ではない繊細な変化(例えば、10〜20ppmのH2S)を観察することができる。
【0016】
本発明は、2つの経路長(長い経路長さと短い経路長さ)を有する試料セルと、単一の光検出器を提供し、この場合、このセルは、吸光度又は透過率の測定値に関して、自己参照型セルとして機能する。本発明は、TDLビームを試料セルの薄い部分(短い経路長さ部分)と厚い部分(長い経路長さ部分)との間でシフトするための迅速なビーム偏向法(例えば、音響光学装置又は回転プリズムなど)を提供する。ここで、長い経路長さと短い経路長さとの差に等しい経路の吸光度は、長い経路を伝達した光強度に対する短い経路を伝達した光強度の比率の10を底とする対数で表される。
【0017】
本発明は、薄膜によって覆われた減圧可能又は真空排気可能なチャンバを提供する。この薄膜は、蒸気又はガスを抽出し、TDL分光計による同位体分析を可能にするために、液体と接触している。試料チャンバの流路は、ピストンを引き抜き、チャンバ容積を拡張し、チャンバ流路内の圧力を低下させることによって、真空排気され、これによって、薄膜を介して、薄膜の反対側の液体から蒸気を引き出すことができる。
【0018】
波長可変ダイオードレーザ(TDL)は、超高分解能分析(例えば、12Cメタンガスからの13Cメタンガスの分離)を提供する。米国特許第5,781,284号明細書、「流体媒体内に含まれる不純物を検出するためのシステム」は、波長可変ダイオードレーザの使用を記載しているが、スペクトル走査を行なうようなダイオードレーザの使用を記載していない。’284特許は、光を400Hzに簡単に変調し、変調された信号をバックグラウンドから区別するように、TDLを用いることを示唆している。波長が変調されるTDLを用いる代わりに、ダイオードから放射される光の強度を変調させても、米国特許第5,781,284号明細書におけるこの目的を、十分に果たし得るだろう。
【0019】
TDLの利点は、それらの高強度、著しく微小の波長可変性、及び比較的小さい寸法と重量にある。TDLの欠点は、それらが作動する可変な波長範囲が小さく(4〜10nmの可変な作動範囲が一般的であり、100nm以上の波長可変な作動範囲も次第に利用可能になっている)、及びそれらの作動の温度範囲が制限されることである(通常、80℃又は90℃以下)。そこで、本発明は、広い波長範囲に及び、その範囲内において調整される、広い作動範囲のTDL又は互いに連結したTDLの配列を提供する。好ましくは、炭化水素帯域、CO2帯域、H2S帯域、及びH2O帯域などの選択された波長領域が、TDLスペクトル範囲に対して選択され、これらの帯域内において周波数を調整する。好ましい実施形態において、本発明は、液体水の同位体又はガスの混合物内のメタンの同位体をスペクトル分離し、又は該メタンの同位体のいずれかが液体水又は原油内に溶解されている場合でも、それらのメタンの同位体をスペクトル分離する。実験室用フーリエ変換赤外(FTIR)分光計は、典型的には、100〜1000倍広いスペクトル範囲をもたらすが、FTIRは、各波長における著しく低い光強度と、著しく低い波長分解能をもたらす。FTIRの実験室用の分光計は、典型的には、1cm−1(波数)の波長の分解能をもたらし、TDLは、10−4cm−1又は10−5cm−1もの高分解能をもたらすことができる。
【0020】
TDL分光は、その高分解能と振動帯域の回転分割を分解する能力によって、ガス分光に理想的である。TDLは、使用時に、微分分光用に迅速に調整される。すなわち、TDLは、遊離基、炭素クラスター、イオン、種々の反応性金属化合物、及び弱結合錯体などの極めて反応性のある系を分析するのに有用である。
【0021】
より高温のTDL(可能な例として、量子ドット構造のTDL)分光計を製造するか、又は波長可変ダイオードレーザを坑内の吸着冷却機構又は他の冷却機構と組み合わせることによって、温度の問題が解消される。吸着冷却の場合、波長可変ダイオードレーザは、(液体又は水和物としての)水源に熱接触して配置される。この水が蒸発されるか又は水和物から離脱されるにつれ、TDLは冷却される。生じた水蒸気は、吸着剤によって吸収され、その過程において昇温する。吸着剤は、その過剰熱を、その吸着剤が工具ハウジングを介して熱接触している坑井流体に伝達する。
【0022】
本発明は、芳香族化合物、(原油内ではなく油を主成分とする泥状(OBM)濾液に一般的に存在する)オレフィン、飽和化合物、すなわち、メタン、さらに可能であれば、エタン、プロパン、及びブタンを定量化する。この高分解能分光によって、本発明は、坑内の油を主成分とする泥状の濾液不純物の百分率を決定し、特に、基油が、芳香族化合物が遊離し(原油と異なる)、オレフィン過濃であるか(ここでも、原油とは異なる)どうかを決定する。
【0023】
さらに、分解能が極めて高いので、本発明は、メタンの同位体の比率(13C/12C)又は(異なる酸素同位体用の)水の同位体の比率を決定し、CO2(例えば、1430nm=6993cm−1、1572nm=6361cm−1、1996nm=5010cm−1、2019nm=4953cm−1)又はH2S(例えば、1578nm=6337cm−1)などのガスを定量化する。
【0024】
代替的に、本発明は、一組の吸着冷却される単一波長(波長不変)ダイオードレーザを提供する。ここで、各ダイオードレーザは、注意深く選択された波長に対応し、一組の所定の固定波長における分光を行なう。
【0025】
波長可変ダイオードレーザ(TDL)は、地表及び坑内で、ガスと流体に対する極めて高い分解能の分光を行なうために、設けられる。例えば、TDLは、多くのガスの存在下で1つのガスを定量化し、又は同一ガスの異なる同位体を定量化するために、設けられる。一実施形態において、TDL光源の波長を合わせ、単一を用いることによって
【0026】
代替的に、本発明は、一組の単一波長(波長不変)ダイオードレーザを提供する。ここで、各ダイオードレーザは、注意深く選択された重要な波長に対応し、一組の所定の固定波長における分光を行なう。他の実施形態において、一組の波長可変TDLは、重要なパラメータと関連する波長に対応する一組の重要な波長の全体にわたって測定するために、設けられ、各TDLは、選択された周波数帯域と関連して波長可変である。
【0027】
次いで、図1について、説明する。図1は、坑井貫入部11の長さに沿った土壌10の断面を概略的に示している。通常、坑井は、水と、掘削流体と、坑井に貫かれている土壌地層に固有の地層流体とを含む液体の混合物によって、少なくとも部分的に満たされている。以後、このような流体混合物は、「坑井流体」と呼ばれる。「地層流体」という用語は、以後、特定の地層流体であって、その特定の地層内に自然のままでは存在しない流体によるいかなる実質的な混合物又は不純物をも除いた特定の地層流体を指す。ワイヤライン12の底端で、坑井11内に懸垂されているのは、地層流体採取工具20である。ワイヤライン12は、デリック14によって支持されたプーリ13の周囲に巻かれて保持されることが多い。ワイヤラインの導入と引き上げは、例えば、業務用トラック15によって保持された電動ウインチによって、なされる。
【0028】
本発明による採取工具20の例示的実施形態が、図2に概略的に示されている。好ましくは、このような採取工具は、相互圧縮継手23のネジ付きスリーブによって端と端が接合された数個の工具セグメントの組立体を備えている。本発明に適する工具セグメントの組立体は、流体動力ユニット21と、地層流体抽出具23とを備えているとよい。抽出具23の下方には、ラインパージのために、大押しのけ容積のモータ/ポンプ24が設けられている。大容積ポンプの下方にあるのは、図3に関してさらに発展的に記載されるような定量的に監視される小押しのけ容積を有する同様のモータ/ポンプユニット25である。通常、1つ以上の試料タンク格納区画26が、小容積ポンプの下方に組み込まれている。各格納区画26は、3つ以上の流体試料タンク30を有しているとよい。
【0029】
地層流体抽出具22は、穴壁脚28と対向している伸縮自在な吸引プローブ27を備えている。吸引プローブ27と対向する脚28は、両方とも、坑井壁に堅固に係合するように、流体的に伸縮可能である。流体抽出工具22の構造と操作の詳細は、米国特許第5,303,775号明細書に、さらに発展的に記載されている。この特許の明細書は、ここに含まれるものとする。
【0030】
次いで、図4を参照するに、本発明の好ましい実施形態は、ここでは、改良型光学シリンダ(AOC)800と呼ばれる光学的に透明な窓を有する試料タンクを備えている。このAOC800は、加圧される試料タンクと分析用上端小組立体818とをさらに備えている。加圧される試料タンクは、窒素圧力チャンバ812を有する圧力補償システム810を備えている。窒素圧力チャンバ812は、チャンバ816内で坑内捕獲された流体試料821を沸点圧力よりも高く、かつアスファルテンが試料外に沈殿する圧力よりも高く、保つのに十分な高圧を、その流体試料に加えるために、設けられている。また、AOCは、坑内捕獲、加圧、及びチャンバ816に捕獲されたガス又は流体の分析に、適している。
【0031】
AOC上端小組立体818は、地層流体試料821の重要なパラメータのTDL・UHRSによる光学分析のための1つ又は1対の高圧サファイア窓814を有している。好ましいTDL・UHRSを実施する分析モジュール738が、坑内又は地表での試料の分析のために設けられている。
【0032】
操作において、図5に示されるように、AOCは、試料タンクキャリアから取り外され、試料821の圧力が、ポンプ910を用いてピストン921の背後に加圧水920を注入することによって、安定化される。この時点で、窒素が放出され、窒素チャンバが試料チャンバから取り外され得る。TDL・UHRS及び好ましくはNIR/MIR紫外線源、又は可視光源と、TDL分光計を備える外部光学分析器830又は分析モジュール738が、現場分析又は抗内分析のために、設けられている。このような分析は、流体試料を阻害せず、又は分析のために現場から離れた研究所へ輸送するために、試料を他の運輸省(DOT)に認可されたチャンバに移送することなく、行なわれる。
【0033】
本発明の光学分析器は、好ましくは、略1500nmから2000nmの範囲の波長を用いて、流体試料を走査し、試料の不純物の百分率、ガス/油率(GOR)、密度、及びアスファルテン沈殿圧を決定する。流体試料のスペクトル分析のために、低分解能の従来の分光計、波長可変UHRS用ダイオードレーザ、及びラマン分光を行なうためのラマン散乱光を得るための単一波長検出器と関連して操作されるTDLも、設けられる。
【0034】
好ましいTDL・UHRSを実施する分析モジュール738及び関連する光学分析機器が、坑内に入る前に、AOC内に取り付けられるか又はAOCに関連付けられる。坑内操業中に、又は坑内での試料採取の操業の完了時に地表において、TDL・UHRSを用いて、ここに述べた分析を行なう。本発明のTDL・UHRSの多くの利点のいくつが、一般に知られているシステムである図6と本発明のTDL・UHRSによってもたらされる新規の設計を示す図7との比較によって、示されている。図7において、光学分析システムによる主パラメータの計算は、相対的に、殆ど即時に、すなわち、6時間未満に利用可能である。本発明による最終的なPVTレポートは、一週間未満、すなわち、一般的なシステムの場合の図6に示される6〜8週間よりも短い期間で、もたらされる。さらに、分析モジュール738と外部機器830の両方における現場機器が、ここに述べたアスファルテン沈殿、沸点、地層容積係数を決定するPVTとスペクトル分析、地層の分析、及び付加的な分析を行なうので、試料の移送が必要とされない。
【0035】
次いで、図8を参照するに、本発明の代替的実施形態が提示されている。この図は、抗内において窒素(N2)1212と静水圧1214によって加圧される試料チャンバ1210に取り付けられた分析モジュール738を含む上端小組立体818を示している。従って、本発明は、坑内で又は地表で、試料採取とTDL・UHRSによる試料分析を行なう。
【0036】
図8に示されるように、分析窓ユニットは、分析モジュール738と、波長可変ダイオードレーザ分光計1415と、吸着冷却ユニット1416とを備えている。吸着冷却ユニット1416は、2001年1月8日に、ロコ・ジフォジオ(Rocco DiFoggio)によって、「穿孔中のワイヤラインロギングと監視における抗内吸着冷却」の表題で出願された共有特許出願第09/756,764号明細書に記載されている。この特許出願は、参照することによって、その全体がここに含まれる。図9に示されるように、外部窓ユニット1510を介して地表で試料を分析するために、外部TDL・UHRS1515が、AOCに取り付けられる。
【0037】
好ましい波長可変ダイオードレーザ1415の分光計によって、本発明は、試料採取中、その前、又はその後、坑内で又は地表で、超高分解能分光を行なうことができる。吸着冷却ユニット1416が、必要に応じて、坑内において、隣接する波長可変ダイオードレーザと他の電子機器を冷却し、抗内温度の悪影響を排除する。
【0038】
次いで、図10を参照するに、本発明の好ましい実施形態が示されている。好ましい実施形態において、TDL1608又は多数のTDL1609が、スペクトル検出器1606又は多数のスペクトル検出器1606aに沿って、設けられている。TDLを制御し、カラーシフター1603などの全ての電子機器を制御し、及び試料採取又は測定検出器1606の測定値を読み取るためのプロセッサが設けられている。また、このプロセッサは、ビーム偏向器1610を、TDLからのビームを短い試料経路1604と長い試料経路1602との間で偏向し、2つの経路間の比率を決定するように、制御する。単一波長検出器1603が、流体のラマン分光を行い、ガス又は液体試料における窒素と他の赤外不活性成分の検出を可能にするために、設けられている。
【0039】
付加的なTDL1609が、測定可能なスペクトル成分に関するピークに対して試料を分析し、又は選択された測定成分からの重要なパラメータを評価するために、該当する波長に選択される。プロセッサ1611内に存在し、重要なパラメータと測定されたスペクトルとの相関関係に基づいて展開される学習ニューラルネットワーク又は計量化学式を用いて、TDLを用いてスペクトルを測定した流体又はガス試料の重要なパラメータ(GOR、API比重など)を評価する。
【0040】
薄膜1616が、必要に応じて、試料流路内において液体を蒸気から分離するために、随意的に設けられる。試料流路1600を真空排気し、蒸気を薄膜1616を超えて試料流路内に引込み、その流路内においてのみガスを分析するために、ピストン1617が設けられている。
【0041】
次いで、図11を参照するに、本発明の代替例において、波長可変ダイオードレーザ分光計プローブ1110が試料821内に挿入され、TDL源1611から光を送り、受光器1612を用いて、戻り光を受光し、試料821の光学的特性を決定する。TDL源と受光器1646は、光を光学窓814を介して試料821と窓814との界面1111に送り、液体/窓界面1111での反射された光を測定し、試料の反射スペクトルを決定する。
【0042】
他の実施形態において、本発明の方法は、コンピュータ読み取り可能な媒体、例えば、ROM、RAM、CO−ROM、フラッシュ、又は現在知られているか又は知られていない他のコンピュータ読み取り可能な媒体に含まれるセットコンピュータによって実行可能な命令として、実施され、この命令が実行されると、コンピュータは、本発明の方法を実施する。
【0043】
前述の開示は、本発明の好ましい実施形態を対象としているが、当業者にとって、種々の修正形態が明らかだろう。添付の請求項の範囲内の変更は、全て、前述の開示に包含されることが、意図されている。本発明のより重要な特徴の例は、それらに続く本発明の詳細な説明が良好に理解されるために、及び当該技術への寄与が理解され得るために、むしろ広く要約されている。勿論、以下に記載され、添付の請求項の主題をなし得る本発明のさらに他の特徴もある。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の作用環境を示す土壌断面の概略図である。
【図2】協同作用する支持工具を有する作動組立体の形態にある本発明の概略図である。
【図3】代表的な地層流体の抽出及び供給システムの概略図である。
【図4】好ましい試料チャンバと分析用上端小組立体を示す図である。
【図5】外部ユニットによる分析用の試料を加圧する水ポンプを有する代替的実施形態を示す図である。
【図6】一般的な現在の分析手順を示す図である。
【図7】本発明によってもたらされる新規の改良手順を示す図である。
【図8】代替的実施形態を示す図である。
【図9】他の代替的実施形態を示す図である。
【図10】波長可変ダイオードレーザ分光計の好ましい実施形態の概略図である。
【図11】光学プローブに取り付けられた波長可変ダイオードレーザを用いて反射スペクトルを決定するための代替的実施形態を例示する図である。
【関連出願の相互参照】
【0001】
本特許出願は、「炭化水素試料の分析用の波長可変ダイオードレーザ分光計のための方法及び装置」の表題で、ロッコ・ジフォジオ(Rocco DiFoggio)によって2003年5月6日に出願された米国仮特許出願第60/468,372号明細書の一部継続出願で、その優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般的に、坑内試料採取の分野に関し、特に、試料チャンバ内への捕獲の前、最中、又はその後に、炭化水素試料の重要なパラメータを測定及び評価するための波長可変ダイオードレーザを用いる坑内及び地表の現場での超高分解能分光に関する。
【背景技術】
【0003】
典型的には、試料タンクは、試料に基づく地層流体の特性を決定する分析のために、研究所に輸送される。試料は、典型的には、輸送タンクに輸送されねばならなく、それを行なう場合、試料内の圧力損失と気泡又はアスファルテン沈殿の生成によって、試料の破損と損傷の危険をもたらす。さらに、試料が首尾よく研究所に輸送されても、完全なラボ分析を受けるのに、典型的に、数週間又は数ヶ月掛かる。従って、坑内でのその場の分析及び地表での現場分析のためのより迅速な試料分析が、必要とされている。
【0004】
一般的に、光学フィルターを用いる坑内又は現場でのスペクトル分析では、全幅半値波長分解能が、約11nmに制限されている。これらのフィルターは、近接ピーク同士を区別し、大ピークに重畳される小ピークを解像し、又は11nmよりもかなり小さい特徴を有する同位体の差異を識別するのに適していない。従って、約1〜4nm以上の高分解能で炭化水素試料を坑内及び地表の現場でスペクトル分析するのに適した分析技術が必要とされている。波長可変ダイオードレーザの製造業者は、多くの場合、0.01nm以上の分解能を主張している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前述の関連技術の欠点を解決することを意図している。本発明は、土壌穿孔穴又は抗井内に集まった濾液、炭化水素、又は塩水を問わず、地層流体試料の地表現場又は坑内でのスペクトル分析のための装置及び方法を提供する。本発明は、超高分解能分光(UHRS)用の波長可変ダイオードレーザ(TDL)を提供し、及びこれらのUHRS測定値との相関関係に基づくこのような試料の重要なパラメータの対応する評価を提供する。必要に応じて、坑内においてUHRS用のTDLを冷却するために、吸着冷却装置も設けられる。一実施形態において、炭化水素の略1650nmから1850nmの周波数帯域の全体に及ぶようにするために、又は波長可変スペクトル範囲を選択された周波数帯域内の重要な選択領域に重複させるために、複数のTDLが一組にまとめて設けられる。好ましい実施形態において、UHRS用TDLは、実時間でUHRS測定値を得て、UHRS測定値から重要なパラメータを評価するために、坑内に設けられる。他の実施形態では、TDL・UHRSは、地表現場で行なわれるか、工具内のUHRSによって行なわれるか、又は地表に取り付けられた別のUHRSシステムを介して行なわれる。本発明のTDL・UHRSは、分配パイプラインを流れるガス、流体、及びそれらの同位体を分析し、流体やガスを構成する炭化水素の純度、等級、及び同一性を決定するのにも、有用である。
【0006】
本発明を詳細に理解するには、添付の図面と関連して、以下の好ましい実施形態の詳細な説明を参照するべきである。図面において、類似の要素には、類似の番号が付されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、原油試料内の油を主成分とする泥状濾液不純物の百分率を評価することができる高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザを用いる超高分解能分光計を提供する。本発明は、原油又はガス試料内の化学基(芳香族化合物、オレフィン、飽和化合物)のモル分率又は百分率を評価するための高分解能スペクトル測定値、又はガス/油比率(GOR)を測定するための高分解能スペクトル測定値を得ることも可能にする。
【0008】
本発明は、原油試料が乾性ガス又は湿性ガスを含むかどうか(C2、C3、及びC4の量に対するC1の量)を評価するための高分解能スペクトル測定を可能にする波長可変ダイオードレーザを用いる超高分解能分光計を提供する。また、本発明は、パイプライン、精製所、又は研究所において用いられるのに適している。本発明は、メタンガス内のCO2又は原油内に溶解されているCO2を評価するための高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザに基づく超高分解能分光計を提供する。
【0009】
本発明は、原油の物理的特性(API比重、曇り点、沸点、アスファルテン沈殿物の圧力など)又は化学的特性(酸価、ニッケル、バナジウム、硫黄、水銀など)に対する改良された相関関係、又はメタンガスの13C/12C同位体比率をもたらすための高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザを用いる超高分解能分光計を提供する。
【0010】
本発明は、原油のフィタン/プリスタン比率を評価するための高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザを用いる超高分解能分光計を提供する。
【0011】
本発明は、水蒸気を液体水からその蒸気を同位体分析するために分離する薄膜を提供する。このような薄膜の例として、ダイアプレックス(Diaplex)ポリウレタン薄膜(三菱重工業)及び東レのダーミザックス(Dermizax)ポリウレタン発泡体が挙げられる。これらの薄膜は、両方とも、水を通さないが、水蒸気を浸透させる通気性がある。
【0012】
また、本発明は、液体原油からメタンガスをそのガスの同位体分析のために分離させるための(シリコンゴムなど)薄膜を提供する。本発明は、液体に対して、及び液体に溶解されているガスに対して、TDL分析を適用する。
【0013】
本発明は、原油内に溶解しているH2Sを評価するための高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザに基づく超高分解能分光計を提供する。本発明は、水の17O/18O同位体を評価するための超高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザを用いる超高分解能分光計を提供する。本発明は、略「合成」時の等級のガスクロマトグラム(C1、C2、C3などのスペクトル包絡線)を得るための高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザを用いる超高分解能分光計を提供する。本発明は、メタンガスの13C/12C同位体を評価するための高分解能スペクトル測定値を得ることを可能にする波長可変ダイオードレーザを用いる超高分解能分光計を提供する。
【0014】
本発明は、TDLの小波長範囲を、選択された波長領域においていくつかのこれらの軽量センサ(TDL)を用いることによって、補償する。本発明は、高温TDL分光計を提供する。あるいは、本発明は、常温(80℃)TDL分光計を吸着冷却によって冷却する。本発明は、光学的に透明な窓の付いた試料タンクにおいて地層流体試料の特性を分析するTDLを提供する。一実施形態において、本発明は、炭化水素帯域(1740nm)を中心とする一組の広い範囲(100〜200nm)の室温又は高温TDLを提供する。
【0015】
本発明は、坑内又は地表での分光手段によって今までは可能ではなかった試料としての地層流体又は他の流体の物理的及び化学的特性を推測するためのスペクトル測定値を得るための高分解能TDLを提供する。本発明は、TDLの迅速な波長切換え能力を利用して高分解能微分分光を行い、例えば、他の肩にあるピークを見出し、又は信号対雑音を著しく改良し、及び低分解能である従来の中赤外(MIR)及び近赤外(NIR)分光によっては可能ではない繊細な変化(例えば、10〜20ppmのH2S)を観察することができる。
【0016】
本発明は、2つの経路長(長い経路長さと短い経路長さ)を有する試料セルと、単一の光検出器を提供し、この場合、このセルは、吸光度又は透過率の測定値に関して、自己参照型セルとして機能する。本発明は、TDLビームを試料セルの薄い部分(短い経路長さ部分)と厚い部分(長い経路長さ部分)との間でシフトするための迅速なビーム偏向法(例えば、音響光学装置又は回転プリズムなど)を提供する。ここで、長い経路長さと短い経路長さとの差に等しい経路の吸光度は、長い経路を伝達した光強度に対する短い経路を伝達した光強度の比率の10を底とする対数で表される。
【0017】
本発明は、薄膜によって覆われた減圧可能又は真空排気可能なチャンバを提供する。この薄膜は、蒸気又はガスを抽出し、TDL分光計による同位体分析を可能にするために、液体と接触している。試料チャンバの流路は、ピストンを引き抜き、チャンバ容積を拡張し、チャンバ流路内の圧力を低下させることによって、真空排気され、これによって、薄膜を介して、薄膜の反対側の液体から蒸気を引き出すことができる。
【0018】
波長可変ダイオードレーザ(TDL)は、超高分解能分析(例えば、12Cメタンガスからの13Cメタンガスの分離)を提供する。米国特許第5,781,284号明細書、「流体媒体内に含まれる不純物を検出するためのシステム」は、波長可変ダイオードレーザの使用を記載しているが、スペクトル走査を行なうようなダイオードレーザの使用を記載していない。’284特許は、光を400Hzに簡単に変調し、変調された信号をバックグラウンドから区別するように、TDLを用いることを示唆している。波長が変調されるTDLを用いる代わりに、ダイオードから放射される光の強度を変調させても、米国特許第5,781,284号明細書におけるこの目的を、十分に果たし得るだろう。
【0019】
TDLの利点は、それらの高強度、著しく微小の波長可変性、及び比較的小さい寸法と重量にある。TDLの欠点は、それらが作動する可変な波長範囲が小さく(4〜10nmの可変な作動範囲が一般的であり、100nm以上の波長可変な作動範囲も次第に利用可能になっている)、及びそれらの作動の温度範囲が制限されることである(通常、80℃又は90℃以下)。そこで、本発明は、広い波長範囲に及び、その範囲内において調整される、広い作動範囲のTDL又は互いに連結したTDLの配列を提供する。好ましくは、炭化水素帯域、CO2帯域、H2S帯域、及びH2O帯域などの選択された波長領域が、TDLスペクトル範囲に対して選択され、これらの帯域内において周波数を調整する。好ましい実施形態において、本発明は、液体水の同位体又はガスの混合物内のメタンの同位体をスペクトル分離し、又は該メタンの同位体のいずれかが液体水又は原油内に溶解されている場合でも、それらのメタンの同位体をスペクトル分離する。実験室用フーリエ変換赤外(FTIR)分光計は、典型的には、100〜1000倍広いスペクトル範囲をもたらすが、FTIRは、各波長における著しく低い光強度と、著しく低い波長分解能をもたらす。FTIRの実験室用の分光計は、典型的には、1cm−1(波数)の波長の分解能をもたらし、TDLは、10−4cm−1又は10−5cm−1もの高分解能をもたらすことができる。
【0020】
TDL分光は、その高分解能と振動帯域の回転分割を分解する能力によって、ガス分光に理想的である。TDLは、使用時に、微分分光用に迅速に調整される。すなわち、TDLは、遊離基、炭素クラスター、イオン、種々の反応性金属化合物、及び弱結合錯体などの極めて反応性のある系を分析するのに有用である。
【0021】
より高温のTDL(可能な例として、量子ドット構造のTDL)分光計を製造するか、又は波長可変ダイオードレーザを坑内の吸着冷却機構又は他の冷却機構と組み合わせることによって、温度の問題が解消される。吸着冷却の場合、波長可変ダイオードレーザは、(液体又は水和物としての)水源に熱接触して配置される。この水が蒸発されるか又は水和物から離脱されるにつれ、TDLは冷却される。生じた水蒸気は、吸着剤によって吸収され、その過程において昇温する。吸着剤は、その過剰熱を、その吸着剤が工具ハウジングを介して熱接触している坑井流体に伝達する。
【0022】
本発明は、芳香族化合物、(原油内ではなく油を主成分とする泥状(OBM)濾液に一般的に存在する)オレフィン、飽和化合物、すなわち、メタン、さらに可能であれば、エタン、プロパン、及びブタンを定量化する。この高分解能分光によって、本発明は、坑内の油を主成分とする泥状の濾液不純物の百分率を決定し、特に、基油が、芳香族化合物が遊離し(原油と異なる)、オレフィン過濃であるか(ここでも、原油とは異なる)どうかを決定する。
【0023】
さらに、分解能が極めて高いので、本発明は、メタンの同位体の比率(13C/12C)又は(異なる酸素同位体用の)水の同位体の比率を決定し、CO2(例えば、1430nm=6993cm−1、1572nm=6361cm−1、1996nm=5010cm−1、2019nm=4953cm−1)又はH2S(例えば、1578nm=6337cm−1)などのガスを定量化する。
【0024】
代替的に、本発明は、一組の吸着冷却される単一波長(波長不変)ダイオードレーザを提供する。ここで、各ダイオードレーザは、注意深く選択された波長に対応し、一組の所定の固定波長における分光を行なう。
【0025】
波長可変ダイオードレーザ(TDL)は、地表及び坑内で、ガスと流体に対する極めて高い分解能の分光を行なうために、設けられる。例えば、TDLは、多くのガスの存在下で1つのガスを定量化し、又は同一ガスの異なる同位体を定量化するために、設けられる。一実施形態において、TDL光源の波長を合わせ、単一を用いることによって
【0026】
代替的に、本発明は、一組の単一波長(波長不変)ダイオードレーザを提供する。ここで、各ダイオードレーザは、注意深く選択された重要な波長に対応し、一組の所定の固定波長における分光を行なう。他の実施形態において、一組の波長可変TDLは、重要なパラメータと関連する波長に対応する一組の重要な波長の全体にわたって測定するために、設けられ、各TDLは、選択された周波数帯域と関連して波長可変である。
【0027】
次いで、図1について、説明する。図1は、坑井貫入部11の長さに沿った土壌10の断面を概略的に示している。通常、坑井は、水と、掘削流体と、坑井に貫かれている土壌地層に固有の地層流体とを含む液体の混合物によって、少なくとも部分的に満たされている。以後、このような流体混合物は、「坑井流体」と呼ばれる。「地層流体」という用語は、以後、特定の地層流体であって、その特定の地層内に自然のままでは存在しない流体によるいかなる実質的な混合物又は不純物をも除いた特定の地層流体を指す。ワイヤライン12の底端で、坑井11内に懸垂されているのは、地層流体採取工具20である。ワイヤライン12は、デリック14によって支持されたプーリ13の周囲に巻かれて保持されることが多い。ワイヤラインの導入と引き上げは、例えば、業務用トラック15によって保持された電動ウインチによって、なされる。
【0028】
本発明による採取工具20の例示的実施形態が、図2に概略的に示されている。好ましくは、このような採取工具は、相互圧縮継手23のネジ付きスリーブによって端と端が接合された数個の工具セグメントの組立体を備えている。本発明に適する工具セグメントの組立体は、流体動力ユニット21と、地層流体抽出具23とを備えているとよい。抽出具23の下方には、ラインパージのために、大押しのけ容積のモータ/ポンプ24が設けられている。大容積ポンプの下方にあるのは、図3に関してさらに発展的に記載されるような定量的に監視される小押しのけ容積を有する同様のモータ/ポンプユニット25である。通常、1つ以上の試料タンク格納区画26が、小容積ポンプの下方に組み込まれている。各格納区画26は、3つ以上の流体試料タンク30を有しているとよい。
【0029】
地層流体抽出具22は、穴壁脚28と対向している伸縮自在な吸引プローブ27を備えている。吸引プローブ27と対向する脚28は、両方とも、坑井壁に堅固に係合するように、流体的に伸縮可能である。流体抽出工具22の構造と操作の詳細は、米国特許第5,303,775号明細書に、さらに発展的に記載されている。この特許の明細書は、ここに含まれるものとする。
【0030】
次いで、図4を参照するに、本発明の好ましい実施形態は、ここでは、改良型光学シリンダ(AOC)800と呼ばれる光学的に透明な窓を有する試料タンクを備えている。このAOC800は、加圧される試料タンクと分析用上端小組立体818とをさらに備えている。加圧される試料タンクは、窒素圧力チャンバ812を有する圧力補償システム810を備えている。窒素圧力チャンバ812は、チャンバ816内で坑内捕獲された流体試料821を沸点圧力よりも高く、かつアスファルテンが試料外に沈殿する圧力よりも高く、保つのに十分な高圧を、その流体試料に加えるために、設けられている。また、AOCは、坑内捕獲、加圧、及びチャンバ816に捕獲されたガス又は流体の分析に、適している。
【0031】
AOC上端小組立体818は、地層流体試料821の重要なパラメータのTDL・UHRSによる光学分析のための1つ又は1対の高圧サファイア窓814を有している。好ましいTDL・UHRSを実施する分析モジュール738が、坑内又は地表での試料の分析のために設けられている。
【0032】
操作において、図5に示されるように、AOCは、試料タンクキャリアから取り外され、試料821の圧力が、ポンプ910を用いてピストン921の背後に加圧水920を注入することによって、安定化される。この時点で、窒素が放出され、窒素チャンバが試料チャンバから取り外され得る。TDL・UHRS及び好ましくはNIR/MIR紫外線源、又は可視光源と、TDL分光計を備える外部光学分析器830又は分析モジュール738が、現場分析又は抗内分析のために、設けられている。このような分析は、流体試料を阻害せず、又は分析のために現場から離れた研究所へ輸送するために、試料を他の運輸省(DOT)に認可されたチャンバに移送することなく、行なわれる。
【0033】
本発明の光学分析器は、好ましくは、略1500nmから2000nmの範囲の波長を用いて、流体試料を走査し、試料の不純物の百分率、ガス/油率(GOR)、密度、及びアスファルテン沈殿圧を決定する。流体試料のスペクトル分析のために、低分解能の従来の分光計、波長可変UHRS用ダイオードレーザ、及びラマン分光を行なうためのラマン散乱光を得るための単一波長検出器と関連して操作されるTDLも、設けられる。
【0034】
好ましいTDL・UHRSを実施する分析モジュール738及び関連する光学分析機器が、坑内に入る前に、AOC内に取り付けられるか又はAOCに関連付けられる。坑内操業中に、又は坑内での試料採取の操業の完了時に地表において、TDL・UHRSを用いて、ここに述べた分析を行なう。本発明のTDL・UHRSの多くの利点のいくつが、一般に知られているシステムである図6と本発明のTDL・UHRSによってもたらされる新規の設計を示す図7との比較によって、示されている。図7において、光学分析システムによる主パラメータの計算は、相対的に、殆ど即時に、すなわち、6時間未満に利用可能である。本発明による最終的なPVTレポートは、一週間未満、すなわち、一般的なシステムの場合の図6に示される6〜8週間よりも短い期間で、もたらされる。さらに、分析モジュール738と外部機器830の両方における現場機器が、ここに述べたアスファルテン沈殿、沸点、地層容積係数を決定するPVTとスペクトル分析、地層の分析、及び付加的な分析を行なうので、試料の移送が必要とされない。
【0035】
次いで、図8を参照するに、本発明の代替的実施形態が提示されている。この図は、抗内において窒素(N2)1212と静水圧1214によって加圧される試料チャンバ1210に取り付けられた分析モジュール738を含む上端小組立体818を示している。従って、本発明は、坑内で又は地表で、試料採取とTDL・UHRSによる試料分析を行なう。
【0036】
図8に示されるように、分析窓ユニットは、分析モジュール738と、波長可変ダイオードレーザ分光計1415と、吸着冷却ユニット1416とを備えている。吸着冷却ユニット1416は、2001年1月8日に、ロコ・ジフォジオ(Rocco DiFoggio)によって、「穿孔中のワイヤラインロギングと監視における抗内吸着冷却」の表題で出願された共有特許出願第09/756,764号明細書に記載されている。この特許出願は、参照することによって、その全体がここに含まれる。図9に示されるように、外部窓ユニット1510を介して地表で試料を分析するために、外部TDL・UHRS1515が、AOCに取り付けられる。
【0037】
好ましい波長可変ダイオードレーザ1415の分光計によって、本発明は、試料採取中、その前、又はその後、坑内で又は地表で、超高分解能分光を行なうことができる。吸着冷却ユニット1416が、必要に応じて、坑内において、隣接する波長可変ダイオードレーザと他の電子機器を冷却し、抗内温度の悪影響を排除する。
【0038】
次いで、図10を参照するに、本発明の好ましい実施形態が示されている。好ましい実施形態において、TDL1608又は多数のTDL1609が、スペクトル検出器1606又は多数のスペクトル検出器1606aに沿って、設けられている。TDLを制御し、カラーシフター1603などの全ての電子機器を制御し、及び試料採取又は測定検出器1606の測定値を読み取るためのプロセッサが設けられている。また、このプロセッサは、ビーム偏向器1610を、TDLからのビームを短い試料経路1604と長い試料経路1602との間で偏向し、2つの経路間の比率を決定するように、制御する。単一波長検出器1603が、流体のラマン分光を行い、ガス又は液体試料における窒素と他の赤外不活性成分の検出を可能にするために、設けられている。
【0039】
付加的なTDL1609が、測定可能なスペクトル成分に関するピークに対して試料を分析し、又は選択された測定成分からの重要なパラメータを評価するために、該当する波長に選択される。プロセッサ1611内に存在し、重要なパラメータと測定されたスペクトルとの相関関係に基づいて展開される学習ニューラルネットワーク又は計量化学式を用いて、TDLを用いてスペクトルを測定した流体又はガス試料の重要なパラメータ(GOR、API比重など)を評価する。
【0040】
薄膜1616が、必要に応じて、試料流路内において液体を蒸気から分離するために、随意的に設けられる。試料流路1600を真空排気し、蒸気を薄膜1616を超えて試料流路内に引込み、その流路内においてのみガスを分析するために、ピストン1617が設けられている。
【0041】
次いで、図11を参照するに、本発明の代替例において、波長可変ダイオードレーザ分光計プローブ1110が試料821内に挿入され、TDL源1611から光を送り、受光器1612を用いて、戻り光を受光し、試料821の光学的特性を決定する。TDL源と受光器1646は、光を光学窓814を介して試料821と窓814との界面1111に送り、液体/窓界面1111での反射された光を測定し、試料の反射スペクトルを決定する。
【0042】
他の実施形態において、本発明の方法は、コンピュータ読み取り可能な媒体、例えば、ROM、RAM、CO−ROM、フラッシュ、又は現在知られているか又は知られていない他のコンピュータ読み取り可能な媒体に含まれるセットコンピュータによって実行可能な命令として、実施され、この命令が実行されると、コンピュータは、本発明の方法を実施する。
【0043】
前述の開示は、本発明の好ましい実施形態を対象としているが、当業者にとって、種々の修正形態が明らかだろう。添付の請求項の範囲内の変更は、全て、前述の開示に包含されることが、意図されている。本発明のより重要な特徴の例は、それらに続く本発明の詳細な説明が良好に理解されるために、及び当該技術への寄与が理解され得るために、むしろ広く要約されている。勿論、以下に記載され、添付の請求項の主題をなし得る本発明のさらに他の特徴もある。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の作用環境を示す土壌断面の概略図である。
【図2】協同作用する支持工具を有する作動組立体の形態にある本発明の概略図である。
【図3】代表的な地層流体の抽出及び供給システムの概略図である。
【図4】好ましい試料チャンバと分析用上端小組立体を示す図である。
【図5】外部ユニットによる分析用の試料を加圧する水ポンプを有する代替的実施形態を示す図である。
【図6】一般的な現在の分析手順を示す図である。
【図7】本発明によってもたらされる新規の改良手順を示す図である。
【図8】代替的実施形態を示す図である。
【図9】他の代替的実施形態を示す図である。
【図10】波長可変ダイオードレーザ分光計の好ましい実施形態の概略図である。
【図11】光学プローブに取り付けられた波長可変ダイオードレーザを用いて反射スペクトルを決定するための代替的実施形態を例示する図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体試料の重要なパラメータを監視するための抗内装置において、
流体試料を含むためのチャンバを含む坑内工具と、
前記流体試料を分析し、前記流体試料の重要な第1パラメータを決定するための波長可変ダイオードレーザ分光計と
を備える坑内装置。
【請求項2】
蒸気の同位体分析のために、蒸気を液体から分離するための薄膜をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流体試料に関連する周波数帯域を分析するための複数の波長可変ダイオードレーザをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項4】
単一波長検出器と組み合わされた前記波長可変ダイオードレーザは、前記流体試料を分析するためのラマン分光計として機能する請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記波長可変ダイオードレーザ分光計の測定値から重要なパラメータを評価するためのニューラルネットワーク、計量化学式、又は最小平均二乗重ね合わせをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項6】
ラマン分光は、単一波長検出器を用いて、前記試料に入る光の波長を調整し、ラマンシフト光を測定することによって、行われる請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記波長可変ダイオードレーザの波長は、高周波数で変調され、微分分光計をもたらす請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記流体試料の重要な第1パラメータから前記流体試料の重要な第2パラメータを評価するためのニューラルネットワークをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記流体試料の重要な前記第1パラメータから前記流体試料の重要な第2パラメータを評価するための計量化学式をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記波長可変ダイオード分光計は、実質的に1650〜1850nmの炭化水素の周波数帯域にわたって、測定を行なう請求項1に記載の装置。
【請求項11】
坑内流体試料のための重要なパラメータを監視するための方法において、
流体試料を坑内でチャンバ内に含むステップと、
波長可変ダイオードレーザによる超高分解能分光計によって、前記流体試料をスペクトル分析し、前記流体試料の重要な第1パラメータを決定するステップと、を含む方法。
【請求項12】
液体から蒸気をその蒸気を分析するために薄膜を介して分離するステップをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記流体試料のスペクトル周波数帯域を分析するステップをさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項14】
TDLからの光の波長をシフトするステップと、
単一波長検出器を用いて、流体試料のラマンスペクトルを分析するステップと、をさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ニューラルネットワーク、計量化学式、又は最小平均二乗重ね合わせなどのソフトモデリング技術を用いて、前記波長可変ダイオードレーザ分光計の測定値から重要なパラメータを評価するステップをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記試料内に入る光の波長がシフトされ、単一波長が検出される請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記波長可変ダイオードレーザは、微分分光計として用いるために、変調される請求項11に記載の方法。
【請求項18】
ニューラルネットワークを用いて、前記流体試料の重要な第1パラメータから前記流体試料の重要な第2パラメータを評価することをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項19】
計量化学式を用いて、前記流体試料の重要な第1パラメータから前記流体試料の重要な第2パラメータを評価するステップをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項20】
実質的に1650〜1850nmの炭化水素の周波数帯域にわたって、波長可変ダイオードスペクトル測定を行なうことによって、前記流体試料をスペクトル分析するステップをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項21】
コンピュータによって実行されたとき、坑内流体試料の重要なパラメータを監視するための方法を行なうコンピュータ命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体において、前記方法が、
流体を坑内でチャンバ内に含むステップと、
波長可変ダイオードレーザ超高分解能分光計によって前記流体試料をスペクトル分析し、前記流体試料の重要な第1パラメータを決定するステップと、を含む媒体。
【請求項22】
液体から蒸気をその蒸気を分析するために分離させることをさらに含む請求項21に記載の媒体。
【請求項23】
前記流体試料をスペクトル周波数帯域にわたって分析することをさらに含む請求項21に記載の媒体。
【請求項24】
TDLからの光の波長をシフトさせること、及び
単一波長検出器を用いて、前記流体試料のラマンスペクトルを分析すること
をさらに含む請求項21に記載の媒体。
【請求項25】
ニューラルネットワーク、計量化学式、又は最小平均二乗重ね合わせなどのソフトモデリング技術を用いて、前記波長可変ダイオードレーザ分光計の測定値から重要なパラメータを評価することをさらに含む請求項21に記載の媒体。
【請求項26】
単一波長におけるラマンシフトされた光が検出される間、前記試料に入る光の波長が掃引される請求項23に記載の媒体。
【請求項27】
前記波長可変ダイオードレーザの波長は、微分分光計として用いるために、変調される請求項21に記載の媒体。
【請求項28】
ニューラルネットワークを用いて、前記流体試料の重要な第1パラメータから前記流体試料の重要な第2パラメータを評価することをさらに含む請求項21に記載の媒体。
【請求項29】
計量化学式を用いて、前記流体試料の重要な前記第1パラメータから前記流体試料の重要な第2パラメータを評価することをさらに含む請求項21に記載の媒体。
【請求項30】
実質的に1650〜1850nmの炭化水素の周波数帯域にわたって、波長可変ダイオードスペクトル測定を行なうことによって、前記流体試料をスペクトル分析することをさらに含む請求項21に記載の媒体。
【請求項31】
坑内流体試料の重要なパラメータを監視するためのシステムにおいて、
坑内工具を配置するための地表制御装置と、
流体試料を含む前記坑内工具内のチャンバと、
前記流体試料を分析し、前記流体試料の重要な第1パラメータを決定する波長可変ダイオードレーザ分光計と
を備えるシステム。
【請求項1】
流体試料の重要なパラメータを監視するための抗内装置において、
流体試料を含むためのチャンバを含む坑内工具と、
前記流体試料を分析し、前記流体試料の重要な第1パラメータを決定するための波長可変ダイオードレーザ分光計と
を備える坑内装置。
【請求項2】
蒸気の同位体分析のために、蒸気を液体から分離するための薄膜をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流体試料に関連する周波数帯域を分析するための複数の波長可変ダイオードレーザをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項4】
単一波長検出器と組み合わされた前記波長可変ダイオードレーザは、前記流体試料を分析するためのラマン分光計として機能する請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記波長可変ダイオードレーザ分光計の測定値から重要なパラメータを評価するためのニューラルネットワーク、計量化学式、又は最小平均二乗重ね合わせをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項6】
ラマン分光は、単一波長検出器を用いて、前記試料に入る光の波長を調整し、ラマンシフト光を測定することによって、行われる請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記波長可変ダイオードレーザの波長は、高周波数で変調され、微分分光計をもたらす請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記流体試料の重要な第1パラメータから前記流体試料の重要な第2パラメータを評価するためのニューラルネットワークをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記流体試料の重要な前記第1パラメータから前記流体試料の重要な第2パラメータを評価するための計量化学式をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記波長可変ダイオード分光計は、実質的に1650〜1850nmの炭化水素の周波数帯域にわたって、測定を行なう請求項1に記載の装置。
【請求項11】
坑内流体試料のための重要なパラメータを監視するための方法において、
流体試料を坑内でチャンバ内に含むステップと、
波長可変ダイオードレーザによる超高分解能分光計によって、前記流体試料をスペクトル分析し、前記流体試料の重要な第1パラメータを決定するステップと、を含む方法。
【請求項12】
液体から蒸気をその蒸気を分析するために薄膜を介して分離するステップをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記流体試料のスペクトル周波数帯域を分析するステップをさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項14】
TDLからの光の波長をシフトするステップと、
単一波長検出器を用いて、流体試料のラマンスペクトルを分析するステップと、をさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ニューラルネットワーク、計量化学式、又は最小平均二乗重ね合わせなどのソフトモデリング技術を用いて、前記波長可変ダイオードレーザ分光計の測定値から重要なパラメータを評価するステップをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記試料内に入る光の波長がシフトされ、単一波長が検出される請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記波長可変ダイオードレーザは、微分分光計として用いるために、変調される請求項11に記載の方法。
【請求項18】
ニューラルネットワークを用いて、前記流体試料の重要な第1パラメータから前記流体試料の重要な第2パラメータを評価することをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項19】
計量化学式を用いて、前記流体試料の重要な第1パラメータから前記流体試料の重要な第2パラメータを評価するステップをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項20】
実質的に1650〜1850nmの炭化水素の周波数帯域にわたって、波長可変ダイオードスペクトル測定を行なうことによって、前記流体試料をスペクトル分析するステップをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項21】
コンピュータによって実行されたとき、坑内流体試料の重要なパラメータを監視するための方法を行なうコンピュータ命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体において、前記方法が、
流体を坑内でチャンバ内に含むステップと、
波長可変ダイオードレーザ超高分解能分光計によって前記流体試料をスペクトル分析し、前記流体試料の重要な第1パラメータを決定するステップと、を含む媒体。
【請求項22】
液体から蒸気をその蒸気を分析するために分離させることをさらに含む請求項21に記載の媒体。
【請求項23】
前記流体試料をスペクトル周波数帯域にわたって分析することをさらに含む請求項21に記載の媒体。
【請求項24】
TDLからの光の波長をシフトさせること、及び
単一波長検出器を用いて、前記流体試料のラマンスペクトルを分析すること
をさらに含む請求項21に記載の媒体。
【請求項25】
ニューラルネットワーク、計量化学式、又は最小平均二乗重ね合わせなどのソフトモデリング技術を用いて、前記波長可変ダイオードレーザ分光計の測定値から重要なパラメータを評価することをさらに含む請求項21に記載の媒体。
【請求項26】
単一波長におけるラマンシフトされた光が検出される間、前記試料に入る光の波長が掃引される請求項23に記載の媒体。
【請求項27】
前記波長可変ダイオードレーザの波長は、微分分光計として用いるために、変調される請求項21に記載の媒体。
【請求項28】
ニューラルネットワークを用いて、前記流体試料の重要な第1パラメータから前記流体試料の重要な第2パラメータを評価することをさらに含む請求項21に記載の媒体。
【請求項29】
計量化学式を用いて、前記流体試料の重要な前記第1パラメータから前記流体試料の重要な第2パラメータを評価することをさらに含む請求項21に記載の媒体。
【請求項30】
実質的に1650〜1850nmの炭化水素の周波数帯域にわたって、波長可変ダイオードスペクトル測定を行なうことによって、前記流体試料をスペクトル分析することをさらに含む請求項21に記載の媒体。
【請求項31】
坑内流体試料の重要なパラメータを監視するためのシステムにおいて、
坑内工具を配置するための地表制御装置と、
流体試料を含む前記坑内工具内のチャンバと、
前記流体試料を分析し、前記流体試料の重要な第1パラメータを決定する波長可変ダイオードレーザ分光計と
を備えるシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−502432(P2007−502432A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532566(P2006−532566)
【出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/013887
【国際公開番号】WO2004/102169
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(301008534)ベイカー ヒューズ インコーポレイテッド (21)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/013887
【国際公開番号】WO2004/102169
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(301008534)ベイカー ヒューズ インコーポレイテッド (21)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]